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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104374
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】景品取得ゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008532
(22)【出願日】2023-01-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 配布日 令和4年6月13日、株式会社ラウンドワンへ資料配布 配布日 令和4年6月15日、株式会社GENDA GIGOへ資料配布 配布日 令和4年6月30日、株式会社バンダイナムコアミューズメントへ資料配布 配布日 令和4年8月8日、株式会社ラウンドワンへ資料配布 配布日 令和4年8月26日、株式会社バンダイナムコアミューズメントへ資料配布 配布日 令和4年9月21日、株式会社山崎屋へ資料配布 配布日 令和4年9月22日、株式会社アミパラへ資料配布 配布日 令和4年9月22日、株式会社ソユーへ資料配布 配布日 令和4年9月22日、プレビ株式会社へ資料配布 配布日 令和4年9月26日、株式会社ワイドレジャーへ資料配布 配布日 令和4年9月27日、株式会社プロバックスへ資料配布 配布日 令和4年9月30日、株式会社ジーエム商事へ資料配布 配布日 令和4年10月5日、株式会社ユティルへ資料配布 配布日 令和4年10月7日、株式会社ジーエム商事へ資料配布 配布日 令和4年10月14日、株式会社イオンファンタジー 配布日 令和4年10月18日、株式会社ゼムスへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社アスモへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社原電化へ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社友栄へ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社フジユーエンへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、エイトレジャー物産株式会社へ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社メトロへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、北東商事株式会社へ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社アミューズメント沖縄へ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社MGへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社マタハリーエンターテイメントへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社コーエーテクモウエーブへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社GENDA GAMESへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社サードプラネットへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、株式会社アムジーへ資料配布 配布日 令和4年10月18日、サンレジャー株式会社へ資料配布
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 配布日 令和4年11月11日、タイトーへ資料配布 配布日 令和5年1月11日、共和コーポレーションへ資料配布
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和4年10月28日、月刊アミューズメント・ジャーナル広告(GM商事枠)にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和4年6月1日、辰巳電子工業株式会社ウェブサイトにて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和4年 9月2日、namcoイオンレイクタウン店にて公開 公開日 令和4年10月1日、アミパラ橿原店にて公開 公開日 令和4年10月1日、GIGOイオンモールむさし村山にて公開 公開日 令和4年10月7日、楽市楽座イオンモール筑紫野店にて公開 公開日 令和4年10月8日、東京レジャーランド池袋店にて公開 公開日 令和4年10月21日、NICOPA和歌山店にて公開 公開日 令和4年10月21日、ブラックジャック東広島店にて公開 公開日 令和4年10月22日、namcoイオンレイクタウン店にて公開 公開日 令和4年10月22日、ユーズランドイオンレイクタウンkaze店にて公開 公開日 令和4年11月3日、ラウンドワン堺中央環状店にて公開 公開日 令和4年11月3日、シルクハット川崎ダイスにて公開 公開日 令和4年11月4日、ファミリーランドポニー小林店にて公開 公開日 令和4年11月7日、ハローズガーデン北砂店にて公開 公開日 令和4年12月23日、ピンクパンサー日立店にて公開 公開日 令和5年1月12日、モーリーファンタジー品川シーサイド店にて公開 公開日 令和5年1月13日、タイトーステーション溝の口店にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】597047392
【氏名又は名称】辰巳電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】中原 隆彦
(72)【発明者】
【氏名】石井 朋美
(72)【発明者】
【氏名】中川 隆史
(72)【発明者】
【氏名】森山 宣孝
(72)【発明者】
【氏名】岩間 大祐
(72)【発明者】
【氏名】中西 竜介
(72)【発明者】
【氏名】松元 正樹
(72)【発明者】
【氏名】野間 忠
(57)【要約】
【課題】ユーザの満足度が高くゲーム性に優れた景品取得ゲーム機を提供することである。また、より多くの種類の景品を扱うことができる景品取得ゲーム機を提供することである。
【解決手段】景品取得ゲーム機100は、筐体200内に設けられた回転軸部400と、回転軸部400と共に回転する回動枠部600と、回転軸部400に軸支され、景品990が載置される複数の景品載置部300と、複数の景品載置部300のそれぞれの領域を区別し特定するための領域区別情報655を表示する領域区別情報表示部と、景品載置部300の端部側に設けられ、回動枠部600に景品載置部300を保持する弾性係止部500および被係止部材650と、弾性係止部500および被係止部材650の保持状態を解除する押出装置700と、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部に収容された景品を、前記筐体に設けられた景品落下口に落とすことによりユーザが前記景品を獲得可能な景品取得ゲーム機であって、
