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特開2024-104363自動取引装置、紙幣取扱方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104363
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】自動取引装置、紙幣取扱方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/25 20190101AFI20240729BHJP
   G07D 11/13 20190101ALI20240729BHJP
   G07D 11/18 20190101ALI20240729BHJP
   G07D 11/34 20190101ALI20240729BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G07D11/25
G07D11/13
G07D11/18
G07D11/34
G07F19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008520
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】千喜良 健一
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141BA07
3E141CA02
3E141CA16
3E141FA06
3E141FB01
3E141FC03
3E141FC16
3E141FG11
(57)【要約】
【課題】紙幣の収納先がフルになることで発生する取引休止や処理中断の抑止、並びに、より効率的な旧紙幣回収を可能にする。
【解決手段】自動取引装置は、特定の金種の紙幣が収納され、新紙幣が優先的に収納される第1スタッカと、上記特定の金種の紙幣が収納され、旧紙幣が優先的に収納される第2スタッカと、紙幣の取り扱いを制御する制御部とを備え、制御部は、入金紙幣の中に上記特定の金種の旧紙幣が含まれている場合であって当該旧紙幣の全てを第2スタッカに収納できない場合に、当該旧紙幣の全てのうち、第2スタッカに収納できる分の旧紙幣を第2スタッカに収納し、残りの旧紙幣を第1スタッカに収納するように制御する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の金種の紙幣が収納され、新紙幣が優先的に収納される第1スタッカと、
前記特定の金種の紙幣が収納され、旧紙幣が優先的に収納される第2スタッカと、
紙幣の取り扱いを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、入金紙幣の中に前記特定の金種の旧紙幣が含まれている場合であって当該旧紙幣の全てを前記第2スタッカに収納できない場合に、当該旧紙幣の全てのうち、前記第2スタッカに収納できる分の旧紙幣を前記第2スタッカに収納し、残りの旧紙幣を前記第1スタッカに収納するように制御する、
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記制御部は、入金紙幣の中に前記特定の金種の新紙幣が含まれている場合であって当該新紙幣の全てを前記第1スタッカに収納できない場合に、当該新紙幣の全てのうち、前記第1スタッカに収納できる分の新紙幣を前記第1スタッカに収納し、残りの新紙幣を前記第2スタッカに収納するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1スタッカに収納されている紙幣の中に旧紙幣が含まれている場合に、当該旧紙幣を前記第2スタッカに移動させるように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2スタッカに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合に、当該新紙幣を前記第1スタッカに移動させるように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2スタッカに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合であって前記特定の金種の紙幣の出金が行われる場合に、前記第2スタッカに収納されている前記新紙幣を出金するように制御すると共に、前記新紙幣の出金だけでは出金金額に達しない場合に不足分の新紙幣を前記第1スタッカから出金するように制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動取引装置。
【請求項6】
回収される旧紙幣が収納される回収カセット、
を更に備え、
前記制御部は、前記第1スタッカに収納されている紙幣の中に旧紙幣が含まれている場合であって前記特定の金種の旧紙幣の回収が行われる場合に、前記第1スタッカに収納されている前記旧紙幣を前記回収カセットに移動させるように制御すると共に、前記第2スタッカに収納されている旧紙幣を前記回収カセットに移動させるように制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の自動取引装置。
【請求項7】
リジェクト紙幣が収納されるリジェクトボックス、
を更に備え、
前記制御部は、前記第1スタッカ及び前記第2スタッカに収納されている前記旧紙幣の全てを前記回収カセットに収納することができない場合に、前記旧紙幣の全てのうち、前記回収カセットに収納できる分の旧紙幣を前記回収カセットに移動させ、残りの旧紙幣を前記リジェクトボックスに移動させるように制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の自動取引装置。
【請求項8】
回収される旧紙幣が収納される回収カセット、
を更に備え、
前記制御部は、前記第2スタッカに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合であって前記特定の金種の旧紙幣の回収が行われる場合に、前記第2スタッカに収納されている前記新紙幣を前記第1スタッカに移動させるように制御すると共に、前記第2スタッカに収納されている旧紙幣を前記回収カセットに移動させるように制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の自動取引装置。
【請求項9】
特定の金種の紙幣が収納され、新紙幣が優先的に収納される第1スタッカと、前記特定の金種の紙幣が収納され、旧紙幣が優先的に収納される第2スタッカと、を備える自動取引装置は、
入金紙幣の中に前記特定の金種の旧紙幣が含まれている場合であって前記旧紙幣の全てを前記第2スタッカに収納できない場合に、前記旧紙幣の全てのうち、前記第2スタッカに収納できる分の旧紙幣を前記第2スタッカに収納し、残りの旧紙幣を前記第1スタッカに収納する、
ことを特徴とする紙幣取扱方法。
【請求項10】
特定の金種の紙幣が収納され、新紙幣が優先的に収納される第1スタッカと、前記特定の金種の紙幣が収納され、旧紙幣が優先的に収納される第2スタッカと、を備える自動取引装置に、
入金紙幣の中に前記特定の金種の旧紙幣が含まれている場合であって前記旧紙幣の全てを前記第2スタッカに収納できない場合に、前記旧紙幣の全てのうち、前記第2スタッカに収納できる分の旧紙幣を前記第2スタッカに収納し、残りの旧紙幣を前記第1スタッカに収納する、
という処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置、紙幣取扱方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新紙幣と旧紙幣を取り扱う自動取引装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、同一金種の紙幣を収納する2つの紙幣収納カセットに旧紙幣と新紙幣を混在した状態で収納して、一方の紙幣収納カセットが空になるまで、その一方の紙幣収納カセットを使用して入金、出金取引を行い、その一方の紙幣収納カセットが空になったとき、総出金枚数に対する新紙幣の割合を算出して、その割合が基準値以上の場合、空になった紙幣収納カセットを旧紙幣回収カセットとして、以後の出金取引では他方の紙幣収納カセットから紙幣を出金し、入金取引では旧紙幣を旧紙幣回収カセットに収納すると共に、新紙幣を他方の紙幣収納カセットに収納する自動取引装置が記載されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、新札を収納する第1の入出金カセットと旧札を収納する第2の入出金カセットとを備え、紙幣回収時には、第2の入出金カセットに収納された紙幣を優先して回収するように制御し、紙幣出金時には、第1の入出金カセットに収納された紙幣を優先して出金するように制御する紙幣処理装置を備えたATM(Automated Teller Machine)が記載されている。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、新紙幣に対応するATMを制御するATM制御装置であって、現時点での新紙幣流通量に適した新紙幣と旧紙幣の扱いの運用モードを検出し、ATMにおける新紙幣と旧紙幣の扱いの運用モードを、検出された新紙幣と旧紙幣の扱いの運用モードに切り替えるATM制御装置が記載されている。
