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特開2024-104694詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104694
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/12 20060101AFI20240729BHJP
   B65D 47/40 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
B65D47/12 100
B65D47/12 BRG
B65D47/40 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009045
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森谷 始旦
(72)【発明者】
【氏名】井田 厚
(72)【発明者】
【氏名】保坂 明弘
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AB09
3E084DB13
3E084EA03
3E084EB02
3E084EC03
3E084EC04
3E084EC05
3E084FA09
3E084FC07
3E084GA08
3E084HA07
3E084HB04
3E084HC10
3E084HD04
3E084JA08
3E084KA20
3E084LB02
3E084LC01
3E084LF09
(57)【要約】
【課題】詰め替え時の操作の容易性及び安定性に優れるとともに、残った内容物が周囲に漏れ出るのを回避できる詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器を提供すること。
【解決手段】本発明の詰替え容器用栓体は、栓本体10とこれに着脱可能に装着される栓蓋20とからなる。栓本体10は、流出筒11と、筒状外壁13と、装着筒15とを備えており、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分において天面盤12に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口16を備えている。栓蓋20は、閉塞板部23の底面部分23aに、栓蓋20が栓本体10の装着筒15から外れた後に、反転した状態で装着筒15に重ね合わされた際に、挿通仕切り壁18に当接して、装着筒15と栓蓋20との間に隙間を保持可能とする、当接リブ24が突出して設けられている。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための、詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体であって、
前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、該栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなり、
前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されると共に該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されると共に前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えており、
前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えると共に、各々の挿通口の外側周縁部分から前記流出開口よりも流出方向内側に延在する、挿通仕切り壁を備えており、
前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分から立設する押込み凸部とを備えると共に、該閉塞板部における押込み凸部が立設する側とは反対側の底面部分に、前記栓蓋が前記栓本体の前記装着筒から外れた後に、反転した状態で前記装着筒に重ね合わされた際に、前記挿通仕切り壁に当接して、前記装着筒と前記栓蓋との間に隙間を保持可能とする、当接リブが突出して設けられており、
前記押込み凸部を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓蓋が前記栓本体に装着されている、詰替え容器用栓体。
【請求項2】
前記当接リブは、閉塞板部における押込み凸部が立設する側とは反対側の底面部分の中央部を横断するようにして設けられた、中央部当接リブを含んでいる、請求項1記載の詰替え容器用栓体。
【請求項3】
前記閉塞板部における前記押込み凸部が立設する側とは反対側の底面部分には、前記中央部当接リブを挟んだ両側に、各々、補助当接リブが突出して設けられている、請求項2記載の詰替え容器用栓体。
【請求項4】
前記装着壁面部が、前記押込み凸部が立設する側に立設していることで、前記閉塞板部の前記押込み凸部が立設する側には、前記装着壁面部によって囲まれる受け皿状凹部が形成されており、該受け皿状凹部の中央部分から前記押込み凸部が立設する側に立設して、筒状凸部が、前記装着壁面部と同心状に配置されて設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
【請求項5】
前記筒状凸部が、間隔をおいて同心状に配置されて複数設けられている、請求項4に記載の詰替え容器用栓体。
【請求項6】
前記筒状外壁の内周面に、前記被詰替え容器の口首部の外周面に形成された雄ネジ凸条と螺合する、雌ネジ凸条が形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
【請求項7】
口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための詰替え容器であって、
前記詰替え容器は、詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体を具備しており、
前記詰替え容器用栓体は、前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、該栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなり、
前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されると共に該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されると共に前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えており、
前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えると共に、各々の挿通口の外側周縁部分から前記流出開口よりも流出方向内側に延在する、挿通仕切り壁を備えており、
前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分から立設する押込み凸部とを備えると共に、該閉塞板部における押込み凸部が立設する側とは反対側の底面部分に、前記栓蓋が前記栓本体の前記装着筒から外れた後に、反転した状態で前記装着筒に重ね合わされた際に、前記挿通仕切り壁に当接して、前記装着筒と前記栓蓋との間に隙間を保持可能とする、当接リブが突出して設けられており、
