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特開2024-104489更年期症状の改善剤、更年期症状の改善のための食品組成物、及び更年期症状を改善するための食品組成物の提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104489
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】更年期症状の改善剤、更年期症状の改善のための食品組成物、及び更年期症状を改善するための食品組成物の提供方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20240729BHJP
   A61K 31/365 20060101ALI20240729BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20240729BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240729BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20240729BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240729BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240729BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240729BHJP
   A61P 15/12 20060101ALI20240729BHJP
   A61K 36/634 20060101ALI20240729BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20240729BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240729BHJP
   A23L 2/38 20210101ALN20240729BHJP
   A23L 23/00 20160101ALN20240729BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K31/365
A61K31/7048
A61P25/00
A61P25/02
A61P25/22
A61P21/00
A61P19/02
A61P15/12
A61K36/634
A61K36/28
A23L2/00 F
A23L2/38 C
A23L23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008719
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】飯田 美穂
(72)【発明者】
【氏名】与茂田 敏
(72)【発明者】
【氏名】紺野 美帆子
【テーマコード(参考)】
4B018
4B036
4B117
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018MD08
4B018MD20
4B018MD48
4B018MD49
4B018MD51
4B018MD52
4B018MD53
4B018MD57
4B018MD58
4B018MD61
4B018MD64
4B018MD66
4B018MD67
4B018MD68
4B018MD73
4B018MD74
4B018MD82
4B018MD83
4B018ME10
4B018ME14
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4B018MF02
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4B036LE03
4B036LF01
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4B036LG05
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4B036LH25
4B036LH26
4B036LH27
4B036LH29
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4B036LH33
4B036LH34
4B036LH45
4B036LP09
4B036LP17
4B117LC04
4B117LE09
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4C086GA16
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4C086ZA01
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4C086ZA20
4C086ZA36
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4C086ZC51
4C088AB26
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4C088NA05
4C088ZA01
4C088ZA08
4C088ZA20
4C088ZA36
4C088ZA94
4C088ZA96
4C088ZC51
(57)【要約】
【課題】更年期症状の改善剤、更年期症状の改善のための食品組成物、及び更年期症状を改善するための食品組成物の提供方法の提供。
【解決手段】アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善剤。
【請求項2】
前記アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種が、ゴボウ、ゴボウシ、ゴボウスプラウト若しくはレンギョウ又はこれらの抽出物として含まれる、請求項1に記載の更年期症状の改善剤。
【請求項3】
前記更年期症状の改善が、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、及び情緒不安定からなる群から選択される少なくとも1種の症状の改善である、請求項1に記載の更年期症状の改善剤。
【請求項4】
アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
【請求項5】
前記アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種が、ゴボウ、ゴボウシ、ゴボウスプラウト若しくはレンギョウ又はこれらの抽出物として含まれる、請求項4に記載の更年期症状の改善のための食品組成物。
【請求項6】
前記更年期症状の改善が、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、及び情緒不安定からなる群から選択される少なくとも1種の症状の改善である、請求項4に記載の更年期症状の改善のための食品組成物。
【請求項7】
さらに、生姜、オレンジピール、シナモン、及びイチョウ葉からなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、請求項4に記載の食品組成物。
【請求項8】
さらに、ペパーミント、スイカズラ、菊花、及びタンポポからなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、請求項4に記載の食品組成物。
