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特開2024-104621樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104621
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/02 20060101AFI20240729BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20240729BHJP
   B29C 33/68 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
B29C45/02
B29C45/17
B29C33/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008942
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】市橋 秀男
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AD07
4F202AH36
4F202AH37
4F202AP06
4F202AR07
4F202CA12
4F202CB01
4F202CC01
4F202CM72
4F202CQ01
4F202CQ05
4F202CQ10
4F206AD07
4F206AH36
4F206AH37
4F206AP06
4F206AR07
4F206JA02
4F206JB12
4F206JB17
4F206JC03
4F206JL02
4F206JM02
4F206JP11
4F206JP14
4F206JP30
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】成形型に供給される離型フィルムの位置調整を行うことが可能な樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂成形装置は、ポットブロックを含む第1型と、第1型と対向して配置された第2型とを有する成形型と、成形型を型締めする型締め機構と、第1型に供給される離型フィルムFのエッジFaの位置を調整する位置調整機構20と、位置調整機構20の作動を制御する制御部と、を備えている。位置調整機構20は、離型フィルムFを搬送する柱状ローラ21,22と、離型フィルムFのエッジFaの位置を検出するセンサ23と、を含み、制御部は、センサ23による離型フィルムFのエッジFaの位置の検出結果に基づいて、柱状ローラ21,22を離型フィルムFの搬送方向Vを軸にして傾ける制御を実行可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポットブロックを含む第1型と、前記第1型と対向して配置された第2型とを有する成形型と、
前記成形型を型締めする型締め機構と、
前記第1型に供給される離型フィルムのエッジの位置を調整する位置調整機構と、
前記位置調整機構の作動を制御する制御部と、を備え、
前記位置調整機構は、前記離型フィルムを搬送する柱状ローラと、前記離型フィルムの前記エッジの位置を検出するセンサと、を含み、
前記制御部は、前記センサによる前記離型フィルムの前記エッジの前記位置の検出結果に基づいて、前記柱状ローラを前記離型フィルムの搬送方向を軸にして傾ける制御を実行可能である樹脂成形装置。
【請求項2】
前記位置調整機構は複数の前記柱状ローラを有しており、
前記センサは、前記離型フィルムの搬送方向における複数の前記柱状ローラの直後に配置されている請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項3】
複数の前記柱状ローラは、ローラ支持部に支持されており、
前記ローラ支持部は駆動源に接続されており、
前記制御部は、前記駆動源を駆動させて前記ローラ支持部を傾けることにより、複数の前記柱状ローラを傾ける請求項2に記載の樹脂成形装置。
【請求項4】
前記制御部は、下型からなる前記第1型に供給された前記離型フィルムの前記エッジが、前記ポットブロックの張出し部の下に位置するように前記柱状ローラを傾ける請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂成形装置。
【請求項5】
前記第1型は前記ポットブロックに隣接するキャビティブロックを更に含み、
前記キャビティブロックは、成形対象物を保持する吸引孔を有し、
前記制御部は、前記第1型に供給された前記離型フィルムの前記エッジが、前記ポットブロック及び前記キャビティブロックの境界と前記吸引孔との間に位置するように前記柱状ローラを傾ける請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂成形装置。
【請求項6】
前記離型フィルムを前記第1型に向けて送り出す送出ロールを含む送出機構を更に備え、
前記位置調整機構は、前記送出機構と前記第1型との間に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂成形装置。
【請求項7】
前記位置調整機構が二つ備えられており、
二つの前記位置調整機構は鉛直方向で異なる高さに配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の樹脂成形装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
前記第1型と前記第2型との間に前記離型フィルムを供給するフィルム供給工程と、
前記型締め機構により前記成形型を型締めする型締め工程と、
前記成形型に成形対象物及び樹脂材料を供給して樹脂成形を行う成形工程と、を含む樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップが固定された基板等は、一般的に樹脂封止することにより電子部品として用いられる。従来、基板等を樹脂封止するための樹脂成形装置としてトランスファ成形用の金型を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1にはトランスファ成形を行う樹脂成形装置が開示されている。この樹脂成形装置では、上型及び下型の型面に各々リリースフィルムが配置されている。リリースフィルムが配置された後、型締めにより上型と下型の間にワークが挟持される。この状態で、収容ポット形成孔部に収容されたモールド材料は、加熱されて溶融した状態で、上型及び下型のキャビティに供給される。上型及び下型の型面にはリリースフィルムが配置されているため、溶融したモールド材料が上型及び下型の型面に直接接触することはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-129893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において、上型及び下型用のリリースフィルムは、それぞれ上型用フィルム供給機構及び下型用フィルム供給機構により供給されている。上型用と下型用のフィルム供給機構は、それぞれフィルム供給部とフィルム巻取部とを有しており、フィルム供給部に取付けられたロール状のリリースフィルムをフィルム巻取部へと送ることにより、上型及び下型にリリースフィルムを供給している。しかし、ロール状のリリースフィルムの交換や、リリースフィルムの張力変更等を行った場合に、金型の型面に対するリリースフィルムの位置がずれてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、成形型に供給される離型フィルムの位置調整を行うことが可能な樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る樹脂成形装置の一つの実施形態は、ポットブロックを含む第1型と、前記第1型と対向して配置された第2型とを有する成形型と、前記成形型を型締めする型締め機構と、前記第1型に供給される離型フィルムのエッジの位置を調整する位置調整機構と、前記位置調整機構の作動を制御する制御部と、を備え、前記位置調整機構は、前記離型フィルムを搬送する柱状ローラと、前記離型フィルムの前記エッジの位置を検出するセンサと、を含み、前記制御部は、前記センサによる前記離型フィルムの前記エッジの前記位置の検出結果に基づいて、前記柱状ローラを前記離型フィルムの搬送方向を軸にして傾ける制御を実行可能である。
