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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104555
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】電池交換可能な電気機器
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
A47L9/28 U
A47L9/28 A
A47L9/28 P
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008834
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏原 裕
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DA04
(57)【要約】
【課題】残量の異なる種々の二次電池2を電気機器に装着したとき、二次電池2の残量に基づいて適切な駆動制限を行うことにより、二次電池2の交換を許容し、かつ、適切な設定で利用可能な電池交換可能な電気機器を提供することを目的とする。
【解決手段】二次電池2は、残量が低下状態である場合に、二次電池2の残量が低下状態であることを識別し、かつ電池メモリ43に二次電池2の残量が低下状態であることが識別されている場合に本体12へ二次電池2が負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池と、
前記二次電池を装着可能な本体と、
前記二次電池と前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、を備え、
前記二次電池は、
読み書き可能な電池メモリと、
前記二次電池の残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池の残量が低下状態であることを識別し、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが識別されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池が負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、
前記本体は、
前記二次電池の電力で駆動する負荷と、
前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池の残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備える電気機器。
【請求項2】
前記本体制御部は、前記負荷の駆動開始前に前記制限残量信号を受信した場合に再駆動をしない請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記本体制御部は、前記制限残量信号を受信した場合に駆動を停止する請求項1に記載の電気機器。
【請求項4】
前記電池制御部が前記電池メモリに前記低下状態であることを識別する前記二次電池の残量を第一閾値とし、
前記二次電池の残量が前記第一閾値と異なる第三閾値以下である場合に、前記二次電池が低残量状態であることを報知する報知部を備える請求項1に記載の電気機器。
【請求項5】
前記本体制御部が前記制限残量信号を受信した場合には、前記二次電池が負荷駆動制限残量状態であることを報知する報知部を備える請求項1に記載の電気機器。
【請求項6】
前記本体制御部は、前記二次電池の残量が、前記第一閾値以下に設定される第四閾値以下である場合に前記負荷の駆動を停止する請求項1または5に記載の電気機器。
【請求項7】
前記報知部は、前記本体に設けられる請求項4または5に記載の電気機器。
【請求項8】
前記電池制御部が前記電池メモリに前記低下状態であることを識別する残量を第一閾値とし、前記電池制御部は、前記二次電池の残量が、前記第一閾値よりも大きい第二閾値以上である場合に、前記電池メモリに前記二次電池の残量が低下状態でないことが識別され、かつ前記電池メモリに前記低下状態でないことが識別されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池が負荷駆動制限残量状態でないことを表す非制限残量信号を前記本体制御部に送信する請求項1または5に記載の電気機器。
【請求項9】
二次電池と、
前記二次電池を装着可能な本体と、
前記二次電池と前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、
前記二次電池の状態を報知する報知部と、を備え、
前記二次電池は、
読み書き可能な電池メモリと、
前記二次電池の残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池の残量が低下状態であることを識別し、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが識別されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池が負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、
前記本体は、
前記二次電池の電力で駆動する負荷と、
前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池の残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備え、
前記本体制御部は、前記二次電池の充電中に前記二次電池から前記制限残量信号を受信した場合には前記報知部に第一報知を実行させ、前記二次電池から前記制限残量信号を受信していない場合には前記報知部に前記第一報知と異なる第二報知態を行わせる電気機器。
【請求項10】
前記電池制御部が前記電池メモリに前記低下状態であることを識別する残量を第一閾値とし、前記二次電池の残量が、前記第一閾値よりも大きい第二閾値以上である場合に、前記電池メモリに前記二次電池の残量が低下状態でないことが識別され、かつ、前記電池メモリに前記低下状態でないことが識別されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池が低残量でないことを表す非制限残量信号を前記本体制御部に送信する請求項9に記載の電気機器。
【請求項11】
前記報知部は、前記本体に設けられる請求項9または10の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、電池交換可能な電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池と、二次電池の電力により動作する電動送風機と、電動送風機の動作を制御する動作制御部と、所定の情報を使用者に報知する報知部に対して通信可能な報知制御部と、を備える通信インタフェースが知られている。動作制御部は、電動送風機の動作中に二次電池の電圧が第一電圧未満になったときに、電動送風機の動作を停止する。動作制御部は、二次電池の電圧が第一電圧よりも大きい第二電圧より大きくなるまで電動送風機の動作を制限する。報知制御部は、二次電池の充電時に二次電池の電圧が第二電圧に達したら報知部に報知させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-000295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二次電池を交換可能な電気機器が知られている。そこで、従来の電気掃除機の二次電池を交換可能にした場合を考える。電池交換可能な電気掃除機は、二次電池を着脱可能な本体を備えるものとする。
【0005】
例えば、残量が第一残量よりも大きい第一の二次電池(以下、「第一電池」と呼ぶ。)を本体に装着し、第一残量以下になるまで電気掃除機を稼働し、その後、第一残量より大きく、かつ、第二残量未満の残量になるまで第一電池の充電を行うとする。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、第二残量以上になるまで電動送風機の動作を制限する。
【0006】
続いて、第一電池を本体から取り外し、残量が第二電圧以上の第二の二次電池(以下、「第二電池」と呼ぶ。)を本体に装着する。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作制限を解除する。その後、電気掃除機を稼働し、第二電池の残量が第一残量よりも大きいときに電気掃除機の稼働を停止した場合には、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限しない。したがって、電気掃除機は、引き続き稼働可能な状態を維持する。
【0007】
そのような状況下で、第二電池を本体から取り外し、再び第二残量未満の残量の第一電池を本体に装着する。このとき、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限しておらず、電気掃除機は、引き続き稼働可能な状態を維持している。つまり、従来の電気掃除機では、二次電池を単純に交換可能にしてしまうと、本来は電動送風機の稼働を制限するべき残量の第一電池が本体に装着されている状況で、電気掃除機が稼働してしまう。
【0008】
他方、残量が第二残量以上の第一電池を本体に装着し、第一残量よりも大きく、かつ、第二残量未満になるまで電気掃除機を稼働するとする。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限しない。
【0009】
続いて、第一電池を本体から取り外し、残量が第一残量よりも大きい第二電池を本体に装着し、第一残量以下になるまで電気掃除機を稼働する。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限する。したがって、電気掃除機は、稼働できない状態となる。
【0010】
そのような状況下で、第二電池を本体から取り外し、再び第一残量よりも大きく、かつ第二残量未満の残量の第一電池を本体に装着する。このとき、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作が制限されており、電気掃除機は、稼働できない状態である。つまり、従来の電気掃除機では、二次電池を単純に交換可能にしてしまうと、本来は電動送風機の稼働を制限が解除されているべき残量の第一残量が本体に装着されている状況で、電気掃除機が稼働できない。
【0011】
そこで、本発明は、残量の異なる種々の電池を、適切な設定で利用可能な電池交換可能な電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器は、二次電池と、前記二次電池を装着可能な本体と、前記二次電池と前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、を備え、前記二次電池は、読み書き可能な電池メモリと、前記二次電池の残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池の残量が低下状態であることを識別し、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが識別されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池が負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、前記本体は、前記二次電池の電力で駆動する負荷と、前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池の残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備える。また、前記電気機器は、前記本体制御部が前記制限残量信号を受信した場合には、前記二次電池が負荷駆動制限残量状態であることを報知する報知部を備える。さらに、前記電気機器の前記本体制御部は、前記二次電池の残量状態に加えて、前記本体制御部の駆動状態と、前記二次電池の充電状態と、に基づいて電気機器の駆動、および、前記報知部の報知の制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器の一例の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器のブロック図。
