IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-振動デバイス 図1
  • 特開-振動デバイス 図2
  • 特開-振動デバイス 図3
  • 特開-振動デバイス 図4
  • 特開-振動デバイス 図5
  • 特開-振動デバイス 図6
  • 特開-振動デバイス 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104403
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】振動デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/5628 20120101AFI20240729BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G01C19/5628
H01L29/84 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008587
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】清水 教史
【テーマコード(参考)】
2F105
4M112
【Fターム(参考)】
2F105BB04
2F105BB12
2F105BB13
2F105CC01
2F105CD02
2F105CD06
2F105CD13
4M112AA04
4M112AA06
4M112BA08
4M112CA09
4M112FA20
(57)【要約】
【課題】接合用の半田の導通不良を抑制することができる振動デバイスを提供すること。
【解決手段】振動デバイスは、振動素子と、前記振動素子を駆動する回路素子と、前記振動素子および前記回路素子を収容するパッケージと、を有し、前記パッケージは、平面視で矩形をなす実装面と、前記実装面に配置された複数の外部端子と、を有し、前記複数の外部端子は、前記実装面の角部に配置された角部端子と、前記実装面の辺部に配置された辺部端子と、を含み、前記角部端子の面積は、前記辺部端子の面積よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動素子と、前記振動素子を駆動する回路素子と、前記振動素子および前記回路素子を収容するパッケージと、を有し、
前記パッケージは、平面視で矩形をなす実装面と、前記実装面に配置された複数の外部端子と、を有し、
前記複数の外部端子は、前記実装面の角部に配置された角部端子と、前記実装面の辺部に配置された辺部端子と、を含み、
前記角部端子の面積は、前記辺部端子の面積よりも大きいことを特徴とする振動デバイス。
【請求項2】
前記実装面は、前記辺部として、第1辺部、前記第1辺部に対向する第2辺部、第3辺部および前記第3辺部に対向する第4辺部を有し、
前記辺部端子は、前記第1辺部または前記第2辺部に沿って配置され、
前記角部端子の前記第3辺部に沿った長さは、前記辺部端子の前記第3辺部に沿った長さよりも大きい請求項1に記載の振動デバイス。
【請求項3】
前記角部端子の前記第1辺部に沿った長さは、前記辺部端子の前記第1辺部に沿った長さよりも大きい請求項2に記載の振動デバイス。
【請求項4】
前記回路素子は、能動素子が形成された能動素子形成領域を有し、
前記実装面の平面視で、前記能動素子形成領域は、前記外部端子と重ならない請求項1に記載の振動デバイス。
【請求項5】
前記実装面の平面視で、前記回路素子の前記能動素子形成領域ではない領域の少なくとも一部は、前記外部端子と重なる請求項4に記載の振動デバイス。
【請求項6】
前記振動素子は、角速度を検出する角速度検出素子である請求項1に記載の振動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたリアルタイムクロック装置は、振動素子、発振回路、計時回路および機能回路を収容したパッケージを有する。また、パッケージの下面には、その一辺に沿って配置された5個の外部端子と、前記一辺と対向する一辺に沿って配置された5個の外部端子と、の計10個の外部端子が配置されている。そして、パッケージの四隅に位置する4つの外部端子に、電源、GND(グランド)、IF(インターフェース)以外の付加的な機能を割り当てている。
【0003】
このようなリアルタイムクロック装置は、半田リフローによって実装基板に実装され、各外部端子が実装基板と電気的に接続される。実装状態では、実装基板との線膨張係数の差に起因してパッケージに熱応力が生じ、この熱応力によって半田にクラックが入るなどして、半田の導通不良が生じるおそれがある。また、この熱応力は、パッケージの中心から離れるほど大きくなる。
