(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104598
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】通信方法、プログラム、情報処理装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240729BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20240729BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240729BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F21/31
G06F3/12 304
G06F3/12 336
G06F3/12 338
G06F3/12 392
H04N1/00 E
H04N1/00 127B
B41J29/38 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008900
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神沢 元紀
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HP00
5C062AA05
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC28
5C062AC38
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】画像形成装置と情報処理装置の間の通信確立用の情報の簡単入力を可能にする。
【解決手段】通信方法は、画像形成装置と情報処理装置の間で設定情報をやり取りし第1通信プロトコルの通信を確立するステップと、画像形成装置と情報処理装置の間で、第1通信プロトコルとは異なる種類の第2通信プロトコルの通信を実施するステップを備え、第2通信プロトコルの通信を実施するステップでは、情報処理装置が、画像形成装置から当該画像形成装置に設定された第1通信プロトコルの種類を受信し、設定情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、第1通信プロトコルの種類に対応した画面をディスプレイに表示させ、情報処理装置がユーザーの設定操作に基づいた情報を取得し、画像形成装置に送信する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と情報処理装置の間で設定情報をやり取りし第1通信プロトコルの通信を確立するステップと、
前記画像形成装置と前記情報処理装置の間で、前記第1通信プロトコルとは異なる種類の第2通信プロトコルの通信を実施するステップを備え、
前記第2通信プロトコルの通信を実施するステップは、
前記情報処理装置が、前記画像形成装置から当該画像形成装置に設定された前記第1通信プロトコルの種類を受信するステップと、
前記情報処理装置が、前記設定情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、前記第1通信プロトコルの種類に対応した画面をディスプレイに表示させるステップと、
前記情報処理装置がユーザーの前記設定操作に基づいた情報を取得し、前記画像形成装置に送信するステップと、を有する、通信方法。
【請求項2】
画像形成装置と情報処理装置の間で第1通信プロトコルの通信を確立するステップと、
前記画像形成装置と前記情報処理装置の間で、前記第1通信プロトコルとは異なる種類の第2通信プロトコルの通信を実施するステップを備え、
前記第2通信プロトコルの通信を実施するステップは、
前記情報処理装置が、前記画像形成装置から前記第1通信プロトコルの種類と当該種類の第1通信プロトコルに従う通信を確立するための設定情報とを受信するステップと、
前記情報処理装置が、前記第1通信プロトコルに従う通信を確立するための設定項目への情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、前記第1通信プロトコルの種類に対応した画面をディスプレイに表示させるステップと、
前記情報処理装置が、当該情報処理装置に対するユーザーの前記設定操作に基づいた情報を取得し、前記画像形成装置から受信した設定情報と照合するステップと、
前記情報処理装置が、前記照合の結果が示す情報であって、前記設定操作に基づいた情報と前記画像形成装置から受信した設定情報との一致性に関する情報を、前記画像形成装置に送信するステップと、を備える、通信方法。
【請求項3】
前記設定情報は認証情報を含む、請求項2に記載に通信方法。
【請求項4】
前記認証情報はパスワードを含む、請求項3に記載の通信方法。
【請求項5】
前記第1通信プロトコルの種類に対応した画面は、当該種類の前記第1通信プロトコルに従って通信を確立するための設定項目を表すオブジェクトを含む、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項6】
前記設定操作は、前記画面のオブジェクトに対して値を設定する操作を含み、
前記設定操作に基づいた情報を取得することは、
前記画面のオブジェクトに対する操作により設定された値を取得することを、含む、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項7】
前記第1通信プロトコルの種類は、当該第1通信プロトコルのバージョンを含む、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項8】
前記第1通信プロトコルはセキュア通信のプロトコルを含む、請求項1または2に記載の通信方法。
【請求項9】
前記セキュア通信のプロトコルはSNMPを含む、請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
プロセッサーに請求項1または2に記載の通信方法を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを格納したメモリーと、
前記プログラムを実行するプロセッサーとを備える、情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置と通信する通信回路を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置と情報処理端末の間の通信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置を含む装置間の通信技術が提案されている。例えば特許文献1(特開2017-183928号公報)は、端末装置が、通信装置に設定されるべき所定の設定情報を複数個の通信装置のそれぞれに送信すべき状況において、端末装置の処理負荷を軽減し得る技術を提供する。特許文献1の端末装置100は、WFDNWのG/O機器として動作するためのG/O状態に変更された後に他の状態(即ちCL状態又はデバイス状態)に変更されることなく、MFP200,300のそれぞれを上記のWFDNWに参加させる(S26,S46)。そして、端末装置100は、上記のWFDNWを利用して、設定情報を含むセット要求を各MFP200,300に送信する(S70)。
【0003】
