(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104777
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】箔転写装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/24 20060101AFI20240730BHJP
B41F 16/00 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B65C9/24
B41F16/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009124
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】市川 智也
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】横山 政季
(72)【発明者】
【氏名】楠田 晋也
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA20
3E095BA02
3E095CA10
3E095DA03
3E095DA42
3E095DA59
3E095DA90
3E095FA30
(57)【要約】
【課題】フィルムカートリッジの着脱時に箔フィルムが擦れることを抑制する。
【解決手段】箔転写装置1は、本体筐体2と、フィルムカートリッジ30と、加熱回転体(加熱ローラ61)と、加圧回転体(加圧ローラ50)と、第1離間部材70とを備える。フィルムカートリッジ30は、本体筐体2の開口を通して本体筐体2に対して着脱可能である。フィルムカートリッジ30は、箔を含む箔フィルムFが巻回される供給リール32と、巻取リール33とを有する。第1離間部材70は、加圧回転体および加熱回転体の少なくとも一方を、加熱回転体と加圧回転体が圧接した圧接状態から第1距離D1だけ離間した第1離間状態に移動可能である。フィルムカートリッジ30は、加熱回転体と加圧回転体が第1離間状態にあるときに本体筐体2から供給リール32の軸方向に着脱可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに箔を転写する箔転写装置であって、
開口を有する本体筐体と、
前記開口を通して前記本体筐体に対して着脱可能なフィルムカートリッジであって、箔を含む箔フィルムが巻回される供給リールと、前記供給リールからの箔フィルムを巻き取るための巻取リールと、を有するフィルムカートリッジと、
箔フィルムおよびシートを加熱する加熱回転体と、
前記加熱回転体との間で箔フィルムとシートを挟む加圧回転体と、
前記加熱回転体と前記加圧回転体の少なくとも一方を、前記加熱回転体と前記加圧回転体が圧接した圧接状態から第1距離だけ離間した第1離間状態に移動可能な第1離間部材と、を備え、
前記フィルムカートリッジは、前記加熱回転体と前記加圧回転体が前記第1離間状態にあるときに前記本体筐体から前記供給リールの軸方向に着脱可能であることを特徴とする箔転写装置。
【請求項2】
前記開口を覆う閉位置と、前記開口を露出する開位置と、に移動可能なカバーをさらに備え、
第1離間部材は、
前記カバーの動きに連動して前記加圧回転体および前記加熱回転体の少なくとも一方を移動させ、
前記カバーが前記閉位置に位置する場合、前記加熱回転体および前記加圧回転体が圧接状態になることを許容し、
前記カバーが前記閉位置から前記開位置に移動する場合、前記加熱回転体および前記加圧回転体を前記第1離間状態にすることを特徴とする請求項1に記載の箔転写装置。
【請求項3】
第1レバー位置と第2レバー位置との間で移動可能なレバーをさらに備え、
前記第1離間部材は、
前記レバーの動きに連動して前記加圧回転体および前記加熱回転体の少なくとも一方を移動させ、
前記レバーが前記第1レバー位置に位置する場合、前記加熱回転体および前記加圧回転体が圧接状態になることを許容し、
前記レバーが前記第1レバー位置から前記第2レバー位置に移動する場合、前記加熱回転体および前記加圧回転体を前記第1離間状態にすることを特徴とする請求項1に記載の箔転写装置。
【請求項4】
前記開口を覆う閉位置と、前記開口を露出する開位置と、に移動可能なカバーと、
前記カバーを前記閉位置にロックするロック位置と、前記カバーを前記閉位置にロックしないアンロック位置と、に移動可能なラッチと、をさらに備え
前記ラッチは、
前記レバーが前記第1レバー位置に位置する場合、前記ロック位置に位置し、
前記レバーが前記第2レバー位置に位置する場合、前記アンロック位置に位置することを特徴とする請求項3に記載の箔転写装置。
【請求項5】
前記加熱回転体および前記加圧回転体が前記第1離間状態にあるか否かを検知可能なセンサと、
制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記センサからの信号によって、前記加熱回転体と前記加圧回転体とが前記第1離間状態にないと判定した場合、前記ラッチを前記ロック位置に移動させ、
