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特開2024-104570配線構造体、配線構造体を用いた電子部品実装用パッケージ、および電子モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104570
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】配線構造体、配線構造体を用いた電子部品実装用パッケージ、および電子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/04 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
H01L23/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008860
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藏田 知喜
(72)【発明者】
【氏名】川頭 芳規
(57)【要約】
【課題】 信号電力が損失する可能性を低減でき、基板を精度よく安定して台座に実装可能な配線構造体を提供すること。
【解決手段】 配線構造体は、壁部と、第1接続端子と、基板と、導体部と、台座部と、を備える。壁部は、第1壁面を有する。第1接続端子は、第1壁面から第1方向に突出している。基板は、第1上面に開口する第1基板開口部と、第1上面に接続する第1基板側面と、を有する。台座部は、第2上面に開口する第1台座開口部と、を有する。基板は、第2上面上に位置する。導体部は、第1上面に位置する第1信号導体および第1接地導体を有する。第1信号導体は、平面視で、第1接続端子と電気的に接続する第1接続部を有する。第1基板開口部は、第1接続部と第1接地導体との間に位置する。第1台座開口部は、平面視で、第1接続部と重なる。第1基板側面は、第1壁面と接している。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1壁面を有する壁部と、
前記第1壁面から第1方向に突出する第1接続端子と、
第1上面と、該第1上面に開口する第1基板開口部と、前記第1上面に接続する基板側面と、を有する基板と、
前記基板上に位置する導体部と、
第2上面と、該第2上面に開口する第1台座開口部と、を有する台座部と、を備え、
前記基板は、前記第2上面上に位置し、
前記導体部は、前記第1上面において、前記第1方向に延びる第1信号導体と、前記第1信号導体と間を空けて位置する第1接地導体と、を有し、
前記第1信号導体は、平面視において、前記第1接続端子の少なくとも一部と重なるとともに前記第1接続端子と電気的に接続する第1接続部を有し、
前記第1基板開口部は、前記第1接続部と前記第1接地導体との間に位置し、
前記第1台座開口部は、平面視において、前記第1接続部と重なり、
前記基板側面は、第1基板側面を有しており、
前記第1基板側面は、前記第1壁面と接している、配線構造体。
【請求項2】
前記第1台座開口部は、平面視において、前記第1基板開口部と重なっている、請求項1に記載の配線構造体。
【請求項3】
前記第1信号導体は、前記第1基板側面と間を空けて位置している、請求項1に記載の配線構造体。
【請求項4】
前記台座部は、前記第2上面に接続する台座側面を有し、
前記台座側面は、前記第1壁面と対向する第1台座側面と、該第1台座側面に接続するとともに前記第1方向に沿う第2台座側面と、を有し、
前記第1台座開口部は、前記第2台座側面と交差している、請求項1に記載の配線構造体。
【請求項5】
前記台座部と前記壁部は間を空けて位置しており、
前記第1台座開口部は、前記第1台座側面と交差している、請求項4に記載の配線構造体。
【請求項6】
前記第1台座側面と前記第1壁面とは、同一平面上に位置しており、
前記第1台座開口部は、前記第1台座側面と間を空けて位置している、請求項4に記載の配線構造体。
【請求項7】
前記基板は、前記第1上面に開口する第2基板開口部を有し、
前記導体部は、前記第1上面において前記第1信号導体と間を空けて位置する第2接地導体を有し、
前記第1信号導体は、前記第1接地導体と前記第2接地導体との間に位置しており、
前記第2基板開口部は、前記第1接続部と前記第2接地導体との間に位置している、請求項1に記載の配線構造体。
【請求項8】
前記第1台座開口部は、平面視において、前記第1基板開口部および前記第2基板開口部と重なっている、請求項7に記載の配線構造体。
【請求項9】
前記基板は、前記第1上面と反対側に位置する第1下面を有し、
前記導体部は、前記第1下面に位置する下面接地導体を更に有し、
前記下面接地導体は、前記第1接地導体と電気的に接続するとともに、平面視において前記第1基板側面と接する第1部分を有している、請求項1に記載の配線構造体。
【請求項10】
前記下面接地導体は、平面視において、前記第1基板側面と間を空けて位置する第2部分を有し、
前記基板は、前記第1方向において、前記第1基板側面と前記第2部分との間に位置するとともに前記第1下面が露出する第1領域を有し、
前記第1領域は、平面視において、前記第1接続部と重なっている、請求項9に記載の配線構造体。
【請求項11】
前記基板側面は、前記第1基板側面の反対側に位置する第2基板側面を有し、
前記基板は、前記第2基板側面に位置する第1切欠き部と、を有し、
前記導体部は、前記第1切欠き部に位置する第1側面導体を有し、
前記第1切欠き部は、前記第1上面および前記第1下面と交差しており、
前記第1側面導体は、前記第1接地導体および前記下面接地導体と連続している、請求項9に記載の配線構造体。
【請求項12】
前記第1台座開口部の深さは、前記基板の厚み以上である、請求項1に記載の配線構造体。
【請求項13】
前記第1壁面から前記第1方向に突出する第2接続端子を更に備え、
前記基板は、前記第1上面に開口する第3基板開口部を有し、
前記台座部は、前記第2上面に開口する第2台座開口部を有し、
前記導体部は、前記第1上面において前記第1方向に延びる第2信号導体を有し、
前記第1接地導体は、前記第2信号導体と間を空けるとともに、前記第1信号導体と前記第2信号導体の間に位置し、
前記第2信号導体は、平面視において、前記第2接続端子の少なくとも一部と重なるとともに前記第2接続端子と電気的に接続する第2接続部を有し、
