(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010437
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】選択された油とジオールとを含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20240117BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240117BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240117BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240117BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240117BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q19/00
A61K8/36
A61K8/37
A61K8/44
A61K8/365
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111769
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】飯間 雄介
(72)【発明者】
【氏名】中島 菜穂子
(72)【発明者】
【氏名】ロマン・タション
(72)【発明者】
【氏名】武藤 未那
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AC071
4C083AC081
4C083AC082
4C083AC091
4C083AC092
4C083AC101
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC231
4C083AC241
4C083AC341
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC661
4C083AC662
4C083AD111
4C083CC02
4C083DD01
4C083EE01
(57)【要約】
【課題】経時的に安定であり且つ透明な又はわずかに半透明な外観を示すことができる組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種の油と、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールと、(c)水とを含む組成物であって、該(a)油が、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から特定の条件下で選択され、且つ(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、組成物に関する。本発明による組成物は、経時的に安定であり、且つ透明な又はわずかに半透明な外観を示しうる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の油と、
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールと、
(c)水と
を含む、組成物であって、
前記(a)油が、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択され、但し、
- 前記(i)脂肪アルコール及び前記(ii)脂肪酸が、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- 前記(iii)一価カルボン酸モノエステルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- 前記(iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- 前記(v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- 前記(vi)乳酸アルキルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
且つ
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、
組成物。
【請求項2】
前記(i)脂肪アルコールが、一般式(1):
R1-OH (1)
(式中、
R1は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表され、
且つ
イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記(ii)脂肪酸が、一般式(2):
R1-COOH (2)
(式中、
R1は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表され、
且つ
イソステアリン酸、オレイン酸、及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記(iii)一価カルボン酸モノエステルが、一般式(3):
R2-COO-R3 (3)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表す)
によって表され、
且つ
好ましくはイソステアリン酸イソプロピルである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記(iv)二価カルボン酸ジエステルが、一般式(4):
R2-OC(=O)-R4-C(=O)O-R3 (4)
(式中、
R2及びR3は、独立に、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R4は、6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基を表す)
によって表され、
且つ
アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記(v)N-アシルアミノ酸エステルが、一般式(5):
R2-N(R5)-CH(R6)-(CH2)n-COO-R3 (5)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R5は、水素原子、又は1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
R6は、水素原子、又はヒドロキシ基若しくはフェニル基で置換されうる、1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
nは、0~2の整数を表す)
によって表され、
且つ
好ましくはラウロイルサルコシンイソプロピルである、
請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記(vi)乳酸アルキルが、一般式(6):
CH3-C(OH)-COO-R7 (6)
(式中、
R7は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表され、
且つ
