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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104582
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】車両用電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/10 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
G05F1/10 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008877
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 史和
(72)【発明者】
【氏名】真田 圭
【テーマコード(参考)】
5H410
【Fターム(参考)】
5H410BB04
5H410BB08
5H410CC02
5H410DD02
5H410EB25
5H410EB37
5H410FF03
5H410FF09
5H410GG02
(57)【要約】
【課題】プロセッサの急峻な負荷変動に伴い、消費電流が急変動を生じたとしても、プロセッサの入力電源電圧を規格から外れないようにできる車両用電子制御装置を提供する。
【解決手段】電源制御マイコンはプロセッサ電源を制御し、プロセッサ電源はプロセッサに電源電圧を供給する(S1~S7)。電源制御マイコンは、プロセッサの負荷変動時におけるプロセッサの入力電源電圧に発生するオーバーシュート及び/又はアンダーシュートに基づいてプロセッサ電源の電源電圧の目標値を変更する(S6)。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ(21)と、
前記プロセッサに電源電圧を出力するプロセッサ電源(11)と、
前記プロセッサ電源の電源電圧を制御する電源制御部(12)と、
前記電源制御部は、前記プロセッサの負荷変動時における前記プロセッサの入力電源電圧に発生するオーバーシュート及び/又はアンダーシュートに基づいて前記プロセッサ電源の電源電圧の目標値を変更する車両用電子制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサを搭載する第1基板(20)と、前記プロセッサ電源を搭載する第2基板(10)とは、当該第1基板及び第2基板間を接続する基板間コネクタ(23)を通じて接続されており、前記プロセッサ電源は前記基板間コネクタを通じて前記電源電圧を前記プロセッサに出力するように構成され、
前記プロセッサは、当該プロセッサの負荷変動時における前記プロセッサの入力電源電圧を読取り、前記入力電源電圧を前記電源制御部に送信、又は、前記入力電源電圧に基づいて前記電源電圧を補正するための補正値を算出して前記電源制御部に送信し、
前記電源制御部が、送信された前記入力電源電圧又は前記補正値に基づいて前記プロセッサ電源の電源電圧の目標値を変更する請求項1記載の車両用電子制御装置。
【請求項3】
前記電源制御部が、前記プロセッサの負荷変動時における前記プロセッサの入力電源電圧を読取り、前記入力電源電圧に基づいて前記プロセッサ電源の電源電圧の目標値を変更する請求項1記載の車両用電子制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは前記負荷変動を起こしたときに、前記プロセッサが前記オーバーシュート及び前記アンダーシュートを生じるタイミングを含めて前記プロセッサの入力電源電圧を読取り、当該入力電源電圧の変化を生じても前記プロセッサの入力電源電圧の規格の範囲に入るように補正値を算出し、
前記電源制御部は、前記補正値に基づいて前記電源電圧の目標値を変更する請求項1記載の車両用電子制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサが前記負荷変動を起こしたときに、前記プロセッサが前記オーバーシュート及び前記アンダーシュートを生じるタイミングを含めて前記プロセッサの入力電源電圧を読取り前記入力電源電圧を電源制御部に送信し、
前記電源制御部は、前記プロセッサの入力電源電圧の変化を生じても、前記プロセッサの入力電源電圧の規格の範囲に入るように補正値を算出し、前記補正値に基づいて前記電源電圧の目標値を変更する請求項1記載の車両用電子制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサが前記負荷変動を起こしたときに、
前記電源制御部が前記オーバーシュート及び前記アンダーシュートを生じるタイミングを含めて前記プロセッサの入力電源電圧を読取り、