前記センサからの信号によって、前記加熱回転体と前記加圧回転体とが前記第1離間状態にあると判定した場合、前記ラッチを前記アンロック位置に移動させることを特徴とする請求項4に記載の箔転写装置。
【請求項6】
前記加熱回転体および前記加圧回転体の少なくとも一方を、前記加熱回転体と前記加圧回転体が圧接した圧接状態と、前記加熱回転体と前記加圧回転体が前記第1距離よりも小さい第2距離だけ離間した第2離間状態と、の間で移動可能な第2離間部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の箔転写装置。
【請求項7】
前記開口を覆う閉位置と、前記開口を露出する開位置と、に移動可能なカバーと、
モータと、をさらに備え、
前記第1離間部材は、前記加熱回転体および前記加圧回転体の少なくとも一方を移動させることが可能な大離間カムであって、前記カバーが前記閉位置に位置する場合に前記加熱部材および前記加圧部材が圧接状態になることを許容する第1カム位置に位置し、前記カバーが前記開位置に位置する場合に前記加熱部材および前記加圧部材を前記第1離間状態にする第2カム位置に位置する大離間カムを有し、
前記第2離間部材は、前記加熱回転体および前記加圧回転体の少なくとも一方を移動可能な小離間カムであって、前記モータで駆動される小離間カムを有することを特徴とする請求項6に記載の箔転写装置。
【請求項8】
第1レバー位置と第2レバー位置の間で移動可能なレバーと、モータと、をさらに備え、
前記第1離間部材は、前記加熱回転体および前記加圧回転体の少なくとも一方を移動可能な大離間カムであって、前記レバーが前記第1レバー位置に位置する場合に前記加熱部材および前記加圧部材が圧接状態になることを許容する第1カム位置に位置し、前記レバーが前記第2レバー位置に位置する場合に前記加熱部材および前記加圧部材を前記第1離間状態にする第2カム位置に位置する大離間カムを有し、
前記第2離間部材は、前記加熱回転体および前記加圧回転体の少なくとも一方を移動可能な小離間カムであって、前記モータで駆動される小離間カムを有することを特徴とする請求項6に記載の箔転写装置。
【請求項9】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記小離間カムを駆動して、
前記シートに箔を転写する場合に前記加熱回転体および前記加圧回転体を前記圧接状態にし、
前記シートに箔を転写しない場合に前記加熱回転体および前記加圧回転体を前記第2離間状態にすることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の箔転写装置。
【請求項10】
前記大離間カムは、回転カムであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の箔転写装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに転写層を転写する箔転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに転写層を転写する箔転写装置が知られている(特許文献1参照)。例えば、従来の箔転写装置は、特許文献1に記載されている。この箔転写装置には、転写層の取り替えを容易にするためのフィルムカートリッジが装着可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フィルムカートリッジを着脱する場合に、箔フィルムが加熱回転体と加圧回転体に擦れることがあった。
【0005】
そこで、本開示は、フィルムカートリッジの着脱時に箔フィルムが擦れることを抑制する箔転写装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本願の第1態様に係る、シートに箔を転写する箔転写装置は、本体筐体と、フィルムカートリッジと、加熱回転体と、加圧回転体と、第1離間部材と、を備える。
本体筐体は、開口を有する。フィルムカートリッジは、開口を通して本体筐体に対して着脱可能である。フィルムカートリッジは、箔を含む箔フィルムが巻回される供給リールと、供給リールからの箔フィルムを巻き取るための巻取リールと、を有する。加熱回転体は、箔フィルムおよびシートを加熱する。加圧回転体は、加熱回転体との間で箔フィルムとシートを挟む。第1離間部材は、加熱回転体と加圧回転体の少なくとも一方を、加熱回転体と加圧回転体が圧接した圧接状態から第1距離だけ離間した第1離間状態に移動可能である。
フィルムカートリッジは、加熱回転体と加圧回転体が第1離間状態にあるときに本体筐体から供給リールの軸方向に着脱可能である。
【0007】
加熱回転体と加圧回転体が第1離間状態にあるときに、フィルムカートリッジが供給リールの軸方向に着脱されるため、着脱時に箔フィルムが擦れることを抑制できる。
【0008】
また、第2態様に係る箔転写装置は、第1態様に係る箔転写装置において、開口を覆う閉位置と、開口を露出する開位置と、に移動可能なカバーをさらに備えてもよい。そして、第1離間部材は、カバーの動きに連動して加圧回転体および加熱回転体の少なくとも一方を移動させてもよい。そして、第1離間部材は、カバーが閉位置に位置する場合、加熱回転体および加圧回転体が圧接状態になることを許容してもよい。そして、第1離間部材は、カバーが閉位置から開位置に移動する場合、加熱回転体および加圧回転体を第1離間状態にしてもよい。
