(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104580
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240729BHJP
G06Q 40/06 20120101ALI20240729BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008875
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】谷 なつみ
(72)【発明者】
【氏名】横井 俊彦
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB55
5L049CC06
5L050CC06
5L055BB55
(57)【要約】
【課題】投資地区の選定に活用することができるシステム等を提供する。
【解決手段】地図において区画された区画領域毎にガス供給量に関連する関連情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された関連情報を用いて、区画領域に新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価を導出する導出部と、を備えるシステム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図において区画された区画領域毎にガス供給量に関連する関連情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記関連情報を用いて、前記区画領域に新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価を導出する導出部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記記憶部は、前記関連情報に含まれる複数の情報それぞれについて前記評価の指標となる指標値を記憶し、
前記導出部は、前記複数の情報それぞれにおける前記指標値を四則演算することにより得た値を用いて前記評価を導出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記区画領域に区画整理が行われるか否かを記憶し、
前記導出部は、前記区画整理が行われない前記区画領域よりも当該区画整理が行われる当該区画領域の前記評価を高く導出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記区画領域に再開発が行われるか否かを記憶し、
前記導出部は、前記再開発が行われない前記区画領域よりも当該再開発が行われる当該区画領域の前記評価を高く導出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記区画領域が簡易ガス供給領域であるか否かを記憶し、
前記導出部は、前記簡易ガス供給領域である前記区画領域よりも、当該簡易ガス供給領域ではない当該区画領域の前記評価を高く導出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記区画領域における普及率を記憶し、
前記導出部は、前記普及率が所定率以下の前記区画領域の前記評価を導出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記導出部が導出した前記区画領域における前記評価を、表示部に表示させた前記地図上における当該区画領域に表示させる表示制御部をさらに備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
コンピュータに、
記憶部に記憶された、地図において区画された区画領域毎のガス供給量に関連する関連情報を受け付ける機能と、
前記区画領域に新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価を導出する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投資適格性を評価する情報処理装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載された情報処理装置は、太陽光発電設備の設置候補地の位置情報を取得する位置情報取得部と、設置候補地の面積情報を取得する面積情報取得部と、設置候補地に設置する太陽光発電パネルに関する太陽光発電パネル情報を取得する太陽光発電パネル情報取得部と、位置情報、面積情報および太陽光発電パネル情報に基づいて、太陽光発電設備の投資適格性を評価する投資適格性評価部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般の需要に応じ導管によりガスを供給する事業者(以下、「一般ガス事業者」と称する場合がある。)は、ガス供給量の増加を目的として、ガスを供給する導管を新たに敷設するために資金を投じる地区(以下、「投資地区」と称する場合がある。)を選定する。それゆえ、今後の投資地区の選定に活用することができるシステムを提供することが望まれている。
本発明は、投資地区の選定に活用することができるシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、地図において区画された区画領域毎にガス供給量に関連する関連情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記関連情報を用いて、前記区画領域に新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価を導出する導出部と、を備えるシステムである。
ここで、前記記憶部は、前記関連情報に含まれる複数の情報それぞれについて前記評価の指標となる指標値を記憶し、前記導出部は、前記複数の情報それぞれにおける前記指標値を四則演算することにより得た値を用いて前記評価を導出しても良い。
