(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104535
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】現金処理装置、及び現金処理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G07D 11/60 20190101AFI20240729BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G07D11/60
G06K7/10 444
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008801
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良憲
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA04
3E141AA06
3E141CA06
3E141FH05
3E141FJ07
(57)【要約】
【課題】現金処理装置の操作性を向上させる。
【解決手段】バーコードを光学的に読み取るバーコードリーダと、前記バーコードリーダを取り外し可能かつ前記バーコードを読み取り可能な姿勢で支持する支持部と、前記バーコードリーダを第1のモードで動作させる第1の処理を行った上で、前記バーコードリーダを第2のモードで動作させる第2の処理を行う制御部と、を備え、前記第1のモードでは、前記バーコードリーダは、前記支持部から取り外された状態でトリガスイッチを押下されることで前記バーコードを読み取り、前記第2のモードでは、前記バーコードリーダは、前記支持部に支持された状態で前記バーコードを読み取る、現金処理装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードを光学的に読み取るバーコードリーダと、
前記バーコードリーダを取り外し可能かつ前記バーコードを読み取り可能な姿勢で支持する支持部と、
前記バーコードリーダを第1のモードで動作させる第1の処理を行った上で、前記バーコードリーダを第2のモードで動作させる第2の処理を行う制御部と、
を備え、
前記第1のモードでは、前記バーコードリーダは、前記支持部から取り外された状態でトリガスイッチを押下されることで前記バーコードを読み取り、
前記第2のモードでは、前記バーコードリーダは、前記支持部に支持された状態で前記バーコードを読み取る、現金処理装置。
【請求項2】
前記第1の処理は、ユーザのログイン処理であり、
前記第2の処理は、取引内容の入力処理である、請求項1に記載の現金処理装置。
【請求項3】
前記第1の処理では、前記バーコードリーダは、前記ユーザの名札又は社員証に記載された前記バーコードを読み取り、
前記第2の処理では、前記バーコードリーダは、前記取引内容を示す帳票に記載された前記バーコードを読み取る、請求項2に記載の現金処理装置。
【請求項4】
画像を表示する表示部をさらに備え、
前記第1の処理では、前記表示部は、前記支持部から取り外された前記バーコードリーダで前記バーコードを読み取ることを促す第1の画像を表示し、
前記第2の処理では、前記表示部は、前記支持部に支持された前記バーコードリーダで前記バーコードを読み取ることを促す第2の画像を表示する、請求項1~3のいずれか一項に記載の現金処理装置。
【請求項5】
前記バーコードは、一次元又は二次元のパターンで構成された識別子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の現金処理装置。
【請求項6】
バーコードを光学的に読み取るバーコードリーダを取り外し可能かつ前記バーコードを読み取り可能な姿勢で支持部にて支持する現金処理装置の制御方法であって、
第1の処理を行うステップと、
前記第1の処理の後に第2の処理を行うステップと、
を含み、
前記第1の処理では、前記バーコードリーダは、前記支持部から取り外された状態でトリガスイッチが押下されることで前記バーコードを読み取る第1のモードにて動作し、
前記第2の処理では、前記バーコードリーダは、前記支持部に支持された状態で前記バーコードを読み取る第2のモードにて動作する、現金処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金処理装置、及び現金処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関、及びスーパーマーケット等の商業施設には、現金を取り扱う現金処理装置が設置されている。現金処理装置は、売上金を入金する入金取引、釣銭準備金を出金する出金取引、現金を補充する補充取引、及び現金を回収する回収取引などを実行することができる。
