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特開2024-104776再生装置、情報端末、および情報端末の音声再生方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104776
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】再生装置、情報端末、および情報端末の音声再生方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/06 20060101AFI20240730BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20240730BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20240730BHJP
   G11B 31/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G11B33/06 Z
G06F3/16 540
G10K15/04 302F
G11B31/00 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009123
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中井 大地
(72)【発明者】
【氏名】緒畑 智史
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208DC02
(57)【要約】
【課題】カセットテーププレイヤー(再生装置)に関して、新たな利用方法などを提案し、新たにスマートフォンなどの情報端末と連携させて好適な連携などを実現できる技術を提供する。
【解決手段】再生装置(カセットテーププレイヤー)は、情報端末と通信で接続され、情報端末は、設定に基づいて、再生装置へ電源供給を行い、再生装置は、設定に基づいて、情報端末から電源供給を受け、情報端末は、設定に基づいて、再生装置の操作のためのアプリケーションによる画面で、ユーザによる操作入力を受け付け、操作入力に対応した指示を再生装置へ通信で送信し、再生装置は、設定に基づいて、情報端末からの操作入力の指示を通信で受信し、指示に従って音声を再生する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声記録媒体から音声を再生するための再生装置であって、
情報端末と通信で接続され、
前記情報端末は、設定に基づいて、前記再生装置へ電源供給を行い、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末から電源供給を受け、
前記情報端末は、前記設定に基づいて、前記再生装置の操作のためのアプリケーションによる画面で、ユーザによる操作入力を受け付け、前記操作入力に対応した指示を前記再生装置へ前記通信で送信し、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの前記操作入力の前記指示を前記通信で受信し、前記指示に従って前記音声を再生する、
再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の再生装置において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記音声記録媒体から音声信号を読み出し、前記音声信号を音声データに変換して、前記通信で前記情報端末へ転送し、
前記情報端末は、前記設定に基づいて、前記再生装置から前記音声データを受信し、前記音声データに基づいて、前記音声を出力する、
再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の再生装置において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの電源供給ではなく、前記再生装置の内部電源で動作し、
前記設定で、前記情報端末からの電源供給と前記再生装置の内部電源とから選択される、
再生装置。
【請求項4】
請求項2に記載の再生装置において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの前記操作入力の前記指示ではなく、前記再生装置での操作入力に従って動作し、
前記設定で、前記情報端末からの前記操作入力と前記再生装置での前記操作入力とから選択される、
再生装置。
【請求項5】
請求項1に記載の再生装置において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの音声出力ではなく、前記再生装置で音声出力し、
前記設定で、前記情報端末からの前記音声出力と前記再生装置での前記音声出力とから選択される、
再生装置。
【請求項6】
音声記録媒体から音声を再生するための再生装置と通信で接続される情報端末であって、
前記情報端末は、設定に基づいて、前記再生装置へ電源供給を行い、
前記情報端末は、前記設定に基づいて、前記再生装置の操作のためのアプリケーションによる画面で、ユーザによる操作入力を受け付け、前記操作入力に対応した指示を前記再生装置へ前記通信で送信し、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの前記操作入力の前記指示を前記通信で受信し、前記指示に従って前記音声を再生する、
情報端末。
【請求項7】
請求項6に記載の情報端末において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記音声記録媒体から音声信号を読み出し、前記音声信号を音声データに変換して、前記通信で前記情報端末へ転送し、
前記情報端末は、前記設定に基づいて、前記再生装置から前記音声データを受信し、前記音声データに基づいて、前記音声を出力する、
情報端末。
【請求項8】
請求項6に記載の情報端末において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの電源供給ではなく、前記再生装置の内部電源で動作し、
前記設定で、前記情報端末からの電源供給と前記再生装置の内部電源とから選択される、
情報端末。
【請求項9】
請求項6に記載の情報端末において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの前記操作入力の前記指示ではなく、前記再生装置での操作入力に従って動作し、
前記設定で、前記情報端末からの前記操作入力と前記再生装置での前記操作入力とから選択される、
情報端末。
【請求項10】
請求項7に記載の情報端末において、
前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの音声出力ではなく、前記再生装置で音声出力し、
前記設定で、前記情報端末からの前記音声出力と前記再生装置での前記音声出力とから選択される、
情報端末。
【請求項11】
音声記録媒体から音声を再生するための再生装置と通信で接続される情報端末における音声再生方法であって、
前記情報端末が、設定に基づいて、前記再生装置へ電源供給を行うステップと、
前記情報端末が、前記設定に基づいて、前記再生装置の操作のためのアプリケーションによる画面で、ユーザによる操作入力を受け付け、前記操作入力に対応した指示を前記再生装置へ前記通信で送信するステップと、を有し、
前記再生装置が、前記設定に基づいて、前記情報端末からの前記操作入力の前記指示を前記通信で受信し、前記指示に従って前記音声を再生する、
情報端末の音声再生方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報端末の音声再生方法において、
前記再生装置が、前記設定に基づいて、前記音声記録媒体から音声信号を読み出し、前記音声信号を音声データに変換して、前記通信で前記情報端末へ転送し、
前記情報端末が、前記設定に基づいて、前記再生装置から前記音声データを受信し、前記音声データに基づいて、前記音声を再生するステップ、
を有する、情報端末の音声再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カセットテーププレイヤー等の再生装置、およびスマートフォン等の情報端末の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカセットテーププレイヤー(言い換えると、再生装置、音声再生装置、カセットテープ再生装置など)は、カセットテープ(言い換えると、音声記録媒体、磁気記録媒体)から音声を再生するための特有のハードウェア機構を備える。
【0003】