【0008】
本発明に係る樹脂成形品の製造方法の一つの実施形態は、上記に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、前記第1型と前記第2型との間に前記離型フィルムを供給するフィルム供給工程と、前記型締め機構により前記成形型を型締めする型締め工程と、前記成形型に成形対象物及び樹脂材料を供給して樹脂成形を行う成形工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、成形型に供給される離型フィルムの位置調整を行うことが可能な樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る樹脂成形装置を含む樹脂成形ユニットを表す模式図である。
図2】樹脂成形装置の構成を表す模式図である。
図3図2のIII-III線矢視断面図である。
図4】位置調整機構を表す斜視図である。
図5】位置調整機構を表す正面図である。
図6】離型フィルムのエッジの位置と透過式センサの出力との関係を表す図である。
図7】離型フィルムの位置を調整する構成を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0012】
半導体チップ等が固定された基板(成形対象物)は樹脂封止することにより電子部品として用いられる。成形対象物を樹脂封止する技術としては、トランスファ方式等が挙げられる。トランスファ方式の一つとして、成形型の下型に吸着された離型フィルム上に成形対象物を載置し、成形型のポットに粉粒体状樹脂を固めた樹脂タブレット(樹脂材料)を供給して加熱、溶融し、溶融樹脂をキャビティに供給して成形対象物を樹脂成形する方式が挙げられる。
【0013】
樹脂タブレットは、粉粒体状の樹脂を押し固めた固形樹脂で形成され、加熱により溶融して液状の溶融樹脂となる。樹脂タブレットは、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。熱硬化性樹脂は、加熱すると粘度が低下し、更に加熱すると重合して硬化し、硬化樹脂となる。以下に説明するように、半導体チップが固定された成形前基板を樹脂成形して封止する場合には、熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。
【0014】
〔樹脂成形ユニットの構成〕
以下、トランスファ方式の樹脂成形装置30を一例として説明する。図1には、本実施形態における樹脂成形装置30を含む樹脂成形ユニットDの平面模式図が示されている。樹脂成形ユニットDは、成形モジュール3と供給モジュール4と制御部6と搬送機構とを備えている。制御部6は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、及びRAM(Random Access Memory)のような記憶装置を含んでいる。制御部6は、記憶装置に記憶された制御プログラムをプロセッサで実行することにより、樹脂成形ユニットDの作動を制御する。
【0015】
以下で説明する樹脂成形装置30を含む樹脂成形ユニットDの作動は、特段の説明のない限り、制御部6の作動指令に基づいて行われる。以下の説明において、制御部6の作動指令については原則的に説明を省略し、必要に応じて制御部6の作動指令について説明する。
【0016】
成形モジュール3は、半導体チップ等が固定された成形前基板Sa(成形対象物の一例)を樹脂封止するための樹脂成形装置30を有している。樹脂成形装置30は、成形型Cにより成形前基板Saを保持した状態で樹脂封止して成形済基板Sb(樹脂成形品の一例)を成形する。樹脂成形ユニットDにおいて、成形モジュール3は、複数(本実施形態では二つ)設けられており、それぞれの成形モジュール3を独立して装着又は取外しできる。樹脂成形装置30の詳細な構成は後述する。なお、樹脂成形ユニットDにおいて、成形モジュール3は一つでもよいし、三つ以上であってもよい。
【0017】
供給モジュール4は、成形モジュール3に成形前基板Sa及び樹脂タブレットT(樹脂材料の一例)を供給すると共に成形モジュール3から成形済基板Sbを収容するためのものであり、基板供給機構43と基板整列機構44と樹脂供給機構45と基板収容部46とを含む。搬送機構に含まれるローダ41及びアンローダ42は、供給モジュール4内で待機する。基板供給機構43は、ストックしている成形前基板Saを基板整列機構44に受け渡す。成形前基板Saには、複数個の半導体チップが縦方向及び/又は横方向に整列した状態で固定されている。基板整列機構44は、基板供給機構43から受け渡された成形前基板Saを搬送に適した状態にする。樹脂供給機構45は、樹脂タブレットTをストックしており、樹脂タブレットTを搬送に適した状態に配置する。なお、成形前基板Saは、一つの半導体チップが固定されているものでもよい。
【0018】
搬送機構は、樹脂封止前の半導体チップ等が固定された成形前基板Saや樹脂タブレットTを搬送するローダ41と、樹脂封止後の成形済基板Sbを搬送するアンローダ42とを含んでいる。ローダ41は、基板整列機構44から成形前基板Saを受け取り、また、樹脂供給機構45から樹脂タブレットTを受け取って、レール上を供給モジュール4から各成形モジュール3まで移動し、各成形モジュール3の成形型C(下型LM)に成形前基板Saと樹脂タブレットTを受け渡すことができる。アンローダ42は、成形済基板Sbを成形モジュール3から取り出して、レール上を各成形モジュール3から基板収容部46まで移動し、基板収容部46に成形済基板Sbを収容することができる。成形済基板Sbでは、半導体チップ等が、樹脂タブレットTが加熱されて溶融した溶融樹脂Ta(以下、単に「溶融樹脂」ともいう)(樹脂材料の一例)が固化した硬化樹脂により封止されている。なお、基板収容部46は、成形モジュール3を挟んで供給モジュール4とは反対側に配置する等してもよく、供給モジュール4を構成する各機構の配置は特に限定されない。
【0019】
〔樹脂成形装置の構成〕
図2には、本実施形態における樹脂成形装置30が示されている。樹脂成形装置30は、水平面に載置されて重力により不動状態で固定された固定フレーム3Aと、固定フレーム3Aに支持された成形型Cと、固定フレーム3Aに支持された可動プラテン34と、可動プラテン34を移動させて成形型Cを型締めする型締め機構35と、成形型Cに離型フィルムFを供給する離型フィルム供給機構1と、を備えている。なお、「固定フレーム3Aに支持される」とは、固定フレーム3Aに対して相対移動可能に固定フレーム3Aにて直接的又は間接的に支えられている状態を意味し、以下同様である。
