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特開2024-104491ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システム
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  • 特開-ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システム 図1
  • 特開-ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システム 図2
  • 特開-ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システム 図3
  • 特開-ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104491
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/036 20060101AFI20240729BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G02B6/036
G02B6/26 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008721
(22)【出願日】2023-01-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度 情報通信研究機構 次世代コアとBeyond 5G/6Gネットワークのためのプログラム可能なネットワークの研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】松浦 基晴
【テーマコード(参考)】
2H137
2H250
【Fターム(参考)】
2H137AA17
2H137AB01
2H137BA04
2H137BC32
2H137BC51
2H137HA00
2H250AB04
2H250AD15
2H250AE11
2H250AE12
2H250AE15
2H250AH11
2H250AH42
(57)【要約】
【課題】少ない伝送損失で、効率良く電力供給を行うことが可能な、ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システムを提供する。
【解決手段】ダブルクラッド光ファイバ10は、コア13の外周に内部クラッド14および外部クラッド15が順次形成され、伝送する光を入射する入射端11および射出する射出端12を有する。ダブルクラッド光ファイバ10の内部クラッド14は、純シリカで形成され、入射端から入射された給電光L2を伝送して射出端12から射出する。また内部クラッド14は、射出端12から射出した給電光L2が、射出端12側に配置された第2波長分割多重フィルタ30内に入射されるビーム径になるように開口数が設定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアの外周に内部クラッドおよび外部クラッドが順次形成され、伝送する光を入射する入射端および射出する射出端を有するダブルクラッド光ファイバであって、
前記内部クラッドは、純シリカで形成され、前記入射端から入射された給電光を伝送して前記射出端から射出し、
前記射出端から射出した給電光が、前記射出端側に配置された波長分割フィルタ内に入射されるビーム径になるように前記内部クラッドの開口数が設定された、ダブルクラッド光ファイバ。
【請求項2】
コアの外周に内部クラッドおよび外部クラッドが順次形成され、伝送する給電光および信号光を入射する入射端および射出する射出端を有し、
前記内部クラッドは、純シリカで形成され、前記入射端から入射された給電光を伝送して前記射出端から射出し、
前記コアは、第1クラッドよりも屈折率が高くなるように調製されたシリカで形成され、前記入射端から入射された信号光を伝送して前記射出端から射出するダブルクラッド光ファイバと、
前記ダブルクラッド光ファイバの前記射出端側に配置され、前記射出端から射出した給電光および信号光を入射して、前記信号光と前記給電光とに分波する波長分割フィルタと、を備え、
前記射出端から射出した給電光が、前記射出端側に配置された波長分割フィルタ内に入射されるビーム径になるように前記内部クラッドの開口数が設定された、光ファイバ給電・信号伝送システム。
【請求項3】
前記ダブルクラッド光ファイバの前記入射端側に配置され、伝送する給電光および信号光を合波して、前記ダブルクラッド光ファイバに入射させる波長多重フィルタをさらに備える、請求項2に記載の光ファイバ給電・信号伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダブルクラッド光ファイバおよびダブルクラッド光ファイバを介して電力供給および信号伝送を行う光ファイバ給電・信号伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを介して給電光のエネルギーを伝送し、伝送された給電光を光電変換し、得られた電力により遠方にある所定装置を駆動する所謂光ファイバ給電システムが従来から提案されている。