カセットテーププレイヤーに関する先行技術例として、特開平05-014987号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、リモートコントローラ付きイヤホンの接続機構として、テーププレーヤの本体に、コントロール操作切換用のスイッチを付設し、このスイッチに対するイヤホンユニットのコネクタプラグの挿抜動作のみによって、リモートコントローラ無しイヤホンを使用する場合のコントロール操作可能状態に変更でき、リモートコントローラ無しイヤホンとリモートコントローラ付きイヤホンの使用変更時の作業数を削減できる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05-014987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のカセットテーププレイヤーは、カセットテープから音声を再生するための特有のハードウェア機構が必要であるため、比較的、重量、サイズ、コスト等が大きい。従来のカセットテーププレイヤーは、最新のスマートフォンなどの情報端末(言い換えると携帯端末装置)に比べると、携帯性や操作性などの観点で課題がある。
【0006】
本開示の目的は、カセットテーププレイヤー(再生装置)に関して、新たな利用方法などを提案し、新たにスマートフォンなどの情報端末と連携させて好適な連携などを実現できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。一実施の形態の再生装置は、音声記録媒体から音声を再生するための再生装置であって、情報端末と通信で接続され、情報端末は、設定に基づいて、再生装置へ電源供給を行い、再生装置は、設定に基づいて、情報端末から電源供給を受け、情報端末は、設定に基づいて、再生装置の操作のためのアプリケーションによる画面で、ユーザによる操作入力を受け付け、操作入力に対応した指示を再生装置へ通信で送信し、再生装置は、設定に基づいて、情報端末からの操作入力の指示を通信で受信し、指示に従って音声を再生する。
【0008】
一実施の形態の情報端末は、音声記録媒体から音声を再生するための再生装置と通信で接続される情報端末であって、情報端末は、設定に基づいて、再生装置へ電源供給を行い、情報端末は、設定に基づいて、再生装置の操作のためのアプリケーションによる画面で、ユーザによる操作入力を受け付け、操作入力に対応した指示を再生装置へ通信で送信し、再生装置は、設定に基づいて、情報端末からの操作入力の指示を通信で受信し、指示に従って音声を再生する。
【発明の効果】
【0009】
本開示のうち代表的な実施の形態によれば、上記カセットテーププレイヤー(再生装置)の技術に関して、新たな利用方法などを提案でき、新たにスマートフォンなどの情報端末と連携させて好適な連携などを実現できる。上記した以外の課題、構成および効果等については、発明を実施するための形態において示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステム(スマホ型CTPシステム)の概要構成を示す図。
図2】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムの機能ブロック構成を示す図。
図3】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムにおけるUSB OTGを用いた接続の構成を示す図。
図4A】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムで、接続方法などの組み合わせ要素を示す図。
図4B】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムで、組み合わせのパターン/モードを示す図。
図5】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムで、ユーザ設定の画面例を示す図。
図6】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムで、全体的な処理シーケンスを示す図。
図7】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムで、電源投入時の処理シーケンスの第1例を示す図。
図8】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムで、電源投入時の処理シーケンスの第2例を示す図。
図9】実施の形態の再生装置および情報端末を含むシステムで、電源投入時の処理シーケンスの第3例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。図面において、構成要素の表現は、発明の理解を容易にするために、実際の位置、大きさ、形状、範囲等を表していない場合がある。
【0012】
説明上、プログラムによる処理について説明する場合に、プログラムや機能や処理部等を主体として説明する場合があるが、それらについてのハードウェアとしての主体は、プロセッサ、あるいはそのプロセッサ等で構成されるコントローラ、装置、計算機、システム等である。計算機は、プロセッサによって、適宜にメモリや通信インタフェース等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPU/MPUやGPU等の半導体デバイス等で構成される。処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。
【0013】
プログラムは、対象計算機に予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースから対象計算機にデータとして配布されてもよい。プログラムソースは、通信網上のプログラム配布サーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばメモリカードやディスクでもよい。プログラムは、複数のモジュールから構成されてもよい。コンピュータシステムは、複数台の装置によって構成されてもよい。コンピュータシステムは、クライアント・サーバシステム、クラウドコンピューティングシステム、IoTシステム等で構成されてもよい。各種のデータや情報は、例えばテーブルやリスト等の構造で構成されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名前、番号等の表現は互いに置換可能である。
【0014】
<実施の形態>
図1図9を用いて、実施の形態の再生装置、情報端末および再生方法について説明する。
【0015】
図1等に示される、本実施の形態の再生装置(CTP)1は、スマートフォン等の情報端末2から操作・制御可能なカセットテーププレイヤー(CTP)としてスマホ制御型カセットテーププレイヤーである。実施の形態の情報端末2は、上記再生装置(CTP)1を操作・制御可能なアプリケーション等を備えるスマートフォン等の情報端末である。本実施の形態の再生方法は、上記情報端末2での上記再生装置1の再生方法であり、上記情報端末2によって上記再生装置1による音声再生等を操作・制御する方法である。
【0016】
本実施の形態では、外部通信インタフェースおよび外部電源インタフェースとして、公知のUSB-OTG(Universal Serial Bus On-The-Go)を用いる場合を主に説明するが、勿論これに限定されずに適用できる。また、本実施の形態では、USB-OTGにおいて、情報端末2側を「ホスト」に設定し、CTP1側を「デバイス」に設定する場合を説明する。
【0017】
[スマホ型CTPシステム]
図1は、実施の形態の再生装置1であるカセットテーププレイヤー(CTPとも記載)1と、実施の形態の情報端末2であるスマートフォン2とが接続されたシステム(例えばスマホ型CTPシステムとも記載)の概要構成を示す。CTP1および情報端末2のユーザであるユーザU1は、CTP1および情報端末2を適宜に携帯し、操作して利用する。
【0018】
再生装置1であるCTP1は、本体(筐体)10において、内部に、破線で示すカセットテープ(磁気型の音声記録媒体)11を収納できる構造を有する。本体10は、例えば箱形状の筐体と開閉可能な蓋とを備える。本体10には、CTP1の実装のタイプに応じた、外部通信インタフェース104および外部電源入力インタフェース105を備えており、それらのうちの一部(端子など)が露出している。なお、後述のUSB OTGを適用する場合、外部通信インタフェース104と外部電源入力インタフェース105は一体化されたものとすることができる。
【0019】
また、本体10には、CTP1の実装のタイプに依存して、操作入力部121、音声出力部122などを備える場合があり、それらのうちの一部(端子など)が露出している。操作入力部121は、例えば、操作ボタンなどを有する。音声出力部122は、例えば、スピーカやイヤホン端子などを有する。
【0020】
外部通信インタフェース104は、例えばモバイルデータ通信、Bluetooth、Wi-Fiなどの各種の通信インタフェースである。外部電源入力インタフェース105は、CTP1に対する外部機器である情報端末2からCTP1への電源供給を受けることを可能とするインタフェースである。なお、各インタフェースは、必要な回路等の装置を備え、言い換えるとインタフェース装置である。