前記第3基板開口部は、前記第2接続部と前記第1接地導体との間に位置し、
前記第2台座開口部は、平面視において、前記第2接続部と重なっている、請求項1に記載の配線構造体。
【請求項14】
基体と、
前記基体の上に位置する枠体と、
前記枠体に前記壁部が接合された請求項1~13のいずれか1つに記載の配線構造体と、を備える、電子部品実装用パッケージ。
【請求項15】
請求項14に記載の電子部品実装用パッケージと、
前記基体上に位置し、前記導体部と電気的に接続された電子部品と、
前記枠体上に位置する蓋体と、を備える、電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配線構造体、配線構造体を用いた電子部品実装用パッケージ、および電子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の高周波基板は、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-99934号公報
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において(1)配線構造体は、壁部と、第1接続端子と、基板と、導体部と、台座部と、を備える。壁部は、第1壁面を有する。第1接続端子は、第1壁面から第1方向に突出している。基板は、第1上面と、第1上面に開口する第1基板開口部と、第1上面に接続する基板側面と、を有する。導体部は、基板上に位置している。台座部は、第2上面と、第2上面に開口する第1台座開口部と、を有する。基板は、第2上面上に位置している。導体部は、第1上面において第1方向に延びる第1信号導体と、第1上面において第1信号導体と間を空けて位置する第1接地導体と、を有している。第1信号導体は、平面視において、第1接続端子の少なくとも一部と重なるとともに第1接続端子と電気的に接続する第1接続部を有している。第1基板開口部は、第1接続部と第1接地導体との間に位置している。第1台座開口部は、平面視において、第1接続部と重なっている。基板側面は、第1基板側面を有している。第1基板側面は、第1壁面と接している。
【0005】
(2)上記(1)の配線構造体において、第1台座開口部は、平面視において、第1基板開口部と重なっている。
【0006】
(3)上記(1)又は(2)に記載の配線構造体において、第1信号導体は、第1基板側面と間を空けて位置している。
【0007】
(4)上記(1)~(3)に記載の配線構造体において、台座部は、第2上面に接続する台座側面を有している。台座側面は、第1台座側面と、第2台座側面と、を有している。第1台座側面は、第1壁面と対向している。第2台座側面は、第1台座側面に接続するとともに第1方向に沿っている。第1台座開口部は、第2台座側面と交差している。
【0008】
(5)上記(4)に記載の配線構造体において、台座部と壁部は、間を空けて位置している。第1台座開口部は、第1台座側面と交差している。
【0009】
(6)上記(4)に記載の配線構造体において、第1台座側面と第1壁面とは、同一平面上に位置している。第1台座開口部は、第1台座側面と間を空けて位置している。
【0010】
(7)上記(1)~(6)に記載の配線構造体において、基板は、第1上面に開口する第2基板開口部を有している。導体部は、第1上面において第1信号導体と間を空けて位置する第2接地導体を有している。第1信号導体は、第1接地導体と第2接地導体との間に位置している。第2基板開口部は、第1接続部と第2接地導体との間に位置している。
【0011】
(8)上記(7)に記載の配線構造体において、第1台座開口部は、平面視において、第1基板開口部および第2基板開口部と重なっている。
【0012】
(9)上記(1)~(8)に記載の配線構造体において、基板は、第1上面と反対側に位置する第1下面を有している。導体部は、第1下面に位置する下面接地導体を更に有している。下面接地導体は、第1接地導体と電気的に接続している。また、下面接地導体は、第1部分を有している。第1部分は、平面視において第1基板側面と接している。
【0013】
(10)上記(9)に記載の配線構造体において、下面接地導体は、第2部分を有している。第2部分は、平面視において、第1基板側面と間を空けて位置している。基板は、第1領域を有している。第1領域は、第1方向において、第1基板側面と第2部分との間に位置するとともに第1下面が露出している。第1領域は、平面視において、第1接続部と重なっている。
【0014】
(11)上記(9)又は(10)に記載の配線構造体において、基板側面は、第2基板側面を更に有している。第2基板側面は、第1基板側面の反対側に位置している。基板は、第2基板側面に位置する第1切欠き部を有している。導体部は、第1切欠き部に位置する第1側面導体を有している。第1切欠き部は、第1上面および第1下面と交差している。第1側面導体は、第1接地導体と第1下面接地導体と連続している。
【0015】
(12)上記(1)~(11)に記載の配線構造体において、第1台座開口部の深さは、基板の厚み以上である。
【0016】
(13)上記(1)~(12)に記載の配線構造体は、第1壁面から第1方向に突出する第2接続端子を更に備えている。基板は、第1上面に開口する第3基板開口部を有している。台座部は、第2上面に開口する第2台座開口部を有している。導体部は、第1上面において第1方向に延びる第2信号導体を有している。第1接地導体は、第2信号導体と間を空けるとともに、第1信号導体と第2信号導体の間に位置している。第2信号導体は、第2接続部を有している。第2接続部は、平面視において、第2接続端子の少なくとも一部と重なるとともに第2接続端子と電気的に接続している。第3基板開口部は、第2接続部と第1接地導体との間に位置している。第2台座開口部は、平面視において、第2接続部と重なっている。
【0017】
(14)一実施形態において、電子部品実装用パッケージは、基体と、枠体と、上記(1)~(13)の配線構造体と、を備えている。枠体は、基体の上に位置している。配線構造体は、枠体に壁部が接合されている。
【0018】