図3A】本発明の実施形態に係る二次電池の残量と閾値との関連付けの一例を説明する図。
図3B】本発明の実施形態に係る二次電池の残量と閾値との関連付けの一例を説明する図。
図3C】本発明の実施形態に係る二次電池の残量と閾値との関連付けの一例を説明する図。
図4】本発明の実施形態に係る電池制御部の動作を示すフローチャート。
図5】本発明の実施形態に係る電池制御部の駆動制限識別子の設定に関する動作を示すフローチャート。
図6】本発明の実施形態に係る本体制御部の動作を示すフローチャート。
図7】本発明の実施形態に係る本体制御部のモータ運転状態制御の内部動作フロー。
図8】本発明の実施形態に係る本体制御部と報知部との関係を示す表示状態制御の内部動作フロー。
図9】本発明の実施形態に係る本体制御部の動作を示すフローチャート。
図10】本発明の実施形態に係る本体制御部と報知部との関係を示す表示状態制御の内部動作フロー。
図11】本発明の実施形態に係る本体制御部のモータ運転状態制御の内部動作フロー。
図12】本発明の実施形態に係る本体制御部と報知部との関係を示す表示状態制御の内部動作フロー。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る電池交換可能な電気機器の実施形態について図1から図12を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器の一例の斜視図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る電池交換可能な電気機器1は、二次電池2が蓄える電力で駆動される負荷、例えば電動機3を備えている。二次電池2は、蓄電池、充電式電池、および充電池とも呼ばれる。電気機器1は、例えばスティック型の電気掃除機5であって、電動機3が一体化された負荷としての電動送風機6を備えている。
【0017】
電気掃除機5は、把手11を有して手持ち操作可能な本体12と、本体12に着脱可能な二次電池2と、本体12に接続される延長管15と、延長管15に接続される吸込口体16と、を備えている。
【0018】
なお、電気機器1は、着脱可能な二次電池2を電源とするキャニスター型の電気掃除機5、アップライト型の電気掃除機5、またはハンディ型の電気掃除機5であっても良い。電気機器1は、電動機3へ供給される電気的エネルギーを回転駆動力のような機械的エネルギーに変換して利用する工具であっても良い。
【0019】
また、電気機器1、電気掃除機5、および本体12は、本体12を手に持つ使用者によって、様々な姿勢で利用される。そこで、図1中、実線矢印P方向視を平面視(上面視)とし、実線矢印Pの反対方向視を底面視とする。図1中、実線矢印F方向視を正面視(前面視)とし、実線矢印Fの反対方向視を背面視とする。図1中、実線矢印L方向視を左側面視とし、実線矢印Lの反対方向視を右側面視とする。
【0020】
本体12は、把手11を有する本体ケース17と、本体ケース17に収容されて吸込負圧を生じさせる電動送風機6と、本体ケース17に着脱自在に設けられる塵埃分離集塵部19と、二次電池2を着脱可能な電池装着部21と、二次電池2に電力を供給する充電端子22と、主に電動送風機6の駆動および二次電池2の充放電を制御する本体制御部23と、を備えている。
【0021】
本体12は、二次電池2が蓄える電力によって電動送風機6を駆動させ、電動送風機6の駆動によって負圧を発生させ、発生した吸込負圧を塵埃分離集塵部19に作用させる。塵埃分離集塵部19に作用する吸込負圧は、延長管15、および吸込口体16に順次に作用する。吸込口体16に達した吸込負圧は、吸込口体16の吸込口31に作用する。吸込口31に作用する吸込負圧は、床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸込口31に吸い込む。吸込口31に吸い込まれた含塵空気は、吸込口体16および延長管15を通じて塵埃分離集塵部19へ流入する。塵埃分離集塵部19は、吸込負圧によって吸い込まれる含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに塵埃が分離された空気を電動送風機6へ送る。電動送風機6は、塵埃が分離された空気を本体ケース17外へ排気する。
【0022】
電池装着部21は、二次電池2を機械的に着脱可能に保持する機構と、二次電池2と本体12内の電気回路とを電気的に接続する端子と、を備えている。電池装着部21の機械的な機構は、例えば嵌合された二次電池2に解除可能なロックを掛けて二次電池2の離脱および脱落を防ぐ。
【0023】
また、本体12は、充電端子22から供給される電力によって二次電池2を充電する。充電端子22は、本体制御部23の充電回路を介して二次電池2に接続されている。
【0024】
さらに、本体12は、把手11を握った使用者が、その手指を動かせる範囲に配置される入力部27を備えている。
【0025】
本体ケース17は、延長管15の延長線上に配置され、かつ延長管15の延長線に沿って延びる柱状の前部17aと、前部17aから下斜め後方へ垂れ下がる中央部17bと、中央部17bの背面の下半部から後方へ延びる筒状の後部17cと、中央部17bの背面の上半部から後方へ延び、円弧形状に湾曲して後部17cの上面の後端に繋がる把手11と、を備えている。
【0026】
本体ケース17の前部17aと中央部17bとは、協働して塵埃分離集塵部19を着脱可能に保持している。塵埃分離集塵部19は、全体で筒状の外観を有する。前部17aと中央部17bとは、塵埃分離集塵部19の中心線C、換言すると長手方向を延長管15の中心線の延長線に平行させて塵埃分離集塵部19を保持している。本体ケース17に延長管15および塵埃分離集塵部19が装着された状態では、延長管15の中心線の延長線および塵埃分離集塵部19の中心線Cは、本体ケース17を左右に実質的に均等に分断する中央縦断面上に配置されている。つまり、長手状の前部17aと筒状の塵埃分離集塵部19とは、中心線が平行するように併設されている。
【0027】
本体ケース17の前部17aは、延長管15の長手方向、つまり延伸方向の延長上に配置されて管状に延びている。前部17aは、延長管15を着脱可能な継手構造を備えている。前部17aは、本体12の流体的な入口である本体接続口25を有し、かつ延長管15と塵埃分離集塵部19とを流体的に接続している。本体12から延長管15を取り外すことによって、本体接続口25は、本体12を単体で使用する際の吸込口としても機能する。
【0028】
本体ケース17の後部17cは、電動送風機6および本体制御部23を収容している。後部17cは、電動送風機6の排気を本体ケース17内から吐出させる排気口26を有している。後部17cの底部には、二次電池2を着脱可能な電池装着部21が設けられている。
【0029】
本体ケース17の中央部17bは、前部17aに併設される塵埃分離集塵部19の後端部の一部を覆い隠すように保持し、かつ塵埃分離集塵部19と電動送風機6とを繋ぐ風路(図示省略)を収容している。中央部17bは、実質的に直線状に延びる前部17aの後端部に連接して本体ケース17の下斜め後方へ向かって膨らんでいる。中央部17bは、本体ケース17の後方へ向かって後ろ下がりに傾斜する外観を有している。
【0030】
把手11は本体ケース17に一体に設けられている。把手11は、電気掃除機5で床面を掃除するために、使用者が手で把持する部分である。そのため、把手11は、人の手指で把持し易い適宜の形状を有することが好ましい。
【0031】
把手11は、本体ケース17の前部17aと後部17cとの間に架設されている。把手11は、前部17aの後端から延長管15の延長方向へ延び、かつ弧状に湾曲して後部17cの後端部に繋がっている。把手11と本体ケース17の中央部17bの背面との間、および把手11と本体ケース17の後部17cの天面との間には、一続きの空間が、本体ケース17の左右方向(幅方向)へ貫通している。この空間には、把手11を握る使用者の手指、もっぱら人差し指、中指、薬指、および小指を含む四指が配置される。
【0032】
入力部27は、把手11の近傍であって、把手11を握った使用者がその手指を動かせる範囲に設けられている。入力部27は、電動送風機6の動作要求を受け付けるスイッチを備えている。このスイッチは、本体制御部23に電気的に接続されている。電気掃除機5の使用者は、入力部27を操作して電動送風機6の運転と停止とを交互に切り換えることができる。
【0033】
入力部27は、電動送風機6の運転モードを切り換えるスイッチを備えていても良い。この場合、本体制御部23は、運転モード切替スイッチから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部27は、運転モード切替スイッチに代えて、強運転スイッチ、中運転スイッチ、および弱運転スイッチを個別に備えていても良い。
【0034】
塵埃分離集塵部19は、本体ケース17の前部17aと本体ケース17の中央部17bとが成すL文字形状の収容空間に配置されている。塵埃分離集塵部19は、本体12に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機6へ送る。塵埃分離集塵部19は、塵埃と空気との質量の差異を利用して塵埃と空気とを遠心分離する遠心分離方式である。塵埃分離集塵部19の下流側に含塵空気から塵埃を濾し取る濾過分離方式のフィルターが設けられていても良い。
【0035】
また、塵埃分離集塵部19は、本体ケース17の前後方向に沿って筒状に延伸している。換言すると、塵埃分離集塵部19は、本体ケース17の前後方向に延びる中心線Cを有する筒形状の容器である。塵埃分離集塵部19の中心線Cに沿う方向、塵埃分離集塵部19の延伸方向、塵埃分離集塵部19の長手方向は、実質的に同意であり、本体ケース17の前後方向に実質的に一致している。したがって、塵埃分離集塵部19の中心線Cは、延長管15の中心線に実質的に平行している。また、塵埃分離集塵部19は、本体ケース17の前部17aに併設されている。つまり、塵埃分離集塵部19の長手方向は、本体ケース17の前部17aの長手方向に倣っている。塵埃分離集塵部19の直径は、本体ケース17の前部17aの幅寸法よりも大きく、塵埃分離集塵部19は、本体ケース17の前部17aよりも本体12の左右方向(幅方向)に突出している。なお、本体12の左右方向(幅方向)は、本体12の中央縦断面の法線方向に相当する。筒状の塵埃分離集塵部19の中心線Cは、本体12の中央縦断面に実質的に含まれている。
【0036】
本体ケース17の中央部17bは、塵埃分離集塵部19の排気側に流体的に接続される連結口と、連結口と電動送風機6とを流体的に接続する分離部下流風路管と、を備えている。中央部17bは、塵埃分離集塵部19と本体ケース17の後部17cとの間に挟み込まれている部位を含んでいる。この部位に連結口および分離部下流風路管が配置されている。
【0037】
連結口は、中央部17bの正面を臨む部位に配置されている。連結口は、塵埃分離集塵部19が本体ケース17に装着された状態で、塵埃分離集塵部19の後ろ側の端面に正対する。したがって、連結口は、塵埃分離集塵部19が本体ケース17に装着された状態で、塵埃分離集塵部19の中心線Cの延長線上に配置される。
【0038】
