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特開2024-104585作業管理システム、校正作業管理サーバおよび校正作業管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104585
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】作業管理システム、校正作業管理サーバおよび校正作業管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240729BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240729BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008882
(22)【出願日】2023-01-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】友常 浩二郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L049CC15
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】計測器を用いた作業の適切な管理を可能とする。
【解決手段】作業管理システム(製造作業管理システム10参照)は、校正指図記録部111と作業指図記録部(製造指図記録部411参照)を備える。校正指図記録部111は、第1端末(端末610参照)から校正作業の校正作業記録を受け付け、校正記録データベース320に格納し、校正作業記録に含まれる機器の識別情報を機器情報データベース360の機器の識別情報に格納し、校正作業記録に含まれる校正判定結果の適/不適に応じて、機器情報データベースの機器の使用可否に可/否を格納する。作業指図記録部は、第2端末(端末610参照)からの作業要求を受け付け、第2端末の利用者である作業者が作業する前記作業で使用する前記機器の使用可否が可であれば作業指図を当該第2端末に送信し、使用可否が否であればエラー通知を当該第2端末に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
校正指図記録部と作業指図記録部とを備え、
前記校正指図記録部は、
校正作業の識別情報と、校正対象の機器の識別情報と、校正作業内容と、校正作業者の識別情報とが記憶される校正指図データベース、
前記校正作業の識別情報と、前記機器の識別情報と、前記校正作業者の識別情報と、校正作業日時と、校正判定結果とが記憶される校正記録データベース、および、
前記機器の識別情報と、当該機器の使用可否とが記憶される機器情報データベースにアクセス可能であり、
前記作業指図記録部は、
作業の識別情報と、作業内容と、作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報とが記憶される作業指図データベース、
前記作業の識別情報と、前記作業者の識別情報と、作業日時とが記憶される作業記録データベース、および、
前記機器情報データベースにアクセス可能であり、
前記校正指図記録部は、
第1端末からの校正作業要求を受け付け、
前記第1端末の利用者である校正作業者が作業する前記校正作業の対象となる機器の識別情報と、前記校正作業内容とを取得して、当該第1端末に送信し、
当該第1端末からの前記校正作業の校正作業記録を受け付け、前記校正記録データベースに格納し、
前記校正作業記録に含まれる機器の識別情報を前記機器情報データベースの機器の識別情報に格納し、
前記校正作業記録に含まれる校正判定結果の適/不適に応じて、前記機器情報データベースの機器の使用可否に可/否を格納し、
前記作業指図記録部は、
第2端末からの作業要求を受け付け、
当該第2端末の利用者である作業者が作業する前記作業の識別情報と、前記作業内容と、前記作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報と、使用する当該機器の使用可否を取得し、
当該機器の使用可否が可であれば、当該作業内容と、使用する当該機器の識別情報とを当該第2端末に送信し、当該第2端末からの前記作業の作業記録を受け付け、前記作業記録データベースに格納し、
当該機器の使用可否が否であれば、エラー通知を当該第2端末に送信する
作業管理システム。
【請求項2】
前記作業指図記録部は、
作業マスタ識別情報と、前記作業内容と、使用する前記機器の識別情報とが記憶される作業指図マスタデータベースにアクセス可能であり、
第3端末から、前記作業マスタ識別情報と、前記作業者の識別情報とを含む作業計画登録要求を受け付け、
使用する当該機器の使用可否を取得し、
当該機器の使用可否が可であれば、当該作業マスタ識別情報に対応する作業内容と、当該作業者の識別情報と、使用する機器の識別情報とを前記作業指図データベースに格納し、
当該機器の使用可否が否であれば、エラー通知を当該第3端末に送信する
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記機器情報データベースは、前記使用可否が可である場合に可である有効期限を示す使用期限をさらに含み、
前記校正指図記録部は、
前記使用可否を前記機器情報データベースに格納する際に、所定の手法で定められる前記使用期限を前記機器情報データベースに格納し、
前記作業指図記録部は、
前記第3端末から、作業日時をさらに含む前記作業計画登録要求を受け付けたときに、使用する当該機器の使用可否と前記使用期限を取得し、
当該機器の使用可否が可であり、かつ当該作業日時が当該使用期限内であれば、当該作業マスタ識別情報に対応する作業内容と、当該作業者の識別情報と、使用する機器の識別情報とを前記作業指図データベースに格納し、
当該機器の使用可否が否、または、当該作業日時が当該使用期限外であれば、エラー通知を当該第3端末に送信する
請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
校正指図記録部を備え、
前記校正指図記録部は、
校正作業の識別情報と、校正対象の機器の識別情報と、校正作業内容と、校正作業者の識別情報とが記憶される校正指図データベース、
前記校正作業の識別情報と、前記機器の識別情報と、前記校正作業者の識別情報と、校正作業日時と、校正判定結果とが記憶される校正記録データベース、および、
前記機器の識別情報と、当該機器の使用可否とが記憶される機器情報データベースにアクセス可能であり、
第1端末からの校正作業要求を受け付け、
前記第1端末の利用者である校正作業者が作業する前記校正作業の対象となる機器の識別情報と、前記校正作業内容とを取得して、当該第1端末に送信し、
当該第1端末からの前記校正作業の校正作業記録を受け付け、前記校正記録データベースに格納し、
前記校正作業記録に含まれる機器の識別情報を前記機器情報データベースの機器の識別情報に格納し、
前記校正作業記録に含まれる校正判定結果の適/不適に応じて、前記機器情報データベースの機器の使用可否に可/否を格納し、
前記機器情報データベースは、
