(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104565
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】コンデンサ、およびコンデンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/224 20060101AFI20240729BHJP
H01G 9/10 20060101ALI20240729BHJP
H01G 2/10 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H01G4/32 301F
H01G9/10
H01G9/10 D
H01G2/10 D
H01G2/10 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008855
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】松村 紀明
(72)【発明者】
【氏名】近沢 嘉裕
(72)【発明者】
【氏名】西川 裕二
(72)【発明者】
【氏名】松下 拓未
【テーマコード(参考)】
5E082
【Fターム(参考)】
5E082AB04
5E082BC38
5E082HH02
5E082HH03
5E082HH12
5E082HH14
5E082MM21
5E082MM28
(57)【要約】
【課題】生産性を向上させたコンデンサを実現する。
【解決手段】コンデンサ(1)であって、一対の電極(12)と、一対の電極間に位置する基材フィルム(11)とを含む容量素子(10)を少なくとも1つと、コンデンサにおいて容量素子をコンデンサの上面から離間させる位置固定部(41)と、容量素子の周囲を覆うように成型された容器(40)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサであって、
一対の電極と、前記一対の電極間に位置する誘電体とを含む容量素子を少なくとも1つと、
前記コンデンサにおいて前記容量素子を前記コンデンサの上面から離間させるスペーサと、
前記容量素子の周囲を覆うように成型された樹脂と、を備えたコンデンサ。
【請求項2】
前記スペーサは、前記容量素子の前記コンデンサにおける位置を決める、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記容量素子を収容する絶縁体の容器をさらに備える、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記スペーサは、前記容器の一部である、請求項3に記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記容器を収容する筐体をさらに備え、
上記樹脂は、前記筐体の内部において前記容器をも覆う、請求項3に記載のコンデンサ。
【請求項6】
前記筐体は、金属である、請求項5に記載のコンデンサ。
【請求項7】
前記容量素子の比重は、前記樹脂の比重よりも小さい、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項8】
コンデンサの製造方法であって、
一対の電極と、前記一対の電極間に位置する誘電体とを含む容量素子を構成する工程と、
前記コンデンサにおいて、前記容量素子を前記コンデンサの上面から離間させるスペーサを配置する工程と、
前記容量素子の周囲を覆うように樹脂を成型する工程と、を含むコンデンサの製造方法。
【請求項9】
前記容量素子を、絶縁体の容器に挿入する工程をさらに含む、請求項8に記載のコンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサは、電極と誘電体とから構成された容量素子を防護する目的で、樹脂によって封止されることが一般的である。容量素子の比重は、樹脂の比重よりも小さいために、一度で樹脂を注型すると樹脂に対し容量素子が浮き上がってしまう。そのために、電極が露出することがあり、コンデンサとしての絶縁性が保てなくなる。
【0003】
また、容量素子が樹脂で覆われていない部分があると、大気中の水分がコンデンサ内部に侵入し、コンデンサとしての特性が低下することが考えられる。
【0004】