【0006】
また、例えば、特許文献4には、新紙幣と旧紙幣との流通割合に応じて紙幣運用モードを切り替えることにより新紙幣と旧紙幣とを並行使用する取引を行う自動取引装置が記載されている。
【0007】
また、例えば、特許文献5には、紙幣の入出金を行う自動機に備えられる紙幣処理装置であって、新旧の紙幣の分別を行う鑑別手段と、分別された新紙幣を収容するスタッカ手段と、分別された旧紙幣を収容する旧紙幣回収手段とを備える紙幣処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012-014512号公報
【特許文献2】特開2007-293770号公報
【特許文献3】特開2005-339320号公報
【特許文献4】特開2004-252941号公報
【特許文献5】特開2004-213289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
新紙幣と旧紙幣を取り扱う自動取引装置では、紙幣の収納先がフルになることで発生する取引休止や処理中断の抑止が望まれる。また、より効率的な旧紙幣回収も望まれる。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑み、紙幣の収納先がフルになることで発生する取引休止や処理中断の抑止、並びに、より効率的な旧紙幣回収を可能にする自動取引装置、紙幣取扱方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
装置の一観点は、特定の金種の紙幣が収納され、新紙幣が優先的に収納される第1スタッカと、前記特定の金種の紙幣が収納され、旧紙幣が優先的に収納される第2スタッカと、紙幣の取り扱いを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、入金紙幣の中に前記特定の金種の旧紙幣が含まれている場合であって当該旧紙幣の全てを前記第2スタッカに収納できない場合に、当該旧紙幣の全てのうち、前記第2スタッカに収納できる分の旧紙幣を前記第2スタッカに収納し、残りの旧紙幣を前記第1スタッカに収納するように制御する、自動取引装置である。
【0012】
方法の一観点は、特定の金種の紙幣が収納され、新紙幣が優先的に収納される第1スタッカと、前記特定の金種の紙幣が収納され、旧紙幣が優先的に収納される第2スタッカと、を備える自動取引装置は、入金紙幣の中に前記特定の金種の旧紙幣が含まれている場合であって前記旧紙幣の全てを前記第2スタッカに収納できない場合に、前記旧紙幣の全てのうち、前記第2スタッカに収納できる分の旧紙幣を前記第2スタッカに収納し、残りの旧紙幣を前記第1スタッカに収納する、紙幣取扱方法である。
【0013】
プログラムの一観点は、特定の金種の紙幣が収納され、新紙幣が優先的に収納される第1スタッカと、前記特定の金種の紙幣が収納され、旧紙幣が優先的に収納される第2スタッカと、を備える自動取引装置に、入金紙幣の中に前記特定の金種の旧紙幣が含まれている場合であって前記旧紙幣の全てを前記第2スタッカに収納できない場合に、前記旧紙幣の全てのうち、前記第2スタッカに収納できる分の旧紙幣を前記第2スタッカに収納し、残りの旧紙幣を前記第1スタッカに収納する、という処理を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紙幣の収納先がフルになることで発生する取引休止や処理中断の抑止、並びに、より効率的な旧紙幣回収が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施の形態に係る自動取引装置の機能構成を例示する図である。
図2】一実施の形態に係る自動取引装置の外観構成を例示する図である。
図3】一実施の形態に係る自動取引装置のハードウェア構成を例示する図である。
図4】紙幣処理ユニットの概略構成を例示する図である。
図5】紙幣処理ユニットでの入金時の紙幣の流れを例示する図である。
図6】紙幣処理ユニットでの出金時の紙幣の流れを例示する図である。
図7】取引処理の流れを例示するフローチャートである。
図8】顧客待機中処理の流れを例示するフローチャートである。
図9】カセットF及びカセットRに対する処理の流れを例示するフローチャートである。
図10A】入金取引処理の流れを例示するフローチャートである。
図10B】入金取引処理の流れを例示するフローチャートである。
図11A】出金取引処理の流れを例示するフローチャートである。
図11B】出金取引処理の流れを例示するフローチャートである。
図12A】旧紙幣回収処理の流れを例示するフローチャートである。
図12B】旧紙幣回収処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、一実施の形態に係る自動取引装置の機能構成を例示する図である。
【0018】
図1に例示した自動取引装置1の機能構成は、自動取引装置1が備える紙幣取扱機能に関する機能構成を示すものであり、自動取引装置1が備える他の機能に関する機能構成については図示を省略している。紙幣取扱機能は、新紙幣と旧紙幣を取り扱う機能である。
【0019】
図1に例示した自動取引装置1は、第1スタッカ2a、第2スタッカ2b、回収カセット3、リジェクトボックス4、及び制御部5を備える。
【0020】
第1スタッカ2aと第2スタッカ2bは、同一の特定の金種(例えば万券)の紙幣が収納されるスタッカであり、第1スタッカ2aには新紙幣が優先的に収納され、第2スタッカ2bには旧紙幣が優先的に収納される。回収カセット3は、回収される旧紙幣が収納されるカセットである。リジェクトボックス4は、リジェクト紙幣が収納されるボックスである。制御部5は、紙幣の取り扱いを制御する。
【0021】
制御部5は、例えば、入金紙幣の中に上記特定の金種(例えば万券)の旧紙幣が含まれている場合であって当該旧紙幣の全てを第2スタッカ2bに収納できない場合に、当該旧紙幣の全てのうち、第2スタッカ2bに収納できる分の旧紙幣を第2スタッカ2bに収納し、残りの旧紙幣を第1スタッカ2aに収納するように制御する。
【0022】
また、制御部5は、例えば、入金紙幣の中に上記特定の金種(例えば万券)の新紙幣が含まれている場合であって当該新紙幣の全てを第1スタッカ2aに収納できない場合に、当該新紙幣の全てのうち、第1スタッカ2aに収納できる分の新紙幣を第1スタッカ2aに収納し、残りの新紙幣を第2スタッカ2bに収納するように制御する。
【0023】
また、制御部5は、例えば、第1スタッカ2aに収納されている紙幣の中に旧紙幣が含まれている場合に、当該旧紙幣を第2スタッカ2bに移動させるように制御する。
【0024】
また、制御部5は、例えば、第2スタッカ2bに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合に、当該新紙幣を第1スタッカ2aに移動させるように制御する。
【0025】
また、制御部5は、例えば、第2スタッカ2bに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合であって上記特定の金種(例えば万券)の紙幣の出金が行われる場合に、第2スタッカ2bに収納されている新紙幣を出金するように制御すると共に、当該新紙幣の出金だけでは出金金額に達しない場合に不足分の新紙幣を第1スタッカ2aから出金するように制御する。
【0026】
また、制御部5は、例えば、第1スタッカ2aに収納されている紙幣の中に旧紙幣が含まれている場合であって上記特定の金種(例えば万券)の旧紙幣の回収が行われる場合に、第1スタッカ2aに収納されている旧紙幣を回収カセット3に移動させるように制御すると共に、第2スタッカ2bに収納されている旧紙幣を回収カセット3に移動させるように制御する。ここで、制御部5は、第1スタッカ2a及び第2スタッカ2bに収納されている旧紙幣の全てを回収カセット3に収納することができない場合に、当該旧紙幣の全てのうち、回収カセット3に収納できる分の旧紙幣を回収カセット3に移動させ、残りの旧紙幣をリジェクトボックス4に移動させるように制御する。
【0027】
