(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104422
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】鍵管理装置、鍵管理システム、及び鍵管理方法
(51)【国際特許分類】
E05B 19/00 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008610
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501079875
【氏名又は名称】グローリーAZシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】土居 憲司
(72)【発明者】
【氏名】福田 幸貴
(57)【要約】
【課題】利用者が鍵を使用するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理とに応じた適切な制御を可能とする。
【解決手段】鍵を保持するホルダを収納する複数の収納部と、利用者が鍵を使用するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行する処理部と、第1の処理の履歴と、第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶する記憶部とを備える、鍵管理装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵を保持するホルダを収納する複数の収納部と、
利用者が鍵を使用するために前記複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために前記複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行する処理部と、
前記第1の処理の履歴と、前記第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶する記憶部と
を備える、鍵管理装置。
【請求項2】
前記第1の処理により抜き取られたホルダの戻し入れ先は、自装置に設定されており、
前記第2の処理により抜き取られたホルダの戻し入れ先は、前記他の鍵管理装置に設定されている、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1の処理により抜き取られたホルダを前記複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第3の処理と、前記他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを前記複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第4の処理とを更に実行し、
前記記憶部は、前記第3の処理の履歴と、前記第4の処理の履歴とを、区別可能に更に記憶する、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記第3の処理により戻し入れされたホルダについて前記第1の処理を実行不可とし、かつその後所定の操作が行われると当該第1の処理を実行可能とする、請求項3に記載の鍵管理装置。
【請求項5】
前記所定の操作は、前記管理者が鍵を使用する対象物のメンテナンスのためにホルダを抜き取り、抜き取られたホルダを戻し入れる操作である、請求項4に記載の鍵管理装置。
【請求項6】
前記複数の収納部をそれぞれ含む複数の空間の何れかをそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部を更に備え、
前記記憶部は、前記複数の開閉部のそれぞれが閉鎖状態にする空間における前記利用者の所有物の有無を示す所有物情報を記憶する、請求項1に記載の鍵管理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記利用者がホルダを抜き取る際に入力した前記所有物情報を記憶する、請求項6に記載の鍵管理装置。
【請求項8】
前記空間内に前記所有物が収納されているか否かを検知する検知部を更に備え、
前記記憶部は、前記検知部の検知結果に基づいて取得された前記所有物情報を記憶する、請求項6に記載の鍵管理装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記複数の収納部のうち前記第1の処理によりホルダが抜き取られた特定の収納部に前記他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを戻し入れ可能とする第4の処理を、当該特定の収納部を含む前記開閉部により閉鎖状態にされる空間に前記所有物がなければ実行し、当該空間に当該所有物があれば実行しない、請求項6に記載の鍵管理装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記管理者が前記所有物を使用するために前記開閉部を開放可能とする第5の処理と、当該管理者が当該所有物を返却するために当該開閉部を開放可能とする第6の処理とを実行する、請求項6に記載の鍵管理装置。
【請求項11】
前記処理部は、前記管理者が入力した前記所有物の使用目的が所定の条件を満たす場合に、前記第5の処理を実行する、請求項10に記載の鍵管理装置。
【請求項12】
前記第5の処理を実行した場合に、その旨を前記利用者に報知する報知部を更に備える、請求項10に記載の鍵管理装置。
【請求項13】
第1の鍵管理装置と、第2の鍵管理装置とを含み、
前記第1の鍵管理装置は、
鍵を保持するホルダを収納する複数の第1の収納部と、
利用者が鍵を使用するために前記複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理と、管理者が鍵を前記第2の鍵管理装置に移動するために前記複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理とを実行する第1の処理部と
を備える、鍵管理システム。
【請求項14】
前記第2の鍵管理装置は、
鍵を保持するホルダを収納する複数の第2の収納部と、
前記管理者が鍵を前記第1の鍵管理装置に移動するために前記複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を実行する第2の処理部と
を備える、請求項13に記載の鍵管理システム。
【請求項15】
前記第2の処理部は、前記利用者が鍵を使用するために前記複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を更に実行する、請求項14に記載の鍵管理システム。
【請求項16】
複数の前記第1の鍵管理装置を含み、
前記第2の処理部は、前記管理者が鍵を複数の前記第1の鍵管理装置のうちの指定された鍵管理装置に移動するために前記複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を実行する、請求項14に記載の鍵管理システム。
【請求項17】
前記第1の鍵管理装置は、前記複数の第1の収納部をそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部を更に備え、
前記第2の鍵管理装置は、前記複数の第2の収納部をそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部を備えない、請求項14に記載の鍵管理システム。
【請求項18】
コンピュータが、利用者が鍵を使用するために、鍵を保持するホルダを収納する複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために当該複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行するステップと、
コンピュータが、前記第1の処理の履歴と、前記第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶するステップと
を含む、鍵管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵管理装置、鍵管理システム、及び鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1の鍵管理装置又は端末装置において入力されたキーホルダの取り出し元及び返却先の情報を返却先情報として管理装置に通知し、管理装置では返却先の第2の鍵管理装置の収容部に空きがあって返却可能かどうかを判定し、返却可能ならば返却先情報を第2の鍵管理装置に通知する、鍵管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者が鍵を使用するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理は実行するが、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理は実行しない構成を採用した場合、これらの処理に応じた適切な制御を行うことはできない。
【0005】
本発明の目的は、利用者が鍵を使用するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理とに応じた適切な制御を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、鍵を保持するホルダを収納する複数の収納部と、利用者が鍵を使用するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行する処理部と、第1の処理の履歴と、第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶する記憶部とを備える、鍵管理装置を提供する。
第1の処理により抜き取られたホルダの戻し入れ先は、自装置に設定されており、第2の処理により抜き取られたホルダの戻し入れ先は、他の鍵管理装置に設定されていてよい。
処理部は、第1の処理により抜き取られたホルダを複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第3の処理と、他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第4の処理とを更に実行し、記憶部は、第3の処理の履歴と、第4の処理の履歴とを、区別可能に更に記憶する、ものであってよい。その場合、処理部は、第3の処理により戻し入れされたホルダについて第1の処理を実行不可とし、かつその後所定の操作が行われると第1の処理を実行可能とする、ものであってよい。また、その場合、所定の操作は、管理者が鍵を使用する対象物のメンテナンスのためにホルダを抜き取り、抜き取られたホルダを戻し入れる操作であってよい。
鍵管理装置は、複数の収納部をそれぞれ含む複数の空間の何れかをそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部を更に備え、記憶部は、複数の開閉部のそれぞれが閉鎖状態にする空間における利用者の所有物の有無を示す所有物情報を記憶する、ものであってよい。
その場合、記憶部は、利用者がホルダを抜き取る際に入力した所有物情報を記憶する、ものであってよい。
また、鍵管理装置は、空間内に所有物が収納されているか否かを検知する検知部を更に備え、記憶部は、検知部の検知結果に基づいて取得された所有物情報を記憶する、ものであってよい。