そこで、特許文献1には、複数回に分けて注型することで樹脂封止を行い、絶縁性に加え、気泡が入り込まず、耐湿特性の優れたコンデンサを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来技術は、樹脂封止のための注型を複数回に分けて行うため、生産性が悪い問題がある。
【0007】
本発明の一態様は、生産性を向上させたコンデンサを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るコンデンサは、コンデンサであって、一対の電極と、前記一対の電極間に位置する誘電体とを含む容量素子を少なくとも1つと、前記コンデンサにおいて前記容量素子を前記コンデンサの上面から離間させるスペーサと、前記容量素子の周囲を覆うように成型された樹脂と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、生産性が高いコンデンサを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係るコンデンサの構造を示す側面断面図である。
【
図2】実施形態1に係るコンデンサの構造を示す平面図である。
【
図4】実施形態1に係るコンデンサ1の製造方法を示す図である。
【
図5】実施形態2に係るコンデンサの構造を示す側面断面図である。
【
図6】実施形態2に係るコンデンサの構造を示す平面図である。
【
図7】実施形態3に係るコンデンサの構造を示す側面断面図である。
【
図8】実施形態3に係るコンデンサの構造を示す平面図である。
【
図9】実施形態4に係るコンデンサの構造を示す側面断面図である。
【
図10】参考例に係るコンデンサの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0012】
(参考例)
実施形態の説明に先立ち、参考例として、複数回の注型を行うコンデンサの製造方法に関して説明する。
図10は、参考例に係るコンデンサ100の製造方法を示す図である。
【0013】
図10に示すように、参考例では、コンデンサ100を製造するに際し、三工程で製造を行っている。一工程目では、筐体20に筐体20の底面を覆う程度の第一樹脂31を注型し、硬化する。第一樹脂31によって、一対の電極および誘電体を含んだ容量素子10が筐体20の底面へ接触することを防止する。
【0014】
次に、二工程目では、容量素子10を第一樹脂31の上に配置し、第二樹脂32を容量素子10が固定される高さ分だけ注型し、硬化する。第二樹脂によって、容量素子10の筐体20の側面への接触を防止し、次の工程で容量素子10が浮くのを防止する。
【0015】
最後に三工程目では、容量素子10を完全に封止するまで第三樹脂33を注型し、硬化する。これにより、容量素子10の周囲を樹脂で覆いきり、絶縁性と耐湿性を担保している。
【0016】
したがって、参考例では三工程にわかれて生産しているため、生産性が悪い。そのため、本実施形態では、この課題を解決する。
【0017】
(コンデンサ1の構造)
図1は、実施形態1に係るコンデンサ1の構造を示す側面断面図である。
図1においては、樹脂30を透過して、他の部材の構造を描いている。
図2は、実施形態1に係るコンデンサ1の構造を示す平面図である。なお、
図2での平面図では、樹脂30を透過して、内部の構成部材も記載している。また、以降の平面図に関しても同様である。
【0018】
コンデンサ1は、筐体20と、容器40と、樹脂30と、容量素子10と、電線50と、を備える。なお、
図2および3においては、コンデンサ1の製造に用いる押さえ具60も合わせて図示されている。
【0019】
容量素子10は、コンデンサとしての電気的性能を発揮する素子部である。容量素子10は、円筒状の形状をしており、詳細は後述する。なお、容量素子10は、コンデンサ1に対し少なくとも1つあればよい。
【0020】
筐体20は、樹脂製または金属製の一面が開口となった円筒である。筐体20の底面は閉じている。筐体20は円筒に限定されず、一面が開口となった容器であってもよい。
【0021】
容器40は、樹脂などの絶縁体で形成された一面が開口となった円筒である。容器40は、筐体20に収容でき、かつ容器40は容量素子10を収容できるようになっている。ここでは、容器40の底面は閉じているが、容量素子10の底面と筐体20との間で絶縁距離を確保すれば、容器40の底面が開口になっていてもよい。容器40は、円筒に限定されず、一面が開口となった容器であればよい。また、容器40は、後述する位置固定部41(スペーサ)が形成されている。