また、制御部5は、例えば、第2スタッカ2bに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合であって上記特定の金種(例えば万券)の旧紙幣の回収が行われる場合に、第2スタッカ2bに収納されている新紙幣を第1スタッカ2aに移動させるように制御すると共に、第2スタッカ2bに収納されている旧紙幣を回収カセット3に移動させるように制御する。
【0028】
このような紙幣取扱機能を備えた自動取引装置1によれば、紙幣の収納先(例えば、第1スタッカ2a、第2スタッカ2b、又は回収カセット3)がフルになることで発生する取引休止や処理中断の抑止、並びに、より効率的な旧紙幣回収が可能になる。以下、このような自動取引装置1について、より具体的に説明する。
【0029】
図2は、一実施の形態に係る自動取引装置の外観構成を例示する図である。
【0030】
図2に例示した自動取引装置1は、例えば、銀行等の金融機関の店舗やコンビニエンスストアの店舗等に設置されるATMである。この自動取引装置1は、通帳挿入排出部11、カード挿入排出部12、硬貨入出金部13、紙幣入出金部14、及び表示入力ユニット15を備える。
【0031】
通帳挿入排出部11は、通帳の受け付け及び返却を行う。カード挿入排出部12は、取引に使用されるカード(キャッシュカード等)の受け付け及び返却を行う。また、カード挿入排出部12は、取引明細が印刷されたレシートの排出も行う。硬貨入出金部13は、入金硬貨の受け付け及び出金硬貨の排出を行う。紙幣入出金部14は、入金紙幣の受け付け及び出金紙幣の排出を行う。表示入力ユニット15は、取引画面等の各種画面の表示や、顧客等からの入力操作の受け付けを行う。
【0032】
図3は、一実施の形態に係る自動取引装置のハードウェア構成を例示する図である。
【0033】
図3に例示した自動取引装置1は、制御ユニット21、上述の表示入力ユニット15、通帳処理ユニット22、カード処理ユニット23、硬貨処理ユニット24、及び紙幣処理ユニット25を備える。
【0034】
制御ユニット21は、プロセッサ211、RAM(Random Access Memory)212、通信インタフェース213、グラフィック処理ユニット214、記憶装置215、及び入出力インタフェース216を備え、それらはバス217で相互に接続されている。また、図示はしないが、制御ユニット21は、バス217に接続されるFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を更に備えてもよい。この場合は、制御ユニット21の機能の一部をFPGAやASIC等が提供してもよい。
【0035】
プロセッサ211は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。プロセッサ211は、OS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行することにより、自動取引装置1の各部を制御して自動取引装置1の全体動作を制御する。なお、プロセッサ211の一部の機能は、上述の制御部5の機能を提供する。
【0036】
RAM212は、プロセッサ211により実行されるプログラムの一部が一時的に格納されたり、プロセッサ211の作業用記憶領域として使用されたりする。
【0037】
通信インタフェース213は、図示しないネットワークに接続され、当該ネットワークを介して図示しない外部装置(例えばホストコンピュータ)と通信を行う。
【0038】
グラフィック処理ユニット214は、表示入力ユニット15の表示装置15aと接続され、プロセッサ211からの制御信号に従って、取引画面等の各種画面を表示装置15aに表示させる。
【0039】
記憶装置215は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であり、プロセッサ211により実行される各種のプログラムやプログラムの実行に必要な各種データ等が記憶される。
【0040】
入出力インタフェース216は、表示入力ユニット15のタッチパネル15b、通帳処理ユニット22、カード処理ユニット23、硬貨処理ユニット24、及び紙幣処理ユニット25と接続され、それらとの間で信号の入出力を行う。なお、入出力インタフェース216は、可搬型記憶媒体に対する情報の書き込みや読み出しが可能な可搬型記憶媒体インタフェースと更に接続されてもよい。
【0041】
表示入力ユニット15は、表示装置15aと当該表示装置15a上に配置されたタッチパネル15bとを備えるタッチパネル付きディスプレイである。表示装置15aは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であり、取引画面等の各種画面を表示する。タッチパネル15bは、当該タッチパネル15bに対する入力操作を検出し、その検出結果に応じた信号を制御ユニット21に出力する。
【0042】
通帳処理ユニット22は、通帳を通帳挿入排出部11から挿入、排出する。また、挿入された通帳が有する磁気ストライプに記録された情報の読み出しや、通帳記入等を行う。
【0043】
カード処理ユニット23は、カード挿入排出部12で受け付けたカードを取り込み、取り込んだカードをカード挿入排出部12から排出する。また、取り込んだカードが有する磁気ストライプやICチップに対する情報の読み出しや書き込みを行う。また、カード処理ユニット23は、取引明細をレシートに印刷してカード挿入排出部12から排出する。
【0044】
硬貨処理ユニット24は、硬貨の鑑別、収納を行う。また、硬貨を硬貨入出金部13から入出金する。紙幣処理ユニット25は、紙幣の鑑別、収納を行う。また、紙幣を紙幣入出金部14から入出金する。
【0045】
図4は、紙幣処理ユニットの概略構成を例示する図である。
【0046】
図4に例示した紙幣処理ユニット25は、上述の紙幣入出金部14、一時保留部251、鑑別部252、スタッカA253a、スタッカB253b、スタッカC253c、スタッカD253d、カセットF254f、カセットR254r、運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)255a、及び運用リジェクトボックスB(運用RJ-B)255bと、その各部間で紙幣を搬送する搬送路を備える。
【0047】
一時保留部251は、入金紙幣が一時的に収納される収納庫である。
【0048】
鑑別部252は、紙幣の真贋、金種、新旧、及び状態等を鑑別する。
【0049】
スタッカA253aとスタッカB253bは、万券の紙幣が収納されるスタッカである。但し、スタッカA253aには万券の新紙幣が優先的に収納され、スタッカB253bには万券の旧紙幣が優先的に収納される。
【0050】
スタッカC253cとスタッカD253dは、千券の紙幣が収納されるスタッカである。但し、スタッカC253cには千券の新紙幣が優先的に収納され、スタッカD253dには千券の旧紙幣が優先的に収納される。
【0051】
カセットF254fとカセットR254rは、回収紙幣が収納されるカセットである。但し、カセットF254fは回収紙幣が収納される優先度が低いカセットであり、カセットR254rは回収紙幣が収納される優先度が高いカセットである。なお、カセットF254fとカセットR254rは、補充紙幣が収納(装填)されるカセットでもある。但し、カセットF254fは補充紙幣が収納される優先度が高いカセットであり、カセットR254rは補充紙幣が収納される優先度が低いカセットである。
【0052】
運用リジェクトボックスA255aと運用リジェクトボックスB255bは、運用中のリジェクト紙幣が収納(回収)されるボックスである。
【0053】
なお、スタッカA253aとスタッカB253b、又は、スタッカC253cとスタッカD253dは、上述の第1スタッカ2aと第2スタッカ2bの機能を提供する。カセットF254f又はカセットR254rは、上述の回収カセット3の機能を提供する。運用リジェクトボックスA255a又は運用リジェクトボックスB255bは、上述のリジェクトボックス4の機能を提供する。
【0054】
図5は、紙幣処理ユニットでの入金時の紙幣の流れを例示する図である。
【0055】
図5に例示した入金時の紙幣の流れでは、紙幣入出金部14で受け付けられた入金紙幣は、まず、点線矢印で示したように、紙幣入出金部14から鑑別部252に搬送されて鑑別部252による鑑別(一次鑑別)が行われた後、一時保留部251に搬送される。そして、一時保留部251に搬送された入金紙幣は、実線矢印で示したように、再び鑑別部252に搬送されて鑑別部252による鑑別が行われた後、その鑑別結果等に応じて、スタッカA253a、スタッカB253b、スタッカC253c、スタッカD253d、運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)255a、運用リジェクトボックスB(運用RJ-B)255b、カセットF254f、及びカセットR254rのうちの一つ以上に搬送されて収納される。
