(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104530
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】排気管
(51)【国際特許分類】
F01N 13/08 20100101AFI20240729BHJP
【FI】
F01N13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008793
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】近藤 聖司
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004BA01
3G004DA14
(57)【要約】
【課題】内管と外管との間の排気ガス流路の長さを延長できる排気管を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、第1二重管と、第2二重管と、保持部材とを備える排気管である。第1二重管は、第1内管と、第1外管と、第1内管の外周面と第1外管の内周面との間に設けられると共に、排気ガスが通過する第1空間と、を有する。第2二重管は、第2内管と、第2外管と、第2内管の外周面と第2外管の内周面との間に設けられると共に、第1空間と連通した第2空間と、を有する。第1外管は、第2外管に連結される。第1内管は、第2内管の内側に挿入される。保持部材は、第1内管と第2内管とが第1内管の径方向に重なる領域において、第1内管と第2内管との間に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1二重管と、
前記第1二重管に接続された第2二重管と、
保持部材と、
を備え、
前記第1二重管は、
排気ガスが内部を通過する第1内管と、
前記第1内管の外周面を囲うように配置される第1外管と、
前記第1内管の前記外周面と前記第1外管の内周面との間に設けられると共に、排気ガスが通過する第1空間と、
を有し、
前記第2二重管は、
前記排気ガスが内部を通過する第2内管と、
前記第2内管の外周面を囲うように配置される第2外管と、
前記第2内管の前記外周面と前記第2外管の内周面との間に設けられると共に、前記第1空間と連通した第2空間と、
を有し、
前記第1外管は、前記第2外管に連結され、
前記第1内管は、前記第2内管の内側に挿入され、
前記保持部材は、前記第1内管と前記第2内管とが前記第1内管の径方向に重なる領域において、前記第1内管と前記第2内管との間に配置される、排気管。
【請求項2】
請求項1に記載の排気管であって、
前記第2二重管は、前記第1二重管に対し、前記排気ガスの流れ方向における下流側に配置される、排気管。
【請求項3】
請求項2に記載の排気管であって、
前記第1外管は、前記第2外管の内側に挿入される、排気管。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排気管であって、
前記保持部材は、前記第1内管の前記外周面に接合される、排気管。
【請求項5】
請求項4に記載の排気管であって、
前記第2内管の前記第1内管が挿入される端部は、軸方向外側に向かって拡径する、排気管。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排気管であって、
前記第1二重管及び前記第2二重管のうち少なくとも一方は、中心軸が湾曲している、排気管。
【請求項7】
請求項6に記載の排気管であって、
前記第1二重管及び前記第2二重管は、それぞれ中心軸が湾曲しており、
前記第1二重管の中心軸の曲率半径は、前記第2二重管の中心軸の曲率半径とは異なる、排気管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排気管に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気システムにおいて、内管と外管との間に排気ガスが流れる空間が設けられた二重管構造の排気管が公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の排気管では、二重管の長さによって内管と外管との間の排気ガス流路の長さが決まる。そのため、この排気ガス流路の長さに制限が生じ得る。
【0005】
本開示の一局面は、内管と外管との間の排気ガス流路の長さを延長できる排気管を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、第1二重管と、第1二重管に接続された第2二重管と、保持部材と、を備える排気管である。第1二重管は、排気ガスが内部を通過する第1内管と、第1内管の外周面を囲うように配置される第1外管と、第1内管の外周面と第1外管の内周面との間に設けられると共に、排気ガスが通過する第1空間と、を有する。