【0021】
情報端末2であるスマートフォン2は、例えば平板形状の筐体20において、表面側に映像表示部223を構成するタッチパネルを備えている。そのタッチパネルの表示画面21には、OSやアプリケーションなどによって生成された画面22などの画像が表示される。図1では、画面22は、後述のアプリケーション25(図2)であるCTP制御アプリケーション(言い換えるとCTPアプリ)によって生成されたGUI画面(言い換えるとアプリ画面)である。
【0022】
また、筐体20には、操作入力部221、音声出力部222、外部通信インタフェース204、外部電源出力インタフェース205などを備えており、それらのうちの一部(端子など)が露出している。なお、後述のUSB OTGを適用する場合、外部通信インタフェース204と外部電源出力インタフェース205は一体化されたものとすることができる。
【0023】
操作入力部221は、例えば、操作ボタンなどを有する。音声出力部222は、例えば、スピーカやイヤホン端子などを有する。
【0024】
外部通信インタフェース204は、例えばモバイルデータ通信、Bluetooth、Wi-Fiなどの各種の通信インタフェースである。外部電源出力インタフェース205は、情報端末2から外部機器(言い換えるとUSBデバイス)であるCTP1への電源供給を可能とするインタフェースである。
【0025】
図1では、情報端末2の外部電源出力インタフェース205と、CTP1の外部電源入力インタフェース105とが有線インタフェース(例えばUSB OTG)によるケーブル31(例えばUSBケーブル、言い換えるとホストケーブル)で接続されている場合を示している。なお、図面では、外部電源出力インタフェース205や外部通信インタフェース204等の各部を便宜的に突起部として図示しているが、これに限定されない。また、各部は、筐体外に露出する部分以外にも、筐体内にある回路等を有する。
【0026】
[機能ブロック]
図2は、図1のシステムの機能ブロック構成例を示す。図2の構成例は、CTP1および情報端末2におけるある実装のタイプの場合を例示しており、後述の組み合わせのパターン/モードのすべてに対応可能な構成例を示している。
【0027】
CTP1は、所定のハードウェアおよびソフトウェアで実現される機能ブロックとして、制御部101、メモリ102、不揮発性メモリ103、外部通信インタフェース104、外部電源入力インタフェース105、駆動部106、読み出し部107、書き込み部108、信号変換部109、電源部110、電池111、操作入力部121、音声出力部122、映像表示部123、およびストレージ部124を備える。これらの構成要素は、バス130などのアーキテクチャに接続されており、相互に入出力が可能である。
【0028】
図2中、ドットパターンで示す書き込み部108などの機能ブロックは、システムにおいて備えても備えなくてもよい要素であり、実装のタイプに依存して設けられる。
【0029】
情報端末2は、所定のハードウェアおよびソフトウェアで実現される機能ブロックとして、制御部201、メモリ202、不揮発性メモリ203、外部通信インタフェース204、外部電源出力インタフェース205、外部通信部206、外部電源入力インタフェース207、電源部210、電池211、操作入力部221、音声出力部222、映像表示部223、およびストレージ部224を備える。これらの構成要素は、バス230などのアーキテクチャに接続されており、相互に入出力が可能である。
【0030】
図2では、情報端末2の外部通信インタフェース204と、CTP1の外部通信インタフェース104とが、外部通信接続301として接続されており、その接続を線で図示している。また、情報端末2の外部電源出力インタフェース205と、CTP1の外部電源入力インタフェース105とが、外部電源接続302として接続されており、その接続を線で図示している。後述(図3)のUSB OTGを適用する場合、これらの外部通信接続301および外部電源接続302は、1つの外部接続303として統合することができる。
【0031】
CTP1の制御部101は、言い換えるとコントローラであり、プロセッサを有して構成されている。制御部101は、CTP1を制御する。メモリ102は、制御部101が処理するデータ・情報を記憶する。不揮発性メモリ103は、プログラムや設定情報などが格納され保持される。ストレージ部124は、音声データや映像データなどを格納する。
【0032】
外部通信インタフェース104は、制御部101の制御に基づいて、所定の通信インタフェースで、外部機器である情報端末2(特に外部通信インタフェース204)との間で通信を行う。
【0033】
外部電源入力インタフェース105は、所定の電源インタフェースで、外部機器である情報端末2(特に外部電源出力インタフェース205)からの電源供給を受け、受けた電力を電源部110に供給する。電源部110は、供給された電力を電池111に蓄積する。また、電源部110は、電池111に基づいた電力を、CTP1内の各部に供給する。
【0034】
電池111は、CTP1側での単体でも給電可能とする実装のタイプの場合に備えられる。電池111は、筐体10内に収容される交換可能な電池としてもよいし、筐体10外に接続されるモバイルバッテリー等でもよい。
【0035】
駆動部106は、カセットテープ11(図1)を駆動する公知の機構である。駆動部106は、例えば、公知の機構要素として、磁気ヘッド、ピンチローラー、キャプスタンなどを備える。
【0036】
読み出し部107は、駆動部106を通じて、カセットテープ11に磁気的に記録されている音声信号を読み出し、アナログ音声信号として得る。得られたアナログ音声信号は、CTP1で再生(音声出力)するか、情報端末2に転送して再生(音声出力)するか、といった利用方法(モード)に応じた処理がなされる。
【0037】
書き込み部108(言い換えると録音部)は、カセットテープ11(図1)に音声信号を磁気的に書き込む(言い換えると録音する)場合に使用される。
【0038】
信号変換部109(言い換えると信号処理部)は、アナログ音声信号をデジタル音声信号、言い換えると音声データに変換するアナログ/デジタル変換等の処理を行う。
【0039】
例えば、従来のようにCTP1単体で録音する場合、書き込み部108は、図示しない音声入力部(マイク等)を通じて入力された音声を、駆動部106を通じて、カセットテープ11に音声信号として書き込む。
【0040】
また、例えば、後述するが、カセットテープ11から読み出した音声信号を、情報端末2側に音声データとして抽出、転送および記録(言い換えるとデジタル録音)したい場合がある。この場合、信号変換部109は、読み出し部107によって読み出されたアナログ音声信号をデジタル音声信号(音声データ)に変換し、外部通信インタフェース104を通じて情報端末2に転送する。情報端末2は、転送された音声データを、例えばストレージ部224にデジタル録音データとして格納する。
【0041】
操作入力部121は、CTP1側での音声再生等の操作を可能とする実装のタイプの場合に備えられる。操作入力部121は、例えば、電源ボタン、音量ボタン、音声再生/停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタン等を有する。操作入力部121は、映像表示部123とともに、タッチパネルによるボタン等で構成されてもよい。
【0042】
音声出力部122は、CTP1側での音声出力を可能とする実装のタイプの場合に備えられる。音声出力部122は、スピーカやイヤホン端子などを有する。
【0043】
映像表示部123は、CTP1側での映像表示を可能とする実装のタイプの場合に備えられる。映像表示部123は、例えば、液晶ディスプレイを有する。映像表示の内容は、音声再生の状態確認や操作のためのGUIが挙げられる。
【0044】
ストレージ部124は、CTP1側の単体でも音声データや映像データなどの比較的大容量のデータを保持できる実装のタイプとする場合に備えられる。
【0045】
なお、CTP1にリモートコントローラ(リモコン)が付属する場合、操作入力部121は、CTP1のリモコンおよびそれに対応した受信部としてもよい。また、音声出力部122にイヤホン端子を有する場合に、接続されるイヤホンは、リモコン付きのイヤホンとしてもよい。
【0046】
情報端末2の制御部201は、言い換えるとコントローラであり、プロセッサを有して構成されている。制御部201は、情報端末2を制御する。メモリ202は、制御部201が処理するデータ・情報を記憶する。不揮発性メモリ203は、プログラムや設定情報などが格納され保持される。ストレージ部224は、音声データや映像データなどを格納する。
【0047】
外部通信インタフェース204は、制御部201の制御に基づいて、所定の通信インタフェースで、外部機器であるCTP1(特に外部通信インタフェース104)との間で通信を行う。
【0048】
