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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104540
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】灯具の保持装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/02 20060101AFI20240729BHJP
   F21V 19/00 20060101ALN20240729BHJP
【FI】
F21V19/02 100
F21V19/02 300
F21V19/00 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008811
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】500235618
【氏名又は名称】アルゴ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000464
【氏名又は名称】弁理士法人いしい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 世紀
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013AA02
3K013AA03
3K013BA01
3K013CA02
3K013CA09
3K013DA02
3K013DA06
3K013EA03
3K013FA07
(57)【要約】
【課題】確実に脱落を防止でき且つ安定的に灯具100の向きを保持できる保持装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る灯具100の保持装置は、直管形の灯具100の両端に装着された端部材4と、各端部材4を設置場所99に保持する一対のホルダ部材16とを備える。対応する端部材4とホルダ部材16とは、灯具100の長手方向に沿ってスライド可能でかつ相対回転不能に嵌合する。一対のホルダ部材16のうち少なくとも一方は、設置場所99に対して、灯具100の長手方向に沿ってスライド可能に構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形の灯具の両端に装着された端部材と、前記各端部材を設置場所に保持する一対のホルダ部材とを備えており、
対応する前記端部材と前記ホルダ部材とは、前記灯具の長手方向に沿ってスライド可能でかつ相対回転不能に嵌まり合っており、
前記一対のホルダ部材のうち少なくとも一方は、前記設置場所に対して、前記灯具の長手方向に沿ってスライド可能に構成されている、
灯具の保持装置。
【請求項2】
前記両方の端部材は、取り付け位相が前記灯具の軸線回りに段階的に変更可能となるように、それぞれ対応する前記ホルダ部材と嵌まり合っている、
請求項1に記載した灯具の保持装置。
【請求項3】
対応する前記端部材と前記ホルダ部材とには、互いに嵌合して前記灯具の向きを規定する位置決め部が形成されている、
請求項2に記載した灯具の保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管形の灯具の両端に装着された端部材と、前記各端部材を設置場所に保持する一対のホルダ部材とを備えた灯具の保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、LED光源体による照明の向きを変更可能な灯具は知られている(例えば特許文献1等参照)。特許文献1の灯具は円筒状の直管形であり、当該灯具の両端に装着された第1被覆部材と、各第1被覆部材に被せ付けられた第2被覆部材とを備えている。第1被覆部材の外周面に形成された凹部と、第2被覆部材に形成された凸部とが互いに嵌まり合うように、第1被覆部材に第2被覆部材が回動可能に被せ付けられている。第1被覆部材に対して第2被覆部材を回動させることによって、指向性の高い灯具の向き(照明の向き)が変更される。第2被覆部材の外周面には、ランプホルダが強制嵌合によって装着されている。すなわち、灯具は一対のランプホルダによって支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-192059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のように、円筒形状の灯具を支持するのに適した強制嵌合式のランプホルダを用いた場合は、周囲の振動等によって使用中(照明中)に、灯具がランプホルダ内を回動して照明の向きがずれたり、灯具がランプホルダから脱落したりする可能性を払拭できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、確実に脱落を防止でき且つ安定的に灯具の向きを保持できる保持装置を提供することを技術的課題とするものである。