【0003】
このような現金処理装置では、許可されている取引の種類がユーザごとに異なっていることがあり得る。そのため、現金処理装置には、カードリーダ、バーコードリーダ、生体情報センサ、又は暗証番号入力装置などのユーザを識別するための識別装置が備えられる。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、IDカードに書き込まれた識別情報をカードリーダにて読み取ることで操作者を識別する現金処理装置が開示されている。また、特許文献1には、バーコードリーダを用いてバーコードを読み取ることで、操作者を識別してもよいことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、近年、現金処理装置では、運用面でもバーコードを活用する機会が増加している。具体的には、帳票に記載されたバーコードを読み取ることで、帳票に記載された取引の内容を現金処理装置に入力することが増加している。そのため、現金処理装置のバーコードリーダでは、運用オペレーションに応じてバーコードの読み取りをより柔軟に行うことが求められていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、操作性をより向上させることが可能な、新規かつ改良された現金処理装置、及び現金処理装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、バーコードを光学的に読み取るバーコードリーダと、前記バーコードリーダを取り外し可能かつ前記バーコードを読み取り可能な姿勢で支持する支持部と、前記バーコードリーダを第1のモードで動作させる第1の処理を行った上で、前記バーコードリーダを第2のモードで動作させる第2の処理を行う制御部と、を備え、前記第1のモードでは、前記バーコードリーダは、前記支持部から取り外された状態でトリガスイッチを押下されることで前記バーコードを読み取り、前記第2のモードでは、前記バーコードリーダは、前記支持部に支持された状態で前記バーコードを読み取る、現金処理装置が提供される。
【0009】
前記第1の処理は、ユーザのログイン処理であり、前記第2の処理は、取引内容の入力処理であってもよい。
【0010】
前記第1の処理では、前記バーコードリーダは、前記ユーザの名札又は社員証に記載された前記バーコードを読み取り、前記第2の処理では、前記バーコードリーダは、前記取引内容を示す帳票に記載された前記バーコードを読み取ってもよい。
【0011】
画像を表示する表示部をさらに備え、前記第1の処理では、前記表示部は、前記支持部から取り外された前記バーコードリーダで前記バーコードを読み取ることを促す第1の画像を表示し、前記第2の処理では、前記表示部は、前記支持部に支持された前記バーコードリーダで前記バーコードを読み取ることを促す第2の画像を表示してもよい。
【0012】
前記バーコードは、一次元又は二次元のパターンで構成された識別子であってもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、バーコードを光学的に読み取るバーコードリーダを取り外し可能かつ前記バーコードを読み取り可能な姿勢で支持部にて支持する現金処理装置の制御方法であって、第1の処理を行うステップと、前記第1の処理の後に第2の処理を行うステップと、を含み、前記第1の処理では、前記バーコードリーダは、前記支持部から取り外された状態でトリガスイッチが押下されることで前記バーコードを読み取る第1のモードにて動作し、前記第2の処理では、前記バーコードリーダは、前記支持部に支持された状態で前記バーコードを読み取る第2のモードにて動作する、現金処理装置の制御方法が提供される。
【0014】
上記構成により、現金処理装置は、実行する処理の内容に応じてバーコードの読み取りをより柔軟に行うことが可能である。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、現金処理装置の操作性をより向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る現金処理装置の外観構成を示す斜視図である。
【
図2】現金処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】現金処理装置に備えられるバーコードリーダの外観構成を示す斜視図である。