前記筐体内に設けられた回転軸と、
前記回転軸と共に回転する回転枠と、
前記回転軸に軸支され、前記景品が載置される複数の景品載置部と、
前記複数の景品載置部のそれぞれの領域を区別し特定するための領域区別情報を表示する領域区別情報表示部と、
前記景品載置部の端部側に設けられ、前記回転枠に前記景品載置部を保持する景品載置保持部と、
前記景品載置保持部の保持状態を解除する保持状態解除装置と、を含み、
前記回転軸には、複数の回転速度が設定されており、前記景品載置保持部を前記保持状態解除装置により前記保持状態を解除して前記景品を取得する、景品取得ゲーム機。
【請求項2】
前記景品載置保持部は、前記回転枠に係止される弾性係止部を含み、
前記保持状態解除装置は、前記弾性係止部を前記回転軸の方向に押す棒部材を備えた押出装置からなり、
前記押出装置により前記棒部材が前記弾性係止部を押すことにより前記弾性係止部が撓み、1回または複数回繰り返し押した場合に、前記弾性係止部が前記回転枠から離間し、前記景品載置部が軸回転し前記端部が下方向へ移動する、請求項1記載の景品取得ゲーム機。
【請求項3】
前記領域区別情報表示部で表示された前記領域を識別するための領域識別情報を取得する領域識別情報取得部をさらに含む、請求項1または2に記載の景品取得ゲーム機。
【請求項4】
前記領域識別情報取得部で取得した前記領域識別情報により、前記複数の回転速度または/および前記保持状態解除装置の動作を制御することができる請求項3に記載の景品取得ゲーム機。
【請求項5】
前記ユーザに前記複数の回転速度のうちいずれか1つの回転速度であることを報知する報知部が設けられた請求項1記載の景品取得ゲーム機。
【請求項6】
前記複数の回転速度は、1プレイ毎に設定され、前記ユーザが料金を投入した場合に、前記報知部は前記複数の回転速度に応じて、前記回転枠に設けられた表示部の色が変更される、請求項5記載の景品取得ゲーム機。
【請求項7】
前記複数の回転速度は、前記景品の原価率および/または目標原価率に応じて設定できる、請求項1記載の景品取得ゲーム機。
【請求項8】
前記弾性係止部は、前記景品載置部の前記端部側に設けられたバネ部材と、前記バネ部材の端部に設けられ、かつ前記回転枠に係止可能な1または複数の凹凸部を有する係止部材と、を含む、請求項2記載の景品取得ゲーム機。
【請求項9】
前記押出装置は、前記ユーザが前記コインを投入した場合、前記弾性係止部まで到達する移動距離まで前記棒部材を移動させ、前記ユーザが前記コインを投入しない場合、前記弾性係止部まで到達しない移動距離まで前記棒部材を移動させる、請求項8記載の景品取得ゲーム機。
【請求項10】
筐体の内部に収容された景品を、前記筐体に設けられた景品落下口に落とすことによりユーザが透明板越しの前記景品を獲得可能な景品取得ゲーム機であって、
前記筐体の前面に設けられた透明板と、
前記景品を獲得するための駆動装置の駆動位置と、を含み、
前記透明板は、前記景品の出し入れのために引き違い戸で形成され、当該引き違い戸の前記透明板の重複した部分が、前記駆動装置と前記透明板とを結ぶ仮想垂線からずれて配置された、景品取得ゲーム機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品取得ゲーム機の筐体の内部に収容された景品を、筐体に設けられた景品落下口に押し出し外部に払い出して利用者が取得する景品取得ゲーム機に関し、特に様々なサイズの景品をユーザ(以下、プレーヤともいう。)がゲーム性高く獲得できるようにした景品取得ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1(特開平10-43425号公報)には、遊戯者が欲しい景品を直接狙い落とすことができる景品取得ゲーム機が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の景品取得ゲーム機は、景品を並べて載置する景品載置部と、景品載置部上の景品に当接して、景品を景品載置部上より落とす景品落とし手段を備えた景品落とし装置と、景品落とし装置を景品に相対する位置へ移動させる移動手段と、景品落とし手段の動作および移動手段を制御する操作手段とを備え、景品落とし手段は、細長部材を有する突き出し機構を備えたものである。
【0004】
特許文献2(特開2006-175039号公報)には、景品のディスプレイが途中で崩れることなく払出直前までそのままの状態を維持することができ、しかも、その動きでプレーヤを楽しませることのできる景品供給装置について開示されている。
【0005】
特許文献2に記載の景品供給装置は、台上の景品を移動させて払出口に落下させるゲーム装置に用いられる景品供給装置であって、景品を保持でき、かつ、景品を落下可能に形成された景品貯留手段と、景品貯留手段を景品保持状態に支持する支え手段と、積み上げ可能な複数のブロック材とを有し、複数のブロック材のうち少なくとも1つが支え手段に連結され、積み上げられた複数のブロック材が台上の景品に押されて崩れるか又は台上から落下したときに支え手段の支持を解除するものである。
【0006】
さらに、特許文献3(特開2004-181150号公報)には、景品の大きさや形状および取得景品数に対して適用性がありプレイヤの興味をそそり、景品の陳列に付帯物を必要とせずに簡単な取付作業で済みコストの低減を図ることができる景品取得ゲーム装置および景品払出装置について開示されている。
【0007】
特許文献3に記載の景品取得ゲーム装置は、景品を傾斜面に載置する載置部と、プレイヤがゲーム操作を行う操作手段と、プレイヤが行うゲーム操作に応答して移動制御される景品取得手段と、傾斜面上の景品が載置部から滑落するのを阻止する滑落阻止部材と、景品が滑落するのを阻止する位置に滑落阻止部材を維持する係止部材と、係止部材に支持され支持状態によって同係止部材に作用して係止を解除する係止解除部材と、係止解除部材に設けられたターゲットとを備え、プレイヤのターゲットを狙ったゲーム操作に応答して移動した景品取得手段がターゲットに作用して係止解除部材を作動させて同係止解除部材の支持状態によって係止部材の係止を解除し景品の滑落を許す位置に滑落阻止部材を移動させて景品を払出すものである。
【0008】
特許文献4(特開2001-300122号公報)には、景品を狙って景品落し手段を操作し、その後に景品が景品載置台から落されるまでの間で、趣向性のある演出を行えるようにする。具体的には、景品を景品落し手段で狙って取りに行った時に、景品自体が落されないように逃げるといったオーバアクションのビジュアル的な演出を行う、ゲーム機について開示されている。
【0009】
特許文献4に記載のゲーム機は、景品載置台を備え、当該景品載置台上の景品を景品落し手段により落下させて景品を取得するゲーム機であって、景品載置台上の景品を、左右移動又は回動可能に構成したものである。
【0010】
特許文献5(特開2020-005959号公報)には、設置状態で、景品の位置や並びを簡単に変更することができる家庭用の景品払出しゲーム機について開示されている。
【0011】