乳酸ラウリル、乳酸イソステアリル、及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記(a)油の量が、組成物の総質量に対して、0.5質量%~25質量%、好ましくは1質量%~20質量%、より好ましくは2質量%~15質量%の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールが、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
(d)少なくとも1種の一価アルコール、好ましくはC2~4脂肪族一価アルコール、より好ましくはエタノールを更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールと(d)一価アルコールとの総量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
120NTU以下、好ましくは90NTU以下、より好ましくは60NTU以下の濁度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
化粧用組成物、好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくは皮膚ケア化粧用組成物である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
ケラチン物質、好ましくは皮膚を、処理するための美容方法であって、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物をケラチン物質に適用する工程を含む、美容方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型(O/W型)エマルション及び油中水型(W/O型)エマルションは、化粧品及び皮膚科学の分野で、特に、乳液、クリーム、トニック、セラム及びローション等の化粧料の調製用として周知である。特に、O/W型ナノ又はマイクロエマルション等の微細エマルションは、その透明な又はわずかに半透明な外観に起因して、特に興味深い。
【0003】
典型的には、微細なエマルションは、界面活性剤を使用することによって形成することができる。例えば、WO2014/98265は、いくつかの界面活性剤の組み合わせを使用して形成されたナノ又はマイクロエマルションを開示している。
【0004】
しかしながら、微細エマルションは、特に温度変化下で、例えば高い温度から低い温度への変化及びその逆の変化下で、時々、経時的に不安定であり、その結果、それらは、相分離を引き起こし、透明な又はわずかに半透明な外観を示さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、経時的に安定であり且つ透明な又はわずかに半透明な外観を示すことができる組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記の目的は、
(a)少なくとも1種の油と、
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールと、
(c)水と
を含む組成物であって、
(a)油が、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択され、但し、
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸が、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
且つ
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、
組成物で達成することができる。
【0008】
(i)脂肪アルコールは、一般式(1):
R1-OH (1)
(式中、
R1は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表されてもよい。(i)脂肪アルコールが、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0009】
(ii)脂肪酸は、一般式(2):
R1-COOH (2)
(式中、
R1は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表されてもよい。(ii)脂肪酸が、イソステアリン酸、オレイン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0010】
(iii)一価カルボン酸モノエステルは、一般式(3):
R2-COO-R3 (3)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表す)
によって表されてもよい。(iii)一価カルボン酸モノエステルが、イソステアリン酸イソプロピルであることが好ましい。
【0011】
(iv)二価カルボン酸ジエステルは、一般式(4):
R2-OC(=O)-R4-C(=O)O-R3 (4)
(式中、
R2及びR3は、独立に、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R4は、6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基を表す)
によって表されてもよい。(iv)二価カルボン酸ジエステルが、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0012】
(v)N-アシルアミノ酸エステルは、一般式(5):
R2-N(R5)-CH(R6)-(CH2)n-COO-R3 (5)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R5は、水素原子、又は1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
R6は、水素原子、又はヒドロキシ基又はフェニル基で置換されうる、1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
nは、0から2の整数を表す)
によって表されてもよい。(v)N-アシルアミノ酸エステルが、ラウロイルサルコシンイソプロピルであることが好ましい。
【0013】
(vi)乳酸アルキルは、一般式(6):
CH3-C(OH)-COO-R7 (6)
(式中、
R7は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表されてもよい。(vi)乳酸アルキルが、乳酸ラウリル、乳酸イソステアリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0014】
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%~25質量%、好ましくは1質量%~20質量%、より好ましくは2質量%~15質量%の範囲であってもよい。
【0015】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0016】
