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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104531
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】熱交換構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240729BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240729BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240729BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M10/625
H01M10/6556
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008794
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山口 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】宇野 貴昭
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
(57)【要約】
【課題】組み付けコストを低減できる熱交換構造を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、電動車に搭載されたバッテリの熱交換を行う熱交換構造である。熱交換構造は、バッテリが収容される複数のバッテリ収容部を有するフレームと、フレームの下方又は上方に配置されると共に、内部に媒体流路が設けられた複数の熱交換モジュールと、複数の熱交換モジュール同士を締結する締結具と、を備える。複数の熱交換モジュールは、隣接する他の熱交換モジュールと連結される連結部をそれぞれ有する。連結部は、隣接する他の連結部と上下方向に重ね合わされると共に、締結具によってフレームに対し他の連結部と共に締結される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車に搭載されたバッテリの熱交換を行う熱交換構造であって、
前記バッテリが収容される複数のバッテリ収容部を有するフレームと、
前記フレームの下方又は上方に配置されると共に、内部に媒体流路が設けられた複数の熱交換モジュールと、
前記複数の熱交換モジュール同士を締結する締結具と、
を備え、
前記複数の熱交換モジュールは、隣接する他の熱交換モジュールと連結される連結部をそれぞれ有し、
前記連結部は、隣接する他の連結部と上下方向に重ね合わされると共に、前記締結具によって前記フレームに対し前記他の連結部と共に締結される、熱交換構造。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換構造であって、
前記連結部は、前記締結具が上下方向に挿通される連通孔を有し、
前記連通孔は、前記他の連結部の前記連通孔と連通すると共に、前記媒体流路を構成する、熱交換構造。
【請求項3】
請求項2に記載の熱交換構造であって、
重ね合わされた2つの前記連結部の間に配置されると共に、前記締結具を囲むシール部材をさらに備える、熱交換構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱交換構造であって、
前記熱交換モジュールを下方から覆う複数のベース板をさらに備え、
前記複数のベース板は、隣接する他のベース板と上下方向に重ね合わされると共に、前記締結具によって前記フレームに対し前記他のベース板及び前記複数の熱交換モジュールの前記連結部と共に締結される、熱交換構造。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱交換構造であって、
前記複数のバッテリ収容部それぞれの下方に、前記複数の熱交換モジュールが1つずつ配置される、熱交換構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車のバッテリの熱交換構造において、バッテリ収容部の下部に冷却部を配置した構成が公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6360110号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の熱交換構造では、バッテリ収容部を有するフレームに対し、冷却部をベース板等の部材によって取り付ける必要がある。そのため、組み付けコストが大きくならざるを得ない。
【0005】