【0009】
また、第2態様に係る箔転写装置は、第1態様に係る箔転写装置において、第1レバー位置と第2レバー位置との間で移動可能なレバーをさらに備えてもよい。そして、第1離間部材は、レバーの動きに連動して加圧回転体および加熱回転体の少なくとも一方を移動させ、レバーが第1レバー位置に位置する場合、加熱回転体および加圧回転体が圧接状態になることを許容し、レバーが第1レバー位置から第2レバー位置に移動する場合、加熱回転体および加圧回転体を第1離間状態にしてもよい。
【0010】
また、第4態様に係る箔転写装置は、第1態様に係る箔転写装置において、開口を覆う閉位置と、開口を露出する開位置と、に移動可能なカバーと、カバーを閉位置にロックするロック位置と、カバーを閉位置にロックしないアンロック位置と、に移動可能なラッチと、をさらに備えてもよい。そして、ラッチは、レバーが第1レバー位置に位置する場合、ロック位置に位置し、レバーが第2レバー位置に位置する場合、アンロック位置に位置してもよい。
【0011】
レバーが第1レバー位置に位置する場合、ラッチがロック位置に位置するので、加熱回転体および加圧回転体が圧接状態でカバーが開位置に移動することを抑制できる。
【0012】
また、第5態様に係る箔転写装置は、第1態様に係る箔転写装置において、加熱回転体および加圧回転体が第1離間状態にあるか否かを検知可能なセンサと、制御部と、をさらに備えてもよい。そして、制御部は、センサからの信号によって、加熱回転体と加圧回転体とが第1離間状態にないと判定した場合、ラッチをロック位置に移動させ、センサからの信号によって、加熱回転体と加圧回転体とが第1離間状態にあると判定した場合、ラッチをアンロック位置に移動させてもよい。
【0013】
また、第6態様に係る箔転写装置は、第1態様に係る箔転写装置において、加熱回転体および前記加圧回転体の少なくとも一方を、前記加熱回転体と前記加圧回転体が圧接した圧接状態と、前記加熱回転体と前記加圧回転体が前記第1距離よりも小さい第2距離だけ離間した第2離間状態と、の間で移動可能な第2離間部材をさらに備えてもよい。
【0014】
また、第7態様に係る箔転写装置は、第6態様に係る箔転写装置において、開口を覆う閉位置と、開口を露出する開位置と、に移動可能なカバーと、モータと、をさらに備えてもよい。そして、第1離間部材は、加熱回転体および加圧回転体の少なくとも一方を移動させることが可能な大離間カムであって、カバーが閉位置に位置する場合に加熱部材および加圧部材が圧接状態になることを許容する第1カム位置に位置し、カバーが開位置に位置する場合に加熱部材および加圧部材を第1離間状態にする第2カム位置に位置する大離間カムを有してもよい。そして、第2離間部材は、加熱回転体および加圧回転体の少なくとも一方を移動可能な小離間カムであって、モータで駆動される小離間カムを有してもよい。
【0015】
また、第8態様に係る箔転写装置は、第7態様に係る箔転写装置において、第1レバー位置と第2レバー位置の間で移動可能なレバーと、モータと、をさらに備えてもよい。そして、第1離間部材は、加熱回転体および加圧回転体の少なくとも一方を移動可能な大離間カムであって、レバーが第1レバー位置に位置する場合に加熱部材および加圧部材が圧接状態になることを許容する第1カム位置に位置し、レバーが第2レバー位置に位置する場合に加熱部材および加圧部材を第1離間状態にする第2カム位置に位置する大離間カムを有してもよい。そして、第2離間部材は、加熱回転体および加圧回転体の少なくとも一方を移動可能な小離間カムであって、モータで駆動される小離間カムを有してよい。
【0016】
また、第9態様に係る箔転写装置は、第8態様に係る箔転写装置において、制御部をさらに備え、制御部は、小離間カムを駆動して、シートに箔を転写する場合に加熱回転体および加圧回転体を圧接状態にし、シートに箔を転写しない場合に加熱回転体および加圧回転体を第2離間状態にしてもよい。
【0017】
また、第10態様に係る箔転写装置は、第8態様に係る箔転写装置において、大離間カムは、回転カムであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、フィルムカートリッジの着脱時に箔フィルムが擦れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る箔転写装置を示す図であり、加熱回転体を圧接状態の箔転写装置を示す図である。
【
図2】カバーを開けた状態の箔転写装置を示す斜視図である。
【
図3】フィルムカートリッジを引き出した状態の箔転写装置を示す斜視図である。
【
図4】フィルムカートリッジから箔フィルムを取り出した状態を示す斜視図である。
【
図5】大離間させた状態の箔転写装置を示す図である。
【
図6】小離間させた状態の箔転写装置を示す図である。
【
図7】大離間と小離間をさせた状態の箔転写装置を示す図である。
【
図8】圧接状態の加熱ユニットを示す図(a)と、大離間させた後の加熱ユニットを示す図(b)である。
