IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オートネットワーク技術研究所の特許一覧 ▶ 住友電装株式会社の特許一覧 ▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-モータ 図1
  • 特開-モータ 図2
  • 特開-モータ 図3
  • 特開-モータ 図4
  • 特開-モータ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104772
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/28 20060101AFI20240730BHJP
   H02K 21/22 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
H02K3/28 Z
H02K21/22 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009116
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 幹三
【テーマコード(参考)】
5H603
5H621
【Fターム(参考)】
5H603AA00
5H603BB01
5H603BB07
5H603BB12
5H603BB13
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB01
5H603CB11
5H603CC11
5H603CC17
5H603CD21
5H603CE01
5H621BB07
5H621BB10
5H621GA04
5H621GB10
5H621HH01
5H621JK07
5H621JK14
5H621JK17
(57)【要約】
【課題】切替部を備えるモータの大きさを軸方向に小型化しやすくする。
【解決手段】モータ100は、環状のステータ10と、ステータ10の内周側又は外周側に配置されるロータ20と、を備える。ステータ10は、環状のステータコア11と、ステータコア11に取り付けられる複数相のコイル12と、有する。複数相のコイル12は、各々が複数のコイル部1U,2U,1V,2V,1W,2Wを有する。モータ100は、更に、各コイル12における複数のコイル部1U,2U,1V,2V,1W,2Wの接続状態を切り替える切替部30を備える。切替部30は、ステータ10及びロータ20の内周側又は外周側に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のステータと、
前記ステータの内周側又は外周側に配置されるロータと、を備え、
前記ステータは、環状のステータコアと、前記ステータコアに取り付けられる複数相のコイルと、有し、
複数相の前記コイルは、各々が複数のコイル部を有し、
更に、各前記コイルにおける複数の前記コイル部の接続状態を切り替える切替部を備え、
前記切替部は、前記ステータ及び前記ロータの内周側又は外周側に配置される
モータ。
【請求項2】
前記ロータは、前記ステータの外周側に配置され、
前記切替部は、前記ステータの内周側に配置される
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ステータコアの内周側に配置される軸部と、
前記軸部の外周面と前記ステータコアの内周面とに連結される環状の連結部と、を備え、
前記切替部は、前記連結部を軸方向に貫通する貫通孔内に配置される
請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記連結部に複数形成され、
複数の前記貫通孔は、前記軸部の周りにおいて周方向に間隔を空けて配置され、
前記切替部は、複数のリレースイッチを有し、
各前記貫通孔内には、前記リレースイッチが配置される
請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記連結部には、前記周方向に隣り合う前記貫通孔の間にリブが形成されている
請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記連結部は、前記貫通孔の周縁部から立ち上がる環状の張出部を有する
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記切替部は、前記ステータコアの軸方向の中央を通る位置に配置される
