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特開2024-104483フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料、及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104483
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23F 3/16 20060101AFI20240729BHJP
【ＦＩ】
A23F3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023008710
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】391058381
【氏名又は名称】キリンビバレッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】宮本 花野
(72)【発明者】
【氏名】岩城 正治
(72)【発明者】
【氏名】黒田 雄亮
【テーマコード（参考）】
4B027
【Ｆターム（参考）】
4B027FB01
4B027FB13
4B027FC01
4B027FE06
4B027FE08
4B027FK02
4B027FK09
4B027FP72
4B027FP81
4B027FP85
4B027FP90
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料、及びその製造方法等を提供することにある。
【解決手段】フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料であって、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料。
【選択図】なし
【解決手段】フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料であって、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料であって、
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料。
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料。
【請求項2】
リナロールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、請求項１に記載の容器詰茶飲料。
ゲラニオールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、請求項１に記載の容器詰茶飲料。
【請求項3】
リナロールの含有濃度が１～５００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が１～５０ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が１～１００ｐｐｂである；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０～５００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、請求項１に記載の容器詰茶飲料。
ゲラニオールの含有濃度が１～５０ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が１～１００ｐｐｂである；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０～５００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、請求項１に記載の容器詰茶飲料。
【請求項4】
フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料の製造方法。
【請求項5】
フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料において、フラネオール由来の劣化臭を抑制する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）が抑制された容器詰茶飲料、及びその製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
ほうじ茶（焙じ茶）とは、焙煎した茶葉から抽出した茶飲料である。ほうじ茶は、高温で焙煎した茶葉を使用するため、香ばしい焙煎香がする上に、苦味成分のタンニンやカテキン等が分解される結果、苦渋味が抑えられており、飲み易い。一方、ほうじ茶飲料は、風味のバランスが悪くなる場合があるなどの課題があった。
【0003】
ほうじ茶飲料の風味改善に関して、例えば、特許文献１には、酸性アミノ酸の含有量（ｍｇ／Ｌ）に対する非重合カテキンの含有量（ｍｇ／Ｌ）の割合を特定の範囲内に調製することで、ほうじ茶飲料の苦渋味と旨味とのバランスを向上させる方法が記載されており、特許文献２には、リナロールオキシドの含有量と、フルフリルアルコール又はフェニルエタノールの含有量を特定の濃度に調整することで、ほうじ茶飲料の風味を改善する方法が記載されている。
【0004】
ところで、フラネオール（すなわち、２，５－ジメチル－４－ヒドロキシ－３（２Ｈ）－フラノン）は、良質な果実様及び砂糖様の風味を持つことで知られており、茶葉にも含有される成分である。特に、茶葉の焙煎温度が上昇するにしたがって、茶葉中のフラネオール含有量は増加する傾向にあるため、茶葉の中でも焙煎温度が高いほうじ茶の飲料には、フラネオールが特に多く含まれている。茶飲料に含まれるフラネオールは、その含有量が増えるほど、甘香ばしい余韻香に寄与する一方、長期保存などにより、焦げ臭やえぐみなどの劣化臭を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開２０２１－１０３９８２号公報
【特許文献2】特開２０２２－３３００６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料、及びその製造方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することによって、フラネオール由来の劣化臭を抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
（１）フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料であって、
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料；
（２）リナロールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、上記（１）に記載の容器詰茶飲料。
（３）リナロールの含有濃度が１～５００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が１～５０ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が１～１００ｐｐｂである；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０～５００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、上記（１）に記載の容器詰茶飲料；
（４）フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料の製造方法；
（５）フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料において、フラネオール由来の劣化臭を抑制する方法；
（１）フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料であって、
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料；
（２）リナロールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、上記（１）に記載の容器詰茶飲料。