【0020】
固定フレーム3Aは、平面視矩形状の下部固定盤31及び上部固定盤33を有し、複数のタイバー(不図示)又は板状部材(不図示)で連結されたフレーム本体が、カバー32で覆われている。下部固定盤31と上部固定盤33の間には平面視矩形状の可動プラテン34が設けられている。成形型Cは、上型UM(第2型の一例)と下型LM(第1型の一例)とを有する。上型UM及び下型LMは、互いに対向して配置される金型等で構成されている。上型UM及び下型LMには、ヒータ(不図示)が内蔵されており、ヒータにより成形型Cに供給される成形前基板Saや樹脂タブレットTを加熱することができる。
【0021】
可動プラテン34は、固定フレーム3Aのタイバー又は板状部材に沿って上下に移動可能であり、下型LMと上型UMとの相対位置を変位させるように、下型LMを上下に移動させる。下部固定盤31の上には、可動プラテン34を上下に移動させる型締め機構35が設けられている。この型締め機構35は、例えば、サーボモータ及びボールねじの組合わせ、油圧シリンダ及びリンク機構の組合わせ等で構成されている。型締め機構35は、可動プラテン34を上方に移動させることにより成形型Cの型締めを行い、可動プラテン34を下方に移動させることにより成形型Cの型開きを行うことができる。型締め機構35の作動は、制御部6により制御される。
【0022】
〔成形型の構成〕
図3に、樹脂成形装置30に用いられる成形型Cの構成を示す。成形型Cは、溶融樹脂Taが注入される上型キャビティMCaが形成された上型キャビティブロック80(キャビティブロックの一例)を含む上型UMと、上型UMに対向して配置され、上型キャビティMCaに溶融樹脂Taを注入する樹脂注入機構7が設けられた下型LMとを有する。本実施形態における下型LMは下型キャビティブロック70(キャビティブロックの一例)を有している。下型キャビティブロック70には、成形前基板Saに設けられた樹脂流通穴(不図示)を介して上型キャビティMCaから溶融樹脂Taが注入される下型キャビティMCbが形成されている。
【0023】
上型UMは、上部固定盤33に固定されている。上型UMは、上型キャビティブロック80、上型ホルダ81、上型ベースプレート82、エジェクタピン83、エジェクタプレート84、上型弾性部材85、及びリターンピン86を有している。上型ホルダ81は上部固定盤33に取付けられている。エジェクタプレート84は、上型ホルダ81を貫通する上型弾性部材85を介して上部固定盤33等に取付けられており、複数のエジェクタピン83と、リターンピン86とを有している。複数のエジェクタピン83は、成形済基板Sbを上型UMから離型させるために用いられる。複数のエジェクタピン83は、上型ベースプレート82及び上型キャビティブロック80の所要箇所を貫通しており、上型ベースプレート82及び上型キャビティブロック80に対してエジェクタプレート84と一体となって昇降可能に設けられている。上型ベースプレート82は、上型キャビティブロック80とエジェクタプレート84との間に配置されており、上型キャビティブロック80と接触しており、エジェクタプレート84と離間している。上型キャビティブロック80は、上型ベースプレート82を介して上型ホルダ81に取り付けられている。上型キャビティブロック80は、成形前基板Saのチップ13が収容されると共に溶融樹脂Taが注入される上型キャビティMCaを有している。
【0024】
リターンピン86は、下型キャビティブロック70における成形前基板Saの載置領域外に接触するように配置されている。リターンピン86は、成形型Cの型締め時に下型キャビティブロック70に接触し、エジェクタプレート84と共に上型キャビティブロック80に対して上昇する。これにより、型締め時においてエジェクタピン83は上型キャビティMCaの型面に引っ込んだ状態となる。一方、型開き時においては下型LMが下降するに伴って、エジェクタプレート84は上型弾性部材85の弾性力によって上型キャビティブロック80に対して下降し、エジェクタピン83が成形済基板Sbを上型UMから離型させる。
【0025】
上型UMの上型キャビティブロック80には、凹状空間87及びゲート88が形成されている。凹状空間87及びゲート88は、下型キャビティブロック70に隣接配置された樹脂注入機構7を構成するポットブロック71のカル部71b、ランナ71c及びゲート71dと上型キャビティMCaとを接続している。つまり、上型キャビティブロック80とポットブロック71との間には、ポット71aから上型キャビティMCaに向けて溶融樹脂Taを流動させる樹脂流路となるカル部71b、ランナ71c、ゲート71d、凹状空間87及びゲート88が形成されている。樹脂注入機構7の構成については後述する。
【0026】
下型LMは、下型ホルダ75に保持されており、この下型ホルダ75は、型締め機構35により昇降する可動プラテン34に固定されている。また、下型LMの下型キャビティブロック70は、下型ベースプレート76を介して下型ホルダ75に取り付けられている。本実施形態における型締め機構35は、例えば、サーボモータとボールねじ機構とを組合わせたものや、エアシリンダや油圧シリンダとロッドとを組合わせたもの等を用いることができる。また、下型キャビティブロック70には、真空ポンプ等により空気を吸引して、離型フィルムF及び成形前基板Saを型面に吸着させる複数の吸引孔77が設けられている。離型フィルムFには、吸引孔77からの空気吸引により成形前基板Saを型面に吸着させるためのフィルム孔78が形成されている。以下、吸引孔77のうち成形前基板Saを吸着させるための吸引孔77を基板吸引孔77a(吸引孔の一例)という。基板吸引孔77aは、離型フィルムFのフィルム孔78と連通している。フィルム孔78の内径は、基板吸引孔77aの内径よりも大きい(図3の拡大図参照)。
【0027】
〔樹脂注入機構の構成〕
本実施形態の樹脂注入機構7はエッジゲート方式であり、樹脂タブレットTを収容するポット71aが形成されたポットブロック71と、ポット71a内に設けられたプランジャ72aを有するトランスファ機構72とを備えている。なお、ポット71aは、例えば円筒状をなす筒状部材73により形成されている。この筒状部材73は、ポットブロック71に形成された貫通孔に嵌め入れられている。
【0028】
ポットブロック71は、下型LMに対して昇降可能となるように弾性部材74により弾性支持されている。つまり、ポットブロック71は、弾性部材74を介して下型LMに対して昇降可能に設けられている。この弾性部材74は、ポットブロック71の下側に設けられており、下型LMから離れる方向にポットブロック71を押圧している。
【0029】
また、ポットブロック71の上端部には、下型LMの上面である型面上に張出した張出し部71Aが形成されている。この張出し部71Aは、対向する成形前基板Saのポット側端部を押圧可能な状態で突出している。さらに、ポットブロック71の上面には、ポット71aから注入された溶融樹脂Taを上型キャビティブロック80の上型キャビティMCaに導入する樹脂流路となるカル部71b、ランナ71c及びゲート71dが形成されている。張出し部71Aは、上型UM及び下型LMを型締めした状態で、その上面が上型キャビティブロック80の凹状空間87に接触すると共に、その下面が下型キャビティブロック70の型面との間で成形前基板Saを挟むことになる。
【0030】