また、前記記憶部は、前記区画領域に区画整理が行われるか否かを記憶し、前記導出部は、前記区画整理が行われない前記区画領域よりも当該区画整理が行われる当該区画領域の前記評価を高く導出しても良い。
また、前記記憶部は、前記区画領域に再開発が行われるか否かを記憶し、前記導出部は、前記再開発が行われない前記区画領域よりも当該再開発が行われる当該区画領域の前記評価を高く導出しても良い。
また、前記記憶部は、前記区画領域が簡易ガス供給領域であるか否かを記憶し、前記導出部は、前記簡易ガス供給領域である前記区画領域よりも、当該簡易ガス供給領域ではない当該区画領域の前記評価を高く導出しても良い。
また、前記記憶部は、前記区画領域における普及率を記憶し、前記導出部は、前記普及率が所定率以下の前記区画領域の前記評価を導出しても良い。
また、前記導出部が導出した前記区画領域における前記評価を、表示部に表示させた前記地図上における当該区画領域に表示させる表示制御部をさらに備えても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、コンピュータに、記憶部に記憶された、地図において区画された区画領域毎のガス供給量に関連する関連情報を受け付ける機能と、前記区画領域に新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価を導出する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、投資地区の選定に活用することができるシステム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係るシステムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】サーバ装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図4】記憶部に記憶された関連情報の一例を示す図である。
【
図5】記憶部に記憶された指標値の一例を示す図である。
【
図6】表示部に表示されたホーム画面の一例を示す図である。
【
図7】普及率ボタンが押された場合の表示部に表示された表示画面の一例を示す図である。
【
図8】評価値ボタンが押された場合の表示部に表示された表示画面の一例を示す図である。
【
図9】表示部に表示された表示画面の一例を示す図である。
【
図10】第1人口増ボタンが押された場合の表示部に表示された表示画面の一例を示す図である。
【
図11】普及率ボタン及び第1人口増ボタンが押された場合の表示部に表示された表示画面の一例を示す図である。
【
図12】第2人口増ボタン及び第1供給ボタンが押された場合の表示部に表示された表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係るシステム1の概略構成の一例を示す図である。
本実施の形態に係るシステム1は、投資地区を選定するために有効なシステムである。
投資地区は、予め区画された区画領域R(
図6参照)単位で選定することを例示することができる。なお、領域の区画は、行政区画(地方行政区分)であることを例示することができる。かかる場合、区画領域Rは各市区町村であり、例えば東京都港区、千葉県千葉市、神奈川県葉山町、茨城県美浦村等である。また、領域の区画は、一般ガス事業者が独自に定めた区画であっても良い。また、投資地区は、区画領域Rにおける世帯数に対する、システム1を有する一般ガス事業者(以下、「自社」と称する場合がある。)が導管によりガスを供給する世帯数の割合(以下、「普及率」と称する場合がある。)が所定率以下である区画領域Rの中から選定されることを例示することができる。なお、所定率は、80%であることを例示することができる。
【0009】
システム1は、投資地区の選定に活用することができる評価を導出するサーバ装置10と、投資地区を選定する業務を行う者が使用する情報処理装置20とを備えている。サーバ装置10と情報処理装置20とは、ネットワーク5を介して互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク5は、装置間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばインターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。
【0010】
(サーバ装置10)
図2は、サーバ装置10の概略構成の一例を示す図である。
サーバ装置10は、装置全体を制御する制御部11と、データ等の記憶に用いられる記憶部12と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部13と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部14と、外部装置との通信に用いられる通信部15とを備えている。これら制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15は、バス16にて接続されている。
【0011】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)、アプリケーションプログラム、各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部12から読み出したアプリケーションプログラムを実行することにより、サーバ装置10の各部が制御される。制御部11の機能については後で詳述する。
【0012】
記憶部12は、半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であることを例示することができる。記憶部12は、区画領域Rにおける普及率等を記憶する。
表示部13は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであることを例示することができる。
操作部14は、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
通信部15は、通信インターフェース(通信I/F)であることを例示することができる。