【0056】
図6は、紙幣処理ユニットでの出金時の紙幣の流れを例示する図である。
【0057】
図6に例示した出金時の紙幣の流れでは、実線矢印で示したように、スタッカA253a、スタッカB253b、スタッカC253c、及びスタッカD253dのうちの一つ以上から繰り出された出金紙幣は、鑑別部252に搬送されて鑑別部252による鑑別が行われた後、紙幣入出金部14に搬送されて紙幣入出金部14から排出される。
【0058】
次に、図7乃至図12Bを用いて、自動取引装置1が行う処理について説明する。ここでは、自動取引装置1が備える紙幣取扱機能に関係する処理を中心に説明する。そのため、例えば、取引処理で一般的に行われるカードの挿入、排出や、暗証番号の入力等の説明は省略する。
【0059】
また、自動取引装置1では、スタッカA253a、スタッカB253b、スタッカC253c、スタッカD253d、カセットF254f、カセットR254r、運用リジェクトボックスA255a、及び運用リジェクトボックスB255bの各々に収納されている紙幣の枚数、金種、新旧、収納順番等に関する紙幣収納情報が、制御ユニット21(プロセッサ211)によって管理されているものとする。この場合、紙幣収納情報は、例えば、記憶装置215に記憶される。これにより、例えば、スタッカA253aに旧紙幣が収納されているか、スタッカA253aに収納されている旧紙幣が何番目に収納されているか、スタッカB253bに新紙幣が収納されているか、スタッカB253bに収納されている新紙幣が何番目に収納されているか、等といったことを紙幣収納情報に基づいて判定することができる。なお、このような判定は、紙幣収納情報を用いずに、その都度、収納されている紙幣を鑑別部252で鑑別することで行われてもよい。
【0060】
図7は、取引処理の流れを例示するフローチャートである。図8は、顧客待機中処理の流れを例示するフローチャートである。図9は、カセットF及びカセットRに対する処理の流れを例示するフローチャートである。図10A及び図10Bは、入金取引処理の流れを例示するフローチャートである。図11A及び図11Bは、出金取引処理の流れを例示するフローチャートである。図12A及び図12Bは、旧紙幣回収処理の流れを例示するフローチャートである。なお、これらの処理は、プロセッサ211がプログラムを実行することにより行われる処理でもある。
【0061】
図7に例示した取引処理では、自動取引装置1は、まず、顧客待機中であるか否かを判定する(S101)。この判定では、例えば、自動取引装置1が備える図示しないセンサによって、自動取引装置1を操作可能な範囲内に顧客の存在が検出されなかった場合に顧客待機中であると判定され、顧客の存在が検出された場合に顧客待機中でないと判定される。
【0062】
S101の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、図8を用いて後述する顧客待機中処理を行う(S102)。そして、顧客待機中処理が終了すると、処理がS101に戻る。
【0063】
一方、S101の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、入金取引が開始したか否かを判定する(S103)。この判定では、例えば、表示入力ユニット15に表示された取引選択画面にて顧客により入金取引が選択された場合に入金取引が開始したと判定され、そうでない場合に入金取引が開始していないと判定される。
【0064】
S103の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、図10A及び図10Bを用いて後述する入金取引処理を行う(S104)。そして、入金取引処理が終了すると、処理がS101に戻る。
【0065】
一方、S103の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、出金取引が開始したか否かを判定する(S105)。この判定では、例えば、表示入力ユニット15に表示された取引選択画面にて顧客により出金取引が選択された場合に出金取引が開始したと判定され、そうでない場合に出金取引が開始していないと判定される。
【0066】
S105の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、図11A及び図11Bを用いて後述する出金取引処理を行う(S106)。そして、出金取引処理が終了すると、処理がS101に戻る。
【0067】
一方、S105の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、他の取引(入金取引及び出金取引以外の取引)が開始したか否かを判定する(S107)。この判定では、例えば、表示入力ユニット15に表示された取引選択画面にて顧客により他の取引(例えば通帳記帳)が選択された場合に他の取引が開始したと判定され、そうでない場合に他の取引が開始していないと判定される。なお、現金振込などの取引の場合は、振込先への入金や顧客へのお釣りの払い出しを行うため、前述の入金取引処理(S104)や出金取引処理(S105)を行う。
【0068】
S107の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、他の取引に応じた取引処理(他の取引処理)を行う(S108)。そして、他の取引処理が終了すると、処理がS101に戻る。
【0069】
一方、S107の判定結果がNOの場合は、そのまま処理がS101に戻る。
【0070】
S102の顧客待機中処理では、図8に例示した処理が行われる。詳しくは、図8に例示したように、自動取引装置1は、まず、スタッカA253aに旧紙幣が収納されているか否かを判定する(S201)。
【0071】
S201の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納されている旧紙幣をスタッカB253bに移動させるために一時退避が必要な、スタッカA253aに収納されている新紙幣を、一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に退避可能であるか否かを判定する(S202)。なお、ここでは、スタッカA253aに収納されている旧紙幣をスタッカB253bに移動させるために、スタッカA253aに収納されている新紙幣の一時退避が必要であったとする。この判定では、一時退避が必要な新紙幣を収納可能な空き容量が一時退避場所に有る場合に退避可能であると判定され、その空き容量が一時退避場所に無い場合に退避可能でないと判定される。
【0072】
S202の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納されている旧紙幣をスタッカB253bに収納可能であるか否かを判定する(S203)。この判定では、スタッカA253aに収納されている旧紙幣を収納可能な空き容量がスタッカB253bに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量がスタッカB253bに無い場合に収納可能でないと判定される。
【0073】
S203の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納されている一時退避が必要な新紙幣を一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に移動させ、スタッカA253aに収納されている旧紙幣をスタッカB253bに移動させる(S204)。
【0074】
S204の後、自動取引装置1は、S204で一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に移動させた新紙幣をスタッカA253aに移動させる(S205)。
【0075】
一方、S201、S202、又はS203の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに新紙幣が収納されているか否かを判定する(S206)。
【0076】
S206の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている新紙幣をスタッカA253aに移動させるために一時退避が必要な、スタッカB253bに収納されている旧紙幣を、一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に退避可能であるか否かを判定する(S207)。なお、ここでは、スタッカB253bに収納されている新紙幣をスタッカA253aに移動させるために、スタッカB253bに収納されている旧紙幣の一時退避が必要であったとする。この判定では、一時退避が必要な旧紙幣を収納可能な空き容量が一時退避場所に有る場合に退避可能であると判定され、その空き容量が一時退避場所に無い場合に退避可能でないと判定される。
