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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104383
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】電子装置及びプログラム等
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/20 20220101AFI20240729BHJP
   B60R 1/04 20060101ALI20240729BHJP
   B60S 1/02 20060101ALI20240729BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20240729BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240729BHJP
   B60S 1/58 20060101ALI20240729BHJP
   B60S 1/08 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
B60R1/20 100
B60R1/04 D
B60S1/02 400
B60R1/26 100
G08G1/00 D
B60S1/58 100A
B60S1/08 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008545
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭三
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】依藤 勇規
(72)【発明者】
【氏名】林 琢磨
【テーマコード(参考)】
3D225
5H181
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AB01
3D225AC01
3D225AD03
3D225AG36
3D225AG78
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA06
5H181AA07
5H181AA20
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB12
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】車両に設けられる電子装置の画像の視認性を高めるための技術を提供すること。
【解決手段】後方視認装置1は、車両100に設けられる後方視認装置であって、画像が表示される表示面を有する表示部と、前記表示面側から入射した光を透過させ、かつ前記表示面とは反対側から入射した光を反射させる光学部材と、前記表示部のオンオフを制御する制御部と、を備え、前記光学部材の姿勢を少なくとも上下方向に変更可能である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる電子装置であって、
画像が表示される表示面を有する表示部と、
前記表示面側から入射した光を透過させ、かつ前記表示面とは反対側から入射した光を反射させる光学部材と、
前記表示部のオンオフを制御する制御部と、
を備え、
前記光学部材の姿勢を上下方向に変更可能に設けられる
電子装置。
【請求項2】
筐体と、前記筐体に設けられた前記表示部及び前記光学部材とを有する本体部と、
前記本体部が前記車両のルームミラーの鏡面の少なくとも一部に重なるように、前記ルームミラーに装着可能な装着部と、
を備える請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記本体部の姿勢を上下方向に変更可能に構成された姿勢変更部
を備える請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記本体部の姿勢を検知する姿勢検知部
を備え、
前記制御部は、
前記姿勢検知部により検知された姿勢に応じて、前記表示部のオンオフを制御する
請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記姿勢変更部は、
前記本体部を上下方向に回動可能に支持し、外力を受けて前記本体部を回動させる
請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記本体部の姿勢が、前記光学部材における光の反射面が斜め下方向を向く第1姿勢である場合は前記表示部をオフし、前記光の反射面が斜め上方向を向く第2姿勢である場合は前記表示部をオンする
請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第2姿勢は、前記反射面に前記車両の天井が映り込む姿勢である
請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記装着部が前記ルームミラーに装着された状態で、前記鏡面の少なくとも一部を覆う保護部材を備え、
前記姿勢変更部は、前記保護部材に対する前記本体部の上下方向の姿勢を変更可能に構成された
請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記本体部から突出した操作部材を備え、
前記姿勢変更部は、前記操作部材に作用した外力に応じて、前記本体部を上下方向に回動させる
請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記操作部材は、前記ルームミラーに設けられている操作部材と干渉しないようにして設けられている
請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記操作部材は、前記車両の幅方向における一方の端部寄りの位置から突出している
請求項9に記載の電子装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記車両の前方を撮影する前方カメラ、及び前記車両の後方を撮影する後方カメラにより撮影された画像を前記表示部に表示させる制御を行い、
前記後方カメラが前記前方カメラよりも画質の良い画像を撮影するように構成された
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項13】
前記本体部の下端側に設けられ、携帯情報端末を保持可能な保持機構を有する
請求項2から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記表示部の表示の明るさを調整するオートディマー機能を有する
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項15】
前記車両の車室内の二酸化炭素の濃度を計測するセンサを有し、
前記制御部は、計測された前記二酸化炭素の濃度に応じた処理を行う
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記車両のリアガラス越しに前記車両の後方を撮影する後方カメラにより撮影された画像を、前記表示部に表示させる制御を行い、
前記制御部は、前記車両のリアガラスに付着した雨粒を感知した結果に応じた処理を行う
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項17】
前記制御部は、
前記車両の後方を撮影する後方カメラが使用されていない場合にユーザに報知する処理を行う
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項18】
前記制御部は、
前記車両の後方車両のハイビームを検出した結果に基づいて、前記車両の後方を撮影する後方カメラにより撮影された画像の明るさを抑える処理を行う
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項19】
発光体を有し、
前記制御部は、前記表示部のオンオフに関わらず、自装置の動作状態に応じて前記発光体を発光させる制御を行う
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項20】
前記本体部を左右にスライド移動できるように構成された
請求項2から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項21】
前記表示面に表示させる領域を変更する操作を受け付ける操作受付部を有し、
前記制御部は、
前記車両の後方をカメラで撮影した画像である後方画像を、前記表示面に表示させ、前記後方画像のうち、前記操作受付部が受け付けた前記表示面に表示させる領域を変更する操作に応じて前記領域を変更する
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項22】
前記制御部は、
前記変更する操作に応じて、前記後方画像を拡大し、又は縮小して表示させる
請求項21に記載の電子装置。
【請求項23】
前記制御部は、
前記変更する操作に応じて、前記領域を移動させる
請求項21に記載の電子装置。
【請求項24】
前記操作受付部は、
前記表示面に対向して設けられたタッチセンサを用いて前記操作を受け付ける
請求項21に記載の電子装置。
【請求項25】
前記車両の前方を撮影する前方カメラからの画像データが入力されるケーブルが接続される接続端子を有し、
前記制御部は、
前記接続端子を介して前記前方カメラにより撮影された画像を前記表示部に表示しているときに、前記変更する操作に応じて前記領域を変更する
請求項21に記載の電子装置。
【請求項26】
前記車両の前方を撮影するカメラと、現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、少なくとも加速度センサを有するセンサ部とを備える外部装置であって、前記車両の車体に取り付けられる外部装置と電気的に接続するためのケーブルが接続される接続端子を有する
請求項21に記載の電子装置。
【請求項27】
前記光学部材は、前記表示面に対向して設けられたハーフミラーである
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項28】
車両に設けられた鏡面の少なくとも一部に重ねて設けられる表示面を有する表示部と、前記表示面側から入射した光を透過させ、かつ前記表示面とは反対側から入射した光を反射させる光学部材と、を有する本体部と、
前記鏡面に対する前記本体部の姿勢を変更させる姿勢変更部と、
前記表示部のオンオフを制御する制御部と、
を備える電子装置。
【請求項29】
請求項1から11、及び請求項28のいずれか1項に記載の電子装置の制御部の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ルームミラーに装着されるドライブレコーダを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-229049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、新たな技術を提供すること、例えば車両に設けられる電子装置の画像の視認性を高めるための技術を提供することである。
【0005】
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)車両に設けられる電子装置であって、画像が表示される表示面を有する表示部と、前記表示面側から入射した光を透過させ、かつ前記表示面とは反対側から入射した光を反射させる光学部材と、前記表示部のオンオフを制御する制御部と、を備え、前記光学部材の姿勢を上下方向に変更可能に設けられる電子装置が提供されるとよい。
【0007】
このようにすると、ユーザは、電子装置が備える光学部材の上下方向の姿勢に応じて、表示部がオフのときは光学部材で反射した画像、及び表示部がオンのときは表示面に表示された画像を視認しやすくすることができる。電子装置としては、車両に設けられる電子装置とするとよく、特に、後方視認装置とすると良い。後方視認装置は、車両の車室内に居るユーザが後方を確認するために用いる装置である。光学部材としては、光学的な特性として、表示面側から入射した光を透過させ、かつ表示面とは反対側から入射した光を反射させる特性を有する部材とするとよいが、ハーフミラーとすると特に良い。光学部材の姿勢を変更可能に設けることとしては、少なくとも光学部材の姿勢を変更可能に設けることとするとよく、例えば、表示部及び光学部材の姿勢を変更することとしてもよいし、後述するように表示部及び光学部材を有する本体部の姿勢を変更することとしてもよい。姿勢の変化する方向としては、少なくとも上下方向を方向成分として含む方向とするとよく、例えば左右方向を方向成分として含んでもよい。
【0008】
(2)筐体と、前記筐体に設けられた前記表示部及び前記光学部材とを有する本体部と、
前記本体部が前記車両のルームミラーの鏡面の少なくとも一部に重なるように、前記ルームミラーに装着可能な装着部と、を備えるとよい。
【0009】
このようにすると、ユーザは、車両のルームミラーに対して、電子装置を後付けで装着させて、この電子装置の画像を視認することができる。このような電子装置としては、例えば、車両のルームミラーの位置に設けられ、ルームミラーと同様の用途・機能で使用される後方視認装置とするとよい。本体部は、車両のルームミラーと連動して上下方向の姿勢が変更されてもよいが、ルームミラーとは独立してその姿勢が変更可能に構成されると特に良い。装着部としては、例えば、車両のルームミラーに装着可能な構成であればよく、例えば、ルームミラーを上下から挟み込む部位を有するとよい。
【0010】
(3)前記本体部の姿勢を上下方向に変更可能に構成された姿勢変更部を備えるとよい。
【0011】
このようにすると、ユーザは、車両に設けられたルームミラーとは独立して、本体部の上下方向の姿勢を調整することができる。例えば、車両のルームミラーにその姿勢(言い換えると、鏡面の向き)を調整するための操作部材が設けられていない場合でも、ユーザは、光学部材を有する本体部の姿勢を容易に調整することができる。姿勢変更部としては、本体部の姿勢を上下方向に変更可能にする構成であればよく、例えば、ヒンジを備える構成、蝶番構造を採用した構成とするとよい。
【0012】
(4)前記本体部の姿勢を検知する姿勢検知部を備え、前記制御部は、前記姿勢検知部により検知された姿勢に応じて、前記表示部のオンオフを制御するとよい。
【0013】
このようにすると、ユーザは、調整した本体部の姿勢に応じて、光学部材で反射した画像と表示部が表示した画像とのうち、視認しやすい一方の画像を視認することができる。ユーザは、光学部材で反射した画像を視認するため表示部をオフさせ、又は表示部が表示した画像を視認するために表示部をオンする設定を、手動でしなくてもよい。
【0014】
(5)前記姿勢変更部は、前記本体部を上下方向に回動可能に支持し、外力を受けて前記本体部を回動させるとよい。
【0015】