【0004】
そこで、特許文献1では、前述したように、パッケージの四隅(中心から最も離れた場所)に配置された外部端子に付加的な機能を割り当て、それ以外の外部端子に電源、GND(グランド)、IF(インターフェース)等の主機能を割り当てている。これにより、半田の導通不良が生じた場合でもリアルタイムクロック装置としての機能を果たすことができる可能性を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-148435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、半田の導通不良自体を抑制することができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の振動デバイスは、振動素子と、前記振動素子を駆動する回路素子と、前記振動素子および前記回路素子を収容するパッケージと、を有し、
前記パッケージは、平面視で矩形をなす実装面と、前記実装面に配置された複数の外部端子と、を有し、
前記複数の外部端子は、前記実装面の角部に配置された角部端子と、前記実装面の辺部に配置された辺部端子と、を含み、
前記角部端子の面積は、前記辺部端子の面積よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】好適な実施形態に係る振動デバイスの断面図である。
図2】振動デバイスの下面図である。
図3】角速度検出素子を示す上面図である。
図4】角速度検出素子の駆動振動モードを示す概略図である。
図5】角速度検出素子の検出振動モードを示す概略図である。
図6】支持基板の上面図である。
図7】振動デバイスの実装状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の振動デバイスを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図には、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸として図示している。そして、X軸に沿う方向を「X軸方向」とも言い、Y軸に沿う方向を「Y軸方向」とも言い、Z軸に沿う方向を「Z軸方向」とも言う。また、Z軸が鉛直方向に沿っており、矢印側を「上」、反対側を「下」とも言う。また、以下では、Z軸方向からの平面視を単に「平面視」とも言う。
【0010】
図1は、好適な実施形態に係る振動デバイスの断面図である。図2は、振動デバイスの下面図である。図3は、角速度検出素子を示す上面図である。図4は、角速度検出素子の駆動振動モードを示す概略図である。図5は、角速度検出素子の検出振動モードを示す概略図である。図6は、支持基板の上面図である。図7は、振動デバイスの実装状態を示す断面図である。
【0011】
図1に示す振動デバイス1は、Z軸まわりの角速度ωzを検出する角速度センサーであって、角速度ωzが印加される振動素子としての角速度検出素子3と、角速度検出素子3を支持する支持基板4と、角速度検出素子3と電気的に接続された回路素子5と、これらを収容するパッケージ2と、を有する。
【0012】
[パッケージ2]
図1に示すように、パッケージ2は、上面に開口する凹部219を有するキャビティ状のベース21と、ベース21の上面に接合され、凹部219の開口を塞ぐ板状のリッド22と、を有する。パッケージ2は、内部空間Sを有し、この内部空間Sに角速度検出素子3、支持基板4および回路素子5がZ軸方向に重なって収容されている。また、内部空間Sは、気密封止され、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。これにより、粘性抵抗が減り、角速度検出素子3を効率的に駆動することができる。
【0013】
ベース21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム等の各種セラミックスを用いることができる。また、リッド22の構成材料としては、特に限定されないが、ベース21の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース21の構成材料がセラミックスの場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。また、ベース21とリッド22の接合方法は、特に限定されず、例えば、メタライズ層を介して接合してもよいし、接着材を介して接合してもよい。