特許文献5に記載の家庭用景品払出しゲーム機は、景品収容室に設置された回転板上に景品を載せ、回転板の回転に追従して周回する景品を外部操作可能な捕捉具によって所定の回転位置で捕捉し、捕捉した景品を払い出す家庭用景品払出しゲーム機であって、景品収容室の外側から操作可能に構成され且つ回転板の上面に対して進退可能な押圧子を有し、押圧子で当該回転板上の景品を押圧して当該景品の並びや位置を変更させる景品押圧装置を備えたものである。
【0012】
特許文献6(特開2006-334270号公報)には、重量の大きい景品を載置した場合でも、遊戯者が押付手段を適切に移動して押付部を押し付けた場合には確実に景品を払い出すことができる、景品展示・払出装置について開示されている。
【0013】
特許文献6に記載の景品獲得遊戯機の景品展示・払出装置は、遊戯者が操作可能な押付手段によって押付部を押し付けると、景品載置棚板に載置されている景品が払い出される景品獲得遊戯機の景品展示・払出装置において、景品載置棚板と、景品載置棚板に当接して略水平に支持可能に枢結された回転自在の回動手段と、回動手段に当接可能に設けられた支持手段と、を有するものである。
【0014】
さらに、特許文献7(特開2002-239199号公報)には、ゲーム開始時には景品が直接狙える位置に静止しているが、所定の景品押出手段で狙った景品を押すことができたとしても、当該景品を取得できるとは限らず、従来の単純な景品取得ゲームにはない面白みを付加したゲーム装置について開示されている。
【0015】
特許文献7に記載のゲーム装置は、景品を載置可能な載置台と、景品を遊技者に払い出すために設けられた落し穴部と、遊技者の操作に応じて載置台に載置された景品を落し穴部の方向へ押し出す景品押出手段と、を備えたゲーム装置であって、載置台は、景品押出手段による押出力に応じて落し穴部の方向へ移動可能であり、載置台に対して、落し穴部と逆方向に制止力をかける制動手段と、景品払出率に応じて、制動手段の駆動するタイミング、駆動時間、或いは制止力の大きさを制御する制御部と、を備えるものである。
【0016】
さらに、特許文献8(特開2003-088679号公報)には、最先操作により1景品の取得権を独占的に確保でき連続して所望の景品を狙うことができる景品取得ゲーム機について開示されている。
【0017】
特許文献8に記載の景品取得ゲーム機は、複数の景品を展示する展示手段と、展示手段の周りに複数配設された操作部と、プレイヤーが所望景品を狙ってゲーム操作する各操作部に設けられたゲーム操作手段と、ゲーム操作手段の操作に従って景品取得ゲームを進行させるゲーム進行手段と、ゲーム操作手段のゲーム操作に成功すると狙った景品を景品取出部に払い出す景品払出手段と、展示された景品のうち所望の1景品をプレイヤーが選択する各操作部に設けられた選択操作手段と、1操作部の選択操作手段の最先操作によりその選択された景品に対する他の操作部におけるゲーム操作手段および選択操作手段の操作を無効とする独占制御手段と、を備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平10-43425号公報
【特許文献2】特開2006-175039号公報
【特許文献3】特開2004-181150号公報
【特許文献4】特開2001-300122号公報
【特許文献5】特開2020-005959号公報
【特許文献6】特開2006-334270号公報
【特許文献7】特開2002-239199号公報
【特許文献8】特開2003-088679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
特許文献1乃至特許文献3の景品取得ゲーム機においては、種々の工夫がなされているものの、近年の景品の大型化には対応できないという問題があった。
また、特許文献4乃至特許文献7の景品取得ゲーム機においては、景品の大型化には対応できるものの、景品の種類が1種類であり、多種多様な景品に対応することができないという問題があった。特に、プレーヤが所望する景品が無い場合には、当該景品取得ゲーム機で遊ばれることがなく、設置エリアの無駄遣いとなり、収益性に欠けるという問題があった。
また、特許文献8の景品取得ゲーム機においては、独占制御手段が設けられており、所望の景品以外を遊戯で獲得したい場合に対応することができなかった。
【0020】
本発明の主な目的は、ユーザの満足度が高くゲーム性に優れた景品取得ゲーム機を提供することである。
本発明の他の目的は、より多くの種類の景品を扱うことができる景品取得ゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(1)
一局面に従う景品取得ゲーム機は、筐体の内部に収容された景品を、筐体に設けられた景品落下口に落とすことによりユーザが景品を獲得可能な景品取得ゲーム機であって、筐体内に設けられた回転軸と、回転軸と共に回転する回転枠と、回転軸に軸支され、景品が載置される複数の景品載置部と、複数の景品載置部のそれぞれの領域を区別し特定するための領域区別情報を表示する領域区別情報表示部と、景品載置部の端部側に設けられ、回転枠に景品載置部を保持する景品載置保持部と、景品載置保持部の保持状態を解除する保持状態解除装置と、を含み、回転軸には、複数の回転速度が設定されており、景品載置保持部を保持状態解除装置により保持状態を解除して景品を取得するものである。
【0022】
この場合、ユーザは、保持状態解除装置をタイミングよく操作して、景品載置保持部の保持状態を解除させることができる。その結果、ユーザの満足度が高くゲーム性に優れる。また、ユーザが領域区別情報表示部を視認し、取得したい景品を見間違わないようにすることができる。例えば、複数の領域において同じ景品が有る場合に、領域区別情報表示部を認識し、同一の景品を目指してプレイすることができる。
【0023】
(2)
第2の発明にかかる景品取得ゲーム機は、一局面に従う景品取得ゲーム機において、景品載置保持部は、回転枠に係止される弾性係止部を含み、保持状態解除装置は、弾性係止部を回転軸の方向に押す棒部材を備えた押出装置からなり、押出装置により棒部材が弾性係止部を押すことにより弾性係止部が撓み、1回または複数回繰り返し押した場合に、弾性係止部が回転枠から離間し、景品載置部が軸回転し端部が下方向へ移動してもよい。
【0024】
この場合、ユーザは、押出装置により棒部材が弾性係止部を押す状態を確実に視認することができる。1回または複数回繰り返し押した場合に、弾性係止部が回転枠から離間するため、ユーザは次で景品落下口に景品を落とすことができるのか、というユーザの高揚感および達成感を高めることができる。その結果、ユーザの満足度が高くゲーム性に優れる。
【0025】
(3)
第3の発明にかかる景品取得ゲーム機は、一局面または第2の発明にかかる景品取得ゲーム機において、領域区別情報表示部で表示された領域を識別するための領域識別情報を取得する領域識別情報取得部をさらに含んでもよい。
【0026】
この場合、景品取得ゲーム機自体は、領域区別情報表示部で表示された領域を識別する領域識別情報を取得する領域識別情報取得部を有するので、景品の載置された領域を容易に認識することができる。
【0027】
(4)