（３）リナロールの含有濃度が１～５００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が１～５０ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が１～１００ｐｐｂである；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０～５００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上を満たす、上記（１）に記載の容器詰茶飲料；
（４）フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料の製造方法；
（５）フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料において、フラネオール由来の劣化臭を抑制する方法；
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料、及びその製造方法等を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、
［１］フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料であって、
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料；（以下、「本発明の飲料」とも表示する。）；
［２］フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料の製造方法（以下、「本発明の製造方法」とも表示する。）；
［３］フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料において、フラネオール由来の劣化臭を抑制する方法（以下、「本発明の抑制方法」とも表示する。）；
等の実施態様を含む。
なお、本明細書においてｐｐｍやｐｐｂは重量比を表す。
［１］フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料であって、
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、前記容器詰茶飲料；（以下、「本発明の飲料」とも表示する。）；
［２］フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料の製造方法（以下、「本発明の製造方法」とも表示する。）；
［３］フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料において、フラネオール由来の劣化臭を抑制する方法（以下、「本発明の抑制方法」とも表示する。）；
等の実施態様を含む。
なお、本明細書においてｐｐｍやｐｐｂは重量比を表す。
【0011】
（茶抽出物）
茶飲料には茶抽出物が含まれる。本明細書において、「茶抽出物」とは、茶葉を抽出処理に供することにより得られる抽出物を意味する。また、本明細書において茶抽出物には、茶葉からの抽出液（茶抽出液）それ自体や、その加工品類（例えば、茶抽出液を濃縮処理や粉末化処理等した茶抽出物エキス）等が含まれる。なお、本発明において、抽出処理とは、茶成分が抽出溶媒中に溶出されていればよく、例えば、茶葉粉砕物を溶解させる処理等の態様も含まれる。
茶飲料には茶抽出物が含まれる。本明細書において、「茶抽出物」とは、茶葉を抽出処理に供することにより得られる抽出物を意味する。また、本明細書において茶抽出物には、茶葉からの抽出液（茶抽出液）それ自体や、その加工品類（例えば、茶抽出液を濃縮処理や粉末化処理等した茶抽出物エキス）等が含まれる。なお、本発明において、抽出処理とは、茶成分が抽出溶媒中に溶出されていればよく、例えば、茶葉粉砕物を溶解させる処理等の態様も含まれる。
【0012】
茶抽出物の原料として利用できる茶葉は特に限定されず、例えばＣａｍｅｌｌｉａｓｉｎｅｎｓｉｓの中国種（ｖａｒ．ｓｉｎｅｎｓｉｓ）、アッサム種（ｖａｒ．ａｓｓａｍｉｃａ）又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶されたものが挙げられ、より具体的には、ほうじ茶、煎茶、玉露、抹茶、釜炒り茶、深蒸し茶、番茶などの緑茶葉のような不発酵茶に限らず、烏龍茶のような半発酵茶や、紅茶のような発酵茶、プーアル茶のような後発酵茶などが挙げられ、フラネオールの含有濃度が比較的高く、本発明の意義をより多く享受する観点から、ほうじ茶が好ましく挙げられる。茶期、茶葉の形状、産地、品種、及び、等級等も特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。また、茶葉を抽出する際の茶葉の量、溶媒の量、抽出温度、抽出時間等の条件も特に限定されず、通常、茶葉を抽出する際の条件を用いることができる。
【0013】
茶葉の抽出処理の方法としては、特に限定されず、食品加工分野で一般的に用いられている種々の抽出方法を用いることができ、例えば、溶媒抽出、気流抽出、圧搾抽出などが包含され、必要に応じて、沈降もしくは遠心分離、濾過などの固液分離、濃縮、乾燥（例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥）又は粉末化などの処理をさらに施してもよい。
【0014】
ここで、溶媒抽出で用いられる抽出溶媒としては、水（例えば、硬水、軟水、イオン交換水および天然水）が望ましい。抽出溶媒の量は、当業者が適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、抽出溶媒が水の場合は、その量は、茶葉の１～１００倍量（質量）である。
【0015】
抽出温度や抽出時間は、当業者が適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、抽出溶媒が水の場合は、その温度および時間は、１０～１２０℃で１分～１２時間が挙げられる。
【0016】
抽出処理の一例としては、茶葉を、水中に浸漬および攪拌し、その後、茶葉を濾過または遠心分離する方法が挙げられる。ここで、抽出時の温度や時間などの条件は、特に限定されず、茶葉の種類や量によって当業者が任意に選択し、かつ設定することができる。
【0017】
茶抽出液の調製において、茶エキス（好ましくはほうじ茶エキス）や茶パウダー（好ましくはほうじ茶パウダー）などの茶抽出液の濃縮物や精製物を用いてもよく、例えば、市販品を用いることができる。また、これらの茶濃縮物や茶精製物は、そのまま、又は水で溶解若しくは希釈したものを単独で使用しても、複数の種類を混合して用いても、茶抽出液と混合して用いてもよい。
【0018】
（茶飲料）
本発明において「茶飲料」としては、茶抽出物を含む飲料である限り、特に限定されないが、ほうじ茶飲料が好ましく挙げられる。
本発明において「茶飲料」としては、茶抽出物を含む飲料である限り、特に限定されないが、ほうじ茶飲料が好ましく挙げられる。
【0019】
本発明の飲料におけるタンニンの含有濃度としては、例えば１００～１０００ｐｐｍ、２００～９００ｐｐｍ、２００～８００ｐｐｍ、３００～８００ｐｐｍなどが挙げられる。本発明において、飲料中のタンニン濃度は、例えば、茶抽出液を調製する際の、茶葉の使用量や、茶抽出液の加工品の使用量を調整すること等により調整することができる。
【0020】
本発明の飲料中のタンニン濃度は、酒石酸鉄吸光光度法（好ましくは、日本食品分析センター編「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」（日本食品分析センター編、中央法規、２００１年７月、ｐ．２５２）に記載の公定法）を用いて測定することができる。
【0021】
本発明の飲料における、フラネオールの含有濃度としては、０．５ｐｐｍ以上である限り特に制限されないが、フラネオール由来の劣化臭がより多くなり、本発明による利益をより多く享受する観点から、好ましくは１ｐｐｍ以上、より好ましくは５ｐｐｍ以上が挙げられる。また、フラネオールの含有濃度の上限として、例えば、１００ｐｐｍ以下、５０ｐｐｍ以下が挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
飲料中のフラネオールの含有濃度は、例えばＨＰＬＣを用いて測定することができる。なお、本明細書において、単位ｐｐｍやｐｐｂは、特に断りがない限り、質量基準である。
飲料中のフラネオールの含有濃度は、例えばＨＰＬＣを用いて測定することができる。なお、本明細書において、単位ｐｐｍやｐｐｂは、特に断りがない限り、質量基準である。
【0022】