【0022】
樹脂30は、容量素子10の周囲を覆うように成型された樹脂であって、容量素子10の絶縁性と耐湿性を担保する。樹脂30としてはエポキシ樹脂などが挙げられるが、これに限定されない。
【0023】
(容量素子10)
図3は、容量素子10の構造を示す模式図である。容量素子10は、コンデンサの電気的性能を発揮する素子部分である。ここでは、巻き芯16に電極を巻き取った構造の容量素子に関して説明するが、これに限定されない。例えば、積層型の容量素子であってもよい。
【0024】
容量素子10は、誘電体である基材フィルム11に対し、電極12を蒸着させた金属蒸着フィルム13である。巻き芯16は、金属蒸着フィルム13を2枚重ねた状態で巻き取る。つまり、容量素子10は、一対の電極12と、一対の電極12間に位置する基材フィルム11と、を含む。
【0025】
ここで、金属蒸着フィルム13は、長辺側の一辺は電極12が蒸着しておらず、基材フィルム11が露出している(露出部13a)。一対の金属蒸着フィルム13は、この露出部13aが重ならないように、互い違いにした状態で重なる。
【0026】
一対の金属蒸着フィルム13を巻き芯16に巻き取った巻体15を形成し、巻体15の両端面を溶射金属(メタリコン)14で固める。これにより、溶射金属14の部分が容量素子10の一対の電極部分となる。ここで、容量素子10は、金属蒸着フィルムコンデンサ素子となっている。溶射金属14で巻体15の両端面を固めるために、電極12間での短絡を防ぐ目的で露出部13aが必要になる。
【0027】
電線50は、コンデンサ1の端子であり、一端が溶射金属14に接続されており、他端が開放されている。電線50は、電線に加えて、防護用の樹脂パイプで電線を覆ってもよい。
【0028】
(位置固定部41)
位置固定部41は、容器40に形成された部位であり、つまり位置固定部41は容器40の一部である。容器40は側面の対向する二箇所において、円周方向の一部分に二本ずつ切り込みが入れられている。該切り込みの下側は、容量素子10の高さ以上の高さに位置する。該切込みの上側は、なくてもよく、つまり対向する二箇所における切込みは一本ずつでもよい。
【0029】
容器40に容量素子10を挿入した状態で、該切り込みの間の箇所を押し込んで内側に折り曲げることにより、位置固定部41とする。コンデンサ1を平面視した際に、位置固定部41は、容量素子10にオーバラップ(
図2参照)し、容量素子10の上下動を抑制し、コンデンサ1における容量素子10の位置を決める。つまり、位置固定部41は、コンデンサ1において、容量素子10をコンデンサ1の上面から離間させるスペーサである。ここで、コンデンサ1の上面とは、容器40および筐体20の中に充満した、樹脂30で封止された表面のことである。つまり、コンデンサ1の上面は、容器40および筐体20の上面における開口の高さである必要はない。ただし、コンデンサ1の絶縁性および耐湿性を担保するために容量素子10の上方は樹脂30で覆われている必要がある。
【0030】
(コンデンサ1の製造方法)
図4は、実施形態1に係るコンデンサ1の製造方法を示す図である。
図4に示すように、実施形態1では、コンデンサ1を製造するに際し、四工程で製造を行っている。
【0031】
まず、巻き芯16に対して金属蒸着フィルム13を巻き取った巻体15の両端を溶射金属14で固め、容量素子10を構成する。
【0032】
コンデンサ1は、筐体20に容器40を収容し、容器40に容量素子10を収容(挿入する)し、押さえ具60を容器40に設置する。押さえ具60は、筐体20に対する容器40の上下動を抑制するものであり、例えば押さえ具60は錘であってもよい。
【0033】
その後、容器40における位置固定部41を内側に折り返し、容器40に対する、容量素子10の上下動を抑制する。
【0034】
その後、一度の処理によって、筐体20および容器40に対し樹脂30を注型する。この際、容量素子10の比重は樹脂30の比重より小さいため、容量素子10は浮き上がろうとするが、容量素子10は容器40に対して、位置固定部41によって上下動が抑制されている。また、容器40は、筐体20に対して押さえ具60によって上下動が抑制されている。したがって、容量素子10は、筐体20に対して上下動が抑制されている。
【0035】