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項8】
車輪のホイールの内部に配置されるインホイールモータである
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータ(回転電機)が開示されている。このモータは、ステータコアと、ステータコアに巻装されているステータ巻線と、を備える。ステータ巻線は、第1巻線と第2巻線とを有する相巻線を複数相有している。第1巻線及び第2巻線の接続状態は、切替部によって切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-175852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、切替部の配置について考慮されておらず、この点で改善の余地がある。
【0005】
本開示は、切替部を備えるモータの大きさを軸方向に小型化しやすい技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のモータは、
環状のステータと、
前記ステータの内周側又は外周側に配置されるロータと、を備え、
前記ステータは、環状のステータコアと、前記ステータコアに取り付けられる複数相のコイルと、有し、
複数相の前記コイルは、各々が複数のコイル部を有し、
更に、各前記コイルにおける複数の前記コイル部の接続状態を切り替える切替部を備え、
前記切替部は、前記ステータ及び前記ロータの内周側又は外周側に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本開示のモータによれば、切替部を備えるモータの大きさを軸方向に小型化しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態のモータの斜視図である。
図2図2は、ティース部を通る平面で軸方向に切断したモータの断面図である。
図3図3は、リレースイッチを通る平面で軸方向に切断したモータの断面図である。
図4図4は、モータの回路構成を示す図である。
図5図5は、第2実施形態のモータの図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
〔1〕環状のステータと、
前記ステータの内周側又は外周側に配置されるロータと、を備え、
前記ステータは、環状のステータコアと、前記ステータコアに取り付けられる複数相のコイルと、有し、
複数相の前記コイルは、各々が複数のコイル部を有し、
更に、各前記コイルにおける複数の前記コイル部の接続状態を切り替える切替部を備え、
前記切替部は、前記ステータ及び前記ロータの内周側又は外周側に配置される
モータ。
【0011】
上記モータは、切替部がステータ及びロータの内周側又は外周側に配置されるため、軸方向に小型化しやすい。
【0012】
〔2〕前記ロータは、前記ステータの外周側に配置され、
前記切替部は、前記ステータの内周側に配置される
〔1〕に記載のモータ。
【0013】
上記モータは、ステータの内周側を、切替部の収容スペースとして利用することができる。
【0014】
〔3〕前記ステータコアの内周側に配置される軸部と、
前記軸部の外周面と前記ステータコアの内周面とに連結される環状の連結部と、を備え、
前記切替部は、前記連結部を軸方向に貫通する貫通孔内に配置される
〔2〕に記載のモータ。
【0015】
上記モータは、連結部によって、ステータコアを軸部に固定することができる。しかも、上記モータは、切替部が連結部の貫通孔内に配置される。このため、上記モータは、切替部を軸方向の中央に配置しやすく、ひいては、モータの重心が軸方向の片側に偏ることを防ぎやすい。なお、連結部は、軸部に対して直接連結されてもよいし、別の部材を介して連結されてもよい。連結部は、ステータコアに対して直接連結されてもよいし、別の部材を介して連結されてもよい。
【0016】
〔4〕前記貫通孔は、前記連結部に複数形成され、
複数の前記貫通孔は、前記軸部の周りにおいて周方向に間隔を空けて配置され、
前記切替部は、複数のリレースイッチを有し、
各前記貫通孔内には、前記リレースイッチが配置される
〔3〕に記載のモータ。
【0017】