このようにすると、ユーザは、本体部を上下方向に回動させるように外力を与える操作をすることで、本体部の姿勢を調整することができ、その調整の操作を容易に行うことができる。姿勢変更部としては、例えば、本体部を所定の位置で支持し、この支持位置を中心として本体部を回動させる構成とするとよい。姿勢変更部としては、本体部の姿勢を上下方向に回動可能に支持する構成であればよいが、例えば、ヒンジを備える構成、蝶番構造を採用した構成とするとよい。
【0016】
(6)前記制御部は、前記本体部の姿勢が、前記光学部材における光の反射面が斜め下方向を向く第1姿勢である場合は前記表示部をオフし、前記光の反射面が斜め上方向を向く第2姿勢である場合は前記表示部をオンするとよい。
【0017】
このようにすると、ユーザは、本体部を第1姿勢とした場合には、光学部材の反射面を鏡面として使用して、反射光の影響を受けにくい画像を視認することができ、本体部を、第2姿勢とした場合には、表示部を使用して、反射光の影響を受けにくい画像を視認することができる。
【0018】
(7)前記第2姿勢は、前記光学部材に前記車両の天井が映り込む姿勢であるとよい。
【0019】
このようにすると、ユーザは、第2姿勢として光学部材に車両の天井が映り込むように本体部の調整をすればよく、表示部を使用して反射光の影響を受けにくい画像を視認するための姿勢の調整を容易にすることができる。
【0020】
(8)前記装着部が前記ルームミラーに装着された状態で、前記鏡面の少なくとも一部を覆う保護部材を備え、前記姿勢変更部は、前記保護部材に対する前記本体部の上下方向の姿勢を変更可能に構成されるとよい。
【0021】
このようにすると、電子装置が有する装着部が車両のルームミラーに装着された状態において、そのルームミラーの鏡面側を保護することができる。保護部材としては、例えば、板状の部位とするとよい。保護部材としては、例えば、ルームミラーの鏡面側の大部分、例えば全体を覆うようにすると、鏡面側をよりしっかりと保護することができる。
【0022】
(9)前記本体部から突出した操作部材を備え、前記姿勢変更部は、前記操作部材に作用した外力に応じて、前記本体部を上下方向に回動させるとよい。
【0023】
このようにすると、ユーザは、本体部から突出した操作部材に手を触れさせて力を作用させる操作をすることで、本体部の姿勢を調整することができ、調整のための構成を容易にし、またユーザの操作を容易にすることができる。
【0024】
(10)前記操作部材は、前記ルームミラーに設けられている操作部材と干渉しないようにして設けられているとよい。
【0025】
このようにすると、車両のルームミラーにはその姿勢を調整するための操作部材(例えば、つまみ)が設けられていることがあるが、電子装置が有する操作部材との干渉を抑えることができる。例えば、ルームミラーに対する電子装置の装着の妨げや、その操作部材の操作の妨げになるのを抑えることができる。
【0026】
(11)前記操作部材は、前記車両の幅方向における一方の端部寄りの位置から突出しているとよい。
【0027】
このようにすると、車両のルームミラーにはその姿勢を調整するための操作部材(例えば、つまみ)が、車両の幅方向における中心位置付近に設けられていることがあるが、電子装置が有する操作部材との干渉を抑えることができる。例えば、電子装置の装着の妨げや、その操作部材の操作の妨げになるのを抑えることができる。
【0028】
(12)前記制御部は、前記車両の前方を撮影する前方カメラ、及び前記車両の後方を撮影する後方カメラにより撮影された画像を前記表示部に表示させる制御を行い、前記後方カメラが前記前方カメラよりも画質の良い画像を撮影するように構成されているとよい。
【0029】
このようにすると、電子装置において表示部の表面のサイズが比較的大きい場合でも、後方カメラの画像の画質が低いことによる違和感を軽減できる。また、運転者が目視しづらい車両後方の安全性を確保する上でも望ましい。
【0030】
(13)前記本体部の下端側に設けられ、携帯情報端末を保持可能な保持機構を有するとよい。
【0031】
このようにすると、ユーザにとって使い勝手の良い位置に携帯情報端末の置き場を設定できる。また、携帯情報端末を保持するためのホルダを車両のダッシュボード上に設置しなくてもよいので、ダッシュボードに粘着テープの跡がつかないようにすることができる。
【0032】
(14)前記制御部は、前記表示部の表示の明るさを調整するオートディマー機能を有するとよい。
【0033】
このようにすると、電子装置において外の明るさに応じて表示部の表示輝度を変更することができる。
【0034】
(15)前記車両の車室内の二酸化炭素の濃度を計測するセンサを有し、前記制御部は、計測された前記二酸化炭素の濃度に応じた処理を行うとよい。
【0035】
このようにすると、二酸化炭素の濃度を計測するセンサを搭載したことによる電子装置の肥大化の影響を抑えつつ、車室内の二酸化炭素の濃度に応じた処理に接することができる。
【0036】
(16)前記制御部は、前記車両のリアガラス越しに前記車両の後方を撮影する後方カメラにより撮影された画像を、前記表示部に表示させる制御を行い、前記制御部は、前記車両のリアガラスに付着した雨粒を感知した結果に応じた処理を行うとよい。
【0037】
このようにすると、後方カメラの前のリアガラスの位置に水滴が付いた場合、後方カメラにより撮影された画像において車両の後方の様子を確認しづらいことがあるが、雨粒を感知して制御部の処理に反映することができる。処理としては、雨粒により視認性の悪さを軽減する制御とすると特に良い。
【0038】
(17)前記制御部は、前記車両の後方を撮影する後方カメラが使用されていない場合にユーザに報知する処理を行うとよい。
【0039】
このようにすると、後方カメラが使用されていないと、車両の利用上危険であるので、ユーザに報知することができる。例えば、報知としては、危険である旨を報知したり、後方かめらの設置を促す旨を報知したりすることとするとよい。後方カメラが使用されていない場合としては、例えば、後方カメラが未接続の状態とするとよい。前方カメラが使用されていない場合としては、例えば、後方カメラが故障状態のときとするとよい。
【0040】
(18)前記制御部は、前記車両の後方車両のハイビームを検出した結果に基づいて、前記車両の後方を撮影する後方カメラにより撮影された画像の明るさを抑える処理を行うとよい。
【0041】
このようにすると、後方車両のハイビームがあると電子装置の表示を視認するユーザにとっては眩しいが、その影響を抑えることができる。
【0042】
(19)発光体を有し、前記制御部は、前記表示部のオンオフに関わらず、自装置の動作状態に応じて前記発光体を発光させる制御を行うとよい。
【0043】
このようにすると、電子装置を、極力表示部をオフとして使用したいユーザもいるが、その場合でも、ユーザは電子装置の動作状態を把握できる。
【0044】
(20)前記本体部を左右にスライド移動できるように構成されているとよい。
【0045】
このようにすると、本体部が車両のルームミラーより大きいサイズであっても、車両に設けられたサンバイザーと干渉してしまうのを抑えることができる。
【0046】
(21)前記表示面に表示させる領域を変更する操作を受け付ける操作受付部を有し、前記制御部は、前記車両の後方をカメラで撮影した画像である後方画像を、前記表示面に表示させ、前記後方画像のうち、前記操作受付部が受け付けた前記表示面に表示させる領域を変更する操作に応じて前記領域を変更するとよい。
【0047】
例えば表示部がオフして、表示面の画像を非表示としたとき、運転手その他のユーザは、光学部材には車両の後方の様子を反射させた画像である反射画像を視認できる。表示部がオンして、表示面に車両の後方をカメラで撮影した画像である後方画像を表示したとき、ユーザは、光学部材を通して、後方画像が視認できる。この場合に、反射画像と後方画像とのサイズが異なる等の課題が生じることがある。後方画像のうち、表示面に表示する領域を変更する操作を受け付けて、その領域を変更することにより、車両において画像を視認しやすくすることができる。
【0048】
(22)前記制御部は、前記変更する操作に応じて、前記後方画像を拡大し、又は縮小して表示させるとよい。
【0049】
このようにすると、車両の後方を撮影するカメラの画角その他の原因により、表示面に表示される後方画像と、光学部材に表示される反射画像とのサイズが異なる場合でも、そのサイズの差異を小さくして、視認したときの違和感又はこれらの画像が二重に見えるといった視認性の課題を軽減することができる。
【0050】
(23)前記制御部は、前記変更する操作に応じて、前記領域を移動させるとよい。
【0051】
このようにすると、表示面に表示される後方画像と、光学部材に表示される反射画像との位置が異なる場合でも、その位置の差異を小さくして、視認したときの違和感又はこれらの画像が二重に見えるといった視認性の課題を軽減することができる。
【0052】
(24)前記操作受付部は、前記表示面に対向して設けられたタッチセンサを用いて前記操作を受け付けるとよい。
【0053】
このようにすると、ユーザは、電子装置のうち鏡面として機能する面にタッチして行う操作により、後方画像のうちの表示面に表示させる領域を変更することができる。ユーザにとって必要な操作が分かりやすく、操作を簡単にすることができる。
【0054】
(25)前記カメラからの前記後方画像を示す画像データが伝送するケーブルが接続される接続端子を有し、前記制御部は、前記接続端子を介して前記カメラと接続されている場合、前記変更する操作に応じて前記領域を変更するとよい。
【0055】
このようにすると、ユーザは、電子装置に車両の後方を撮影した後方画像が表示されているときに、後方画像のうちの表示面に表示させる領域を変更することができる。
【0056】
(26)前記車両の前方を撮影するカメラと、現在位置の位置情報を取得する位置情報取得部と、少なくとも加速度センサを有するセンサ部とを備える外部装置であって、前記車両の車体に取り付けられる外部装置と電気的に接続するためのケーブルが接続される接続端子を有するとよい。
【0057】
このようにすると、ユーザは、電子装置の姿勢の影響を抑えた車両の前方を撮影いた画像、より測位精度の高い位置情報、及び車両の振動を原因とする共振の影響を抑えた加速度センサの計測を得ることができる。このような外部装置が取り付けられる車体の位置としては、車両のフロントガラスとすると特に良い。
【0058】
(27)前記光学部材は、前記表示面に対向して設けられたハーフミラーであるとよい。
【0059】
このようにすると、表示部がオフして画像が非表示としたときは、ハーフミラーが鏡面として機能して、表示部がオンしたときは、ハーフミラーを透過して表示面に表示された後方画像をユーザに視認させることができる。
【0060】
(28)車両に設けられた鏡面の少なくとも一部に重ねて設けられる表示面を有する表示部と、前記表示面側から入射した光を透過させ、かつ前記表示面とは反対側から入射した光を反射させる光学部材と、を有する本体部と、前記鏡面に対する前記本体部の姿勢を変更させる姿勢変更部と、前記表示部のオンオフを制御する制御部と、を備える電子装置が提供されるとよい。
【0061】
このようにすると、車両に設けられる電子装置の画像の視認性を高めるための技術を提供することができる。電子装置としては、後方視認装置とするとよいが、レーダー探知機、レーザー探知機、ナビゲーション装置、ドライブレコーダその他の車両に配置される装置としてもよい。電子装置としては、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の端末装置、例えば車両の車室内以外でも使用可能な汎用的な端末装置、例えば携帯端末装置としてもよい。車両に設けられた鏡面としては、例えば、車両にあらかじめ設けられた鏡面とするとよく、特に車両にあらかじめ設けられたルームミラーが有する鏡面とするとよい。
【0062】
(29)上記いずれかの電子装置の制御部の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供されるとよい。
【0063】
このようにすると、車両に設けられる電子装置の画像の視認性を高めるためのプログラムを提供することができる。
【0064】
上述した(1)から(29)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全て又は一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成とするとよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(29)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、新たな技術を提供すること、例えば車両に設けられる電子装置の画像の視認性を高めるための技術を提供することができる。
【0066】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明の第1実施形態に係る後方視認装置と後方カメラとを備えるシステムの全体構成を示す図である。
図2】同実施形態に係る後方視認装置の物理的構成の一例を示す図である。
図3】同実施形態に係る後方視認装置の断面図(図2(A)のIII-III断面図)である。
図4】同実施形態に係る後方視認装置のルームミラーへの装着方法の説明図である。
図5】同実施形態に係る後方視認装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図6】同実施形態に係る後方視認装置の表示面に表示される後方画像の一例である。
図7】同実施形態に係る後方視認装置の表示制御の説明図である。
図8】同実施形態に係る後方視認装置の表示制御の説明図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る後方視認装置の構成の概要の説明図である。
図10】同実施形態に係る後方視認装置の構成の概要の説明図である。
図11】同実施形態に係る後方視認装置の着想の経緯の説明図である。
図12】同実施形態に係る後方視認装置(第1姿勢)の物理的構成の一例を示す図である。
図13】同実施形態に係る後方視認装置(第2姿勢)の物理的構成の一例を示す図である。
図14】同実施形態の変形例に係る後方視認装置(第2姿勢)の物理的構成の一例を示す図である。
図15】同実施形態の一変形例に係る後方視認装置の物理的構成の一例を示す図である。
図16】同実施形態の一変形例に係る後方視認装置の物理的構成の一例を示す図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る後方視認装置の物理的構成の一例を示す図である。
図18】従来構成のミラータイプのドライブレコーダが表示する画像の視認性を検証した結果の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。
【0069】
[1.第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態の着想の経緯を説明する。