本発明における飲料は、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上（好ましくは２種）を含有している。本発明の飲料の好適な態様として、
「リナロール及びゲラニオール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である飲料）；
「リナロール及びヘキサナール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である飲料）；
「リナロール及びイソアミルアルコール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である飲料）；
「ゲラニオール及びヘキサナール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である飲料）；
「ゲラニオール及びイソアミルアルコール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である飲料）；
「ヘキサナール及びイソアミルアルコール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である飲料）；
が挙げられる。
「リナロール及びゲラニオール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である飲料）；
「リナロール及びヘキサナール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である飲料）；
「リナロール及びイソアミルアルコール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である飲料）；
「ゲラニオール及びヘキサナール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である飲料）；
「ゲラニオール及びイソアミルアルコール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である飲料）；
「ヘキサナール及びイソアミルアルコール」を含有する飲料（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である飲料）；
が挙げられる。
【0023】
（リナロール）
本発明の飲料がリナロールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、リナロールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、０．１ｐｐｂ以上、又は、１ｐｐｂ以上が挙げられ、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、好ましくは５ｐｐｂ以上、より好ましくは１０ｐｐｂ以上が挙げられる。また、リナロールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、７５０ｐｐｂ以下、６００ｐｐｂ以下、又は、５００ｐｐｂ以下が好ましく挙げられ、２００ｐｐｂ以下、又は、１００ｐｐｂ以下がより好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
本発明の飲料がリナロールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、リナロールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、０．１ｐｐｂ以上、又は、１ｐｐｂ以上が挙げられ、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、好ましくは５ｐｐｂ以上、より好ましくは１０ｐｐｂ以上が挙げられる。また、リナロールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、７５０ｐｐｂ以下、６００ｐｐｂ以下、又は、５００ｐｐｂ以下が好ましく挙げられ、２００ｐｐｂ以下、又は、１００ｐｐｂ以下がより好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
【0024】
本発明の飲料におけるリナロールの含有濃度の好適な態様の具体例として、１～７５０ｐｐｂ、１～６００ｐｐｂ、又は、１～５００ｐｐｂが挙げられ、好ましくは５～７５０ｐｐｂ、５～６００ｐｐｂ、又は、５～５００ｐｐｂが挙げられ、より好ましくは５～２００ｐｐｂ、又は、５～１００ｐｐｂが挙げられる。
【0025】
本発明において、飲料中のリナロール濃度は、例えば、リナロールや、リナロール含有組成物を飲料に含有させる量を調整すること等により調整することができる。リナロールや、リナロール含有組成物は市販されているものを用いることができる。
【0026】
飲料中のリナロールの含有濃度は、例えばＨＰＬＣを用いて測定することができる。
【0027】
（ゲラニオール）
本発明の飲料がゲラニオールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、ゲラニオールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、０．１ｐｐｂ以上が挙げられ、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、好ましくは１ｐｐｂ以上が挙げられる。また、ゲラニオールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、７５ｐｐｂ以下、６０ｐｐｂ以下、５０ｐｐｂ以下、又は、２０ｐｐｂ以下が好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
本発明の飲料がゲラニオールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、ゲラニオールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、０．１ｐｐｂ以上が挙げられ、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、好ましくは１ｐｐｂ以上が挙げられる。また、ゲラニオールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、７５ｐｐｂ以下、６０ｐｐｂ以下、５０ｐｐｂ以下、又は、２０ｐｐｂ以下が好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
【0028】
本発明の飲料におけるゲラニオールの含有濃度の好適な態様の具体例として、０．１～７５ｐｐｂ、０．１～６０ｐｐｂ、又は、０．１～５０ｐｐｂが挙げられ、好ましくは１～７５ｐｐｂ、１～６０ｐｐｂ、１～５０ｐｐｂ、又は、１～２０ｐｐｂが挙げられる。
【0029】
本発明において、飲料中のゲラニオール濃度は、例えば、ゲラニオールや、ゲラニオール含有組成物を飲料に含有させる量を調整すること等により調整することができる。ゲラニオールや、ゲラニオール含有組成物は市販されているものを用いることができる。
【0030】
飲料中のゲラニオールの含有濃度は、例えばＨＰＬＣを用いて測定することができる。
【0031】
（ヘキサナール）
本発明の飲料がヘキサナールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、ヘキサナールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、０．１ｐｐｂ以上、又は、１ｐｐｂ以上が挙げられ、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、好ましくは５ｐｐｂ以上、より好ましくは１０ｐｐｂ以上が挙げられる。また、ヘキサナールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、３００ｐｐｂ以下、１２０ｐｐｂ以下、１００ｐｐｂ以下が好ましく挙げられ、７０ｐｐｂ以下、又は、５０ｐｐｂ以下がより好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
