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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104413
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】貨幣処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/60 20190101AFI20240729BHJP
   G06Q 40/02 20230101ALI20240729BHJP
【FI】
G07D11/60
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008601
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】笠原 沙織
【テーマコード(参考)】
3E141
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA02
3E141AA08
3E141BA09
3E141CA12
3E141EA10
3E141FH04
3E141FJ02
3E141FJ05
3E141FJ07
5L040BB27
5L055BB27
(57)【要約】
【課題】利便性を高めることが可能となる貨幣処理装置を提供する。
【解決手段】取引毎に貨幣を入出可能な貨幣処理部20,21と、貨幣処理部20,21による取引時の金種明細を含む取引完了結果情報を取引毎に記憶する記憶部45と、取消対象の完了済入金取引を特定する情報が入力される入力部31と、入力部31によって入力された完了済入金取引に係る貨幣の返金を、完了済入金取引の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うかを照会する制御部44とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引毎に貨幣を入出可能な貨幣処理部と、
前記貨幣処理部による取引時の金種明細を含む取引完了結果情報を取引毎に記憶する記憶部と、
取消対象の完了済入金取引を特定する情報が入力される入力部と、
前記入力部によって入力された前記完了済入金取引に係る貨幣の返金を、前記完了済入金取引の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うかを照会する制御部と
を備える貨幣処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入金取引時の金種明細に基づいた払い出しでの返金を行うことが選択された場合、前記入金取引時の金種明細を表示するとともに表示された前記入金取引時の金種明細に基づいた払い出しを行うことを確認する確認画面を表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に表示された前記入金取引時の金種明細に基づいた払い出しの実行可否を判定するとともに、前記表示部に表示された前記入金取引時の金種明細での払い出しで、取消対象である前記完了済入金取引と一致ないしは充足するかを判断することを特徴とする請求項2記載の貨幣処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示部に表示された前記入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで、取消対象である前記完了済入金取引と一致しないないしは充足しない際には、両者の差異の過不足金額情報を併せて前記表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載の貨幣処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記入金取引時の金種明細に基づいた払い出しでの返金を行うことが選択された場合、前記入金取引時の金種明細に機械受の貨幣と機械払の貨幣とが含まれると、前記機械受の貨幣を、機械払での払い出しでの返金として、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項記載の貨幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行等の金融機関では、出納機と呼ばれる取引処理装置が設置されて貨幣処理が行われている(例えば、特許文献1参照)。この種の出納機では、出納機からの出金処理や、出納機への入金処理が、都度実行されて、それぞれの取引データが記憶されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-283075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、貨幣処理装置においては、利便性を高めることが求められている。
【0005】
本発明は、利便性を高めることが可能となる貨幣処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る一の態様は、取引毎に貨幣を入出可能な貨幣処理部と、前記貨幣処理部による取引時の金種明細を含む取引完了結果情報を取引毎に記憶する記憶部と、取消対象の完了済入金取引を特定する情報が入力される入力部と、前記入力部によって入力された前記完了済入金取引に係る貨幣の返金を、前記完了済入金取引の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うかを照会する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、利便性を高めることが可能となる貨幣処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置を示す外観構成図である。
図2】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置を示す機能ブロック図である。
図3】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置の出納機表示入力部の処理選択案内画面を示す図である。
図4】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置の出納機表示入力部の処理通番入力画面を示す図である。
図5】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置の出納機表示入力部の処理通番入力画面を示す図である。
図6】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置の出納機表示入力部の処理通番入力画面にポップアップ画面を表示させた状態を示す図である。
図7】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置の出納機表示入力部の取消詳細確認画面を示す図である。
図8】本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置の出納機表示入力部の取消詳細確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る一実施形態の貨幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る貨幣処理装置10は、銀行等の金融機関の店舗に設置されて貨幣の入出金処理を行うものである。図1に示すように、貨幣処理装置10は、出納機11と、現金バスと呼ばれる現金管理装置12と、これらを繋ぐ通信ケーブル13とを有している。出納機11と現金管理装置12とは、いずれも貨幣の入出金処理を行う貨幣処理機である。
【0010】
出納機11は、店舗全体の貨幣処理を管理する取引上位機である。出納機11は、店舗の係員側スペースに設置されて係員により取り扱われる。この出納機11は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行う。
【0011】
出納機11は、紙幣処理ユニット16と、硬貨処理ユニット17と、棒金処理ユニット18とを備えている。これら紙幣処理ユニット16と、硬貨処理ユニット17と、棒金処理ユニット18とは、水平方向に並んで設置されている。なお、後述するように、新券支払を含む場合には、紙幣処理ユニット16に新券支払ユニットが含まれる構成であっても良いし、紙幣処理ユニット16とは別体に新券支払ユニットが構成されるものであっても良い。
【0012】
紙幣処理ユニット16は、紙幣についての機械的な入出金等の処理を行う。この紙幣処理ユニット16は、バラ紙幣(以下、単に紙幣と称す)の入金処理、紙幣の出金処理、結束単位枚数の紙幣を結束してなる小束紙幣の作成および小束紙幣の出金処理等の紙幣に関する種々の処理を行う紙幣処理部20(貨幣処理部)を備えている。
【0013】
硬貨処理ユニット17は、バラ硬貨(以下、単に硬貨と称す)についての機械的な入出金等の処理を行う。この硬貨処理ユニット17は、硬貨の入金処理および硬貨の出金処理等の硬貨に関する種々の処理を行う硬貨処理部21(貨幣処理部)を備えている。
【0014】
棒金処理ユニット18は、包装単位枚数の硬貨を包装してなる棒金(包装硬貨)を事前に収納するとともに棒金の出金処理を行う棒金処理部22を備えている。棒金処理部22は、棒金の機械的な出金のみが可能な構成となっている。
【0015】
出納機11は、紙幣処理ユニット16の上部に、出納機操作表示部23と、出納機プリンタ24とを有している。出納機操作表示部23は、操作者による操作入力が可能であるとともに操作者に対する表示が可能になっている。出納機プリンタ24は、データを用紙への印字により出力する。
【0016】
出納機11は、硬貨処理ユニット17の上部に、収納ポスト25を有している。収納ポスト25は、紙幣処理ユニット16および硬貨処理ユニット17への機械的な入金が不能な汚損券・汚損貨や、有価証券などの金券等を手動により収納し保管する。収納ポスト25は保管物が投入口26から手動により投入され、投入口26を有する上蓋27が開かれて内部の保管物が手動で取り出される。また、これら機械的な入金が不能な汚損券・汚損貨や、有価証券などの金券等を、操作者自身の責任(事前に権限が付与されることが一般的)において収納ポスト25以外の場所に保管することがあり、このような保管扱いを含めて、「手許扱い」と称すこともある。以下、特に明示が無い限り、手許扱いの貨幣は、収納ポスト25へ収納する説明を前提とする。
【0017】
紙幣処理部20は、紙幣入出部28と、小束紙幣出金部29とを備えている。
紙幣入出部28は、紙幣処理部20における入金処理時および出金処理時に操作者に対して紙幣のやり取りを行う。この紙幣入出部28は、操作者による紙幣の入金を入金部位に受け付けるとともに、入金された紙幣の中から偽券あるいは汚損券等と判別されたリジェクト紙幣を操作者が取出可能となるように取出部位にリジェクトする。加えて、紙幣入出部28は、出金処理時に紙幣を操作者が取出可能となるように取出部位に出金する。
小束紙幣出金部29は、出金処理時に操作者が取出可能となるように小束紙幣を出金する。
【0018】
出納機操作表示部23は、出納機表示入力部31(入力部,表示部)と、出納機カードリーダ32と、出納機操作キーボード33と、出納機音声発生部34と、を備えている。
出納機表示入力部31は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報を表示するとともに操作者による操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。出納機表示入力部31は、タッチパネル式の液晶画面である。
出納機カードリーダ32は、操作者のIDカードから操作者IDを読み取る。操作者IDは、操作者を他の操作者と識別するために設定された個別の識別情報である。
出納機操作キーボード33は、操作者による操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。
出納機音声発生部34は、操作者に対して音声ガイダンス等を出力する。
【0019】
ここで、出納機操作表示部23は、出納機表示入力部31が表示を行い、入力は出納機表示入力部31および出納機操作キーボード33の両方から受け付ける。なお、出納機操作キーボード33があることから、出納機表示入力部31を、表示のみ行う出納機表示部に変更することも可能である。あるいは、出納機表示入力部31が、表示および入力が可能であるため、出納機操作キーボード33をなくすことも可能である。出納機表示入力部31が表示および入力が可能であるため、以下では、出納機表示入力部31および出納機操作キーボード33のうち出納機表示入力部31で全ての入力を受け付ける場合を例にとり説明する。
【0020】
硬貨処理部21は、硬貨入金部37と、硬貨リジェクト部38と、硬貨返却部39と、硬貨出金部40とを備えている。
硬貨入金部37は、硬貨処理部21による入金処理時に操作者による硬貨の入金を受け付ける。
硬貨リジェクト部38は、硬貨入金部37に入金された硬貨の中から偽硬貨あるいは汚損硬貨等と判別されたリジェクト硬貨を操作者に取出可能にリジェクトする。
硬貨返却部39は、硬貨の返却処理時に硬貨を操作者に取出可能に返却する。
硬貨出金部40は、硬貨の出金処理時に硬貨を操作者に取出可能に出金する。
【0021】
棒金処理部22は、棒金出金部41を備えている。棒金出金部41は、棒金処理部22による出金処理時に操作者に対して棒金を出金する。
【0022】
図2に示すように、出納機11は、上述した紙幣処理部20、硬貨処理部21、棒金処理部22、出納機操作表示部23、出納機プリンタ24および収納ポスト25に加えて、出納機制御部44(制御部)、出納機記憶部45(記憶部)、および、出納機送受信部46を備えている。
【0023】
出納機制御部44は、紙幣処理部20、硬貨処理部21、棒金処理部22、出納機操作表示部23、出納機プリンタ24および収納ポスト25を制御する。
出納機記憶部45は、処理関連の各種データや、出納機11で実行される各種プログラム等を記憶する。出納機記憶部45は、不揮発性のメモリ等の記憶媒体からなる。
出納機送受信部46は、現金管理装置12との間でデータの送受信を行う。この出納機送受信部46により受信したデータは、出納機制御部44に向けて出力される。
【0024】
紙幣処理部20は、操作者による紙幣の入金を受け付ける上記した紙幣入出部28と、紙幣入出部28から繰り出された紙幣を識別する紙幣識別部51と、紙幣識別部51で受け入れ可能と判別された紙幣を金種別に一時貯留させる紙幣一時貯留部52と、紙幣一時貯留部52に一時貯留された紙幣を出金可能に金種別に収納する紙幣収納部53とを有している。
【0025】
紙幣入出部28は、投入された紙幣を紙幣処理部20内に繰り出す入金部位と、入金部位とは区分けされた取出部位とを有している。紙幣入出部28は、入金部位から繰り出された紙幣のうち、紙幣識別部51で識別された紙幣の中から偽券あるいは汚損券等と判別された受け入れ不可なリジェクト紙幣を操作者に取出可能となるように取出部位にリジェクトする。また、紙幣入出部28は、紙幣一時貯留部52に一時貯留された紙幣を返却する際に、操作者に取出可能となるように取出部位に返却する。加えて、紙幣入出部28は、出金処理時に紙幣収納部53から繰り出された紙幣を操作者に取出可能となるように取出部位に出金する。
【0026】
硬貨処理部21は、操作者による硬貨の入金を受け付ける上記した硬貨入金部37と、硬貨入金部37から繰り出された硬貨を識別する硬貨識別部61と、硬貨識別部61で受け入れ可能と判別された硬貨を金種別に一時貯留させる硬貨一時貯留部62と、硬貨一時貯留部62に一時貯留された硬貨を出金可能に金種別に収納する硬貨収納部63とを有している。
【0027】
