IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

特開2024-104525センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置
<>
  • 特開-センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置 図1
  • 特開-センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置 図2
  • 特開-センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置 図3
  • 特開-センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置 図4
  • 特開-センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置 図5
  • 特開-センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置 図6
  • 特開-センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104525
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20240729BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20240729BHJP
【FI】
A61B5/02 310D
A61B5/256 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008787
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 正樹
(72)【発明者】
【氏名】田村 圭
(72)【発明者】
【氏名】三谷 寛己
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA09
4C017AA18
4C017AB06
4C017AC16
4C017AC26
4C017EE01
4C017FF05
4C017FF15
4C127AA03
4C127BB03
4C127CC02
4C127LL13
(57)【要約】
【課題】生体センサと測定部位とを密着させて外光の進入を防ぐセンサモジュールを提供する。
【解決手段】一実施形態によると、発光部及び受光部を含む光学センサと前記光学センサが配置される第1収納部を含む筐体と、前記筐体に取り付けられ、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ露出する複数の開口部を有し、前記発光部及び前記受光部を除く前記光学センサの少なくとも一部を覆う第1遮光部と、前記筐体に取り付けられ、前記光学センサ及び前第1記遮光部を覆い、前記光学センサ及び前記第1遮光部に対向する面に遮光面を備える第2遮光部と、を備え、前記遮光面は、前記第1遮光部の前記複数の開口部に対応する位置に光を透過させる透過領域を有する、センサモジュールが提供される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部及び受光部を含む光学センサと
前記光学センサが配置される第1収納部を含む筐体と、
前記筐体に取り付けられ、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ露出する複数の開口部を有し、前記発光部及び前記受光部を除く前記光学センサの少なくとも一部を覆う第1遮光部と、
前記筐体に取り付けられ、前記光学センサ及び前第1記遮光部を覆い、前記光学センサ及び前記第1遮光部に対向する面に遮光面を備える第2遮光部と、
を備え、
前記遮光面は、前記第1遮光部の前記複数の開口部に対応する位置に光を透過させる透過領域を有する、センサモジュール。
【請求項2】
前記遮光面は黒色顔料を含む、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項3】
前記第1遮光部及び前記第2遮光部は、接着剤により前記筐体に取り付けられる、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項4】
前記第1収納部に隣接して配置される複数の第2収納部と、
前記複数の第2収納部にそれぞれ収納される複数の弾性体と、
をさらに備える、請求項1乃至3の何れか一項に記載のセンサモジュール。
【請求項5】
前記光学センサは、脈波センサである、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項6】
