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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104567
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】割断装置、割断方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/033 20060101AFI20240729BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20240729BHJP
   B28D 7/04 20060101ALI20240729BHJP
   B26F 3/00 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
C03B33/033
B28D5/00 Z
B28D7/04
B26F3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008857
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】598072179
【氏名又は名称】株式会社片岡製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】高木 洋慧
(72)【発明者】
【氏名】菊田 知希
【テーマコード(参考)】
3C060
3C069
4G015
【Fターム(参考)】
3C060AA08
3C060CB03
3C060CB14
3C060CB15
3C069AA03
3C069BA08
3C069BB01
3C069BC01
3C069CA11
3C069CB01
3C069EA01
4G015FA03
4G015FA04
4G015FC02
4G015FC11
(57)【要約】
【課題】装置の構造や機構を徒に複雑化させることなく、一枚の基板を最小の工数で三つの断片に分割できる割断装置を提供する。
【解決手段】表面に溝状の二本のスクライブ線10が形成され当該スクライブ線10により三つの部位に区画される基板1のうちの、二本のスクライブ線10に挟まれた中間部11を支持する中間支持体421と、一方の前記スクライブ線10を介して前記基板1の中間部11の一方側に隣接する一方側部12を支持する一方側支持体422と、他方の前記スクライブ線10を介して前記基板1の中間部11の他方側に隣接する他方側部13を支持する他方側支持体423と、前記一方側支持体422及び前記他方側支持体423を前記中間支持体421に対し相対的に前記基板1の表面と交差する方向に沿って変位させ、前記基板1を前記一方側部12、前記中間部11及び前記他方側部13に分割する変位機構とを具備する割断装置を構成した。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に溝状の二本のスクライブ線が形成され当該スクライブ線により三つの部位に区画される基板のうちの、二本のスクライブ線に挟まれた中間部を支持する中間支持体と、
一方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の一方側に隣接する一方側部を支持する一方側支持体と、
他方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の他方側に隣接する他方側部を支持する他方側支持体と、
前記一方側支持体及び前記他方側支持体を前記中間支持体に対し相対的に前記基板の表面と交差する方向に沿って変位させ、前記基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割する変位機構とを具備する割断装置。
【請求項2】
前記中間支持体に、前記基板の中間部の裏面における前記スクライブ線のすぐ内側に当接する折割部材が付随する請求項1記載の割断装置。
【請求項3】
前記変位機構は、前記基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割後、前記一方側支持体、前記中間支持体及び前記他方側支持体のうち少なくとも二つを基板の表面と平行な方向に沿って変位させ、基板の一方側部、中間部及び他方側部を互いに所定幅離間させる請求項1記載の割断装置。
【請求項4】
前記基板の材料となる板材を複数に分割して基板を得る予割断機構を具備する請求項1記載の割断装置。
【請求項5】
前記板材の表面に溝状の五本のスクライブ線を形成する切削機構を具備し、
前記切削機構により形成した中央の前記スクライブ線に沿って前記板材を分割して二枚の前記基板を得、その後残りの四本のスクライブ線に沿って各基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割する請求項4記載の割断装置。
【請求項6】
表面に溝状の二本のスクライブ線が形成され当該スクライブ線により三つの部位に区画される基板のうちの、二本のスクライブ線に挟まれた中間部を中間支持体に支持させるステップと、
一方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の一方側に隣接する一方側部を一方側支持体に支持させるステップと、
他方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の他方側に隣接する他方側部を他方側支持体に支持させるステップと、