上記モータは、リレースイッチが、軸部の周りにおいて周方向に間隔を空けて配置されるため、モータにおける周方向の質量の偏りを低減しやすい。
【0018】
〔5〕前記連結部には、前記周方向に隣り合う前記貫通孔の間にリブが形成されている
〔4〕に記載のモータ。
【0019】
リレースイッチを配置させるために連結部の貫通孔を形成すると、貫通孔を形成することに起因する強度の低下が懸念される。上記モータは、連結部において周方向に隣り合う貫通孔の間にリブが形成されているため、強度が低下しやすい貫通孔付近を補強することができる。
【0020】
〔6〕前記連結部は、前記貫通孔の周縁部から立ち上がる環状の張出部を有する
〔3〕から〔5〕のいずれか一つに記載のモータ。
【0021】
リレースイッチを配置させるために連結部の貫通孔を形成すると、貫通孔を形成することに起因する強度の低下が懸念される。上記モータは、貫通孔の周縁部から立ち上がる環状の張出部を有するため、強度が低下しやすい貫通孔付近を補強することができる。
【0022】
〔7〕前記切替部は、前記ステータコアの軸方向の中央を通る位置に配置される
〔1〕から〔6〕のいずれか一つに記載のモータ。
【0023】
上記モータは、切替部がステータコアの軸方向の中央を通る位置に配置されるため、重心がステータコアの軸方向の中央に寄りやすい。
【0024】
〔8〕車輪のホイールの内部に配置されるインホイールモータである
〔1〕から〔7〕のいずれか一つに記載のモータ。
【0025】
上記モータは、上記モータが設けられる車輪の軸方向の小型化を図りやすい。
【0026】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0027】
<第1実施形態>
図1図3には、第1実施形態のモータ100が開示されている。モータ100は、例えば車両の駆動に用いられる。モータ100は、例えば車輪のホイールの内部に配置され、車輪を駆動するインホイールモータとして利用される。モータ100は、自動二輪車のインホイールモータとして利用されることが好ましい。
【0028】
モータ100は、アウタロータ型のモータである。モータ100は、ステータ10と、ロータ20と、切替部30と、軸部40と、連結部50と、を備える。
【0029】
ステータ10は、環状(より具体的には、円環状)をなす。ステータ10は、ステータコア11と、コイル12と、を有する。
【0030】
ステータコア11は、導電性を有する。ステータコア11は、例えば、複数の電磁鋼板(例えばケイ素鋼板)を厚み方向に積層して製造される積層鋼板であってもよいし、絶縁被覆された磁性粒子をプレス成形して構成される圧粉磁芯であってもよい。ステータコア11は、環状(より具体的には、円環状)をなす。ステータコア11は、ヨーク部13と、複数のティース部14と、を有する。ヨーク部13は、環状(より具体的には、円環状)をなす。複数のティース部14は、ヨーク部13の外周から径方向外側に突出した形態をなす。複数のティース部14は、ヨーク部13の外周に沿って環状に並んで配置される。複数のティース部14は、周方向に互いに間隔を空けて配置される。
【0031】
コイル12は、ステータコア11に取り付けられている。コイル12は、絶縁部材15を介してステータコア11に取り付けられている。コイル12は、ティース部14に巻き回されている。コイル12は、本実施形態では、集中巻であるが、集中巻でなくてもよい。例えばコイル12は、分布巻であってもよい。
【0032】
コイル12は、複数相(本実施形態では、3相)設けられる。以下では、第1相のコイル12がコイル12Uと称され、第2相のコイル12がコイル12Vと称され、第3相のコイル12がコイル12Wと称される(図4参照)。図4に示すように、コイル12Uは、第1コイル部1U及び第2コイル部2U(以下、コイル部1U,2Uとも称する)を有する。コイル12Vは、第1コイル部1V及び第2コイル部2V(以下、コイル部1V,2Vとも称する)を有する。コイル12Wは、第1コイル部1W及び第2コイル部2W(以下、コイル部1W,2Wとも称する)を有する。つまり、複数相のコイル12は、各々が複数のコイル部1U,2U,1V,2V,1W,2Wを有する。各コイル部1U,2U,1V,2V,1W,2Wは、ティース部14に巻き回されている。
【0033】