トランスファ機構72は、上型UM及び下型LMが型締めされた状態でプランジャ72aを移動させてポット71aから上型キャビティMCaに溶融樹脂Taを注入するものである。このトランスファ機構72は、ポット71aの内部に設けられ、溶融樹脂Taを圧送するためのプランジャ72aと、プランジャ72aが固定される固定ブロック72bと、固定ブロック72bを介してプランジャ72aを移動させるプランジャ駆動機構72cとを含む。プランジャ駆動機構72cの作動は、制御部6により制御される。
【0031】
固定ブロック72bは、概略直方体形状をなすものであり、その長方形状をなす一面(上面)に複数のプランジャ72aが直線状に一列に固定されている。なお、複数のプランジャ72aは、例えば固定ねじ等により固定ブロック72bに固定されている。また、固定ブロック72bには、各プランジャ72aが溶融樹脂Taを注入する圧力を均一にするための弾性部材等を用いた等圧機構が設けられていてもよい。
【0032】
プランジャ駆動機構72cは、固定ブロック72bを下型LMに対して昇降移動させることにより、複数のプランジャ72aを複数のポット71aに対して一括して同じ移動量で昇降移動させるものである。本実施形態のプランジャ駆動機構72cは、固定ブロック72bの下側に設けられている。このプランジャ駆動機構72cとしては、例えば、サーボモータとボールねじ機構とを組合わせたものや、エアシリンダや油圧シリンダとロッドとを組合わせたもの等を用いることができる。
【0033】
型締め機構35により上型UM及び下型LMを型締めすると、カル部71b、ランナ71c、ゲート71d、凹状空間87及びゲート88からなる樹脂流路が、複数のポット71aと上型キャビティMCaとを連通させ、上型キャビティMCaが、成形前基板Saに設けられた不図示の樹脂流通穴を介して下型キャビティMCbと連通する。また、上型UM及び下型LMを型締めすると、ポットブロック71の張出し部71Aの下面と下型LMの型面との間に成形前基板Saのポット側端部が挟まれることになる。この状態でプランジャ駆動機構72cによりプランジャ72aを上昇させて、溶融樹脂Taを上型キャビティMCa及び下型キャビティMCbに注入すると、成形前基板Saのチップ13等が樹脂封止される。
【0034】
〔離型フィルム供給機構の構成〕
離型フィルム供給機構1は、上型UMと下型LMとの間に離型フィルムFを供給する。離型フィルムFの材料としては、耐熱性、離型性、柔軟性、伸展性等の特性を有する樹脂材料が用いられ、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン/四フッ化エチレン共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、FEP(四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン等が用いられる。
【0035】
離型フィルム供給機構1は、図2に示されるように、離型フィルムFを送り出す送出機構11と、離型フィルムFを搬送するフィルム搬送機構8と、離型フィルムFを回収する回収機構12と、離型フィルムFの搬送経路における送出機構11と成形型Cとの間に配置された位置調整機構20と、を有している。送出機構11は、使用前の離型フィルムFを上型UMと下型LMとの間に送り出し可能であり、回収機構12は、樹脂成形に用いられた使用済みの離型フィルムFを回収可能である。離型フィルム供給機構1の作動は、制御部6により制御される。
【0036】
送出機構11は、使用前の離型フィルムFを上型UMと下型LMとの間に送り出し可能であり、固定フレーム3Aに固定されている。本実施形態における送出機構11は、リールに巻かれた使用前の離型フィルムFを送り出す送出ロール11aと、送出ロール11aを回転駆動させるモータ(不図示)とを含んでおり、送出ロール11aが開閉可能なケース11bに収容されている。ケース11bを含む送出機構11は、固定フレーム3Aの外側で固定フレーム3Aの側方に固定されている。なお、「固定フレーム3Aに固定される」とは、固定フレーム3Aに対して相対移動ができないように固定フレーム3Aにて直接的又は間接的に支えられている状態を意味し、以下同様である。
【0037】
フィルム搬送機構8は、離型フィルムFを押圧して保持するニップロールと、搬送モータ(不図示)とを含んでいる。ニップロールは、搬送モータの駆動力により回転して離型フィルムFの搬送速度を調整する搬送ローラ8aと、搬送ローラ8aに向けて離型フィルムFを押圧する押圧ローラ8bとを含んでいる。フィルム搬送機構8は、離型フィルムFの搬送経路における回収機構12側で固定フレーム3Aに回転可能に固定されている。制御部6が、フィルム搬送機構8における搬送モータのトルクを制御することで、離型フィルムFが搬送方向V(送出機構11から回収機構12に向かう方向)に送り出される。
【0038】
回収機構12は、樹脂成形に用いられた使用済みの離型フィルムFを回収可能であり、固定フレーム3Aに固定されている。本実施形態における回収機構12は、使用済みの離型フィルムFをリールに巻き取って回収する回収ロール12aと、回収ロール12aを回転駆動させるモータ(不図示)とを含んでおり、回収ロール12aが開閉可能なケース12bに収容されている。ケース12bを含む回収機構12は、固定フレーム3Aの外側で、固定フレーム3Aの送出機構11とは反対側の側方に固定されている。離型フィルムFの送り出し時には、制御部6が、送出機構11及び回収機構12における各モータのトルクを制御することで、離型フィルムFに適度な張力(テンション)が付与される。なお、離型フィルムFに張力を付与する方法はトルク制御だけに限られない。例えば、フィルム搬送機構8による離型フィルムFの搬送速度と送出機構11による離型フィルムFの送り出し速度との差が所定の速度差になるように、送出ロール11aの回転速度を制御することによってテンションを付与するようにしてもよい。
【0039】
〔位置調整機構の構成〕
次に、位置調整機構20について、図2から図7を用いて説明する。図2図3に示されるように、位置調整機構20は、離型フィルムFが下型LMの所定位置に供給されていない場合に、離型フィルムFが下型LMの所定位置に供給されるように調整する機構である。下型LMの所定位置とは、成形型Cが型締めされた状態で下型キャビティMCbに溶融樹脂Taが供給されたときに、溶融樹脂Taが下型LMの型面に付着しないような位置である。具体的には、下型LMに供給された離型フィルムFの両方のエッジ(離型フィルムFの搬送方向Vに垂直な方向の両方の縁)のうちポットブロック71に近い側のエッジFaが、ポットブロック71及び下型キャビティブロック70の境界Bと、下型キャビティブロック70の下型キャビティMCbの両側に形成された基板吸引孔77aのうちポットブロック71に近い側の基板吸引孔77aとの間になる位置である(図3の拡大図参照)。離型フィルムFが下型LMの所定位置にあるとき、離型フィルムFのフィルム孔78は、基板吸引孔77aと連通している。ポットブロック71に近い側の基板吸引孔77aは、成形型Cが型締めされた状態でポットブロック71の張出し部71Aの下面により塞がれる位置に配置されている。これにより、成形時において、溶融樹脂Taが基板吸引孔77aに流入することはなく、下型LMの型面に溶融樹脂Taが付着することもない。なお、下型LMに離型フィルムFを供給するときは、溶融樹脂Taが下型LMの型面に付着せず、かつ離型フィルムFがポットブロック71の側面に接触しない限りにおいて、下型LMに対する離型フィルムFのエッジFaの位置が若干ずれて供給される場合も「所定位置」に含まれるものとする。