また、特許文献2(特開2018-173972号公報)では、画像形成装置と携帯端末との連携動作を行う場合において、携帯端末に対する連携先の画像形成装置がユーザーの所望の画像形成装置であることを確認することが可能な技術が提供される。特許文献2では、携帯端末50は、当該携帯端末50と連携しようとしている画像形成装置が所望の画像形成装置であるか否かをユーザーが判定するための情報(装置特定用情報)を、画像形成装置とのBLE通信(近距離無線通信)を通じて取得する。そして、携帯端末50は、当該画像形成装置との連携動作の実行を確認する確認メッセージ700を表示する。当該確認メッセージ700は、当該装置特定用情報(装置名「6階東側1」等)を含む。携帯端末50は、ユーザーによる確認メッセージ700の確認操作に応じて、連携動作(認証動作等)を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-183928号公報
【特許文献2】特開2018-173972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置と情報処理装置の間の通信を実施するにあたり、ユーザーは、当該通信を確立するための設定情報の入力が要求される。ユーザーは、このような要求される設定情報を簡単に入力したいとの要望を有する。特許文献1および2はこの要望に応える技術を提案していない。
【0006】
それゆえに、本開示のある局面における目的は、画像形成装置と情報処理装置の間の通信を確立するための設定情報の簡単な入力を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示のある局面に係る通信方法は、画像形成装置と情報処理装置の間で設定情報をやり取りし第1通信プロトコルの通信を確立するステップと、画像形成装置と情報処理装置の間で、第1通信プロトコルとは異なる種類の第2通信プロトコルの通信を実施するステップを備え、第2通信プロトコルの通信を実施するステップは、情報処理装置が、画像形成装置から当該画像形成装置に設定された第1通信プロトコルの種類を受信するステップと、情報処理装置が、設定情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、第1通信プロトコルの種類に対応した画面をディスプレイに表示させるステップと、情報処理装置がユーザーの設定操作に基づいた情報を取得し、画像形成装置に送信するステップと、を有する。
【0008】
本開示の他の局面に係る通信方法は、画像形成装置と情報処理装置の間で第1通信プロトコルの通信を確立するステップと、画像形成装置と情報処理装置の間で、第1通信プロトコルとは異なる種類の第2通信プロトコルの通信を実施するステップを備え、第2通信プロトコルの通信を実施するステップは、情報処理装置が、画像形成装置から第1通信プロトコルの種類と当該種類の第1通信プロトコルに従う通信を確立するための設定情報とを受信するステップと、情報処理装置が、第1通信プロトコルに従う通信を確立するための設定項目への情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、第1通信プロトコルの種類に対応した画面をディスプレイに表示させるステップと、情報処理装置が、当該情報処理装置に対するユーザーの設定操作に基づいた情報を取得し、画像形成装置から受信した設定情報と照合するステップと、情報処理装置が、照合の結果が示す情報であって、設定操作に基づいた情報と画像形成装置から受信した設定情報との一致性に関する情報を、画像形成装置に送信するステップと、を備える。
【0009】
上記の通信方法では、設定情報は認証情報を含む。
上記の通信方法では、認証情報はパスワードを含む。
【0010】
上記の通信方法では、第1通信プロトコルの種類に対応した画面は、当該種類の第1通信プロトコルに従って通信を確立するための設定項目を表すオブジェクトを含む。
【0011】
上記の通信方法では、設定操作は、画面のオブジェクトに対して値を設定する操作を含み、設定操作に基づいた情報を取得することは、画面のオブジェクトに対する操作により設定された値を取得することを、含む。
【0012】
上記の通信方法では、第1通信プロトコルの種類は、当該第1通信プロトコルのバージョンを含む。
【0013】
上記の通信方法では、第1通信プロトコルはセキュア通信のプロトコルを含む。
上記の通信方法では、セキュア通信のプロトコルはSNMPを含む。
【0014】
この開示の他の局面においては、プロセッサーに上記に述べた通信方法を実行させるためのプログラムが提供される。
【0015】
この開示の他の局面においては、上記のプログラムを格納したメモリーと、このプログラムを実行するプロセッサーとを備える情報処理装置が提供される。
【0016】
この開示の他の局面においては、上記の情報処理装置と通信する通信回路を備える画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、画像形成装置と情報処理装置の間の通信を確立するための設定情報の簡単な入力を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施の形態に係るシステムの概略的な構成を示す図である。
【
図2】ユーザーが携帯するスマートフォンを利用してMFPを操作するシーンを模式的に示す図である。
【
図3】本実施の形態に係るMFPのハードウェアの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図4】本実施の形態に係るパーソナルコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【
図5】本実施の形態に係るスマートフォンのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【
図6】本実施の形態に係るスマートフォンのプリンタードライバーのモジュール構成を模式的に示す図である。
【
図7】本実施の形態に係るMFPのモジュール構成を模式的に示す図である。
【
図8】本実施の形態に係る通信シーケンスの一例を示す図である。
【
図9】本実施の形態に係る不足設定項目の通知の例を示す図である。
【
図10】本実施の形態に係る不足設定項目の通知の例を示す図である。
【
図11】本実施の形態に係る不足設定項目の通知の例を示す図である。
【
図12】本実施の形態に係る不足設定項目の通知の例を示す図である。
【
図13】本実施の形態に係る不足設定項目の通知の例を示す図である。
【
図14】本実施の形態に係る通信シーケンスの他の例を示す図である。
【
図15】本実施の形態に係る通信シーケンスの他の例を示す図である。
【
図16】本実施の形態に係るスマートフォンの処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図17】本実施の形態に係る画面の一例を示す図である。
【
図18】本実施の形態に係る画面の一例を示す図である。
【
図19】本実施の形態に係る画面の一例を示す図である。
【
図20】本実施の形態に係る画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ、実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0020】
<A.システムの構成>
