(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104416
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】吸引管
(51)【国際特許分類】
A61M 1/00 20060101AFI20240729BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
A61M1/00 130
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008604
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】500409219
【氏名又は名称】学校法人関西医科大学
(71)【出願人】
【識別番号】000200677
【氏名又は名称】泉工医科工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】村田 英之
(72)【発明者】
【氏名】桑名 克之
(72)【発明者】
【氏名】河村 郁夫
【テーマコード(参考)】
4C077
4C160
【Fターム(参考)】
4C077DD11
4C077DD19
4C077DD21
4C077EE04
4C077KK25
4C077PP09
4C077PP13
4C077PP16
4C160KK25
4C160KL02
(57)【要約】
【課題】医療用の機械器具に取り付けられる吸引官を提供する。
【解決手段】医療用の機械器具20に取り付けられる吸引管10は、機械器具に取り付けられる固定具12と、固定具から突出する吸引口部13を有する導管11とを備え、固定具には、導管が配置されている導管穴14と、導管穴と並んで延びており且つ機械器具の一部が挿入される挿入穴15とが形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用の機械器具に取り付けられる吸引管であって、
前記機械器具に取り付けられる固定具と、
前記固定具から突出する吸引口部を有する導管とを備え、
前記固定具には、前記導管が配置されている導管穴と、前記導管穴と並んで延びており且つ前記機械器具の一部が挿入される挿入穴とが形成されている、吸引管。
【請求項2】
前記固定具において、前記導管穴が前記挿入穴から離隔している、請求項1に記載の吸引管。
【請求項3】
前記導管は、前記固定具よりも硬い、請求項1に記載の吸引管。
【請求項4】
前記導管は、ポリカーボネート、フッ素樹脂、及びポリエチレンテレフタレートのような熱変形しにくい耐熱性のある樹脂の少なくとも一つから選択される材料によって形成されている、請求項3に記載の吸引管。
【請求項5】
前記挿入穴の内側には、前記機械器具が止血又は切開を妨げる位置に位置しないように固定できる機構が形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸引管。
【請求項6】
前記導管穴は、前記吸引口部に近づくにつれて前記挿入穴から離れるように傾斜している、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸引管。
【請求項7】
前記導管の外径は、2mm以上且つ5mm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸引管。
【請求項8】
前記導管の肉厚は、0.05mm以上且つ0.5mm以下である、請求項7に記載の吸引管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用の機械器具に取り付けられる固定具を備える吸引管に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸引管、中空カニューレ、管コネクター、及び嵌合クリップを備える電気メス工具補助装置が開示されている。この電気メス工具補助装置の吸引管は外科専用のチューブであり、吸引管の一端には中空カニューレが設置されている。そして、中空カニューレは、吸引管上に一体に固定されており、電気メス工具に対応する嵌合部を備えている。また、吸引管には、他の管体の接続に用いる管コネクターが設置されている。
【0003】
さらに、中空カニューレと管コネクターとの間には、複数の嵌合クリップが設置されている。そして、各嵌合クリップは、嵌合リングである定位調整部と、挟持部とを備える。この定位調整部は、吸引管の外径に等しく、吸引管上に緊密に定位し或いは位置を移すことができる。また、中空カニューレに近い嵌合クリップの挟持部は、電気メス工具の挟持に用いられる。そして、他の部分の嵌合クリップの挟持部は、電気メス工具の電線の挟持に用いられる。
【0004】
