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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104528
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】生体情報測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/256 20210101AFI20240729BHJP
   A61B 5/291 20210101ALI20240729BHJP
   A61B 5/0533 20210101ALI20240729BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
A61B5/256 110
A61B5/291
A61B5/0533
A61B5/02 310B
A61B5/02 310D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008790
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】三谷 寛己
(72)【発明者】
【氏名】田村 圭
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 正樹
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA10
4C017AA18
4C017AB06
4C017AC26
4C127AA03
4C127AA07
4C127BB05
4C127LL13
(57)【要約】
【課題】測定の際の生体センサの設置に要する時間を低減し、生体センサの測定結果から得られる生体情報の精度を向上させることができる生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】一実施形態によると、環状構造を有して、被験者へ装着可能なハウジングと、第1生体情報を検出する第1電極を含む第1センサと、前記第1生体情報とは異なる第2生体情報を検出する第2電極を含む第2センサと、前記第1及び第2生体情報とは異なる第3生体情報を検出する受光部を含む第3センサと、前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサに共用される接地電極と、を有し、前記第1電極、前記第2電極、前記受光部、前記接地電極が、前記ハウジングの内側方向に突出するように設けられている、生体情報測定装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状構造を有して、被験者へ装着可能なハウジングと、
第1生体情報を検出する第1電極を含む第1センサと、
前記第1生体情報とは異なる第2生体情報を検出する第2電極を含む第2センサと、
前記第1及び第2生体情報とは異なる第3生体情報を検出する受光部を含む第3センサと、
前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサに共用される接地電極と、を有し、
前記第1電極、前記第2電極、前記受光部、前記接地電極が、前記ハウジングの内側方向に突出するように設けられている、生体情報測定装置。
【請求項2】
前記受光部を中心として、前記第1電極と前記接地電極とが、左右対称に配置されている、請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記第1センサが、前記第1生体情報を検出する接触電極を含み、
前記第2電極と前記接触電極が共用化された共通電極を有する、請求項1又は2に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記第1生体情報は、前記被験者の脈拍を示す情報であり、
前記第2生体情報はは、前記被験者の脳波を示す情報であり、
前記第3生体情報は、前記被験者の皮膚電気伝導度を示す情報である、請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記被験者の前頭部側に位置する前方支持部と、前記前方支持部と連結されて、前記装着者の後頭部側に位置する後方支持部とを含み、
前記第1センサの受光部は、前記前方支持部の略中央に配置され、
前記第1電極と前記接地電極とは、前記前方支持部において、前記受光部が配置された位置から所定の範囲内に配置される、請求項2に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
前記所定の範囲は、前記被験者の頭頂部を中心に、前記頭頂部と前記受光部が配置された位置とを通る仮想の基準線から30°以内の範囲である、請求項5に記載の生体情報測定装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記被験者の前頭部側に位置する前方支持部と、前記前方支持部と連結されて、前記装着者の後頭部側に位置する後方支持部とを含み、