前記電源制御部は、前記プロセッサの入力電源電圧の変化を生じても、前記プロセッサの入力電源電圧の規格の範囲に入るように補正値を算出し、前記補正値に基づいて前記電源電圧の目標値を変更する請求項1記載の車両用電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の内部では、電源制御部が電源電圧を制御し、車両制御を担うプロセッサに電源電圧を供給している。通常、電源制御部は、プロセッサの入力インピーダンスを考慮して電源電圧を設定し、電源電圧の目標値を決定する。しかし、プロセッサへ給電する給電線のインピーダンスが無視できない程度に大きいと、プロセッサの入力電源電圧が、給電線のインピーダンスの影響によって予め定められた規格から外れる虞がある。この場合、電源制御部が、直流バイアスを印加して電源電圧を変化させることで規格内に制御する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-067059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の技術を適用しても、プロセッサが急峻な処理の負荷変動を生じると、このときの負荷変動に伴う消費電流の変動に耐えうるものとはならず、プロセッサの入力電源電圧が規格から外れてしまう虞がある。
【0005】
本開示の目的は、プロセッサの急峻な負荷変動に伴い、消費電流が急変動を生じたとしても、プロセッサの入力電源電圧を規格から外れないようにできる車両用電子制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、プロセッサと、プロセッサに電源電圧を供給するプロセッサ電源と、プロセッサ電源を制御する電源制御部と、を備え、電源制御部は、プロセッサの負荷電流の変動時におけるプロセッサの入力電源電圧に発生するオーバーシュート及び/又はアンダーシュートに基づいてプロセッサ電源の電源電圧の目標値を変更する。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、電源制御部は、プロセッサの負荷電流の変動時におけるプロセッサの入力電源電圧に発生するオーバーシュート及び/又はアンダーシュートに基づいてプロセッサ電源の電源電圧目標値を変更している。このため、プロセッサの急峻な処理の負荷変動に伴い、プロセッサの消費電流が急変動を生じたとしても、プロセッサの入力電源電圧を規格から外れないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態において基板上における各部品の配置状態を模式的に示す上面図
図2】第1実施形態における機能構成と情報の流れを説明する図
図3】第1実施形態における処理動作を概略的に説明するフローチャート
図4】第1実施形態における補正方法を概略的に説明するタイミングチャート
図5】第2実施形態において基板上における各部品の配置状態を模式的に示す上面図
図6】第2実施形態における処理動作を概略的に示すフローチャート
図7】第3実施形態における処理動作を概略的に示すフローチャート
図8】第4実施形態における処理動作を概略的に示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、車両用電子制御装置の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態では、各実施形態で同一又は類似に構成には同一又は類似の符号を付して説明を省略することがある。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態について図1から図4を参照しながら説明する。図1に示すように、車両用電子制御装置1は、それぞれに部品が搭載された親基板10及び子基板20を備える。子基板20は親基板10に重ねて搭載されている。親基板10は第2基板相当であり、子基板20は第1基板相当である。電子制御装置はECUとも称される。ECUは、Electronic Control Unit の略称を示す。
【0011】
車両には様々なグレードが用意されており、グレードが異なると搭載機能も異なる。コストや生産管理上の観点を考慮すると、車両のグレードが異なっても、各種部品を極力共通化するとよい。車両グレードが異なる車両用電子制御装置1に対して部品を効率よく実装するためには、親基板10に子基板20を重ねてそれぞれ部品を実装するとよい。例えば、親基板10に基本機能を実装しつつ、子基板20に拡張機能を実装し、親基板10に子基板20を重ねて実装することで、機能の拡張、機能の選択を図ることができる。
【0012】
図1に示すように、親基板10には、プロセッサ電源11、電源制御マイコン12、マイコン電源13、及び、その他のデバイス14が搭載されている。図2に示すように、マイコン電源13は、スイッチング電源回路により構成され、外部のバッテリ5から電圧供給を受けて所定の電源電圧を生成し、電源制御マイコン12に供給する。電源制御マイコン12は、電源制御部相当を示す。
【0013】
電源制御マイコン12は、プロセッサ電源11が出力する電源電圧Voutを制御する。プロセッサ電源11はスイッチング電源回路により構成され、電源制御マイコン12の制御に基づいて電源電圧Voutを出力する。また、電源制御マイコン12は、要求を満たす電源電圧Voutを子基板20の搭載部品に供給する。
