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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104798
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】事業継続計画管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240730BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009159
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】523027924
【氏名又は名称】一般社団法人岐阜レジリエンス推進協議会
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桐山 詔宇
(72)【発明者】
【氏名】澤村 美喜
(72)【発明者】
【氏名】石榑 利彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】協力企業を効率的に容易に探すことのできる事業継続計画管理システムを提供する。
【解決手段】災害応援協定マッチングシステムを備える事業継続計画管理システムであって、災害応援協定マッチングシステムは、被災時に事業を継続させるために協力を要請する要請クライアントと、当該要請に協力する協力クライアントと通信する通信部及び協定用記憶サーバを備える。協定用記憶サーバは、要請クライアントが被災時に事業を継続させるために必要な要請側資源情報と、協力クライアントが要請に応じて提供可能な協力側資源情報と、を記憶している。災害応援協定マッチングシステムは、要請側資源情報と協力側資源情報とが一致または対応した場合に、要請クライアントと協力クライアントとがマッチングしたと判断して、要請クライアントにマッチングの通知を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業継続計画管理システムであって、
災害応援協定マッチングシステムを備え、
前記災害応援協定マッチングシステムは、被災時に事業を継続させるために協力を要請する要請クライアントと、当該要請に協力する協力クライアントと通信可能に構成されると共に、協定用記憶サーバを備え、
前記協定用記憶サーバは、前記要請クライアントが被災時に事業を継続させるために必要な要請側資源情報と、前記協力クライアントが要請に応じて提供可能な協力側資源情報と、を記憶しており、
前記災害応援協定マッチングシステムは、前記要請側資源情報と前記協力側資源情報とが一致または対応した場合に、前記要請クライアントと前記協力クライアントとがマッチングしたと判断して、前記要請クライアントに前記マッチングの通知を行うように構成されることを特徴とする事業継続計画管理システム。
【請求項2】
事業継続計画策定システムをさらに備え、
前記事業継続計画策定システムは、災害時に事業を継続させるための事業継続計画を保存する策定用記憶サーバを備えることを特徴とする請求項1に記載の事業継続計画管理システム。
【請求項3】
安否確認システムをさらに備え、
前記安否確認システムは、災害時に、前記要請クライアント、又は前記要請クライアントの関係者に安否確認の通知を行い、
前記事業継続計画管理システムは、前記要請クライアントから事業継続計画の発動の通知を受信した場合、前記災害応援協定マッチングシステムによってマッチングされた前記協力クライアントに、応援の通知を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の事業継続計画管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、事業継続計画管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各企業等では、災害時に事業を継続するために事業継続計画を策定していた。事業継続計画には、被災した企業が事業を継続するために、どのような資源が必要で、どのような行動を行うかなどを、定めている。そして、被災時に事業を継続するための資源等を提供可能な協力企業を探して、災害応援協定を締結するなどして、事前に災害に備えていた。