本発明の飲料がヘキサナールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、ヘキサナールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、０．１ｐｐｂ以上、又は、１ｐｐｂ以上が挙げられ、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、好ましくは５ｐｐｂ以上、より好ましくは１０ｐｐｂ以上が挙げられる。また、ヘキサナールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、３００ｐｐｂ以下、１２０ｐｐｂ以下、１００ｐｐｂ以下が好ましく挙げられ、７０ｐｐｂ以下、又は、５０ｐｐｂ以下がより好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
【0032】
本発明の飲料におけるヘキサナールの含有濃度の好適な態様の具体例として、１～３００ｐｐｂ、１～１２０ｐｐｂ、又は、１～１００ｐｐｂが挙げられ、好ましくは５～３００ｐｐｂ、５～１２０ｐｐｂ、又は、５～１００ｐｐｂが挙げられ、より好ましくは５～７０ｐｐｂ、又は、５～５０ｐｐｂが挙げられる。
【0033】
本発明において、飲料中のヘキサナール濃度は、例えば、ヘキサナールや、ヘキサナール含有組成物を飲料に含有させる量を調整すること等により調整することができる。ヘキサナールや、ヘキサナール含有組成物は市販されているものを用いることができる。
【0034】
飲料中のヘキサナールの含有濃度は、例えばＨＰＬＣを用いて測定することができる。
【0035】
（イソアミルアルコール）
本発明の飲料がイソアミルアルコールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、イソアミルアルコールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、１０ｐｐｂ以上、又は、５０ｐｐｂ以上が挙げられる。また、イソアミルアルコールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、７５０ｐｐｂ以下、６００ｐｐｂ以下、又は、５００ｐｐｂ以下が好ましく挙げられ、２００ｐｐｂ以下、又は、１００ｐｐｂ以下がより好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
本発明の飲料がイソアミルアルコールを含有している場合、フラネオール由来の劣化臭の抑制効果が得られる限り、イソアミルアルコールの含有濃度としては特に制限されないが、例えば、劣化臭の抑制効果をより多く得る観点から、１０ｐｐｂ以上、又は、５０ｐｐｂ以上が挙げられる。また、イソアミルアルコールの含有濃度の上限として、特に制限されないが、飲料の香味調和の観点から、７５０ｐｐｂ以下、６００ｐｐｂ以下、又は、５００ｐｐｂ以下が好ましく挙げられ、２００ｐｐｂ以下、又は、１００ｐｐｂ以下がより好ましく挙げられる。これらの下限値および上限値はそれぞれ任意に組み合わせることができる。
【0036】
本発明の飲料におけるイソアミルアルコールの含有濃度の好適な態様の具体例として、１０～７５０ｐｐｂ、１０～６００ｐｐｂ、又は、１０～５００ｐｐｂが挙げられ、好ましくは５０～７５０ｐｐｂ、５０～６００ｐｐｂ、又は、５０～５００ｐｐｂが挙げられ、より好ましくは５０～２００ｐｐｂ、又は、５０～１００ｐｐｂが挙げられる。
【0037】
本発明において、飲料中のイソアミルアルコールは、例えば、イソアミルアルコールや、イソアミルアルコール含有組成物を飲料に含有させる量を調整すること等により調整することができる。イソアミルアルコールや、イソアミルアルコール含有組成物は市販されているものを用いることができる。
【0038】
飲料中のイソアミルアルコールの含有濃度は、例えばＨＰＬＣを用いて測定することができる。
【0039】
本発明の飲料の好適な態様として、
リナロールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；及び、
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上（好ましくは１つ）を満たす飲料が挙げられ、中でも、
リナロールの含有濃度が１～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が１～５０ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；及び、
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上（好ましくは１つ）を満たす飲料が挙げられる。
リナロールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；及び、
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上である；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上（好ましくは１つ）を満たす飲料が挙げられ、中でも、
リナロールの含有濃度が１～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が１～５０ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
イソアミルアルコールの含有濃度が５０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；
ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである（好ましくは、さらに、リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ未満である）；及び、
リナロールの含有濃度が０．１～５００ｐｐｂであり、ゲラニオールの含有濃度が０．１～５０ｐｐｂであり、ヘキサナールの含有濃度が０．１～１００ｐｐｂであり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０～５００ｐｐｂである；
からなる群から選択される１つ又は２つ以上（好ましくは１つ）を満たす飲料が挙げられる。
【0040】
（任意成分）
本発明の容器詰茶飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、任意成分を含有していてもよい。かかる任意成分としては、酸味料、香料、色素、甘味料、酸化防止剤、保存料、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、ｐＨ調整剤、及び、苦味料からなる群から選択される１種又は２種以上が挙げられる。
本発明の容器詰茶飲料は、本発明の効果を妨げない範囲で、任意成分を含有していてもよい。かかる任意成分としては、酸味料、香料、色素、甘味料、酸化防止剤、保存料、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、ｐＨ調整剤、及び、苦味料からなる群から選択される１種又は２種以上が挙げられる。
【0041】
（本発明の飲料）
本発明の飲料としては、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上であって、かつ、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、容器詰茶飲料である限り特に制限されない。
本発明の飲料としては、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上であって、かつ、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有する、容器詰茶飲料である限り特に制限されない。
【0042】
本発明の飲料は、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上であり、かつ、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有すること以外は、用いる製造原料、製造方法並びに製造条件において、通常の容器詰茶飲料と特に相違する点はない。
【0043】
本発明の飲料は、「容器詰茶飲料」の一般的な製造方法において、いずれかの段階で、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上であり、かつ、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するようにする（好ましくは、そのように調製する）ことによって製造することができる。