【0014】
また、凹部219は、ベース21の上面に開口する第1凹部219aと、第1凹部219aの底面に開口し第1凹部219aよりも開口面積が小さい第2凹部219bと、第2凹部219bの底面に開口し第2凹部219bよりも開口面積が小さい第3凹部219cと、を有する。そして、第3凹部219cの底面に回路素子5が固定され、第1凹部219aの底面に支持基板4が固定され、支持基板4に角速度検出素子3が固定されている。
【0015】
また、第1凹部219aの底面には複数の内部端子23が配置され、第2凹部219bの底面には複数の内部端子24が配置され、ベース21の底面である実装面210には複数の外部端子25が配置されている。また、複数の内部端子24には、ベース21内に形成された図示しない内部配線を介して内部端子23と電気的に接続されているものと、前記内部配線を介して外部端子25と電気的に接続されているものと、がある。また、各内部端子23は、導電性の接合部材B1を介して支持基板4と電気的に接続されており、各内部端子24は、ボンディングワイヤーBWを介して回路素子5と電気的に接続されている。なお、内部端子23、24および外部端子25の数や配置は、特に限定されず、例えば、角速度検出素子3や回路素子5の端子数に応じて適宜設定すればよい。
【0016】
また、図2に示すように、ベース21の底面である実装面210は、平面視で、矩形、特に、X軸方向に長い長方形である。そのため、実装面210は、4つの角部と、これらを繋ぐ4つの辺部と、を有する。なお、前記「矩形」とは、矩形と一致する場合に加えて、本実施形態のように角部や辺部に切り欠き(キャスタレーション形成用の切り欠き)が形成されるなどして、矩形と一致しないが全体的に見て矩形と同一視できるような形状を含む意味である。
【0017】
4つの角部は、第1角部211、第2角部212、第3角部213および第4角部214を有する。また、4つの辺部は、互いに対向し、X軸方向に延びる第1辺部215および第2辺部216と、互いに対向し、Y軸方向に延びる第3辺部217および第4辺部218と、を有する。また、第1辺部215は、第1角部211と第2角部212との間に位置し、第2辺部216は、第3角部213と第4角部214との間に位置し、第3辺部217は、第1角部211と第3角部213との間に位置し、第4辺部218は、第2角部212と第4角部214との間に位置する。
【0018】
このような実装面210には、10個の外部端子25が配置されている。また、10個の外部端子25には、実装面210の角部に配置された4つの角部端子251と、実装面210の辺部に配置された6つの辺部端子252と、が含まれている。
【0019】
また、4つの角部端子251は、第1角部211に配置された第1角部端子251aと、第2角部212に配置された第2角部端子251bと、第3角部213に配置された第3角部端子251cと、第4角部214に配置された第4角部端子251dと、を含む。
【0020】
また、6つの辺部端子252は、第1辺部215に沿ってX軸方向に並んで配置された3つの第1辺部端子252a、252b、252cと、第2辺部216に沿ってX軸方向に並んで配置された3つの第2辺部端子252d、252e、252fと、を含む。
【0021】
これら10個の外部端子25は、それぞれ、第3、第4辺部217、218に沿って、つまり、Y軸方向に沿って延在している。また、外部端子25は、それぞれ、ベース21の側面に延在するキャスタレーションを有する。
【0022】
なお、振動デバイス1では、これら10個の外部端子25の構成が特徴的であるが、これについては、後に詳細に説明する。
【0023】
[角速度検出素子3]
角速度検出素子3は、水晶基板から形成された水晶振動素子である。図3に示すように、角速度検出素子3は、中央部に位置する基部30と、基部30からY軸方向両側に延出する一対の検出振動腕31、32と、基部30からX軸方向両側へ延出する一対の支持腕33、34と、一方の支持腕33の先端部からY軸方向両側に延出する一対の駆動振動腕35、36と、他方の支持腕34の先端部からY軸方向両側に延出する一対の駆動振動腕37、38と、を有する。このような角速度検出素子3は、基部30において支持基板4に支持されている。
【0024】
