IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミクシィの特許一覧

特開2024-104608情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104608
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240729BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240729BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20240729BHJP
   A63B 22/02 20060101ALI20240729BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
G06F3/01 510
G06F3/04815
A63B22/02
A63B69/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008920
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大脇 遼平
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】惠良 栞
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA12
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA07
5B050EA13
5B050EA19
5B050FA02
5E555AA27
5E555AA64
5E555AA76
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555BC08
5E555BD01
5E555BE10
5E555BE17
5E555CA12
5E555CA17
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA47
5E555CB12
5E555CB19
5E555CB20
5E555CB38
5E555CB39
5E555CB42
5E555CB45
5E555CB64
5E555CB72
5E555CB74
5E555CC01
5E555CC05
5E555DA08
5E555DB03
5E555DB32
5E555DB41
5E555DC13
5E555DC61
5E555DC63
5E555DC84
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA05
5E555EA08
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】運動するユーザの充実感を向上させる技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる、表示制御部を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、
前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる、
表示制御部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのうちのホストユーザが前記第1ユーザ又は前記第2ユーザを指定した場合、前記指定されたユーザのアバターが位置する仮想空間に、前記第1アバター及び前記第2アバターを表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記第1ユーザに対して、前記第1ユーザと前記第2ユーザとが関連付けられる前に前記第1アバターが位置していた第1の仮想空間において、前記第2アバターを前記第1アバターに対応付けられる位置に表示させ、
前記第2ユーザに対して、前記第1ユーザと前記第2ユーザとが関連付けられる前に前記第2アバターが位置していた第2の仮想空間において、前記第1アバターを前記第2アバターに対応付けられる位置に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記第1ユーザに対して、前記第1ユーザの運動に基づいて、前記第1アバター及び前記第2アバターを移動するように表示させ、
前記第2ユーザに対して、前記第2ユーザの運動に基づいて、前記第1アバター及び前記第2アバターを移動するように表示させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1ユーザと前記第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとのコミュニケーションを可能に制御する、通信制御部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1ユーザに、複数の他のユーザが関連付けられている場合、前記表示制御部は、前記複数の他のユーザのうち前記第1ユーザが指定した1以上のユーザのアバターを、前記第1アバターに対する特定の位置に表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1ユーザと、前記1以上のユーザとのコミュニケーションを可能に制御し、前記複数の他のユーザのうち前記1以上のユーザとは異なるユーザとのコミュニケーションを不可能に制御する、通信制御部をさらに備える、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1ユーザに対して、前記第1アバターが位置する仮想空間において前記第1アバターと所定の位置関係にあるアバターが表すユーザとの関連付けを実行可能にする、関連制御部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記第1ユーザの運動の様子を、前記第1アバターの動作にリアルタイムに反映させて表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動に基づく移動速度の差に応じて、少なくとも前記第1アバター又は前記第2アバターの表示態様を変更させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動に基づく移動速度の差が所定以上の差となった状態が所定時間以上継続した場合、前記第1ユーザ又は前記第2ユーザへの通知を実行させる、通知制御部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記第1アバターと前記第2アバターとを、互いに対応付けられる位置に表示させている場合、前記第1ユーザ又は前記第2ユーザによる所定の操作入力に基づいて、前記第1アバター及び前記第2アバターを、前記互いに対応付けられる位置に表示させる前の仮想空間上の位置に基づく表示状態でそれぞれ表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第2ユーザの身体状態のセンシング情報が所定条件を満たした場合、前記第1ユーザへの通知を実行させる、通知制御部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが、各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、
プロセッサが、前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる、
情報処理方法。
【請求項15】
プロセッサに、各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、
プロセッサに、前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる、
処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間映像をユーザに提示して、ユーザの足踏み動作に応じて仮想空間映像を更新してユーザに仮想空間を移動させる装置が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-293413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮想空間内で複数のユーザを移動させる場合、現実空間におけるユーザの動作を反映して仮想空間におけるユーザ同士の移動速度を異ならせると、仮想空間における複数のユーザ同士の距離が離れることになり、一緒に移動していることによる充実感を得られにくくなる。
【0005】
本発明は、運動するユーザの充実感を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る情報処理装置は、各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる、表示制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運動するユーザの充実感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2A】サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図2B】運動用具のハードウェア構成例を示す図である。
図2C】表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2D】検出装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】サーバの機能ブロック構成例を示す図である。
図4A】ユーザ管理テーブルの一例を示す図である。
図4B】コース管理テーブルの一例を示す図である。
図4C】グループ管理テーブルの一例を示す図である。
図5】運動開始時に第1端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図6】運動開始時に第2端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図7】制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図8】関連付けを実行するための入力を行う場合に第1端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図9】関連付けの可否を問い合わせる場合に第2端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図10】関連付けが実行された後に第1端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図11】関連付けが実行された後に第2端末システムの表示装置に表示される画面の第1例を示す図である。
図12】関連付けが実行された後に第2端末システムの表示装置に表示される画面の第2例を示す図である。
図13】複数の他のユーザと関連付けられた場合に第3ユーザの端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図14】制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図15】ユーザを指定するための入力を行う場合に第3ユーザの端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
図16】ユーザを指定した後に第3ユーザの端末システムの表示装置に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、同一又は同等の構成要素に関する説明が重複する場合は適宜省略する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された内容を限定するものではない。また、実施形態で説明される構成の全てが、必ずしも本開示の必須構成要件であるとは限らない。本開示で説明する機能を発揮する限りにおいて、実施形態で説明される構成は、適宜省略されてもよい。
【0010】
<システム構成例>
図1は、一実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理システム1は、ユーザに対して、運動用具を用いて運動を行うことが可能な運動サービスを提供可能なシステムである。図1に示す情報処理システム1は、サーバ10と、複数の端末システム20と、を備える。図1では、複数の端末システム20として、第1端末システム20aと第2端末システム20bとを図示している。しかしながら、情報処理システム1が備える端末システム20の台数は、2台に限られず、3台以上であってもよい。本明細書において、第1端末システム20aと第2端末システム20bとを区別しない場合には、これらをまとめて、単に「端末システム20」と記載する。
【0011】
サーバ10は、本開示に係る情報処理装置として機能する。サーバ10は、1又は複数の物理的なサーバなどにより構成されていてもよく、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよく、クラウドサーバを用いて構成されていてもよい。
【0012】
各端末システム20は、各ユーザが使用するシステムである。すなわち、1人のユーザは、1つの端末システム20を使用する。本明細書では、第1端末システム20aを使用するユーザを第1ユーザといい、第2端末システム20bを使用するユーザを第2ユーザという。
【0013】
各ユーザは、運動を行う場合に各端末システム20を使用する。運動は、ユーザによる任意の身体活動を含む。運動は、例えば、ヨガ、ストレッチ、フィットネス、エクササイズ、筋力トレーニング、ダンス、エアロビクス、体操などを含む。運動は、例えば、テニス、ゴルフ、野球、サッカー、卓球などの球技や、柔道、合気道、空手、ボクシングなどの格闘技を含んでよい。本実施形態において、運動は、移動を伴うものであってよい。移動を伴う運動は、例えば、ランニング、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどである。運動には、ここで示した例だけでなく、他のスポーツ又は身体活動が含まれてよい。さらに、運動には、いわゆるスポーツと呼ばれるものだけでなく、公知のセンサにより検出可能な、身体のあらゆる動作が含まれてよい。