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種の一価アルコール、好ましくはC2~4脂肪族一価アルコール、より好ましくはエタノールを更に含んでもよい。その場合、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールと(d)一価アルコールとの総量の、(a)油の量に対する質量比は、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であってもよい。
【0017】
本発明による組成物は、120NTU以下、好ましくは90NTU以下、より好ましくは60NTU以下の濁度を有してもよい。
【0018】
本発明による組成物は、化粧用組成物、好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくは皮膚ケア化粧用組成物であってもよい。
【0019】
本発明はまた、ケラチン物質、好ましくは皮膚を、処理するための美容方法であって、本発明による組成物を適用する工程を含む、美容方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
鋭意検討の結果、本発明者らは、選択された油とジオールとの組み合わせを使用することによって、経時的に安定であり且つ透明な又はわずかに半透明な外観を示すことができる、組成物を提供することが可能であることを発見した。
【0021】
そのため、本発明は、
(a)少なくとも1種の油と、
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールと、
(c)水と
を含む組成物であって、
(a)油が、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択され、但し、
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸が、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
且つ
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、
組成物に関する。
【0022】
本発明による組成物は、経時的に安定であり、且つ透明な又はわずかに半透明な外観を示すことができる。
【0023】
本発明による組成物は、温度変化下であってさえ、例えば高い温度から低い温度への変化、又はその逆であってさえ、経時的に安定であり、その結果、それらは、均一な外見を維持しながら、相分離を一切引き起こさない。
【0024】
本発明による組成物は、少なくとも1種の油を含む。したがって、本発明による組成物は、皮膚上に適用されているとき、皮膚の輝きを高めることができる。
【0025】
本発明による組成物は、比較的多量の油を含むことができる。したがって、本発明による組成物は、比較的多量の油によってもたらされる、より良好な美容効果、例えば皮膚の更に高められた輝きを提供することができる。
【0026】
本発明による組成物はまた、使用されているときに、新鮮な質感を付与することもできる。そのため、本発明による組成物は、脂っぽくない質感を付与することができる。
【0027】
本発明による組成物は、透明である又はわずかに半透明であることができるが、好ましくは透明である。
【0028】
本発明による組成物は、界面活性剤を一切含む必要がない。そのため、組成物中の界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下等に限定されうる。本発明による組成物が、界面活性剤を一切含まないことが最も好ましい。
【0029】
界面活性剤が脂っぽい質感及び刺激を皮膚に付与するおそれがあることが周知であってきた。
【0030】
そのため、本発明による組成物が、限定された量のみの界面活性剤を含む場合、本発明による組成物は、更により脂っぽくない質感を付与することができる。
【0031】
加えて、本発明による組成物が、限定された量のみの界面活性剤を含む場合、本発明による組成物は、より少ない刺激を皮膚に付与しうる。
【0032】
これ以降、本発明による組成物は、より詳細に説明されることになる。
【0033】
[油]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の油を含んでもよい。2種以上の油が使用される場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
本明細書では、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)において、液体又はペースト(非固体)の形態にある脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。油として、化粧品中で一般に使用されるものを、単独で又はそれらの組み合わせで使用することができる。これらの油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0035】
本発明によれば、(a)油は、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から、以下の条件下:
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸が、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの、好ましくは2つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含む、
で選択される。
【0036】
本明細書では、「アルキル」基は、直鎖状又は分枝状の一価の飽和脂肪族炭化水素基を指す。
【0037】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基として、例えば、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基及びn-エイコシル基を挙げることができる。
【0038】
4~30個の炭素原子を有する分枝状アルキル基として、例えば、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基、イソドデシル基、イソトリデシル基、イソテトラデシル基、イソペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソヘプタデシル基、イソオクタデシル基、イソノナデシル基、イソエイコシル基を挙げることができる。
【0039】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基として、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、イソオクチル基、イソノニル基及びイソデシル基を挙げることができる。
【0040】
本明細書では、「アルキル」基は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、直鎖状又は分枝状の、一価の、不飽和脂肪族炭化水素基を指す。