発光部及び受光部を含む光学センサと、前記光学センサが配置される第1収納部を含む筐体と、前記筐体に取り付けられ、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ露出する複数の開口部を有し、前記発光部及び前記受光部を除く前記光学センサの少なくとも一部を覆う第1遮光部と、前記筐体に取り付けられ、前記光学センサ及び前記第1遮光部を覆い、前記光学センサ及び前記第1遮光部に対向する面に遮光面を備える第2遮光部と、を含むセンサモジュールと、
前記センサモジュールが取り付けられ、前記発光部及び前記受光部を含む前記光学センサの少なくとも一部を露出する第1開口部を有する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに取り付けられる第2ハウジングと、
を備え、
前記前記遮光面は、前記第1遮光部の前記複数の開口部に対応する位置に光を透過させる透過領域を有する、生体情報測定装置。
【請求項7】
前記筐体は、
前記第1収納部に隣接して配置される複数の第2収納部と、
前記複数の第2収納部にそれぞれ収納される複数の弾性体と、
をさらに含む、請求項6に記載の生体情報測定装置。
【請求項8】
前記センサモジュールが被検体の接触部位に接触した際、前記弾性体は、前記接触部位とは反対側に押圧されて変位する、請求項7に記載の生体情報測定装置。
【請求項9】
前記接触部位は、前記被検体の頭部である、請求項8に記載の生体情報測定装置。
【請求項10】
前記第1ハウジングが取り付けられ、前記発光部及び前記受光部を含む前記光学センサの少なくとも一部を露出するカバーを含む、請求項6に記載の生体情報測定装置。
【請求項11】
前記光学センサは、脈波センサである、請求項6に記載の生体情報測定装置。
【請求項12】
発光部及び受光部を含む光学センサと、
前記光学センサの少なくとも一部を覆い、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ露出する複数の開口部を有する第1遮光部と、
前記光学センサ及び前記第1遮光部を覆い、前記複数の開口部に対応する位置に光を透過させる透過領域を有する第2遮光部と、
を備える、センサモジュール。
【請求項13】
前記光学センサと前記第1遮光部と前記第2遮光部とが配置される筐体を備える、請求項12に記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサモジュールおよびそれを備えた生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体センサの一つとして、脳の活動電位を測定する脳波センサ(EEGセンサ)が知られている。例えば、特許文献1には、EEGセンサを備えたヘッドセット型の脳波測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-502722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの利便性を考慮し、2種類以上の生体センサを生体情報測定装置に搭載することが検討されている。例えば、ヘッドセット型の脳波測定装置に脈波センサを搭載することが考えられる。搭載される脈波センサとしては、例えば、心拍センサの一種である光学式心拍センサ(PPGセンサ)が挙げられる。PPGセンサは、血管に向かってLEDから緑色光を出射し、血管から反射された光を検出し、反射光の経時変化を測定することにより、脈拍を得ることができる。
【0005】
PPGセンサによって脈拍を測定する場合、太い血管が皮膚の表面側に存在する手首が測定部位として選択されることが多い。PPGセンサにより脈拍を測定する場合、外光がPPGセンサの受光部に入射すると、血管からの反射光の検出精度が低下する。そのため、PPGセンサにより脈拍を測定する場合、測定部位にPPGセンサを密着させることが好ましい。一方、PPGセンサをヘッドセット型の脳波測定装置に搭載する場合、測定部位の血管の太さが手首の血管よりも細くなり、血管からの反射光の光量が低下する。また、丸みを帯びた頭部の形状により、測定部位とPPGセンサとの間に外光が入り、外光由来のノイズが生じるためS/N比が低下するという問題がある。
【0006】
本開示の一実施形態は、上記問題を鑑み、生体センサと測定部位とを密着させて外光の進入を防ぐことができるセンサモジュールを提供することを目的の一つとする。
【0007】