(15)一実施形態において、電子モジュールは、上記(14)に記載の電子部品実装用パッケージと、電子部品と、蓋体と、を備えている。電子部品は、基体上に位置し、導体部と電気的に接続されている。蓋体は、枠体上に位置している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る配線構造体の斜視図である。
図2図1に示す要部Aの拡大図である。
図3】一実施形態に係る配線構造体の平面図である。
図4図3に示す要部Cの拡大図である。
図5】一実施形態に係る配線構造体を図3に示すV-Vで切断した断面図である。
図6】他の実施形態に係る配線構造体を図3に示すV-Vで切断した断面図である。
図7】一実施形態に係る配線構造体における壁部および台座部の斜視図である。
図8】壁部および台座部の変形例1を示す斜視図である。
図9】壁部および台座部の変形例2を示す斜視図である。
図10】他の実施形態に係る配線構造体における壁部および台座部の斜視図である。
図11】一実施形態に係る配線構造体における基板および導体部をz軸の正方向から見た平面図である。
図12】一実施形態に係る配線構造体における基板および導体部をz軸の負方向から見た平面図である。
図13図1に示す要部Bの拡大図である。
図14】一実施形態に係る配線構造体を備えた電子部品実装用パッケージおよび電子モジュールの斜視図である。
図15】一実施形態に係る配線構造体と比較例に係る配線構造体の反射特性を示すグラフである。
図16】一実施形態に係る配線構造体と比較例に係る配線構造体のTDR(Time Domain Reflectometry)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
引用文献1に記載の発明において、回路基板を精度よく安定して載置部に搭載することが求められている。また、より高周波の信号を伝送するために、回路基板と接続導体との接続部付近において、インピーダンスの値の更なる低減が求められている。
【0021】
<配線構造体の構成>
以下、いくつかの例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、配線構造体は、いずれの方向が上方もしくは下方とされてもよいが、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z軸方向の正側を上方とする。また、本開示においては、平面視は平面透視を含む概念である。また、本開示において、第1方向とは、例えば、図面で言うx方向を指す。第2方向とは、例えば、図面で言うy方向を指す。第3方向とは、例えば、図面で言うz方向を指す。なお、本開示において、長さ、幅、厚みとは、それぞれ、x方向における寸法、y方向における寸法、z方向における寸法とすることができる。
【0022】
配線構造体101は、壁部3と、第1接続端子41と、基板1と、導体部C0と、台座部2と、を備える。
【0023】
壁部3は、第1壁面3sを有する。壁部3は、例えば、立方体又は直方体であり、1mm×1mm×1mm~50mm×50mm×50mmである。また、壁部3は、第1接続端子41が挿入される第1貫通孔31oを有していてもよい。更に、壁部3は、後述する第2接続端子42が挿入される第2貫通孔32oを有していてもよい。図5又は図6に示すように、第1貫通孔31oは、途中に段差を有していてもよい。第1壁面3sは、必ずしも平坦面である必要はない。
【0024】
壁部3の材料としては、例えば、銅、鉄、タングステン、モリブデン、ニッケル又はコバルト等の金属材料、あるいはこれらの金属材料を含有する合金が挙げられる。また、壁部3は、1枚の金属板又は複数の金属板を積層させた積層体であっても良い。また、壁部3の材料が、上記金属材料である場合には、酸化腐食を低減するために、壁部3の表面には、電気めっき法又は無電解めっき法を用いて、ニッケル又は金等の鍍金層が形成されていてもよい。また、壁部3の材料は、絶縁材料であって、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体又はガラスセラミックス等のセラミック材料であってもよい。
【0025】
第1接続端子41は、第1壁面3sから第1方向(例えばx方向)に突出している。第1接続端子41は、いわゆる同軸コネクタの一部であってもよい。より具体的には、筒状の第1外周導体412、第1外周導体412の中心軸の位置に位置する第1接続端子41、第1外周導体412と第1接続端子41の間に位置する第1絶縁体411を有する同軸コネクタであっても良い。従って、第1接続端子41は、第1貫通孔31oに挿入された同軸コネクタの中心軸の導体であると言い換えることができる。後述する第2接続端子42についても、第1接続端子41と同じく、いわゆる同軸コネクタの一部であってもよい。つまり、筒状の第2外周導体、第2外周導体の中心軸の位置に位置する第2接続端子42、第2外周導体と第2接続端子42の間に位置する第2絶縁体を有する同軸コネクタであっても良い。
【0026】
同軸コネクタを用いることで、第1接続端子41を伝送する高周波信号のインピーダンス値を所望の値に設定し易くでき、第1貫通孔31oの所定位置に第1接続端子41を精度よく取り付けることができる。
【0027】
台座部2は、第2上面2tと、第2上面2tに開口する第1台座開口部21oと、を有する。台座部2は、例えば、立方体又は直方体であり、1mm×1mm×1mm~50mm×50mm×50mmである。台座部2の材料は、壁部3の材料と同じであっても異なっていてもよく、例えば、前述した壁部3の材料と同一又は類似の材料とすることができる。また、台座部2と壁部3とは、図7に示すように一体成形であってもよいし、図10に示すようにそれぞれ離れて位置する別体であってもよい。また、台座部2と壁部3とが別体である場合には、台座部2と壁部3は、間を空けて位置していてもよいし、接合されていてもよい。
【0028】
第1台座開口部21oは、平面視において、四角形状であってもよいし、楕円形状を含む円形状であってもよいし、角部が丸い矩形状であってもよい。第1台座開口部21oは、台座部2を貫通していてもよい。第1台座開口部21oは、台座部2に対して、ドリル加工、ブラスト加工、およびレーザー加工などの既知の穴あけ加工を施すことによって形成することができる。第1台座開口部21oは、y方向において、第1壁面3sに沿って位置していてもよい。
【0029】