前記一方側支持体及び前記他方側支持体を前記中間支持体に対し相対的に前記基板の表面と交差する方向に沿って変位させ、前記基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割するステップとを具備する割断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄板状をなす脆性材料を三つ以上の断片に分割する割断装置及び割断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス板等の薄板材を所望の寸法、形状に割断するための装置が公知である(例えば、下記特許文献を参照)。一般に、この種の割断装置は、対象の表面に溝状のスクライブ線を切削形成し、その形成部位に曲げ応力を作用させて、対象を折割し二分するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-088082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の割断装置では、一枚の基板を一時に三つの断片に分割することはできない。一枚の基板を三分しようとすれば、まずその基板から一つの断片を分断し、しかる後残った部分を二つの断片に分断するというように、折割の工程を二度反復する必要があり、時間を消費する。
【0005】
本発明は、割断装置の構造や機構を徒に複雑化させることなく、一枚の基板を最小の工数で三つの断片に分割できるようにすることを所期の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、表面に溝状の二本のスクライブ線が形成され当該スクライブ線により三つの部位に区画される基板のうちの、二本のスクライブ線に挟まれた中間部を支持する中間支持体と、一方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の一方側に隣接する一方側部を支持する一方側支持体と、他方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の他方側に隣接する他方側部を支持する他方側支持体と、前記一方側支持体及び前記他方側支持体を前記中間支持体に対し相対的に前記基板の表面と交差する方向に沿って変位させ、前記基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割する変位機構とを具備する割断装置を構成した。
【0007】
前記中間支持体には、前記基板の中間部の裏面における前記スクライブ線のすぐ内側に当接する折割部材が付随することが好ましい。
【0008】
加えて、前記変位機構が、前記基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割後、前記一方側支持体、前記中間支持体及び前記他方側支持体のうち少なくとも二つを基板の表面と平行な方向に沿って変位させ、基板の一方側部、中間部及び他方側部を互いに所定幅離間させるものであれば、分割した断片の回収、搬送、容器への収納等といった後工程がより容易となる。
【0009】
前記基板の材料となる板材を複数に分割して基板を得る予割断機構を具備し、一枚の板材を六つの断片に分割するものとしてもよい。特に、前記板材の表面に溝状の五本のスクライブ線を形成する切削機構を具備し、前記切削機構により形成した中央の前記スクライブ線に沿って前記板材を分割して二枚の前記基板を得、その後残りの四本のスクライブ線に沿って各基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割することが考えられる。
【0010】
本発明に係る割断方法は、表面に溝状の二本のスクライブ線が形成され当該スクライブ線により三つの部位に区画される基板のうちの、二本のスクライブ線に挟まれた中間部を中間支持体に支持させるステップと、一方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の一方側に隣接する一方側部を一方側支持体に支持させるステップと、他方の前記スクライブ線を介して前記基板の中間部の他方側に隣接する他方側部を他方側支持体に支持させるステップと、前記一方側支持体及び前記他方側支持体を前記中間支持体に対し相対的に前記基板の表面と交差する方向に沿って変位させ、前記基板を前記一方側部、前記中間部及び前記他方側部に分割するステップとを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、割断装置の構造や機構を徒に複雑化させることなく、一枚の基板を最小の工数で三つの断片に分割することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の割断装置による基板の割断の手順を示す図。
図2】同実施形態の割断装置の一部を示す斜視図。
図3】同実施形態の割断装置の一部を示す斜視図。
図4】同実施形態の割断装置の一部を示す斜視図。
図5】同実施形態の割断装置の一部を示す斜視図。
図6】同実施形態の割断装置により割断した基板を収容する容器を示す斜視図。
図7】同実施形態の割断装置が実施する切削ステップを説明する模式的な側面図。
図8】同実施形態の割断装置が実施する予割断ステップを説明する模式的な側面図。
図9】同実施形態の割断装置が実施する割断ステップを説明する模式的な側面図。
図10】同実施形態の割断装置が実施する割断ステップを説明する模式的な側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の割断装置は、ガラス板等の脆性の板材0を三つ以上の断片11、12、13に分割する割断処理を実行する。具体的には、図1に示すように、