更に、処理部は、複数の収納部のうち第1の処理によりホルダが抜き取られた特定の収納部に他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを戻し入れ可能とする第4の処理を、特定の収納部を含む開閉部により閉鎖状態にされる空間に所有物がなければ実行し、空間に所有物があれば実行しない、ものであってよい。
更にまた、処理部は、管理者が所有物を使用するために開閉部を開放可能とする第5の処理と、管理者が所有物を返却するために開閉部を開放可能とする第6の処理とを実行する、ものであってよい。その場合、処理部は、管理者が入力した所有物の使用目的が所定の条件を満たす場合に、第5の処理を実行する、ものであってよい。また、鍵管理装置は、第5の処理を実行した場合に、その旨を利用者に報知する報知部を更に備える、ものであってよい。
【0007】
また、本発明は、第1の鍵管理装置と、第2の鍵管理装置とを含み、第1の鍵管理装置は、鍵を保持するホルダを収納する複数の第1の収納部と、利用者が鍵を使用するために複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理と、管理者が鍵を第2の鍵管理装置に移動するために複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理とを実行する第1の処理部とを備える、鍵管理システムも提供する。
第2の鍵管理装置は、鍵を保持するホルダを収納する複数の第2の収納部と、管理者が鍵を第1の鍵管理装置に移動するために複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を実行する第2の処理部とを備える、ものであってよい。その場合、第2の処理部は、利用者が鍵を使用するために複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を更に実行する、ものであってよい。また、鍵管理システムは、複数の第1の鍵管理装置を含み、第2の処理部は、管理者が鍵を複数の第1の鍵管理装置のうちの指定された鍵管理装置に移動するために複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を実行する、ものであってよい。更に、第1の鍵管理装置は、複数の第1の収納部をそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部を更に備え、第2の鍵管理装置は、複数の第2の収納部をそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部を備えない、ものであってよい。
【0008】
更に、本発明は、コンピュータが、利用者が鍵を使用するために、鍵を保持するホルダを収納する複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行するステップと、コンピュータが、第1の処理の履歴と、第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶するステップとを含む、鍵管理方法も提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者が鍵を使用するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために収納部からホルダを抜き取り可能とする処理とに応じた適切な制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態における鍵管理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施の形態における第1鍵管理装置の外観構成例を示す図である。
【
図3】本実施の形態における第2鍵管理装置の外観構成例を示す図である。
【
図4】本実施の形態で用いるホルダ及び鍵の外観構成例を示す図である。
【
図5】本実施の形態における第1鍵管理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図6】本実施の形態における第1収納情報の一例を示した図である。
【
図7】本実施の形態における第2鍵管理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図8】本実施の形態における第2収納情報の一例を示した図である。
【
図9】利用者が鍵を借用可能とする処理が特定された場合の第1鍵管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図10】管理者が鍵を回収可能とする処理が特定された場合の第1鍵管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】利用者が鍵を返却可能とする処理が特定された場合の第1鍵管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】管理者が鍵を装填可能とする処理が特定された場合の第1鍵管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図13】管理者がマイカーキーを借用可能とする処理が特定された場合の第1鍵管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】管理者がマイカーキーを返却可能とする処理が特定された場合の第1鍵管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[鍵管理システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における鍵管理システム1の全体構成例を示す図である。鍵管理システム1は如何なる鍵を管理するものであってもよいが、以下では、建機レンタルサービスにおける建機の鍵を管理する場合を例にとって説明する。従って、本実施の形態において単に「鍵」というときは、建機の鍵を意味するものとする。
【0013】
図示するように、鍵管理システム1は、第1の鍵管理装置の一例としての第1鍵管理装置10aと、第2の鍵管理装置の一例としての第2鍵管理装置10bとを含む。
第1鍵管理装置10aは、建機の鍵を例えば夜間でも貸出可能なように建機レンタルサービスの事務所Fの屋外に設置された所謂屋外鍵管理装置である。第2鍵管理装置10bは、第1鍵管理装置10aでの貸出対象となっていない鍵を集中管理可能なように建機レンタルサービスの事務所F内に設置された所謂集中管理ボードである。尚、図には、第1鍵管理装置10aを1台のみ示しているが、第1鍵管理装置10aは1台の第2鍵管理装置10bに対して複数台設置されていてもよい。
【0014】
このように第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bの役割は異なるが、利用者は例えば昼間は第2鍵管理装置10bから鍵を借りることもできるので、第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bの機能は略同様である。即ち、第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bは、鍵を保持するホルダを着脱可能に収納する装置である。第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bは、管理者又は利用者によって操作される。管理者は、鍵を管理するユーザであり、例えば、建機レンタルサービスを提供する業者のスタッフである。利用者は、鍵を利用するユーザであり、例えば、建機レンタルサービスの提供を受ける顧客である。
【0015】
第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bは、利用者が鍵を使用するために収納部からホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために収納部からホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行する。ここで、「抜き取り」とは、ホルダが差し込まれる形状の収納部からホルダを抜いて取り出す操作に限定するものではなく、収納部からホルダを取り出す操作であれば如何なる操作であってもよい。第1の処理は、例えば、利用者が鍵を借用可能とする処理である。第2の処理は、例えば、管理者が鍵を回収可能とする処理である。第1鍵管理装置10aについて「回収」とは、当日予約されていない鍵を第2鍵管理装置10bに装填するために抜き取る操作であり、第2鍵管理装置10bについて「回収」とは、当日予約されている鍵を第1鍵管理装置10aに装填するために抜き取る操作である。
尚、第1の処理と第2の処理とは、第1の処理により抜き取られたホルダの戻し入れ先が自装置に設定されているのに対し、第2の処理により抜き取られたホルダの戻し入れ先が他の鍵管理装置に設定されている、という点でも区別可能である。
【0016】
また、第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bは、第1の処理により抜き取られたホルダを収納部に戻し入れ可能とする第3の処理と、他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを収納部に戻し入れ可能とする第4の処理とを実行する。ここで、「戻し入れ」とは、抜き取られた鍵を元に戻す操作である。但し、鍵を抜き取った鍵管理装置に戻すという意味だけでなく、鍵をシステム管理に戻すという意味においても、元に戻すという文言を用いている。第3の処理は、例えば、利用者が鍵を返却可能とする処理である。第4の処理は、例えば、管理者が鍵を装填可能とする処理である。第1鍵管理装置10aについて「装填」とは、第2鍵管理装置10bから回収された当日予約されている鍵を戻し入れる操作であり、第2鍵管理装置10bについて「装填」とは、第1鍵管理装置10aから回収された当日予約されていない鍵を戻し入れる操作である。
【0017】
ところで、建機レンタルサービスの顧客である利用者は、例えば夜間に利用者の所有車(以下、「マイカー」という)で建機レンタルサービスの事務所Fの駐車場まで来て、第1鍵管理装置10aから建機の鍵を借用し、建機に乗り換えることがある。その際、利用者は、建機の鍵を保持するホルダを抜き取った第1鍵管理装置10aの収納部の開閉部内の空間にマイカーの鍵(以下「マイカーキー」という)を収納しておくことがある。このような状況で、建機レンタルサービスの管理者が、業務上の都合によりこのマイカーキーを借用して利用者のマイカーを移動させる場合がある。この場合に、第1鍵管理装置10aは、管理者がマイカーキーを使用するために収納部の開閉部を開放可能とする第5の処理と、管理者がマイカーキーを返却するために収納部の開閉部を開放可能とする第6の処理とを実行する。つまり、第5の処理は、例えば、管理者がマイカーキーを借用可能とする処理である。第6の処理は、例えば、管理者がマイカーキーを返却可能とする処理である。マイカーキーは一般化して利用者の所有物としてもよいが、以下では、マイカーキーを例にとって説明する。
【0018】
[第1鍵管理装置の外観構成]
図2は、本実施の形態における第1鍵管理装置10aの外観構成例を示す図である。
図2に示すように、第1鍵管理装置10aには、その前面に、親扉21aが開閉可能に設けられ、親扉21aにて開閉される鍵収納部23aが設けられている。また、第1鍵管理装置10aは、その前面に、表示操作部25aと、カードリーダ26aと、読取部27aとを有する。更に、第1鍵管理装置10aは、収納ボックス29aを有する。
【0019】
鍵収納部23aには、その前面に、複数の子扉22aが開閉可能に設けられ、それぞれが対応する子扉22aにて開閉される複数の個別収納部24aが設けられている。個別収納部24aは、鍵を保持するホルダ31を着脱可能に収納する。