【
図4】現金処理装置の第1の動作の流れを示すフローチャート図である。
【
図5】
図4におけるステップS101の詳細な流れを示すフローチャート図である。
【
図6】
図4におけるステップS101で表示される画像の一例を示す説明図である。
【
図7】
図4におけるステップS105の詳細な流れを示すフローチャート図である。
【
図8】
図4におけるステップS105で表示される画像の一例を示す説明図である。
【
図9】現金処理装置の第2の動作の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
<1.現金処理装置の構成>
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る現金処理装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る現金処理装置1の外観構成を示す斜視図である。
図2は、現金処理装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3は、現金処理装置1に備えられるバーコードリーダ170の外観構成を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、現金処理装置1の筐体上面には、紙幣入出金口11、硬貨投入口19、操作表示部110、レシートプリンタ121、及びバーコードリーダ170が設けられる。また、現金処理装置1の筐体前面には、異物返却部12、扉開閉取手13、錠部14、硬貨リジェクト部20、硬貨返却部21、及び硬貨出金部22が設けられる。
【0020】
現金処理装置1の筐体前面は、前方に開放可能な扉15となっている。ユーザは、扉開閉取手13に手を掛けることで、扉15の開閉を行うことができる。また、ユーザは、錠部14を用いることで、扉15を施錠又は開錠することができる。
【0021】
また、
図2に示すように、現金処理装置1は、機能構成として、制御部100と、紙幣処理部140と、硬貨処理部150と、操作表示部110と、バーコードリーダ170と、レシートプリンタ121と、通信部130と、記憶部160とを備える。制御部100、紙幣処理部140、硬貨処理部150、通信部130、及び記憶部160は、現金処理装置1の筐体内部に設けられる。
【0022】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を中心に構成される。制御部100は、現金処理装置1の各部を制御することで、釣銭準備金の出金取引、釣銭準備金の補充取引、売上金の入金取引、及び売上金の回収取引などの各種の取引を実行することができる。また、制御部100は、各取引の履歴を記憶部160に記憶させる。
【0023】
紙幣処理部140は、紙幣入出金口11及び異物返却部12を有し、さらに、現金処理装置1の筐体内部に紙幣鑑別部、紙幣カセット部、回収カセット、及びリジェクト部(いずれも図示せず)を有する。
【0024】
紙幣入出金口11は、紙幣を投入するための投入口、及び釣銭出金取引において紙幣を出金するための出金口として機能する。ユーザは、紙幣入出金口11を介して、現金処理装置1に紙幣を投入したり、現金処理装置1から紙幣を出金させたりすることができる。異物返却部12は、入金がリジェクトされた紙幣を異物として返却するための返却口として機能する。
【0025】
紙幣鑑別部は、紙幣入出金口11から投入された紙幣の真偽、金種、及び正損等を鑑別する。紙幣カセット部は、正券と鑑別された紙幣を釣銭準備金として収納する。具体的には、紙幣カセット部は、万券、五千券、及び千券の各々に対応する複数のカセットを有し、対応するカセットの各々に万券、五千券、及び千券を収納する。紙幣カセット部が有する複数のカセットは、いわゆるリサイクルカセット(還流庫)として構成されてもよい。紙幣鑑別部にて正券と鑑別された紙幣は、紙幣カセット部に収納された後、釣銭出金時に紙幣カセット部から出金される。
【0026】
回収カセットは、売上回収取引において、紙幣カセット部から移動させた売上金(紙幣)を収納する。これにより、ユーザは、現金処理装置1から回収カセットを取り出すことで、売上金(紙幣)を回収することができる。
【0027】
リジェクト部は、紙幣処理部140の内部でリジェクトされた紙幣を集積する。例えば、リジェクト部は、紙幣カセット部へ入金する際に検出されたリジェクト紙幣、紙幣カセット部から釣銭出金する際に検出されたリジェクト紙幣、及び売上金作成のために紙幣カセット部から回収カセットへ移動する際に検出されたリジェクト紙幣を集積してもよい。
