(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104552
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】景品獲得ゲーム機
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008831
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000126573
【氏名又は名称】株式会社アスカエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 博
(72)【発明者】
【氏名】阿部 秀喜
(57)【要約】
【課題】景品獲得ゲーム機において、従来のクレーンゲーム機と異なる遊戯性や操作感を有しながら、魚釣りにおける、魚が針に掛かってから魚を釣り上げるまでのリールの操作アクションや緊張感を体感できること。
【解決手段】景品が配置される回転機能を有する景品配置部と、前記景品を獲得するための景品把持装置と、前記景品把持装置を操作するための操作部と、を備えた、景品獲得ゲーム機であって、前記景品把持装置は釣り竿を模した形状であって、前記操作部には、釣り竿のリールを模した形状の操作ハンドルが設けられており、前記操作ハンドルの内部には、ハンドルの回転に対する抵抗部材と、ハンドルの回転を検知するためのセンサとが設けられており、前記操作ハンドルの操作には前記抵抗部材による抵抗があり、前記操作ハンドルの回転操作の検知に応じて前記景品把持装置を上昇操作することができることを特徴とする景品獲得ゲーム機を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が配置される回転機能を有する景品配置部と、
前記景品を獲得するための景品把持装置と、
前記景品把持装置を操作するための操作部と、
を備えた、景品獲得ゲーム機であって、
前記景品把持装置は釣り竿を模した形状であって、
前記操作部には、釣り竿のリールを模した形状の操作ハンドルが設けられており、
前記操作ハンドルの内部には、前記操作ハンドルの回転操作に対して抵抗を与える抵抗部材と、前記操作ハンドルの回転を検知するためのセンサとが設けられており、
前記操作ハンドルの回転操作の検知に応じて前記景品把持装置を上昇操作することができることを特徴とする景品獲得ゲーム機。
【請求項2】
前記操作ハンドルの内部には、
回転盤の特定の領域が前記センサの送信部と受信部の間に重なるように設けられており、
前記領域には、前記センサを通過させるための通過領域と、前記センサを遮断するための遮断領域とが設けられており、
前記センサは、前記送信部と前記受信部の間における、前記領域の前記通過領域と前記遮断領域との切り替わりに伴う、前記センサの前記受信部における、受信状態と非受信状態との切り替わりによって、前記操作ハンドルの操作を検知することを特徴とする請求項1に記載の景品獲得ゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りを模した景品獲得ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、景品獲得ゲーム機としてクレーンゲーム機が広く知られている。クレーンゲーム機は、ケースの内部に複数の景品が配置されており、キャッチー部を操作することでケース内部に配置された景品を獲得することができる。通常、クレーンゲーム機では、キャッチャー部を操作するために設けられたボタンやハンドル等の操作部を操作し、景品上部までキャッチャー部を移動させ、キャッチャー部を景品に向けて降下させ、キャッチャー部で景品を把持し、キャッチャー部を景品獲得部まで移動させ、キャッチャー部の把持を解除し景品を景品獲得部に向けて落下させて、景品を獲得する。
【0003】
しかし、通常のクレーンゲーム機は、上述した遊戯方法の他に、キャッチャー部を使用して景品をスライドさせたり、キャッチャー部の掴み爪部を景品の箱や紐にひっかける等の遊戯方法はあるものの、その操作自体は単調であり、キャッチャー部の位置を合わせるだけのゲームであるため、操作アクションが少なく面白みに欠け、景品を獲得するまでの緊張感が薄く、遊戯者が短時間で飽きてしまうといった問題があった。
【0004】