【0014】
図1に示すように、親基板10には給電線L1~L4が形成されている。給電線L1は、バッテリ5からプロセッサ電源11の電源入力端子まで形成されている。給電線L2は、バッテリ5からマイコン電源13の電源入力端子まで形成されている。給電線L3は、プロセッサ電源11の出力からデバイス14の電源入力端子まで形成されると共に、プロセッサ電源11の出力から基板間コネクタ23まで形成されている。給電線L4は、マイコン電源13から電源制御マイコン12の電源入力端子まで形成されている。
【0015】
親基板10と子基板20とを接続するため、図1に示すように、基板間コネクタ23を用いている。基板間コネクタ23はBTBコネクタとも称される。基板間コネクタ23は、親基板10の表面と子基板20の裏面との間を接続するフローティング機構を備えている。フローティング機構は、親基板10及び子基板20の間の歪を避けるために構成される。
【0016】
子基板20には、例えば自動運転制御を実行するハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)を構成するプロセッサ21が搭載されている。HPCは、High Performance Computer の略称を示す。プロセッサ21は、CPU、MPUなどの中央処理装置を示す。子基板20にプロセッサ21を搭載する仕様とすることで、例えば自動運転制御機能をオプション化しながら車両用電子制御装置1を構成できる。
【0017】
基板間コネクタ23が親基板10と子基板20との間に構成されていると、基板間コネクタ23を通じて多くの電流を供給できる。したがって、子基板20にハイパフォーマンスなプロセッサ21が搭載されており、親基板10の側から電力を供給する仕様であったとしても十分に電流を流すことができ、プロセッサ21の大消費電力化に対応できる。また基板間コネクタ23を用いることで、親基板10と子基板20との間の通信の高速化に対応でき、さらに全体を小型化できる。
【0018】
子基板20には、プロセッサ21の他、シャント抵抗22、A/D変換器24、メモリ25が搭載されている。子基板20には給電線L5が構成されている。給電線L5は、基板間コネクタ23から子基板20に搭載されるシャント抵抗22を通じてプロセッサ21の電源入力端子まで形成されている。
【0019】
給電線L3と給電線L5は、基板間コネクタ23を通じて結線されている。これにより、プロセッサ電源11が電源電圧Voutをプロセッサ21に供給できる。プロセッサ21は入力電源電圧Vinの規格が予め定められている。プロセッサ21が安定的に正常動作する入力電源電圧Vinの上限値、下限値を、それぞれ最大定格電圧Vu、最小定格電圧Vdとする。プロセッサ21は、最大定格電圧Vuを超える電圧を入力すると動作不能に陥る可能性がある。またプロセッサ21は、最小定格電圧Vd以上の電圧を入力電源電圧Vinとしていれば動作可能である。プロセッサ21は、これらの最大定格電圧Vu-最小定格電圧Vdの範囲の電圧を途絶えることなく入力電源電圧Vinとしなければ正常動作を継続できない。なお、図1に示す子基板20には図示していないが、その他、メモリ25に延びる給電線も構成されているが、本願に関係しないため図1には省略している。
【0020】
またプロセッサ21は、シャント抵抗22の端子間電圧をA/D変換器24を通じて測定可能になっている。これによりプロセッサ21は、自身の電源入力端子に入力される入力電流Iinを測定できる。またプロセッサ21は、自身の電源入力端子の入力電源電圧Vinを測定できる。
【0021】
これにより、プロセッサ21は入力電流Iin及び入力電源電圧Vinによりインピーダンスを測定できる。またプロセッサ21は、入力電流Iin、入力電源電圧Vin、その補正値などの情報を、基板間コネクタ23を通じて電源制御マイコン12に送信できる。電源制御マイコン12は、受信したデータに基づいてプロセッサ電源11が出力する電源電圧Voutを制御できる。
【0022】
次に、図3を参照して車両の始動時から電源電圧Voutの制御方法を説明する。車両始動時に、S1において運転者によりイグニッションスイッチがONされると、電源制御マイコン12は、このイグニッションスイッチがオンする度に図3のS2以降に示す処理を実行する。電源制御マイコン12は、イグニッションスイッチのオン信号を受け付けるとS2において自身を起動する。
【0023】
電源制御マイコン12は、自身の起動後においてS3においてプロセッサ電源11にイネーブル信号を送信し、プロセッサ電源11を起動指示する。プロセッサ電源11が起動すると、プロセッサ電源11は電源制御マイコン12の制御に基づいて初期設定の電源電圧Voutの目標値を設定し、当該目標値の電源電圧Voutを給電線L3に供給する。電源電圧Voutは、給電線L3、基板間コネクタ23、給電線L5及びシャント抵抗22を経て、プロセッサ21の電源入力端子に入力電源電圧Vinとして入力される。
【0024】