【0041】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状アルケニル基として、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、ヘプタジエニル基、ヘプタトリエニル基、オクテニル基、オクタジエニル基、オクタトリエニル基、ノネニル基、ノナジエニル基、ノナトリエニル基、デセニル基、デカジエニル基、デカトリエニル基、ウンデセニル基、ウンデカジエニル基、ウンデカトリエニル基、ドデセニル基、ドデカジエニル基、ドデカトリエニル基、トリデセニル基、トリデカジエニル基、トリデカトリエニル基、テトラデセニル基、テトラデカジエニル基、テトラデカトリエニル基、ペンタデセニル基、ペンタデカジエニル基、ペンタデカトリエニル基、ヘキサデセニル基、ヘキサデカジエニル基、ヘキサデカトリエニル基、ヘプタデセニル基、ヘプタデカジエニル基、ヘプタデカトリエニル基、オクタデセニル基、オクタデカジエニル基、オクタデカトリエニル基、ノナデセニル基、ノナデカジエニル基、ノナデカトリエニル基及びエイコセニル基を挙げることができる。
【0042】
4~30個の炭素原子を有する分枝状アルケニル基として、例えば、イソブテニル基、sec-ブテニル基、イソペンテニル基、イソヘキセニル基、イソヘプテニル基、イソオクテニル基、イソノネニル基、イソデセニル基、イソデカジエニル基、イソデカトリエニル基、イソウンデセニル基、イソウンデカジエニル基、イソウンデカトリエニル基、イソドデセニル基、イソドデカジエニル基、イソドデカトリエニル基、イソトリデセニル基、イソトリデカジエニル基、イソトリデカトリエニル基、イソテトラデセニル基、イソテトラデカジエニル基、イソテトラデカトリエニル基、イソペンタデセニル基、イソペンタデカジエニル基、イソペンタデカトリエニル基、イソヘキサデセニル基、イソヘキサデカジエニル基、イソヘキサデカトリエニル基、イソヘプタデセニル基、イソヘプタデカジエニル基、イソヘプタデカトリエニル基、イソオクタデセニル基、イソオクタデカジエニル基、イソオクタデカトリエニル基、イソノナデセニル基、イソノナデカジエニル基、イソノナデカトリエニル基及びイソエイコセニル基を挙げることができる。
【0043】
本明細書では、「アシル」基は、R-CO-基[式中、Rは、直鎖状又は分枝状の、一価の、飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基)を示す]を指す。
【0044】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基として、例えば、ブタノイル基、イソ-ブタノイル基、sec-ブタノイル基、tert-ブタノイル基、n-ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ネオペンタノイル基、n-ヘキサノイル基、イソヘキサノイル基、ネオヘキサノイル基、n-ヘプタノイル基、イソヘプタノイル基、ネオヘプタノイル基、n-オクタノイル基、イソオクタノイル基、n-ノナノイル基、イソノナノイル基、n-デカノイル基、イソデカノイル基、n-ウンデカノイル基、イソウンデカノイル基、n-ドデカノイル基(ラウロイル基)、イソドデカノイル基、n-トリデカノイル基、イソトリドデカノイル基、n-テトラデカノイル基(ミリストイル基)、イソテトラデカノイル基、n-ペンタデカノイル基、イソペンタデカノイル基、n-ヘキサデカノイル基(パルミトイル基)、イソヘキサデカノイル基、n-ヘプタデカノイル基、イソヘキサデカノイル基、n-オクタデカノイル基(ステアロイル基)、イソオクタデカノイル基、n-ノナデカノイル基、イソノナデカノイル基、n-エイコサノイル基及びイソエイコサノイル基を挙げることができる。
【0045】
(i)脂肪アルコールは、一般式(1):
R1-OH (1)
(式中、
R1は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表されてもよい。
【0046】
4~30個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基及び直鎖状又は分枝状アルケニル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0047】
式(1)によって表される(i)脂肪アルコールとして、例えば、2-エチルヘキサノール、パルミトレイルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リシノレイルアルコール、エルシルアルコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0048】
(i)脂肪アルコールが、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0049】
(ii)脂肪酸は、一般式(2):
R1-COOH (2)
(式中、
R1は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表されてもよい。
【0050】
4~30個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、及び直鎖状又は分枝状アルケニル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0051】
式(2)によって表される(ii)脂肪酸として、例えば、イソカプロン酸、イソノナン酸、クロトン酸、イソラウリン酸、ミリストレイン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、イソステアリン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ネルボン酸、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0052】
(ii)脂肪酸が、イソステアリン酸、オレイン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0053】
(iii)一価カルボン酸モノエステルは、一般式(3):
R2-COO-R3 (3)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表す)
によって表されてもよい。
【0054】
4~30個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、及び直鎖状又は分枝状アルケニル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0055】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0056】
式(3)によって表される(iii)一価カルボン酸モノエステルとして、例えば、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0057】
(iii)一価カルボン酸モノエステルが、イソステアリン酸イソプロピルであることが好ましい。
【0058】
(iv)二価カルボン酸ジエステルは、一般式(4):
R2-OC(=O)-R4-C(=O)O-R3 (4)
(式中、
R2及びR3は、独立に、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R4は、6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基を表す)
によって表されてもよい。