外部電源出力インタフェース205は、電池211等に基づいて電源部210を通じて供給される電力を、所定の電源インタフェースで、外部機器であるCTP1(特に外部電源入力インタフェース105)へ供給する。電源部210は、外部電源入力インタフェース207を通じて外部(例えばACアダプター)から供給された電力を電池211に蓄積する。また、電源部210は、電池211に基づいた電力を、情報端末2内の各部に供給する。
【0049】
外部通信部206は、外部通信インタフェース204を通じて所定の通信インタフェース(例えばモバイルデータ通信、Bluetooth、Wi-Fiなど)で外部(ここではCTP1以外)との通信処理を行う。外部電源入力インタフェース207は、情報端末2の外部(例えばACアダプター)からの電源供給を受ける。
【0050】
操作入力部221は、例えば、電源ボタン、音量ボタン等を有する。音声出力部222は、スピーカやイヤホン端子などを有する。映像表示部223は、例えば、タッチパネルを有する。操作入力部221は、映像表示部223とともに、タッチパネルのボタン等として構成されてもよい。
【0051】
なお、情報端末2にリモートコントローラ(リモコン)が付属する場合、操作入力部221は、情報端末2のリモコンに対応した受信部としてもよい。また、音声出力部222にイヤホン端子を有する場合に、接続されるイヤホンは、リモコン付きのイヤホンとしてもよい。
【0052】
本実施の形態では、情報端末2はスマートフォンとしたが、これに限らず、タブレットPCなどでもよい。
【0053】
図2の機能ブロック構成は、後述(図4B等)のパターン/モードとして、接続方法が有線または無線であり、給電方法がCTP外部電源であり、操作入力方法が情報端末2のアプリケーション25であり、音声出力方法が情報端末2である場合のパターン/モード(後述のモードA)に対応可能な構成である。すべてのパターン/モードに対応可能な構成とする場合には、図示の書き込み部108等を含むすべての構成要素を備える実装とする。一部のパターン/モードに対応可能な構成とする場合には、そのパターン/モードに対応する構成要素を備える実装とすればよい。
【0054】
図2の再生装置1および情報端末2において、どのパターン/モードであっても必須の構成要素として、それぞれのコントローラ(101,201)、メモリ(102,202)、および電源部(110,210)などの構成要素は必須である。再生装置1側において、駆動部106および読み出し部107は、カセットテープ11から音声を再生するために必要である。外部通信インタフェース104は、本システムで情報端末2との間で制御通信をするために必要である。情報端末2側において、外部通信インタフェース204は、本システムで再生装置1との間で制御通信をするために必要である。その他、各構成要素/各部は、以下のような場合に必要となる。
【0055】
CTP1側の外部電源入力インタフェース105は、本システムでモードに応じて情報端末2から給電を受ける場合に必要である。情報端末2側の外部電源出力インタフェース205は、本システムでモードに応じて再生装置1へ給電をする場合に必要である。本実施の形態では、実装において後述のモードAを必ず含むので、再生装置1の外部通信インタフェース104や外部電源入力インタフェース105、情報端末2の外部通信インタフェース204や外部電源出力インタフェース205、信号変換部109は、必須である。
【0056】
情報端末2側において、外部電源入力インタフェース207および電池211は、スマートフォン等の情報端末2では標準的に搭載されている。外部通信部206(例えばモバイルデータ通信インタフェースなど)、操作入力部221、音声出力部222、映像表示部223、およびストレージ部224は、スマートフォン等の情報端末2では標準的に搭載されている。
【0057】
また、パターン/モードに応じて必要な構成要素としては以下である。再生装置1側において、操作入力部121は、CTP1本体でユーザが操作入力を行う場合(後述の図4AのC2)に必要である。音声出力部122は、CTP1本体から音声出力を行う場合(後述の図4AのD2)に必要である。映像表示部123は、CTP1本体で制御情報・GUIなどの表示を行う場合に必要である。書き込み部108、ストレージ部124は、CTP1本体で、または情報端末2側から、CTP1のカセットテープ11に録音を行う場合に必要である。電池111は、CTP1が外部から電源供給を受けずにCTP1本体で電源をまかなう場合(後述の図4AのB1)に必要である。
【0058】
[情報端末のアプリケーション]
図2での情報端末2であるスマートフォン2は、メモリ資源、例えば不揮発性メモリ203またはストレージ部224に、本システムのためのアプリケーション25(スマホ型CTPアプリケーション)のプログラムが格納されている。制御部201のプロセッサは、アプリケーションのプログラムを例えばメモリ202上に読み出し、そのプログラムに従った処理を実行する。これにより、アプリケーション25、言い換えるとそれに対応する機能、処理部、実行モジュール等が実現される。
【0059】
なお、アプリケーション25のプログラムは、予め情報端末2内に保存されていてもよいが、これに限らず、通信網上のサーバ等から適宜に情報端末2にダウンロードされてもよい。
【0060】
また、CTP1である再生装置1側においても、情報端末2側のアプリケーション25による制御処理と対応した一部の制御処理を行う場合がある。その場合、再生装置1内のメモリ資源、例えば不揮発性メモリ103には、CTP1側の制御処理を行うためのプログラム等が格納される。制御部101のプロセッサは、そのプログラム等に従った処理を実行することで、CTP1側の制御処理を実現する。
【0061】
また、本実施の形態では、上記アプリケーション25等の機能がソフトウェアプログラム処理により実現されるが、これに限らず、必要な機能や処理のうちの一部が、専用回路や、あるいはスマートフォン2に外部接続されるデバイスなどによって実現されてもよい。
【0062】
[USB OTG]
本実施の形態では、図1図2の外部通信インタフェース(104,204)および外部電源インタフェース(105,205)に、公知のUSB OTGの規格またはそれに準拠する仕様を適用する。
【0063】
図3は、図1図2の構成にUSB OTGを適用した場合の実施例の概要を示す。外部通信インタフェース104,204間の外部通信接続301と、外部電源入力インタフェース105,外部電源出力インタフェース205間の外部電源接続302との外部接続303において、USB OTGが適用されている。図3では、図1のスマホ型CTPシステムが、後述(図4B)のモードA(モードM15)の状態となる場合を図示している。情報端末2はUSB OTGでの「ホスト」となり、再生装置1はUSB OTGでの「デバイス」となる。
【0064】
情報端末2(特に制御部201)は、外部通信インタフェース204によるCTP1の外部通信インタフェース104との外部通信接続301において、CTP1(特に制御部101)との間で制御通信を行う。制御通信の具体例としては、情報端末2は、再生装置1に、CTP操作(例えば音声再生/停止など)の指示を送信する。CTP1は、情報端末2に、CTP状態(後述)を通知する。
【0065】
また、情報端末2は、外部電源出力インタフェース205によるCTP1の外部電源入力インタフェース105との外部電源接続302において、CTP1に対する電源供給を行う。電源供給の具体例としては、情報端末2は、電池211(もしくは外部電源入力インタフェース207)に基づいた電力を、電源部210および外部電源出力インタフェース205、USBケーブル31を通じて、USBバスパワーにて給電する。CTP1は、外部電源入力インタフェース105および電源部110を通じて受けた電力を、装置内各部に供給する、もしくは充電可能なタイプの電池111がある場合にはその電池111に蓄電する。
【0066】
[組み合わせのパターン/モード]
本システムでは、CTP1および情報端末2の利用の形態/方法に関して、いくつかの要素/方法の組み合わせによって、複数のパターン(モード、利用方法等と記載する場合もある)が構成される。例えば図4Aのような要素の組み合わせによって、図4Bのような16種類のパターン/モード/利用方法が構成される。本システムにおける各パターン/モードの実装の有無は任意である。本実施の形態では、本システムに2つ以上のパターン/モードが実装され、コンピュータまたはユーザはそれらのパターン/モードを選択的に利用できる。本システムは、それらの複数のモードを管理および制御し、ユーザによる設定や指示(操作入力)に応じて、あるいはコンピュータによる自動的な判断などに応じて、選択されたモードに切り替えて利用可能とする。
【0067】
図4Aは、本システムにおける組み合わせの要素/方法を表形式で示す。本実施の形態では、図示のように主に4つの要素/方法があり、4列において、A.接続方法(制御通信)、B.給電方法(電源)、C.操作入力方法(入力元)、D.音声出力方法(出力先)として示している。
【0068】