【0003】
ところが、一般的な単一モード光ファイバ(SMF)を用いた光ファイバ給電システムでは、光ファイバのコア直径が10μm程度と極めて小さいため高パワーの光電力を伝送することできず、駆動対象が非常に小型のセンサやカメラ装置等に限られるという問題があった。
【0004】
そこで、上記問題を解決すべく、コアを覆うクラッドを内部クラッドおよび外部クラッドの2重構造としたダブルクラッド光ファイバ(DCF)を用いた光ファイバ給電システムが提案されている(特許文献1参照)。ダブルクラッド光ファイバを用いて内部クラッドで給電光を伝送することで、単一モード光ファイバを用いた場合に比して、100倍以上の給電能力を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-135989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ダブルクラッド光ファイバは、芯部分のコアを最も屈折率が高い素材で形成し、コアを覆う内部クラッドはコアよりも屈折率が低い素材で形成し、内部クラッドを覆う外部クラッドは内部クラッドよりもさらに屈折率が低い素材で形成する。
【0007】
また、中心のコアは、光の伝送損失が最も低い純シリカで形成され、内部クラッドおよび外部クラッドは、所望の屈折率を有するようにシリカに添加物が加えられて形成される。添加物が加えられたシリカで伝送路を形成すると、伝送損失が増大するとともに特異な波長特性が生じる。
【0008】
そのため、ダブルクラッド光ファイバにおいて内部クラッドで給電光を伝送するように構成すると、伝送距離に制限が生じ、利用分野が限定されるという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、少ない伝送損失で効率良く電力供給を行うことが可能な、ダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための本発明のダブルクラッド光ファイバは、コアの外周に内部クラッドおよび外部クラッドが順次形成され、伝送する光を入射する入射端および射出する射出端を有するダブルクラッド光ファイバであって、前記内部クラッドは、純シリカで形成され、前記入射端から入射された給電光を伝送して前記射出端から射出し、前記射出端から射出した給電光が、前記射出端側に配置された波長分割フィルタ内に入射されるビーム径になるように前記内部クラッドの開口数が設定される。
【0011】
また本発明の光ファイバ給電・信号伝送システムは、コアの外周に内部クラッドおよび外部クラッドが順次形成され、伝送する給電光および信号光を入射する入射端および射出する射出端を有し、前記内部クラッドは、純シリカで形成され、前記入射端から入射された給電光を伝送して前記射出端から射出し、前記コアは、第1クラッドよりも屈折率が高くなるように調製されたシリカで形成され、前記入射端から入射された信号光を伝送して前記射出端から射出するダブルクラッド光ファイバと、前記ダブルクラッド光ファイバの前記射出端側に配置され、前記射出端から射出した給電光および信号光を入射して、前記信号光と前記給電光とに分波する波長分割フィルタとを備え、前記射出端から射出した給電光が、前記射出端側に配置された波長分割フィルタ内に入射されるビーム径になるように前記内部クラッドのNA(開口数)が設定される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のダブルクラッド光ファイバおよび光ファイバ給電・信号伝送システムは、少ない伝送損失で効率良く電力供給を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態による光ファイバ給電・信号伝送システムを横から見た断面図である。
図2】本発明の一実施形態によるダブルクラッド光ファイバを光軸に直交するように切断したときの断面図である。
図3】従来のダブルクラッド光ファイバと本実施形態で用いるダブルクラッド光ファイバとに関する、構成要素ごとの屈折率の大きさを示す屈折率分布図である。
図4】内部クラッドのNAを一般的なレベルに設定した従来のダブルクラッド光ファイバを用いて複数の異なる波長の光を所定長伝送したときと、内部クラッドのNAを一般的なレベルの半分程度に設定した本実施形態のダブルクラッド光ファイバとを用いて複数の異なる波長の光を所定長伝送したときの内部クラッドの伝送損失の計測値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態として、ダブルクラッド光ファイバを用いた光ファイバ給電・信号伝送システムについて、詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態による光ファイバ給電・信号伝送システム1を横から見た断面図である。光ファイバ給電・信号伝送システム1は、ダブルクラッド光ファイバ10と、第1波長分割多重フィルタ20と、第2波長分割多重フィルタ30とを備える。
【0016】