【0014】
第1端末システム20aは、例えば図1に示すように、運動用具21aと、表示装置22aと、検出装置23aと、を備える。同様に、第2端末システム20bは、運動用具21bと、表示装置22bと、検出装置23bと、を備える。本明細書において、運動用具21aと21bとを区別しない場合には、これらをまとめて、単に「運動用具21」と記載し、表示装置22aと22bとを区別しない場合には、これらをまとめて、単に「表示装置22」と記載し、検出装置23aと23bとを区別しない場合には、これらをまとめて、単に「検出装置23」と記載する。なお、運動用具22、表示装置22及び検出装置23の詳細については後述する。
【0015】
従って、本実施形態において、各端末システム20は、運動用具21と、表示装置22と、検出装置23と、を備える。運動用具21と、表示装置22と、検出装置23とは、それぞれ独立した別個の装置として実現されてもよく、これらのうちの2つ以上が組み合わされた装置として実現されてもよい。運動用具21と、表示装置22と、検出装置23とが、2つ以上の別の装置により実現される場合には、これらの2つ以上の別の装置は、有線方式又は無線方式により、互いに情報通信可能に接続される。無線方式として、例えば近距離無線通信方式を用いることができ、具体的にはBluetooth(登録商標)などの公知の方式を用いることができる。
【0016】
サーバ10と、各端末システム20とは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)、移動通信などの通信ネットワークNを介して互いに情報通信可能に接続されている。例えば、運動用具21と、表示装置22と、検出装置23とが、2つ以上の別の装置により実現される場合には、サーバ10は、これらの装置の1つ以上と、それぞれ互いに情報通信可能に接続されている。
【0017】
運動用具21は、ユーザが運動を行う際に用いる器具である。例えば、本実施形態では、運動用具21は、ユーザがランニングで用いるトレッドミルとして実現することができる。運動用具21は、ユーザの運動の状態を検出可能である。例えば、運動用具21としてのトレッドミルは、ユーザの運動の状態として、ランニングするユーザの移動速度を測定可能である。ただし、運動用具21は、トレッドミルに限られず、運動の内容に応じて使用される適宜の器具とすることができる。運動用具21は、例えば、ユーザが装着又は着用して用いる器具であってもよく、例えば手で持って操作する器具などであってもよい。
【0018】
表示装置22は、種々の情報を表示可能な器具である。表示装置22は、例えばユーザが頭部に装着するウェアラブルデバイスにより実現される。ウェアラブルは、例えば、HMD(Head Mounted display)、ゴーグル又はスマートグラスなどを含む。あるいは、表示装置22は、例えばモニタ又はディスプレイなどにより実現されてもよい。表示装置22がモニタ又はディスプレイにより実現される場合、表示装置22は、例えば運動用具21としてのトレッドミルにおいて、ユーザが視認可能な位置に取り付けられてもよい。
【0019】
検出装置23は、ユーザの運動の状態を検出可能な装置である。検出装置23は、例えばトレッドミル上のユーザの運動の状態として、ユーザの運動の様子を撮影するカメラを含む。あるいは、検出装置23は、例えば運動時にユーザが身体に装着するセンサを含んでもよい。この場合、センサは、例えば加速度センサ又は角速度センサなどの公知のセンサにより構成することができ、加速度又は角速度が、ユーザの運動の状態として検出される。検出装置23により検出される運動の状態は、ユーザが走っている、歩いている、又は止まっている(立っている)などの状態であってもよい。
【0020】
以下、本実施形態では、ユーザが、運動としてのランニングを行う場合について説明する。各ユーザは、運動用具21としてのトレッドミル上でランニングを行うとする。このとき、各ユーザは、表示装置22としてのHMDを装着するとし、各ユーザの運動の様子は、検出装置23に含まれるカメラにより撮影されるとする。
【0021】
<ハードウェア構成>
図2Aは、サーバ10のハードウェア構成例を示す図である。サーバ10は、プロセッサ101、記憶装置102、通信I/F(Interface)103及び入力デバイス104を含む。
【0022】
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphical processing unit)などである。記憶装置102は、メモリやHDD(Hard Disk Drive)などである。記憶装置102に記憶された複数の命令セットをプロセッサ101が実行することで、本実施形態におけるサーバ10の各種の処理が実現され得る。当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROM(Compact Disc Read only memory)などの記憶媒体であってもよい。
【0023】
通信I/F103は、各端末システム20と通信を行うためのインタフェースである。入力デバイス104は、入力操作を受け付けるデバイスである。入力デバイス104は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス又はマイクなどである。
【0024】
図2Bは、運動用具21のハードウェア構成例を示す図である。運動用具21は、プロセッサ211、記憶装置212、通信I/F213、入力デバイス214及び移動状態検出部215を含む。
【0025】
プロセッサ211、記憶装置212及び入力デバイス214の機能及び構成は、上述したプロセッサ101、記憶装置102及び入力デバイス104とそれぞれ同様である。通信I/F213は、サーバ10、表示装置22及び/又は検出装置23と通信を行うためのインタフェースである。移動状態検出部215は、運動用具21で運動するユーザの運動の状態としての移動量又は移動速度を検出するセンサなどである。移動量は、ユーザがランニングで移動した距離であり、移動速度は、ユーザがランニングで移動する速度である。例えば、移動状態検出部215は、トレッドミルのベルトの移動量又は移動速度に基づいて、ユーザの移動量又は移動速度を検出する。本実施形態では、移動状態検出部215が、運動の状態として、ユーザの移動速度を検出するとして、以下説明する。
【0026】
図2Cは、表示装置22のハードウェア構成例を示す図である。表示装置22は、プロセッサ221、記憶装置222、通信I/F223、入力デバイス224及びディスプレイ225を含む。
【0027】
プロセッサ221及び記憶装置222の機能及び構成は、上述したプロセッサ101及び記憶装置102とそれぞれ同様である。通信I/F223は、サーバ10、運動用具21及び/又は検出装置23と通信を行うためのインタフェースである。入力デバイス224は、入力操作を受け付けるデバイスである。入力デバイス224は、例えば、タッチパネル、操作ボタン又はマイクなどである。ディスプレイ225は、ユーザに所定の情報を提示可能なディスプレイである。
【0028】
図2Dは、検出装置23のハードウェア構成例を示す図である。検出装置23は、プロセッサ231、記憶装置232、通信I/F233、入力デバイス234、カメラ235及びセンサ236を含む。
【0029】
プロセッサ231及び記憶装置232の機能及び構成は、上述したプロセッサ101及び記憶装置102とそれぞれ同様である。通信I/F233は、サーバ10、運動用具21及び/又は表示装置22と通信を行うためのインタフェースである。入力デバイス234は、入力操作を受け付けるデバイスである。入力デバイス234は、例えば、タッチパネル、操作ボタン又はマイクなどである。カメラ235は、ユーザの運動の様子を撮影する撮影装置である。センサ236は、ユーザの運動の様子を検出可能なセンサである。センサ236は、例えば加速度センサ又は角速度センサにより構成される。なお、検出装置23は、カメラ235及びセンサ236の一方のみを含んでいてもよい。検出装置23は、ユーザの運動の様子を検出可能な1つ以上の機能部を含んでいればよい。本実施形態では、検出装置23は、少なくともカメラ235を含む。
【0030】
本実施形態に係る情報処理システム1では、運動用具21及び/又は検出装置23により検出されたユーザの運動の状態の情報がサーバ10に送信される。サーバ10は、運動の状態の情報に基づいて、表示装置22に表示させる画面の情報を生成し、表示装置22に送信する。表示装置22に表示される画面は、サーバ10が送信する仮想空間の画像データをVR(仮想現実)として可視化した画面である。
【0031】
本実施形態に係る情報処理システム1では、ユーザが端末システム20を用いてランニングを行う際に、表示装置22にランニングを行うコースの様子が、仮想空間として表示される。コースは、例えば陸上競技場のトラックのように、専ら走ることを目的とした場所であってもよく、例えば屋外であってもよい。屋外は、例えば、公園、街、森など、屋外の任意の場所とすることができる。屋外は、実在する場所であってもよく、仮想の場所であってもよい。ユーザは、ランニングを行うコースを選択可能であってよい。
【0032】
表示装置22に表示されるコースの様子は、ユーザの運動の状態に合わせて変化する。例えば、コースの様子は、ユーザのランニングの速度(移動速度)に合わせて、ユーザが移動して見えるように、変化する。これにより、ユーザは、臨場感を感じながらランニングを行うことができる。
【0033】
表示装置22には、さらに、ユーザを表すオブジェクトが表示されてもよい。オブジェクトは、表示装置22において表示される空間内におけるキャラクタ及びアイテムなどの総称である。本実施形態では、オブジェクトは、アバターであるとして、以下説明する。従って、表示装置22には、ユーザを表すアバターが表示されてよい。
【0034】
アバターが表示される場合、ユーザは、自身を表すアバターが仮想空間上に見えているため、第三者視点でランニングを行うことができる。一方、アバターが表示されない場合には、自身を表すアバターが仮想空間上に見えておらず、あたかも自分自身が仮想空間内で走っているかのように、本人視点でランニングを行うことができる。ユーザは、ランニングを行う際の視点を、第三者視点と本人視点とで切換え又は選択可能であってよい。
【0035】
<機能ブロック構成>
図3は、サーバ10の機能ブロック構成例を示す図である。サーバ10は、制御部110と、記憶部120と、を含む。
【0036】
制御部110は、本実施形態に関わる各種の制御を行う。制御部110は、表示制御部111と、通信制御部112と、通知制御部113と、関連制御部114と、を含む。
【0037】
表示制御部111は、各端末システム20の表示装置22における表示画面を制御する。例えば、表示制御部111は、表示装置22に表示させるVR画像を生成する。表示制御部111は、生成したVR画像を表示装置22に送信することにより、表示装置22にVR画像を表示させることができる。表示制御部111は、VR画像に、ユーザを表すアバターを含めることができる。表示制御部111は、ユーザの運動の状態に基づき、VR画像を変化させる。例えば、ユーザがトレッドミル上で所定の速度で移動している(走っている)場合、当該所定の速度で移動しているという運動の状態に基づいて、VR画像中のアバターが当該所定の速度で走っているように見えるように、例えばVR画像中の風景を変化させる。
【0038】
また、表示制御部111は、例えば複数のユーザが関連付けられた場合、当該複数のユーザのそれぞれを示すアバターを、互いに対応付けられる位置に表示させる。ユーザの関連付け、及び、関連付けに伴う表示態様の詳細については、後述する。
【0039】
通信制御部112は、ユーザ同士のコミュニケーションを制御する。通信制御部112は、例えば複数のユーザが関連付けられた場合、当該複数のユーザ同士によるコミュニケーションを可能に制御する。コミュニケーションは、例えば、音声によるコミュニケーションである。具体的には、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、通信制御部112は、第1ユーザと第2ユーザとの音声によるコミュニケーションを可能に制御する。この場合、通信制御部112は、第1ユーザが使用する第1端末システム20aのマイクで検出した音を、第2ユーザが使用する第2端末システム20bのスピーカから出力させるとともに、第2端末システム20bのマイクで検出した音を、第1端末システム20aのスピーカから出力させる。これにより、第1ユーザと第2ユーザとの音声によるコミュニケーションが実行される。なお、コミュニケーションは、音声によるものに限られず、例えば映像若しくはテキスト、又は、これらの組合せによるものを含んでもよい。
【0040】
通知制御部113は、各種情報をユーザに通知する。通知制御部113は、所定条件が満たされた場合に、満たされた所定条件に応じた通知を実行させることができる。所定条件及び通知の内容の詳細については、後述する。通知制御部113は、端末システム20に通知をさせることができる。例えば、端末システム20は、通知制御部113の制御によりサーバ10から送信された信号に基づき、通知を行う。通知は、多様な態様で行われてよく、例えば音声通知又は画面表示などにより行われる。
【0041】
関連制御部114は、ユーザ同士の関連付けに関する制御を実行する。関連制御部114は、例えば、ユーザの入力に基づき、複数のユーザ同士の関連付けを行う。また、関連制御部114は、特定のユーザ同士の関連付けを実行可能にする。ここで、特定のユーザは、例えば、ユーザを表すアバター同士が仮想空間において所定の位置関係にあるユーザである。
【0042】
記憶部120は、本実施形態に関わる各種の情報を記憶する。記憶部120は、ユーザ管理テーブル121と、コース管理テーブル122と、グループ管理テーブル123と、を含む。
【0043】
図4Aは、ユーザ管理テーブル121の一例を示す図である。ユーザ管理テーブル121は、ユーザIDと、ユーザ名と、コースIDと、関連ユーザ情報と、ホストユーザと、指定ユーザ情報と、移動速度と、運動の様子と、の項目を含む。
【0044】
ユーザIDは、サーバ10においてユーザを一意に識別するための識別子である。ユーザ名は、ユーザの名前である。ユーザ名は、例えば、登録時にユーザが入力した本名又はニックネームである。ユーザ管理テーブル121において、ユーザIDと、ユーザ名とは、例えば、ユーザが情報処理システム1により提供される運動サービスの利用登録を行ったときに、新たに設定される。つまり、ユーザが新たに利用登録を行ったとき、当該ユーザに対して新たにユーザIDが付与され、当該ユーザIDに対応付けてユーザ名が記憶される。