前記押込み凸部を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓蓋が前記栓本体に装着されている、詰替え容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体洗剤やシャンプー等の内容物を収容する容器は、内容物を詰め替えることで繰り返し使用されることが一般的である。この内容物の容器である被詰替え容器は、詰替え容器から内容物を詰め替える操作を行うことによって、長期間、使用される。
【0003】
詰替え容器による内容物の詰替え操作は、該詰替え容器における内容物の流出口を備えた口首部と、被詰替え容器の口首部とを連通させて行われる。斯かる詰替え操作を容易にする観点から、本出願人は、先に、詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体を提案している(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1の詰替え容器用栓体は、流出筒と装着筒とを備えた栓本体、及び装着筒の内周面に密着する装着壁面部と閉塞板部と押込み凸部とを備えた栓蓋を具備し、該押込み凸部を、流出開口の開口周縁部から前記流出筒の径方向外側まで切欠き形成された挿通口を介して流出方向外側に突出させ、且つ前記押込み凸部の先端面の一部を、前記流出筒の外周面よりも径方向外側に配置した状態で、前記栓蓋が前記栓本体に装着されている。
【0004】
特許文献2の詰替え容器用栓体は、流出筒と筒状外壁と装着筒とを備えた栓本体、及び該装着筒の内周面に密着する装着壁面部と閉塞板部と押込み凸部とを備えた栓蓋を具備し、該押込み凸部を前記栓本体の天面板から流出方向外側に突出させ、且つ該押込み凸部の先端面の一部を、前記流出筒の外周面よりも径方向外側に配置することで、前記栓蓋が前記栓本体に装着されるものであり、前記押込み凸部が押し出された後の挿通口及び外気連通口を介して、詰替え時の空気置換が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6183846号公報
【特許文献2】特許第6183847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内容物の詰替え操作では、詰替え容器の口首部を下方に向け、該詰替え容器を倒立状態にする。倒立状態で詰替える場合、一般的に、詰替え容器及び被詰替え容器の口首部どうしの位置を合わせるのに手間が掛かるとともに、詰替え容器及び被詰替え容器が倒れるのを防ぐため、これら双方の容器を一体として支えておく必要が生じる。また、詰替え容器を倒立状態にして内容物を詰め替える場合、詰替え操作によって栓本体の流出開口から外れて脱離した栓蓋は、例えば詰替え容器に収容された内容物の中に混在することになるが、詰め替えが進んで収容された内容物の残量が少なくなると、流出開口まで栓蓋が戻ってくることで流出開口を再び閉塞して、多くの内容物が容器の内部に残ったままの状態となり、詰め替えが終わって詰替え容器を被詰替え容器から取り外す際に、残った内容物が周囲に漏れ出ることが考えられる。
【0007】
特に、押込み凸部を流出方向に向けて栓本体に装着されていた栓蓋が、180度反転した状態で流出開口まで戻ってくると、装着筒内側の開口への流路を確保することができなくなると考えられることから、上述のような事態がより顕著に生じ易くなる。
【0008】
本発明は、詰め替え時の操作の容易性及び安定性に優れるとともに、多くの内容物が容器の内部に残ったままの状態となったり、詰め替えが終わって詰替え容器を被詰替え容器から取り外す際に、残った内容物が周囲に漏れ出たりするのを、回避することのできる、詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための、詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体に関する。
前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、該栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されると共に該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されると共に前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えていることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えると共に、各々の挿通口の外側周縁部分から前記流出開口よりも流出方向内側に延在する、挿通仕切り壁を備えていることが好ましい。
前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分から立設する押込み凸部とを備えると共に、該閉塞板部における押込み凸部が立設する側とは反対側の底面部分に、前記栓蓋が前記栓本体の前記装着筒から外れた後に、反転した状態で前記装着筒に重ね合わされた際に、前記挿通仕切り壁に当接して、前記装着筒と前記栓蓋との間に隙間を保持可能とする、当接リブが突出して設けられていることが好ましい。
前記押込み凸部を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓蓋が前記栓本体に装着されていることが好ましい。
【0010】
また本発明は、口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための詰替え容器に関する。
前記詰替え容器は、詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体を具備していることが好ましい。
前記詰替え容器用栓体は、前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、該栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されると共に該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されると共に前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えていることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えると共に、各々の挿通口の外側周縁部分から前記流出開口よりも流出方向内側に延在する、挿通仕切り壁を備えていることが好ましい。
前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分から立設する押込み凸部とを備えると共に、該閉塞板部における押込み凸部が立設する側とは反対側の底面部分に、前記栓蓋が前記栓本体の前記装着筒から外れた後に、反転した状態で前記装着筒に重ね合わされた際に、前記挿通仕切り壁に当接して、前記装着筒と前記栓蓋との間に隙間を保持可能とする、当接リブが突出して設けられていることが好ましい。
前記押込み凸部を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓蓋が前記栓本体に装着されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器によれば、詰め替え時の操作の容易性及び安定性に優れるとともに、多くの内容物が容器の内部に残ったままの状態となったり、詰め替えが終わって詰替え容器を被詰替え容器から取り外す際に、残った内容物が周囲に漏れ出たりするのを、回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明に係る詰替え容器の一実施形態を示す側面図である。