【0006】
本発明に係る灯具の保持装置は、直管形の灯具の両端に装着された端部材と、前記各端部材を設置場所に保持する一対のホルダ部材とを備えており、対応する前記端部材と前記ホルダ部材とは、前記灯具の長手方向に沿ってスライド可能でかつ相対回転不能に嵌まり合っており、前記一対のホルダ部材のうち少なくとも一方は、前記設置場所に対して、前記灯具の長手方向に沿ってスライド可能に構成されているというものである。
【0007】
本発明に係る灯具の保持装置において、前記両方の端部材は、取り付け位相が前記灯具の軸線回りに変更可能となるように、それぞれ対応する前記ホルダ部材と嵌まり合っていてもよい。
【0008】
本発明に係る灯具の保持装置において、対応する前記端部材と前記ホルダ部材とには、互いに嵌合して前記灯具の向きを規定する位置決め部が形成されているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、一対のホルダ部材を設置場所に固定しておけば、周囲の振動等によって使用中(照明中)に、灯具が両方のホルダ部材内を回動して照明の向きがずれたり、灯具がホルダ部材から脱落したりすることがなくなる。従って、灯具の向きを変更可能な構造でありながら、灯具の向きを安定的に維持できるとともに、灯具の脱落を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一対のホルダ部材で支持された灯具の概略斜視図である。
図2】一対のホルダ部材で支持された灯具の底面図である。
図3】一対のホルダ部材で支持された灯具の正面図である。
図4】配線穴付きの端部材の拡大正面断面図である。
図5】(a)は配線穴付きの端部材とホルダ部材との側面図、(b)は配線穴付きの端部材とホルダ部材との分離側面図である。
図6】配線穴なしの端部材とホルダ部材との側面図である。
図7】左ホルダ部材に対する灯具の装着手順を示す斜視図であり、(a)は装着前の図、(b)は装着後の図である。
図8】右ホルダ部材に対する灯具の装着手順を説明する斜視図であり、(c)は装着前の図、(d)は装着後の図、(e)は右ホルダ部材固定後の図である。
図9】(a)~(h)は灯具の取り付け位相パターンを説明する側面図である。
図10】(a)~(c)はホルダ部材の別例を示す側面図である。
図11】ホルダ部材の別例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書では、方向特定のために「前後」「左右」の文言を使用する場合があるが、灯具100と対峙する図3の状態を正面視とし、これを基準に左右方向と前後方向とを規定している。ただし、これらの文言は説明の便宜上用いただけであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、本明細書および図面では、説明の便宜上、長手方向左側にあるホルダ部材16および端部材4に符号Lを付し、長手方向右側にあるホルダ部材16および端部材4に符号Rを付す場合がある。
【0012】
始めに、図1図9を参照しながら、例えば捕虫器におけるケーシング内部の天井面99に吊り下げて保持される灯具100の構造を説明する。天井面99は、請求項に記載した設置場所に相当するものである。図1図3に示すように、灯具100は、直管形蛍光灯に似た外観を呈している。灯具100の全長は、例えば蛍光灯の規格に合わせてもよい。
【0013】
実施形態の灯具100は、透光性のある合成樹脂を素材とした筒体1と、筒体1の内部に配置された細長い帯状の基板2と、筒体1の内部に配置されたベース部材3と、筒体1の両端に装着された端部材4を主要部材として構成されている。筒体1は、例えば乳白色のような透光性樹脂からなっている。具体的な素材としては、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂または塩化ビニル樹脂等が挙げられる。実施形態では、側面視で筒体1が真円に設定されているが、楕円や小判形といった非円形の断面形状を採用することも可能である。なお、筒体1は、製造コストや平行度維持の観点から押し出し加工品を採用するのが好ましい。
【0014】
基板2は、筒体1の内径よりも小さい幅寸法に設定されている。基板2の片面には、複数のLEDランプ5が飛び飛びの間隔で一列状に並べて実装されている。図示は省略するが、基板2の表裏面には回路がプリントされている。基板2の一端側には、長手方向外向きに開口した箱状の雌型コネクタ6が取り付けられている(実施形態では左端側)。実施形態のLEDランプ5は、紫外線を照射するものでも、可視光を照射するものでもよい。紫外線照射タイプと可視光照射タイプとを組み合わせてもよい。実施形態のLEDランプ5は表面実装型のものであるが、これに限定されるものではない。パッケージ化されたものや、モジュール化されたものでもよいし、複数の素子を組み合わせたタイプでもよい。LEDランプ5が紫外線を照射する場合、紫外線は、虫が感知する波長のものが好ましく、例えば240nm~400nmの範囲内にあるのが好適である。特に、365nmや375nm付近の紫外線を照射するものがあるとよい。