また、本開示の一実施形態は、生体センサと測定部位とを密着させて外光の進入を防ぐことができるセンサモジュールを備えた生体情報測定装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態によるセンサモジュールは、発光部及び受光部を含む光学センサと前記光学センサが配置される第1収納部を含む筐体と、前記筐体に取り付けられ、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ露出する複数の開口部を有し、前記発光部及び前記受光部を除く前記光学センサの少なくとも一部を覆う第1遮光部と、前記筐体に取り付けられ、前記光学センサ及び前第1記遮光部を覆い、前記光学センサ及び前記第1遮光部に対向する面に遮光面を備える第2遮光部と、を備え、前記遮光面は、前記第1遮光部の前記複数の開口部に対応する位置に光を透過させる透過領域を有する。
【0009】
本開示の一実施形態によるセンサモジュールは、発光部及び受光部を含む光学センサと、前記光学センサの少なくとも一部を覆い、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ露出する複数の開口部を有する第1遮光部と、前記光学センサ及び前記第1遮光部を覆い、前記複数の開口部に対応する位置に光を透過させる透過領域を有する第2遮光部と、を備える。
【0010】
本開示の一実施形態による生体情報測定装置は、発光部及び受光部を含む光学センサと、前記光学センサが配置される第1収納部を含む筐体と、前記筐体に取り付けられ、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ露出する複数の開口部を有し、前記発光部及び前記受光部を除く前記光学センサの少なくとも一部を覆う第1遮光部と、前記筐体に取り付けられ、前記光学センサ及び前記第1遮光部を覆い、前記光学センサ及び前記第1遮光部に対向する面に遮光面を備える第2遮光部と、を含むセンサモジュールと、前記センサモジュールが取り付けられ、前記発光部及び前記受光部を含む前記光学センサの少なくとも一部を露出する第1開口部を有する第1ハウジングと、前記第1ハウジングに取り付けられる第2ハウジングと、を備え、前記前記遮光面は、前記第1遮光部の前記複数の開口部に対応する位置に光を透過させる透過領域を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置の模式的な正面図である。
図2】本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置を上から見た概略的な分解図である
図3】本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置の分解斜視図を部分的に拡大した図である。
図4】本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置を装着者の頭部に装着した様子を示す図である。
図5図4における領域PAの拡大図である。
図6図5におけるA1-A2に沿ったセンサモジュールの断面図である。
図7】本開示の一実施形態に係るセンサモジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にa、b、A、Bなど)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有しない。
【0013】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0014】
また、本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αはA乃至Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0015】
図1図4を参照して、本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置の構成について説明する。
【0016】
図1は、本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置10の模式的な正面図である。図2は、生体情報測定装置10を上から見た概略的な分解図である。図3は、生体情報測定装置10の分解斜視図を部分的に拡大した図である。図1に示した正面図は、生体情報測定装置10をユーザが使用する場合に、装着者の前頭部側に位置する部分を正面として見た図である。また、図2に示した分解図は、生体情報測定装置10をユーザが使用する場合に、装着者の頭頂部の上側から生体情報測定装置10を見た図である。図1図3に示す生体情報測定装置10の構成は一例であって、生体情報測定装置10の構成は図1図3に示す構成に限定されるわけではない。
【0017】
生体情報測定装置10は、センサモジュール100、第1ハウジング200、カバー300、第2ハウジング400、及び支持部500を含む。生体情報測定装置10は、装着者の前頭部、側頭部、及び後頭部に沿うような環状構造を有する。
【0018】