図2図2は、図1の詰替え容器における口首部と、該口首部の流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体とを示す、流出方向に沿う断面図である。
図3図3は、図2の詰替え容器用栓体を流出方向外側から視た斜視図である。
図4図4は、図3の詰替え容器用栓体が具備する栓蓋を流出方向外側から視た斜視図である。
図5図5は、図4に示す押込み凸部の流出方向に沿う拡大断面図である。
図6図6は、図4に示す栓蓋を流出方向内側から視た斜視図である。
図7図7は、図3に示す栓本体を流出方向外側から視た破断斜視図である。
図8図8は、図7に示す栓本体の流出方向に沿う断面図である。
図9図9は、図7に示す栓本体を流出方向内側から視た斜視図である。
図10図10は、図7に示す栓本体を流出方向内側から視た断面斜視図である。
図11図11は、図2に示す栓体の挿通口近傍を示す拡大断面図である。
図12図12は、図1に示す詰替え容器を用いて、被詰替え容器に内容物を詰め替える詰替え操作を説明するための斜視図及び断面斜視図である。
図13図13は、押し出し中の栓蓋における挿通口近傍の拡大断面図である。
図14図14は、押込み凸部が挿通口から脱離する直前の状態を示す挿通口近傍の拡大断面図である。
図15図15(a)は、栓蓋が装着筒から外れた後に反転した状態で装着筒に重ね合わされた状態を説明する破断斜視図、図15(b)は断面図である。
図16図16は、当接リブの他の形態を例示する栓蓋を流出方向内側から視た斜視図である。
図17図17(a)、(b)は、詰め替えが進んだ際に栓蓋によって流出開口が再び閉塞するのを防止する他の手段を例示する断面図、図17(c)は、図17(b)のA-Aに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の詰替え容器の一実施形態が示されている。本実施形態の詰替え容器5は、内部に化粧水、乳液等の内容物を収容しており、被詰替え容器に内容物を詰め替えるための詰替え容器である。
【0014】
本実施形態の詰替え容器5は、薄肉のボトル形状の容器であり、底部を有する胴部2と、内容物を吐出する詰替え流出口を有する口首部4と、該口首部4と該胴部2との間に位置する肩部3とを具備している。図1に示す詰替え容器5は、胴部2の底部を水平面に接地して自立させた自立状態となっている。斯かる状態において、口首部4は鉛直方向の上方に位置しており、胴部2の底部と対向配置されている。口首部4は、内容物を外部に流出する際の流路を内部に有する筒状の部分であり、中心軸方向の両端に開口を有している。口首部4において、その中心軸方向における一方の開口が、内容物を外部に流出させる詰替え流出口となっている。口首部4の内部は、該口首部4の他方の開口を介して肩部3の内部と連通している。図1に示すように詰替え容器5を自立させた自立状態において、肩部3は、鉛直方向の上方側の中央が開口しており、該開口の周縁から水平方向に拡がりつつ下降する円錐台状の形状を有している。また、当該自立状態において、胴部2は、肩部3の下端周縁全域から下方に垂下した円筒状の周壁部と、該周壁部の下端に位置する底部とを有している。詰替え容器5は、肩部3及び胴部2によって画成された内部空間を有し、該内部空間に化粧水、乳液等の内容物が収容される。
【0015】
本実施形態の詰替え容器5は、その中心軸方向が、該容器5から内容物を外部へ流出させるときの内容物の流出方向Vと一致している。図1に示す自立状態では、鉛直方向Zと詰替え容器5における内容物の流出方向Vとが一致している。本明細書において内容物の流出方向Vを、以下、単に「流出方向V」ともいう。この流出方向Vの外側を「先端側」ともいい、流出方向Vの内側を「末端側」ともいう。
【0016】
本実施形態の詰替え容器5は、口首部4における詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体1(以下、単に「栓体1」ともいう。)を具備している。本実施形態の栓体1は、口首部4の詰替え流出口を封止した状態で、該口首部4に固定されており、詰替え操作を行う際に、詰替え容器5の口首部4(以下、「詰替え口首部4」ともいう)と、被詰替え容器6の口首部7(以下、「被詰替え口首部7」ともいう)とを結合することで、詰替え流出口を被詰替え口首部7に連通させる機能を備えている。斯かる詰替え操作の詳細は後述する。
【0017】
栓体1は、図2に示すように、詰替え口首部4における詰替え流出口の開口周縁部分4aに接合固定される栓本体10と、該栓本体10に着脱可能に装着される栓蓋20とからなる。栓体1は、栓本体10に栓蓋20が装着された状態で、詰替え口首部4に取り付けられている。以下、「詰替え口首部4における詰替え流出口の開口周縁部分」を「流出口周縁部分4a」ともいう。
【0018】
栓蓋20は、図4に示すように、閉塞板部23と、該閉塞板部23の周縁部分から流出方向Vの外側に突出する筒状の装着壁面部27と、該閉塞板部23の周縁部分から流出方向Vの外側に立設する押込み凸部26とを備えている。本実施形態の栓蓋20は、閉塞板部23の周縁部分に装着壁面部27が形成されているため、押込み凸部26は、装着壁面部27から流出方向Vの外側に向かって突出している(図2参照)。この押込み凸部26は、装着壁面部27に立設された柱状の部分をなしている。装着壁面部27は、閉塞板部23と同じ外径を有している。
【0019】
栓蓋20は、少なくとも2箇所の押込み凸部26を備えている。本実施形態の栓蓋20は、図4に示すように、4個の押込み凸部26a,26bを有している。具体的には、栓蓋20は、同じ形状を有し且つ該栓蓋20の径方向に対向する一対の押込み凸部を2組有している。一方の一対の押込み凸部26a,26aと、他方の一対の押込み凸部26b,26bとは、形状が一部異なっている。一方の一対の押込み凸部26a,26aは、先端部分に開口部を有しており、他方の一対の押込み凸部26b,26bは、先端部分に開口部を有していない(図4参照)。このように、本実施形態の栓蓋20は、少なくとも2種の異なる形状の押込み凸部26a,26bを有しており、同じ形状の一対の押込み凸部26,26が、栓蓋20の径方向に対向している。斯かる構成により、栓蓋20を栓本体10に装着した状態において、挿通口16に押込み凸部26を挿入した状態の液漏れの防止性をより確実に確保できるとともに、後述する詰替え操作において栓本体10から栓蓋20を脱離させる際に押込み凸部26をバランス良く押し込めるので、開封操作がより容易となる。
栓蓋20が備える押込み凸部26の個数は少なくとも2個であるが、特に限定されず、本実施形態のように4個でもよい。
【0020】
本実施形態の一方の一対の押込み凸部26a,26a及び他方の一対の押込み凸部26b,26bは、先端部分における開口部の有無の点以外は、同じ形状を有している。また、これら一方の一対の押込み凸部26a,26a及び他方の一対の押込み凸部26b,26bは、先端部分以外は、同じ大きさを有している。前記の液漏れ防止性と開封操作の容易性とをより両立させる観点、及び押込み凸部26の成形性の観点から、少なくとも2種の異なる形状の押込み凸部26a,26bは、先端部分の形状及び大きさの少なくとも一方が異なっていることが好ましい。
また、径方向に対向した一対の押込み凸部26が複数組あり、複数組間で押込み凸部26の大きさが異なっている場合、大きさが相対的に大きい一対の押込み凸部26が栓蓋20の押し上げに寄与する。一方、大きさが相対的に小さい一対の押込み凸部26が栓蓋20の押し上げを、流出方向Vに対して平行となるように補助することに寄与する。これにより、詰替え操作において内容物の外部への漏れをより効果的に抑制できる。