【0045】
コースIDは、サーバ10においてコースを一意に識別するための識別子である。本実施形態において、コースは、仮想空間上のランニングコースである。各コースに関する情報については、例えばコース管理テーブル122に記憶されている。なお、コース管理テーブル122の詳細については後述する。ユーザ管理テーブル121では、ユーザが情報処理システム1により提供される運動サービスを用いて運動(本実施形態では、ランニング)を行う際に、当該ユーザが走る仮想空間上のコースを示すコースIDが記憶される。従って、ユーザ管理テーブル121において、コースIDは、ユーザが運動サービスを用いて運動を行うにあたり、例えばランニングコースを選択したときに、当該選択されたコースのコースIDが記憶される。運動が終了した場合、コースIDは、ユーザ管理テーブル121から消去されてよい。
【0046】
関連ユーザ情報は、ユーザIDにより識別されるユーザの関連ユーザに関する情報である。関連ユーザは、ユーザIDにより識別されるユーザに関連付けられたユーザである。関連付けは、例えばユーザの所定の入力に基づいて、関連制御部114により実行される。関連付けの方法の詳細については、後述する。関連ユーザ情報は、例えば関連ユーザのユーザID又はユーザ名により示される。図4Aに示す例では、関連ユーザ情報は、関連ユーザのユーザIDにより示されている。
【0047】
なお、関連ユーザは、必ずしも存在しなくてもよい。つまり、全てのユーザについて、必ずしも別のユーザが関連付けられる必要はない。また、関連ユーザは、1人に限られず、複数人存在してもよい。
【0048】
ホストユーザは、ユーザIDにより識別されるユーザがホストユーザであるか否かを示す。図4Aでは、ユーザがホストユーザである場合を「1」で示し、ホストユーザでない場合を「0」で示している。ただし、ホストユーザの示し方は、これに限られず、他の適宜の方法とすることができる。
【0049】
ホストユーザは、互いに関連付けられた複数のユーザのうちの1人のユーザとすることができる。ホストユーザは、例えば互いに関連付けられた複数のユーザがランニングを行う仮想空間上のコースを決定することができる。なお、情報処理システム1の仕様上、ホストユーザが不要である場合には、ユーザ管理テーブル121は、ホストユーザの項目を有さなくてよい。
【0050】
ホストユーザは、サーバ10により自動的に決定されてもよく、互いに関連付けられた複数のユーザ間で決定されてもよい。ホストユーザが自動的に決定される場合、例えば関連制御部114が、関連ユーザを決定するときに、ホストユーザを併せて決定することができる。この場合の決定方法の一例については、後述する。
【0051】
複数のユーザ間でホストユーザが決定される場合、例えば、複数のユーザのうちの1以上が行った入力に基づいてホストユーザが決定される。例えば、1人のユーザが、ホストユーザの役割を担うことを示す入力を行った場合、当該1人のユーザがホストユーザとして決定される。この場合、他のユーザの入力により、適宜ホストユーザが変更されてもよい。あるいは、例えば、互いに関連付けられた複数のユーザによる投票により、ホストユーザが決定されてもよい。ホストユーザの決定方法は、ここで示した例に限られず、他の適宜の方法を採用することができる。
【0052】
指定ユーザ情報は、ユーザIDにより識別されるユーザが指定した指定ユーザの情報である。指定ユーザは、例えばユーザの所定の入力に基づいて決定される。ユーザは、例えば関連ユーザの中から指定ユーザを指定することができる。指定の方法の詳細については、後述する。指定ユーザ情報は、例えば指定ユーザのユーザID又はユーザ名により示される。図4Aに示す例では、指定ユーザ情報は、指定ユーザのユーザIDにより示されている。
【0053】
なお、指定ユーザは、必ずしも存在しなくてもよい。つまり、全てのユーザについて、必ずしも別のユーザが指定付けられる必要はない。また、指定ユーザは、1人に限られず、複数人存在してもよい。
【0054】
関連ユーザ情報、ホストユーザ及び指定ユーザ情報は、例えば、これらの各項目に該当する対象が発生した場合に、ユーザ管理テーブル121にそれぞれ更新される。例えば、関連ユーザ情報は、関連制御部114により複数のユーザ同士が関連付けられたときに、関連付けられた相手ユーザの情報が記憶されることにより、更新される。例えば、ホストユーザは、ユーザ同士が関連付けられたとき又は関連付けられたユーザ間においてホストユーザが決定されたときに、ホストユーザのユーザIDに対応付けて「1」が記憶されることにより、更新される。例えば、指定ユーザ情報は、指定ユーザが指定されたときに、指定されたユーザの情報が記憶されることにより、更新される。
【0055】
なお、関連ユーザ情報及びホストユーザは、ユーザ同士の関連付けが解消されたときに、ユーザ管理テーブル121において、これらの項目に関するデータが消去されることにより更新されてよい。例えば、関連付けられた複数のユーザが、運動サービスを用いた運動を終了したとき、当該複数のユーザのそれぞれに行いて、関連ユーザ情報に記憶された相手ユーザの情報を消去するとともに、ホストユーザの項目に記憶された「1」を消去することにより、更新することができる。指定ユーザ情報は、ユーザの指定が解除されたと金、ユーザ管理テーブル121において、当該項目に関するデータが消去されることにより更新されてよい。
【0056】
移動速度は、ユーザIDにより識別されるユーザの移動速度である。本実施形態では、移動速度は、運動用具21としてのトレッドミルにより測定される。サーバ10は、運動用具21としてのトレッドミルにより測定された移動速度の情報を、各端末システム20から取得し、取得した移動速度の情報に基づいて、ユーザ管理テーブル121の移動速度の項目に記憶する。移動速度は、トレッドミルにより測定されたリアルタイムのユーザの移動速度に基づいて取得され、ユーザ管理テーブル121上でリアルタイムに更新されてよい。
【0057】
運動の様子は、ユーザIDにより識別されるユーザの運動の様子である。本実施形態では、運動の様子には、検出装置23に含まれるカメラにより撮影された画像に基づく情報が含まれる。サーバ10は、カメラにより撮影された画像のデータを、各端末システム20から取得し、取得した画像のデータに基づいて、ユーザ管理テーブル121の運動の様子の項目に記憶する。運動の様子の項目に含まれる情報は、画像のデータそのものであってもよく、画像のデータに基づいて所定の情報処理を行ったものであってもよい。所定の情報処理は、ユーザの運動の様子の特徴を特定することが可能な情報処理であり、例えば、運動するユーザの身体の特徴点の位置又は位置の変化を抽出する処理とすることができる。運動の様子は、カメラにより撮影されたリアルタイムの画像のデータに基づいて、ユーザ管理テーブル121上でリアルタイムに更新されてよい。
【0058】
移動速度及び運動の様子は、例えば、ユーザが運動サービスを用いて運動を行っている間、リアルタイムで継続的に更新される。なお、ユーザ管理テーブル121には、移動速度及び運動の様子以外の、ユーザの運動の状態に関する項目が含まれてもよい。
【0059】
図4Bは、コース管理テーブル122の一例を示す図である。コース管理テーブル122は、コースIDと、コース名と、コースデータと、走行中ユーザ情報と、の項目を含む。
【0060】
コースIDは、サーバ10においてコースを一意に識別するための識別子である。コース名は、コースの名前である。コース名は、例えばサーバ10により提供される運動サービスの運営者により、予め決定されている。
【0061】
コースデータは、コースIDにより識別されるコースに関する情報である。コースデータには、例えば、コースの長さ、レイアウト、コースにおける仮想空間上の風景などが含まれる。
【0062】
コース管理テーブル122において、コースID、コース名及びコースデータは、例えば予め決定され、記憶されている。なお、新たなコースが設定される場合、コース管理テーブル122のコースID、コース名及びコースデータについても、更新されてよい。
【0063】
走行中ユーザ情報は、コースIDにより識別されるコースを走行しているユーザの情報である。走行中ユーザ情報は、例えばコースを走行中のユーザのユーザID又はユーザ名により示される。図4Bに示す例では、走行中ユーザ情報は、走行中のユーザのユーザIDにより示されている。コース管理テーブル122において、走行中ユーザ情報は、コースを走行中のユーザに基づいて、例えばリアルタイムで更新される。
【0064】
図4Cは、グループ管理テーブル123の一例を示す図である。グループ管理テーブル123は、グループIDと、グループ名と、所属ユーザ情報と、の項目を含む。グループ管理テーブル123は、グループに関する情報を管理する。グループは、複数のユーザにより構成される集団である。ユーザは、他のユーザとグループを組む(作成する)ことができる。
【0065】
グループIDは、サーバ10においてグループを一意に識別するための識別子である。グループ名は、グループの名前である。グループ名は、例えばグループ作成時に、グループに所属するユーザの一人(例えばグループのリーダや管理者)が入力した名前である。所属ユーザ情報は、各グループに所属するユーザの情報である。所属ユーザ情報は、例えば、ユーザID又はユーザ名により示される。図4Cに示す例では、所属ユーザ情報は、ユーザIDにより示されている。
【0066】
グループ管理テーブル123において、グループIDと、グループ名とは、例えば、新たなグループが作成されたときに、新たに設定される。所属ユーザ情報は、グループへの参加又はグループからの離脱が入力された場合に、適宜更新される。
【0067】
<運動サービスの使用>
ユーザは、情報処理システム1により提供される運動サービスを用いて運動を行う場合、端末システム20を用いる。例えば、ユーザは、端末システム20を起動し、表示装置22を装着する。情報処理システム1は、ユーザに対してログイン認証を行ってもよい。
【0068】
ユーザは、運動を開始するにあたり、コースを選択する。ユーザは、入力操作を行うことにより、コースを選択することができる。入力操作は、例えば、運動用具21の入力デバイス214、表示装置22の入力デバイス224又は検出装置23の入力デバイス234を用いて行うことができる。あるいは、表示装置22のディスプレイ225に、入力操作が可能な仮想的なボタンなどが表示され、検出装置23により撮影されたユーザの動作に基づいて、端末システム20又はサーバ10が、ユーザが行った入力操作の内容を判定してもよい。
【0069】
コース選択では、例えば、ユーザがコース選択を行うためのコース選択画面を表示させる入力を行うと、サーバ10の表示制御部111が、表示装置22のディスプレイ225に、ユーザが選択可能なコースを表示させる。ユーザが、表示されたコースから、1つのコースを選択する入力を行うと、ユーザの入力に基づき、端末システム20からサーバ10に、選択されたコースの情報(例えばコースID)が送信される。サーバ10の表示制御部111は、選択されたコースの情報に基づいて、コース管理テーブル122に記憶されたコースデータを読み込み、コースを表す仮想空間をディスプレイ225に表示させる。例えば、ディスプレイ225には、選択したコースの仮想空間を表す風景が表示される。なお、このとき、制御部110は、ユーザ管理テーブル121において、コースを選択したユーザのユーザIDに対応付けて、選択されたコースのコースIDを記憶する。
【0070】
一例として、第1ユーザのユーザIDが「UID001」であるとする。第1ユーザが、コースIDが「CID001」のコースを選択した場合、表示制御部111は、例えば図4Aに示すように、「UID001」のユーザIDに対応付けて、コースIDの項目に「CID001」を記憶させることにより、ユーザ管理テーブル121を更新する。また、表示制御部111は、コースIDが「CID001」のコースを表す仮想空間を、第1ユーザの第1端末システム20aの表示装置22aに表示させる。
【0071】
図5は、第1端末システム20aの表示装置22aに表示される画面の一例を示す図であり、例えば運動開始時に表示装置22aに表示される画面の一例を示す図である。図5は、例えば、コースIDが「CID001」のコースを表す仮想空間の画面の一例を示す。コースIDが「CID001」のコースが、森の中のコースである場合、表示制御部111は、コース管理テーブル122のコースIDが「CID001」に対応付けられたコースデータ「Cdata1」を読み込み、例えば図5に示すような仮想空間の画面を、第1端末システム20aの表示装置22aに表示させる。表示装置22aには、例えば図5に示すように、第1ユーザを示す第1アバターA1がさらに表示される。
【0072】
第1ユーザは、表示装置22aにコースを表す仮想空間が表示された状態で、運動用具21aであるトレッドミル上を走る。運動用具21aは、移動状態検出部215により、例えば第1ユーザの運動の状態としての移動速度を検出し、検出した移動速度の情報をサーバ10に送信する。また、検出装置23aは、カメラ235又はセンサ236により、第1ユーザの運動の様子を取得し、検出した運動の様子を示す情報をサーバ10に送信する。
【0073】
表示制御部111は、各ユーザを表す各アバターを、各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させる。例えば、表示制御部111は、第1ユーザを表す第1アバターを、第1ユーザの運動に基づいて移動するように表示させる。第1ユーザの運動は、例えば、第1ユーザの運動の状態としての移動速度及び/又は運動の様子を含む。表示制御部111は、各アバターを、各表示装置22のディスプレイ225に表示させる。例えば、表示制御部111は、各アバターを、ディスプレイ225の仮想空間上に表示させる。
【0074】