【0059】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0060】
2~10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキレン基の例として、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基及びデカニレン基を挙げることができる。
【0061】
(iv)二価カルボン酸ジエステルが、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0062】
(v)N-アシルアミノ酸エステルは、一般式(5):
R2-N(R5)-CH(R6)-(CH2)n-COO-R3 (5)
(式中、
R2は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を表し、
R3は、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基を表し、
R5は、水素原子、又は1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
R6は、水素原子、又はヒドロキシ基若しくはフェニル基で置換されうる、1~4個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、
nは、0から2の整数を表す)
によって表されてもよい。
【0063】
4~30個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0064】
3~10個の炭素原子を有する分枝状アルキル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0065】
1~4個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アルキル基の例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ-ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基を挙げることができる。
【0066】
式(5)によって表される(v)N-アシルアミノ酸エステルとして、例えば、N-カプリロイルサルコシンイソプロピルエステル、N-カプリノイルサルコシンイソプロピルエステル、N-ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、N-ココナツ油脂肪酸アシルサルコシンイソプロピルエステル(N-ココイルサルコシンイソプロピルエステル)、N-ミリストイルサルコシンイソプロピルエステル、N-パルミトイルサルコシンイソプロピルエステル、N-ステアロイルサルコシンイソプロピルエステル、N-カプリロイルサルコシンイソブチルエステル、N-カプリノイルサルコシンイソブチルエステル、N-ラウロイルサルコシンイソブチルエステル、N-ココナツ油脂肪酸アシルサルコシンイソブチルエステル(N-ココイルサルコシンイソブチルエステル)、N-ミリストイルサルコシンイソブチルエステル、N-パルミトイルサルコシンイソブチルエステル、N-ステアロイルサルコシンイソブチルエステル、N-カプリロイルグリシンイソプロピルエステル、N-カプリノイルグリシンイソプロピルエステル、N-ラウロイルグリシンイソプロピルエステル、N-ココナツ油脂肪酸アシルグリシンイソプロピルエステル(N-ココイルグリシンイソプロピルエステル)、N-ミリストイルグリシンイソプロピルエステル、N-パルミトイルグリシンイソプロピルエステル、N-ステアロイルグリシンイソプロピルエステル、N-カプリロイルアラニンイソプロピルエステル、N-カプリノイルアラニンイソプロピルエステル、N-ラウロイルアラニンイソプロピルエステル、N-ココナツ油脂肪酸アシルアラニンイソプロピルエステル(N-ココイルアラニンイソプロピルエステル)、N-ミリストイルアラニンイソプロピルエステル、N-パルミトイルアラニンイソプロピルエステル、N-ステアロイルアラニンイソプロピルエステル、N-ラウロイル-β-アラニンイソプロピルエステル、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンイソプロピルエステル、N-ココナツ油脂肪酸アシル-N-メチル-Β-アラニンイソプロピルエステル(N-ココイル-N-メチル-β-アラニンイソプロピルエステル)などを挙げることができる。
【0067】
(v)N-アシルアミノ酸エステルが、ラウロイルサルコシンイソプロピルであることが好ましい。ラウロイルサルコシンイソプロピルとして、味の素株式会社によるEldew(登録商標)SL-205等の市販製品を使用することができる。
【0068】
(vi)乳酸アルキルは、一般式:
CH3-C(OH)-COO-R7 (6)
(式中、
R7は、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を表す)
によって表されてもよい。
【0069】
4~30個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基の例として、上に列挙されたものを挙げることができる。
【0070】
式(6)によって表される(vi)乳酸アルキルの例として、例えば乳酸カプリル、乳酸カプリリル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸パルミチル、乳酸ステアリル、乳酸イソステアリル、乳酸オレイル及び乳酸リノレイルを挙げることができる。
【0071】
(vi)乳酸アルキルが、乳酸ラウリル、乳酸イソステアリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0072】
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であってもよい。
【0073】
その一方で、本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であってもよい。
【0074】
そのため、本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%~25質量%、好ましくは1質量%~20質量%、より好ましくは2質量%~15質量%であってもよい。
【0075】
[ジオール]
本発明による組成物は、少なくとも1つの、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールを含む。2種以上の、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールを使用することができる。
【0076】
用語「ジオール」は、本明細書では、2つのアルコール官能基を有する化合物を意味する。換言すれば、ジオールは、2つのヒドロキシル基を有するアルコールである。
【0077】
炭素鎖中の炭素原子の数は、5個又は6個であってもよい。
【0078】
成分(b)中に3個以上の炭素原子を含む炭素鎖は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。炭素鎖は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子等のヘテロ原子によって割り込まれ得ない。そのため、炭素鎖は、連続的な炭素原子を含むことができる。