【0021】
図5には、本実施形態の押込み凸部26の流出方向Vに沿う断面が示されている。図5に示す断面構造は、上述した一方の一対の押込み凸部26a,26aと他方の一対の押込み凸部26b,26bとで共通している。
本実施形態の各押込み凸部26は、先端部分を形成する先端縮径部61と、装着壁面部27側の基端部分を形成する基端大径部63と、流出方向Vにおける先端縮径部61と基端大径部63との間に位置する中間中径部62とを有している。押込み凸部26において、先端縮径部61が最小外径となっており、基端大径部63が最大外径となっている。中間中径部62の外径は、先端縮径部61の外径よりも大きく、基端大径部63の外径よりも小さい。すなわち、本実施形態の押込み凸部26を流出方向Vに沿ってみたとき、基端側から先端側に向かって、段階的に外径が小さくなっている。
【0022】
本実施形態の装着壁面部27は、流出方向V内方側の外面に、すなわち押込み凸部26とは離れた側(反対側)の外周面に、径方向外方に膨出する壁面膨出部27aを有している(図5参照)。壁面膨出部27aは、図6に示すように、装着壁面部27の外周面に沿って環状に形成されている。
また本実施形態の装着壁面部27は、流出方向V内側に開口した環状の壁面内凹部28を有している(図5及び図6参照)。斯かる装着壁面部27は、流出方向V内方側の部分が該壁面内凹部28を間に挟む二重構造となっている。斯かる構成により、後述する詰替え操作において栓蓋20を押し出すとき、装着壁面部27における壁面内凹部28の外側部分が径方向内方に撓り易くなり、栓蓋20の押し出し操作をより容易にする。
壁面内凹部28は、壁面膨出部27aと流出方向Vに重なっている。これにより、装着壁面部27と装着筒15の内周面との密着をより容易に解除できる。
【0023】
本実施形態の栓蓋20は、閉塞板部23の流出方向V内方側の面である、閉塞板部23における押込み凸部26が立設する側とは反対側の底面部分23aに、当接リブ24が突出して設けられている。当接リブ24は、後述するように、栓蓋20が栓本体10の装着筒15から外れた後に、反転した状態で装着筒15に重ね合わされた際に、挿通仕切り壁18に当接して、装着筒15と栓蓋20との間に隙間を保持可能とする〔図15(a)、(b)参照〕。本実施形態では、当接リブ24は、好ましくは閉塞板部23の中央部を径方向に横断するようにして設けられた、中央部当接リブ24aとなっている(図6参照)。閉塞板部23の流出方向V内方側の面は、押込み凸部26が立設する側とは反対側の面であり、閉塞板部23の底面部分23aを形成している。当接リブ24(中央部当接リブ24a)は、閉塞板部23の底面部分23aから流出方向V内方側に突出しており、閉塞板部23の中央部分を通って、該当接リブ24の両端が該閉塞板部23の底面部分23aの周縁(輪郭)上にある2点を結ぶように、直線状の形状を有している。中央部当接リブ24aの両端が位置する前記底面部分23aの周縁(輪郭)上の2点間において、該中央部当接リブ24aは連続的に形成されていてもよく、間欠的に形成されていてもよい。
【0024】
また当接リブ24は、好ましくは装着筒15の先端と挿通仕切り壁18との閉塞板部23からの突出高さの差h(図8参照)を、超える高さで閉塞板部23の底面部分23aから突出するように設けられている。これによって、後述する詰替え操作により、栓本体10から外れて脱離した栓蓋20が、例えば180度反転して流出開口11aに底面部分23aを向けた状態で、装着筒15に重ね合わされて、当該底面部分23aによって流出開口11aを覆ってしまった場合でも〔図15(a)、(b)参照〕、当接リブ24が挿通仕切り壁18の先端に当接して、装着筒15と栓蓋20の閉塞板部23の底面部分23aとの間に隙間を保持することを可能にして、保持された隙間を介して、内容物を、詰替え口首部4から流出開口11aを経て被詰替え口首部7に流入させて、引き続き被詰替え容器6に詰替えることが可能となる。
当接リブ24による隙間をより確実に確保して、内容物の詰め替えをより円滑化する観点から、前記突出高さの差h(図8参照)は、好ましくは0.5mm以上5mm以下、より好ましくは1mm以上3mm以下である。
【0025】
また、本実施形態の栓蓋20は、装着壁面部27が、押込み凸部26が立設する側に立設している。この栓蓋20の流出方向V外方側には、装着壁面部27によって囲まれる受け皿状凹部25が形成されている。栓蓋20の流出方向V外方側は、閉塞板部23における押込み凸部26が立設する側である。以下、受け皿状凹部25の流出方向V外方側の面を、単に「上面」ともいう。受け皿状凹部25の上面には、該受け皿状凹部25の中央部分から、押込み凸部26が立設する側に立設して、内側筒状凸部21と外側筒状凸部22とが設けられている(図2図4参照)。本実施形態においてこれら筒状凸部21,22(2リング)は、好ましくは間隔をおいて同心状に配置されて設けられており、装着壁面部27とも同心状に配置されて設けられている。本実施形態の栓蓋20の上面では、外側筒状凸部22が内側筒状凸部21を囲繞し、装着壁面部27が外側筒状凸部22を囲繞している。内側筒状凸部21と外側筒状凸部22とは、略同じ突出長さであり、装着壁面部27よりも突出長さが短くなっている。斯かる形態に代えて、内側筒状凸部21、外側筒状凸部22、及び装着壁面部27それぞれの突出長さが同じであってもよい。この場合、装着壁面部27の径方向内方に滞留した内容物をより保持し得る。
【0026】
栓本体10に栓蓋20が装着された状態において、内側筒状凸部21及び外側筒状凸部22は、流出筒11よりも栓本体10の径方向内方側に配される(図2及び図3参照)。
後述する詰替え操作によって、栓本体10から外れて脱離した栓蓋20が、例えば180度反転して、底面部分23aを下方に向けた状態で流出開口11aを覆うように配置された場合に(図15(a)、(b)参照)、装着壁面部27によって囲まれる受け皿状凹部25には、内容物が滞留した状態で保持されることになる。この受け皿状凹部25の内側に筒状凸部21,22が配置されていると、該筒状凸部21,22が干渉して、受け皿状凹部25内に内容物が滞留することを抑制できる。また、受け皿状凹部25内に内容物が溜まったとしても、装着壁面部27の内面、内側筒状凸部21又は外側筒状凸部22の周面の表面張力によって、滞留した内容物を強固に保持することが可能になる。これにより、栓体1を介した詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合を解除したときに、栓蓋20が動いたり傾いたりしても、栓蓋20の受け皿状凹部25に残った内容物がこぼれ落ちることを、効果的に回避できる。
【0027】
栓本体10は、図3図7及び図8に示すように、天面盤12と、該天面盤12に開口形成された流出開口11aとを備えている。栓本体10は、流出開口11aを囲んで天面盤12から流出方向V外側に突出する流出筒11と、該流出筒11と同心状に配置されるとともに該流出筒11を囲んで天面盤12から流出方向V外側に突出する筒状外壁13とを備えている。換言すると、流出筒11は流出開口11aの周縁を囲むように形成されており、筒状外壁13は流出筒11を囲繞している。
【0028】
流出筒11と筒状外壁13とは、流出方向Vの内側の端部が天面盤12に連設されており、該天面盤12は流出筒11と筒状外壁13との間に位置している。