特許文献2には、一対の腕部と吸引管ガイド部とを有するバイポーラ電気ピンセットが開示されている。この吸引管ガイド部は、一方の腕部の上腕部の内側面に溶接によって装着されている。そして、各吸引管ガイド部は、円筒状の形状を有し、円筒の空洞部に吸引管が挿入される。また、吸引管ガイド部の内径は、吸引管の先端の外径より若干大きい。そして、吸引管の外径は先端から後端まで徐々に太くなる。そのため、吸引管を吸引管ガイド部に挿入して押し込むことによって、バイポーラ電気ピンセットに吸引管を固定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3152014号公報
【特許文献2】特開2020-93021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医療用の機械器具の一例である電気メスは、高周波電流を利用しており、電気メスの本体部から先端部へ高周波電流が伝えられる。そして、電気メスの先端部によって、術部の切開若しくは止血、又は術部の切開及び止血が行われる。しかし、出血が多い術部において電気メスを使用する場合、電気メスによって止血をしても、電気抵抗の低い出血を含む血液等に高周波電流が流れてしまう。そして、術部において高周波電流が流れにくくなるため、止血し難いことがある。
【0007】
この場合、出血を含む血液等は、ガーゼ等を用いて排除できる。しかし、血液を排除する処置をしている間は、術者の両手が塞がってしまう可能性がある。すなわち、術者は、電気メスの先端部が取り付けられるメスホルダーを一方の手に持って、ガーゼを他方の手に持つことがある。さらに、ガーゼを用いて血液を排除する際、術者がガーゼから電気メス先に持ち替える間にも出血して、電気メスによる止血が困難となる可能性がある。
【0008】
また、医療用の機械器具の他の例であるバイポーラピンセットによって止血する場合には、バイポーラピンセットの両先端部によって出血箇所を挟む。しかし、出血を含む血液等によって出血箇所の目視が困難である場合は血液を排除する必要がある。この場合は、ガーゼ等を用いて血液等を排除した後にバイポーラピンセットによって出血箇所を挟む。
【0009】
しかし、出血の量が多い場合、血液を排除した後に止血しようとしても、出血箇所の目視が困難である場合がある。この場合、術者は、経験的に出血箇所を予測して止血することになる。ただし、出血箇所の予測と止血とは、術者の経験等によって正確性に差があり、止血が困難である場合がある。また、吸引管によって血液等を排除することもできる。しかし、この場合、術者が吸引管からバイポーラピンセットに持ち替える間にも出血して、バイポーラピンセットによる止血が困難となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様に係る吸引管は、医療用の機械器具に取り付けられる吸引管であって、前記機械器具に取り付けられる固定具と、前記固定具から突出する吸引口部を有する導管とを備え、前記固定具には、前記導管が配置されている導管穴と、前記導管穴と並んで延びており且つ前記機械器具の一部が挿入される挿入穴とが形成されている。
【0011】
本開示のさらなる特徴は、添付図面を参照して例示的に示した以下の実施例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】バイポーラピンセットの先端部を表す概略図である。
【
図2】吸引管の取り付けを説明するための概略説明図である。
【
図3】
図3Aは第1実施形態に係る固定具の短手方向に沿った概略断面図であり、
図3Bは当該固定具の長手方向に沿った概略断面図である。
【
図5】
図5Aは第2実施形態に係る固定具の短手方向に沿った概略断面図であり、
図5Bは当該固定具の長手方向に沿った概略断面図である。
【
図6】変形形態に係る固定具の長手方向に沿った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置又は方法の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0014】
[第1実施形態]
図1から
図3を参照して、医療用の機械器具に取り付けられる吸引管10の一例として、バイポーラピンセット20に取り付けられる吸引管10について説明する。
図1は、吸引管10を取り付けたバイポーラピンセット20の先端部を表す概略図であり、バイポーラピンセット20を挿入した後の吸引管10を示す。また、
図2は、吸引管10の取り付けを説明するための概略説明図であり、バイポーラピンセット20に装着する前の吸引管10を示す。なお、吸引管10は、バイポーラピンセット20に着脱可能である。
【0015】
また、
図3Aは、
図2のIIIA―IIIA線に沿った固定具12の概略断面図であり、固定具12の短手方向に沿った断面を示している。また、
図3Bは、
図3AのIIIB―IIIB線に沿った固定具12の概略断面図であり、固定具12の長手方向に沿った断面を示している。なお、
図3においては、説明の便宜上、吸引管10の導管11の図示は省略している。
【0016】
吸引管10は、体液(例えば血液、唾液又は鼻水)を吸引するために用いられる。具体的に、吸引管10は、疾病の診断又は治療若しくは予防に使用される医療用の機械器具に取り付けられる。例えば、吸引管10は、手術中に出血箇所の処置に用いられる小型の機械器具であるメス及びピンセット等に取り付けられる。