電子装置の一例である後方視認装置は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)に例示される表示部と、表示部の正面側に設けられたハーフミラーに例示される光学部材と、を備える。表示部をオフ(つまり、非点灯)させて、画像を非表示とした場合は、ハーフミラーに反射した画像が、運転手その他のユーザにより視認される。この画像は、通常のルームミラーと同様、車両の後方側の様子を反射した画像である。表示部をオン(つまり、点灯)させたときは、その表示部が表示した画像(映像)がユーザにより視認される。このとき、車両の後方をカメラで撮影した画像が表示部に表示される。このようにして、ユーザは、後方視認装置をルームミラー代わりに使用することができる。後方視認装置としては、例えば、ミラータイプのドライブレコーダがある。
【0070】
図18は、従来構成のミラータイプのドライブレコーダが表示する画像の視認性を検証した結果を示す図である。この検証では、実際に、市販のミラータイプのドライブレコーダを車両に取り付けて、表示部をオンさせて、市販の後方カメラで車両の後方を撮影した画像(後方画像)の視認性を検証した。図18(A)に示すように、ハーフミラーの透過率が低いためか、液晶ディスプレイの輝度が不足しているためか、又は若干のスモークが入った車両のリアガラスを通しているためか、車両の外が明るいと、後方画像がほとんど見えないことが分かった。また、図18(B)に示すように、ミラータイプのドライブレコーダにおいては、右上に白文字で時刻表示され、表示部(モニター)に後方画像が映っている。しかし、映り込み(反射)の方が明るくて、後方画像がよく見えないことが分かった。輝度設定を最大にしても、この反射による影響は大きい。以下、このような課題に基づいて発明者が着想した第1実施形態を説明する。
【0071】
図1は、車両100に搭載された後方視認装置1と後方カメラ2とを備えるシステムの全体構成を示す図である。図1には、車両100の側面図が示されている。後方視認装置1は、車両100の後方をユーザが視認するための電子装置である。後方視認装置1、及び後方カメラ2は、本実施形態では、車両100とは別にユーザによって購入される等して、車両100に対して後付けされた車載機器(アフターマーケット商品ともいう。)である。そのため、後方視認装置1と後方カメラ2とを備えるシステムは、車両100に対して後付けされるアフターマーケットシステムして把握されてもよい。
【0072】
車両100は、例えば、エンジンを駆動源として有する内燃機関車両、エンジンと走行モータとを駆動源として有するハイブリット車両、又は走行モータを駆動源として有する電気自動車等である。車両100は、本実施形態では四輪の自動車であるが、四輪自動車に限定されるものではなく、後方視認装置を設置することが可能な車両であればよい。車両は、例えば、自動車、バス、トラック等の四輪以上の大型輸送車、自動二輪車や、自転車等の二輪車、その他の車両とするとよい。また、車両は、例えば、電車、モノレール、リニアモーターカー等の交通機関の車両等としてもよい。
【0073】
図1に示すように、後方視認装置1は、車両100の車室内における前方側に設けられる。後方視認装置1は、車両100のルームミラーの位置に設けられている。後方視認装置1は、車両100の車室内にあらかじめ設けられたルームミラー81の正面側に装着されている。ルームミラー81の正面側は、車両100の後方側であり、ルームミラー81の鏡面側である。ルームミラー81の背面側は、車両100の前方側であり、ルームミラー81の鏡面側とは反対側である。本実施形態では、後方視認装置1がルームミラー81に装着されることにより、後方視認装置1はルームミラー81の鏡面側の少なくとも一部を覆う。後方視認装置1は、例えばデジタルミラー、電子ミラー装置等と呼ばれる、ユーザが後方確認の用途で使用する装置であるが、本実施形態ではさらにドライブレコーダの機能を備えた、ミラータイプのドライブレコーダである場合を説明する。このような後方視認装置1は、車両100の前方をカメラで撮影する撮影装置として機能し、かつ撮影した画像を記録する画像記録装置として機能する。
【0074】
後方カメラ2は、車両100の車室内における後方側に設けられる。後方カメラ2は、車両100の後方を撮影するカメラ(撮影装置)で、リアカメラともいう。以下、後方カメラ2で車両100の後方を撮影した画像を、「後方画像」という。後方画像は、車両100の真後ろの方向を撮影した画像であるが、右斜め後ろ方向や左斜め後ろ方向を撮影した画像としてもよい。後方カメラ2は、例えば、車両100のリアガラスに取り付けられ、固定される。後方視認装置1と後方カメラ2とは、ケーブル3を介して接続される。ケーブル3は、後方視認装置1から後方カメラ2へ電力を供給する電源線、及び各種のデータを伝送するための信号線を含む。後方カメラ2は、ケーブル3を介して電力の供給を受けて動作する。後方カメラ2は、撮影する機能と、撮影した画像(つまり、後方画像)を示す画像データを、ケーブルを介して後方視認装置1に出力する機能とを有する。本実施形態の画像データは、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の色成分で表現される多色の画像を示すとよい。なお、後方視認装置1と後方カメラ2とは有線ではなく、無線で通信可能に接続されてもよい。車両100には、後方カメラ2以外に、左側後方や、右側後方、側方等の方向を撮影するカメラが別途設けられてもよい。この場合の各カメラは、後方カメラ2と同様の構成を有してもよい。
【0075】
図2は、後方視認装置1の物理的構成の一例を示す図である。図2(A)は、後方視認装置1の正面図で、すなわち、後方視認装置1を車両100の後方側から見た図である。図2(B)は、後方視認装置1を正面側の右斜め上側から見た図である。図2(C)は、後方視認装置1を背面側の右斜め上側から見た図である。図2(D)、(E)は、後方視認装置1が備える前方カメラ30の周辺を示す図である。図3は、後方視認装置1を上下方向に沿って切断したときの断面を示す断面図(図2(A)のIII-III断面図)である。図4は、後方視認装置1のルームミラー81への装着方法の説明図である。図5は、後方視認装置1(本体部10といってもよい。)の電気的構成を示すブロック図である。
【0076】
後方視認装置1は、本体部10を備える。本体部10は、筐体11を備える。本体部10は、筐体11の内外に各構成を備えている。筐体11は、後方視認装置1の本体ケースであり、本実施形態では横長の直方体形状である。筐体11は、ルームミラー81に装着されたときに左右方向(例えば水平方向、又は車両100の幅方向)に長手方向を有し、上下方向(例えば、鉛直方向)に短手方向を有する。筐体11の奥行方向(車両100の前後方向に対応。)の厚みは比較的小さい。筐体11は、例えば樹脂材料で形成されるとよいが、金属その他の材料で形成されてもよい。筐体11の背面側には、装着部51、52が設けられている。装着部51、52は、筐体11(本体部10といってもよい。)をルームミラー81に装着するための部材である。装着部51、52は、後方視認装置1の左右方向中心に対して、左右ほぼ対称となる位置の上下に設けられている。装着部51、52がルームミラー81を上下から挟むことで、後方視認装置1はルームミラー81に装着される。後方視認装置1の装着の手順は、図4(A)、(B)に示すとおりである。
【0077】
なお、装着部51、52という装着部の構成は一例に過ぎず、後方視認装置1をルームミラー81に装着するための構成はこれに限られない。後方視認装置1の装着部は、例えば、環状の部位を有する部材、例えば、ゴムバンドとしてもよい。後方視認装置1の装着部は、例えば、筐体11の一部分(例えば、背面側)に設けられ、筐体11の当該一部分と組み合わさって環状の部位を構成する部材、例えば樹脂材料で形成された板状の部材としてもよい。これらの場合、後方視認装置1の装着部は、環状の部位の内側にルームミラー81が配置されるようにして、ルームミラー81に装着される。
【0078】
本体部10は、さらに、表示部12と、ハーフミラー13と、操作受付部14とを備える。表示部12は、筐体11の内部に設けられている。表示部12は、画像データに基づいて表示面12aに画像(映像)を表示する。表示面12aは、筐体11の正面側のほぼ全体にわたっており、横長の矩形形状の領域である。表示部12は、筐体11の正面側の一部のみに表示面12aが配置される構成としてもよい。この場合、筐体11の正面側のうち表示面12aが配置される領域以外の領域は、もっぱら鏡面として使用されるようにするとよい。表示部12は、例えばバックライトを有する液晶ディスプレイ(LCD)であるが、その他の表示方式の表示部(例えば、有機ELディスプレイ)であってもよい。
【0079】
ハーフミラー13は、筐体11の内部において、表示部12よりも正面側に設けられている。ハーフミラー13は、表示面12aに対向して設けられている。ハーフミラー13は、光の透過性、及び光の反射性を有する光学部材の一例である。ハーフミラー13は、表示部12が画像を表示しているときは、表示面12aから入射した光(つまり画像光)を、正面側に透過させる。ハーフミラー13は、表示面12aとは反対側である正面側から入射した光を反射面で反射させることで、その反射面が鏡(鏡面)としても機能する。表示部12がオフしたときは、表示部12が画像(映像)を表示しない非表示状態となって、ハーフミラー13の例えば正面側の反射面が、鏡面として使用される。この場合、ハーフミラー13に反射した画像(以下「反射画像」という。)が、ユーザに視認される。反射画像は、通常のルームミラーと同様、車両の後方側の様子を示す。表示部12がオンした点灯状態においては、表示部12が画像(映像)を表示する表示状態となって、主に表示面12aに表示された画像がユーザにより視認される。ハーフミラー13の光の透過率については、表示面12aからの画像光に対する透過率が高いことが望ましい。ハーフミラー13の光の反射率については、表示面12aからの画像光が到来しないときには鏡面としてユーザに認識される程度に高い反射状態であることが望ましい。
【0080】
操作受付部14は、ユーザが行った操作の入力を受け付ける。操作受付部14は、筐体11の内部において、表示部12及びハーフミラー13よりも正面側に設けられている。操作受付部14は、本実施形態では、タッチセンサを備える。表示部12及び操作受付部14により、タッチパネル方式のユーザインタフェースが提供される。このような操作受付部14は、表示部12が表示面12aに表示した画像に対する操作を受け付ける。ハーフミラー13及び操作受付部14は、本実施形態では、それぞれ表示面12aの全体に対向して設けられ、表示面12aの全体を覆うようにして設けられている。ただし、ハーフミラー13及び操作受付部14は、その一部が表示面12aに対向するように設けられてもよい。なお、操作受付部14は、タッチセンサ以外に、物理ボタン又はその他の操作手段により操作を受け付けてもよい。
【0081】
筐体11の背面側には、前方カメラ30が設けられている。前方カメラ30は、車両100の前方(つまり、後方カメラ2とは反対方向)を撮影するカメラで、フロントカメラともいう。前方カメラ30は、本実施形態では、ルームミラー81よりも運転席側に位置する。前方カメラ30では、レンズカバーのレンズ枠67が、ホールド部のレンズ窓77に嵌り込んだ構成になっている。図2(D)に示すP1~P6の6つの位置のいずれかにおいてレンズ枠67が固定されることで、前方カメラ30の撮影方向が決まる。前方カメラ30の直下には、スピーカ17の放音孔41が備えられている。筐体11の運転席側の側面には、メモリカードリーダ24へのメモリカードの挿入口が備えられている。メモリカード25は、例えばマイクロSDカードであるが、その他の記憶媒体であってもよい。メモリカード25は、着脱可能な記憶媒体であるが、これに代えて、後方視認装置1に内蔵された記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ)が用いられてもよい。
【0082】
筐体11の上端面には、第1接続端子16、及び第2接続端子18が設けられている。第1接続端子16は、外部の装置と電気的に接続するための端子である。第1接続端子16は、外部の装置から電力の供給を受けるための端子である。第1接続端子16は、例えばminiUSBの規格に準拠した端子を有する。第1接続端子16は、電源用のコード(例えば、シガープラグコード)の一端側のコネクタが接続される。電源用コードの他端側のコネクタは、例えば車両100側に設けられた給電用の端子(例えば、シガーソケット)に接続される。
【0083】
第1接続端子16は、車両100のOBDII(「II」は「2」のローマ数字である。)コネクタに接続可能なOBDIIアダプタが接続されてもよい。OBDIIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECU(Engine Control Unit)に接続され、所定の期間毎(例えば、0.5秒毎)に各種の車両情報が出力される端子である。第1接続端子16が、OBDIIアダプタを用いてOBDIIコネクタと接続されることで、後方視認装置1は、動作用の電力の供給を受け、かつ車両情報を取得する機能を有する。
【0084】
車両情報は、車両100の状態に関する情報である。車両情報は、例えば、車両100の速度(車速)、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル度、点火時期、残り燃料の割合、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料タンクの残り燃料の量(残燃料量)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角、ギヤポジション、及びドア開閉状態の情報等の少なくとも1つ以上とするとよい。
【0085】
第2接続端子18は、ケーブル3が接続される端子で、ケーブル3を介して後方カメラ2と電気的に接続される。
【0086】
筐体11の内部であって、その背面側には、位置情報取得部21、マイクロ波受信部22、及び無線受信部23が設けられている。さらに、筐体11の背面側にはシリアルナンバー71が付されている。
【0087】
位置情報取得部21は、現在位置を示す位置情報を取得する。現在位置は、後方視認装置1の位置であるが、後方視認装置1が配置された車両100の位置、及び車両100のユーザ、すなわち乗車している運転手その他の人(例えばユーザ)の位置として把握されてもよい。位置情報取得部21は、例えば、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Posisioning System)からの信号(以下「測位用信号」という。)に基づき、後方視認装置1の位置情報(緯度情報、及び経度情報)を取得する。位置情報取得部21は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として、みちびきを併せて利用してもよい。位置情報取得部21は、4G、5G通信その他の基地局装置からの信号に基づいて、位置情報を取得してもよい。