【0040】
位置調整機構20は、図4図5に示されるように、柱状の第1ローラ21(柱状ローラの一例)、柱状の第2ローラ22(柱状ローラの一例)、透過式センサ23(センサの一例)、ローラ支持部24、及びモータ25(駆動源の一例)を含んで構成されている。位置調整機構20は、送出機構11と成形型Cとの間に配置されている(図2参照)。本実施形態において、位置調整機構20は、一つの成形型Cに対して二つ配置されている。これは、二つの離型フィルムFがそれぞれポットブロック71の左右に供給されることによる(図3参照)。二つの位置調整機構20は、いずれも同じ構成、同じ機能を有しているので、以下では一方の位置調整機構20について説明する。
【0041】
本実施形態において、透過式センサ23は、超音波センサであり、離型フィルムFを挟むように出力部23aと入力部23bとが対向配置された形状を有している。具体的には、透過式センサ23は、鉛直方向視で、離型フィルムFのポットブロック71に近い側に供給されるエッジFaが出力部23aと入力部23bとの間に位置するように配置されている。また、透過式センサ23は、搬送方向Vに対して第2ローラ22の直後に配置されている。透過式センサ23はラインセンサであり、出力部23aと入力部23bとが離型フィルムFの搬送方向V及び鉛直方向に対して垂直な方向(以下、「水平方向W」ともいう)に沿って延びる線状に配置されている。そして、離型フィルムFのエッジFaが出力部23aと入力部23bとの間に位置することにより、出力部23aと入力部23bの一部が、離型フィルムFにより遮られる。このため、出力部23aから出力された超音波の内、離型フィルムFと対向している部分については、超音波が離型フィルムFに遮られて入力部23bに入力されず、対向していない部分の超音波のみが入力部23bに入力される。
【0042】
透過式センサ23は、出力された超音波に対して入力された超音波の比率が電圧により線形出力されて制御部6に入力されるように構成されている。具体的には、出力された超音波に対して入力された超音波の比率が高くなると制御部6への出力電圧は大きくなり、比率が低くなると制御部6への出力電圧は小さくなる。すなわち、図6に示されるように、離型フィルムFが水平方向Wにずれて出力部23aが離型フィルムFに遮られる範囲が少なくなれば入力部23bから制御部6への出力電圧は大きくなり、出力部23aが離型フィルムFに遮られる範囲が多くなれば入力部23bから制御部6への出力電圧は小さくなる。すなわち、透過式センサ23の入力部23bから制御部6への出力電圧の大きさにより、離型フィルムFのエッジFaの位置ずれを検出することができる。なお、入力部23bから制御部6へ出力されるのは電圧だけに限られない。離型フィルムFのエッジFaの位置ずれを検出できるのであれば、電流等任意の物理量を用いることができる。
【0043】
本実施形態の樹脂成形装置30においては、透過式センサ23により検出された離型フィルムFのエッジFaの位置が、下型LMに供給される離型フィルムFのエッジFaの位置に対応するように構成されている。そのため、透過式センサ23により離型フィルムFのエッジFaの位置を適切に管理することにより、離型フィルムFを下型LMの所定位置に供給することができる。本実施形態においては、図6に示されるように、透過式センサ23の検出範囲の中央である基準位置に離型フィルムFのエッジFaが位置する時の入力部23bからの出力を基準出力とし、このときに離型フィルムFを下型LMの所定位置に供給することができるように構成されている。なお、透過式センサ23における離型フィルムFのエッジFaの基準位置には、上述した「所定位置」の範囲内でエッジFaがずれた場合も含まれるものとする。すなわち、透過式センサ23における離型フィルムFのエッジFaの基準位置は唯一つに定まるものではなく、上述したように下型LMに供給される離型フィルムFの「所定位置」は成形に支障が生じない範囲内でのばらつきが許容されている。このため、透過式センサ23における離型フィルムFのエッジFaの基準位置も、離型フィルムFが所定位置の範囲内で下型LMに供給される限りにおいて、ばらつきが許容される。
【0044】
図4図5に示されるように、第1ローラ21及び第2ローラ22の回転軸芯は互いに平行であり、鉛直方向の下側に第1ローラ21、上側に第2ローラ22が位置するように並列配置されている。すなわち、第1ローラ21と第2ローラ22とは互いに平行になるように配置されている。第1ローラ21と第2ローラ22とは、ローラ支持部24に回転可能に支持されている。第1ローラ21と第2ローラ22とは、いずれも回転することにより、離型フィルムFを搬送方向Vに沿って搬送する。なお、図5では、位置調整機構20の構成の理解を容易にするため、離型フィルムFの図示を省略している。
【0045】
ローラ支持部24はローラガイド24aとモータガイド24bを含んで構成されており、ローラガイド24a、モータガイド24bの両方共、板状を有している。ローラ支持部24は、鉛直方向に沿って見たときに、ローラガイド24aとモータガイド24bとの全体がL字形状を有するように構成されている。
【0046】
ローラガイド24aは第1ローラ21と第2ローラ22とを水平方向Wに沿って回転可能に支持している。モータガイド24bは、モータ25のモータ軸25aと接続されている。モータ軸25aは離型フィルムFの搬送方向Vに沿う方向に延出している。モータ25は、モータ軸25aを回転軸として正逆両方向に回動させることができる。ローラ支持部24は、モータ軸25aの回動に伴ってモータ軸25aを中心軸にして水平方向Wから正逆両方向に傾斜する。これに伴い、第1ローラ21と第2ローラ22も水平方向Wから正逆両方向に傾斜する。傾斜した状態でも、第1ローラ21と第2ローラ22とは互いに平行な状態を維持している。本実施形態において、モータ軸25aの中心は、図5に示されるように、第1ローラ21の周縁に重複しているが、第1ローラ21の回転軸に重複するように配置するのが好ましい。モータ軸25aの中心を第1ローラ21の回転軸に重複するように配置すると、第1ローラ21の傾斜に伴う離型フィルムFの水平方向Wへのずれを最小限にすることができ、離型フィルムFのねじれを抑制することができる。
【0047】
第1ローラ21と第2ローラ22が傾斜すると、図7に示されるように、水平方向Wの離型フィルムFの位置を変えることができる。離型フィルムFは、実際は図2に示されるように、第1ローラ21、第2ローラ22により180度折り返されて搬送されているが、図7では、理解を容易にするために、離型フィルムFを直線状に搬送した状態を図示している。
【0048】
本実施形態においては、透過式センサ23が、離型フィルムFのエッジFaが基準位置からずれていることを検出した場合に、制御部6がモータ25を回動させることによりローラ支持部24が回動し、第1ローラ21と第2ローラ22とを傾斜させることができるように構成されている。上述したように、第1ローラ21と第2ローラ22とが傾斜すると、離型フィルムFの水平方向Wの位置を変えることができる。したがって、制御部6が、モータ25の回動量、すなわち、第1ローラ21と第2ローラ22の傾斜を適切に制御して離型フィルムFのエッジFaの位置調整(以下、単に「位置調整」ともいう)を行うことにより、透過式センサ23における離型フィルムFのエッジFaを基準位置に戻すことができる。これにより、常に離型フィルムFを下型LMの所定位置に供給することができる。