以上のように構成されたサーバ装置10は、所謂サーバ、デスクトップPC、ノートPC等であることを例示することができる。
【0013】
(情報処理装置20)
図3は、情報処理装置20の概略構成の一例を示す図である。
情報処理装置20は、装置全体を制御する制御部21と、データ等の記憶に用いられる記憶部22と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部23と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部24と、サーバ装置10等の外部装置との通信に用いられる通信部25とを備えている。これら制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24、通信部25は、バス26にて接続されている。
【0014】
制御部21は、CPU、ROM、RAMにより構成される。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部22から読み出したアプリケーションプログラムを実行することにより、情報処理装置20の各部が制御される。制御部21の機能については後で詳述する。
【0015】
記憶部22は、半導体メモリやHDD等の記憶装置であることを例示することができる。
表示部23は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであることを例示することができる。
操作部24は、キーボード、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
通信部25は、通信インターフェース(通信I/F)であることを例示することができる。
以上のように構成された情報処理装置20は、ノートPC、デスクトップPC、タブレットPC、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)等であることを例示することができる。
【0016】
((サーバ装置10の制御部11))
制御部11は、情報処理装置20等の外部装置から送信されてきた情報を受信する受信部111と、情報処理装置20等の外部装置に情報を送信する送信部112とを有する。また、制御部11は、記憶部12に記憶された関連情報を用いて、区画領域Rに新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価を導出する導出部113を有する。
【0017】
(((受信部111)))
受信部111は、情報処理装置20等の外部装置を介して入力された関連情報や指標値を受信する。そして、受信部111は、受信した関連情報や指標値を記憶部12に記憶する。例えば、一般ガス事業者の従業員は、区画領域Rにおける関連情報を取得した場合には、情報処理装置20の操作部24を介して、区画領域Rに関連付けて取得した関連情報を入力する。また、一般ガス事業者の従業員は、関連情報それぞれに対応する指標値を設定した場合には、情報処理装置20の操作部24を介して、関連情報に関連付けて設定した指標値を入力する。そして、情報処理装置20の制御部21が、入力された、区画領域Rにおける関連情報や関連情報に応じた指標値をサーバ装置10に対して送信する。受信部111は、このようにして送信されてきた関連情報や指標値を受信する。
【0018】
(((送信部112)))
送信部112は、導出部113が導出した評価を情報処理装置20等の外部装置に送信する。また、送信部112は、情報処理装置20からの要求に応じて、記憶部12に記憶されている情報を情報処理装置20に送信する。
【0019】
(((導出部113)))
導出部113は、投資地区を選定するために用いる評価を導出する。例えば、導出部113は、区画領域R毎に、以下の式(1)を用いて評価値を導出する。
評価値=人口増期待値+供給期待値+追加期待値・・・(1)
人口増期待値は、区画領域Rにおいて人口が増加する可能性に応じた値である。供給期待値は、区画領域Rにおいてガスを新たに供給できる可能性に応じた値である。追加期待値は、区画領域Rにおけるその他の追加的な情報に応じた値である。
以下、人口増期待値、供給期待値、追加期待値について詳述する。
【0020】
<人口増期待値>
導出部113は、人口増期待値を、以下の式(2)を用いて導出する。人口増期待値は、人口が増加する可能性が高いほど、及び、増加人数が多いほど大きな値となるように定められる。
人口増期待値=基礎値×規模係数・・・(2)
基礎値は、人口増の要因に応じた値である。規模係数は、想定される人口増の大きさに応じた値である。
【0021】
図4は、記憶部12に記憶された関連情報の一例を示す図である。
図5は、記憶部12に記憶された指標値の一例を示す図である。
ここで、記憶部12は、
図4に示すように、区画領域R毎に、区画整理が予定されている地域を含むか否か、再開発が予定されている地域を含むか否か、道路拡張が予定されている地域を含むか否かの情報を記憶する。区画整理とは、土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更を行うことである。再開発とは、旧来の建物や構造物を取り壊して計画的に街づくりをし直すことである。区画整理が予定されている区画領域R、再開発が予定されている区画領域R、道路拡張が予定されている区画領域Rにおいては、今後世帯数や人口が増加することが予想されることから投資地区に選定する価値が高い。
【0022】
また、記憶部12は、区画整理又は再開発が予定されている場合に、これらの規模の情報を記憶する。例えば、区画整理又は再開発に伴い、世帯数の増加が予め定められた第1所定数以上と予想される場合には大規模、世帯数の増加が、第1所定数未満であり、かつ、予め定められた第2所定数以上であると予想される場合には中規模、世帯数の増加が第2所定数未満と予想される場合には小規模であることを例示することができる。なお、第1所定数は1000戸、第2所定数は500戸であることを例示することができる。
【0023】