電動送風機6の吸込側は、連結口および分離部下流風路管を介して塵埃分離集塵部19に接続される。電動送風機6は、塵埃分離集塵部19から空気を吸い込んで吸込負圧を発生させる。電動送風機6は、羽根車と、羽根車の回転駆動力を発生する電動機3と、電動機3から羽根車へ回転駆動力を伝達する回転軸と、を備えている。
【0039】
羽根車は、例えばターボファンであり、複数の羽根を備えている。それぞれの羽根は、円錐状のハブの中心部からハブの外縁部へ向かって徐々にハブの径方向へ向かって起立する、捻れた形状を有している。換言すると、それぞれの羽根は、前縁から後縁に掛けて翼型(airfoil)または翼断面(wing section)が変化する、いわゆる3次元翼である。羽根車は、吸込口を有するケースに覆われている。
【0040】
電動送風機6は、回転軸を中心とする円筒状、または円柱状の形状を有している。回転軸の中心線を本体ケース17の前後方向へ向け、かつ吸込口を前方へ向けて本体ケース17に収容されている。また、電動送風機6の回転軸の中心線は、実質的に塵埃分離集塵部19の中心線Cの延長線上に配置されている。
【0041】
本体制御部23は、電動送風機6の真後ろに配置されている。本体制御部23は、マイクロプロセッサー、およびマイクロプロセッサーが実行する各種演算プログラム、パラメーターなどを記憶する記憶部としての記憶装置28を備えている。複数の運転モードから電動送風機6の運転モードを択一的に選択可能な制御を実装する場合には、記憶装置28は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定(引数)を記憶する。複数の運転モードは電動送風機6の出力に関連付けられている。それぞれの運転モードには、相互に異なる入力値(電動送風機6の入力値、電動送風機6に流れる電流目標値)が設定されている。それぞれの運転モードは、入力部27が受け付ける動作要求に関連付けられている。本体制御部23は、入力部27の動作要求に対応する任意の運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶装置28から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって電動送風機6を運転する。
【0042】
なお、電動送風機6の入力値は、二次電池2の放電量に相当する。二次電池2の放電量は、二次電池2の放電電流または放電電圧の高低によって制御される。二次電池2の放電電流の高低によって二次電池2の放電量を制御することが簡便で好ましい。
【0043】
また、本体制御部23は、本体12の充電端子22が電源、例えば充電器に接続された場合には、二次電池2の充電を制御する。二次電池2の充電量は、二次電池2の充電電流の高低または充電電圧の高低によって制御される。
【0044】
二次電池2は、いわゆるバッテリーパックである。二次電池2が蓄える電力を放電することによって、電動送風機6や本体制御部23が駆動され、二次電池2へ電力を充電することによって、電動送風機6や本体制御部23で消費される電力が二次電池2に蓄えられる。二次電池2は、本体ケース17に着脱できる。換言すると、電気掃除機5は、複数の二次電池2を適宜に交換して利用できる。電気掃除機5に装着されている二次電池2の充電率が低下した場合には、この二次電池2を、充電済みの二次電池2に交換することによって、電気掃除機5は、運転を継続できる。つまり、二次電池2は、本体ケース17に装着したまま充電することもできるし、本体ケース17から一旦取り外し、電気掃除機5とは異なる充電器に装着して充電し、充電後に本体ケース17へ再装着することもできる。なお、電気掃除機5は、二次電池2を容易に交換自在なものであっても良いし、二次電池2を交換するために本体12の分解をともなうような、二次電池2を交換可能なものであっても良い。
【0045】
報知部29は、本体制御部23によって制御され、二次電池2の残量と充電状態、例えば、二次電池2が充電中であること、二次電池2が満充電であること、予め設定された閾値よりも二次電池2の残量が低下した低残量状態であること、予め設定された閾値よりも二次電池2の残量が低下して負荷の駆動を制限すべき負荷駆動制限残量状態であること、二次電池2の残量がさらに低下し、いわゆる電池切れであること、を報知する。これらの報知の違いにより、電気機器1の使用者は、二次電池2の残量状態と充電状態とを知ることができる。報知部29は、例えば、文字などの情報を表示するディスプレイ、点灯または点滅するランプやLED(Light Emitting Diode)など電気掃除機5の使用者の視覚に訴えるもの、電気的に合成された音声やブザー音などを発する発音器など電気掃除機5の使用者の聴覚に訴えるもの、バイブレーターなど電気掃除機5の使用者の触覚に訴えるもの、の少なくともいずれかである。報知部29は、入力部27の近傍に設けられていることが好ましい。そのように配置することによって、報知内容の認知性が高められる。
【0046】
延長管15および吸込口体16は、電動送風機6から作用する負圧によって、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで本体12へ案内する。
【0047】
延長管15は、本体ケース17の本体接続口25および塵埃分離集塵部19を介して電動送風機6の吸込側に流体的に接続されている。延長管15は、使用者が本体12の把手11を把持した状態で実質的に床面に届く長さを有する。延長管15の一方の端部は、本体12の本体接続口25に着脱自在な継手構造を有している。延長管15の他方の端部は、本体12の吸込口体16を着脱自在な継手構造を有している。延長管15は、伸縮可能であっても良いし、伸縮不能な一定の長さを有していても良い。
【0048】
吸込口体16は、木床やカーペットなどの床面上を走行自在または滑走自在であり、走行状態または滑走状態において床面に対向する底面に吸込口31を有する。また、吸込口体16は、吸込口31に配置される回転自在な回転清掃体32と、回転清掃体32を駆動させる電動機33と、を備えている。吸込口体16の一方の端部は、延長管15の他方の端部に着脱自在な継手構造を有している。吸込口体16は、延長管15を介して電動送風機6の吸込側に流体的に接続されている。吸込口体16、延長管15、および塵埃分離集塵部19は、電動送風機6から吸込口31へ至る吸込風路である。
【0049】
なお、吸込口体16は、電動機33に代えて回転清掃体32を駆動させる風車(図示省略)を備えていても良い。この風車は、電気掃除機5に吸い込まれる空気の流動によって回転し、回転清掃体32を駆動させる。
【0050】
電気掃除機5は、電動送風機6が停止している状態で入力部27が操作されると、電動送風機6を始動させる。運転モード切替スイッチが実装されている場合には、電気掃除機5は、先ず電動送風機6を強運転モードで始動させ、運転モード切替スイッチが操作されると電動送風機6の運転モードを中運転モードに変更し、再度、運転モード切替スイッチが操作されると電動送風機6の運転モードを弱運転モードに変更し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モード、および弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードである。電動送風機6に対する入力値は、強運転モードが最も大きく、弱運転モードが最も小さい。始動した電動送風機6は、塵埃分離集塵部19から空気を吸込み、塵埃分離集塵部19内を負圧にする。
【0051】
塵埃分離集塵部19内の負圧は、本体接続口25、延長管15、および吸込口体16を順次に通じて吸込口31に作用する。電気掃除機5は、吸込口31に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部19は、電気掃除機5に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機6へ送る。電動送風機6は、塵埃分離集塵部19から吸い込んだ空気を本体12外へ排気する。
【0052】
図2は、本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器1のブロック図である。
【0053】
図2に示すように、本実施形態に係る電気機器1は、二次電池2と、二次電池2を装着可能な本体12と、二次電池2と本体12との間の通信を確立する通信インタフェース8と、を備えている。
【0054】
まず二次電池2について説明する。二次電池2は、バッテリーパックである。二次電池2は、少なくとも1つの素電池44と、二次電池2の電池の状態に関する項目を監視する電池状態観測部41と、二次電池2の電池状態に関する情報を記憶する電池メモリ43と、電池状態観測部41から得られる二次電池2の観測情報と電池メモリ43に記憶されている電池状態に関する情報とに基づいて二次電池2の充放電を制御する電池制御部42と、を備えている。
【0055】
素電池44は、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、コバルトチタンリチウム二次電池など多様な種類から採用される。電気機器1の負荷に所望の電力を供給するために、複数の素電池44が二次電池2に搭載される。二次電池2に複数の素電池44を搭載するには、複数の素電池44は、実質的に同一の電池の特性を有することが好ましい。
【0056】
電池メモリ43は、二次電池2の監視項目に対応する情報を記憶している。例えば、電池メモリ43は、素電池44の残量が負荷の駆動を制限すべき低下状態であることを表す識別子(以下、「駆動制限識別子」と呼ぶ。)を記憶している。二次電池2は、素電池44の残量が負荷の駆動を制限すべき低下状態である場合には、電池メモリ43へ駆動制限識別子を設定する。二次電池2の負荷駆動制限残量状態とは、素電池44の残量が負荷の駆動を制限すべき低下状態である。
【0057】
また、二次電池2は、素電池44が充電中であることを表す識別子(以下、「充電状態識別子」と呼ぶ。)を記憶しており、素電池44が充電中である場合には、電池メモリ43へ充電残量識別子を設定する。
【0058】
なお、説明の便宜のため、「素電池44の残量」を以下「電池残量」と呼ぶ。また、「素電池44の残量」と同意である「二次電池2の残量」も以下「電池残量」と呼ぶ。
【0059】
電池残量を表す指標として、二次電池2の端子電圧、および二次電池2の充電率(State Of Charge、SOC)の少なくともいずれかを用いることが好ましい。それら端子電圧、および充電率は、少なくとも二次電池2で測定されていれば良い。本体12で測定されない場合には、二次電池2から本体12へ通信インタフェース8を介して端子電圧、および充電率を送信すれば良い。
【0060】
電池状態観測部41は、予め定められる少なくとも1つの監視項目を測定し、得られた測定結果を電池制御部42へ送信する。電池状態観測部41は、監視項目の物理量を測定する少なくとも1つのセンサー部を備えている。電池状態観測部41は、センサー部の出力を読み取って監視項目の物理量に変換する回路を備えていても良い。電池状態観測部41の監視項目に電池残量が含まれる。
【0061】
二次電池2が負荷駆動制限残量状態であることを表す閾値である第一閾値以下になった場合、電池制御部42は、電池メモリ43に駆動制限識別子を書き込む。また、電池残量が第一閾値よりも大きく、かつ二次電池2が負荷駆動制限残量状態ではないことを表す閾値である第二閾値以上となった場合、電池制御部42は、電池メモリ43に設定された駆動制限識別子を解除する。
【0062】
なお、駆動制限識別子は、電池メモリ43に確保される1ビットの記憶領域に書き込まれるものとする。この1ビットの記憶領域を、駆動制限識別アドレスと呼ぶ。駆動制限識別子は、駆動制限識別アドレスに書き込まれる1値であるものとする。駆動制限識別子を解除すると、駆動制限識別アドレスは0値を取る。
【0063】