【0015】
ベース部材3は、例えばポリカーボネート樹脂のような合成樹脂成形品である。ベース部材3の外形は、筒体1の内周面に沿って長く延びる断面カマボコ形状に形成されている。ベース部材3の平坦面には、熱伝導性のシリコーン接着剤やビス止め等によって、基板2が各LEDランプ5を下向きに露出させた状態で取り付けられている。ベース部材3は、筒体1の内周面に近接させていて(密接または密着させてもよい)、且つ、筒体1内周の1/3近くの範囲で周方向に広がった形態になっている(図4図6参照)。ベース部材3は基本的に透光性を有していないため、筒体1のうちベース部材3の重なっていない部分が照射領域になっている。なお、基板2とベース部材3とは、接着剤やビス止めに限らず、リベット止めしたり溶着したりしてもよい。
【0016】
筒体1の両端に装着された端部材4は、例えばポリカーボネート樹脂のような合成樹脂成形品からなる略蓋筒状のものである。各端部材4の軸方向中間部には、外向きに張り出したフランジ7が一体的に形成されている。各端部材4のうちフランジ7を挟んで長手方向内側の外周部に、筒体1が外側から嵌め込まれている。各端部材4の軸方向の側端は、側蓋部8で塞がれている。各端部材4における側蓋部8の上部には、複数の貫通穴9が形成されている。各端部材4の内部には、ベース部材3のうち対応する長手方向端部が入り込んでいて、各端部材4における側蓋部8の上部内面に突き当たっている。この状態で、各貫通穴9に止めビス10を長手方向外側からねじ込むことによって、長手方向両側の端部材4とベース部材3とが連結される。長手方向両側の端部材4は、互いに筒体1を挟持している。
【0017】
長手方向両側の端部材4のうち少なくとも一方の側蓋部8下部には、基板2に対するケーブル12を挿通させる配線穴11が形成されている。ケーブル12の長手中途部には、弾性体製のグロメット13が被嵌されている。端部材4における側蓋部8下部の配線穴11は、ケーブル12およびグロメット13によって塞がれている。ケーブル12は、側蓋部8下部の配線穴11を通じて端部材4内部(灯具100内部)に引き込まれている。ケーブル12のうち灯具100内の先端部には、基板2の雌型コネクタ6に嵌まる雄型コネクタ14が接続されている。従って、実施形態において各端部材4の側蓋部8には、電源用の一対のピンのような給電構造が設けられていない。
【0018】
実施形態では、整流や昇降圧等の機能を司る回路部が灯具100の外部にある。回路部は、灯具100内には収容されていない。回路部を灯具100内に収容する構成にすることももちろん可能である。長手方向両側の端部材4に配線穴11を形成していても差し支えない。使わない配線穴11は、弾性体製のキャップ(図示省略)で塞いでおけば足りる。両方の端部材4を配線穴11付きにしておけば、配線穴11なしの端部材4を作らなくて済み、金型費用や部品点数等のコスト削減を図ることが可能である。
【0019】
各端部材4においてフランジ7を挟んで長手方向外側の外周部には、側面視で放射方向の位置に並ぶ複数の凹溝15が形成されている。凹溝15群は、周方向に沿って適宜間隔(実施形態では45°間隔)で並んでおり、かつ、軸方向(灯具100の長手方向)に沿って延びている。前述の通り、実施形態の凹溝15群は、端部材4の外周部に、周方向に沿って45°間隔(位相)で並んでいるため、1つの端部材4には、計8箇所の凹溝15を有している。各凹溝15の軸方向先端側(側蓋部8側)は開放されているのに対して、軸方向基端側(端部材4の軸方向略中間部)はフランジ7が壁となって塞がれている。
【0020】
次に、主に図5図9を参照しながら、各端部材4を設置場所の一例である天井面99に吊り下げて保持するホルダ部材16の構造について説明する。左右のホルダ部材16は、例えばポリカーボネート樹脂のような合成樹脂成形品である。実施形態において、各ホルダ部材16の外形は、T字状に形成されている。各ホルダ部材16は、設置場所としての天井面に重なる平板部17と、平板部17から下向きに突出した立板部18とを有している。天井面99に平板部17を下から重ね合わせて、平板部17の4つのコーナー部を固定ネジ21で天井面99にねじ込むことによって、各ホルダ部材16は、天井面99に着脱可能に固定されている。立板部18の下端側には、端部材4を抱持する軸受け部19が下向きに開口した半割り状(半円状)に形成されている。軸受け部19の内周部分には、各端部材4の凹溝15と嵌合する複数の凸部20が形成されている。凸部20群は、周方向に沿って適宜間隔(実施形態では90°間隔)で並んでおり、かつ、軸受け部19の円弧形状の略中心に向かって突出している(内向きに突出している)。