第4の発明にかかる景品取得ゲーム機は、第3の発明にかかる景品取得ゲーム機において、領域識別情報取得部で取得した領域識別情報により、複数の回転速度または/および保持状態解除装置の動作を制御してもよい。
【0028】
この場合、景品取得ゲーム機により領域識別情報取得部で取得した領域識別情報を用いて景品の管理および/または複数の回転速度を制御することができるので、遊戯を楽しんでもらうゲームセンターのスタッフまたはオーナー等は、利益を確保することが容易となる。
【0029】
(5)
第5の発明にかかる景品取得ゲーム機は、一局面にかかる景品取得ゲーム機において、ユーザに複数の回転速度のうちいずれか1つの回転速度であることを報知する報知部が設けられてもよい。
【0030】
この場合、ユーザは、報知部からの情報に応じて回転速度を認識することができる。そして、回転速度に応じて、保持状態解除装置のタイミングを図ることができるため、ユーザは次で景品落下口に景品を落とすことができるのか、というユーザの高揚感および達成感を高めることができる。その結果、ユーザの満足度が高くゲーム性に優れる。
特に、報知部からの情報は、発光の色であってもよく、音であってもよく、高揚感を高めるための音楽または表示部に表示される動画等であってもよい。
【0031】
(6)
第6の発明にかかる景品取得ゲーム機は、第5の発明にかかる景品取得ゲーム機において、複数の回転速度は、1プレイ毎に設定され、ユーザが料金を投入した場合に、報知部は複数の回転速度に応じて、回転枠に設けられた表示部の色が変更されてもよい。
【0032】
この場合、ユーザは、料金を投入した場合に、報知部である回転枠に設けられた表示部の色に応じて回転速度を認識することができる。そして、回転速度に応じて、保持状態解除装置のタイミングを図ることができるため、ユーザは次で景品落下口に景品を落とすことができるのか、というユーザの高揚感および達成感を高めることができる。その結果、ユーザの満足度が高くゲーム性に優れる。
【0033】
(7)
第7の発明にかかる景品取得ゲーム機は、一局面に従う景品取得ゲーム機において、複数の回転速度は、景品の原価率および/または目標原価率に応じて設定できてもよい。
【0034】
この場合、景品取得ゲーム機を設置し、遊戯を楽しんでもらうゲームセンターのスタッフまたはオーナー等は、景品の原価率および/または目標原価率に応じて回転速度を設定できるため、目的とする原価率または目標原価率を達成することが容易となる。
【0035】
(8)
第8の発明にかかる景品取得ゲーム機は、第2の発明にかかる景品取得ゲーム機において、弾性係止部は、景品載置部の端部側に設けられたバネ部材と、バネ部材の端部に設けられ、かつ回転枠に係止可能な1または複数の凹凸部を有する係止部材と、を含んでもよい。
【0036】
この場合、弾性係止部は、バネ部材と1または複数の凹凸部材とからなる係止部材からなるので、あと少しで景品を取得できるという感情を湧かせることができ、ユーザの高揚感および達成感を高めることができる。その結果、ユーザの満足度が高くゲーム性に優れる。
【0037】
(9)
第9の発明にかかる景品取得ゲーム機は、第8の発明にかかる景品取得ゲーム機において、押出装置は、ユーザがコインを投入した場合、弾性係止部まで到達する移動距離まで棒部材を移動させ、ユーザがコインを投入しない場合、弾性係止部まで到達しない移動距離まで棒部材を移動させてもよい。
【0038】
ユーザは、遊び方がわからない場合に、コインを投入せずに押出装置を稼働させようとする。このような場合でも、押出装置は、棒部材を所定の位置まで移動させることができるので、ユーザは、即座に遊び方を理解することができる。
また、ユーザが、遊び方を理解しても、何度も繰り返し押出装置を稼働させようとした場合、押出装置が棒部材を所定の位置まで移動させることを停止させてもよい。例えば、子供によるいたずらでコインを投入せずにボタンを連打した場合等、押出装置の故障を防止することができる。
【0039】
(10)
他の局面にかかる景品取得ゲーム機は、筐体の内部に収容された景品を、筐体に設けられた景品落下口に落とすことによりユーザが透明板越しの景品を獲得可能な景品取得ゲーム機であって、筐体の前面に設けられた透明板と、景品を獲得するための駆動装置の駆動位置と、を含み、透明板は、景品の出し入れのために引き違い戸で形成され、当該引き違い戸の透明板の重複した部分が、駆動装置と透明板とを結ぶ仮想垂線からずれて配置されたものである。
【0040】
本発明にかかる景品取得ゲーム機は、中央部に操作部があり中央部に押出装置または保持状態解除装置が配置される。そのため、ユーザが景品取得ゲーム機で遊ぶ場合、駆動装置と透明板とを結ぶ仮想直線上に透明板の引き違い戸の重複部分が配置される。すなわち、引き違い戸の2枚の透明板のサイズを同じにすると、駆動装置と透明板とを結ぶ仮想直線上に透明板の引き違い戸の重複部分が配置されることとなる。
その結果、ユーザは、重複部分の透明板の汚れ、または屈折率により操作部を押下操作するタイミングを図りにくく感じることがあり、ゲームをやめてしまうことがある。本発明においては、駆動装置と透明板とを結ぶ仮想直線上から、透明板の引き違い戸の重複部分をずれて配置させることにより、透明板の汚れ、または透明板の屈折率を排除することができる。すなわち、引き違い戸の2枚の透明板のサイズを異ならせているため重複部分をずれて配置させることができる。結果として、ユーザの高揚感の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】景品取得ゲームの一例を示す模式的斜視図である。
図2図1の景品取得ゲームのA-A断面の一例を示す水平断面図である。
図3図1および図2の景品取得ゲームのB-B断面の一例を示す垂直断面図である。
図4】弾性係止部の一例を示す模式的説明図である。
図5】押出装置および操作部のボタンの一例の詳細を説明するための模式的断面図である。
図6】弾性係止部、被係止部、押出棒の関係性の一例を示す模式的説明図である。
図7】弾性係止部、被係止部、押出棒の関係性の一例を示す模式的説明図である。
図8】弾性係止部、被係止部、押出棒の関係性の一例を示す模式的説明図である。
図9】弾性係止部、被係止部、押出棒の関係性の一例を示す模式的説明図である。
図10】弾性係止部、被係止部、押出棒の関係性の一例を示す模式的説明図である。
図11】押出棒のバリエーションの一例を説明するための模式的説明図である。
図12】係止部材のバリエーションの一例を説明するための模式的説明図である。
図13】弾性係止部の係止部材および被係止部の関係の一例を説明するための模式的説明図である。
図14】照明装置の交換の一例を示すための模式的説明図である。
図15】透明板を開閉するための施錠装置の一例を説明するための模式的説明図である。
図16】景品取得ゲーム機の主な構成の一例を示す模式的ブロック図である。
図17】景品取得ゲーム機の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図18】弾性係止部の係止部材および被係止部の関係の他の例を説明するための模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付す。また、同符号の場合には、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さないものとする。