本開示の一局面は、組み付けコストを低減できる熱交換構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、電動車に搭載されたバッテリの熱交換を行う熱交換構造である。熱交換構造は、バッテリが収容される複数のバッテリ収容部を有するフレームと、フレームの下方又は上方に配置されると共に、内部に媒体流路が設けられた複数の熱交換モジュールと、複数の熱交換モジュール同士を締結する締結具と、を備える。複数の熱交換モジュールは、隣接する他の熱交換モジュールと連結される連結部をそれぞれ有する。連結部は、隣接する他の連結部と上下方向に重ね合わされると共に、締結具によってフレームに対し他の連結部と共に締結される。
【0007】
このような構成によれば、複数の熱交換モジュールが互いに重ね合わされた状態でフレームに直接締結される。そのため、熱交換モジュールを保持する部品を設けることなく、熱交換モジュールをフレームの下方又は上方に設置することができる。また、2つの熱交換モジュールの接続とフレームへの取り付けとを同時に行うことができる。その結果、組み付けコストを低減できる。
【0008】
本開示の一態様では、連結部は、締結具が上下方向に挿通される連通孔を有してもよい。連通孔は、他の連結部の連通孔と連通すると共に、媒体流路を構成してもよい。このような構成によれば、連結部の連通孔が媒体流路の連結を担うため、複数の熱交換モジュールの接続作業を容易に行うことができる。
【0009】
本開示の一態様は、重ね合わされた2つの連結部の間に配置されると共に、締結具を囲むシール部材をさらに備えてもよい。このような構成によれば、連結部からの熱交換媒体の漏洩を抑制できる。また、熱交換モジュールのフレームへの取り付け時にシール部材の設置を同時に行うことができる。
【0010】
本開示の一態様は、熱交換モジュールを下方から覆う複数のベース板をさらに備えてもよい。複数のベース板は、隣接する他のベース板と上下方向に重ね合わされると共に、締結具によってフレームに対し他のベース板及び複数の熱交換モジュールの連結部と共に締結されてもよい。このような構成によれば、分割されたベース板をフレームに取り付けることができるため、大型の部品を取り扱う必要が無くなり、搬送コストが低下する。また、複数のベース板を複数の熱交換モジュールと同時にフレームへ取り付けることができるため、組み付けコストを低減できる。
【0011】
本開示の一態様では、複数のバッテリ収容部それぞれの下方に、複数の熱交換モジュールが1つずつ配置されてもよい。このような構成によれば、バッテリに対する熱交換効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1Aは、実施形態における熱交換構造の模式的な平面図であり、図1Bは、図1Aの熱交換構造の模式的な底面図である。
図2図2Aは、図1AのIIA-IIA線での模式的な切断部端面図であり、図2Bは、図1AのIIB-IIB線での模式的な切断部端面図である。
図3図3A及び図3Bは、図1Bとは異なる実施形態における熱交換構造の模式的な底面図である。
図4図4は、図1Aの熱交換構造の模式的な分解斜視図である。
図5図5は、図4とは異なる実施形態における熱交換構造の模式的な分解斜視図である。
図6図6は、図1Aとは異なる実施形態における熱交換構造の模式的な切断部断面図である。
図7図7Aは、図1Aとは異なる実施形態における熱交換構造の模式的な平面図であり、図7Bは、図7Aの熱交換構造の模式的な底面図である。
図8図8A及び図8Bは、図1Aとは異なる実施形態における熱交換構造の模式的な切断部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1A及び図1Bに示す熱交換構造1は、電動車に搭載された複数のバッテリ100の熱交換(つまり冷却又は加熱)を行う。熱交換構造1は、電動車の車体の下部に設けられる。
【0014】
熱交換構造1は、フレーム2と、分割壁3と、複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dと、複数の締結具5とを備える。さらに、図2A及び図2Bに示すように、熱交換構造1は、複数のベース板6と、第1シール部材7Aと、第2シール部材7Bと、第3シール部材7Cと、第4シール部材7Dとを備える。
【0015】
なお、図1Aは、車両に設置された熱交換構造1を上方から視た図であり、図1Bは、車両に取り付けられた熱交換構造1を下方から視た図である。ただし、図1Bでは、ベース板6の図示が省略されている。
【0016】
<フレーム>
図1Aに示すように、フレーム2は、バッテリ100が1つずつ収容される複数のバッテリ収容部21を有する。
【0017】
バッテリ収容部21は、車両の前後方向に並んで配置されている。隣接する2つのバッテリ収容部21の間には、ウェブ22が配置されている。フレーム2は、車両のフレームの一部であってもよい。
【0018】
<分割壁>
図2A及び図2Bに示すように、分割壁3は、フレーム2の下方に配置されている。分割壁3は、壁本体31と、第1熱伝導材32と、第2熱伝導材33とを有する。
【0019】