【0017】
図1に示すように、機械器具の一例であるバイポーラピンセット20は、不図示の接続端子に接続されている一対の腕部21R,21Lが連結されて構成されている。一対の腕部21R,21Lは、両者の中間にある仮想的な対称面に対して面対称となるような形状及び大きさを有している。また、バイポーラピンセット20の先端部であるバイポーラ電極部22は、外部に露出した電極である。一例として、バイポーラ電極部22は、導電性の金属(例えば、銀合金又は銅合金等)から形成されている。
【0018】
そして、一対の腕部21R,21Lにおけるバイポーラ電極部22よりも接続端子側の部分は、非導電性の樹脂層によって覆われている。また、バイポーラピンセット20は、バイポーラ電極部22と接続端子との間でクランク状に屈曲しており、術者が把持するための不図示の把持部を有している。さらに、接続端子は、不図示の電気メス装置にケーブル等を介して電気的に接続されている。
【0019】
吸引管10は、機械器具であるバイポーラピンセット20に取り付けられる固定具12を備えている。固定具12は、吸引管10をバイポーラピンセット20の一方の腕部21Rに取り付けるために用いられる。また、吸引管10は、固定具12から突出する吸引口部13を有する導管11を備えている。そして、導管11は、吸引口部13の端部開口から流入する血液等が流れるように構成されている。吸引口部13が突出しているので、処置中に、バイポーラ電極部22が接触する出血箇所の付近の血液等を吸引できる。なお、端部開口は、吸引口部13の端面に形成されている。
【0020】
一例として、固定具12は、導管11に接着されている。代替的に、導管11と固定具12とは、一体成型によって形成されていてもよい。または、導管11と固定具12とが接着されていなくてもよい。さらに、導管11は、固定具12に対して着脱可能で移動可能に取り付けられていてもよい。この場合、固定具12に対して導管11を移動させることにより、バイポーラ電極部22の先端と吸引口部13の位置とを一致させる調節が可能となる。このために、導管穴14に対して挿入穴15の反対側の方向に延びるスリットS1(
図3A)が設けられている。また、導管11は、バイポーラピンセット20による止血等を妨げない位置に配置されている。さらに、導管11は、固定具12よりも硬い。例えば、ロックウェル硬度によって比較した場合に、固定具12よりも導管11が硬く構成されている。具体的に、導管11は、バイポーラ電極部22に向かって変位しない程度の硬さを有している。導管11が硬いことによって、導管11が撓むことを抑制して、導管11とバイポーラ電極部22との接触が防止される。
【0021】
例えば、導管11は樹脂製の円筒部材であり、これにより導管11は高周波電流の影響を受けにくい。さらに、導管11は耐熱樹脂製であり、これによりバイポーラ電極部22の近傍が高温となっても熱変化による導管11の損傷を抑制できる。一例として、導管11は、ポリカーボネート、フッ素樹脂、及びポリエチレンテレフタレートのような熱変形しにくい耐熱性のある樹脂の少なくとも一つから選択される材料によって形成されている。代替的に、導管11は、ポリプロピレン又はポリエチレン等のポリオレフィンによって形成されていてもよい。なお、導管11は、流体が流れる中空の部材であればよく、断面多角形又は楕円形の形状を有していてもよい。また、導管11は、吸引口部13の端部開口に近づくにつれて窄まるような、漏斗状の形状を有していてもよい。
【0022】
また、導管11の外径(すなわち直径)は、2mm以上且つ5mm以下である。少なくとも、導管11の吸引口部13の端部開口から導管穴14の出口までの部分は、2mm以上且つ5mm以下の外径を有することが望ましい。例えば、鼻血の止血を行う際には、バイポーラピンセット20を鼻の穴から挿入する。そのため、バイポーラピンセット20に取り付けられる導管11の外径は小さい方が望ましい。特に、操作性の観点からは、吸引口部13が3mmの外径を有することがより望ましい。一方、吸引口部13の外径が5mmを超えると、血液等を吸引する際の操作性が下がってしまう。
【0023】
また、吸引口部13の端部開口は、1.6mm以上から4.8mm以下の内径(すなわち直径)を有する。例えば、吸引管10は、血液以外に血栓等の塊も吸引する場合がある。そのため、導管11の内径は大きい方が望ましい。一方、バイポーラピンセット20に取り付けられる吸引管10においては、操作性の観点から、導管11の外径は小さい方が望ましい。そこで、導管11の肉厚は、0.05mm以上且つ0.5mm以下である。これにより、導管11の肉厚を小さく設定して、導管11の内径を大きくすることができる。特に、樹脂製の導管11の強度を維持できるので、導管11の肉厚は0.05mm以上であることがより望ましい。
【0024】