【0077】
S207の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている新紙幣をスタッカA253aに収納可能であるか否かを判定する(S208)。この判定では、スタッカB253bに収納されている新紙幣を収納可能な空き容量がスタッカA253aに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量がスタッカA253aに無い場合に収納可能でないと判定される。
【0078】
S208の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている一時退避が必要な旧紙幣を一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に移動させ、スタッカB253bに収納されている新紙幣をスタッカA253aに移動させる(S209)。
【0079】
S209の後、自動取引装置1は、S209で一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に移動させた旧紙幣をスタッカB253bに移動させる(S210)。
【0080】
なお、S201乃至S210の処理は、スタッカA253a及びスタッカB253bに対する処理(以下「処理A」という)でもある。
【0081】
S207又はS208の判定結果がNOの場合は、自動取引装置1は、スタッカC253c及びスタッカD253dに対する処理(以下「処理B」という)を行う(S211)。処理Bでは、処理A(S201乃至S210)において、「スタッカA253a」、「スタッカB253b」を、「スタッカC253c」、「スタッカD253d」と読み替えた上で、処理Aと同様の処理が行われる。
【0082】
S206の判定結果がNOの場合は、自動取引装置1は、図9を用いて後述するカセットF254f及びカセットR254rに対する処理を行う(S212)。
【0083】
S205、S210、S211、又はS212の処理を終了すると、自動取引装置1は、図8に例示した顧客待機中処理を終了する。なお、顧客待機中処理において、紙幣の移動が行われた場合は、それに応じて、紙幣収納情報が更新される。
【0084】
図8に例示した顧客待機中処理によれば、例えば、スタッカA253aに収納されている紙幣の中に旧紙幣が含まれている場合は、当該旧紙幣がスタッカB253bに移動させられるようになる。また、例えば、スタッカB253bに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合は、当該新紙幣がスタッカA253aに移動させられるようになる。
【0085】
S212のカセットF254f及びカセットR254rに対する処理では、図9に例示した処理が行われる。詳しくは、図9に例示したように、自動取引装置1は、まず、カセットF254fに紙幣が収納されているか否かを判定する(S301)。
【0086】
S301の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、カセットF254fに収納されている紙幣において、万券の新紙幣をスタッカA253aに移動させ、万券の旧紙幣をスタッカB253bに移動させ、千券の新紙幣をスタッカC253cに移動させ、千券の旧紙幣をスタッカD253dに移動させる(S302)。但し、紙幣の移動中に、何れかのスタッカがフルになってしまった場合は、そこで紙幣の移動を中断する。
【0087】
一方、S301の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、カセットR254rに紙幣が収納されているか否かを判定する(S303)。
【0088】
S303の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、カセットR254rに収納されている紙幣において、万券の新紙幣をスタッカA253aに移動させ、万券の旧紙幣をスタッカB253bに移動させ、千券の新紙幣をスタッカC253cに移動させ、千券の旧紙幣をスタッカD253dに移動させる(S304)。但し、紙幣の移動中に、何れかのスタッカがフルになってしまった場合は、そこで紙幣の移動を中断する。
【0089】
一方、S303の判定結果がNOの場合、又は、S302又はS304の処理を終了すると、自動取引装置1は、図9に例示したカセットF254f及びカセットR254rに対する処理を終了する。
【0090】
S104(図7参照)の入金取引処理では、図10A及び図10Bに例示した処理が行われる。詳しくは、図10A及び図10Bに例示したように、自動取引装置1は、まず、紙幣入出金部14で受け付けた入金紙幣を鑑別部252により鑑別した後、一時保留部251に移動させる(S401)。
【0091】
S401の後、自動取引装置1は、S401の処理によって一時保留部251に収納された紙幣の情報(以下「一時保留部紙幣収納情報」という)を保持する(S402)。一時保留部紙幣収納情報は、S401での鑑別の結果等に基づく情報であり、S401の処理によって一時保留部251に収納された紙幣の枚数、金種、新旧、収納順番等に関する情報を含む。これにより、例えば、一時保留部251に収納された紙幣が万券のみであるか、新紙幣のみであるか、等といったことを一時保留部紙幣収納情報に基づいて判定することができる。このような一時保留部紙幣収納情報は、例えば、RAM212に保持される。
【0092】
S402の後、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が万券のみであるか否かを判定する(S403)。
【0093】
S403の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が新紙幣のみであるか否かを判定する(S404)。
【0094】
S404の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された万券の新紙幣の全てをスタッカA253aに収納可能であるか否かを判定する(S405)。この判定では、一時保留部251に収納された万券の新紙幣の全てを収納可能な空き容量がスタッカA253aに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量がスタッカA253aに無い場合に収納可能でないと判定される。
【0095】
S405の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された万券の新紙幣の全てをスタッカA253aに移動させる(S406)。
【0096】
一方、S405の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された万券の新紙幣のうち、スタッカA253aに収納できない分の全てを、スタッカB253b、カセットF254f、カセットR254r、運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)255a、及び運用リジェクトボックスB(運用RJ-B)255bのうちの一つ以上に収納可能であるか否かを判定する(S407)。この判定では、スタッカA253aに収納できない分の全てを収納可能な空き容量が、スタッカB253b、カセットF254f、カセットR254r、運用リジェクトボックスA255a、及び運用リジェクトボックスB255bのうちの一つ以上に有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量がその一つ以上に無い場合に収納可能でないと判定される。
【0097】
S407の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された万券の新紙幣のうち、スタッカA253aに収納可能な分だけを、スタッカA253aに移動させる(S408)。
【0098】
S408の後、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納できなかった分の全てを、スタッカB253bに収納可能であるか否かを判定する(S409)。この判定では、スタッカA253aに収納できなかった分の全てを収納可能な空き容量が、スタッカB253bに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量がスタッカB253bに無い場合に収納可能でないと判定される。
【0099】
S409の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納できなかった分の全てを、スタッカB253bに移動させる(S410)。