図1は、本実施の形態に係るシステムの概略的な構成を示す図である。本実施の形態では、画像形成装置の一例として、複写機、プリンター、ファクシミリ装置等の複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)を示すが、画像形成装置はMFPに限定されず、複写機、プリンター、ファクシミリ装置等の装置であってもよい。また、画像形成装置と有線または無線で通信する情報処理装置は、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータに実装される例を示すが、これらに限定されず、例えば、携帯電話またはタブレット端末等のモバイルデバイスに実装されてもよい。
【0021】
また、本実施の形態では、「ユーザー」は、画像形成装置を利用または操作する人を示し、画像形成装置の一般のユーザーと、画像形成装置を保守、修理、管理等のメンテナンスのサービスマン、ベンダーも含み得る。
【0022】
本実施の形態では、画像形成装置と情報処理装置の間で実施されるセキュア通信のプロトコルは、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)が適用される。セキュア通信には、プロトコルバージョン(以下、単にバージョンと呼ぶ)の異なるSNMPを適用し得る。バージョンは、例えばv1、v2cおよびv3を含む。また、適用可能なセキュア通信のプロトコルはSNMPに限定されず、例えば、SSL(Secure Sockets Layer)、TLS(Transport Layer Security)、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等であってもよい。
【0023】
図1を参照して、システム1は、複数のMFP100と、複数の情報処理装置を有する。情報処理装置は、例えば、据置型のパーソナルコンピュータ200と、携帯型のスマートフォン400を有する。システム1は、これら情報処理装置を、有線または無線のネットワーク401および402に接続する通信システムを提供する。システム1は、複数のMFP100が複数のユーザーによって利用される環境、例えば、企業のオフィス等に設けられる。ネットワーク401および402はLAN(Local Area Network)またはグローバルネットワークを含む。スマートフォン400は、MFP100と近距離の無線通信403でデータを遣り取りすることもできる。パーソナルコンピュータ200も、MFP100と無線通信403でデータとを遣り取り可能なように構成され得る。
【0024】
MFP100はネットワーク401を介して相互に通信可能に接続されている。パーソナルコンピュータ200は、MFP100とネットワーク401,402を介して有線または無線で通信する。パーソナルコンピュータ200は、プログラムを格納するメモリー、当該プログラムを実行するプロセッサー、通信回路および指示入力デバイス等を有する。例えば、パーソナルコンピュータ200およびスマートフォン400は、プリンタードライバー204のプログラムを実行することにより、プリントジョブ等のジョブ情報205を生成し、生成されたジョブ情報205を、ネットワークを介しMFP100に転送する。MFP100は、パーソナルコンピュータ200またはスマートフォン400から転送されたジョブ情報205を受信し実行することにより、ジョブにより指定された処理(プリント処理、ファクシミリ処理等)を実施する。
【0025】
また、システム1のネットワーク401または402には、クラウドサーバーまたはオンプレミスサーバーが接続されてもよい。その場合、MFP100とセキュア通信する情報処理装置は、これらサーバーを含み得る。MFP100はサーバーからジョブ情報205が転送され得る。
【0026】
<B.ハードウェア構成>
図2は、ユーザーが携帯するスマートフォン400を利用してMFP100を操作するシーンを模式的に示す図である。
図3は、本実施の形態に係るMFP100のハードウェアの構成の一例を概略的に示す図である。
図3を参照して、MFP100は、MFP100を制御するためのプロセッサー回路に相当するCPU(Central Processing Unit)150と、プログラムおよびデータを格納するための記憶部160と、情報の入出力部170と、ネットワーク401と通信するための通信I/F(Interfaceの略)156と、情報処理装置と通信するための通信回路175と、スマートフォン400等の装置と近距離無線通信するための無線通信回路178と、MFP100が有する各種のセンサからなるセンサ群162とデータ・信号を遣り取りするセンサI/F(Interfaceの略)161と、外部記憶媒体176が脱着自在に装着されるデータリーダー/ライター174と、各種処理部とを含む。
【0027】
記憶部160は、CPU10により実行されるプログラムおよびデータを記憶するためのROM(Read Only Memory)、CPU10によりプログラムを実行する際の作業領域として供されるRAM(Random Access Memory)および不揮発メモリー等を含む。また、RAMには、プログラム実行時に読み書きされる各種データも格納される。
【0028】
入出力部170は、ディスプレイを含む表示部171およびユーザーがMFP100に情報を入力するために操作するキー、スイッチ等の操作部172を含む。ここでは、表示部171と操作部172は、一体的に構成されたタッチパネルとして提供され得る。
【0029】
通信I/F156は、NIC(Network Interface Card)等の回路を含んで構成される。通信I/F156は、データを、ネットワーク401に送信するための送信部158、およびネットワーク401からデータを受信する受信部159を含む。
【0030】
通信回路175は、パーソナルコンピュータ200と有線または無線で通信するための例えばLANまたはWi-Fi(登録商標)等の通信回路を含む。無線通信回路178は、NFC(Near Field Communication)またはBluetooth(登録商標)等の無線通信回路を含む。
【0031】
上記の各種処理部は、画像処理部151と、画像形成部152と、画像データを含む各種データを記憶処理するためのハードディスクを含む記憶部153と、図示しないプリンターを制御する画像出力部154と、図示しないファクシミリ回路を制御するためのファクシミリ制御部155と、原稿を光学的に読み取って画像データを得るための画像読取部173とを含む。記憶部153は、OS(Operating System)40と、OS40の下で実行されるアプリケーションプログラム41と、データを格納する。アプリケーションプログラム41は、実行されると上記の各種処理部を実現するプログラムと、スマートフォン400またはパーソナルコンピュータ200と通信するための通信プログラム43を含む。通信プログラム43は、実行されると、通信I/F156、通信回路175および無線通信回路178を用いた各種通信プロトコルに従う通信を実施する。
【0032】
CPU150は、ジョブ情報205が示すジョブを実行し、実行結果に従う制御コマンドを、これら処理部に出力する。これにより、ジョブ情報205に従って各処理部が制御されて、MFP100は、ジョブ情報205に従う処理(プリント、ファクシミリ、画像読取等)を実行する。
【0033】
画像出力部154は、情報処理装置から受信するジョブ情報205のプリントデータを用いてプリンターを駆動する。データリーダー/ライター174は、装着された外部記憶媒体176からプログラムまたはデータを読出す回路と、外部記憶媒体176にデータを書込む回路を有する。
【0034】