前記第1センサの受光部は、前記前方支持部の略中央に配置され、
前記第1電極と前記接地電極とは、前記前方支持部において、前記受光部が配置された位置から所定の範囲内に配置され、
前記共通電極は、後方支持部に配置される、請求項3に記載の生体情報測定装置。
【請求項8】
環状構造を有するハウジングと、
第1生体情報を検出する第1センサの第1電極と、
前記第1生体情報とは異なる第2の生体情報を検出する第2センサの第2電極と、
前記第1及び第2生体情報とは異なる第3生体情報を検出する第3センサの受光部と、
前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサに共用される接地電極と、を有し、
前記第1電極、前記第2電極、前記受光部、前記接地電極が、前記ハウジングの環状部から内側方向に突出するように設けられている、生体情報測定装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、被験者へ装着可能である、請求項8に記載の生体情報測定装置。
【請求項10】
前記第1電極、前記第2電極、前記受光部、前記接地電極が、前記ハウジングの環状部から前記被験者の装着部に向けて突出する、請求項9に記載の生体情報測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体センサの一つとして、脳の活動電位を測定する脳波センサ(EEGセンサ)が知られている。例えば、特許文献1には、EEGセンサを備えたヘッドセット型の脳波測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-45424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
脳波センサ以外のセンサとしては、例えば、心拍センサの一種である光学式心拍センサ(PPGセンサ)、ガルバニック皮膚反応センサ(GSRセンサ)などが挙げられる。PPGセンサは、血管に向かってLEDから緑色光を出射し、血管から反射された光を検出し、反射光の経時変化を測定することにより、脈拍を得ることができる。GSRセンサは、皮膚の電気伝導度を測定する。皮膚を流れる電流の抵抗は、皮膚の湿気で低くなるため、皮膚の電気伝導度を測定することにより、人の汗腺から分泌される汗の量の変化から交感神経系の活性度を測定することができる。
【0005】
通常、生体情報を測定する場合、得ようとする生体情報に応じて、各種センサがそれぞれの測定部位に配置される。EEGセンサによって脳波を測定する場合、測定部位は頭部である。PPGセンサによって脈拍を測定する場合、太い血管が皮膚の表面側に存在する手首が測定部位として選択されることが多い。GSRセンサによって、皮膚の電気伝導度を測定する場合は、手のひらや、指先が測定部位として選択されることが多い。2種以上の生体センサを用いて生体情報を得る場合、生体センサの種類に応じて異なる測定部位に生体センサを設置する必要がある。そのため、生体センサの設置に時間がかかる。また、生体センサの種類に応じて測定部位が異なるため、測定結果にばらつきが生じ、生体情報の精度が落ちる虞がある。
【0006】
本開示の一実施形態は、2種以上の生体センサを1つの装置に集約することにより、測定の際の生体センサの設置に要する時間を低減し、生体センサの測定結果から得られる生体情報の精度を向上させることができる生体情報測定装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態による生体情報測定装置は、環状構造を有して、被験者へ装着可能なハウジングと、第1生体情報を検出する第1電極を含む第1センサと、前記第1生体情報とは異なる第2生体情報を検出する第2電極を含む第2センサと、前記第1及び第2生体情報とは異なる第3生体情報を検出する受光部を含む第3センサと、前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサに共用される接地電極と、を有し、前記第1電極、前記第2電極、前記受光部、前記接地電極が、前記ハウジングの内側方向に突出するように設けられている。
【0008】
本開示の一実施形態による生体情報測定装置は、環状構造を有するハウジングと、第1生体情報を検出する第1センサの第1電極と、前記第1生体情報とは異なる第2の生体情報を検出する第2センサの第2電極と、前記第1及び第2生体情報とは異なる第3生体情報を検出する第3センサの受光部と、前記第1センサ、前記第2センサ、及び前記第3センサに共用される接地電極と、を有し、前記第1電極、前記第2電極、前記受光部、前記接地電極が、前記ハウジングの環状部から内側方向に突出するように設けられている、生体情報測定装置。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置を上から見た概略図である。