また、二次電池2が充電中である場合、電池制御部42は、電池メモリ43に充電状態識別子を書き込む。また、二次電池2が充電中でない場合、電池制御部42は、電池メモリ43に設定された充電状態識別子を解除する。
【0064】
なお、充電状態識別子は、電池メモリ43に確保される1ビットの記憶領域に書き込まれるものとする。この1ビットの記憶領域を、充電状態識別アドレスと呼ぶ。充電状態識別子は、充電状態識別アドレスに書き込まれる1値であるものとする。充電状態識別子を解除すると、充電状態識別アドレスは0値を取る。
【0065】
さらに、電池制御部42は、電池メモリ43から読み込んだ駆動制限識別子に基づいて、二次電池2の負荷駆動制限残量状態であることを表す信号(以下、「制限残量信号」と呼ぶ。)、または二次電池2が負荷駆動制限残量状態でないことを表す信号(以下、「非制限残量信号」と呼ぶ。)を、通信インタフェース8を介して本体12へ送信する。なお、説明の便宜上、制限残量信号と非制限残量信号とをまとめて「制限信号」と呼ぶ。
【0066】
二次電池2の制限信号は、0値または1値を取る二値化信号であるものとする。二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるとき、つまり駆動制限識別アドレスに1値が書き込まれている場合、電池制御部42は本体制御部23へ「制限残量信号」を送信する。他方、二次電池2が負荷駆動制限残量状態でないとき、つまり駆動制限識別アドレスに0値が書き込まれている場合、電池制御部42は本体制御部23へ「非制限残量信号」を送信する。
【0067】
電池制御部42は、電池メモリ43に駆動制限識別子が書き込まれている場合、つまり、駆動制限識別アドレスが1値である場合に、通信インタフェース8を介して、制限残量信号を本体12へ送信する。駆動制限識別子が解除されている場合、つまり、駆動制限識別アドレスが0値である場合に、電池制御部42は、非制限残量信号を本体12へ送信する。
【0068】
さらに、電池制御部42は、電池メモリ43から読み込んだ充電状態識別子基づいて、二次電池2が充電中であることを表す信号(以下、「有充電信号」と呼ぶ。)、または二次電池2が充電中でないことを表す信号(以下、「無充電信号」と呼ぶ。)を、通信インタフェース8を介して本体12へ送信する。なお、説明の便宜上、有充電信号と無充電信号をまとめて「充電状態信号」と呼ぶ。
【0069】
二次電池2の充電状態信号は、0値または1値を取る二値化信号であるものとする。二次電池2が充電中であるとき、つまり充電状態識別アドレスに1値が書き込まれている場合、電池制御部42は本体制御部23へ「有充電信号」を送信する。他方、二次電池2が充電中でないとき、つまり充電状態識別アドレスに0値が書き込まれている場合、電池制御部42は本体制御部23へ「無充電信号」を送信する。
【0070】
電池制御部42は、電池メモリ43に充電状態識別子が書き込まれている場合、つまり、充電状態識別アドレスが1値である場合に、通信インタフェース8を介して、有充電信号を本体12へ送信する。電池メモリ43に充電状態識別子が解除されている場合、つまり、充電状態識別アドレスが0値である場合に、電池制御部42は、無充電信号を本体12へ送信する。
【0071】
次いで、本体12について説明する。本体12は、入力部27と、本体制御部23と、電動機3と、報知部29と、を備えている。
【0072】
本体制御部23は、二次電池2から取得する情報に基づいて二次電池2の放電量の制御および充電量の制御の少なくともいずれかを実行する。
【0073】
通信インタフェース8は、本体12の送受信部と二次電池2の送受信部とを含んでいる。通信インタフェース8は、本体12と二次電池2との間を電気的に接続する信号線を有する有線方式の通信インタフェースである。
【0074】
ここで、先述した電池残量、閾値、および駆動制限識別子の関連付けについて説明する。
【0075】
図3A図3B、および図3Cは、本発明の実施形態に係る二次電池2の残量と閾値との関連付けの一例を説明する図である。
【0076】
図3A図3B、および図3Cに示すように、電気機器1は、二次電池2の残量に関連する複数の閾値を有している。
【0077】
複数の閾値は、二次電池2の劣化を抑えるために、電動機3の駆動中に電池残量が下回った場合には二次電池2の放電を制限して負荷の再駆動を禁止する第一閾値と、二次電池2の充電の過程で電池残量が上回った場合には二次電池2の放電の制限を解除して電動機3の再駆動を可能にする第二閾値と、電池残量が低下していることを電気機器1の使用者に報知する第三閾値と、二次電池2の過放電を防ぐために二次電池2の放電を制限して駆動中の電動機3を停止させる第四閾値と、を含む。
【0078】
電池残量が第一閾値のとき、電池制御部42は、電池メモリ43に駆動制限識別子を書き込む。つまり、二次電池2の負荷駆動制限残量状態とは電池残量が第一閾値以下の二次電池2の状態である。
【0079】
第二閾値は、第一閾値よりも大きい電池残量に設定されている。また、電池残量が第二閾値のとき、電池制御部42は、電池メモリ43に書き込まれた駆動制限識別子を解除する。
【0080】
さらに、電池残量が第三閾値のとき、報知部29は、二次電池2が低残量状態であることを表す報知を行う。つまり、二次電池2の低残量状態とは電池残量が第三閾値以下の二次電池2の状態である。
【0081】
第四閾値は、第一閾値以下の電池残量に設定されている。また、電動機3の駆動中、電池残量が第四閾値に達したとき、本体制御部23は、電動機3の駆動を強制的に停止する制御を行う。
【0082】
なお、電池残量が第四閾値よりも大きい場合、入力部27の操作による駆動停止を行わない限り、引き続き電動機3の駆動は維持される。
【0083】
また、負荷の駆動にともない電池残量が第四閾値に達して、本体制御部23が電動機3の駆動を強制的に停止するより前に、報知部29が二次電池2の残量低下報知を行うことが好ましい。つまり、第三閾値は、第四閾値よりも高い電池残量に設定されている。第三閾値は、第四閾値よりも高い電池残量に設定されていれば、第二閾値よりも高い電池残量に設定されていても良いし(図3A)、第二閾値と同じ電池残量に設定されていても良いし、第一閾値と第二閾値との間の電池残量に設定されていても良いし(図3B)、第一閾値と同じ電池残量に設定されていても良いし、第一閾値と第四閾値との間の電池残量に設定されていても良い(図3C)。つまり、第一閾値と第三閾値との大小関係(上下関係)によって、二次電池2の低残量状態と二次電池2の負荷駆動制限残量状態との包含関係は変わりうる。
【0084】
なお、駆動制限識別子は、第四閾値に係わらず、電池残量が第一閾値に達した場合に電池メモリ43へ書き込まれる。換言すると、第一閾値と第四閾値とは、それぞれ独立して設定される。したがって、電動機3の駆動の停止をするとともに、電池メモリ43へ駆動制限識別子を書き込む処理を同時に行う場合、第四閾値は、図3A図3Bに二点鎖線で示すように第一閾値と同じ電池残量に設定される。
【0085】
図4は、本発明の実施形態に係る二次電池2の電池制御部42の動作を示すフローチャートである。
【0086】
図4に示すように、本実施形態に係る二次電池2の電池制御部42は、電池残量が負荷の駆動を制限すべき低下状態である場合に、電池メモリ43に二次電池2の駆動制限識別子を書き込む。また、電池制御部42は、電池メモリ43に駆動制限識別子が書き込まれている場合に、通信インタフェース8を介して、定期的に制限信号を本体制御部23へ送信する。
【0087】
具体的には、まず、電池制御部42は、二次電池2の初期設定を行う(ステップS1)。
【0088】
続いて、電池制御部42は、電池状態観測部41が観測した電池残量を取得する(ステップS2)。
【0089】
次いで、電池制御部42は、二次電池2が充電中か、充電中ではないか、のいずれかを識別する(ステップS3)。二次電池2が充電中の場合には、電池制御部42は、充電状態識別子を電池メモリ43に書き込む。二次電池2が充電中でない場合には、電池制御部42は、電池メモリ43の充電状態識別子を解除する、または電池メモリ43に充電状態識別子を書き込まない。
【0090】
続いて、電池制御部42は、電池状態観測部41から取得した電池残量から、二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを識別する(ステップS4)。二次電池2が負荷駆動制限残量状態である場合、電池制御部42は、駆動制限識別子を電池メモリ43に書き込む。また、二次電池2が負荷駆動制限残量状態ではなく、かつ電池残量が第二閾値以上である場合、電池制御部42は、電池メモリ43の駆動制限識別子を解除する、または電池メモリ43に駆動制限識別子を書き込まない。具体例を、図5を用いて下記に説明する。
【0091】
図5は、本発明の実施形態に係る二次電池2の電池制御部42の駆動制限識別子の設定(図4・ステップS4)に関する動作を示すフローチャートである。
【0092】
図5に示すように、本発明の実施形態に係る二次電池2の電池制御部42は、電池残量が第一閾値以下であるか否かを判断する(ステップS11)。電池制御部42は、電池残量が第一閾値以下(ステップS11・YES)である場合には、電池メモリ43へ駆動制限識別子を書き込む(ステップS12)。
【0093】
一方、電池制御部42は、電池残量が第一閾値よりも大きい場合(ステップS11・NO)には、電池残量が第二閾値以上であるか否かを判断する(ステップS13)。電池制御部42は、電池残量が第二閾値以上(ステップS13・YES)である場合には、電池メモリ43の駆動制限識別子を初期化して処理を終了する(ステップS14)。駆動制限識別子の初期値は、二次電池2が負荷駆動制限残量状態でないことを表す0値である。すでに電池メモリ43に駆動制限識別子が書き込まれている場合には、電池制御部42は、電池メモリ43の駆動制限識別アドレスを0値に変更する。また、電池メモリ43の駆動制限識別アドレスが0値であった場合には、電池制御部42は、電池メモリ43の駆動制限識別アドレスが0値である状態を維持する。
【0094】
他方、電池制御部42は、電池残量が第二閾値未満(ステップS13・NO)である場合、引き続き、電池メモリ43の駆動制限識別アドレスの値を変更すること無く維持して処理を終了する。具体的には、すでに電池メモリ43の駆動制限識別アドレスが1値であった場合には、電池制御部42は、駆動制限識別子を維持する。または、すでに電池メモリ43の駆動制限識別アドレスが0値であった場合には、電池制御部42は、駆動制限識別子が解除された状態を維持する。
【0095】
電池制御部42は、ステップS2からステップS6を予め定める周期で繰り返す。
【0096】
図4および図5に示す処理とは別に、電池メモリ43に書き込まれる駆動制限識別子の有無に基づいて、電池制御部42は、通信インタフェース8を介して、二次電池2の制限信号を本体制御部23に送信する。
【0097】
電池メモリ43に駆動制限識別子が書き込まれている場合、つまり、電池メモリ43の駆動制限識別アドレスが1値であるとき、電池制御部42は、制限残量信号を本体制御部23に送信する。他方、電池メモリ43に駆動制限識別子が書き込まれていない場合、つまり、電池メモリ43の駆動制限識別アドレスが0値であるとき、電池制御部42は、非制限残量信号を本体制御部23に送信する。例えば、すでに電池制御部42が本体制御部23へ有残量信号の送信を行っている場合、本体制御部23への制限残量信号の送信を停止し、非制限残量信号を送信する。または、本体制御部23へ非制限残量信号の送信を行っている場合、本体制御部23への非制限残量信号の送信を維持する。
【0098】
また、図4および図5に示す処理とは別に、電池制御部42は、電池メモリ43に書き込まれる充電状態識別子の有無に基づいて通信インタフェース8を介して二次電池2の充電状態信号を本体制御部23に送信する。
【0099】