図4は、本実施の形態に係るパーソナルコンピュータ200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図4を参照して、パーソナルコンピュータ200は、当該パーソナルコンピュータ200を制御するためのプロセッサー回路を構成するCPU20と、ディスプレイ23と、ユーザーがパーソナルコンピュータ200に情報を入力するための操作を受付ける操作パネル25と、記憶部26と、通信コントローラ27を有する。記憶部26は、CPU20により実行されるプログラムおよびデータを記憶するための記憶媒体の一例であるROM21と、RAM22と、ハードディスク装置を含むメモリー28とを有する。ディスプレイ23と操作パネル25は、一体的に構成されたタッチパネルとして提供されてもよい。通信コントローラ27は、他の情報処理装置またはMFP100と通信するためのNICまたはLAN回路等の通信回路を含む。メモリー28は、OS29およびOS29の下で実行されるアプリケーションプログラム30を格納する。CPU20は、メモリー28からアプリケーションプログラム30は読出し、RAM22に展開して実行する。アプリケーションプログラム30は、実行されるとプリンタードライバー204を実現するドライバープログラム206を含む。
【0035】
図5は、本実施の形態に係るスマートフォン400のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図5を参照して、スマートフォン400は、スマートフォン400を制御するためのプロセッサー回路に相当するCPU40と、ディスプレイとタッチパッドが一体化されたタッチパネル44と、無線通信回路45と、記憶部46と、通信コントローラ47を有する。記憶部46は、CPU40により実行されるプログラムおよびデータを記憶するための記憶媒体の一例であるROM39と、RAM42と、ハードディスク装置を含むメモリー48を有する。メモリー48は、OS49およびOS49の下で実行されるアプリケーションプログラム50を格納する。CPU40は、メモリー48からアプリケーションプログラム50は読出し、RAM42に展開して実行する。アプリケーションプログラム50は実行されるとプリンタードライバー204を実現するドライバープログラム206を含む。通信コントローラ47は、他の情報処理装置またはMFP100と通信するためのNICまたはLAN回路等の通信回路を含む。無線通信回路45は、NFCまたはBluetooth(登録商標)等の通信回路を含む。
【0036】
上記に述べたCPU150、CPU20およびCPU40等の回路は少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、MPU(Micro Processing Unit)その他のプロセッサー、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらの組合わせ等によって構成され得る。
【0037】
<C.モジュール構成>
図6は、本実施の形態に係るスマートフォン400のプリンタードライバー204のモジュール構成を模式的に示す図である。
図6において、プリンタードライバー204は、画面66を含む各種の画面をディスプレイに表示させるGUI(Graphical User Interface)62、MFP登録の処理を実施するためのMFP登録部63、およびジョブ情報205を通信するジョブ通信部64を含む。
図6のモジュールは、ドライバープログラム206が実行されることで実現される、またはドライバープログラム206と回路の組合わせにより実現されてもよい。スマートフォン400のメモリー48は、これらモジュールによってアクセスされるデータとして、SNMPのバージョンv1,v2cおよびv3のそれぞれに対応した設定情報80および画面66のデータと、ジョブ情報205を構成する1または複数のプリントジョブ67と、スマートフォン400に登録されたMFP100の情報を示す登録情報68を含む。
【0038】
本実施の形態では、「MFP登録処理」は、スマートフォン400が、ジョブ情報205に従ってジョブ(プリントジョブ等)を実行させるMFP100とSNMP通信するための設定情報を自装置に登録(格納)する処理を含む。MFP登録処理において登録される設定情報は、SNMPの通信プロトコルに従って通信確立するための遣り取りされる情報を含む。
【0039】
本実施の形態では、「設定画面」は、MFP100が利用するSNMPのバージョンに対応した設定項目に対する値(設定値)の設定をユーザーに促すためのオブジェクトを含んで構成される画面66を含む。このような設定画面においてユーザーに値の設定が促される項目を、すなわち値が未定である項目を「不足設定項目」ともいう。
【0040】
バージョンv1,v2cおよびv3それぞれに対応した設定情報80は、当該設定情報80に対応したバージョンに従ってスマートフォン400がMFP100とセキュア通信を確立するために遣り取りされる情報を含む。このような設定情報は、例えば認証用情報、暗号化用の情報、およびアクセス制限の情報等を含む。設定情報80は、設定項目69と設定値70からなる組を1または複数含む。
【0041】
画面66は、GUI66によって複数のオブジェクトが配置されることで生成され、タッチパネル44のディスプレイに表示される。GUI62は、MFP100がセキュア通信で利用するSNMPのバージョンを取得し、取得されたバージョンに対応の設定情報80をメモリー48から検索し、検索された設定情報80の各設定項目を表すオブジェクトを配置する。GUI62は、各設定項目に対して値を設定または入力するユーザー操作を促すように画面66を構成する。
【0042】
ジョブ情報205として、例えばプリントジョブ67の情報を説明する。プリンタードライバー204は、プリントジョブ67に基づきジョブ情報205を生成する。ジョブ情報205は、プリンター(MFP100)に画像をプリントさせるためのプリントジョブ67と、当該ジョブのユーザーを識別するユーザーIDを含む。ジョブ通信部64は、確立されたSNMPのセキュア通信を介してMFP100にジョブ情報205をMFP100に転送するように通信回路を制御する。
【0043】
MFP100は、セキュア通信により転送されたジョブ情報205を処理する。具体的には、MFP100の画像出力部154は、ジョブ情報205のプリントジョブ67が示すジョブデータをビットマップデータに展開し、展開されたビットマップデータをプリントジョブ67のコマンドに従い用紙に印刷する。
【0044】
なお、ここでは、ジョブ情報205として、プリントジョブ67を説明したが、他の種類のジョブ(例えば、ファクシミリジョブ)についても、プリントジョブと同様にジョブ情報205としてセキュア通信によりMFP100へ転送し、MFP100に当該ジョブ情報を処理させることができる。
【0045】
図7は、本実施の形態に係るMFP100のモジュール構成を模式的に示す図である。
図7を参照して、MFP100は通信処理部71を含む。通信処理部71は、情報を照合する照合部72、および照合結果の通知を出力する通知部73を含む。
図7のモジュールは、通信プログラム43を実行することにより実現される、または、通信プログラム43と回路の組合わせにより実現されてもよい。
【0046】
MFP100の記憶部153は、これらモジュールによってアクセスされるデータとして、MFP100がセキュア通信に利用するSNMPのバージョンに対応した設定情報87を格納する。設定情報は設定項目75と、当該設定項目の設定値76からなる組を1または複数含む。設定項目75は、バージョンのセキュア通信を確立するためにスマートフォン400等の情報処理装置と遣り取りが必要とされる値の項目を表し、設定値76は当該項目に設定された値を表す。SNMPの場合、設定項目75の種類と数は、バージョンv1,v2cおよびv3の間で互いに異なる。