センサモジュール100は、光学センサ、及び光学センサに入射する外光を低減する遮光機構を含む。光学センサは、発光部、及び受光部を含む。本実施形態では、光学センサが、光学式の脈波センサである場合を一例として説明する。脈波センサは、約500nm~約570nmの波長の光を出射する発光部と、発光部から出射された光が反射された反射光を受光する受光部とを有する。センサモジュール100の構成の詳細については、後述する。
【0019】
第1ハウジング200は、センサモジュール100が取り付けられる。第1ハウジングは、センサモジュール100の少なくとも一部、詳細には、脈波センサの発光部及び受光部をカバー300側に露出する開口部210(第1開口部)を有する。本実施形態では、開口部210は、脈波センサが配置される筐体102の第1収納部109、及び第1収納部109に隣接して設けられ、後述する弾性体を収納する第2収納部104をカバー300側に露出する。第2収納部104に縁にはバックル106が設けられる。バックル106は、第1ハウジング200の開口部210の周囲に接触し、センサモジュール100全体が、開口部210を通り抜けることを防止する。
【0020】
第1ハウジング200は、脳波センサを構成する複数の電極の少なくとも一部が取り付けられてもよい。本実施形態では、脳波センサ(EEGセンサ)を構成する探査電極202、及びグランド(GND)電極204が第1ハウジングに取り付けられる例を説明する。探査電極202及びGND電極204は、センサモジュール100を挟んで、センサモジュール100の両側に位置するように取り付けられてもよい。探査電極202、及びGND電極204に接続する配線(図示せず)は、第1ハウジングに設けられたガイド部208から引き出される。第1ハウジングは、探査電極202、及びグランド(GND)電極204の少なくとも一部をカバー300側にそれぞれ露出する開口部(図示せず)を含んでもよい。
【0021】
第1ハウジング100は、第2ハウジング400を取り付けるための複数の篏合部206を有する。第1ハウジング100は、例えば、可撓性を有するプラスチック材料などにより構成される。第1ハウジング200は、カバー300に取り付けられる。
【0022】
カバー300は、例えば、弾性を有するゴム材料などにより構成される。カバー300は、人体の頭部に沿うような丸みを帯びた形状を有してもよい。カバー300は、長手方向に沿って両端側に溝が設けられてもよい。第1ハウジング200は、カバー300の溝に嵌め込まれて固定されることができる。カバー300には、装着者の頭頂部を支持するバンド(図示せず)を通すループ212が取り付けられてもよい。カバー300は、支持部500に取り付けられる。
【0023】
カバー300は、センサモジュール100の少なくとも一部、探査電極202、及びグランド(GND)電極204の少なくとも一部を、生体情報測定装置10の内側(装着者の頭部側)にそれぞれ露出する複数の開口部302を含む。本実施形態では、複数の開口部302は、脈波センサの発光部及び受光部を少なくとも露出する開口部302a、探査電極202及びグランド(GND)電極204の少なくとも装着部分をそれぞれ露出する開口部302b、302cを含む。
【0024】
第2ハウジング400は、第1ハウジング200に取り付けられる。第2ハウジング400は、第1ハウジング200、及びカバー300の正面側の略全体を覆う。換言すれば、第2ハウジング400は、生体情報測定装置10を正面側の最も外側に位置して、センサモジュール100、探査電極202、及びGND電極204を保護する。第2ハウジング400は、例えば、可撓性を有するプラスチック材料などにより構成される。第2ハウジング400は、複数の突起部402を有する。複数の突起部402は、第1ハウジング200に設けられた複数の篏合部206にそれぞれ対応している。複数の突起部402が、対応する篏合部206に篏合することにより、第2ハウジング400は、第1ハウジング200に固定される。また、第2ハウジング400は、後述する連結部512にも固定されてもよい。図1において、第2ハウジング400の図示は省略している。
【0025】
第1ハウジング200、カバー300、及び第2ハウジング400は、生体情報測定装置10の装着者の前頭部から側頭部の一部を覆う。
【0026】
支持部500は、生体情報測定装置10の装着者の側頭部から後頭部の一部を覆う。支持部500は、後方バンド502、後頭部支持部504、側頭部支持部506、側部筐体508、及び連結部512を含む。
【0027】
後頭部支持部504は、装着者の後頭部に接触する。側頭部支持部506は2つ設けられ、それぞれ装着者の側頭部に接触する。側頭部支持部506は、それぞれ対応する側部筐体508に連結する。後方バンド502は、後頭部支持部504と2つの側部筐体508とを互いに連結する。2つの側部筐体508は、それぞれ連結部512を介してカバー300と連結される。連結部512には、ヒンジが設けられる。
【0028】