電池メモリ43に充電状態識別子が書き込まれている場合、電池制御部42は、充電状態識別アドレスを1値に変更し、有充電信号を本体制御部23に送信する。他方、電池メモリ43に充電状態識別子が書き込まれていない場合、電池制御部42は、電池メモリ43の充電状態識別子を初期化して処理を終了する。充電状態識別子の初期値は、二次電池2が充電中でないことを表す0値である。換言すると、電池制御部42は、充電識別アドレスを0値に変更し、無充電状態信号を本体制御部23に送信する。
【0100】
図6は、本発明の実施形態に係る本体12の本体制御部23の動作を示すフローチャートである。
【0101】
図6に示すように、本実施形態に係る本体12の本体制御部23は、二次電池2が本体12の電池装着部21に装着されたとき、二次電池2から供給される電力で起動する。この場合、二次電池2の装着時から本体制御部23の駆動までに二次電池2の電池残量の取得を含む処理が行われるため、電気機器1の運転時において、本体制御部23の動作が迅速に行われて応答性が向上する。
【0102】
また、本体制御部23は、入力部27が操作されたとき、二次電池2から供給される電力で起動する。この場合、入力部27が操作されるまで、本体制御部23の駆動に要する電力を抑えることでき、結果として、二次電池2の電力の消耗を低減することができる。
【0103】
起動した本体制御部23は、本体12の初期設定を行う(ステップS21)。この初期設定では、本体メモリ35の初期化が行われる。
【0104】
続いて、本体制御部23は、通信インタフェース8を介して、二次電池2から制限信号を取得し、本体メモリ35に二次電池2が負荷駆動制限残量状態か否かを表す制限状態情報を設定する(ステップS22)。本体制御部23は、二次電池2から制限残量信号を取得したときに「制限あり」の制限状態情報を設定し、非制限残量信号を取得したときに「制限なし」の制限状態情報を設定する。
【0105】
その後、本体制御部23は、通信インタフェース8を介して、二次電池2から充電状態信号を取得し、本体メモリ35に二次電池2が充電状態か否かを表す充電状態情報を設定する(ステップS23)。本体制御部23は、二次電池2から有充電信号を取得したときに「充電あり」の充電状態情報を設定し、無充電信号を取得したときに「充電なし」の充電状態情報を設定する。
【0106】
次いで、本体制御部23は、入力部27の操作を検知すると、入力部27の動作要求を本体メモリ35に設定する(ステップS24)。本体制御部23は、電動機3の駆動を要求しているときに「操作あり」、電動機3の駆動停止を要求しているときに「操作なし」を設定する。
【0107】
なお、説明の便宜のために電動機3の動作状態を「停止」または「運転」のいずれかとして以下の説明をするが、電動機3の動作状態は、電動機3の運転モードを含んでいても良い。つまり、電動機3の動作状態は、「停止」、「強モード運転」、「中モード運転」、および「弱モード運転」のように、2つ以上の運転状態を含んでいても良い。その場合には、入力部27の動作要求は、「操作なし」、「操作あり」に加えて、「強モード操作あり」、「中モード操作あり」、および「弱モード操作あり」のように、運転モードを選択する操作を含んでいることが好ましい。なお、以下の動作状態「運転」と「駆動」は同義である。
【0108】
続いて、本体制御部23は、モータ運転状態制御を実行する(ステップS25)。本体制御部23は、電動機3の動作状態に従って電動機3の駆動を制御する。換言すると、本体制御部23は、電動機3の動作状態に従って二次電池2の放電量を制御する。
【0109】
続いて、本体制御部23は、電池残量に基づく表示状態制御を実行する(ステップS26)。
【0110】
そして、本体制御部23は、ステップS22からステップS26を予め定める周期で繰り返す。
【0111】
図7は、本発明の実施形態に係る本体制御部23のモータ運転状態制御(図6・ステップS25)の内部動作フローである。
【0112】
図7に示すように、本体制御部23は、電動機3の駆動状態、入力部27の動作要求、二次電池2から送信される充電状態信号、および二次電池2から送信される制限信号に基づいて、電動機3の駆動の制御を行う。
【0113】
本体制御部23は、電動機3の駆動状態を判断する(ステップS31)。本体制御部23は、電動機3の駆動状態が「停止」の場合には(ステップS31・YES)、動作要求を判断する処理へ移行する。
【0114】
続いて、本体制御部23は、入力部27の操作によって本体メモリ35に設定された動作要求(図6・ステップS24)の有無を判断する(ステップS32)。本体制御部23は、本体メモリ35の動作要求が「操作あり」の場合には(ステップS32・YES)、二次電池2の充電状態を判断する処理へ移行し、本体メモリ35の動作要求が「操作なし」の場合には(ステップS32・NO)、処理を終了する。
【0115】
次いで、本体制御部23は、電池制御部42から取得する二次電池2の充電状態信号に基づいて本体メモリ35に設定された充電状態情報(図6・ステップS23)により、二次電池2が充電中か、充電中ではないか、のいずれかを判断する(ステップS33)。本体制御部23は、本体メモリ35の充電状態情報が「充電なし」の場合には(ステップS33・NO)、二次電池2が負荷駆動制限残量状態か否かを判断する処理(ステップS34)へ移行し、本体メモリ35の充電状態情報が「充電あり」の場合には(ステップS33・YES)、処理を終了する。
【0116】
続いて、本体制御部23は、電池制御部42から取得する二次電池2の制限信号に基づいて本体メモリ35に設定された制限状態情報(図6・ステップS22)により、二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを判断する(ステップS34)。本体制御部23は、本体メモリ35の制限状態情報が「制限なし」の場合には(ステップS34・NO)、電動機3の駆動を開始(ステップS35)し、本体メモリ35の制限状態情報が「制限あり」の場合には(ステップS34・YES)、処理を終了する。
【0117】
また、ステップS31の駆動状態の判断処理において、電動機3の駆動状態が「駆動」の場合には(ステップS31・NO)、動作要求を判断する処理へ移行する。
【0118】
続いて、本体制御部23は、入力部27の操作によって本体メモリ35に設定された動作要求(図6・ステップS24)の有無を判断する(ステップS36)。本体制御部23は、本体メモリ35の動作要求が「操作なし」の場合には(ステップS36・NO)、二次電池2の充電状態を判断する処理へ移行する。他方、本体制御部23は、本体メモリ35の動作要求が「操作あり」の場合には(ステップS36・YES)、本体メモリ35に電動機3の駆動状態を「停止」に設定し、電動機3の駆動を停止(ステップS39)し、処理を終了する。
【0119】
次いで、本体制御部23は、電池制御部42から取得する二次電池2の充電状態信号に基づいて本体メモリ35に設定された充電状態情報(図6・ステップS23)により、二次電池2が充電中か、充電中ではないか、のいずれかを判断する(ステップS37)。本体制御部23は、本体メモリ35の充電状態情報が「充電なし」の場合には(ステップS37・NO)、二次電池2二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを判断する処理(ステップS38)へ移行する。他方、本体制御部23は、本体メモリ35の充電状態情報が「充電あり」の場合には(ステップS37・YES)、本体メモリ35に電動機3の駆動状態を「停止」に設定し、電動機3の駆動を停止(ステップS39)し、処理を終了する。
【0120】
続いて、本体制御部23は、電池制御部42から取得する二次電池2の制限信号に基づいて本体メモリ35に設定された制限状態情報(図6・ステップS22)により、二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを判断する(ステップS38)。本体制御部23は、本体メモリ35の制限状態情報が「制限あり」の場合には(ステップS38・YES)、電動機3の駆動を停止(ステップS39)し、処理を終了する。
【0121】
図8は、本発明の実施形態に係る本体制御部23と報知部29との関係を示す表示状態制御(図6・ステップS26)の内部動作フローである。
【0122】
図8に示すように、電気機器1は、報知部29を備えている。また、本体12の本体メモリ35は、二次電池2の充電状態信号と、二次電池2の制限信号と、に基づいて設定された、複数の表示パターンを記憶している。
【0123】
また、報知部29は、本体メモリ35に記憶された表示パターンを読み取り、表示パターンに基づいた報知を行う。
【0124】
なお、説明の便宜のため、報知部29はLEDであることを例として説明をする。表示パターンは3種類あり、報知部29は、「表示パターン0」のときにLEDの消灯を、「表示パターン1」のときにLEDの点滅を、「表示パターン2」のときにLEDの点灯を行うとする。
【0125】
まず、本体制御部23は、電池制御部42から取得する二次電池2の充電状態信号に基づいて、二次電池2が充電中か、充電中ではないか、のいずれかを判断する(ステップS41)。本体制御部23は、本体メモリ35の充電状態情報が「充電なし」の場合(ステップS41・NO)、本体メモリ35に「表示パターン0」を設定し(ステップS42)、報知部29を消灯させる。他方、本体制御部23は、本体メモリ35の充電状態情報が「充電あり」の場合(ステップS41・YES)、二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを判断する処理(ステップS43)へ移行する。
【0126】
続いて、本体制御部23は、電池制御部42から取得する二次電池2の制限信号に基づいて、本体メモリ35に設定された制限状態情報(図6・ステップS22)により、二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを判断する(ステップS43)。本体制御部23は、本体メモリ35の制限状態情報が「制限あり」の場合(ステップS43・YES)、本体メモリ35に「表示パターン1」を設定し(ステップS44)、報知部29を点滅させる。
【0127】
他方、本体制御部23は、本体メモリ35の制限状態情報が「制限なし」の場合(ステップS43・NO)、本体メモリ35に「表示パターン2」を設定し(ステップS45)、報知部29を点灯させる。
【0128】
したがって、電気機器1の使用者は、表示状態制御の報知パターンの違いより電池残量を視覚的に判別することができ、結果として、電気機器1の動作を制限されているか否かを知ることができる。
【0129】
以上のように構成される本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器1は、二次電池2から取得した電池残量に基づいて負荷である電動送風機6の駆動の制御を行い、かつ制限信号を受信した場合に電動送風機6の制限を行う。
【0130】
残量が第一閾値以上の第一電池を本体12に装着し、第一閾値未満になるまで電気機器1を稼働する。このとき、第一電池の電池制御部42は、第一電池が負荷駆動制限残量状態であることを判断し、第一電池の電池メモリ(以下、「第一電池メモリ」と呼ぶ。)に駆動制限識別子を書き込み、本体制御部23へ制限信号を送信する。また、本体制御部23は、第一電池の電池制御部42から受信した制限信号に基づいて電動送風機6の動作の制御を行う。そのため、電気機器1は、第一電池メモリに書き込まれる駆動制限識別子によって管理され、二次電池2から充放電に利用する電力を適切に取得できる。
【0131】
続いて、第一閾値よりも大きく、かつ、第二閾値未満の残量になるまで第一電池の充電を行うとする。この場合、引き続き第一電池メモリに駆動制限識別子が設定されており、電池制御部42は、本体制御部23へ制限信号の送信を継続する。したがって、本体制御部23は、第一電池の残量が第二閾値以上になるまで電動送風機6の動作を制限する。
【0132】