【0047】
照合部72は照合処理を実施する。照合処理は、MFP100がスマートフォン400等の情報処理装置から転送された情報(例えば、設定情報80)を、記憶部153の情報(例えば、設定情報87)と照合する処理を含む。このような照合処理は、例えば、設定情報80と設定情報87の間で、同一種類の設定項目どうしの設定値を比較し、比較の結果が値の一致を示すか否かを判定することを含む。なお、当該比較の結果が不一致を示すことは、設定値76または設定値70の値が未設定または未定であることを含む。
【0048】
通知部73は、照合部72の照合結果が上記の不一致を示すときはError(エラー)の通知を、また、一致を示すときはOKの通知を、無線通信回路178を介してスマートフォン400に送信する。
【0049】
<D.通信シーケンスの一例>
図8は、本実施の形態に係る通信シーケンスの一例を示す図である。
図8を参照して、スマートフォン400に、プリンタードライバー204が利用するプリンターとしてMFP100を登録するシーンを説明する。
図8および後述する
図14と
図15の通信シーケンスでは、スマートフォン400の処理を実施する主体は、プリンタードライバー204が示されるが、これに限定されずアプリケーションプログラム30が実行されることで実現されるモジュールであってもよく、また、MFP100の処理を実施する主体は、通信処理部71が示されるが、これに限定されずアプリケーションプログラム41が実行されることで実現されるモジュールであってもよい。
【0050】
図8を参照して、ユーザー500は
図2に示すように、携帯するスマートフォン400をMFP100にタッチさせて、スマートフォン400にMFP100とNFCに従う通信を実施させる。
【0051】
まず、スマートフォン400は、NFCの通信を開始すると、MFP100に設定情報の要求を送信する(ステップS1)。MFP100は、当該要求に応答して設定情報を送信する。この設定情報には、バージョンの設定項目に対する設定値(v1,v2cおよびv3のいずれかを示す値)が含まれる。スマートフォン400は、MFP100から受信したバージョンの値に基づき、メモリー48から、当該バージョンに対応した設定情報80を検索し(ステップS4)、MFP登録の要求とともに検索した設定情報80をMFP100に転送する(ステップS5)。
【0052】
MFP100は、MFP登録の要求を受信すると、当該要求とともに受信した設定情報80を記憶部153の設定情報87と照合する照合処理を実施する(ステップS6)。照合の結果が不一致を示すと判定されたとき、MFP100はError通知をスマートフォン400に転送する(ステップS7)。MFP100は、このError通知に、検出された不足設定項目を示す情報を含めて、当該通知を転送する。
【0053】
スマートフォン400は、Error通知を受信すると、Error通知が示す不足設定項目に基づき、当該不足設定項目を表すオブジェクトを含む画面を生成して、当該画面をディスプレイに表示させる(ステップS9)。より具体的には、スマートフォン400は、MFP100のバージョンの値に基づきメモリー48から、当該バージョンに対応の設定画面66を検索し、検索した設定画面に上記のオブジェクトを配置して画面を生成する。このようなオブジェクトは、不足設定項目に対する値を設定する操作をユーザーに促すように構成される。オブジェクトは設定画面を構成する部品であって例えば設定値の入力をユーザーに促すテキストボックス等を含む。
【0054】
スマートフォン400は、スマートフォン400に対するユーザーの操作を受付け(ステップS11)、受付けたユーザー操作に基づく設定値をMFP登録の要求とともにMFP100に転送する(ステップS13)。
【0055】
MFP100は、スマートフォン400から要求とともに転送された設定値を用いて照合処理を実施する(ステップS14)。より具体的には、MFP100は、ステップS5およびステップS13において、スマートフォン400から受信した設定情報80の各設定項目69に対応の設定値70を、記憶部153の設定情報87の各設定項目75の設定値76と照合する照合処理を実施する。この照合処理の結果に基づき、不足設定項目があると判定されると、MFP100はステップS7に戻り、ステップS7以降の処理が上述と同様に実施される。ステップS14の照合処理において不足設定項目はないと判定されると、MFP100は照合の一致を示すOKの通知をスマートフォン400に転送する(ステップS15)。
【0056】
MFP100からOK通知を受信すると、スマートフォン400は、MFP100の登録処理をする(ステップS16)。より具体的には、判定された不足設定項目について、ステップS11で受付けたユーザー操作に基づく設定値70が設定された設定情報80を含む登録情報68を格納する。この登録情報68は、MFP100をネットワーク上で識別するためのIPアドレス等も含む。
【0057】
ステップS16の処理を実施することにより、スマートフォン400が有するMFP100の登録情報68(登録情報68が示す設定情報)を、当該MFP100が利用するSNMPのバージョンの設定情報87に一致させることができる。
【0058】
スマートフォン400はMFP100との間に当該MFP100の登録情報68が示す設定情報に従ってSNMP通信を開始し通信を確立する(ステップS17、ステップS18)。SNMPのセキュア通信の確立後に、スマートフォン400はジョブ情報205をMFP100と通信する(ステップS19)。
【0059】
このように、
図8は、MFP100およびスマートフォン400のCPU等の1つ以上のプロセッサーが実行する通信方法を示す。通信方法は、MFP100とスマートフォン400の間で設定情報を遣り取りしSNMP(第1通信プロトコル)の通信を確立するステップ(ステップS18)と、MFP100とスマートフォン400の間で、SNMPとは異なる種類のNFC(第2通信プロトコル)の通信を実施するステップを備える。この設定情報は、SNMPの種類に相当するバージョン毎に異なる。NFCの通信を実施するステップは、スマートフォン400が、MFP100から当該MFP100に設定されたSNMPのバージョンを識別する識別情報(v1,v2cおよびv3のいずれか)を受信するステップ(ステップS3)と、スマートフォン400が、SNMPの通信を確立するための設定情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、MFP100から受信したSNMPのバージョンに対応した固有の画面をディスプレイに表示させるステップ(ステップS9)と、スマートフォン400がユーザーの上記の設定操作に基づいた情報を取得し(ステップS11)、取得した設定情報をMFP100に転送するステップ(ステップS13)と、を有する。
【0060】
このような通信方法のステップS9では、MFP100が使用するSNMPのバージョンに対応した画面、すなわち当該バージョンに従った設定項目の値の設定操作を促すオブジェクトが配置された画面が表示される。この画面では、当該バージョンでは設定不要な項目のオブジェクトは提示されないから、ユーザーは、SNMP通信を確立するために必要な値の設定操作をスムーズに実施することができる。
【0061】
本実施の形態では、第1通信プロトコルの種類はバージョンに限定されず、通信プロトコルの種類(SNMP、SSL、TLS、HTTPS等の種類)であってもよい。
【0062】