この問題に対し、通常のクレーンゲーム機とは異なる、魚釣りを模した景品獲得ゲーム機が知られている(下記特許文献1参照)。特許文献1のような景品獲得ゲーム機では、遊技者を飽きさせないための、従来のクレーンゲーム機では体感できないような遊戯性や異なる操作感を有していることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特に、特許文献1のような、魚釣りを模した景品獲得ゲーム機は、単に従来のクレーンゲーム機と操作性が異なるだけでなく、実際の魚釣りを体感しつつ景品を獲得するリアリティを課題としている。つまり、魚釣りにおける、魚が針に掛かってから魚を釣り上げるまでのリールの操作アクションや緊張感を体感できることが求められる。
【0007】
本発明は、このような課題に対処することを目的としている。すなわち、景品獲得ゲーム機において、従来のクレーンゲーム機と異なる遊戯性や操作感を有しながら、魚釣りにおける、魚が針に掛かってから魚を釣り上げるまでのリールの操作アクションや緊張感を体感できることが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明の一態様に係る景品獲得ゲーム機は、景品が配置される回転機能を有する景品配置部と、前記景品を獲得するための景品把持装置と、前記景品把持装置を操作するための操作部と、を備えた、景品獲得ゲーム機であって、前記景品把持装置は釣り竿を模した形状であって、前記操作部には、釣り竿のリールを模した形状の操作ハンドルが設けられており、前記操作ハンドルの内部には、前記操作ハンドルの回転操作に対して抵抗を与える抵抗部材と、前記操作ハンドルの回転を検知するためのセンサとが設けられており、前記操作ハンドルの回転操作の検知に応じて前記景品把持装置を上昇操作することができることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様に係る景品獲得ゲーム機は、前記操作ハンドルの内部には、回転盤の特定の領域が前記センサの送信部と受信部の間に重なるように設けられており、前記領域には、前記センサを通過させるための通過領域と、前記センサを遮断するための遮断領域とが設けられており、前記センサは、前記送信部と前記受信部の間における、前記領域の前記通過領域と前記遮断領域との切り替わりに伴う、前記センサの前記受信部における、受信状態と非受信状態との切り替わりによって、前記操作ハンドルの操作を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を有する景品獲得ゲーム機は、従来のクレーンゲーム機と異なる遊戯性や操作感を有しながら、魚釣りにおける、魚が針に掛かってから魚を釣り上げるまでのリールの操作アクションや緊張感を体感することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る景品獲得ゲーム機を示す全体斜視図。
【
図2】本発明の実施形態に係る景品獲得ゲーム機における通信ブロック図。
【
図3】本発明の実施形態に係る操作ハンドルの分解斜視図。
【
図4】
図3の操作ハンドルにおけるAで示す領域の組み立て後拡大図。
【
図5】本発明の実施形態に係る操作ハンドルの抵抗ピンの図。
【
図6】本発明の実施形態に係る操作ハンドルの回転検知センサと検知用回転盤の図。
【
図7】本発明の実施形態に係る操作部の処理フロー。
【
図8】本発明の実施形態に係る制御部の処理フロー。
【
図9】本発明の実施形態に係る制御部の処理フローの変形例。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一の符号は同一の機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0013】
図1に、景品獲得ゲーム機1の全体斜視図を示す。本実施形態に係る景品獲得ゲーム機1は、景品配置部30に配置された景品を、操作部40を用いて景品把持装置20を操作することで獲得する景品獲得ゲーム機であり、主にアミューズメント施設や、ショッピングモール等の遊戯コーナーに設置される。
【0014】
図1に示すように、景品獲得ゲーム機1は、景品獲得ゲーム機1の内部と外部とを仕切る、透過性を有する仕切ケース12と、景品を獲得するための景品把持装置20と、景品を配置するための景品配置部30と、景品把持装置20を操作するための操作部40と、遊戯台50とを備えている。
【0015】
(仕切ケース12,遊戯台50)