作業管理サーバからアクセスされ、
前記作業管理サーバは、
作業の識別情報と、作業内容と、作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報とが記憶される作業指図データベース、および、
前記作業の識別情報と、前記作業者の識別情報と、作業日時とが記憶される作業記録データベースにアクセス可能であり、
第2端末からの作業要求を受け付け、
当該第2端末の利用者である作業者が作業する前記作業の識別情報と、前記作業内容と、前記作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報と、使用する当該機器の使用可否を取得し、
当該機器の使用可否が可であれば、当該作業内容と、使用する当該機器の識別情報とを当該第2端末に送信し、当該第2端末からの前記作業の作業記録を受け付け、前記作業記録データベースに格納し、
当該機器の使用可否が否であれば、エラー通知を当該第2端末に送信する作業指図記録部を備える
校正作業管理サーバ。
【請求項5】
校正作業管理サーバが、
校正作業の識別情報と、校正対象の機器の識別情報と、校正作業内容と、校正作業者の識別情報とが記憶される校正指図データベース、
前記校正作業の識別情報と、前記機器の識別情報と、前記校正作業者の識別情報と、校正作業日時と、校正判定結果とが記憶される校正記録データベース、および、
前記機器の識別情報と、当該機器の使用可否とが記憶される機器情報データベースにアクセス可能であり、
第1端末からの校正作業要求を受け付けるステップと、
前記第1端末の利用者である校正作業者が作業する前記校正作業の対象となる機器の識別情報と、前記校正作業内容とを取得して、当該第1端末に送信するステップと、
当該第1端末からの前記校正作業の校正作業記録を受け付け、前記校正記録データベースに格納するステップと、
前記校正作業記録に含まれる機器の識別情報を前記機器情報データベースの機器の識別情報に格納するステップと、
前記校正作業記録に含まれる校正判定結果の適/不適に応じて、前記機器情報データベースの機器の使用可否に可/否を格納するステップと、を実行し、
前記機器情報データベースは、
作業管理サーバからアクセスされ、
前記作業管理サーバは、
作業の識別情報と、作業内容と、作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報とが記憶される作業指図データベース、および、
前記作業の識別情報と、前記作業者の識別情報と、作業日時とが記憶される作業記録データベースにアクセス可能であり、
第2端末からの作業要求を受け付け、
当該第2端末の利用者である作業者が作業する前記作業の識別情報と、前記作業内容と、前記作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報と、使用する当該機器の使用可否を取得し、
当該機器の使用可否が可であれば、当該作業内容と、使用する当該機器の識別情報とを当該第2端末に送信し、当該第2端末からの前記作業の作業記録を受け付け、前記作業記録データベースに格納し、
当該機器の使用可否が否であれば、エラー通知を当該第2端末に送信する作業指図記録部を備える
校正作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測器を使用する作業を管理する作業管理システム、校正作業管理サーバおよび校正作業管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の製造現場では、作業者の作業手順や作業内容が、標準作業規定により厳格に定められている。例えば医薬品の製造では、現場に原材料を搬入して所定の比率で混合し、混合された原材料を錠剤に成形して包装するといった作業手順が定められている。作業者は、作業手順に従って作業を行い、記録を残す。
【0003】
一連の作業のなかには、重量や容量、温度などの物理量の計測をともなう作業が含まれる。例えば、原材料の投入量や原材料の撹拌温度、撹拌時間、製品の重量などを計測して、作業手順にある規定値を守り、計測値を記録する必要がある。
計測に用いられる計測器は、例えば定期的に校正して、所定の精度を保つ必要がある。作業に用いる計測器の校正作業管理する技術として、特許文献1に記載の計測器の校正作業管理システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-194162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の計測器の校正作業管理システムを用いることで、合理的かつ正確な校正作業を行うことできるようになる。しかしながら、当該校正作業管理システムを導入しただけで、精度が保証されていない計測器を用いた作業を防止できるとは限らない。例えば、作業者が誤って校正の有効期限が過ぎた計測器を使用したり、当該校正作業管理システムの管理下にない計測器を使用したりする可能性がある。また作業としては、製品の製造作業に限らず、製造した製品の検査作業、設備や機器の点検作業などにおいても同様である。
【0006】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、計測器を用いた作業の適切な管理を可能とする、作業管理システム、校正作業管理サーバおよび校正作業管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するため、本発明に係る作業管理システムは、校正指図記録部と作業指図記録部とを備え、前記校正指図記録部は、校正作業の識別情報と、校正対象の機器の識別情報と、校正作業内容と、校正作業者の識別情報とが記憶される校正指図データベース、前記校正作業の識別情報と、前記機器の識別情報と、前記校正作業者の識別情報と、校正作業日時と、校正判定結果とが記憶される校正記録データベース、および、前記機器の識別情報と、当該機器の使用可否とが記憶される機器情報データベースにアクセス可能であり、前記作業指図記録部は、作業の識別情報と、作業内容と、作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報とが記憶される作業指図データベース、前記作業の識別情報と、前記作業者の識別情報と、作業日時とが記憶される作業記録データベース、および、前記機器情報データベースにアクセス可能であり、前記校正指図記録部は、第1端末からの校正作業要求を受け付け、前記第1端末の利用者である校正作業者が作業する前記校正作業の対象となる機器の識別情報と、前記校正作業内容とを取得して、当該第1端末に送信し、当該第1端末からの前記校正作業の校正作業記録を受け付け、前記校正記録データベースに格納し、前記校正作業記録に含まれる機器の識別情報を前記機器情報データベースの機器の識別情報に格納し、前記校正作業記録に含まれる校正判定結果の適/不適に応じて、前記機器情報データベースの機器の使用可否に可/否を格納し、前記作業指図記録部は、第2端末からの作業要求を受け付け、当該第2端末の利用者である作業者が作業する前記作業の識別情報と、前記作業内容と、前記作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報と、使用する当該機器の使用可否を取得し、当該機器の使用可否が可であれば、当該作業内容と、使用する当該機器の識別情報とを当該第2端末に送信し、当該第2端末からの前記作業の作業記録を受け付け、前記作業記録データベースに格納し、当該機器の使用可否が否であれば、エラー通知を当該第2端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、計測器を用いた作業の適切な管理を可能とする、作業管理システム、校正作業管理サーバおよび校正作業管理方法を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る製造作業管理システムの全体構成図である。