硬貨リジェクト部38は、硬貨入金部37から繰り出された硬貨のうち、硬貨識別部61で識別された硬貨の中から偽硬貨あるいは汚損硬貨等と判別された受け入れ不可なリジェクト硬貨を操作者に取出可能となるようにリジェクトする。硬貨返却部39は、硬貨一時貯留部62に一時貯留された硬貨を返却する際に、操作者に取出可能となるように返却する。硬貨出金部40は、出金処理時に硬貨収納部63から繰り出された硬貨を操作者に取出可能となるように出金する。
【0028】
図1に示すように、現金管理装置12は、テラー用の貨幣入出金機等の他の貨幣処理機とともに出納機11によって貨幣処理が管理される取引端末機である。現金管理装置12は、上位機である出納機11に対して、通信ケーブル13を介して互いに通信可能に接続されている。この現金管理装置12は、例えば、出納機11から離れた窓口カウンタの近傍位置に設置される。この現金管理装置12は、主として単位枚数ずつ一纏めにされた小束紙幣および棒金を入出庫可能に収納している。現金管理装置12は、主として、小束紙幣および棒金の入出が手動により行われる構成となっている。現金管理装置12に収納されている貨幣類は、収納ポスト25内に収納される貨幣類と同じく、手許扱いの金銭に区分される。現金管理装置12は、通信ケーブル13で接続された出納機11の出納機制御部44により小束紙幣および棒金の入出に関わる情報が伝達されることで、小束紙幣および棒金の入金処理および出金処理が行われる。
【0029】
現金管理装置12は、箱型の現金管理装置本体70と、この現金管理装置本体70に上下方向に複数段設けられて個別に引き出し可能な収納庫71とを有している。ここで、複数段設けられた収納庫71のうち、最も上側の収納庫71は、予備収納庫となっている。この予備収納庫には、結束されていない紙幣、包装されていない硬貨、汚損紙幣や汚損硬貨、金券、商品券等が収納される。予備収納庫以外の残りの収納庫71は、小束紙幣を収納する小束収納庫と、棒金を収納する棒金収納庫とに分けられている。
【0030】
現金管理装置本体70は、現金管理装置操作表示部75と、現金管理装置プリンタ76と、を備えている。
現金管理装置操作表示部75は、現金管理装置本体70の上部に設けられている。この現金管理装置操作表示部75は、操作者による操作入力が可能であるとともに、操作者に対する各種表示を行うことが可能になっている。
現金管理装置プリンタ76は、現金管理装置本体70の上部に設けられている。この現金管理装置プリンタ76は、データを紙等に印字して出力することが可能となっている。
【0031】
現金管理装置操作表示部75は、現金管理装置表示入力部78と、現金管理装置カードリーダ79と、現金管理装置操作キーボード80と、現金管理装置音声発生部81と、を備えている。
現金管理装置表示入力部78は、操作者に対して操作ガイダンス等の情報を表示するとともに操作者による操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。現金管理装置表示入力部78は、タッチパネル式の液晶画面である。
現金管理装置カードリーダ79は、操作者のIDカードから操作者IDを読み取る。
現金管理装置操作キーボード80は、操作者による操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。
現金管理装置音声発生部81は、操作者に対して音声ガイダンス等を出力する。
【0032】
次に、貨幣処理装置10の主な制御について説明する。
出納機11は、操作者のID情報確認後、このID情報に対して許された範囲の取引が可能となる。出納機11は、操作者が、取引情報に基づいて、貨幣の入出に関わる情報を入力すると、貨幣の入出を行い、その一連の取引動作および結果を、操作および動作履歴として出納機記憶部45に記憶しつつ、取引結果としての取引完了結果情報を取引毎に出納機記憶部45に記憶する。取引完了結果情報の記憶例としては、例えば、取引日時、処理通番、担当者の識別情報である操作者ID、取引伝票の識別情報である伝票ID、取引種別、入出金取引情報(合計金額および種類別内訳(金種明細)を含む)、等々が挙げられる。なお、入出金取引情報に関しては、取引操作時には総額のみの指定・特定があっても、取引処理後の記憶される入出金取引情報にあっては、入金された種類別内訳または出金された種類別内訳が記憶されて、これらに基づいて、貨幣処理装置10、すなわち紙幣処理ユニット16、硬貨処理ユニット17および棒金処理ユニット18などの機器の金種別有り高情報が更新されることになる。
【0033】
ここで、外部から紙幣入出部28の入金部位に投入され、紙幣処理部20が機械的に紙幣収納部53に収納した紙幣を機械受の紙幣とし、外部から硬貨入金部37に投入され、硬貨処理部21が機械的に硬貨収納部63に収納した硬貨を機械受の硬貨とし、これら紙幣および硬貨を機械受の貨幣とする。また、紙幣処理部20が紙幣収納部53から機械的に紙幣入出部28の取出部位に繰り出した紙幣を機械払の紙幣とし、硬貨処理部21が硬貨収納部63から機械的に硬貨出金部40に繰り出した硬貨を機械払の硬貨とし、棒金処理部22が機械的に棒金出金部41に繰り出した棒金を機械払の棒金とし、これら紙幣、硬貨および棒金を機械払の貨幣とする。
【0034】
<入金処理>
入金処理は、以下の計数処理と収納処理とを行うパターンと、計数処理と返却処理とを行うパターンと、計数処理と収納処理と払出処理とを行うパターンと、を有する。
【0035】
[計数処理]
入金担当者は、出納機11に入金処理を行わせる場合、待機状態にある出納機11の出納機表示入力部31の図示略の待機画面の案内にしたがって、例えば、自身が所持するIDカードを出納機カードリーダ32に通して出納機カードリーダ32に走査させる。出納機カードリーダ32への走査によって、IDカードから操作者IDが入力されると、出納機制御部44は、入力された操作者IDが、出納機記憶部45に記憶された、出納機11の使用が許可された操作者IDに含まれる場合には、暗証番号の入力を案内する図示略の暗証番号入力画面を出納機表示入力部31に表示させる。他方、入力された操作者IDが、出納機記憶部45に記憶された、出納機11の使用が許可された操作者IDに含まれない場合には、出納機制御部44は、図示略のエラー画面を出納機表示入力部31に表示させた後、所定時間経過後に出納機11を待機状態に戻す。
【0036】
図示略の暗証番号入力画面の案内にしたがって、出納機表示入力部31に暗証番号が入力されると、出納機制御部44は、入力された暗証番号が、入力された操作者IDに対応する暗証番号である場合には、この操作者IDでの出納機11へのログインを許可し、出納機記憶部45に記憶された、この操作者IDに対して許可された処理の選択を含む、図3に示すようなメインメニューである処理選択案内画面101を出納機表示入力部31に表示させる。他方、出納機制御部44は、入力された暗証番号が、入力された操作者IDに対応する暗証番号でない場合には、エラー表示を含む暗証番号の再入力を案内する図示略の暗証番号再入力画面を出納機表示入力部31に表示させる。入力された操作者IDに対応しない入力された暗証番号が所定回数入力されると、出納機制御部44は、図示略のエラー画面を出納機表示入力部31に表示させた後、所定時間経過後に出納機11を待機状態に戻す。
【0037】
ログインした操作者IDに対して許可された処理に入金処理が含まれる場合、出納機制御部44は、図3に示すように入金処理の選択用の「入金」選択部102を含む処理選択案内画面101を出納機表示入力部31に表示させる。この処理選択案内画面101に、入金処理を選択する選択操作である「入金」選択部102のタッチ操作すなわち指示操作が入金担当者によって入力されると、出納機制御部44は、図示略の入金処理案内画面を出納機表示入力部31に表示させるとともに、計数処理を開始して、紙幣入出部28を入金部位への紙幣の投入が可能な状態とし、硬貨入金部37を硬貨の投入が可能な状態とする。
【0038】
すると、入金担当者は、紙幣入出部28の入金部位への紙幣をセットおよび硬貨入金部37への硬貨の投入の少なくとも一方を行う。図示略の入金処理案内画面に、その後、入金処理の実行を指示する指示操作が入力されると、出納機制御部44は、紙幣入出部28の入金部位に紙幣があれば紙幣処理部20を駆動し、硬貨入金部37に硬貨があれば硬貨処理部21を駆動する。
【0039】
紙幣処理部20では、紙幣入出部28が、入金部位にセットされた紙幣を所定の間隔で一枚ずつに繰り出すことになり、繰り出された紙幣を紙幣識別部51が識別する。紙幣識別部51で受け入れ可能と識別された紙幣は、金種別に分類されて紙幣一時貯留部52に一時貯留される。他方、紙幣識別部51で受け入れ不可と識別されたリジェクト紙幣は紙幣入出部28の取出部位にリジェクトされる。
【0040】
硬貨処理部21では、硬貨入金部37が、セットされた硬貨を所定の間隔で一枚ずつ繰り出すことになり、繰り出された硬貨を硬貨識別部61が識別する。硬貨識別部61で受け入れ可能と識別された硬貨は、金種別に分類されて硬貨一時貯留部62に一時貯留される。他方、硬貨識別部61で受け入れ不可と識別されたリジェクト硬貨は硬貨リジェクト部38にリジェクトされる。
【0041】
計数処理開始時に紙幣入出部28の入金部位に紙幣があった場合、紙幣処理部20において紙幣入出部28の入金部位の紙幣が全て繰り出されて、紙幣一時貯留部52あるいは紙幣入出部28の取出部位に搬送されたことを各部の図示略のセンサで検知すると、出納機制御部44は、紙幣識別部51の識別結果を示す図示略の計数結果画面を出納機表示入力部31に表示させる。また、計数処理開始時に硬貨入金部37に硬貨があった場合、硬貨処理部21において硬貨入金部37の硬貨が全て繰り出されて、硬貨一時貯留部62あるいは硬貨リジェクト部38に搬送されたことを各部の図示略のセンサで検知すると、出納機制御部44は、硬貨識別部61の識別結果を示す図示略の計数結果画面を出納機表示入力部31に表示させる。この計数結果画面には、例えば、紙幣識別部51で受け入れ可能と識別された紙幣の金種別の枚数および総額と、硬貨識別部61で受け入れ可能と識別された硬貨の金種別の枚数および総額と、紙幣識別部51で受け入れ可能と識別された紙幣の総額および硬貨識別部61で受け入れ可能と識別された硬貨の総額を加算した入金貨幣の総額とを、表示させる。
【0042】
それと共に、出納機制御部44は、紙幣入出部28の取出部位にリジェクトされた紙幣があれば、その取り出しを促す表示を出納機表示入力部31の図示略の計数結果画面に表示させる。これを見て、入金担当者が紙幣入出部28の取出部位から紙幣を取り出す。また、出納機制御部44は、硬貨リジェクト部38にリジェクトされた硬貨があれば、硬貨リジェクト部38の硬貨の取り出しを促す表示を出納機表示入力部31の図示略の計数結果画面に表示させる。これを見て、入金担当者が硬貨リジェクト部38から硬貨を取り出す。
【0043】
出納機表示入力部31に図示略の計数結果画面を表示させた状態で、出納機表示入力部31に、確認操作が入力されると、出納機制御部44は、今回の入金処理において、機械受の貨幣以外の手許受の貨幣類の情報を手動で入力させる図示略の手動入金画面を表示させる。ここでの手許受の貨幣類は、この出納機11の紙幣入出部28の取出部位にリジェクトされた汚損券、この出納機11の硬貨リジェクト部38にリジェクトされた汚損貨、有価証券および金券等である。また、ここでの手許受の貨幣類は、この出納機11以外から払い出した貨幣類を含む。
【0044】
出納機表示入力部31に表示された図示略の手動入金画面に、手許受の貨幣類の種類(汚損券、汚損貨、有価証券、金券等)および数量について手動での入力があって、この手動入金画面に確定操作が入力された場合と、手許受の貨幣類のいずれかについて手動での入力がなく、その後、この手動入金画面に確定操作が入力された場合とに、出納機制御部44は、今回の入金処理の取引完了結果情報を出納機記憶部45に記憶させる。
【0045】
出納機制御部44は、この手動入金画面に確定操作が入力されると、一時貯留している貨幣を収納する収納処理と、一時貯留している貨幣を返却する返却処理とのうちの一方の出納機表示入力部31への選択指示操作を促す表示を図示略の手動入金画面にポップアップ画面として表示させる。そして、出納機制御部44は、出納機表示入力部31の、このポップアップ画面への、収納処理および返却処理への選択指示操作を待つ。
【0046】
[収納処理]
出納機表示入力部31の、このポップアップ画面に、収納処理の指示操作が入力されると、出納機制御部44は、紙幣一時貯留部52に一時貯留していた紙幣があれば、この紙幣を、金種別に分類した状態のまま紙幣収納部53に収納させる。また、出納機制御部44は、硬貨一時貯留部62に一時貯留していた硬貨があれば、この硬貨を金種別に分類した状態のまま硬貨収納部63に収納させる。
【0047】
[払出処理]
入金処理において、機械受および手許受した貨幣の入金に対して、機械払での釣銭の払い出しがある場合に、出納機制御部44は、機械払での釣銭が紙幣を含む場合、紙幣処理部20によって、機械払での金種別の出金数量の紙幣を紙幣収納部53から紙幣入出部28の取出部位に出金させる。また、出納機制御部44は、機械払での釣銭が硬貨を含む場合、硬貨処理部21によって、入力された金種別の出金数量の硬貨を硬貨収納部63から硬貨出金部40に出金させる。
【0048】
今回の入金処理の取引完了結果情報は、例えば、今回の入金処理が行われた取引日時と、今回の入金処理の処理通番と、今回の入金処理において入力された入金担当者の操作者IDと、取引伝票の伝票IDと、今回の処理の取引種別と、今回の入金処理で入金された貨幣類の入出金取引情報である合計金額および種類別内訳とを含んでおり、出納機制御部44は、これらを関連付けて、今回の入金処理の取引完了結果情報として出納機記憶部45に記憶させる。このようにして、出納機制御部44は、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方による取引時の金種明細を含む取引完了結果情報を取引毎に出納機記憶部45に記憶させる。言い換えれば、出納機記憶部45が、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方による取引時の金種明細を含む取引完了結果情報を取引毎に記憶する。それと共に、出納機制御部44は、計数処理と収納処理とを行って払出処理を行わない場合は収納処理の後に、計数処理と収納処理と払出処理とを行った場合は払出処理の後に、今回の入金処理の、このような取引完了結果情報を出納機プリンタ24で用紙に印字させて取引伝票として発行させる。
【0049】
ここで、処理通番は、今回の入金処理を他の処理と識別するために設定された個別の処理識別情報である。取引種別は、今回の処理が入金処理であることを示すものである。取引種別は、例えば、科目1が出金処理を示し、科目2が入金処理を示すことになり、今回の処理が入金処理であるため、取引種別は、科目1となる。同じ処理通番で、入金処理が複数回行われた際に、それぞれの回に取引伝票が発行されることになり、伝票IDは、同じ処理通番の各回の取引伝票を、それぞれ他の回の取引伝票と識別するための識別情報である。
【0050】
なお、取引伝票を発行する際に、今回の入金処理の取引完了結果情報に、手動入力された手許受の貨幣類が含まれる場合、出納機制御部44は、取引伝票とは別に、今回の入金処理の取引完了結果情報の中から、手許受の貨幣類の種類別内訳と、今回の入金処理の処理通番とを出納機プリンタ24で用紙に印字させて手許受伝票として発行させる。そして、出納機制御部44は、今回の入金処理を終了する。この手許受伝票は、手許受した貨幣類と一緒に保管される。
【0051】
ここで、今回の入金処理で入金された貨幣類の種類別内訳は、紙幣の機械受入数量と、硬貨の機械受入数量と、紙幣の機械払出数量と、硬貨の機械払出数量と、紙幣の機械入金数量と、硬貨の機械入金数量と、手許受入金数量と、を含む。
【0052】
紙幣の機械受入数量は、今回の入金処理で紙幣識別部51で受け入れ可能と識別されて紙幣収納部53に収納された機械受の紙幣の金種別の数量である。
硬貨の機械受入数量は、今回の入金処理で硬貨識別部61で受け入れ可能と識別されて硬貨収納部63に収納された機械受の硬貨の金種別の数量である。