【0079】
成分(b)中に3個以上の炭素原子を含む炭素鎖の数が、1個又は2個であることが好ましい。
【0080】
成分(b)中の炭素原子の総数は、5個又は6個である。
【0081】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、二価の直鎖状又は分枝状の炭化水素基を有することができる。成分(b)中に存在しうる二価の直鎖状又は分枝状の炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールが、二価の直鎖状又は分枝状の、飽和炭化水素基、より好ましくは直鎖状又は分枝状のアルキレン基、例えばプロピレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基を含むことが好ましい。
【0082】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、それが3個以上の炭素原子を含み、炭素原子の総数が5個又は6個である炭素鎖を有する限り、直鎖状、分枝状又は環状の分子構造を有することができる。
【0083】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールは、2つのヒドロキシ基を含むC5~6ジオールでありうる。
【0084】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールが、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0085】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールが、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが、より好ましい。
【0086】
本発明による組成物中の、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量は、組成物の総質量に対して、40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更により好ましくは70質量%以上であってもよい。
【0087】
本発明による組成物中の、(b)3個以上の炭素原子を含む、6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量は、組成物の総質量に対して、60質量%以上、好ましくは70質量%以上であってもよい。
【0088】
その一方で、本発明による組成物中の、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量は、組成物の総質量に対して、85質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下であってもよい。
【0089】
[ジオール/油の質量比]
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比は、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である。
【0090】
その一方で、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比は、20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下であってもよい。
【0091】
そのため、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比は、4~20、好ましくは5~15、より好ましくは6~10であってもよい。
【0092】
[水]
本発明による組成物は、(c)水を含む。
【0093】
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であってもよい。
【0094】
その一方で、本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、60質量%以下、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下であってもよい。
【0095】
本発明による組成物中の(c)水の量は、組成物の総質量に対して、10質量%~60質量%、好ましくは15質量%~55質量%、より好ましくは20質量%~50質量%の範囲であってもよい。
【0096】
[一価アルコール]
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種の一価アルコールを更に含んでもよい。2種以上のこのようなアルコールを組み合わせて使用してもよい。そのため、単一のタイプのこのようなアルコール、又は異なるタイプのこのようなアルコールの組み合わせを使用することができる。
【0097】
(d)一価アルコールは、好ましくは、大気圧(760mmHg又は105Pa)下、室温、例えば25℃にて液体の形態にある。
【0098】
用語「一価アルコール」は、本明細書では、1つのヒドロキシ基を有するアルコールを意味する。
【0099】
(d)一価アルコールは、非芳香族(脂肪族)であっても芳香族であってもよい。
【0100】
非芳香族一価アルコールは、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の低級脂肪族一価アルコール、より好ましくはC2~C6脂肪族一価アルコール、更により好ましくは飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC2~C5脂肪族一価アルコール、最も好ましくは飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC2~C4脂肪族一価アルコールである。好ましい非芳香族一価アルコールは、エタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物である。
【0101】
芳香族一価アルコールは、好ましくは、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ジフェニルエタノール、ケイ皮アルコール、トリプトフォール、3-ニトロベンジルアルコール、ベラトリルアルコール、ベンゾイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0102】
(d)一価アルコールが、脂肪アルコール又は高級アルコールではないことが好ましい。
【0103】
(d)一価アルコールが、C2~4脂肪族一価アルコールであることが好ましい。(d)一価アルコールが、エタノールであることがより好ましい。
【0104】
本発明による組成物中の(d)一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であってもよい。
【0105】
その一方で、本発明による組成物中の(d)一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、60質量%以下、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下であってもよい。