支持部500は、バンド調節部510をさらに含んでもよい。バンド調節部510は、後方バンド502の長さを調整する調節機構を含んでもよい。バンド調節部510は、後方バンド502を収納及び引き出し可能である。ユーザは、後方バンド502をバンド調節部510に収納することにより、後方バンド502の長さを短くすることができる。反対に、後方バンド502をバンド調節部510から引き出すことにより、後方バンド502の長さを長くすることができる。支持部500は、バンド調節部510から後方バンド502を収納及び引き出し可能なハンドル514を含んでもよいが、該ハンドル514は省略されてもよい。
【0029】
2つの側部筐体508は、脈波センサ、脳波センサから出力された検出信号を処理するためのCPU、ブルートゥース(登録商標)などの無線による送受信を行うための基板、電池を内蔵することができる。例えば、2つの側部筐体508のう、一方の側部筐体508には、CPUや基板などが内蔵されてもよく、他方の側部筐体508には、電池が内蔵されてもよい。
【0030】
支持部500には、脳波センサを構成する基準電極214が取り付けられてもよい。本実施形態では、一例として、探査電極202により近い側部筐体508に連結するように、基準電極214が取り付けられている。しかしながら、基準電極214の位置は、これに限定されない。
【0031】
図4は、生体情報測定装置10を装着者の頭部に装着した様子を示す図である。図4では、装着者の頭頂部の上側から装着者の前頭部と側頭部の一部を見た場合を示している。また、図4では、生体情報測定装置10の構成を分かりやすくするため、生体情報測定装置10の断面構造を示している。
【0032】
図4に示すように、カバー300の開口部302aから露出したセンサモジュール100の一部は、装着者の前頭部に接触する。特に、センサモジュール100が接触した前頭部以外に脈波センサの発光部から出射された光が漏れないように、また、脈波センサに受光部に外光が入らないように、センサモジュール100の一部は装着者の前頭部に密着することが好ましい。また、脳波センサを構成する探査電極202、及びGND電極の、カバー300の開口部302b、302cから露出した装着部分は、装着者の前頭部に接触する。
【0033】
以下、図5図7を参照して、センサモジュール100の構成を説明する。図5は、図4においてPAで示した領域の拡大図である。図6は、図5におけるA1-A2に沿ったセンサモジュール100の断面図である。図7は、センサモジュール100の分解斜視図である。
【0034】
センサモジュール100は、筐体102、複数の第2収納部104、センサIC108、第1収納部109、離隔部110、遮光シート112、駆動基板114、及び複数の弾性体118を含む。
【0035】
筐体102は、底面103aと、底面103aに垂直な複数の側面103bを含む。底面103aと垂直な複数の側面103bとに囲まれた第1収納部109には、センサIC108、センサICを駆動するための駆動基板114などが配置される。底面103aと垂直な複数の側面103bとに囲まれた第1収納部109は、底面103aに対向する側に設けられたカバー116によって閉じられてもよい。筐体102の底面103aには、開口105が設けられる。また、底面103aには、開口105の周囲に溝124が設けられてもよい。
【0036】
筐体102の内側、すなわち、底面103aと垂直な複数の側面103bとに囲まれた第1収納部109には、センサIC108が配置される。センサIC108は、発光部120及び受光部122を含む。センサIC108の発光部120及び受光部122は、筐体102の底面103に設けられた開口105から露出されるように配置される。発光部120は、約500nm~約570nmの波長の光を出射する。発光部120は、緑色光を発する緑色LED素子を含んでもよい。受光部122は、発光部120から出射された光が生体情報測定装置10の装着者の前頭部によって反射された反射光を受光する受光素子を含む。センサIC108は、脈波センサを構成する。図7に示すように、本実施形態においては、受光部122を挟んで、2つの発光部120が設けられた場合を示しているが、発光部120の数は2つに限定されるわけではなく、1つ以上であればよい。
【0037】
図示はしないが、センサIC108は、発光部120及び受光部122に加え、フィルタ部、制御部、発光駆動部などを含んでもよい。
【0038】
フィルタ部は、受光部122から出力される電気信号に信号処理、例えば、電流・電圧変換処理、フィルタ処理、増幅処理などを施し、処理した信号を制御部に出力する。
【0039】
制御部は、脈波センサ全体の動作を制御する。さらに、制御部は、フィルタ部から取得した信号に基づいて、生体情報測定装置10の装着者の心拍(脈拍)、心拍の変動、脈波の揺らぎなどを算出することができる。
【0040】
発光駆動部は、発光部120を所定のフレーム周波数(例えば50~1000Hz)、及び、所定のデューティ(例えば、1/8~1/200)で点灯させてもよい。