壁本体31は、バッテリ収容部21の底壁を構成する1枚のパネルである。壁本体31は、フレーム2の下面に締結具5によって熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dと共に固定されている。
【0020】
第1熱伝導材32は、壁本体31とバッテリ100との間に配置されたシート状の部材である。第2熱伝導材33は、壁本体31と熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dとの間に配置されたシート状の部材である。第1熱伝導材32及び第2熱伝導材33は、壁本体31よりも熱伝導率が大きい。
【0021】
<熱交換モジュール>
図1Bに示すように、本実施形態では、熱交換構造1は、第1熱交換モジュール4Aと、第2熱交換モジュール4Bと、第3熱交換モジュール4Cと、第4熱交換モジュール4Dとを有する。
【0022】
これらの熱交換モジュールは、フレーム2の下方において、それぞれ1つのバッテリ収容部21と重なるように配置されている。つまり、複数のバッテリ収容部21それぞれの下方に、複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dが1つずつ配置されている。なお、バッテリ収容部21の数に合わせて熱交換モジュールの数は適宜変更可能である。
【0023】
第1熱交換モジュール4A、第2熱交換モジュール4B、第3熱交換モジュール4C及び第4熱交換モジュール4Dは、車両の前方からこの順に配置されている。熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dは、それぞれ、内部に熱交換媒体M(例えば冷却水)が流れる媒体流路が設けられたプレート状のモジュールである。また、第1熱交換モジュール4A、第2熱交換モジュール4B、第3熱交換モジュール4C及び第4熱交換モジュール4Dの形状は同一である。
【0024】
熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dは、ぞれぞれ、2枚の金属板が内部に媒体流路が形成されるように上下方向に重ね合わされることで構成されている。2枚の金属板は、例えば溶接によって接合されている。金属板の材質は、例えば、銅、アルミニウム等の熱伝導率の大きい金属が好ましいが、ステンレス等の耐腐食性能が高い金属であってもよい。
【0025】
熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dの媒体流路は、それぞれ隣接する熱交換モジュールの媒体流路と連結されている。そのため、熱交換媒体Mは、1つの熱交換モジュールの内部を車両の左右方向に流れると共に、車両の前後方向において隣接する熱交換モジュールにも流れ込む。
【0026】
なお、図3A及び図3Bに示すように、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dの媒体流路は、車両の右方向及び左方向の双方に熱交換媒体Mが流れるように折り返されていてもよい。
【0027】
さらに、複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dは、車両の左右方向に並んで配置されてもよい。この場合は、熱交換媒体Mは、1つの熱交換モジュールの内部を車両の前後方向に流れると共に、車両の左右方向において隣接する熱交換モジュールに流れ込む。
【0028】
図2Aに示すように、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dは、隣接する熱交換モジュールと連結される第1連結部41及び第2連結部42をそれぞれ有する。第1連結部41は、隣接する他の熱交換モジュールの第2連結部42に下方から重ね合わされている。つまり、第1連結部41及び第2連結部42は、隣接する他の連結部と上下方向に重ね合わされている。
【0029】
第1連結部41は、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dにおいて、第2連結部42を含む他の部位よりも下方に位置している。第1連結部41は、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dの車両の前後方向における一方の端部(本実施形態では前方の端部)に設けられ、第2連結部42は、他方の端部(本実施形態では後方の端部)に設けられている。熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dは、上面の少なくとも一部(具体的には、第1連結部41以外の部分)が分割壁3又はフレーム2に接触している。
【0030】
図2Bに示すように、第1連結部41は、締結具5が上下方向に挿通される第1連通孔41Aを有する。第1連通孔41Aは、第1連結部41の上板に設けられている。第2連結部42は、締結具5が上下方向に挿通される第2連通孔42Aを有する。第2連通孔42Aは、第2連結部42の下板に設けられている。第1連通孔41A及び第2連通孔42Aは、バッテリ収容部21と重ならない位置(具体的には、バッテリ収容部21よりも車両の左右方向における外側)に設けられている。