【0088】
マイクロ波受信部22は、レーダー方式に対応した速度測定装置から、取締波としてのレーダー波を受信する。レーダー波は、例えば、所定のマイクロ波、所定のステルス取締器が測定する瞬間だけ電波を発射するステルス波、通常レーダー波、Kバンド及びXバンドに対応する新型レーダー波、及びキャンセル告知がある。マイクロ波受信部22は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0089】
無線受信部23は、所定の周波数の無線信号を受信する。この所定の周波数の無線信号は、速度取締地点の周辺を伝搬することがあるもので、速度取締地点の存在を示す取締波の一例である。この所定の周波数の無線信号は、例えば、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、所轄系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警察無線等の周波数に属する無線信号がある。無線受信部23は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0090】
制御部26は、後方視認装置1の各部を制御する。制御部26は、CPU260、ROM262、RAM264、VRAM266、及びI/O等(図示略)を備えるマイクロコンピュータである。制御部26は、所定の処理を実行し、出力機器を利用して所定の警報・メッセージや情報を出力する。なお、VRAM266には、表示面12aを構成する各画素に対応して、それぞれの記憶領域が定められているものとする。後方視認装置1における機能は、プログラムとして制御部26のEEPROM上に格納され、このプログラムを制御部26のCPU260が実行することにより実現される。メモリカードリーダ24は、メモリカード25に格納されたデータを内部に取り込んだり、データベース27や制御部26のメモリの内容をメモリカード25に書き込んだりすることができる。
【0091】
通信部15は、外部通信と通信する。通信部15は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)その他の無線LAN通信や近距離無線通信により、携帯情報端末28と通信する。携帯情報端末28は、例えば、スマートフォンやタブレット型コンピュータその他の通信端末の一例である。
【0092】
次に、制御部26が実行する機能を説明する。
<A:録画機能>
録画機能は、制御部26が、前方カメラ30及び後方カメラ2で撮影された画像を、メモリカードリーダ24を用いてメモリカード25に記録する(つまり、録画する)機能である。制御部26は、録画機能として、イベント録画機能、常時録画機能、及び駐車監視機能を有している。イベント録画機能は、特定の事象(例えばイベント)の発生に応じて、前方カメラ30及び後方カメラ2により撮影された画像を記録する機能である。特定の事象とは、例えば、車両走行中におけるユーザの急ハンドル、急ブレーキ等の操作時、車両の他の物体との衝突時等の事象である。制御部26は、このような特定の事象を、例えば、センサ部29の加速度センサによる計測値、又は第1接続端子16を介して車両100から入力された情報に基づいて判定するとよい。例えば、制御部26は、加速度センサによる計測値が予め定めた所定の閾値以上となった場合又は所定の時間的変化を示した場合に、特定の事象が発生したと判定する。加速度センサは、例えば3軸の加速度センサであり、筐体11の内部に設けられているとよい。特定の事象の判定条件はこれに限られず、例えば、車速や操舵状態等の車両状態を条件に含めてもよい。また、制御部26は、操作受付部14により所定の操作を受け付けた場合も、特定の事象が発生したと判定してもよい。制御部26は、イベント録画機能として、上述の特定の事象が発生すると事象発生前後の一定時間において撮影された画像を記録する。例えば制御部26は、事象発生前20秒、事象発生後20秒の合計40秒の画像を1つの録画ファイルに含めてメモリカード25に記録する。なお、かかるイベント録画機能の具体的方法は一例である。
【0093】
常時録画機能は、制御部26が、前方カメラ30及び後方カメラ2により継続して撮影し、画像を記録する機能である。例えば制御部26は、常時録画機能の動作中には、少なくとも車両100のエンジンの始動から停止まで撮像した画像を記録するとよい。エンジンの始動は、例えば車両100のアクセサリ電源のオン、エンジンの停止は、アクセサリ電源のオフに対応するとよい。制御部26は、例えば第1接続端子16を介して車両100から入力された情報からアクセサリ電源のオン/オフを判定するとよい。
【0094】
駐車監視機能は、制御部26が、車両100の駐車中に、前方カメラ30及び後方カメラ2により撮影された画像を記録する機能である。駐車監視機能は、駐車中の車両100の内部又は周辺を監視するための機能である。駐車監視機能は、例えばタイムラプスモード(1フレーム/秒)、及び動体検知モードのうち少なくともいずれか1つの録画モードが選択されて実行されるとよい。例えば、イベント録画機能及び常時録画機能のフレームレートが例えば20~30フレーム/秒(fps、「コマ/秒」等と換言されてもよい。)であるのに対して、タイムラプスモードのフレームレートは例えば1フレーム/秒とするとよい。動体検知モードは、例えば加速度センサで所定の衝撃を検知した場合に、その検知をした時点に応じた期間の画像を記録するモードとするとよい。
【0095】
なお、制御部26は、録画機能の動作中は、撮影中の前方カメラ30や後方カメラ2の撮影した画像を、表示部12に表示させるようにするとよい。制御部26は、通信部15を介して携帯情報端末28と通信して、撮影した画像を示す画像データを送信してもよい。制御部26は、携帯情報端末28を用いて設定された動作設定に基づいて、動作してもよい。これ以外にも、後方視認装置1は、公知の電子ミラー装置やドライブレコーダと同様の構成を有してもよい。
【0096】
<B:警報機能>
警報機能は、制御部26が、マイクロ波受信部22、無線受信部23、及び位置情報取得部21を用いて警報を発する機能である。制御部26は、マイクロ波受信部22、無線受信部23、及び位置情報取得部21を用いて警報機能を実行する。
【0097】
データベース27は、制御部26の内部又は外付けした不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)である。データベース27には、出荷時に一定の警報対象に関する情報等が登録してあり、その後に追加される新規な警報対象の情報等を、上記のようにしてデータ更新することができる。メモリカード25に格納されたデータに、新規な警報対象の情報(経度・緯度を含む位置情報、種別情報等)などについて更新情報がある場合、その更新情報を制御部26が装置に内蔵されるデータベース27に格納(ダウンロード)し、データベース27のデータを更新する。例えば、制御部26は、携帯情報端末28を介して更新データその他のデータを取得して、データベース27に格納してもよい。
【0098】
位置警報機能は、制御部26が、車両100が所定の警報対象物と所定の接近関係を有する場合に、警報を発する機能である。位置警報機能は、いわゆるPOI(Point of interest)の存在に関する警報を発する機能である。POIには、例えば、交通取締地点(速度取締地点)が含まれるとよい。制御部26が有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理である。制御部26は、例えば、データベース27に記憶された警報対象の緯度経度と、位置情報取得部21によって検出した現在の自車両の緯度経度とに基づいて、両者の距離を算出し、算出した距離が所定の接近距離(例えば、2km以内)になった場合に、警報を発するとよい。警報としては、表示面12aに警報を表示し、スピーカ17から効果音、BGM、音声などの警報音を出力する処理であるとよい。位置警報機能は、位置情報取得部21がGPS衛星からの信号を受信して測位するGPS受信部を備える場合、位置警報機能はGPS警報機能とも呼ばれることがある。
【0099】
位置警報機能の警報対象としては、例えば、速度測定装置(ループコイル、LHシステム、Hシステム、レーダー式オービス等)、ネズミ捕りエリア、移動オービスエリア、追尾式取締りエリア、一時停止取締エリア、交差点取締エリア、その他取締エリア、シートベルト検問エリア、飲酒検問エリア、携帯電話検問エリア、その他検問エリア、交差点監視ポイント、信号無視抑制システム、高速道交通警察隊、Nシステム、交通監視システム、警察署、事故多発エリア、サービスエリア、パーキングエリア、ハイウェイオアシス、高速道長/連続トンネル、ハイウェイラジオ受信エリア、道の駅、ビューポイントパーキング、駐車場、公衆トイレ等があり、これら警報対象の種別情報と、その位置を示す緯度経度情報と、表示面12aに表示する模式図又は写真のデータと、音声データとを対応付けてデータベース27に記憶している。
【0100】
レーダー波警報機能は、制御部26が、マイクロ波受信部22によって速度測定装置から発せられる所定周波数帯のマイクロ波に相当する電波が検知された場合に、表示面12aに警報を表示させ、さらにスピーカ17から警報音を出力する警報機能である。制御部26は、例えば、速度測定装置の発する所定周波数帯のマイクロ波が、マイクロ波受信部22によって検知された場合には、警報を発するとよい。警報としては、データベース27に記憶されたレーダーの模式図又は写真を警報として表示面12aに表示させ、さらにデータベース27に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ17から出力する処理であるとよい。
【0101】
無線警報機能は、制御部26が、無線受信部23によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、制御部26は、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンする。制御部26は、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、警報を発するとよい。警報としては、データベース27に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示面12aに表示させ、さらにデータベース27に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ17からその無線の種別を示す警報音声を出力するとよい。制御部26は、例えば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する処理であるとよい。
【0102】
ここで、位置警報機能、レーダー波警報機能、及び無線警報機能には、上述したように種類の異なる複数の警報対象が設定してあり、各警報対象の種類に応じた優先順位が定めてある。各警報対象の優先順位は、例えば、優先順位が高い順に「赤」、「黄色」、「青」又は「緑」のグループに色分けすることで視覚化している。制御部26は、例えば、優先順位が一番高い「赤」のグループに属する警報対象については、以下に説明する本実施形態の特徴的な表示態様で警報を報知し、優先順位が二番目以下の「黄色」、「青」又は「緑」のグループに属する警報対象については、従来と同様の一般的な表示態様(図示省略)で警報を報知するとよい。
【0103】
さらに、警報機能は、速度取締用のレーザー波(レーザー光)を受信(受光)したことに応じて、警報を発するレーザー波警報機能を有すると尚良い。レーザー波警報機能を有する後方視認装置1は、速度取締用のレーザー波を受光する受光部を備えるとよい。受光部は、例えば、後方視認装置1の背面側に設けられた窓を介して入射した光を受光して、その受光した光に応じた信号を、制御部26に出力する。窓には、可視光カットフィルタやレンズ等の光学部材が設けられるとよい。受光部が出力する信号は、例えば受光部の受光量に応じて変化する。受光部は、例えば受光素子としてフォトダイオードを備えるが、フォトトランジスタ又はその他の受光素子であってもよい。受光部は、少なくとも赤外光領域に感度を有する。受光部は、受光素子からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路等を有してもよい。このように、警報の対象物については種々考えられる。制御部26は、例えば、速度測定装置の発するレーザー波が、受光部によって受光された場合には、警報を発するとよい。警報としては、データベース27に記憶されたレーザーの模式図又は写真を警報として表示面12aに表示させ、さらにデータベース27に記憶された音声データを読み出して「レーザーです。スピード注意」という音声をスピーカ17から出力する処理であるとよい。
【0104】
<C:後方画像表示機能>
後方画像表示機能は、制御部26が、後方カメラ2により撮影された後方画像を表示部12に表示させる機能である。表示部12が表示面12aに後方画像を表示することにより、ユーザは、後方視認装置1をルームミラー代わりに使用できるようになっている。図6は、表示面12aに表示される後方画像IMG0の一例である。図6に示すように、IMG0は、車両100の後方を走行する1又は複数の後方車両を撮影した画像である。
【0105】
例えば、上述したように、後方カメラ2の画角その他の原因により、表示部12がオフのときにハーフミラー13に表示される反射画像と、表示部12がオンのときに表示される後方画像とのサイズがあまりに違い過ぎる、という表示上の差異の課題が生じることがある。これは、車両100の車室に居る運転手その他のユーザが違和感を持つ原因となりうる。かかる表示上の問題を軽減するため、後方画像表示機能は、後方画像のうち、表示面12aに表示させる領域を変更する機能を有する。この領域は、後方画像から切り出した(つまり、抜き出した)一部又は全部の領域ということができる。ユーザは、表示面12aに表示させる領域の変更を指示する操作を、操作受付部14を用いて行う。制御部26は、操作受付部14を用いて入力された操作に応じて、後方画像のうち、表示面12aに表示する領域を変更する。
【0106】