基板1は、第1上面1tと、第1上面1tに開口する第1基板開口部11oと、第1上面1tに接続する基板側面1sと、を有する。基板1の材料としては、例えば、酸化アルミニウム質燒結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体又は窒化珪素質焼結体等のセラミック材料や、ガラスセラミック材料、ガラスエポキシ材料などの誘電体材料を用いることができる。また、基板1の材料として、有機樹脂材料を用いてもよい。
【0030】
基板1は、台座部2の第2上面2t上に位置している。基板1と台座部2との間には接着剤が位置していてもよい。つまり、基板1と台座部2とは、接着剤によって接合されていてもよい。当該接着剤の材料は、後述する接合材5と同じ材料であってもよいし、異なっていてもよい。また、接着剤は必ずしも導電性を有していなくてもよい。
【0031】
基板1は、単層であってもよいし、複数の絶縁層が積層された構成であっても良い。基板1は、例えば、平面視において、矩形状であり、大きさが4mm×4mm~50mm×50mmで、厚みが0.01mm~10mmである。平面視において、基板1の外形と、台座部2の外形とは一致していてもよい。
【0032】
また、基板1および後述する導体部C0は、3Dプリンターを用いたアディティブマニュファクチャリング(AM:Additive Manufacturing)によって
作成してもよい。
【0033】
導体部C0は、基板1上に位置している。また、導体部C0は、内層導体として基板1の内部に位置していてもよいし、ビア導体として位置していてもよい。導体部C0の材料としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、タングステン、モリブデンおよびマンガンなどの金属材料が挙げられる。また、導体部C0は、第1上面1t上に金属ペーストを焼結して形成されてもよいし、蒸着法又はスパッタ法などの薄膜形成技術を用いて形成されてもよい。後述する第1信号導体S1、第2信号導体S2、第1接地導体G1、第2接地導体G2、および第3接地導体G3は、必ずしも同じ材料を用いる必要はなく、異なった材料を用いていてもよい。
【0034】
導体部C0の表面には、ニッケルめっきや金めっきなどの金属めっきが形成されてもよい。また、導体部C0上の一部には、更に、セラミック(例えばアルミナコート)および/又は樹脂などの絶縁膜が位置していてもよい。絶縁膜は、導体部C0上にスクリーン印刷により形成することができる。また、絶縁膜は、導体部C0上の一部のみに位置していてもよい。
【0035】
導体部C0は、第1上面1tにおいてx方向に延びる第1信号導体S1と、第1上面1tにおいて第1信号導体S1と間を空けて位置する第1接地導体G1と、を有している。より具体的には、第1接地導体G1は、第1信号導体S1に沿って位置していてもよい。このことによって、第1信号導体S1において高周波信号を伝送する場合において、接地電位を強化することができる。
【0036】
図2図4に示すように、第1信号導体S1は、平面視において、第1接続端子41の少なくとも一部と重なるとともに第1接続端子41と電気的に接続する第1接続部S11を有している。より具体的には、図5又は図6に示すように、第1接続端子41と第1接続部S11の間には、導電性の接合材5が位置していてもよい。接合材5は、例えば、半田、ろう材、および銀エポキシ樹脂であってもよい。また、接合材5はメニスカスを形成していてもよい。
【0037】
一実施形態において、第1接続部S11の幅は、第1信号導体S1における第1接続部S11以外の幅よりも大きくてもよい。この構成により、第1接続部S11に第1接続端子41を安定して接続することができる。
【0038】
第1基板開口部11oは、第1接続部S11と第1接地導体G1との間に位置している。第1基板開口部11oは、空気、樹脂材料、又は、ガラス材料等の少なくともいずれか1つの誘電体材料で満たされており、基板1よりも誘電率が低くなっている。このため、第1信号導体S1において、高周波信号を伝送する場合における特性インピーダンスが低下する可能性を低減することができる。従って、第1信号導体S1に生じる信号電力の損失を低減することができる。
【0039】
第1基板開口部11oは、後述の第1基板側面11sと交差していてもよい。つまり、第1基板開口部11oは、第1基板側面11sにまで切りかかれた形状であってもよい。また、第1基板開口部11oは、基板1を貫通していてもよい。
【0040】
第1基板開口部11oは、x方向において、第1接続部S11に沿って位置していてもよい。第1基板開口部11oは、平面視において、四角形状であってもよいし、楕円形状を含む円形状であってもよいし、一部の角部が丸い矩形状であってもよい。
【0041】
第1台座開口部21oは、平面視において、第1接続部S11と重なっている。上述し
たように、第1接続部S11には、第1接続端子41が電気的に接続されるが、第1接続部S11付近において、インピーダンスの値が低下する可能性がある。しかし、第1台座開口部21oが、平面視において、第1接続部S11と重なることによって、第1接続部S11の下方(例えば、z方向)において、台座部2が遠ざかるので、第1接続部S11付近の誘電率を低くすることができる。このため、第1接続部S11付近においてインピーダンスの値が低下する可能性を低減することができ、第1信号導体S1において、高周波信号の伝送を、効率よく行うことができる。
【0042】
図7図9および図10に示すように、第1台座開口部21oが、第2台座側面22s又は第3台座側面23sから台座部2の中心側(例えば、y軸の負の方向)に向かって凸の円弧形状を有する場合、近接して位置する電子部品103等から発生する熱による熱応力や、外部から加わる応力によって、第1台座開口部21において台座部2に破損が生じる可能性を、第1台座開口部21oが矩形である場合よりも、低減することができる。
【0043】
x方向において、後述する第1台座側面21sと対向する面を、第4台座側面24sとしたとき、第1台座開口部21oは、第4台座側面24sと間を空けて位置している。
【0044】
基板側面1sは、第1基板側面11sを有している。第1基板側面11sは、第1壁面3sと接している。この構成により、基板1を第1壁面3sに当接させながら実装することができるので、基板1を台座部2に精度よく安定して実装することができる。ここで、接するとは、第1基板側面11sと第1壁面3sとの間に接着剤が位置している場合も含んでよい。当該接着剤は、基板1と台座部2を接合する接着剤と同じであっても異なっていてもよい。