プロセッサ電源11の出力の電源電圧Voutが、プロセッサ21の電源入力端子に入力されるまでの間に給電線L3、L5の寄生成分(L性、C性)によるインピーダンス変動の影響を生じる。例えば出荷初期段階では、車両用電子制御装置1に接続されるコネクタや伝送線路の給電線L3、L5は劣化していない。このため初期設定では、プロセッサ21は、入力電源電圧Vinの上限値Vu及び下限値Vdの範囲の規格を満たすように電源入力端子に電源を入力する。しかし、年を経ると給電線L3、L5の寄生成分(L性、C性)の影響を顕著に生じ、インピーダンス変動しやすくなる。プロセッサ21は、起動すると毎回又は周期的にその直後にインピーダンス測定用動作モードに移行する。インピーダンス測定用動作モードは、プロセッサ21の処理負荷を意図的に変化させるモードを示す。
【0025】
プロセッサ21の起動直後には、プロセッサ21はアイドル状態となっており、ほぼ無負荷状態とされている。図3のT2においてインピーダンス測定用動作モードに移行すると、プロセッサ21は、T3においてシャント抵抗22の端子間電圧を測定し続けると共に入力電源電圧Vinを測定し続けてデータをメモリ25に記憶し続ける。プロセッサ21は、シャント抵抗22の端子間電圧及び入力電源電圧Vinのデータを参照してインピーダンスを算出する。プロセッサ21はあるタスクにて計測を継続しつつ、他のタスクにて高負荷プログラムを実行、停止を1回実行、又は、2回以上繰り返すことで低負荷と高負荷の状態を繰り返す。
【0026】
詳細には図4に示している。図4に示すように、プロセッサ21は、タイミングt1にて高負荷のテストプログラムを実行開始する。すると、プロセッサ21の消費電流が急上昇するため、プロセッサ電源11の出力電流Ioutも急上昇する。プロセッサ21の入力電源電圧Vinは、プロセッサ電源11の電源電圧Vout、給電線L3及びL5や基板間コネクタ23のインピーダンス、プロセッサ21の電源入力端子の入力インピーダンスに基づいて変化する。プロセッサ21が、高負荷の処理プログラムを実行継続すると、入力電源電圧Vinはアンダーシュートして最小値Vminに達した後、上昇してある一定の低い電圧値に収束する。
【0027】
その後、プロセッサ21は、タイミングt2において高負荷のテストプログラムの実行を停止する。すると、プロセッサ21の消費電流が急減少するため、プロセッサ電源11の出力電流Ioutを急減少させることができる。プロセッサ21が、高負荷のテストプログラムを実行停止すると、入力電源電圧Vinはオーバーシュートして最大値Vmaxに達した後、下降して元の初期の電圧に戻る。
【0028】
プロセッサ21は、この間の入力電源電圧Vinの変化を測定すると共に、シャント抵抗22の端子間電圧を取得することで入力電流Iinの変化を測定している。プロセッサ21は、時間経過に伴う入力電源電圧Vin及び入力電流Iinを用いることでT4にてインピーダンスを算出できる。
【0029】
プロセッサ21は、図3のT5において補正の必要の有無を判定する。ここで、プロセッサ21は、当該プロセッサ21の負荷変動時におけるプロセッサ21の入力電源電圧Vinに発生するオーバーシュート及びアンダーシュートに基づいて補正の必要の有無を判定する。
【0030】
具体的に、プロセッサ21は、オーバーシュートしたときの入力電源電圧Vinの最大値Vmaxが最大定格電圧Vu以下となっているか否かを判定する。またプロセッサ21は、アンダーシュートしたときの入力電源電圧Vinの最小値Vminが最小定格電圧Vd以上となっているか否かを判定する。プロセッサ21は、これらの条件を満たしていれば補正の必要無と判定し、この条件を満たしていない場合には補正の必要有りと判定する。
【0031】
プロセッサ21は、補正の必要を生じていると判定した場合、プロセッサ21の入力電源電圧Vinに基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutを補正するための補正値を算出する。このとき、プロセッサ21は、オーバーシュートしたときの入力電源電圧Vinが最大定格電圧Vu以下となり、且つ、アンダーシュートしたときの入力電源電圧Vinが最小定格電圧Vd以上となるように補正値を算出する。補正値は、DC値、すなわち直流電圧により求めるとよい。
【0032】
図4に示すように、オーバーシュートしたときの入力電源電圧Vinの最大値Vmaxと最大定格電圧Vuとの差分をV2とする。アンダーシュートしたときの入力電源電圧Vinの最小値Vminと最小定格電圧Vdとの差分をV1とする。プロセッサ21は、アンダーシュート時の差分V1=オーバーシュート時の差分V2となるように電圧差分を補正値として算出するとよい。
【0033】
またプロセッサ21は、推定されたインピーダンスに応じて交流(AC)、直流(DC)的に変動させる電圧値を補正値として決定してもよい。より精度よく電源電圧Voutの補正値を求めることができ、入力電源電圧Vinの規格を確実に満たすことができる。
【0034】
プロセッサ21はA/D変換器24を通じてシャント抵抗22の端子間電圧差を検出することで入力電流Iinを検出できる。プロセッサ21が電源入力端子側の入力電源電圧Vinを検出して入力電流Iinを考慮して給電線L3、L5のインピーダンスを算出し、入力電源電圧Vinの経時変化を学習することで補正値を最適化できる。