【0044】
本発明の飲料は、容器詰飲料である。かかる容器としては、ペットボトル、ポリプロピレンボトル、ポリ塩化ビニルボトル等の樹脂ボトル容器；ビン容器；缶容器；等の容器が挙げられる。
【0045】
本発明の飲料は、加熱殺菌処理がなされていなくてもよいが、保存性向上の観点から、加熱殺菌処理がなされていてもよい。加熱殺菌処理の方法や条件としては、容器詰飲料などの飲料に使用される通常の方法や条件を用いることができる。
【0046】
（本発明の製造方法）
本発明の製造方法としては、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料の製造方法である限り特に制限されない。
本発明の製造方法としては、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料の製造方法である限り特に制限されない。
【0047】
本発明の飲料は、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製すること以外は、容器詰茶飲料の一般的な製造方法により製造することができる。容器詰茶飲料の一般的な製造方法は公知であり、例えば、茶抽出液を調製し、調合工程、充填工程、加熱殺菌工程を経て容器詰茶飲料を製造することができる。本発明の飲料の製造においては、前述の任意成分を添加してもよく、これら任意成分の添加時期は特に制限されない。
【0048】
「フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製する」方法としては、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料において、容器詰茶飲料の製造工程のいずれかで、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように、リナロール、リナロール含有組成物、ゲラニオール、ゲラニオール含有組成物、ヘキサナール、ヘキサナール含有組成物、イソアミルアルコール、及び、イソアミルアルコール含有組成物からなる群から選択される１種又は２種以上を含有させる方法が挙げられる。
【0049】
本発明の製造方法においては、任意成分として、酸味料、香料、色素、甘味料、酸化防止剤、保存料、増粘安定剤、乳化剤、食物繊維、ｐＨ調整剤、及び、苦味料からなる群から選択される１種又は２種以上をさらに含有させてもよい。
【0050】
本発明の製造方法においては、本発明の飲料を製造し得る限り、製造原料を含有させる順序等は特に制限されない。製造原料が混合されている液を調製した後、容器に充填して密封し、本発明の飲料を得ることができる。
【0051】
（加熱殺菌）
本発明の製造方法は、茶飲料を加熱殺菌する工程を含んでいてもよい。かかる加熱殺菌する方法としては、容器詰飲料における通常の加熱殺菌方法を特に制限なく用いることができる。例えば、金属缶のように充填後に加熱殺菌できる場合にあっては、食品衛生法に定められた殺菌条件等で殺菌処理を行うことができる。また、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）ボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、充填前に該飲料を、あらかじめ上記と同等の殺菌条件で、例えばプレート式熱交換器等を用いて高温短時間殺菌（ＵＨＴ殺菌）した後、一定の温度まで冷却し、殺菌済み容器に充填する等の方法を採用することができる。
本発明の製造方法は、茶飲料を加熱殺菌する工程を含んでいてもよい。かかる加熱殺菌する方法としては、容器詰飲料における通常の加熱殺菌方法を特に制限なく用いることができる。例えば、金属缶のように充填後に加熱殺菌できる場合にあっては、食品衛生法に定められた殺菌条件等で殺菌処理を行うことができる。また、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）ボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、充填前に該飲料を、あらかじめ上記と同等の殺菌条件で、例えばプレート式熱交換器等を用いて高温短時間殺菌（ＵＨＴ殺菌）した後、一定の温度まで冷却し、殺菌済み容器に充填する等の方法を採用することができる。
【0052】
（本発明の抑制方法）
本発明の抑制方法としては、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料において、フラネオール由来の劣化臭を抑制する方法である限り特に制限されない。
本発明の抑制方法としては、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製することを特徴とする、前記容器詰茶飲料において、フラネオール由来の劣化臭を抑制する方法である限り特に制限されない。
【0053】
「フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である容器詰茶飲料の製造において、飲料が、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される１種又は２種以上を含有するように調製する」方法は、上記の（本発明の製造方法）に記載した方法と同様の方法を用いることができる。
【0054】
（劣化臭が抑制された容器詰茶飲料）
本発明の飲料は、フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料である。本発明における「劣化臭」とは、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である茶飲料が、保存等により劣化した場合に生じる焦げ臭（砂糖が焦げたような臭い）や、えぐみを意味する。
本発明の飲料は、フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料である。本発明における「劣化臭」とは、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上である茶飲料が、保存等により劣化した場合に生じる焦げ臭（砂糖が焦げたような臭い）や、えぐみを意味する。
【0055】
本明細書において、「フラネオール由来の劣化臭が抑制された」容器詰茶飲料としては、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールのいずれも含まない（又はいずれも添加しない）こと以外は、同種の原料を同じ最終濃度となるように用いて同じ製法で製造した飲料（以下、「コントロール飲料」とも表示する。）と比較して、劣化臭が抑制された飲料などが挙げられる。
【0056】
ある茶飲料における、劣化臭の程度や、かかる劣化臭の程度が本発明におけるコントロール飲料と比較してどのようであるか（例えば、劣化臭が抑制されているかどうか、どの程度抑制されているか）は、訓練されたパネルであれば、容易かつ明確に決定することができる。
【0057】
（香味調和が取れた容器詰茶飲料）
本発明の飲料は、さらに、香味調和が取れていることが好ましい。本発明における「香味調和」とは、茶飲料としての香味の調和を意味する。
本発明の飲料は、さらに、香味調和が取れていることが好ましい。本発明における「香味調和」とは、茶飲料としての香味の調和を意味する。
【0058】
本明細書において、「香味調和が取れた」容器詰茶飲料としては、コントロール飲料と比較して、香味調和がおおむね維持された飲料が挙げられ、より具体的には、表４の評価基準において、△、〇又は◎である飲料が挙げられる。
【0059】
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【実施例0060】
試験１．［フラネオール含有濃度の、劣化臭への影響］
ほうじ茶飲料のフラネオール含有濃度が、フラネオール由来の劣化臭の程度にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
ほうじ茶飲料のフラネオール含有濃度が、フラネオール由来の劣化臭の程度にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
【0061】
（１．ほうじ茶飲料の調製）
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表２に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを表２記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例１～６の各サンプル飲料を調製した。