【0041】
駆動基板114は、センサIC108を駆動するための基板である。図示はしないが、駆動基板114は、電源部、及び通信部を含んでもよい。
【0042】
電源部は、バッテリ、及びDC/DCコンバータを含んでもよい。電源部は、バッテリからの入力電圧を所望の出力電圧に変換してセンサIC108の各部に供給する。バッテリとしては、繰り返して充電を行うことが可能な二次電池(リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタなど)を用いることが好ましい。
【0043】
通信部は、センサIC108による測定データを外部機器にBluetooth(登録商標)などの無線で送信することができる。
【0044】
第2収納部104は、筐体102の側面103bに設けられる。本実施形態においては、第2収納部104は2つ設けられる。第2収納部104には、それぞれ弾性体118が収納される。本実施形態において、収納部104の数は2つの限定されるわけではない。たとえば、第2収納部104の数は2つ以上であってもよいし、1つでもよい。第2収納部104の縁には、それぞれバックル106が設けられる。バックル106は、第1ハウジング200の開口部210の周囲に接触し、センサモジュール100全体が、開口部210を通り抜けることを防止する。第2収納部104は、筐体102と一体であってもよく、筐体102とは異なるパーツで構成され、接着剤などにより筐体102に取り付けられてもよい。
【0045】
弾性体118はそれぞれ、対応する第2収納部104に収納される。本実施形態においては、弾性体として、ばねが使用される場合を一例として説明する。以下、弾性体118をばね118という。本実施形態に係るセンサモジュール100は、2つのばね118を含む。生体情報測定装置10が人に装着された場合、カバー300から露出された筐体102の底面103aが装着者の前頭部に接触した際に、装着者の前頭部によって、センサモジュール100が、前頭部側とは反対側に向かって押圧され、ばね118に弾性力が付与される。ばね118の弾性力により、筐体102の底面103aは、装着者の前頭部に密着する。これにより、102の底面103aに設けられた開口105から露出された発光部120から出射された光が装着者の前頭部以外に拡散することが防止され、さらに、前頭部から反射された反射光以外の外光が受光部122に入射することが防止される。
【0046】
本実施形態においては、2つのばね118を使用することにより、センサモジュール100は、生体情報測定装置10の装着者の装着者の前頭部の形状に沿って、前頭部と隙間が無いように密着することができる。これにより、外光が受光部122に入射することをより効果的に防止することができる。本実施形態において使用されるばね118の数は2つ以上であればよく、2つに限定されるわけではない。
【0047】
離隔部(第1遮光部)110は、筐体102の底面103aの開口105の周囲に設けられた溝124に嵌め込まれるように、筐体102に取り付けられる。離隔部110は、接着剤によって、筐体102に取り付けられて固定されてもよい。離隔部110は、例えば、弾性を有するゴム材料などにより構成される。離隔部110は、複数の開口部111a~111cを有する。
【0048】
複数の開口部111a~111cは、センサIC108の発光部120及び受光部122にそれぞれ対応している。開口111部aは、受光部122を露出し、開口部111b、111cは、発光部120をそれぞれ露出する。つまり、離隔部110は、センサIC108のうち、発光部120及び受光部122を除いた部分を、詳述すれば当該除いた部分の少なくとも一部を覆う。離隔部110は、開口部111b、111cを通じて出射される発光部120からの光以外の光が、生体情報測定装置10の装着者の前頭部側に出射されることを防止する。また、離隔部110は、生体情報測定装置10の装着者の前頭部によって反射された反射光以外の光が、開口部111aを通じて受光部122に入射することを防止する。また、離隔部110は、発光部120から出射された光が、受光部122に直接入射することを防止する。
【0049】
遮光シート(第2遮光部)112は、センサIC108及び離隔部110を覆うように、筐体102の底面103aに取り付けられる。遮光シート112は、接着剤によって、底面103aに取り付けられて固定されてもよい。遮光シート112は、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PMMA(アクリル)などのプラスチックからなる。
【0050】