【0035】
プロセッサ21は、図3のT6において電源制御マイコン12に算出された補正値を送信する。電源制御マイコン12は、補正値に基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更する。電源制御マイコン12は例えば補正値を加減算した電源電圧Voutを目標値に設定する。これにより、たとえ入力電源電圧Vinがオーバーシュート及びアンダーシュートしたときであっても、入力電源電圧Vinの変化を最大定格電圧Vuと最小定格電圧Vdとの間に収めることができる。これにより、プロセッサ21の入力電源電圧Vinがたとえ大きく変動したとしても、入力電源電圧Vinの規格は満たされる。
【0036】
ここでは、プロセッサ21が補正値を算出して、電源制御マイコン12に補正値を送信し、電源制御マイコン12が、補正値に基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更する形態を示したが、これに限られるものではない。
【0037】
例えば、プロセッサ21が、当該プロセッサ21の入力電源電圧Vinを読取り、プロセッサ21の入力電源電圧Vinの情報を電源制御マイコン12に送信する。そして電源制御マイコン12がプロセッサ21の入力電源電圧Vinに基づいて補正値を算出し、補正値に基づいてプロセッサ電源11の電源電圧目標値を変更してもよい。このようにしても同様の作用効果を奏する。
【0038】
電源制御マイコン12は、プロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更した後、図3のS7において変更完了通知をプロセッサ21に送信する。プロセッサ21は、電源制御マイコン12から変更完了通知を受領すると、図3のT8において通常モードに移行して通常処理を開始する。プロセッサ21は、T9において自動運転制御などのハイパフォーマンス処理を実行する。たとえプロセッサ21が、通常より負荷変動の大きなハイパフォーマンス処理を実行したとしても、プロセッサ21の入力電源電圧Vinは定められた規格を満たした変動に留まる。これにより、プロセッサ21は正常動作を継続できる。
【0039】
<本実施形態に係る課題、目的の説明>
基板間コネクタ23のフローティング機構は、そのコンタクト部分の構造が複雑な形状に成形され、基板間コネクタ23のコンタクトには機械的ストレスがかかり経年劣化すると形状が変化する。
【0040】
基板間コネクタ23は、そのフローティング機構のコンタクト形状が変化するとインダクタンス及びキャパシタンスによるインピーダンスが変化する。プロセッサ電源11の電源電圧Voutは、プロセッサ電源11からプロセッサ21までの経路の基板間コネクタ23の要素によりプロセッサ21に入力されるまでの間に変化する。
【0041】
この場合、プロセッサ21の入力電源電圧Vinのオーバーシュート及び/又はアンダーシュートも変化する。このような交流的な変動を防ぐ電源制御方法も知られている。プロセッサ電源11の出力端からプロセッサ21の電源入力端子までの寄生インダクタンス、寄生容量の値によっては、当該技術を適用して交流(AC)的な補正を実施しても当該交流的な補正が有効に作用しない虞がある。この場合、プロセッサ21の入力電源電圧Vinの規格を外れる懸念がある。子基板20に搭載されたプロセッサ21の要求を満たす入力電源電圧Vinを供給できない虞があり、プロセッサ21が正常に動作できない虞がある。
【0042】
<本実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、電源制御マイコン12は、プロセッサ21の負荷変動時における入力電源電圧Vinに発生するオーバーシュート及びアンダーシュートに基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更している。プロセッサ21の急峻な負荷変動に伴い、消費電流が急変動を生じたとしても、プロセッサ21の入力電源電圧Vinを規格から外れないようにできる。
【0043】
またプロセッサ21が負荷変動を起こしたときに、プロセッサ21がオーバーシュート及びアンダーシュートを生じるタイミングt1、t2を含めて入力電源電圧Vinを読取る。プロセッサ21が当該入力電源電圧Vinの変化を生じても入力電源電圧Vinの規格の範囲に入るように補正値を算出し、電源制御マイコン12が補正値に基づいて電源電圧Voutの目標値を変更している。これにより、プロセッサ21がたとえ負荷変動の大きなハイパフォーマンス処理を実行したとしても正常動作を継続できる。
【0044】
本実施形態では、プロセッサ21が入力電源電圧Vinの変動を起動毎に定期的に読み取り、電源制御マイコン12がプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更することで入力電源電圧Vinの規格の範囲の例えば中心に入るようにしている。これにより、プロセッサ21の急峻な処理負荷変動に伴い消費電流が急変動を生じオーバーシュート及びアンダーシュートを生じたとしても、プロセッサ21の入力電源電圧Vinを規格から外れないようにできる。