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表２に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを表２記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例１～６の各サンプル飲料を調製した。
【0062】
各サンプル飲料を、４５℃の条件下に１４日間静置した。この条件は、保存劣化の加速試験に相当する多数の条件のうちの１つである。
【0063】
（２．官能評価試験）
得られた試験例１～６のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の程度について、訓練した専門パネル５名によって、以下の表１に記載されるような５段階の評価基準で官能評価試験を行った。なお、１点と２点の劣化臭の程度の差、２点と３点の劣化臭の程度の差、３点と４点の劣化臭の程度の差、４点と５点の劣化臭の程度の差は、それぞれ同程度とした。
また、各サンプル飲料における劣化臭の程度の評価としては、各パネルの評価点の平均値の小数第２位を四捨五入した値を採用した。また、各サンプル飲料についての、各パネルの評価点の標準偏差は、いずれのサンプル飲料においても０．５以下であった。
得られた試験例１～６のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の程度について、訓練した専門パネル５名によって、以下の表１に記載されるような５段階の評価基準で官能評価試験を行った。なお、１点と２点の劣化臭の程度の差、２点と３点の劣化臭の程度の差、３点と４点の劣化臭の程度の差、４点と５点の劣化臭の程度の差は、それぞれ同程度とした。
また、各サンプル飲料における劣化臭の程度の評価としては、各パネルの評価点の平均値の小数第２位を四捨五入した値を採用した。また、各サンプル飲料についての、各パネルの評価点の標準偏差は、いずれのサンプル飲料においても０．５以下であった。
【0064】
【表1】
【0065】
なお、表１の評価基準において、例えば４点以下である場合に、フラネオール由来の劣化臭の課題があると判断することができる。
【0066】
試験例１～６のサンプル飲料の劣化臭についての官能評価試験の結果を表２に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
表２の結果から、フラネオールの含有濃度が０．５ｐｐｍ以上であると、劣化臭の官能評価値が４．０以下となり、フラネオール由来の劣化臭の課題が発生することが示された。
【0069】
試験２．［劣化臭に対する、リナロールの影響］
リナロールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
リナロールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
【0070】
（１．ほうじ茶飲料の調製）
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表５に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、リナロールを表５記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例７～１３の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、リナロール無添加のサンプル飲料（リナロール濃度０．１ｐｐｂ未満）も調製した。
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表５に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、リナロールを表５記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例７～１３の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、リナロール無添加のサンプル飲料（リナロール濃度０．１ｐｐｂ未満）も調製した。
【0071】
各サンプル飲料を、４５℃の条件下に１４日間静置した。この条件は、保存劣化の加速試験に相当する多数の条件のうちの１つである。
【0072】
（２．官能評価試験）
得られた試験例７～１３のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度について、訓練した専門パネル５名によって、以下の表３に記載されるような５段階の評価基準で官能評価試験を行った。なお、１点と２点の劣化臭の抑制の程度の差、２点と３点の劣化臭の抑制の程度の差、３点と４点の劣化臭の抑制の程度の差、４点と５点の劣化臭の抑制の程度の差は、それぞれ同程度とした。
また、各サンプル飲料における劣化臭の抑制の程度の評価としては、各パネルの評価点の平均値の小数第２位を四捨五入した値を採用した。また、各サンプル飲料についての、各パネルの評価点の標準偏差は、いずれのサンプル飲料においても０．５以下であった。
得られた試験例７～１３のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度について、訓練した専門パネル５名によって、以下の表３に記載されるような５段階の評価基準で官能評価試験を行った。なお、１点と２点の劣化臭の抑制の程度の差、２点と３点の劣化臭の抑制の程度の差、３点と４点の劣化臭の抑制の程度の差、４点と５点の劣化臭の抑制の程度の差は、それぞれ同程度とした。
また、各サンプル飲料における劣化臭の抑制の程度の評価としては、各パネルの評価点の平均値の小数第２位を四捨五入した値を採用した。また、各サンプル飲料についての、各パネルの評価点の標準偏差は、いずれのサンプル飲料においても０．５以下であった。
【0073】
【表3】
【0074】
なお、表３の評価基準において、例えば２．５点以上である場合に、劣化臭の抑制効果があると判断することができる。
【0075】
また、得られた試験例７～１３のサンプル飲料における、香味調和の程度について、訓練した専門パネル５名によって、以下の表４に記載されるような５段階の評価基準で官能評価試験を行った。なお、◎と〇の香味調和の程度の差、〇と△の香味調和の程度の差、△と×の香味調和の程度の差は、それぞれ同程度とした。
また、各サンプル飲料における香味調和の程度の評価としては、各パネルによる評価のうち、最も多かった評価を採用した。
また、各サンプル飲料における香味調和の程度の評価としては、各パネルによる評価のうち、最も多かった評価を採用した。
【0076】
【表4】
【0077】
なお、表４の評価基準において、例えば△以上（すなわち、△、〇又は◎）である場合に、香味調和がとれていると判断することができる。
【0078】
試験例７～１３のサンプル飲料における、劣化臭の抑制の程度と、香味調和についての官能評価試験の結果を表５に示す。
【0079】
【表5】
【0080】
表５の結果から、リナロール濃度が１ｐｐｂ以上であると、劣化臭の評価が２．５を越えて、劣化臭の抑制効果が示されることが分かった。また、リナロール濃度が１０００ｐｐｂである場合は、リナロールによる花様の香りが強く感じられ、ほうじ茶飲料らしさが失われていた。表５の結果から、劣化臭の抑制効果と茶飲料らしさのバランスの観点から、リナロール濃度は例えば１～５００ｐｐｂが好ましく、１～１００ｐｐがより好ましいことが示された。
【0081】
試験３．［劣化臭に対する、ゲラニオールの影響］
ゲラニオールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
ゲラニオールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
【0082】
（１．ほうじ茶飲料の調製）
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表６に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、ゲラニオールを表６記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例１４～１８の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、ゲラニオール無添加のサンプル飲料（ゲラニオール濃度０．１ｐｐｂ未満）も調製した。