【請求項9】
さらに、フェンネル、ビワの葉、発芽ハトムギ、及びカリンからなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、請求項4に記載の食品組成物。
【請求項10】
さらに、カモミール、ジャスミン、コラーゲン、及び月桃葉からなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、請求項4に記載の食品組成物。
【請求項11】
鶏がら又はその抽出物と、しそ、大麦、かぶ、セロリ、及びオレンジピールからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
【請求項12】
生姜又はその抽出物と、山芋、しいたけ、きくらげ、クコの実、及び朝鮮人参からなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
【請求項13】
かつおだし又はその抽出物と、カッコン又はその抽出物と、あずき、かぼちゃ、たまねぎ、フェヌグリーク、及びナツメグからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
【請求項14】
昆布だし又はその抽出物と、冬瓜、トマト、豆腐、白きくらげ、及びひじきからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
【請求項15】
対象から下記表1のQ1~Q15の質問事項に対してそれぞれ自分の悩みに近い方を1つ選択する回答取得工程、
前記回答取得工程で得た回答に基づいて前記対象を下記表2のG1群からG8群までの8群に分類する対象分類工程、並びに
前記対象分類工程で分類した分類群に基づいて、下記各群への提案方法に従って前記対象に提供する食品組成物を請求項7~10に記載の食品組成物から2種及び請求項11~14の食品組成物から2種を選択して前記対象に提案する選択提案工程、
を備える、更年期症状の改善のための食品組成物の提供方法。
【表1】
【表2】
<各郡への提案方法>
G1群(実-熱-湿)には、請求項8に記載の食品組成物及び請求項9に記載の食品組成物、並びに請求項11に記載の食品組成物及び請求項14に記載の食品組成物を提案する。
G2群(実-熱-燥)には、請求項8に記載の食品組成物及び請求項10に記載の食品組成物、並びに請求項11に記載の食品組成物及び請求項14に記載の食品組成物を提案する。
G3群(実-寒-湿)には、請求項7に記載の食品組成物及び請求項9に記載の食品組成物、並びに請求項11に記載の食品組成物及び請求項13に記載の食品組成物を提案する。
G4群(実-寒-燥)には、請求項7に記載の食品組成物及び請求項10に記載の食品組成物、並びに請求項11に記載の食品組成物及び請求項13に記載の食品組成物を提案する。
G5群(虚-熱-湿)には、請求項8に記載の食品組成物及び請求項9に記載の食品組成物、並びに請求項12に記載の食品組成物及び請求項14に記載の食品組成物を提案する。
G6群(虚-熱-燥)には、請求項8に記載の食品組成物及び請求項10に記載の食品組成物、並びに請求項12に記載の食品組成物及び請求項14に記載の食品組成物を提案する。
G7群(虚-寒-湿)には、請求項7に記載の食品組成物及び請求項9に記載の食品組成物、並びに請求項12に記載の食品組成物及び請求項13に記載の食品組成物を提案する。
G8群(虚-寒-燥)には、請求項7に記載の食品組成物及び請求項10に記載の食品組成物、並びに請求項12に記載の食品組成物及び請求項13に記載の食品組成物を提案する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更年期症状の改善剤、更年期症状の改善のための食品組成物、及び更年期症状を改善するための食品組成物の提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの一生は主に、思春期(10~18歳頃)、性成熟期(18~45歳頃)、更年期(45~55歳頃)、更年期以降(55歳頃~)という4つのライフステージに分けることができ、40歳代以降の男女の性ホルモン分泌量の低下が原因となる自律神経失調症に似た症候群を更年期障害又は更年期症状という。
【0003】
女性の場合は、閉経期前後の約10年間に卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少することによって更年期症状が現れる。男性の場合は、30歳以降睾丸ホルモンであるテストステロンの分泌が減少し始め40歳代後半で更年期症状が現れることがあるが、女性の場合と比べて分泌量の変化が緩やかなため老化現象の一部と認識されて気づかれないことが多い。
【0004】
更年期症状としては自律神経失調症と同様の症状が現れる。女性の閉経前における身体的症状としては、のぼせや顔の火照り、脈が速くなる、動悸や息切れ、異常な発汗、血圧が上下する、耳鳴り、頭痛やめまいなどが挙げられる。精神的な症状としては、興奮亢進、イライラや不安感、うつ、不眠などが挙げられる。閉経後はこれらに加えて、膀胱炎や尿失禁、腰や膝の関節痛、目やのどなどの粘膜の異常などの身体的症状と無気力感などが精神的症状として現れてくる。更年期症状では初期症状が、だるい、寝付けないなどの曖昧なものであるため、発症に気付かずに、身体が意のままにならない自分への不満がストレスとなって精神的症状を悪化させるケースが多い。
【0005】
特許文献1には、ラクトバチルス・ガセリ CP2305株(受託番号:FERM BP-11331)である乳酸菌株、前記乳酸菌株の処理物、またはそれらの抽出物を含有する女性更年期症状の改善剤が記載されている。特許文献1に記載された女性更年期症状の改善剤を摂取する者は、女性更年期症状を有する40歳~60歳の女性であればよく、閉経前の女性であっても閉経後の女性であってもよいが、閉経前の女性であることが好ましいと記載されている。しかし、不眠、怒り、イライラ、憂うつ等の精神症状や冷え、頭痛、めまい、吐きけ、疲れ、肩こり、腰痛、及び手足の痛み等の身体症状を明確に自覚していない更年期女性に対する訴求力が弱い。
【0006】
特許文献2には、α-ラクトアルブミンを有効成分として含む、更年期障害の改善剤が記載されている。特許文献2に記載された更年期障害の改善剤の投与の対象(被験隊)として、ヒト、家畜(ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等)、愛玩動物(イヌ、ネコ、ウサギ等)、実験(試験)動物(マウス、ラット、サル等)等を含む任意の哺乳動物(被験体)を挙げることができるが、好ましくは、火照りを有する哺乳動物や、火照りを発症しやすい疾患や素因を有する哺乳動物を挙げることができることが記載されている。しかし、更年期の女性で更年期症状に不安を感じる人及び実際に症状を感じる人に対する訴求力が弱い。
【0007】
特許文献3には、少ない問診項目で、顧客の望む対象の状態を精度良く簡単に診断することができる問診判定方法及び問診判定システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-113373号公報
【特許文献2】国際公開第2016/163400号
【特許文献3】特開2011-087919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
更年期の女性で更年期症状に不安を感じる人及び実際に症状を感じる人が6割強であるが、このうち、対処を何もしない人、何をしていいかわからないが5割を占めており、身近な更年期不調に対するケア方法が不足している。
【0010】