図2】本実施形態に係る校正指図データベースのデータ構成図である。
図3】本実施形態に係る校正記録データベースのデータ構成図である。
図4】本実施形態に係る製造指図マスタデータベースのデータ構成図である。
図5】本実施形態に係る製造指図データベースのデータ構成図である。
図6】本実施形態に係る製造記録データベースのデータ構成図である。
図7】本実施形態に係る機器情報データベースのデータ構成図である。
図8】本実施形態に係る校正作業指図記録画面の画面構成図である。
図9】本実施形態に係る校正作業承認画面の画面構成図である。
図10】本実施形態に係る製造作業計画画面の画面構成図である。
図11】本実施形態に係る製造作業指図記録画面の画面構成図である。
図12】本実施形態に係る校正作業指図記録処理のシーケンス図である。
図13】本実施形態に係る校正作業承認処理のシーケンス図である。
図14】本実施形態に係る製造作業計画処理のシーケンス図である。
図15】本実施形態に係る製造作業指図記録処理のシーケンス図である。
図16】本実施形態に係る製造作業指図記録処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪製造作業管理装置の概要≫
以下に本発明を実施するための形態(実施形態)における製造作業管理システムについて説明する。製造作業管理システム(作業管理システム)は、校正作業管理サーバ、製造作業管理サーバ(作業管理サーバ)、およびデータベースサーバを含んで構成される。製造作業管理サーバは、製品を製造する製造作業の作業計画(作業内容、作業指図)の作成や、作業内容(作業手順)の作業者への指図(指示)、作業の記録などを実行することで、製造作業を管理する。
【0011】
校正作業管理サーバは、製造作業に用いる計測器を含む機器(設備)の校正作業を管理する。製造作業管理システムは、校正されていない(校正の有効期限が過ぎている)機器を用いる作業計画(作業指図)の作成や作業の指図を防止して、校正されていない機器を用いた作業を抑止する。このような製造作業管理システムを用いることで校正済みの計測器を用いた作業の適切な管理が可能となる。
【0012】
≪製造作業管理システムの構成≫
図1は、本実施形態に係る製造作業管理システム10の全体構成図である。製造作業管理システム10は、校正作業管理サーバ100、製造作業管理サーバ400、およびデータベースサーバ200を含んで構成される。校正作業管理サーバ100、製造作業管理サーバ400、およびデータベースサーバ200は、ネットワークで接続され、相互に通信可能である。また、端末610は、校正作業や製造作業、製造作業の計画(指図)作成作業を行う作業者が利用し、校正作業管理サーバ100、および製造作業管理サーバ400と通信可能である。
【0013】
≪データベースサーバの構成≫
データベースサーバ200はコンピュータであり、制御部210、記憶部220、および通信部280を備える。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、校正作業管理サーバ100や製造作業管理サーバ400の要求に応じて後記する記憶部220に記憶されるデータベースの検索処理や更新処理を行う。なおデータベースの検索処理や更新処理を実行するのは制御部210であるが、制御部210は校正作業管理サーバ100(後記する校正指図記録部111参照)や製造作業管理サーバ400(後記する製造指図記録部411参照)の要求(指示)に従って検索処理や更新処理を行う。このため校正指図記録部111や製造指図記録部411がデータベースを検索する、更新するなどと記載する場合がある。
【0014】
通信部280は通信デバイスを備え、校正作業管理サーバ100、および製造作業管理サーバ400とデータ送受信が可能である。記憶部220は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶機器を含んで構成される。記憶部220には、校正指図データベース310、校正記録データベース320、製造指図マスタデータベース330、製造指図データベース340、製造記録データベース350、および機器情報データベース360が記憶される。
【0015】
≪データベースサーバ:校正指図データベース≫
図2は、本実施形態に係る校正指図データベース310のデータ構成図である。校正指図データベース310は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は計測器または計測器を備える機器(設備)の校正作業の予定であり、作業者への指図を含む。校正指図データベース310のレコードは、対象機器、作業、作業内容、作業日、および作業者の列(属性)を含む。
【0016】
対象機器は、校正作業の対象となる機器(計測器)の識別情報である。作業は、校正作業の識別情報である。作業内容は、校正作業の作業内容であり、後記する校正作業指図記録画面510に表示される内容(図8記載の領域512参照)を含む。作業日は、校正作業を行う予定日である。作業者は、校正作業が割り当てられた作業者の識別情報である。なお校正指図データベース310は、例えば校正作業に用いる基準器の識別番号など他の属性を含んでもよい。
【0017】
≪データベースサーバ:校正記録データベース≫
図3は、本実施形態に係る校正記録データベース320のデータ構成図である。校正記録データベース320は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は校正作業の記録を示す。校正記録データベース320のレコードは、対象機器、作業、計測値、校正判定結果、作業日、作業者、承認結果、承認日、および承認者の列(属性)を含む。
【0018】
対象機器、作業、作業日、および作業者は、校正指図データベース310の対象機器、作業、作業日、および作業者にそれぞれ対応する。但し、作業日および作業者は、実際に校正作業を行った作業日および作業者である。
計測値は、校正作業における対象機器や基準器の計測値(指示値)である。校正判定結果は、校正作業の結果であり、「適」または「不適」である。一般に、対象機器と基準器の計測値の差(誤差)が所定の範囲内であれば「適」となる。
承認結果は、校正作業の承認者による校正判定結果の承認の認否であり、「認」または「否」である。承認日は承認した(認否を判断した)日である。承認者は、承認者の識別情報である。なお未承認(承認待ち)のレコードの承認結果と承認日と承認者は「N/A」(Not Applicable)である。