筒状外壁13は、被詰替え口首部7の外径に対応する内径を備えている。この筒状外壁13に関し「被詰替え口首部7の外径に対応する内径」とは、筒状外壁13の内径が、被詰替え口首部7の外径と略同様であることを意味する(図12参照)。本実施形態の筒状外壁13の内周面には、被詰替え口首部7の外周面に形成された雄ネジ凸条と螺合する、雌ネジ凸条13aが形成されている。本実施形態においては、栓体1の筒状外壁13と被詰替え口首部7とが螺合することにより、栓体1を介して詰替え口首部4と被詰替え口首部7とが着脱自在に結合可能である。
【0029】
栓本体10は、図3図7及び図8に示すように、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分において天面盤12に開口形成された挿通口16を備えている。栓本体10は少なくとも2箇所の挿通口16を備えている。挿通口16は、栓蓋20の押込み凸部26が挿入される部分であり(図3参照)、天面盤12を貫通する貫通口である。
栓本体10は、天面盤12の径方向に対向する位置に形成された一対の挿通口16を備えていることが好ましい。これにより、後述する栓蓋20の押し出しをバランスよく行うことができる。本実施形態の栓本体10は、天面盤12の径方向に対向する一対の挿通口16を2組備えており、合計4箇所の挿通口16を備えている。栓本体10に栓蓋20が装着された状態においてこれら挿通口16に前述の4個の押込み凸部26が挿入される(図3参照)。
【0030】
本実施形態の栓本体10は、図8図10に示すように、天面盤12から流出方向V内側に突出する挿通仕切り壁18を有している。挿通仕切り壁18は、挿通口16の周縁部の一部が流出方向V内側に向かって突出した柱状の部分である(図9及び図10参照)。すなわち、挿通口16は、挿通仕切り壁18を介して栓本体10の流出開口11aよりも流出方向V内側に延在している。この挿通仕切り壁18により、挿通口16を介した内容物の流通よりも、該挿通口16を介した空気置換が容易となって、該内容物の詰替え充填をより効率的に行うことができる。
本実施形態の挿通仕切り壁18は、挿通口16の外側周縁部分における流出開口11a側の部分に沿って、当該外側周縁部分から流出開口11aよりも流出方向V内側に向かって延在して突出している。この挿通仕切り壁18は、栓本体10の径方向において流出開口11aと挿通口16との間に位置している。
【0031】
本実施形態の挿通仕切り壁18は、栓本体10に栓蓋20が装着された状態において、栓蓋20の閉塞板部23に当接するが、該挿通仕切り壁18は閉塞板部23に当接していなくともよい。閉塞板部23の上面に筒状凸部21,22が立設されている場合、後述する栓蓋20の押し出しを容易にする観点から、前記装着された状態において挿通仕切り壁18と当接しない位置に、筒状凸部21,22が立設されていることが好ましい。具体的には、筒状凸部21,22は、栓本体10に栓蓋20が装着された状態において、流出筒11よりも径方向内方の位置に立設されていることが好ましい。
【0032】
栓本体10は、図8図10に示すように、流出筒11と同心状に配置されるとともに流出開口11aを囲んで天面盤12から流出方向V内側に突出する装着筒15を備えている。本実施形態の装着筒15は、挿通仕切り壁18よりも流出方向Vの内側に突出している。装着筒15は、挿通口16よりも径方向外方に形成されている。すなわち、挿通仕切り壁18と装着筒15との間に、挿通口16が位置している。
【0033】
本実施形態の栓本体10は、装着筒15を囲んで天面盤12の周縁部から流出方向V内側に突出する外側装着筒14を備えている。装着筒15と該装着筒15を囲繞する外側装着筒14とは連設されており、装着筒15から径方向内方に向かって天面盤12が張り出した状態で連設されている。外側装着筒14は、内周面に径方向内方に突出する内方リブ14aを有している(図8参照)。内方リブ14aは、外側装着筒14の内周面に沿って環状に形成されている。
本実施形態の栓本体10は、流出方向V内側において、装着筒15及び外側装着筒14間に空間を有している。本実施形態の栓本体10は、装着筒15と外側装着筒14との間に、詰替え口首部4の流出口周縁部分4aを挿し込んだ状態で、該栓本体10を該流出口周縁部分4aに打ち込むことで、栓本体10と流出口周縁部分4aとを嵌合させる。これにより、栓本体10(栓体1)が詰替え口首部4に装着固定される。本実施形態の流出口周縁部分4aの外周面には、径方向外方に突出するリブ(図示せず)が形成されている。このリブが外側装着筒14の内方リブ14aと係合することで、栓本体10が詰替え口首部4に装着固定される(図2参照)。
栓体1の詰替え口首部4への装着固定は、嵌合形式に代えて、螺合形式であってもよい。
【0034】
図2及び図3に示すように、栓体1では、押込み凸部26の先端部分を、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分において挿通口16を介して天面盤12から流出方向V外側に突出させた状態で、栓蓋20が栓本体10に装着されている。栓蓋20において押込み凸部26は、栓本体10の挿通口16と対応する部分から立設している。すなわち、挿通口16と対応する部分に位置する押込み凸部26を、該挿通口16に挿入することで、栓蓋20を栓本体10に装着させる。
栓蓋20が栓本体10に装着された状態は、押込み凸部26が挿通口16に挿入され、挿通口16が閉塞された状態である。斯かる状態を以下、単に「装着状態」ともいう。
【0035】
本実施形態の押込み凸部26は、図11に示すように、装着状態において、先端部分をなす先端縮径部61が挿通口16よりも流出方向V外方に位置し、挿通口16に中間中径部62が挿入されている。また、基端大径部63は、天面盤12の流出方向V内方側の面と当接している。これにより、押込み凸部26が流出方向V外方側にこれ以上挿入されないように規制されている。斯かる押込み凸部26の流出方向V外方側への挿入は、挿通仕切り壁18と閉塞板部23との当接等、他の部分によって規制されていてもよい。
中間中径部62の水平断面形状が挿通口16の平面視形状と略一致している。また中間中径部62の水平断面の大きさと挿通口16の大きさとが略一致している。これにより、栓蓋20が栓本体10に装着された状態において挿通口16は中間中径部62によって閉塞される。
【0036】
本実施形態の押込み凸部26は、装着状態において、押込み凸部26は、挿通口16の内周面に部分的に圧着させた状態となっている。「圧着させた状態」とは、装着状態における押込み凸部26の一部が、該挿通口の内周面に向かって押し付けられている状態を意味する。斯かる押込み凸部26において挿通口16の内周面に圧着させられる部位は、装着状態において挿通口16の内周面と対向する部位の少なくとも一部である。
この押込み凸部26は、前記の圧着させた状態で該押込み凸部26の先端部分を、天面盤12から挿通口16を介して流出方向V外側に突出させている。
【0037】
装着状態において栓蓋20は、栓本体10の天面盤12に開口形成された流出開口11aを流出方向V内側から閉塞するとともに、押込み凸部26を挿入することによって挿通口16を流出方向V内側から閉塞する。
閉塞板部23は、装着筒15の中空断面形状と同様の平面形状を有している。これら構成を具備する栓蓋20の装着状態において、天面盤12の流出開口11aを含む装着筒15の内部は、閉塞板部23によって閉塞されるとともに、装着壁面部27と装着筒15との密着によって液密に密閉される。具体的には、装着状態において栓蓋20の装着壁面部27は、その外周面が装着筒15の内周面に密着する。本実施形態の装着壁面部27は、外周面に壁面膨出部27aが形成されているので、該壁面膨出部27aが装着筒15の内周面に圧着された状態となる(図11参照)。「圧着された状態」とは、壁面膨出部27aが、装着筒15の内周面に向かって押し付けられている状態を意味する。これにより、詰替え口首部4を鉛直方向の下方に向けて詰替え容器5を倒立状態にしても、該詰替え容器5からの内容物の漏出を防止できる。