紙幣の機械払出数量は、今回の入金処理で紙幣収納部53から紙幣入出部28の取出部位に払い出された機械払の紙幣の金種別の数量である。
硬貨の機械払出数量は、今回の入金処理で硬貨収納部63から硬貨出金部40に払い出された機械払の硬貨の金種別の数量である。
紙幣の機械入金数量は、今回の入金処理の機械受の紙幣の金種別の機械受入数量から今回の入金処理の機械払の紙幣の金種別の機械払出数量を金種別に減算した数量である。
硬貨の機械入金数量は、今回の入金処理の機械受の硬貨の金種別の機械受入数量から今回の入金処理の機械払の硬貨の金種別の機械払出数量を金種別に減算した数量である。
手許受入金数量は、今回の入金処理で手動入力された手許受の貨幣類のそれぞれの種類別の数量である。
【0053】
入金処理の取引完了結果情報は、一例として、今回の入金処理の取引日時「yyyy/mm/dd/hh/mm/ss」と、今回の入金処理の処理通番「0532」と、今回の入金処理において入力された入金担当者の操作者ID「u4238」と、出納機プリンタ24で用紙に印字させて発行する伝票の伝票ID「001/001」と、今回の処理の取引種別「科目2(入金)」と、今回の入金処理で入金された貨幣の合計金額「153,000円」および種類別内訳「万:10,五千:7,千:18」とからなる。「万:10,五千:7,千:18」は、万円券が10枚であり、五千円券が7枚であり、千円券が18枚であることを示す。伝票IDは、今回の処理通番「0532」の入金処理が複数回の取引に分けられた場合の回数目/全回数を示すものであり、全回数が2回である場合、1回目の取引完了結果情報の伝票IDは「001/002」となり、2回目の取引完了結果情報の伝票IDは「002/002」となる。
【0054】
今回の入金処理を終了すると、出納機制御部44は、出納機11を待機状態に戻す。入金担当者は、手許受の貨幣類があれば、手許受の貨幣類を手許受伝票とともに一纏めにして例えば収納袋に収納し、収納ポスト25に投入口26から投入して収納させる。このとき、出納機操作表示部23により、収納ポスト25への投函誘導画面を表示するようにしても良い。
【0055】
[返却処理]
出納機表示入力部31の図示略の手動入金画面に、収納処理と返却処理とのうちの一方の出納機表示入力部31への選択指示操作を促すポップアップ画面を表示させた状態で、出納機表示入力部31の、このポップアップ画面に、返却処理の指示操作が入力されると、出納機制御部44は、紙幣一時貯留部52に一時貯留していた紙幣がある場合、この紙幣を紙幣入出部28の取出部位に返却させる。また、出納機制御部44は、硬貨一時貯留部62に一時貯留していた硬貨がある場合、この硬貨を硬貨返却部39に返却させる。そして、出納機制御部44は、今回の入金処理を終了する。返却処理を含む入金処理の場合、出納機制御部44は、一旦記憶させた今回の入金処理に関する取引完了結果情報を出納機記憶部45から削除する。また、出納機制御部44は、取引完了結果情報を出納機プリンタ24で用紙に印字させて取引伝票として発行させることもない。
入金処理を終了すると、出納機制御部44は、出納機11を待機状態に戻す。
なお、取引伝票には、返却処理の指示操作入力を行ったことに対応する、例えば、取引中止・取引完了前取消の旨を示す情報を印字させても良い。また、返却に関わる取引伝票の発行は行わないが、図示せぬ電子ジャーナルにより、返却明細印字を参照可能に記録するようにしても良い。
【0056】
<出金処理>
出金担当者は、出納機11に出金処理を行わせる場合、待機状態にある出納機11の出納機表示入力部31の図示略の待機画面の案内にしたがって、入金処理と同様に、操作者IDを入力した後、暗証番号を入力する。出納機制御部44は、入力された操作者IDが、出納機11の使用が許可された操作者IDに含まれ、かつ、入力された暗証番号が、入力された操作者IDに対応する暗証番号である場合には、この操作者IDでの出納機11へのログインを許可し、出納機記憶部45記憶された、この操作者IDに対して許可された処理の選択を含む、図3に示すような処理選択案内画面101を出納機表示入力部31に表示させる。
【0057】
ログインした操作者IDに対して許可された処理に出金処理が含まれる場合、出納機制御部44は、図3に示すように出金処理の選択用の「出金」選択部103を含む処理選択案内画面101を出納機表示入力部31に表示させる。処理選択案内画面101の、出金処理を選択する選択操作である「出金」選択部103のタッチ操作が、出金担当者によって入力されると、出納機制御部44は、紙幣、硬貨、小束紙幣および棒金の少なくとも一つの金種別の出金数量を入力させる図示略の出金処理案内画面を出納機表示入力部31に表示させる。
【0058】
すると、出金担当者は、出納機表示入力部31に表示された図示略の出金処理案内画面に、紙幣、硬貨、小束紙幣および棒金の少なくとも一つの金種別の出金数量を入力し、出金処理の実行を指示する指示操作を入力する。すると、出納機制御部44は、入力された金種別の出金数量の貨幣に紙幣および小束紙幣の少なくとも一方が含まれる場合、紙幣処理部20を駆動し、入力された金種別の出金数量の貨幣に硬貨が含まれる場合、硬貨処理部21を駆動し、入力された金種別の出金数量の貨幣に棒金が含まれる場合、棒金処理部22を駆動する。
【0059】
紙幣処理部20では、入力された金種別の出金数量の貨幣のうち、紙幣を紙幣収納部53から紙幣入出部28の取出部位に、小束紙幣を小束紙幣出金部29に出金させる。
硬貨処理部21では、入力された金種別の出金数量の貨幣のうち、硬貨を硬貨収納部63から硬貨出金部40に出金させる。
棒金処理部22では、入力された金種別の出金数量の貨幣のうち、棒金を棒金出金部41に出金させる。
【0060】
この出金処理を終了するに当たり、出納機制御部44は、例えば、今回の出金処理が行われた取引日時と、今回の出金処理の処理通番と、今回の出金処理において入力された出金担当者の操作者IDと、出納機プリンタ24で用紙に印字させる伝票の伝票IDと、今回の出金処理の取引種別と、今回の出金処理で出金された貨幣の入出金取引情報である合計金額および種類別内訳とを関連付けて、今回の出金処理の取引完了結果情報として出納機記憶部45に記憶させる。それと共に、出納機制御部44は、今回の出金処理の、このような取引完了結果情報を出納機プリンタ24で用紙に印字させて取引伝票として発行させる。そして、出納機制御部44は、今回の出金処理を終了して、出納機11を待機状態に戻す。
【0061】
出金処理の取引完了結果情報は、一例として、今回の出金処理の取引日時「yyyy/mm/dd/hh/mm/ss」と、今回の出金処理の処理通番「0531」と、今回の出金処理において入力された出金担当者の操作者ID「u1300」と、出納機プリンタ24で用紙に印字させる伝票の伝票ID「001/001」と、今回の処理の取引種別「科目1(出金)」と、今回の出金処理で出金された貨幣の合計金額「200,000円」および種類別内訳「万:20」とからなる。「万:20」は万円券が20枚であることを示す。
【0062】
<完了済取引取消処理>
完了済取引取消処理は、上記のようにして行われた入出金処理を、入出金処理が完了した後に取り消して返金(入金に対する出金)または回収(出金に対する入金)を行う処理である。
以下、ここでは特に完了済みの入金処理に対する完了済取引取消処理について説明を行う。
完了済取引取消処理を行う際に、取消担当者は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理について、一旦取引を完了させた際に発行された取引伝票を用意し、この取引伝票に基づいて取消作業を進めることになる。
【0063】
取消担当者は、出納機11による完了済取引取消処理を行う場合、待機状態にある出納機11の出納機表示入力部31の待機画面の案内にしたがって、入金処理と同様に、操作者IDを入力した後、暗証番号を入力する。出納機制御部44は、入力された操作者IDが、出納機11の使用が許可された操作者IDに含まれ、かつ、入力された暗証番号が、入力された操作者IDに対応する暗証番号である場合には、この操作者IDでの出納機11へのログインを許可し、出納機記憶部45に記憶された、この操作者IDに対して許可された処理の選択を含む、図3に示すような処理選択案内画面101を出納機表示入力部31に表示させる。
【0064】
操作者IDに対して許可された処理に完了済取引取消処理が含まれる場合、出納機制御部44は、図3に示すように完了済取引取消処理の選択を含む処理選択案内画面101を出納機表示入力部31に表示させる。完了済取引取消処理を行う場合、取消担当者は、出納機表示入力部31に表示された処理選択案内画面101において、完了済取引取消処理を選択する「事後取消・訂正」選択部104をタッチすなわち指示操作する。
【0065】
すると、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に、図示略の事後取消・訂正選択画面を表示させる。事後取消・訂正選択画面は、「事後取消」選択部と、「訂正」選択部とを有している。完了済取引取消処理を行う場合、取消担当者は、出納機表示入力部31に表示された、この事後取消・訂正選択画面において、完了済取引取消処理を選択する「事後取消」選択部をタッチすなわち指示操作する。すると、出納機制御部44は、図4に示すような処理通番入力画面111を出納機表示入力部31に表示させる。
【0066】
処理通番入力画面111は、処理通番表示部112と、テンキー部113と、取引完了結果情報概要表示部114と、「確定」指示部115と、を含んでいる。処理通番表示部112は、テンキー部113へのタッチ操作によって入力された処理通番を表示させる。すなわち、取消担当者は、処理通番入力画面111が表示された状態において、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引伝票に記載された処理通番をテンキー部113にて手入力する。すると、図5に示すように、処理通番表示部112に、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる処理通番が表示される。
【0067】
このように、処理通番入力画面111に処理通番が入力されると、出納機制御部44は、この処理通番を含む入金処理の取引完了結果情報を出納機記憶部45から読み出して、その概要を取引完了結果情報概要表示部114に表示させる。言い換えれば、処理通番入力画面111は、上記のように処理通番が入力されると、さらに、入力された処理通番の取引概要を取引完了結果情報概要表示部114に表示させる。取消担当者は、このように、入力した処理通番の取引概要が取引完了結果情報概要表示部114に表示されるので、事前に用意した、取消対象の入金処理取引を完了させた際に発行された取引伝票の取引完了結果情報の記載内容等との照合を目視で確認できる。
【0068】
なお、処理通番は、手入力に限るものではなく、取消対象の入金処理の取引伝票に印字された処理通番を出納機11のリーダによって読み取らせたり、あるいは、2次元コード化された処理通番の印字がなされた入金処理の取引伝票にあっては、この2次元コードを出納機11のリーダによって読み取らせることで入力するものであっても良い。
【0069】
さらには、図4に示すような処理通番入力画面111に被せる形で、ログインしている取消担当者が処理した処理通番のリストをポップアップ画面で表示し、そのリストからいずれか一つを選択させることで、処理通番が選択されて入力されるものであっても良い。この場合、このリストに、処理通番と取引種別と取引総額などを対応して表示させた上で選択を行わせて、図5に示す画面に移行させるものであっても良い。
【0070】
図5に示す例は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の処理通番として、上記一例として示した「0532」がテンキー部113に入力されることにより、出納機制御部44が、この処理通番「0532」を処理通番表示部112に表示させた場合を示している。上記一例の場合、取引完了結果情報概要表示部114には、いずれも今回の完了済取引取消処理の取消対象となる、処理通番「0532」の取引種別を示す「処理名」が「入金」であることと、処理通番「0532」の貨幣の合計の入金金額である「入金伝票金額計」が「153,000円」であることと、処理通番「0532」の操作者IDである「オペレーター」が「u4238」であることと、処理通番「0532」の伝票IDである伝票番号が「001/001」であることと、処理通番「0532」の伝票枚数が「1枚」であることと、処理通番「0532」の取引種別である「科目名」が「科目2」であることと、処理通番「0532」の伝票番号が「001/001」の貨幣の合計金額である「金額」が「153,000円」であることと、取消対象の入金/出金の区別である「入/出」が入金であることを示す「入」であることとを表示させている。
【0071】
ここで、処理通番「0532」の入金処理が複数回、例えば2回にわけて行われた場合、出納機制御部44は、取引完了結果情報概要表示部114に、処理通番「0532」の伝票IDである伝票番号として「001/002」と「002/002」とをそれぞれ上下段に表示させ、これらのそれぞれについて、伝票枚数が「1枚」であることと、「科目名」が「科目2」であることと、「金額」と、「入/出」が「入」であることとを表示させる。その際に、上段の「金額」と下段の「金額」との合計が、「入金伝票金額計」に表示される。
【0072】
取消担当者は、図4に示す状態の処理選択案内画面101のテンキー部113へのタッチ操作によって今回の完了済取引取消処理の取消対象となる処理通番を入力して、図5に示すように、この処理通番を処理通番表示部112に表示させるとともに、この状態で表示される取引完了結果情報概要表示部114の情報を目視で確認する。そして、取消担当者は、処理選択案内画面101の「確定」指示部115をタッチ操作すなわち指示操作する。言い換えれば、出納機表示入力部31は、処理通番入力画面111において取消対象の完了済入金取引を特定する情報である処理通番が入力され、処理通番が処理通番表示部112に表示された状態で、「確定」指示部115がタッチすなわち指示操作される。すると、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に、処理通番入力画面111に被せる形で、図6に示すようなポップアップ画面121を表示させる。なお、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に図4に示す処理通番入力画面111を表示させた状態において、処理通番が入力されていなければ、「確定」指示部115はタッチされても、指示操作として受け付けず、処理通番入力画面111に図6に示すようなポップアップ画面121を表示させることはなく、処理通番の入力を促す旨のテキスト表示および確認操作を受け付ける表示を含むポップアップ画面を表示させる。
【0073】
このポップアップ画面121は、今回の完了済取引取消処理の取消対象の入金処理の完了済取引取消処理を、この入金処理の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うこと、すなわち取消元の取引金種で行うことを問う旨のテキスト表示部122と、「いいえ」指示部123と、「はい」指示部124とを含んでいる。すなわち、ポップアップ画面121は、完了済取引取消処理による貨幣の返却を、取消元となる取消対象の入金処理の入金処理時の取引金種で行うか否かを選択させる画面である。言い換えれば、このポップアップ画面121は、出納機表示入力部31において、処理通番入力画面111において入力された完了済入金取引に係る貨幣の返金を、この完了済入金取引の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うかを照会する画面であり、出納機制御部44は、このポップアップ画面121を出納機表示入力部31に表示させることによって、この照会を行う。