【0106】
本発明による組成物中の(d)一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%~60質量%、好ましくは5質量%~55質量%、より好ましくは10質量%~50質量%の範囲であってもよい。
【0107】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールと(d)一価アルコールとの総量の、(a)油の量に対する質量比は、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であってもよい。
【0108】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールと(d)一価アルコールとの総量の、(a)油の量に対する質量比は、20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下であってもよい。
【0109】
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールと(d)一価アルコールとの総量の、(a)油の量に対する質量比は、4~20、好ましくは5~15、より好ましくは6~10の範囲であってもよい。
【0110】
[任意選択の成分]
本発明による組成物は、例えば、皮膜形成ポリマー、溶媒、染料、顔料、UV遮蔽剤、抗酸化剤、保存剤、pH調整剤、及びこれらの混合物から選ばれる、化粧品の分野において普通使用される少なくとも1種の任意選択の成分を、更に含んでもよい。
【0111】
本発明による組成物は、1種又はいくつかの化粧品として許容される有機溶媒を含んでもよく、これらは、成分(b)以外のジオール、例えばエチレングリコールであってよく、他のポリオール、例えばグリセロール、糖及び糖アルコール、並びにエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルであってもよい。
【0112】
本発明による組成物中の有機溶媒の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
【0113】
その一方で、本発明による組成物中の有機溶媒の量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってもよい。
【0114】
そのため、本発明による組成物中の有機溶媒の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~20質量%、より好ましくは1質量%~10質量%の範囲であってもよい。
【0115】
(調製物)
本発明による組成物は、上に説明した必須成分と、必要な場合には上に説明した任意選択の成分とを混合することによって、調製することができる。
【0116】
上記の必須成分と任意選択の成分とを混合する方法及び手段は、限定されない。任意の従来の方法及び手段を使用して、上記の必須成分と任意選択の成分とを混合し、本発明による組成物を調製することができる。
【0117】
[形態]
本発明による組成物の形態は、限定されない。
【0118】
本発明による組成物は、熱力学的に安定であることができ、且つ単相組成物と考えられうる。
【0119】
本発明による組成物は、透明であることができる。
【0120】
透明度は、濁度を測定することによって測定されうる(例えば、濁度は、丸型セル(直径25mm及び高さ60mm)、及び可視光(400~800nmの間、好ましくは400~500nm)を発することができるタングステンフィラメントランプを有する2100Q(Hach Company社により市販されている)を用いて測定することができる。測定は、無希釈組成物において実行することができる。ブランクは、蒸留水を用いて決定することができる。
【0121】
本発明による組成物は、120NTU以下、好ましくは90NTU以下、より好ましくは60NTU以下の濁度を有する。
【0122】
[方法及び使用]
本発明による組成物が、化粧用又は皮膚科学的組成物、好ましくは皮膚化粧用組成物、より好ましくは皮膚ケア化粧用組成物であることが好ましい。
【0123】
本発明による組成物は、皮膚に適用されることによって、皮膚を処理するための、美容方法等の非治療的方法のために使用することができる。
【0124】
そのため、本発明はまた、皮膚等のケラチン物質を処理するための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に適用する工程を含む、方法にも関する。
【0125】
本発明はまた、皮膚ケア製品等の化粧料としての、又は化粧料における、本発明による組成物の使用にも関することができる。
【0126】
換言すれば、本発明による組成物は、そのままで化粧料として使用することができる。或いは、本発明による組成物は、化粧料の一要素として使用することができる。例えば、本発明による組成物は、化粧料を形成するため、任意の他の要素に加えることができる又は任意の他の要素と組み合わせることができる。
【0127】
皮膚ケア製品は、ローション、クリーム、セラムなどであってもよい。
【0128】
本発明の別の態様はまた、
(a)少なくとも1種の油と、
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールと、
(c)水と
を混合する工程を含む、組成物を調製する方法にも関し、
(a)油が、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択され、但し、
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸が、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~ 6個の炭素原子を有する少なくとも1つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
且つ
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、
方法にも関する。
【0129】
混合する工程が、大量のエネルギーを使用するホモジナイザー等の特殊な機械的撹拌機を用いない、いわゆる低エネルギープロセスによって実施されることが好ましい。低エネルギープロセスは、成分(a)~(c)を単に穏やかに撹拌することによって実施することができる。
【0130】
本発明の別の態様は、
(a)少なくとも1種の油と、
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールと
の、(c)水を含む組成物中の、
組成物を安定にするための且つ透明な又はわずかに半透明にするための、使用であって、
(a)油は、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択され、但し、
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸が、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状のアルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
且つ