遊戯台50は、多角柱形状であり、遊戯台50の上面部分50aにおける頂点からそれぞれ鉛直上向き方向に支持柱51が延在している。支持柱51間には、仕切面10がそれぞれ固定されており、上部を天井面11で蓋をして仕切ケース12が形成される。
【0016】
仕切面10には、第1仕切面10aと、第2仕切面10bとがあり、第1仕切面10aは第2仕切面10bと比べて、水平方向において長い形状をしている。つまり、遊戯台50は、正多角柱形状ではなく、上面部分50aの辺が、第1仕切面10aと第2仕切面10bの水平方向の長さによって異なる多角柱形状となっている。
【0017】
(景品配置部30)
また、仕切ケース12内には、景品を配置するための景品配置部30が設けられている。具体的には、遊戯台50の上面部分50aの中央付近において溝状に形成された主景品配置部31と、仕切ケース12の内部において、天井面11の下部に形成される副景品配置部32とが設けられている。主景品配置部31は回転機能を有しており、主景品配置部31に配置される景品は、景品把持装置20の位置に対して景品の位置が常時変動する。そのため遊戯者は、単に景品把持装置20の位置を合わせるだけでなく、タイミングよく景品把持装置20の操作を行う必要がある。
【0018】
遊技者が景品把持装置20を操作することで獲得できる景品は、主景品配置部31に配置された景品のみであり、副景品配置部32は、主に、景品の見本や、主景品配置部31に配置するための補充用の景品を配置するのに用いられる。
【0019】
(景品把持装置20)
景品把持装置20は、釣り竿を模した形状をしており、景品を把持するためのキャッチャー部21と、一端がキャッチャー部21に接続される紐部22と、紐部22の他端が接続され、擬似リール部24から延在して形成される竿部23と、竿部23を稼働させる擬似リール部24とで構成されている。
【0020】
キャッチャー部21は、爪支持部211と、爪支持部211から延びる掴み爪部212で構成されている。掴み爪部212は開閉が可能であり、景品を掴み取る際には掴み爪部212を閉じ、景品を離す際には閉じている掴み爪部212を開く。また、爪支持部211の内部には、掴み爪部212を開閉させるための掴み爪稼働部213が備えられており、掴み爪稼働部213には、後述する制御部100からの信号を伝達させるための電源コード25が接続されている。
【0021】
紐部22は、一端がキャッチャー部21の爪支持部211に接続され、他端が竿部23に接続されており、竿部23の先端からキャッチャー部21を吊るすように設けられる。
【0022】
竿部23は、一端は紐部22に接続され、他端は擬似リール部24に支持されている。また、竿部23は電源コード25のガイドとなっている。具体的には、電源コード25は、擬似リール部24の下部に設けられる制御部100から、擬似リール部24を介して竿部23を沿うように延在していき、竿部23の先端から爪支持部211を介して、内部の掴み爪稼働部213に接続される。
【0023】
擬似リール部24は、遊戯台50の上面部分50aの主景品配置部31よりも外周側に設けられており、擬似リール部24の内部には、竿部23を稼働させるための竿稼働部241が設けられている。
【0024】
(制御部100)
また、竿稼働部241の下部に位置する、遊戯台50の内部には、竿稼働部241と掴み爪稼働部213の制御を行う制御部100(点線で図示)が設けられている。制御部100は、CPUとメモリーを備えており、後述する操作部40から送信された操作信号を受信して、竿稼働部241と掴み爪稼働部213の制御を実行する。竿稼働部241は、制御部100の制御によって、竿部23を稼働させる。竿部23は、竿稼働部241を支点として上下左右方向に稼働が可能である。また、制御部100は、電源コード25を介して、キャッチャー部21の掴み爪稼働部213の制御を実行する。制御部100の掴み爪稼働部213の制御によって、掴み爪部212は開閉動作する。
【0025】
(メダル投入口52)
遊戯台50の側面部分50bには、メダル投入口52が設けられている。遊戯者は、景品獲得ゲーム機1をプレイするのに必要な硬貨等をメダル投入口52に投入する。そうすると、景品獲得ゲーム機1はプレイ可能な状態となる。投入された硬貨等が不適切なものであった場合は、メダル払出口52aから払い出される。
【0026】
(景品獲得部53,景品取出口54)