本発明は、更年期症状の改善剤、更年期症状の改善のための食品組成物、及び更年期症状を改善するための食品組成物の提供方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1] アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善剤。
[2] 前記アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種が、ゴボウ、ゴボウシ、ゴボウスプラウト若しくはレンギョウ又はこれらの抽出物として含まれる、[1]に記載の更年期症状の改善剤。
[3] 前記更年期症状の改善が、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、及び情緒不安定からなる群から選択される少なくとも1種の症状の改善である、[1]又は[2]に記載の更年期症状の改善剤。
[4] アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
[5] 前記アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種が、ゴボウ、ゴボウシ、ゴボウスプラウト若しくはレンギョウ又はこれらの抽出物として含まれる、[4]に記載の更年期症状の改善のための食品組成物。
[6] 前記更年期症状の改善が、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、及び情緒不安定からなる群から選択される少なくとも1種の症状の改善である、[4]又は[5]に記載の更年期症状の改善のための食品組成物。
[7] さらに、生姜、オレンジピール、シナモン、及びイチョウ葉からなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、[4]~[6]のいずれかに記載の食品組成物。
[8] さらに、ペパーミント、スイカズラ、菊花、及びタンポポからなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、[4]~[6]のいずれかに記載の食品組成物。
[9] さらに、フェンネル、ビワの葉、発芽ハトムギ、及びカリンからなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、[4]~[6]のいずれかに記載の食品組成物。
[10] さらに、カモミール、ジャスミン、コラーゲン、及び月桃葉からなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物を含む、[4]~[6]のいずれかに記載の食品組成物。
[11] 鶏がら又はその抽出物と、しそ、大麦、カブ、セロリ、及びオレンジピールからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
[12] 生姜又はその抽出物と、山芋、しいたけ、きくらげ、クコの実、及び朝鮮人参からなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
[13] かつおだし又はその抽出物と、カッコン又はその抽出物と、あずき、かぼちゃ、たまねぎ、フェヌグリーク、及びナツメグからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
[14] 昆布だし又はその抽出物と、冬瓜、トマト、豆腐、白きくらげ、及びひじきからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物。
[15] 対象から下記表1のQ1~Q15の質問事項に対してそれぞれ自分の悩みに近い方を1つ選択する回答取得工程、
前記回答取得工程で得た回答に基づいて前記対象を下記表2のG1群からG8群までの8群に分類する対象分類工程、並びに
前記対象分類工程で分類した分類群に基づいて、下記各群への提案方法に従って前記対象に提供する食品組成物を[7]~[10]に記載の食品組成物から2種及び[11]~[14]の食品組成物から2種を選択して前記対象に提案する選択提案工程、
を備える、更年期症状の改善のための食品組成物の提供方法。
【表1】
【表2】
<各郡への提案方法>
G1群(実-熱-湿)には、[8]に記載の食品組成物及び[9]に記載の食品組成物、並びに[11]に記載の食品組成物及び[14]に記載の食品組成物を提案する。
G2群(実-熱-燥)には、[8]に記載の食品組成物及び[10]に記載の食品組成物、並びに[11]に記載の食品組成物及び[14]に記載の食品組成物を提案する。
G3群(実-寒-湿)には、[7]に記載の食品組成物及び[9]に記載の食品組成物、並びに[11]に記載の食品組成物及び[13]に記載の食品組成物を提案する。
G4群(実-寒-燥)には、[7]に記載の食品組成物及び[10]に記載の食品組成物、並びに[11]に記載の食品組成物及び[13]に記載の食品組成物を提案する。
G5群(虚-熱-湿)には、[8]に記載の食品組成物及び[9]に記載の食品組成物、並びに[12]に記載の食品組成物及び[14]に記載の食品組成物を提案する。
G6群(虚-熱-燥)には、[8]に記載の食品組成物及び[10]に記載の食品組成物、並びに[12]に記載の食品組成物及び[14]に記載の食品組成物を提案する。
G7群(虚-寒-湿)には、[7]に記載の食品組成物及び[9]に記載の食品組成物、並びに[12]に記載の食品組成物及び[13]に記載の食品組成物を提案する。
G8群(虚-寒-燥)には、[7]に記載の食品組成物及び[10]に記載の食品組成物、並びに[12]に記載の食品組成物及び[13]に記載の食品組成物を提案する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、更年期症状の改善剤、更年期症状の改善のための食品組成物、及び更年期症状を改善するための食品組成物の提供方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明において数値範囲を「~」を用いて表す場合、「~」の両側の数値はその数値範囲に含まれるものとする。
【0014】
以下では本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限り種々の変更が可能である。
【0015】
[更年期症状の改善剤及び更年期症状の改善のための食品組成物]
本発明において、更年期症状の改善は、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、及び情緒不安定からなる群から選択される少なくとも1種の症状の改善であることが好ましい。
【0016】
本発明において、更年期症状の改善には、睡眠の質の改善は含まれない。ここで、「睡眠の質の改善」は、例えば起床時眠気、入眠と睡眠維持、夢み、疲労回復、睡眠時間、睡眠深度、中途覚醒度、熟眠感、起床時の爽快感、睡眠の満足感及び早朝覚醒の有無の改善である。すなわち、「睡眠の質の改善」には、例えば起床時眠気の抑制、入眠と睡眠維持の向上、夢みの改善、疲労回復の促進、睡眠時間の増加、睡眠深度の向上、中途覚醒度の抑制、熟眠感の向上、起床時の爽快感の向上、睡眠の満足感の向上及び早朝覚醒の抑制などが含まれる。
【0017】
<第一の実施形態>
(改善剤)
本発明の第一の実施形態に係る改善剤は、アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善剤である。
【0018】