また、角速度検出素子3は、電極として、検出振動腕31の両主面に配置された第1検出信号電極E1と、検出振動腕31の両側面に配置された第1検出接地電極E2と、検出振動腕32の両主面に配置された第2検出信号電極E3と、検出振動腕32の両側面に配置された第2検出接地電極E4と、駆動振動腕35、36の両主面および駆動振動腕37、38の両側面に配置された駆動信号電極E5と、駆動振動腕35、36の両側面および駆動振動腕37、38の両主面に配置された駆動接地電極E6と、を有する。
【0025】
以上のような角速度検出素子3は、次のようにして角速度ωzを検出する。駆動信号電極E5と駆動接地電極E6との間に駆動信号を印加すると、図4に示すように、駆動振動腕35、36と駆動振動腕37、38とがX-Y平面に沿って逆相で屈曲振動する(以下、この状態を「駆動振動モード」とも言う)。この状態では、駆動振動腕35、36、37、38の振動がキャンセルされ、検出振動腕31、32は、実質的に振動しない。駆動振動モードで駆動している状態で角速度検出素子3に角速度ωzが加わると、図5に示すように、駆動振動腕35、36、37、38にコリオリの力が働いてY軸方向の屈曲振動が励振され、この屈曲振動に呼応するように検出振動腕31、32がX軸方向に屈曲振動する(以下、この状態を「検出振動モード」とも言う)。
【0026】
このような検出振動モードによって検出振動腕31に発生した電荷を第1検出信号電極E1から第1出力信号として取り出し、検出振動腕32に発生した電荷を第2検出信号電極E3から第2出力信号として取り出し、これら第1、第2出力信号に基づいて角速度ωzが求められる。
【0027】
[支持基板4]
図1に示すように、支持基板4は、接合部材B1によって第1凹部219aの底面に固定されている。また、支持基板4は、角速度検出素子3の下側に位置し、角速度検出素子3を下側から持ち上げるように支持している。支持基板4は、TAB(Tape Automated Bonding)実装用の基板であり、図6に示すように、開口491を有する板枠状の基板49と、基板49に支持された6本のリード41と、を有する。基板49は、例えば、ポリイミド等の可撓性を有する樹脂で構成され、各リード41は、例えば、銅箔で構成されている。
【0028】
また、各リード41は、それぞれ、接合部材B1を介して対応する内部端子23と電気的に接続されている。また、平面視で、各リード41の先端部は、開口491内に延在している。また、図1に示すように、各リード41は、途中で屈曲して傾斜し、その先端部が開口491を潜って基板49の上方に位置している。そして、各リード41の先端部に、電極バンプBPを介して角速度検出素子3の基部30が固定され、各リード41と電極E1~E6とが電気的に接続されている。
【0029】
[回路素子5]
図1に示すように、回路素子5は、第3凹部219cの底面に固定されている。また、回路素子5は、主に、駆動信号を印加して角速度検出素子3を駆動する駆動回路と、角速度検出素子3からの第1、第2出力信号に基づいて角速度ωzの検出処理を行う検出回路と、を有する。このような回路素子5は、能動面51を有し、この能動面51には、駆動回路や検出回路に含まれるトランジスタ等の能動素子ACが形成されている。なお、以下では、能動面51の能動素子ACが形成された領域を能動素子形成領域510とも言う。
【0030】
以上、振動デバイス1の構成について説明した。このような振動デバイス1は、例えば、図7に示すように、半田リフローによって半田Hを介して実装基板9に実装される。実装基板9に実装された状態では、各外部端子25が半田Hを介して実装基板9上の対応する端子と電気的に接続されている。
【0031】
ここで、振動デバイス1が実装基板9に実装された実装状態では、ベース21と実装基板9との線膨張係数の差に起因してベース21に熱応力が生じ、この熱応力によって半田Hにクラックが入るなどして半田Hの導通不良が生じるおそれがある。また、この熱応力は、実装面210の中心から離れるほど大きくなる。つまり、10個の外部端子25の中でも、実装面210の四隅に位置する角部端子251に対応する半田Hが大きな熱応力を受け、クラックが生じ易い。
【0032】
そこで、本実施形態の振動デバイス1では、図2に示すように、各角部端子251の面積を各辺部端子252の面積よりも大きくしている。これにより、角部端子251に対応する半田Hをより大きく形成することができる。半田Hを大きく形成することにより、半田Hの強度を高めることができ、クラックが生じ難くなる。また、仮に、熱応力によって半田Hにクラック等が発生しても、半田Hが大きい分、クラックが全体に広がり難く、角部端子251と実装基板9とがオープン(電気的に遮断された状態)になり難い。つまり、半田Hの導通不良自体を効果的に抑制することができる。そのため、各角部端子251と実装基板9との良好な電気的接続状態が維持される可能性が高まり、実装基板9の信頼性が高まる。