そのため、容量素子10を覆う高さまで樹脂30を注型しても、容量素子10が浮き上がることがない。この状態で樹脂30を硬化させる。この結果、容量素子10の周囲は樹脂30によって覆われており、容量素子10の絶縁性および耐湿性は担保することができる。
【0036】
なお、樹脂30は、位置固定部41の切り込みを通して、容器40の外側かつ筐体20の内側に漏れだしていき、筐体20も樹脂30によって満たされる。その後、樹脂30は、容器40とともに合わせて硬化される。
【0037】
なお、樹脂30を注型している際に、押さえ具60で塞がっていない、容器40の上面からガスが適宜ぬけていく。また、樹脂30の注型は、真空注型装置を用いて注型してもよい。この場合、硬化された樹脂30の内部に気泡等が入りこむことを防止することができ、耐湿性が高いコンデンサ1を製造することができる。
【0038】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
図5は、実施形態2に係るコンデンサ2の構造を示す側面断面図である。
図6は、実施形態2に係るコンデンサ2の構造を示す平面図である。コンデンサ2は、筐体20と、容器40と、樹脂30と、容量素子10と、電線50と、位置固定具70(スペーサ)とを備える。つまり、実施形態1に係るコンデンサ1では、位置固定部41が容器40の一部であったが、実施形態2に係るコンデンサ2では、容器40と異なる部材である位置固定具70を備える。
【0040】
容器40には切り込み等がなくてもよく、ただの樹脂製の容器である。そのため、容器40は位置固定部41を含まない。位置固定具70は、スリット71と、位置決め部72とを備える。スリット71は、容器40の上面と位置固定具70の下面とが勘合する位置に凹状に形成されたスリットであり、スリット71でもって位置固定具70は容器40に固定できる。スリット71が形成されている部位は、円環状に形成されている。
【0041】
位置決め部72は、スリット71が形成された円環の中心を通り、対向する二箇所を橋渡しするような形状の中央に位置する。位置決め部72は、容量素子10の巻き芯16の位置を決める部材であり、巻き芯16に入り込む爪が突出しており、その中央に穴があいている。巻き芯16は該爪によって水平平面内での位置が決められるために、位置固定具70によって、容量素子10が水平平面内で動くことが抑制される。そのため、容器40および筐体20に対する容量素子10の位置を、中央に配置することができるようになる。したがって、コンデンサ2では均一な樹脂厚さと絶縁耐力とを実現することができる。
【0042】
また、位置決め部72は、巻き芯16を押さえることを介して、容量素子10の浮き上がりを防止する。また、位置固定具70は、押さえ具60によって浮き上がりを防止されている。つまり、位置決め部72の作用によって、容量素子10はコンデンサ2の上面から離間される。
【0043】
なお、樹脂30の注型は、容器40および筐体20に対して同時に行う。この時、巻き芯16および位置決め部72の穴を通ってガスが抜けていく。
【0044】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
図7は、実施形態3に係るコンデンサ3の構造を示す側面断面図である。
図8は、実施形態3に係るコンデンサ3の構造を示す平面図である。コンデンサ3は、筐体20と、容器40と、樹脂30と、容量素子10と、電線50と、位置固定具80(スペーサ)とを備える。実施形態1および2では、コンデンサ1および2の製造には押さえ具60を必要としたが、実施形態3ではコンデンサ3の製造には押さえ具60が不要であり、位置固定具80(スペーサ)によって位置固定部41および押さえ具60の機能を兼ねる。
【0046】
容器40には切り込み等がなくてもよく、ただの樹脂製の容器である。そのため、容器40には位置固定部41を含まない。位置固定具80は、第一スリット81と、第二スリット82と、位置決め部83と、を備える。位置固定具80はバー状の物体であり、中央に位置決め部83を、中央から等距離の両端に第一スリット81を、さらにその外側に第二スリット82を、備える。
【0047】
第一スリット81は、容器40の上面と位置固定具80の下面とが勘合する位置に凹状に形成されたスリットであり、第一スリット81でもって位置固定具80は容器40に固定できる。第二スリット82は、筐体20の上面と位置固定具80の下面とが勘合する位置に凹状に形成されたスリットであり、第二スリット82でもって位置固定具80は筐体20に固定できる。