ただ、実際には、協力企業を探すのは困難であり、効率の悪いものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、上記問題に鑑み、本願発明は、協力企業を効率的に容易に探すことのできる事業継続計画管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本願発明の事業継続計画管理システムは、災害応援協定マッチングシステムを備え、前記災害応援協定マッチングシステムは、被災時に事業を継続させるために協力を要請する要請クライアントと、当該要請に協力する協力クライアントと通信可能に構成されると共に、協定用記憶サーバを備え、前記協定用記憶サーバは、前記要請クライアントが被災時に事業を継続させるために必要な要請側資源情報と、前記協力クライアントが要請に応じて提供可能な協力側資源情報と、を記憶しており、前記災害応援協定マッチングシステムは、前記要請側資源情報と前記協力側資源情報とが一致または対応した場合に、前記要請クライアントと前記協力クライアントとがマッチングしたと判断して、前記要請クライアントに前記マッチングの通知を行うように構成されることを特徴とする。
【0005】
上記特徴によれば、協力クライアント(協力企業)を効率的に容易に探すことができるのである。
【0006】
更に、本願発明の事業継続計画管理システムは、事業継続計画策定システムをさらに備え、前記事業継続計画策定システムは、災害時に事業を継続させるための事業継続計画を保存する策定用記憶サーバを備えることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、ユーザに事業継続計画を容易に策定させることに寄与し、その事業継続計画の保存及び管理も行うことができる。
【0008】
更に、本願発明の事業継続計画管理システムは、安否確認システムをさらに備え、前記安否確認システムは、災害時に、前記要請クライアント、又は前記要請クライアントの関係者に安否確認の通知を行い、前記事業継続計画管理システムは、前記要請クライアントから事業継続計画の発動の通知を受信した場合、前記災害応援協定マッチングシステムによってマッチングされた前記協力クライアントに、応援の通知を行うことを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、災害発生時に、要請クライアントから、協力クライアントに迅速に応援の要請が行われ、協力クライアントも迅速に、この要請に応えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本願発明の事業継続計画管理システムによれば、協力企業を効率的に容易に探すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願発明の事業継続計画管理システムの概念図である。
図2】事業継続計画策定システムの概念図である。
図3】事業継続計画策定システムとクライアント端末装置によって、事業継続計画を策定する入力画面である。
図4】災害応援協定マッチングシステムの概念図である。
図5】災害応援協定マッチングシステムによってマッチングを行う際の入力画面である。
図6】安否確認システムの概念図と、災害時における事業継続計画管理システムの動作について示した概念図である。
【符号の説明】
【0012】
300 災害応援協定マッチングシステム
330 協定用記憶サーバ
351A 要請側資源情報
352B 協力側資源情報
900 事業継続計画管理システム

【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、各図で説明する各システムの仕組みは一例を示すものであって、これに限定されるものではない。
【0014】
まず、図1に、本願発明の事業継続計画管理システム900の概念図を示す。図1に示すように、事業継続計画管理システム900は、事業継続計画策定システム100と災害応援協定マッチングシステム300と安否確認システム500とを備えている。事業継続計画管理システム900は、クライアントに対して各システムのサービスを提供するシステム運営会社側のサーバ装置に、実装されている。また、各システムは、個別に動作するが、後述するように、災害時に互いに連携して動作することも出来る。
【0015】
次に、事業継続計画管理システム900の各システムについて詳細に説明する。まず、図2には、事業継続計画策定システム100の概念図を示す。図2に示すように、事業継続計画策定システム100は、CPU(中央演算装置)を備えた制御部110と、外部のネットワークと通信を行う通信部120と、ROMやHDD等の記憶装置から構成される策定用記憶サーバ130とを備える。制御部110は、策定用記憶サーバ130内に格納されている事業継続計画策定機能を実現するソフトウェアプログラムを読み出して、実行する。詳しくは後述するが、事業継続計画策定システム100は、クライアント端末装置200からネットワーク経由で送受信される策定関連情報を通信部120で送受信し、制御部110は、その策定関連情報に基づいて事業継続計画の策定処理を行う。そして、クライアント端末装置200によって策定関連情報の入力が完了したら、策定された事業継続計画を策定用記憶サーバ130に記憶する。
【0016】