遊戯台50の上面部分50aには、景品獲得部53が設けられている。景品獲得部53は、景品取出口54と遊戯台50の内部で連通しており、景品獲得部53から入った景品は景品取出口54から取り出すことが可能である。景品取出口54は、遊戯台50の側面部分50bの第1仕切面10aが固定される面に設けられている。
【0027】
(操作部40)
また、遊戯台50の側面部分50bには、操作部40が設けられている。操作部40は、景品取出口54と同様に、第1仕切面10aが固定される面に設けられており、側面部分50bにおいて、景品取出口54よりも高い位置に設けられている。
【0028】
操作部40には、竿部23の左右方向の操作をするために設けられる第1操作釦41と、竿部23の下降操作をするために設けられる第2操作釦42と、竿部23の上昇操作をするために設けられる操作ハンドル60と、制御部100と通信可能な操作部CPU43とを備えている。
【0029】
(通信ブロック図)
図2に、景品獲得ゲーム機1の通信ブロック図を示す。まず、第1操作釦41、第2操作釦42、操作ハンドル60(正確には、後述するセンサCPU70c)は、それぞれ操作部CPU43と通信が可能であって、それぞれ操作がされると、操作部CPU43へ操作信号を送信する。操作部CPU43は、操作信号を受信すると、操作部40が稼働状態であった場合は、制御部100へ操作信号を送信する。操作部40が非稼働状態であった場合は操作信号の送信は行わない。操作部40の非稼働状態とは、例えば、遊戯者によってメダルが投入されていない場合などが想定される。
【0030】
制御部100は、操作部CPU43から操作信号を受信すると、操作信号の内容に基づいて、竿稼働部241や掴み爪稼働部213の制御を実行する。操作部40、制御部100の詳細な処理については後述のフローで説明する。
【0031】
(操作ハンドル60)
次に、
図3,4を用いて、操作ハンドル60について説明する。
【0032】
図3は、操作ハンドル60の分解斜視図である。
図3に示すように、操作ハンドル60は、グリップ61、ハンドル板62、スペーサー63,64、蓋65,66、回転ギア67、支柱部68、カバー部材69、回転検知センサ70、検知用回転盤71、抵抗ピン72、固定ナット73、ドラム74、ベース75によって構成される。
【0033】
各構成部品はそれぞれ固定ネジによって係合され、最終的にベース75を、操作部40に固定することで、操作ハンドル60は、操作部40に取り付けられる。遊戯者は、グリップ61を把持し回転させることで操作ハンドル60の操作を行う。
【0034】
図4は、
図3の操作ハンドル60におけるAで示す領域の組み立て後の拡大図である。回転ギア67には、回転軸方向に支柱部68を貫通させて組み立てるためのギア穴671が設けられている。また、カバー部材69には、支柱部68を貫通させて組み立てるための貫通穴69aが設けられている。そして、支柱部68を、ギア穴671と貫通穴69aに貫通させて組み立てる。カバー部材69は、回転ギア67を覆うように取り付けられる。
【0035】
また、カバー部材69には、支柱部68の貫通方向側面に、抵抗ピン72を貫通させるための貫通穴69bが設けられている。抵抗ピン72は、貫通穴69bを貫通し、回転ギア67の歯先67aに抵抗ピン72の先端突起部72aが掛かる位置に、固定ナット73によって、カバー部材69に固定される。
【0036】
また、支柱部68の先端には、検知用回転盤71が固定されており、操作ハンドル60が操作されると、検知用回転盤71は支柱部68を中心に回転する。そして、回転検知センサ70は、センサ送信部70aとセンサ受信部70bの間に、検知用回転盤71の検知領域71Aが重なる位置に設けられている(検知領域71Aについては
図6参照)。回転検知センサ70は、カバー部材69のセンサ固定部691に固定ネジによって固定されて取り付けられている。回転検知センサ70による操作ハンドル60の回転検知の仕組みについては後述する。
【0037】
(抵抗ピン72)
次に、
図5を用いて、抵抗ピン72について説明する。抵抗ピン72は、操作ハンドル60の操作、すなわち、回転ギア67の回転に抵抗を与えるために設けられる抵抗部材である。抵抗ピン72には、先端の開口部72cから突出する先端突起部72aが設けられ、内部にバネ部材72bが設けられている。バネ部材72bは、抵抗ピン72の内部から先端突起部72aを押し出すように設けられており、抵抗ピン72の開口部72cの内側に設けられる受止部721によって、先端突起部72aの当接部722を受け止めることで、先端突起部72aの飛び抜けを抑止する構造となっている。