なお校正記録データベース320は、例えば校正作業に用いる基準器の識別番号など他の属性を含んでもよい。
【0019】
≪データベースサーバ:製造指図マスタデータベース≫
図4は、本実施形態に係る製造指図マスタデータベース330のデータ構成図である。製造指図マスタデータベース330は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は製造作業(製造指図)の雛型を示す。製造指図マスタデータベース330のレコードは、作業マスタ、製品、工程名称、作業内容、および使用機器の列(属性)を含む。
【0020】
作業マスタ(図4では「作業M」と記載)は、製造作業の雛型として識別情報である。製品は、製造作業の対象となる(製造される)製品の識別情報である。工程名称は、製造作業の工程の名称である。作業内容は、製造作業の内容であって、作業手順を含み、後記する製造作業計画画面530や製造作業指図記録画面540に表示される内容(図10記載の領域532、図11記載の領域542参照)を含む。使用機器は、製造作業に用いる機器(設備)の識別情報である。
【0021】
≪データベースサーバ:製造指図データベース≫
図5は、本実施形態に係る製造指図データベース340のデータ構成図である。製造指図データベース340は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は製品を製造する製造作業の予定であって、作業者への指図を含み、製造指図マスタデータベース330を基に作成される。製造指図データベース340のレコードは、作業マスタ、作業、製品、工程名称、作業内容、使用機器、作業日、および作業者の列(属性)を含む。
【0022】
作業マスタ(図5では「作業M」と記載)は、製造作業の雛型の識別情報を示し、製造指図マスタデータベース330(図4参照)の作業マスタに対応する。作業は、製造作業の識別情報である。製品、工程名称、作業内容および使用機器は、製造指図マスタデータベース330の製品、工程名称、作業内容および使用機器に対応する。作業日は、製造作業を行う予定日である。作業者は、製造作業が割り当てられた作業者の識別情報である。なお製造指図データベース340は、製造ロットや生産予定量など他の属性を含んでもよい。
【0023】
≪データベースサーバ:製造記録データベース≫
図6は、本実施形態に係る製造記録データベース350のデータ構成図である。製造記録データベース350は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は製造作業の記録を示す。製造記録データベース350のレコードは、作業、製品、記録値、使用機器、作業日、および作業者の列(属性)を含む。
【0024】
作業、製品、使用機器、作業日、および作業者は、製造指図データベース340の作業、製品、使用機器、作業日、および作業者にそれぞれ対応する。但し、作業日および作業者は、実際に製造作業を行った作業日および作業者である。
記録値は、製造作業を行ったときの記録であり、後記する製造作業指図記録画面540で入力される内容(図11記載の領域542参照)を含む。
なお製造記録データベース350は、製造ロットや生産量など他の属性を含んでもよい。
【0025】
≪データベースサーバ:機器情報データベース≫
図7は、本実施形態に係る機器情報データベース360のデータ構成図である。機器情報データベース360は、例えば表形式のデータであって、1つの行(レコード)は機器に対する校正の状況を示す。機器情報データベース360のレコードは、機器、使用可否、使用期限、および更新日の列(属性)を含む。
【0026】
機器は、機器(計測器)の識別情報であって、校正指図データベース310(図2参照)の対象機器に対応する。使用可否は、機器が使用可能か否かを示す。使用期限は、校正の有効期限である。校正作業の結果が適(適合)であれば、使用可否に「可」が、使用期限に校正の有効期限が格納される。校正作業の結果が不適(不適合)であれば、使用可否に「否」が、使用期限に「N/A」が格納される。更新日は、レコードの内容が更新された日である。
【0027】
以上に説明したように校正指図記録部111は、校正作業の識別情報(「作業」属性参照)と、校正対象の機器の識別情報(「対象機器」属性参照)と、校正作業内容(「作業内容」属性参照)と、校正作業者の識別情報(「作業者」属性参照)とが記憶される校正指図データベース310にアクセス可能である。
また校正指図記録部111は、前記校正作業の識別情報と、前記機器の識別情報と、前記校正作業者の識別情報と、校正作業日時(「作業日」属性参照)と、校正判定結果(「校正判定結果」属性参照)とが記憶される校正記録データベース320にアクセス可能である。
校正指図記録部111および作業指図記録部(製造指図記録部411参照)は、機器の識別情報(「機器」属性参照)と、当該機器の使用可否(「使用可否」属性参照)とが記憶される機器情報データベース360にアクセス可能である。
作業指図記録部は、作業の識別情報(「作業」属性参照)と、作業内容と、作業者の識別情報と、使用する前記機器の識別情報(「使用機器」属性参照)とが記憶される作業指図データベース(製造指図データベース340参照)にアクセス可能である。
作業指図記録部は、作業の識別情報と、作業者の識別情報と、作業日時(「作業日」属性参照)とが記憶される作業記録データベース(製造記録データベース350参照)にアクセス可能である。
作業指図記録部は、作業マスタ識別情報と、作業内容と、使用する機器の識別情報とが記憶される作業指図マスタデータベース(製造指図マスタデータベース330参照)にアクセス可能である。
機器情報データベース360は、使用可否が可である場合に可である有効期限を示す使用期限をさらに含む。
【0028】
≪校正作業管理サーバの構成≫
図1に戻って校正作業管理サーバ100を説明する。校正作業管理サーバ100はコンピュータであり、制御部110、記憶部120、および通信部180を備える。通信部180は通信デバイスを備え、データベースサーバ200とデータ送受信が可能である。また通信部180は、端末610とのデータ送受信が可能である。
【0029】
記憶部120は、ROMやRAM、SSDなどの記憶機器を含んで構成される。記憶部120には、プログラム128が記憶される。プログラム128には、後記する校正指図記録処理(図12参照)や校正作業承認処理(図13参照)の記述を含む。制御部110は、CPUを含んで構成され、校正指図記録部111が備わる。
【0030】
≪制御部:校正指図記録部≫
校正指図記録部111は、校正作業の作業者に作業指図(作業内容を含む作業指示)を出し、作業記録を校正記録データベース320(図3参照)に格納する。以下に詳しく説明する。校正指図記録部111は、校正作業を行う作業者が操作する端末610からの校正指図要求を受け付けると、校正指図データベース310(図2参照)を参照して当該作業者に割り当てられている校正作業内容(校正作業指図)を端末610に送信する。
【0031】