【0100】
一方、S409の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納できなかった分のうち、スタッカB253bに収納可能な分だけを、スタッカB253bに移動させる(S411)。
【0101】
S411の後、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納できなかった分の全てを、カセットF254fに収納可能であるか否かを判定する(S412)。この判定では、スタッカB253bに収納できなかった分の全てを収納可能な空き容量が、カセットF254fに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量がカセットF254fに無い場合に収納可能でないと判定される。
【0102】
S412の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納できなかった分の全てを、カセットF254fに移動させる(S413)。
【0103】
一方、S412の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納できなかった分のうち、カセットF254fに収納可能な分だけを、カセットF254fに移動させる(S414)。
【0104】
S414の後、自動取引装置1は、カセットF254fに収納できなかった分の全てを、カセットR254rに収納可能であるか否かを判定する(S415)。この判定では、カセットF254fに収納できなかった分の全てを収納可能な空き容量がカセットR254rに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量がカセットR254rに無い場合に収納可能でないと判定される。
【0105】
S415の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、カセットF254fに収納できなかった分の全てを、カセットR254rに移動させる(S416)。
【0106】
一方、S415の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、カセットF254fに収納できなかった分のうち、カセットR254rに収納可能な分だけを、カセットR254rに移動させる(S417)。
【0107】
S417の後、自動取引装置1は、カセットR254rに収納できなかった分の全てを、運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)255aに収納可能であるか否かを判定する(S418)。この判定では、カセットR254rに収納できなかった分の全てを収納可能な空き容量が運用リジェクトボックスA255aに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量が運用リジェクトボックスA255aに無い場合に収納可能でないと判定される。
【0108】
S418の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、カセットR254rに収納できなかった分の全てを、運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)255aに移動させる(S419)。
【0109】
一方、S418の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、カセットR254rに収納できなかった分の全てを、運用リジェクトボックスB(運用RJ-B)255bに移動させる(S420)。
【0110】
S407の判定結果がNOの場合は、自動取引装置1は、入金取引を中断するために、入金紙幣を顧客に返却する(S421)。詳しくは、入金紙幣である一時保留部251に収納された紙幣を紙幣入出金部14に移動させて、紙幣入出金部14から排出する。このときに、自動取引装置1は、他の自動取引装置1での入金取引の実施を顧客に促す案内画面を表示入力ユニット15に表示させるようにしてもよい。
【0111】
なお、S405乃至S421の処理は、一時保留部251に収納された紙幣が万券の新紙幣のみである場合の処理(以下「処理C」という)でもある。
【0112】
S404の判定結果がNOの場合は、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が旧紙幣のみであるか否かを判定する(S422)。
【0113】
S422の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が万券の旧紙幣のみである場合の処理(以下「処理D」という)を行う(S423)。処理Dでは、処理C(S405乃至S421)において、「新紙幣」、「旧紙幣」、「スタッカA253a」、「スタッカB253b」を、「旧紙幣」、「新紙幣」、「スタッカB253b」、「スタッカA253a」と読み替えた上で、処理Cと同様の処理が行われる。
【0114】
一方、S422の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が万券の新紙幣と万券の旧紙幣の混在である場合の処理(以下「処理E」という)を行う(S424)。処理Eでは、一時保留部251に収納された紙幣のうち、万券の新紙幣に対しては処理C(S405乃至S421)と同様の処理が行われ、万券の旧紙幣に対しては処理D(S423)と同様の処理が行われる。
【0115】
なお、S404乃至S424の処理は、一時保留部251に収納された紙幣が万券のみである場合の処理(以下「処理F」という)でもある。
【0116】
S403の判定結果がNOの場合は、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が千券のみであるか否かを判定する(S425)。
【0117】
S425の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が千券のみである場合の処理(以下「処理G」という)を行う(S426)。処理Gでは、処理F(S404乃至S424)において、「万券」、「スタッカA253a」、「スタッカB253b」を、「千券」、「スタッカC253c」、「スタッカD253d」と読み替えた上で、処理Fと同様の処理が行われる。
【0118】
一方、S425の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、一時保留部251に収納された紙幣が万券と千券の混在である場合の処理(以下「処理H」という)を行う(S427)。処理Hでは、一時保留部251に収納された紙幣のうち、万券に対しては処理F(S404乃至S424)と同様の処理が行われ、千券に対しては処理G(S426)と同様の処理が行われる。
【0119】
S406、S410、S413、S416、S419、S420、S421、S423、S424、S426、又はS427の後は、自動取引装置1は、紙幣収納情報を更新する(S428)。この更新では、例えば、スタッカA253a、スタッカB253b、スタッカC253c、スタッカD253d、カセットF254f、カセットR254r、運用リジェクトボックスA255a、及び運用リジェクトボックスB255bの各々に収納されている紙幣の枚数、新旧、金種、収納順番等の情報が最新のものへ更新される。
【0120】
S428の処理を終了すると、自動取引装置1は、図10A及び図10Bに例示した入金取引処理を終了する。
【0121】
図10A及び図10Bに例示した入金取引処理によれば、例えば、入金紙幣の中に万券の新紙幣が含まれている場合であって当該新紙幣の全てをスタッカA253aに収納できない場合に、当該新紙幣の全てのうち、スタッカA253aに収納できる分の新紙幣がスタッカA253aに収納され、残りの新紙幣がスタッカB253bに収納されるようになる。そのため、スタッカA253aがフルになることによる取引休止や処理中断を抑止することができる。また、例えば、入金紙幣の中に万券の旧紙幣が含まれている場合であって当該旧紙幣の全てをスタッカB253bに収納できない場合に、当該旧紙幣の全てのうち、スタッカB253bに収納できる分の旧紙幣がスタッカB253bに収納され、残りの旧紙幣がスタッカA253aに収納されるようになる。そのため、スタッカB253bがフルになることによる取引休止や処理中断を抑止することができる。
【0122】
S106(図7参照)の出金取引処理では、図11A及び図11Bに例示した処理が行われる。詳しくは、図11A及び図11Bに例示したように、自動取引装置1は、まず、顧客に出金金額を入力させる(S501)。ここでは、例えば、出金金額の入力を顧客に促す金額入力画面を表示入力ユニット15に表示させることで、その入力を顧客に促す。