【0074】
このポップアップ画面121において、「いいえ」指示部123は、処理通番入力画面111に入力された完了済入金取引に係る貨幣の返金を、この完了済入金取引の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行わないことが指示操作される部位である。この「いいえ」指示部123がタッチすなわち選択指示操作されると、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる処理通番を含む入金処理の入金取引時の金種明細を含む取引完了結果情報を出納機記憶部45から読み出し、この取引完了結果情報に含まれる貨幣の合計金額に基づいて、この合計金額を二千円券を含まないで最小枚数の貨幣の組み合わせで出金して返却する。すなわち、最小枚数の貨幣の組み合わせには二千円券を含まない(以下、同様)。なお、出納機11の紙幣処理ユニット16が二千円券の出金可能な構成であるときには、二千円券を含めた最小枚数の貨幣の組み合わせで出金して返却するものであっても良い。
【0075】
このポップアップ画面121において、「はい」指示部124は、処理通番入力画面111に入力された完了済入金取引に係る貨幣の返金を、この完了済入金取引の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うことが指示操作される部位である。この「はい」指示部124がタッチすなわち選択指示操作されると、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる処理通番を含む入金処理の入金取引時の金種明細を含む取引完了結果情報を出納機記憶部45から読み出し、この取引完了結果情報に含まれる貨幣の合計金額を、この取引完了結果情報に含まれる貨幣の種類別内訳に基づいて、基本的には、この種類別内訳の通りに出金して返却する。
【0076】
ここで、このポップアップ画面121において、「いいえ」指示部123がタッチされて選択された場合、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる処理通番を含む入金処理の取引完了結果情報を出納機記憶部45から読み出し、この取引完了結果情報に含まれる貨幣の合計金額の範囲内で、この合計金額を最小枚数の貨幣の組み合わせに対して任意の金種および枚数に変更して出金し返却することも可能となっている。その際に、紙幣と小束紙幣と硬貨と棒金とを混ぜて設定することも可能となっている。
【0077】
{取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれない場合}
この場合の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理は、実際の貨幣の入出においては、貨幣の出納機11による機械受のみが行われ、出納機11による機械払が行われない取引例となる。
【0078】
取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれない場合に、図6に示すポップアップ画面121において、「はい」指示部124がタッチされて選択されると、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の種類別内訳で返却処理を行う選択をしたこととなり、出納機制御部44は、「はい」指示部124のタッチ操作に基づいて出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額と、この取引完了結果情報に含まれる種類別内訳とを含む、図7に示すような取消詳細確認画面131を出納機表示入力部31に表示させる。
【0079】
この取消詳細確認画面131は、「取消出金伝票」合計金額表示部132と、「取消入金伝票」合計金額表示部133と、「預り合計」金額表示部134と、「支払合計」金額表示部135と、状態表示部136と、金額差表示部137とを有している。また、この取消詳細確認画面131は、払受種類選択部141と、「万」、「五千」、「二千」、「千」、「500」、「100」、「50」、「10」、「5」および「1」の金種選択表示部142と、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「束数/本数」表示部144と、金種別の「金額」表示部145と、「現金計」表示部146と、テンキー部147とを有している。金種選択表示部142と、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「束数/本数」表示部144と、金種別の「金額」表示部145と、「現金計」表示部146と、が、返却の内訳である返却内訳表示部148を構成している。
【0080】
また、この取消詳細確認画面131は、「キャンセル」指示部151と、「紙幣計数」指示部152と、「硬貨計数」指示部153と、「紙幣返却」指示部154と、「硬貨返却」指示部155と、「完了」指示部156とを有している。この取消詳細確認画面131において、「キャンセル」指示部151がタッチ操作されると、出納機制御部44は、出納機表示入力部31を、例えば図4に示す処理通番入力前の処理通番入力画面111に戻す。
【0081】
機械受の入金数量である機械入金数量は、機械受の受入数量である機械受入数量から、機械払の払い出し数量である機械払出数量を減算した値となる。今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報には、機械払の貨幣が含まれないため、機械入金数量と機械受入数量とは同じになる。このため、出納機制御部44は、この取消詳細確認画面131においては、ポップアップ画面121の「はい」指示部124のタッチ操作に基づいて出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額を、機械入金数量を表示する「取消入金伝票」合計金額表示部133と、機械受入数量を表示する「支払合計」金額表示部135とに表示させ、この取引完了結果情報に含まれる種類別内訳を、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「束数/本数」表示部144と、金種別の「金額」表示部145とに表示させ、この取引完了結果情報に含まれる種類別内訳の合計金額を、金種別の「金額」表示部145の合計金額を示す「現金計」表示部146に表示させる。
【0082】
出納機制御部44は、この表示状態で、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、取引完了結果情報に含まれる合計金額の貨幣を、取引完了結果情報に含まれる種類別内訳の通りに、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方によって紙幣収納部53および硬貨収納部63の少なくとも一方から上記した出金処理と同様にして紙幣入出部28の取出部位および硬貨出金部40の少なくとも一方に機械的に出金させて返却する。なお、ポップアップ画面121の「はい」指示部124のタッチ操作後に表示される取消詳細確認画面131においては返却内訳表示部148の変更は受け付けない。なお、後述するように、「はい」指示部124のタッチ操作後に、改めて、「完了」指示部156のタッチを必要とするので、ポップアップ画面121の「はい」指示部124のタッチ操作後に表示される取消詳細確認画面131においても返却内訳表示部148の変更を受け付けるようにしても良い。
【0083】
以上のように、出納機制御部44は、ポップアップ画面121の「はい」指示部124がタッチ操作され、言い換えれば、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理について入金取引時の金種明細に基づいた払い出しでの返金を行うことが選択された場合、この入金取引時の金種明細を出納機表示入力部31の返却内訳表示部148に表示させるとともに、返却内訳表示部148に表示させた、この入金取引時の金種明細に基づいた払い出しを行うことを確認する「完了」指示部156を含む取消詳細確認画面131を出納機表示入力部31に表示させる。
【0084】
例えば、図5に示すように処理通番入力画面111の処理通番表示部112に上記した処理通番「0532」を表示させた状態で、「確定」指示部115がタッチすなわち指示操作された後、図6に示すポップアップ画面121において、「はい」指示部124がタッチされて選択されると、出納機制御部44は、図7に示すように、処理通番「0532」で特定される取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額「153,000円」を、「取消入金伝票」合計金額表示部133と、「支払合計」金額表示部135とに表示させ、この取引完了結果情報に含まれる種類別内訳である、万円券「10枚」と五千円券「7枚」と千円券「18枚」とを金種別に「枚数」表示部143に表示させ、万円券10枚の金額「100,000円」と、五千円券7枚の金額「35,000円」と、千円券18枚の金額「18,000円」とを金種別に「金額」表示部145に表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額「153,000円」を「現金計」表示部146に表示させる。このように表示された状態の取消詳細確認画面131において、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、紙幣処理部20によって、万円券10枚と、五千円券7枚と、千円券18枚とを、紙幣収納部53から出金処理と同様にして紙幣入出部28の取出部位に機械的に出金させて返却する。
【0085】
取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれない場合に、図6に示すポップアップ画面121において、「いいえ」指示部123がタッチされて選択されると、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の入金取引時の種類別内訳で貨幣の返却を行わない選択がされたこととなり、出納機制御部44は、「いいえ」指示部123のタッチすなわち指示操作に基づいて出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額の全額分を、最小枚数となる貨幣の組み合わせで構成する種類別内訳を割り出し、これら合計金額と種類別内訳とを含む取消詳細確認画面131を、初期表示として出納機表示入力部31に表示させる。
【0086】
今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれないため、機械入金数量と機械受入数量とは同じになる。出納機制御部44は、この取消詳細確認画面131の初期表示では、ポップアップ画面121の「いいえ」指示部123のタッチ操作に基づいて出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる、機械入金数量の合計金額および機械受入数量の合計金額を、「取消入金伝票」合計金額表示部133と、「支払合計」金額表示部135とに表示させ、この合計金額を全額分、最小枚数となる貨幣の組み合わせで構成する種類別内訳を、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「束数/本数」表示部144と、金種別の「金額」表示部145とに表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額を、「現金計」表示部146に表示させる。ここで、この初期表示の状態から、初期表示の金種選択表示部142へのタッチ操作で金種が選択されると、この選択された金種について、その枚数がテンキー部147へのタッチ入力により、任意に変更設定可能となる。
【0087】
出納機制御部44は、この取消詳細確認画面131において、特に金種および数量などの変更設定が何も行われずに、初期表示のまま、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、取引完了結果情報に含まれる、機械入金数量の合計金額すなわち機械受入数量の合計金額を、割り出した最小枚数となる貨幣の組み合わせの種類別内訳で、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方によって紙幣収納部53および硬貨収納部63の少なくとも一方から上記した出金処理と同様にして紙幣入出部28の取出部位および硬貨出金部40の少なくとも一方に機械的に出金させて返却する。
【0088】
他方、この取消詳細確認画面131において、初期表示から、金種選択表示部142へのタッチ操作を含んで金種別の「枚数」表示部143が変更されたり、金種別の「束数/本数」表示部144が変更されると、出納機制御部44は、一つの金種および枚数設定を行うごとに、都度、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額と一致するか否かを判断し、過不足金額情報である、これらの差額を金額差表示部137に表示させる。その際に、出納機制御部44は、修正後の合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額よりも大きいと、状態表示部136に、金額過剰を示す「指定過剰」を表示させ、修正後の合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額よりも小さいと、状態表示部136に、金額不足を示す「指定残」を表示させ、修正後の合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額と一致すると、その旨を示す「一致」を状態表示部136に表示させる。
【0089】
出納機制御部44は、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、この取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額と一致する状態になって、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、この機械入金数量の合計金額を、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳で、紙幣処理部20、硬貨処理部21および棒金処理部22の少なくとも一つによって、紙幣処理部20、硬貨処理部21および棒金処理部22の少なくとも一つから、出金処理と同様にして、紙幣入出部28の取出部位、硬貨出金部40および棒金出金部41の少なくとも一方に機械的に貨幣を出金させて返却する。
【0090】
出納機制御部44は、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額と一致しない場合であっても、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額よりも少ない状態であれば、「完了」指示部156のタッチ操作を受け付ける。この状態で、「完了」指示部156がタッチ操作されると、出納機制御部44は、変更後の指定された貨幣の組み合わせを出金させて返却すると共に、指定されていない残りの分の金額を最小枚数の貨幣の組み合わせで出金させて返却する。すなわち、任意の金種について枚数指定を行った場合であって、上記取引完了結果情報に含まれる合計金額の全額分が設定されずに、未設定残額が生じている場合に、「完了」指示部156がタッチされると、出納機制御部44は、この未設定残額分については、最小構成枚数での貨幣の組み合わせを算出して設定し、この未設定残額分の金種別の枚数を、変更指定された任意の金種別の枚数に金種別に加算して、加算後の金種および枚数にしたがった出金処理を行って返金する。
【0091】