端末610は、後記する校正作業指図記録画面510(図8参照)を表示して、作業者に作業実行および作業記録の入力を促し、入力された作業記録を校正作業管理サーバ100に送信する。校正指図記録部111は、校正作業の識別情報や作業者の識別情報、受信した作業記録などを校正記録データベース320に格納する。
【0032】
また校正指図記録部111は、校正作業の承認の記録を校正記録データベース320に格納する。以下に詳しく説明する。校正指図記録部111は、校正作業の承認を行う承認者が操作する端末610から校正作業の記録の要求を受け付けると、校正指図データベース310を参照して終了済みで未承認の校正作業を端末610に送信する。
【0033】
端末610は、後記する校正作業承認画面520(図9参照)を表示して、承認者に承認結果(「認」または「否」)の入力を促し、入力された承認結果を校正作業管理サーバ100に送信する。校正指図記録部111は、承認結果と承認日と承認者の識別情報とを校正記録データベース320に格納する。
【0034】
≪校正作業指図記録画面≫
図8は、本実施形態に係る校正作業指図記録画面510の画面構成図である。領域511には、校正作業の識別情報(「指図番号」参照)や校正作業の対象となる機器の識別番号(「作業対象番号」参照)などが表示される。
【0035】
領域512には、校正作業の作業内容(校正指図データベース310(図2参照)の作業内容参照)が表示される。図8では、設定値を30℃、80℃、130℃としたときの基準器、表示パネルおよび記録計の指示値を基に誤差を算出して、判定するように指図されている。
【0036】
領域513には、作業者が入力した作業記録が表示される。図8では、設定値を30℃としたときの基準器、表示パネルおよび記録計の指示値が入力済みである。
領域514では、校正作業の結果として判定が入力される。作業者は、領域513にある項目を入力して、領域514に表示されるドロップダウンリストから「適」または「不適」を選択し、領域515にあるドロップダウンリストで作業日を選択して「作業者確認」ボタンを押下する。押下後に端末610は、領域513,514,515の入力内容を作業記録として校正作業管理サーバ100に送信する。
【0037】
≪校正作業承認画面≫
図9は、本実施形態に係る校正作業承認画面520の画面構成図である。領域521,522は、校正作業指図記録画面510(図8参照)の領域511,512とそれぞれ同様である。
領域523には、校正作業の作業者が入力した作業記録(校正作業指図記録画面510の領域513参照)が表示される。領域524には、校正作業の作業者が入力した判定(校正作業指図記録画面510の領域514参照)が表示される。
【0038】
承認者は、領域524に表示される承認のドロップダウンリストから「認」または「否」を選択し、領域525にあるドロップダウンリストで承認日を選択して「承認者確認」ボタンを押下する。押下後に端末610は、領域524,525の入力内容を承認結果として校正作業管理サーバ100に送信する。
【0039】
≪製造作業管理サーバの構成≫
図1に戻って製造作業管理サーバ400を説明する。製造作業管理サーバ400はコンピュータであり、制御部410、記憶部420、および通信部480を備える。通信部480は通信デバイスを備え、データベースサーバ200とデータ送受信が可能である。また通信部480は、端末610とのデータ送受信が可能である。
【0040】
記憶部420は、ROMやRAM、SSDなどの記憶機器を含んで構成される。記憶部420には、プログラム428が記憶される。プログラム428には、後記する製造作業計画処理(図14参照)および製造作業指図記録処理(図15図16参照)の記述を含む。制御部410は、CPUを含んで構成され、製造指図記録部411が備わる。
【0041】
製造指図記録部411は、製造作業の管理者の指示を受けて、製造作業(製造作業の指図)を製造指図データベース340(図5参照)に格納する。以下に詳しく説明する。製造指図記録部411は、管理者が操作する端末610からの製造指図雛型要求を受け付けると、製造指図マスタデータベース330(図4参照)を参照して製造作業の雛型を端末610に送信する。
【0042】
端末610は、後記する製造作業計画画面530(図10参照)を表示して、管理者に製造日(製造予定日)や製造作業の作業者の入力を促し、入力内容を製造作業管理サーバ400に送信する。製造指図記録部411は、製造作業の識別情報や受信した入力内容などを製造指図データベース340に格納する。なお製造指図記録部411は、製造指図データベース340に格納する前に、使用する機器が製造日に使用可能であることを確認する。使用不可の場合には、端末610にエラーを通知する。
【0043】
また製造指図記録部411は、製造作業の作業者に作業の指図を出し、作業の記録を製造記録データベース350(図6参照)に格納する。以下に詳しく説明する。製造指図記録部411は、製造作業を行う作業者が操作する端末610からの製造指図要求を受け付けると、製造指図データベース340を参照して当該作業者に割り当てられている製造作業(製造作業の指図)を端末610に送信する。なお製造指図記録部411は、端末610に送信する前に、使用する機器が製造日に使用可能であることを確認する。使用不可の場合には、端末610にエラーを通知する。
【0044】
端末610は、後記する製造作業指図記録画面540(図11参照)を表示して、作業者に記録値の入力を促し、入力された記録値や記録日時を作業記録として製造作業管理サーバ400に送信する。製造指図記録部411は、製造作業の識別情報や作業者の識別情報、受信した作業記録などを製造記録データベース350に格納する。
【0045】
≪製造作業計画画面≫
図10は、本実施形態に係る製造作業計画画面530の画面構成図である。領域531には、製造作業の雛型の識別情報(「指図種別番号」参照)や製造作業の対象となる製品の識別番号(「品名コード」参照)などが表示される。
【0046】
領域532には、製造作業の作業内容(指図内容、製造指図マスタデータベース330(図4参照)の作業内容参照)と作業記録項目とが表示される。図10では、作業内容として「原料を搬入」「乳糖を投入」「コーンスターチを投入」などをこの順で行うことが示されている。
管理者は、領域533にあるドロップダウンリストから作業日(製造日)や製造量、製造作業を行う作業者を選択して「製造管理者確認」ボタンを押下する。押下後に端末610は、選択内容である作業日、製造量および作業者を製造作業管理サーバ400に送信する。
【0047】
≪製造作業指図記録画面≫
図11は、本実施形態に係る製造作業指図記録画面540の画面構成図である。領域541は、製造作業計画画面530(図10参照)の領域531と同様である。但し、製造予定日や生産予定量には、管理者が製造作業計画画面530で選択した製造日や製造量が表示される。
【0048】
領域542は、製造作業計画画面530の領域532と同様である。但し、領域542には、作業者が入力した記録値や記録日時を含む作業記録が表示される。図11では、「原料を搬入」する作業と「乳糖を投入」する作業とが終了して、記録が入力されている。また次の作業が強調して(図11では太枠で囲われて)表示されている。