【0123】
顧客により出金金額が入力されると、自動取引装置1は、入力された出金金額に基づいて、出金対象金種が万券のみであるか否かを判定する(S502)。
【0124】
S502の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに新紙幣が収納されているか否かを判定する(S503)。
【0125】
S503の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている新紙幣を移動させるために、スタッカB253bに収納されている旧紙幣を一時退避させる必要があるか否かを判定する(S504)。なお、スタッカB253bに旧紙幣が収納されていない場合は、S504の判定結果がNOとされて処理される。
【0126】
S504の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている新紙幣を紙幣入出金部14に移動させる(S505)。但し、スタッカB253bに収納されている新紙幣の金額が出金金額よりも大きい場合は、出金金額までの新紙幣を紙幣入出金部14に移動させる。
【0127】
一方、S504の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている新紙幣を移動させるために一時退避が必要な、スタッカB253bに収納されている旧紙幣を、一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に退避可能であるか否かを判定する(S506)。この判定では、一時退避が必要な旧紙幣を収納可能な空き容量が一時退避場所に有る場合に退避可能であると判定され、その空き容量が一時退避場所に無い場合に退避可能でないと判定される。
【0128】
S506の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている一時退避が必要な旧紙幣を一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に移動させ、スタッカB253bに収納されている新紙幣を紙幣入出金部14に移動させる(S507)。但し、スタッカB253bに収納されている新紙幣の金額が出金金額よりも大きい場合は、出金金額までの新紙幣を紙幣入出金部14に移動させる。
【0129】
一方、S506の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている紙幣を紙幣入出金部14に移動させる(S508)。但し、スタッカB253bに収納されている紙幣の金額が出金金額よりも大きい場合は、出金金額までの紙幣を紙幣入出金部14に移動させる。なお、S508で紙幣入出金部14に移動させられる紙幣は、旧紙幣、又は、旧紙幣と新紙幣が混在した紙幣となる。
【0130】
S505、S507、又はS508の後は、自動取引装置1は、紙幣入出金部14に移動させた紙幣の金額が出金金額に達したか否かを判定する(S509)。
【0131】
S509の判定結果がNOの場合、又は、S503の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納されている新紙幣を移動させるために、スタッカA253aに収納されている旧紙幣を一時退避させる必要があるか否かを判定する(S510)。なお、スタッカA253aに旧紙幣が収納されていない場合は、S510の判定結果がNOとされて処理される。
【0132】
S510の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、紙幣入出金部14に収納される紙幣の金額が出金金額に達するまで、スタッカA253aに収納されている新紙幣を紙幣入出金部14に移動させる(S511)。
【0133】
一方、S510の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納されている新紙幣を移動させるために一時退避が必要な、スタッカA253aに収納されている旧紙幣を、一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に退避可能であるか否かを判定する(S512)。この判定では、一時退避が必要な旧紙幣を収納可能な空き容量が一時退避場所に有る場合に退避可能であると判定され、その空き容量が一時退避場所に無い場合に退避可能でないと判定される。
【0134】
S512の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納されている一時退避が必要な旧紙幣を一時退避場所(カセットF254f及び又はカセットR254r)に移動させ、紙幣入出金部14に収納される紙幣が出金金額に達するまで、スタッカA253aに収納されている新紙幣を紙幣入出金部14に移動させる(S513)。
【0135】
一方、S512の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、紙幣入出金部14に収納される紙幣の金額が出金金額に達するまで、スタッカA253aに収納されている紙幣を紙幣入出金部14に移動させる(S514)。この場合に紙幣入出金部14に移動させられる紙幣は、旧紙幣、又は、旧紙幣と新紙幣が混在した紙幣となる。
【0136】
なお、S503乃至S514の処理は、出金対象金種が万券のみである場合の処理(以下「処理H」という)である。
【0137】
S502の判定結果がNOの場合は、自動取引装置1は、入力された出金金額に基づいて、出金対象金種が千券のみであるか否かを判定する(S515)。
【0138】
S515の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、出金対象金種が千券のみである場合の処理(以下「処理I」という)を行う(S516)。処理Iでは、処理H(S503乃至S514)において、「スタッカA253a」、「スタッカB253b」を、「スタッカC253c」、「スタッカD253d」と読み替えた上で、処理Hと同様の処理が行われる。
【0139】
一方、S515の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、出金対象金種が万券と千券の混在である場合の処理(以下「処理J」という)を行う(S517)。処理Jでは、出金対象金種のうち、万券に対しては処理H(S503乃至S514)と同様の処理が行われ、千券に対しては処理I(S516)と同様の処理が行われる。
【0140】
S509の判定結果がYESの場合、又は、S511、S513、S514、S516、又はS517の後は、自動取引装置1は、紙幣入出金部14に収納されている紙幣(出金紙幣)を顧客に排出する(S518)。
【0141】
S518の後、自動取引装置1は、紙幣収納情報を更新する(S519)。この更新では、例えば、スタッカA253a、スタッカB253b、スタッカC253c、スタッカD253d、カセットF254f、及びカセットR254rの各々に収納されている紙幣の枚数、新旧、金種、収納順番等の情報が最新のものへ更新される。
【0142】
S519の処理を終了すると、自動取引装置1は、図11A及び図11Bに例示した出金取引処理を終了する。
【0143】
図11A及び図11Bに例示した出金取引処理によれば、例えば、スタッカB253bに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合であって万券の紙幣の出金が行われる場合に、スタッカB253bに収納されている新紙幣が出金されると共に、当該新紙幣の出金だけでは出金金額に達しない場合に不足分の新紙幣がスタッカA253aから出金されるようになる。
【0144】
自動取引装置1は、図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理も行う。なお、図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理は、万券の旧紙幣を回収する処理である。詳しくは、図12A及び図12Bに例示したように、自動取引装置1は、まず、空のカセットF254f及び空のカセットR254rを自動取引装置1に装填するよう係員に促す空カセットFR装填案内画面を表示入力ユニット15に表示する(S601)。
【0145】
S601の後、自動取引装置1は、空カセットFR装填案内画面内の実行キーと中断キーの何れが押下されたかを判定する(S602)。
【0146】