また、世帯数ではなく人口の増加を基準としても良い。例えば、人口が2000人以上増加すると予想される場合には大規模、人口が1000人以上、2000人未満の範囲で増加すると予想される場合には中規模、人口が1000人未満の増加と予想される場合には小規模としても良い。
【0024】
また、世帯数や人口の増加を基準とするのではなく、新たな施設が造られるか否かを基準としても良い。例えば、予め定められた第1施設が新たに造られる場合には大規模、第1施設は造られないが、予め定められた第2施設が新たに造られる場合には中規模としても良い。なお、第1施設は駅、第2施設はデパートやショッピングセンタ等の大型の小売店であることを例示することができる。
【0025】
また、記憶部12は、道路拡張が予定されている場合に、その規模の情報を記憶する。例えば、拡張が予定されている道路の幅が予め定められた第1幅以上である場合には大規模、道路の幅が、第1幅未満であり、かつ、予め定められた第2幅以上である場合には中規模、道路の幅が第2幅未満の場合には小規模であることを例示することができる。なお、第1幅は20m、第2幅は10mであることを例示することができる。
【0026】
また、記憶部12は、
図5に示すように、区画領域Rが、区画整理が予定されている領域(以下、「区画整理予定領域」と称する場合がある。)、再開発が予定されている領域(以下、「再開発予定領域」と称する場合がある。)、道路拡張が予定されている領域(以下、「道路拡張予定領域」と称する場合がある。)である場合のそれぞれに応じた指標値として基礎値A1=2.0、基礎値A2=2.5、基礎値A3=1.5を記憶する。また、記憶部12は、
図5に示すように、大規模、中規模、小規模のそれぞれに応じた指標値として規模係数B1=1.2、規模係数B2=1.0、規模係数B3=0.8を記憶する。
【0027】
導出部113は、例えば、
図4に示すように、記憶部12に、第1区画領域R1が中規模の区画整理予定領域であり、第2区画領域R2が大規模の再開発予定領域であり、第3区画領域R3が小規模の道路拡張予定領域であることが記憶されている場合には、以下のように人口増期待値を導出する。すなわち、導出部113は、第1区画領域R1の人口増期待値を、A1×B2=2.0×1.0=2.0、第2区画領域R2の人口増期待値を、A2×B1=2.5×1.2=3.0、第3区画領域R3の人口増期待値を、A3×B3=1.5×0.8=1.2と導出する。
【0028】
なお、人口増期待値に関連する情報としては、区画整理が予定されているか否か、再開発が予定されているか否か、道路拡張が予定されているか否か、大規模、中規模、小規模の情報に限定されない。例えば、自社と協定を結んだ上で予定されているか否かを加味しても良く、自社と協定を結んでいる場合の指標値を1.5として、当該指標値を乗算して人口増期待値を導出しても良い。
また、記憶部12は、区画領域Rが、区画整理予定領域、再開発予定領域、道路拡張予定領域等のいずれの人口増の要因に該当しない場合の指標値として人口増期待値A0=1.0を記憶する。
【0029】
<供給期待値>
記憶部12は、区画領域R毎に、簡易ガスが供給されている地域を含む領域(以下、「簡易ガス供給領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。なお、簡易ガスは、ガス事業法に基づき許可を受けた簡易ガス事業者が、政令で定める簡易なガス発生設備において発生させ、導管により供給するガス(例えばLPガス)である。例えば、
図4に示すように、記憶部12は、第4区画領域R4が簡易ガス供給領域であることを記憶する。簡易ガス供給領域である場合には、簡易ガスから、導管により供給されるガスへ切り替える可能性は低いと考えられることから、簡易ガス供給領域である区画領域Rの評価値が簡易ガス供給領域ではない区画領域の評価値よりも小さくなるように指標値が設定されている。例えば、
図5に示すように、記憶部12は、簡易ガス供給領域である場合の指標値として供給期待値C1=0.2を記憶する。
【0030】
また、記憶部12は、区画領域R毎に、導管の圧力が低い地域を含む領域(以下、「圧力脆弱領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。圧力脆弱領域である場合には導管を敷設しても多くのガスを供給することが困難であることから、圧力脆弱領域である区画領域Rの評価値が圧力脆弱領域ではない区画領域の評価値よりも小さくなるように指標値が設定されている。例えば、
図5に示すように、記憶部12は、圧力脆弱領域である場合の指標値として供給期待値C2=0.3を記憶する。
【0031】
また、記憶部12は、区画領域R毎に、導管を敷設することが困難な地域を含む領域(以下、「難施工領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。難施工領域としては、例えば、川がある区画領域Rであることを例示することができる。難施工領域の評価値が難施工領域ではない区画領域Rの評価値よりも小さくなるように指標値が設定されている。例えば、
図5に示すように、記憶部12は、難施工領域である場合の指標値として供給期待値C3=0.1を記憶する。
【0032】
また、記憶部12は、区画領域R毎に、他の一般ガス事業者がガスを供給している地域を含む領域(以下、「他ガス供給領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。他ガス供給領域である場合には、他の一般ガス事業者から、自社へ切り替える可能性は低いと考えられることから、他ガス供給領域の評価値が他ガス供給領域ではない区画領域Rの評価値よりも小さくなるように指標値が設定されている。例えば、
図5に示すように、記憶部12は、他ガス供給領域である場合の指標値として供給期待値C4=0.3を記憶する。
【0033】