【0007】
第2二重管は、排気ガスが内部を通過する第2内管と、第2内管の外周面を囲うように配置される第2外管と、第2内管の外周面と第2外管の内周面との間に設けられると共に、第1空間と連通した第2空間と、を有する。第1外管は、第2外管に連結される。第1内管は、第2内管の内側に挿入される。保持部材は、第1内管と第2内管とが第1内管の径方向に重なる領域において、第1内管と第2内管との間に配置される。
【0008】
このような構成によれば、内管と外管との間の排気ガス流路の長さが延長されるように第1二重管と第2二重管とを連結することができる。そのため、排気管における消音効果が高められる。
【0009】
本開示の一態様では、第2二重管は、第1二重管に対し、排気ガスの流れ方向における下流側に配置されてもよい。このような構成によれば、第1内管から第2内管に排気ガスが流れるため、第1内管内を流れる排気ガスが第2内管よりも内側にある第1内管の端部へ衝突することを抑制することができる。
【0010】
本開示の一態様では、第1外管は、第2外管の内側に挿入されてもよい。このような構成によれば、第1空間から第2空間に流れる排気ガスが第2外管よりも内側にある第1外管の端部へ衝突することを抑制することができる。
【0011】
本開示の一態様では、保持部材は、第1内管の外周面に接合されてもよい。このような構成によれば、第1内管の外周面に保持部材を固定した状態で第2内管に第1内管を挿入することで、保持部材を配置することができる。そのため、第2内管の内周面に保持部材を固定する場合に比べ、排気管の製造工数が低減できる。
【0012】
本開示の一態様では、第2内管の第1内管が挿入される端部は、軸方向外側に向かって拡径してもよい。このような構成によれば、第2内管への第1内管の挿入作業性が向上する。
【0013】
本開示の一態様では、第1二重管及び第2二重管のうち少なくとも一方は、中心軸が湾曲していてもよい。このような構成によれば、排気管の形状を設置場所に合わせて設計することができる。
【0014】
本開示の一態様では、第1二重管及び第2二重管は、それぞれ中心軸が湾曲していてもよい。第1二重管の中心軸の曲率半径は、第2二重管の中心軸の曲率半径とは異なってもよい。このような構成によれば、排気管の設置自由度を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態の排気システムを示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態の排気管の中心軸を含む模式的な切断部端面図である。
【
図3】
図3A及び
図3Bは、
図2とは異なる実施形態における排気管の中心軸を含む模式的な切断部端面図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、
図2の排気管における第1二重管及び第2二重管の形状の一例を示す模式的な断面図である。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、
図2とは異なる実施形態における排気管の中心軸を含む模式的な切断部端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す排気システム10は、内燃機関100の排気ガス流路を構成している。内燃機関100としては、特に限定されないが、自動車、鉄道、船舶、建機等の輸送機器、発電施設などで駆動用又は発電用として用いられるものが挙げられる。
【0017】
排気システム10は、排気管1と、マニホールド11と、触媒12と、消音器13とを備える。排気管1は、内燃機関100から排出されてマニホールド11及び触媒12を通過した排気ガスを、消音器13を介して系外に排出する。
【0018】
<排気管>
図2に示すように、排気管1は、第1二重管2と、第2二重管3と、保持部材4とを備える。なお、排気管1は、第1二重管2の上流側又は第2二重管3の下流側に接続された他の二重管を備えてもよい。第1二重管2と第2二重管3とは、直列に接続されている。
【0019】
<第1二重管>
第1二重管2は、第1内管21と、第1外管22と、第1空間23とを有する。
【0020】
(第1内管)
第1内管21は、排気ガスGが内部を通過する金属製の筒体である。第1内管21の軸方向に直交する断面における外形は、円形であってもよいし、多角形であってもよい。また、第1内管21は湾曲していてもよい。さらに、第1内管21は、内径及び外径が軸方向に沿って一定であってもよいし、内径又は外径が軸方向に沿って変化してもよい。
【0021】