S602の判定結果が実行キーである場合、自動取引装置1は、空のカセットF254f及び空のカセットR254rが自動取引装置1に装填されたか否かを判定する(S603)。なお、空のカセットF254f及び空のカセットR254rが装填された場合、例えば、それ以前に装填されていたカセットF254f及カセットR254rは係員によって回収される。
【0147】
S603の判定結果がNOの場合は、処理がS601に戻る。
【0148】
一方、S603の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに旧紙幣が収納されているか否かを判定する(S604)。
【0149】
S604の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカA253aに収納されている旧紙幣をカセットR254rに移動させる(S605)。なお、この移動のためにスタッカA253aに収納されている新紙幣の一時退避が必要な場合は、その新紙幣を一時退避場所(カセットF254f)に移動させる。
【0150】
S605の後、又は、S604の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに旧紙幣が収納されているか否かを判定する(S606)。
【0151】
S606の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている旧紙幣の、カセットR254rへの移動を開始する(S607)。なお、この移動のためにスタッカB253bに収納されている新紙幣の移動が必要な場合は、その新紙幣をスタッカA253aに移動させる。但し、このときの新紙幣の移動中にスタッカA253aがフルになってしまった場合は、移動できなかった分の新紙幣を一時退避場所(カセットF254f)に移動させる。
【0152】
S607の後、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されている旧紙幣の移動中に、カセットR254rがフルになったか否かを判定する(S608)。
【0153】
S608の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、スタッカB253bに収納されていた旧紙幣のうち、カセットR254rに収納できない分の旧紙幣を運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)255a及び又は運用リジェクトボックスB(運用RJ-B)255bに収納可能であるか否かを判定する(S609)。この判定では、カセットR254rに収納できない分の旧紙幣を収納可能な空き容量が運用リジェクトボックスA255a及び又は運用リジェクトボックスB255bに有る場合に収納可能であると判定され、その空き容量が無い場合に収納可能でないと判定される。
【0154】
S609の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、カセットR254rに収納できない分の旧紙幣を運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)255a及び又は運用リジェクトボックスB(運用RJ-B)255bに移動させる(S610)。
【0155】
一方、S609の判定結果がNOの場合、自動取引装置1は、空のカセットR254rを自動取引装置1に装填するよう係員に促す空カセットR装填案内画面を表示入力ユニット15に表示する(S611)。
【0156】
S611の後、自動取引装置1は、空カセットR装填案内画面内の実行キーと中断キーの何れが押下されたかを判定する(S612)。
【0157】
S612の判定結果が実行キーである場合、自動取引装置1は、空のカセットR254rが自動取引装置1に装填されたか否かを判定する(S613)。なお、空のカセットR254rが装填された場合、例えば、それ以前に装填されていたカセットR254rは係員によって回収される。
【0158】
S613の判定結果がNOの場合は処理がS611に戻り、YESの場合は処理がS604に戻る。
【0159】
S602の判定結果が中断キーの場合、S606の判定結果がNOの場合、S608の判定結果がNOの場合、S612の判定結果が中断キーの場合、又はS610の後は、自動取引装置1は、一時退避場所(カセットF254f)に収納されている新紙幣が有るか否かを判定する(S614)。
【0160】
S614の判定結果がYESの場合、自動取引装置1は、一時退避場所(カセットF254f)に収納されている新紙幣をスタッカA253aに移動させる(S615)。
【0161】
S615の処理を終了すると、又は、S614の判定結果がNOの場合は、自動取引装置1は、図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理を終了する。なお、旧紙幣回収処理において、紙幣の移動が行われた場合には、それに応じて、紙幣収納情報が更新される。
【0162】
図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理によれば、例えば、スタッカA253aに収納されている紙幣の中に旧紙幣が含まれている場合であって万券の旧紙幣の回収が行われる場合に、スタッカA253aに収納されている旧紙幣がカセットR254rに移動させられると共に、スタッカB253bに収納されている旧紙幣がカセットR254rに移動させられるようになる。そのため、より効率的な旧紙幣回収が可能になる。また、このときに、例えば、スタッカA253a及びスタッカB253bに収納されている旧紙幣の全てをカセットR254rに収納することができない場合に、当該旧紙幣の全てのうち、カセットR254rに収納できる分の旧紙幣がカセットR254rに移動させられ、残りの旧紙幣が運用リジェクトボックスA255aに移動させられるようになる。そのため、カセットR254rがフルになることによる処理中断を抑止することができる。
【0163】
なお、図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理は、万券の旧紙幣を回収する処理であったが、千券の旧紙幣を回収する処理も同様にして行うことができる。この場合は、図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理において、「スタッカA253a」、「スタッカB253b」を、「スタッカC253c」、「スタッカD253d」と読み替えた上で、図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理と同様の処理が行われる。
【0164】
また、図12A及び図12Bに例示した旧紙幣回収処理では、スタッカB253bに新紙幣が収納されている場合に、スタッカB253bに収納されている新紙幣の全てをスタッカA253aに移動させるようにしてもよい。これにより、例えば、スタッカB253bに収納されている紙幣の中に新紙幣が含まれている場合であって万券の旧紙幣の回収が行われる場合に、スタッカB253bに収納されている新紙幣がスタッカA253aに移動させられ、スタッカB253bに収納されている旧紙幣がカセットR254rに移動させられるようになる。また、このときの新紙幣の移動中にスタッカA253aがフルになってしまった場合は、移動できなかった分の新紙幣を一時退避場所(カセットF254f)に移動させてもよい。
【0165】
以上のように、本実施の形態によれば、紙幣の収納先(例えば、スタッカA253a、スタッカB253b、スタッカC253c、スタッカD253d、カセットF254f、カセットR254r)がフルになることで発生する取引休止や処理中断の抑止、並びに、より効率的な旧紙幣回収が可能になる。
【0166】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0167】
1 自動取引装置
2a 第1スタッカ
2b 第2スタッカ
3 回収カセット
4 リジェクトボックス
5 制御部
11 通帳挿入排出部
12 カード挿入排出部
13 硬貨入出金部
14 紙幣入出金部
15 表示入力ユニット
15a 表示装置
15b タッチパネル
21 制御ユニット
22 通帳処理ユニット
23 カード処理ユニット
24 硬貨処理ユニット
25 紙幣処理ユニット
211 プロセッサ
212 RAM
213 通信インタフェース
214 グラフィック処理ユニット
215 記憶装置
216 入出力インタフェース
217 バス
251 一時保留部
252 鑑別部
253a スタッカA
253b スタッカB
253c スタッカC
253d スタッカD
254f カセットF
254r カセットR
255a 運用リジェクトボックスA(運用RJ-A)
255b 運用リジェクトボックスB(運用RJ-B)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B