また、記憶部12は、区画領域R毎に、他の燃料(例えば、電気や、一般ガス事業者以外のガス事業者が供給するLPガス)が供給されている地域を含む領域(以下、「他燃料領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。他燃料領域である場合には、他の燃料から、導管により供給されるガスへ切り替える可能性は低いと考えられることから、他燃料領域の評価値が他燃料領域ではない区画領域Rの評価値よりも小さくなるように指標値が設定されている。ただし、他燃料領域であっても、他の燃料の燃料代が高いことや、他の燃料の供給が不安定であること等の理由により、例えば上述した簡易ガスから導管により供給されるガスへ切り替える可能性よりも、他の燃料から導管により供給されるガスへ切り替える可能性の方が高いと考えられる。以上の事項に鑑み、
図5に示すように、記憶部12は、他燃料領域である場合の指標値として供給期待値C5=0.5を記憶する。
【0034】
また、記憶部12は、区画領域R毎に、掘削が規制されている路線において導管を埋設することが禁止されている地域を含む領域(以下、「埋設不可領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。埋設不可領域である場合には、導管を埋設することが可能となる可能性はあまり高くないと考えられることから、埋設不可領域の評価値が埋設不可領域ではない区画領域Rの評価値よりも小さくなるように指標値が設定されている。例えば、
図5に示すように、記憶部12は、埋設不可領域である場合の指標値として供給期待値C6=0.1を記憶する。
【0035】
また、記憶部12は、区画領域R毎に、過年度に自社が導管を新たに敷設することを決めた地域を含む領域(以下、「過年度創出領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。また、記憶部12は、区画領域R毎に、過年度創出領域において新たに敷設することとなった導管の延長線上に位置する地域を含む領域(以下、「延長領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。延長領域である場合には、過年度創出領域において新たに敷設することとなった導管の延長で導管を敷設することとなる可能性が高いと考えられることから、延長領域の評価値が延長領域ではない区画領域Rの評価値よりも大きくなるように指標値が設定されている。例えば、
図5に示すように、記憶部12は、延長領域である場合の指標値として供給期待値C7=1.5を記憶する。
【0036】
また、記憶部12は、区画領域R毎に、圧力が弱い導管に対して自社が圧力を高めるために補強することを決めた地域を含む領域(以下、「補強領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。また、記憶部12は、区画領域R毎に、補強領域に隣接する地域を含む領域(以下、「隣接領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。隣接領域である場合には、補強領域において補強された導管の影響で導管を敷設することとなる可能性が高いと考えられることから、隣接領域の評価値が隣接領域ではない区画領域Rの評価値よりも大きくなるように指標値が設定されている。例えば、
図5に示すように、記憶部12は、隣接領域である場合の指標値として供給期待値C8=1.5を記憶する。
【0037】
また、記憶部12は、区画領域Rが、簡易ガス供給領域、圧力脆弱領域、難施工領域、他ガス供給領域、他燃料領域、埋設不可領域、延長領域、隣接領域のいずれにも該当しない場合の指標値として供給期待値C0=1.0を記憶する。
なお、供給期待値に関連する情報としては、簡易ガス供給領域、圧力脆弱領域、難施工領域、他ガス供給領域、他燃料領域、埋設不可領域、延長領域、隣接領域に限定されない。
【0038】
<追加期待値>
記憶部12は、区画領域R毎に、当該区画領域Rで政務を行う行政が自社に対して友好的な地域を含む領域(以下、「友好領域」と称する場合がある。)であること、又は、非友好的な地域を含む領域(以下、「非友好領域」と称する場合がある。)であることを記憶する。例えば、行政が、自社が導管を敷設することに対して好意的である場合には友好領域であり、行政が、例えばオール電化を推奨する等、自社が導管を敷設することに対して好意的ではない場合には非友好領域であることを例示することができる。
【0039】
友好領域である場合には、行政の指導により、導管により供給されるガスを使用する可能性が高いと考えられることから、友好領域の評価値が友好領域ではない区画領域Rの評価値よりも大きくなるように指標値が設定されている。例えば、記憶部12は、
図5に示すように、友好領域である場合の指標値として追加期待値D1=1.5を記憶する。
【0040】
他方、非友好領域である場合には、行政の指導により、導管により供給されるガスを使用する可能性が低いと考えられることから、非友好領域の評価値が非友好領域ではない区画領域Rの評価値よりも小さくなるように指標値が設定されている。つまり、記憶部12は、
図5に示すように、非友好領域である場合の指標値として追加期待値D2=0.5を記憶する。
【0041】
なお、追加期待値に関連する情報としては、友好領域、非友好領域に限定されない。記憶部12は、友好領域、非友好領域等のその他の追加的な情報に該当しない区画領域Rの指標値として追加期待値D0=1.0を記憶する。
【0042】
導出部113は、普及率が所定率以下の区画領域Rについて、当該区画領域Rについての上述した情報が入力される度、及び、上述した指標値が設定される度に、当該区画領域Rにおける評価値を導出し、記憶部12に記憶する。
【0043】
例えば、
図4に示すように、記憶部12に、第1区画領域R1~第9区画領域R9のように、普及率が所定率以下であり、何らかの項目に該当する領域であると記憶されている場合であって、記憶部12に、
図5に示す指標値が記憶されている場合には、導出部113は、以下のようにして評価値を導出し、導出した評価値を記憶部12に記憶する。
【0044】
例えば、第1区画領域R1である場合、人口増期待値は2.0、難施工領域で供給期待値C3=0.1、その他の追加的な情報がなく追加期待値が1.0であることから、導出部113は、第1区画領域R1の評価値を3.1と導出し、記憶部12に記憶する。