具体的には、表示制御部111は、第1ユーザの移動速度の情報を取得すると、図4Aに示すように、ユーザ管理テーブル121において、第1ユーザのユーザIDである「UID001」に対応付けて、第1ユーザの移動速度を記憶させる。図4Aに示す例では、第1ユーザが時速7.0kmで走っていることが記憶されている。表示制御部111は、第1ユーザの移動速度に基づき、第1ユーザが当該移動速度で仮想空間内を移動しているように、表示装置22aに表示させる仮想空間の画像を変化させる。上記図4Aに示す例では、例えば、表示制御部111は、当該画像の変化は、「UID001」に対応付けて「CID001」のコースIDが記憶されていることから、図4Bに示す「CID001」のコースIDに対応付けられているコースデータ「Cdata1」を取得し、当該コースデータ「Cdata1」と上記時速7.0kmに基づいて、仮想空間の画像を変化させる。これにより、例えば、表示制御部111は、第1ユーザの移動速度に従って、第1ユーザが前進しているように見えるように、表示装置22aに表示される風景を移動させる。これにより、表示装置22aに表示される画像を見た第1ユーザに、あたかも仮想空間内を走っているように感じさせることができる。表示装置22aに表示される風景が変化する速度は、第1ユーザの移動速度に合わせて変化する。
【0075】
表示制御部111は、表示装置22aに、第1ユーザの移動速度の情報をさらに表示してもよい。表示制御部111は、例えば図5に示すように、仮想空間の一部に速度表示領域30を設け、速度表示領域に第1ユーザの移動速度の情報を表示する。図5に示す例では、移動速度の情報として、第1ユーザの移動速度が数字で表示されている。ただし、移動速度の情報の表示方法はこれに限られず、例えば図形や色のような、他の表現方法を用いて移動速度を表示することができる。
【0076】
また、表示制御部111は、第1ユーザの運動の様子の情報を取得すると、図4Aに示すように、ユーザ管理テーブル121において、第1ユーザのユーザIDである「UID001」に対応付けて、第1ユーザの運動の様子の情報を表す情報を記憶させる。表示制御部111は、第1ユーザの運動の様子の情報に基づき、表示装置22aに表示させる第1アバターA1の動きを変化させることができる。例えば、表示制御部111は、第1アバターA1の動き(例えば走るフォーム)が、第1ユーザの動きを模した動きとなるように、表示装置22aに表示される第1アバターA1の動きを表示させる。これにより、表示装置22aに表示される画像を見た第1ユーザに、自身の動きを認識させることができる。これにより、第1ユーザは、例えば自分の走るフォームを確認することができる。なお、表示装置22aに表示される第1アバターA1の動きは、第1ユーザの運動の様子に合わせて変化する。
【0077】
なお、上記において主に第1ユーザについて説明したが、第2ユーザについても同様である。例えば、第2ユーザのユーザIDが「UID002」であるとし、第2ユーザは、コースIDが「CID002」のコースを選択したとする。この場合、表示制御部111は、例えば図4Aに示すように、「UID002」のユーザIDに対応付けて、コースIDの項目に「CID002」を記憶させることにより、ユーザ管理テーブル121を更新する。また、表示制御部111は、コースIDが「CID002」のコースを表す仮想空間を、第2ユーザの第2端末システム20bの表示装置22bに表示させる。
【0078】
図6は、第2端末システム20bの表示装置22bに表示される画面の一例を示す図であり、例えば、運動開始時に表示装置22bに表示される画面の一例を示す図である。図6は、例えば、コースIDが「CID002」のコースを表す仮想空間の画面の一例を示す。コースIDが「CID002」のコースが、陸上競技場のトラックのコースである場合、表示制御部111は、コース管理テーブル122のコースIDが「CID002」に対応付けられたコースデータ「Cdata2」を読み込み、当該コースデータ「Cdata2」に基づいて、例えば図6に示すような仮想空間の画面を、第2端末システム20bの表示装置22bに表示させる。また、表示装置22bには、例えば図6に示すように、第2ユーザを示す第2アバターA2がさらに表示される。なお、下記においては、上記第1ユーザで説明した処理と同様であるので、詳細については省略する。
【0079】
第2ユーザが、表示装置22bにコースを表す仮想空間が表示された状態で、運動用具21bであるトレッドミル上を走ると、上記第1ユーザで説明した方法と同様の方法で、第2ユーザの移動速度の情報と、運動の様子を示す情報とが、第2端末システム20bからサーバ10に送信される。
【0080】
表示制御部111は、第2ユーザの移動速度の情報を取得すると、図4Aに示すように、ユーザ管理テーブル121において、第2ユーザのユーザIDである「UID002」に対応付けて、第2ユーザの移動速度を記憶させる。図4Aに示す例では、第2ユーザが時速9.0kmで走っていることが記憶されている。表示制御部111は、第2ユーザの移動速度に基づき、第2ユーザが当該移動速度で仮想空間内を移動しているように、表示装置22bに表示させる仮想空間の画像を変化させる。また、表示制御部111は、表示装置22bに、第2ユーザの移動速度の情報をさらに表示してもよい。
【0081】
また、表示制御部111は、第2ユーザの運動の様子の情報を取得すると、図4Aに示すように、ユーザ管理テーブル121において、第2ユーザのユーザIDである「UID002」に対応付けて、第2ユーザの運動の様子の情報を記憶させる。表示制御部111は、第2ユーザの運動の様子の情報に基づき、表示装置22bに表示させる第2アバターA2の動きを変化させることができる。
【0082】
<関連付けの方法及び表示>
本実施形態において、各ユーザは、他のユーザとの関連付けを行うことができる。図7は、制御部110が実行する処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、第1ユーザが、第2ユーザとの関連付けを実行する場合を例に挙げて、関連付けの詳細について説明する。
【0083】
まず、関連制御部114は、関連付けを実行するための入力が行われたか否かを判定する(ステップS11)。関連付けを実行するための入力は、各ユーザが、例えば端末システム20を用いて行うことができる。いずれかのユーザが、端末システム20を用いて、関連付けを実行するための入力を行うと、当該入力が行われたことを示す情報が、端末システム20からサーバ10に送信される。当該入力が行われたことを示す情報をサーバ10が受信すると、関連制御部114は、関連付けを実行するための入力が行われたと判定する(ステップS11のYes)。
【0084】
ここで、第1ユーザが、関連付けを実行するための入力を行う場合の例について説明する。図8は、第1端末システム20aの表示装置22aに表示される画面の一例を示す図であり、具体的には、関連付けを実行するための入力を行う場合に表示される画面の一例を示す図である。
【0085】
第1ユーザが、例えばランニング前又はランニング中に、メニューを表示させるための入力を行うと、表示制御部111は、第1端末システム20aの表示装置22aに、第1ユーザが利用可能なメニューを表示させる。図8に示す例では、メニューとして、第1ボタン31、第2ボタン32及び第3ボタン33が表示されている。図8に示す例では、第1ボタン31には「フレンドと一緒に走る」と記載され、第2ボタン32には「グループで一緒に走る」と記載され、第3ボタン33には「コース変更」と記載されている。ユーザは、表示されたボタンの中から、実行したい処理に該当するボタンを選択する。ここでは、ユーザは、関連付けを実行するために、「フレンドと一緒に走る」と記載された第1ボタン31を選択する。
【0086】
第1ユーザが第1ボタン31を選択すると、第1ボタン31が選択されたことを示す情報が、第1端末システム20aからサーバ10に送信される。第1ボタン31が選択されたことを示す情報をサーバ10が受信すると、表示制御部111は、第1ユーザと関連付けが可能な他のユーザの情報34を、第1端末システム20aの表示装置22aに表示させる。図8に示す例では、他のユーザの情報34として、「UB」、「UC」及び「UD」というユーザ名が表示されている。
【0087】
ここで、関連付けが可能な他のユーザの範囲は、適宜定められてよい。関連付けが可能な他のユーザは、例えば、情報処理システム1により提供される運動サービスに利用登録された全ての他のユーザであってよい。この場合、他のユーザの情報34として、利用登録された全ての他のユーザの情報が表示される。
【0088】
関連付けが可能な他のユーザは、例えば、所定関係を有する他のユーザであってもよい。所定関係は、サーバ10において記憶可能な任意の関係を含んでよい。所定関係は、例えばフレンドである。フレンドは、例えば、一方のユーザが他方のユーザにフレンド申請を行い、他方のユーザがそのフレンド申請を承諾した場合に成立する、双方的な二者間の関係である。所定関係は、例えばフォローである。フォローは、一方のユーザが他方のユーザにフォロー申請を行うことで成立する、一方的な二者間の関係である。所定関係は、例えばユーザ指定である。ユーザ指定は、一方のユーザが他方のユーザを指定することで成立する、一方的な二者間の関係である。所定関係は、例えばユーザ管理テーブル121において、ユーザIDが互いに関連付けて記憶されるなどにより、サーバ10によって管理される。関連付けが可能な他のユーザが、所定関係を有する他のユーザである場合、他のユーザの情報34として、第1ユーザと所定関係を有する他のユーザの情報が表示される。所定関係は、例えばグループであってもよい。
【0089】
ここでは、第1ユーザは、表示装置22aに表示されたユーザ名のうち、関連付けの対象として、第2ユーザのユーザ名である「UB」を選択したとする。第1端末システム20aは、選択されたユーザの情報、例えば「UB」というユーザ名を、サーバ10に送信する。サーバ10は、例えば、選択されたユーザの情報を受信した場合、関連付けを実行するための入力が行われたと判定する(ステップS11のYes)。
【0090】
なお、図8に示す画面において、第1ユーザが第3ボタン33を選択した場合、表示制御部111は、ユーザが選択可能なコースを表示装置22aに表示させる。第1ユーザは、表示装置22aに表示されたコースから、1つのコースを選択する入力を行うことにより、仮想空間のランニングコースを変更することができる。また、図8に示す画面において、ユーザが第2ボタン32を選択した場合の処理例については、後述する。
【0091】
再び図7を参照すると、関連制御部114は、関連付けを実行するための入力が行われていないと判定した場合(ステップS11のNo)、図7における後続の処理を実行することなく、ステップS11を繰り返す。
【0092】
一方、関連制御部114は、関連付けを実行するための入力が行われたと判定した場合(ステップS11のYes)、関連付けの対象となった他のユーザに対し、関連付けの可否を問い合わせる(ステップS12)。ここでは、第1ユーザが、関連付けを行う他のユーザとして、第2ユーザを選択したため、関連制御部114は、関連付けの対象となった第2ユーザに対して、関連付けの可否を問い合わせる。
【0093】
関連付けの可否は、例えば、第2端末システム20bの表示装置22bに表示することにより問い合わせることができる。図9は、第2端末システム20bの表示装置22bに表示される画面の一例を示す図であり、具体的には、関連付けの可否を問い合わせる場合に表示される画面の一例を示す図である。
【0094】
図9に示すように、表示装置22bには、例えば関連付けの可否を問い合わせる問合せ情報35が表示される。問合せ情報35は、例えば、第1ユーザから関連付けの依頼があったことを通知する内容と、関連付けを承諾するか否かの選択肢とが含まれる。ただし、図9に示す問合せ情報35は一例にすぎず、問合せ情報35は、他の態様又は他の内容を含んで表示されてもよい。第2ユーザは、問合せ情報35を確認することにより、第1ユーザから、関連付けの依頼があったことを知ることができる。
【0095】
第2ユーザは、問合せ情報35において、関連付けを承諾するか否かを入力する。図9に示す例では、第2ユーザは、関連付けを承諾する「はい」又は関連付けを承諾しない「いいえ」を選択する。第2ユーザが「はい」又は「いいえ」を選択すると、選択した結果の情報が、第2端末システム20bからサーバ10に送信される。
【0096】
なお、本実施形態では、関連付けの可否の問合せは、関連制御部114により実行されるが、関連付けの可否の問合せに伴う表示装置22bへの表示の処理は、表示制御部111により実行されてもよい。例えば、問合せ情報35の表示は、表示制御部111が実行してもよい。
【0097】
再び図7を参照すると、関連制御部114は、関連付けが承諾されたか否かを判定する(ステップS13)。例えば、関連制御部114は、第2ユーザが問合せ情報35において「はい」を選択した場合、関連付けが承諾されたと判定する。例えば、関連制御部114は、第2ユーザが問合せ情報35において「いいえ」を選択した場合、関連付けが承諾されなかったと判定する。
【0098】
関連制御部114は、関連付けが承諾されなかったと判定した場合(ステップS13のNo)、関連付けを行うことなく、図7のフローを終了する。この場合、関連制御部114は、図7のフローを再度冒頭から実行してよい。
【0099】
一方、関連制御部114は、関連付けが承諾されたと判定した場合(ステップS13のYes)、第1ユーザと第2ユーザとの関連付けを行う(ステップS14)。具体的には、関連制御部114は、互いに関連付けられたユーザのユーザ情報を、ユーザ管理テーブル121に記憶させる。ここでの例では、第1ユーザに対して第2ユーザが対応付けられ、第2ユーザに対して第1ユーザが対応付けられる。そのため、関連制御部114は、例えば図4Aに示すように、第1ユーザのユーザIDである「UID001」に対応付けて、関連ユーザ情報の欄に、第2ユーザのユーザ名である「UB」を記憶させる。同様に、関連制御部114は、例えば図4Aに示すように、第2ユーザのユーザIDである「UID002」に対応付けて、関連ユーザ情報の欄に、第1ユーザのユーザ名である「UA」を記憶させる。このようにして関連付けの処理が行われる。なお、ユーザ名を記憶することに代えて、ユーザIDを関連付けて記憶するように構成してもよい。
【0100】
関連制御部114は、関連付けを行ったとき、ホストユーザを決定する(ステップS15)。例えば、関連制御部114は、関連付けを実行するための入力を行ったユーザを、ホストユーザとして決定することができる。ここでの例では、関連付けを実行するための入力を行ったユーザが第1ユーザであるため、関連制御部114は、第1ユーザをホストユーザとして決定する。関連制御部114は、ホストユーザを決定すると、ユーザ管理テーブル121において、ホストユーザに決定したユーザの「ホストユーザ」の項目を「1」に更新する。ここでは、例えば図4Aに示すように、第1ユーザの「ホストユーザ」の項目を「1」にする。
【0101】