A.接続方法(制御通信)は、2つの選択肢として、A1.無線と、A2.有線とがある。A1.無線は、例えば、モバイルデータ通信、BlueTooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などがある。A2.有線は、例えばUSB、特にUSB OTGなどがある。
【0069】
B.給電方法は、2つの選択肢として、B1.CTP内部電源と、B2.CTP外部電源とがある。B1.CTP内部電源は、図2での電池111である。B2.CTP外部電源は、例えばUSBバスパワー、ACアダプター等である。
【0070】
C.操作入力方法(入力元)は、2つの選択肢として、C1.情報端末のアプリケーションと、C2.CTP本体とがある。C1.情報端末のアプリケーションは、図2での情報端末2のアプリケーション25である。C2.CTP本体は、図2でのCTP1の操作入力部121等である。
【0071】
D.音声出力方法(出力先)は、2つの選択肢として、D1.情報端末出力(アナログまたはデジタル(BlueTooth等))と、D2.CTP出力(アナログ)とがある。D1.情報端末出力は、図2での情報端末2の音声出力部222からの音声再生である。D2.CTP出力は、図2でのCTP1の音声出力部122からの音声再生である。
【0072】
本システムでは、これらの要素/方法の組み合わせによって、2つ以上のパターン/モードが構成され、それらの2つ以上のパターン/モードに対応可能な実装を有する。
【0073】
図4Bは、図4Aの要素/方法の組み合わせによって構成される、16種類のパターン/モードの構成を表形式で示している。図4Bの表では、図4AのA~Dの4つの要素/方法のそれぞれの選択肢を組み合わせた場合に構成される16種類の構成を、パターンP1112(モードM1)からパターンP2221(モードM16)までとして示している。
【0074】
16種類の構成において、4行は、A.接続方法とB.給電方法との組み合わせを示し、4列は、D.音声出力方法とC.操作入力方法との組み合わせを示している。第1行はA1.無線とB1.内部電源との組み合わせ、第2行はA1.無線とB2.外部電源との組み合わせ、第3行はA2.有線とB1.内部電源との組み合わせ、第4行はA2.有線とB2.外部電源との組み合わせを示している。また、第1列はD2.CTP出力とC1.情報端末のアプリケーションとの組み合わせ、第2列はD2.CTP出力とC2.CTP本体との組み合わせ、第3列はD1.情報端末出力とC1.情報端末のアプリケーションとの組み合わせ、第4列はD1.情報端末出力とC2.CTP本体との組み合わせを示している。
【0075】
パターンP1112(モードM1)は、A1,B1,C1,D2の組み合わせである。このモードM1の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を電池111の電力でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0076】
パターンP1122(モードM2)は、A1,B1,C2,D2の組み合わせである。このモードM2の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を電池111の電力でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0077】
パターンP1111(モードM3)は、A1,B1,C1,D1の組み合わせである。このモードM3の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を電池111の電力でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(無線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0078】
パターンP1121(モードM4)は、A1,B1,C2,D1の組み合わせである。このモードM4の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を電池111の電力でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(無線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0079】
パターンP1212(モードM5)は、A1,B2,C1,D2の組み合わせである。このモードM5の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0080】
パターンP1222(モードM6)は、A1,B2,C2,D2の組み合わせである。このモードM6の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0081】
パターンP1211(モードM7)は、A1,B2,C1,D1の組み合わせである。このモードM7の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(無線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0082】
パターンP1221(モードM8)は、A1,B2,C2,D1の組み合わせである。このモードM8の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と無線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(無線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0083】
パターンP2112(モードM9)は、A2,B1,C1,D2の組み合わせである。このモードM9の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を内部の電池111でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0084】
パターンP2122(モードM10)は、A2,B1,C2,D2の組み合わせである。このモードM10の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を内部の電池111でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0085】
パターンP2111(モードM11)は、A2,B1,C1,D1の組み合わせである。このモードM11の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を内部の電池111でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(有線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0086】
パターンP2121(モードM12)は、A2,B1,C2,D1の組み合わせである。このモードM12の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を内部の電池111でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(有線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0087】
パターンP2212(モードM13)は、A2,B2,C1,D2の組み合わせである。このモードM13の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0088】
パターンP2222(モードM14)は、A2,B2,C2,D2の組み合わせである。このモードM14の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、CTP1本体で出力する。
【0089】
パターンP2211(モードM15)は、A2,B2,C1,D1の組み合わせである。このモードM15の場合、ユーザは、情報端末2のアプリケーション25および操作入力部221を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびアプリケーション25からの操作指示等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(有線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0090】
パターンP2221(モードM16)は、A2,B2,C2,D1の組み合わせである。このモードM16の場合、ユーザは、CTP1本体の操作入力部121を用いてCTP1の操作入力を行い、CTP1は、情報端末2と有線接続されて、情報端末2とCTP1との間で制御通信(例えばモードのセットアップ、およびCTP1の状態通知等)が行われる。また、CTP1は、動作の電力を外部の情報端末2からの給電でまかない、カセットテープ11から再生する音声を、音声データにして外部通信(有線)で情報端末2へ転送して、情報端末2側からアナログ出力またはデジタル出力する。