【0028】
硬貨処理部150は、硬貨投入口19、硬貨リジェクト部20、硬貨返却部21、及び硬貨出金部22を有し、さらに、現金処理装置1の筐体内部に硬貨鑑別部、出金ホッパ、及び硬貨回収庫(いずれも図示せず)を有する。
【0029】
硬貨投入口19は、ユーザが硬貨を入金するための投入口として機能する。硬貨リジェクト部20は、入金がリジェクトされた硬貨を返却するための返却口として機能する。硬貨返却部21は、計数取引、又は売上入金取引の取り消しの際に硬貨を返却するための返却口として機能する。
【0030】
硬貨鑑別部は、投入された硬貨の画像データを読み取ることで、硬貨の真偽、金種、及び正損等を鑑別する。出金ホッパは、正貨と鑑別された硬貨を釣銭準備金として収納する。硬貨出金部22は、釣銭出金時取引において硬貨を出金するための硬貨出金口として機能する。入金時に硬貨鑑別部にて正貨と識別された硬貨は、出金ホッパに収納され、釣銭出金時に出金ホッパから硬貨出金部22に出金される。
【0031】
硬貨回収庫は、売上回収取引において、出金ホッパから移動させた売上金(硬貨)を収納する。これにより、ユーザは、現金処理装置1から硬貨回収庫を取り出すことで、売上金(硬貨)を回収することができる。
【0032】
操作表示部110は、現金処理装置1の操作を誘導する画像を表示する表示部、及び現金処理装置1への操作入力を受け付ける入力部として機能する。操作表示部110は、例えば、タッチパネルディスプレイにて構成されてもよい。また、操作表示部110は、互いに分離された別々の表示装置及び入力装置にて構成されてもよい。
【0033】
バーコードリーダ170は、バーコードを光学的に読み取ることで、バーコードにコーディングされた情報を読み取る装置である。バーコードリーダ170は、現金処理装置1の筐体上面に設けられた支持部180にて支持される。
【0034】
図3に示すように、バーコードリーダ170は、バーコードBcの読み取りを行うセンサ部171と、バーコードリーダ170を持ち上げる際にユーザにて把持される部位であるグリップ部172とを有する。
【0035】
センサ部171は、バーコードBcに照射される光を発生させる光源と、バーコードBcにて反射した光を検出する撮像素子とを有する。バーコードリーダ170は、センサ部171の光源からバーコードBcに光を照射し、照射した光の反射光をセンサ部171の撮像素子で検出することで、バーコードBcにコーディングされた情報を読み取ることができる。
【0036】
例えば、バーコードリーダ170は、グリップ部172を把持されて持ち上げられた状態で、グリップ部172に設けられたトリガスイッチ(図示せず)を押下されることでバーコードBcの読み取りを行ってもよい。このようなバーコードリーダ170によるバーコードBcの読み取り方式を「ハンディ」とも称する。
【0037】
または、バーコードリーダ170は、支持部180にて支持された状態で、現金処理装置1からバーコードBcの読み取りを指示された際にバーコードBcの読み取りを行ってもよい。このようなバーコードリーダ170によるバーコードBcの読み取り方式を「固定」とも称する。
【0038】
バーコードリーダ170にて読み取られるバーコードBcは、一次元又は二次元のパターンで構成された識別子である。バーコードBcは、例えば、縞模様状の線の太さで情報を表す一次元コードであってもよく、マトリクス状に配置されたドットのパターンで情報を表す二次元コードであってもよい。
【0039】
図3に示すように、支持部180は、保持部181と、支柱182と、台座183とを備える。台座183は、支持部180を現金処理装置1の筐体上面に固定する部材である。支柱182は、台座183から現金処理装置1の筐体上面に対して垂直に延在する構造部材である。保持部181は、支柱182の台座183が設けられた端部と反対側の端部に設けられ、バーコードリーダ170を取り外し可能、かつバーコードBcを読み取り可能に保持する。具体的には、保持部181は、バーコードリーダ170のセンサ部171と対応した形状の開口を有する枠形状にて構成される。
【0040】
これによれば、支持部180は、保持部181の枠形状の開口にバーコードリーダ170のセンサ部171を嵌合させることで、バーコードリーダ170を取り外し可能に支持することができる。また、支持部180は、バーコードリーダ170を支持した際に、保持部181の開口によってセンサ部171の光照射面及び光検出面を露出させることができる。これによれば、支持部180は、保持部181の開口にて露出されたセンサ部171にてバーコードを読み取ることができる状態でバーコードリーダ170を支持することができる。