ロータ20は、図1に示すように、ステータ10(より具体的には、ステータコア11)の外周側に配置される。ロータ20は、ステータ10(より具体的には、ステータコア11)の外周面よりも径方向外側に配置される。ロータ20は、環状(より具体的には、円環状)をなす。ロータ20は、複数の磁石によって構成される。ロータ20は、ステータ10に対して周方向に回転可能に配置される。
【0034】
切替部30は、図1に示すように、ステータ10(より具体的には、ステータコア11)の内周側に配置される。切替部30は、各コイル12における複数のコイル部1U,2U,1V,2V,1W,2Wの接続状態を切り替える。本実施形態では、切替部30は、第1コイル部1U,1V,1W及び第2コイル部2U,2V,2Wのうち第1コイル部1U,1V,1Wのみが使用される状態と、第1コイル部1U,1V,1W及び第2コイル部2U,2V,2Wの両方が使用される状態とに、複数のコイル部1U,2U,1V,2V,1W,2Wの接続状態を切り替える。第1コイル部1U,1V,1W及び第2コイル部2U,2V,2Wの両方を使用する状態は、第1コイル部1U,1V,1Wに対して第2コイル部2U,2V,2Wを直列に接続した状態である。つまり、切替部30は、コイル部の直列接続数を切り替える。
【0035】
切替部30は、複数(本実施形態では6)のリレースイッチ30Aを有する。リレースイッチ30Aは、例えばFET(Field Effect Transistor)などの半導体スイッチとして構成される。6のリレースイッチ30Aは、図4に示すように、リレースイッチ31U,32U,31V,32V,31W,32Wとも称される。
【0036】
図4に示すように、第1コイル部1Uの一端は、導電路60Uに電気的に接続される。導電路60Uは、図示しないインバータに接続される。第1コイル部1Uの他端は、リレースイッチ31Uの一端と、リレースイッチ32Uの一端とに電気的に接続される。第2コイル部2Uの一端は、リレースイッチ32Uの他端に電気的に接続される。第2コイル部2Uの他端は、リレースイッチ31Uの他端と、導電路Cとに電気的に接続される。リレースイッチ31Uの他端は、導電路Cに電気的に接続される。
【0037】
リレースイッチ31Uがオン状態で且つリレースイッチ32Uがオフ状態のときに、導電路60Uが、第1コイル部1U及び第2コイル部2Uのうち第1コイル部1Uのみを介して導電路Cと導通する。切替部30は、リレースイッチ31Uをオン状態とし且つリレースイッチ32Uをオフ状態とすることで、第1コイル部1U及び第2コイル部2Uのうち第1コイル部1Uのみが使用される状態に、第1コイル部1U及び第2コイル部2Uの接続状態を切り替える。
【0038】
リレースイッチ31Uがオフ状態で且つリレースイッチ32Uがオン状態のときに、導電路60Uが、直列接続された第1コイル部1U及び第2コイル部2Uを介して導電路Cと導通する。切替部30は、リレースイッチ31Uをオフ状態とし且つリレースイッチ32Uをオン状態とすることで、第1コイル部1U及び第2コイル部2Uの両方が使用される状態に、第1コイル部1U及び第2コイル部2Uの接続状態を切り替える。
【0039】
第1コイル部1Vの一端は、導電路60Vに電気的に接続される。導電路60Vは、図示しないインバータに接続される。第1コイル部1Vの他端は、リレースイッチ31Vの一端と、リレースイッチ32Vの一端とに電気的に接続される。第2コイル部2Vの一端は、リレースイッチ32Vの他端に電気的に接続される。第2コイル部2Vの他端は、リレースイッチ31Vの他端と、導電路Cとに電気的に接続される。リレースイッチ31Vの他端は、導電路Cに電気的に接続される。
【0040】
リレースイッチ31Vがオン状態で且つリレースイッチ32Vがオフ状態のときに、導電路60Vが、第1コイル部1V及び第2コイル部2Vのうち第1コイル部1Vのみを介して導電路Cと導通する。切替部30は、リレースイッチ31Vをオン状態とし且つリレースイッチ32Vをオフ状態とすることで、第1コイル部1V及び第2コイル部2Vのうち第1コイル部1Vのみが使用される状態に、第1コイル部1V及び第2コイル部2Vの接続状態を切り替える。
【0041】
リレースイッチ31Vがオフ状態で且つリレースイッチ32Vがオン状態のときに、導電路60Vが、直列接続された第1コイル部1V及び第2コイル部2Vを介して導電路Cと導通する。切替部30は、リレースイッチ31Vをオフ状態とし且つリレースイッチ32Vをオン状態とすることで、第1コイル部1V及び第2コイル部2Vの両方が使用される状態に、第1コイル部1V及び第2コイル部2Vの接続状態を切り替える。