【0091】
[2つ以上のパターン/モードの実装と選択・切り替え]
本実施の形態では、上記組み合わせのうち、特に、B.給電方法がB2.CTP外部電源であり、C.操作入力方法がC1.情報端末のアプリケーションであり、D.音声出力方法がD1.情報端末出力であるパターン/モードを、1つのパターン/モードとして必ず実装する。すなわち、当該パターン/モードは、枠で囲って示す、モードM7(パターンP1211)またはモードM15(パターンP2211)である。このモードを、説明上、モードAとする。
【0092】
本実施の形態では、このモードM7またはモードM15の少なくとも一方のモードAの実装と、その他に任意の1つ以上のモード(モードBとする)の実装とを有し、これらの少なくとも2つのモード(A,B)に対応可能な制御などの実装を有する。その制御などの実装は、それらの少なくとも2つのモード(A,B)からユーザが利用する所望のモードを選択・切り替え可能とする実装である。モードBは、例えばモードM3またはモードM11としてもよいし、あるいは例えばモードM5またはモードM13としてもよいし、あるいは例えばモードM8またはモードM16としてもよい。
【0093】
モードAは、スマートフォン2側で操作入力および音声出力を行う利用方法である。外部通信インタフェース(A.接続方法)については、無線または有線のいずれのインタフェースでもよい。特に、本実施の形態では、モードAは、図3のようにUSB-OTGを用いて、有線での外部通信接続301および外部電源接続302を行うものである。
【0094】
モードの切り替えの例は、モードM15(B2.外部電源)からモードM11(B1.内部電源)への切り替えや、モードM15(D1.情報端末出力)からモードM13(D2.CTP出力)への切り替えや、モードM15(C1.情報端末アプリケーション操作)からモードM16(C2.CTP本体操作)への切り替え等が挙げられる。
【0095】
以下では、A2.有線接続としてUSB OTGを適用し、モードAとしてモードM15と、モードBとしてモードM11との少なくとも2つのモードに対応可能な実装を有する場合を主に説明する。
【0096】
[ユーザ設定の画面、およびモードの選択・切り替え]
本実施の形態では、上述した2つ以上のモードが実装されたスマホ型CTPシステムにおいて、ユーザによる操作や設定等に応じて、所望のモードを選択/切り替えして利用できる。以下には、ユーザがモードを選択/切り替えするためのユーザ・インタフェース(UI)の一例を示す。
【0097】
図5は、本システムにおける、情報端末2のアプリケーション25による、ユーザ設定の際の画面例を示し、モード(A,B)の選択・切り替えの例を示す。
【0098】
スマートフォン2である情報端末2は、アプリケーション25の画面22において、ユーザ設定の画面として、利用可能な複数のモードの情報を表示し、ユーザによるモードの選択を受け付ける。ユーザは、その画面で、それらの複数のモードから、利用する所望の1つのモードを選択操作する。情報端末2は、そのモード選択に応じて、再生装置1との間での制御通信に基づいて、本システムを、選択されたモードの状態にする。情報端末2は、本システムが、既にあるモードで動作していた場合には、選択されたモードの状態に切り替える。また、情報端末2は、エラー等の理由で、選択されたモードの状態にすることができない場合には、その旨をユーザに対し出力する。
【0099】
なお、利用可能なモードは、前述(図2)のように必要な構成要素が実装されているモードであり、利用不可能なモードは、必要な構成要素が実装されていないモードである。利用不可能なモードの例としては、図2でCTP1が電池111を備えない場合、Bの給電方法としてB1の内部電源を含んだ各モード(図4BでのM1~M4,M9~M12)は利用できない。
【0100】
図5では、アプリケーション25のGUIの一例として、ユーザ設定で1つのモードを選択して設定する場合を示している。例えば、ユーザが本システムを初回に利用する際、情報端末2のアプリケーション25は、図5のようなユーザ設定の画面を表示する。ユーザは、本画面で、モードの選択を含むユーザ設定を行う。情報端末2は、本システムを、選択されたモードの状態に設定し、ユーザ設定情報の一部としてモード情報も保存する。その後、ユーザが、モードを他のモードに変更したい場合には、同様に、アプリケーション25のユーザ設定の画面で、モードを変更する操作および設定が可能である。
【0101】
図5の(a)は、設定の画面例であり、「利用するモードを選択してください」といったガイドメッセージ等を表示しており、モードを選択するためのリストボックス等のGUIを有する。ユーザは、当該GUIに表示されるモードの選択肢から、所望のモード(例えばモードA)を選択操作し、アプリケーション25は、選択されたモードの状態に設定する。なお、製品出荷時など、最初時には、デフォルトで所定のモードが設定済みであってもよい。
【0102】
図5の(b)は、(a)の設定の際の他の画面例であり、選択されたモードの詳細情報を表示している。この例では、モードAとして図4BでのモードM15の場合を図示している。この画面では、モードAの情報501として、接続方法が有線(USB)である点(A2)、給電方法がCTP外部電源(USB)である点(B2)、操作入力方法がスマートフォン2のアプリケーション25である点(C1)、および、音声出力方法がスマートフォン2の出力である点(D1)が表示されている。各点については、GUI操作に応じて、詳細情報表示や詳細設定も可能である。
【0103】
また、画面22の下部には、モードAの概要をアイコン画像502として表示する場合を示している。このように、各モードのイメージ・概要等を表すアイコン等の画像を表示してもよい。これにより、ユーザは、その画像を見て、各モードの概要等を認識しやすくなる。
【0104】
また、図5の(c)は、モードBの場合の表示例を同様に示している。この例では、モードBとして図4BでのモードM11の場合を図示している。モードBは、モードAに対する違いとしては、給電方法がB1の内部電源(電池)となっている。
【0105】
別のUI例としては以下としてもよい。情報端末2は、アプリケーション25の画面で、モードの選択ではなく、図4Aのような構成要素/方法ごとに、1つずつ順に、ユーザによる選択・設定を受け付ける。例えば、画面で、最初、Aの接続方法の選択に関して、A1の無線、A2の有線を選択肢として表示し、ユーザがそれらから選択操作する。次に、同様に、Bの給電方法に関して、選択肢を表示し、ユーザが選択操作する。次に、同様に、Cの操作入力方法に関して、選択肢を表示し、ユーザが選択操作する。次に、同様に、Dの音声出力方法に関して、選択肢を表示し、ユーザが選択操作する。これらの選択に基づいて、アプリケーション25は、モードを決定・設定する。
【0106】
別のUI例としては以下としてもよい。情報端末2は、アプリケーション25の画面で、実装に応じて利用可能な複数のモードの情報を表示する。例えば、図4Bのような表形式で、複数のモードの情報を整理して並列に表示してもよい。また、各モードを、図5の画像502と同様に、文字やアイコン等の画像で表現して表示してもよい。ユーザは、画面で、所望の1つのモードを選択操作し、情報端末2は、選択されたモードの状態に設定する。
【0107】
別のUI例としては以下としてもよい。情報端末2は、アプリケーション25のユーザ設定で、モードごとに、所定のボタンやボタン操作などを割り当てて設定しておく。その設定に基づいて、情報端末2は、ユーザの所定の操作を受け付ける。ユーザは、モードを選択/切り替えしたい時には、設定に基づいた所定の操作として、操作入力部221のボタン操作や、映像表示部223のタッチパネルのタッチ操作などを行う。情報端末2は、その操作を認識し、その操作に対応付けられたモードの状態にする。
【0108】
なお、ユーザがユーザ設定でモードを選択しないで利用する場合には、予めデフォルトとして設定されているモードを適用してもよい。また、その後、CTP1および情報端末2が状況等に応じて自動的に判断して適宜にモードを選択・切り替えしてもよい。
【0109】
[処理シーケンス(1)]
次に、本実施の形態の再生装置1および情報端末2を含むシステムにおける処理シーケンスなどについて説明する。
【0110】
図6は、本システムにおける電源投入から音声出力までの全体的な処理シーケンスを示し、左側の再生装置1(CTP1)側の処理フローと右側の情報端末2(スマートフォン2)側の処理フローとを含んでいる。
【0111】
ステップS1で、ユーザは、CTP1と情報端末2とを物理的に接続(例えば前述のUSB OTGによる接続303)し、CTP1に電源を投入する(例えば電源ボタンON)。ステップS1の詳細については後述する。
【0112】
ステップS2で、ユーザは、情報端末2を操作して、専用アプリであるアプリケーション25を起動させる。情報端末2のアプリケーション25は、CTPアプリとしての画面(図1での画面22)を表示する。この画面は、音声再生時のGUIとしては、音声再生時間、音声再生ボタン、音声停止ボタン、巻き戻しボタン、早送りボタン、音量ボタンなどが含まれる。