図2図1に示した生体情報測定装置の部分拡大図である。
図3】本開示の別の実施形態に係る生体情報測定装置を上から見た概略図である。
図4図3に示した生体情報測定装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にa、b、A、Bなど)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有しない。
【0011】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0012】
また、本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αはA乃至Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0013】
[第1実施形態]
図1及び図2参照して、本開示の一実施形態に係る生体情報測定装置の構成について説明する。
【0014】
図1は、本開示の第1実施形態に係る生体情報測定装置10を上から見た概略図である。生体情報測定装置10は、ハウジング100、第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204を含む。
【0015】
ハウジング100は、生体情報測定装置10の装着者の前頭部、側頭部、及び後頭部に沿うような略環状構造を有する。ハウジング100は、前方支持部110、及び後方支持部120を含んでもよい。
【0016】
前方支持部110は、生体情報測定装置10を装着した装着者の前頭部側に位置し、装着者の前頭部の形に沿うような丸みを帯びた形状を有してもよい。前方支持部110は、可撓性を有するプラスチック材料などにより構成される。また、図示はしないが、前方支持部110は、異なる材料から構成される部品からなる多層構造を有してもよい。例えば、前方支持部110は、弾性を有するゴム材料などにより構成された内側カバーと、可撓性を有するプラスチック材料などにより構成された外側カバーとを有してもよい。
【0017】
前方支持部110には、第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204が取り付けられる。第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204については、後述する。
【0018】
後方支持部120は、生体情報測定装置10を装着した装着者の後頭部側に位置し、生体情報測定装置10を装着した装着者の側頭部から後頭部を覆う。後方支持部120は、後方バンド122、後頭部支持部124、バンド調節部126、側頭部支持部128、側部筐体130、及び連結部132を含んでもよい。
【0019】
後頭部支持部124は、生体情報測定装置10の装着者の後頭部に接触する。側頭部支持部128は2つ設けられ、それぞれ装着者の側頭部に接触する。側頭部支持部128は、それぞれ対応する側部筐体130に連結する。後方バンド122は、後頭部支持部124と2つの側部筐体130とを互いに連結する。2つの側部筐体130は、それぞれ連結部132を介して前方支持部110と連結される。連結部132には、ヒンジが設けられる。
【0020】
バンド調節部126は、後方バンド122を収納及び引き出し可能である。ユーザは、後方バンド122をバンド調節部126に収納することにより、後方バンド122の長さを短くすることができる。反対に、後方バンド122をバンド調節部126から引き出すことにより、後方バンド122の長さを長くすることもできる。
【0021】
2つの側部筐体130は、第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204から出力された検出信号を処理するためのCPU、ブルートゥース(登録商標)などの無線による送受信を行うための基板、電池を内蔵することができる。例えば、2つの側部筐体130のうち、一方の側部筐体130には、CPUや基板などが内蔵されてもよく、他方の側部筐体130には、電池が内蔵されてもよい。
【0022】
後方支持部120には、第2センサ202の一部が設けられていてもよい。一例として、図示するように、第2センサ202の一部は、一方の側部筐体130に隣接して設けられてもよい。但し、後方支持部120において、第2センサ202の一部が配置される位置は特に限定されず、図1において図示された位置に限らない。
【0023】
第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204は、ハウジング100の前方支持部110に取り付けられる。第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204は、それぞれ異なる生体情報を検出するための生体センサである。第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204の種類は限定されない。本実施形態においては、一例として、第1センサ200がPPGセンサであり、第2センサ202がEEGセンサであり、第3センサ204がGSRセンサである場合を説明する。