【0041】
レシートプリンタ121は、取引の結果が印字されたレシートを発行する。例えば、レシートプリンタ121は、売上入金取引の結果が印字されたレシートを発行してもよい。
【0042】
通信部130は、通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。通信部130は、例えば、無線又は有線LAN(Local Area Network)を介してデータ通信を行う通信インタフェースであってもよい。
【0043】
記憶部160は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの演算用の記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置とで構成される。記憶部160は、現金処理装置1の動作を制御するための制御プログラム、現金処理装置1の取引時の入力データ、及び表示画面等を記憶すると共に、制御部100の制御に基づいて現金処理装置1で行われた取引内容の各々を記憶してもよい。
【0044】
<2.現金処理装置の動作>
(2.1.第1の動作)
図4~
図8を参照して、本実施形態に係る現金処理装置1の第1の動作について説明する。
図4は、本実施形態に係る現金処理装置1の第1の動作の流れを示すフローチャート図である。
図5は、
図4におけるステップS101の詳細な流れを示すフローチャート図である。
図6は、
図4におけるステップS101で表示される画像の一例を示す説明図である。
図7は、
図4におけるステップS105の詳細な流れを示すフローチャート図である。
図8は、
図4におけるステップS105で表示される画像の一例を示す説明図である。
【0045】
図4に示すように、現金処理装置1の制御部100は、まず、操作表示部110にログイン画面を表示させる(S100)。現金処理装置1にログインするユーザは、社員証又は名札などに記載されたバーコードをバーコードリーダ170に読み取らせることで、ログイン情報を現金処理装置1に入力する(S101)。
【0046】
具体的には、ユーザは、バーコードリーダ170を支持部180から取り外した後、バーコードリーダ170のトリガスイッチを押下することで、社員証又は名札などに記載されたバーコードをバーコードリーダ170に読み取らせることができる。このようなバーコードリーダ170を支持部180から取り外して持ち上げた後、トリガスイッチを押下することでバーコードの読み取りを行うことを「ハンディでの読み取り処理」とも称する。なお、ステップS101のログイン処理は、本発明の第1の処理に対応する。
【0047】
図5に示すように、ステップS101では、制御部100は、バーコードリーダ170のバーコードの読み取り処理の方式を上述した「ハンディでの読み取り処理」に設定する(S1011)。「ハンディでの読み取り処理」では、バーコードリーダ170は、支持部180から持ち上げられた状態で、トリガスイッチを押下されることでバーコードの読み取りを行う。これにより、バーコードリーダ170は、バーコードの読み取りを開始し(S1012)、トリガスイッチがオンされたか否かを判断する(S1013)。
【0048】
トリガスイッチがオンされない場合(S1013/No)、バーコードリーダ170は、トリガスイッチがオンされるまで待機する。トリガスイッチがオンされた場合(S1013/Yes)、バーコードリーダ170は、センサ部171から光を照射してバーコードの読み取りを行う(S1014)。バーコードが読み取れた場合、バーコードリーダ170は、読み取った結果を現金処理装置1に送信する(S1015)。
【0049】
ステップS101でのログイン処理では、制御部100は、例えば、
図6に示す画面111を操作表示部110に表示させてもよい。
図6に示す画面111には、「ログインします」という文章と、「バーコードをスキャンしてください」というバーコードBcの読み取りを促す文章とが表示される。また、
図6に示す画面111には、バーコードリーダ170を把持してバーコードBcにかざすことで、バーコードBcを読み取る画像が表示される。
図6に示す画面111により、現金処理装置1は、ユーザに「ハンディでの読み取り処理」を行うように促すことができる。
【0050】
続いて、制御部100は、ステップS101で読み取ったバーコードの情報に基づいてログインを行うことで、ログインを成立させる(S102)。その後、制御部100は、操作表示部110に取引メニューを表示させる(S103)。