【0113】
ステップS3で、ユーザは、アプリケーション25の画面で、利用するモード(例えばモードA)を選択する。前述の図5のように、利用するモードがあらかじめ設定済みの場合には、ここでの選択操作は省略できる。また、実装に応じて、接続方法や給電方法が1つに定まっている場合にも、ここでの選択操作は省略できる。CTP1と情報端末2は、ユーザによって選択されたモードに応じて、CTP1と情報端末2との論理的な接続と電源の方法を切り替える。これは、図4Aおよび図4Bでの、A.接続方法とB.給電方法の選択・切り替えに相当する。ここでは、選択されたモードA(A2,B2)への切り替え(言い換えると接続確立など)が必要であるとする。
【0114】
ステップS4で、情報端末2(図2の制御部201)は、外部通信接続301(図2)を用いて、CTP1へ、モード(特にA.接続方法とB.給電方法)に関する接続・電源切り替え要求を送信する。
【0115】
ステップS5で、CTP1(図2の制御部101)は、情報端末2からの接続・電源切り替え要求に応じて、CTP1での接続および電源の切り替え処理を行う。例えば、モードAとして、図4BでのモードM15の場合に、接続方法はA2の有線(USB OTG)、給電方法はB2の外部電源(USB OTG)である。CTP1は、外部通信インタフェース104でUSB OTGの制御通信を行う「デバイス」の状態となるように設定し、外部電源入力インタフェース105でUSB OTG(特にUSBバスパワー)の給電を受ける「デバイス」の状態となるように設定する。
【0116】
他方、情報端末2側でも、図示を省略するが、モードAに対応した接続および給電の状態となるように設定される。情報端末2は、外部通信インタフェース204でUSB OTGの制御通信を行う「ホスト」の状態となるように設定し、外部電源出力インタフェース205でUSB OTG(特にUSBバスパワー)の給電を行う「ホスト」の状態となるように設定する。
【0117】
ステップS6で、CTP1は、外部通信接続301を用いて、ステップS5の接続・電源切り替え処理(言い換えるとモード設定)が完了したことを表す応答(「処理完了」)を、情報端末2へ送信する。
【0118】
ステップS7で、情報端末2は、ステップS6の応答に基づいて、CTP1側のモードの状態(接続・電源の状況を含む)を確認する。情報端末2のアプリケーション25は、画面に、CTP1側のモードの状態(接続・電源の状況を含む)、および情報端末2のモードの状態(接続・電源の状況を含む)を含む、本システムのモードの状態を表す情報を表示する。ここでは、モードAの接続・電源などのセットアップが正常に完了した状態(「接続OK」)であるとする。
【0119】
ステップS8では、情報端末2は、アプリケーション25の画面で、ユーザによるC.操作入力方法およびD.音声出力方法(図4A)の選択情報の入力を待機する。ユーザは、画面で、操作入力方法および音声出力方法を選択する。ここでは、モードA(モードM15)の場合、図4Bのように、操作入力方法がC1の情報端末のアプリケーションであり、音声出力方法がD1の情報端末出力である。
【0120】
本シーケンス例では、ステップS8での操作入力方法および音声出力方法の選択としたが、これに限らず、各構成要素/方法の選択やモード自体の選択としてもよいし、他のタイミングでの選択としてもよい。ステップS3で、操作入力方法および音声出力方法を含めてモードが選択された場合には、ステップS8での操作入力方法および音声出力方法の選択を省略できる。
【0121】
ステップS9で、情報端末2は、上記操作入力方法および音声出力方法の選択情報(どの方法が選択されたかを表す情報、あるいはどのモードが選択されたかを表す情報)を、外部通信接続301を用いて、CTP1へ送信する。
【0122】
ステップS10で、CTP1は、その選択情報に応じて、CTP1での操作入力方法および音声出力方法に関する状態を設定する。ここでは、CTP1は、操作入力方法に関しては、情報端末2側の操作入力となるので、CTP1に操作入力部121がある場合には、操作入力部121による操作入力を受け付けない状態に設定してもよい。この状態は、言い換えると、操作入力部121の操作入力による音声再生などの操作指示を無効にする状態であり、情報端末2側から制御通信(外部通信インタフェース104)で受信する操作指示を有効にする状態である。また、CTP1は、音声出力方法に関しては、情報端末2側の出力となるので、CTP1に音声出力部122がある場合には、音声出力部122による音声出力を無効にする状態に設定してもよい。この状態は、言い換えると、情報端末2側へ制御通信(外部通信インタフェース104)で音声データを送信することを有効にする状態である。
【0123】
他方、ステップS11では、情報端末2は、上記選択情報に応じて、情報端末2での操作入力方法および音声出力方法に関する状態を設定する。ここでは、情報端末2は、操作入力方法に関しては、アプリケーション25の画面22(図1)に対する操作入力を受け付ける状態にする。この状態は、言い換えると、その操作入力による操作指示を、制御通信(外部通信インタフェース204)でCTP1へ送信することを有効にする状態である。また、情報端末2は、音声出力方法に関しては、CTP1側から制御通信(外部通信インタフェース204)で受信する音声データを、音声出力部222で出力することを有効にする状態に設定する。
【0124】
ステップS12では、CTP1は、CTP情報(言い換えるとCTP状態情報)を、外部通信接続301を用いて、情報端末2へ送信する。このCTP情報は、自機であるCTP1の状態を表す情報であり、CTP1側でのモードの設定の結果における現在の状態(例えばモードAに設定された状態)や、CTP1の機能に関する基本的な動作の状態を表す情報である。CTP情報における動作の状態は、例えばカセットテープ11がセットされておらず音声再生不可能な状態や、カセットテープ11がセットされていて音声再生可能な状態や、音声停止状態や音声再生状態などが挙げられる。ステップS12では、初回のCTP情報の送信のみを図示しているが、このCTP情報の送信は、時間軸上で周期的に繰り返し同様に実行される。
【0125】
ステップS13では、情報端末2のアプリケーション25は、CTP1から外部通信で受信したCTP情報に基づいて、CTP1の状態を表す情報・画像を、アプリケーション25の画面22に表示する。ユーザは、画面22を見ることで、CTP1の状態(例えば音声再生可能な状態など)を認識できる。
【0126】
ステップS14では、情報端末2のアプリケーション25は、画面22に対するユーザによる操作入力(CTP1の制御操作入力)を受け付ける。情報端末2は、その制御操作入力(例えば音声再生開始ボタン押下)を検出した場合には、それに対応する制御操作入力情報(言い換えると制御情報、操作指示)を生成する。この制御情報は、例えば、音声再生開始、音声再生停止、早送り、巻き戻し、といったものが挙げられる。
【0127】
ステップS15では、情報端末2のアプリケーション25は、その制御操作入力情報を、外部通信接続301(外部通信インタフェース204)を用いて、CTP1へ送信する。
【0128】
ステップS16では、CTP1(制御部101)は、受信した制御情報に応じて、図2の駆動部106や読み出し部107を制御することで、カセットテープ11からの音声信号の読み出し等を制御する。そして、CTP1(制御部101)は、ここでは、音声出力先が情報端末2であるため、信号変換部109を用いて、読み出したアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換することで、音声データを取得し、適宜にメモリ資源(例えばメモリ102またはストレージ部124)に格納する。
【0129】
ステップS17では、CTP1(制御部101)は、上記音声データを、外部通信接続301(外部通信インタフェース104)を用いて、情報端末2へ送信する。
【0130】
ステップS18では、情報端末2は、CTP1から受信・入力した音声データを、適宜にメモリ資源(例えばメモリ202またはストレージ部224)に格納しながら、音声出力部222において音声出力(例えばBluetoothでのデジタル出力)する。
【0131】
上記図6の例では、Aの接続方法とBの給電方法(図4A)とについては、最初から選択・設定済みであり、ステップS3でアプリケーション25の画面(図5)でユーザがCの操作入力方法とDの音声出力方法(図4A)とを選択する場合を示したが、これに限定されない。一旦、利用方法やモードが選択・設定済みである場合、変更が無ければ、その後の利用方法やモードの選択操作は省略である。
【0132】