【0045】
親基板10及び子基板20を通じてプロセッサ21の入力電源電圧Vinの読取りラインを引き回すと、基板間コネクタ23の接触部分にてノイズを拾い、プロセッサ21の入力電源電圧Vinを正しく読み取れない虞を生じる。
【0046】
本実施形態では、子基板20の内部でプロセッサ21が入力電源電圧Vinを読取っているため、基板間コネクタ23の接触部分の影響を受けることなくプロセッサ21の入力電源電圧Vinを正確に読取ることができる。そして、プロセッサ21が入力電源電圧Vinに基づいて電源電圧Voutを補正するための補正値を算出して電源制御マイコン12に送信し、電源制御マイコン12が、送信された補正値に基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更している。
【0047】
これにより、プロセッサ21は、基板間コネクタ23の影響を受けていない入力電源電圧Vinを検出でき、当該入力電源電圧Vinに基づいて補正値を算出でき、当該補正値に基づいて電源電圧Voutの目標値を変更できる。
【0048】
本実施形態では、プロセッサ21が、基板間コネクタ23を含む回路全体のインピーダンスの影響に基づく入力電源電圧Vin、入力電流Iin、インピーダンスの変化を読取り補正値を算出し、当該補正値を電源制御マイコン12に送信している。これにより、電源制御マイコン12の電源電圧Voutの補正値に基づいて電源電圧Voutの目標値を変更できる。これにより、AC変動/DC変動ともにプロセッサ21の入力電源電圧Vinの仕様にあった補正を行うことができる。
【0049】
<変形例>
本実施形態では、プロセッサ21が補正値を算出して電源制御マイコン12に補正値を送信し、電源制御マイコン12が補正値に基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更する形態を示したが、これに限定されるものではない。例えば、プロセッサ21が読み取った入力電源電圧Vinを電源制御マイコン12に送信し、電源制御マイコン12が入力電源電圧Vinに基づいて補正値を算出し、プロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更するようにしてもよい。
【0050】
プロセッサ21が負荷変動を起こしたときに、プロセッサ21がオーバーシュート及びアンダーシュートを生じるタイミングを含めてプロセッサ21の入力電源電圧Vinを読取り、当該入力電源電圧Vinを電源制御マイコン12に送信するようにしてもよい。このとき、電源制御マイコン12は、プロセッサ21の入力電源電圧Vinの変化を生じても、プロセッサ21の入力電源電圧Vinの規格の範囲に入るように補正値を算出し、補正値に基づいて電源電圧Voutの目標値を変更するとよい。このような変形例であっても前述した第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0051】
(第2実施形態)
第2実施形態について図5及び図6を参照しながら説明する。図5に示すように、一枚の親基板10の上に、プロセッサ電源11、電源制御マイコン12、プロセッサ21、シャント抵抗22、A/D変換器24、及びメモリ25を構成した形態に適用し、基板間コネクタ23を用いない構成に適用してもよい。
【0052】
第2実施形態の構成の場合、第1実施形態で説明した子基板20を使用していない。このため、プロセッサ電源11が、給電線L3を通じて電源電圧Voutをプロセッサ21に供給する際に、基板間コネクタ23を介して供給する必要がなくなる。したがって、プロセッサ21の入力電源電圧Vinは基板間コネクタ23に起因したノイズの影響を生じることはない。
【0053】
図5に示すように、電源制御マイコン12が、プロセッサ21の負荷電流の変動時におけるプロセッサ21の入力電源電圧Vinを読取り、入力電源電圧Vinに基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更するようにしてもよい。この場合、電源制御マイコン12は、基板間コネクタ23のノイズの影響を受けることなく、プロセッサ21の入力電源電圧Vinを読取ることができる。ここでは、電源制御マイコン12がプロセッサ21と接続されている形態を示したが、これに限定されるものではない。例えば、電源制御マイコン12は、A/D変換器24に直接接続されておりプロセッサ21の入力電源電圧Vinを直接読取ってもよい。また、電源制御マイコン12が、A/D変換器24を内蔵していてもよく、この場合もプロセッサ21の入力電源電圧Vinを直接読取ることができる。
【0054】
具体的には、図6に示すように処理を実行するとよい。車両始動時に、S1にて運転者によりイグニッションスイッチがONされると、電源制御マイコン12は、このイグニッションスイッチがオンする度に図6のS2以降に示す処理を実行する。電源制御マイコン12は、イグニッションスイッチのオン信号を受け付けると、S2において自身を起動する。