固定具12には、導管11が配置されている導管穴14が形成されている。また、固定具12には、導管穴14と並んで延びている挿入穴15が形成されている。この挿入穴15には、機械器具の一部として、例えばバイポーラピンセット20の先端部が挿入される。これにより、吸引管10をバイポーラピンセット20に着脱可能に取り付けできる。そして、導管穴14と挿入穴15とが並んでいるため、吸引管10を取り付けた際には、バイポーラ電極部22が接触する出血箇所の付近に吸引口部13の端部開口が位置づけられる。すなわち、固定具12は、吸引口部13の端部開口を、機械器具の先端部の近傍に位置付けるように構成されている。
【0025】
具体的に、固定具12は、導管11の吸引口部13が、一方の腕部21Rのバイポーラ電極部22の末端の近傍に位置するように、バイポーラピンセット20に対して導管11を固定している。そのために、固定具12には、
図1において破線で示すように、導管11が配置されている貫通孔である導管穴14が形成されている。また、
図1において破線で示すように、固定具12には、導管穴14と並んで延びるように、一方の腕部21Rの一部が挿入される貫通孔である挿入穴15が形成されている。そして、挿入穴15の少なくとも一部(例えば出口近傍の部分)の内寸は、一方の腕部21Rの外寸よりも小さい。
【0026】
具体的に、挿入穴15は、
図3Bに示すように吸引口部13に向かって徐々に狭まるテーパを有している。そのため、挿入穴15の吸引口部13側の出口の内寸は、挿入穴15の吸引口部13とは反対側の入口の内寸よりも小さい。そして、挿入穴15の出口の内寸は、一方の腕部21Rの外寸よりも小さい。そのため、一方の腕部21Rを挿入すると、少なくとも挿入穴15の出口において、柔軟な固定具12の挿入穴15が拡径される。
【0027】
そして、挿入穴15は、自らの弾性力によって元の形状に戻ろうとするため、一方の腕部21Rが挿入穴15の中で保持される。また、挿入穴15の出口の内寸は、バイポーラ電極部22が吸引口部13に対して大きく突出しないように、必要以上に拡径されない程度に設定されている。これにより、使用時の位置ずれを抑制して、導管11の吸引口部13の位置を、バイポーラ電極部22の末端の位置に合わせることができる。一例として、柔軟な固定具12は、塩化ビニルエラストマー、又はポリオレフィン等によって形成されている。
【0028】
図1に戻り、吸引管10の導管11は、不図示の吸引装置に接続されている柔軟な連通チューブ40に連通されている。具体的に、導管11の吸引口部13とは反対側の端部は、連通チューブ40の内部に挿入され且つ接続されている。例えば、導管11の反対側の端部は、連通チューブ40に接着されている。代替的に、連通チューブ40の端部が、導管11の吸引口部13とは反対側の端部の内部に挿入されていてもよい。また、導管11と連通チューブ40とは、コネクタ部材等を介して接続されていてもよい。
【0029】
また、連通チューブ40は、不図示のコネクタ等を通じて吸引装置等の陰圧源に接続されている。また、連通チューブ40の内部には、吸引装置によって陰圧が印加されている。そのため、吸引口部13から吸引された血液等は、導管11及び連通チューブ40を通って吸引装置の排液タンクに流入する。さらに、連通チューブ40は、90度以上屈曲させた場合であっても塑性変形しない程度の柔軟性を有している。
【0030】
そして、導管11は連通チューブ40より硬く、硬い導管11が柔軟な連通チューブ40に接続されている。これにより、処置中に機械器具を移動させることが連通チューブ40によって阻害されず、且つ吸引口部13を機械器具の先端部から離隔した状態を維持できる。一例として、連通チューブ40は、軟質ポリ塩化ビニル等によって形成されている。ただし、機械器具の移動の阻害が問題とならないならば、導管11が連通チューブ40としても機能してもよい。この場合、より長い導管11が用いられ、当該導管11が吸引装置に接続される。
【0031】
吸引管10は、単回使用の態様で用いられ、ディスポーザブルである。そのために、吸引管10は、バイポーラピンセット20に対して着脱可能である。具体的に、取り付け時には、
図2の矢印Aで示す挿入方向において、固定具12の挿入穴15にバイポーラ電極部22を挿入する。これにより、吸引管10がバイポーラピンセット20に取り付けられる。そして、取り外し時には、挿入方向と反対方向にバイポーラ電極部22を引き抜く。これにより、吸引管10がバイポーラピンセット20から取り外される。一方、比較的に高価であるバイポーラピンセット20は、再使用される。代替的に、洗浄及び滅菌等の処理が施された吸引管10が再使用されてもよい。
【0032】
吸引管10が着脱可能であるため、バイポーラピンセット20と吸引管10の固定具12とが一体的に構成されている場合と比較して、多様な種類の吸引装置に吸引管10を適用できる。また、バイポーラピンセット20の先端部と、後述する電気メス先30の先端部とのサイズ及び形状を近似させることにより、吸引管10をバイポーラピンセット20及び電気メス先30のいずれにも取り付けることができる。
【0033】
また、バイポーラピンセット20に対する吸引管10は、術者の利き手が右手であるのか左手であるのかによって、取り付け位置が異なる。例えば、