組成物を安定にする且つ透明にする又はわずかに半透明にするための、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、
使用に関する。
【0131】
本発明による組成物についての成分(a)~(c)、及び任意選択の成分に関する上記の説明は、本発明による使用及び方法についてのものに当てはめることができる。本発明による組成物の調製及び形態に関する説明もまた、上記の使用及び方法において記載された組成物のものに当てはめることができる。
【実施例0132】
本発明を、実施例によってより詳細に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0133】
[実施例1~32及び比較例1~46]
表1~表9に示す実施例1~32及び比較例1~46による以下の組成物を、以下の通り表1~表9に示す成分を混合して調製した。表1~表9に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料の「質量%」に基づく。
【0134】
各組成物(ジオール/油)中の、3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量(質量)の、油の量(質量)に対する質量比を、表1~表4、及び表6~表9中の「ジオールの油に対する比」の行に示す。
【0135】
各組成物[(ジオール+アルコール)/油]中の、3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールと一価アルコールとの総量(質量)量の、油成分の量(質量)に対する質量比を、表5中の「ジオール+アルコールの油に対する比」の行に示す。
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
[評価]
(外観)
実施例1~32及び比較例1~46による組成物のそれぞれの外観を、55℃にて2週間及び4℃にて2週間保った組成物の外観の目視観察によって、以下の基準に基づいて評価した。
良好:均一
不良:不均一(相分離を認めた)
【0146】
結果を表1~表9に示す。
【0147】
(濁度)
55℃にて2週間及び4℃にて2週間保った実施例1~32及び比較例1~46による組成物のそれぞれの濁度を、2100Q(Hach Company社)により、室温(20~25℃)にて評価した。
【0148】
結果を表1~表9に示す。
【0149】
(安定性)
実施例1~32及び比較例1~46による組成物のそれぞれの安定性を、55℃にて2週間及び4℃にて2週間保った組成物の外観の目視観測により、以下の基準に基づいて評価した。
良好:透明
不良:透明でない
【0150】
安定性評価の結果を表1~表9に示す。
【0151】
(概要)
表1は、(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であるべきであることを明示している。
【0152】
表2及び表3は、(b)ジオールが、3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するべきであることを明示している。
【0153】
表4は、(b)ジオールの混合物が、(b)ジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が4以上である場合に、本発明の所望の効果を提供することができることを明示している。
【0154】
表5は、(d)一価アルコールを含む組成物が、(b)ジオールと(d)一価アルコールとの総量の、(a)油の量に対する質量比が4以上である場合に、本発明の所望の効果を提供することができることを明示している。
【0155】
表6は、(i)4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を有する脂肪アルコールが使用されるべきであることを明示している。
【0156】
表7は、(ii)4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を有する脂肪酸が使用されるべきであることを明示している。
【0157】
表8は、(iii)4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を有する一価カルボン酸モノエステル、(iv)3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの分枝状アルキル基を有する二価カルボン酸ジエステル、並びに(v)3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を有するN-アシルアミノ酸エステルが使用されるべきであることを明示している。
【0158】
表9は、(iv)4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を有する乳酸アルキルが使用されるべきであることを明示している。
【0159】
そのため、表1~表9は、
(a)少なくとも1種の油と、
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有する少なくとも1種のジオールと
の、(c)水を含む組成物中の、
使用であって、
(a)油が、(i)脂肪アルコール、(ii)脂肪酸、(iii)一価カルボン酸モノエステル、(iv)二価カルボン酸ジエステル、(v)N-アシルアミノ酸エステル、及び(vi)乳酸アルキルからなる群から選択され、但し、
- (i)脂肪アルコール及び(ii)脂肪酸が、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iii)一価カルボン酸モノエステルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
- (iv)二価カルボン酸ジエステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する少なくとも1つの分枝状アルキル基、及び6~18個、好ましくは6~14個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルキレン基を含み、
- (v)N-アシルアミノ酸エステルが、3~10個、好ましくは3~8個、より好ましくは3~6個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、及び4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状アシル基を含み、
- (vi)乳酸アルキルが、4~30個、好ましくは5~26個、より好ましくは6~22個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状若しくは分枝状アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状アルケニル基を含み、
且つ
(b)3個以上の炭素原子を含む、5個又は6個の炭素原子の総数を有する、少なくとも1つの炭素鎖を有するジオールの量の、(a)油の量に対する質量比が、4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上である、
使用が、組成物を安定にする且つ透明にすることができることを明示している。