なお、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、取引完了結果情報に含まれる合計金額の範囲内でない指定過剰の場合、出納機制御部44は、「完了」指示部156がタッチされても、指示操作としては受け付けず、貨幣の機械的な出金は行わない。または、指定過剰の状態である限り、出納機制御部44は、「完了」指示部156を表示しない、あるいは、指示操作を受け付けられない状態を示す、通常とは異なる表示形態での表示(通常に比して表示濃度が極端に薄い、赤文字表示など)とするようにしても良い。
【0092】
例えば、図5に示すように、処理通番入力画面111において処理通番「0532」が入力され、処理通番表示部112に上記した処理通番「0532」を表示させた状態で、「確定」指示部115がタッチすなわち指示操作された後、図6に示すポップアップ画面121において、「いいえ」指示部123がタッチされて選択されると、出納機制御部44は、図7に示すように、取消詳細確認画面131において、処理通番「0532」を含む取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額「153,000円」を、「取消入金伝票」合計金額表示部133と、「支払合計」金額表示部135とに表示させる一方、図7とは異なり、この合計金額を最小枚数で返却する、万円券15枚および千円券3枚を「枚数」表示部143に金種別に表示させ、万円券15枚分の金額「150,000円」と、千円券3枚分の金額「3,000円」とを「金額」表示部145に金種別に表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額「153,000円」を「現金計」表示部146に表示させる。このような初期表示の表示状態の取消詳細確認画面131において、そのまま「完了」指示部がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、紙幣処理部20によって、万円券15枚と千円券3枚とを、紙幣収納部53から出金処理と同様にして紙幣入出部28の取出部位に出金させて返却する。なお、合計金額に対する最小枚数での金種別の枚数情報を自動的に表示するのではなく、機械受の貨幣の合計金額「153,000円」を、「取消入金伝票」合計金額表示部133に表示させる一方、金種別の「枚数」表示部143・「金額」表示部14等にはゼロ表示のままとして、合計金額「0円」を「現金計」表示部146に表示させ、「支払合計」金額表示部135にも「0円」表示させつつ、状態表示部136には設定金額不足を示す「指定残」を表示させ、金額差表示部137には、設定不足金額である「153,000円」を表示させ、一から、金種及び枚数設定を行わせるようにしても良い。
【0093】
また、例えば、このように、取消詳細確認画面131において、処理通番「0532」を含む取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額「153,000円」を、「取消入金伝票」合計金額表示部133と、「支払合計」金額表示部135とに表示させ、この合計金額を最小枚数で返却する、万円券15枚および千円券3枚を金種別の「枚数」表示部143に表示させ、万円券15枚分の金額「150,000円」と、千円券3枚分の金額「3,000円」とを「金額」表示部145に表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額「153,000円」を「現金計」表示部146に表示させた状態から、「万」の金種選択表示部142がタッチされ、テンキー部147で「14」の後「枚」が入力されると共に、「100」の金種選択表示部142がタッチされ、テンキー部147で「2」のあと「本」が入力されると、出納機制御部44は、万円券14枚および千円券3枚を「枚数」表示部143に金種別に表示させ、100円棒金2本を「束数/本数」表示部144の対応金種の位置に表示させ、万円券14枚分の金額「140,000円」と、千円券3枚分の金額「3,000円」と、100円棒金2本分の「10,000円」とを「金額」表示部145に金種別に表示させる。この状態で、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、紙幣処理部20によって、万円券14枚と千円券3枚とを、紙幣収納部53から出金処理と同様にして紙幣入出部28の取出部位に出金させて返却すると共に、棒金処理部22によって、棒金出金部41に100円棒金2本を出金させて返却する。
【0094】
また、例えば、このように、取消詳細確認画面131において、処理通番「0532」を含む取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額「153,000円」を、「取消入金伝票」合計金額表示部133と、「支払合計」金額表示部135とに表示させ、この合計金額を最小枚数で返却する、万円券15枚および千円券3枚を金種別の「枚数」表示部143に表示させ、万円券15枚分の金額「150,000円」と、千円券3枚分の金額「3,000円」とを「金額」表示部145に表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額「153,000円」を「現金計」表示部146に表示させた状態から、「千」の金種選択表示部142がタッチされ、テンキー部147で「2」のあと「枚」が入力されると共に、「100」の金種選択表示部142がタッチされ、テンキー部147で「4」のあと「枚」が入力されると、出納機制御部44は、万円券15枚、千円券2枚および100円貨4枚を「枚数」表示部143に金種別に表示させ、万円券15枚分の金額「150,000円」と、千円券2枚分の金額「2,000円」と、100円貨4枚分の「400円」とを「金額」表示部145に金種別に表示させる。この状態で、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、紙幣処理部20によって、万円券14枚と千円券2枚とを、紙幣収納部53から出金処理と同様にして紙幣入出部28の取出部位に出金させて返却すると共に、硬貨処理部21によって、100円貨4枚に1枚加えた5枚と500円貨1枚とを、硬貨収納部63から出金処理と同様にして硬貨出金部40に出金させて返却する。
【0095】
なお、このような金種および数量の設定にかえて、金種選択表示部142へのタッチ操作および「金額」表示部145への金額の入力での設定も可能となっている。その場合、金種選択表示部142へのタッチ操作後、テンキー部147への数値入力の後に、「円」がタッチ操作される。
【0096】
ここで、ポップアップ画面121において、「はい」指示部124および「いいえ」指示部123のいずれがタッチされた場合も、取消詳細確認画面131において「完了」指示部がタッチされて紙幣収納部53、硬貨収納部63および棒金処理部22の少なくとも一つによる返却が完了すると、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理が行われた取引日時と、今回の完了済取引取消処理の処理通番と、今回の完了済取引取消処理において入力された取消担当者の操作者IDと、出納機プリンタ24で用紙に印字させる今回の完了済取引取消処理の取引完了結果情報を記載する取引伝票の伝票IDと、今回の処理の取引種別と、今回の完了済取引取消処理で返却された貨幣の入出金取引情報である合計金額および種類別内訳と、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理が行われた取引日時と、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の処理通番と、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理において入力された入金担当者の操作者IDと、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の伝票IDと、今回の完了済取引取消処理の取消対象の取引種別と、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金取引で入金された貨幣の入出金取引情報である合計金額および種類別内訳と、を関連付けて、今回の完了済取引取消処理の取引完了結果情報として、出納機記憶部45に記憶させる。それと共に、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の、このような取引完了結果情報を出納機プリンタ24で用紙に印字させて取引伝票として発行させる。
【0097】
なお、出納機制御部44は、ポップアップ画面121の「はい」指示部124がタッチすなわち指示操作されると、これに基づいて出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額および種類別内訳を取消詳細確認画面131において出納機表示入力部31に表示させると同時に、または、この表示後の所定時間経過後に、自動的に、この種類別内訳に基づいて、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方によって紙幣収納部53および硬貨収納部63の少なくとも一方から紙幣入出部28の取出部位および硬貨出金部40の少なくとも一方に機械的に貨幣を出金させて返却するようにしても良い。この場合、取消詳細確認画面131において、「完了」指示部156は不要となる。
【0098】
また、出納機制御部44は、ポップアップ画面121の「いいえ」指示部124がタッチすなわち指示操作されると、これに基づいて出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の合計金額と、この合計金額を最小枚数の貨幣の組み合わせの種類別内訳とを取消詳細確認画面131において出納機表示入力部31に表示させると同時に、または、この表示後所定時間経過後に、自動的に、この最小枚数の貨幣の組み合わせの種類別内訳に基づいて、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方によって紙幣収納部53および硬貨収納部63の少なくとも一方から紙幣入出部28の取出部位および硬貨出金部40の少なくとも一方に機械的に貨幣を出金させて返却するようにしても良い。この場合、取消詳細確認画面131においては、金種および数量などの変更設定は受け付けないことになる。また、この場合、取消詳細確認画面131において、「完了」指示部156は不要となる。
【0099】
以上により、出納機表示入力部31は、処理選択案内画面101の「事後取消・訂正」選択部104への指示操作および図示略の事後取消・訂正選択画面の「事後取消」選択部への指示操作によって、取引完了済みの取引の取り消しが選択された時であって、処理通番入力画面111で入力された処理通番が入金取引であった場合、すなわち、取り消し選択された取引完了済みの取引が入金取引であった場合に、貨幣の返金を、最小構成枚数での払い出しで行うことと、任意の金種および枚数での払い出しを行うことと、入金取引時の取引金種明細で払い出しで行うことと、のいずれか一つが選択可能となるように表示させることになる。
【0100】
また、出納機表示入力部31は、処理選択案内画面101の「事後取消・訂正」選択部104への指示操作および図示略の事後取消・訂正選択画面の「事後取消」選択部への指示操作によって、取引完了済みの取引の取り消しが選択された際に、貨幣の返金を、入金取引時の取引金種明細に基づいた払い出しで行うかを照会するポップアップ画面121を優先的に表示する。
【0101】
加えて、出納機表示入力部31は、ポップアップ画面121で「はい」指示部124が選択操作された場合、すなわち、入金取引時の取引金種明細に基づいた払い出しで取り消しを行うことが選択された場合に、取消詳細確認画面131によって、入金取引時の取引金種明細を表示して、表示した入金取引時の取引金種明細に基づいた払い出しを行うことを取消担当者に確認させる。
【0102】
{取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれる場合}
この場合の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理は、基本は入金取引でありながら、実際の貨幣の入出においては、貨幣の出納機11による機械受の、本来受け入れるべき金銭に対する差額、いわゆる釣銭の出納機11による機械払を必要とする取引例となる。
【0103】
この場合、ポップアップ画面121において、「いいえ」指示部123がタッチされて選択されると、この選択に基づいて出納機記憶部45から読み出した、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に、機械払の貨幣が含まれているものの、出納機制御部44は、この取引完了結果情報に含まれる機械受の貨幣の機械入金数量の合計金額と、この合計金額の全額分を最小枚数となる貨幣の組み合わせで構成する種類別内訳と、を割り出し、これら合計金額と種類別内訳とを含む取消詳細確認画面131を出納機表示入力部31に表示させる。
【0104】
出納機制御部44は、この取消詳細確認画面131においては、出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の貨幣の合計金額を、「取消入金伝票」合計金額表示部133と、「支払合計」金額表示部135とに表示させる。また、出納機制御部44は、機械入金数量の貨幣の合計金額を全額分、最小枚数となる貨幣の組み合わせで構成する種類別内訳を、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「金額」表示部145とに表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額を「現金計」表示部146に表示させる。
【0105】
その後、出納機制御部44は、上述した取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれない場合と同様にして、機械入金数量の貨幣の合計金額を全額分、最小枚数となる貨幣の組み合わせで構成する種類別内訳で、あるいは変更を受け付けて変更後の種類別内訳で、紙幣処理部20、硬貨処理部21および棒金処理部22の少なくとも一つによって、紙幣収納部53、硬貨収納部63および棒金処理部22の少なくとも一つから、紙幣入出部28の取出部位、硬貨出金部40および棒金出金部41の少なくとも一つに貨幣を機械的に出金させて返却する。
【0106】
取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれる場合、図6に示すポップアップ画面121において、「はい」指示部124がタッチされて選択されると、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の種類別内訳で返却処理を行う選択をしたこととなる。この場合、出納機制御部44は、「はい」指示部124のタッチすなわち指示操作に基づいて出納機記憶部45から読み出した今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の貨幣の合計金額と、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の合計金額と、この取引完了結果情報に含まれる機械払出数量の貨幣の合計金額と、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の種類別内訳と、を含む、取消詳細確認画面131を出納機表示入力部31に表示させる。
【0107】