【0021】
ホルダ部材16の軸受け部19に向けて端部材4をスライド移動させ、端部材4の凹溝15とホルダ部材16の凸部20とを互いに嵌合させることによって、対応する左右の端部材4と左右のホルダ部材16とが、灯具100の長手方向に沿ってスライド可能で、かつ、相対回転不能に保持されている。換言すると、対応する左右の端部材4と左右のホルダ部材16とは、凹溝15と凸部20との組み合わせによる簡易的なスプライン嵌合をしている。左右のホルダ部材16を天井面99に固定ネジ21で固定することによって、左右の端部材4ひいては灯具100が左右のホルダ部材16に対して左右スライド不能に保持され、灯具100が天井面99に吊り下げて保持される。すなわち、左右のホルダ部材16を天井面99に固定ネジ21で固定した状態では、凹溝15と凸部20との嵌合によって、灯具100が左右のホルダ部材16から脱落不能に保持される。
【0022】
図9(a)~(h)に示すように、左右の端部材4は、取り付け位相が灯具100の軸線回りに段階的に変更可能となるように、それぞれ対応する左右のホルダ部材16と嵌まり合っている。実施形態の凸部20群は、軸受け部19の内周部分に、周方向に沿って90°間隔(位相)で並んでいるため、1つのホルダ部材16には、計3箇所の凸部20を有している。ホルダ部材16における凸部20の間隔(位相)は、端部材4における凹溝15の間隔(位相)の整数倍に設定されている。つまり、実施形態では、凸部20の間隔(位相)90°=凹溝15の間隔(位相)45°×2になっている。
【0023】
図9(a)~(h)に示すように、実施形態では、左右のホルダ部材16に対する左右の端部材4ひいては灯具100の取り付け位相パターンが、凹溝15の個数と同じ8パターン存在する。このため、図9(a)~(h)に示す所望の取り付け位相パターンで端部材4の凹溝15とホルダ部材16の凸部20とを互いに嵌合させることによって、灯具100の向き(照明の向き)を変更できる。凹溝15と凸部20との組み合わせは、互いに嵌合して灯具100の向きを規定できるものである。つまり、凹溝15と凸部20との組み合わせは、請求項に記載した位置決め部に相当する。凹溝15や凸部20の個数や間隔(位相)は特に限定されるものではないが、凸部20の間隔(位相)が凹溝15の間隔(位相)の整数倍であるのが好ましい。また、灯具100の取付け位相パターンも8以外の複数パターンに変更可能にしても構わない。
【0024】
また、実施形態の軸受け部19は、下向きに開口した半割り状の形態であるため、軸受け部19の自由端側にある2つの凸部20は、端部材4ひいては灯具100の相対回転を不能にする機能だけでなく、ホルダ部材16から端部材4ひいては灯具100が脱落するのを防止する機能を有している。実施形態の場合は、軸受け部19の自由端側にある2つの凸部20が少なくともあればよく、軸受け部19の中央にある凸部20は、特に必須なものではない。なお、本明細書および図面では、説明の便宜上、相対回転防止機能と脱落防止機能との両方を有する凸部20に符号aを付し、相対回転防止機能だけを有する凸部20に符号bを付す場合がある。
【0025】
左右のホルダ部材16のうち少なくとも一方は、設置場所の一例である天井面99に対して、灯具100の長手方向に沿ってスライド可能に構成されている。実施形態では、右ホルダ部材16Rの平板部17の左右幅が、左ホルダ部材16Lの平板部の左右幅よりも長く設定されている。平板部17の4つのコーナー部には、右ホルダ部材16Rの左右方向(灯具100の長手方向)へのスライド移動を許容するため、左右長手の長穴22が形成されている。右ホルダ部材16Rの各長穴22を介して、固定ネジ21を天井面99にねじ込むことによって、右ホルダ部材16Rは天井面99に固定されている。
【0026】
固定ネジ21を少し緩めた状態で長穴22に沿って右ホルダ部材16Rを左右スライド移動させることによって、右ホルダ部材16Rと右端部材4Rとが着脱され、固定ネジ21群を完全に取り外さなくても、左右両ホルダ部材16に対して灯具100を着脱するのが可能になっている。なお、左ホルダ部材16Lが天井面99(設置場所)に対して左右スライド可能であってもよいし、左右両方のホルダ部材16が天井面99(設置場所)に対して左右スライド可能であってもよい。
【0027】