【0051】
次に、制御部100は、取引メニューの中から選択された取引を行うために、帳票データを入力する画面を操作表示部110に表示させる(S104)。ユーザは、帳票に記載されたバーコードをバーコードリーダ170に読み取らせることで、実行する取引の内容を示す帳票データを現金処理装置1に入力する(S105)。
【0052】
具体的には、ユーザは、支持部180に支持されたバーコードリーダ170に帳票に記載されたバーコードをかざすことで、バーコードをバーコードリーダ170に読み取らせることができる。このようなバーコードリーダ170を持ち上げずに支持部180に支持させたままバーコードの読み取りを行うことを「固定での読み取り処理」とも称する。なお、ステップS105の取引内容の入力処理は、本発明の第2の処理に対応する。
【0053】
図7に示すように、ステップS105では、制御部100は、バーコードリーダ170のバーコードの読み取り処理の方式を上述した「固定での読み取り処理」に設定する(S1051)。「固定での読み取り処理」では、バーコードリーダ170は、支持部180に支持された状態で、バーコードの読み取りを行う。これにより、バーコードリーダ170は、「固定での読み取り処理」に設定された後、バーコードの読み取りを自動的に開始し(S1052)、センサ部171から光を照射してバーコードの読み取りを行う(S1053)。バーコードが読み取れた場合、バーコードリーダ170は、読み取った結果を現金処理装置1に送信する(S1054)。
【0054】
ステップS105の取引内容の入力処理では、制御部100は、例えば、
図8に示す画面112を操作表示部110に表示させてもよい。
図8に示す画面112には、「帳票データを読み取ります」という文章と、「バーコードをスキャンしてください」というバーコードBcの読み取りを促す文章とが表示される。また、
図8に示す画面112には、支持部180に支持されたバーコードリーダ170にバーコードBcをかざすことで、バーコードBcを読み取る画像が表示される。
図8に示す画面112によれば、制御部100は、ユーザに「固定での読み取り処理」を行うように促すことができる。
【0055】
続いて、制御部100は、ステップS105で読み取ったバーコードの情報に基づいて取引内容を入力することで、取引のデータ入力を完了させる(S106)。その後、制御部100は、入力された取引を実行することができる(S107)。
【0056】
上記の第1の動作によれば、現金処理装置1は、処理の内容に基づいて、バーコードリーダ170によるバーコードの読み取り動作を制御することができる。具体的には、現金処理装置1は、ログイン処理などの社員証又は名札に記載されたバーコードを読み取る処理では、バーコードリーダ170を支持部180から持ち上げてバーコードを読み取るように動作させることができる。一方、現金処理装置1は、取引内容の入力処理などの帳票に記載されたバーコードを読み取る処理では、バーコードリーダ170を支持部180にて支持された状態でバーコードを読み取るように動作させることができる。これによれば、現金処理装置1は、ユーザによる操作性を向上させることが可能である。
【0057】
(2.2.第2の動作)
図9を参照して、本実施形態に係る現金処理装置1の第2の動作について説明する。
図9は、本実施形態に係る現金処理装置1の第2の動作の流れを示すフローチャート図である。第2の動作は、ユーザがバーコードの読み取り処理を「ハンディでの読み取り処理」で行うのか、「固定での読み取り処理」で行うのかを選択する動作例である。
【0058】
図9に示すように、現金処理装置1の制御部100は、まず、操作表示部110にログイン画面を表示させる(S200)。現金処理装置1にログインするユーザは、社員証又は名札などに記載されたバーコードをバーコードリーダ170に読み取らせることで、ログイン情報を現金処理装置1に入力する。
【0059】
このとき、制御部100は、バーコードの読み取り処理の方式をユーザに入力させる(S201)。具体的には、制御部100は、バーコードを「ハンディでの読み取り処理」にて読み取るのか、「固定での読み取り処理」にて読み取るのかをユーザに入力させる。続いて、制御部100は、読み取り処理の方式として「ハンディでの読み取り処理」又は「固定での読み取り処理」のいずれが入力されたのかを判断する(S202)。
【0060】
「ハンディでの読み取り処理」が入力された場合(S202/ハンディ)、制御部100は、