アルクチゲニン及びそのグリコシドであるアルクチインは、ゴボウ等の植物に含まれるジフェニルプロパノイド(リグナン類)に分類される化合物の1つである。アルクチインは、アルクチゲニンの前駆体であり、生体内で代謝されてアルクチゲニンになることが知られている。アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種として、化学的に合成したアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を用いてもよいし、植物から単離したアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を用いてもよい。また、アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種には、アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を含む植物そのもの又はその植物の抽出物として含まれてもよい。
【0019】
アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を含む植物には、例えばゴボウ(スプラウト・葉・根茎・ゴボウシ)、アイノコレンギョウ(花・葉・果実・根茎)、チョウセンレンギョウ(花・葉・果実・根茎)、レンギョウ(花・葉・果実・根茎)、シナレンギョウ(花・葉・果実・根茎)、ベニバナ、ヤグルマギク、アメリカオニアザミ、サントリソウ(ギバナアザミ)、カルドン、ゴロツキアザミ、アニウロコアザミ、ゴマ、モミジヒルガオ、シンチクヒメハギ、チョウセンテイカカズラ、テイカカズラ、ムニンテイカカズラ、ヒメテイカカズラ、トウキョウチクトウ、ケテイカカズラ、リョウカオウ、オオケタデ、ヤマザクラ、シロイヌナズナ、アマランス、クルミ、エンバク、スペルタコムギ、軟質コムギ、メキシコイトスギ、及びカヤが含まれる。なかでも、ゴボウ(特にゴボウシ及びゴボウスプラウト)及びレンギョウ(特に葉)は、アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種の含有量が高いため好ましい。植物そのものを用いる場合、生のまま刻んだもの、乾燥して刻んだもの、又は乾燥して粉末としたもの、を用いることができる。
【0020】
アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種として植物の抽出物を用いる場合、抽出物は、例えば以下の方法によって植物から製造してもよい。本発明において使用される抽出物は、例えばアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を含む植物から、酵素変換工程及び有機溶媒による抽出工程の2段階により抽出してもよい。
【0021】
酵素変換工程は、植物に内在する酵素であるβ-グルコシダーゼにより、前記植物に含まれているアルクチインをアルクチゲニンに酵素変換する工程である。具体的には、植物を乾燥し切栽したものを適切な温度に保持することにより内在のβ-グルコシダーゼを作用させて、アルクチインからアルクチゲニンへの反応を進行させる。例えば切裁した植物に水などの任意の溶液を加えて、30℃付近の温度(20~50℃)の間にて攪拌することなどにより、植物を任意の温度に保持することができる。
【0022】
有機溶媒による抽出工程は、任意の適切な有機溶媒を使用して、植物からアルクチゲニン及びアルクチインを抽出する工程である。すなわち、上記の酵素変換工程によりアルクチゲニンが高含量となった状態で、適切な溶媒を添加して、植物から抽出物(エキス)を抽出する工程である。例えば植物に適切な溶媒を添加して、適切な時間加熱攪拌して抽出物を抽出する。また、加熱攪拌以外にも、加熱還流、ドリップ式抽出、浸漬式抽出又は加圧式抽出法などの当業者に公知の任意の抽出法を使用して、抽出物を抽出することができる。
【0023】
アルクチゲニンは水難溶性であることから、有機溶媒を添加することにより、アルクチゲニンの収率を向上させることができる。有機溶媒は、任意の有機溶媒を使用することができる。例えばメタノール、エタノール及びプロパノールなどのアルコール、並びにアセトンを使用することができる。安全性の面を考慮すると、有機溶媒として30%量のエタノールを使用することが好ましい。抽出物から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物を得ることができる。
【0024】
本実施形態の更年期症状の改善剤は、上述した植物そのもの若しくはその植物の抽出物、上述した植物を乾燥して刻んだもの、又は上述した植物を乾燥して粉末としたものとして含まれる、アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を含有してもよい。
【0025】
本実施形態の更年期症状の改善剤は、任意の形態の製剤であることができる。本実施形態の更年期症状の改善剤は、経口投与製剤として、例えば糖衣錠、バッカル錠、コーティング錠及びチュアブル錠等の錠剤;トローチ剤;丸剤;散剤;硬カプセル剤及び軟カプセル剤を含むカプセル剤;顆粒剤;ならびに懸濁剤、乳剤、シロップ剤及びエリキシル剤等の液剤などであることができる。
【0026】
また、本実施形態の更年期症状の改善剤は、経皮投与、経鼻投与、経肺投与、経腸投与、口腔内投与及び経粘膜投与などの非経口投与製剤であることができる。本実施形態の更年期症状の改善剤は、例えば経皮吸収テープ、エアゾール剤及び坐剤などであることができる。
【0027】
また、本実施形態の更年期症状の改善剤は、外用剤として提供されることができる。本実施形態の外用剤は、医薬品及び化粧品などであることができる。本実施形態の外用剤は、皮膚、頭皮、毛髪、粘膜及び爪などに適用するための外用剤であることができる。外用剤には、例えばクリーム剤、軟膏剤、液剤、ゲル剤、ローション剤、乳液剤、エアゾール剤、スティック剤、シートマスク剤、固形剤、泡沫剤、オイル剤及びチック剤等の塗布剤;パップ剤、プラスター剤、テープ剤及びパッチ剤等の貼付剤;並びにスプレー剤などが含まれる。
【0028】
(組成物)
本発明の第一の実施形態に係る組成物は、アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善のための組成物である。
【0029】
本実施形態の更年期症状の改善のための組成物は、上述した剤と同様に構成することができる。本実施形態の更年期症状の改善のための組成物は、食用に適した形態であることができ、例えば固形状、液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、又はペースト状であってもよい。
【0030】
本実施形態の更年期症状の改善のための組成物は、医薬品、化粧品及び食品などに用いるための組成物であることができる。本実施形態の更年期症状の改善のための組成物は、医薬品、化粧品及び食品に通常用いられる任意の成分をさらに含むことができる。例えば本実施形態の更年期症状の改善のための組成物は、薬学的に許容される基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤及び着色剤などをさらに含んでもよい。
【0031】
前記担体及び前記賦形剤の例は、乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、デキストリン、馬鈴薯デンプン、トウモロコシデンプン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び結晶セルロースを含む。
【0032】
前記結合剤の例は、デンプン、ゼラチン、シロップ、トラガントゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースを含む。
【0033】