【0038】
図12を参照しながら、本実施形態の詰替え容器5を用いた詰替え操作を説明する。内容物が充填される被詰替え容器6は、内容物の収容空間と連通する開口を有した被詰替え口首部7を具備している。斯かる口首部7も、内容物が充填される流路を内部に有する筒状の部分である。本実施形態において被詰替え容器6は、詰替え容器5と同様にボトル形状の容器であり、被詰替え口首部7とともに、内容物の収容空間を形成する肩部及び胴部を具備している。被詰替え口首部7の外周面には雄ネジ凸条(図示せず)が形成されている。
【0039】
詰替え操作では、図12に示すように、詰替え口首部4を鉛直方向Zの下方に向けて、詰替え容器5を倒立状態にする。他方、被詰替え容器6は、被詰替え口首部7を鉛直方向Zの上方に向けた自立状態にする。次いで、栓体1と被詰替え口首部7とを螺合し、詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合する。具体的には、前述した筒状外壁13の内周面に形成された雌ネジ凸条13aと被詰替え口首部7の外周面に形成された雄ネジ凸条とを螺合していく。この螺合の操作では、被詰替え口首部7を、栓本体10の流出筒11と筒状外壁13との間隔部分に挿し込んで、詰替え容器5を中心軸周りに回転させながら、鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に向かって被詰替え口首部7を押し込んでいく。これにより、被詰替え口首部7の天面部によって押込み凸部26が鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に押し出されていく。これに伴い、閉塞板部23も、鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に押し出されるので、閉塞板部23による閉塞が解除されて、流出開口11aを含む装着筒15の内部と、詰替え容器5における内容物の収容空間とが連通する。その結果、詰替え容器5に収容された内容物が、流出筒11を介して被詰替え容器6に流出し、該被詰替え容器6に内容物を充填することができる。
そして、鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に被詰替え口首部7をさらに押し込んでいき、被詰替え口首部7の天面部が天面盤12に達すると、押込み凸部26が挿通口16から完全に押し出されて、栓蓋20が栓本体10から脱離するとともに、該押込み凸部26による挿通口16の閉鎖が解除される(図示せず)。
【0040】
本実施形態の詰替え容器5による詰替え操作は、栓体1を介して詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合する簡便な操作により、詰替え操作を行うことができる。斯かる操作においては、前述したように被詰替え口首部7を筒状外壁13の内周面に沿って流出方向Vの内側に押し込んでいく。この際、筒状外壁13は被詰替え口首部7の外径に対応する内径を備えるので、筒状外壁13に被詰替え口首部7を密着させながら、詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合できる。
【0041】
本実施形態の栓体1を備える詰替え容器5は、装着状態においても、詰め替え操作時においても、挿通口16からの内容物の漏出を効果的に抑制できる。装着状態においては、水平断面形状が挿通口16の平面視形状と略一致し、大きさも略一致する押込み凸部26が挿通口16に挿入されており、さらに該押込み凸部26が挿通口16の内周面に部分的に圧着された状態となっているので、挿通口16からの内容物の漏出を効果的に抑制できる。また詰め替え操作時においては、押込み凸部26が挿通口16から押し出される前に、閉塞板部23による閉塞が解除されて流出開口11aを介した内容物の流出が生じる。斯かる内容物の流出が生じても、前記の押込み凸部26は挿通口16の内周面に部分的に圧着させた状態となっているので、押込み凸部26と挿通口16との間に隙間が生じ難く、挿通口16を介して少量の内容物の漏れ出ることを抑制できる(図13参照)。これにより、詰め替え操作時に栓本体10と被詰替え口首部7との結合部分から、内容物が伝え漏れ出ることを抑制できる。
【0042】
押込み凸部26において挿通口16の内周面に部分的に圧着される部分は特に制限されない。また、押込み凸部26は、挿通口16の内側内周面に圧着されてもよく、挿通口16の外側内周面に圧着されてもよい。
挿通口16を介しての内容物の少量漏れをより抑制する観点から、押込み凸部26は、先端部分を除く外側外周面を、挿通口16の外側内周面に圧着させた状態で、挿通口16を介して先端部分を天面盤12から流出方向V外側に突出させていることが好ましい。
【0043】
装着状態では装着筒15の内周面に対し装着壁面部27の外周面が密着した状態となっているが(図13参照)、詰替え操作において栓蓋20の押し出しが進むと、斯かる密着状態が解放される。
本実施形態の装着壁面部27は、栓蓋20の押し出しにより壁面膨出部27aが装着筒15の先端よりも流出方向V内方に移動すると、該壁面膨出部27aと装着筒15の内周面との密着状態が解放されて、流出筒11と装着筒15との間に内容物が流出する。栓蓋20の押し出しがさらに進むと、挿通口16の外側内周面に対する押込み凸部26の外側外周面の圧着状態が解放される。すなわち、装着壁面部27と装着筒15との密着状態が解放された後、挿通口16に対する押込み凸部26の圧着状態が解放される。
【0044】
押込み凸部26が挿通口16から完全に押し出されると、挿通口16においても詰替え容器5と被詰替え容器6とが連通するが、該挿通口16では、詰替え容器5と被詰替え容器6との間の空気置換が行われ、流出開口11aが主たる流出口として機能する。すなわち空気置換が挿通口16を介して行われるので、流出開口11aを介した空気置換が抑制される。これにより、流出開口11aを介した内容物の流出が抑制されないので、効率的に内容物の詰替え(充填)を行うことができる。
また、本実施形態の詰替え容器5は、外部との空気置換をせず、栓体1の挿通口16を介して被詰替え容器6との間で空気置換を行うので、外部への内容物の漏出が効果的に抑制される。斯かる容器5,6間の空気置換に加え、栓本体10と被詰替え容器6とが液密に結合されているので、仮に、結合後の倒立状態の詰替え容器5及び自立状態の被詰替え容器6が倒れても、栓体1を介した詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合が維持されている限りは内容物の外部への漏出を抑制できるので、内容物を安定して充填できる。
【0045】
上述した被詰替え口首部7による栓蓋20の押し出しをバランスよく行って、閉塞板部23による流出開口11aの閉塞をより円滑に解除する観点から、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分によって画成される円を仮定したとき、該円の円周を複数に等分する箇所に挿通口16が形成されていることが好ましい。この場合、閉塞板部23の周縁部分における挿通口16に対応する箇所それぞれに、押込み凸部26が形成される。例えば、栓本体10において前記間隔部分によって画成される円の円周を4等分する箇所に挿通口16が形成され、閉塞板部23の周縁部分において、該挿通口16に対応する箇所に押込み凸部26が形成されてもよい。