作業者は、領域542に作業記録を入力し、領域543にあるドロップダウンリストで作業日を選択して「作業者確認」ボタンを押下する。押下後に端末610は、領域542の入力内容を作業記録として製造作業管理サーバ400に送信する。
【0049】
≪校正作業指図記録処理≫
図12は、本実施形態に係る校正作業指図記録処理のシーケンス図である。図12を参照しながら、校正作業に係る端末610および校正作業管理サーバ100の処理を説明する。なお端末610は、校正作業を行う作業者が操作する。なお校正作業管理サーバ100は、当該作業者を認証済みであり識別可能であるとする。
【0050】
ステップS11において端末610は、作業者に指示されて校正指図(校正作業)要求を校正作業管理サーバ100に送信する。
ステップS12において校正作業管理サーバ100の校正指図記録部111は、作業者に割り当てられた校正作業を取得する。詳しく説明すると校正指図記録部111は、校正指図データベース310(図2参照)にあるレコードのなかで、作業者が端末610を操作する作業者であり、作業が実行されておらず、作業日が最早のレコードを検索して取得する。作業が実行済みか否かは、対応する(作業の属性が一致する)校正記録データベース320(図3参照)のレコードの有無でわかる。
【0051】
ステップS13において校正指図記録部111は、ステップS12で取得したレコードの内容を校正指図として端末610に送信する。
ステップS14において端末610は、校正作業指図記録画面510(図8参照)を表示して、作業者に校正作業の作業記録の入力を促す。
ステップS15において端末610は、作業者から校正作業の作業記録の入力(領域513参照)を受け付ける。
【0052】
ステップS16において端末610は、作業者が校正作業指図記録画面510の領域515にある「作業者確認」ボタンを押下すると、入力された校正作業の作業記録を校正作業管理サーバ100に送信する。作業記録には領域513で入力された計測値(基準器などの指示値)、領域514で入力された判定(校正判定結果)および領域515で入力された作業日が含まれる。
【0053】
ステップS17において校正指図記録部111は、受信した作業記録を校正記録データベース320(図3参照)に格納する。詳しく説明すると校正指図記録部111は、校正記録データベース320にレコードを追加し、当該レコードの対象機器および作業に、ステップS12で取得したレコードの対象機器および作業の値を格納する。校正指図記録部111は、計測値、校正判定結果および作業日に、ステップS16で受信した作業記録に含まれる計測値、校正判定結果および作業日を格納する。校正指図記録部111は、作業者に端末610の操作者である作業者の識別情報を格納する。校正指図記録部111は、承認結果、承認日および承認者は「N/A」とする。
【0054】
≪校正作業承認処理≫
図13は、本実施形態に係る校正作業承認処理のシーケンス図である。図13を参照しながら、校正作業の承認に係る端末610および校正作業管理サーバ100の処理を説明する。なお端末610は、校正作業の承認を行う承認者が操作する。なお校正作業管理サーバ100は、当該承認者を認証済みであり識別可能であるとする。
【0055】
ステップS21において端末610は、承認者に指示されて校正作業の作業記録要求を校正作業管理サーバ100に送信する。
ステップS22において校正作業管理サーバ100の校正指図記録部111は、未承認である校正作業の作業記録を取得する。詳しく説明すると校正指図記録部111は、校正記録データベース320(図3参照)にあるレコードのなかで、承認結果が「N/A」であるレコードを検索して取得する。
【0056】
ステップS23において校正指図記録部111は、ステップS22で取得したレコードの内容を作業記録として端末610に送信する。
ステップS24において端末610は、校正作業承認画面520(図9参照)を表示して、承認者に承認結果(認否)の入力を促す。
ステップS25において端末610は、承認者から承認結果(領域524参照)および承認日(領域525参照)の入力を受け付ける。
【0057】
ステップS26において端末610は、承認者が領域525にある「承認者確認」ボタンを押下すると、入力された承認結果および承認日を校正作業管理サーバ100に送信する。
ステップS27において校正指図記録部111は、受信した承認結果を校正記録データベース320(図3参照)に格納する。詳しく説明すると校正指図記録部111は、ステップS22で取得したレコードの承認結果および承認日に、ステップS26で受信した承認結果および承認日をそれぞれ格納する。校正指図記録部111は、作業者に端末610の操作者である承認者の識別情報を格納する。
【0058】
ステップS28において校正指図記録部111は、承認結果を機器情報データベース360(図7参照)に格納する。詳しく説明すると校正指図記録部111は、機器情報データベース360にレコードを追加し、当該レコードの対象機器にステップS22で取得したレコードの対象機器の値を格納する。校正指図記録部111は、校正判定結果が「適」であり、かつ承認結果が「認」ならば「可」を、校正判定結果が「不適」または承認結果が「否」ならば「否」を使用可否に格納する。承認結果が「認」ならば校正指図記録部111は、使用期限に校正の有効期限を格納する。有効期限は、例えば校正作業の作業日から所定期間後の日である。校正指図記録部111は、更新日に承認日と同日を格納する。
【0059】
以上に説明したように 校正指図記録部111は、第1端末(端末610参照)からの校正作業要求を受け付ける(ステップS11参照)。
校正指図記録部111は、第1端末の利用者である校正作業者が作業する校正作業の対象となる機器の識別情報と、校正作業内容とを取得して、当該第1端末に送信する(ステップS12,S13参照)。
校正指図記録部111は、第1端末からの校正作業の校正作業記録を受け付け、校正記録データベース320に格納する(ステップS16,S17参照)。
【0060】
≪製造作業計画処理≫
図14は、本実施形態に係る製造作業計画処理のシーケンス図である。図14を参照しながら、製造作業(製造指図、製造指図)の計画に係る端末610および製造作業管理サーバ400の処理を説明する。なお端末610は、製造作業の計画を行う管理者が操作する。なお校正作業管理サーバ100は、当該管理者を認証済みであり識別可能であるとする。
【0061】
ステップS31において端末610は、管理者に指図された製造作業の雛型を要求する製造指図雛型要求を製造作業管理サーバ400に送信する。
ステップS32において製造作業管理サーバ400の製造指図記録部411は、製造指図マスタデータベース330(図4参照)にある要求された製造作業(製造指図)の雛型となるレコードを取得する。
ステップS33において製造指図記録部411は、ステップS32で取得したレコードの内容を製造指図雛型として端末610に送信する。
【0062】
ステップS34において端末610は、製造作業計画画面530(図10参照)を表示して、管理者に製造日(製造作業の予定日)や製造量、作業者の入力(領域533参照)を促す。