関連付けが行われると、表示制御部111は、関連付けが行われたユーザの表示装置22における表示を変更する(ステップS16)。具体的には、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、第1ユーザと第2ユーザとの運動の状態にかかわらず、第2ユーザを表す第2アバターA2を、第1ユーザを表す第1アバターA1に対応付けられる位置に表示させる。具体的には、例えば、表示制御部111は、図4Aにおいて、第1ユーザのユーザIDである「UID001」に関連ユーザ情報として「UB」が記憶されていることから、「UB」に対応付けられている運動の様子を表す「Mdata2」に基づいて、第2ユーザを表す第2アバターA2を、第1ユーザを表す第1アバターA1に対応付けられる位置に表示させる。なお、上述したように、第1アバターA1は、第1ユーザのユーザIDである「UID001」に対応付けられている運動の様子を表す「Mdata1」に基づいて、第1ユーザを表す第1アバターA1は表示される。
【0102】
図10は、第1端末システム20aの表示装置22aに表示される画面の一例を示す図であり、具体的には、関連付けが実行された後に表示装置22aに表示される画面の一例を示す図である。図10に示すように、表示装置22aには、関連付けが実行されたことを通知する関連付け完了情報36が表示される。図10に示す例では、関連付け完了情報36は、例えば、第2ユーザが関連付けを承諾したことを通知する内容と、既定の速度でアバターが移動するように表示され、トレッドミルの設定が変更されないことを通知する内容と、が含まれる。既定の速度は、予め定義された速度であり、例えば第1ユーザの移動速度である。トレッドミルの設定は、トレッドミルに対して第1ユーザが入力した設定であり、例えばトレッドミルのベルトの移動速度が所定の速度で動作するように入力されている場合には、当該所定の速度に関する設定である。なお、図10に示す関連付け完了情報36は一例にすぎず、関連付け完了情報36は、他の態様又は他の内容を含んで表示されてもよい。第1ユーザは、関連付け完了情報36を確認することにより、関連付けが行われたことを知ることができる。
【0103】
さらに、図10に示すように、表示装置22aには、仮想空間の風景及び第1アバターA1に加えて、関連付けされた第2ユーザを示す第2アバターA2が表示される。第2アバターA2は、第1アバターA1に対応付けられる位置に表示される。対応付けられる位置は、第1アバターA1と所定関係にある位置であり、例えば予め情報処理システム1において定められている。対応付けられる位置は、例えば、第1アバターA1に隣接する位置であり、具体的には前後左右のいずれかとすることができる。図10に示す例では、第2アバターA2は、第1アバターA1の右側に表示されている。このようにして、関連付けが行われた第2ユーザを示す第2アバターA2が表示装置22aに表示されることにより、第1ユーザは、第2ユーザと一緒に走っているように感じることができる。なお、表示装置22aに表示される画面の速度表示領域30には、第1ユーザの移動速度として、時速7.0kmという速度が表示される。
【0104】
関連付けされた第2ユーザを示す第2アバターA2は、第2ユーザの運動の状態にかかわらず、第1アバターA1に対応付けられる位置に表示される。例えば、第2ユーザが、運動の状態として、時速9.0kmの移動速度で運動している(走っている)とする。一方、第1ユーザは、時速7.0kmの移動速度で運動しているとする。仮に、第1アバターA1を第1ユーザの移動速度で移動させ、第2アバターA2を第2ユーザの移動速度で移動させるように表示した場合、第2アバターA2が第1アバターA1よりも速く移動するように表示されることになるため、第1アバターA1と第2アバターA2との距離が開く。しかしながら、本実施形態では、表示制御部111は、第2ユーザの運動の状態にかかわらず、第2アバターA2を、第1アバターA1に対応付けられる位置(例えば右側)に表示させる。つまり、第1ユーザの移動速度と第2ユーザの移動速度とが、実際には異なっているとしても、表示制御部111は、第2アバターA2を、第1アバターA1に対応付けられる位置に表示し続ける。これにより、表示装置22aに表示された仮想空間上では、第1アバターA1と第2アバターA2とが、並走しているように表示される。すなわち、第1ユーザは、第2ユーザと並走している感覚を得ることができる。
【0105】
図11は、第2端末システム20bの表示装置22bに表示される画面の一例を示す図であり、具体的には、関連付けが実行された後に表示装置22bに表示される画面の第1例を示す図である。図11に示すように、表示装置22bには、関連付けが実行されたことを通知する関連付け完了情報36が表示される。図11に示す例では、関連付け完了情報36は、例えば、第1ユーザとの関連付けが行われたことを通知する内容と、既定の速度でアバターが移動するように表示され、トレッドミルの設定が変更されないことを通知する内容と、が含まれる。既定の速度は、予め定義された速度であり、例えば第2ユーザの移動速度である。トレッドミルの設定は、トレッドミルに対して第2ユーザが入力した設定であり、例えばトレッドミルのベルトの移動速度が所定の速度で動作するように入力されている場合には、当該所定の速度に関する設定である。なお、図11に示す関連付け完了情報36は一例にすぎず、関連付け完了情報36は、他の態様又は他の内容を含んで表示されてもよい。第2ユーザは、関連付け完了情報36を確認することにより、関連付けが行われたことを知ることができる。
【0106】
図11に示すように、第1例では、第2端末システム20bの表示装置22bに、第1ユーザが走っているコースの仮想空間(以下、「第1の仮想空間」ともいう)が表示される。つまり、関連付けが行われる前は、例えば図9に示すように、表示装置22bには、第2ユーザが選択した「CID002」というコースIDのコースの仮想空間(以下、「第22の仮想空間」ともいう)が表示されていたが、関連付けが行われた場合、表示装置22bには、第1の仮想空間が表示される。なお、表示装置22bに表示される画面の速度表示領域30には、第2ユーザの移動速度として、時速9.0kmという速度が表示される。
【0107】
表示装置22bには、第1の仮想空間の風景と、第2アバターA2及び第1アバターA1とが表示される。第1アバターA1は、第2アバターA2に対応付けられる位置に表示される。対応付けられる位置は、第2アバターA2と所定関係にある位置であり、例えば予め情報処理システム1において定められている。図11に示す例では、第1アバターA1は、第2アバターA2の左側に表示されている。このようにして、関連付けが行われた第1ユーザを示す第1アバターA1が表示装置22bに表示されることにより、第2ユーザも、第1ユーザと一緒に走っているように感じることができる。
【0108】
具体的には、図4Aに示す場合、第2ユーザのユーザIDである「UID002」においては関連ユーザ情報としてUA及びホストユーザでないことを表す「0」が対応付けられていることから、表示制御部111は、関連ユーザ情報UA及びホストユーザであることを表す1に対応付けられているコースID「CID0001」の第1の仮想空間を第2ユーザの表示装置22bに表示させる。
【0109】
第1アバターA1は、第1ユーザの運動の状態にかかわらず、第2アバターA2に対応付けられる位置に表示される。第1例では、速度表示領域30及び関連付け完了情報36の記載を除き、第2端末システム20bの表示装置22bに表示される画面は、第1端末システム20aの表示装置22aに表示される画面と同じである。つまり、第2アバターA2は、第1アバターA1と同じ移動速度で移動するように表示される。従って、第1例では、第2ユーザが時速9.0kmの移動速度で運動し、第1ユーザが時速7.0kmの移動速度で運動している場合、第2アバターA2は、第1アバターA1と同じ時速7.0kmで移動しているように表示される。このように、第1ユーザの移動速度と第2ユーザの移動速度とが、実際には異なっているとしても、表示制御部111は、第1アバターA1を、第2アバターA2に対応付けられる位置に表示し続ける。これにより、表示装置22bに表示された第1の仮想空間上では、第1アバターA1と第2アバターA2とが、並走しているように表示される。そのため、第2ユーザも、第1ユーザと並走している感覚を得ることができる。
【0110】
なお、第1例において、第2端末システム20bの表示装置22bでは、第1アバターA1及び第2アバターA2を、第2ユーザの移動速度に合わせて移動するように表示してもよい。つまり、図11に示す例では、表示装置22bにおいて、第1アバターA1及び第2アバターA2を、第2ユーザの移動速度である時速9.0kmで移動するように表示してもよい。この場合、第1ユーザが見ている表示装置22aの画面と、第2ユーザが見ている表示装置22bの画面とでは、アバターの移動速度の差異により、風景が流れる速度が異なるが、いずれの画面でも互いに相手のアバターは、自分のアバターに対応付けられる位置に表示されるため、第1ユーザ及び第2ユーザとも、並走している感覚を得ることができる。
【0111】
第1例では、表示制御部111は、関連付けられた第1ユーザと第2ユーザとに対して、同じ第1の仮想空間を表示することができる。しかしながら、表示制御部111は、関連付けられた第1ユーザと第2ユーザとに対し、それぞれ異なる仮想空間を表示してもよい。例えば、表示制御部111は、第1ユーザに対して、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられる前に第1アバターA1が位置していた第1の仮想空間において、第2アバターA2を第1アバターA1に対応付けられる位置に表示させ、第2ユーザに対して、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられる前に第2アバターA2が位置していた第2の仮想空間において、第1アバターA1を第2アバターA2に対応付けられる位置に表示させる。この場合、第1端末システム20aの表示装置22aに表示される画面は、図10に示す画面と同じである。
【0112】
図12は、第2端末システム20bの表示装置22bに表示される画面の一例を示す図であり、具体的には、関連付けが実行された後に表示装置22bに表示される画面の第2例を示す図である。すなわち、図12は、第2の仮想空間において、第1アバターA1を第2アバターA2に対応付けられる位置に表示させる場合の画面例である。第2例では、表示される仮想空間が、第2の仮想空間であるという点で、第1例と異なる。つまり、第2例では、図12に示すように、表示装置22bに表示される仮想空間が、第2の仮想空間である。この場合、第2ユーザに対して、関連付けが行われた後も、関連付けが行われる前と同じコースを走っているように表示を行うことができる。そのため、関連付けが行われる前後で、コースが変わることによる違和感を第2ユーザに与えにくくすることができる。また、コースが変わらないため、第2ユーザの運動の履歴(例えば走った距離など)や設定(コースの勾配設定など)を維持することができる。
【0113】
第2例では、第2アバターA2は、第2ユーザの移動速度に合わせて移動するように表示することができる。第1アバターA1は、第2アバターA2に対応付けられる位置に表示されるため、第1アバターA1も、第2ユーザの移動速度に合わせて移動するように表示される。すなわち、第2例では、表示制御部111は、第1ユーザに対して、第1ユーザの運動に基づいて、第1アバターA1及び第2アバターA2を移動するように表示させ、第2ユーザに対して、第2ユーザの運動に基づいて、第1アバターA1及び第2アバターA2を移動するように表示させることができる。これにより、ユーザごとに、ユーザの運動に基づいてアバターを移動するように表示させることができるため、違和感を与えにくくすることができる。
【0114】
本実施形態において、アバターが表示される仮想空間は、ユーザにより指定されてもよい。例えば、表示制御部111は、ホストユーザが指定したユーザのアバターが位置する仮想空間に、関連付けられた複数のユーザのアバターを表示させてもよい。例えば、ここでの例では、第1ユーザ及び第2ユーザのうちのホストユーザが、第1ユーザ又は第2ユーザを指定した場合、指定されたユーザのアバターが位置する仮想空間に、第1アバターA1及び第2アバターA2を表示させる。
【0115】
例えば、第1ユーザがホストユーザであるとし、ホストユーザである第1ユーザが、第1ユーザを指定したとする。この場合、表示制御部111は、当該指定に基づき、指定された第1ユーザを示す第1アバターA1が位置する仮想空間(つまり第1の仮想空間)に、第1アバターA1及び第2アバターA2を表示させる。この場合、第1ユーザの表示装置22aに表示される仮想空間は、指定された前後で変化しない。一方、第2ユーザの表示装置22bに表示される仮想空間は、指定される前は、第2の仮想空間であったのに対し、指定された後は、第1の仮想空間となる。つまり、第2ユーザの表示装置22bには、例えば図11に示す画面が表示される。
【0116】
同様に、ホストユーザである第1ユーザが、第2ユーザを指定したとする。この場合、表示制御部111は、当該指定に基づき、指定された第2ユーザを示す第2アバターA2が位置する仮想空間(つまり第2の仮想空間)に、第1アバターA1及び第2アバターA2を表示させる。この場合、第1ユーザの表示装置22aに表示される仮想空間は、指定される前は、第2の仮想空間であったのに対し、指定された後は、第2の仮想空間となる。一方、第2ユーザの表示装置22bに表示される仮想空間は、指定された前後で変化しない。このようにして、アバターが表示される仮想空間を、ホストユーザが適宜決定してもよい。
【0117】
あるいは、表示制御部111は、関連付けられた全てのユーザに対して、ホストユーザのアバターが位置する仮想空間に、関連付けられた複数のユーザのアバターを表示させてもよい。この場合、ホストユーザを含む全てのユーザは、指定などの入力を行う必要がなくなり、簡便に利用することができる。
【0118】
また、表示制御部111は、表示させるアバターの移動を適宜決定することができる。例えば、表示制御部111は、第1アバターA1及び第2アバターA2について、それぞれ予め定められた所定の速度で移動するように、表示させることができる。あるいは、表示制御部111は、ホストユーザの移動速度に基づいて、第1アバターA1及び第2アバターA2が移動するように、表示させることができる。さらに、表示制御部111は、関連付けられた複数のユーザの移動速度に基づいて、アバターの移動速度を決定することができる。具体的には、表示制御部111は、アバターの移動速度を、複数のユーザの平均速度、複数のユーザのうち最も速い移動速度、又は、複数のユーザのうち最も遅い移動速度で、アバターが移動するように表示させることができる。