ポップアップ画面121の「はい」指示部124のタッチ操作に基づいて出納機記憶部45から読み出した、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれているため、機械受入数量が機械入金数量よりも多くなる。この場合、出納機制御部44は、この取消詳細確認画面131において、この取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の貨幣の合計金額を、「取消入金伝票」合計金額表示部133に表示させ、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の合計金額を、「支払合計」金額表示部135とに表示させ、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の種類別内訳を、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「金額」表示部145とに表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額を「現金計」表示部146に表示させる。また、出納機制御部44は、この取消詳細確認画面131において、機械払出数量の貨幣の合計金額を、金額差表示部137に表示させ、状態表示部136に、機械受入数量が、機械入金数量と不一致であって、機械入金数量よりも多いことを示す「指定過剰」を表示させる。
【0108】
すなわち、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131に表示される今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる、入金取引時の機械受入数量の貨幣の取引金種明細での払い出し額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の入金取引額と一致しない場合に、両者の差異の過不足金額情報を取消詳細確認画面131に併せて表示させることになる。また、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報すなわち入金取引時の金種明細に基づいた払い出しでの返金を行うことが選択されると、この金種明細に機械受の貨幣と機械払の貨幣とが含まれる場合に、この機械受の貨幣を、機械払での払い出しでの返金として、出納機表示入力部31の金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「束数/本数」表示部144と、金種別の「金額」表示部145とに表示させる。
【0109】
例えば、図8に示すように、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量が97,000円であり、機械受入数量が100,000円であり、機械受入数量の貨幣の種類別内訳が、万円券10枚であり、機械払出数量の貨幣の合計金額が3,000円である場合に、出納機制御部44は、機械入金数量の合計金額「97,000円」を「取消入金伝票」合計金額表示部133に表示させ、機械受入数量の合計金額「100,000円」を、「支払合計」金額表示部135に表示させ、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の種類別内訳である、万円券「10枚」を金種別の「枚数」表示部143に表示させ、万円券10枚の金額「100,000円」を「金額」表示部145に表示させ、金種別の「金額」表示部145の合計金額「100,000円」を「現金計」表示部146に表示させ、機械払出数量の合計金額「3,000円」を金額差表示部137に表示させ、状態表示部136に「指定過剰」を表示させる。
【0110】
このとき、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる入金取引時の取引金種明細情報(機械受と機械払の情報)のうちの少なくとも一つ以上の処理明細内容が実行可能であるか否かを判断している。具体的には、完了済入金取引の機械受の機械受入数量については返却を実行可能であり、完了済入金取引の機械払の機械払出数量については実際の入金や入金指定が必要である、と言った判断をする。それとともに、出納機制御部44は、実行可能である処理明細内容である機械受入数量について、入金取引時の取引金種明細を出納機表示入力部31の「支払合計」金額表示部135と、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「金額」表示部145と、「現金計」表示部146とに表示させる。また、出納機制御部44は、設定された入金取引時の機械受入数量の取引金種明細での払い出しで、取消対象である完了済みの入金取引の機械入金数量の取引金種明細と一致するか否かを判断し、一致しない場合、両者の差異の過不足金額情報を出納機表示入力部31の金額差表示部137および状態表示部136に併せて表示させる。
【0111】
(機械払出数量の入金を受け付ける設定)
金額差表示部137に表示された過不足金額情報がゼロになるように、紙幣および硬貨の少なくとも一方の出納機11への入金を受け付ける設定である。機械払出数量の入金を受け付ける設定と、後述する機械払出数量の入金を受け付けない設定とは、メインメニューである処理選択案内画面101の「各種設定」指示部105が選択されて行われる各種設定において、いずれか一方が選択されて設定される。
【0112】
この設定が予め選択されている場合、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量の過不足金額情報があると、特に「指定過剰」が判断された場合、指定過剰に対する過払いを解消するための金種および枚数の入力を出納機表示入力部31で受け付ける。すなわち、出納機制御部44は、当初の入金取引時に釣銭相当として機械払した金銭を機械受しての完了済取引取消処理であれば、出納機表示入力部31への操作により、指定過剰分がゼロになるように、入金処理に相当する機械受分として入力を行わせて、過不足金額情報がゼロになるように入力設定させる。出納機表示入力部31において、過不足金額情報がゼロになるように入力設定されると、出納機制御部44は、入力設定された結果を「預り合計」金額表示部134に表示させ、金額差表示部137に「0円」を表示させ、状態表示部136に「一致」を表示させる。
【0113】
その後、出納機制御部44は、機械払出数量の紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方への入金を待機する。紙幣処理部20の紙幣入出部28の入金部位および硬貨処理部21の硬貨入金部37の少なくとも一方に貨幣が投入され、取消詳細確認画面131の「紙幣計数」指示部152がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、紙幣処理部20で上記した計数処理を行わせる。また、取消詳細確認画面131の「硬貨計数」指示部153がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、硬貨処理部21で上記と同様の計数処理を行わせる。そして、計数処理の計数結果が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量と一致すると、出納機制御部44は、「完了」指示部156のタッチすなわち指示操作を受け付ける状態になる。なお、機械受の入金があった場合に、その旨を取消詳細確認画面131に表示させる。
【0114】
計数処理の計数結果が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量と一致した状態で、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方に上記と同様の収納処理を行わせる。その後、出納機制御部44は、上記と同様の出金処理を行わせて、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の合計金額を、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の種類別内訳で出金させて返却する。
【0115】
例えば、図8に示すように、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報において、機械入金数量が97,000円であり、機械受入数量が100,000円であり、機械受入数量の貨幣の種類別内訳が、万円券10枚であり、機械払出数量の貨幣の合計金額が3,000円である場合に、出納機表示入力部31において、過不足金額情報がゼロになるように3,000円の入金が入力設定されると、出納機制御部44は、入力設定された結果である「3,000円」を「預り合計」金額表示部134に表示させ、金額差表示部137に「0円」を表示させ、状態表示部136に「一致」を表示させる。この状態で、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方へ3,000円の入金があった場合に、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の合計金額100,000円を、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の種類別内訳である万円券10枚で、紙幣処理部20から出金させて返却する。
【0116】
ここで、取消詳細確認画面131の「紙幣計数」指示部152がタッチすなわち指示操作されて紙幣の計数処理が行われた後、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作される前に、「紙幣返却」指示部154がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、上記と同様の返却処理を行わせて、紙幣一時貯留部52の紙幣を紙幣入出部28の取出部位に返却させる。また、取消詳細確認画面131の「硬貨計数」指示部153がタッチすなわち指示操作されて硬貨の計数処理が行われた後、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作される前に、「硬貨返却」指示部155がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、上記と同様の返却処理を行わせて、硬貨一時貯留部62の硬貨を硬貨返却部39に返却させる。
【0117】
なお、計数処理の計数結果が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量と一致するか、機械払出数量を充足しなければ、出納機制御部44は、「完了」指示部156がタッチされても指示操作としては受け付けず、機械受入数量の貨幣の返却は行わない。
【0118】
また、計数処理の計数結果が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量よりも多く、機械払出数量を充足する場合、出納機制御部44は、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、機械受入数量の貨幣の合計金額を機械受入数量の貨幣の種類別内訳で出金させて返却すると共に、過剰分の金額を最小枚数の貨幣の組み合わせで出金して返却する。なお、機械払出数量の過不足金額情報があり、特に「指定過剰」が判断された場合、指定過剰に対する過払いを解消するための金種および枚数の入力を出納機表示入力部31で受け付ける代わりに、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方へ紙幣及び硬貨の少なくとも一方が投入されて、「紙幣計数」指示部152および「硬貨計数」指示部153の少なくとも一方がタッチすなわち指示操作されて、機械払出数量を充足する入金を行わせるようにしても良い。
【0119】
以上により、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に表示された、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる、入金取引時の機械受入数量の貨幣の取引金種明細での払い出し額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の入金取引額と一致しない、ないしは充足しない場合、両者の差異の過不足金額情報を取消詳細確認画面131の金額差表示部137および状態表示部136に併せて表示させることになる。
【0120】
また、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に表示された、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報すなわち入金取引時の金種明細に基づいた出納機11による機械払の実行可否を判定するとともに、出納機表示入力部31に表示された入金取引時の金種明細での機械払で、今回の完了済取引取消処理の取消対象である完了済入金取引の金種明細と一致ないしは充足するかを判断する。
【0121】
また、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に表示された、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる、入金取引時の機械受入数量の貨幣の取引金種明細での払い出し額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の入金取引額と一致しない、ないしは充足しない場合、両者の差異の過不足金額情報を取消詳細確認画面131に併せて表示させることになる。すなわち、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に表示された、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報すなわち入金取引時の金種明細に基づいた機械払で、取消対象である完了済入金取引の金種明細と一致しない、ないしは充足しない際には、両者の差異の過不足金額情報を併せて取消詳細確認画面131に表示させる。
【0122】
このように、完了済取引取消処理では、この完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に機械受した貨幣と機械払した貨幣とが共存する場合には、機械払した貨幣のための処理、すなわち入金処理が行われ、機械払した貨幣の入金が確認されると、その後、機械受した貨幣の返却のための出金処理が行われることになる。逆に、完了済取引取消処理において、機械受した貨幣の返却のための出金処理を行った後、機械払した貨幣のための入金処理を行うようにしても良い。
【0123】
なお、上記のように過不足金額情報がゼロになるように入力設定されなくても、紙幣処理部20の紙幣入出部28の入金部位に紙幣が投入され、取消詳細確認画面131の「紙幣計数」指示部152がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、紙幣処理部20の紙幣処理部20で上記した計数処理を行わせる。また、過不足金額情報がゼロになるように入力設定されなくても、硬貨処理部21の硬貨入金部37に硬貨が投入され、取消詳細確認画面131の「硬貨計数」指示部153がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、硬貨処理ユニット17の硬貨処理部21で上記と同様の計数処理を行わせる。そして、計数処理の計数結果を、「預り合計」金額表示部134に表示させる。計数処理の計数結果が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量と一致ないし充足すると、出納機制御部44は、金額差表示部137に「0円」を表示させ、状態表示部136に「一致」を表示させる。その際に、機械受の入金があった旨を取消詳細確認画面131に表示させる。
【0124】