【0049】
本実施形態においては、図4図5に示されるように、二つの位置調整機構20が鉛直方向の位置(高さ)を異ならせて配置されている。これは、二つの離型フィルムFがポットブロック71の左右に配置されていることに伴って近接しているためである。このように、二つの位置調整機構20の鉛直方向の位置を異ならせることにより、一方の位置調整機構20の第1ローラ21及び第2ローラ22を傾斜させたときに他方の位置調整機構20の第1ローラ21及び第2ローラ22に接触することを防止すると共に、それぞれの位置調整機構20における第1ローラ21及び第2ローラ22の傾斜角度を大きくすることができる。
【0050】
〔樹脂成形品の製造方法〕
次に、図1から図3を用いて、樹脂成形品(成形済基板Sb)の製造方法を説明する。樹脂成形品(成形済基板Sb)の製造方法は、下型LMに離型フィルムFを供給するフィルム供給工程と、下型LMに成形前基板Saと樹脂タブレットTを供給するタブレット供給工程と、型締め機構35により成形型Cを型締めする型締め工程と、上型キャビティMCa及び下型キャビティMCbに溶融樹脂Taを供給して成形前基板Saの樹脂成形を行う成形工程と、を含んでいる。この成形工程は、成形前基板Saの成形モジュール3への搬入から成形済基板Sbの成形モジュール3からの搬出までの間において、樹脂成形装置30が成形前基板Saを樹脂成形する工程である。本実施形態における成形工程では、上型キャビティMCa及び下型キャビティMCbに溶融樹脂Taを供給することにより、成形前基板Saの両面に溶融樹脂Taを供給して両面成形を行い、成形済基板Sbを製造する。
【0051】
図1に示すように、予め、ローダ41を、樹脂タブレットTの収容空間を断熱した状態で加熱しておき、成形型本体Mも加熱しておく。そして、基板供給機構43から取り出した成形前基板Saをローダ41に載置する。また、樹脂供給機構45により整列された樹脂タブレットTを、ローダ41の樹脂タブレットTの収容空間に収容する。そして、ローダ41は、成形前基板Sa及び樹脂タブレットTを成形モジュール3まで搬送する。
【0052】
離型フィルム供給機構1は、上型UMと下型LMとの間に使用前の離型フィルムFを供給する(フィルム供給工程)。このとき、離型フィルムFのエッジFaが基準位置からずれていることを透過式センサ23が検出した場合には、制御部6が位置調整機構20の第1ローラ21と第2ローラ22とを傾斜させて位置調整を行い、離型フィルムFのエッジFaが基準位置に戻るように制御する。これにより、離型フィルムFのエッジFaが下型LMの所定位置に供給される。離型フィルムFのエッジFaの検出及び位置調整は、樹脂成形装置30が作動している間は常時行われる。
【0053】
その後、樹脂タブレットTを下型LMのポット71a内に収容する(タブレット供給工程)。樹脂タブレットTをポット71a内に収容することにより、下型LMに内蔵されたヒータが樹脂タブレットTを加熱して、溶融樹脂Taとなる。
【0054】
次に、制御部6により駆動力が制御された型締め機構35により、下型LMを上型UMの方向に移動させ、使用前の離型フィルムFを下型LMに密着させる。そして、吸引孔77からの空気吸引により離型フィルムFを下型LMの型面に吸着させる。この状態で、離型フィルムF上に成形前基板Saを供給する。
【0055】
次に、制御部6により駆動力が制御された型締め機構35により、上型UMと下型LMとを近接移動させて上型UM及び下型LMを型締めする。このとき、型締め機構35により下型LM及びポットブロック71が上昇し、ポットブロック71の上面が上型UMに接触したときポットブロック71の上昇が停止する。そして、型締め機構35により下型LMが更に上昇することにより、弾性部材74が圧縮されてポットブロック71が下型LMに接近し、張出し部71Aの下面が成形前基板Saのポット側端部に接触する。また、ポット側端部が接触しない成形前基板Saの端部に、上型UMの下面が接触する(型締め工程)。
【0056】
次に、下型LMに収容された樹脂タブレットTが溶融した溶融樹脂Taを、制御部6により駆動力が制御されたトランスファ機構72により、上型キャビティMCa、下型キャビティMCbに注入する。これにより成形前基板Saは両面成形される(成形工程。図2参照)。樹脂成形後、下型LMを下方に移動させて成形型Cの型開きを行う。この型開き動作中に、ポットブロック71のカル部71b、ランナ71c及びゲート71dなどに形成される不要樹脂を、両面成形された成形前基板Saから分離する動作(ゲートブレイク動作)が行われ、成形済基板Sbと不要樹脂とが分離される。そして、成形済基板Sbを下型LM及び上型UMから離型させてアンローダ42により基板収容部46に収容する(図1参照)。この樹脂成形装置30にてパッケージ基板(成形済基板Sb)を製造した後、切断装置によって、このパッケージ基板が穴Hを含む不要な部分を取り除くように切断され(個片化され)、形成された切断品が品質検査を経た上で電子部品として用いられる。
【0057】
このように、本実施形態の樹脂成形装置30は位置調整機構20を備えており、透過式センサ23が常時離型フィルムFのエッジFaの検出を行っているので、もし離型フィルムFの送出ロール11aを交換したり、離型フィルムFの張力変更等を行ったりした結果、下型LMの型面に対する離型フィルムFの位置がずれてしまった場合であっても、制御部6が位置調整機構20の第1ローラ21と第2ローラ22とを傾斜させて位置調整を行い、離型フィルムFのエッジFaが基準位置に戻るように制御する。このように、離型フィルムFの位置調整を行うことにより、離型フィルムFを下型LMの所定位置に常に供給することができる。
【0058】
〔別実施形態〕
以下、上述した実施形態の別実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同様の部材については、理解を容易にするため、同一の用語、符号を用いて説明する。
【0059】
<1>上述した実施形態では、下型LMに離型フィルムFを吸着させたが、上型UMに離型フィルムFを吸着させてもよいし、上型UM及び下型LMに離型フィルムFを吸着させてもよい。上型UMに離型フィルムFを吸着させる場合、上述した実施形態のエジェクタピン83は不要となる。また、上型UMに供給される離型フィルムFに対する位置調整機構20は別途設けることが好ましい。
【0060】
<2>上述した実施形態では、下型LMの下型キャビティブロック70に下型キャビティMCbを形成したが、成形前基板Saの下面を樹脂封止する必要の無い場合は、下型キャビティMCbは無くてもよい。この場合、上型UMに対向する片面(成形前基板Saの上面)のみが樹脂成形されるが、下型LMの汚れを防止するために、下型LMに離型フィルムFを供給することが好ましく、その場合、位置調整機構20を設けることが好ましい。
【0061】
<3>上述した実施形態では、下型LMに成形前基板Saを供給する例を示したが、上型UMに成形前基板Saを供給してもよい。この場合、上型UMの側にポットブロック71を形成し、ポットブロック71の張出し部71Aの上面と上型UMの型面との間に成形前基板Saを挟み込むようにすることが好ましい。この場合には、上型UMが第1型の一例となり、下型LMが第2型の一例となる。
【0062】
<4>上述した実施形態では、樹脂注入機構7はエッジゲート方式であったが、サイドゲート方式であってもよい。
【0063】