その後、残量が第一閾値以下の第一電池を本体12から取り外し、残量が第二閾値以上の第二電池を本体12に装着する。このとき、第二電池の電池制御部42は、第二電池が負荷駆動制限残量状態ではないことを判断し、第二電池の電池メモリ(以下、「第二電池メモリ」と呼ぶ。)に駆動制限識別子を書き込んでいないため、本体制御部23へ制限信号を送信しない。したがって、本体制御部23は、電動送風機6の駆動制限を解除する。その後、電気機器1を稼働し、第二電池の残量が第一閾値よりも大きいときに電気機器1の稼働を停止した場合には、本体制御部23は、電動送風機6の動作を制限しない。したがって、電気機器1は、引き続き稼働可能な状態を維持する。
【0133】
そのような状況下で、第二電池を本体12から取り外し、再び第二閾値未満の残量の第一電池を本体12に装着する。このとき、第一電池メモリには駆動制限識別子が設定されているため、第一電池の電池制御部42は、再び本体制御部23に制限信号を送信する。したがって、本体制御部23は、電動送風機6の駆動の制限を行う。結果として、電気機器1は、電池残量に基づいて適切な駆動制限を行うことが可能となり、二次電池2の交換を許容し、かつ、より異なる残量を有する新たな二次電池2を適切かつ容易に利用することができる。
【0134】
他方、残量が第二閾値以上の第一電池を本体12に装着し、第一閾値より大きく、かつ第二閾値未満になるまで電気機器1を稼働する。このとき、第一電池の電池制御部42は、第一電池が負荷駆動制限残量状態ではないことを判断し、第一電池メモリに駆動制限識別子を書き込まず、本体制御部23へ制限信号を送信しない。また、本体制御部23は、第一電池の電池制御部42から制限信号を受信せず、電動送風機6の駆動を制限しない。したがって、電気機器1は、引き続き稼働可能な状態を維持する。
【0135】
続いて、第一電池を本体12から取り外し、残量が第一閾値よりも大きい第二電池を本体12に装着し、第一閾値以下になるまで電気機器1を稼働する。このとき、第二電池の電池制御部42は、第二電池が負荷駆動制限残量状態であることを識別し、第二電池メモリに駆動制限識別子を書き込み、本体制御部23へ制限信号を送信する。したがって、本体制御部23は、電動送風機6の駆動を制限する。したがって、電気機器1は、稼働できない状態となる。
【0136】
そのような状況下で、第二電池を本体12から取り外し、再び第一閾値よりも大きく、かつ第二閾値未満の残量の第一電池を本体12に装着する。このとき、第一電池メモリには駆動制限識別子が設定されていないため、第一電池の電池制御部42は、本体制御部23に制限信号を送信しない。したがって、本体制御部23は、電動送風機6の動作を制限しない。つまり、電気機器1は、稼働可能な状態となる。このような場合も、電気機器1は、電池残量に基づいて適切な駆動制限を行うことが可能となり、二次電池2の交換を許容し、かつ、より異なる残量を有する新たな二次電池2を適切かつ容易に利用することができる。
【0137】
本実施形態の電気機器1は、第一電池メモリに書き込まれる駆動制限識別子によって電池残量を管理し、二次電池2から本体12へ送信される制限信号に基づいて負荷である電動送風機6の再駆動の可否を判断して、本体12に装着されている二次電池2による負荷の運転可否を適切に判断できる。
【0138】
図9は、本発明の実施形態に係る本体12の本体制御部23の動作を示すフローチャートである。なお、図9の処理において図6の処理と同様の処理には図6と同じステップ番号を付し、繰り返しになる説明は省略する。図9のフローチャートは、図6のフローチャートにおける、本体制御部23が制限信号を取得する処理(ステップS22)の後、かつ本体制御部23が充電状態信号を取得する処理(ステップS23)の前に、電池残量の取得を行う処理(ステップS51)を加えたものである。
【0139】
図9に示すように、本実施形態に係る本体12の本体制御部23は、二次電池2から制限信号を取得し、本体メモリ35に制限状態情報を設定(ステップS22)した後、通信インタフェース8を介して、二次電池2から電池残量を取得する(ステップS51)。
【0140】
次いで、本体制御部23は、順に充電状態信号の取得(ステップS23)、動作要求の実行(ステップS24)を行う。
【0141】
続いて、本体制御部23は、モータ運転状態制御の実行を行う(ステップS25A)。なお、本実施形態における表示状態制御は、ステップS51で取得した電池残量を制御に用いる点で、図6のステップS25と異なる。
【0142】
その後、本体制御部23は、電池残量に基づく表示状態制御を実行する(ステップS26A、ステップS26B)。なお、本実施形態における表示状態制御は、ステップS51で取得した電池電圧を制御に用いる点で、図6のステップS26と異なる。
【0143】
そして、本体制御部23は、ステップS22からステップS26A(ステップS26B)を予め定める周期で繰り返す。
【0144】
なお、本実施形態における表示状態制御の処理には第三閾値が用いられる。具体的には、電池残量が第三閾値に達したとき、本体制御部23は、二次電池2の低残量状態を使用者に報知するために、報知部29の制御を行う。報知部29の制御は、例えばLEDの点灯、点滅、消灯による報知の制御である。
【0145】
図10は、本発明の実施形態に係る本体制御部23と報知部29との関係を示す表示状態制御(図9・ステップS26A)の内部動作フローである。なお、図10の処理において図8の処理と同様の処理には図8と同じステップ番号を付す。
【0146】
図10の表示状態制御は、図8の表示状態制御における本体制御部23が充電状態の判断処理で「充電あり」であった場合(ステップS41・YES)、二次電池2の充電状態の判断処理の後に、本体制御部23の駆動状態の判断処理(ステップS61)と、測定によって取得した電池残量と第三閾値との大小を比較する処理(ステップS62)を加えたものである。
【0147】
図10に示すように、本実施形態に係る電気機器1の本体メモリ35は、二次電池2の充電状態信号に基づく充電状態情報と、二次電池2の制限信号に基づく制限状態情報と、電池残量と第三閾値との比較と、電動機3の駆動状態と、に基づいて設定された、複数の表示パターンを記憶している。
【0148】
本実施形態に係る報知部29の表示パターンは4種類あり、報知部29は、「表示パターン0」のときにLEDの消灯を、「表示パターン1」のときにLEDの低速点滅を、「表示パターン2」のときにLEDの点灯を、「表示パターン3」のときにLEDの高速点滅を行うとする。
【0149】
本体制御部23は、二次電池2の充電状態の判断処理で「充電なし」であった場合(ステップS41・NO)、電動機3の駆動状態を判断する(ステップS61)。本体制御部23は、電動機3の駆動状態が「停止」の場合には(ステップS61・NO)、本体メモリ35に「表示パターン0」を設定し(ステップS42)、報知部29を消灯させる。他方、本体制御部23は、電動機3の駆動状態が「駆動」の場合には(ステップS61・YES)、二次電池2の電池残量と第三閾値との大小を比較する処理(ステップS62)へ移行する。
【0150】
続いて、本体制御部23は、図9のステップS51で電池残量が第三閾値以下であるか否かを判断する(ステップS62)。本体制御部23は、取得した電池残量が第三閾値以下でない場合(ステップS62・NO)、本体メモリ35に「表示パターン0」を設定し(ステップS42)、報知部29を消灯させる。他方、本体制御部23は、電池残量が第三閾値以下である場合(ステップS62・YES)、本体メモリ35に「表示パターン3」を設定し(ステップS63)、報知部29を高速点滅させる。
【0151】
一方、本体制御部23は、二次電池2の充電状態の判断処理で「充電あり」(ステップS41・YES)、かつ二次電池2の負荷駆動制限残量状態の判断処理で「制限あり」であった場合(ステップS43・YES)、本体メモリ35に「表示パターン1」を設定し(ステップS64)、報知部29を低速点滅させる。
【0152】
したがって、電気機器1の使用者は、表示状態制御の報知パターンの違いより電池残量を視覚的に判別することができ、結果として、電気機器1の動作制限の有無、または二次電池2の残量低下の有無を知ることができる。
【0153】
以上のように構成される本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器1は、電池残量が第一閾値よりも大きい第三閾値以下である場合に、二次電池2が低残量状態であることを報知する報知部29を備えている。つまり、電気機器1は、電池残量と第三閾値との比較判断を表示状態制御(ステップS26)に取り入れても良い。そのため、電気機器1は、電気機器1の駆動により電池残量が低下した際、電動機3の駆動を制限する前後に、報知部29から電池残量の低下を報知して電動機3の再駆動の制限を予見させて、二次電池2が電池切れに近しい状態であることを使用者に把握させることができる。
【0154】
また、電気機器1は、二次電池2から本体制御部23へ所定の周期で制限信号を受信し、本体側に設けられ、かつ電池残量が第一閾値よりも大きい第三閾値以下である場合に、二次電池2が低残量状態であることを報知する報知部29を備えている。つまり、二次電池2は、報知部29を備える必要がない。そのため、二次電池2の小型化、軽量化を図ることができる。したがって、使用者は、二次電池2の交換を容易に行うことが可能となる。また、報知部29の製造に係るコストの削減を図ることもできる。
【0155】
図11は、本発明の実施形態に係る本体制御部23のモータ運転状態制御(図9・ステップS25A)の内部動作フローである。なお、図11の処理において図6の処理と同様の処理には図6と同じステップ番号を付し、繰り返しになる説明は省略する。
【0156】
図11のモータ運転状態制御は、図6のモータ運転状態制御における二次電池2が負荷駆動制限残量状態か否かを判断する処理(ステップS34)を、電池残量と第四閾値との大小を比較する処理(ステップS71)に置換したものである。
【0157】
図11に示すように、本体制御部23は、電動機3の駆動状態、入力部27の動作要求、二次電池2から送信される充電状態信号、および電池残量と第四閾値との大小の比較に基づいて、電動機3の駆動の制御を行う。
【0158】
したがって、図11に示す表示状態制御の処理は、第四閾値を用いる。具体的には、電池残量が第四閾値に達したとき、本体制御部23は、電池制御部42から電動機3への電力の供給を停止する。したがって、電動機3は、再駆動が不可の状態となる。このとき、電池残量は既に第一閾値に達しており、本体制御部23は、電池制御部42から制限残量信号を受信している。そのため、本体制御部23は、制限残量信号を受信している間は電動機3の再駆動が不可の状態を継続する。結果として、電気機器1は二次電池2から非制限残量信号を受信するまで再度運転を行うことができない。
【0159】
本体制御部23は、駆動状態が「停止」し(ステップS31・YES)、動作要求が「操作あり」(ステップS32・YES)、充電状態情報が「充電なし」(ステップS33・NO)である場合、図9のステップS51で二次電池2から取得した電池残量が第四閾値以下であるか否かを判断する(ステップS71)。本体制御部23は、電池残量が第四閾値以下でない場合(ステップS71・NO)、本体メモリ35に電動機3の駆動状態を「駆動」に設定し、電動機3の駆動を開始(ステップS35)し、処理を終了する。他方、本体制御部23は、電池残量が第四閾値以下である場合(ステップS71・YES)、電動機3の駆動状態が「停止」である状態を維持して処理を終了する。
【0160】
他方、本体制御部23は、駆動状態が「駆動」し(ステップS31・NO)、動作要求が「操作なし」(ステップS36・NO)、充電状態情報が「充電なし」(ステップS37・NO)である場合、図9のステップS51で二次電池2から取得した電池残量が第四閾値以下であるか否かを判断する(ステップS72)。本体制御部23は、電池残量が第四閾値以下である場合(ステップS72・YES)、電動機3の駆動を停止(ステップS39)し、処理を終了する。他方、本体制御部23は、電池残量が第四閾値以下である場合(ステップS72・NO)、電動機3の駆動状態が「駆動」である状態を維持して処理を終了する。