このように、過不足金額情報がゼロになるように入力設定されずに貨幣が入金され、その計数処理の計数結果が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量と一致ないし充足した状態で、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、それ以降、出納機制御部44は、上記のように過不足金額情報がゼロになるように入力設定された場合と同様にして、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の合計金額を、この取引完了結果情報に含まれる機械受入数量の貨幣の種類別内訳で出金させて返却すると共に、過剰分の金額を最小枚数の貨幣の組み合わせで出金して返却する。この場合も、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作される前に、「紙幣返却」指示部154がタッチすなわち指示操作された場合と「硬貨返却」指示部155がタッチすなわち指示操作された場合とについては、出納機制御部44が返却処理を行わせる。また、この場合も、計数処理の計数結果が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械払出数量と一致するか、機械払出数量を充足しなければ、出納機制御部44は、「完了」指示部156がタッチされても指示操作としては受け付けず、貨幣の出金による返却はしない。
【0125】
(機械払出数量の入金を受け付けない設定)
過不足金額情報がゼロになるように、紙幣および硬貨の少なくとも一方の修正入力を行う設定である。
【0126】
この設定が予め選択されている場合、取消詳細確認画面131に、「紙幣計数」指示部152、「硬貨計数」指示部153、「紙幣返却」指示部154および「硬貨返却」指示部155は表示させない。そして、金種選択表示部142へのタッチ操作で金種が選択されると、この選択された金種の枚数が、テンキー部147へのタッチ入力により変更設定可能となり、出納機制御部44は、この操作により、任意に、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「束数/本数」表示部144とが変更可能となっている。金種選択表示部142へのタッチ操作を含んで金種別の「枚数」表示部143が変更されたり、金種別の「束数/本数」表示部144が変更されると、出納機制御部44は、一つの金種および枚数設定を行うごとに、都度、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額と一致するか否かを判断し、過不足金額情報である、これらの差額を金額差表示部137に表示させる。その際に、出納機制御部44は、取引完了結果情報に機械払の貨幣が含まれない場合と同様に、修正後の合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額よりも大きいと、状態表示部136に、金額過剰を示す「指定過剰」を表示させ、修正後の合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額よりも小さいと、状態表示部136に、金額不足を示す「指定残」を表示させ、修正後の合計金額が、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額と一致すると、その旨を示す「一致」を状態表示部136に表示させる。すなわち、出納機制御部44は、この修正入力の際には、一つの金種および枚数設定を行うごとに、都度、過不足金額情報が計算されて、過不足金額情報である、修正後の合計金額と、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額との差額がゼロになるまで、指定残または指定過剰の表示とその過不足金額情報表示とを行う。
【0127】
出納機制御部44は、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、この取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額と一致する状態になって、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、この機械入金数量の合計金額を、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳で、紙幣処理部20、硬貨処理部21および棒金処理部22の少なくとも一つによって、紙幣処理部20、硬貨処理部21および棒金処理部22の少なくとも一つから、出金処理と同様にして、紙幣入出部28の取出部位、硬貨出金部40および棒金出金部41の少なくとも一方に機械的に貨幣を出金させて返却する。すなわち、出納機制御部44は、過不足金額情報である、修正後の合計金額と今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の機械入金数量の合計金額との差額がゼロになり、確認入力である「完了」指示部156の指示操作が行われると、例えば、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報が、機械払による返却だけを伴うものであれば、直ちに出納機11が出金処理に移行する。
【0128】
出納機制御部44は、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額と一致しない場合であっても、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額よりも少ない状態であれば、「完了」指示部156のタッチ操作を受け付ける。この状態で、「完了」指示部156がタッチ操作されると、出納機制御部44は、変更後の指定された貨幣の組み合わせを出金させて返却すると共に、指定されていない残りの分の金額を最小枚数の貨幣の組み合わせで出金させて返却する。
【0129】
他方、出納機制御部44は、変更後の貨幣の組み合わせで構成される種類別内訳での合計金額が、取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の合計金額よりも多い状態では、「完了」指示部156がタッチされても、指示操作として受け付けない。
【0130】
例えば、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量が97,000円であり、機械受入数量が100,000円であり、機械受入数量の貨幣の種類別内訳が、万円券10枚であり、機械払出数量の貨幣の合計金額が3,000円である場合に、図8に示すように、金種別の「枚数」表示部143が万円券10枚とされ、状態表示部136に「指定過剰」を表示させ、金額差表示部137に「3,000円」を表示させた状態から、金種別の「枚数」表示部143が万円券9枚に修正されると、出納機制御部44は、状態表示部136に「指定残」を表示させ、金額差表示部137に「7,000円」を表示させる。この状態で、例えば、金種別の「枚数」表示部143に千円券7枚が入力されると、出納機制御部44は、状態表示部136に「一致」を表示させ、金額差表示部137に「0円」を表示させる。この状態で、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の貨幣の合計金額97,000円を、変更後の万円券9枚と千円券7枚とで出金させて返却する。なお、修正時には、紙幣と小束紙幣と硬貨と棒金とを混ぜて設定することも可能となっている。例えば、上記千円券7枚にかえて、金種別の「枚数」表示部143に千円券5枚と10円棒金4本とが入力されて、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の貨幣の合計金額97,000円を、変更後の万円券9枚と千円券5枚と10円棒金4本とで出金させて返却する。
【0131】
なお、このような金種および数量の設定にかえて、金種選択表示部142へのタッチ操作および「金額」表示部145への金額の入力での設定も可能となっている。
【0132】
また、例えば、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量が97,000円であり、機械受入数量が100,000円であり、機械受入数量の貨幣の種類別内訳が、万円券10枚であり、機械払出数量の貨幣の合計金額が3,000円である場合に、金種別の「枚数」表示部143が万円券9枚に修正されて、状態表示部136に「指定残」を表示させ、金額差表示部137に「7,000円」を表示させた状態で、「完了」指示部156がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、今回の完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる機械入金数量の貨幣の合計金額97,000円を、変更により指定された万円券9枚と、指定されていない残りの7,000円分を最小枚数の貨幣の組み合わせである五千円券1枚と千円券2枚とで出金させて返却する。
【0133】
ここで、上記のように、機械払出数量の入金を受け付ける設定と、機械払出数量の入金を受け付けない設定とのうちの一方を予め選択設定する場合に限らず、取消詳細確認画面131に、機械払出数量の入金を受け付ける設定と、機械払出数量の入金を受け付けない設定とのうちの一方を選択させる選択指示部を設けても良い。その場合、例えば、機械払出数量の入金を受け付ける設定をデフォルトとし、選択表示部がタッチすなわち指示操作されると、機械払出数量の入金を受け付けない設定に切り替わり、この状態で、この選択表示部が再度タッチすなわち指示操作されると、機械払出数量の入金を受け付ける設定に切り替わる。このように、選択表示部のタッチ操作の都度、機械払出数量の入金を受け付ける設定と機械払出数量の入金を受け付けない設定とに交互に切り替わる。機械払出数量の入金を受け付けない設定をデフォルトとしても良い。
【0134】
<手許受を含む変形例について>
上記実施形態における入金取引は、結果として、入金される貨幣は、すべて、紙幣処理部20と硬貨処理部21とによって機械的な入金処理ができた貨幣であったため、その入出金取引情報である入金取引時の金種別明細においても、機械的に入金処理ができた証しである、「機械受」の情報が併せて記憶されている。
【0135】
一例で示すと、次の通りである。
入金取引額:153,000円(機械受:万:10,五千:7,千:18,…、手許受:万:0,五千券紙幣:0,千:0,…)
この例では、手許受の貨幣がないことから、完了済取引取消処理に伴う出金においても、機械受に対応する機械払だけで出金処理が完了しうることを示している。
【0136】
しかしながら、入金処理においては、時折、機械受が不能となる貨幣が存在することがある。この場合の貨幣とは、文字通りの貨幣であるが、紙幣処理部20や硬貨処理部21などでは取り扱いの対象外である記念貨であったり、入金処理中に排除された汚損貨幣であったり、さらには、入金受付対象としている一部の金券、例えば一部の商品券であったりする。そのような場合には、紙幣処理部20や硬貨処理部21などによる機械的な入金処理は行えず、手作業による入金処理すなわち手許受とした貨幣の出納機11への情報入力を手作業で行うことになる。
【0137】
これらの手許受貨幣は、例えば、次のように情報入力される。
手許受総額:6,000円(手許受:手許受:万:0,五千:0,千:1,…,券種1:五千円相当:1,…)
【0138】
上記は、汚損の千円券が1枚と、券種1で五千円相当の金券が1枚の、計6,000円の手許受があったことを示している。
【0139】
そして、このときの機械受の総額が2,000円であった場合には、入金取引の入金総額は、8,000円となる。
【0140】
以下の変形例1~変形例4は、上記のような手許受の貨幣があった場合の完了済取引取消処理となる。
【0141】
{変形例1}
変形例1は、完了済取引取消処理において、取消対象となる入金処理の取引完了結果情報(金種別明細)に対して、機械受の貨幣情報のみを、取消詳細確認画面131へ自動的に表示する場合である。
【0142】
例えば、機械受の千円券が9枚と、手許受の千円券が1枚とからなる10,000円の入金処理を取り消す場合、ポップアップ画面121の「はい」指示部124がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131において、「取消入金伝票」合計金額表示部133に「10,000円」を表示させ、金種別の「枚数」表示部143に、入金処理時に機械受し完了済取引取消処理により機械払で返却する千円券「9枚」を表示させ、「支払合計」金額表示部135、金種別の「金額」表示部145および「現金計」表示部146に「9,000円」を表示させ、状態表示部136に「指定残」を表示させ、金額差表示部137に、入金処理時に手許受した「1,000円」を表示させる。
【0143】
上記の通り、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に機械受の貨幣と手許受の貨幣類との入金情報があっても、入金処理の機械受の貨幣のみを取消詳細確認画面131の返却内訳表示部148へ自動的に表示する設定にあっては、出納機制御部44は、機械受の分のみを、機械払による返却分として、完了済取引取消処理時の払い出しのための入出金取引情報(金種別明細)として、自動的に設定し、出納機表示入力部31の返却内訳表示部148に表示させる。よって、この場合に、出納機制御部44は、自動的に設定・表示されない差額、この例では、不足額を示す指定残として、入金処理時に手許受した「1,000円」を、出納機表示入力部31の返却内訳表示部148とは異なる金額差表示部137に表示させ、この指定残に対する支払いの指定を求めることになる。
【0144】
すなわち、出納機制御部44は、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報(機械受と手許受の情報を含む)の中の少なくとも一つ以上の処理明細内容が実行可能であるか否かを判断する。上記例の場合、出納機制御部44は、機械受の貨幣の返却は実行可能であり、手許受の貨幣の返却は実行不可と判断する。それとともに、出納機制御部44は、実行可能である機械受の貨幣の処理明細内容について、入金取引時の取引金種明細を出納機表示入力部31の、返却内訳表示部148に、すなわち、金種別の「枚数」表示部143と、金種別の「金額」表示部145と、「現金計」表示部146とに表示させる。
【0145】
加えて、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に表示された入金取引時の取引金種明細での払い出しで、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の入金取引と一致しない、ないしは充足しない際には、両者の差異の過不足金額情報を併せて出納機表示入力部31の状態表示部136および金額差表示部137に表示させる。
【0146】
そしてさらに、出納機制御部44は、上記によって表示される過不足金額情報に対して、指定残(返却金額不足)の際には、指定残に対する払い出しのための金種および枚数の入力を出納機表示入力部31の金種別の「枚数」表示部143に行わせる。そして、出納機制御部44は、出納機表示入力部31の金種別の「枚数」表示部143あるいは金種別の「束数/本数」表示部144への入力操作により、指定残がゼロになり、状態表示部136が「一致」となり、金額差表示部137が「0円」となったところで、「完了」指示部156へのタッチすなわち指示操作を待ち、「完了」指示部156への指示操作があると、紙幣処理部20、硬貨処理部21および棒金処理部22の少なくとも一つで機械的な出金処理を行わせることになる。なお、この場合、通常、出納機表示入力部31の返却内訳表示部148において、機械払のための金種および枚数指定がなされる。
【0147】