図1においては、吸引管10が一方の腕部21Rに取り付けられている例を示しており、術者の利き手が右手と仮定している図である。すなわち、
図1において、腕部21R側は、出血を含む血液等が溜まる下方の位置となり、血液等を吸引しながら出血部位を止血する。
図1の上側に示されている腕部21Rは、バイポーラピンセット20が右手で把持された場合に、腕部21Lに対して右方向に位置する。これに対して、術者の利き手が左手であれば、吸引管10が他方の腕部21Lに取り付けられる。なお、バイポーラピンセット20が左手で把持された場合に、腕部21L側は、出血を含む血液等が溜まる下方の位置となり、血液等を吸引しながら出血部位を止血する。また、左手で把持された場合、腕部21Lは腕部21Rに対して左方向に位置する。
【0034】
そして、
図3Aに示すように、利き手の違いによる取り付け位置の誤りを防止するために、固定具12の挿入穴15には、ほぼ平らな規制部16が形成されている。具体的に、挿入穴15の内側形状は、腕部21R及び腕部21Lの外側形状と相補的な形状を有している。そして、腕部21R及び腕部21Lは、互いに対向するほぼ平らな対向面23(
図1)を有している。そのため、誤った向きで吸引管10を取り付けようとする場合、例えば導管11がバイポーラピンセット20の内側に向くように吸引管10を取り付けようとする場合、挿入穴15に挿入し難くなる。これにより、術者に吸引管10の取り付け位置を認識させて、取り付け位置の誤りを防止できる。
【0035】
また、正しい取り付け位置に取り付けられた場合、挿入穴15の規制部16が対向面23と当接する。そのため、規制部16は、吸引管10がバイポーラピンセット20に対して回転することを規制する回り止めとしても機能する。すなわち、挿入穴15の内側には、機械器具が止血又は切開を妨げる位置に位置しないように導管11を固定できる機構の一例として規制部16が形成されている。これにより、吸引管10が腕部21R又は腕部21Lの周りで変位することを防止できる。その結果、導管11がバイポーラピンセット20の内側に向くことを防止できる。代替的に、回り止めとしての規制部16は、腕部21R又は腕部21Lの角部と当接する凹部又は凸部であってもよい。
【0036】
図3Bに示す導管穴14の内寸(又は内径)は、導管11が着脱可能な場合、導管穴14の挿入側において導管11の外径より少し大きく、導管穴14の出口側において導管11の外径より少し小さい。また、導管穴14に対して挿入穴15の反対側の方向に延びるスリットS1が設けられている。代替的に、導管穴14の内寸は、導管11の外寸以下に設定されていてもよい。なお、
図3Bにおいては、説明の便宜上、スリットS1と導管穴14とが連通する位置を破線によって示している。また、導管穴14の出口の内側形状は、導管11の外側形状と相補的な形状である。そして、バイポーラピンセット20を用いて止血する場合、術者は、バイポーラ電極部22によって出血箇所を挟む。そのため、血液等を吸引する吸引口部13の端部開口は、バイポーラ電極部22の末端の近傍に位置している。同時に、導管11は、バイポーラ電極部22と接触しないように、バイポーラ電極部22から離隔している。
【0037】
そのために、固定具12において、導管穴14が挿入穴15から離隔している。少なくとも、導管穴14及び挿入穴15の両出口は、互いに離隔する位置に形成されている。これにより、導管11がバイポーラ電極部22から離隔する。そのため、吸引口部13がバイポーラピンセット20による止血を妨げない位置に配置される。また、吸引口部13がバイポーラ電極部22の末端の近傍に位置するように、両出口の形成位置が設定されている。一例として、両出口の最も近接する外縁同士を結ぶ直線の長さが、挿入穴15の出口の外径の半分となるように、両出口の形成位置が設定されている。
【0038】
例えば、術者は、出血が多い術部の止血処置が予想される場合、吸引管10をバイポーラピンセット20に取り付ける。そして、術者は、吸引管10を取り付けたバイポーラピンセット20を、出血が多い術部(例えば鼻腔)の内部に挿入する。これにより、出血を含む血液等は、吸引口部13を介して吸引される。そのため、術者は、血液等によって出血箇所の目視を阻害されず、バイポーラ電極部22によって確実に止血できる。
【0039】
以上説明した第1実施形態によれば、吸引管10を取り付けることによって、バイポーラピンセット20によって止血等をする際に、導管11を介して血液等を吸引できる。そのため、術者による止血等の進行を妨げることなく出血を含む血液等を吸引できる。これにより、ガーゼ等によって血液を排除する時間が不要となり、術者は手術等の処置をより早く進行できる。その結果、処置時間を短縮でき、患者の負担を低減できる。また、血液等を吸引しながら止血等をできるため、出血が多い術部であっても容易に止血でき、患者の身体の安全性が向上する。
【0040】
[第2実施形態]
図4及び