【0161】
以上のように構成される本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器1は、電池残量が第一閾値よりも小さい第四閾値以下である場合に、本体制御部23によって負荷の駆動を停止する。つまり、電池残量が第四閾値に達したとき、電気機器1は、二次電池2が電池切れであると判断して負荷の駆動を停止する。そのため、二次電池2の過放電を防ぐことが可能となる。
【0162】
図12は、本発明の実施形態に係る本体制御部23と報知部29との関係を示す表示状態制御の内部動作フローである。図12は、図9の表示状態制御(ステップS26B)に相当するものである。
【0163】
図12の表示状態制御は、図10の表示状態制御における電池残量と第三閾値との大小を比較する処理(ステップS62)を、二次電池2の負荷駆動制限残量状態を判断する処理(ステップS81)に置換したものである。なお、図12の処理において図10の処理と同様の処理には図10と同じステップ番号を付し、繰り返しになる説明は省略する。また、図12の処理では、図10および図11の処理にあった電池残量を用いる本体制御部23の制御がない。
【0164】
図12に示すように、本体12の本体メモリ35は、二次電池2の充電状態信号に基づく充電状態情報と、二次電池2の制限信号に基づく制限状態情報と、電池残量と第三閾値との比較と、電動機3の駆動状態と、に基づいて設定された、複数の表示パターンを記憶している。
【0165】
本実施形態に係る報知部29の表示パターンは4種類あり、報知部29は、「表示パターン0」のときにLEDの消灯を、「表示パターン1」のときにLEDの低速点滅を、「表示パターン2」のときにLEDの点灯を、「表示パターン3」のときにLEDの高速点滅を行うとする。
【0166】
本体制御部23は、充電状態情報が「充電なし」(ステップS41・NO)、かつ電動機3の駆動状態が「駆動」の場合には(ステップS61・YES)、二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを判断する処理(ステップS81)へ移行する。
【0167】
次いで、本体制御部23は、電池制御部42から取得する二次電池2の制限信号に基づいて、本体メモリ35に設定された制限状態情報(図9・ステップS22)により、二次電池2が負荷駆動制限残量状態であるか否かを判断する(ステップS81)。本体制御部23は、本体メモリ35の制限状態情報が「制限なし」の場合(ステップS81・NO)、本体メモリ35に「表示パターン0」を設定し(ステップS42)、報知部29の消灯を行う。他方、本体制御部23は、本体メモリ35の制限状態情報が「制限あり」の場合(ステップS81・YES)、本体メモリ35に「表示パターン3」を設定し(ステップS63)、報知部29の高速点滅を行う。
【0168】
また、本体制御部23は、ステップS41の充電状態の判断処理で「充電あり」である場合(ステップS41・YES)、図10における表示状態制御と同様の処理を行う(ステップS43)。
【0169】
したがって、電気機器1の使用者は、表示状態制御の報知パターンの違いより電池残量を視覚的に判別することができ、結果として、電気機器1の動作制限の有無、または二次電池2の残量低下の有無を知ることができる。
【0170】
なお、上記において、図9に示す本体制御部23の動作は、図10に示すモータ運転状態制御(ステップS25A)と図11に示す表示状態制御(ステップS26A)とを組み合わせたものとして説明を行ったが、図7に示すモータ運転状態制御(ステップS25)と図11に示す表示状態制御(ステップS26A)とを組み合わせ、または、図10に示すモータ運転状態制御(ステップS25A)と図8に示す表示状態制御(ステップS26)とを組み合わせてもよい。また、図11に示す表示状態制御(ステップS26A)を図12に示す表示状態制御(ステップS26B)に置き換えてもよい。
【0171】
以上のように構成される本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器1は、二次電池2の充電中に、二次電池2から制限信号を受信し、二次電池2から制限残量信号を受信した場合には報知部29に第一報知を実行させ、二次電池2から制限残量信号を受信していない場合、つまり、二次電池2から非制限残量信号を受信したときには報知部29に第一報知と異なる第二報知態を行わせる。つまり、二次電池2の充電中に電池残量が第二閾値以上となった場合、電池メモリ43に二次電池2が負荷駆動制限残量状態でないことが識別され、本体メモリ35に書き込まれた駆動制限識別子を解除し、駆動制限識別子の解除に伴って報知部29の報知パターンを変える。したがって、使用者は、報知部29の表示パターンの変化によって電気機器1の動作制限が行われているか否かを視覚的に知ることができる。
【0172】
さらに、電気機器1は、二次電池2の充電状態情報と、二次電池2の制限状態情報と、電動機3の駆動状態と、に加えて電池残量と第四閾値との比較判断を取り入れることにより、二次電池2の残量状態を詳細に管理することができ、二次電池2の交換を許容し、かつ、より異なる残量状態である新たな二次電池2を適切かつ容易に利用することができる。
【0173】
また、電気機器1は、本体12に報知部29を備えている。そのため、報知部29を本体12に備えることで二次電池2側に報知部29を備える必要がなくなり、二次電池2の小型化、軽量化を図ることができる。したがって、使用者は、二次電池2の交換を容易に行うことが可能となる。また、報知部29の製造に係るコストの削減を図ることもできる。
【0174】
さらに、負荷への電力供給の有無に係わらず、電気機器1は、所定の周期で充電状態信号または制限信号を送信し、電池残量を判断し、電池残量に基づき負荷である電動送風機6を制御する。そのため、二次電池2と電気機器1との間の通信の制約や規約に係わらず、充電状態信号または制限信号を適切に受信することが可能であり、かつ従来の二次電池よりも迅速に充電状態信号または制限信号を受信することができ、充電状態信号または制限信号の取得に要する時間の無用な拡大を容易に防ぐことができ、電動送風機6を迅速に指導することができる。
【0175】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0176】
1…電気機器、2…二次電池、3…電動機、5…電気掃除機、6…電動送風機、8…通信インタフェース、11…把手、12…本体、15…延長管、16…吸込口体、17…本体ケース、17a…前部、17b…中央部、17c…後部、19…塵埃分離集塵部、21…電池装着部、22…充電端子、23…本体制御部、25…本体接続口、27…入力部、28…記憶装置(本体)、29…報知部、31…吸込口、32…回転清掃体、33…電動機、35…本体メモリ、41…電池状態観測部、42…電池制御部、43…電池メモリ、44…素電池、51…充電器
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池パックと、
前記二次電池パック使用者が交換可能な本体と、
前記二次電池パックと前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、を備え、
前記二次電池パックは、
読み書き可能な電池メモリと、
前記二次電池パックの残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態であることを記憶させ、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、
前記本体は、
前記二次電池パックの電力で駆動する負荷と、
前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池パックの残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備える電池交換可能な電気機器。
【請求項2】
前記本体制御部は、前記負荷の駆動開始前に前記制限残量信号を受信した場合に再駆動をしない請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項3】
前記本体制御部は、前記制限残量信号を受信した場合に駆動を停止する請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項4】
前記電池制御部が前記電池メモリに前記低下状態であることを記憶させる前記二次電池パックの残量を第一閾値とし、
前記二次電池パックの残量が前記第一閾値と異なる第三閾値以下である場合に、前記二次電池パックが低残量状態であることを報知する報知部を備える請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項5】
前記本体制御部が前記制限残量信号を受信した場合には、前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを報知する報知部を備える請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項6】
前記本体制御部は、前記二次電池パックの残量が、前記第一閾値以下に設定される第四閾値以下である場合に前記負荷の駆動を停止する請求項1または5に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項7】
前記報知部は、前記本体に設けられる請求項4または5に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項8】
前記電池制御部が前記電池メモリに前記低下状態であることを記憶させる残量を第一閾値とし、前記電池制御部は、前記二次電池パックの残量が、前記第一閾値よりも大きい第二閾値以上である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態でないことを記憶させ、かつ前記電池メモリに前記低下状態でないことが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態でないことを表す非制限残量信号を前記本体制御部に送信する請求項1または5に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項9】
二次電池パックと、
前記二次電池パック使用者が交換可能な本体と、
前記二次電池パックと前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、
前記二次電池パックの状態を報知する報知部と、を備え、
前記二次電池パックは、
読み書き可能な電池メモリと、
前記二次電池パックの残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態であることを記憶させ、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、
前記本体は、
前記二次電池パックの電力で駆動する負荷と、
前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池パックの残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備え、
前記本体制御部は、前記二次電池パックの充電中に前記二次電池パックから前記制限残量信号を受信した場合には前記報知部に第一報知を実行させ、前記二次電池パックから前記制限残量信号を受信していない場合には前記報知部に前記第一報知と異なる第二報知態を行わせる電池交換可能な電気機器。
【請求項10】