【
図9】圧接状態の加熱ユニットを示す図(a)と、小離間させた後の加熱ユニットを示す図(b)である。
【
図10】ラッチがロック位置に位置する状態を示す図(a)と、ラッチがアンロック位置に位置する状態を示す図(b)である。
【
図11】他の実施形態に係るフィルムカートリッジを取り出した状態の箔転写装置を示す斜視図である。
【
図12】他の形態に係る箔転写装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、箔転写装置1は、シートSに箔を転写する装置である。箔転写装置1は、例えば、画像形成装置等でシートSにトナー像を形成した後、シートSのトナー像の上にアルミニウム等の箔を有する転写層を転写する。つまり、箔転写装置1は、シートSのトナー像の上に箔を転写することで、シートSに箔の画像を形成している。
【0022】
本実施形態では、シートSの搬送方向は、水平方向である。以下の説明では、シートSの搬送方向を「搬送方向」という。
【0023】
箔転写装置1は、本体筐体2と、シート搬送部10と、フィルムカートリッジ30と、加圧回転体の一例としての加圧ローラ50と、加熱ユニット60と、制御部CUと、を備えている。
【0024】
図2に示すように、本体筐体2は、開口21と、カバー22と、供給トレイ23と、排出トレイ24と、ガイド25と、ラッチ26と、を有する。
【0025】
開口21は、本体筐体2の側面に位置する。開口21は、後述するフィルムカートリッジ30が取り外されることを許容する。
【0026】
カバー22は、本体筐体2の側面に位置する。カバー22は、本体筐体2に対して、回動可能である。具体的には、カバー22は、開口21を開閉可能である。具体的には、カバー22は、二点鎖線で示す閉位置と、実線で示す開位置とに移動可能である。カバー22は、閉位置に位置する場合、開口21を覆う。カバー22は、開位置に位置する場合、開口21を露出する。カバー22は、ラッチ26に係合する係合爪22Aを有する。係合爪22Aは、カバー22が閉位置に位置する場合にカバー22から本体筐体2の内部に向けて突出している。
【0027】
供給トレイ23は、搬送方向における本体筐体2の上流端に位置する。供給トレイ23は、箔を転写するシートSを載置する。
【0028】
排出トレイ24は、搬送方向における本体筐体2の下流端に位置する。排出トレイ24は、本体筐体2から排出されたシートSを載置する。
【0029】
ガイド25は、加熱ユニット60をスライド移動可能に保持するレールである。ガイド25は、搬送方向に直交する方向に延びている。
【0030】
ラッチ26は、カバー22をロックする部材である。ラッチ26は、本体筐体2の内側であって、開口21付近に配置されている。本実施形態では、ラッチ26は、ソレノイドアクチュエータである。ラッチ26は、後述する制御部CUの指令を受けて、
図10(a)に示すロック位置と、
図10(b)に示すアンロック位置に移動可能である。
図10(a)に示すように、ラッチ26がロック位置に位置する場合、カバー22を閉位置にロックする。
図10(b)に示すように、ラッチ26がアンロック位置に位置する場合、カバー22を閉位置にロックしない。
【0031】
図1に戻り、シート搬送部10は、供給ローラ11と、排出ローラ12とを有する。供給ローラ11は、供給トレイ23上のシートSを一枚ずつ加圧ローラ50に向けて搬送する。排出ローラ12は、加圧ローラ50を通過したシートSを本体筐体2の排出トレイ24に排出する。
【0032】
フィルムカートリッジ30は、箔フィルムFが収納されたカートリッジである。フィルムカートリッジ30は、開口21を通して本体筐体2に対して着脱可能である。フィルムカートリッジ30が本体筐体2に装着された場合、フィルムカートリッジ30は、供給ローラ11から搬送されたシートSに箔フィルムFを重ねるように箔フィルムFを供給可能である。フィルムカートリッジ30は、ホルダ31と、供給リール32と、巻取リール33と、第1案内軸35と、第2案内軸36と、を有する。
【0033】
ホルダ31は、供給リール32と巻取リール33とを回転可能に保持する。
【0034】
供給リール32は、箔を含む箔フィルムFが巻回される。供給リール32は、回転軸X1を中心として回転可能である。以下の説明では、供給リール32の回転軸X1に沿った方向を「軸方向」いう。
【0035】
巻取リール33は、供給リール32からの箔フィルムFを巻き取る。巻取リール33は、軸方向に延びる回転軸X2を中心として回転可能である。巻取リール33は、フィルムカートリッジ30が本体筐体2に装着された場合に、図示せぬモータによって回転駆動される。
【0036】
第1案内軸35は、箔フィルムFを案内する軸である。詳しくは、第1案内軸35は、供給リール32から引き出される箔フィルムFに接触して、箔フィルムFの進行方向を変更する。
【0037】
第2案内軸36は、箔フィルムFを案内する軸である。詳しくは、第2案内軸36は、第1案内軸35で案内された箔フィルムFに接触して、箔フィルムFの進行方向を変更する。
【0038】