ダブルクラッド光ファイバ10は、伝送する光を入射する入射端11と、伝送した光を射出する射出端12とを有する。第1波長分割多重フィルタ20は、ダブルクラッド光ファイバ10近傍の入射端11側に、ダブルクラッド光ファイバ10の光軸方向に対して約45度の角度を有するように配置される。第2波長分割多重フィルタ30は、ダブルクラッド光ファイバ10近傍の射出端12側に、ダブルクラッド光ファイバ10の光軸方向に対して約45度の角度を有するように配置される。
【0017】
図2は、ダブルクラッド光ファイバ10を光軸に直交するように切断したときの断面図である。ダブルクラッド光ファイバ10は、構成要素として、芯部分のコア13と、コア13の外周に順次形成された内部クラッド14および外部クラッド15とを有する。内部クラッド14は、純シリカで形成される。純シリカは屈折率が大きく、伝送損失が最も低い素材として知られている。
【0018】
コア13は、内部クラッド14よりもさらに屈折率が大きくなるように添加物を加えて調製されたシリカで形成される。外部クラッド15は、内部クラッド14よりも屈折率が小さくなるように添加物を加えて調製されたシリカで形成される。シリカに添加物が加えられると伝送損失が高くなるため、ダブルクラッド光ファイバ10の中では純シリカで形成された内部クラッド14が最も伝送損失が低くなる。
【0019】
図3は、従来のダブルクラッド光ファイバ100と本実施形態で用いるダブルクラッド光ファイバ10とに関する、構成要素ごとの屈折率の大きさを示す屈折率分布図である。従来のダブルクラッド光ファイバ100は、構成要素として、コア103と、内部クラッド104と、外部クラッド105とを有する。
【0020】
従来のダブルクラッド光ファイバ100は、コア103が純シリカで形成され、内部クラッド104はコア103よりも屈折率が小さくなるように添加物を加えて調製されたシリカで形成されている。外部クラッド105は、内部クラッド104よりもさらに屈折率が小さくなるように添加物を加えて調製されたシリカで形成されている。
【0021】
つまり、本実施形態で用いるダブルクラッド光ファイバ10の内部クラッド14は、従来のダブルクラッド光ファイバ100のコア103と同等の屈折率を有し、ダブルクラッド光ファイバ10のコア13は、従来のダブルクラッド光ファイバ100のコア103よりも大きい屈折率を有する。
【0022】
本実施形態では、このように構成されたダブルクラッド光ファイバ10を用いた光ファイバ給電・信号伝送システム1に、図1に示すように、光ファイバF1から射出される信号光L1と、光ファイバF2から射出される給電光L2とを第1波長分割多重フィルタ20が合波して、ダブルクラッド光ファイバ10に入射させる。信号光L1と給電光L2とは、互いに異なる波長を有する。光ファイバF1は、ダブルクラッド光ファイバ10のコア径と同等のコア径を有する構成を有していればよく、例えば単一モード光ファイバまたはダブルクラッド光ファイバで構成される。また、光ファイバF2は、例えばマルチモード光ファイバで構成される。
【0023】
光ファイバF1は、ダブルクラッド光ファイバ10の入射端11側に、ダブルクラッド光ファイバ10と光軸合わせをして配置される。光ファイバF2は、ダブルクラッド光ファイバ10の入射端11側に、その光軸方向がダブルクラッド光ファイバ10の光軸方向に直交し、且つ第1波長分割多重フィルタ20の位置に対応するように配置される。
【0024】
第1波長分割多重フィルタ20は、光ファイバF1から射出される信号光L1を透過させるとともに、光ファイバF2から射出される給電光L2を反射させることで、信号光L1と給電光L2とを合波してダブルクラッド光ファイバ10の入射端11から入射させる。
【0025】
ダブルクラッド光ファイバ10内では、入射された信号光L1がコア13内で伝送され、入射された給電光L2が内部クラッド14内で伝送される。
【0026】
伝送した信号光L1は、コア13の射出端12に到達すると、コア13と内部クラッド14との屈折率差に応じたビーム径で射出される。また、伝送した給電光L2は、内部クラッド14の射出端12に到達すると、内部クラッド14と外部クラッド15との屈折率差に応じたビーム径で射出される。
【0027】
ダブルクラッド光ファイバ10の射出端12側には、光ファイバF3および光ファイバF4が配置される。光ファイバF3は、光ファイバL1と同様に例えば単一モード光ファイバまたはダブルクラッド光ファイバで構成され、ダブルクラッド光ファイバ10と光軸合わせをして配置される。光ファイバF4は、光ファイバL2と同様に例えばマルチモード光ファイバで構成され、その光軸方向がダブルクラッド光ファイバ10の光軸方向に直交し、且つ第2波長分割多重フィルタ30の位置に対応するように配置される。
【0028】
射出端12側に配置された第2波長分割多重フィルタ30は、射出端12から射出された光のうち、信号光L1を透過させるとともに給電光L2を反射させることで分波する。第2波長分割多重フィルタ30を透過した信号光L1は光ファイバF3に入射され、所定の送信先まで伝送される。また、反射した給電光L2は光ファイバF4に入射され、所定の給電先まで伝送される。
【0029】