【0043】
(景品取得ゲーム機100)
図1は、景品取得ゲーム機100の一例を示す模式的斜視図であり、図2は、図1の景品取得ゲーム機100のA-A断面の一例を示す水平断面図であり、図3は、図1および図2の景品取得ゲーム機100のB-B断面の一例を示す垂直断面図である。
【0044】
図1乃至図3に示すように、景品取得ゲーム機100は、主に筐体200、景品載置部300、回転軸部400、弾性係止部500、回動枠部600、被係止部材650、報知部680、押出装置700、操作部800および景品取り出し口900を含む。
【0045】
景品取得ゲーム機100の筐体200は、上部に天板210と、それらを支える支柱220(奥の2本は、金属製、手前の2本は、透明樹脂製)が4隅に配置されている。天板210の裏面には、照明装置280が設けられる。支柱220の間には、透明板230がそれぞれ配置されており、一面のみ、引き違い戸の透明板231、232が配置されている。当該引き違い戸は、景品取得ゲーム機100の設置場所のスタッフが景品990(図3参照)を陳列する場合に、透明板231または透明板232を開放可能にするためである。当該一面は、ユーザから見て最も近い前面であってもよく、側面であってもよい。また、筐体200の下部は、主に矩形容器状に金属板で囲われている。そして、矩形容器状の下部には、1または複数の固定用の脚部250と、1または複数の移動用の車輪260とが設けられている。図1においては、景品取得ゲーム機100の下端4隅にそれぞれ設けられている。
【0046】
また、図1乃至図3に示すように、本実施の形態にかかる景品取得ゲーム機100は、設置スペースが1100mm×1300mmからなり、従来の製品と比較して省スペース化を図ることができる。
【0047】
図1乃至図3に示すように、景品取得ゲーム機100は、上面視した場合(図2参照)に、略中央部に回転軸部400が配置されており、回転軸部400の周囲に景品990を陳列する景品載置部300が4個設けられている。図2においては、景品載置部300を4個としているが、これに限定されず、2個、3個、5個、6個、その他の任意の数としてもよい。
また、図1および図2に示すように、景品取得ゲーム機100は、例えば、高さ70cm以下、横幅50cm以下、縦幅50cm以下の大型の景品990を4種類まで陳列することができる。
なお、当然ながら、大型の景品990でなくても、中型、小型の景品を載置することができる。
また、図3に示すように、景品990の上にプレート995を設けて、景品見本991を載置してもよく、景品990が落ちないように、景品ガード992を上面視略円形のワイヤー等で保護してもよい。
【0048】
また、回転軸部400を中心とした放射線延長方向で、かつ景品載置部300の端部に、それぞれ弾性係止部500が設けられる。弾性係止部500の詳細については後述する。
さらに、回転軸部400を中心として回動枠部600が設けられる。回動枠部600は、リング状(ドーナッツ状)の円板形状からなる。回動枠部600には、弾性係止部500と係止可能な被係止部材650が設けられる。被係止部材650には、領域区別情報655が設けられている。なお、本実施の形態にかかる領域区別情報655は、4個の被係止部材650のすべてに設けられていて、1から4までの番号を順番に領域に割り当てて表示している。また、回動枠部600は、回転軸部400と同期して回転を行う。
回動枠部600の下方には、報知部680が略円形状に配置される。報知部680および押出棒710には、LED等の発光装置が内蔵されており、ユーザに対して複数の色を発光して報知できるものである。なお、本実施の形態においては、報知部680により複数の色で報知されることとしているが、これに限定されず、複数の発光パターンであってもよく、複数の音であってもよく、複数の音楽または複数の動画であってもよい。
【0049】
図1乃至図3に示すように、景品取得ゲーム機100の下部の一端側(ユーザから見て左方向)に景品取り出し口900が設けられる。景品取り出し口900は、景品取得ゲーム機100の筐体200の一部に開口部が設けられ、景品990が落下した場合に、回転軸部400と同期して回転移動する景品移動羽根910により景品取り出し口900に景品990が運ばれる。
また、図3に示すように、回転軸部400の回動速度を検知する速度検知センサ940が設けられており、さらに、景品取り出し口900へ景品990が落下したことを検知する検知センサ920が設けられている。速度検知センサ940は、領域識別センサとしての機能も有する。速度検知センサ940は、領域区別情報655に対応する領域識別情報の検知を行い、景品990の種別を認識することができる。
【0050】
具体的に、回転枠600に領域区別情報655をそれぞれの領域に配置し、領域識別情報として、基準となる領域マーク656を他の領域マーク656と区別できるようにすることで、回転枠600の1回転を検出し、1回転の時間を計測して速度を算出することができ、また、基準からの領域マーク656をカウントすることにより、ボタン820が押されたタイミングで、どの領域が、プレイの対象となっているのかを判別することもできる。この領域マーク656が領域識別情報となる。この領域マーク656は速度検知センサ940の位置に合わせて回転枠のどこにあってもよい。領域を判別することにより、ユーザがどの景品990を狙ってプレイしているのかを判別することができ、個別の景品990毎のプレイに対する景品獲得率を算出することができ、難易度の調整に利用することができる。さらに、原価の異なる景品990を配置しても、その景品990に応じた難易度の調整も可能となる。例えば、全体的な難易度は、回転軸部400の回転速度で調整でき、個別の領域に対しては、押出装置700の動作を変えることで個別に難易度を変えることもできる。押出装置700の動作を変える方法としては、押出速度、押出時間、押出タイミング、押出距離などで変えることができる。
【0051】
例えば、領域区別情報655とは、デザイン、文字、数字、絵、番号、記号、色等であってもよく、領域識別情報はRFIDタグであってもよく、形状を異ならせた部材であってもよい。速度検知センサ940は、領域識別情報として、領域区別情報655を直接読み込み、デザイン、文字、数字、絵、番号、記号、色等を検知するカメラを含んでいてもよく、RFIDタグと通信する通信部を含んでいてもよく、形状が異なる部材を検知するセンサをさらに含んでいてもよい。なお、領域区別情報655は、領域内のどの場所にあってもよく、領域が異なる事がわかればよい。
ユーザは、景品取り出し口900に設けられた透明板930を押すことにより回動させて、景品990を取得する。
透明板センサ921は、透明板930の開閉を検知する。すなわち、透明板930が透明板センサ921により検知される場合には、ユーザの体の一部が景品取得ゲーム機100内に入るため、回転軸部400の回転を停止する。さらに、子供のユーザが遊ぶ場合も想定し、透明板センサ921が検知されたあとに、さらに侵入センサ922が検知された場合には、安全のために景品取得ゲーム機100は、回転軸部400の回転を停止する。
【0052】