本実施形態の栓本体10は、前記間隔部分において、径方向に対向する一対の挿通口16が2組形成されており、栓蓋20は、閉塞板部23の周縁部分において、径方向に対向する一対の押込み凸部26が2組立設して設けられている(図3参照)。
【0046】
栓体1を介した詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合に関し、筒状外壁13と被詰替え口首部7とが嵌合可能であってもよいが、該結合の際に被詰替え口首部7を潰れ難くして内容物の漏れをより抑制する観点、及びより安定して結合操作を行う観点から、筒状外壁13と被詰替え口首部7とは螺合可能であることが好ましい。すなわち、筒状外壁13の内周面に、被詰替え口首部7の外周面に形成された雄ネジ凸条と螺合する、雌ネジ凸条13aが形成されていることが好ましい。斯かる構成は、詰替え操作後に、詰替え容器5と被詰替え容器6との間で空気置換が生じた場合に、詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合を容易に解除できる点で好ましい。また、螺合による結合は、結合後の倒立状態の詰替え容器5及び自立状態の被詰替え容器6が倒れても、これら容器5,6の結合を良好に維持できる上、外部へ内容物が漏れることを効果的に抑制できる。さらに、螺合による回転で被詰替え口首部7を流出方向Vの内側に押し込む方が、嵌合によって被詰替え口首部7を上方に押込むことよりも、小さい力で実行でき且つより安定して押し込めるので、詰替え操作をより容易に行うことができる。
本実施形態では、前記の螺合をより確実にするため、筒状外壁13の内径と、被詰替え口首部7の外径とが略同じである。
【0047】
詰替え操作時の内容物の漏出をより抑制する観点から、栓本体10における流出筒11と筒状外壁13との間隔部分に被詰替え口首部7を挿し込んで、詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合したときに、天面盤12が該口首部7の先端部分と当接することが好ましい(図14参照)。換言すると、詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合したときに、被詰替え口首部7の天面部が、天面盤12まで達することが好ましい。斯かる構成により、被詰替え口首部7と栓本体10とがより密着し、該口首部7と栓本体10との間の隙間から内容物が漏出することをより抑制できる。
【0048】
装着筒15は、天面盤12側の基端部分が、流出口周縁部分4aの内周面と密着可能な外径を備えていることが好ましい(図2参照)。本実施形態の装着筒15は、流出方向Vの外側から内側に向かうに連れ、外径が漸次小さくなる部分を該装着筒15の突出方向の先端側に有しており、該部分よりも天面盤12側の基端部分の外径が大きくなっている。この基端部分の外径が、流出口周縁部分4aの内径と略同じとなっており、詰替え口首部4に栓本体10を取り付けた状態において該基端部分と該流出口周縁部分4aとが密着している。
装着筒15は、流出方向V全体において流出口周縁部分4aの内周面と密着可能な外径を備えていてもよく、天面盤12側の基端部分のみに流出口周縁部分4aの内周面と密着可能な外径を備えていてもよい。
【0049】
本実施形態の栓体1は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂や、ポリ乳酸等のバイオプラスチックを用いた金型成形品であり、好ましくは射出成形方法によって形成されている。斯かる栓体1は、前述したように栓本体10と栓蓋20とからなる2パーツの部品として形成されている。
また、栓蓋20は、内容物(液体)よりも比重の低い材質からなることが好ましい。斯かる構成により、栓蓋20が栓本体10から脱着した後、該栓蓋20が浮力によって内容物中を浮上するので、流出開口11aを介した内容物の流出が阻害されることを効果的に抑制できる。
【0050】
そして、上述の構成を備える本実施形態の詰替え容器用栓体1及びこれを具備する詰替え容器5によれば、上述のように、詰め替え時の操作の容易性及び安定性に優れるとともに、多くの内容物が容器の内部に残ったままの状態となったり、詰め替えが終わって詰替え容器5を被詰替え容器6から取り外す際に、残った内容物が周囲に漏れ出たりするのを、効果的に回避することが可能になる。
【0051】
すなわち、本実施形態によれば、図15(a)、(b)に示すように、栓蓋20の閉塞板部23における押込み凸部26が立設する側とは反対側の底面部分23aには、栓蓋20が栓本体10の装着筒15から外れて離脱した後に、反転した状態で装着筒15に重ね合わされた際に、挿通仕切り壁18に当接して、装着筒15と栓蓋20の閉塞板部23の底面部分23aとの間に隙間を保持可能とする、当接リブ24を備えている。当接リブ24は、好ましくは閉塞板部23の中央部を径方向に横断するようにして設けられた、中央部当接リブ24aとなっている。これによって、詰替え操作により栓本体10から外れて脱離した栓蓋20が、例えば180度反転して流出開口11aに底面部分23aを向けた状態で、装着筒15に重ね合わされることで、当該底面部分23aによって流出開口11aを覆ってしまった場合でも、当接リブ24である中央部当接リブ24aが挿通仕切り壁18の先端に当接して、装着筒15と、栓蓋20の閉塞板部23の底面部分23aとの間に隙間を保持することを可能にして、保持された隙間を介して、内容物を、詰替え口首部4から流出開口11aを経て被詰替え口首部7に流入させて、引き続き最後まで被詰替え容器6に詰替えることが可能となる。またこれによって、詰替え容器5に収容された内容物を余すことなく被詰替え容器6に詰め替えることを可能にして、多くの内容物が容器の内部に残ったままの状態となるのを効果的に回避可能にすると共に、内容物が残置されなくなることで、詰め替えが終わって詰替え容器5を被詰替え容器6から取り外す際に、内容物が周囲に漏れ出るのを、効果的に回避することが可能になる。
【0052】
一方、当接リブ24がない場合、栓蓋20の底面部分23aによって流出開口11aを覆ってしまうと、該流出開口11aが閉塞されて内容物の流出が遮断され、被詰替え容器6に内容物が残留したままとなる虞がある。斯かる流出の遮断は、内容物の詰替えが終わったと誤認識され易い。この場合、使用者が詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合を解除すると、栓蓋20による流出開口11aの閉塞が解除され、被詰替え容器6に残存した内容物が該流出開口11aから外部へ漏れ出ることがある。本実施形態の栓体1は、当接リブ24によって栓蓋20と挿通仕切り壁18との間に隙間を生じさせるので、流出開口11aが閉塞されず、内容物が詰替え容器6に残存することを抑制できる。
【0053】
また、本実施形態によれば、図3及び図4に示すように、装着壁面部27が、押込み凸部26が立設する側に立設していることで、閉塞板部23の押込み凸部26が立設する側には、装着壁面部27によって囲まれる受け皿状凹部25が形成されており、受け皿状凹部25の中央部分から押込み凸部26が立設する側に立設して、筒状凸部21,22が、装着壁面部27と同心状に配置されて設けられている。筒状凸部21,22は、好ましくは間隔をおいて同心状に配置された、内側筒状凸部21及び外側筒状凸部22による複数(2リング)の凸部となっている。これによって、本実施形態によれば、栓本体10から外れて脱離した栓蓋20が、反転して底面部分23aを下方に向けた状態で流出開口11aを覆うように配置された場合に、受け皿状凹部25には内容物が滞留することになるが、受け皿状凹部25の内側に筒状凸部21,22が配置されていることで、装着壁面部27の内面や、内側筒状凸部21や外側筒状凸部22の周面の表面張力によって、滞留した内容物を強固に保持することが可能になるので、栓体1を介した詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合を解除したときに、栓蓋20が動いたり傾いたりしても、栓蓋20の受け皿状凹部25に残った内容物がこぼれて周囲に漏れ出るのを、効果的に回避することが可能になる。