加圧ローラ50は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ50は、シートSの搬送経路の上側に配置されている。加圧ローラ50は、シートSと接触可能である。詳しくは、加圧ローラ50は、シートSの、トナー像が形成された面と反対側の面と接触可能である。
【0039】
加圧ローラ50は、両端部が本体筐体2に回転可能に支持されている。加圧ローラ50は、図示せぬモータによって回転駆動される。
【0040】
加圧ローラ50は、加熱ローラ61の下に位置する。加圧ローラ50は、加熱ローラ61と接触可能である。
【0041】
加熱ユニット60は、加熱回転体の一例としての加熱ローラ61と、加熱フレーム62と、スライドフレーム63と、圧縮バネ64と、離間シャフト65と、を有する。
【0042】
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管と、金属管の内部に配置されたヒータとを有するローラである。加熱ローラ61は、箔フィルムFおよびシートSを加熱する。加熱ローラ61は、加圧ローラ50に向かい合って位置する。加熱ローラ61は、シートSの搬送経路の上側に配置されている。加熱ローラ61は、加圧ローラ50との間でシートSおよび箔フィルムFを挟む。加熱ローラ61は、加圧ローラ50の回転駆動に従動して回転する。加圧ローラ50と加熱ローラ61との間でシートSおよび箔フィルムFを挟んだ状態で、加圧ローラ50および加熱ローラ61が回転することで、シートSおよび箔フィルムFが搬送される。
【0043】
加熱フレーム62は、スライドフレーム63をスライド移動可能に保持する。
【0044】
図8(a)に示すように、加熱フレーム62は、長穴62Hを4つ(
図8(a)には2つのみ図示)有する。長穴62Hは、加熱フレーム62の上部に位置する。4つの長穴62Hのうち、2つは、搬送方向の上流側に位置し、軸方向に並んでいる。4つの長穴62Hのうち、2つは、搬送方向の下流側に位置し、軸方向に並んでいる。
【0045】
図1に戻り、スライドフレーム63は、加熱ローラ61と、圧縮バネ64を保持するフレームである。スライドフレーム63は、加熱フレーム62にスライド移動可能に保持されており、加熱フレーム62に対して、上下にスライド移動する。具体的には、スライドフレーム63は、
図1に示す圧接位置と、
図6に示す小離間位置と、に移動可能である。
【0046】
図9(a),(b)に示すように、加熱ユニット60のスライドフレーム63は、後述する小離間カム80が入り込む凹部63Aを有する。
【0047】
図1に戻り、圧縮バネ64は、加熱ローラ61と、スライドフレーム63の底との間に位置する。圧縮バネ64は、加熱ローラ61を加圧ローラ50に向けて付勢する。
【0048】
離間シャフト65は、加熱フレーム62に固定されている。離間シャフト65は、搬送方向に延びている。離間シャフト65は、加熱フレーム62から搬送方向の両側に向けて突出している。そして、離間シャフト65は、ガイド25にスライド移動可能に保持されている。
【0049】
制御部CUは、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えており、ROMなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって制御を実行する。
【0050】
ここで、箔転写装置1は、
図1に示す圧接状態と、
図5に示す第1離間状態と、
図6に示す第2離間状態と、に遷移可能である。
図1に示すように、圧接状態は、加熱ローラ61と加圧ローラ50が圧接した状態である。
図5に示すように、第1離間状態は、加熱ローラ61と加圧ローラ50が圧接した圧接状態から第1距離D1だけ離間した状態である。
図6に示すように、第2離間状態は、加熱ローラ61と加圧ローラ50が圧接した圧接状態から第2距離D2だけ離間した状態である。第1距離D1は、第2距離D2より大きい(D2<D1)。第1距離D1は、一例として、10mm以上である。第2距離D2は、一例として、5mm未満である。以下の説明では、第1離間状態を大離間ともいう。また、第2離間状態を小離間ともいう。
【0051】
また、
図7に示すように、箔転写装置1は、加熱ローラ61と加圧ローラ50を小離間させた状態でさらに大離間することが可能である。同様に、箔転写装置1は、大離間させた状態でさらに小離間することが可能である。大離間と小離間を両方実行した場合、加熱ローラ61と加圧ローラ50は、圧接した圧接状態から第1距離D1と第2距離D2を足した距離D1+D2だけ離間した状態である。
【0052】
図8、
図9に示すように、箔転写装置1は、第1離間部材70と、第2離間部材の一例としての小離間カム80と、センサ90と、をさらに備える。
【0053】
制御部CUは、箔転写を実行する場合、加熱ローラ61を
図1に示す圧接位置に位置させる。制御部CUは、箔転写を実行しない場合、加熱ローラ61を
図6に示すように小離間させる。なお、制御部CUは、加熱ローラ61が大離間されている場合には、箔転写を実行しない。
【0054】