【0038】
先端突起部72aが回転ギア67の歯先67aに掛かるように固定された抵抗ピン72は、回転ギア67が回転すると、歯先67aに先端突起部72aが引っ掛かり、回転ギア67の回転に対する抵抗となる。回転ギア67が回転する際、先端突起部72aが歯先67aによって抵抗ピン72内へ押し込まれることで、抵抗ピン72内部のバネ部材72bが伸縮し、先端突起部72aは抵抗ピン72内に陥没する。そして、回転ギア67が回転し、歯先67aが先端突起部72aを越えると、先端突起部72aはバネ部材72bの反発によって再び突出する。
【0039】
つまり、回転ギア67が回転することで、抵抗ピン72の先端突起部72aは、上述した陥没突出運動を繰り返すこととなる。これにより、遊戯者が操作ハンドル60を回転操作した際に、魚が針に掛かり、リールを巻き取る時に感じるような抵抗感を与えることや、先端突起部72aと歯先67aに接触することによって、リールを巻き取る際の巻取音を発生させることが可能となる。
【0040】
(回転検知センサ70,検知用回転盤71)
次に、
図6を用いて、回転検知センサ70と、検知用回転盤71について説明する。
図6は、支柱部68の先端側から見た回転検知センサ70と検知用回転盤71の図である。
【0041】
回転検知センサ70は、センサ送信部70aとセンサ受信部70bとセンサCPU70cによって構成されており、センサ送信部70aから送信されたセンサをセンサ受信部70bで受信している。回転検知センサ70は、センサ受信部70bが、センサ受信状態から非受信状態になった時、あるいは、非受信状態から受信状態になった時に、操作ハンドル60が回転したと検知する仕組みである。
【0042】
検知用回転盤71は、略円形状であって、支柱部68の先端に固定ネジによって固定されて取り付けられる。また、図の斜線で示す検知領域71Aにおいて、センサ遮断領域71Aaとセンサ通過領域71Abが設けられている。
【0043】
回転検知センサ70の、センサ送信部70aとセンサ受信部70b間に、検知用回転盤71のセンサ遮断領域71Aaが重なっている時は、センサ送信部70aから出たセンサはセンサ遮断領域71Aaによって遮断されるため、センサ受信部70bは非受信状態となる。対して、センサ通過領域71Abが重なっている時は、センサ送信部70aから出たセンサはセンサ通過領域71Abを通過してセンサ受信部70bによって受信されるため、センサ受信部70bは受信状態となる(
図6ではセンサ遮断領域71Aaが重なっている状態)。つまり、操作ハンドル60が操作され、検知用回転盤71が回転すると、センサ送信部70aとセンサ受信部70b間において、センサ遮断領域71Aaとセンサ通過領域71Abが切り替わり、それに伴い、センサ受信部70bの非受信状態と受信状態も切り替わる。センサ受信部70bの受信状態の切り替わりによってセンサCPU70cが操作ハンドル60の操作を検知し、操作部CPU43に操作信号を送信する。
【0044】
図示では、検知用回転盤71の検知領域71Aにおいて、センサ遮断領域71Aaとセンサ通過領域71Abはそれぞれ6つずつだが、その他の数でも良い。また、回転検知の仕組みも、センサ受信状態から非受信状態になった時、あるいは、非受信状態から受信状態になった時のみに限らず、受信状態から非受信状態、非受信状態から受信状態への切り替わりのパターンを定めて、所定のパターンを検知した時に操作信号を送信するとしてもよい。
【0045】
(操作部40の処理)
次に、
図7を用いて、操作部40の処理について説明する。
【0046】
まず、遊戯者は、遊戯台50のメダル投入口52へメダルを投入する。そうすると、景品獲得ゲーム機がプレイ可能な状態となり、操作部40が稼働状態となる(ステップS1)。
【0047】
操作部40が稼働状態となると、操作部40は操作釦操作待機状態となる(ステップS2)。第1操作釦41が操作される(ステップS3=YES)と、操作部CPU43は、制御部100へ、左右方向操作信号を送信する(ステップS4)。
【0048】
左右方向操作信号の送信は、第1操作釦41の操作が終了するまで行われる(ステップS5=NO)。第1操作釦41の操作が終了する(ステップS5=YES)と、操作部CPU43は、制御部100への左右方向操作信号の送信を終了する(ステップS6)。第1操作釦41が再操作された場合(ステップS7=YES)は、操作部CPU43は、再度、制御部100へ、左右方向操作信号を送信する(ステップS4)。