【0119】
再び図7を参照すると、通信制御部112は、ステップS13で関連付けが行われたユーザ同士のコミュニケーションを可能にする(ステップS17)。ここでの例では、通信制御部112は、関連付けられた第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションを可能にする。具体的には、通信制御部112は、図4Aに示す場合、第1ユーザのユーザID「UID0001」に、関連ユーザ情報である「UB」が関連付けられているため、「UB」に対応付けられている「UID0002」のIDで表される第2ユーザとの間でコミュニケーションを可能とするように制御する。また、コミュニケーションを可能とする具体例としては、通信制御部112は、第1端末システム20aのマイクで検出した音を、第2端末システム20bのスピーカから出力するとともに、第2端末システム20bのマイクで検出した音を、第1端末システム20aのスピーカから出力する。これにより第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーション(ボイスチャット)が可能になる。なお、コミュニケーションは、ボイスチャットに限られず、テキストなど他の手段によるコミュニケーションであってもよい。通信制御部112は、コミュニケーションの手段に応じて、適宜の情報を各端末システム20から取得し、関連付けられたユーザの端末システム20から出力する。これにより、ユーザ同士のコミュニケーションを実現することができる。特に、本実施形態のように、関連付けられたユーザのアバターを互いに対応付けられた位置に表示する場合には、コミュニケーションを可能にすることで、他のユーザと一緒に運動している(並走している)感覚を、ユーザにリアルに感じさせることができる。なお、運動サービスでは、必ずしもコミュニケーションが可能に制御されなくてもよい。この場合には、ステップS17は実行されなくてよい。
【0120】
通信制御部112は、ステップS17においてユーザ同士のコミュニケーションを可能にする場合、関連付けされたユーザを示すアバターの仮想空間内における位置関係に応じて、端末システム20における音の出力態様を制御してもよい。例えば図10に示すように、第2アバターA2が第1アバターA1の右側に表示される場合、通信制御部112は、第1ユーザに対して、第2ユーザの声が右側から聞こえるように、第1端末システム20aを制御してよい。この場合、具体的には、通信制御部112は、例えば第1端末システム20aにおいて、第1ユーザの右側に位置するスピーカのみから第2ユーザの声を出力させたり、第1ユーザの右側に位置するスピーカから出力される音を、第1ユーザの左側に位置するスピーカから出力される音よりも大きくするように制御したりする。第1端末システム20aが、例えば5.1チャンネルや22.2チャンネルなどのマルチチャンネル音響システムを備える場合には、通信制御部112は、当該音響システムが備える各スピーカに対して入力する音声信号を、公知の方法で生成することにより、第1ユーザに対して立体音響を聞かせることができる。このようにすることで、第1ユーザは、仮想空間内で第2ユーザと一緒に走っている感覚を、よりリアルに感じることができる。
【0121】
このように、本実施形態に係るサーバ10の表示制御部111は、第1ユーザ及び第2ユーザの運動の状態にかかわらず、第2アバターA2を第1アバターA1に対応付けられる位置に表示させる。そのため、第1ユーザは、第2ユーザと一緒に運動を行っているように感じることができる。これにより、第1ユーザと第2ユーザとの連帯感を高めることができる。また、第2ユーザと一緒に運動することで、第1ユーザが運動を継続するモチベーションを維持したり上げたりすることができる。このようにして、運動を行う際における、第1ユーザの充実感を向上させることができる。
【0122】
なお、関連付けは、必ずしも2人のユーザ同士のみで行われなくてもよい。関連付けは、3人以上のユーザ同士でも、上述した方法を用いて行うことができる。
【0123】
次に、ユーザが第2ボタン32(図8参照)を選択した場合の処理例について、説明する。第1ユーザが第2ボタン32を選択すると、第2ボタン32が選択されたことを示す情報が、第1端末システム20aからサーバ10に送信される。第2ボタン32が選択されたことを示す情報をサーバ10が受信すると、表示制御部111は、第1ユーザが所属するグループの情報を、第1端末システム20aの表示装置22aに表示させる。例えば、表示制御部111は、図4Cに示すグループ管理テーブル123を参照して、第1ユーザが所属するグループの情報を、表示装置22aに表示させる。図4Cに示す例では、ユーザ名が「UA」である第1ユーザは、グループIDが「GID002」でありグループ名が「GB」であるグループに所属している。従って、表示制御部111は、第1ユーザが所属するグループの情報として、例えば「GB」というグループ名を表示させる。なお、第1ユーザが複数のグループに所属している場合には、第1ユーザが所属する複数のグループの情報が表示される。
【0124】
第1ユーザは、表示装置22aに表示されたグループ名のうち、1つのグループを選択する。ここでは、第1ユーザが、「GB」というグループ名のグループを選択したとする。この場合、関連制御部114は、第1ユーザと、第1ユーザが選択したグループの所属ユーザとの関連付けを実行する。例えば、関連制御部114は、グループ管理テーブル123を参照して、第1ユーザと、第1ユーザが選択したグループの所属ユーザである、「UH」及び「UL」というユーザ名のユーザとの関連付けを実行する。関連付けの方法は、例えば図7のステップS12からステップS17で説明した方法と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。このようにして、ユーザは、自身が所属するグループの所属ユーザと、容易に関連付けを行うことができる。
【0125】
次に、1人のユーザが、複数の他のユーザと関連付けられた場合において、サーバ10が実行可能な処理について説明する。ここでは、第3ユーザが、複数の他のユーザと関連付けられた場合について説明する。第3ユーザのユーザIDは「UID003」であり、ユーザ名は「UC」であるとする。第3ユーザは、グループIDが「GID001」であり、グループ名が「GA」であるグループに所属し、当該グループに所属する複数の他のユーザと関連付けられているとする。当該グループに所属する複数の他のユーザのユーザ名は、例えば図4Aに示すように、「UE」、「UF」、「UG」、「UH」、「UI」、「UJ」及び「UK」であるとする。つまり、第3ユーザは、7人の他のユーザと関連付けられているとする。
【0126】
図13は、第3ユーザの端末システム20の表示装置に表示される画面の一例を示す図であり、具体的には複数の他のユーザと関連付けられた場合に表示される画面の一例を示す図である。本明細書において、第3ユーザの端末システム20を、以下「第3端末システム20」ともいう。第3ユーザは、7人の他のユーザと関連付けられているため、表示制御部111は、第3端末システム20の表示装置22において、例えば図13に示すように、7人の他のユーザをそれぞれ示す7体のアバターを、第3ユーザを示すアバター(以下「第3アバター」ともいう)A3に対応付けられる位置に表示させる。図13に示す例では、第3アバターA3を含む8体のアバターが、2列のフォーメーションで走行しているように表示されている。なお、図13では、「UE」、「UF」、「UG」、「UH」、「UI」、「UJ」及び「UK」というユーザ名のユーザを示すアバターを、それぞれ「AE」、「AF」、「AG」、「AH」、「AI」、「AJ」及び「AK」で示している。7人の他のユーザをそれぞれ示す7体のアバターは、他のユーザそれぞれの運動の状態にかかわらず、第3アバターA3に対応付けられる位置に表示されるため、第3ユーザは、7人の他のユーザと一緒に走っている感覚を得ることができる。
【0127】
なお、関連付けられた7人の他のユーザの端末システム20の表示装置でも、それぞれアバターに対応付けられる位置に、他のアバターが表示され、例えば図13に示すフォーメーションと同じフォーメーションが表示される。
【0128】
<指定の方法及び表示>
複数の他のユーザと関連付けられている場合、第3ユーザは、当該複数の他のユーザのうち、一部又は全部のユーザを指定することができる。サーバ10は、第3ユーザによる指定に基づいて、所定の処理を実行することができる。ここで、指定に基づく処理の詳細について、説明する。
【0129】
図14は、制御部110が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、具体的には、指定に基づく処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
まず、関連制御部114は、あるユーザにより、他のユーザが指定されたか否かを判定する(ステップS21)。他のユーザの指定は、各ユーザが、例えば端末システム20を用いて行うことができる。いずれかのユーザが、端末システム20を用いて、他のユーザを指定する入力を行うと、指定された他のユーザの情報が、端末システム20からサーバ10に送信される。指定された他のユーザの情報をサーバ10が受信すると、関連制御部114は、ユーザが指定されたと判定する(ステップS21のYes)。
【0131】
ここで、第3ユーザが、他のユーザを指定する場合の例について説明する。図15は、第3ユーザの端末システム20の表示装置22に表示される画面の一例を示す図であり、具体的には、ユーザを指定するための入力を行う場合に表示される指定画面の一例を示す図である。
【0132】
第3ユーザが、例えばランニング前又はランニング中に、ユーザを指定するための入力を行うと、表示制御部111は、第3ユーザの端末システム20の表示装置22に、例えば図15に示すような、ユーザを指定するための指定画面を表示させる。指定画面には、図15に示すように、関連付けされたユーザの一覧が表示される。第3ユーザは、指定画面に表示されたユーザの一覧から、1以上の他のユーザを指定(選択)する操作入力を行う。ここでは、図15に示すように、「UE」、「UG」及び「UJ」というユーザ名のユーザが指定されたとする。第3ユーザが他のユーザを指定する操作入力を行うと、指定された他のユーザの情報が、端末システム20からサーバ10に送信される。指定されたユーザの情報をサーバ10が取得した場合、関連制御部114は、ユーザが指定されたと判定する(ステップS21のYes)。
【0133】
再び図14を参照すると、関連制御部114は、他のユーザが指定されていないと判定した場合(ステップS21のNo)、図14における後続の処理を実行することなく、ステップS21を繰り返す。
【0134】
一方、関連制御部114は、他のユーザが指定されたと判定した場合(ステップS21のYes)、指定された他のユーザの情報を、ユーザ管理テーブル121の指定ユーザ情報の欄に記憶させる。例えば、図4Aに示すように、関連制御部114は、第3ユーザのユーザIDである「UID003」に対応付けて、指定された他のユーザのユーザ名である「UE」、「UG」及び「UJ」を、指定ユーザ情報の欄に記憶させる。このようにして他のユーザの指定の処理が行われる。
【0135】
他のユーザの指定が行われると、表示制御部111は、指定に基づいて、第3ユーザの表示装置22における表示を変更する(ステップS22)。具体的には、第3ユーザの表示装置22において、仮想空間に表示されるアバターの配置を変更する。なお、関連制御部114は、第3ユーザによる他のユーザの指定に基づいて、他のユーザの表示装置における表示も、第3ユーザの表示装置22における表示と同様に変更してよい。
【0136】
ステップS22において、表示制御部111は、例えば第3ユーザが指定した1以上の他のユーザのアバターを、第3ユーザを示す第3アバターに対する特定の位置に表示させる。
【0137】
図16は、第3ユーザの端末システム20の表示装置22表示される画面の一例であり、具体的には、ユーザを指定した後に表示される画面の一例を示す図である。図16に示すように、指定された他のユーザを示すアバターAE、AG及びAJは、第3アバターA3に対して特定の位置に表示される。図16に示す例では、特定の位置は、第3アバターA3と横並びの位置である。ただし、特定の位置は、横並びの位置に限られず、他の適宜の位置とすることができる。このようにして、指定を行った第3ユーザと、指定されたユーザUE、UG及びUJが、関連付けされた複数のユーザ内において、独立した集団(小グループ)を形成することができる。これにより、例えば大人数のユーザが関連付けされているなどの場合であっても、必要に応じたユーザ同士で運動を行うことができる。
【0138】
図16に示す例では、第3ユーザにより指定されなかった他のユーザは、第3ユーザに対して特定の位置に表示されないが、第3ユーザに対して対応付けられる位置に表示される。なお、第3ユーザにより指定されなかった他のユーザの人数が所定人数以下である場合、表示制御部111は、指定されなかった他のユーザが独立した他の集団を形成するように、表示してもよい。例えば、表示制御部111は、指定されなかった他のユーザのアバターAF、AH、AI及びAKを、互いに横並びの位置に配置することにより他の集団を形成させてよい。所定人数は、例えば予め定められる。
【0139】
再び図14を参照すると、通信制御部112は、指定を行った第3ユーザと、第3ユーザが指定した他のユーザとのコミュニケーションを可能にする(ステップS23)。通信制御部112は、例えば図4Aのユーザ管理テーブル121を参照することにより、第3ユーザと、第3ユーザが指定した他のユーザとのコミュニケーションを可能に制御する。通信制御部112がコミュニケーションを可能にする手段は、ステップS17と同様で合ってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0140】
なお、例えば図7のステップS17で説明したように、関連付けがされたときに複数のユーザ間でコミュニケーションが可能となっている場合には、図14のステップS23では、通信制御部112は、第3ユーザと、第3ユーザが指定していない他のユーザとのコミュニケーションを不可能にしてもよい。つまり、通信制御部112は、第3ユーザと、第3ユーザが指定した他のユーザとのコミュニケーションのみを可能とするように、制御してよい。
【0141】