【0033】
特に、本実施形態のように、10個の外部端子25のうち、熱応力を受け易い各角部端子251だけを大きく形成することにより、実装面210の過度な大型化を抑制することができる。さらには、実装面210の中央部に外部端子25が形成されない領域を広く確保し易くなり、後述するように、平面視で、能動素子形成領域510が外部端子25と重ならないように回路素子5を配置し易くなる。
【0034】
なお、各角部端子251の面積としては、特に限定されないが、各辺部端子252の面積の1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。これにより、上述した効果がより顕著となる。
【0035】
また、各角部端子251の第3辺部217に沿った長さ(Y軸方向に沿った長さ)をL1とし、各辺部端子252の第3辺部217に沿った長さ(Y軸方向に沿った長さ)をL2としたとき、L1は、L2よりも大きい。つまり、L1>L2である。また、各角部端子251の第1辺部215に沿った長さ、つまり、X軸方向に沿った長さをW1とし、各辺部端子252の第1辺部215に沿った長さ、つまり、X軸方向に沿った長さをW2としたとき、W1は、W2よりも大きい。つまり、W1>W2である。
【0036】
このように、L1>L2、W1>W2とすることにより、簡単な構成で、各角部端子251の面積を各辺部端子252の面積よりも大きくすることができる。特に、L1>L2とすることにより、実装面210の中央部に外部端子25が形成されない領域を広く形成することができ、後述するように、平面視で、能動素子形成領域510が外部端子25と重ならないように回路素子5を配置し易くなる。
【0037】
ただし、各角部端子251の形状は、各辺部端子252よりも大きな面積であれば特に限定されない。
【0038】
また、図2に示すように、振動デバイス1では、平面視で、能動素子形成領域510が外部端子25と重ならない。これにより、熱応力が能動素子形成領域510に加わり難くなる。そのため、能動素子形成領域510に形成された能動素子、その中でも特にトランジスタにおいて、熱応力に起因した電極間距離の変動が効果的に抑制され、出力変化を効果的に抑制することができる。そのため、信頼性の高い振動デバイス1となる。
【0039】
また、図2に示すように、平面視で、回路素子5の能動素子形成領域510ではない領域、具体的には能動素子形成領域510の周囲に位置する領域の少なくとも一部は、外部端子25と重なっている。これにより、振動デバイス1の小型化を図ることができる。
【0040】
ただし、回路素子5の配置としては、特に限定されず、例えば、平面視で、能動素子形成領域510が外部端子25と重なっていてもよい。また、平面視で、能動面51が外部端子25と重なっていなくてもよい。
【0041】
また、図示しないが、例えば、10個の外部端子25には、電源電圧印加端子であるVDDM端子、インターフェース用電源電圧印加端子であるVDDI端子、パスコンに接続される内部レギュレータ電圧出力端子であるVDDL端子、グランドに接続されるGND端子、通信用のSOMI端子、クロック用のSCLK端子、調整、検査用のTEST端子、信号の送受信を行わないNC端子(Non Connection端子)等が含まれている。
【0042】
そして、これら各種端子のうち、付加的な機能を担う端子、つまり、それがなくても振動デバイス1としての機能を発揮することができる端子、具体的には、TEST端子、NC端子等を角部端子251に割り当て、主機能を担う端子、具体的には、VDDM端子、VDDI端子、VDDL端子、GND端子、SOMI端子、SCLK端子等を辺部端子252に割り当てている。これにより、振動デバイス1の信頼性がさらに向上する。
【0043】
以上、外部端子25について説明した。ただし、外部端子25の数や配置は、角部端子251の面積が辺部端子252の面積よりも大きければ、特に限定されない。
【0044】