図8(a),(b)に示すように、第1離間部材70は、加熱ローラ61と加圧ローラ50を大離間させるための部材である。すなわち、第1離間部材70は、加熱ローラ61を移動させることが可能である。具体的には、第1離間部材70は、加熱ローラ61を加熱ローラ61と加圧ローラ50が圧接した圧接状態から第1距離D1だけ離間した第1離間状態に移動可能である。
【0055】
第1離間部材70は、レバー71と、第1リンク72と、第2リンク73と、アイドルギヤ列74と、を有する。
【0056】
レバー71は、細長い棒形状を有する。レバー71は、第1ギヤ71Gを有する。第1ギヤ71Gは、回動軸71Xを中心として回転するギヤである。第1ギヤ71Gは、レバー71の一端に固定されている。レバー71は、
図8(a)に示す第1レバー位置と、
図8(b)に示す第2レバー位置との間で移動可能である。具体的には、レバー71は、搬送方向に延びる回動軸71Xを中心として回動することで、第1レバー位置と、第2レバー位置に移動する。
【0057】
第1リンク72は、細長い棒形状を有する。第1リンク72は、第2ギヤ72Gと、第1ボス72Aとを有する。第2ギヤ72Gは、回動軸72Xを中心として回転するギヤである。第2ギヤ72Gは、第1リンク72の一端に固定されている。第2ギヤ72Gは、レバー71の第1ギヤ71Gおよびアイドルギヤ列74と噛み合っている。第1ボス72Aは、第2ギヤ72Gより下に位置する。第1ボス72Aは、加熱フレーム62の長穴62Hに入り込んでいる。第1リンク72は、
図8(a)に示す第1リンク位置と、
図8(b)に示す第2リンク位置との間で回動可能である。
【0058】
第2リンク73は、細長い棒形状を有する。第2リンク73は、第3ギヤ73Gと、第2ボス73Aとを有する。第3ギヤ73Gは、回動軸73Xを中心として回転するギヤである。第3ギヤ73Gは、第2リンク73の一端に固定されている。第3ギヤ73Gは、アイドルギヤ列74と噛み合っている。第2ボス73Aは、加熱フレーム62の長穴62Hに入り込んでいる。第2リンク73は、
図8(a)に示す第1リンク位置と、
図8(b)に示す第2リンク位置との間で移動可能である。
【0059】
アイドルギヤ列74は、第2ギヤ72Gおよび第3ギヤ73Gと噛み合っている複数のギヤである。アイドルギヤ列74は、第2ギヤ72Gの駆動を第3ギヤ73Gに伝達可能である。
【0060】
図8(a)に示すように、第1リンク72および第2リンク73は、レバー71が第1レバー位置に位置する場合、第1リンク位置に位置する。このとき、加熱ローラ61は、加圧ローラ50と圧接している。
【0061】
図8(b)に示すように、レバー71を第1レバー位置から第2レバー位置に回動させた場合、第1ギヤ71Gが
図12における時計回りに回転する。第1ギヤ71Gが時計回りに回転すると、第1ギヤ71Gと噛み合う第2ギヤ72Gが反時計回りに回転し、第1リンク72が第1リンク位置から第2リンク位置に回動する。
さらに、第2ギヤ72Gが反時計回りに回転した場合、第2ギヤ72Gと噛み合うアイドルギヤ列74を介して第3ギヤ73Gが時計回りに回転し、第2リンク73が第1リンク位置から第2リンク位置に回動する。このように、第1リンク72が第1リンク位置から第2リンク位置に回動すると共に、第2リンク73が第1リンク位置から第2リンク位置に回動すると、第1ボス72Aが長穴62Hを押し上げると共に、第2ボス73Aが長穴62Hを押し上げる。これにより、加熱フレーム62が第1リンク72および第2リンク73に押し上げられ、加熱ローラ61が加圧ローラ50から離間する。このように、第2リンク位置は、加熱ローラ61および加圧ローラ50を第1離間状態にする位置である。
【0062】
上述したように、第1離間部材70は、レバー71の動きに連動して加熱ローラ61を移動させる。レバー71が第1レバー位置に位置する場合、加熱ローラ61および加圧ローラ50が圧接状態になることを許容する。そして、レバー71が第1レバー位置から第2レバー位置に移動する場合、加熱ローラ61を第1離間状態にする。ユーザは、レバー71を第2レバー位置に移動させ、加熱ローラ61を第1離間状態すなわち、大離間させてから、フィルムカートリッジ30を取り外す。この場合において、
図5に示すように、大離間のみさせた状態でフィルムカートリッジ30を取り外してもよいし、
図7に示すように、大離間と小離間を両方実行させた状態でフィルムカートリッジ30を取り外してもよい。
【0063】
図9(a),(b)に示すように、小離間カム80は、加熱ローラ61と加圧ローラ50を小離間させるための部材である。小離間カム80は、加熱ローラ61を第2距離D2だけ移動させる部材である。具体的には、小離間カム80は、加熱ローラ61を加熱ローラ61と加圧ローラ50が圧接した圧接状態から第2距離D2だけ離間した第2離間状態に移動可能である。
【0064】
小離間カム80は、軸方向に延びる回動軸X4を中心として回転する回転カムである。小離間カム80は、図示せぬモータで駆動される。小離間カム80は、
図9(a)に示す第1カム位置と、
図9(b)に示す第2カム位置と、に回動可能である。
【0065】
図9(a)に示すように、小離間カム80が第1カム位置に位置する場合、小離間カム80の先端部が凹部63Aに当接しておらず、小離間カム80はスライドフレーム63を押し上げていない。このため、加熱ローラ61は、加圧ローラ50と圧接している。すなわち、第1カム位置は、加熱ローラ61および加圧ローラ50が圧接状態になることを許容する位置である。