また、図2に示すように、クライアント端末装置200は、CPUを備えた制御部210と、外部のネットワークと通信を行う通信部220と、ROMやHDD等の記憶装置230と、ユーザが策定関連情報を入力する入力部240とを備える。詳しくは後述するが、制御部210は、ユーザが入力部240に入力した策定関連情報を、通信部220に伝達して通信部220から事業継続計画策定システム100へとネットワークを介して送信するように処理する。また、制御部210は、ネットワーク経由で事業継続計画策定システム100から送られてくる策定関連情報や事業継続計画を通信部220で受信して、記憶装置230に記録する。なお、クライアント端末装置200には、被災した際に事業の継続を計画するユーザが所有するタブレット端末や、携帯可能な電子機器や、コンピュータ装置などを利用できる。そして、被災した際に事業の継続を計画するユーザとは、後述する被災した要請クライアントと同じである。
【0017】
次に、図3には、事業継続計画策定システム100とクライアント端末装置200によって、事業継続計画150を策定する入力画面を示す。事業継続計画150は、事業継続計画策定システム100の策定用記憶サーバ130に保存されており、事業継続計画150の各策定関連情報は、国や公的機関等が推奨する情報の他にも、各クライアントの要望に応じて、任意の情報を定めることができる。例えば、策定関連情報として、事業継続における基本方針・目的151や、事業を継続するための具体的な行動計画152などが、事業継続計画150に含まれている。
【0018】
そして、クライアント端末装置200を備えるユーザによって、事業継続計画150を策定する場合は、まず、事業継続計画策定システム100の制御部110が、策定用記憶サーバ130から事業継続計画150のデータを読み出す。次に、制御部110は、事業継続計画150のデータを、通信部120を介してクライアント端末装置200の通信部220へ伝達する。クライアント端末装置200の制御部210は、通信部220で受信した事業継続計画150のデータを、クライアント端末装置200の画面等(不図示)に表示する。そして、ユーザは、キーボードなどの入力部240によって、事業継続計画150の策定関連情報である基本方針・目的151や行動計画152に、具体的な情報を入力していく。例えば、事業継続計画150の基本方針・目的151には、地震や浸水などの災害時に、「従業員の人命の安全を確保する。」や、「自社の経営を維持する。」ことなどを入力する。また、事業継続計画150の行動計画152には、災害時に、「初動対応として、管理者が、従業員を安全な避難場所へ移動させる。」や、「復旧活動として、重要な製品の供給を優先させる。各取引先との調節連絡を行う。」ことなどを入力する。
【0019】
次に、ユーザによって入力された各策定関連情報を含む事業継続計画150のデータは、クライアント端末装置200の通信部220を介して事業継続計画策定システム100の通信部120へ送信される。次に、事業継続計画策定システム100の制御部110は、通信部120が受信した事業継続計画150のデータを、策定用記憶サーバ130に保存する。また、クライアント端末装置200の制御部210は、事業継続計画150のデータを、クライアント端末装置200の記憶装置230に保存してもよい。このように、本願発明の事業継続計画策定システム100は、ユーザに事業継続計画150を容易に策定させることに寄与し、その事業継続計画150の保存及び管理も行うことができる。
【0020】
では次に、図4には、災害応援協定マッチングシステム300の概念図を示す。図4に示すように、災害応援協定マッチングシステム300は、CPU(中央演算装置)を備えた制御部310と、外部のネットワークと通信を行う通信部320と、ROMやHDD等の記憶装置から構成される協定用記憶サーバ330とを備える。制御部310は、協定用記憶サーバ330内に格納されている災害応援協定マッチング機能を実現するソフトウェアプログラムを読み出して、実行する。詳しくは後述するが、災害応援協定マッチングシステム300は、各クライアント端末装置200からネットワーク経由で送受信される要請側情報と協力側情報を通信部320で送受信し、制御部310は、その要請側情報と協力側情報に基づいて、災害応援協定のマッチング処理を行う。そして、各クライアント端末装置200によって災害応援協定を締結したら、その協定情報を協定用記憶サーバ330に記憶する。
【0021】