【0045】
図2図4に示すように、第1台座開口部21oは、平面視において、第1基板開口部11oと重なっていてもよい。より具体的には、第1台座開口部21oのy方向における寸法Ly21は、第1基板開口部11oのy方向における寸法Ly11よりも大きくてもよい。更に、第1台座開口部21oのx方向における寸法Lx21は、第1基板開口部11oのx方向における寸法Lx11よりも大きくてもよい。この構成により、第1接続部S11の下方および第1接続部S11と第1接地導体G1との間の下方において、第1信号導体S1と台座部2とのz方向における距離を遠ざけることができるので、第1接続部S11においてインピーダンスの値が低下する可能性を更に低減することができる。図2図4において、第1台座開口部21oおよび第1台座側面21sの隠れた部分については、点線で示してある。
【0046】
また、第1台座開口部21oは、平面視において、第1接地導体G1および/又は第2接地導体G2と重なっていてもよい。更に、第1台座開口部21oは、平面視において、第1基板開口部11oおよび第2基板開口部12oと重なっていてもよい。
【0047】
第1信号導体S1は、第1基板側面11sと間を空けて位置していてもよい。より具体的には、第1接続部S11が、x方向において、第1基板側面11sと間を空けて位置していればよい。この構成により、第1信号導体S1が、第1壁面3sと接して、電気的に短絡する可能性を低減することができる。
【0048】
第1接地導体G1は、第1基板側面11sと接していても良い。このため、第1接地導体G1を壁部3とも接することができるので、電気的な導通をすることができ、接地電位を強化することができる。
【0049】
台座部2は、第2上面2tに接続する台座側面2sを有していてもよい。台座側面2sは、第1台座側面21sと、第2台座側面22sと、を有している。第1台座側面21s
は、第1壁面3sと対向している。第2台座側面22sは、第1台座側面21sに接続するとともにx方向に沿っている。なお、ここで言う、沿うとは、平面視において、垂直に交わらないことを言う。また、図5および図7に示すように、台座部2と壁部3が一体となっている場合、台座部2と壁部3との仮想的な境界線を第1台座側面21sと定義することができる。
【0050】
図7に示すように、一実施形態において、第1台座開口部21oは、第2台座側面22sと交差していてもよい。つまり、第1台座開口部21oは、第2台座側面22sにまで切りかかれていてもよい。この場合、第1台座開口部21oを最大限大きくすることができる。また、第1台座開口部21oをドリル加工等で形成する場合、第2台座側面22s側から削ることで、第2台座側面22sと、第1台座開口部21oとの間に台座部2が残らない。つまり、第1台座開口部21oが、第2台座側面22sと交差している場合、図9に示す変形例2で言う第1残部251がない。第1残部251のy方向における寸法が薄い場合、第1残部251において、台座部2が破損する可能性があるが、第1台座開口部21oが、第2台座側面22sと交差していることで、第1残部251をなくすことができる。このため、台座部2が破損する可能性を低減することができる。
【0051】
図8に示す、台座部2および壁部3の変形例1のように、第1台座開口部21oは、第1壁面3sに沿って、第2台座側面22sから第3台座側面23sにかけて、y方向に切り欠かれた形状であってもよい。この場合、第1開口部21oと第2開口部22oとが一体となっていると言い換えてもよい。
【0052】
図9に示す、台座部2および壁部3の変形例2のように、第1台座開口部21oは、第2台座側面22sと間を空けて位置していてもよい。この場合、第1台座開口部21oと第2台座側面22sとの間の部分を、第1残部251と定義することができる。また、第2台座開口部22oは、第3台座側面23sと間を空けて位置していてもよい。この場合、第2台座開口部22oと第2台座側面22sとの間の部分を、第2残部252と定義することができる。変形例2の台座部2および壁部3を用いることで、第2上面2tにおいて、第1残部251および第2残部252によって、基板1の外縁部を安定して支持することができる。
【0053】
一実施形態において、図5に示すように、第1台座側面21sと第1壁面3sとは、同一平面上に位置していてもよい。この場合、第1台座開口部21oは、第1台座側面21sと間を空けて位置していてもよい。つまり、第1台座開口部21oは、第1台座側面21sにまで及んでいなくてもよい。この構成により、第1台座開口部21oと第1台座側面21sとの間に台座部2の一部が残るので、基板1を安定して第2上面2tに搭載することができる。また、第1台座開口部21oが、第1台座側面21sと離れていることで、台座部2と壁部3が一体成形である場合、第1台座開口部21oをドリル加工等で形成する際に、壁部3が損傷する可能性を低減することができる。なお、第1台座側面21sと第1台座開口部21oとの距離L1は、第1台座開口部21oのx方向における寸法Lx21よりも小さくてもよい。
【0054】
第1台座側面21sと第1壁面3sとが、同一平面上に位置するとは、台座部2と壁部3が一体となっている場合、又は、台座部2と壁部3が接合された状態である場合と言い換えてもよい。
【0055】
図4に示すように、第1接続端子41の先端面と第1壁面3sとの距離を第1突出長さL41としたとき、第1突出長さL41は、第1基板開口部11oのx方向における寸法Lx11よりも大きくてもよい。該構成により、第1接続端子41を、第1接地導体G1および/又は第2接地導体G2に近づけることができるため、第1信号導体S1を伝送す
る信号を広帯域化することができる。
【0056】
また、第1突出長さL41は、第1台座開口部21oのx方向における寸法Lx21よりも小さくてもよい。平面視において、第1台座開口部21oが、第1壁面3sから突出する第1接続端子41の全てと重なることによって、第1接続部S11において、インピーダンスの値が低下する可能性を低減することができる。
【0057】