【0066】
図9(b)に示すように、小離間カム80が第2カム位置に位置する場合、小離間カム80の先端部が凹部63Aに当接して、小離間カム80はスライドフレーム63を押し上げている。スライドフレーム63が押し上げられると、加熱フレーム62が押し上げられるので、加熱ローラ61が加圧ローラ50から離間する。このように、第2カム位置は、加熱ローラ61および加圧ローラ50を第2離間状態にする位置である。
【0067】
制御部CUは、図示せぬモータによって、小離間カム80を駆動する。これにより制御部CUは、シートSに箔を転写する場合に加熱ローラ61および加圧ローラ50を圧接状態にする。また、制御部CUは、シートSに箔を転写しない場合に加熱ローラ61および加圧ローラ50を第2離間状態にする。
【0068】
図8(a),(b)に示すように、センサ90は、加熱ローラ61および加圧ローラ50が第1離間状態にあるか否かを検知可能である。センサ90は、光センサである。センサ90の検知信号は、制御部CUに送られる。具体的には、センサ90は、発光素子90Aと、受光素子90Bとを有する。発光素子90Aと受光素子90Bとの間には、圧接状態の加熱ユニット60が位置する。また、第1離間状態の加熱ユニット60は、発光素子90Aと受光素子90Bとの間に位置しない。
【0069】
図8(a)に示すように、レバー71が第1レバー位置に位置する場合、加熱ユニット60が発光素子90Aと受光素子90Bの間に位置するため、センサ90は、制御部CUにOFF信号を送る。これにより、制御部CUは、加熱ローラ61および加圧ローラ50が第1離間状態にあると判定しない。
【0070】
図10(a)に示すように、加熱ローラ61および加圧ローラ50が第1離間状態にあると判定しない場合、制御部CUはラッチ26をロック位置に位置させる。これにより、カバー22は、閉位置にロックされるので、カバー22は開位置に移動できない。すなわち、フィルムカートリッジ30は、加熱ローラ61と加圧ローラ50が第1離間状態でないときに本体筐体2から軸方向に着脱可能でない。
【0071】
図8(b)に示すように、レバー71が第2レバー位置に位置する場合、加熱ユニット60が発光素子90Aと受光素子90Bの間に位置しないため、センサ90は、制御部CUにON信号を送る。これにより、制御部CUは、加熱ローラ61および加圧ローラ50が第1離間状態にあると判定する。
【0072】
なお、加熱ローラ61および加圧ローラ50が第2離間状態にある場合、センサ90は、OFF信号を制御部CUに送る。このため、制御部CUは、第1離間状態にあると判定しないので、ラッチ26をロック位置に位置させる。これにより、カバー22は、閉位置にロックされるので、カバー22は開位置に移動できない。これにより、フィルムカートリッジ30は、加熱ローラ61と加圧ローラ50が第2離間状態にあるときに本体筐体2から軸方向に着脱可能でない。
【0073】
次に、箔転写装置1の本体筐体2からフィルムカートリッジ30を着脱する動作について説明する。
【0074】
図1に示すように、制御部CUは、箔転写の実行中は、加熱ローラ61を圧接位置に位置させる。また、
図6に示すように、制御部CUは、箔転写が終了すると、加熱ユニット60を第2離間位置に移動させる。
【0075】
箔転写の実行中にフィルムカートリッジ30を取り外そうとしても、ラッチ26がカバー22をロックしているため、カバー22が開位置に移動できない。
【0076】
図2に示すように、箔転写を実行していないときに、フィルムカートリッジ30を本体筐体2から取り外す場合には、ユーザは、レバー71を回動させて、二点鎖線で示す第1位置から実線で示す第2位置に移動させる。すると、
図8(b)に示すように、加熱ローラ61が第1離間状態となる。制御部CUは、センサ90からON信号を受けて、ラッチ26をアンロック位置に移動させるので、カバー22が開位置に移動可能となる。この後、
図3、
図4に示すように、ユーザは、カバー22を開位置に移動させた後、フィルムカートリッジ30を本体筐体2外に引き出して、箔フィルムFを交換すればよい。
【0077】
フィルムカートリッジ30を取り付ける場合には、ユーザは、新しい箔フィルムFをフィルムカートリッジ30に装着した後、フィルムカートリッジ30を本体筐体2の中に入れる。その後、カバー22を閉位置に移動させ、レバー71を第2位置から第1位置に移動させる。
【0078】
以上の構成によれば、本実施形態において次のような効果を得ることができる。
従来の箔転写装置では、加熱ローラ61と加圧ローラ50が離間状態にない場合、すなわち圧接状態であっても本体筐体2から軸方向に着脱可能であった。このため、着脱時に箔フィルムFが擦れて、箔フィルムFが劣化してしまうことがあった。しかし、箔転写装置1によれば、フィルムカートリッジ30は、加熱ローラ61と加圧ローラ50が第1離間状態にあるときに本体筐体2から軸方向に着脱可能である。このため、着脱時に箔フィルムFが擦れることを抑制できる。
【0079】