以上、振動デバイス1について説明した。このような振動デバイス1は、前述したように、振動素子である角速度検出素子3と、角速度検出素子3を駆動する回路素子5と、角速度検出素子3および回路素子5を収容するパッケージ2と、を有する。また、パッケージ2は、平面視で矩形をなす実装面210と、実装面210に配置された複数の外部端子25と、を有する。また、複数の外部端子25は、実装面210の角部に配置された角部端子251と、実装面210の辺部に配置された辺部端子252と、を含み、角部端子251の面積は、辺部端子252の面積よりも大きい。これにより、実装時に角部端子251に接合される半田Hをより大きく形成することができる。半田Hを大きく形成することにより、仮に、実装状態において生じる熱応力によって半田Hにクラック等が発生しても、各角部端子251と実装基板9とがオープンになり難い。つまり、半田Hの導通不良自体を効果的に抑制することができる。そのため、各角部端子251と実装基板9との良好な電気的接続状態が維持される可能性が高まる。
【0045】
また、前述したように、実装面210は、辺部として、第1辺部215、第1辺部215に対向する第2辺部216、第3辺部217および第3辺部217に対向する第4辺部218を有する。また、辺部端子252は、第1辺部215または第2辺部216に沿って配置され、角部端子251の第3辺部217に沿った長さL1は、辺部端子252の第3辺部217に沿った長さL2よりも大きい。このように、L1>L2とすることにより、簡単な構成で、角部端子251の面積を辺部端子252の面積よりも大きくすることができる。
【0046】
また、前述したように、角部端子251の第1辺部215に沿った長さW1は、辺部端子252の第1辺部215に沿った長さW2よりも大きい。このように、W1>W2とすることにより、簡単な構成で、角部端子251の面積を辺部端子252の面積よりも大きくすることができる。
【0047】
また、前述したように、回路素子5は、能動素子ACが形成された能動素子形成領域510を有し、実装面210の平面視で、能動素子形成領域510は、外部端子25と重ならない。これにより、実装状態において、熱応力が能動素子形成領域510に加わり難くなる。そのため、能動素子形成領域510に形成された能動素子、その中でも特にトランジスタにおいて、熱応力に起因した電極間距離の変動が効果的に抑制され、出力変化を効果的に抑制することができる。そのため、信頼性の高い振動デバイス1となる。
【0048】
また、前述したように、実装面210の平面視で、回路素子5の能動素子形成領域510ではない領域の少なくとも一部は、外部端子25と重なっている。これにより、振動デバイス1の小型化を図ることができる。
【0049】
また、前述したように、振動素子は、角速度を検出する角速度検出素子3である。これにより、振動デバイス1を角速度センサーとして用いることができ、高い需要を発揮することができる。
【0050】
以上、本発明の振動デバイスを図示の実施形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や他の任意の工程が付加されていてもよい。
【0051】
また、前述した実施形態では、振動デバイス1を角速度センサーに適用しているが、振動デバイス1としては、特に限定されない。例えば、振動素子として加速度を検出することのできる加速度検出素子を用いた加速度センサーに適用してもよい。また、例えば、振動デバイス1を発振器に適用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…振動デバイス、2…パッケージ、21…ベース、210…実装面、211…第1角部、212…第2角部、213…第3角部、214…第4角部、215…第1辺部、216…第2辺部、217…第3辺部、218…第4辺部、219…凹部、219a…第1凹部、219b…第2凹部、219c…第3凹部、22…リッド、23…内部端子、24…内部端子、25…外部端子、251…角部端子、251a…第1角部端子、251b…第2角部端子、251c…第3角部端子、251d…第4角部端子、252…辺部端子、252a…第1辺部端子、252b…第1辺部端子、252c…第1辺部端子、252d…第2辺部端子、252e…第2辺部端子、252f…第2辺部端子、3…角速度検出素子、30…基部、31…検出振動腕、32…検出振動腕、33…支持腕、34…支持腕、35…駆動振動腕、36…駆動振動腕、37…駆動振動腕、38…駆動振動腕、4…支持基板、41…リード、49…基板、491…開口、5…回路素子、51…能動面、510…能動素子形成領域、9…実装基板、AC…能動素子、B1…接合部材、BP…電極バンプ、BW…ボンディングワイヤー、E1…第1検出信号電極、E2…第1検出接地電極、E3…第2検出信号電極、E4…第2検出接地電極、E5…駆動信号電極、E6…駆動接地電極、H…半田、L1…長さ、L2…長さ、S…内部空間、W1…長さ、W2…長さ、ωz…角速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7