【0031】
第1連通孔41Aは、隣接する他の熱交換モジュールの第2連通孔42Aと連通している。また、第1連通孔41A及び第2連通孔42Aは、それぞれ、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dの媒体流路を構成している。
【0032】
つまり、第1連通孔41A及び第2連通孔42Aは、隣接する熱交換モジュールの媒体流路を連結する連結口を構成している。1つの熱交換モジュールの内部を流れた熱交換媒体は、第1連通孔41Aから隣接する熱交換モジュールの第2連通孔42Aに流れ込むか、又は第2連通孔42Aから隣接する熱交換モジュールの第1連通孔41Aに流れ込む。
【0033】
第1連結部41は、第1連通孔41A及び第2連通孔42Aに挿通された締結具5によって、フレーム2に対し第2連結部42と共に締結されている。なお、締結具5は、第1連結部41の第1連通孔41Aと対向する下壁と、第2連結部42の第2連通孔42Aと対向する上壁とを貫通している。
【0034】
<締結具>
締結具5は、複数の熱交換モジュール同士を締結している。締結具5は、頭部が下方に位置する向きで、フレーム2に連結されたボルトである。ボルトの種類は特に問われず、フレーム2に直接螺合されてもよいし、フレーム2に設けられたナットに螺合されてもよい。
【0035】
締結具5は、隣接する2枚のベース板6と、隣接する2つの熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dと、分割壁3とを貫通している。締結具5は、1つの第1連結部41(つまり1つの第2連結部42)に対し、車両の左右方向に1つずつ配置されている。
【0036】
<ベース板>
複数のベース板6は、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dを下方から覆っている。ベース板6は、車両のアンダーカバーを構成している。ただし、ベース板6の下方にさらに別のカバーが配置されてもよい。
【0037】
複数のベース板6は、それぞれの端部において隣接する他のベース板6と上下方向に重ね合わされている。また、ベース板6は、締結具5によって、フレーム2に対し他のベース板6及び複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dの第1連結部41及び第2連結部42と共に締結されている。つまり、第1連結部41と第2連結部42とが重ね合わされた領域の下方で、隣接する2つのベース板6が重ね合わされている。
【0038】
<シール部材>
第1シール部材7Aは、重ね合わされた第1連結部41及び第2連結部42の間に配置されると共に、締結具5を囲んでいる。第1シール部材7Aは、第1連通孔41Aと第2連通孔42Aとに挟まれ、これらの連通孔からの熱交換媒体の流出を阻止している。
【0039】
第2シール部材7Bは、第2連結部42と分割壁3との間に配置されると共に、締結具5を囲んでいる。第2シール部材7Bは、第2連結部42及び分割壁3のそれぞれに設けられた締結具5の挿通孔からの熱交換媒体の流出を阻止している。
【0040】
第3シール部材7Cは、第1連結部41とベース板6との間に配置されると共に、締結具5を囲んでいる。第3シール部材7Cは、第1連結部41及びベース板6のそれぞれに設けられた締結具5の挿通孔からの熱交換媒体の流出を阻止している。
【0041】
第4シール部材7Dは、締結具5の頭部とベース板6との間に配置されると共に、締結具5を囲んでいる。第4シール部材7Dは、ベース板6に設けられた締結具5の挿通孔からの熱交換媒体の流出を阻止している。
【0042】
シール部材7A,7B,7C,7Dとしては、周知の弾性体が使用できる。シール部材7A,7B,7C,7Dは、締結具5の締結によって上下方向(つまり締結具5の軸方向)に圧縮される。
【0043】
<組立方法>
熱交換構造1は、次の手順によって組立てられる。まず、図4に示すように、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dと複数のベース板6とを重ね合わせる。
【0044】
この状態で、締結具5をベース板6の下方から挿入し、締結具5をフレーム2(図4では図示省略)に締結することで、熱交換構造1が得られる。なお、締結具5による締結領域では、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dの上下、及びベース板6の上下には、それぞれシール部材7A,7B,7C,7Dが配置される。
【0045】