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表６に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、ゲラニオールを表６記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例１４～１８の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、ゲラニオール無添加のサンプル飲料（ゲラニオール濃度０．１ｐｐｂ未満）も調製した。
【0083】
各サンプル飲料を、４５℃の条件下に１４日間静置した。この条件は、保存劣化の加速試験に相当する多数の条件のうちの１つである。
【0084】
（２．官能評価試験）
得られた試験例１４～１８のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表６に示す。
得られた試験例１４～１８のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表６に示す。
【0085】
【表6】
【0086】
表６の結果から、ゲラニオール濃度が１ｐｐｂ以上であると、劣化臭の評価が２．５を越えて、劣化臭の抑制効果が示されることが分かった。また、ゲラニオール濃度が１００ｐｐｂである場合は、ゲラニオールによる花様の香りが強く感じられ、ほうじ茶飲料らしさが失われていた。表６の結果から、劣化臭の抑制効果と茶飲料らしさのバランスの観点から、ゲラニオール濃度は例えば１～５０ｐｐｂが好ましく、１～１０ｐｐｂがより好ましいことが示された。
【0087】
試験４．［劣化臭に対する、ヘキサナールの影響］
ヘキサナールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
ヘキサナールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
【0088】
（１．ほうじ茶飲料の調製）
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表７に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、ヘキサナールを表７記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例１９～２４の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、ヘキサナール無添加のサンプル飲料（ヘキサナール濃度０．１ｐｐｂ未満）も調製した。
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表７に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、ヘキサナールを表７記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例１９～２４の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、ヘキサナール無添加のサンプル飲料（ヘキサナール濃度０．１ｐｐｂ未満）も調製した。
【0089】
各サンプル飲料を、４５℃の条件下に１４日間静置した。この条件は、保存劣化の加速試験に相当する多数の条件のうちの１つである。
【0090】
（２．官能評価試験）
得られた試験例１９～２４のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表７に示す。
得られた試験例１９～２４のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表７に示す。
【0091】
【表7】
【0092】
表７の結果から、ヘキサナール濃度が１ｐｐｂ以上であると、劣化臭の評価が２．５を越えて、劣化臭の抑制効果が示されることが分かった。また、ヘキサナール濃度が５００ｐｐｂである場合は、ヘキサナールによる油臭が強く感じられ、ほうじ茶飲料らしさが失われていた。表７の結果から、劣化臭の抑制効果と茶飲料らしさのバランスの観点から、ヘキサナール濃度は例えば１～１００ｐｐｂが好ましく、１～５０ｐｐがより好ましいことが示された。
【0093】
試験５．［劣化臭に対する、イソアミルアルコールの影響］
イソアミルアルコールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
イソアミルアルコールが、ほうじ茶飲料におけるフラネオール由来の劣化臭にどのような影響を与えるかを、以下の実験により調べた。
【0094】
（１．ほうじ茶飲料の調製）
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表８に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、イソアミルアルコールを表８記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例２５～２９の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、イソアミルアルコール無添加のサンプル飲料（イソアミルアルコール濃度１０ｐｐｂ未満）も調製した。
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表８に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、イソアミルアルコールを表８記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例２５～２９の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、イソアミルアルコール無添加のサンプル飲料（イソアミルアルコール濃度１０ｐｐｂ未満）も調製した。
【0095】
各サンプル飲料を、４５℃の条件下に１４日間静置した。この条件は、保存劣化の加速試験に相当する多数の条件のうちの１つである。
【0096】
（２．官能評価試験）
得られた試験例２５～２９のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表８に示す。
得られた試験例２５～２９のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表８に示す。
【0097】
【表8】
【0098】
表８の結果から、イソアミルアルコール濃度が５０ｐｐｂ以上であると、劣化臭の評価が２．５を越えて、劣化臭の抑制効果が示されることが分かった。また、イソアミルアルコール濃度が１０００ｐｐｂである場合は、イソアミルアルコールによる発酵臭が強く感じられ、ほうじ茶飲料らしさが失われていた。表８の結果から、劣化臭の抑制効果と茶飲料らしさのバランスの観点から、イソアミルアルコール濃度は例えば５０～５００ｐｐｂが好ましく、５０～１００ｐｐｂがより好ましいことが示された。
【0099】
試験６．［フラネオール含有濃度が異なる場合の、劣化臭抑制効果の確認試験］
ほうじ茶飲料のフラネオール含有濃度が１０ｐｐｍではなく、１ｐｐｍの場合であっても、リナロール等が劣化臭を抑制するかを、以下の実験により調べた。
ほうじ茶飲料のフラネオール含有濃度が１０ｐｐｍではなく、１ｐｐｍの場合であっても、リナロール等が劣化臭を抑制するかを、以下の実験により調べた。
【0100】
（１．ほうじ茶飲料の調製）
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表９に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１ｐｐｍ、及び、リナロール（試験例３０、３１）、ゲラニオール（試験例３２、３３）、ヘキサナール（試験例３４、３５）、イソアミルアルコール（試験例３６、３７）を表９記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例３０～３７の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールのいずれも添加しないサンプル飲料も調製した。このコントロール飲料は、リナロール濃度０．１ｐｐｂ未満、ゲラニオール濃度０．１ｐｐｂ未満、ヘキサナール濃度０．１ｐｐｂ未満、及び、イソアミルアルコール濃度１０ｐｐｂ未満である。