本実施の形態では、鍵を保持するホルダを収納する複数の収納部の一例として、また、鍵を保持するホルダを収納する複数の第1の収納部の一例として、複数の個別収納部24aを設けている。
また、本実施の形態では、複数の収納部をそれぞれ含む複数の空間の何れかをそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部の一例として、また、複数の第1の収納部をそれぞれが閉鎖状態にする複数の開閉部の一例として、複数の子扉22aを設けている。
【0020】
各個別収納部24aには、ホルダ31の取り出しを許可又は禁止できるように錠機構241aが設けられている。第1鍵管理装置10aは、各個別収納部24aに対する錠機構241aを制御することによって、各ホルダ31の抜き取りの許可又は禁止を制御する。また、各個別収納部24aに対応する子扉22aの前面には、発光部242aも設けられている。発光部242aは、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。更に、各個別収納部24aに対応する子扉22a内の空間には、読取部243aと、カメラ244aとが設けられている。読取部243aは、例えばRFID(Radio Frequency IDentifier)リーダであり、カメラ244aは、子扉22a内の空間を撮像する撮像装置である。
【0021】
表示操作部25aは、例えばタッチパネルディスプレイであり、ユーザによる操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。
カードリーダ26aは、ユーザが携帯するカードから情報を読み取る読取装置である。カードとしては、例えば、磁気カード、IC(Integrated Circuit)カード等が例示される。ユーザがカードリーダ26aにカードを通すと、カードリーダ26aは、カードからユーザIDを読み取り、読み取ったユーザIDに基づいてユーザ認証を行う。
読取部27aは、各種媒体から情報を読み取る読取装置である。例えば、読取部27aは、QRコード(登録商標)が表示された端末装置の表示画面又はQRコードが印刷された用紙からQRコードを読み取るQRコードリーダであってよい。或いは、読取部27aは、ホルダ31のICタグ34(後述)からRFIDを読み取るRFIDリーダであってもよい。
【0022】
収納ボックス29aは、種々の物品を収納可能なボックスである。収納する物品を投入する投入口については、図示を省略している。
【0023】
尚、
図2に示した構成要素はあくまで一例であり、第1鍵管理装置10aはこれら以外の構成要素を備えるものであってもよい。例えば、第1鍵管理装置10aはスピーカを備えてもよい。その場合は、表示操作部25aに警告を表示するのに代えて、スピーカからアラームを出力するようにしてもよい。
【0024】
[第2鍵管理装置の外観構成]
図3は、本実施の形態における第2鍵管理装置10bの外観構成例を示す図である。
図3に示すように、第2鍵管理装置10bには、その前面に、鍵収納部23bと、表示操作部25bとが設けられている。更に、第2鍵管理装置10bは、読取部27bを有する。
【0025】
鍵収納部23bには、複数の個別収納部24bが設けられている。個別収納部24bは、鍵を保持するホルダ31を着脱可能に収納する。
本実施の形態では、鍵を保持するホルダを収納する複数の収納部の一例として、また、鍵を保持するホルダを収納する複数の第2の収納部の一例として、複数の個別収納部24bを設けている。
【0026】
各個別収納部24bには、ホルダ31の取り出しを許可又は禁止できるように錠機構241bが設けられている。第2鍵管理装置10bは、各個別収納部24bに対する錠機構241bを制御することによって、各ホルダ31の抜き取りの許可又は禁止を制御する。また、各個別収納部24bには、発光部242bも設けられている。発光部242bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。更に、個別収納部24bには、読取部243bが設けられている。読取部243bは、例えばRFIDリーダである。
【0027】
表示操作部25bは、例えばタッチパネルディスプレイであり、ユーザによる操作を受け付けるとともに、各種情報を表示する。
読取部27bは、各種媒体から情報を読み取る読取装置である。例えば、読取部27bは、QRコード(登録商標)が表示された端末装置の表示画面又はQRコードが印刷された用紙からQRコードを読み取るQRコードリーダであってよい。或いは、読取部27bは、ホルダ31のICタグ34(後述)からRFIDを読み取るRFIDリーダであってもよい。
【0028】
尚、
図3に示した構成要素はあくまで一例であり、第2鍵管理装置10bはこれら以外の構成要素を備えるものであってもよい。例えば、第2鍵管理装置10bはスピーカを備えてもよい。その場合は、表示操作部25bに警告を表示するのに代えて、スピーカからアラームを出力するようにしてもよい。また、第2鍵管理装置10bはカードリーダを備えてもよい。
【0029】
[ホルダ及び鍵の構成]
図4は、本実施の形態で用いるホルダ31及び鍵33の外観構成例を示す図である。
図4に示すように、ホルダ31にはリング32で鍵33が連結されている。
ホルダ31には、ICタグ34が設けられている。ICタグ34は、例えばRFIDタグである。ICタグ34は、ホルダ31を識別する識別情報を有している。ホルダ31にICタグ34を設けるには、例えば、シールタイプのICタグ34をホルダ31に貼り付けてもよいし、ホルダ31内にICタグ34を埋め込んでもよい。
【0030】
[第1鍵管理装置の機能構成]
図5は、本実施の形態における第1鍵管理装置10aの機能構成例を示すブロック図である。図示するように、第1鍵管理装置10aは、制御部11aと、記憶部12aと、通信部13aと、親扉施錠機構141aと、子扉施錠機構142aと、錠機構241aと、発光部242aと、読取部243aと、カメラ244aと、表示操作部25aと、カードリーダ26aと、読取部27aとを含む。
【0031】
制御部11aは、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部12aに記憶された動作プログラムに従って、第1鍵管理装置10aの各部(通信部13a、親扉施錠機構141a、子扉施錠機構142a、錠機構241a、発光部242a、読取部243a、カメラ244a、表示操作部25a、カードリーダ26a、読取部27a等)を制御する。
記憶部12aは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、制御部11aの動作プログラムを記憶し、また、制御部11aの制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11aが後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13aは、図示しない予約システム、端末装置等との間でネットワークを介した情報通信を行う。
親扉施錠機構141aは、親扉21aを施錠する機構である。
子扉施錠機構142aは、子扉22aを施錠する機構である。
錠機構241a、発光部242a、読取部243a、カメラ244a、表示操作部25a、カードリーダ26a、及び読取部27aについては、既に
図2を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0032】
ここで、制御部11aの構成について具体的に説明する。制御部11aは、処理特定部111aと、錠機構制御部112aと、施解錠制御部113aと、発光制御部114aと、収納検知部115aと、判定部116aと、通信制御部117aと、表示制御部118aと、記憶制御部119aとを備える。
【0033】
処理特定部111aは、第1鍵管理装置10aが実行する処理と、その処理の対象となる個別収納部24aとを特定する。
【0034】
具体的には、処理特定部111aは、第1の処理から第6の処理の何れかを、第1鍵管理装置10aが実行する処理として特定する。第1の処理は、利用者が鍵を借用可能とする処理であり、第2の処理は、管理者が鍵を回収可能とする処理である。第3の処理は、利用者が鍵を返却可能とする処理であり、第4の処理は、管理者が鍵を装填可能とする処理である。第5の処理は、管理者がマイカーキーを借用可能とする処理であり、第6の処理は、管理者がマイカーキーを返却可能とする処理である。処理特定部111aは、読取部27aにより読み取られた情報に基づいて処理を特定してもよいし、表示操作部25aから入力された情報に基づいて処理を特定してもよい。或いは、図示しないが、ユーザ認証部を設け、処理特定部111aは、ユーザ認証部が認証したユーザに応じて、処理を切り替えてもよい。
【0035】
また、処理特定部111aは、特定した処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号を取得する。
【0036】
処理特定部111aは、当日利用者が予約している鍵を保持するホルダ31が装填された個別収納部24aの収納部番号を、利用者が鍵を借用可能とする処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得する。例えば、利用者が鍵を予約すると、鍵を保持するホルダ31に付されたRFIDを含むQRコードが発行される。これにより、利用者がこのQRコードが表示された端末装置の表示画面又はこのQRコードが印刷された用紙を読取部27aに翳すと、読取部27aがQRコードを読み取り、処理特定部111aが、QRコードからRFIDを取り出す。そして、処理特定部111aは、ホルダ31の装填時に記憶された収納部番号とRFIDとの対応情報から、RFIDに対応する収納部番号を取得するとよい。
【0037】
処理特定部111aは、当日予約されていない鍵を保持するホルダ31が装填されている個別収納部24aの収納部番号を、管理者が鍵を回収可能とする処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111aは、図示しない予約情報に基づいて当日予約されていない鍵を保持するホルダ31のRFIDを特定し、収納部番号とRFIDとの対応情報においてこのRFIDが対応付けられている収納部番号を取得するとよい。
【0038】
処理特定部111aは、当日ホルダ31が装填されることが予定されていない個別収納部24aの収納部番号を、利用者が鍵を返却可能とする処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111aは、収納部番号とRFIDとの対応情報においてRFIDが対応付けられていない任意の収納部番号を取得するとよい。或いは、処理特定部111aは、借用の場合と同様に、読取部27aにより読み取られた情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号を取得してもよい。
【0039】
処理特定部111aは、当日ホルダ31が装填されることが予定されていない個別収納部24aの収納部番号を、管理者が鍵を装填可能とする処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111aは、収納部番号とRFIDとの対応情報においてRFIDが対応付けられていない任意の収納部番号を取得するとよい。