【0049】
第1操作釦41の再操作がなく(ステップS7=NO)、または、第1操作釦41の操作がされず(ステップS3=NO)に、第2操作釦42の操作がされた場合(ステップS8=YES)は、操作部CPU43は、制御部100へ、下降操作信号を送信する(ステップS9)。
【0050】
下降操作信号を送信したら、操作部40は、操作ハンドル操作待機状態となる(ステップS10)。操作ハンドル操作待機状態中は、第1操作釦41や第2操作釦42の制御は実行しない。操作ハンドル60が操作される、すなわち、回転検知センサ70が、操作ハンドル60の回転を検知する(ステップS11=YES)と、操作部CPU43は、制御部100へ上昇操作信号(1/X)を送信する(ステップS12)。
【0051】
上昇操作信号の送信は、規定回数(X回数)に達するまで行われる(ステップS13=NO)。規定回数(X回数)とは、1プレイにおける回転検知センサによる検知の最大回数であり、すなわち、竿部23が上昇限界に達する上昇回数を指す。上昇操作信号の送信が規定回数に達する(ステップS13=YES)と、操作部40は処理を終了する。
【0052】
(制御部100の処理)
次に、
図8を用いて、制御部100の処理について説明する。
【0053】
まず、遊戯者は、遊戯台50のメダル投入口52へメダルを投入する。そうすると、景品獲得ゲーム機がプレイ可能な状態となり、制御部100は稼働し(ステップS101)、信号受信待機状態となる(ステップS102)。
【0054】
操作部CPU43から左右方向操作信号を受信する(ステップS103=YES)と、制御部100は、竿稼働部241の左右方向稼働制御1を実行する(ステップS104)。左右方向稼働制御1は、左右方向操作信号を受信しなくなるまで継続する(ステップS105=NO)。左右方向操作信号の受信が終了する(ステップS105=YES)と、制御部100は、竿稼働部241の左右方向稼働制御1を終了する(ステップS106)。左右方向操作信号の受信終了後、再度、左右方向操作信号を受信した場合(ステップS107=YES)は、制御部100は、再度、竿稼働部241の左右方向稼働制御1を実行する。
【0055】
左右方向操作信号の再受信がなく(ステップS107=NO)、または、左右方向操作信号の受信がされず(ステップS103=NO)に、下降操作信号を受信した場合(ステップS108=YES)は、制御部100は、竿稼働部241の下降稼働制御を実行する(ステップS109)。制御部100は、竿稼働部241の下降稼働制御の終了タイミングと略同時に、電源コード25を介して、掴み爪稼働部213の掴み爪部稼働制御(閉)を実行する(ステップS110)。すなわち、竿部23の下降限界に達すると略同時にキャッチャー部21の掴み爪部212は閉じる。
【0056】
掴み爪部稼働制御(閉)を実行すると、制御部100は、上昇操作信号受信待機状態となる(ステップS111)。上昇操作信号を受信する(ステップS112=YES)と、制御部100は、竿稼働部241の上昇稼働制御(1/X)を実行する(ステップS113)。上昇稼働制御(1/X)は、X回数実行するまで行われる(ステップS114=NO)。
【0057】
上昇稼働制御(1/X)がX回数実行される(ステップS114=YES)と、上昇稼働制御を終了し(ステップS115)、制御部100は、竿稼働部241の左右方向稼働制御2を実行する(ステップS116)。左右方向稼働制御2は、操作部CPU43からの操作信号の受信によって実行されるのではなく、上昇稼働制御の終了に起因して実行される。左右方向稼働制御2とは、掴み爪部212が閉じた状態のキャッチャー部21を、景品獲得部上部まで移動させる制御である。
【0058】
キャッチャー部21が景品獲得部上部に到達したら、左右方向稼働制御2を終了する(ステップS117)。そして、制御部100は、電源コード25を介して、掴み爪稼働部213の掴み爪部稼働制御(開)を実行する(ステップS118)。掴み爪部稼働制御(開)を実行したら、制御部100は、処理を終了する。
【0059】
図7の操作部40の処理フローにおけるステップS12,13と、
図8の制御部100の処理フローにおけるステップS113,114のXの値は、「2」以上の任意の数であればよい。
【0060】