(I)方形の薄板状の一枚の板材0の表面に、互いに平行に伸びる五本の溝状のスクライブ線10を切削形成し、
(II)五本のスクライブ線10のうちの中央のスクライブ線10にそって板材0を二分割して二枚の基板1を得、
(III)さらに、二枚の基板1の各々につき、二本のスクライブ線10に沿って当該基板1を三分割して三つの断片11、12、13を得る
という手順を経て、一枚の板材0を六枚の基板11、12、13に断片化する。板材0の一辺は約156mmないし160mm、厚みは約0.15mmないし0.2mmである。
【0014】
図2ないし図5に、本実施形態の割断装置の各部の外観を示している。本割断装置では、図2に示すように、材料である複数枚の板材0を収容した容器(カセット、コンテナ、パレット、トレー等。図示せず)を、搬入部21から搬入する。取出機構22は、搬入部21より搬入された容器から一枚ずつ板材0を取り出し、それを後続の搬送機構23へと導入する。取出機構22は、アクチュエータにより駆動され、その下向面側に複数個の真空吸着パッドを有する既知のもので、吸着パッドにより容器内の板材0の表面(本実施形態では、上面)を吸着してその板材0を容器から持ち上げ、そのまま搬送機構23に向けて移送することができる。搬送機構23は、例えばウォーキングビーム機構である。
【0015】
搬送機構23が順次搬送する一枚一枚の板材0は、図3に示す切削機構32及び予割断機構33の手前の位置に到達する。移送機構31は、搬送機構23から板材0を受け取って切削機構32に導入し、さらにその後同板材0を予割断機構33に導入する。移送機構31は、取出機構22と同様、アクチュエータにより駆動され、その下向面側に複数個の真空吸着パッドを有する既知のもので、吸着パッドにより板材0の表面を吸着してその板材0を持ち上げ、切削機構32や予割断機構33に向けて移送することができる。
【0016】
切削機構32は、板材0の表面に複数本のスクライブ線10を切削形成する切削ステップを実施する。図7に示すように、切削機構32は、既知のレーザ加工機の如く、対物レンズ(集光レンズ)を内包する加工ノズル321から出射するレーザ光Lを対象の板材0の表面に照射し、かつ板材0上でのレーザ光Lの照射位置を変位させる走査を行って、板材0の表面に互いに略平行に伸びる五本のスクライブ線10を形成するものである。切削機構32は、レーザLを発振する光源、光源から加工ノズル321までレーザ光Lを伝搬させる光ファイバ、ミラー、レンズ等の光学素子、加工ノズル321を板材0に対し相対的に(ひいては、レーザ光Lの照射位置を)二次元方向に移動させることのできる可動ステージ(XYステージ等)、レーザLの光軸を変位させることのできるガルバノスキャナ等を要素として構成できる。スクライブ線10は、板材0の表面側から裏面(本実施形態では、下面)側に向かって凹むように刻まれた極細幅の溝状をなし、その深さは板材0の厚みの半分程度である。
【0017】
切削ステップを通じてスクライブ線10を形成した板材0は、再び移送機構31により吸着して持ち上げ、切削機構32から予割断機構33へと移送する。予割断機構33は、五本のスクライブ線10のうちの中央のスクライブ線10に沿って板材0を二分する予割断ステップを実施する。予割断機構33は、中央のスクライブ線10により区画される板材0の一方側の半部1を支持する第一支持体331と、同板材0の他方側の半部1を支持する第二支持体332と、第一支持体331を駆動するアクチュエータを有する変位機構とを備える。第一支持体331は、第二支持体332に対し相対的に板材0の表裏面(上面及び下面)と交差(または、略直交)する方向に沿って変位し得る。
【0018】
第一支持体331は、その上向面側に複数個の真空吸着パッド333を有し、吸着パッド333により下方から板材0の裏面を吸着して板材0の半部1を保持する。第二支持体332もまた、上向面側に複数個の真空吸着パッド333を有し、吸着パッド333により下方から板材0の裏面を吸着して板材0の残りの半部1を保持する。その状態で、図8に示すように、変位機構が第一支持体331を、これが支持する板材0の半部1と一体的に、板材0の裏面の向く下方に変位(傾動または回動)させることで、板材0を中央のスクライブ線10に沿って二つに折り割る。これにより、一枚の板材0から二枚の基板1を得る。
【0019】
図4に示すように、予割断ステップを通じて一枚の板材0を二分割した二枚の基板1は、移送機構41により割断機構42に導入する。移送機構41は、取出機構22や移送機構31と同様、アクチュエータにより駆動され、その下向面側に複数個の真空吸着パッドを有する既知のもので、吸着パッドにより二枚の基板1のそれぞれの表面を吸着して両基板1を持ち上げ、割断機構42に向けて移送することができる。
【0020】
割断機構42は、二枚の基板1のそれぞれについて、その基板1に形成した二本のスクライブ線10に沿って当該基板1を三分する割断ステップを実施する。割断機構42は、基板1における二本のスクライブ線10に挟まれた中間部11を支持する中間支持体421と、同基板1における一方のスクライブ線10を介して中間部11に隣接する一方側部12を支持する一方側支持体422と、同基板1における他方のスクライブ線10を介して中間部11に隣接する他方側部13を支持する他方側支持体423と、中間支持体421、一方側支持体422及び他方側支持体423をそれぞれ駆動するアクチュエータを有する変位機構とを備える。中間支持体421、一方側支持体422及び他方側支持体423は、互いに独立に(個別に)、換言すれば他の支持体421、422、423に対し相対的に、基板1の表裏面(上面及び下面)と交差(または、略直交)する方向に沿って変位し得る。