図5を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態では、医療用の機械器具の他の例である電気メス先30に吸引管210が取り付けられる。この点において、第2実施形態は第1実施形態と異なる。なお、
図4は、吸引管210を取り付けた電気メス先30の端部を表す概略図であり、電気メス先30を挿入した後の吸引管210を示す。
【0041】
また、
図5Aは、
図4のVA―VA線に沿った固定具212の概略断面図であり、固定具212の短手方向に沿った断面を示している。また、
図5Bは、
図5AのVB―VB線に沿った固定具212の概略断面図であり、固定具212の長手方向に沿った断面を示している。なお、
図5においては、説明の便宜上、電気メス先30の樹脂コネクタ部33と、吸引管210の導管211との図示は省略している。
【0042】
第2実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、既に説明した構成要素については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
【0043】
図4に示すように、電気メス先30は、不図示の接続端子に接続されているメスホルダー31を備えている。さらに、接続端子は、不図示の電気メス装置にケーブル等を介して電気的に接続されている。そして、メスホルダー31には、切開の処置に際して術者が押し下げる切開ボタン34と、止血の処置に際して術者が押し下げる凝固ボタン35とが設けられている。代替的に、切開ボタン34及び凝固ボタン35に代えて又は加えて、術者が足で踏んで操作するタイプのフットボタンが電気メス装置に接続されていてもよい。
【0044】
また、電気メス先30は、電気メス先30の先端部であるメス電極部32を備えている。このメス電極部32は外部に露出した電極である。一例として、メス電極部32は、導電性の金属(例えば、銀合金又は銅合金等)から形成されている。また、メス電極部32は、樹脂コネクタ部33を備えており、樹脂コネクタ部33を介してメスホルダー31に取り付けられている。そして、樹脂コネクタ部33及びメス電極部32は、メスホルダー31に対して着脱可能である。代替的に、メス電極部32は、メスホルダー31に着脱不能に固定されていてもよい。また、メスホルダー31は、非導電性の樹脂層によって覆われている。
【0045】
電気メス先30が接続される電気メス装置は、高周波電流を生成する。そのために、電気メス装置は、高周波電流を生成する電源部を有している。この電源部は、基本波を生成するための高周波発生器を備えており、この高周波発生器は、電源回路を介して商用電源等の電源に接続されている。そして、電気メス装置は、アクティブ電極又は一方のバイポーラ電極であるメス電極部32に、生成した高周波電流を供給する。これにより、術部における組織又は膜等の切開、切除又は凝固が行われる。また、術部に流れた高周波電流は、対極板又は他方のバイポーラ電極によって回収される。なお、以下では、メス電極部32がアクティブ電極である例を主に説明する。
【0046】
吸引管210は、電気メス先30に取り付けられる固定具212を備えている。一例として、固定具212は、導管211に接着されている。または、固定具212と導管211が一体成型されていてもよく、固定具212から導管211が着脱可能であってもよい。着脱可能である場合、固定具212に対して導管211を移動させることにより、メス電極部32の先端と吸引口部213の位置とを一致させる調節が可能となる。また、吸引管210は、固定具212から突出する吸引口部213を有する導管211を備えている。導管211は、吸引口部213の端部開口から流入する血液等が流れるように構成されている。吸引口部213が突出しているので、メス電極部32が接触する出血箇所の付近の血液等を吸引できる。また、導管211は、電気メス先30による切開又は止血等を妨げない位置に配置されている。そして、導管211は、メス電極部32に向かって変位しない程度の硬さを有している。導管211が硬いことによって、導管211が撓むことを抑制して、導管211とメス電極部32との接触が防止される。
【0047】
固定具212には、導管211が配置されている導管穴214が形成されている。また、固定具212には、導管穴214と並んで延びている挿入穴215が形成されている。この挿入穴215には、機械器具の一部として、例えば電気メス先30の先端部が挿入される。これにより、吸引管210を電気メス先30に着脱可能に取り付けできる。そして、導管穴214と挿入穴215とが並んでいるため、吸引管210を取り付けた際には、メス電極部32が接触する出血箇所の付近に吸引口部213の端部開口を位置づけられる。すなわち、固定具212は、吸引口部213の端部開口を、機械器具の先端部の近傍に位置付けるように構成されている。
【0048】
具体的に、固定具212は、導管211の吸引口部213の端部開口が、メス電極部32の末端の近傍に位置するように、電気メス先30に対して導管211を固定している。そのために、固定具212には、