第1内管21は、排気ガスGが排出される第1内管下流端部21Aを有する。第1内管下流端部21Aは、第1外管22の第1外管下流端部22Aよりも下流に位置する。つまり、第1内管21は、第1外管22よりも下流まで延伸している。また、第1内管下流端部21Aは、第2内管31の内側に挿入されている。
【0022】
(第1外管)
第1外管22は、第1内管21の外周面を囲うように配置された金属製の筒体である。第1外管22の内径は、第1内管21の外径よりも大きい。
【0023】
第1外管22の軸方向に直交する断面における外形は、第1内管21の外形と相似形であってもよいし、非相似形であってもよい。また、第1外管22は湾曲していてもよい。さらに、第1外管22の中心軸は、第1内管21の中心軸と一致してもよいし、ずれていてもよい。
【0024】
第1外管22は、排気ガスGが排出される第1外管下流端部22Aを有する。第1外管下流端部22Aは、第1内管21の第1内管下流端部21Aよりも上流に位置する。第1外管下流端部22Aは、第2外管32の内側に挿入されている。第1外管22は、第1外管下流端部22Aにおいて、第2外管32と連結されている。また、第1外管下流端部22Aは、第2内管31よりも上流に位置する。
【0025】
(第1空間)
第1空間23は、第1内管21の外周面と第1外管22の内周面との間に設けられている。第1空間23には、排気ガスGの一部が流れる。
【0026】
第1空間23は、第1内管21の径方向において第1内管21と第1外管22とに挟まれた空間である。第1空間23は、第1内管21を周方向に沿って覆っている。また、第1空間23は、第1内管21の内部に連通していてもよいし、連通していなくてもよい。第1空間23は、第1内管21との連通の有無、連通孔の大きさ等によって、断熱層、消音室(例えば、ヘルムホルツ共鳴室、サイドブランチ空間等)、又は拡張室として機能する。
【0027】
<第2二重管>
第2二重管3は、第1二重管2に接続されている。具体的には、第2二重管3は、第1二重管2に対し、排気ガスGの流れ方向における下流側に配置されている。第2二重管3は、第2内管31と、第2外管32と、第2空間33とを有する。
【0028】
(第2内管)
第2内管31は、第1内管21から排出された排気ガスGが内部を通過する金属製の筒体である。
【0029】
第2内管31の軸方向に直交する断面における外形は、円形であってもよいし、多角形であってもよい。また、第2内管31は湾曲していてもよい。さらに、第2内管31は、内径及び外径が軸方向に沿って一定であってもよいし、内径又は外径が軸方向に沿って変化してもよい。
【0030】
第2内管31は、第1二重管2に連結された(つまり排気ガスGが流れ込む)第2内管上流端部31Aを有する。第2内管上流端部31Aは、第1内管21の第1内管下流端部21Aを径方向外側から囲っている。つまり、第2内管上流端部31Aの内側には、第1内管下流端部21Aが挿入されている。
【0031】
第2内管上流端部31Aは、第2外管32の第2外管上流端部32Aよりも下流に位置する。また、第2内管上流端部31Aの先端部31Bは、軸方向外側に向かって拡径している。先端部31Bは、例えば、先端に向かうに連れて拡径率が大きくなるフレア形状、一定の拡径率で拡径する円錐形状、非連続的に拡径する段差形状等とすることができる。
【0032】
(第2外管)
第2外管32は、第2内管31の外周面を囲うように配置された金属製の筒体である。第2外管32の内径は、第2内管31の外径よりも大きい。
【0033】
第2外管32の軸方向に直交する断面における外形は、第2内管31の外形と相似形であってもよいし、非相似形であってもよい。また、第2外管32は湾曲していてもよい。さらに、第2外管32の中心軸は、第2内管31の中心軸と一致してもよいし、ずれていてもよい。
【0034】
第2外管32は、第1外管22に連結された第2外管上流端部32Aを有する。第2外管上流端部32Aは、第2内管31の第2内管上流端部31Aよりも上流に位置する。つまり、第2外管32は、第2内管31よりも上流まで延伸している。
【0035】
第2外管上流端部32Aは、第1外管22の第1外管下流端部22Aの外周面に外側から重ね合わされている。つまり、第2外管上流端部32Aの内側には、第1外管下流端部22Aが挿入されている。また、第1外管下流端部22Aの外周面と第2外管上流端部32Aの内周面とは、例えば溶接によって互いに固定されている。
【0036】
(第2空間)
第2空間33は、第2内管31の外周面と第2外管32の内周面との間に設けられている。第2空間33は、第1空間23と連通している。そのため、第2空間33には、第1空間23を通過した排気ガスGが流れる。
【0037】