<5>上述した実施形態では、透過式センサ23として超音波式を用いたが、離型フィルムが光を透過しない材料で構成されている場合には、透過式センサとして、例えば透過式光電センサを用いてもよい。また、上述した実施形態では、透過式センサを用いたが、反射式センサを用いて離型フィルムFのエッジFaを検出するように構成してもよい。離型フィルムFのエッジFaを適切に検出できるのであれば、センサの種類や検出方式は問わない。
【0064】
<6>上述した実施形態では、透過式センサ23は、搬送方向Vに対して第2ローラ22の直後に配置されていたがこれに限られるものではない。透過式センサ23は、搬送方向Vに対して成形型Cの直前に配置されていてもよいし、成形型Cの直後に配置されていてもよいし、送出機構11とローラ支持部24との間に配置されていてもよい。位置調整機構20で離型フィルムFの位置調整を行うことにより、離型フィルムFを下型LMの所定位置に供給することができるのであれば、透過式センサ23は任意の位置に配置することができる。
【0065】
<7>上述した実施形態では、位置調整機構20において第1ローラ21と第2ローラ22の二つの柱状ローラを配置していたが、離型フィルムFのエッジFaの位置調整が可能であれば、柱状ローラは第1ローラ21と第2ローラ22のいずれか一方だけを配置するように構成されてもよい。
【0066】
<8>上述した実施形態における樹脂成形装置30にて樹脂成形される成形前基板Saは、たとえば、半導体製基板(シリコンウェハ等)、金属製基板(リードフレーム等)、ガラス製基板、セラミック製基板、樹脂製基板又は配線基板である。
【0067】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上述の実施形態において説明した樹脂成形装置30及び樹脂成形品(成形済基板Sb)の製造方法の概要について説明する。
【0068】
(1)樹脂成形装置30の特徴構成は、ポットブロック71を含む第1型(下型LM及び上型UMの一方)と、第1型(下型LM及び上型UMの一方)と対向して配置された第2型(下型LM及び上型UMの他方)とを有する成形型Cと、成形型Cを型締めする型締め機構35と、第1型(下型LM及び上型UMの一方)に供給される離型フィルムFのエッジFaの位置を調整する位置調整機構20と、位置調整機構20の作動を制御する制御部6と、を備え、位置調整機構20は、離型フィルムFを搬送する柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)と、離型フィルムFのエッジFaの位置を検出するセンサ(透過式センサ23)と、を含み、制御部6は、センサ(透過式センサ23)による離型フィルムFのエッジFaの位置の検出結果に基づいて、柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を離型フィルムFの搬送方向Vを軸にして傾ける制御を実行可能な点にある。
【0069】
本特徴構成に係る樹脂成形装置30は、制御部6と位置調整機構20を備えている。位置調整機構20は、離型フィルムFのエッジFaの位置を検出するセンサ(透過式センサ23)を含んでおり、制御部6は、センサ(透過式センサ23)による離型フィルムFのエッジFaの位置の検出結果に基づいて、柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を離型フィルムFの搬送方向Vを軸にして傾ける制御を実行可能である。そのため、離型フィルムFのエッジFaの位置調整を行うことができる。
【0070】
(2)上記(1)に記載の樹脂成形装置30において、位置調整機構20は複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)を有しており、センサ(透過式センサ23)は、離型フィルムFの搬送方向Vにおける複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)の直後に配置されていてもよい。
【0071】
本構成であれば、センサ(透過式センサ23)は、離型フィルムFの搬送方向Vにおける複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)の直後に配置されている。そのため、複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)を離型フィルムFの搬送方向Vを軸にして傾ける制御を実行した結果をすぐにセンサ(透過式センサ23)で検出でき、制御部6は、きめ細かい制御を行うことができる。
【0072】
(3)上記(2)に記載の樹脂成形装置30において、複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)は、ローラ支持部24に支持されており、ローラ支持部24は駆動源(モータ25)に接続されており、制御部6は、駆動源(モータ25)を駆動させてローラ支持部24を傾けることにより、複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)を傾けてもよい。
【0073】
本構成であれば、ローラ支持部24を傾けるだけで複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)を傾けることができるので、複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)のそれぞれに対して傾けるための機構を設ける必要がない。また、複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)がローラ支持部24に支持されているので、複数の柱状ローラ(第1ローラ21、第2ローラ22)の作動を常に連動させることができる。
【0074】
(4)上記(1)から(3)のいずれか一つに記載の樹脂成形装置30において、制御部6は、下型LMからなる第1型(下型LM)に供給された離型フィルムFのエッジFaが、ポットブロック71の張出し部71Aの下に位置するように柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を傾けてもよい。
【0075】
本構成であれば、第1型(下型LM)に供給された離型フィルムFのエッジFaが、ポットブロック71の張出し部71Aの下に位置するように柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)が傾けられることにより、溶融樹脂Taは下型LMの型面の離型フィルムFの上だけに供給される。したがって、成形時に下型LMの型面に溶融樹脂Taが付着することがない。
【0076】
(5)上記(1)から(4)のいずれか一つに記載の樹脂成形装置30において、第1型(下型LM及び上型UMの一方)とはポットブロック71に隣接するキャビティブロック(下型キャビティブロック70又は上型キャビティブロック80)を更に含み、キャビティブロック(下型キャビティブロック70又は上型キャビティブロック80)は、成形対象物(成形前基板Sa)を保持する吸引孔(基板吸引孔77a)を有し、制御部6は、第1型(下型LM及び上型UMの一方)に供給された離型フィルムFのエッジFaが、ポットブロック71及びキャビティブロック(下型キャビティブロック70又は上型キャビティブロック80)の境界Bと吸引孔(基板吸引孔77a)との間に位置するように柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を傾けてもよい。