前記崩壊剤の例は、デンプン、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びカルボキシメチルセルロースカルシウムを含む。
【0034】
前記滑沢剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、タルク及びマクロゴールを含む。
【0035】
前記着色剤としては、医薬品、医薬部外品及び食品に添加することが許容されている任意の着色剤を使用することができる。
【0036】
また、本実施形態の更年期症状の改善のための組成物は、必要に応じて、白糖、ゼラチン、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート、又はメタアクリル酸重合体などで一層以上の層で被膜してもよい。
【0037】
また、本実施形態の更年期症状の改善のための組成物は、必要に応じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤、防腐剤、希釈剤、コーティング剤、甘味剤、香料、又は可溶化剤などを添加してもよい。
【0038】
(食品組成物)
本発明の第一の実施形態に係る食品組成物は、アルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、更年期症状の改善のための食品組成物である。
【0039】
本実施形態の更年期症状の改善のための食品組成物は、上述した更年期症状の改善剤及び更年期症状の改善のための組成物と同様に構成することができる。
【0040】
本明細書において「食品組成物」には、一般的な飲食品だけでなく、病者用食品、健康食品、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養補助食品及びサプリメントなどが含まれる。一般的な飲食品には、例えば各種飲料、各種食品、加工食品、液状食品(スープ等)、調味料、栄養ドリンク及び菓子類などが含まれる。
【0041】
本明細書において「加工食品」とは、天然の食材(動物及び植物など)に対し加工及び/又は調理を施したものをいい、例えば肉加工品、野菜加工品、果実加工品、冷凍食品、レトルト食品、缶詰食品、瓶詰食品及びインスタント食品などが含まれる。
【0042】
本実施形態の更年期症状の改善のための食品組成物は、更年期症状の改善、ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、又は情緒不安定などの症状の改善などの効果の表示を付した食品であってもよい。
【0043】
また、本実施形態の更年期症状の改善のための食品組成物は、袋及び容器等に封入された形態で提供されてもよい。本発明において使用する袋及び容器は、食品に通常使用される任意の袋及び容器であることができる。
【0044】
(第1の養生茶)
本実施形態の食品組成物は、上述したアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種の他に、例えば生姜、オレンジピール、シナモン、及びイチョウ葉からなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の乾燥粉砕物をさらに含む組成物であってもよい。この態様の組成物を、特に「第1の養生茶」という場合がある。
【0045】
前記生姜は、ショウガ科ショウガの根茎を乾燥したもので、冷え症・血行不良による冷え性や体のこわばり、肩こりの改善、体を温める、関節の痛みを和らげる、免疫賦活、殺菌効果、吐き気の抑制、胃を健康に保つ、炎症を抑える、せきやのどの痛みを緩和する、血中コレステロール値制御、血圧低下、抗酸化作用などが知られている。
【0046】
前記オレンジピールは、ミカン科のオレンジの外皮、またはそれを乾燥させたもので、血流改善、体を温める、美肌効果、生活習慣病の予防改善、肝機能を高める、アレルギー緩和、リラックス効果、胃腸の機能を高める、鎮咳、去痰、むくみ改善などの作用が知られている。
【0047】
前記シナモンは、クスノキ科のケイヒ(ニッケイ)の樹皮を乾燥したもので、抗菌作用、防腐作用、胃や腸を健康にする、血流改善、むくみ予防、消化促進、糖尿病の予防、頭痛・腹痛・風邪症状の緩和、鼻炎への効果などが知られている。
【0048】
前記イチョウ葉は、イチョウ科銀杏の葉柄を含む葉を乾燥したもので、血流を改善、血小板の凝集を抑制、活性酸素の生産を抑制、冷え性を改善、脳梗塞や認知症などの予防効果などが知られている。
【0049】
各素材は乾燥した材料を粉砕するとともに次に示す割合にて各材料を混合し、当該混合物をティバックに詰めて用いることができる。
第1の養生茶の処方例として、たとえば、原料乾燥粉砕物全体を100%とした場合、レンギョウ葉20~80%、生姜粉砕物5~40%、オレンジピール2~30%、シナモン2~30%、イチョウ葉2~30%が好ましい。さらに好ましくは、レンギョウ葉30~60%、生姜粉砕物10~30%、オレンジピール5~25%、シナモン5~25%、イチョウ葉5~25%である。この配合比であれば、レンギョウ葉とその他の原料との香気がうまく調合することができる。
【0050】
(第2の養生茶)
本実施形態の食品組成物は、上述したアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種の他に、例えばペパーミント、スイカズラ、菊花、及びタンポポからなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物をさらに含む組成物であってもよい。この態様の組成物を、特に「第2の養生茶」という場合がある。
【0051】
前記ペパーミントは、シソ科のハッカの茎・葉を乾燥したもので、ハーブの一種であり、解熱・健胃・鎮痛作用、熱性のカゼ、頭痛、咽喉痛などに対する作用、ガスが溜まって腹が苦しい症状にも用いられることが知られている。
【0052】
前記スイカズラは、スイカズラ科スイカズラのツルを乾燥させたもので、別名、ニンドウやキンギンカとも言われており、アレルギー性鼻炎・皮膚炎・発熱・炎症・充血・膨脹・出血などの熱症状の改善、解毒作用、抗菌作用、抗ウイルス、浄血作用、健胃、利尿などの作用、風邪予防や肌荒れの予防効果が知られている。
【0053】
前記菊花は、キク科キクの頭上花を乾燥させたもので、眼精疲労改善、リラックス効果、痛風を予防・改善、老化を防ぐ、美肌効果などが知られている。
【0054】
前記タンポポは、キク科タンポポの根を乾燥させたもので、別名ダンデライオンと言われており、利尿・解毒作用、婦人病、口内炎、喉の痛み、物忘れ、糖尿病や高コレステロール血症に対する効果などが知られている。
【0055】
第2の養生茶の処方例として、たとえば、原料乾燥粉砕物全体を100%とした場合、レンギョウ葉20~80%、ペパーミント2~30%、スイカズラ2~30%、菊花2~30%、タンポポ5~50%が好ましい。さらに好ましくは、レンギョウ葉30~60%、ペパーミント5~35%、スイカズラ5~25%、菊花5~25g、タンポポ10~40%である。この配合比であれば、レンギョウ葉とその他の原料との香気がうまく調合することができる。
【0056】
(第3の養生茶)
本実施形態の食品組成物は、上述したアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種の他に、例えばフェンネル、ビワの葉、発芽ハトムギ、及びカリンからなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物をさらに含む組成物であってもよい。この態様の組成物を、特に「第3の養生茶」という場合がある。
【0057】