第2空間33は、第2内管31の径方向において第2内管31と第2外管32とに挟まれた空間である。第2空間33は、第2内管31を周方向に沿って覆っている。また、第2空間33は、第2内管31の内部に連通していてもよいし、連通していなくてもよい。第2空間33は、第2内管31との連通の有無、連通孔の大きさ等によって、断熱層、消音室(例えば、ヘルムホルツ共鳴室、サイドブランチ空間等)、又は拡張室として機能する。なお、第1空間23と第2空間33とは連通空間5を介して連通するため、一体の断熱層、消音室、又は拡張室として機能する。
【0038】
(保持部材)
保持部材4は、第1二重管2と第2二重管3との間に配置されている。具体的には、第1内管21と第2内管31とが第1内管21の径方向に重なる領域において、第1内管21と第2内管31との間に配置されている。
【0039】
保持部材4は、第1内管21の第1内管下流端部21Aの外周面と第2内管31の第2内管上流端部31Aの内周面とに挟まれている。保持部材4は、第1内管21の外周面及び第2内管31の内周面の周方向全体に沿って配置されている。つまり、保持部材4は、第1内管21と第2内管31との間を閉塞するリング状の部材である。ただし、保持部材4には、周方向の一部に開口が設けられていてもよい。
【0040】
保持部材4は、第1内管下流端部21Aの外周面に、例えばスポット溶接によって接合されている。一方で、保持部材4は、第2内管上流端部31Aの内周面には固定されていない。
【0041】
保持部材4は、第1内管21と第2内管31との距離を保ち、かつ、少なくとも第2内管31に対して摺動することができるものであれば、材質等は限定されない。保持部材4としては、例えば金属製のワイヤメッシュが好適である。
【0042】
<第1二重管と第2二重管との連結部分>
上述の通り、第1二重管2の第1内管下流端部21Aは、保持部材4を介して、第2二重管3の第2内管上流端部31Aと連結されている。
【0043】
また、第1二重管2の第1外管下流端部22Aは、第2二重管3の第2外管上流端部32Aと例えば溶接によって連結されている。なお、
図3Aに示すように、第1外管下流端部22Aと第2外管上流端部32Aとは、クランプ6によって締結されてもよい。
【0044】
さらに、
図3Bに示すように、第1外管下流端部22Aと第2外管上流端部32Aとは、接手によって連結されてもよい。
図3Bでは、第1外管22に接合された第1フランジ24と、第2外管32に接合された第2フランジ34とが例えばボルトによって締結される。
【0045】
図2に示すように、第1外管22と第2外管32との連結部分は、第1内管21と第2内管31との連結部分(つまり保持部材4)よりも排気ガスGの流れ方向における上流側に位置する。
【0046】
第1二重管2の第1空間23と、第2二重管3の第2空間33とは、第1内管21の外周面と、第2外管32の内周面との間に設けられた連通空間5を介して連通している。そのため、第1空間23を流れる排気ガスGは、連通空間5から第2空間33に流入する。連通空間5は、排気ガスGの流れ方向において、第1外管22と第2外管32との連結部分と、第1内管21と第2内管31との連結部分との間に存在する。
【0047】
<排気管の形状>
図4Aに示すように、第2二重管3は、湾曲部3Aにおいて中心軸が湾曲していてもよい。また、第2二重管3の代わりに、第1二重管2の中心軸が湾曲していてもよい。
【0048】
第1二重管2又は第2二重管3が湾曲することで、排気管1の形状を設置場所に合わせて設計することができる。そのため、例えば自動車の内部に配置されるバッテリを迂回するように排気管1を配置することができる。
【0049】
さらに、
図4Bに示すように、第1二重管2及び第2二重管3のそれぞれの中心軸が湾曲部2A,3Aにおいて湾曲していてもよい。このとき、第1二重管2の湾曲部2Aにおける中心軸の曲率半径と、第2二重管3の湾曲部3Aにおける曲率半径とが異なってもよい。これにより、排気管1の設置自由度を高められる。
【0050】
例えば、2か所で湾曲している排気管1においては、第1二重管2及び第2二重管3にそれぞれ1つの湾曲部を設けた上で第1二重管2と第2二重管3とを連結することで、1つの連続した二重管に2つの湾曲部を形成する場合に比べて、排気管1の製造が容易になる。
【0051】
特に、曲率半径が異なる2箇所以上の湾曲がある排気管1においては、1つの二重管に2つの湾曲を形成するよりも、湾曲部2Aを有する第1二重管2と、湾曲部2Aとは異なる曲率半径の湾曲部3Aを有する第2二重管3とを連結して排気管1を製造する方が容易である。
【0052】
図4A及び
図4Bに示すように、第1空間23の上流端と第2空間33の下流端とは、それぞれ閉塞されている。第1空間23及び第2空間33は、閉塞部材によって閉塞されてもよいし、内管又は外管の拡径又は縮径と溶接との組合せによって閉塞されてもよい。