他方、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に含まれる手許受として受け付けた貨幣を、特定した上で取り出せる状況にある場合、例えば収納ポスト25に収納されていて取り出せる場合には、出納機表示入力部31によって手許払による返却を指定しての出金処理を採用することも可能である。すなわち、出納機表示入力部31によって手許払による返却が指定されると、出納機制御部44は、収納ポスト25のロックを解除する。すると、取消担当者が収納ポスト25から対象の貨幣類を取り出す。なお、手許払の出金処理による返却の採用に際しては、安全性を高めるためにも、例えば、出納機11へのログイン時の操作者IDによって所定の資格を確認できた場合に限るようにしても良い。
【0148】
この変形例1においても、「指定残」がある場合で、「完了」指示部156へのタッチすなわち指示操作があると、出納機制御部44は、「指定残」については、紙幣処理部20および硬貨処理部21の少なくとも一方によって最小構成枚数での出金処理を行わせる。
【0149】
ここで、手入力をする場合、返却内訳表示部148を、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報の金種と同等にするためには、手許払の金種および枚数を指定する必要がある。この指定は、手許払+金種+枚数(束/本数)、または手許払+金種+金額の指定が可能である。例えば、上記例の機械受の千円券が9枚と、手許受の千円券が1枚とからなる10,000円の入金処理を取り消す場合、「手許払 千:1枚」を指定する必要がある。しかし、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報の金種と同等にする必要がなければ、出納機11による機械払、新券払および手許払、現金管理装置12によるバス払および手許払(損傷現金)等の払い出しが選択可能で、金種も千券に限らず、硬貨の指定も可能となっている。上記例において、「指定残 1,000円」を機械払として指定したい場合は、既に、金種別の「枚数」表示部143と金種別の「金額」表示部145とに「機械払 千:9枚」が指定されている状態のため、金種別の「枚数」表示部143と金種別の「金額」表示部145とに「機械払 千:10枚(千:10,000円)」と指定する。
【0150】
{変形例2}
変形例2は、完了済取引取消処理において、取消対象となる入金処理の取引完了結果情報(金種別明細)に対して、機械受の貨幣の貨幣情報と、手許受の貨幣の貨幣情報との両方を、取消詳細確認画面131の返却内訳表示部148へ自動的に対応表示する場合である。
【0151】
例えば、変形例2の第1例として、機械受の千円券9枚と、手許受の千円券1枚とからなる10,000円の入金処理を取り消す場合、ポップアップ画面121の「はい」指示部124のタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131において、「取消入金伝票」合計金額表示部133および「支払合計」金額表示部135に「10,000円」を表示させ、金種別の「枚数」表示部143に、入金処理時に機械受し完了済取引取消処理により機械払で返却する千円券「9枚」と、入金処理時に手許受し完了済取引取消処理により手許払で返却する千円券「1枚」とを、それぞれの識別情報とともに別々に表示させ、状態表示部136に「一致」を表示させ、金額差表示部137に「0円」を表示させる。
【0152】
また、例えば、変形例2の第2例として、機械受の万円券が9枚と、手許受の万円券が1枚と、機械払の千円券が2枚と、手許払の千円券が1枚とからなる97,000円の入金処理を取り消す場合、ポップアップ画面121の「はい」指示部124のタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131において、「取消入金伝票」合計金額表示部133に「97,000円」を表示させ、「支払合計」金額表示部135に「100,000円」を表示させ、金種別の「枚数」表示部143に、入金処理時に機械受し完了済取引取消処理により機械払で返却する万円券「9枚」と、入金処理時に手許受し完了済取引取消処理により手許払で返却する万円券「1枚」とを、それぞれの識別情報とともに別々に表示させ、状態表示部136に「指定過剰」を表示させ、金額差表示部137に過剰な差額の「3,000円」を表示させる。
【0153】
上記の通り、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に、機械受の貨幣と手許受の貨幣類との入金情報がある場合、および、この取引完了結果情報に、機械受の貨幣と手許受の貨幣類との入金情報と、機械払および手許払の少なくとも一方の貨幣の出金情報とがある場合のいずれであっても、出納機制御部44は、機械受と手許受との貨幣情報を、取消詳細確認画面131へ自動的に表示する設定にあっては、機械受の分があれば、これを機械払による返却分として、手許受の分があれば、これを手許払による返却分として、完了済取引取消処理時の払い出しのための入出金取引情報(金種別明細)として、自動的に設定し、出納機表示入力部31の返却内訳表示部148に表示させる。その際に、手許払に対応できる条件の場合には、自動的に設定・表示されない差額、これらの例では、「指定残」が存在した場合、または「指定過剰」が存在した場合には、これらの指定残・指定過剰に対する指定が求められることになり、上記と同様に、過不足金額情報がゼロとなるまで機械払および機械受の少なくとも一方の情報入力を待つことになる。他方、返却内訳表示部148に自動的に表示される手許払に関して、手許払に対応できない条件の場合には、手許払の金額欄がゼロとなるように、機械払の情報入力を待つことになる。
【0154】
上記変形例2の第2例は、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理において、100,000円の入金に対して、3,000円の釣銭出金がなされていることを示しているが、このうちの手許払の千券1枚の出金は、例えば、新券支払機が接続しておらず、新券払の要望があった場合に手許で管理している新券を支払う場合や、出納機11で紙幣の機械払が行えない場合などを示している。
【0155】
上記変形例2の第1例および第2例でも、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131において、「指定残」がある状態で、設定完了を示す「完了」指示部156へのタッチすなわち指示操作で、「指定残」については機械払による返却を自動的に適用するようになっている。
【0156】
{変形例3}
変形例3は、完了済取引取消処理において、取消対象となる入金処理の取引完了結果情報(金種別明細)に対して、機械受の貨幣の貨幣情報と、手許受の貨幣の貨幣情報と、手許払の貨幣の貨幣情報とを、取消詳細確認画面131の返却内訳表示部148へ自動的に対応表示する場合である。
【0157】
例えば、機械受の万円券が9枚と、手許受の万円券が1枚と、機械払の千円券が2枚と、手許払の千円券が1枚とからなる97,000円の入金処理を取り消す場合、ポップアップ画面121の「はい」指示部124がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131において、「取消入金伝票」合計金額表示部133に「97,000円」を表示させ、「支払合計」金額表示部135に「100,000円」を表示させ、金種別の「枚数」表示部143に、入金処理時に機械受し完了済取引取消処理により機械払で返却する万円券「9枚」と、入金処理時に手許受し完了済取引取消処理により手許払で返却する万円券「1枚」と、入金処理時に手許払し完了済取引取消処理により手許受する千円券「1枚」と、をそれぞれの識別情報とともに別々に表示させ、状態表示部136に「指定過剰」を表示させ、金額差表示部137に過剰な差額の「2,000円」を表示させる。
【0158】
上記の通り、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に、手許払の貨幣類の入金情報を含む場合、出納機制御部44は、入金処理時に機械受し完了済取引取消処理により機械払で返却する分と、入金処理時に手許受し完了済取引取消処理により手許払で返却する分と、のうちの少なくとも一方に加えて、入金処理時に手許払した分を、完了済取引取消処理により手許受する分として、完了済取引取消処理時の払い出しのための入出金取引情報(金種別明細)として、自動的に設定し、出納機表示入力部31の返却内訳表示部148に表示させる。
【0159】
この例において、出納機制御部44は、完了済取引取消処理において、入金処理時に手許払した貨幣の手許受を実際に行うか否かに応じて、これを残すか否かを判断し、処理を進めることになる。すなわち、機械受や手許受を問わず、また金種が異なっていても、取引金額が一致するように、すなわち、特に指定過剰とならない設定を行うことで、その後の処理を完了させることができることとなる。
【0160】
{変形例4}
変形例4は、完了済取引取消処理において、取消対象となる入金処理の取引完了結果情報(金種別明細)に手許受の貨幣情報を含む場合であっても、入金処理の手許受に対する手許払による返却の設定を行わずに、機械払による返却への自動設定を行う場合である。
【0161】
例えば、変形例4の第1例として、機械受の千円券が9枚と、手許受の千円券が1枚とからなる10,000円の入金処理を取り消す場合、ポップアップ画面121の「はい」指示部124がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131において、「取消入金伝票」合計金額表示部133に「10,000円」を表示させ、金種別の「枚数」表示部143に、機械受および手許受し機械払で返却する千円券「10枚」を表示させるとともに、「支払合計」金額表示部135、金種別の「金額」表示部145および「現金計」表示部146に「10,000円」を表示させ、状態表示部136に「一致」を表示させ、金額差表示部137に「0円」を表示させる。
【0162】
また、例えば、変形例4の第2例として、機械受の万円券が9枚と、手許受の万円券が1枚と、機械払の千円券が2枚と、手許払の千円券が1枚とからなる97,000円の入金処理を取り消す場合、ポップアップ画面121の「はい」指示部124がタッチすなわち指示操作されると、出納機制御部44は、取消詳細確認画面131において、「取消入金伝票」合計金額表示部133に「97,000円」を表示させ、金種別の「枚数」表示部143に、機械受および手許受し機械払で返却する万円券「10枚」を表示させ、「支払合計」金額表示部135、金種別の「金額」表示部145および「現金計」表示部146に「100,000円」を表示させ、状態表示部136に「指定過剰」を表示させ、金額差表示部137に過剰な差額の「3,000円」を表示させる。
【0163】
上記変形例4の第1例では、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報に、機械受の貨幣と手許受の貨幣との入金情報があって、完了済取引取消処理時には、これらに対して、すべて機械払での返却を自動設定することが、設定され、出納機表示入力部31の返却内訳表示部148に表示されることを示している。
【0164】
また、上記変形例4の第2例では、完了済取引取消処理の取消対象となる入金処理の取引完了結果情報の機械受の貨幣と手許受の貨幣との入金情報部分について、一旦、すべて機械払での自動設定を設定して返却内訳表示部148に表示しつつ、機械払の貨幣と手許払の貨幣の出金情報部分については、指定過剰として自動設定されることを示している。
【0165】
変形例4においても、上記と同様に、出納機表示入力部31は、完了済取引取消処理に指定過剰がある限り、完了済取引取消処理を実行しない判断をし、出納機表示入力部31への指定過剰をなくす変更入力を求めることとなる。そして、出納機表示入力部31への変更入力により、過不足金額情報がゼロとなった場合、または「指定残」がある状態となったところで、「完了」指示部156へのタッチすなわち指示操作が入力されると、完了済取引取消処理を実行することとなる。
【0166】
以上に述べた貨幣処理装置10によれば、出納機表示入力部31に、取消対象の完了済入金取引を特定する情報が入力されると、出納機制御部44が、出納機表示入力部31によって入力された完了済入金取引に係る貨幣の返金を、出納機記憶部45に記憶された完了済入金取引の入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うかを照会する。すなわち、一旦、取引が完了した入金取引について、この完了済み取引を取り消すために、出納機表示入力部31に、取消対象の完了済入金取引を特定する情報が入力されると、出納機制御部44が、入力された完了済み入金取引に係る貨幣の返金を、完了済み入金取引の金種明細に基づいた払い出しで行うか、出納機表示入力部31を介して照会する。よって、操作者は、これに同意する指示操作を行えば、入金取引時の金種明細に基づいた貨幣の払い出しへと処理が進むことになり、操作が簡便となる。これにより、利便性を高めることができる。他方、これに同意しなければ、その他の金種明細での払い出しへと処理が進むことになる。
【0167】
また、完了済入金取引に係る貨幣の返金を、入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで行うことが選択された場合、出納機制御部44が、入金取引時の金種明細を表示するとともに表示された入金取引時の金種明細に基づいた払い出しを行うことを確認する確認画面を出納機表示入力部31に表示させる。これにより、出納機表示入力部31に入金取引時の金種明細を表示させることで、入金取引時の金種明細を操作者に確認させることができ、その上で、表示された入金取引時の金種明細での払い出しの指示操作を出納機表示入力部31に入力させることが可能となる。
【0168】
また、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に表示された入金取引時の金種明細に基づいた払い出しの実行可否を判定するとともに、出納機表示入力部31に表示された入金取引時の金種明細での払い出しで、取消対象である完了済入金取引と一致ないしは充足するかを判断する。これにより、完了済み入金取引の取り消しに際して、取消処理の実行が可能な取引時の金種明細を判定できるとともに、取消対象である完了済み入金取引との一致ないしは充足を確認できることとなり、一致ないしは充足する場合には、そのまま取消処理に関わる返金処理へと移行が可能となる。
【0169】
また、出納機制御部44は、出納機表示入力部31に表示された入金取引時の金種明細に基づいた払い出しで、取消対象である完了済入金取引と一致しない、ないしは充足しない際には、両者の差異の過不足金額情報を併せて出納機表示入力部31に表示させる。これにより、処理の実行が可能な範囲での払い出し処理が仮決定すると、取消対象である完了済み入金取引との一致ないしは充足を確認できることとなり、一致しない場合および充足しない場合には、表示される取引時の取引金種明細での払い出し総額と、取消対象である完了済み取引での総額との差異である過不足金額情報を併せて出納機表示入力部31に表示することができる。
【0170】
また、出納機制御部44は、入金取引時の金種明細に基づいた払い出しでの返金を行うことが選択された場合、入金取引時の金種明細に機械受の貨幣と機械払の貨幣とが含まれると、機械受の貨幣を、機械払での払い出しでの返金として、出納機表示入力部31に表示させる。これにより、機械受の貨幣を、機械払での払い出しでの返金として、出納機表示入力部31に自動的に表示させることができ、操作者の入力の手間を軽減させることができる。
【符号の説明】
【0171】
10…貨幣処理装置、20…紙幣処理部(貨幣処理部)、21…硬貨処理部(貨幣処理部)、31…出納機表示入力部(入力部,表示部)、44…出納機制御部(制御部)、45…出納機記憶部(記憶部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8