図7は、後方画像表示機能の詳細の説明図である。図7(A)では後方画像IMG1が表示され、図7(B)では後方画像IMG2が表示され、図7(C)では後方画像IMG3が表示されている。この例では、後方画像IMG1~IMG3には、車両100の後方を走行する自動車である対象物TGが映っている。通常、後方カメラ2の画角が大きいほど、後方画像に映っている対象物TGのサイズが小さくなる。そこで、ユーザは、後方画像の表示中に、操作受付部14を用いた所定の操作を行うことで、後方画像のうちの表示面12aに表示させる領域を変更する。具体的には、後方カメラ2の画角は広いため(広角なため)、その一部を拡大させ、又は縮小させるする。所定の操作は、本実施形態では、ピンチアウト操作、及びピンチイン操作である。ピンチアウト/ピンチイン操作による表示サイズの変更は、後方画像の表示中に行えるようにすると特によいが、別途設定画面等を設け、設定画面を用いて変更できるようにしてもよい。ピンチアウト操作は、ユーザの指2本の操作であり、指同士の間隔を大きくする操作である。制御部26は、ピンチアウト操作に応じて、後方画像を拡大させる(図7の矢印R1参照)。制御部26は、指同士の間隔が広がる期間において、後方画像を次第に拡大させて、例えば後方画像IMG1から後方画像IMG2に表示を変更する。ピンチイン操作は、ユーザの指2本の操作であり、指同士の間隔を小さくする操作である。制御部26は、ピンチイン操作に応じて、後方画像を縮小させる(図7の矢印R2参照)。制御部26は、指同士の間隔が狭まる期間において、後方画像を次第に縮小させて、例えば後方画像IMG2から後方画像IMG1に表示を変更する。このようにして、ユーザは所望するサイズで後方画像を表示させるように調整することができる。
【0107】
ユーザの操作は、後方画像に映っている対象物TGのサイズを、反射画像に映る車両100の後方の対象物のサイズに近づける操作とし、これらのサイズを一致させる操作であることが望ましい。後方視認装置1の正面側には、後方画像の表示中であっても、反射画像も表示されてしまい、ユーザが違和感を持ったり、これらの画像が二重に見えてしまったりして、視認しにくいことがある。そこで、例えば図8(A)に示すように、後方画像IMG1の表示中に、対象物TGの反射画像TGrも見えている場合は、ユーザは、対象物TGのサイズを反射画像TGrのサイズに近づける操作をするとよい。図8(B)に示すように、対象物TGのサイズを反射画像TGrのサイズと同じにして、後方画像IMG2が表示されるようにすると、二重に画像が見えることはなくなる、又は二重に見えにくくなる。全く違う画像が二重に映っているより、似た画像が二重に表示されるほうが視認しやすく、ユーザが違和感を持ちにくい。
【0108】
表示面12aに表示させる領域の変更は、拡大及び縮小以外でもよく、後方画像のうち表示面12aに表示させる領域の移動(つまり、シフト)であってもよい。例えば、制御部26は、操作受付部14に接触させた指(例えば、1本の指)を移動させる操作(例えば、フリック操作)により、表示サイズは維持したまま、後方画像のうちの表示面12aに表示させる領域を移動させる。例えば、制御部26は、図7(A)の後方画像IMG1から、図7(C)に示す後方画像IMG3に表示を変更することができる。このようにして、ユーザは、後方画像から適切な領域(範囲)を切り出して(抜き出して)、後方視認装置1に表示させることができる。例えば図8(C)に示すように、後方画像IMG1の表示中に、対象物TGの反射画像TGrが異なる位置に見えている場合は、ユーザは、対象物TGの位置を反射画像TGrの位置に近づける操作をするとよい。図8(D)に示すように、対象物TGの位置を反射画像TGrの位置と同じにして、後方画像IMG4が表示されるようにすると、二重に画像が見えることはなくなる、又は二重に見えにくくなる。全く違う画像が二重に映っているより、似た画像が二重に表示されるほうが視認しやすく、ユーザが違和感を持ちにくい。また、後方画像のうちのユーザが視認したい領域をより視認しやすくすることができる。なお、対象物TGと反射画像TGrとのサイズ及び位置の両方が異なる場合は、表示サイズの変更と移動とを組み合わせるとよい。
【0109】
また、ユーザは、後方視認装置1のうち鏡面として機能する面にタッチして行う操作により、後方画像のうちの表示面12aに表示させる領域を変更することができる。ユーザにとって必要な操作が分かりやすく、操作を簡単にすることができる。
【0110】
また、例えば、制御部26は、後方視認装置1にケーブル3が接続され、第2接続端子18を介して後方カメラ2と接続されている場合に、操作受付部14への操作に応じて表示面12aに表示させる領域を変更してもよい。また、制御部26は、表示面12aに表示される画像のサイズの変更や移動を、少なくとも後方画像が表示されている場合に行うが、後方画像を表示していない場合には行わないようにしてもよい。制御部26は、前方カメラ30により撮影された画像が表示されている場合には、かかる表示する領域の行わないようにしてもよいし、待ち受け画面等の他の画面が表示されている場合には行わないようにしてもよい。ユーザによってはルームミラーの鏡面にタッチすることに抵抗感を持つ可能性もありうる。そこで、ルームミラー代わりに後方視認装置1を使用する機会にこのタッチによる操作を受け付けるようにすれば、操作受付部14を用いて操作を行う機会を減らすことができる。
【0111】
以上説明した第1実施形態の後方視認装置1によると、ユーザが車両100の後方を視認しやすくすることができる。上述した方法とともに、後方視認装置1の画像を視認しやすくするための方法として、ハーフミラー13の透過率をアップさせること、表示部12の輝度(例えば、LCDの輝度)をアップさせること、車両100の外が明るい場合にはスモークガラスに対して暗所特性に優れたイメージセンサ(例えば、Starvis(登録商標))を採用するなどの方法が考えられる。また、従来のレーダー探知機のように、照度センサで車両100の外の明るさを検知して、表示部12の表示の輝度(例えば、LCDの輝度)を変更するオートディマー機能を実装することも考えられる。
【0112】
[2.第2実施形態]
本実施形態の第2実施形態を説明する。本実施形態の後方視認装置1Aにおいて、上述した第1実施形態と共通の構成でよい部分についてはその説明を省略する。
【0113】
ミラータイプのドライブレコーダに例示される後方視認装置にあっては、上述したように、表示部(例えば、液晶ディスプレイ(LCD))をオンしたときに、この表示部に表示される画像(表示画像)と鏡像とが二重に見えてしまい、ユーザがこれを見ていると、焦点が合わず気持ち悪くなる現象が生じることが懸念される。そこで、もともとついているミラー(つまり、ルームミラー81)の角度調整を下向きとして反射状態で合わせてもらい、液晶ディスプレイの表示時に上向き(通常は後続車の眩しさ防止に使用する)状態にする使い方をしてもらえばよい、と発明者は考えた。
【0114】
そのような使い方の案の(案1)として、車両のルームミラー81の角度調整機能を使用する方法がある。ルームミラーには、操作部材(例えばつまみ、レバー)を利用して角度調整できるように構成されたものもある。このような角度調整機能は、ルームミラー81の上下方向の姿勢(言い換えると、上下方向の角度)を調整する機構を有する。このような構成のもとでは、後方視認装置は、ルームミラー81と連動して上下方向の姿勢が変更される。このような後方視認装置は、ルームミラー81が有する角度調整機構により、本体部の姿勢変更が可能であるから、姿勢を変更のための構成(姿勢変更部)を有しなくてもよい。すなわち、(案1)の後方視認装置は、ルームミラー81が角度調整機構を備える構成のもとで、後方視認装置1と同様の構成を備えるものとしてもよい。
【0115】
一方で、ルームミラーに角度調整機能が備えられていない車両もある。続いて、(案2)として、姿勢変更機能(言い換えると、角度調整の構造)を持たせた後方視認装置1Aについて説明する。
【0116】
図9及び図10は、本実施形態の後方視認装置1Aの概念図である。図9(A)は、後方視認装置1Aの側面側から見た図を示す。図9(B)は、後方視認装置1Aを正面側右斜め上方から見た図を示す。図10は、その一態様である後方視認装置1Aを側面側から見た図を示す。
【0117】
後方視認装置1Aは、本体部10Aを備える。本体部10Aは、本体部10と同様の構成とするとよいが、例えば、筐体11に前方カメラ30を有しない構成とするとよい。この場合、後方視認装置1Aは、車両100の前方を撮影した画像を記録するドライブレコーダとしての機能を有しないものとしてもよいが、望ましくは、前方カメラ30については後述する第3実施形態のように外部装置(前方カメラ装置30B)に搭載されることでかかるドライブレコーダとしての機能を有するようにするとよい。
【0118】
本体部10Aは、その上下方向の姿勢を変更可能に設けられている。本体部10Aは、例えば、上端側の位置である支持位置Pで支持され、その支持位置Pを中心として、少なくとも上下方向に回動可能に構成されるとよい。この例において、本体部10Aが上下方向に回動することは、車両100が前後方向に回動すること、と読み替えてもよい。また、回動は、回転、回転運動等と読み替えられてもよい。本体部10Aの姿勢が変更されることで、本体部10Aが有するハーフミラー13や表示部12の姿勢が変更されるようになっている。
【0119】
例えば、図10に示すように、支持位置Pに姿勢変更部が設けられることで、本体部10Aが少なくとも上下方向に回動可能に構成されるとよい。本体部10Aは、姿勢変更部によって、上下方向の姿勢を変更可能に支持されている。
【0120】
本体部10Aは、さらに、図9(B)に示すように操作部材を備え、その操作部材に対するユーザの操作を受け付けて、姿勢を変更可能に構成されているとよい。操作部材は、例えばつまみ又はレバー式の操作部材であり、ユーザが手で触れて上下に移動させることができるようになっている。ユーザは、操作部材91を上又は下(言い換えると、前又は後ろ)に移動させるように、操作部材に力を作用させることで、本体部10Aの姿勢を調整する。ここでは、本体部10Aは、操作部材を回転させる操作を受け付けて、その操作と同じ方向に移動できるようになっているが、操作部材としては、例えば、横にスライド、前後に動かす等所定の操作を受け付ける操作部材としてもよく、本体部10Aの角度(姿勢)を調整可能にする構成であればよい。また、本体部10Aは、内側にレール等の構成が用いられて姿勢を変更可能に構成されてもよい。
【0121】
後方視認装置1Aは、本体部10Aを、所定の姿勢として第1姿勢と第2姿勢とに選択可能に構成されているとよい。第1姿勢は、表示部12をオフして、表示部12に画像(映像)を表示しない非表示状態として使用される姿勢である。第1姿勢は、表示部12をオフすることで、ハーフミラー13の反射面を鏡面として使用する姿勢である。第1姿勢は、本実施形態では、ハーフミラー13の反射面が斜め下方向を向く姿勢で、本体部10Aの上端側よりも下端側がやや車両100の前方側に位置する姿勢である。言い換えると、第1姿勢は、本体部10Aが、ユーザ側から見て、上端側が手前側にある姿勢である。
【0122】
第2姿勢は、表示部12をオンして、表示部12に画像(映像)を表示する表示状態として使用される姿勢である。第2姿勢は、本実施形態では、本体部10Aが斜め上方向を向く姿勢で、本体部10Aの下端よりも上端側がやや車両100の前方側に位置する姿勢である。言い換えると、第2姿勢は、ユーザ側から見て下端側が手前側にある姿勢である。第2姿勢は、特に、本体部10Aのハーフミラー13に天井が映り込むような姿勢、言い換えると、ハーフミラー13において天井からの光を反射させる姿勢であるとよい。第2姿勢は、車両100の後方からの光(眩しさ)の影響が比較的少ない姿勢で、少なくとも第1姿勢よりもその影響が少ない姿勢であるから、表示部12をオンして使用するのに向いている。
【0123】
後方視認装置1Aは、さらに、本体部10Aの姿勢を検知する姿勢検知部を備えるとよい。制御部26はその検知された姿勢に応じて、表示部12のオンとオフとを切り替えるようにするとよい。第1姿勢と第2姿勢とでは、本体部10Aの姿勢が、支持位置Pを中心として、例えば5度程度異なることが想定される。
【0124】
図11は、後方視認装置1Aの着想の経緯を示す図である。発明者は、反射画像が車の天井になるように、後方視認装置の角度を若干上に向けると、後ろの映像が見えなくなり、表示部がオンした場合の気持ち悪さがかなり低減されることが分かった。また、図11に示すように、後方視認装置(ハーフミラー)の鏡面を車両後方に水平に向けると、真後ろが見えるようになる。そして、後方視認装置の角度をθだけ傾けると、視野角は2θ変化する。例えばミラー角度を5度変えれば、上下視野角が10度変わるので、後方視認装置(ハーフミラー)の角度を僅かに変えれば、後ろの反射映像が見えなくなる。そこで、発明者は、(検討1)として、後方視認装置をどのくらい上に向けたら、後ろの映像が映らなくなるか、その角度を決定するべく、色々な車種で、目の位置を変えながら実験した。また、(検討2)として、簡単に角度を変えられる機構の構造を検討した。
【0125】
図12及び図13は、本実施形態の後方視認装置1Aの具体的な構成の一例を示す図である。図12及び13には、ルームミラー81に装着された状態の、後方視認装置1Aの側面図が示されている。図12には、第1姿勢の後方視認装置1Aの側面図が示されている。図13には、第2姿勢の後方視認装置1Aの側面図が示されている。
【0126】
後方視認装置1Aは、本体部10Aと、操作部材91と、保護部材92と、姿勢変更部93と、姿勢検知部94と、を備える。
【0127】
操作部材91は、本体部10Aと連結されている。操作部材91は、つまみ又はレバー式の操作部材で、本体部10Aの下端面から下方に向かって突出している。操作部材91は、本体部10A(筐体11)の下端面に設けられている。操作部材91を手を触れさせたユーザは、操作部材91に外力(つまり、操作力)を作用させることで、操作部材91を前後に動かす操作をする。後方視認装置1Aは、このようなユーザの操作に応じて、本体部10Aの姿勢を姿勢変更部93の位置を中心として回転可能に構成されている。
【0128】
保護部材92は、ルームミラー81の鏡面を保護する部材である。保護部材92は、ルームミラー81が純正ミラーである場合、純正ミラー保護用板等と称されてもよい。保護部材92は、ルームミラー81の鏡面側の少なくとも一部を覆う。保護部材92は、特にルームミラー81の全体又はほぼ全体を覆うことが望ましい。そのため、保護部材92は、ルームミラー81の鏡面と同一寸法、同一形状の板状の部位とするとよいが、ルームミラー81の鏡面よりもさらに大きくしてもよい。保護部材92の材料や色は特に問わないが、保護部材92と本体部10Aとの隙間がユーザにとって見えない又はほぼ見えないように設定されていることが望ましい。デザインとしては、保護部材92と本体部10Aとが一体的に見えることが望ましい。保護部材92は、例えばルームミラー81の鏡面を覆い隠すような部材で、その表面が黒色で印刷されているとよい。保護部材92は、例えば、例えば樹脂材料で形成されるとよいが、金属その他の材料で形成されてもよい。
【0129】
保護部材92は、その背面側に、装着部921、922を有する。装着部921は、装着部51と同様の構成を有し、かつ装着部51と同じ位置に設けられているとよい。装着部922は、装着部52と同様の構成を有し、かつ装着部52と同じ位置に設けられているとよい。このように装着部921、922は、ルームミラー81に後方視認装置1Aを装着するための装着する装着部の一例である。本実施形態においても、装着部の構成は、上述した第1実施形態と同様の変形が可能である。
【0130】