上記の構成において、左右両ホルダ部材16に対する灯具100の取り付けは、例えば次のような手順で行われる。ここで、左右両ホルダ部材16は、固定ネジ21群によって天井面99に予め固定されている。まず、右ホルダ部材の固定ネジ21群を少し緩めて、各固定ネジ21の軸が長穴22の左端に当接するほど、右ホルダ部材16Rを右方向にスライド移動させてから、左ホルダ部材16Lの軸受け部20に向けて左端部材4Lをスライド移動させ、左端部材4Lの凹溝15と左ホルダ部材16Lの凸部20とを互いに嵌合させる(図7(a)(b)参照)。次いで、右ホルダ部材16Rの軸受け部20に右端部材4Rを対峙させ(図8(c)参照)、右ホルダ部材16Rを左方向にスライド移動させ、右端部材4Rの凹溝15と右ホルダ部材16Rの凸部20とを互いに嵌合させる(図8(d)参照)。その後、右ホルダ部材16Rの固定ネジ21群を締め込んで、右ホルダ部材16Rを左右スライド不能に固定する(図8(e)参照)。灯具100が左右のホルダ部材16から脱落不能な状態で天井面99に吊り下げて保持される。左右両ホルダ部材16に対する灯具100の取り外しは、逆の手順で行われる。
【0028】
上記の構成によると、対応する端部材4とホルダ部材16とは、灯具100の長手方向に沿ってスライド可能でかつ相対回転不能に嵌まり合っており、一対のホルダ部材16のうち少なくとも一方は、設置場所としての天井面99に対して、灯具100の長手方向に沿ってスライド可能に構成されているから、一対のホルダ部材16を天井面99に固定しておけば、周囲の振動等によって使用中(照明中)に、灯具100が両方のホルダ部材16内を回動して照明の向きがずれたり、灯具100がホルダ部材16から脱落したりすることがほぼなくなる。従って、灯具100の向きを変更可能な構造でありながら、灯具100の向きを安定的に維持できるとともに、灯具100の脱落を確実に防止できる。
【0029】
また、左右の端部材4は、取り付け位相が灯具100の軸線回りに段階的に変更可能となるように、それぞれ対応する左右のホルダ部材16と嵌まり合っているから、取り付け位相を灯具100の軸線回りに段階的に変更する(凹溝15と凸部20との嵌合の組み合わせを変える)だけで、灯具100の向き(照明の向き)を手軽に変更できる。さらに、対応する端部材4とホルダ部材16とには、互いに嵌合して灯具100の向きを規定する位置決め部としての凹溝15および凸部20が形成されているから、凹溝15と凸部20との嵌合によって安定的かつ適切に灯具100の向きを維持できる。灯具100の向きの変更も容易に行える。
【0030】
図10(a)~(c)および図11には、実施形態のホルダ部材16の別例を示している。図10(a)に示す第1別例のホルダ部材16では、端部材4を抱持する軸受け部19が下向き開口のC字状に形成されている。つまり、軸受け部19における両方の自由端側が実施形態のものよりも円弧方向に沿って長く延びている。そして、軸受け部19の各自由端側に凸部20aが形成されている。第1別例の構成を採用すると、下向きに長く延びた軸受け部19の自由端側の存在によって、軸受け部19が端部材4をしっかりと抱持することになり、ホルダ部材16からの端部材4ひいては灯具100の脱落をより確実に防止できる。
【0031】
図10(b)に示す第2別例のホルダ部材16は、第1別例の変形例ともいえるものである。第2別例のホルダ部材16では、端部材4を抱持する軸受け部19が下向き開口のC字状に形成されている。相対回転防止機能と脱落防止機能とを発揮する2つの凸部20aが軸受け部19の自由端よりも根元寄りに形成されている。この場合も、第1別例と同様の作用効果を奏する。図10(c)に示す第3別例のホルダ部材16は、軸受け部19を環状に構成したものである。このように構成すると、軸受け部19自身が脱落防止機能を発揮することになる。第3別例では、相対回転防止機能だけを有する凸部20bは、少なくとも1つあれば足りる。
【0032】
図11に示す第4別例は、実施形態における凹溝15と凸部20との関係を入れ替えたものである。すなわち、端部材4側に凸部20を、ホルダ部材16側に凹溝15を設けた場合である。このように実施形態と逆の嵌合関係にした場合も、実施形態と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。なお、どの別例の場合も、実施形態と同様に、凹溝15や凸部20の個数や間隔(位相)は特に限定されるものではないが、凸部20の間隔(位相)が凹溝15の間隔(位相)の整数倍であるのが好ましい。また、灯具100の取付け位相パターンも8以外の複数パターンに変更可能にしても構わない。
【0033】
なお、本発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 筒体
2 基板
3 ベース部材
4 端部材
5 LEDランプ
7 フランジ
8 側蓋部
15 凹溝(位置決め部)
16 ホルダ部材
17 平板部
18 立板部
19 軸受け部
20 凸部(位置決め部)
21 固定ネジ
22 長穴
99 天井面
100 灯具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11