【0024】
第1センサ200は、前方支持部110の略中央に配置されてもよい。上述したように、第1センサ200は光学式のPPGセンサである。PPGセンサは、LEDから光を出射し、装着者の血管から反射された光を検出し、反射光の経時変化を測定することにより、脈拍を得ることができる。第1センサ200は、血管から反射された光を検出する受光部200a、及びグランド電圧(GND電圧)が提供される接地電極(GND電極)203(200b)を含む。GND電極203(200b)は、受光部200aに隣接するように配置されてもよい。図示はしないが、第1センサ200は、装着者に向かって光を出射する光源を含む。
【0025】
第2センサ202は、第1センサ200の受光部200aに隣接して配置されてもよい。上述したように、第2センサ202は、EEGセンサである。第2センサ202は、探査電極202a、GND電極203(202b)、及び基準電極(REF電極)202cを含む。探査電極202a及びGND電極202bは、第1センサ200の受光部200aを間に挟んで両側に位置するように取り付けられてもよい。REF電極202cは、後方支持部120において、一方の側部筐体130に隣接して設けられてもよい。
【0026】
第3センサ204は、上述したように、GSRセンサである。第3センサ204は、異なる電位の電圧がそれぞれ供給される2つの電極を含む。例えば、第3センサ204は、所定の電圧が供給される入力電極204a、及びGND電極203(204b)から構成されてもよい。第3センサ204の入力電極204aの位置は、特に限定されない。例えば、図1に示すように、入力電極204aは、GND電極203(204b)に隣接して配置されてもよい。この場合、入力電極204aは、第1センサ200の受光部200aが位置する側とは反対側に配置される。また、図示はしないが、入力電極204aは、後方支持部120のいずれかの位置に配置されてもよい。
【0027】
本実施形態において、第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204を構成するGND電極203(200b、202b、204b)は、共通である。換言すると、GND電極203は、第1センサ200のGND電極200bとして、受光部200a、図示しない光源部とともに第1センサ200を構成する。また、GND電極203は、第2センサ202のGND電極202bとして、探査電極202a、及び基準電極202cとともに第2センサ202を構成する。また、GND電極203は、第3センサ204のGND電極204bとして、入力電極204aとともに第3センサ204を構成する。
【0028】
図2は、図1に示した生体情報測定装置10を部分的に拡大した図である。図2では、生体情報測定装置10をユーザが使用する場合に、装着者の頭頂部の上側から生体情報測定装置10を見た図である。
【0029】
第2センサ202の探査電極202a、及びGND電極203(200b、202b、204b)が配置される位置は、第1センサ200の受光部200aから所定の範囲内にあることが好ましい。図2に示すように、生体情報測定装置10の装着者の頭頂部を中心に設定し、頭頂部と第1センサ200の受光部200aの略中央が位置している位置とを繋ぐ線L1を基準線とする。図2では、装着者の右側に向かって、基準線L1から頭頂部を中心に30°となる位置と頭頂部とを繋いだ線L2、及び装着者の左側に向かって、基準線L1から頭頂部を中心に30°となる位置と頭頂部とを繋いだ線L3とを示している。換言すると、基準線L1と線L2とが成す角度θ1は30°であり、基準線L1と線L3とが成す角度θ2は30°である。第2センサ202の探査電極202a、及びGND電極203(200b、202b、204b)は、基準線L1から頭頂部を中心に30°以内の範囲に配置されることが好ましい。
【0030】
上述したように、本実施形態においては、GND電極203(200b、202b、204b)が、基準線L1と線L2との間に配置されている。また、第2センサ202の探査電極202aが、基準線L1と線L3との間に配置されている。図1及び図2において、第3センサ204の入力電極204aは、GND電極203(200b、202b、204b)に隣接して配置されている。しかしながら、第3センサ204の入力電極204aは、第2センサ202の探査電極202aに隣接するように配置されてもよい。この場合、入力電極204aは、第1センサ200の受光部200aが位置する側とは反対側に配置される。
【0031】