また、図1および図2に示すように、景品取得ゲーム機100の中央部の中央から他端側(ユーザから見て右方向)に操作部800が設けられる。なお、操作部800には、ゲームを開始するためのコイン投入口810、および押出装置700の駆動指示を出すボタン820が設けられている。ボタン820は、景品取得ゲーム機100の中央に設けられた回転軸部400と押出装置700との仮想直線VLの延長上に設けられる。
【0053】
次いで、押出装置700は、回転軸部400とボタン820との仮想直線VL上に設けられている。押出装置700は、押出棒710、バネ部材720(図5参照)、筐体730(図5参照)、保持部材740(図5参照)およびスライド駆動部750(図5参照)からなる。
また、景品取得ゲーム機100は、押出装置700は、回転軸部400とボタン820との仮想直線VL上に、筐体200の引き違い戸の透明板231、232の重複部分RDが存在しないように配置されている。以下、景品取得ゲーム機100の各部の詳細について説明を行う。
【0054】
(景品載置部300、回転軸部400および回動枠部600)
図1または図2に示すように、回転軸部400は、筐体200の中央部に配置され、図3に示すモータ410により回転可能に設けられる。回転軸部400には、景品載置部300をヒンジで支持する支持部420(図3図6参照)が設けられる。
本実施の形態においては、支持部420は、景品載置部300を支持している。
また、4個の景品載置部300のエリアを、それぞれ分割するための区切り部430が設けられる。区切り部430には、透明板431が載置されて分割されている。また、区切り部430の端部は、回動枠部600と接続されている。なお、区切り部430の端部は、回動枠部600と一体に形成されていてもよい。また、図3に示すように、景品990を景品取り出し口900へ移動する景品移動羽根910が区切り部430の下方向に設けられ、回転軸部400と同期して回転する。景品移動羽根910は、各区切り部430の下方に設けられていてもよく、1または複数の区切り部430の下方にのみ設けられていてもよい。
また、景品載置部300の上面には、景品990が下述の弾性係止部500の動作を妨げないためのガード部材310が設けられている。
さらに、景品載置部300の端部には、弾性係止部500が設けられる。次に、弾性係止部500について説明を行う。
【0055】
(弾性係止部500)
図4は、弾性係止部500の一例を示す模式的説明図である。
図4に示すように、景品載置部300の端部には、弾性係止部500が設けられている。
弾性係止部500は、主に板バネ部材510、保持部材520、固定部材525、係止部材530からなる。
【0056】
板バネ部材510の一端側は、景品載置部300の端部側にネジ止めされ、景品載置部300の端部から上方向へ向けて直角または鋭角に曲げられている。すなわち、板バネ部材510は、略L字形状からなる。板バネ部材510は、景品載置部300の裏面側にネジ止めされている。また、板バネ部材510が、景品載置部300の裏面から一部離れているため、弾性を生じさせることができる。
板バネ部材510の他端側に保持部材520が設けられ、保持部材520にL字型の固定部材525を介して係止部材530が螺子締結により接続される。
【0057】
(係止部材530)
係止部材530は、1または複数の係止溝531、~、係止溝536、係止面537が形成されている。
図4に示すように、係止部材530には、所定の間隔毎に大きな係止溝531、~、535が形成されており、各係止溝531、~、係止溝535の間には、小さな係止溝536が1または複数形成されている。当該係止部材530の動作の詳細については後述する。
【0058】
(押出装置700および操作部800のボタン820)
図5は、押出装置700および操作部800のボタン820の一例の詳細を説明するための模式的断面図である。すなわち、図5は、仮想直線VL上の断面の拡大図を示している。
【0059】
押出装置700は、主に押出棒710、バネ部材720、筐体730、保持部材740およびスライド駆動部750を含む。
図5に示す押出棒710は、先端部が球状からなり、後端部は円筒状からなる。また、押出棒710には、LEDが内蔵されている。押出棒710の後端部には、バネ部材720が接続されている。バネ部材720は、保持部材740に保持されている。
【0060】
また、筐体730は、ユーザから視認できる部分にあり、長孔からなるスリット731が形成されている。したがって、スリット731から突出している押出棒710、バネ部材720、保持部材740の一部がユーザから視認可能となる。
なお、バネ部材720は、押出棒710が弾性係止部500以外に接触した場合に当接力または接触力を逃がすために設けられている。
【0061】
保持部材740は、スライド駆動部750に接続されている。ユーザによりコインが投入され、ボタン820が押下操作された場合、スライド駆動部750は、保持部材740、バネ部材720、押出棒710を矢印SLの方向へ移動させる。
なお、後述するが、ユーザによりコインが投入されない場合でも、ボタン820が押下操作された場合、スライド駆動部750は、保持部材740、バネ部材720、押出棒710を矢印SLの方向へ所定の距離または/および所定の回数だけ移動させるようにしてもよい。この場合、所定の距離とは、押出棒710が弾性係止部500に当接しない距離である。
【0062】
(弾性係止部500、被係止部材650、押出棒710)
図6乃至図10は、弾性係止部500、被係止部材650、押出棒710の関係性の一例を示す模式的説明図である。
まず、図6に示すように、景品載置部300および回転軸部400の間にヒンジで支持する支持部420が設けられている。また、景品載置部300の端部には、弾性係止部500が設けられ、係止部材530の係止溝531~536もしくは、係止面537が、被係止部材650と係止した状態となる。この場合、景品990が景品載置部300上に載置される。なお、景品載置部300は、図の手前から奥方向へ回転軸部400により回転し続けているが、説明の簡略化のために、景品載置部300が押出装置700と一直線上にある場合を例に挙げて説明を行う。
【0063】
次に、ユーザがボタン820の押下操作を行い、押出装置700により押出棒710が矢印SLの方向にスライド移動し、係止部材530に接触したとする。この場合、図7に示すように、板バネ部材510により係止部材530が矢印SLの方向へ押され、被係止部材650と係止部材530の係止溝535とが係止する。
そのため、景品載置部300が支持部420を中心に傾斜する。この場合、ガード部材310により景品990が弾性係止部の動作を妨げるのを防止することができる。
【0064】
次いで、図7に示す状態から、押出装置700により押出棒710が矢印SLの方向にスライド移動し、係止部材530に接触したとする。この場合、図8に示すように、板バネ部材510により係止部材530が矢印SLの方向へ押され、被係止部材650と係止部材530の係止溝534とが係止する。
【0065】
次いで、図8に示す状態から、押出装置700により押出棒710が矢印SLの方向にスライド移動し、係止部材530に何度か接触したとする。この場合、図9に示すように、板バネ部材510により係止部材530が矢印SLの方向へ押され、被係止部材650と係止部材530の係止溝531とが係止する。