本実施の形態に係るSNMPに従う通信を確立するため、MFP100とスマートフォン400の間で通信される設定情報は、通信プロトコルのバージョン、アクセス制限、プライバシーの設定情報を含む。バージョン情報を構成する設定項目は、SNMPのプロトコルバーションを含み、設定値はv1,v2c、v3等を含む。アクセス制限情報を構成する設定項目は“Read Community Name”、“Context Name”および“Read User Name”等を含む。“Read User Name”は、“Read Community Name”で示されるコミュニティにおいて情報をReadできる制限された数の各ユーザーの識別子(ユーザーIDやユーザー名等)を示す。プライバシー情報を構成する設定項目は“認証方式”(認証アルゴリズム)と“暗号化アルゴリズム”を含み、その設定値はそれぞれ例えば“MD5”と“DES”を含む。プライバシー情報を構成する設定項目は“security Level”および認証のパスワード“auth-password”と暗号化のパスワード“priv-password”等を含む。
【0063】
図9~
図13は、本実施の形態に係る不足設定項目の通知の例を示す図である。
図17~
図20は、本実施の形態に係る画面の一例を示す図である。
図9はMFP100のバージョンがv1またはv2cを示す場合に通知される不足設定項目の一例を示す。
図9の通知88は、MFP100の“Read Community Name”の項目75について、スマートフォン400では当該項目の値が設定されていないことを示す。
図9の補足に示すように、例えば、MFP100において“Read Community Name”に初期値ではない値が設定されている場合は、上記の照合処理で不一致が判定されて、ステップS7において、MFP100は
図9の不足設定項目の通知88をスマートフォン400に転送する。
図9の不足設定項目が通知された場合、スマートフォン400は、ステップS9において
図17の画面をディスプレイに表示させる。
図17の画面のオブジェクト181は、不足設定項目(“Read Community Name”)についてユーザーからの設定値の入力操作を受付可能に構成されるテキストボックスを示す。
【0064】
図10はMFP100のバージョンがv3を示す場合に通知される不足設定項目の一例を示す。
図10の通知88は、MFP100の“Context Name”、“Security Level”、“auth-password”および“priv-password”の各項目75について、スマートフォン400では当該項目の値が設定されていないことを示す。
図10の補足に示すように、例えば、MFP100において“Context Name”と“Security Level”にそれぞれ初期値ではない値が設定されている、“auth-password”は「認証しない」以外の値が設定されている、および“priv-password”が「auth-password/priv-password」に設定されている場合は、上記の照合処理で不一致が判定されて、ステップS7において、MFP100は
図10の不足設定項目の通知88をスマートフォン400に転送する。
図10の不足設定項目が通知された場合、スマートフォン400は、ステップS9において
図18の画面をディスプレイに表示させる。
図18の画面は、不足設定項目(“Context Name”、“Security Level”、“auth-password”および“priv-password”)のそれぞれについてのオブジェクト181を含む。
図19の各オブジェクト181は、ユーザーから当該オブジェクトに対応の設定項目の設定値の入力操作を受付可能に構成されるテキストボックスを示す。
【0065】
図9と
図10の通知88は、不足設定項目のみを通知するように構成されているのに対して、
図11、
図12および
図13の通知89が示す項目75は、照合処理によって一致と判定された値76が設定されている項目75と、当該照合処理によって不一致と判定された項目75(不足設定項目)とを含む。
図12と
図13の通知89は、一致と判定された項目75については設定された値76を示し、不足設定項目については設定値76に「空」を示す。
【0066】
図11は、v1またはv2cのバージョンが設定されたMFP100が照合処理によって一致を判定した場合の通知89を示す。
図19は、
図11の通知89に基づきスマートフォン400において表示される画面例を示す。このように通知89が不足設定項目を有しない場合、スマートフォン400は
図19の画面の表示を省略してもよい。
図12と
図13は、v3のバージョンが設定されたMFP100が照合処理によって不一致を判定した場合の通知89を示す。
図20は、
図13の通知89に基づきスマートフォン400において表示される画面例を示す。なお、不足設定項目に対する設定操作を受付けるためのオブジェクトは、テキストボックスに限定されず、プルダウンメニューから値を選択する操作を受付けるオブジェクトであってもよい。
【0067】
<E.通信シーケンスの他の例>
図14と
図15は、本実施の形態に係る通信シーケンスの他の例を示す図である。
図14は、v3のバージョンが設定されたMFP100に、スマートフォン400のユーザー認証の仕組みが備えられる場合の通信シーケンスを示す。また、MFP100のSNMPの設定情報87には、Security Levelに関するパスワードの設定項目“auth-password”および“priv-password”にそれぞれ値が設定されている。
【0068】
図14の通信シーケンスでは、スマートフォン400は、スマートフォン400に対するユーザー操作に基づき、ユーザーIDとパスワード(
図14ではPasswordと示す)を受付ける(ステップS20)。ユーザーは携帯するスマートフォン400をMFP100にタッチさせて、スマートフォン400とMFP100との間でNFCの通信を開始させる。NFCの通信が開始されると、MFP100は設定情報の要求とユーザーIDおよびパスワードとを、MFP100に転送する(ステップS23)。
【0069】
MFP100は、スマートフォン400から要求を受信すると、ユーザーIDとパスワードに基づきユーザーの認証処理を実施し(ステップS25)、認証に成功した場合(チェックOK)、MFP100は要求に応じた設定情報87をスマートフォン400に送信する(ステップS27)。この設定情報87は、バージョンv3の“auth-password”および“priv-password”の各設定項目の設定値を含む。スマートフォン400は、MFP100から転送された設定情報87を受信すると、受信した設定情報87を用いてMFP登録処理を実施し、登録した設定情報をMFP100に転送する(ステップS29)。
【0070】
MFP100は、スマートフォン400から、受信した設定情報(バージョンv3の“auth-password”および“priv-password”の各設定項目の設定値を含む情報)をステップS27で転送した設定情報と照合し、照合の結果が一致を示すと判定すると、MFP100は照合の一致を示すOKの通知をスマートフォン400に転送する(ステップS31)。MFP100およびスマートフォン400では、その後、照合一致した設定情報に基づき、SNMPの通信確立を含むステップS16~S19の処理が実行され得る。
図14のMFP100の処理では、SNMPのバージョンに対応の画面の表示が省略される。
【0071】
図15の通信シーケンスでは、スマートフォン400のMFP100の登録は、