【0048】
位置決め部83は、容量素子10の巻き芯16の位置を決める部材であり、巻き芯16に入り込む爪が突出しており、その中央に穴があいている。巻き芯16は該爪によって水平平面内での位置が決められるために、位置固定具80によって、容量素子10が水平平面内で動くことが抑制される。そのため、容器40および筐体20に対する容量素子10の位置を、中央に配置することができるようになる。したがって、コンデンサ3では均一な樹脂厚さと絶縁耐力とを実現することができる。
【0049】
また、位置決め部83は、巻き芯16を押さえることを介して、筐体20に対する、容量素子10の浮き上がりを防止する。つまり、位置決め部83の作用によって、容量素子10はコンデンサ3の上面から離間される。そのため、実施形態3では実施形態1および2と異なり、押さえ具60が不要である。
【0050】
実施形態3では、樹脂30の注型は容器40および筐体20に対して同時に行う。この時、巻き芯16および位置決め部83を通ってガスが抜けていく。
【0051】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0052】
図9は、実施形態4に係るコンデンサ4の構造を示す側面断面図である。実施形態1から3では、一つの筐体20に対し、一つの容器40および一つの容量素子10を備える場合に関して記載したが、これに限定されない。一つの筐体20に対し、複数の容器40および複数の容量素子10を備えてもよく、容量素子10同士を直列または並列にすることができる。この場合、大容量または小容量のコンデンサを容易に構築することができる。
【0053】
この場合、一つの筐体20の中に、容器40に収容された容量素子10の組み合わせを複数並べ、まとめて注型する。そのため、それぞれに筐体20を設ける必要がないため、コストダウンすることができる。
【0054】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るコンデンサは、コンデンサであって、一対の電極と、前記一対の電極間に位置する誘電体とを含む容量素子を少なくとも1つと、前記コンデンサにおいて前記容量素子を前記コンデンサの上面から離間させるスペーサと、前記容量素子の周囲を覆うように成型された樹脂と、を備える。
【0055】
本発明の態様2に係るコンデンサは、前記態様1において、前記スペーサは、前記容量素子の前記コンデンサにおける位置を決めてもよい。
【0056】
本発明の態様3に係るコンデンサは、前記態様1または2において、前記容量素子を収容する絶縁体の容器をさらに備えてもよい。
【0057】
本発明の態様4に係るコンデンサは、前記態様3において、前記スペーサは、前記容器の一部であってもよい。
【0058】
本発明の態様5に係るコンデンサは、前記態様3または4において、前記容器を収容する筐体をさらに備え、上記樹脂は、前記筐体の内部において前記容器をも覆ってもよい。
【0059】
本発明の態様6に係るコンデンサは、前記態様5において、前記筐体は、金属であってもよい。
【0060】
本発明の態様7に係るコンデンサは、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記容量素子の比重は、前記樹脂の比重よりも小さくてもよい。
【0061】
本発明の態様8に係るコンデンサの製造方法は、コンデンサの製造方法であって、一対の電極と、前記一対の電極間に位置する誘電体とを含む容量素子を構成する工程と、前記コンデンサにおいて、前記容量素子を前記コンデンサの上面から離間させるスペーサを配置する工程と、前記容量素子の周囲を覆うように樹脂を成型する工程と、を含む。
【0062】
本発明の態様9に係るコンデンサの製造方法は、前記容量素子を、絶縁体の容器に挿入する工程をさらに含んでもよい。
【0063】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1、2、3、4、100 コンデンサ
10 容量素子
11 基材フィルム
12 電極
13 金属蒸着フィルム
13a 露出部
14 溶射金属
15 巻体
16 巻き芯
20 筐体
30 樹脂
31 第一樹脂
32 第二樹脂
33 第三樹脂
40 容器
41 位置固定部
50 電線
60 押さえ具
70、80 位置固定具
71 スリット
81 第一スリット
82 第二スリット