他の実施形態において、図6に示すように、台座部2と壁部3は、間を空けて位置していてもよい。この場合において、第1台座開口部21oは、第1台座側面21sと交差していてもよい。つまり、第1台座開口部21oは、第2上面2tから第1台座側面21sにかけて切りかかれた形状であってもよい。該構成により、第1台座開口部21oを、第1台座側面21s側から切り欠いて形成することができるので、台座部2の製造が容易となる。なお、この場合、第1台座側面21sと第1台座開口部21oとの距離L1は、ゼロであると言い換えることができる。
【0058】
また、第1台座側面21sと第1壁面3sとの距離D1は、第1台座開口部21oのx方向における寸法Lx21より小さくてもよい。このため、第1台座側面21sと第1壁面3sとの距離D1が、第1台座開口部21oのx方向における寸法Lx21以上である場合と比較して、基板1と第2上面2tが重なる領域が増加するので、基板1を第2上面2tに安定して搭載することができる。
【0059】
導体部C0は、第1上面1tにおいて第1信号導体S1と間を空けて位置する第2接地導体G2を更に有していてもよい。第1信号導体S1は、第1接地導体G1と第2接地導体G2との間に位置していてもよい。該構成により、導体部C0をコプレーナ線路とすることができる。なお、y方向において、第1信号導体S1は、第1接地導体G1と第2接地導体G2に挟まれて位置しているが、第1信号導体S1を挟んで位置する導体のいずれを第1接地導体G1と定義してもよい。
【0060】
基板1は、第1上面1tに開口する第2基板開口部12oを有していてもよい。第2基板開口部12oは、第1基板開口部11oと同一又は類似の手法により形成することができる。また、第2基板開口部12oは、第1基板開口部11oと同一の形状であってもよいし、異なっていてもよい。
【0061】
第2基板開口部12oは、第1接続部S11と第2接地導体G2との間に位置していてもよい。第2基板開口部12oは、基板1よりも誘電率が低くなっている。このため、第1信号導体S1において、高周波信号を伝送する場合における特性インピーダンスを所望の値に調整することができる。
【0062】
図12に示すように、基板1は、第1上面1tと反対側に位置する第1下面1bを有していてもよい。導体部C0は、第1下面1bに位置する下面接地導体G4を更に有していてもよい。また、下面接地導体G4は、第1接地導体G1と電気的に接続していてもよい。例えば、基板1を貫通して形成されたビア導体が、下面接地導体G4および第1接地導体G1と接続することで、下面接地導体G4は、第1接地導体G1と電気的に接続することができる。
【0063】
下面接地導体G4は、第1部分G41を有していてもよい。第1部分G41は、平面視において第1基板側面11sと接している。該構成により、第1接地導体G1と下面接地導体G4は、壁部3を通して電気的に接続することができる。このため、更に接地電位を強化することができる。なお、下面接地導体G4は、第1部分G41を複数有していてもよい。
【0064】
下面接地導体G4は、第2部分G42を有していてもよい。第2部分G42は、平面視において、第1基板側面11sと間を空けて位置している。なお、下面接地導体G4は、第2部分G42を複数有していてもよい。
【0065】
また、基板1は、第1領域111を有していてもよい。第1領域111は、x方向において、第1基板側面11sと第2部分G42との間に位置するとともに第1下面1bが露出している。言い換えると、第1領域111には、下面接地導体G4は位置していない。
【0066】
第1領域111は、平面視において、第1接続部S11と重なっていてもよい。より具体的には、第1領域111は、平面視において、第1接続部S11および第1接続端子41と重なっている。また、第1領域111は、平面視において、第1基板開口部11oおよび/又は第1台座開口部21oと重なっていてもよい。該構成により、z方向において、第1接続部S11から金属材料を遠ざけることができる。このため、導体部C0における接地電位を強化しつつ、第1接続部S11においてインピーダンスの値が低下する可能性を低減することができる。なお、第1領域111は、必ずしも、平面視において、第1接続部S11と重なる部分を指すものではない。
【0067】
基板側面1sは、第2基板側面12sを更に有していてもよい。第2基板側面12sは、第1基板側面11sの反対側に位置している。より具体的には、第2基板側面12sは、x方向において、第1基板側面11sよりも第1壁面3sから離れた面であると定義することができる。
【0068】
基板1は、第2基板側面12sに位置する第1切欠き部K1を有していてもよい。第1切欠き部K1は、第1上面1tおよび第1下面1bと交差している。また、導体部C0は、第1切欠き部K1に位置する第1側面導体G11を有していてもよい。より具体的には、第1側面導体G11は、第1切欠き部K1の表面に位置しており、いわゆるキャスタレーションとなっていても良い。つまり、第1側面導体G11は、第1接地導体G1又は第2接地導体G2と、下面接地導体G4と、連続していてもよい。該構成により、導体部C0における接地電位を強化することができる。また、第1側面導体G11は、第1切欠き部K1を埋めていてもよい。なお、図11図13においては、第1側面導体G11が、第2接地導体G2および下面接地導体G4と連続している図を示している。
【0069】
また、基板1は、第2基板側面12sに位置するとともに、第1切欠き部K1と間を空けて位置する第2切欠き部K2を有していてもよい。導体部C0は、第2切欠き部K2に位置する第2側面導体G12を有していてもよい。第2側面導体G12は、第1接地導体G1又は第3接地導体G3と、下面接地導体G4と、連続していてもよい。
【0070】
図2に示すように、第1台座開口部21oの深さLz21は、基板1の厚みT1以上であってもよい。該構成であることにより、z方向において、第1接続部S11から台座部2を遠ざけることができるので、第1接続部S11においてインピーダンスの値が低下する可能性を低減することができる。
【0071】
一実施形態において、配線構造体101は、第1壁面3sからx方向に突出する第2接続端子42を更に備えていてもよい。第2接続端子42は、第1接続端子41と同一又は類似の構成であってもよい。つまり、第2接続端子42は、同軸コネクタであってもよい。
【0072】
基板1は、第1上面1tに開口する第3基板開口部13oを有していてもよい。また、基板1は、第1上面1tに開口する第4基板開口部14oを更に有していてもよい。第3