姿勢変更部93は、本体部10Aの上下方向の姿勢を変更可能に構成されている。姿勢変更部93は、ルームミラー81に対する本体部10Aの相対的な姿勢を変更可能に構成されている。姿勢変更部93は、保護部材92の位置及び姿勢を固定させたまま、本体部10Aの姿勢を変更させるから、保護部材92に対する本体部10Aの相対的な姿勢を変更させるもの、といってもよい。姿勢変更部93は、保護部材92と本体部10Aとを連結させる。姿勢変更部93は、例えばヒンジを備え、保護部材92の上端側と本体部10Aとの上端側とを連結させる構成とするとよい。このような姿勢変更部93は、蝶番構造とするとよい。姿勢変更部93は、本体部10Aとの連結位置付近を中心として、本体部10Aを上下方向に回動可能に支持する。姿勢変更部93は、例えば、上下方向に所定の角度だけ本体部10Aを回動可能に構成されるとよい。所定の角度は、例えば5度であるが、後方視認装置1Aの各要素の特性や、様々な車種の車両の構造や、車両での使用状況を踏まえて、適切に調整されるとよい。姿勢変更部93は、ユーザが操作部材91から手を放しても本体部10Aの姿勢が維持されるように構成されているとよい。本体部10Aの姿勢を維持させるために、その維持を補助する別部材が設けられてもよい。
【0131】
姿勢検知部94は、本体部10Aの姿勢を検知する。姿勢検知部94は、例えばスイッチ(SW)を備える。姿勢検知部94は、本体部10Aが第1姿勢と第2姿勢とのどちらであるかを検出する。姿勢検知部94は、第1姿勢のときには、本体部10Aに押されることにより、オン状態を示す第1信号を制御部26に出力するとよい。姿勢検知部94は、本体部10Aが第1の姿勢でないとき、すなわち第2の姿勢のときには、オフ状態を示す第2信号を制御部26に出力するとよい。制御部26は、姿勢検知部94からの信号に応じて、本体部10Aの姿勢を判定して、第1姿勢の場合は表示部12をオフとし、第2姿勢の場合はオンとするように制御するとよい。なお、ここでは、本体部10Aの姿勢が第1姿勢と第2姿勢とがそれぞれ一つの姿勢である場合を説明している。第1姿勢と第2姿勢は、それぞれより多数の姿勢の中から選択された姿勢であってもよい。
【0132】
第1姿勢と第2姿勢との調整を容易にするため、後方視認装置1Aの取扱説明書その他の同梱物、又は後方視認装置1Aを紹介するウェブサイト等に、表示部12の表示時(オン時)には、後方視認装置1Aの姿勢を第2姿勢とする旨、例えば斜め上に向ける(例えば、少し上を向ける)姿勢にする旨を記載してもよい。このようにすると、ユーザが、後方視認装置1Aが後方からの光による影響を受けにくい姿勢に調整できるように支援することができる。あるいは、後方視認装置1Aの制御部26は、所定のタイミングに、表示部12をオンさせて、後方視認装置1Aの姿勢を第2姿勢とする旨、例えば斜め上に向ける(例えば、少し上を向ける)姿勢にする旨を表示させてもよい。所定のタイミングとしては、後方視認装置1Aの電源投入時、例えば車両100の駆動源のオン時、又は車両100の電源オン時とする等、ユーザが表示部12の表示を見る可能性が高いと推測される所定のタイミングとすると特に良い。
【0133】
以上説明した第2実施形態の後方視認装置1Aによると、ユーザが本体部10Aの姿勢を調整すると、その姿勢に応じて、ハーフミラー13で反射した反射画像、及び表示部12が表示した表示画像のうち、視認しやすい一方の画像を視認することができる。特に、ユーザが調整した本体部10Aの姿勢に応じて、ハーフミラー13で反射した反射画像と、表示部12が表示した表示画像とが自動で切り替わるので、ユーザは、容易に視認しやすい方の画像を視認することができる。例えば、ユーザは、例えば表示部12のオンオフを手動設定しなくともよい。また、ユーザは、例えば操作部材91を用いて、本体部10Aを上下方向に回動させる操作をして、本体部10Aの姿勢の調整を行うことができ、その調整の操作を容易に行うことができる。
【0134】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態は趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0135】
(2-1)第2実施形態では、後方視認装置1Aは、姿勢検知部94による姿勢の検知結果に応じて表示部12をオンオフする機能を有しない構成としてもよい。例えば、後方視認装置1Aは、ユーザが表示部12のオンオフを設定できるように構成されてもよい。例えば、制御部26は、表示部12のオンオフを切り替えるためのソフトボタンを表示部12に表示させ、又は後方視認装置1Aが表示部12のオンオフを切り替えるための物理ボタンを有し、ユーザの操作に応じて表示部12のオンオフを切り替えてもよい。ユーザは、本体部10Aの姿勢を調整した後、その調整後の姿勢が第1姿勢であれば表示部12をオフ、第2姿勢であれば表示部12をオンするように設定するとよい。
【0136】
(2-2)後方視認装置1Aの物理的構成は、種々の変形が可能である。
後方視認装置1Aは、つまみ又はレバー式の操作部材91に代えて、他の形式の操作部材、例えばダイヤル式(つまり、回転操作を受け付ける操作方式)の操作部材を備えてもよい。あるいは、後方視認装置1Aは、例えば、操作部材91を有しなくてもよい。ユーザは、本体部10A(筐体11といってもよい。)自体を手に持って、その姿勢を調整するようにしてもよい。例えば、本体部10A(筐体11といってもよい。)と、保護部材92との間に隙間が形成されている場合には、この隙間にユーザが指を挿入して本体部10Aに外力(つまり、操作力)を与えることより、本体部10Aの姿勢を変更させてもよい。
【0137】
後方視認装置1Aは、例えば、保護部材92を有しなくてもよい。後方視認装置1Aの本体部10Aがルームミラー81の鏡面側の前方に位置するので、保護部材92がなくとも、ルームミラー81のその鏡面は視認されにくい。
【0138】
姿勢変更部93は、ヒンジを備える構成としなくてもよい。姿勢変更部93は、例えば、ギアや、シャフト等の軸部材を用いた回転駆動を実現する機構を用いて、本体部10Aを回動可能としてもよい。姿勢変更部93は、本体部10Aの姿勢の変更を実現できる種々の構成を採用し得る。また、例えば(2-1)の構成のもと、後方視認装置1Aは、姿勢変更部93を有しない構成としてもよい。
【0139】
姿勢検知部94の設けられる位置や、姿勢検知部94の姿勢の検知の仕組みは、種々の変形が可能である。制御部26は、例えば、姿勢検知部としてセンサ部29が有するセンサを用いて、本体部10Aの姿勢を検知してもよい。センサとしては、加速度センサや、ジャイロセンサといった、本体部10Aの姿勢を検知する機能を有するセンサが用いられるとよい。このような手法を用いると、(案2)だけでなく、(案1)のような構成においても、制御部26が、後方視認装置1が第1姿勢のときには表示部12をオフし、後方視認装置1が第2姿勢のときには表示部12をオンするよう制御する構成とするのに望ましい。
【0140】
姿勢検知部94は、照度センサを有する構成としてもよい。姿勢検知部94は、本体部10Aが第1姿勢であるときは、本体部10Aにより覆われて、照度センサにより計測された照度が低くなるので、第1信号を出力するとよい。姿勢検知部94は、本体部10Aが第2姿勢であるときは、本体部10Aにより覆われないので、照度センサにより計測された照度が明るくなるので、第2信号を出力するとよい。
【0141】
(2-3)車両のルームミラーには突出した操作部材(例えば、つまみ又はレバー)が設けられていることがある。図14は、このような車両に特に適した後方視認装置1Aの構成を示す図である。図14(A)には、後方視認装置1Aの正面図が示されている。図14(B)には、後方視認装置1Aの側面図が示されている。
【0142】
図14(A)、(B)に示すように、ルームミラー81の下端側に操作部材82が設けられていることがあり、ユーザ側、言い換えると車両の後方側に突出している操作部材82が設けられていることがある。例えば、ルームミラー81が防眩式ルームミラーである場合に、ルームミラー81に操作部材82が設けられていることがある。操作部材82は、例えばレバー式の操作部材である。通常は、操作部材82を倒した状態で使用されるが、例えば後方車両のヘッドライトが眩しいと感じた場合、ユーザは操作部材82を手前に引く操作をする。このようにすると、ルームミラーに映る景色はそのまま、暗めに後方が映しだれることで、後方車両からのの眩しい光による影響を抑えることできる。防眩式ルームミラーにあっては、鏡の表面(反射面)で光を反射させるか、裏面(奥側の反射面)で反射させるかを切り替えることで、反射率(明るさ)を変えることができるようになっている。
【0143】
操作部材91は、ルームミラー81に設けられている操作部材82と干渉しないようにして設けられているとよい。このようにすると、後方視認装置1Aが有する操作部材91と操作部材82との干渉(例えば接触)を抑え、後方視認装置1Aの装着の妨げや、その操作部材91の操作の妨げになるのを抑えることができる。操作部材82は、例えば、ルームミラー81の車両の幅方向における中心位置付近に設けられていることが多い。操作部材91は、車両の幅方向における一方の端部寄りの位置から突出しているとよい。図14(A)に示すように、ユーザ側から見て、右端部寄りに設けられていると、ルームミラー81に設けられている操作部材82と干渉を抑えつつ、日本で多い右ハンドル車の運転者が操作部材91を操作しやすい。あるいは、図14(A)に破線で示すように、ユーザ側から見て、左端部寄りに設けられていてもよく、この場合も、ルームミラー81に設けられている操作部材82と干渉を抑えられるし、左ハンドル車の運転者が操作部材91を操作しやすい。なお、様々な車種の車両の操作部材82の位置を調査して、操作部材82と干渉しないような操作部材91の位置に設定されるとよい。また、操作部材91の形状についても、操作部材82と干渉しないように設定されているとよい。
【0144】
あるいは、後方視認装置1Aは、操作部材91を車両100の幅方向に移動可能な構成を有してもよい。例えば、本体部10Aの下端面側にガイド溝を設け、このガイド溝に操作部材91に設けたガイド部材が挿入されてもよい。操作部材91のガイド部材がガイド溝に沿って移動するスライド機構を後方視認装置1Aが備えることで、操作部材91は、車両100の幅方向における位置を変更可能に構成されているとよい。
【0145】
(2-4)後方視認装置1Bは、本体部10B全体の姿勢を変更させる構成に代えて又はこれに加えて、表示部12(表示面12a)及びハーフミラー13の姿勢を変更させる姿勢変更部を備えてもよい。このような姿勢変更部は、例えば、本体部10B(筐体11)の姿勢を固定させたまま、表示部12(表示面12a)及びハーフミラー13の姿勢を変更させる構成としてもよい。姿勢変更部は、上述した第2実施形態と同様、表示部12(表示面12a)及びハーフミラー13の姿勢を上下方向に回動させる構成とするとよい。筐体11(本体部10B)が固定されていたとしても、表示部12(表示面12a)及びハーフミラー13が斜め下向きの第1姿勢か、斜め上向きかの第2姿勢かによって、上述した視認性の状態が変化すると考えられるからである。そのため、制御部26は、表示部12(表示面12a)及びハーフミラー13が、斜め下向きの第1姿勢である場合に表示部12をオンし、斜め上向きかの第2姿勢である場合に表示部12をオフするとよい。姿勢変更部としては、ここまでに説明した構成が採用されてもよいし。その他の構成が採用されてもよい。なお、姿勢変更部は、少なくともハーフミラー13を、少なくとも上下方向に姿勢を変更させるものであればよい。例えば、ハーフミラー13の姿勢を変化させる方向は、少なくとも上下方向を方向成分として含む方向とするとよく、例えば左右方向を方向成分として含んでもよい。
【0146】
(2-5)後方視認装置が装着可能な車両装備物については、種々の変形が考えられる。また、後方視認装置は、車両装備物としてのルームミラーに後付けで装着される後方視認装置に限られず、車両にあらかじめ搭載された(例えば標準搭載された)装置としてもよく、例えば、後方視認装置は、車両装備物としてダッシュボード上に装着可能に構成されてもよい。
【0147】
図15は、この変形例の後方視認装置1Cの構成の一例を示す図である。図15(A)には、第1姿勢の後方視認装置1Cの側面図が示されている。図15(B)には、第2姿勢の後方視認装置1Cの側面図が示されている。後方視認装置1Cは、本体部10Cと、操作部材91Cと、装着部95Cと、姿勢変更部93Cと、姿勢検知部94Cとを備える。本体部10Cは、本体部10Aと同様の構成を備えるとよい。操作部材91Cは、操作部材91と同様の構成で、本体部10Cの姿勢を変更するためのユーザに操作される操作部材である。装着部95Cは、車両100のダッシュボード上に取り付けられる部位である。装着部95Cは、例えば平板状の部材である。装着部95Cの下端面には、図示せぬ両面テープに例示される接着部材又は粘着部材が設けられ、ダッシュボード上に貼り付けられている。姿勢変更部93Cは、例えば姿勢変更部93と同様の構成であり、装着部92Cと本体部10Cとの一端側において連結させ、装着部92Cに対する本体部10Cの相対的な姿勢を変更可能に構成される。姿勢変更部93Cは、例えばヒンジを備え、装着部92Cに対して本体部10Cを上下方向に回動可能に支持するとよい。
【0148】
後方視認装置1Cは、さらに、図16に示すように、本体部10Cと装着部92Cとが平行(又はほぼ平行)となる姿勢(第3姿勢)とすることが可能なように、姿勢変更部93Cが構成されてもよい。例えば、後方視認装置1Cをユーザが使用しない場合には、後方視認装置1Cはこのような姿勢とされるとよい。このようにすると、本体部10Cの表面(ハーフミラー13)の汚れを防止し、また、高さ方向の寸法が小さくなるので、車両100前方の視界を良好にすることができる。
【0149】
この変形例においての姿勢検知部94Cの構成は特に問わないが、例えば、制御部26は、姿勢検知部としてセンサ部29が有するセンサを用いて、本体部10Cの姿勢を検知してもよい。センサとしては、加速度センサや、ジャイロセンサといった、姿勢を検知する機能を有するセンサが用いられるとよい。制御部26は、後方視認装置1が第1姿勢のときには表示部12をオフし、後方視認装置1が第2姿勢のときには表示部12をオンするようにするとよい。
【0150】
[3.第3実施形態]
後方視認装置は、以下のように構成されてもよい。以下の各実施形態は、複数を組み合わせて実施してもよい。本実施形態において、上述した第1、第2実施形態と共通の構成でよい部分についてはその説明を省略する。以下では、第1実施形態の後方視認装置1の構成を基に説明するが、第2実施形態の後方視認装置1Aにおいて同様の構成が採用されてもよい。
【0151】
ミラー型ドライブレコーダに例示される、ルームミラー取り付けて使用される後方視認装置の場合、後方視認装置の本体がルームミラーと一体となるため、以下のような問題が生じることがある。例えば、後方視認装置が車両の振動に共振されやすい、後方視認装置がフロントガラスから車内の奥に配置されるため後方視認装置の位置から車両の外が見えにくい、また、運転者により後方視認装置の角度を変えられるようにしたいといった点であり、後方視認装置に搭載されたカメラの向き、位置情報取得部(例えばGPS受信部)による信号の受信、加速度センサとって、とても不利な環境での設置となってしまうことがある。そこで、後方視認装置は、その本体から、車両の前方を撮影するカメラ(つまり、フロントカメラ)と、位置情報取得部(例えばGPS受信部)と、センサ部とを分離した(つまり、セパレートにした)、外部装置を用いる構成とするとよいと発明者は考えた。