【0055】
電源制御マイコン12は、自身の起動後において、S3においてプロセッサ電源11にイネーブル信号を送信しプロセッサ電源11を起動指示する。プロセッサ電源11がT1aにて起動すると、電源制御マイコン12の制御に基づいて初期設定の電源電圧Voutの目標値を設定し、当該目標値の電源電圧Voutを給電線L3に供給する。電源電圧Voutは、給電線L3、基板間コネクタ23、給電線L5、及びシャント抵抗22を経てプロセッサ21の電源入力端子に入力される。
【0056】
プロセッサ電源11の出力の電源電圧Voutがプロセッサ21の電源入力端子に入力されたときに、プロセッサ21の入力電源電圧Vinの規格を満たしていれば、プロセッサ21は正常に起動する。プロセッサ21は、T1aにおいて起動するとモード切替要求を待機する。
【0057】
その後、電源制御マイコン12は、S21においてモード切替要求をプロセッサ21に送信する。するとプロセッサ21は、インピーダンス測定用動作モードに移行する。プロセッサ21はアイドル状態となるとほぼ無負荷となる。図6のT2においてインピーダンス測定用動作モードに移行すると、プロセッサ21は、低負荷のアイドル状態から高負荷のダミーテストプログラムを実行して処理負荷を急上昇させたりプログラムの実行を停止したりする。すなわちプロセッサ21は、高負荷プログラムを実行、停止を1回実行又は2回以上繰り返すことで低負荷と高負荷の状態を繰り返す。
【0058】
この間、電源制御マイコン12は、S23においてシャント抵抗22の端子間電圧をA/D変換器24を通じて測定し続ける。また電源制御マイコン12は、プロセッサ21の入力電源電圧VinもA/D変換器24を通じて測定し続ける。電源制御マイコン12は、S24においてシャント抵抗22の端子間電圧及び入力電源電圧Vinのデータを参照してインピーダンスを算出する。
【0059】
電源制御マイコン12は、S25において補正の必要の有無を判定する。ここで、電源制御マイコン12は、プロセッサ21の負荷電流の変動時におけるプロセッサ21の入力電源電圧Vinに発生するオーバーシュート及び/又はアンダーシュートに基づいて補正の必要の有無を判定する。
【0060】
具体的に、電源制御マイコン12は、オーバーシュートしたときの入力電源電圧Vinの最大値Vmaxが最大定格電圧Vu以下となっているか否かを判定する。電源制御マイコン12は、アンダーシュートしたときの入力電源電圧Vinの最小値Vminが最小定格電圧Vd以上となっているか否かを判定する。これにより補正の必要の有無を判定する。
【0061】
電源制御マイコン12は、S25において補正の必要を生じていると判定した場合、プロセッサ21の入力電源電圧Vinに基づいて電源電圧Voutを補正するための補正値を算出する。このとき、電源制御マイコン12は、オーバーシュートしたときの入力電源電圧Vinが最大定格電圧Vu以下となり、且つ、アンダーシュートしたときの入力電源電圧Vinが最小定格電圧Vd以上となるように補正値を算出する。補正値は、DC値、すなわち直流電圧により求めるとよい。
【0062】
さらに望ましくは電源制御マイコン12は、差分V2が差分V1と等しくなるように補正値を算出するとよい。つまり、第1実施形態と同様に、アンダーシュート時の差分V1=オーバーシュート時の差分V2となるように補正値を算出するとよい。
【0063】
電源制御マイコン12は、算出された補正値に基づいてS26においてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更する。電源制御マイコン12は例えば補正値を加減算した電源電圧Voutを目標値に設定できる。これにより、たとえ入力電源電圧Vinがオーバーシュート及びアンダーシュートしたときであっても、入力電源電圧Vinの変化を最大定格電圧Vuと最小定格電圧Vdとの間に収めることができる。これにより、プロセッサ21の入力電源電圧Vinがたとえ大きく変動したとしても、入力電源電圧Vinの規格が満たされる。
【0064】
電源制御マイコン12は、図6のS26にてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更した後、図6のS27にて変更完了通知をプロセッサ21に送信する。プロセッサ21は、電源制御マイコン12から変更完了通知を受領すると、図6のT8において通常モードに移行して通常処理を開始する。
【0065】
プロセッサ21は、T9において自動運転制御などのハイパフォーマンス処理を実行する。たとえプロセッサ21が、通常より負荷変動の大きなハイパフォーマンス処理を実行したとしても、プロセッサ21の入力電源電圧Vinは規格を満たした変動に留まる。これにより、プロセッサ21は正常動作を継続できる。
【0066】
<本実施形態のまとめ>