図5で示した流れに従って現金処理装置1の各部を制御する。これにより、ユーザは、バーコードリーダ170を支持部180から取り外して持ち上げた後、トリガスイッチを押下することでバーコードの読み取りを行うことができる(S203)。一方、「固定での読み取り処理」が入力された場合(S202/固定)、制御部100は、
図7で示した流れに従って現金処理装置1の各部を制御する。これにより、ユーザは、バーコードリーダ170を持ち上げずに支持部180に支持させたままバーコードの読み取りを行うことができる(S204)。
【0061】
続いて、制御部100は、ステップS203又はステップS204で読み取ったバーコードの情報に基づいてログインを行うことで、ログインを成立させる(S205)。その後、制御部100は、操作表示部110に取引メニューを表示させる(S206)。
【0062】
次に、制御部100は、取引メニューの中から選択された取引を行うために、帳票データを入力する画面を操作表示部110に表示させる(S207)。ユーザは、帳票に記載されたバーコードをバーコードリーダ170に読み取らせることで、実行する取引の内容を示す帳票データを現金処理装置1に入力する。
【0063】
このとき、制御部100は、ステップS201と同様に、バーコードの読み取り処理の方式をユーザに入力させる(S208)。具体的には、制御部100は、バーコードを「ハンディでの読み取り処理」にて読み取るのか、「固定での読み取り処理」にて読み取るのかをユーザに入力させる。続いて、制御部100は、読み取り処理の方式として「ハンディでの読み取り処理」又は「固定での読み取り処理」のいずれが入力されたのかを判断する(S209)。
【0064】
「ハンディでの読み取り処理」が入力された場合(S209/ハンディ)、制御部100は、
図5で示した流れに従って現金処理装置1の各部を制御する。これにより、ユーザは、バーコードリーダ170を支持部180から取り外して持ち上げた後、トリガスイッチを押下することでバーコードの読み取りを行うことができる(S210)。一方、「固定での読み取り処理」が入力された場合(S209/固定)、制御部100は、
図7で示した流れに従って現金処理装置1の各部を制御する。これにより、ユーザは、バーコードリーダ170を持ち上げずに支持部180に固定させたままバーコードの読み取りを行うことができる(S211)。
【0065】
続いて、制御部100は、ステップS210又はステップS211で読み取ったバーコードの情報に基づいて取引内容を入力することで、取引のデータ入力を完了させる(S212)。その後、制御部100は、入力された取引を実行することができる(S213)。
【0066】
上記の第2の動作によれば、現金処理装置1は、ユーザの選択に基づいて、バーコードリーダ170によるバーコードの読み取り動作を制御することができる。具体的には、現金処理装置1は、ユーザの選択に基づいて、バーコードリーダ170を支持部180から持ち上げてバーコードを読み取るように動作させるのか、又はバーコードリーダ170を支持部180にて支持された状態でバーコードを読み取るように動作させるのかを制御することができる。これによれば、現金処理装置1は、ユーザによる操作性を向上させることが可能である。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0068】
例えば、上記実施形態では、バーコードの読み取りによって情報の入力が行われる処理として、ログイン処理と、取引内容の入力処理とを例示したが、本発明はかかる例に限定されない。
【0069】
バーコードの読み取りによって情報の入力が行われる他の処理としては、例えば、保守又は設定の際に行われるユーザデータ又は設定データなどのインポート処理を例示することができる。インポート処理では、現金処理装置1は、二次元のバーコードを読み取ることで、大量のデータを短時間で取り込むことができる。このような場合、現金処理装置1は、「ハンディでの読み取り処理」にてバーコードを読み取るようにバーコードリーダ170を制御してもよい。これによれば、ユーザは、バーコードリーダ170を支持部180から取り外して持ち上げた後、トリガスイッチを押下してバーコードを読み取ることで、上記のインポート処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0070】
1 現金処理装置
11 紙幣入出金口
12 異物返却部
19 硬貨投入口
20 硬貨リジェクト部
21 硬貨返却部
22 硬貨出金部
121 レシートプリンタ
100 制御部
110 操作表示部
130 通信部
140 紙幣処理部
150 硬貨処理部
160 記憶部
170 バーコードリーダ
180 支持部