【0042】
第1コイル部1Wの一端は、導電路60Wに電気的に接続される。導電路60Wは、図示しないインバータに接続される。第1コイル部1Wの他端は、リレースイッチ31Wの一端と、リレースイッチ32Wの一端とに電気的に接続される。第2コイル部2Wの一端は、リレースイッチ32Wの他端に電気的に接続される。第2コイル部2Wの他端は、リレースイッチ31Wの他端と、導電路Cとに電気的に接続される。リレースイッチ31Wの他端は、導電路Cに電気的に接続される。
【0043】
リレースイッチ31Wがオン状態で且つリレースイッチ32Wがオフ状態のときに、導電路60Wが、第1コイル部1W及び第2コイル部2Wのうち第1コイル部1Wのみを介して導電路Cと導通する。切替部30は、リレースイッチ31Wをオン状態とし且つリレースイッチ32Wをオフ状態とすることで、第1コイル部1W及び第2コイル部2Wのうち第1コイル部1Wのみが使用される状態に、第1コイル部1W及び第2コイル部2Wの接続状態を切り替える。
【0044】
リレースイッチ31Wがオフ状態で且つリレースイッチ32Wがオン状態のときに、導電路60Wが、直列接続された第1コイル部1W及び第2コイル部2Wを介して導電路Cと導通する。切替部30は、リレースイッチ31Wをオフ状態とし且つリレースイッチ32Wをオン状態とすることで、第1コイル部1W及び第2コイル部2Wの両方が使用される状態に、第1コイル部1W及び第2コイル部2Wの接続状態を切り替える。
【0045】
切替部30(より具体的には、リレースイッチ31U,32U,31V,32V,31W,32W)は、制御装置90によって制御される。
【0046】
軸部40は、図1に示すように、ステータ10(より具体的には、ステータコア11)の内周側に配置される。軸部40は、ステータコア11の内周面よりも径方向内側に配置される。軸部40は、ステータコア11の軸方向に沿って延びる。軸部40は、ステータコア11の軸方向において、ステータコア11の両端よりも外側に突出する。軸部40の外周面は、ステータ10(より具体的には、ステータコア11)によって囲まれる。
【0047】
連結部50は、軸部40とステータコア11との間に設けられ、軸部40の外周面とステータコア11の内周面とに連結される。連結方法は、例えば溶接であってもよいし、ネジ止めであってもよいし、別の連結方法であってもよい。
【0048】
連結部50は、環状をなす。連結部50は、2枚の連結板部50A,50Bによって構成される。連結板部50A,50Bは、金属製の板部材を曲げ加工などして形成される。連結板部50A,50Bは、軸方向と直交する面に対して互いに面対称となるように配置される。
【0049】
連結部50には、連結部50を軸方向に貫通する貫通孔51が形成されている。貫通孔51は、連結板部50A,50Bを貫通する。貫通孔51は、連結部50に複数(本実施形態では6)形成されている。複数の貫通孔51は、軸部40の周りにおいて周方向に間隔を空けて配置される。複数の貫通孔51は、等間隔で配置される。貫通孔51の数は、リレースイッチ30Aの数と同じである。
【0050】
上述した切替部30(より具体的には、リレースイッチ30A)は、貫通孔51内に配置される。切替部30は、軸方向においてステータコア11の中央を通る位置に配置される。各貫通孔51内にリレースイッチ30Aが配置される。切替部30(より具体的には、リレースイッチ30A)は、連結部50に固定される。固定方法は、溶接であってもよいし、ネジ止めであってもよいし、別の固定方法であってもよい。
【0051】
リレースイッチ30Aは、コイル12に電気的に接続される第1端子30B及び第2端子30Cを有する。第1端子30B及び第2端子30Cは、連結部50に対し軸方向の一方側に配置される。全てのリレースイッチ30Aの第1端子30B及び第2端子30Cは、連結部50に対し軸方向の一方側に配置される。全てのリレースイッチ30Aの第1端子30B及び第2端子30Cは、連結部50に対する軸方向の一方側でコイル12に電気的に接続される。第1端子30B及び第2端子30Cは、絶縁樹脂70内の配線を介してコイル12に電気的に接続される。
【0052】
連結部50には、周方向に隣り合う貫通孔51の間にリブ52が形成されている。リブ52は、連結板部50A,50Bの各々に形成されている。連結板部50A,50Bに形成されるリブ52は、軸方向外側に張り出している。リブ52の幅は、径方向外側に向かうにつれて大きくなっている。