前記フェンネルは、セリ科のウイキョウの果実を乾燥したもので、ダイエット効果、腸内環境を整える作用、利尿作用、発汗作用、便秘解消、余分な水分や老廃物を排出する作用、胃の健康を保ち胃の痛み・消化不良・おなかの張り・炎症や痛みを抑制する作用などが知られている。
【0058】
前記ビワの葉は、バラ科のビワの葉を乾燥したもので、生活習慣病予防、ダイエット効果、感染症予防、抗老化、抗炎症、下痢の予防や、疲労回復、鎮咳、去痰、利尿、健胃、鎮咳、暑気あたり、浮腫に対する効果などが知られている。
【0059】
前記発芽ハトムギは、イネ科ハトムギの果実で、デトックス作用、美肌効果、生活習慣病予防改善、アレルギー抑制、胃の健康保つ、滋養強壮、免疫賦活、新陳代謝促進や、花粉症、にきび、シミ・そばかすの抑制、肌荒れ防止、肥満予防などの効果が知られている。
【0060】
前記カリンは、バラ科カリンの果実を乾燥したもので、日本では木瓜とも呼ばれており、感染症予防、ストレス抵抗力強化、美肌効果、美白作用、丈夫な体を作る、高血圧や動脈硬化の予防、疲労回復、むくみ予防、便秘解消、体を温める作用などが知られている。
【0061】
第3の養生茶の処方例として、たとえば、原料乾燥粉砕物全体を100%とした場合、レンギョウ葉20~80%、フェンネル1~20%、ビワの葉2~30%、ハトムギ5~50%、カリン5~50%が好ましい。さらに好ましくは、レンギョウ葉30~60%、フェンネル2~12%、ビワの葉5~25%、ハトムギ10~30%、カリン10~30%である。この配合比であれば、レンギョウ葉とその他の原料との香気がうまく調合することができる。
【0062】
(第4の養生茶)
本実施形態の食品組成物には、上述したアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種の他に、例えばカモミール、ジャスミン、コラーゲン、及び月桃葉からなる群から選択される少なくとも1種の素材又は前記少なくとも1種の素材の抽出物をさらに含む組成物であってもよい。この態様の組成物を、特に「第4の養生茶」という場合がある。
【0063】
前記カモミールは、キク科カミツレの頭状花を乾燥させたもので、安眠・リラックス効果、頭痛、歯痛、神経痛、月経痛などの痛みやかゆみ全般・神経性の筋肉痛やリウマチ、痛風・月経前の緊張や更年期障害・胃炎、消化不良、下痢、嘔吐、腹部膨満に働きかけ・歯肉炎・口臭予防・肌の炎症を鎮める・体を温め・月経痛の緩和・糖化を防ぐ効果が知られている。
【0064】
前記ジャスミンは、モクセイ科茉莉花の花を乾燥させたもので、ストレス緩和・ホルモンのバランスを整え・月経前症候群(PMS)・月経過多・更年期に対する作用などが知られている。
【0065】
前記コラーゲンは、海のうろこを加水分解したコラーゲンペプチドで、月経不順・便通を整える、骨粗しょう症の予防、肌荒れ・乾燥の予防、新陳代謝の促進、貧血改善、更年期に対する作用などが知られている。
【0066】
前記月桃葉は、ショウガ科ハナミョウガ属に分類される月桃の葉を乾燥させたもので、リラックス・殺菌・抗酸化作用・更年期・美肌への効果が知られている。
【0067】
第4の養生茶の処方例として、たとえば、原料乾燥粉砕物全体を100%とした場合、レンギョウ葉20~80%、カモミール1~20%、ジャスミン5~50%、コラーゲン0.01~20%、月桃葉1~20%が好ましい。さらに好ましくは、レンギョウ葉30~60%、カモミール2~12%、ジャスミン10~40%、コラーゲン0.1~10%、月桃葉2~12%である。この配合比であれば、レンギョウ葉とその他の原料との香気がうまく調合することができる。
【0068】
第1から第4の養生茶の素材の一例及び分類を以下の表に示す。
【0069】
【表3】
【0070】
(有効成分の含有量)
本実施形態の更年期症状の改善剤及び組成物におけるアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種の含有量は、更年期症状の改善の効果を発揮できる量であればよく、適用する対象、目的及び摂取方法(投与方法)に応じて適宜設定することができる。例えばヒトに経口摂取させる場合、好ましくはアルクチゲニン及びアルクチインからなる群から選択される少なくとも1種を1日あたりの摂取量(投与量)が10~2000mgとなるように含むことができる。
【0071】
(摂取方法・投与方法)
本実施形態の更年期症状の改善剤及び更年期症状の改善のための組成物は、連続して摂取(投与)することができ、例えば2日間、3日間、5日間、1週間、2週間、又は3週間以上連続して摂取(投与)してもよい。
【0072】
(適用対象)
本実施形態の更年期症状の改善剤及び組成物は、特に限定されず、任意の対象に適用することができる。本実施形態の更年期症状の改善剤及び組成物を適用する対象には、例えばヒト、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ及びサルなどの哺乳動物が含まれ、更年期(45歳~55歳)のヒトの女性が好ましい。本実施形態の更年期症状の改善剤及び組成物はまた、特に限定されないが、更年期症状の改善が望まれる対象、例えばほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、又は情緒不安定などの更年期に関する不調を感じている対象に適用することができる。
【0073】
(養生茶の提案方法)
本実施形態の第1~4の養生茶の提案方法について説明する。
対象のバランス状態を判定する。
まず、以下の表のA群からC群までの質問事項Q1~Q15について、それぞれ左右どちらか、自分の悩みに近い方を選択してもらう。
【0074】
【表4】
【0075】
次に、得られた回答に基づいて、以下の表に従って対象をG1群からG8群に分類する。G1群からG8群が対象のバランス状態に基づく分類となる。
【0076】
【表5】
【0077】
G1群、すなわちバランス状態が「実-熱-湿」と判定された対象には、第2の養生茶及び第3の養生茶が提案される。
G2群、すなわちバランス状態が「実-熱-燥」と判定された対象には、第2の養生茶及び第4の養生茶が提案される。
G3群、すなわちバランス状態が「実-寒-湿」と判定された対象には、第1の養生茶及び第2の養生茶が提案される。
G4群、すなわちバランス状態が「実-寒-燥」と判定された対象には、第1の養生茶及び第4の養生茶が提案される。
G5群、すなわちバランス状態が「虚-熱-湿」と判定された対象には、第2の養生茶及び第2の養生茶が提案される。
G6群、すなわちバランス状態が「虚-熱-燥」と判定された対象には、第2の養生茶及び第4の養生茶が提案される。
G7群、すなわちバランス状態が「虚-寒-湿」と判定された対象には、第1の養生茶及び第3の養生茶が提案される。
G8群、すなわちバランス状態が「虚-寒-燥」と判定された対象には、第1の養生茶及び第4の養生茶が提案される。
【0078】
第1~4の養生茶は、例えば各素材を焙煎後にブレンドしたティーバッグの形態で顧客である対象に提供される。第1~4の養生茶は、例えば毎月1回、2種類のそれぞれ15包が顧客である対象に届けられる。顧客である対象は、例えば1日あたりティーバッグの1包を消費することができる。
【0079】
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態は、更年期症状の改善のための食品組成物である。
【0080】
(第1のスープ)
本発明の第二の実施形態に係る食品組成物の第1の態様は、鶏がら又はその抽出物と、しそ、大麦、かぶ、セロリ、及びオレンジピールからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物である。以下、本態様の食品組成物を「第1のスープ」という場合がある。