図4において破線で示すように、導管211が配置されている貫通孔である導管穴214が形成されている。また、固定具212には、導管穴214と並んで延びるように、樹脂コネクタ部33の一部が挿入され且つ破線で示す挿入穴215が形成されている。そして、挿入穴215の少なくとも一部の内寸は、樹脂コネクタ部33の外寸よりも小さい。
【0049】
具体的に、挿入穴215は、
図5に示すように吸引口部213に向かって徐々に狭まるテーパを有している。そのため、挿入穴215の吸引口部213側の出口の内寸は、挿入穴215の吸引口部213とは反対側の入口の内寸よりも小さい。そして、挿入穴215の出口の内寸は、樹脂コネクタ部33の外寸よりも小さい。そのため、樹脂コネクタ部33を挿入すると、少なくとも挿入穴215の出口において、柔軟な固定具212の挿入穴215が拡径される。
【0050】
そして、挿入穴215は、自らの弾性力によって元の形状に戻ろうとするため、樹脂コネクタ部33が挿入穴215の中で保持される。また、挿入穴215の出口の内寸は、メス電極部32が吸引口部213に対して大きく突出しないように、必要以上に拡径されない程度に設定されている。これにより、使用時の位置ずれを抑制して、導管211の吸引口部213の位置を、メス電極部32の末端の位置に合わせることができる。
【0051】
図4に戻り、吸引管210は、不図示の吸引装置に接続されている柔軟な連通チューブ40に流体連通されている。具体的に、導管211の吸引口部213とは反対側の端部は、連通チューブ40の内部に挿入されている。そして、連通チューブ40は、不図示のコネクタ等を通じて吸引装置等の陰圧源に接続されている。また、連通チューブ40の内部には、吸引装置によって陰圧が印加されている。そのため、吸引口部213から吸引された血液等は、導管211及び連通チューブ40を通って吸引装置に流入する。
【0052】
例えば、吸引管210は、単回使用の態様で用いられ、ディスポーザブルである。そのために、吸引管210は、電気メス先30に対して着脱可能である。具体的に、取り付け時には、
図4の矢印Bで示す挿入方向において、固定具212の挿入穴215にメス電極部32及び樹脂コネクタ部33を挿入する。これにより、吸引管210が電気メス先30に取り付けられる。そして、取り外し時には、挿入方向と反対方向にメス電極部32を引き抜く。これにより、吸引管210が電気メス先30から取り外される。一方、比較的に高価である電気メス先30は、再使用される。代替的に、洗浄及び滅菌等の処理が施された吸引管210が再使用されてもよい。
【0053】
吸引管210が着脱可能であるため、電気メス先30と吸引管210の固定具212とが一体的に構成されている場合と比較して、多様な種類の吸引装置に吸引管210を適用できる。また、バイポーラピンセット20の先端部と、樹脂コネクタ部33とのサイズ及び形状を近似させることにより、吸引管210をバイポーラピンセット20及び電気メス先30のいずれにも取り付けることができる。
【0054】
樹脂コネクタ部33は、断面略円形状となるように外周面36を有している。そのため、
図5Aに示すように、固定具212の挿入穴215には、外周面36に対応して、互いに対向するほぼ平らな対向面である規制部216が形成されている。外周面36が規制部216を拡げるように変形させることによって発生する摩擦力により、機械器具が止血又は切開を妨げる位置に位置しないように導管211を固定できる機構として、規制部216が機能する。具体的に、挿入穴215の出口の内側形状は、樹脂コネクタ部33の外側形状と相補的な形状を有している。そして、正しい取り付け位置に取り付けられた場合、挿入穴215の規制部216が樹脂コネクタ部33の外周面36と当接する。そのため、規制部216は、吸引管210が電気メス先30に対して回転することを規制する回り止めとしても機能する。これにより、吸引管210が樹脂コネクタ部33の周りで変位することを防止できる。
【0055】
図5Bに示す導管穴214の内寸(又は内径)は、導管211が着脱可能な場合、導管穴214の挿入側において導管211の外径より少し大きく、導管穴214の出口側において導管211の外径より少し小さい。また、導管穴214に対して挿入穴215の反対側の方向に延びるスリットS2が設けられている。代替的に、導管穴214の内寸は、導管211の外寸以下に設定されていてもよい。なお、
図5Bにおいては、説明の便宜上、スリットS2と導管穴214とが連通する位置を破線によって示している。また、導管穴214の内側形状は、導管211の外側形状と相補的な形状である。そして、電気メス先30を用いて切開又は止血する場合、術者は、メス電極部32の末端で切開又は止血する。そのため、出血を吸引する吸引口部213の端部開口は、メス電極部32の末端の近傍に位置している。同時に、導管211は、メス電極部32と接触しないように、メス電極部32から離隔している。
【0056】
また、導管211が止血又は切開する術部と電気メス先30の間に位置すると、止血又は切開の妨げになる。そのため、導管211は、止血又は切開する術部と電気メス先30との間を避けるように位置付けられる。例えば、止血又は切開する術部の位置は、