尚、上述したように、利用者は、建機の鍵を保持するホルダ31を抜き取った個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーを収納しておくことがある。従って、処理特定部111aは、個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていなければ、この個別収納部24aの収納部番号を、処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得するようにしてよい。また、処理特定部111aは、個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていれば、この個別収納部24aの収納部番号を、処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得しないようにしてよい。
本実施の形態では、複数の収納部のうち第1の処理によりホルダが抜き取られた特定の収納部に他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを戻し入れ可能とする第4の処理を、特定の収納部を含む開閉部により閉鎖状態にされる空間に所有物がなければ実行し、その空間に所有物があれば実行しない処理部の一例として、処理特定部111aを設けている。
【0040】
処理特定部111aは、借用したいマイカーキーが子扉22a内の空間に収納されている個別収納部24aの収納部番号を、管理者がマイカーキーを借用可能とする処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111aは、マイカーのナンバーに紐付けられた建機の予約情報に基づいて、建機の鍵を保持するホルダ31のRFIDを取得する。そして、処理特定部111aは、このRFIDに基づいて、マイカーキーが子扉22a内の空間に収納されている個別収納部24aの収納部番号を取得するとよい。
【0041】
処理特定部111aは、返却したいマイカーキーが子扉22a内の空間に収納されていた個別収納部24aの収納部番号を、管理者がマイカーキーを返却可能とする処理の対象となる個別収納部24aの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111aは、マイカーのナンバーに紐付けられた建機の予約情報に基づいて、建機の鍵を保持するホルダ31のRFIDを取得する。そして、処理特定部111aは、このRFIDに基づいて、マイカーキーが子扉22a内の空間に収納されていた個別収納部24aの収納部番号を取得するとよい。
【0042】
錠機構制御部112aは、個別収納部24aからのホルダ31の抜き取りを禁止又は許可するように錠機構241aを制御する。
【0043】
具体的には、錠機構制御部112aは、第1鍵管理装置10aが、利用者が鍵を借用可能とする処理又は管理者が鍵を回収可能とする処理を実行する際に、個別収納部24aからのホルダ31の抜き取りを許可するように錠機構241aを制御する。
本実施の形態では、利用者が鍵を使用するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行する処理部の一例として、錠機構制御部112aを設けている。
また、本実施の形態では、利用者が鍵を使用するために複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理と、管理者が鍵を第2の鍵管理装置に移動するために複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理とを実行する第1の処理部の一例として、錠機構制御部112aを設けている。
【0044】
特に、錠機構制御部112aは、鍵を保持するホルダ31が個別収納部24aに返却された後、所定の操作が行われるまで、個別収納部24aからのそのホルダ31の抜き取りを禁止するように錠機構241aを制御する。所定の操作としては、管理者が建機のメンテナンスのためにホルダ31を抜き取り、抜き取られたホルダ31を戻し入れる操作が例示される。これは、本実施の形態で想定するような建機レンタルサービスでは、建機使用時に事故が起きないように、建機の鍵が返却されると建機のメンテナンスを行う必要があるからである。従って、錠機構制御部112aは、鍵を保持するホルダ31が個別収納部24aに返却された後、その鍵に対応する建機のメンテナンスが終了すると、個別収納部24aからのそのホルダ31の抜き取りを許可するように錠機構241aを制御する。
本実施の形態では、第3の処理により戻し入れされたホルダについて第1の処理を実行不可とし、かつその後所定の操作が行われると第1の処理を実行可能とする処理部の一例として、錠機構制御部112aを設けている。
【0045】
施解錠制御部113aは、処理特定部111aが個別収納部24aを特定すると、親扉21aを解錠するように親扉施錠機構141aを制御し、その個別収納部24aの子扉22aを解錠するように子扉施錠機構142aを制御する。そして、施解錠制御部113aは、その個別収納部24aから鍵が借用、回収されたり、その個別収納部24aに鍵が返却、装填されたりすると、その個別収納部24aの子扉22aを施錠するように子扉施錠機構142aを制御し、親扉21aを施錠するように親扉施錠機構141aを制御する。
【0046】
特に、施解錠制御部113aは、利用者のマイカーキーが個別収納部24aの子扉22a内の空間に収納されている場合に、管理者がそのマイカーキーを使用可能とするために、個別収納部24aの子扉22aを解錠するように子扉施錠機構142aを制御する。また、施解錠制御部113aは、管理者がそのマイカーキーを返却可能とするために、個別収納部24aの子扉22aを解錠するように子扉施錠機構142aを制御する。
本実施の形態では、管理者が所有物を使用するために開閉部を開放可能とする第5の処理と、管理者が所有物を返却するために開閉部を開放可能とする第6の処理とを実行する処理部の一例として、施解錠制御部113aを設けている。
【0047】
また、施解錠制御部113aは、管理者が表示操作部25aから入力したマイカーキーの使用目的が条件を満たすと判定部116aにより判定された場合に、個別収納部24aの子扉22aを解錠するように子扉施錠機構142aを制御する。ここで、条件としては、業務上の都合により利用者のマイカーを移動させるために使用するという条件が例示される。
本実施の形態では、利用者の所有物の一例として、マイカーキーを用いており、所定の条件の一例として、業務上の都合により利用者のマイカーを移動させるために使用するという条件を用いている。
また、本実施の形態では、管理者が入力した所有物の使用目的が所定の条件を満たす場合に、第5の処理を実行する処理部の一例として、施解錠制御部113aを設けている。
【0048】
発光制御部114aは、錠機構制御部112aが個別収納部24aからのホルダ31の抜き取りを許可し、施解錠制御部113aが個別収納部24aに対応する子扉22aを解錠すると、その子扉22aに設けられた発光部242aを点灯するように制御する。また、発光制御部114aは、個別収納部24aからホルダ31が抜き取られ、施解錠制御部113aが個別収納部24aに対応する子扉22aを施錠すると、その子扉22aに設けられた発光部242aを消灯するように制御する。
【0049】
収納検知部115aは、ホルダ31の個別収納部24aからの抜き取り又はホルダ31の個別収納部24aへの戻し入れを検知する。
【0050】
判定部116aは、次の2つの判定を行う。
第1の判定は、管理者によるマイカーキーの使用目的が条件を満たしているかどうかの判定である。判定部116aは、例えば、管理者が表示操作部25aから入力した情報に基づいて、この第1の判定を行うとよい。
第2の判定は、個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーがあるかどうかの判定である。判定部116aは、カメラ244aが撮影した画像に基づいて、この第2の判定を行ってよい。この場合、カメラ244aは、複数の開閉部のそれぞれが閉鎖状態にする空間内に所有物が収納されているか否かを検知する検知部の一例である。また、判定部116aは、利用者が表示操作部25aから入力した情報に基づいて、この第2の判定を行ってもよい。或いは、利用者が鍵を予約する際に、個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーを収納する予定であることを入力しておき、判定部116aは、この入力された情報に基づいて、第2の判定を行ってもよい。
【0051】
通信制御部117aは、通信部13aを介して、図示しない予約システムから情報を受信したり、図示しない端末装置へ情報を送信したりする。
特に、通信制御部117aは、管理者がマイカーキーを借用可能とする処理が特定され、施解錠制御部113aがそのマイカーキーが収納された個別収納部24aの子扉22aを解錠した場合に、その旨の情報を、マイカーキーを所有する利用者の端末装置に報知する。尚、このとき報知される情報には、例えば、「お車を○○に移動しました」といったメッセージが含まれていてもよい。
本実施の形態では、第5の処理を実行した場合に、その旨を利用者に報知する報知部の一例として、通信制御部117aを設けている。
【0052】
表示制御部118aは、表示操作部25aに対する情報の表示を制御する。
特に、表示制御部118aは、鍵を貸し出す際に、利用者に対し、アルコールを摂取していないか確認したり、燃料を満タンにして返却するように通知したりするように、表示操作部25aを制御してよい。
また、表示制御部118aは、鍵の返却を受ける際に、利用者に対し、事故や給油の有無を確認するように、表示操作部25aを制御してもよい。
【0053】
記憶制御部119aは、記憶部12aに対するデータの書き込み及び記憶部12aからのデータの読み出しを制御する。
【0054】
具体的には、記憶制御部119aは、ホルダ31が個別収納部24aに戻し入れされると、個別収納部24aの収納部番号と、読取部243aがホルダ31から読み取ったRFIDとの対応情報を、記憶部12aに記憶するように制御する。ホルダ31は、どの個別収納部24aにも物理的には収納できるので、このような対応情報を記憶することをもって、戻し入れの処理は完了するものとする。ここで、戻し入れされるホルダ31は、鍵の借用のために自装置から抜き取られたホルダ31であってもよいし、鍵の回収のために第2鍵管理装置10bから抜き取られたホルダ31であってもよい。
本実施の形態では、第1の処理により抜き取られたホルダを複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第3の処理と、他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第4の処理とを実行する処理部の一例として、記憶制御部119aを設けている。
【0055】
また、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された対応情報におけるホルダ31のRFIDに対して、そのホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了したかどうかを示すメンテナンスフラグを、記憶部12aに記憶するように制御する。例えば、記憶制御部119aは、管理者が表示操作部25aから入力した情報が、建機のメンテナンスが終了したことを示す場合に、その旨を示すメンテナンスフラグを記憶するように制御するとよい。
更に、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された対応情報における個別収納部24aの収納部番号に対して、その個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されているかどうかを示すマイカーキーフラグを、記憶部12aに記憶するように制御する。例えば、記憶制御部119aは、利用者が表示操作部25aから入力した情報又はカメラ244aが撮影した画像が、個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていることを示す場合に、その旨を示すマイカーキーフラグを記憶するように制御するとよい。