【0081】
前記鶏がら又はその抽出物は、第1のスープのベース味である。鶏がら(鶏ガラ)は、食用の肉を取り去った鶏の骨であり、煮込んでスープがとられる。鶏がらの抽出物は鶏がらスープとして市販されているものを利用できる。
前記しそは、シソ科シソ属の植物で、芳香性のある食用の葉である。
前記大麦は、イネ科の穀物である。
前記かぶは、アブラナ科アブラナ属の越年草で、胚軸とよばれる根の部分と葉が食用にされる。
前記セロリは、セリ科の一年草または二年草(越年草)で、葉、茎、実の部分を食用にでき、独特の強い香りがある。
前記オレンジピールは、ミカン科のオレンジの外皮、またはそれを乾燥させたもので、血流改善、体を温める、美肌効果、生活習慣病の予防改善、肝機能高める、アレルギー緩和、リラックス効果、胃腸の機能を高める、鎮咳、去痰、むくみ改善などの作用が知られている。
【0082】
第1のスープの処方例としては、大麦パフ2%、かぶ40%、セロリ10%、青しそ1.5%、オレンジピール1.5%と鶏がらスープベース45%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填する。この個食用容器ごと冷凍庫に収納し、庫内温度を-20℃以下にして予備凍結させ、その後、これを常法により真空下で昇温させて凍結乾燥処理し、一食分のブロック状の凍結乾燥スープ(例えば13g)を得る。
【0083】
(第2のスープ)
本発明の第二の実施形態に係る食品組成物の第2の態様は、生姜又はその抽出物と、山芋、しいたけ、きくらげ、クコの実、及び朝鮮人参からなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物である。以下、本態様の食品組成物を「第2のスープ」という場合がある。
【0084】
前記生姜又はその抽出物は、第1のスープのベース味である。生姜は、ショウガ科ショウガの根茎を乾燥したもので、冷え症・血行不良による冷え性や体のこわばり、肩こりの改善、体を温める、関節の痛みを和らげる、免疫賦活、殺菌効果、吐き気の抑制、胃を健康に保つ、炎症を抑える、せきやのどの痛みを緩和する、血中コレステロール値制御、血圧低下、抗酸化作用などが知られている。
前記山芋は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物で、食用に使われる根菜である。
前記しいたけは、ハラタケ目-キシメジ科に分類される食用のキノコである。
前記きくらげは、キクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属の食用のキノコである。
前記クコの実は、東アジア原産のナス科クコ属の落葉低木で、秋に赤い果実をつける。
前記朝鮮人参は、日本ではオタネニンジン(御種人蔘)と呼ばれ、ウコギ科の多年草である。
【0085】
第2のスープの処方例としては、クコの実8%、山芋20%、乾燥シイタケ10%、乾燥きくらげ3%、高麗人参粉末0.5%と生姜スープベース58.5%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填する。この個食用容器ごと冷凍庫に収納し、庫内温度を-20℃以下にして予備凍結させ、その後、これを常法により真空下で昇温させて凍結乾燥処理し、一食分のブロック状の凍結乾燥スープ(例えば13g)を得る。
【0086】
(第3のスープ)
本発明の第二の実施形態に係る食品組成物の第3の態様は、かつおだし又はその抽出物と、カッコン又はその抽出物と、あずき、かぼちゃ、たまねぎ、フェヌグリーク、及びナツメグからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物である。以下、本態様の食品組成物を「第3のスープ」という場合がある。
【0087】
前記かつおだし又はその抽出物は、第3のスープのベース味である。かつおだしは、食用のかつお節を煮込んでスープがとられる。かつおの抽出物はかつおだしとして市販されているものを利用できる。
前記カッコン又はその抽出物は、第3のスープのとろみ成分である。マメ科の多年草であるクズ根から得られるデンプンを精製して作られるのが食用の葛粉であり、市販されているものを利用できる。
前記あずきは、マメ科ササゲ属アズキ亜属に属する一年草で、種子は豆の一種である。
前記かぼちゃは、ウリ科カボチャ属に属する果菜である。
前記たまねぎは、ヒガンバナ科ネギ属の多年草で、ネギ属の中でも大きく肥大した鱗茎(球根)を持つ種である。
前記フェヌグリークは、ハーブ・香辛料の一種でもある、マメ亜科の一年草植物である。
前記ナツメグは、ニクズク属樹木ニクズクの種子またはそれを挽いて粉末にした香辛料である
【0088】
第3のスープの処方例としては、乾燥かぼちゃ15%、あずき20%、たまねぎ22%、ナツメグ0.5%、フェヌグリーク0.5%とかつおだしスープベース42%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填する。この個食用容器ごと冷凍庫に収納し、庫内温度を-20℃以下にして予備凍結させ、その後、これを常法により真空下で昇温させて凍結乾燥処理し、一食分のブロック状の凍結乾燥スープ(例えば13g)を得る。
【0089】
(第4のスープ)
本発明の第二の実施形態に係る食品組成物の第3の態様は、昆布だし又はその抽出物と、冬瓜、トマト、豆腐、白きくらげ、及びひじきからなる群から選択される少なくとも3種の素材とを含む、更年期症状の改善のための食品組成物である。以下、本態様の食品組成物を「第4のスープ」という場合がある。
【0090】
前記昆布だし又はその抽出物は、第4のスープのベース味である。昆布だしは、食用の昆布を煮込んでスープがとられる。昆布の抽出物は昆布だしとして市販されているものを利用できる。
前記冬瓜は、ウリ科のつる性一年草、雌雄同株の植物で、果実を食用する夏野菜である。
前記トマトは、南アメリカのアンデス山脈高原地帯原産のナス科ナス属の植物の果実である。
前記豆腐は、煮た大豆の搾り汁(豆乳)を凝固剤(にがり、石膏など)によって固めた加工食品である。
前記白きくらげは、シロキクラゲ科シロキクラゲ属に分類される食用のきのこである。
前記ひじきは、ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属に属する褐藻である。
【0091】
第4のスープの処方例としては、冬瓜20%、豆腐20%、トマト18%、白きくらげ5%、ひじき5%と昆布だしスープベース32%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填する。この個食用容器ごと冷凍庫に収納し、庫内温度を-20℃以下にして予備凍結させ、その後、これを常法により真空下で昇温させて凍結乾燥処理し、一食分のブロック状の凍結乾燥スープ(例えば13g)を得る。
【0092】
第1から第4のスープの素材の一例及び分類を以下の表に示す。
【0093】
【表6】
【0094】
(摂取方法)
本実施形態の更年期症状の改善のための食品組成物は、連続して摂取(投与)することができ、例えば2日間、3日間、5日間、1週間、2週間、又は3週間以上連続して摂取(投与)してもよい。
【0095】
(適用対象)
本実施形態の更年期症状の改善のための食品組成物は、特に限定されず、任意の対象に適用することができる。本実施形態の更年期症状の改善剤及び組成物を適用する対象には、例えばヒト、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ及びサルなどの哺乳動物が含まれ、更年期(45歳~55歳)のヒトの女性が好ましい。本実施形態の更年期症状の改善剤及び組成物はまた、特に限定されないが、更年期症状の改善が望まれる対象、例えばほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさ、気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、又は情緒不安定などの更年期に関する不調を感じている対象に適用することができる。