このように指定したユーザのアバターを特定の位置に配置するように表示することで、関連付けされた複数のユーザ間で、適宜集団(小グループ)を形成することができる。また、形成された集団内でコミュニケーションを可能にすることにより、あたかも実際に複数のユーザでランニングを行い、その中で特定のユーザと会話をしながら運動(ランニング)している感覚をユーザに与えることができる。
【0142】
上述のように、ユーザによる指定によって独立した集団が形成された場合、当該独立した集団に含まれないユーザは、当該独立した集団に参加するための入力を行うことができる。上述の例を用いて説明すると、第3ユーザに指定されていない、ユーザ名がUF、UH、UI及びUKのユーザは、それぞれ、第3ユーザの指定により形成された集団に参加するための入力を行うことができる。例えば、ユーザ名がUFのユーザが、第3ユーザの指定により形成された集団に参加するための入力を行うと、関連制御部114は、当該入力に基づいて、ユーザ管理テーブル121において、第3ユーザのユーザIDである「UID003」に対応付けて、「UF」というユーザ名を、指定ユーザ情報の欄に記憶させる。これにより、UFというユーザ名のユーザを集団に参加させることができる。この場合、表示制御部111は、アバターAFを、第3アバターA3に対する特定の位置に表示させる。
【0143】
上述した関連付けと異なり、指定においては、指定されるユーザによる承諾はされなくてよい。指定されるユーザは、関連付けされたユーザの中から選択されるため、関連付けにおいて、既に承諾を行っているためである。ただし、指定においても、さらに、指定されるユーザの承諾を必要としてもよい。
【0144】
図15を用いて説明した指定画面においては、複数の他のユーザのうち、指定を行うユーザとの関係値が高いユーザを、識別可能に表示してもよい。つまり、図15の例では、表示制御部111は、第3ユーザとの関係値が高い他のユーザを、識別可能に表示してもよい。ここで、関係値とは、ユーザ同士の関係を数値化したものであり、例えば、ユーザ同士の交流の回数及び/又は内容などに基づいて算出される。ユーザ同士の交流は、例えば、関連付けを行った状態で一緒にランニングを行った回数、時間又は距離、贈与したギフト、ゲーム内通貨又はポイントなどのオブジェクトの量などが含まれる。
【0145】
<グループにおけるユーザの追加>
上述したグループは、適宜所属するユーザを追加することができる。ユーザの追加は、多様な方法で実現することができる。例えば、あるグループに所属していないユーザが、当該グループへの参加を申請する入力を行い、当該グループに所属するユーザが、当該申請を許可することにより、当該グループに所属していないユーザを、当該グループに新たに所属させることができる。この場合、関連制御部114により、例えば図4Cに示すグループ管理テーブル123において、当該グループに新たなユーザの情報が記憶される。
【0146】
グループに所属するユーザは、グループに所属しないユーザを、自分が所属するグループに招待することができる。この場合、グループに所属しないユーザに対して、グループへの参加を招待されたことが通知される。通知を受けたユーザは、招待されたグループに所属するかしないかを入力する。通知を受けたユーザは、招待されたグループに所属することを入力した場合、当該グループに所属することができる。この場合、関連制御部114により、例えば図4Cに示すグループ管理テーブル123において、当該グループに、通知を受けたユーザの情報が記憶される。
【0147】
なお、各グループに所属するユーザは、所定の入力を行うことにより、当該グループを離脱することができる。この場合、関連制御部114は、例えば図4Cに示すグループ管理テーブル123において、当該グループから、離脱したユーザの情報を削除する。
【0148】
<仮想空間における他のユーザの表示>
表示制御部111は、情報処理システム1により提供される運動サービスを用いて複数のユーザが同時に運動を行っている場合、当該複数のユーザのそれぞれに対し、他のユーザを表すアバターを表示させてもよい。例えば、第1ユーザと第2ユーザとが、同時に、同じコースを選択してランニングを行っているとする。ここでは、上述した例と異なり、第1ユーザと第2ユーザとは、互いに関連付けされていないとする。表示制御部111は、例えば図4Bのコース管理テーブル122を参照して、走行中ユーザ情報から、同じコースを走行するユーザを特定することができる。表示制御部111は、例えば第1ユーザと第2ユーザとが同じコースを走っている場合、第1ユーザの表示装置22aに表示されるコースの仮想空間に、第2ユーザを表す第2アバターA2を表示することができる。
【0149】
このとき、表示制御部111は、第1ユーザ及び第2ユーザがランニングを開始した時刻や、第1ユーザ及び第2ユーザの移動速度に基づいて、第1アバターA1と第2アバターA2とを、表示装置22aに表示することができる。例えば、第1ユーザよりも第2ユーザが先にランニングを開始したことにより、第1ユーザがランニングを開始したときに、第2ユーザはコースのスタート地点から100m進んでいたとする。この場合、表示制御部111は、第1ユーザの表示装置22aに表示するコースの仮想空間において、100m前方に第2アバターA2を表示してよい。つまり、表示制御部111は、実際の距離の差を反映させて、仮想空間のコースにアバターを表示させてよい。上述の例では、表示制御部111は、第2ユーザの表示装置22bに表示するコースの仮想空間において、100m後方に第1ユーザを示す第1アバターA1を表示させる。このとき、第1ユーザと第2ユーザとは関連付けされていないため、第1アバターA1と第2アバターA2とは、それぞれ第1ユーザ及び第2ユーザの移動速度に応じた速度で移動するように表示される。つまり、第2アバターA2は、第1アバターA1に対応付けられる位置に表示されるわけではない。
【0150】
このような場合、表示制御部111は、第1ユーザに対して、第1アバターA1が位置する仮想空間において、第1アバターA1と所定の位置関係にあるアバターが表すユーザとの関連付けを実行可能にすることができる。例えば、第2ユーザを示す第2アバターA2が、第1アバターA1に対して所定の位置関係にある場合、表示制御部111は、第1ユーザに対して、第2アバターA2が表す第2ユーザとの関連付けを実行可能にする。ここで、所定の位置関係は、適宜定めることができ、例えば、アバター同士の距離が、所定の距離未満の位置関係とすることができる。この場合、表示制御部111は、第1アバターA1と第2アバターA2との仮想空間上における距離が、所定の距離未満となった場合に、第1ユーザに対して、第2ユーザとの関連付けを実行可能にする。例えば、表示制御部111は、第1ユーザの表示装置22aにおいて、第2ユーザとの関連付けが対応可能である旨を表示したり、第2ユーザとの関連付けを実行するか否かを問い合わせる画面を表示したりする。第1ユーザが、これらの表示に対して、関連付けを実行する入力を行った場合、関連制御部114は、当該入力に基づいて、第1ユーザと第2ユーザとの関連付けを実行する。関連付けがされた場合、図7のステップS15からステップS17で説明した処理が実行される。例えば、第2アバターA2が、第1アバターA1に対応付けられる位置に表示される。これにより、第1アバターA1と第2アバターA2とが並走するように表示される。このようにして、第1ユーザは、例えば同じコースを走る他のユーザとの関連付けを行うことができるので、あたかも実際のランニングにおいて、他のランナーと交流をしたり、声を掛けたりするような感覚を得ることができる。つまり、ユーザに対して、より現実の運動(ランニング)に近い感覚を与えることができる。
【0151】
前段落に記載した方法による関連付けは、グループへの招待にも応用することができる。つまり、グループに所属するユーザは、当該グループに所属するユーザと一緒にランニングを行っているときに、当該ユーザを表すアバターと所定関係にあるアバターが表すユーザを、当該グループに招待することができる。
【0152】
<アバターの表示態様>
情報処理システム1により提供される運動サービスにおいて、アバターは、多様な態様で表示することができる。例えば、表示制御部111は、ユーザの運動の様子を、アバターの動作にリアルタイムに反映させて表示させることができる。具体的には、表示制御部111は、例えば図4Aに示すユーザ管理テーブル121におけるユーザの運動の様子のデータを参照し、当該データに基づいて、アバターを動作させるように表示させる。例えば、ユーザ管理テーブル121に、運動の様子としてユーザの走るフォームに関する情報が記憶されている場合、表示制御部111は、当該ユーザの走るフォームを模した動作で、アバターを表示させることができる。あるいは、もしユーザが走るのをやめて立っており、ユーザ管理テーブル121に、運動の様子として、ユーザが直立しているという情報が記憶されている場合、表示制御部111は、表示装置22において、アバターを直立するように表示させることができる。これにより、仮想空間においても、ユーザの実際の動作に合わせた動作のアバターが表示されるため、アバターの動作がより現実に近づき、ユーザは没入感を得やすくなる。
【0153】
複数のユーザが関連付けされている場合には、関連付けされている相手のユーザを表すアバターの動作に、当該相手のユーザの運動の様子が反映される。そのため、関連付けられたユーザは、相手のユーザがどのような運動状態であるのかを知ることができる。
【0154】
また、表示制御部111は、関連付けされたユーザ同士の移動速度の差に応じて、アバターの表示態様を変更させることができる。例えば、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けされているとする。この場合、表示制御部111は、第1ユーザと第2ユーザとの運動に基づく移動速度の差に応じて、少なくとも第1アバターA1又は第2アバターA2の表示態様を変更させる。例えば、表示制御部111は、移動速度が遅い方のユーザを表すアバターに、汗を表示することができる。例えば、第1ユーザの移動速度が第2ユーザの移動速度よりも遅い場合、第1アバターA1に汗を表示することができる。このとき、表示制御部111は、移動速度の差が大きいほど、より多くの汗を表示するなど、表示態様を変更することができる。これにより、各ユーザは、他ユーザとの移動速度の差について知ることができる。つまり、各ユーザは、自分と他のユーザとの移動速度の差があることや、移動速度の差の程度を知ることができる。
【0155】
表示制御部111は、第1ユーザと第2ユーザとの運動に基づく移動速度に基づき、他の表示を行うこともできる。例えば、表示制御部111は、第1ユーザ及び第2ユーザの移動速度を、表示装置22に表示させることができる。あるいは、表示制御部111は、関連付けされたユーザ間における移動速度の順位を表示することができる。例えば、最も移動速度が速いユーザを表すアバターの近傍に「1位」と表示し、次に移動速度が速いユーザを表すアバターの近傍に「2位」と表示することができる。
【0156】
<関連付けの解除>
関連制御部114は、所定の条件が満たされた場合、ユーザ同士の関連付けを解除することができる。例えば、関連制御部114は、ユーザにより、関連付けを解除する入力がされた場合、当該入力に基づいて、関連付けを解除する。関連制御部114は、例えば、図4Aに示すユーザ管理テーブル121において、関連ユーザ情報に記載されたユーザの情報を消去することにより、関連付けを解除することができる。
【0157】
関連付けを解除する場合、表示制御部111は、各アバターについて、関連付けが行われる前の仮想空間上の位置に基づく表示状態で表示させる。例えば、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられていることにより、図10から図12に示すように、第1アバターA1と第2アバターA2とが、互いに対応付けられる位置に表示されているとする。表示制御部111は、第1ユーザ又は第2ユーザによる所定の操作入力(例えば関連付けを解除する操作入力)行われた場合、当該操作入力に基づいて、第1アバターA1及び第2アバターA2を、互いに対応付けられる位置に表示される前の仮想空間上の位置に基づく表示状態で表示させる。例えば、表示制御部111は、当該操作入力に基づいて、第1アバターA1を、図5に示すように、関連付けされる前の仮想空間に、第1ユーザの表示装置22aに表示する。このとき、表示制御部111は、第1アバターA1を、関連付けされる前の表示状態で、第1ユーザの表示装置22aに表示してよい。同様に、表示制御部111は、当該操作入力に基づいて、第2アバターA2を、図6に示すように、関連付けされる前の仮想空間に、第2ユーザの表示装置22bに表示する。表示制御部111は、第2アバターA2を、関連付けされる前の表示状態で、第2ユーザの表示装置22bに表示してよい。このとき、例えば、関連付けされているときに、上述したような汗や順位など、表示態様が変更されている場合には、これらの表示態様についても、元の(関連付けされる前の)表示態様に戻して表示する。これにより、ユーザは、関連付けが解除された場合に、ユーザが選択していた元の環境で運動を継続することができる。
【0158】
関連付けを解除する場合、表示制御部111は、関連付けが行われなかったと仮定した場合に、アバターが本来位置するはずである仮想空間上の位置に、各アバターを表示させてもよい。
【0159】
例えば、第1アバターA1が第1の仮想空間の座標0の位置に存在し、第2アバターA2が第2仮想空間の座標10の位置に存在しているときに、第1ユーザと第2ユーザとの関連付けが行われたとする。関連付けにより、例えば図10及び図11に示すように、第2アバターA2が第1の仮想空間に表示されたとする。この状態で、第1ユーザが走ることにより、第1アバターA1が、第1の仮想空間の座標50の位置まで移動したとする。このとき、表示制御部111は、関連付けされた第2ユーザの第2アバターA2も、第1の仮想空間内において、座標50の位置まで移動したように表示させる。しかしながら、実際には、第2ユーザはほとんど走っておらず、第1の仮想空間における座標5に相当する距離しか走っていなかったとする。そして、第1アバターA1及び第2アバターA2が第1の仮想空間の座標50の位置にいるときに、第1ユーザと第2ユーザとの関連付けが解除されたとする。
【0160】