遮光シート112は、生体情報測定装置10を人が装着した場合、装着者の前頭部に対向する第1面115aと、第1面115aの反対側に位置し、第1筐体102の底面103a、開口105から露出されるセンサIC108、及び離隔部110に対向する第2面115bとを有する。第2面115bは、遮光面である。第2面115bは、黒色顔料を含む遮光塗料が塗布されていてもよい。また、第2面115bには、遮光フィルムが貼り付けれられていてもよい。第2面115bには、離隔部110の開口部111a~111cに対応する透過領域113が設けられる。透過領域113は、開口部111b、111cを通じて発光部120から出射される光を透過させる。また、透過領域113は、生体情報測定装置10の装着者の前頭部から反射された光を透過させ、開口部111aを通じて受光部122に入射させる。
【0051】
遮光シート112により、生体情報測定装置10の装着者の前頭部によって反射光以外の外光、特に、装着者とセンサモジュール100との接触部分に斜めから入射してくる外光が、センサIC108の受光部122に入射することを効果的に防止することができる。
【0052】
筐体102、筐体102に取り付けられる離隔部110、及び遮光シート112は、センサモジュール100において遮光機構を構成する。遮光機構は、上述したように、センサIC108の発光部120からの光を、生体情報測定装置10の装着者の前頭部に入射されるようガイドし、前頭部によって反射された反射光がセンサIC108の受光部122に入射されるようにガイドし、さらに、前頭部によって反射された反射光以外の外光が受光部122に入射されることを防止する。
【0053】
遮光機構には、第2収納部104に収納されたばね118が含まれてもよい。生体情報測定装置10が人に装着された際に、筐体102の底面103aが装着者の前頭部に接触して押圧されることにより、弾性力が付与される。ばね118の弾性力により、センサモジュール100の底面103aが装着者の前頭部に密着し、発光部120から出射された光が装着者の前頭部以外に拡散することが防止され、さらに、前頭部から反射された反射光以外の外光が受光部122に入射することが効果的に防止される。
【0054】
以上に説明したように、本実施形態では、遮光機構により、脈波センサを備えるセンサモジュール100と、生体情報測定装置10を装着する装着者の測定部位とを密着させて外光の進入を防ぐことができる。これにより、外光由来のノイズを低減し、測定部位からの反射光を効率的に脈波センサにより受光することができ、脈波センサの検出精度を向上させることができる。
【0055】
本実施形態では、生体情報測定装置10が人に装着された場合の脈波センサの測定部位を、装着者の前頭部としているが、測定部位は、装着者の前頭部に限定されるわけではない。例えば、脈波センサの測定部は、装着者の側頭部であってもよい。
【0056】
また、本実施形態においては、脈波センサを備えるセンサモジュール100が遮光機構を含むが、このような遮光機構は、センサモジュール100だけではなく、生体情報測定装置10に備えられる脳波センサにも適用されてもよい。例えば、光学式の脳波センサが用いられる場合、脳波センサが搭載される筐体に遮光機構を適用することによって、脳波センサと装着者の測定部位とを密着させ、脳波センサに外光が入射することを防止することができる。
【0057】
以上に述べた本開示の実施形態に示す構成を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、省略もしくは条件変更を行ったものも、本開示の要旨を備えている限り、発明の範囲に含まれる。
【0058】
上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本実施形態の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本開示の一実施形態によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0059】
10・・・生体情報測定装置、100・・・センサモジュール、102・・・筐体、103a・・・底面、103b・・・側面、104・・・第2収納部、105・・・開口、106・・・バックル、108・・・センサIC、109・・・第1収納部、110・・・離隔部、111a~111c・・・開口部、112・・・遮光シート、113・・透過領域、114・・・駆動基板、116・・・カバー、118・・・弾性体(ばね)、120・・・発光部、122・・・受光部、124・・・溝、200・・・第1ハウジング、202・・・探査電極、204・・・GND電極、206・・・篏合部、208・・・ガイド部、210・・・開口部、212・・・ループ、214・・・基準電極、300・・・カバー、302・・・開口部、400・・・第2ハウジング、402・・・突起部、500・・・支持部、502・・・後方バンド、504・・・後頭部支持部、506・・・側頭部支持部、508・・・側部筐体、510・・・バンド調節部、512・・・連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7