【0056】
また、記憶制御部119aは、利用者が鍵を借用可能とする処理又は管理者が鍵を回収可能とする処理を行った場合、これらの処理の履歴を区別して、記憶部12aに記憶するように制御する。
更に、記憶制御部119aは、利用者が鍵を返却可能とする処理又は管理者が鍵を装填可能とする処理を行った場合、これらの処理の履歴を区別して、記憶部12aに記憶するように制御する。
【0057】
次に、記憶部12aが記憶する情報について具体的に説明する。
記憶部12aは、記憶制御部119aの制御により、個別収納部24aの収納部番号と、個別収納部24aに収納されたホルダ31に付されたRFIDとの対応情報である第1収納情報121aを記憶する。そして、記憶部12aは、この第1収納情報121aにおいて、RFIDに対しメンテナンスフラグを、収納部番号に対しマイカーキーフラグを記憶する。ここで、メンテナンスフラグは、例えば、管理者が表示操作部25aから入力した情報に基づいて設定されたものであってよい。また、マイカーキーフラグは、例えば、利用者が表示操作部25aから入力した情報又はカメラ244aが撮影した画像に基づいて設定されたものであってよい。
本実施の形態では、複数の開閉部のそれぞれが閉鎖状態にする空間における利用者の所有物の有無を示す所有物情報を記憶する記憶部の一例として、記憶部12aを設けている。
また、本実施の形態では、利用者がホルダを抜き取る際に入力した所有物情報を記憶する記憶部の一例として、また、検知部の検知結果に基づいて取得された所有物情報を記憶する記憶部の一例として、記憶部12aを設けている。
【0058】
記憶部12aは、記憶制御部119aの制御により、利用者が鍵を借用可能とする処理の処理履歴と、管理者が鍵を回収可能とする処理の処理履歴とを、区別可能に記憶する。
また、記憶部12aは、記憶制御部119aの制御により、利用者が鍵を返却可能とする処理の処理履歴と、管理者が鍵を装填可能とする処理の処理履歴とを、区別可能に記憶する。
本実施の形態では、第1の処理の履歴と、第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶する記憶部の一例として、記憶部12aを設けている。
また、本実施の形態では、第3の処理の履歴と、第4の処理の履歴とを、区別可能に更に記憶する記憶部の一例として、記憶部12aを設けている。
【0059】
[第1収納情報の具体的内容]
図6は、第1収納情報121aの一例を示した図である。図示するように、第1収納情報121aは、収納部番号と、RFIDと、メンテナンスフラグと、マイカーキーフラグとを対応付けたものとなっている。
【0060】
収納部番号は、第1鍵管理装置10aの個別収納部24aの番号である。
RFIDは、対応する個別収納部24aに収納されたホルダ31の識別情報である。
メンテナンスフラグは、対応するRFIDのホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了したかどうかを示すフラグである。メンテナンスフラグ「ON」は建機のメンテナンスが終了していることを示し、メンテナンスフラグ「OFF」は建機のメンテナンスが終了していないことを示す。
マイカーキーフラグは、対応する収納部番号の個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されているかどうかを示すフラグである。マイカーキーフラグ「ON」はマイカーキーが収納されていることを示し、マイカーキーフラグ「OFF」はマイカーキーが収納されていないことを示す。
【0061】
図には、RFID「12345678」のホルダ31が収納部番号「S01」の個別収納部24aに収納され、このホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了していることが示されている。尚、RFID「12345678」のホルダ31は貸し出されておらず、マイカーキーが個別収納部24aの子扉22a内の空間に収納されていることは考え難いので、マイカーキーフラグは「OFF」となっている。
また、図には、RFID「23456789」のホルダ31が収納部番号「S02」の個別収納部24aに収納され、このホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了していないことが示されている。この場合も、上記と同様の理由により、マイカーキーフラグは「OFF」となっている。
更に、図には、収納部番号「S03」の個別収納部24a及び収納部番号「S04」の個別収納部24aにはホルダ31が収納されていないことが示されている。そして、収納部番号「S03」の個別収納部24aの子扉22a内の空間にはマイカーキーが収納されており、収納部番号「S04」の個別収納部24aの子扉22a内の空間にはマイカーキーが収納されていないことが示されている。
【0062】
[第2鍵管理装置の機能構成]
図7は、本実施の形態における第2鍵管理装置10bの機能構成例を示すブロック図である。図示するように、第2鍵管理装置10bは、制御部11bと、記憶部12bと、通信部13bと、錠機構241bと、発光部242bと、読取部243bと、表示操作部25bと、読取部27bとを含む。
【0063】
制御部11bは、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路を備え、記憶部12bに記憶された動作プログラムに従って、第2鍵管理装置10bの各部(通信部13b、錠機構241b、発光部242b、読取部243b、表示操作部25b、読取部27b等)を制御する。
記憶部12bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、制御部11bの動作プログラムを記憶し、また、制御部11bの制御処理の際にワーク領域として利用される。動作プログラムには、制御部11bが後述する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部13bは、図示しない予約システム等との間でネットワークを介した情報通信を行う。
錠機構241b、発光部242b、読取部243b、表示操作部25b、及び読取部27bについては、既に
図3を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
【0064】
ここで、制御部11bの構成について具体的に説明する。制御部11bは、処理特定部111bと、錠機構制御部112bと、発光制御部114bと、収納検知部115bと、通信制御部117bと、表示制御部118bと、記憶制御部119bとを備える。
【0065】
処理特定部111bは、第2鍵管理装置10bが実行する処理と、その処理の対象となる個別収納部24bとを特定する。
【0066】
具体的には、処理特定部111bは、第1の処理から第4の処理の何れかを、第2鍵管理装置10bが実行する処理として特定する。第1の処理は、利用者が鍵を借用可能とする処理であり、第2の処理は、管理者が鍵を回収可能とする処理である。第3の処理は、利用者が鍵を返却可能とする処理であり、第4の処理は、管理者が鍵を装填可能とする処理である。処理特定部111bは、読取部27bにより読み取られた情報に基づいて処理を特定してもよいし、表示操作部25bから入力された情報に基づいて処理を特定してもよい。或いは、図示しないが、ユーザ認証部を設け、処理特定部111bは、ユーザ認証部が認証したユーザに応じて、処理を切り替えてもよい。
【0067】
また、処理特定部111bは、特定した処理の対象となる個別収納部24bの収納部番号を取得する。
【0068】
処理特定部111bは、当日利用者が予約している鍵を保持するホルダ31が装填された個別収納部24bの収納部番号を、利用者が鍵を借用可能とする処理の対象となる個別収納部24bの収納部番号として取得する。例えば、利用者が鍵を予約すると、鍵を保持するホルダ31に付されたRFIDを含むQRコードが発行される。これにより、利用者がこのQRコードが表示された端末装置の表示画面又はこのQRコードが印刷された用紙を読取部27bに翳すと、読取部27bがQRコードを読み取り、処理特定部111bが、QRコードからRFIDを取り出す。そして、処理特定部111bは、ホルダ31の装填時に記憶された収納部番号とRFIDとの対応情報から、RFIDに対応する収納部番号を取得するとよい。
【0069】
処理特定部111bは、当日予約されている鍵を保持するホルダ31が収納されている個別収納部24bの収納部番号を、管理者が鍵を回収可能とする処理の対象となる個別収納部24bの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111bは、図示しない予約情報に基づいて当日予約されている鍵を保持するホルダ31のRFIDを特定し、収納部番号とRFIDとの対応情報においてこのRFIDが対応付けられている収納部番号を取得するとよい。
【0070】
処理特定部111bは、当日ホルダ31が装填されることが予定されていない個別収納部24bの収納部番号を、利用者が鍵を返却可能とする処理の対象となる個別収納部24bの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111bは、収納部番号とRFIDとの対応情報においてRFIDが対応付けられていない任意の収納部番号を取得するとよい。或いは、処理特定部111bは、借用の場合と同様に、読取部27bにより読み取られた情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24bの収納部番号を取得してもよい。
【0071】
処理特定部111bは、当日ホルダ31が装填されることが予定されていない個別収納部24bの収納部番号を、管理者が鍵を装填可能とする処理の対象となる個別収納部24bの収納部番号として取得する。例えば、処理特定部111bは、収納部番号とRFIDとの対応情報においてRFIDが対応付けられていない任意の収納部番号を取得するとよい。
【0072】
尚、ここでは、ホルダ31が収納される個別収納部24bを固定しないものとしたが、ホルダ31が収納される個別収納部24bを固定する運用も考えられる。その場合、処理特定部111bは、その固定された個別収納部24bとホルダ31との対応情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24bを特定するとよい。
【0073】
錠機構制御部112bは、個別収納部24bからのホルダ31の抜き取りを禁止又は許可するように錠機構241bを制御する。
【0074】
具体的には、錠機構制御部112bは、第2鍵管理装置10bが、利用者が鍵を借用可能とする処理又は管理者が鍵を回収可能とする処理を実行する際に、個別収納部24bからのホルダ31の抜き取りを許可するように錠機構241bを制御する。尚、第1鍵管理装置10aが複数台設置されている場合に、管理者が鍵を回収可能とする処理では、装填先の第1鍵管理装置10aが指定されてもよい。
本実施の形態では、利用者が鍵を使用するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が鍵を他の鍵管理装置に移動するために複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行する処理部の一例として、錠機構制御部112bを設けている。
また、本実施の形態では、利用者が鍵を使用するために複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を実行する第2の処理部の一例として、また、管理者が鍵を第1の鍵管理装置に移動するために複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を実行する第2の処理部の一例として、錠機構制御部112bを設けている。