この場合、板バネ部材510の弾性力により被係止部材650と係止部材530の係止溝531とが確実に係止する。
【0066】
次いで、図9に示す状態から、押出装置700により押出棒710が矢印SLの方向にスライド移動し、係止部材530に接触したとする。この場合、図10に示すように、被係止部材650と係止部材530との係止が解除される。その結果、景品載置部300が下方へ回動し、景品990が落下する。
【0067】
なお、図6から図10までを用いて景品載置部300の落下を説明したが、押出装置700により押出棒710が矢印SLの方向にスライド移動し、係止部材530に一度接触した場合に、係止面537から係止溝531に移動してもよく、係止面537から係止溝532に移動してもよく、係止面537から係止溝533に移動してもよく、図6の係止面537から図10の状態に移行してもよい。
【0068】
(押出棒710のバリエーション)
次に、図11は、押出棒710のバリエーションの一例を説明するための模式的説明図である。
【0069】
図11に示すように、押出棒710は、複数のバリエーションを有していてもよい。
図11(a)に示すように、押出棒710は、先端部711が球状からなり、後端部712が円筒状からなってもよい。
また、図11(b)に示すように、押出棒710は、先端部713が半球状からなり、後端部712が円筒状からなってもよい。
【0070】
このように、押出棒710の先端形状を変化させることで、弾性係止部500の係止部材530に接触するタイミングまたは難易度を変化させることができる。
また、押出装置700のバネ部材720の弾性力を変化させることで、係止部材530に接触するタイミングまたは難易度を変化させることもできる。
【0071】
(係止部材530のバリエーション)
次いで、図12は、係止部材530のバリエーションの一例を説明するための模式的説明図である。
【0072】
図12(a)に示すように、係止部材530は、係止溝531,~,係止溝535および複数の小さな係止溝536を有してもよく、図12(b)に示すように、係止部材530は、緩やかな湾曲で形成された複数の係止溝531を有してもよく、図12(c)に示すように、複数の矩形状の係止溝531を有してもよい。
【0073】
このように、係止部材530の形状を変化させることで、被係止部材650との係止状態を変化させることができ、ゲームの難易度を変化させることができる。
【0074】
(弾性係止部500の外観)
図13は、弾性係止部500の係止部材530および被係止部材650の関係の一例を説明するための模式的説明図である。
【0075】
図13に示すように、弾性係止部500の係止部材530の両側に、透明板からなる保護板560を設けてもよい。また、係止部材530の両側にクッション材550を設けてもよい。
図13における押出棒710以外が、矢印Rの方向に回転軸部400のモータ410により回動する。操作部800のボタン820が押下操作されることにより、押出棒710が矢印SLの方向へスライド移動する。
【0076】
この場合、押出棒710がタイミングよく係止部材530に当接した場合には、図6から図10で示したように、景品載置部300が下側へ向けて回動し、景品990を獲得する確率が高まる。
一方、押出棒710がタイミングを外して係止部材530に当接せず、保護板560、またはクッション材550に当接した場合には、図6から図10で示した状態が生じ難い。すなわち、被係止部材650および係止部材530の関係が変化しにくくなる。保護板560、またはクッション材550に当接した場合には、バネ部材720により押出棒710が綺麗に係止部材530の係止溝531、~、係止溝536のいずれかと被係止部材650との関係から、それとは違う係止溝531、~、係止溝536と被係止部材650との関係へ移行させることができる場合もあれば、できない場合も生じることとなる。
【0077】
(照明装置の交換)
図14は、照明装置280の交換の一例を示すための模式的説明図である。
【0078】
図14(a)に示すように、筐体200の天板210の裏面側には、複数の照明装置280が設けられている。照明装置280は、図14に示すように、複数のLEDが配置されて構成されている。
また、図14(b)に示すように、照明装置280の一端側は、天板210の裏面に設けられたハット型支持部材215に差し込まれ、他端側を支持部217に当接させることで固定することができる。
その結果、スタッフが、引き違い戸の透明板231、232を開けて照明装置280を容易に交換することができる。
【0079】
(透明板231、232の開閉)
図15は、透明板231、232を開閉するための施錠装置290の一例を説明するための模式的説明図である。
【0080】
図15(a)に示すように、施錠装置290には、遮蔽部材291が取り付けられている。透明板231、232を開くためには、スタッフが、施錠装置290に鍵を差し込み図15(b)に示すように、矢印の方向に回転させる必要がある。この場合、施錠装置290の遮蔽部材291も施錠装置290とともに矢印の方向に回転し、回転停止センサ292が動作する。
この回転停止センサ292は、回転軸部400のモータ410の回転を停止させる。すなわち、施錠装置290により鍵が開錠された場合には、透明板231、232が開かれるため、スタッフの体の一部が景品取得ゲーム機100内へ進入すると考えられる。この場合に、スタッフの安全面を維持するために回転軸部400のモータ410の回転を停止させているものである。
【0081】
(景品取得ゲーム機100のブロック図)
図16は、景品取得ゲーム機100の主な構成の一例を示す模式的ブロック図である。
【0082】
図16に示すように、制御部150は、回転速度記録部160と送受信を行う。回転速度記録部160には、各条件下のモータ410の回転速度、報知部680から発光させる色の種類、点滅方法、景品990を獲得した場合の点滅方法等が記録されている。
また、制御部150は、景品単価および目標原価率入力部170からの情報を受信する。そして、制御部150は、当該情報に基づいて回転速度記録部160から該当する条件を抽出し、各装置に送信を行う。
景品単価および目標原価率入力部170は、タッチパネル等からなる表示入力部である。
【0083】
制御部150は、コイン投入口810からのコイン投入の有無を受信し、ボタン820の押下操作の有無を受信する。
また、制御部150は、回転停止センサ292からの信号、検知センサ920からの信号を受信して、モータ410の動作を稼働させたり停止させたりする。
さらに、制御部150は、速度検知センサ940からの信号を受信して、モータ410の回転速度を制御する。
【0084】
また、制御部150は、回転速度記録部160からの条件に応じて報知部680に発光させる色または/および発光パターンを送信する。
さらに、制御部150は、回転速度記録部160からの条件に応じてスライド駆動部750のスライド速度を送信する。
さらに、制御部150は、回転速度記録部160からの条件に応じてモータ410の回転速度を送信する。