基板開口部13oおよび第4基板開口部14oは、第1基板開口部11oと同一の形状、大きさであってもよい。
【0073】
導体部C0は、第1上面1tにおいてx方向に延びる第2信号導体S2を有していてもよい。第2信号導体S2は、第1信号導体S1とともに、差動信号を伝送する差動信号線路であってもよい。第1信号導体S1および第2信号導体S2は、いずれもシングルエンド信号線路であって、第2信号導体S2は、第1信号導体S1と異なる信号を伝送する線路であってもよい。
【0074】
第2信号導体S2は、第2接続部S22を有していてもよい。第2接続部S22は、平面視において、第2接続端子42の少なくとも一部と重なるとともに第2接続端子42と電気的に接続している。第2接続端子42と第2接続部S22の間には、導電性の接合材5が位置していてもよい。また、第2信号導体S2は、第1基板側面11sと間を空けていてもよい。
【0075】
第1接地導体G1は、第2信号導体S2と間を空けるとともに、第1信号導体S1と第2信号導体S2の間に位置していてもよい。また、導体部C0は、第1上面1tにおいて第2信号導体S2と間を空けて位置する第3接地導体G3を更に有していてもよい。この場合、第2信号導体S2は、第1接地導体G1と第3接地導体G3との間に位置している。該構成により、導体部C0を、GSGSG構造とすることができる。第1接地導体G1は、第1信号導体S1および第2信号導体S2に沿った形状であってもよい。
【0076】
第3基板開口部13oは、第2接続部S22と第1接地導体G1との間に位置していてもよい。また、第4基板開口部14oは、第2接続部S22と第3接地導体G3との間に位置していてもよい。第3基板開口部13oおよび第4基板開口部14oは、基板1よりも誘電率が低くなっている。このため、第2接続部S22において、高周波信号を伝送する場合における特性インピーダンスが、低下する可能性を低減することができる。
【0077】
台座部2は、第2上面2tに開口する第2台座開口部22oを有していてもよい。この場合、第2台座開口部22oは、平面視において、第2接続部S22と重なっていてもよい。第2台座開口部22oは、平面視において、第3基板開口部13oおよび第4基板開口部14oと重なっていてもよい。第2台座開口部22oは、台座部2のy方向における中心線を対称の軸として、第1台座開口部21oと線対称の形状であってもよい。また、y方向において、第2台座側面22sと反対側の面を、第3台座側面23sとしたとき、第2台座開口部22oは、第3台座側面23sと交差していてもよい。
【0078】
第2台座開口部22oは、第1台座開口部21oと間を空けて位置していてもよい。つまり、第2台座開口部22oは、第1台座開口部21oと繋がっていなくてもよい。該構成により、第1台座開口部21oと第2台座開口部22oとの間に台座部2の一部が残るので、当該部分によって基板1を支持することができる。従って、基板1を安定して第2上面2tに実装することができるとともに、基板1を第1壁面3sと安定して当接させることができる。
【0079】
<シミュレーション結果>
図15は、図1に示した一実施形態に係る配線構造体101と、比較例に係る配線構造体101の反射特性を示すグラフであり、横軸は入力信号の周波数(GHz)、縦軸は反射特性(dB)を示している。また、反射特性を示すグラフにおいては、反射特性(dB)の値が小さいほど、信号の反射が小さいことを意味する。破線は、比較例に係る配線構造体101の特性を示し、実線は、図1に示した一実施形態に係る配線構造体101の特性を示している(後述する図16においても同じである)。比較例に係る配線構造体10
1は、図1に示した一実施形態に係る配線構造体101において、第1基板開口部11o、第2基板開口部12o、第3基板開口部13o、第4基板開口部14o、第1台座開口部21o、第2台座開口部22oがない場合の配線構造体101である。図15を参照すると、10GHz~80GHzにおいて、図1に示した一実施形態に係る配線構造体101が、比較例に係る配線構造体101よりも良好な反射特性が得られていることがわかる。
【0080】
図16は、図1に示した一実施形態に係る配線構造体101と、比較例に係る配線構造体101のTDRを示すグラフであり、横軸はTime(ps)、縦軸はImpedance(Ohm)を示している。TDRを示すグラフにおいては、Impedanceが100Ohmに近く、変動が少ない方が良好である。図16を参照すると、0GHz~80GHzにおいて、図1に示した一実施形態に係る配線構造体101が、比較例に係る配線構造体101よりも良好な特性が得られていることがわかる。
【0081】
<電子部品実装用パッケージの構成>
図14に示すように、一実施形態において、電子部品実装用パッケージ10aは、基体104と、枠体102と、配線構造体101と、を備えていてもよい。枠体102は、基体104の上に位置していてもよい。枠体102に壁部3が接合されていてもよい。
【0082】
枠体102は、基体104上に位置し、平面視において、内部に位置する電子部品103を保護している。つまり、平面視において、枠体102は、電子部品103を取り囲んでいる。
【0083】
枠体102は平面視において、矩形状であってもよい。この場合、枠体102および基体104によって、配線構造体101が挟まれる構造となっていてもよい。また、枠体102に配線構造体101がはめ込まれていてもよい。
【0084】
枠体102の材料は、例えば、銅、鉄、タングステン、モリブデン、ニッケル又はコバルト等の金属材料、あるいはこれらの金属材料を含有する合金であってもよい。また、枠体102の材料は、絶縁材料であって、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体又はガラスセラミックス等のセラミック材料であってもよい。また、枠体102の材料は、基板1または壁部3と同じ材料であってもよい。
【0085】
枠体102と基体104の間には接着剤が位置していても良い。つまり、枠体102と基体104とは、接着剤によって接合されていてもよい。
【0086】
枠体102は、配線構造体101がはめ込まれる位置と対向する位置において、貫通孔部102aを有していてもよい。貫通孔部102aには、例えば、レンズや光ファイバなどの光学部品が挿通および/又は固定される。