更に、本実施の形態では、管理者が鍵を複数の第1の鍵管理装置のうちの指定された鍵管理装置に移動するために複数の第2の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理を実行する第2の処理部の一例として、錠機構制御部112bを設けている。
【0075】
特に、錠機構制御部112bは、鍵を保持するホルダ31が個別収納部24bに返却された後、所定の操作が行われるまで、個別収納部24bからのそのホルダ31の抜き取りを禁止するように錠機構241bを制御する。所定の操作としては、管理者が建機のメンテナンスのためにホルダ31を抜き取り、抜き取られたホルダ31を戻し入れる操作が例示される。これは、本実施の形態で想定するような建機レンタルサービスでは、建機使用時に事故が起きないように、建機の鍵が返却されると建機のメンテナンスを行う必要があるからである。従って、錠機構制御部112bは、鍵を保持するホルダ31が個別収納部24bに返却された後、その鍵に対応する建機のメンテナンスが終了すると、個別収納部24bからのそのホルダ31の抜き取りを許可するように錠機構241bを制御する。
本実施の形態では、第3の処理により戻し入れされたホルダについて第1の処理を実行不可とし、かつその後所定の操作が行われると第1の処理を実行可能とする処理部の一例として、錠機構制御部112bを設けている。
【0076】
発光制御部114bは、錠機構制御部112bが個別収納部24bからのホルダ31の抜き取りを許可すると、その個別収納部24bに設けられた発光部242bを点灯するように制御する。また、発光制御部114bは、個別収納部24bからホルダ31が抜き取られると、その個別収納部24bに設けられた発光部242bを消灯するように制御する。
【0077】
収納検知部115bは、ホルダ31の個別収納部24bからの抜き取り又はホルダ31の個別収納部24bへの戻し入れを検知する。
【0078】
通信制御部117bは、通信部13bを介して、図示しない予約システムから情報を受信する。
【0079】
表示制御部118bは、表示操作部25bに対する情報の表示を制御する。
特に、表示制御部118bは、鍵を貸し出す際に、利用者に対し、アルコールを摂取していないか確認したり、燃料を満タンにして返却するように通知したりするように、表示操作部25bを制御してよい。
また、表示制御部118bは、鍵の返却を受ける際に、利用者に対し、事故や給油の有無を確認するように、表示操作部25bを制御してもよい。
【0080】
記憶制御部119bは、記憶部12bに対するデータの書き込み及び記憶部12bからのデータの読み出しを制御する。
【0081】
具体的には、記憶制御部119bは、ホルダ31が個別収納部24bに戻し入れされると、個別収納部24bの収納部番号と、読取部243bがホルダ31から読み取ったRFIDとの対応情報を、記憶部12bに記憶するように制御する。ホルダ31は、どの個別収納部24bにも物理的には収納できるので、このような対応情報を記憶することをもって、戻し入れの処理は完了するものとする。ここで、戻し入れされるホルダ31は、鍵の借用のために自装置から抜き取られたホルダ31であってもよいし、鍵の回収のために第1鍵管理装置10aから抜き取られたホルダ31であってもよい。
本実施の形態では、第1の処理により抜き取られたホルダを複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第3の処理と、他の鍵管理装置から抜き取られたホルダを複数の収納部の何れかに戻し入れ可能とする第4の処理とを実行する処理部の一例として、記憶制御部119bを設けている。
【0082】
また、記憶制御部119bは、記憶部12bに記憶された対応情報におけるホルダ31のRFIDに対して、そのホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了したかどうかを示すメンテナンスフラグを、記憶部12bに記憶するように制御する。例えば、記憶制御部119bは、管理者が表示操作部25bから入力した情報が、建機のメンテナンスが終了したことを示す場合に、その旨を示すメンテナンスフラグを記憶するように制御するとよい。
【0083】
また、記憶制御部119bは、利用者が鍵を借用可能とする処理又は管理者が鍵を回収可能とする処理を行った場合、これらの処理の履歴を区別して、記憶部12bに記憶するように制御する。
更に、記憶制御部119bは、利用者が鍵を返却可能とする処理又は管理者が鍵を装填可能とする処理を行った場合、これらの処理の履歴を区別して、記憶部12bに記憶するように制御する。
【0084】
次に、記憶部12bが記憶する情報について具体的に説明する。
記憶部12bは、記憶制御部119bの制御により、個別収納部24bの収納部番号と、個別収納部24bに収納されたホルダ31に付されたRFIDとの対応情報である第2収納情報121bを記憶する。そして、記憶部12bは、この第2収納情報121bにおいて、RFIDに対しメンテナンスフラグを記憶する。ここで、メンテナンスフラグは、例えば、管理者が表示操作部25bから入力した情報に基づいて設定されたものであってよい。
【0085】
記憶部12bは、記憶制御部119bの制御により、利用者が鍵を借用可能とする処理の処理履歴と、管理者が鍵を回収可能とする処理の処理履歴とを、区別可能に記憶する。
また、記憶部12bは、記憶制御部119bの制御により、利用者が鍵を返却可能とする処理の処理履歴と、管理者が鍵を装填可能とする処理の処理履歴とを、区別可能に記憶する。
本実施の形態では、第1の処理の履歴と、第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶する記憶部の一例として、記憶部12bを設けている。
また、本実施の形態では、第3の処理の履歴と、第4の処理の履歴とを、区別可能に更に記憶する記憶部の一例として、記憶部12bを設けている。
【0086】
[第2収納情報の具体的内容]
図8は、第2収納情報121bの一例を示した図である。図示するように、第2収納情報121bは、収納部番号と、RFIDと、メンテナンスフラグとを対応付けたものとなっている。
【0087】
収納部番号は、第2鍵管理装置10bの個別収納部24bの番号である。
RFIDは、対応する個別収納部24bに収納されたホルダ31の識別情報である。
メンテナンスフラグは、対応するRFIDのホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了したかどうかを示すフラグである。メンテナンスフラグ「ON」は建機のメンテナンスが終了していることを示し、メンテナンスフラグ「OFF」は建機のメンテナンスが終了していないことを示す。
【0088】
図には、RFID「12345678」のホルダ31が収納部番号「S01」の個別収納部24bに収納され、このホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了していることが示されている。
また、図には、RFID「23456789」のホルダ31が収納部番号「S02」の個別収納部24bに収納され、このホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了していないことが示されている。
更に、図には、収納部番号「S03」の個別収納部24b及び収納部番号「S04」の個別収納部24bにはホルダ31が収納されていないことが示されている。
【0089】
[第1鍵管理装置の動作]
第1鍵管理装置10aでは、まず、処理特定部111aが、第1鍵管理装置10aが行う処理を特定する。ここで特定される処理には、利用者が鍵を借用可能とする処理、管理者が鍵を回収可能とする処理、利用者が鍵を返却可能とする処理、管理者が鍵を装填可能とする処理、管理者がマイカーキーを借用可能とする処理、管理者がマイカーキーを返却可能とする処理がある。処理特定部111aは、例えば、読取部27aにより読み取られた情報又は表示操作部25aから入力された情報に基づいて処理を特定するとよい。
尚、以下では、親扉21aは既に解錠されているものとして説明する。
【0090】
まず、処理特定部111aが、利用者が鍵を借用可能とする処理を特定した場合について説明する。
図9は、この場合の第1鍵管理装置10aの制御部11aの動作例を示すフローチャートである。
【0091】
図示するように、制御部11aでは、まず、処理特定部111aが、利用者が鍵を借用可能とする処理の対象となる個別収納部24aを特定する(ステップ401)。処理特定部111aは、例えば、読取部27aにより読み取られた情報又は表示操作部25aから入力された情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24aを特定するとよい。
【0092】
次に、記憶制御部119aが、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aを参照して、ステップ401で特定された個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたメンテナンスフラグが「ON」であるかどうかを判定する(ステップ402)。
メンテナンスフラグが「OFF」であると判定されれば、この個別収納部24aに収納されたホルダ31が保持する鍵で施解錠される建機のメンテナンスは終了していないので、利用者はこの鍵を借用することはできない。従って、制御部11aは、処理を終了する。
メンテナンスフラグが「ON」であると判定されれば、この個別収納部24aに収納されたホルダ31が保持する鍵で施解錠される建機のメンテナンスが終了しているので、利用者はこの鍵を借用することができる。従って、制御部11aは、以降の処理を続ける。
【0093】
即ち、錠機構制御部112aが、この個別収納部24aからのホルダ31の抜き取りを許可するように、個別収納部24aの錠機構241aを制御する(ステップ403)。
また、施解錠制御部113aが、この個別収納部24aの子扉22aを解錠するように、子扉施錠機構142aを制御する(ステップ404)。
そして、発光制御部114aが、この個別収納部24aの子扉22aに設けられた発光部242aを点灯するように制御する(ステップ405)。
【0094】
これにより、利用者は、借用すべき鍵を保持するホルダ31が収納された個別収納部24aを認識し、その個別収納部24aの子扉22aを開いてその個別収納部24aからホルダ31を抜き取ることになる。そこで、収納検知部115aが、個別収納部24aからホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する(ステップ406)。
ステップ406で個別収納部24aからホルダ31が抜き取られたと判定されなければ、収納検知部115aは、ステップ406の処理を繰り返す。
ステップ406で個別収納部24aからホルダ31が抜き取られたと判定されれば、制御部11aは、処理をステップ407へ進める。
【0095】
即ち、記憶制御部119aが、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aを参照し、この個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたRFIDを削除する(ステップ407)。
【0096】