【0021】
中間支持体421は、その上向面側に複数個の真空吸着パッド424を有し、吸着パッド424により下方から基板1の裏面を吸着して、基板1の中間部11を保持する。一方側支持体422は、上向面側に複数個の真空吸着パッド424を有し、吸着パッド424により下方から基板1の裏面を吸着して、基板1の一方側部12を保持する。他方側支持体423もまた、上向面側に複数個の真空吸着パッド424を有し、吸着パッド424により下方から基板1の裏面を吸着して、基板1の他方側部13を保持する。
【0022】
割断機構42における割断ステップは、図9及び図10中の(i)ないし(v)の複数のステップを含む。順を追って述べると、まず、図9(i)に示すように、変位機構が中間支持体421を上昇させ、中間支持体421の吸着パッド424により下方から基板1の裏面を吸着して中間部11を保持する。次いで、図9(ii)に示すように、変位機構が中間支持体421及び基板1を下降させ、一方側支持体422の吸着パッド424により下方から基板1の裏面を吸着して一方側部12を保持する。同時に、他方側支持体423の吸着パッド424により下方から基板1の裏面を吸着して他方側部13を保持する。中間支持体421には、剛体の折割部材425が付随している。折割部材425は、基板1の裏面に向かって上方に突出するとともに、基板1に形成されたスクライブ線10の伸びる方向に沿って伸長した塀状をなす。折割部材425の先端即ち上端は幅が細くなっており、その先端が降下した基板1の中間部11の裏面、スクライブ線10のすぐ内側に下方から当接する。なお、折割部材425は、変位機構が駆動する支持体421、422、423及び吸着パッド444とは干渉しない。
【0023】
しかして、図9(iii)に示すように、変位機構が一方側支持体422及び他方側支持体423をそれぞれ、基板1の一方側部12及び他方側部13と一体的に、基板1の裏面の向く下方に変位させることで、折割部材425を支えとして基板1を二本のスクライブ線10に沿って三つに折り割る。これにより、一枚の基板1から三枚の断片11、12、13を得る。その後、図10(iv)に示すように、一方側支持体422及び他方側支持体423をともに上方に変位させ、中間支持体421と略等しい高さ位置に復帰させる。基板1の各断片11、12、13が略面一となったところで、図10(v)に示すように、変位機構が各支持体421、422、423を基板1の表裏面と略平行な方向、スクライブ線10の伸びる方向と交差(略直交)する方向に沿って若干ながら変位させ、分割した断片11、12、13を互いに所定幅離間させる。離間させた断片11、12、13間の空隙の幅は、約6mmである。
【0024】
図5及び図10(vi)に示すように、割断ステップを通じて二枚の基板1を各々三分割した計六枚の断片11、12、13は、移送機構51により搬出部52に導入する。移送機構51は、取出機構22や移送機構31、41と同様、アクチュエータにより駆動され、その下向面側に複数個の真空吸着パッド511を有する既知のもので、吸着パッド511により六枚の基板1の断片11、12、13のそれぞれの表面を吸着して各断片11、12、13を持ち上げ、搬出部52に向けて移送することができる。
【0025】
搬出部52では、移送機構51が容器(カセット、コンテナ、パレット、トレー等)6に六枚の断片11、12、13を収容する。図6に示すように、容器6は、基板1の外寸に対応した内寸を有する上方に開口した筐体状をなす。その対向する周壁の内面からは、互いに相寄る内方に凸条(リブ)61が突出している。凸条61は、上下に延伸し、隣り合う断片11、12、13と断片11、12、13との空隙に収まる仕切りとなる。
【0026】
本実施形態では、中間支持体421が、表面に溝状の二本のスクライブ線10が形成され当該スクライブ線10により三つの部位に区画される基板1のうちの二本のスクライブ線10に挟まれた中間部11を支持し、一方側支持体422が、一方の前記スクライブ線10を介して前記基板1の中間部11の一方側に隣接する一方側部12を支持し、他方側支持体423が、他方の前記スクライブ線10を介して前記基板1の中間部11の他方側に隣接する他方側部13を支持し、その状態で、変位機構により、前記一方側支持体422及び前記他方側支持体423を前記中間支持体421に対し相対的に前記基板1の表面と交差する方向に沿って変位させ、前記基板1を前記一方側部12、前記中間部11及び前記他方側部13に分割する割断装置を構成した。
【0027】
本実施形態によれば、一枚の基板1を最小の工数で三つの断片11、12、13に分割することができる。さらには、一枚の板材0から最小の工数で六枚の基板1の断片11、12、13を得ることができる。割断装置の構造や機構も徒に複雑化しない。また、六枚の断片11、12、13は、移送機構51により一時に回収することができる。それら断片11、12、13を一つずつ順に搬送しないので、時間を浪費しない。
【0028】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0029】
0…板材
1…基板
10…スクライブ線
11…中間部
12…一方側部
13…他方側部
421…中間支持体
422…一方側支持体
423…他方側支持体
425…折割部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10