本実施形態においては、電源制御マイコン12が、プロセッサ21に対しモード切替要求を行うことで、プロセッサ21がインピーダンス測定用動作モードに移行している。電源制御マイコン12が、プロセッサ21の負荷変動時におけるプロセッサ21の入力電源電圧Vinを読取り、入力電源電圧Vinに基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更するようにしている。
【0067】
プロセッサ21が負荷変動を起こしたときに、電源制御マイコン12がオーバーシュート及びアンダーシュートを生じるタイミングt1、t2を含めてプロセッサ21の入力電源電圧Vinを読取る。電源制御マイコン12は、プロセッサ21の入力電源電圧Vinの変化を生じても、プロセッサ21の入力電源電圧Vinの規格の範囲に入るように補正値を算出し、補正値に基づいて電源電圧Voutの目標値を変更するようにしている。本実施形態においても前述実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
(第3実施形態)
第3実施形態について図7を参照しながら説明する。第1及び第2実施形態では、車両始動時に、プロセッサ21がインピーダンス測定用動作モードに移行して補正を行うようにしたが、これに限定されるものではない。車両走行中において、環境温度が上昇したことが検出されたときに、プロセッサ21がインピーダンス測定用動作モードに移行し、必要に応じて補正を実行するようにしてもよい。
【0069】
例えば、図7に示すように、車両走行中、プロセッサ21が図示しない温度センサにより温度を検出し、T30において所定温度より上昇したと検出されたことを条件として、プロセッサ21がT2においてインピーダンス測定用動作モードに移行している。この後の処理動作は、第1実施形態と同様であるため同一のステップ番号を付して説明を省略する。本実施形態においても同様の作用効果を奏する。
【0070】
(第4実施形態)
第4実施形態について図8を参照しながら説明する。第4実施形態でも同様に、車両走行中において、環境温度が上昇したことが検出されたときに、プロセッサ21がインピーダンス測定用動作モードに移行し、必要に応じて補正を実行するようにしてもよい。
【0071】
例えば、図8に示すように、車両走行中、電源制御マイコン12が、図示しない温度センサにより温度を検出する。電源制御マイコン12は、S30において所定温度より上昇したと検出されたことを条件として、S21においてモード切替要求をプロセッサ21に送信する。これにより、プロセッサ21が、T2においてインピーダンス測定用動作モードに移行している。この後の処理動作は第2実施形態と同様であるため同一のステップ番号を付して説明を省略する。この場合も同様の作用効果を奏する。
【0072】
(他の実施形態)
本開示は、前述実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形又は拡張が可能である。
例えば、第1実施形態では、プロセッサ21が、起動直後にインピーダンス測定用動作モードに移行してテストプログラムを実行する形態を示したが、これに限られるものではない。プロセッサ21が、実際の車両制御の途中に大きな負荷変動を生じる車両制御プログラムを実行する期間を見計らって、インピーダンス測定負荷モードに移行してもよい。
【0073】
プロセッサ21が車両制御プログラムを実行している最中にインピーダンス測定負荷モードに移行した場合でも前述実施形態に示したように同様に処理するとよい。すなわちプロセッサ21は、シャント抵抗22の端子間電圧を測定して入力電流Iinを測定すると共に入力電源電圧Vinを測定し、補正の必要を生じたときに補正値を算出し、電源制御マイコン12に補正値を送信する。電源制御マイコン12は、補正値に基づいてプロセッサ電源11の電源電圧Voutの目標値を変更する。このような形態でも同様の作用効果を奏する。
【0074】
前述実施形態では、オーバーシュート及びアンダーシュートを生じたときに最大定格電圧Vuと最小定格電圧Vdの中に収まるように補正値を算出した形態を示したが、これに限定されるものではない。オーバーシュートのみ、又は、アンダーシュートのみ生じたときに最大定格電圧Vuと最小定格電圧Vdの中に収まるように補正値を算出してDC補正するようにしてもよい。
【0075】
本開示に記載の電源制御マイコン12及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の電源制御マイコン12及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
【0076】
もしくは、本開示に記載の電源制御マイコン12及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0077】
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0078】
図面中、10は親基板(第2基板)、11はプロセッサ電源、12は電源制御マイコン(電源制御部)、20は子基板(第1基板)、21はプロセッサ、23は基板間コネクタ、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8