前記電池制御部が前記電池メモリに前記低下状態であることを記憶させる残量を第一閾値とし、前記電池制御部は、前記二次電池パックの残量が、前記第一閾値よりも大きい第二閾値以上である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態でないことを記憶させ、かつ、前記電池メモリに前記低下状態でないことが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが低残量でないことを表す非制限残量信号を前記本体制御部に送信する請求項9に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項11】
前記報知部は、前記本体に設けられる請求項9または10の電池交換可能な電気機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
例えば、残量が第二電圧よりも大きい第一の二次電池(以下、「第一電池」と呼ぶ。)を本体に装着し、第一電圧以下になるまで電気掃除機を稼働し、その後、第一電圧より大きく、かつ、第二電圧未満の残量になるまで第一電池の充電を行うとする。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、第二電圧以上になるまで電動送風機の動作を制限する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
続いて、第一電池を本体から取り外し、残量が第二電圧以上の第二の二次電池(以下、「第二電池」と呼ぶ。)を本体に装着する。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作制限を解除する。その後、電気掃除機を稼働し、第二電池の残量が第一電圧よりも大きいときに電気掃除機の稼働を停止した場合には、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限しない。したがって、電気掃除機は、引き続き稼働可能な状態を維持する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そのような状況下で、第二電池を本体から取り外し、再び第二電圧未満の残量の第一電池を本体に装着する。このとき、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限しておらず、電気掃除機は、引き続き稼働可能な状態を維持している。つまり、従来の電気掃除機では、二次電池を単純に交換可能にしてしまうと、本来は電動送風機の稼働を制限するべき残量の第一電池が本体に装着されている状況で、電気掃除機が稼働してしまう。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
他方、残量が第二電圧以上の第一電池を本体に装着し、第一電圧よりも大きく、かつ、第二電圧未満になるまで電気掃除機を稼働するとする。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限しない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
続いて、第一電池を本体から取り外し、残量が第一電圧よりも大きい第二電池を本体に装着し、第一電圧以下になるまで電気掃除機を稼働する。この場合、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作を制限する。したがって、電気掃除機は、稼働できない状態となる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
そのような状況下で、第二電池を本体から取り外し、再び第一電圧よりも大きく、かつ第二電圧未満の残量の第一電池を本体に装着する。このとき、従来の電気掃除機の動作制御部は、電動送風機の動作制限ており、電気掃除機は、稼働できない状態である。つまり、従来の電気掃除機では、二次電池を単純に交換可能にしてしまうと、本来は電動送風機の稼働を制限が解除されているべき残量の第一電池が本体に装着されている状況で、電気掃除機が稼働できない。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器は、二次電池パックと、前記二次電池パック使用者が交換可能な本体と、前記二次電池パックと前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、を備え、前記二次電池パックは、読み書き可能な電池メモリと、前記二次電池パックの残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態であることを記憶させ、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、前記本体は、前記二次電池パックの電力で駆動する負荷と、前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池パックの残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備える。また、前記電気機器は、二次電池パックと、前記二次電池パックを使用者が交換可能な本体と、前記二次電池パックと前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、前記二次電池パックの状態を報知する報知部と、を備え、前記二次電池パックは、読み書き可能な電池メモリと、前記二次電池パックの残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態であることを記憶させ、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、前記本体は、前記二次電池パックの電力で駆動する負荷と、前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池パックの残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備え、前記本体制御部は、前記二次電池パックの充電中に前記二次電池パックから前記制限残量信号を受信した場合には前記報知部に第一報知を実行させ、前記二次電池パックから前記制限残量信号を受信していない場合には前記報知部に前記第一報知と異なる第二報知態を行わせる。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池パックと、
前記二次電池パックを使用者が交換可能な本体と、
前記二次電池パックと前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、を備え、
前記二次電池パックは、
読み書き可能な電池メモリと、
前記二次電池パックの残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態であることを記憶させ、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、
前記本体は、
前記二次電池パックの電力で駆動する負荷と、
前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池パックの残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備え
前記電池制御部は、
前記二次電池パックの残量が第一閾値以下に低下した場合には前記電池メモリに前記低下状態であることを識別する識別子を記憶させる一方、前記二次電池パックの残量が前記第一閾値よりも大きい第二閾値以上に上昇した場合には前記電池メモリに前記低下状態でないことを識別するよう前記識別子を変化させ、
かつ前記識別子が前記低下状態であることを識別している場合には前記制限残量信号を、前記通信インタフェースを介して前記本体制御部へ送信し、前記識別子が前記低下状態でないことを識別している場合には前記二次電池パックが前記負荷駆動制限残量状態でないことを表す非制限残量信号を、前記通信インタフェースを介して前記本体制御部へ送信する電池交換可能な電気機器。
【請求項2】
前記本体制御部は、前記負荷の駆動開始前に前記制限残量信号を受信した場合に再駆動をしない請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項3】
前記本体制御部は、前記制限残量信号を受信した場合に駆動を停止する請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項4】
前記電池制御部が前記電池メモリに前記低下状態であることを記憶させる前記二次電池パックの残量を第一閾値とし、
前記二次電池パックの残量が前記第一閾値と異なる第三閾値以下である場合に、前記二次電池パックが低残量状態であることを報知する報知部を備える請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項5】
前記本体制御部が前記制限残量信号を受信した場合には、前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを報知する報知部を備える請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項6】
前記本体制御部は、前記二次電池パックの残量が、前記第一閾値以下に設定される第四閾値以下である場合に前記負荷の駆動を停止する請求項1または5に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項7】
前記報知部は、前記本体に設けられる請求項4または5に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項8】
記二次電池パックの状態を報知する報知部を備え、
記本体制御部は、前記二次電池パックの充電中に前記二次電池パックから前記制限残量信号を受信した場合には前記報知部に第一報知を実行させ、前記二次電池パックから前記制限残量信号を受信していない場合には前記報知部に前記第一報知と異なる第二報知態を行わせる請求項1に記載の電池交換可能な電気機器。
【請求項9】
前記報知部は、前記本体に設けられる請求項8に記載の電池交換可能な電気機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電池交換可能な電気機器は、二次電池パックと、前記二次電池パックを使用者が交換可能な本体と、前記二次電池パックと前記本体との間の通信を確立する通信インタフェースと、を備え、前記二次電池パックは、読み書き可能な電池メモリと、前記二次電池パックの残量が低下状態である場合に、前記電池メモリに前記二次電池パックの残量が低下状態であることを記憶させ、かつ前記電池メモリに前記低下状態であることが記憶されている場合に前記通信インタフェースを介して本体側へ前記二次電池パックが負荷駆動制限残量状態であることを表す制限残量信号を送信する電池制御部と、を備え、前記本体は、前記二次電池パックの電力で駆動する負荷と、前記通信インタフェースを介して受信する前記二次電池パックの残量に基づいて前記負荷の駆動の制御を行い、かつ前記制限残量信号を受信した場合に前記負荷の駆動を制限する本体制御部と、を備え、前記電池制御部は、前記二次電池パックの残量が第一閾値以下に低下した場合には前記電池メモリに前記低下状態であることを識別する識別子を記憶させる一方、前記二次電池パックの残量が前記第一閾値よりも大きい第二閾値以上に上昇した場合には前記電池メモリに前記低下状態でないことを識別するよう前記識別子を変化させ、かつ前記識別子が前記低下状態であることを識別している場合には前記制限残量信号を、前記通信インタフェースを介して前記本体制御部へ送信し、前記識別子が前記低下状態でないことを識別している場合には前記二次電池パックが前記負荷駆動制限残量状態でないことを表す非制限残量信号を、前記通信インタフェースを介して前記本体制御部へ送信する。