図14に示したMFP100におけるユーザーIDに基づくユーザー認証によらず、スマートフォン400におけるMFP100のSNMPのバージョンについてのパスワードの照合に基づき実施される。
図15では、MFP100の設定情報87には、v3のバージョンに対応したSecurity Levelにおけるパスワードの設定項目“auth-password”および“priv-password”にそれぞれ値が設定されている。
【0072】
ユーザーは携帯するスマートフォン400をMFP100にタッチさせて、スマートフォン400とMFP100との間でNFCに従う通信を開始させる。NFCの通信が開始されると、MFP100は設定情報の要求をMFP100に転送する(ステップS41)。MFP100は、スマートフォン400から要求を受信すると、記憶部153から検索した設定項目(認証用パスワードの項目)“auth-password”または“priv-password”の各値を含む設定情報87をスマートフォン400に転送する(ステップS43)。
【0073】
スマートフォン400は、不足設定項目の値の設定操作を受付ける画面をディスプレイに表示させる(ステップS45)。より具体的には、スマートフォン400は、バージョンv3の認証用パスワードを構成する項目“auth-password”または“priv-password”の設定値の受付けるオブジェクトを含む画面(例えば、
図20の画面)をディスプレイに表示させる。スマートフォン400は、当該スマートフォン400に対するユーザー操作を受付け、受付けたユーザー操作に基づき、これら設定項目(“auth-password”または“priv-password”)の設定値を取得する(ステップS47)。スマートフォン400は、取得した設定項目(“auth-password”または“priv-password”)の設定値を、ステップS43においてMFP100から転送された設定情報に含まれた設定項目(“auth-password”または“priv-password”)の設定値と比較(照合)する(ステップS49)。照合の結果が一致を示すと判定すると、スマートフォン400は、受付けたユーザー操作に基づく設定値についてMFP登録を実施し、一致の情報とこれら設定値をMFP100に転送する(ステップS51)。
【0074】
MFP100は、一致の情報とスマートフォン400から設定値を受信すると、OKの通知をスマートフォン400に転送する(ステップS53)。MFP100およびスマートフォン400では、その後、照合一致した設定情報に基づき、SNMPの通信確立を含むステップS16~S19の処理が実行され得る。なお、ステップS49では、一致が判定されるまで、ステップS45とステップS47の処理を繰返してもよい。
【0075】
図15に示す通信方法は、MFP100とスマートフォン400との間でNFC(第2通信プロトコル)の通信を実施するステップは、スマートフォン400が、MFP100からSNMP(第1通信プロトコル)の種類(バージョン)と当該種類のSNMPに従う通信を確立するための設定情報とを受信するステップ(ステップS43)と、当該設定情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、SNMPの当該種類に対応した画面をディスプレイに表示させるステップ(ステップS45)と、スマートフォン400に対するユーザーの設定操作に基づいた情報を、MFP100から受信していた設定情報と照合するステップ(ステップS49)と、当該照合の結果が示す情報であって、ユーザーの設定操作に基づいた情報とMFP100から受信していた設定情報との一致性に関する情報(OKまたはError)を、MFP100に送信するステップ(ステップS51)と、を備える。
【0076】
<F.スマートフォン400の処理のフローチャート>
図16は、本実施の形態に係るスマートフォン400の処理のフローチャートの一例を示す図である。
図16のフローチャートは、
図8の通信シーケンスにおけるスマートフォン400側でアプリケーションプログラム50が実行されることで実施される処理を示す。この処理は、より特定的には、プリンタードライバー204が実施する処理を含み得る。
【0077】
図16を参照して、ユーザー500が
図2に示すように、携帯するスマートフォン400は、無線通信回路45からの出力に基づき、MFP100にタッチされたか否かを判定する(ステップS61)。タッチされたと判定されないと(ステップS61でNO)、ステップS61を繰返す。
【0078】
スマートフォン400はタッチされたと判定すると、MFP100のIPアドレスを用いてNFCに従う通信を実施する。まず、スマートフォン400は、MFP100に設定情報の要求を送信する(ステップS63)。MFP100は、当該要求に応答して設定情報をスマートフォン400に送信する。この設定情報には、SNMPの設定項目であるバージョンを識別する値76が含まれる。スマートフォン400は、MFP100から値76を含む設定情報を受信し(ステップS64)、メモリー48から、値76のバージョンに対応した設定情報80を検索する。スマートフォン400は、MFP登録のために当該設定情報80をMFP100に送信する(ステップS65)。
【0079】
MFP100は、スマートフォン400から受信した設定情報80を記憶部153の設定情報87と照合する照合処理を実施し、照合の結果をスマートフォン400に送信する。
【0080】
スマートフォン400は、MFP100から受信した照合結果を受信し(ステップS65)、受信した照合結果がOKの通知であるかを判定する(ステップS69)。通知がOKを示すと判定されると(ステップS69でYES)、スマートフォン400は、上述したステップS16のMFP登録を実施する。
【0081】
通知はOKを示さないと判定されると(ステップS69でNO)、すなわちError通知が受信されると(ステップS71)、スマートフォン400は、Error通知から不足設定項目を抽出する(ステップS73)。スマートフォン400は、抽出された不足設定項目に応じた画面、すなわちステップS64で受信したバージョンの値76に対応の画面であって、不足設定項目の値の入力操作を促すオブジェクトを含む画面をディスプレイに表示させる(ステップS75)。スマートフォン400は、スマートフォン400に対するユーザー操作を受付けるかを判定する(ステップS77)。ユーザー操作を受付けないと判定されると(ステップS77でNO)、ステップS77を繰返す。
【0082】
スマートフォン400は、ユーザー操作を受付けたと判定すると(ステップS77でYES)、受付けたユーザー操作に基づく設定値をMFP100に転送する(ステップS65)。その後、スマートフォン400が、MFP100から受信した照合結果がOKの通知であることを判定する(ステップS69でYES)まで、上述したステップS65~S77で構成されるループ処理が繰返される。
【0083】
本実施の形態では、スマートフォン400は、NFC通信によりMFP100と通信するためのIPアドレスを取得しているが、IPアドレスの取得方法は、これに限定されず、Wi-Fi通信またはQRコード(登録商標)の読取りによって取得してもよい。
【0084】
本実施形態において、スマートフォン400のモジュールを構成するプログラムは、不揮発性のメモリー48に格納されるが、このような記憶媒体に代えて、別の記憶媒体に格納されてもよい。このような別の記憶媒体は、スマートフォン400に着脱自在に装着される記憶媒体、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)等の、不揮発の記憶媒体により実現されてもよい。また、スマートフォン400は、例えばネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを取得してもよい。