本実施形態において、第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204のGND電極203(200b、202b、204b)は共通である。1つのGND電極を第1センサ200、第2センサ202、及び第3センサ204で共有することにより、電極の数を減らし、装着者が生体情報測定装置10を装着した際の負担を低減することができる。また、生体情報測定装置10を装着することにより、複数のセンサを同時に使用して、複数の異なる生体情報を取得することがきる。
【0032】
[第2実施形態]
図3および図4を参照して、本開示の別の実施形態に係る生体情報測定装置の構成について説明する。
【0033】
図3は、本開示の第2実施形態に係る生体情報測定装置10Aを上から見た概略図である。生体情報測定装置10Aは、第2センサ、及び第3センサの構成が第1実施形態における第2センサ202、及び第3センサ204の構成と異なることを除いて、図1及び図2を参照して説明した第1実施形態に係る生体情報装置10と略同様である。以下では、本実施形態に係る生体情報測定装置10Aの第2センサ302、及び第3センサ304について主に説明し、第1実施形態の生体情報測定装置10と重複する構成については、説明を省略する。
【0034】
生体情報測定装置10Aは、ハウジング100、第1センサ200、第2センサ302、及び第3センサ304を含む。本実施形態において、第1センサ200、第2センサ302、及び第3センサ204はそれぞれ、第1実施形態に係る生体情報測定装置10と同様に、PPGセンサ、EEGセンサ及びGSRセンサである。
【0035】
本実施形態において、GND電極203は、第1実施形態と同様に、第1センサ200、第2センサ302、及び第3センサ304で共通である。換言すると、GND電極203は、第1センサ200を構成するGND電極200bとして機能する。また、GND電極203は、第2センサ302を構成するGND電極302bとして機能する。また、GND電極203は、第3センサ304を構成するGND電極304bとしても機能する。
【0036】
一方、本実施形態に係る生体情報測定装置10Aは、共通電極306を含む。共通電極306は、第2センサ302のREF電極302c、及び第3センサ304の入力電極304aとして機能する。換言すると、本実施形態において、第2センサ302のREF電極302cと、第3センサ304の入力電極304aとが共通である。
【0037】
共通電極306は、時分割で第2センサ302のREF電極302c、及び第3センサ304の入力電極304aとして機能する。本実施形態において、第2センサ302の駆動期間と、第3センサ304の駆動期間とは異なる。第2センサ202の駆動期間を第1駆動期間とし、第3センサ304の駆動期間を第2駆動期間とすると、第1駆動期間と第2駆動期間とは互いに重複しない。第1駆動期間において、共通電極306は、第2センサ302のREF電極302cとして機能して、所定の電圧が供給される。また、第2駆動期間において、共通電極306は、第3センサ304の入力電極304aとして機能して、所定の電圧が印加される。当該所定の電圧は、機能するセンサ、電極の特性に応じて、適宜決めることができる。第1駆動期間と第2駆動期間とで、当該所定の電圧を同じにしてもよいし、異ならせてもよい。
【0038】
共通電極306は、ハウジング100の後方支持部120において、一方の側部筐体130に隣接して設けられてもよい。しかしながら、共通電極306の位置はこれに限定されるわけではない。
【0039】
本実施形態では、第2センサ302が駆動する第1駆動期間と、第3センサ304が駆動する第2駆動期間とが異なる、換言すると、第2センサ302と第3センサとを時分割駆動する。第1駆動期間には、共通電極306を第2センサ302のREF電極302cとして機能させ、第2駆動期間には、共通電極306を第3センサ304の入力電極304aとして機能させ、REF電極302cと入力電極304aとを共通化することができる。これにより、生体情報測定装置10Aに取り付ける電極の数をさらに低減することができる。
【0040】
また、生体情報測定装置10Aにおける電極の数が低減されたことにより、図3に示すように、生体情報測定装置10Aの前方支持部110に第1センサ200の受光部200a、第2センサ302の探査電極302a、及びGND電極203をバランスよく配置することができる。具体的には、受光部200aを前方支持部110の略中央に配置し、探査電極302a、及びGND電極203を受光部200aから所定の範囲内で受光部200aの両隣に配置することにより、前方支持部110において、電極の配置を略左右対称にすることができる。
【0041】
尚、第2センサ302の探査電極302aとGND電極203とは、第1実施形態と同様に、生体情報測定装置10Aの装着者の頭頂部を中心に設定し、頭頂部と第1センサ200の受光部200aの略中央が位置している位置とを繋ぐ線L1を基準線とすると、基準線L1から頭頂部を中心に30°以内の範囲に配置されることが好ましい。
【0042】