このような場合、表示制御部111は、第1端末システム20aにおいて、第1アバターA1を、第1の仮想空間の座標50の位置に表示させる。一方、表示制御部111は、第2端末システム20bにおいて、第2アバターA2を、第2の仮想空間の座標15の位置に表示させることができる。つまり、表示制御部111は、関連付けされる前の座標10に、関連付けされた状態で第2ユーザが移動した距離に相当する座標5を加算することにより導出される座標15の位置に、第2アバターA2を表示させることができる。このようにして、表示制御部111は、第2ユーザについては、関連付けが行われなかったと仮定した場合に、第2アバターA2が本来位置するはずである第2の仮想空間上の位置(つまり座標15の位置)に表示させることができる。これにより、第2ユーザは、元の仮想空間における自身の移動量を知ることができる。
【0161】
なお、上記の条件において、表示制御部111は、第2端末システム20bにおいて、第2アバターA2を、第2の仮想空間の座標60の位置に表示させてもよい。つまり、表示制御部111は、関連付けされる前の座標10に、関連付けされた状態で第1ユーザが移動した距離に相当する座標50を加算することにより導出される座標60の位置に、第2アバターA2を表示させてもよい。この場合、表示制御部111は、関連付けされた状態で移動した距離については、第2端末装置20bで表示された第1の仮想空間での移動距離(上記例では座標50)を用いて、関連付け解除後に、元の第2の仮想空間を表示する。これにより、第2ユーザには、関連付け解除後に表示される第2の仮想空間でも、関連付けされた状態で移動した距離の分、前進した風景が表示される。そのため、第2ユーザに対し、関連付け解除後の風景に違和感を与えにくくすることができる。
【0162】
<ユーザへの通知>
通知制御部113は、所定条件が満たされた場合に、満たされた所定条件に応じた通知を実行させることができる。例えば、関連付けされたユーザ同士の移動速度の差が所定以上の差となった状態が所定時間以上継続した場合、通知制御部113は、端末システム20に通知を実行させる。例えば、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けされているとする。第1ユーザと第2ユーザとの運動に基づく移動速度の差が所定以上の差となった状態が所定時間以上継続した場合、通知制御部113は、第1ユーザ又は第2ユーザへの通知を実行させる。ここでの通知は、例えば関連付けを解消させることを促すメッセージなどの通知である。第1ユーザと第2ユーザとの移動速度の差が所定以上の差となっている場合、第1ユーザ又は第2ユーザが、運動(ランニング)をやめている可能性がある。この状態が所定時間以上継続した場合には、運動を続けているユーザにとって、並走している感覚を得られにくくなる可能性がある。そこで、このような場合に、通知制御部113が通知を行うことにより、一緒に運動を継続することが適切でない状況において、ユーザに関連付けの解消を促すことができる。なお、通知を受けたユーザは、関連付けを解消するための入力を行うことにより、関連付けを解消させることができる。
【0163】
また、通知制御部113は、あるユーザに関連付けされた相手のユーザの身体状態のセンシング情報が所定条件を満たした場合、当該あるユーザへの通知を実行させる。例えば、第1ユーザと第2ユーザとが関連付けされているとする。通知制御部113は、第2ユーザの身体状態のセンシング情報が所定条件を満たした場合、第1ユーザへの通知を実行させる。ここで、身体状態のセンシング情報は、ユーザの身体状態に関し、例えばセンサ236などのセンシング機器により取得される情報である。具体的には、センシング情報は、例えば心拍数などである。ただし、センシング情報は、心拍数に限られず、センシング機器で取得可能な他の情報とすることが可能である。センシング情報は、各端末システム20で取得され、サーバ10に送信される。通知制御部113は、例えばサーバ10が各端末システム20から取得したセンシング情報に基づき、第2ユーザのセンシング情報が所定条件を満たした場合、例えば心拍数が所定数以上となった場合、第1ユーザへの通知を実行させる。これにより、第1ユーザは、第2ユーザの身体状態を知ることができる。例えば、第1ユーザは、第2ユーザがオーバーペースで走っており、身体に負担がかかっていることを知ることができる。この場合、第1ユーザは、第2ユーザに対して、例えば休憩を促したり、ペースを遅くすることを提案したりすることができる。なお、通知は、第2ユーザ本人に対して行われてもよい。
【0164】
なお、センシング情報は、必ずしも、上述したような通知制御部113による通知にのみ使用されるものでなくてもよい。例えば、表示制御部111が、関連付けされた他のユーザのセンシング情報を閲覧可能に表示してもよい。具体的には、例えば第1ユーザと第2ユーザとが関連付けされている場合、表示制御部111は、第2ユーザのセンシング情報を第1ユーザが閲覧可能に表示してよい。ここで、閲覧可能とは、例えば第1端末システム20aの表示装置22aに表示するように構成されていてもよく、第1ユーザによる所定の操作入力により表示装置22aに表示させるように構成されていてもよい。つまり、閲覧可能は、ユーザの操作によらずに表示される場合と、ユーザの操作に基づいて表示される場合の両方が含まれる。
【0165】
<まとめ>
[汎用課題]
本発明の目的の1つは、仮想空間を用いたサービスを向上させることである。
【0166】
本発明の目的の1つは、運動するユーザの充実感を向上させることである。
[付記1]本実施形態に係る情報処理装置は、各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる、表示制御部を備える。
上記の情報処理装置によれば、運動するユーザの充実感を向上させることができる。
【0167】
本発明の目的の1つは、ユーザの希望に沿った運動環境を提供することである。
[付記2]前記表示制御部は、前記第1ユーザ及び前記第2ユーザのうちのホストユーザが前記第1ユーザ又は前記第2ユーザを指定した場合、前記指定されたユーザのアバターが位置する仮想空間に、前記第1アバター及び前記第2アバターを表示させる、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ユーザの希望に沿った運動環境を提供することができる。
【0168】
本発明の目的の1つは、ユーザに違和感を与えにくくすることである。
[付記3]前記表示制御部は、前記第1ユーザに対して、前記第1ユーザと前記第2ユーザとが関連付けられる前に前記第1アバターが位置していた第1の仮想空間において、前記第2アバターを前記第1アバターに対応付けられる位置に表示させ、前記第2ユーザに対して、前記第1ユーザと前記第2ユーザとが関連付けられる前に前記第2アバターが位置していた第2の仮想空間において、前記第1アバターを前記第2アバターに対応付けられる位置に表示させる、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ユーザに違和感を与えにくくすることができる。
【0169】
本発明の目的の1つは、ユーザに違和感を与えにくくすることである。
[付記4]前記表示制御部は、前記第1ユーザに対して、前記第1ユーザの運動に基づいて、前記第1アバター及び前記第2アバターを移動するように表示させ、前記第2ユーザに対して、前記第2ユーザの運動に基づいて、前記第1アバター及び前記第2アバターを移動するように表示させる、付記3に記載の情報処理装置。
これにより、ユーザに違和感を与えにくくすることができる。
【0170】
本発明の目的の1つは、他のユーザと一緒に運動している感覚を、ユーザにリアルに感じさせることである。
[付記5]前記第1ユーザと前記第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとのコミュニケーションを可能に制御する、通信制御部をさらに備える、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、他のユーザと一緒に運動している感覚を、ユーザにリアルに感じさせることができる。
【0171】
本発明の目的の1つは、必要に応じたユーザ同士で運動を行うことができるようにすることである。
[付記6]前記第1ユーザに、複数の他のユーザが関連付けられている場合、前記表示制御部は、前記複数の他のユーザのうち前記第1ユーザが指定した1以上のユーザのアバターを、前記第1アバターに対する特定の位置に表示させる、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、必要に応じたユーザ同士で運動を行うことができるようにすることができる。
【0172】
本発明の目的の1つは、特定のユーザと会話をしながら運動している感覚をユーザに与えることである。
[付記7]前記第1ユーザと、前記1以上のユーザとのコミュニケーションを可能に制御し、前記複数の他のユーザのうち前記1以上のユーザとは異なるユーザとのコミュニケーションを不可能に制御する、通信制御部をさらに備える、付記6に記載の情報処理装置。
これにより、特定のユーザと会話をしながら運動している感覚をユーザに与えることができる。
【0173】
本発明の目的の1つは、ユーザに対して、より現実の運動に近い感覚を与えることである。
[付記8]前記第1ユーザに対して、前記第1アバターが位置する仮想空間において前記第1アバターと所定の位置関係にあるアバターが表すユーザとの関連付けを実行可能にする、関連制御部をさらに備える、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ユーザに対して、より現実の運動に近い感覚を与えることができる。
【0174】
本発明の目的の1つは、アバターの動作をより現実に近づけることである。
[付記9]前記表示制御部は、前記第1ユーザの運動の様子を、前記第1アバターの動作にリアルタイムに反映させて表示させる、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、アバターの動作をより現実に近づけることができる。
【0175】
本発明の目的の1つは、ユーザに対して、他ユーザとの移動速度の差の情報を知らせることである。
[付記10]前記表示制御部は、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動に基づく移動速度の差に応じて、少なくとも前記第1アバター又は前記第2アバターの表示態様を変更させる、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、ユーザに対して、他ユーザとの移動速度の差の情報を知らせることができる。
【0176】
本発明の目的の1つは、一緒に運動を継続することが適切でない状況において、ユーザに関連付けの解消を促すことである。
[付記11]前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動に基づく移動速度の差が所定以上の差となった状態が所定時間以上継続した場合、前記第1ユーザ又は前記第2ユーザへの通知を実行させる、通知制御部をさらに備える、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、一緒に運動を継続することが適切でない状況において、ユーザに関連付けの解消を促すことができる。
【0177】
本発明の目的の1つは、関連付けが解除された場合に、ユーザが選択していた元の環境で運動を継続させることである。
[付記12]前記表示制御部は、前記第1アバターと前記第2アバターとを、互いに対応付けられる位置に表示させている場合、前記第1ユーザ又は前記第2ユーザによる所定の操作入力に基づいて、前記第1アバター及び前記第2アバターを、前記互いに対応付けられる位置に表示させる前の仮想空間上の位置に基づく表示状態でそれぞれ表示させる、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、関連付けが解除された場合に、ユーザが選択していた元の環境で運動を継続させることができる。
【0178】
本発明の目的の1つは、他のユーザの身体状態を知らせることである。
[付記13]前記第2ユーザの身体状態のセンシング情報が所定条件を満たした場合、前記第1ユーザへの通知を実行させる、通知制御部をさらに備える、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、他のユーザの身体状態を知らせることができる。
【0179】
本発明の目的の1つは、運動するユーザの充実感を向上させることである。
[付記14]本実施形態に係る情報処理方法は、プロセッサが、各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、プロセッサが、前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる。
上記の情報処理装置によれば、運動するユーザの充実感を向上させることができる。
【0180】
本発明の目的の1つは、運動するユーザの充実感を向上させることである。
[付記15]本実施形態に係るプログラムは、プロセッサに、各ユーザを表す各アバターを、前記各ユーザの運動に基づいて移動するように表示させ、プロセッサに、前記各ユーザのうち第1ユーザと第2ユーザとが関連付けられた場合、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの前記運動の状態にかかわらず、前記第2ユーザを表す第2アバターを、前記第1ユーザを表す第1アバターに対応付けられる位置に表示させる、処理を実行させる。
上記の情報処理装置によれば、運動するユーザの充実感を向上させることができる。
【符号の説明】
【0181】
1…情報処理システム、10…サーバ、20a…第1端末システム、20b…第2端末システム、21a,21b…運動用具、22a,22b…表示装置、23a,23b…検出装置、30…速度表示領域、31…第1ボタン、32…第2ボタン、33…第3ボタン、34…他のユーザの情報、35…問合せ情報、36…関連付け完了情報、101,211,221,231…プロセッサ、102,212,222,232…記憶装置、103,213,223,233…通信I/F、104,214,224,234…入力デバイス、215…移動状態検出部、225…ディスプレイ、235…カメラ、236…センサ、110…制御部、111…表示制御部、112…通信制御部、113…通知制御部、114…関連制御部、120…記憶部、121…ユーザ管理テーブル、122…コース管理テーブル、123…グループ管理テーブル
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16