【0152】
図17は、本実施形態の後方視認装置1Bの構成を示す図である。図17(A)は、後方視認装置1Bの正面図である。図17(B)は、後方視認装置1Bの上面図(平面図)である。後方視認装置1Bは、本体部10Bと、外部装置としての前方カメラ装置30Bとを備える。後方視認装置1Bは、後方視認装置1と異なる構成として、本体部10Bの上面に、第1接続端子16と、第2接続端子18と、第3接続端子31とを有する。また、後方視認装置1Bは、後方視認装置1と異なる構成として、前方カメラ30、位置情報取得部21、及びセンサ部29の少なくとも一部のセンサ、を内部に有しない構成とする。
【0153】
第1接続端子16は、車両100と電気的に接続され、車両100からの電力供給を受け、また車両情報の入力を受ける端子である。第1接続端子16は、例えば10ピンのminiUSBの規格に対応している。第2接続端子18は、後方カメラ2と電気的に接続される。第2接続端子18は、例えばUSBTypeCの規格に対応しており、上下左右対称な形状である。そのため、ケーブル3の後方視認装置1A側のコネクタが、挿抜方向と配線の引き出し方向とが異なるL字型のような場合、ケーブル3の引き出し方向を左右のどちらにもすることができる。
【0154】
第3接続端子31は、ケーブル4を用いて前方カメラ装置30Bと電気的に接続される。ケーブル4の後方視認装置1A側のコネクタがL字型のような場合、ケーブル4の引き出し方向を左右のどちらにもすることができる。前方カメラ装置30Bは、例えばフロントガラス等に取り付けられ、車両100の前方を撮影する機能を有する装置である。
【0155】
前方カメラ装置30Bは、電気的な構成として、制御部301と、前方カメラ302と、位置情報取得部303と、センサ部304と、インタフェース305とを有する。制御部301と、前方カメラ302と、位置情報取得部303と、センサ部304と、インタフェース305は、前方カメラ装置30Bの筐体310に設けられるとよい。制御部301は、前方カメラ装置30Bの各部を制御する。制御部301は、例えば制御部26と同様の構成としてもよいが、例えばプロセッサ及びメモリを有する構成とするとよい。前方カメラ302は、車両100の前方を撮影するカメラである。前方カメラ302は、前方カメラ30と同じ用途で用いられる。位置情報取得部303は、位置情報取得部21と同様の構成を有している。位置情報取得部303は、例えば、GPS衛星からの信号を受信し、その受信した信号に応じたGPS信号を生成する。センサ部304は、センサ部29と同様の構成を有するとよい。例えば、センサ部304は、加速度センサを有するとよい。インタフェース305は、ケーブル4を介して後方視認装置1Bとの間で信号を入出力するためのインタフェースである。インタフェース305は、例えばケーブル4の一端側のコネクタを装着可能な接続端子を有してもよいが、ケーブル4を着脱できないようにインタフェース305と物理的かつ電気的に接続されてもよい。制御部301は、インタフェース305を介して、例えば前方カメラ302により撮影された画像、位置情報取得部303により測定された位置情報、センサ部304により計測された値等のデータを、本体部10Bに出力するとよい。
【0156】
本体部10B側に設けられた制御部26は、ケーブル4を介して第3接続端子31に入力された、前方カメラ装置30Bで撮影された画像データを用いて、上述した実施形態で説明した前方カメラ30で生成された画像データを用いた処理と同様の処理を行うとよい。制御部26は、ケーブル4を介して第3接続端子31に入力された位置情報を用いて、上述した実施形態で説明した位置情報取得部21で生成された信号を用いた処理と同様の処理を行うとよい。制御部26は、ケーブル4を介して第3接続端子31に入力されたセンサ部304で測定された値を用いて、上述した実施形態で説明したセンサ部29で測定された値を用いた処理と同様の処理を行うとよい。
【0157】
前方カメラ装置30Bは、筐体310を車両の所定の取付位置に取り付ける取付部材311を有する。所定の取付位置としては、車両100の車体(ボディ)とするとよく、車両100が有するガラス、天井等とするとよいが、特にフロントガラスとするとよい。筐体310は、例えば円筒形状とするとよいが、直方体形状その他の多面体形状等としてもよい。筐体310は、筐体11は、例えば樹脂材料で形成されるとよいが、金属その他の材料で形成されてもよい。取付部材311は、ステーやブラケットと呼ばれる部材とするとよい。取付部材311は、筐体310と連結される連結部と、車両100の取付位置に固定される固定部とを有するとよい。連結部は、筐体310と一体となっていてもよいが、筐体310に対して着脱可能に構成されているとよい。固定部は、例えば両面テープその他の接着部材を用いて取付位置に固定されるとよい。
【0158】
以上説明した第3実施形態の後方視認装置1Bによると、本体部10Bたるルームミラーに取り付ける物体が小さいサイズで済み、また軽量化される。また、後方視認装置1Bの正面側の表示面12aをより広範囲に配置することができる場合あるため、より大きな表示が可能となり、見やすい表示が可能となる。さらに、取付位置が車両100のフロントガラス又はフロントガラスに近い位置にすると、位置情報取得部303は車両100のフロントガラスにより近くなり、センサ部(例えば加速度センサ)302はフロントガラス、ひいては車両100の車体(ボディ)と一体となり共振させられにくくなる、という効果を奏する。また、後方視認装置1Bが、ミラー型のデバイスでありながら、前方カメラ(フロントカメラ)とは別体である本体部10Bを触っても撮影範囲が変わらない構成となる。また、車両100に搭載した別の機器、例えばADAS(Advanced Driver-Assistance Systems;先進運転支援システム)等の安全運転支援システムの映り込みを抑制することができる。
【0159】
<第3実施形態の変形例>
第3実施形態は趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0160】
(3-1)後方視認装置1Bに対して外付けされる外部装置に含まれる要素として、警報機能、言い換えると、速度取締地点の検出に用いられる要素が含まれてもよい。このような要素として、マイクロ波受信部22、無線受信部23、位置情報取得部21、及び速度取締用のレーザー波を受光する受光部のうちの少なくとも一部の要素とするとよい。このようにすると、警報機能の質、例えば警報の精度を高められるように、より望ましい位置や向きで取締地点の検出に用いられる要素を設置しやすくすることができる。
【0161】
(3-2)第3実施形態では、後方視認装置1Bに対して外付けされる外部装置に含まれる要素を、1つの前方カメラ装置30Bとして説明したが、外付けされる装置は、互いに異なる筐体を備える2つ以上の装置としてもとよい。例えば、位置情報取得部21を備える装置と、前方カメラ302を備える装置とが別々の筐体を備えてもよい。このようにすると、各機能を実現する要素を、より望ましい位置や向きで設置しやすくすることができる。
【0162】
[4.変形例]
本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0163】
(4-1)操作受付部14は、タッチセンサ以外の手段で操作を受け付けてもよい。操作受付部14は、例えば、スイッチその他の物理ボタンであってもよい。また、非接触の操作を受け付け可能な構成、例えば、近接センサや、音声操作、ジェスチャ操作等の操作を受け付ける構成を採用し得る。このようにすると、タッチ操作だとハーフミラー13(例えばミラー)が汚れることがあるが、後方視認装置1の正面側の面(鏡面、反射面)に指を触れたくないような場合は、このような非接触で行える操作方法が有利である。
【0164】
(4-2)後方カメラ2のフレームレートを60fps(フレーム/秒。Frames per Second)以上とするとよい。フレームレートとしては、例えば60、90、又は120fps等とするとよい。例えば、記録すべき画像の容量削減の観点から30fps以下とすると、カクつきが目立つ為である。また、信号機がLED(Light-Emitting Diode)を用いた信号機であるような場合、信号機の点滅と撮影の周期とが同期して信号機が消灯した状態で撮影され続ける可能性があるが、信号機対策もリア側の後方カメラ2では必要無いようにすることもでき、フレームレートが30の倍数でも問題ない。後方視認装置1とのカメラについては、信号機の点滅と撮影の周期とが同期しないように、フレームレートが30の倍数でないようにすることが望ましい。
【0165】
特に、後方カメラ2が前方カメラ30(前方カメラ302でも同様。以下同じ。)よりも画質の良い画像を撮影するように構成されてもよい。言い換えると、後方カメラ2の撮影する映像を、前方カメラ30の撮影する映像よりも綺麗なものにするように構成されているとよい。リア側の映像が汚いと、かなり使いにくいと感じることもあるからである。また、後方視認装置1(後方視認装置1A、1B、及び1Cでも同様。以下同じ)では、表示画面が大きい上に、拡大又はクロッピングして表示されることから、より汚さが目立つ恐れがあるからである。後方視認装置1において表示部12の表示面のサイズが比較的大きい場合でも、後方カメラ2の画像の画質が低いことによる違和感を軽減できる。また、運転者が目視しづらい車両後方の安全性を確保する上でも望ましい。画質の良い画像を得るあるいは映像を綺麗なものとする方法としては、解像度を上げる、ビットレートを上げる、デジタル伝送する等の方法を採用し得る。また、後方カメラ2にCPU等のプロセッサを含む制御部を積んで高解像度の映像(後方画像)を撮影し、リア側の後方カメラ2の制御部が、表示部12での表示部分だけを切り取って後方視認装置1に伝送する構成としてもよい。表示部分は、あらかじめ設定された領域としてもよいし、後方視認装置1を用いてユーザが設定できるようにしてもよい。また、後方かめら2の撮影映像は、後方カメラ2側の記憶部、例えばリア側の記憶媒体(例えば、SDカードに例示されるメモリカード)に保存するようにしてもよい。
【0166】
(4-3)アタッチメントを工夫して、後方視認装置1の下側にユーザの携帯情報端末28(例えば、スマートフォン等の携帯端末)を取り付けられるように構成してもよい。例えば、後方視認装置1の筐体11の下端面に、携帯情報端末28を保持する保持機構(ホルダ)が一体として取り付けられ、又は着脱可能に構成されてもよい。このようにすると、ユーザにとって使い勝手の良い位置に携帯情報端末の置き場を設定できる。例えば、スマホホルダをダッシュボード固定する人は多いが、このように後方視認装置1の下部に付けれるようにすると、携帯情報端末の置き場(例えばスマホ置き場)としては特等席な上、ダッシュボードに粘着テープの跡がつかないという効果を奏する。保持機構の具体的な構成としては、公知のスマホホルダ等の保持機構と同様であってもよい。
【0167】
(4-4)後方視認装置1は、オートディマー機能を備えるとよい。オートディマー機能は、車両100の外の明るさに応じて表示輝度を自動的に変更、調整する機能である。夜間においては後方視認装置1の表示が眩しくなる可能性があるからである。後方視認装置1は、位置情報取得部21(例えばGPS)が取得した位置情報に基づいて明るさ調整するオートディマー機能を有するとよい。制御部26は、位置情報に基づいて、所定の明るさ未満と推定される所定の時間帯である場合は表示輝度を上げ、あるいは、所定の明るさ以上と推定される所定の時間帯である場合は表示輝度を下げるとよい。又は、後方視認装置1は、イルミ線(イルミ電源線ともいう。)と接続され、このイルミ線を利用して明るさ調整するオートディマー機能を有するとよい。イルミ線は、車両のヘッドライト(スモール)の線に電気が流れるときに電気が流れる配線であり、ヘッドライトの点灯状態に応じて明るさ調整を行えるようになる。制御部26は、イルミ線の電気信号に基づいて、所定の明るさ未満と推定される所定の時間帯である場合は表示輝度を上げ、あるいは、所定の明るさ以上と推定される所定の時間帯である場合は表示輝度を下げるとよい。所定の時間帯としては、あらかじめ設定された時間帯とするとよく、各時刻の明るさを考慮して設定されているとよい。
【0168】
(4-5)オートディマー機能としては、以下のようにしてもよい。制御部26は、オートディマー機能の明るさの上限及び下限の少なくとも一方を設定できるようにしてもよい。オートディマー機能で、例えば、調光される上限(最も明るい状態)と下限(最も暗い状態)の輝度を設定で指定できると、それぞれのユーザの感覚に合わせることができる。設定のっ方法としては、0~100%の範囲内での割合指定や、例えば10段階程度の所定数の段階に区切って設定できるようにするとよい。
【0169】
(4-6)後方視認装置1は、センサ部29として、二酸化炭素の濃度を計測するセンサを有するとよい。このセンサは。CO濃度計と称されるものとするとよい。後方視認装置1は、計測した二酸化炭素の濃度に応じた処理を行うとよい。一般に、二酸化炭素の濃度が高くなると人間は眠くなりやすい。また、内気循環でエアコンかけて、長距離運転していると眠くなることもある。出願時付近では新型コロナのウィルス観点からもエアコンの利用が望ましい。二酸化炭素の濃度に応じた処理としては、計測した二酸化炭素の濃度を表示部12に表示させる等して、ユーザに報知する処理としてもよい。二酸化炭素の濃度に応じた処理としては、二酸化炭素の濃度が所定の濃度以上になった場合は、窓を開けて換気することを表示部12の表示及び/又はスピーカ17を介して出力する音声で報知する等、車室内の二酸化濃度を低下させるための処置を促す報知をしてもよい。二酸化炭素の濃度に応じた処理としては、ユーザに眠気に注意することを表示部12の表示及び/又はスピーカ17を介して出力する音声で報知する等、安全運転を心掛けることを促す旨の報知をしてもよい。後方視認装置1は、比較的寸法が大きいので、このようなセンサを搭載することへの障害も少ない。そのため、ユーザは、二酸化炭素の濃度を計測するセンサを搭載したことによる後方視認装置1の肥大化の影響を抑えつつ、車室内の二酸化炭素の濃度に応じた処理に接することができる。
【0170】
(4-7)車両100のリアガラスに水滴が付いた場合、そのリアガラス越しに車両の後方を視認しにくいという問題がある。特に、後方視認装置1(例えばデジタルミラー)の場合、リアカメラの目の前に水滴が付いた場合、特に見にくくなる。雨粒1滴辺りのレンズを覆う割合が、通常のミラーと比べると桁違いに多い。そこで、後方視認装置1は、リアガラスの雨粒を感知し、その感知結果に応じてリアワイパーを動作させる制御をするとよい。あるいは、後方視認装置1は、リアガラスの雨粒を感知し、その感知結果に応じて、「後方視界が悪くなっています。」や、「リアガラスを拭いてください。」といったメッセージを、表示部12への表示及び/又はスピーカ17を介した音声により出力してもよい。このように、制御部26は、雨粒により視認性の悪さをユーザに報知し、又は視認性の悪さを軽減するための制御を行うとよい。リアガラスの雨粒を感知する手法は特に問わないが、例えば、制御部26は後方カメラ2の画像を解析して雨粒の有無や程度を解析する手法等がある。