また、図5に示すように、締結具5によって、1つの熱交換モジュールを構成する第1金属板44と第2金属板45とを連結してもよい。この場合、第1金属板44と第2金属板45との間に、ガスケット46が配置される。ガスケット46は、第1金属板44及び第2金属板45に設けられた締結具5の挿通孔からの熱交換媒体の流出を阻止する。
【0046】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dが互いに重ね合わされた状態でフレーム2に直接締結される。そのため、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dを保持する部品を設けることなく、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dをフレーム2の下方に設置することができる。また、2つの熱交換モジュールの接続とフレーム2への取り付けとを同時に行うことができる。その結果、組み付けコストを低減できる。
【0047】
(1b)第1連結部41及び第2連結部42それぞれの連通孔41A,42Aが媒体流路の連結を担うため、複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dの接続作業を容易に行うことができる。
【0048】
(1c)第1シール部材7Aによって、第1連結部41及び第2連結部42からの熱交換媒体の漏洩を抑制できる。また、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dのフレーム2への取り付け時に第1シール部材7Aの設置を同時に行うことができる。
【0049】
(1d)分割されたベース板6をフレーム2に取り付けることができるため、大型の部品を取り扱う必要が無くなり、搬送コストが低下する。また、複数のベース板6を複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dと同時にフレーム2へ取り付けることができるため、組み付けコストを低減できる。
【0050】
(1e)複数のバッテリ収容部21それぞれの下方に、熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dが1つずつ配置されることで、バッテリ100に対する熱交換効率を高めることができる。
【0051】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0052】
(2a)上記実施形態の熱交換構造において、複数の熱交換モジュールの構成は一例である。例えば、図6に示すように、複数の熱交換モジュールには、分割壁3及びフレーム2から離れた連結用熱交換モジュール4Eが含まれてもよい。
【0053】
連結用熱交換モジュール4Eは、2つの熱交換モジュール4A,4Bにそれぞれ連結される第1連結部41及び第2連結部42を有する。連結用熱交換モジュール4Eの流路断面積の調整によって、複数のバッテリ収容部21の熱交換媒体の流量バランスを調整することができる。
【0054】
また、連結用熱交換モジュール4Eの内部には、熱交換媒体の流量を調整するバルブ8が配置されてもよい。バルブ8は、例えば、バッテリ100の温度に合わせて開度が制御される。
【0055】
(2b)上記実施形態の熱交換構造において、図7Aに示すように、複数のバッテリ100が車両の左右方向に分割されてもよい。この場合、図7Bに示すように、複数の熱交換モジュール4A,4B,4C,4Dも左右方向に分割して配置される。
【0056】
(2c)上記実施形態の熱交換構造は、必ずしも分割壁を備えなくてもよい。図8A及び図8Bに示すように、熱交換モジュール4A,4B,4Cの上面に熱伝導材47が配置されると共に、熱交換モジュール4A,4B,4Cが直接フレーム2に取り付けられてもよい。
【0057】
(2d)上記実施形態の熱交換構造において、ベース板は、必ずしも熱交換モジュールと共にフレームに連結されなくてもよい。また、熱交換構造は、複数の熱交換モジュールを覆う1枚のベース板を備えてもよい。
【0058】
(2e)上記実施形態の熱交換構造において、熱交換モジュールは、フレームの上方に配置されてもよい。つまり、熱交換モジュールは、フレームに収容されたバッテリを上方から覆ってもよい。
【0059】
(2f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0060】
1…熱交換構造、2…フレーム、3…分割壁、
4A,4B,4C,4D…熱交換モジュール、4E…連結用熱交換モジュール、
5…締結具、6…ベース板、7A…第1シール部材、7B…第2シール部材、
7C…第3シール部材、7D…第4シール部材、8…バルブ、21…バッテリ収容部、
22…ウェブ、31…壁本体、32…第1熱伝導材、33…第2熱伝導材、
41…第1連結部、41A…第1連通孔、42…第2連結部、42A…第2連通孔、
44…第1金属板、45…第2金属板、46…ガスケット、47…熱伝導材、
100…バッテリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8