【0085】
また、MFP100のモジュールを構成するプログラムは、不揮発性の記憶部153に格納されるが、このような記憶媒体に代えて、別の記憶媒体に格納されてもよい。このような別の記憶媒体は、MFP100に着脱自在に装着される記憶媒体176を含む。記憶媒体176は、光ディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)、USBメモリー、メモリーカード、FD(Flexible Disk)、磁気テープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発の記憶媒体により実現されてもよい。また、MFP100は、例えばネットワーク401を介したダウンロードによって、プログラムを取得してもよい。
【0086】
また、当該プログラムは、単体のプログMFP100に着脱自在に装着される記憶媒体、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)等の、不揮発の記憶媒体により実現されてもよい。また、MFP100は、例えばネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを取得してもよい。
【0087】
また、スマートフォン400またはMFP100の上記に述べたプログラムは、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組込まれて提供されてもよい。この場合、実施形態に従う処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、実施形態に従うプログラムの趣旨を逸脱するものではない。
【0088】
上記に述べたようにバージョン毎に、設定情報を構成する設定項目の数と種類は異なっている。スマートフォン400は、登録しようとするMFP100にいずれのバージョンが有効に設定されているかを、NFC通信によって、MFP100から転送される情報に基づき判定できる。スマートフォン400は、この判定結果に基づき、MFP100で有効なバージョンについて値の設定が必要とされる設定項目のオブジェクトから構成される画面をディスプレイに表示させる。これにより、スマートフォン400のアプリケーション(例えば、プリンタードライバー204)によってMFP100を登録する際に、MFP100のバージョンを確認する作業をせずとも、ユーザーは、画面から、MFP100のバージョンに対応して必要な設定情報を入力可能となる。
【0089】
<付記>
この実施の形態では、以下の構成が提供される。
[構成1]
画像形成装置と情報処理装置の間で設定情報をやり取りし第1通信プロトコルの通信を確立するステップと、
前記画像形成装置と前記情報処理装置の間で、前記第1通信プロトコルとは異なる種類の第2通信プロトコルの通信を実施するステップを備え、
前記設定情報は、前記第1通信プロトコルの種類毎に異なり、
前記第2通信プロトコルの通信を実施するステップは、
前記情報処理装置が、前記画像形成装置から当該画像形成装置に設定された前記第1通信プロトコルの種類を受信するステップと、
前記情報処理装置が、前記設定情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、前記第1通信プロトコルの種類に対応した画面をディスプレイに表示させるステップと、
前記情報処理装置がユーザーの前記設定操作に基づいた情報を取得し、前記画像形成装置に送信するステップと、を有する、通信方法。
[構成2]
画像形成装置と情報処理装置の間で第1通信プロトコルの通信を確立するステップと、
前記画像形成装置と前記情報処理装置の間で、前記第1通信プロトコルとは異なる種類の第2通信プロトコルの通信を実施するステップを備え、
前記第2通信プロトコルの通信を実施するステップは、
前記情報処理装置が、前記画像形成装置から前記第1通信プロトコルの種類と当該種類の第1通信プロトコルに従う通信を確立するための設定情報とを受信するステップと、
前記情報処理装置が、前記第1通信プロトコルに従う通信を確立するための設定項目への情報の設定操作をユーザーに促す画面であって、前記第1通信プロトコルの種類に対応した画面をディスプレイに表示させるステップと、
前記情報処理装置が、当該情報処理装置に対するユーザーの前記設定操作に基づいた情報を取得し、前記画像形成装置から受信した設定情報と照合するステップと、
前記情報処理装置が、前記照合の結果が示す情報であって、前記設定操作に基づいた情報と前記画像形成装置から受信した設定情報との一致性に関する情報を、前記画像形成装置に送信するステップと、を備える、通信方法。
[構成3]
前記設定情報は認証情報を含む、構成2に記載に通信方法。
[構成4]
前記認証情報はパスワードを含む、構成3に記載の通信方法。
[構成5]
前記第1通信プロトコルの種類に対応した画面は、当該種類の第1通信プロトコルに従って通信を確立するための設定項目を表すオブジェクトを含む、構成1~4のいずれか1に記載の通信方法。
[構成6]
前記設定操作は、前記画面のオブジェクトに対して値を設定する操作を含み、
前記設定操作に基づいた情報を取得することは、
前記画面のオブジェクトに対する操作により設定された値を取得することを、含む、構成1~5のいずれか1に記載の通信方法。
[構成7]
前記第1通信プロトコルの種類は、当該第1通信プロトコルのバージョンを含む、構成1~6のいずれか1に記載の通信方法。
[構成8]
前記第1通信プロトコルはセキュア通信のプロトコルを含む、構成1~7のいずれか1に記載の通信方法。
[構成9]
前記セキュア通信のプロトコルはSNMPを含む、構成8に記載の通信方法。
[構成10]
プロセッサーに構成1~9のいずれか1に記載の通信方法を実行させるためのプログラム。
[構成11]
構成10に記載のプログラムを格納したメモリーと、
前記プログラムを実行するプロセッサーとを備える、情報処理装置。
[構成12]
構成11に記載の情報処理装置と通信する通信回路を備える画像形成装置。
【0090】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
1 システム、21,39 ROM、22,42 RAM、23 ディスプレイ、25 操作パネル、26,46,153,160 記憶部、27,47 通信コントローラ、28,48 メモリー、30,41,50 アプリケーションプログラム、43 通信プログラム、44 タッチパネル、45,178 無線通信回路、63 MFP登録部、64 ジョブ通信部、80,87 設定情報、66 画面、67 プリントジョブ、68 登録情報、69,75 設定項目、70,76 設定値、71 通信処理部、72 照合部、73 通知部、88,89 通知、100 MFP、151 画像処理部、152 画像形成部、154 画像出力部、155 ファクシミリ制御部、158 送信部、159 受信部、162 センサ群、170 入出力部、171 表示部、172 操作部、173 画像読取部、174 データリーダー/ライター、175 通信回路、176 記憶媒体、181 オブジェクト、200 パーソナルコンピュータ、204 プリンタードライバー、205 ジョブ情報、206 ドライバープログラム、400 スマートフォン、401,402 ネットワーク、403 無線通信、500 ユーザー、v1,v2c,v3 バージョン。