【0171】
(4-8)後方視認装置1は、後方カメラ2が使用されていない場合に報知する処理を行うとよい。後方カメラ2が使用されていない場合としては、例えば、後方カメラ2が未接続の状態とするとよい。後方カメラ2が使用されていない場合としては、例えば、後方カメラ2が故障状態のときとするとよい。報知する処理としては、警告する処理とよい。後方カメラ2が使用されていないと、車両100の利用上、危険なためである。通常は、後方視認装置1は、天井が映り込む(例えば、第2姿勢のように、運転者への二重写り防止のため上向きになっている)ように設置されているため、物理的なリアの反射光が見えない状態となっている。警告の方法としては、警告画面表示や警告音声の出力とするとよい。警告の内容としては、危険である旨を報知したり、後方かめらの設置を促す旨を報知したりするとよい。例えば、後方視認装置1は、「リアカメラが未接続の為、後ろ側が見えるようミラー位置を調整せよ。」等の内容の警告画面を表示するとよい。
【0172】
(4-9)後方視認装置1は、後続車両のハイビームを検出した結果に基づいて、眩しくないようにした表示をしてもよい。後続車両がハイビームをした場合、後方視認装置1を視認するユーザにとっては眩しい。そこで、後方視認装置1は、後方カメラ2の画像のうち、ハイビームを検出した領域(部分)を暗くする補正をするとよい。暗くする補正としては、明度を下げる画像処理とするとよいが、眩しさを抑えられる処理であればよい。
【0173】
(4-10)後方視認装置1の操作受付部14は、ワンタッチ記録のための物理ボタンを有するとよい。例えば、手動でイベント記録を実行させる場合に、画面をタップしてソフトウェアボタンを表示してから、手動イベント記録ボタン(ソフトウェアボタン)を押す必要があると、厳密には、「ワンタッチ記録」とは言いがたい。そこで、このようにワンタッチ記録のための物理ボタンを搭載することで、画面をタップすることなく手動でイベント記録が行えるようにすることができる。また、後方視認装置1が、表示部12をオフ(LCDOFF)の状態でミラーとして利用しているときには、物理ボタンがあれば、ソフトウェアボタン表示が不要なので、表示部12をオンすることなくワンタッチ記録が行える。
【0174】
(4-11)後方視認装置1は、動作状態を表現する発光体(例えば、LED)を有するとよい。制御部26は、表示部12のオンオフの状態に関わらず、自装置の動作状態に応じて発光体を発光させる制御を行うとよい。後方視認装置1を、極力、表示部12をオフ(LCD OFF)として使用したいユーザのために、設定次第では、電源オンからオフするまで表示部12を全くつけないでも使えるようなユーザインタフェースにしてもよいと発明者は考えた。そのためにも、発光体(例えばLED)をつけて動作状態が表現されると、ユーザにとっては分かりやすい。複数の異なる動作状態は、発光体の発光色や、発光の態様を互いに異ならせることで表現されるとよい。動作状態としては、録画準備中、録画中、イベント記録中、エラー発生時等がある。音声のみであるとユーザが聞き逃すことも考えられるがこれを回避できる。また、例えばスピーカ17から音声が出力されないようにする音声オフ、かつ表示部12がオフ(例えばLCDオフ)の設定であっても、ユーザは後方視認装置1の動作状態を把握できるので望ましい。発光体は、後方視認装置1の車室内側の面、特に、他の乗員よりも運転者側寄りの位置にするとよいが、ユーザが目視できる位置に配置されるとよい。
【0175】
(4-12)後方視認装置1は、2本指の操作、例えばピンチイン、ピンチアウトで操作を、上述した実施形態以外の目的で受け付けてもよい。スマホのようにピンチ(つまむ)動作で画面表示範囲、又は記録した画像の再生画面の拡大、縮小が行えればかなり操作しやすいためである。
【0176】
(4-13)後方視認装置1の制御部26は、前方カメラ30及び後方カメラ2の撮影した画像を同時に再生する再生画面を表示する機能を有するとよい。後方視認装置1は、表示部12(画面)のサイズを大きくしやすいので、再生画面で、前方カメラ30の撮影した前方画像(フロント映像)と後方カメラ2の撮影した後方画像(リア映像)とを同時に再生する機能を有すると、ユーザにとって便利である。制御部26は、同時に表示させる前方画像と後方画像との撮影時刻が同時刻である同期再生を行うとよいが、例えばユーザの設定に応じて互いに異なる撮影時刻の前方画像と後方画像とを同時に再生してもよい。
【0177】
(4-14)後方視認装置1は、本体部10を左右にスライド移動できるように構成されているとよい。本体部10(例えば、ミラー本体)がルームミラー81(例えば、純正ミラー)より大きいサイズである場合、車両100に設けられたサンバイザーと干渉してしまう可能性がありうる。この場合でも、本体部10を助手席側に寄せて取り付けられれば、運転席側のサンバイザーは使えるが、助手席はミラーを大きく傾けないと下ろせなくなる可能性がある。そこで、後方視認装置1は、本体部10を左右にスライド移動できるようにするスライド機構を備えてもよい。このようにすると、ミラーの角度はそのままで、運転席側も助手席もサンバイザーを下ろすことができるようになる。また、車両の振動や横方向のGで動かないように、本体部10を内部ロックできる機構を採用すると、尚良い。
【0178】
(4-15)後方視認装置1の光学部材として、ハーフミラー以外の部材が用いられてもよい。光学部材として、電力が供給されるオン状態で鏡状態(反射状態)、電力が供給されないオフ状態で光を透過させる透光状態となる電気光学部材が用いられるとよい。この場合の電気光学部材は、電子ミラーデバイスと呼ばれるものである。電気光学部材は、例えば、表示素子として多数の微小鏡面(マイクロミラー)を平面に配列した構成とするとよい。第2実施形態の構成のもとでは、制御部26は、姿勢検知部94により検知された姿勢に応じて、電気光学部材の状態を制御するとよい。
【0179】
(4-16)後方視認装置が装着可能な車両装備物については、種々の変形が考えられる。また、後方視認装置は、車両装備物としてのルームミラーに後付けで装着される後方視認装置に限られない。車両のフロントガラスや天井等の車両装備品に後付けで装着される後方視認装置としてもよい。後方視認装置は、また、後方視認装置は、車両装備物としてダッシュボードに取り付け可能に構成されてもよい。後方視認装置は、特に、所定の取付部材を使用することで、ルームミラーとダッシュボードとに選択的に取り付けられるように構成されてもよい。また、後方視認装置は、車両にあらかじめ搭載された(例えば標準搭載された)装置としてもよく、例えば車両の純正ミラーにより実現されてもよい。
【0180】
(4-17)本発明の一態様は、車両に設けられた鏡面の少なくとも一部に重ねても受けられる表示部と、前記表示面からの光を透過させ前記表示面とは反対側からの光を反射する光学部材と、を有する本体部と、前記鏡面に対する前記本体部の姿勢を変更させる姿勢変更部と、前記表示部のオンオフを制御する制御部と、を有する電子装置としても把握することができる。このような電子装置は、上述したような後方視認装置として把握されるもののほか、レーダー探知機、レーザー探知機、ナビゲーション装置、ドライブレコーダその他の車両に配置される装置としてもよい。また、電子装置は、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の端末装置、例えば車両の車室内以外でも使用可能な汎用的な端末装置、例えば携帯端末装置としてもよい。
【0181】
(4-18)上述した各実施形態で説明した構成は適宜組み合わされてもよい。例えば、第2実施形態で説明した後方視認装置1A、1Cの構成のもと、第3実施形態で説明した前方カメラ装置30Bが外付けされるような構成としてもよい。
【0182】
(4-19)上述した各実施形態で説明した構成の一部が省略されてもよいし、別の構成が追加されてもよい。例えば、後方視認装置は、車両の後方を視認する目的として使用される装置であればよく、例えば、ドライブレコーダに関する構成(例えば録画機能や、前方カメラ)を有しない装置としてもよいし、探知機に関する構成(例えば警報機能や、位置情報取得部、マイクロ波受信部、及び無線受信部、受光部)を有しない装置としてもよい。また、後方視認装置は、例えば、センサ部29等の構成を有しなくてもよい。また、後方視認装置は、後方画像表示機能に関し、表示サイズの変更と位置の変更との一方だけを可能にする構成としてもよい。第2、第3実施形態の後方視認装置は、操作受付部14の機能の一部又は全部を有しなくてもよい。また、上述した実施形態の部材の配置位置や数は一例であり、適宜変更が可能である。また、例えば、上述した各実施形態で説明した部材のうちの一部の部材が、後方視認装置の外部要素とされてもよい。
【0183】
(4-20)上述した実施形態で説明した制御部26や制御部301の各機能は、1又は複数のハードウェア要素、1又は複数のソフトウェア要素、これらの組み合わせのいずれで実現されてもよい。また、各機能は、物理的又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置により実現されてもよい。
【0184】
上述した実施形態で説明したプログラムを記憶する記憶媒体は、上述した実施形態で説明したものに限られず、コンピュータが読取可能な記憶媒体であればよい。コンピュータが読取可能な記憶媒体としては、半導体記憶媒体、光学式記憶媒体、磁気記憶媒体等の各種記憶方式の記憶媒体とするとよい。また、コンピュータが読取可能な記憶媒体としては、プログラムに基づく機能を実現する装置に内蔵された記憶媒体、当該装置に外付けされた記憶媒体、及び当該装置と電気通信回線(例えば、有線及び/又は無線)を介して接続されたサーバ等の記憶媒体、その他の記憶媒体とするとよい。
【0185】
上述した実施形態で説明したプログラムに基づく機能を実現するコンピュータは、上述した実施形態で説明した装置のコンピュータに限られない。当該機能の目的や用途、性質等に応じて、他のコンピュータにより当該機能が実現されてもよい。例えば、ューアプログラムで実現される機能は、適宜、撮影装置で撮影された画像を再生するパーソナル・コンピュータや、スマートフォン、タブレット型コンピュータその他の装置のコンピュータのプログラムで実現されてもよい。また、上述した実施形態で説明したプログラムに基づく機能を、上述した実施形態した装置とは異なる装置に転用して実現してもよく、例えば、より汎用的な用途のコンピュータで実現してもよい。上述した実施形態で説明したプログラムが、例えば、パーソナル・コンピュータにより実行されるプログラム(例えば、パソコンソフト)、スマートフォンにより実行されるプログラム(例えば、スマホアプリ)、その他の情報処理端末のコンピュータで実行されてもよい。あるいは、プログラムに基づく機能を実現するコンピュータは、家庭用機器、業務用機器等の特定の用途の機器に用いられるコンピュータとしてもよい。
【0186】
また、プログラムによって実現されるとして説明された機能は、オペレーティングシステムや、ミドルウェア、ファームウェア、アプケーションプログラムその他のプログラムのいずれによって実現されてもよい。
【0187】
また、所定の情報の報知又は通知は、ユーザが報知又は通知を認識できればよいところ、明示的に行うものに限られず、暗黙的(すなわち、明示的な当該所定の情報の報知あるいは通知を行わない)に行うこととしてもよい。
【0188】
また、Aとしては、例えば、a1、a2・・・、及びanとするとよい、という内容で説明した箇所は、Aに、a1、a2・・・及びanのうちの1つ又は2つ以上を含むものとして特定されてもよいが、Aに、a1、a2・・・及びanのうちの1つ又は2つ以上を含まないとして特定することも可能である。そのため、「A(ただし、a1を除く。)」、「A(ただし、a1及びa2を除く。)」といった、列挙した要素のうちの少なくとも一部の要素を除外した特定をすることも可能である。
【0189】
AにBを備え、BにCを備えるというような形で記載している箇所については、AにCを備えるようにしてもよい。Aの次にBを行い、Bの次にCを行うと処理を記載している箇所については、Aの次にCを行う構成としてもよい。条件判断後に実行される処理として記載している箇所は、条件判断を前提としない、当該処理部分について実行するものについても開示しているのであって、これらについても権利取得する意思を有する。PにQを備えというような形で記載している箇所について、PとQの間に介在物や介在処理を備えるようにしてもよい。これらについても分割出願や補正で権利取得をする意思を有する。
【0190】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0191】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0192】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、画像、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0193】
1 :後方視認装置
1A :後方視認装置
1B :後方視認装置
1C :後方視認装置
2 :後方カメラ
3 :ケーブル
4 :ケーブル
10 :本体部
10A :本体部
10B :本体部
10C :本体部
11 :筐体
12 :表示部
12a :表示面
13 :ハーフミラー
14 :操作受付部
15 :通信部
16 :第1接続端子
17 :スピーカ
18 :第2接続端子
21 :位置情報取得部
22 :マイクロ波受信部
23 :無線受信部
24 :メモリカードリーダ
25 :メモリカード
26 :制御部
27 :データベース
28 :携帯情報端末
29 :センサ部
30 :前方カメラ
30B :前方カメラ装置
31 :第3接続端子
33 :GPS受信部
41 :放音孔
51 :装着部
52 :装着部
67 :レンズ枠
71 :シリアルナンバー
77 :レンズ窓
81 :ルームミラー
82 :操作部材
91 :操作部材
91C :操作部材
92 :保護部材
92C :装着部
93 :姿勢変更部
93C :姿勢変更部
94 :姿勢検知部
94C :姿勢検知部
94CC :姿勢検知部
95C :装着部
100 :車両
260 :CPU
262 :ROM
264 :RAM
301 :制御部
302 :前方カメラ
303 :位置情報取得部
304 :センサ部
305 :インタフェース
310 :筐体
311 :取付部材
921 :装着部
922 :装着部
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