ステップS35において端末610は、製造日や製造量、作業者の入力を受け付ける。
ステップS36において端末610は、管理者が領域533にある「製造管理者確認」ボタンを押下すると、入力された製造日や製造量、作業者を製造作業管理サーバ400に送信する。
【0063】
ステップS37において製造指図記録部411は、製造作業で使用する機器の使用可否と使用期限とを取得する。詳しく説明すると製造指図記録部411は、機器情報データベース360(図7参照)のレコードのなかで機器がステップS32で取得したレコードの使用機器にある識別情報と一致し、更新日が最新であるレコードを取得する。次に製造指図記録部411は、当該レコードの使用可否と使用期限とを取得する。
ステップS38において製造指図記録部411は、使用可ならば(ステップS38→OK)ステップS39に進み、否ならば(ステップS38→NG)ステップS40に進む。使用可とは、ステップS37で取得した使用可否が可であり、かつ、製造日がステップS37で取得した使用期限内であることである。
【0064】
ステップS39において製造指図記録部411は、製造作業(製造指図)を製造指図データベース340(図5参照)に格納する。詳しく説明すると製造指図記録部411は、製造指図データベース340のレコードを追加し、当該レコードの作業マスタ、製品、工程名称、作業内容および使用機器に、ステップS32で取得したレコードの作業マスタ、製品、工程名称、作業内容および使用機器の値をそれぞれ格納する。次に製造指図記録部411は、製造作業の識別番号を割り振り(新規に生成し)作業に格納する。続いて製造指図記録部411は、作業日および作業者にステップS36で受信した製造日および作業者(作業者の識別情報)を格納する。
【0065】
ステップS40において製造指図記録部411は、製造作業の計画作成の成否(製造作業を製造指図データベース340に格納した当否)を結果として端末610に通知する。
ステップS41において端末610は、ステップS40で受信した結果を表示する。なおステップS38において使用不可である場合に(ステップS38→NG参照)結果に使用不可であった機器の識別情報や名称、当該機器の有効期限が含まれてもよい。この場合に端末610は、計画作成失敗(エラー通知)と合わせてこれらの情報を表示してもよい。
【0066】
≪製造作業指図記録処理≫
図15および図16は、本実施形態に係る製造作業指図記録処理のシーケンス図である。図15および図16を参照しながら、製造作業に係る端末610および製造作業管理サーバ400の処理を説明する。なお端末610は、製造作業を行う作業者が操作する。なお校正作業管理サーバ100は、当該作業者を認証済みであり識別可能であるとする。
【0067】
ステップS51において端末610は、作業者に指図されて製造指図(製造作業)要求を製造作業管理サーバ400に送信する。
ステップS52において製造作業管理サーバ400の製造指図記録部411は、作業者に割り当てられた製造作業(製造指図)を取得する。詳しく説明すると製造指図記録部411は、製造指図データベース340(図5参照)にあるレコードのなかで、作業者が端末610を操作する作業者であり、作業が実行されておらず、作業日が最早のレコードを検索して取得する。作業が実行済みか否かは、対応する(作業の属性が一致する)製造記録データベース350(図6参照)のレコードの有無でわかる。
【0068】
ステップS53において製造指図記録部411は、ステップS52で取得とした製造作業で使用する機器の使用可否と使用期限とを取得する。詳しく説明すると製造指図記録部411は、機器情報データベース360(図7参照)のレコードのなかで機器がステップS52で取得したレコードの使用機器にある識別情報と一致し、更新日が最新であるレコードを取得する。次に製造指図記録部411は、当該レコードの使用可否と使用期限とを取得する。
ステップS54において製造指図記録部411は、使用可ならば(ステップS54→OK)ステップS55に進み、否ならば(ステップS54→NG)ステップS60(図16参照)に進む。使用可とは、ステップS53で取得した使用可否が可であり、かつ、現時点がステップS53で取得した使用期限内であることである。
【0069】
ステップS55において製造指図記録部411は、ステップS52で取得したレコードの内容を製造指図として端末610に送信する。
ステップS56において端末610は、製造作業指図記録画面540(図11参照)を表示して、作業者に製造作業の記録値や記録日時を含む作業記録の入力を促す。
ステップS57において端末610は、作業者から製造作業の作業記録の入力(領域542参照)を受け付ける。
【0070】
ステップS58において端末610は、作業者が製造作業指図記録画面540の領域543にある「作業者確認」ボタンを押下すると、入力された製造作業の作業記録を製造作業管理サーバ400に送信する。作業記録には領域542で入力された記録値や記録日時、領域543で入力された作業日が含まれる。
【0071】
ステップS59において製造指図記録部411は、受信した作業記録を製造記録データベース350(図6参照)に格納する。詳しく説明すると製造指図記録部411は、製造記録データベース350にレコードを追加し、当該レコードの作業、製品および使用機器に、ステップS52で取得したレコードの作業、製品および使用機器の値を格納する。製造指図記録部411は、記録値にステップS58で受信した作業記録に含まれる記録値や記録日時を格納する。また製造指図記録部411は、作業日にステップS58で受信した作業記録に含まれる作業日を格納する。製造指図記録部411は、作業者に端末610の操作者である作業者の識別情報を格納する。
【0072】
以上で、製造作業に用いる使用機器が使用可である場合の製造作業指図記録処理は終了する。次に図16を参照して、使用機器が使用不可である場合の、ステップS54以降の処理を説明する。
ステップS60において製造指図記録部411は、エラー通知を送信する。エラー通知は、使用不可であった機器の識別情報や名称、当該機器の有効期限が含まれる。
ステップS61において端末610は、エラー通知を表示する。
【0073】
以上に説明したように作業指図記録部(製造指図記録部411)は、第2端末(端末610)からの作業要求を受け付ける(ステップS51参照)。
作業指図記録部は、当該第2端末の利用者である作業者が作業する作業の識別情報と、作業内容と、作業者の識別情報と、使用する機器の識別情報と、使用する当該機器の使用可否を取得する(ステップS52参照)。
作業指図記録部は、当該機器の使用可否が可(ステップS54→OK参照)であれば、当該作業内容と、使用する当該機器の識別情報とを当該第2端末に送信し(ステップS55参照)、当該第2端末からの作業の作業記録を受け付け(ステップS58参照)、作業記録データベース(製造記録データベース350参照)に格納する(ステップS59参照)。
作業指図記録部は、当該機器の使用可否が否(ステップS54→NG参照)であれば、エラー通知を当該第2端末に送信する(ステップS60参照)。
【0074】
≪製造作業管理システムの特徴≫