【0054】
本発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。また、上述した実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、栓体1又はこれを備える詰替え容器5を用いて被詰替え容器6に詰め替えられる内容物は、化粧水や乳液等の液体の内容物であってもよく、粉粒物等の流動性を有するその他の内容物であってもよい。
上述した実施形態の栓体1は、ボトル形状の詰替え容器5の口首部4に取り付けられるものであったが、剛性を有するプラスチック成形容器等からなる種々の詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられるものであってもよい。
栓本体10は、外側装着筒14を備えていなくともよく、シール接合等によって詰替え口首部4の詰替え流出口を覆って詰替え容器5に一体に取り付けられていてもよい。
【0055】
また、栓蓋20の閉塞板部23の底面部分23aに設けられる当接リブ24として、例えば図16に示すように、底面部分23aの中央部を横断するようにして設けられた中央部当接リブ24aに加えて、好ましくは当該中央部当接リブ24aを挟んだ両側に、各々、補助当接リブ24bを、間隔をおいて平行に並べた状態で突出させて設けることもできる。これによって、栓本体10から外れて脱離した栓蓋20が反転して流出開口11aに底面部分23aを向けた状態で装着筒15に重ね合わされる際に、中央部当接リブ24aが、周方向に間隔をおいて連設された挿通仕切り壁18の間隔部分に配置されることで、挿通仕切り壁18の先端に当接できなくなる場合でも、補助当接リブ24bを挿通仕切り壁18の先端に当接させることで、装着筒15と、栓蓋20の閉塞板部23の底面部分23aとの間に隙間を保持させて、内容物を、詰替え口首部4から流出開口11aを経て被詰替え口首部7に流入させることが可能になる。
このような観点から、補助当接リブは、当接リブに代えて挿通仕切り壁18の先端に当接できるものであれば、当接リブを挟んだ両側に並べて配置されるものである必要は必ずしも無い。
当接リブや補助当接リブは、直線状のもの他、曲線状や間欠的に設けられたものであっても良い。
【0056】
栓体1又はこれを備える詰替え容器5を用いて被詰替え容器6に詰め替えられる内容物は、化粧水や乳液等の液体の内容物の他、粉粒物等の流動性を有するその他の内容物であってもよい。
上述した実施形態の栓体1は、ボトル形状の詰替え容器5の口首部4に取り付けられるものであったが、剛性を有するプラスチック成形容器等からなる種々の詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられるものであってもよい。
栓本体10は、挿通仕切り壁18を備えていなくともよい。
栓本体10は、外側装着筒14を備えていなくともよく、シール接合等によって詰替え口首部4の詰替え流出口を覆って詰替え容器5に一体に取り付けられていてもよい。
【0057】
流出筒11や装着筒15は、円形や楕円以外の中空断面形状を有する筒状部分となっていてもよく、栓本体10の流出開口11aや栓蓋20の閉塞板部23は、円形の平面形状を備えていなくてもよい。
栓蓋20の装着壁面部27は、壁面内凹部28を有していなくともよい。
また、栓蓋20の閉塞板部23は、内側筒状凸部21と外側筒状凸部22とを有していなくてもよい。
上述した実施形態において閉塞板部23の周縁部分から立設する押込み凸部26は、四角角柱の柱状部分であったが(図4参照)、押込み凸部26は、その他の形状の柱状部分や筒状部分であってもよい。押込み凸部26は、突出方向に向かって先細りしたテーパー形状を有していてもよい。また、押込み凸部26の先端は平坦であってもよく、段差があってもよい。さらに、押込み凸部26は、閉塞板部23に対して垂直に立設していてもよく、該閉塞板部23に対して傾斜した状態で立設していてもよい。
天面盤12の形状は特に限定されず、上述した実施形態のように円形であってもよく、矩形等の任意の形状となっていてもよい。
【0058】
さらに、図17(a)~(c)に示すように、詰替え容器5’から被詰替え容器6’への内容物の詰め替えが進んだ際に、栓蓋20’によって流出開口11a’が再び閉塞するのを防止するために、他の手段を採用することもできる。図17(a)~(c)に示す、栓蓋20’によって流出開口11a’が再び閉塞するのを防止する他の手段は、特に栓蓋20’が、内容物(液体)よりも比重の低い材質からなっている場合に、好ましく採用することできる。図17(a)~(c)に示す他の手段によれば、栓蓋20’の装着壁面部27’によって囲まれる受け皿状凹部25’における、押込み凸部26’が立設する側の面(上面)の中央部分から、筒状凸部21’を、装着壁面部27’を相当程度超える高さまで立設させると共に、立設させた筒状凸部21’の先端部外周面には、係止凸部21a’を設けておき、また栓本体10’の流出筒11’の基端部分に、係止リング22’を取り付けておくことによって構成されている。係止リング22’は、図17(c)に示すように、栓本体10’の流出筒11’の基端部分の内周面から一体として径方向に延設する、例えば4本の支持枝22a’によって支持されて、支持枝22a’の間の間隔部分に流出開口11a’との流路を保持した状態で、基端部分の内周面と離間して、流出開口11a’の中央部分に配置されて取り付けられている。
【0059】
栓蓋20’は、図17(a)に示すように、筒状凸部21’を係止リング22’に挿通した状態で、栓本体10’の装着筒15に装着される。また栓蓋20’は、詰替え容器5’による詰め替え操作によって、栓本体10’の装着筒15’から外れて離脱すると、好ましくはその浮力によって、内用物の中で上方に移動してゆき、図に17(b)に示すように、筒状凸部21’の先端部外周面の係止凸部21a’が係止リング22’に係止することにより移動が停止して、この状態鵜を強固に保持することになる。
【0060】
これによって、図17(a)~(c)に示す他の手段によれば、装着筒15’から外れて離脱した栓蓋20’を、反転させることなく、また流出開口11a’を開放させた状態を最後まで強固に保持して、収容された内容物を、余すことなく被詰替え容器6’にスムーズに詰め替えることが可能になる。
【符号の説明】
【0061】
1 栓体
2 胴部
3 肩部
4 詰替え口首部
4a 流出口周縁部分
5 詰替え容器
6 被詰替え容器
7 被詰替え口首部
10 栓本体
11 流出筒
11a 流出開口
12 天面盤
13 筒状外壁
13a 雌ネジ凸条
14 外側装着筒
15 装着筒
16 挿通口
18 挿通仕切り壁
20 栓蓋
21 内側筒状凸部(筒状凸部)
22 外側筒状凸部(筒状凸部)
23 閉塞板部
23a 底面部分
24 当接リブ
24a 中央部当接リブ
24b 補助当接リブ
25 受け皿状凹部
26 押込み凸部
27 装着壁面部
27a 壁面膨出部
61 先端縮径部
62 中間中径部
63 基端大径部
V 流出方向
Z 鉛直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17