【0053】
[1-2.作用]
上述の構成によって、本実施形態の排気管1は次のような手順によって得られる。まず、第1二重管2の第1内管下流端部21Aの外周面に保持部材4を接合する。
【0054】
次に、保持部材4が接合された第1内管下流端部21Aを第2二重管3の第2内管上流端部31Aの内側に挿入すると共に、第1外管下流端部22Aを第2外管上流端部32Aの内側に挿入する。ここで、第2内管上流端部31Aの先端部31Bが、軸方向外側に向かって拡径しているため、保持部材4が先端部31Bによって案内される。そのため、第1内管下流端部21Aが第2二重管3の第2内管上流端部31Aの内側に容易に挿入される。
【0055】
その後、第1外管下流端部22Aと第2外管上流端部32Aとを接合又は締結することで、第1二重管2と第2二重管3とが連結され、排気管1が得られる。これにより、第1内管21の内部空間と第2内管31の内部空間とが連通すると共に、第1二重管2の第1空間23と第2二重管3の第2空間33とが連通空間5を介して連通する。
【0056】
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)内管と外管との間の排気ガス流路の長さが延長されるように第1二重管2と第2二重管3とを連結することができる。そのため、排気管1における消音効果が高められる。
【0057】
(1b)第2二重管3が排気ガスGの流れ方向における下流側に配置されることで、第1内管21から第2内管31に排気ガスGが流れるため、第1内管21内を流れる排気ガスGが第2内管31よりも内側にある第1内管21の端部へ衝突することを抑制することができる。
【0058】
(1c)第1外管22が第2外管32の内側に挿入されることで、第1空間23から第2空間33に流れる排気ガスGが第2外管上流端部32Aの端面へ衝突することを抑制することができる。
【0059】
(1d)第1内管21の外周面に保持部材4を固定した状態で第2内管31に第1内管21を挿入することで、保持部材4を配置することができる。そのため、第2内管31の内周面に保持部材4を固定する場合に比べ、排気管1の製造工数が低減できる。
【0060】
(1e)第2内管上流端部31Aが軸方向外側に向かって拡径していることで、第2内管31への第1内管21の挿入作業性が向上する。
【0061】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0062】
(2a)上記実施形態の排気管において、
図5Aに示すように、第1内管21又は第2内管31の内部に流量調整用のバルブ7が配置されてもよい。バルブ7は、排気ガスGの圧力で回転してもよいし、アクチュエータによって回転されるように構成されてもよい。
【0063】
(2b)上記実施形態の排気管において、第1二重管は必ずしも第2二重管よりも上流に配置されなくてもよい。例えば、
図5Bに示すように、第1二重管2は、第2二重管3に対し、排気ガスGの流れ方向における下流側に配置されてもよい。
【0064】
(2c)上記実施形態の排気管において、第2内管上流端部は、必ずしも拡径していなくてもよい。また、保持部材は、必ずしも第1内管の外周面に接合されなくてもよい。例えば、保持部材は、第2内管の内周面に接合されてもよい。
【0065】
(2d)上記実施形態の排気管において、第1外管と第2外管とは必ずしも径方向に重ならなくてもよい。例えば、第1外管と第2外管とは端部同士が突き合わされた上で溶接によって連結されてもよい。
【0066】
(2e)上記実施形態の排気管において、保持部材は、第1内管及び第2内管の双方に固定されなくてもよい。例えば、保持部材は、第1内管及び第2内管に対して上流又は下流に摺動するように保持されてもよい。この場合、第1内管又は第2内管に保持部材の移動を規制するストッパーが設けられるとよい。ストッパーは、例えば、第1内管又は第2内管の一部を凸状に変形させた部位、第1内管又は第2内管に取り付けられた凸部材等で構成される。
【0067】
(2f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0068】
1…排気管、2…第1二重管、2A…湾曲部、3…第2二重管、3A…湾曲部、
4…保持部材、5…連通空間、6…クランプ、7…バルブ、10…排気システム、
11…マニホールド、12…触媒、13…消音器、21…第1内管、
21A…第1内管下流端部、22…第1外管、22A…第1外管下流端部、
23…第1空間、24…第1フランジ、31…第2内管、31A…第2内管上流端部、
31B…先端部、32…第2外管、32A…第2外管上流端部、33…第2空間、
34…第2フランジ、100…内燃機関。