校正作業管理サーバ100は、校正作業の作業者に校正作業を指図し、校正判定結果を含む作業記録を校正記録データベース320(図3参照)に格納する(図12記載のステップS17参照)。校正作業管理サーバ100は、校正作業の承認者に校正判定結果の承認結果を要求し、校正記録データベース320に格納する(図13記載のステップS27参照)ともに、機器情報データベース360(図7参照)に反映する(ステップS28参照)。
【0075】
製造作業管理サーバ400は、製造作業の管理者が製造作業(製造指図、製造指図)を計画(作成)する時点や作業者に製造作業を指図する時点において、製造作業に使用する機器の使用の可否を判断する(図14記載のステップS38、図15記載のステップS54参照)。
【0076】
このような処理を行うことで製造作業管理システム10は、校正の有効期限が過ぎた機器(計測器)や校正が行われていない機器を使用する製造作業の計画を作成することや製造作業を行うことを防ぐことができる。結果として製造作業管理システム10は、適切な作業管理の支援を行うことができる。
【0077】
≪変形例:機器が使用不可の場合の処理≫
上記した実施形態では、機器が使用不可である場合に(図14記載のステップS38→NG、図15記載のステップS54→NG参照)製造作業の計画作成や製造指図を中断(ステップS39やステップS55~S59をスキップすること)している。このような処理に替えて、使用機器を使用可能である別の機器に置き換えて製造作業の計画を作成したり、製造指図を出したりしてもよい。このような処理は、同等の(置き換え可能な)機器をグループ化したデータベースを予め用意しておき、使用不可の機器を同等の機器で、かつ使用可能な機器に置き換えることで実行できる。
【0078】
また、計画作成や製造指図の中断に替えて、製造作業計画画面530(図10参照)や製造作業指図記録画面540(図11参照)において使用不可な機器を明示して、管理者や作業者に注意を促すようにしてもよい。例えば製造指図記録部411は、使用不可な使用機器を製造指図雛型(図14のステップS33参照)や製造指図(図15のステップS55参照)に含めて端末610に送信するようにする。端末610は、領域531,541にある使用機器のテキストボックスにおいて使用不可である機器の識別情報に取り消し線を引いて表示するなどして、管理者や作業者に注意を促すようにしてもよい。端末610は、領域531,541にある使用不可使用機器のテキストボックスを配置して使用不可である機器の識別情報を表示するようにしてもよい。
【0079】
≪変形例:機器の使用可否の判定≫
ステップS28において校正指図記録部111は、機器の校正判定結果が「適」であり、かつ承認結果が「認」ならば当該機器を使用可としている。校正作業承認処理(図13参照)をなくしてもよい。この場合に校正指図記録部111は、校正作業指図記録処理(図12参照)のステップS17において機器の校正判定結果の「適」/「不適」に応じて、機器情報データベース360の機器可否に「可」/「否」を格納するようにしてもよい。使用期限および更新日の更新は、ステップS28と同様である。
【0080】
以上に説明したように校正指図記録部111は、校正作業記録に含まれる機器の識別情報を機器情報データベース360の機器の識別情報に格納する。
また校正指図記録部111は、校正作業記録に含まれる校正判定結果の適/不適に応じて、機器情報データベース360の機器の使用可否に可/否を格納する。
校正指図記録部111は、使用可否を機器情報データベース360に格納する際に、所定の手法(例えば校正作業の作業日から所定期間後の日)で定められる使用期限を機器情報データベース360に格納する。
【0081】
≪変形例:製造作業計画処理≫
図14に記載の製造作業計画処理のステップS37,S39において製造指図記録部411は、ステップS32で取得した製造指図マスタデータベース330(図4参照)のレコードを参照している。このような処理に替わり製造指図記録部411は、ステップS33において当該レコードにある作業マスタの識別情報を端末610に送信し、ステップS36において当該識別情報を含めて作業計画登録要求として受信してもよい。
【0082】
以上に説明したように作業指図記録部(製造指図記録部411参照)は、第3端末(端末610参照)から、作業マスタ識別情報と、作業者の識別情報とを含む作業計画登録要求を受け付け(ステップS36参照)、使用する当該機器の使用可否を取得する(ステップS37参照)。
作業指図記録部は、当該機器の使用可否が可(ステップS38→OK参照)であれば、当該作業マスタ識別情報に対応する作業内容と、当該作業者の識別情報と、使用する機器の識別情報とを作業指図データベース(製造指図データベース340参照)に格納する(ステップS39参照)。
作業指図記録部は、当該機器の使用可否が否(ステップS38→NG参照)であれば、エラー通知を当該第3端末に送信する(ステップS40参照)。
【0083】
また作業指図記録部は、第3端末から、作業日時をさらに含む作業計画登録要求を受け付けたとき(ステップS36参照)に、使用する機器の使用可否と使用期限を取得する(ステップS37参照)。
作業指図記録部は、当該機器の使用可否が可であり、かつ当該作業日時が当該使用期限内(ステップS38→OK参照)であれば、当該作業マスタ識別情報に対応する作業内容と、当該作業者の識別情報と、使用する機器の識別情報とを前記作業指図データベースに格納する(ステップS39参照)。
作業指図記録部は、当該機器の使用可否が否、または、当該作業日時が当該使用期限外であれば(ステップS38→NG参照)、エラー通知を当該第3端末に送信する(ステップS40参照)。
【0084】
≪その他変形例≫
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。製造作業管理システム10は製造作業を管理するが、他の作業の作業管理システムであってもよい。例えば製造した製品の検査作業であってもよく、検査作業の計画作成や作業指図を行うときに、当該検査作業で使用する機器が使用不可であれば、計画作成や作業指図を中断する作業管理システムであってもよい。製造作業や検査作業の他であっても、計測器を用いた作業では同様の作業管理が可能である。
【0085】
本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
10 製造作業管理システム(作業管理システム)
100 校正作業管理サーバ
111 校正指図記録部
200 データベースサーバ
310 校正指図データベース
320 校正記録データベース
330 製造指図マスタデータベース(作業指図マスタデータベース)
340 製造指図データベース(作業指図データベース)
350 製造記録データベース(作業記録データベース)
360 機器情報データベース
400 製造作業管理サーバ(作業管理サーバ)
411 製造指図記録部(作業指図記録部)
510 校正作業指図記録画面
520 校正作業承認画面
530 製造作業計画画面
540 製造作業指図記録画面
610 端末(第1端末、第2端末、第3端末)
図1
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