【0087】
基体104の上面には、配線構造体101が接合されていてもよい。基体104は、例えば、平面視において、矩形状である。基体104の材料としては、例えば、銅、鉄、タングステン、モリブデン、ニッケル又はコバルト等の金属材料、あるいはこれらの金属材料を含有する合金が挙げられる。この場合、基体104は、1枚の金属板又は複数の金属板を積層させた積層体であっても良い。また、基体104の材料が、上記金属材料である場合には、酸化腐食を低減するために、基体104の表面には、電気めっき法又は無電解めっき法を用いて、ニッケル又は金等の鍍金層が形成されていてもよい。また、基体104の材料は、絶縁材料であってもよい。また、基体104は、電気回路が印刷されたPCBであってもよい。
【0088】
電子部品実装用パッケージ10aは、枠体102にはめ込まれた端子部105を有していてもよい。なお、端子部105は、1つに限られず、電子部品実装用パッケージ10aは、対向して位置する端子部105Aおよび端子部105Bを有していてもよい。
【0089】
端子部105は、絶縁部材1052と、絶縁部材1052上に位置する1つ又は複数の外部接続導体1051を有していてもよい。外部接続導体1051には、外部接続部材が接続されていてもよい。ここで言う、外部接続部材としては、例えば、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)や、電子回路が形成されたプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)であってもよいし、リード端子および/又はボンディングワイヤ等の金属部材であってもよい。端子部105に、外部接続部材を接続することで、電子部品実装用パッケージ10aに実装した電子部品103を、動作させることができる。
【0090】
本実施形態に係る電子部品実装用パッケージ10aは、例えば、無線通信用や光通信用の半導体部品を搭載するためのパッケージに用いることができる。この場合、配線構造体101は、電子部品実装用パッケージ10aにおいて、例えば、半導体素子などの電子部品103と外部とを電気的に接続して、電気信号を伝送するとともに入出力するための入出力端子として使用することができる。
【0091】
<電子モジュールの構成>
図14に示すように、一実施形態において、電子モジュール10は、電子部品実装用パッケージ10aと、電子部品103と、蓋体106と、を備えていてもよい。電子部品103は、基体104上に位置し、導体部C0と電気的に接続されている。蓋体106は、枠体102上に位置している。
【0092】
電子部品103は、例えば、無線信号や光信号を電気信号に変換、又は、電気信号を光信号や無線信号に変換するなど信号の処理を行う部品であってもよい。本実施形態において、電子部品103は、基体104上に位置し、電子部品実装用パッケージ10aに収納されている。
【0093】
電子部品103としては、例えば、半導体レーザー(LD)又は、フォトダイオード(PD)等の光半導体素子、半導体集積回路素子および光センサ等のセンサ素子、パワーアンプICなどが挙げられる。電子部品103は、例えばガリウム砒素又は窒化ガリウムなどの半導体材料によって形成できる。電子部品103が、光半導体素子である場合、電子モジュール10は光通信用モジュールとして用いることができる。
【0094】
蓋体106は、枠体102上に位置している。蓋体106は、枠体102とともに電子部品103を保護する。蓋体106の材料としては、例えば、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト、モリブデン又はタングステンなどの金属材料、あるいはこれらの金属材料を複数組み合わせた合金などが挙げられる。
【0095】
電子モジュール10は、蓋体106と枠体102の間に位置するシールリングを更に備えていてもよい。シールリングは枠体102上に位置しており、平面視において電子部品103を取り囲んでいる。なお、枠体102上にシールリングを設けない場合には、蓋体106は、例えば、半田、ろう材、ガラス又は樹脂接着材などの接着剤を介して枠体102上に接合されてもよい。
【0096】
なお、各実施形態、各変形例の種々の組み合わせは上述の実施形態の例に限定されない。また、各実施形態同士、各変形例同士の組み合わせも可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 基板
1t 第1上面
1b 第1下面
1s 基板側面
11s 第1基板側面
12s 第2基板側面
11o 第1基板開口部
12o 第2基板開口部
111 第1領域
13o 第3基板開口部
14o 第4基板開口部
K1 第1切欠き部
K2 第2切欠き部
C0 導体部
S1 第1信号導体
S11 第1接続部
S2 第2信号導体
S22 第2接続部
G1 第1接地導体
G2 第2接地導体
G3 第3接地導体
G4 下面接地導体
G41 第1部分
G42 第2部分
G11 第1側面導体
G12 第2側面導体
2 台座部
2t 第2上面
2s 台座側面
21s 第1台座側面
22s 第2台座側面
23s 第3台座側面
24s 第4台座側面
21o 第1台座開口部
22o 第2台座開口部
251 第1残部
252 第2残部
3 壁部
3s 第1壁面
31o 第1貫通孔
32o 第2貫通孔
41 第1接続端子
411 第1絶縁体
412 第1外周導体
42 第2接続端子
5 接合材
D1 第1台座側面と第1壁面との距離
L1 第1台座側面と第1台座開口部との距離
T1 基板の厚み
Lx11 第1基板開口部のx方向における寸法
Ly11 第1基板開口部のy方向における寸法
Lx12 第2基板開口部のx方向における寸法
Lx21 第1台座開口部のx方向における寸法
Lz21 第1台座開口部の深さ
L41 第1突出長さ
10 電子モジュール
10a 電子部品実装用パッケージ
101 配線構造体
102 枠体
102a 貫通孔部
103 電子部品
104 基体
105A~B 端子部
1051 外部接続導体
1052 絶縁部材
106 蓋体
図1
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図3
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