【0045】
例えば、第2区画領域R2である場合、人口増期待値は3.0、供給期待値は1.0、友好領域であるため追加期待値D1=1.5であることから、導出部113は、第2区画領域R2の評価値を5.5と導出し、記憶部12に記憶する。
【0046】
例えば、第3区画領域R3である場合、人口増期待値は1.2、延長領域で供給期待値C6=1.5、その他の追加的な情報がなく追加期待値が1.0であることから、導出部113は、第3区画領域R3の評価値を3.7と導出し、記憶部12に記憶する。
【0047】
例えば、第4区画領域R4である場合、人口増期待値は1.0、簡易ガス供給領域で供給期待値C1=0.2、その他の追加的な情報がなく追加期待値が1.0であることから、導出部113は、第4区画領域R4の評価値を2.2と導出し、記憶部12に記憶する。
【0048】
例えば、第5区画領域R5である場合、人口増期待値は1.0、圧力脆弱領域で供給期待値C2=0.3、その他の追加的な情報がなく追加期待値が1.0であることから、導出部113は、第5区画領域R5の評価値を2.3と導出し、記憶部12に記憶する。
【0049】
例えば、第6区画領域R6である場合、人口増期待値は1.0、他ガス供給領域で供給期待値C4=0.3、その他の追加的な情報がなく追加期待値が1.0であることから、導出部113は、第6区画領域R6の評価値を2.3と導出し、記憶部12に記憶する。
【0050】
例えば、第7区画領域R7である場合、人口増期待値は1.0、他燃料領域で供給期待値C5=0.5、非友好領域であるため追加期待値D2=0.5であることから、導出部113は、第7区画領域R7の評価値を2.0と導出し、記憶部12に記憶する。
【0051】
例えば、第8区画領域R8である場合、人口増期待値は1.0、埋設不可領域で供給期待値C6=0.1、その他の追加的な情報がなく追加期待値が1.0であることから、導出部113は、第8区画領域R8の評価値を2.1と導出し、記憶部12に記憶する。
【0052】
例えば、第9区画領域R9である場合、人口増期待値は1.0、隣接領域で供給期待値C8=1.5、その他の追加的な情報がなく追加期待値が1.0であることから、導出部113は、第9区画領域R9の評価値を3.5と導出し、記憶部12に記憶する。
【0053】
第10区画領域R10は過年度創出領域、第11区画領域R11は補強領域であり、
図4に示したいずれの領域にも該当しないため、導出部113は、第10区画領域R10及び第11区画領域R11の評価値を3.0と導出し、記憶部12に記憶する。第10区画領域R10及び第11区画領域R11は、現在は普及率が所定率を超えていないものの、普及率が所定率を超えることが確実視されている領域である。
なお、第12区画領域R12~第17区画領域R17は普及率が所定率を超えている区画領域Rである。
【0054】
(情報処理装置20の制御部21)
制御部21は、
図3に示すように、サーバ装置10等の外部装置から送信されてきた情報を受信する受信部211と、サーバ装置10等の外部装置に情報を送信する送信部212とを有する。また、制御部21は、操作部24の操作を受け付ける受付部213を有する。また、制御部21は、表示部23に情報を表示する表示制御部214を有する。
【0055】
図6は、表示部23に表示されたホーム画面30の一例を示す図である。
本システムを利用するユーザが、情報処理装置20にインストールされた専用のアプリケーションを起動した場合に、表示制御部214は、
図6に示すように、表示部23にホーム画面30を表示させる。
【0056】
表示制御部214は、ホーム画面30に、地図と、文言が記載されたボタン40とを表示部23に表示させる。ボタン40は、「普及率所定率超領域」と記載された普及率ボタン41と、「評価値」と記載された評価値ボタン42とを有する。また、ボタン40は、「区画整理予定領域」と記載された第1人口増ボタン51と、「再開発予定領域」と記載された第2人口増ボタン52と、「拡張予定領域」と記載された第3人口増ボタン53とを有する。また、ボタン40は、「簡易ガス供給領域」、「圧力脆弱領域」、「難施工領域」、「他ガス供給領域」、「他燃料領域」、「埋設不可領域」、「延長領域」、「隣接領域」、「過年度創出領域」、「補強領域」とそれぞれ記載された、第1供給ボタン61、第2供給ボタン62、第3供給ボタン63、第4供給ボタン64、第5供給ボタン65、第6供給ボタン66、第7供給ボタン67、第8供給ボタン68、第9供給ボタン69、第10供給ボタン70とを有する。また、ボタン40は、「友好領域」、「非友好領域」とそれぞれ記載された、第1追加ボタン81、第2追加ボタン82とを有する。
【0057】
ユーザがホーム画面30に表示されたボタン40を押した場合、表示制御部214は、押したボタン40に対応する項目に該当するとサーバ装置10の記憶部12に記憶されている区画領域Rを、表示部23に表示させた地図上に、他の区画領域Rにおける表示態様と異なる態様で表示させる。なお、以下の説明において、ボタン40を押すとは、操作部24の一例としてのマウスにてボタンをクリックすることであることを例示することができる。また、操作部24がタッチパネルである場合には、ボタンをタッチすることであることを例示することができる。
【0058】
ユーザがホーム画面30に表示されたボタン40を押した場合、制御部21の受付部213が、ボタン40が押されたことを受け付け、送信部212が、ボタン40が押されたことをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10においては、制御部11の受信部111が、情報処理装置20の識別情報とともにボタン40が押されたことを受信する。そして、制御部11の送信部112は、記憶部12に記憶されている、押されたボタン40に該当する情報を、当該情報処理装置20に送信する。そして、情報処理装置20においては、サーバ装置10から送信されてきた情報を制御部21の受信部211が受信し、受信した情報を表示制御部214が表示部23に表示させる。
【0059】
図7は、普及率ボタン41が押された場合の表示部23に表示された表示画面の一例を示す図である。