このとき、利用者は、個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーを収納する可能性がある。そこで、判定部116aが、この個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されているかどうかを判定する(ステップ408)。判定部116aは、例えば、利用者が表示操作部25aから入力した情報又はカメラ244aが撮影した画像に基づいて、このような判定を行うとよい。
ステップ408で個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていると判定されれば、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aにおいて、この個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたマイカーキーフラグを「ON」にする(ステップ409)。
ステップ408で個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていないと判定されれば、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aにおいて、この個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたマイカーキーフラグを「OFF」にする(ステップ410)。
【0097】
そして、最後に、記憶制御部119aは、利用者が鍵を借用可能とする処理の処理履歴を、他の処理の処理履歴と区別可能に記憶部12aに記憶するように制御する(ステップ411)。
【0098】
次に、処理特定部111aが、管理者が鍵を回収可能とする処理を特定した場合について説明する。
図10は、この場合の第1鍵管理装置10aの制御部11aの動作例を示すフローチャートである。
【0099】
図示するように、制御部11aでは、まず、処理特定部111aが、管理者が鍵を回収可能とする処理の対象となる個別収納部24aを特定する(ステップ421)。処理特定部111aは、例えば、読取部27aにより読み取られた情報又は表示操作部25aから入力された情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24aを特定するとよい。
【0100】
次に、錠機構制御部112aが、この個別収納部24aからのホルダ31の抜き取りを許可するように、個別収納部24aの錠機構241aを制御する(ステップ422)。
また、施解錠制御部113aが、この個別収納部24aの子扉22aを解錠するように、子扉施錠機構142aを制御する(ステップ423)。
そして、発光制御部114aが、この個別収納部24aの子扉22aに設けられた発光部242aを点灯するように制御する(ステップ424)。
【0101】
これにより、管理者は、回収すべき鍵を保持するホルダ31が収納された個別収納部24aを認識し、その個別収納部24aの子扉22aを開いてその個別収納部24aからホルダ31を抜き取ることになる。そこで、収納検知部115aが、個別収納部24aからホルダ31が抜き取られたかどうかを判定する(ステップ425)。
ステップ425で個別収納部24aからホルダ31が抜き取られたと判定されなければ、収納検知部115aは、ステップ425の処理を繰り返す。
ステップ425で個別収納部24aからホルダ31が抜き取られたと判定されれば、制御部11aは、処理をステップ426へ進める。
【0102】
即ち、記憶制御部119aが、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aを参照し、この個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたRFIDを削除する(ステップ426)。
【0103】
そして、最後に、記憶制御部119aは、管理者が鍵を回収可能とする処理の処理履歴を、他の処理の処理履歴と区別可能に記憶部12aに記憶するように制御する(ステップ427)。
【0104】
尚、この動作例では、
図9の動作例と異なり、メンテナンスフラグが「OFF」の場合に個別収納部24aからのホルダ31の抜き取りを禁止するように制御していない。これは、管理者が、建機をそのメンテナンスが行われたかどうかに関わらず移動させる必要があること等を考慮したものである。
但し、利用者がメンテナンスが行われていない建機を引き続き使用できないようにするため、第1鍵管理装置10aから回収したホルダ31を第2鍵管理装置10bに装填する際には、第2鍵管理装置10bがメンテナンスフラグを引き継ぐ必要がある。第1鍵管理装置10aと第2鍵管理装置10bとが通信回線で接続されていれば、第1鍵管理装置10aは第2鍵管理装置10bへメンテナンスフラグを送信するとよい。第1鍵管理装置10aと第2鍵管理装置10bとが通信回線で接続されていなければ、管理者は、ホルダ31を第2鍵管理装置10bに装填する際に、第2鍵管理装置10bにメンテナンスフラグを入力するとよい。
【0105】
次に、処理特定部111aが、利用者が鍵を返却可能とする処理を特定した場合について説明する。
図11は、この場合の第1鍵管理装置10aの制御部11aの動作例を示すフローチャートである。
【0106】
図示するように、制御部11aでは、まず、処理特定部111aが、利用者が鍵を返却可能とする処理の対象となる個別収納部24aを特定する(ステップ441)。処理特定部111aは、例えば、読取部27aにより読み取られた情報又は表示操作部25aから入力された情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24aを特定するとよい。
【0107】
次に、施解錠制御部113aが、この個別収納部24aの子扉22aを解錠するように、子扉施錠機構142aを制御する(ステップ442)。
そして、発光制御部114aが、この個別収納部24aの子扉22aに設けられた発光部242aを点灯するように制御する(ステップ443)。
【0108】
これにより、利用者は、鍵を返却すべき個別収納部24aを認識し、その個別収納部24aの子扉22aを開いてその個別収納部24aにホルダ31を戻し入れることになる。そこで、収納検知部115aが、個別収納部24aにホルダ31が戻し入れされたかどうかを判定する(ステップ444)。
ステップ444で個別収納部24aにホルダ31が戻し入れされたと判定されなければ、収納検知部115aは、ステップ444の処理を繰り返す。
ステップ444で個別収納部24aにホルダ31が戻し入れされたと判定されれば、制御部11aは、処理をステップ445へ進める。
【0109】
即ち、記憶制御部119aが、個別収納部24aに戻し入れされたホルダ31から読取部243aが読み取ったRFIDを取得する(ステップ445)。
そして、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aにおいて、この個別収納部24aの収納部番号に、ステップ445で取得したRFIDを対応付けて記憶する(ステップ446)。
また、ホルダ31が返却されても、そのホルダ31が保持する鍵に対応する建機のメンテナンスが終了するまでは、その鍵を借用することはできない。そこで、記憶制御部119aは、第1収納情報121aにおいて、このホルダ31のRFIDに、メンテナンスフラグ「OFF」を対応付けて記憶する(ステップ447)。
【0110】
このとき、利用者は、個別収納部24aの子扉22a内の空間からマイカーキーを取り出す可能性がある。そこで、判定部116aが、この個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されているかどうかを判定する(ステップ448)。判定部116aは、例えば、利用者が表示操作部25aから入力した情報又はカメラ244aが撮影した画像に基づいて、このような判定を行うとよい。
ステップ448で個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていると判定されれば、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aにおいて、この個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたマイカーキーフラグを「ON」にする(ステップ449)。この時は、マイカーキーの取り忘れの可能性が高いため、マイカーキーを検知しなくなるまで、アラーム等を鳴らしてもよい。
ステップ448で個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていないと判定されれば、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aにおいて、この個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたマイカーキーフラグを「OFF」にする(ステップ450)。
【0111】
そして、最後に、記憶制御部119aは、利用者が鍵を返却可能とする処理の処理履歴を、他の処理の処理履歴と区別可能に記憶部12aに記憶するように制御する(ステップ451)。
【0112】
次に、処理特定部111aが、管理者が鍵を装填可能とする処理を特定した場合について説明する。
図12は、この場合の第1鍵管理装置10aの制御部11aの動作例を示すフローチャートである。
【0113】
図示するように、制御部11aでは、まず、処理特定部111aが、管理者が鍵を装填可能とする処理の対象となる個別収納部24aを特定する(ステップ461)。処理特定部111aは、例えば、読取部27aにより読み取られた情報又は表示操作部25aから入力された情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24aを特定するとよい。
【0114】
次に、記憶制御部119aが、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aを参照して、ステップ461で特定された個別収納部24aの収納部番号に対応付けられたマイカーキーフラグが「ON」であるかどうかを判定する(ステップ462)。
マイカーキーフラグが「ON」であると判定されれば、この個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されているので、管理者はこの個別収納部24aに鍵を装填することはできない。従って、制御部11aは、処理をステップ461へ戻し、処理特定部111aが、他の個別収納部24aを特定する。
マイカーキーフラグが「OFF」であると判定されれば、この個別収納部24aの子扉22a内の空間にマイカーキーが収納されていないので、管理者はこの個別収納部24aに鍵を装填することができる。従って、制御部11aは、以降の処理を続ける。
【0115】
即ち、施解錠制御部113aが、この個別収納部24aの子扉22aを解錠するように、子扉施錠機構142aを制御する(ステップ463)。
そして、発光制御部114aが、この個別収納部24aの子扉22aに設けられた発光部242aを点灯するように制御する(ステップ464)。
【0116】
これにより、管理者は、鍵を装填すべき個別収納部24aを認識し、その個別収納部24aの子扉22aを開いてその個別収納部24aにホルダ31を戻し入れることになる。そこで、収納検知部115aが、個別収納部24aにホルダ31が戻し入れされたかどうかを判定する(ステップ465)。
ステップ465で個別収納部24aにホルダ31が戻し入れされたと判定されなければ、収納検知部115aは、ステップ465の処理を繰り返す。
ステップ465で個別収納部24aにホルダ31が戻し入れされたと判定されれば、制御部11aは、処理をステップ466へ進める。
【0117】
即ち、記憶制御部119aが、個別収納部24aに戻し入れされたホルダ31から読取部243aが読み取ったRFIDを取得する(ステップ466)。