図4における電気メス先30の下方の場合と上方の場合とがある。そのため、吸引口部213は、術部の位置に対応した位置に固定又は位置付ける必要がある。なお、導管211は、固定具212に対して可動であってもよい。これにより、導管211を導管穴214に対して回転を含む移動をさせることができ、メス電極部32の位置に対する吸引口部213の位置を調節できる。
【0057】
固定具212において、導管穴214は挿入穴215から離隔している。少なくとも、導管穴214及び挿入穴215の両出口は、互いに離隔する位置に形成されている。これにより、導管211がメス電極部32から離隔する。そのため、吸引口部213が電気メス先30による切開又は止血を妨げない位置に配置される。また、吸引口部213がメス電極部32の末端の近傍に位置するように、両出口の形成位置が設定されている。一例として、両出口の最も近接する外縁同士を結ぶ直線の長さが、挿入穴215の出口の外径の半分となるように、両出口の形成位置が設定されている。
【0058】
これにより、メス電極部32の末端の近傍に位置する吸引口部213を介して血液等を吸引する際に、電気メス先30を用いた切開又は止血を妨げることを防止できる。すなわち、出血を含む血液等が吸引されるため、術者は、血液等によって出血箇所の目視を阻害されず、メス電極部32によって確実に切開又は止血できる。
【0059】
以上説明した第2実施形態によれば、吸引管210を取り付けることによって、電気メス先30によって切開又は止血をする際に、導管211を介して血液等を吸引できる。そのため、術者による切開又は止血の進行を妨げることなく出血を含む血液等を吸引できる。これにより、ガーゼ等によって血液等を排除する時間が不要となり、術者は手術等の処置をより早く進行できる。その結果、処置時間を短縮でき、患者の負担を低減できる。また、血液等を吸引しながら切開又は止血をできるため、出血等が多い術部であっても容易に切開又は止血でき、患者の身体の安全性が向上する。
【0060】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態、並びに各実施形態又は各変形形態に含まれる技術的手段は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0061】
例えば、
図6に示す変形形態に係る固定具312の導管穴314は、破線で示す導管11の吸引口部13に近づくにつれて挿入穴315から離れるように傾斜している。なお、
図6においては、説明の便宜上、導管11を点線で示している。これにより、導管11の吸引口部13を、バイポーラ電極部22又はメス電極部32からより確実に離隔させることができる。
【0062】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
医療用の機械器具に取り付けられる吸引管であって、
前記機械器具に取り付けられる固定具と、
前記固定具から突出する吸引口部を有する導管とを備え、
前記固定具には、前記導管が配置されている導管穴と、前記導管穴と並んで延びており且つ前記機械器具の一部が挿入される挿入穴とが形成されている、吸引管。
【0064】
(付記2)
前記固定具において、前記導管穴が前記挿入穴から離隔している、付記1に記載の吸引管。
【0065】
(付記3)
前記導管は、前記固定具よりも硬い、付記1又は2に記載の吸引管。
【0066】
(付記4)
前記導管は、ポリカーボネート、フッ素樹脂、及びポリエチレンテレフタレートの少なくとも一つから選択される材料によって形成されている、付記3に記載の吸引管。
【0067】
(付記5)
前記挿入穴の内側には、前記機械器具が止血又は切開を妨げる位置に位置しないように固定できる機構が形成されている、付記1から4のいずれか一項に記載の吸引管。
【0068】
(付記6)
前記導管穴は、前記吸引口部に近づくにつれて前記挿入穴から離れるように傾斜している、付記1から5のいずれか一項に記載の吸引管。
【0069】
(付記7)
前記導管の外径は、2mm以上且つ5mm以下である、付記1から6のいずれか一項に記載の吸引管。
【0070】
(付記8)
前記導管の肉厚は、0.05mm以上且つ0.5mm以下である、付記7に記載の吸引管。
【0071】
(付記9)
医療用の機械器具に吸引管を取り付けるための固定具であって、
前記固定具から突出する吸引口部を有する導管が配置される導管穴と、前記導管穴と並んで延びており且つ前記機械器具の一部が挿入される挿入穴とが形成されている、固定具。
【符号の説明】
【0072】
10 :吸引管
11 :導管
12 :固定具
13 :吸引口部
14 :導管穴
15 :挿入穴
16 :規制部(機構)
20 :バイポーラピンセット(機械器具)
30 :電気メス先(機械器具)
210 :吸引管
211 :導管
212 :固定具
213 :吸引口部
214 :導管穴
215 :挿入穴
216 :規制部(機構)
314 :導管穴
315 :挿入穴