ユーザが、例えば普及率ボタン41を押した場合には、表示制御部214は、サーバ装置10の記憶部12に普及率が所定率を超えていると記憶されている区画領域Rを、表示部23に表示させた地図上に、普及率が所定率以下である区画領域Rと異なる態様で表示させる。例えば、表示制御部214は、
図7に示すように、普及率が所定率以下である区画領域Rを白色で表示させるのに対して、普及率が所定率を超えている第12区画領域R12~第17区画領域R17を灰色で表示させる。
【0060】
図8は、評価値ボタン42が押された場合の表示部23に表示された表示画面の一例を示す図である。
ユーザが、例えば評価値ボタン42を押した場合には、表示制御部214は、表示部23に表示させた地図上における、評価値が記憶された区画領域Rに、当該区画領域Rの評価値を表示させる。
【0061】
図9は、表示部23に表示された表示画面の一例を示す図である。
ユーザが、例えば普及率ボタン41及び評価値ボタン42を押した場合には、表示制御部214は、普及率が所定率を超えている区画領域Rを地図上に灰色で表示させるとともに、地図上における、評価値が記憶された区画領域Rに、当該区画領域Rの評価値を表示させる。
【0062】
その他、ユーザが、普及率ボタン41及び評価値ボタン42以外のボタン40を押した場合、表示制御部214は、押したボタン40に対応する項目に該当するとサーバ装置10の記憶部12に記憶されている区画領域Rを、表示部23に表示させた地図上に表示させる。
【0063】
図10は、第1人口増ボタン51が押された場合の表示部23に表示された表示画面の一例を示す図である。
例えば、ユーザが、「区画整理予定領域」と記載された第1人口増ボタン51を押した場合には、表示制御部214は、サーバ装置10の記憶部12に区画整理予定領域として記憶されている第1区画領域R1を、表示部23に表示させた地図上に、区画整理予定領域ではない区画領域Rと異なる態様で表示させる。例えば、
図10に示すように、表示制御部214は、区画整理予定領域ではない区画領域Rを白色で表示させるのに対して、区画整理予定領域である第1区画領域R1を網掛けで表示させる。
【0064】
図11は、普及率ボタン41及び第1人口増ボタン51が押された場合の表示部23に表示された表示画面の一例を示す図である。
ユーザが、例えば普及率ボタン41及び第1人口増ボタン51を押した場合には、表示制御部214は、表示部23に表示させた地図上に、普及率が所定率を超えている区画領域Rを表示させるとともに、区画整理予定領域である区画領域Rを表示させる。例えば、
図11に示すように、表示制御部214は、普及率が所定率以下でありかつ区画整理予定領域ではない区画領域Rを白色で表示させるのに対して、普及率が所定率を超えている第12区画領域R12~第17区画領域R17を灰色で表示させるとともに、区画整理予定領域である第1区画領域R1を網掛けで表示させる。なお、普及率が所定率を超えている区画領域Rと区画整理予定領域である区画領域Rとの表示態様が異なるのであれば、これらの表示態様は、灰色、網掛けに限定されない。例えば異なる色であっても良いし、異なる網掛けであっても良い。
【0065】
図12は、第2人口増ボタン52及び第1供給ボタン61が押された場合の表示部23に表示された表示画面の一例を示す図である。
ユーザが、普及率ボタン41及び評価値ボタン42以外のボタン40を複数押した場合、押した複数のボタン40それぞれに対応する項目に該当するとサーバ装置10の記憶部12が記憶している区画領域Rを、表示部23に表示させた地図上に表示させる。その際、表示制御部214は、複数のボタン40それぞれに対応する区画領域Rを異なる表示態様にて表示させると良い。
【0066】
例えば、ユーザが、第2人口増ボタン52及び第1供給ボタン61を押した場合には、表示制御部214は、表示部23に表示させた地図上に、再開発予定領域である区画領域Rと、簡易ガス供給領域である区画領域Rとを異なる表示態様で表示部23に表示させる。例えば、
図12に示すように、表示制御部214は、表示部23に表示させた地図上における、再開発予定領域である第2区画領域R2と、簡易ガス供給領域である第4区画領域R4とを異なる網掛けで表示させる。
【0067】
以上説明したように、システム1は、地図において区画された区画領域R毎にガス供給量に関連する関連情報(例えば区画整理予定領域であるか否か等)を記憶する記憶部12と、記憶部12に記憶された関連情報を用いて、区画領域Rに新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価(例えば評価値)を導出する導出部113と、を備える。
【0068】
システム1によれば、ユーザは、導出部113が導出する評価を投資地区の選定に活用することができる。例えば、ユーザは、評価が高い区画領域R(例えば評価値が高い区画領域R)を新たな投資地区に選定することができる。その結果、システム1によれば、真にガス供給量の増加に繋がる区画領域Rを投資地区に選定することが可能となる。なお、上述した実施形態においては、導出部113は、評価値を導出しているが、投資を行うか否かの判断に関連する評価は、評価値に限定されない。例えば、Aランク、Bランク、Cランクというように、段階的に順位を定めても良い。かかる場合には、評価値が5を超える場合にはAランク、評価値が5以下であるが4を超える場合にはBランク、評価値が4以下であるが3を超える場合にはCランクとすることを例示することができる。
【0069】
また、記憶部12は、関連情報に含まれる複数の情報(例えば区画整理予定領域であること、簡易ガス供給領域であること等)それぞれについて評価の指標となる指標値(例えば基礎値A1、供給期待値C1)を記憶する。そして、導出部113は、複数の情報それぞれにおける指標値を四則演算することにより得た値を用いて評価を導出する。例えば、導出部113は、上述した式(1)、(2)を用いて算出した値を評価値とする。あるいは、導出部113は、上述した式(1)、(2)を用いて算出した値が高いほどAランクと導出する。
【0070】