回転検知センサ70の一度の検知による竿部23の上昇値は、下降操作時に竿部23が下降した高さをXで割った値となる。つまり、回転検知センサ70の検知によって段階的に竿部23を上昇させる。このような処理にすることで、遊戯者は操作ハンドル60の操作の際に、キャッチャー部21をなるべく揺らさず景品の把持状態を保つように少しずつ操作することで、リールの操作アクションや緊張感を味わうことができる。
【0061】
(変形例)
次に、
図9を用いて、制御部100の処理の変形例ついて説明する。
図9における処理フローのステップS201~ステップS210は、
図8における処理フローのステップS101~ステップS110までの処理と同一である。
【0062】
変形例では、掴み爪部稼働制御(閉)によって閉じたキャッチャー部21の掴み爪部212が、時間経過によって徐々に開く制御を行う。
【0063】
上昇操作信号受信待機状態において(ステップS211)、Z秒の時間が経過した場合(ステップS212=YES)、制御部100は、掴み爪稼働部213の掴み爪部稼働制御(開)(Z/Y)を実行する(ステップS213)。掴み爪部稼働制御(開)(Z/Y)は、上昇操作信号受信待機中において、Y秒が経過するまで実行される(ステップS214=NO)。Y秒が経過するまでのその他の処理は、
図8を用いて説明した処理と同一である。
【0064】
ステップS212~214のY,Zの値は、任意のものでよい。例えば、Y=30、Z=5とすれば、5秒の経過によって(ステップS212)、掴み爪部稼働制御(開)(1/6)を実行する(ステップS213)。掴み爪部稼働制御(開)(1/6)は、30秒が経過、すなわち、掴み爪部稼働制御(開)(1/6)を6回実行するまで行われる(ステップS214=NO)。
【0065】
上昇操作信号受信待機状態においてY秒が経過すると(ステップS214=YES)、制御部100は、竿稼働部241の上昇稼働制御を行う(ステップS215)。Y秒が経過した状態とは、掴み爪部212が開き切っている状態であって、キャッチャー部21が把持した景品を離した状態である。故に、ステップS216~S218のような操作ハンドル60の操作に応じた段階的な上昇稼働制御は実行しない。
【0066】
上昇稼働制御が終了する(ステップS219)と、左右方向稼働制御2を実行(ステップS220)し、キャッチャー部21が景品獲得部上部に到達したら、左右方向稼働制御2を終了する(ステップS221)。Y秒の経過によって上昇稼働制御が行われる場合、掴み爪部212は開き切っている状態である為、ステップS222の掴み爪部稼働制御(開)は省略してもよい。
【0067】
このような制御をすることで、遊戯者は、なるべくキャッチャー部21を揺らさないように操作ハンドル60を操作する一方で、時間をかけすぎてしまうと掴み爪部212の景品の把持が解かれてしまうという駆け引きと緊張感を味わうことができる。
【0068】
また、竿部23の上下方向の操作は、紐部22の繰り出しと巻取りによるキャッチャー部21の上下方向操作に代えてもよい。その場合は、擬似リール部24、竿部23の先端部、爪支持部211内のいずれかにおいて紐部22の繰り出しと巻取り機能を設けることが想定される。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1:景品獲得ゲーム機、
10:仕切面、10a:第1仕切面、10b:第2仕切面、
11:天井面、12:仕切ケース、
20:景品把持装置、21:キャッチャー部、22:紐部、23:竿部、
24:擬似リール部、25:電源コード、
30:景品配置部、31:主景品配置部、32:副景品配置部、
40:操作部、41:第1操作釦、42:第2操作釦、43:操作部CPU、
50:遊戯台、50a:上面部分、50b:側面部分、
51:支持柱、52:メダル投入口、53:景品獲得部、54:景品取出口、
60:操作ハンドル、61:グリップ、67:回転ギア、67a:歯先、
68:支柱部、69:カバー部材、69a,69b:貫通穴、
70:回転検知センサ、
70a:センサ送信部、70b:センサ受信部、70c:センサCPU、
71:検知用回転盤、71A:検知領域、
71Aa:センサ遮断領域、71Ab:センサ通過領域、
72:抵抗ピン、72a:先端突起部、72b:バネ部材、
73:固定ナット、75:ベース、
100:制御部、211:爪支持部、212:掴み爪部、213:掴み爪稼働部、
241:竿稼働部