また、ラッチ26は、レバー71が第1レバー位置に位置する場合、ロック位置に位置する。このため、加熱ローラ61および加圧ローラ50が圧接状態でカバー22が開位置に移動することを抑制できる。この結果、レバー71が第1レバー位置に位置する場合、フィルムカートリッジ30を着脱することはできない。
【0080】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、上述した実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0081】
上述した実施形態では、
図4に示すように、フィルムカートリッジ30を本体筐体2の外へ引出した後で箔フィルムFを着脱していたが、この形態に限定されない。例えば、
図11に示す箔転写装置1Aでは、フィルムカートリッジ30を本体筐体2から取り外すことができる。この形態では、フィルムカートリッジ30を取り外した後で、箔フィルムFを交換すればよい。
【0082】
上述した実施形態では、第1離間部材70がレバー71と、第1リンク72と、第2リンク73と、アイドルギヤ列74と、を有する構成であったがこの構成に限定されない。
また、上述した実施形態では、第1離間部材70は、レバー71の動きに連動して加熱ローラ61を移動させる構成であったがこの構成に限定されない
【0083】
例えば、
図12に示す箔転写装置1Bでは、第1離間部材70が大離間カム77である。この箔転写装置1Bは、加圧ローラ50が加熱ローラ61の上に位置することと、第1離間部材70が大離間カム77であること、が上記実施形態と異なる。大離間カム77は、回転カムである。大離間カム77は、実線で示す第1カム位置と、二点鎖線で示す第2カム位置と、に回動可能である。また、大離間カム77は、カバー22の動きに連動して回転するようにカバー22と図示しないギヤ列によって連結されている。具体的には、カバー22が閉位置に位置する場合、大離間カム77が図に実線で示す第1カム位置に位置する。そして、カバー22が閉位置から開位置に移動する場合、大離間カム77が第1カム位置から、図に二点鎖線で示す第2カム位置に回動する。また、カバー22が開位置から閉位置に移動する場合、大離間カム77が第2カム位置から第1カム位置に回動する。
【0084】
第1カム位置は、カバー22が閉位置に位置する場合に、加熱ローラ61および加圧ローラ50が圧接状態になることを許容する位置である。すなわち、大離間カム77が第2カム位置から第1カム位置に回動した場合、大離間カム77は、加熱フレーム62を押し上げるので、加熱ローラ61および加圧ローラ50が圧接可能となる。なお、
図12では、加熱ローラ61は、加圧ローラ50から小離間している状態である。このため、
図12の状態から小離間を解除すれば、加熱ローラ61および加圧ローラ50は圧接する。
【0085】
第2カム位置は、カバー22が開位置に位置する場合に、加熱ローラ61および加圧ローラ50を第1離間状態にする位置である。すなわち、大離間カム77が第1カム位置から第2カム位置に回動した場合、大離間カム77は、加熱フレーム62を押し上げないので、重力により、加熱ユニット60が下に下がり、加熱ローラ61を加圧ローラ50から離間させる。
【0086】
この箔転写装置1Bによっても、フィルムカートリッジ30は、加熱ローラ61と加圧ローラ50が第1離間状態にあるときに本体筐体2から軸方向に着脱可能であるため、着脱時に箔フィルムFが擦れることを抑制できる。
【0087】
上述した形態では、シートSの搬送方向が水平方向であったが、シートSの搬送方向が、搬送方向の上流側から下流側に向かうにつれて上から下に向かうように傾斜していてもよい。
【0088】
上述した形態では、第1離間部材70は、複数のリンクを有する構成であったが、この形態に限られない。例えば、第1離間部材は、複数の回転カムを有する構成、リンクと回転カムを有する構成であってもよい。
【0089】
上述した形態では、カバー22は、ラッチ26によってロックされていたが、リンク部材や回転カムによってロックされる構成であってもよい。
【0090】
上述した形態では、センサ90は、光センサであったが、接触式センサなどであってもよい。
【0091】
上述した実施形態では、加圧回転体の一例として、加圧ローラ50を例示したが、加圧回転体は、加圧ローラに限定されない。例えば、加圧回転体は、押圧部材を内部に有する無端ベルトであってもよい。
【0092】
上述した実施形態では、加熱回転体の一例として、加熱ローラ61を例示したが、加熱回転体は、加熱ローラに限定されない。例えば、加圧回転体は、無端ベルトであってもよい。
【0093】
上述した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 箔転写装置
2 本体筐体
21 開口
22 カバー
26 ラッチ
30 フィルムカートリッジ
32 供給リール
33 巻取リール
50 加圧ローラ
60 加熱ユニット
61 加熱ローラ
62 加熱フレーム
70 第1離間部材
71 レバー
72 第1リンク
73 第2リンク
80 小離間カム
90 センサ
D1 第1距離
D2 第2距離
F 箔フィルム