【0077】
本構成であれば、制御部6は、第1型(下型LM又は上型UM)に供給された離型フィルムFのエッジFaが、ポットブロック71及びキャビティブロック(下型キャビティブロック70又は上型キャビティブロック80)の境界Bと吸引孔(基板吸引孔77a)との間に位置するように柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を傾ける制御を行うので、成形時に溶融樹脂Taが吸引孔(基板吸引孔77a)に流入することがない。
【0078】
(6)上記(1)から(5)のいずれか一つに記載の樹脂成形装置30において、離型フィルムFを第1型(下型LM及び上型UMの一方)に向けて送り出す送出ロール11aを含む送出機構11を更に備え、位置調整機構20は、送出機構11と第1型(下型LM及び上型UMの一方)との間に配置されていてもよい。
【0079】
本構成であれば、位置調整機構20が送出機構11と第1型(下型LM又は上型UM)との間に配置されているので、離型フィルムFの位置調整を行った上で、離型フィルムFを第1型(下型LM又は上型UM)に供給することができる。
【0080】
(7)上記(1)から(6)のいずれか一つに記載の樹脂成形装置30において、位置調整機構20が二つ備えられており、二つの位置調整機構20は鉛直方向で異なる高さに配置されていてもよい。
【0081】
二つの離型フィルムFが近接している場合には、二つの位置調整機構20も近接することとなり、一方の位置調整機構20の柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を離型フィルムFの搬送方向Vを軸にして僅かに傾けただけでも、他方の位置調整機構20に接触するおそれがあり、柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を大きく傾けることができない。しかし、本構成であれば、二つの位置調整機構20を鉛直方向で異なる高さに配置しているため、一方の位置調整機構20の柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を傾斜させたときに他方の位置調整機構20の柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)に接触することを防止すると共に、柱状ローラ(第1ローラ21及び/又は第2ローラ22)を大きく傾けることができる。
【0082】
(8)上記(1)から(7)のいずれか一つに記載の樹脂成形装置30を用いた樹脂成形品(成形済基板Sb)の製造方法の特徴は、第1型(下型LM及び上型UMの一方)と第2型(下型LM及び上型UMの他方)との間に離型フィルムFを供給するフィルム供給工程と、型締め機構35により成形型Cを型締めする型締め工程と、成形型Cに成形対象物(成形前基板Sa)及び樹脂材料(溶融樹脂Ta)を供給して樹脂成形を行う成形工程と、を含む点にある。
【0083】
本特徴を有する樹脂成形品(成形済基板Sb)の製造方法においては、フィルム供給工程で離型フィルムFを第1型(下型LM及び上型UMの一方)と第2型(下型LM及び上型UMの他方)との間に供給した後、型締め工程で型締め機構35により成形型Cを型締めする。そして、成形工程で成形型Cに成形対象物(成形前基板Sa)及び樹脂材料(溶融樹脂Ta)を供給して樹脂成形を行うことにより、成形型Cを用いて樹脂成形品(成形済基板Sb)を製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
6 :制御部
11 :送出機構
11a :送出ロール
20 :位置調整機構
21 :第1ローラ(柱状ローラ)
22 :第2ローラ(柱状ローラ)
23 :透過式センサ(センサ)
24 :ローラ支持部
25 :モータ(駆動源)
30 :樹脂成形装置
35 :型締め機構
70 :下型キャビティブロック(キャビティブロック)
71 :ポットブロック
77 :吸引孔
77a :基板吸引孔(吸引孔)
80 :上型キャビティブロック(キャビティブロック)
B :境界
C :成形型
F :離型フィルム
LM :下型(第1型、第2型)
M :成形型本体
MC :キャビティ
Sa :成形前基板(成形対象物)
Sb :成形済基板(樹脂成形品)
T :樹脂タブレット(樹脂材料)
Ta :溶融樹脂(樹脂材料)
UM :上型(第1型、第2型)
V :搬送方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポットブロックを含む第1型と、前記第1型と対向して配置された第2型とを有する成形型と、
前記成形型を型締めする型締め機構と、
前記第1型に供給される離型フィルムのエッジの位置を調整する位置調整機構と、
前記位置調整機構の作動を制御する制御部と、を備え、
前記位置調整機構は、前記離型フィルムを搬送する柱状ローラと、前記離型フィルムの前記エッジの位置を検出するセンサと、を含み、
前記制御部は、前記センサによる前記離型フィルムの前記エッジの前記位置の検出結果に基づいて、前記柱状ローラを前記離型フィルムの搬送方向を軸にして傾ける制御を実行可能である樹脂成形装置。
【請求項2】
前記位置調整機構は複数の前記柱状ローラを有しており、
前記センサは、前記離型フィルムの搬送方向における複数の前記柱状ローラの直後に配置されている請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項3】
複数の前記柱状ローラは、ローラ支持部に支持されており、
前記ローラ支持部は駆動源に接続されており、
前記制御部は、前記駆動源を駆動させて前記ローラ支持部を傾けることにより、複数の前記柱状ローラを傾ける請求項2に記載の樹脂成形装置。
【請求項4】
前記制御部は、下型からなる前記第1型に供給された前記離型フィルムの前記エッジが、前記ポットブロックの張出し部の下に位置するように前記柱状ローラを傾ける請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項5】
前記第1型は前記ポットブロックに隣接するキャビティブロックを更に含み、
前記キャビティブロックは、成形対象物を保持する吸引孔を有し、
前記制御部は、前記第1型に供給された前記離型フィルムの前記エッジが、前記ポットブロック及び前記キャビティブロックの境界と前記吸引孔との間に位置するように前記柱状ローラを傾ける請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項6】
前記離型フィルムを前記第1型に向けて送り出す送出ロールを含む送出機構を更に備え、
前記位置調整機構は、前記送出機構と前記第1型との間に配置されている請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項7】
前記位置調整機構が二つ備えられており、
二つの前記位置調整機構は鉛直方向で異なる高さに配置されている請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の樹脂成形装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
前記第1型と前記第2型との間に前記離型フィルムを供給するフィルム供給工程と、
前記型締め機構により前記成形型を型締めする型締め工程と、
前記成形型に成形対象物及び樹脂材料を供給して樹脂成形を行う成形工程と、を含む樹脂成形品の製造方法。