モードの選択に関して、詳細な処理例として、以下としてもよい。アプリケーション25は、例えばステップS3で、CTP1側から、または情報端末2内から、CTP1側の型番などの情報を参照する。型番などの情報から、接続されるCTP1がどのような構成であるかが判明する。よって、アプリケーション25は、そのCTP1の構成に応じて、利用可能な限定された構成要素/方法やパターン/モードが判明する。アプリケーション25は、例えばステップS8で、その利用可能な構成要素/方法やモードの情報を前述のような画面で提示し、ユーザによる選択を受け付ける。その選択に応じて選択情報が得られる。
【0133】
[処理シーケンス(2)]
図7は、図6のステップS1に対応した、電源投入から接続までの処理シーケンス例として、Aの接続方法がA2の有線接続(USB OTG)である場合を示す。
【0134】
ステップS21で、ユーザは、CTP1と情報端末2とを有線(USB OTGに対応したUSBケーブル31、言い換えるとホストケーブル)で物理的に接続する。これにより、CTP1の外部通信インタフェース104と情報端末2の外部通信インタフェース204とが、外部通信接続301として有線接続される。また、同じUSBケーブル31で、CTP1の外部電源入力インタフェース105と情報端末2の外部電源出力インタフェース205とが、外部電源接続302として有線接続される。
【0135】
ステップS22で、情報端末2は、電源部210に基づいて、外部電源出力インタフェース205におけるUSBバスパワーにて、外部電源接続302を通じて、CTP1(外部電源入力インタフェース105)へ、電力を供給する。
【0136】
ステップS23は、情報端末2からCTP1への給電の開始を示している。この給電は、時間軸上で継続的に同様に行われる。
【0137】
ステップS24で、CTP1は、情報端末2からの給電によって、外部電源入力インタフェース105から電源部110を通じて電力が供給され、この電力に基づいて起動する。
【0138】
[処理シーケンス(3)]
図8は、図6のステップS1に対応した、電源投入から接続までの処理シーケンス例として、Aの接続方法がA1の無線接続であり、Bの給電方法がB1の内部電源である場合を示す。
【0139】
ステップS31で、CTP1は、操作入力部121に対するユーザからの電源投入操作(例えば電源ボタン押下)がされるのを待機し、電源投入操作の操作入力を受け付け、検出する。
【0140】
ステップS32で、CTP1は、内部電源である電池111から電力が供給され、この電力に基づいて起動する。
【0141】
ステップS33で、CTP1と情報端末2は、無線(例えばBluetooth)で接続する。CTP1の外部通信インタフェース104と情報端末2の外部通信インタフェース204とが、外部通信接続301として無線接続される。
【0142】
[処理シーケンス(4)]
図9は、図6のステップS1に対応した、電源投入から接続までの処理シーケンス例として、Aの接続方法がA1の無線接続であり、Bの給電方法がB2の外部電源(例えばACアダプター)である場合を示す。
【0143】
ステップS41で、CTP1は、外部電源であるACアダプターからの給電に基づいて、外部電源入力インタフェース105から電力が供給され、この電力に基づいて起動する。
【0144】
ステップS42で、CTP1と情報端末2は、無線(例えばBluetooth)で接続する。CTP1の外部通信インタフェース104と情報端末2の外部通信インタフェース204とが、外部通信接続301として無線接続される。
【0145】
なお、ステップS41で、外部電源を情報端末2からのUSBバスパワーとする場合には、図7のステップS22等と同様に、情報端末2からCTP1へUSBバスパワーで給電を行なえばよい。
【0146】
[効果等]
上述のように、本実施の形態の再生装置(CTP)1、情報端末2、および再生方法によれば、CTP1に関する新たな利用方法などを提案し、新たにスマートフォンなどの情報端末2と連携させて好適な連携などを実現でき、携帯性、操作性、利便性、汎用性などを高めることができる。例えば、前述のモードAで利用する場合など、給電方法(図4A)をB2の外部電源とする場合には、情報端末2側から給電できるので、CTP1側に電池111等の実装を不要とし、CTP1のハードウェア機構を簡略化できる。よって、CTP1を軽量、小型、低コスト等で実現でき、携帯性などを高めることができる。あるいは、CTP1側に電池111等を備える場合でも、情報端末2側の電力を併用できるので、CTP1の長時間利用や、状況に応じた電源の使い分け等が実現できる。
【0147】
また、操作入力方法(図4A)をC1の情報端末のアプリケーションとする場合には、ユーザが情報端末2側からアプリケーション25の画面22などでCTP1の音声再生等を操作することができ、利便性などを高めることができる。また、CTP1側での操作入力部121や映像表示部123等の実装を不要とし、CTP1のハードウェア機構を簡略化できる。よって、CTP1を軽量、小型、低コスト等で実現でき、携帯性などを高めることができる。あるいは、CTP1側に操作入力部121や映像表示部123等を備える場合でも、情報端末2側のUIと併用できるので、状況に応じた使い分け等が実現できる。
【0148】
また、音声出力方法(図4A)をD1の情報端末出力とする場合には、カセットテープ11の音声を情報端末2側から再生することができ、利便性などを高めることができる。また、カセットテープ11のアナログ音声信号を、音声データにして、デジタル録音として、情報端末2側に保存することができ、利便性などを高めることができる。
【0149】
また、本システムでは、ユーザは、複数のモードを適宜に使い分けて利用でき、利便性などを高めることができる。例えば、ユーザは、通常時にはモードAでCTP1を利用し、スマートフォン2の電力が少なくなった場合等には、モードBに切り替えて、CTP1の電池111でCTP1を利用できる。また、例えば、ユーザは、自宅時と外出時とで異なるモードでCTP1を利用することもできる。
【0150】
上記実施の形態では、モードA,Bを実装する場合を説明したが、これに限定されず、他のモードを実装する形態も可能である。
【0151】
以上、本開示の実施の形態について具体的に説明したが、前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。各実施の形態は、必須構成要素を除き、構成要素の追加・削除・置換などが可能である。特に限定しない場合、各構成要素は、単数でも複数でもよい。各実施の形態や変形例を組み合わせた形態も可能である。
【0152】
(付記) 本発明の実施の形態としては以下も可能である。CTPシステムである音声再生システムは、音声記録媒体(カセットテープ)から音声を再生するための再生装置(CTP)と、前記再生装置と通信で接続される情報端末(スマートフォン)と、を備え、前記情報端末は、設定に基づいて、前記再生装置へ電源供給を行い、前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末から電源供給を受け、前記情報端末は、前記設定に基づいて、前記再生装置の操作のためのアプリケーションによる画面で、ユーザによる操作入力を受け付け、前記操作入力に対応した指示を前記再生装置へ前記通信で送信し、前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの前記操作入力の前記指示を前記通信で受信し、前記指示に従って前記音声を再生し、前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記音声記録媒体から音声信号を読み出し、前記音声信号を音声データに変換して、前記通信で前記情報端末へ転送し、前記情報端末は、前記設定に基づいて、前記再生装置から前記音声データを受信し、前記音声データに基づいて、前記音声を出力する。
【0153】
また、前記音声再生システムにおいて、前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの電源供給ではなく、前記再生装置の内部電源で動作し、前記設定で、前記情報端末からの電源供給と前記再生装置の内部電源とから選択され、前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの前記操作入力の前記指示ではなく、前記再生装置での操作入力に従って動作し、前記設定で、前記情報端末からの前記操作入力と前記再生装置での前記操作入力とから選択され、前記再生装置は、前記設定に基づいて、前記情報端末からの音声出力ではなく、前記再生装置で音声出力し、前記設定で、前記情報端末からの前記音声出力と前記再生装置での前記音声出力とから選択される。
【符号の説明】
【0154】
1…再生装置(カセットテーププレイヤー:CTP)、2…情報端末(スマートフォン)、10…本体(筐体)、11…カセットテープ、20…筐体、21…表示画面、22…画面(アプリケーション画面)、31…ケーブル、104…外部通信インタフェース、105…外部電源入力インタフェース、204…外部通信インタフェース、205…外部電源出力インタフェース、221…操作入力部、222…音声出力部、223…映像表示部。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9