また、記憶部12は、区画領域Rに区画整理が行われるか否かを記憶し、導出部113は、区画整理が行われない区画領域R(例えば第9区画領域R9)よりも区画整理が行われる区画領域R(例えば第1区画領域R1)の評価を高く導出する。それゆえ、真にガス供給量の増加に繋がる区画領域Rを投資地区に選定することが可能となる。
【0071】
また、記憶部12は、区画領域Rに再開発が行われるか否かを記憶し、導出部113は、再開発が行われない区画領域R(例えば第9区画領域R9)よりも再開発が行われる区画領域R(例えば第2区画領域R2)の評価を高く導出する。それゆえ、真にガス供給量の増加に繋がる区画領域Rを投資地区に選定することが可能となる。
【0072】
また、記憶部12は、区画領域Rが簡易ガス供給領域であるか否かを記憶し、導出部113は、簡易ガス供給領域である区画領域R(例えば第4区画領域R4)よりも、簡易ガス供給領域ではない区画領域R(例えば第9区画領域R9)の評価を高く導出する。それゆえ、真にガス供給量の増加に繋がる区画領域Rを投資地区に選定することが可能となる。
【0073】
ただし、記憶部12は、区画領域Rにおける普及率を記憶し、導出部113は、普及率が所定率以下の区画領域Rの評価を導出する。それゆえ、例えば、指標値が更新された場合等において、全ての区画領域Rの評価を導出する構成と比較して導出部113の処理負荷を低減できる。
【0074】
また、システム1は、導出部113が導出した区画領域Rにおける評価を、表示部23に表示させた地図上における区画領域Rに表示させる表示制御部214をさらに備える。これにより、ユーザは、評価が高い区画領域Rを地図上において視覚的に把握することができる。
【0075】
なお、上述した実施形態において、表示制御部214は、評価値、区画整理予定領域、再開発予定領域等を地図上に表示させるのではなく、テキストにて表示させても良い。かかる態様であっても、ユーザは、地図上に表示された区画領域Rと、区画領域Rと関連付けて表示された評価値等のテキストとの両方を見ることにより、地図上の区画領域Rにおいて、どの地区が、評価値が高いかを視覚的に把握することができる。
【0076】
また、上述した実施形態においては、サーバ装置10の記憶部12がガス供給量に関連する関連情報(例えば区画整理予定領域であるか否か等)を記憶し、サーバ装置10の制御部11が評価を導出しているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、ガス供給量に関連する関連情報はサーバ装置10とは異なる記憶装置(例えばデータベースサーバ)に記憶されてデータベース化されていても良い。
また、情報処理装置20の記憶部22がガス供給量に関連する関連情報を記憶し、情報処理装置20の制御部21が評価を導出するとともに、表示部23に表示させる構成であっても良い。
【0077】
また、上述した実施形態において、サーバ装置10の記憶部12が記憶し、情報処理装置20の制御部21が表示部23に表示させる関連情報は、上述した区画整理予定領域、簡易ガス供給領域等に限定されない。
例えば、関連情報は、既に埋設されている導管の情報(例えば位置や大きさ)であっても良い。
【0078】
また、関連情報は、新しく建設される予定の建物の情報(例えば、建物のタイプ(住宅、公共施設、商業施設、工場、発電所等)、位置、大きさ)であっても良い。これにより、地図上において、どのエリアに新しく建設される予定の建物が集まっているかを視覚的に把握することが可能となる。
【0079】
また、関連情報は、他の燃料から、導管により供給されるガスへ切り替えを促した建物の情報、及び、切り替えが実現した建物の情報であっても良い。あるいは、関連情報は、区画領域Rにおいて、他の燃料から、導管により供給されるガスへ切り替えを促した建物の数、及び、切り替えが実現した建物の数であっても良い。また、関連情報は、区画領域Rにおいて、すでに投資した導管の沿線に存在する、他の燃料から、当該導管により供給されるガスへ切り替えを行った建物の数、及び、当該沿線において獲得した新しく建設された建物の数であっても良い。これらにより、区画領域Rにおける、導管により供給されるガスに対する需要の潜在力の高さを把握することができる。
【0080】
以上説明した、サーバ装置10、及び、情報処理装置20が行う処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現することができる。この場合、各装置(例えばサーバ装置10)の制御部(例えば制御部11)のCPUが、当該装置の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。例えば、プログラムを記録した非一時的なコンピュータが読取可能な記録媒体を各装置(例えばサーバ装置10)に提供し、装置(例えばサーバ装置10)のCPUが記録媒体に格納されたプログラムを読み出す。あるいは、装置(例えばサーバ装置10)のCPUがネットワーク5を介してダウンロードする。これらの場合、記録媒体から読み出されたプログラムあるいはダウンロードされたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体、及びそれを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0081】
サーバ装置10の機能を実現するプログラムは、コンピュータに、記憶部12に記憶された、地図において区画された区画領域R毎のガス供給量に関連する関連情報を受け付ける機能(例えば受信部111が受信する機能)と、区画領域Rに新たに導管を敷設するための投資を行うか否かの判断に関連する評価を導出する機能(例えば導出部113が導出する機能)と、を実現させる。
このようなプログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMを例示することができる。
【符号の説明】
【0082】
1…システム、5…ネットワーク、10…サーバ装置、11…制御部、12…記憶部、20…情報処理装置、21…制御部、22…記憶部、23…表示部、24…操作部、40…ボタン、113…導出部、214…表示制御部