【0096】
(スープの提案方法)
本実施形態の第1~4のスープの提案方法について説明する。
対象のバランス状態を判定する。
まず、以下の表のA群からC群までの質問事項Q1~Q15について、それぞれ左右どちらか、自分の悩みに近い方を選択してもらう。
【0097】
【表7】
【0098】
次に、得られた回答に基づいて、以下の表に従って対象をG1群からG8群に分類する。G1群からG8群が対象のバランス状態に基づく分類となる。
【0099】
【表8】
【0100】
G1群、すなわちバランス状態が「実-熱-湿」と判定された対象には、第1のスープ及び第4のスープが提案される。
G2群、すなわちバランス状態が「実-熱-燥」と判定された対象には、第1のスープ及び第4のスープが提案される。
G3群、すなわちバランス状態が「実-寒-湿」と判定された対象には、第1のスープ及び第3のスープが提案される。
G4群、すなわちバランス状態が「実-寒-燥」と判定された対象には、第1のスープ及び第3のスープが提案される。
G5群、すなわちバランス状態が「虚-熱-湿」と判定された対象には、第2のスープ及び第4のスープが提案される。
G6群、すなわちバランス状態が「虚-熱-燥」と判定された対象には、第2のスープ及び第4のスープが提案される。
G7群、すなわちバランス状態が「虚-寒-湿」と判定された対象には、第2のスープ及び第3のスープが提案される。
G8群、すなわちバランス状態が「虚-寒-燥」と判定された対象には、第2のスープ及び第3のスープが提案される。
【0101】
第1~4のスープは、例えば各素材を調理後にフリーズドライ又はレトルトパウチをして顧客である対象に提供される。第1~4のスープは、例えば毎月1回、2種類のそれぞれ7食分が顧客である対象に届けられる。顧客である対象は、例えば2日あたりスープの1食を消費することができる。
【0102】
第1~4のスープは第1~4の養生茶とともに顧客である対象に提供されてもよい。対象のバランス状態は、上述したものと同様に判断される。
【実施例0103】
以下では実験例によって本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は後述する実施例に限定されるものではない。
【0104】
[実験例1:養生茶の製造]
(レンギョウ葉)
栽培したレンギョウから摘み取ったレンギョウ葉を高温の蒸気で蒸し、温風をあてながら茶葉を揉んで形を整え、乾燥機で十分に乾燥させてレンギョウ葉の乾燥粉砕物を製造する。このレンギョウ葉をさらに選別して茎、粉などを除いて形を整え、火入れ仕上げを行う。次に示す割合にて他の各材料を合組(ブレンド)し、当該混合物2.0gをティバックに詰めて用いることができる。
【0105】
<第1の養生茶「寒」の製造>
レンギョウ葉1.0g、ジンジャー0.3g、オレンジピール0.3g、イチョウ葉0.2、シナモン0.2gを含む養生茶ティーバッグを製造した。
養生茶ティーバッグを約95℃の白湯200mLに浸漬して飲用の養生茶を製造した。
【0106】
<第2の養生茶「熱」の製造>
レンギョウ葉1.0g、ペパーミント0.1g、スイカズラ0.2g、菊花0.2g、たんぽぽ0.5gを含む養生茶ティーバッグを製造した。
養生茶ティーバッグ約95℃の白湯200mLに浸漬して飲用の養生茶を製造した。
【0107】
<第3の養生茶「湿」の製造>
レンギョウ葉1.0g、フェンネル0.1g、ビワの葉0.2g、ハトムギ0.5g、カリン0.2gを含む養生茶ティーバッグを製造した。
養生茶ティーバッグを約95℃の白湯200mLに浸漬して飲用の養生茶を製造した。
【0108】
<第4の養生茶「燥」の製造>
レンギョウ葉1.0g、カモミール0.1g、ジャスミン0.6g、コラーゲン0.1g、月桃葉0.2gを含む養生茶ティーバッグを製造した。
養生茶ティーバッグを約95℃の白湯200mLに浸漬して飲用の養生茶を製造した。
【0109】
[実験例2:養生茶の試飲評価]
(被験者)
被験者は、Body Mass Index(BMI)が25.0kg/m以上~30.0kg/m未満であり、日本産科婦人科学会作成の日本人女性の更年期症状評価表21項目のいずれか7項目以上の更年期症状を自覚している35歳以上55歳以下の女性18人を対象とした。
【0110】
(被験者のバランス状態の判定)
被験者18人に対して、以下の表のQ1~Q15の質問を行なった。
【0111】
【表9】
【0112】
得られた回答に基づいて、以下の表に従ってバランス状態を判定した。
【0113】
【表10】
【0114】
実験例1で製造した第1~第4の養生茶(ティーバッグ)を約95℃の白湯200mLで抽出して試飲用養生茶を製造した。
被験者にバランス状態に合う2種類の養生茶を試飲してもらい、効果の有無を5段階で評価してもらった。
評価
1:まったく効果がない
2:あまり効果がない
3:どちらともいえない
4:やや効果がある
5:非常2効果がある
被験者ごとの評価結果を以下の表に示す。
【0115】
【表11】
【0116】
平均が4以上となり、効果が認められた。
【0117】
[実験例3:スープの製造]
<第1のスープ「実」の製造>
大麦パフ2%、かぶ40%、セロリ10%、青しそ1.5%、オレンジピール1.5%と鶏がらスープベース45%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填し、凍結乾燥処理したブロック状の凍結乾燥スープ(13g)に熱湯160mLを加え、よくかき混ながら1分間静置した。
【0118】
<第2のスープ「虚」の製造>
クコの実8%、山芋20%、乾燥シイタケ10%、乾燥きくらげ3%、高麗人参粉末0.5%と生姜スープベース58.5%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填し、凍結乾燥処理したブロック状の凍結乾燥スープ(13g)に熱湯160mLを加え、よくかき混ながら1分間静置した。
【0119】
<第3のスープ「寒」の製造>
乾燥かぼちゃ15%、あずき20%、たまねぎ22%、ナツメグ0.5%、フェヌグリーク0.5%とかつおだしスープベース42%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填し、凍結乾燥処理したブロック状の凍結乾燥スープ(13g)に熱湯160mLを加え、よくかき混ながら1分間静置した。
【0120】
<第4のスープ「熱」の製造>
冬瓜20%、豆腐20%、トマト18%、白きくらげ5%、ひじき5%と昆布だしスープベース32%を用い、具材とスープベースを予め混合して、これを個食用容器(40mL)に充填し、凍結乾燥処理したブロック状の凍結乾燥スープ(13g)に熱湯160mLを加え、よくかき混ながら1分間静置した。
【0121】
[実験例4:スープの試食評価]
実験例3で製造した第1~第4のスープ(フリーズドライ品)のそれぞれに熱湯160mLを加え、よくかきまぜながら1分間静置した。
実験例2と同一の被験者にバランス状態に合う2種類のスープを試食してもらい、効果の有無を5段階で評価してもらった。
評価
1:まったく効果がない
2:あまり効果がない
3:どちらともいえない
4:やや効果がある
5:非常2効果がある
被験者ごとの評価結果を以下の表に示す。
【0122】
【表12】
【0123】
平均が4以上となり、効果が認められた。