【0053】
以上の様に、第1実施形態のモータ100は、切替部30がステータ10及びロータ20の内周側に配置されるため、軸方向に小型化しやすい。更に、モータ100は、ステータ10の内周側を、切替部30の収容スペースとして利用することができる。
【0054】
モータ100は、連結部50によって、ステータコア11を軸部40に固定することができる。しかも、モータ100は、切替部30が連結部50の貫通孔51内に配置される。このため、モータ100は、切替部30を軸方向の中央に配置しやすく、ひいては、モータ100の重心が軸方向の片側に偏ることを防ぎやすい。
【0055】
モータ100は、リレースイッチ30Aが、軸部40の周りにおいて周方向に間隔を空けて配置されるため、モータ100における周方向の質量の偏りを低減しやすい。
【0056】
リレースイッチ30Aを配置させるために連結部50の貫通孔51を形成すると、貫通孔51を形成することに起因する強度の低下が懸念される。モータ100は、連結部50において周方向に隣り合う貫通孔51の間にリブ52が形成されているため、強度が低下しやすい貫通孔51付近を補強することができる。
【0057】
モータ100は、切替部30がステータコア11の軸方向の中央を通る位置に配置されるため、重心がステータコア11の軸方向の中央に寄りやすい。
【0058】
モータ100が車輪のホイールの内部に配置される場合、モータ100は、モータ100が設けられる車輪の軸方向の小型化を図りやすい。
【0059】
<第2実施形態>
第2実施形態のモータは、連結部が貫通孔の周縁部から立ち上がる環状の張出部を有する点で第1実施形態のモータとは異なり、その他の点で共通する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0060】
第2実施形態のモータ200は、図5に示すように、ステータ10と、ロータ20と、切替部30と、軸部40と、連結部250と、を備える。
【0061】
連結部250には、貫通孔251が形成されている。連結部250は、貫通孔251の周縁部から立ち上がる環状の張出部253を有する。張出部253は、貫通孔251に沿った環状をなす。張出部253は、例えばバーリングによって形成される。
【0062】
リレースイッチ30Aを配置させるために連結部250の貫通孔251を形成すると、貫通孔251を形成することに起因する強度の低下が懸念される。第2実施形態のモータ200は、貫通孔251の周縁部から立ち上がる環状の張出部253を有するため、強度が低下しやすい貫通孔251付近を補強することができる。
【0063】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
(1)上記実施形態では、ロータがステータの外周側に配置される構成であったが、ロータがステータの内周側に配置される構成であってもよい。上記実施形態では、切替部がステータ及びロータの内周側に配置される構成であったが、切替部がステータ及びロータの外周側に配置される構成であってもよい。
(2)上記実施形態では、切替部が、複数のコイル部の直列接続数を切り替える構成であったが、別の構成であってもよい。例えば、切替部が、複数のコイル部を直列接続と並列接続とに切り替える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1U…第1コイル部(コイル部)
1V…第1コイル部(コイル部)
1W…第1コイル部(コイル部)
2U…第2コイル部(コイル部)
2V…第2コイル部(コイル部)
2W…第2コイル部(コイル部)
10…ステータ
11…ステータコア
12…コイル
12U…コイル
12V…コイル
12W…コイル
13…ヨーク部
14…ティース部
15…絶縁部材
20…ロータ
30…切替部
30A…リレースイッチ
30B…第1端子
30C…第2端子
31U…リレースイッチ
31V…リレースイッチ
31W…リレースイッチ
32U…リレースイッチ
32V…リレースイッチ
32W…リレースイッチ
40…軸部
50…連結部
50A…連結板部
50B…連結板部
51…貫通孔
52…リブ
60U…導電路
60V…導電路
60W…導電路
70…絶縁樹脂
90…制御装置
100…モータ
200…モータ
250…連結部
251…貫通孔
253…張出部
C…導電路
図1
図2
図3
図4
図5