上述した光ファイバ給電・信号伝送システム1においては、射出端12から射出した給電光L2が、第2波長分割多重フィルタ30内に入射されるように、内部クラッド14と外部クラッド15との屈折率差により、内部クラッド14のNA(開口数)が設定されてビーム径が絞られている。具体的には、ダブルクラッド光ファイバ10の内部クラッド14のNAは、従来のダブルクラッド光ファイバ100の内部クラッド104のNAよりも小さく設定されている。
【0030】
ダブルクラッド光ファイバ10の内部クラッド14のNAを従来よりも小さく設定することで、射出端12と光ファイバF4との間に第2波長分割多重フィルタ30を配置する空間を設けても、ダブルクラッド光ファイバ10の内部クラッド14から射出した給電光を光ファイバF4に効率良く入射させることができる。
【0031】
本実施形の光ファイバ給電・信号伝送システム1によれば、内部クラッドを純シリカで形成したダブルクラッド光ファイバ10を用いることで、内部クラッドを純シリカよりも屈折率が小さい材料で形成した従来のダブルクラッド光ファイバ100を用いる場合よりも、内部クラッドのNAを小さくして伝送される給電光の伝送損失を大幅に低減させることができる。
【0032】
この内部クラッド14は、純シリカを用いて形成しているため、従来のダブルクラッド光ファイバ100のコア103と同程度の低い伝送損失レベルを有している。そのため、本実施形態のダブルクラッド光ファイバ10を用いて長波長の給電光L2を伝送させる際に、大幅に伝送損失を低減させることができる。またこれにより、ダブルクラッド光ファイバ10による給電光の伝送距離を長距離化することが可能になる。
【0033】
図4は、内部クラッド104のNAを一般的なレベルである0.46に設定した従来のダブルクラッド光ファイバ100を用いて複数の異なる波長の光を所定長伝送したときと、内部クラッド14のNAを一般的なレベルの半分程度である0.24に設定した本実施形態のダブルクラッド光ファイバ10とを用いて複数の異なる波長の光を所定長伝送したときの内部クラッドの伝送損失の計測値を示す。ここでは、伝送させる光は、波長が808nm、942nm、976nm、1315nm、および1550nmの5つのパターンのものを用いている。
【0034】
この計測結果によれば、従来のダブルクラッド光ファイバ100の内部クラッド104は波長が長くなるに連れて伝送損失が高くなるのに対し、本実施形態のダブルクラッド光ファイバ10の内部クラッド14は、NAを従来の半分程度にし、さらに波長を長くしても、伝送損失が高くならないことがわかる。これにより、本実施形態のダブルクラッド光ファイバ10は、様々な波長の給電光を効率良く伝送することができるとともに伝送距離を長距離化することができる。また波長に対する伝送損失が汎用的な光ファイバに類似することから、汎用的な光ファイバと組み合わせた光ファイバ給電システムを構築することが可能になり、利用分野を飛躍的に拡大することができる。
【0035】
利用分野としては、例えば、無線通信に用いるアンテナ基地局への電力供給が挙げられる。具体的には、中央基地局から複数のアンテナ基地局に対し、本実施形態による光ファイバ給電・信号伝送システムを導入し、動作制御信号の通信を行うとともに電力エネルギーの供給を行うことで、各アンテナ基地局を独立駆動させることができる。
【0036】
その際、中央基地局とアンテナ基地局とを1本の光ファイバ回線で接続するのみでシステムを構築することができるため、今後さらに増大することが見込まれるアンテナ基地局の敷設および管理のコストを大幅に低減させることが期待できる。
【0037】
光ファイバは電気を通さない電力線であるため、雷害に強く、水中での感電を防ぐこともできるという利点がある。さらには、光ファイバはシリカ(ガラス)を用いて構成されるため、従来の電力線と比較してきわめて軽量であるため敷設作業がし易く、また耐腐食性が高く耐久性に優れているという利点もある。
【0038】
また、従来のダブルクラッド光ファイバ100を用いて信号光および給電光を伝送する場合、多くの給電光をダブルクラッド光ファイバ100入力するために内部クラッド104のNAを高くする手法が採られていた。内部クラッド104のNAを高くすると射出後の光のビーム径が大きくなるため、射出した光から信号光と給電光を分波する手段として簡易な構成の波長分割多重フィルタを用いることができず、より複雑な構成を有する回路を用いる必要があった。
【0039】
これに対し本実施形態のダブルクラッド光ファイバ10においては、信号光L1および給電光L2の入射のための合波回路としても第1波長分割多重フィルタ20を用いており、内部クラッド14のNAを低く設定することができる。これにより、ダブルクラッド光ファイバ10から射出した後の光のビーム径を小さくして、分波手段として第2波長分割多重フィルタ30を用いることができ、光ファイバ給電・信号伝送システム1を簡易な構成で構築することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 光ファイバ給電・信号伝送システム
10 ダブルクラッド光ファイバ
11 入射端
12 射出端
13 コア
14 内部クラッド
15 外部クラッド
20 第1波長分割多重フィルタ
30 第2波長分割多重フィルタ
図1
図2
図3
図4