さらに、制御部150は、回転速度記録部160からの条件に応じて照明装置280の照明の色または/および照明パターンを送信する。
【0085】
(景品取得ゲーム機100のフローチャート)
図17は、景品取得ゲーム機100の制御部150の動作の一例を示すフローチャートである。
【0086】
図17に示すように、制御部150は、まず、料金支払いがあったか否かについて判定を行う(ステップS1)。
制御部150は、コイン投入口810からのコイン投入の有無を受信して判定を行う。すなわち、ユーザは、所定の料金を支払うことにより、景品取得ゲーム機100のプレイを開始することができる。以下の説明では、1回料金投入で1回のプレイができることとしているが、これに限らず、1回の料金投入で複数回のプレイができるようにしてもよい。さらに、予め5回分の料金を投入させて繰り返し5回または1回サービスの6回プレイができるようにしてもよい。
また、料金の支払いについても、特に限定されるものではなく、現金、スマートフォン決済、キャッシュレス決済、換金メダルまたはキャッシュカードなど既知の方法で行ってよい。
【0087】
制御部150が、料金支払いがあったと判定した場合(ステップS1のYes)、制御部150は、回転速度を報知部680に表示させる。(ステップS2)。
ここで、制御部150は、青色、緑色、紫色、黄色、赤色のうちから1種類の色を報知部680から発光させる。
制御部150が、料金支払いがあったと判定した場合(ステップS1のYes)、制御部150は、回転速度を報知部680、および押出棒710に表示させる。
ここで、制御部150は、青色、緑色、紫色、黄色、赤色のうちから1種類の色を報知部680、および押出棒710から発光させる。
【0088】
ここで、青色は、回転速度かなり低いことを示し、緑色は、回転速度低いことを示し、紫色は、回転速度中ぐらいことを示し、黄色は、回転速度速いことを示し、赤色は、回転速度かなり速いことを示すと仮定し、操作部800に表記されているとする。
この場合、ユーザは、報知部680からの光が青色であった場合には、景品990を取りやすくなると高揚感を生じさせ、赤色であった場合には、難しいけれども、達成する意識を高く持ってゲームをプレイすることができる。
【0089】
次に、制御部150は、ボタン820の押下操作があったか否かを判定する(ステップS3)。ボタン820の押下操作が無いと判定した場合には、ステップS3の処理を繰り返す。
制御部150は、ボタン820の押下操作があったと判定した場合、スライド駆動部750を矢印SLの方向へ駆動させる(ステップS4)。
【0090】
次に、制御部150は、景品990が落下したか否かについて判定を行う(ステップS5)。ここで、景品990が落下していないと判定した場合には、プレイ終了(ステップS7)となり、ステップS1の処理から繰り返す。
一方、景品990が落下したと判定した場合、制御部150は、獲得演出表示を行う(ステップS6)。ここで、獲得演出表示とは、照明装置280の照明を点滅させてもよく、点灯消灯を所定の割合で繰り返してもよく、図示しないスピーカーから音声を出力してもよく、図示しない表示装置を設けてアニメーションおよび/または獲得の瞬間のスローモーション等を再生してもよい。
その後、制御部150は、プレイ終了(ステップS7)となり、次回プレイ時のモータ410への回転速度を設定し、報知部680、および押出棒710の色を待機時の装飾色に戻し、ステップS1の処理から繰り返す。また、制御部150は、回転速度かなり低い、回転速度低い、回転速度中ぐらい、回転速度速い、回転速度かなり速い、のうちから1種類モータ410へ回転指示を行う。
【0091】
また、制御部150は、料金支払いがないと判定した場合(ステップS1のNo)、ボタン820の押下操作があったか否かを判定する(ステップS10)。ボタン820の押下操作が無いと判定した場合には、ステップS1の処理を繰り返す。
制御部150は、ボタン820の押下操作があったと判定した場合、所定回数超過しているか否かを判定する(ステップS11)。ここで所定回数は、1回、2回、3回、4回、5回のいずれでもよく、所定の任意の回数を設定してもよい。制御部150は、所定回数超過していると判定した場合には、ステップS1の処理を繰り返す。
【0092】
最後に、制御部150は、所定回数超過していないと判定した場合には、制御部150は、スライド駆動部750を矢印SLの方向へ、通常プレイの半分の距離だけ移動させる(ステップS12)。その後、制御部150は、ステップS1の処理から繰り返す。
【0093】
このステップS10からステップS12の処理は、ユーザが料金を支払う前に、ボタン820を押下操作することで、押出棒710が係止部材530には当接しない距離まで移動するため、景品取得ゲーム機100のプレイの方法を容易に理解することができる。
【0094】
(弾性係止部500の外観)
図18は、弾性係止部500の係止部材530および被係止部材650の関係の他の例を説明するための模式的説明図である。
【0095】
以下、図18に示す説明図が、図13に示した説明図と異なる点についてのみ説明を行う。
図18に示すように、弾性係止部500の係止部材530の両側に、透明板からなる保護板560を設けてもよく、保護板560を湾曲させて、クッション材550を設けないようにしてもよい。その他においては、図13と同じである。
【0096】
本発明においては、筐体200が「筐体」に相当し、景品990が「景品」に相当し、景品取り出し口900が「景品落下口」に相当し、景品取得ゲーム機100が「景品取得ゲーム機」に相当し、回転軸部400、モータ410が「回転軸」に相当し、回動枠部600が「回転枠」に相当し、景品載置部300が「複数の景品載置部」に相当し、弾性係止部500および被係止部材650が「景品載置保持部」に相当し、弾性係止部500が「弾性係止部」に相当し、押出棒710が「棒部材」に相当し、押出装置700が「保持状態解除装置」に相当し、報知部680および/または押出棒710が「報知部、表示部」に相当し、板バネ部材510が「バネ部材」に相当し、係止部材530が「1または複数の凹凸部を有する係止部材」に相当し、領域区別情報655が「領域区別情報表示部」に相当し、領域マーク656が「領域識別情報」に相当し、速度検知センサ940が「領域識別情報取得部」に相当し、透明板230、231、232が「透明板」に相当し、透明板231、232が「引き違い戸」に相当し、仮想直線VLが「仮想垂線」に相当する。
【0097】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0098】
100 景品取得ゲーム機
150 制御部
200 筐体
230,231,232 透明板
300 景品載置部
400 回転軸部
500 弾性係止部
510 板バネ部材
530 係止部材
531,~,536 係止溝
650 被係止部材
655 領域区別情報
680 報知部
700 押出装置
710 押出棒
750 スライド駆動部
810 コイン投入口
820 ボタン
900 景品取り出し口
910 景品移動羽根
940 速度検知センサ
990 景品
VL 仮想直線


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