そして、記憶制御部119aは、記憶部12aに記憶された第1収納情報121aにおいて、この個別収納部24aの収納部番号に、ステップ466で取得したRFIDを対応付けて記憶する(ステップ467)。
【0118】
そして、最後に、記憶制御部119aは、管理者が鍵を装填可能とする処理の処理履歴を、他の処理の処理履歴と区別可能に記憶部12aに記憶するように制御する(ステップ468)。
【0119】
次に、処理特定部111aが、管理者がマイカーキーを借用可能とする処理を特定した場合について説明する。
図13は、この場合の第1鍵管理装置10aの制御部11aの動作例を示すフローチャートである。
【0120】
図示するように、制御部11aでは、まず、処理特定部111aが、管理者がマイカーキーを借用可能とする処理の対象となる個別収納部24aを特定する(ステップ501)。処理特定部111aは、例えば、読取部27aにより読み取られた情報又は表示操作部25aから入力された情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24aを特定するとよい。
【0121】
次に、判定部116aが、利用者が表示操作部25aから入力したマイカーキーの使用目的が条件を満たすかどうかを判定する(ステップ502)。ここで、条件とは、例えば、業務上の都合により利用者のマイカーを移動させるために使用するという条件である。
マイカーキーの使用目的が条件を満たすと判定されなければ、管理者はこのマイカーキーを借用することはできない。従って、制御部11aは、処理を終了する。
マイカーキーの使用目的が条件を満たすと判定されれば、管理者はこのマイカーキーを借用することができる。従って、制御部11aは、以降の処理を続ける。
【0122】
即ち、施解錠制御部113aが、この個別収納部24aの子扉22aを解錠するように、子扉施錠機構142aを制御する(ステップ503)。
そして、発光制御部114aが、この個別収納部24aの子扉22aに設けられた発光部242aを点灯するように制御する(ステップ504)。
【0123】
これにより、管理者は、借用すべきマイカーキーが子扉22a内の空間に収納された個別収納部24aを認識し、その個別収納部24aの子扉22aを開いて子扉22a内の空間からマイカーキーを取り出すことになる。そこで、通信制御部117aが、マイカーキーが借用された旨を例えば利用者の端末装置に報知するように、通信部13aを制御する(ステップ505)。
【0124】
次に、処理特定部111aが、管理者がマイカーキーを返却可能とする処理を特定した場合について説明する。
図14は、この場合の第1鍵管理装置10aの制御部11aの動作例を示すフローチャートである。
【0125】
図示するように、制御部11aでは、まず、処理特定部111aが、管理者がマイカーキーを返却可能とする処理の対象となる個別収納部24aを特定する(ステップ521)。処理特定部111aは、例えば、読取部27aにより読み取られた情報又は表示操作部25aから入力された情報に基づいて、処理の対象となる個別収納部24aを特定するとよい。
【0126】
次に、施解錠制御部113aが、この個別収納部24aの子扉22aを解錠するように、子扉施錠機構142aを制御する(ステップ522)。
そして、発光制御部114aが、この個別収納部24aの子扉22aに設けられた発光部242aを点灯するように制御する(ステップ523)。
【0127】
これにより、管理者は、マイカーキーを子扉22a内の空間に返却すべき個別収納部24aを認識し、その個別収納部24aの子扉22aを開いて子扉22a内の空間にマイカーキーを返却することになる。
【0128】
[第2鍵管理装置の動作]
第2鍵管理装置10bでは、まず、処理特定部111bが、第2鍵管理装置10bが行う処理を特定する。ここで特定される処理には、利用者が鍵を借用可能とする処理、管理者が鍵を回収可能とする処理、利用者が鍵を返却可能とする処理、管理者が鍵を装填可能とする処理がある。処理特定部111bは、例えば、読取部27bにより読み取られた情報又は表示操作部25bから入力された情報に基づいて処理を特定するとよい。
【0129】
まず、処理特定部111bが、利用者が鍵を借用可能とする処理を特定した場合について説明する。
この場合の動作は、
図9に示したものと略同様である。
但し、第1鍵管理装置10aの添え字「a」が付された構成要素は全て、第2鍵管理装置10bの添え字「b」が付された対応する構成要素に読み替えるものとする。
また、第2鍵管理装置10bは子扉を備えておらず、子扉内の空間にマイカーキーを収納することもないので、ステップ404、ステップ408~410は実行しないものとする。
【0130】
次に、処理特定部111bが、管理者が鍵を回収可能とする処理を特定した場合について説明する。
この場合の動作は、
図10に示したものと略同様である。
但し、第1鍵管理装置10aの添え字「a」が付された構成要素は全て、第2鍵管理装置10bの添え字「b」が付された対応する構成要素に読み替えるものとする。
また、第2鍵管理装置10bは子扉を備えていないので、ステップ423は実行しないものとする。
【0131】
次に、処理特定部111bが、利用者が鍵を返却可能とする処理を特定した場合について説明する。
この場合の動作は、
図11に示したものと略同様である。
但し、第1鍵管理装置10aの添え字「a」が付された構成要素は全て、第2鍵管理装置10bの添え字「b」が付された対応する構成要素に読み替えるものとする。
また、第2鍵管理装置10bは子扉を備えておらず、子扉内の空間にマイカーキーを収納することもないので、ステップ442、ステップ448~450は実行しないものとする。
【0132】
次に、処理特定部111bが、利用者が鍵を装填可能とする処理を特定した場合について説明する。
この場合の動作は、
図12に示したものと略同様である。
但し、第1鍵管理装置10aの添え字「a」が付された構成要素は全て、第2鍵管理装置10bの添え字「b」が付された対応する構成要素に読み替えるものとする。
また、第2鍵管理装置10bは子扉を備えておらず、子扉内の空間にマイカーキーを収納することもないので、ステップ462、ステップ463は実行しないものとする。
【0133】
[第1の変形例]
第1の変形例では、第1鍵管理装置10aが、鍵を貸出前に、建機レンタルサービスの納品書の確認を促す画面を表示する。これにより、利用者は、納品書を確認し、納品書控えを収納ボックス29aに投入することになる。そこで、第1鍵管理装置10aは、納品書控えが収納ボックス29aに投入されたことを検知すると、鍵の貸出を許可する。
また、第1の変形例では、第1鍵管理装置10aが、鍵の貸出後に、事業主及び貸主のそれぞれに納品書及び納品書控えを電子メールで送信してもよい。
更に、第1の変形例では、第1鍵管理装置10aが、鍵の返却後に、事業主及び貸主のそれぞれに貸出完了通知を電子メールで送信してもよい。
【0134】
[第2の変形例]
第2の変形例では、第1鍵管理装置10aが、複数の鍵が返却される際に、返却可能な子扉22aの発光部242aを1つずつ点灯することで、鍵を1つずつ返却させ、返却忘れや返却場所の間違いがないようにする。
また、第2の変形例では、第2鍵管理装置10bが、複数の鍵が装填される際に、装填可能な個別収納部24bの発光部242bを1つずつ点灯することで、鍵を1つずつ装填させるようにしてもよい。但し、この場合は、利便性を優先して、同時装填を許可してもよい。
【0135】
[第3の変形例]
第3の変形例では、各鍵に予備キーを用意し、第1鍵管理装置10aが、収納ボックス29aに予備キーを収納する。ここで、収納ボックス29aは、電気不要のメカ式で開閉できるようにする。これにより、停電等のトラブル時にも鍵が使用可能となり、セキュリティー性も担保される。
【0136】
[第4の変形例]
第4の変形例では、第1鍵管理装置10a又は第2鍵管理装置10bが、鍵の貸出時に、物品予約システムにおける予約時の入力事項から取得した納品内容を操作者に報知し、操作者による納品内容の確認後に納品書及び納品書控えを発行する。
【0137】
[第5の変形例]
第5の変形例では、第1鍵管理装置10a又は第2鍵管理装置10bが、鍵の貸出時に、予約情報に基づいて以下のような有用情報を出力する。
ここで、有用情報には、建機の形状、色、車両番号等を撮影した写真や、建機の保管場所の情報がある。
また、有用情報には、工事現場までの移動経路、渋滞情報、距離、所要時間や、工事現場の天候等の工事現場のサポート情報もある。
【0138】
[第6の変形例]
第6の変形例は、鍵に限らず、ハンコやUSBメモリ等の物品を管理する物品管理装置を提供する。その場合、これまでの記載の「鍵」は全て「物品」に読み替えて、発明を捉えればよい。
即ち、第6の変形例は、「物品を保持するホルダを収納する複数の収納部と、利用者が物品を使用するために前記複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が物品を他の物品管理装置に移動するために前記複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行する処理部と、前記第1の処理の履歴と、前記第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶する記憶部とを備える、物品管理装置」と捉えることができる。
また、第6の変形例は、「第1の物品管理装置と、第2の物品管理装置とを含み、前記第1の物品管理装置は、物品を保持するホルダを収納する複数の第1の収納部と、利用者が物品を使用するために前記複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理と、管理者が物品を前記第2の物品管理装置に移動するために前記複数の第1の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする処理とを実行する第1の処理部とを備える、物品管理システム」とも捉えることもできる。
更に、第6の変形例は、「コンピュータが、利用者が物品を使用するために、物品を保持するホルダを収納する複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第1の処理と、管理者が物品を他の物品管理装置に移動するために当該複数の収納部の何れかからホルダを抜き取り可能とする第2の処理とを実行するステップと、コンピュータが、前記第1の処理の履歴と、前記第2の処理の履歴とを、区別可能に記憶するステップとを含む、物品管理方法」と捉えることもできる。
【0139】
[効果]
本実施の形態では、第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bが、利用者が鍵を借用可能とする処理と、管理者が鍵を回収可能とする処理とを、区別して実行するようにした。これにより、利用者が鍵を借用可能とする処理と、管理者が鍵を回収可能とする処理とに応じた適切な制御が可能となった。
また、本実施の形態では、第1鍵管理装置10a及び第2鍵管理装置10bが、利用者が鍵を返却可能とする処理と、管理者が鍵を装填可能とする処理とを、区別して実行するようにした。これにより、利用者が鍵を返却可能とする処理と、管理者が鍵を装填可能とする処理とに応じた適切な制御が可能となった。
【符号の説明】
【0140】
1…鍵管理システム、10a…第1鍵管理装置、10b…第2鍵管理装置、11a,11b…制御部、12a,12b…記憶部、13a,13b…通信部、141a…親扉施錠機構、142a…子扉施錠機構、24a,24b…個別収納部、241a,241b…錠機構、242a,242b…発光部、243a,243b…読取部、244a…カメラ、25a,25b…表示操作部、26a…カードリーダ、27a,27b…読取部