本実施形態では、前方支持部110における電極の配置を略左右対称にすることにより、装着者が生体情報測定装置10Aを装着した際に、装着者の前頭部にかかる圧力、即ち電極の押しつけ圧が略均等になる。その結果、前方支持部110における各電極と装着者の前頭部との接触が安定化し、第2センサ302、及び第3センサ304による測定結果におけるノイズが低減されて測定結果の信頼性が向上される。
【0043】
図4は、本実施形態に係る生体情報測定装置10Aの機能ブロック図である。図4を参照すると、生体情報測定装置10Aは、第1センサ200、第2センサ302、第3センサ304に加え、選択スイッチ410、A/Dコンバータ412、MCU414、D/Aコンバータ416、及び3軸加速度センサ418を含んでもよい。A/Dコンバータ412、MCU414、D/Aコンバータ416、及び3軸加速度センサ418は、後方支持部120の側部筐体130に収納されてもよい。3軸加速度センサ418を備えることで、例えば、被験者の1方向のみの動きだけでなく、X方向、Y方向、Z方向の立体的な動きを検出することができるようになる。
【0044】
第1センサ200、第2センサ302、及び第3センサ304については、上述したとおりであるため、重複する説明は省略する。
【0045】
第1センサ200には、第1センサ200を駆動するためのPPG信号が印加される。PPG信号は、後述するグランド信号(GND信号)とともに、第1センサ200の受光部200aに提供される。
【0046】
第2センサ302の探査電極302aには、EG信号が印加される。
【0047】
GND電極203には、GND信号が印加される。上述したように、GND電極203は、第1センサ200のGND電極200b、第2センサのGND電極302b、及び第3センサのGND電極304bとして共通に機能する。
【0048】
共通電極306には、REF信号、及びGSR信号が印加される。REF信号は、第1駆動期間において第2センサ302に提供される。換言すると、第1駆動期間において、共通電極306は、第2センサ302のREF電極302cとして機能する。一方、GSR信号は、第1駆動期間とは異なる第2駆動期間において第3センサ304に提供される。換言すると、第2駆動期間において、共通電極は、第3センサ304の入力電極304aとして機能する。
【0049】
共通極306は、選択スイッチ410に接続されている。選択スイッチ410には、選択信号が印加される。選択スイッチ410は、印加された選択信号に応じて、共通電極306の接続先を切り替える。具体的には、選択スイッチ410は、第1駆動期間では、共通電極306と第2センサ302とを接続させ、共通電極306は第2センサ302のREF電極302cとして機能する。一方、選択スイッチ410は、第2駆動期間では、共通電極306と第3センサ304とを接続させ、共通電極306は第3センサ304の入力電極304aとして機能する。
【0050】
第1センサ200、及び第2センサ302による測定結果は、MCU414に出力される。第3センサ304による測定結果は、A/Dコンバータ412によってデジタル変換された後、MCU414に出力される。
【0051】
MCU414は、BLEの無線通信回路を備えていてもよい。MCU414に供給された測定結果は、BLEによって、外部の装置に送信されてもよい。
【0052】
また、第1センサ200、及び第2センサ302による測定結果は、D/Aコンバータ416に出力されてもよい。第3センサ304による測定結果は、A/Dコンバータ412によってデジタル変換された後、D/Aコンバータ416に出力されてもよい。D/Aコンバータ416は、提供された測定結果をアナログ変換し、外部のスピーカに送信してもよい。
【0053】
以上に述べた本開示の実施形態に示す構成を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、または、省略もしくは条件変更を行ったものも、本開示の要旨を備えている限り、発明の範囲に含まれる。
【0054】
上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本実施形態の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本開示の一実施形態によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0055】
10,10A・・・生体情報測定装置、100・・・ハウジング、110・・・前方支持部、120・・・後方支持部、122・・・後方バンド、124・・・後頭部支持部、126・・・バンド調節部、128・・・側頭部支持部、130・・・側部筐体、132・・・連結部、200・・・第1センサ、200a・・・受光部、202,302・・・第2センサ、202a・・・探査電極、202c・・・基準電極(REF電極)、203(200b、202b、204b)・・・接地電極(GND電極)、204,304・・・第3センサ、204a・・・入力電極
図1
図2
図3
図4