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表９に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１ｐｐｍ、及び、リナロール（試験例３０、３１）、ゲラニオール（試験例３２、３３）、ヘキサナール（試験例３４、３５）、イソアミルアルコール（試験例３６、３７）を表９記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例３０～３７の各サンプル飲料を調製した。また、コントロール飲料として、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールのいずれも添加しないサンプル飲料も調製した。このコントロール飲料は、リナロール濃度０．１ｐｐｂ未満、ゲラニオール濃度０．１ｐｐｂ未満、ヘキサナール濃度０．１ｐｐｂ未満、及び、イソアミルアルコール濃度１０ｐｐｂ未満である。
【0101】
各サンプル飲料を、４５℃の条件下に１４日間静置した。この条件は、保存劣化の加速試験に相当する多数の条件のうちの１つである。
【0102】
（２．官能評価試験）
得られた試験例３０～３７のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表９に示す。
得られた試験例３０～３７のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表９に示す。
【0103】
【表9】
【0104】
表９の結果から、茶飲料のフラネオール含有濃度が１０ｐｐｍではなく、１ｐｐｍの場合であっても同様に、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、又は、イソアミルアルコールは、フラネオール由来の劣化臭に対する抑制効果を発揮することが示された。
【0105】
試験７．［組合せによる、劣化臭抑制効果の確認試験］
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される２種の組合せが、ほうじ茶におけるフラネオール由来の劣化臭を抑制するかを、以下の実験により調べた。
リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される２種の組合せが、ほうじ茶におけるフラネオール由来の劣化臭を抑制するかを、以下の実験により調べた。
【0106】
（１．ほうじ茶飲料の調製）
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表１０、表１１に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、「リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される２種」を表１０、表１１記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例３８～４９の各サンプル飲料を調製した。
ほうじ茶の茶葉を８０℃のお湯に入れて６分間抽出し、固液分離を行い、表１０、表１１に記載の茶葉含有濃度となるように調整し、ほうじ茶抽出液を作製した。これらのほうじ茶抽出液にフラネオールを１０ｐｐｍ、及び、「リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される２種」を表１０、表１１記載の濃度となるように含有させた後、ＰＥＴ容器にそれぞれ充填し、ＵＨＴ殺菌処理して、試験例３８～４９の各サンプル飲料を調製した。
【0107】
各サンプル飲料を、４５℃の条件下に１４日間静置した。この条件は、保存劣化の加速試験に相当する多数の条件のうちの１つである。
【0108】
（２．官能評価試験）
得られた試験例３８～４９のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表１０、表１１に示す。
得られた試験例３８～４９のサンプル飲料における、フラネオール由来の劣化臭（すなわち、焦げ臭、えぐみ）の抑制の程度と、香味調和について、試験２と同じ方法で官能評価試験を行った。これらの結果を表１０、表１１に示す。
【0109】
【表10】
【0110】
【表11】
【0111】
表１０及び表１１の結果から、リナロール、ゲラニオール、ヘキサナール、及び、イソアミルアルコールからなる群から選択される２種の組合せを用いた場合であっても、ほうじ茶におけるフラネオール由来の劣化臭を抑制することが示された。より具体的には、表１０及び表１１の結果から、
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１００ｐｐｂ）であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１０ｐｐｂ）である場合；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１００ｐｐｂ）であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～５０ｐｐｂ）である場合；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１００ｐｐｂ）であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上（好ましくは１０～１００ｐｐｂ）である場合；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１０ｐｐｂ）であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～５０ｐｐｂ）である場合；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１０ｐｐｂ）であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上（好ましくは１０～１００ｐｐｂ）である場合；及び、
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～５０ｐｐｂ）であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上（好ましくは１０～１００ｐｐｂ）である場合；
に、ほうじ茶におけるフラネオール由来の劣化臭を抑制することが示された。
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１００ｐｐｂ）であり、かつ、ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１０ｐｐｂ）である場合；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１００ｐｐｂ）であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～５０ｐｐｂ）である場合；
リナロールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１００ｐｐｂ）であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上（好ましくは１０～１００ｐｐｂ）である場合；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１０ｐｐｂ）であり、かつ、ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～５０ｐｐｂ）である場合；
ゲラニオールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～１０ｐｐｂ）であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上（好ましくは１０～１００ｐｐｂ）である場合；及び、
ヘキサナールの含有濃度が０．１ｐｐｂ以上（好ましくは０．１～５０ｐｐｂ）であり、かつ、イソアミルアルコールの含有濃度が１０ｐｐｂ以上（好ましくは１０～１００ｐｐｂ）である場合；
に、ほうじ茶におけるフラネオール由来の劣化臭を抑制することが示された。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明によれば、フラネオール由来の劣化臭が抑制された容器詰茶飲料、及びその製造方法等を提供することができる。