また、図4に示すように、要請クライアントが保有するクライアント端末装置200Aと、協力クライアントが保有するクライアント端末装置200Bが、災害応援協定マッチングシステム300と通信可能に構成されている。この要請クライアントが保有するクライアント端末装置200Aと、協力クライアントが保有するクライアント端末装置200Bは、図2に示すクライアント端末装置200と同じ構成をしているので、詳細な説明は省略する。なお、要請クライアントとは、被災した際に自社の事業を継続させるために、他の企業等に協力を要請するクライアントのことである。また、協力クライアントとは、災害時に、要請クライアントの要請に応じて、要請クライアントの事業が継続できるように、自社の設備や従業員や資材などの資源を提供可能なクライアントのことである。
【0022】
次に、図5には、災害応援協定マッチングシステム300によってマッチングを行う際の入力画面を示す。マッチングを行うにあたり必要な情報を入力するマッチング入力情報350(A、B)は、災害応援協定マッチングシステム300の協定用記憶サーバ330に保存されている。なお、災害応援協定マッチングシステム300によるマッチング処理は、災害が発生する前に事前に行っておく。
【0023】
まず、クライアント端末装置200Aを備える要請クライアントによって、マッチング入力情報350(A、B)に必要事項を入力する場合は、図4に示すように、災害応援協定マッチングシステム300の制御部310が、協定用記憶サーバ330からマッチング入力情報350Aのデータを読み出す。次に、制御部310は、マッチング入力情報350Aのデータを、通信部320を介してクライアント端末装置200Aの通信部220Aへ伝達する。クライアント端末装置200Aの制御部210Aは、通信部220Aで受信したマッチング入力情報350Aのデータを、クライアント端末装置200Aの画面等(不図示)に表示する。
【0024】
そして、ユーザは、キーボードなどの入力部240Aによって、要請側資源情報351Aに、具体的な情報を入力していく。具体的には、要請側資源情報351Aには、自社が被災した際に、他社に協力を依頼したい資源を入力し、要請側資源情報351Aとしては、事業を継続するために必要な人材、資材、装置、場所などを入力できる。さらに、協力を依頼したい他社の業種353Aや、協力を依頼したい他社が所在する地域354Aも入力できる。協力を依頼したい他社の業種353Aを、自社の業種と一致又は対応する業種に選択しておけば、事業の継続を行いやすい。また、協力を依頼したい他社が所在する地域354Aを、自社の所在地域から離れた地域に選択しておけば、自社が被災した際に、自社から離れた他社は被災していない可能性があり、他社から協力を得やすくなる。この他にも、他社に協力を依頼したい資源に関する情報を適宜入力できる。ユーザによって入力されたマッチング入力情報350Aのデータは、クライアント端末装置200Aの通信部220Aを介して災害応援協定マッチングシステム300の通信部320へ送信される。次に、災害応援協定マッチングシステム300の制御部310は、通信部320が受信したマッチング入力情報350Aのデータを、協定用記憶サーバ330に保存する。
【0025】
一方、クライアント端末装置200Bを備える協力クライアントによって、マッチング入力情報350Bに必要事項を入力する場合は、災害応援協定マッチングシステム300の制御部310が、協定用記憶サーバ330からマッチング入力情報350Bのデータを読み出す。このマッチング入力情報350Bは、要請クライアント側のユーザによって入力された内容は含まれていない。次に、制御部310は、マッチング入力情報350Bのデータを、通信部320を介してクライアント端末装置200Bの通信部220Bへ伝達する。クライアント端末装置200Bの制御部210Bは、通信部220Bで受信したマッチング入力情報350Bのデータを、クライアント端末装置200Bの画面等(不図示)に表示する。
【0026】
そして、ユーザは、キーボードなどの入力部240Bによって、協力側資源情報352Bに、具体的な情報を入力していく。具体的には、協力側資源情報352Bには、他社が被災した際に、自社が提供できる資源を入力し、協力側資源情報352Bとしては、自社が提供可能な人材、資材、装置、場所などを入力できる。さらに、自社の業種353Bや、自社が所在する地域354Bも入力できる。この他にも、自社が提供できる資源に関する情報を適宜入力できる。ユーザによって入力されたマッチング入力情報350Bのデータは、クライアント端末装置200Bの通信部220Bを介して災害応援協定マッチングシステム300の通信部320へ送信される。次に、災害応援協定マッチングシステム300の制御部310は、通信部320が受信したマッチング入力情報350Bのデータを、協定用記憶サーバ330に保存する。
【0027】
次に、災害応援協定マッチングシステム300の制御部310は、協定用記憶サーバ330に保存されている要請クライアント側のマッチング入力情報350Aから要請側資源情報351Aのデータを読み出す。また、制御部310は、協定用記憶サーバ330に保存されている協力クライアント側のマッチング入力情報350Bから協力側資源情報352Bのデータを読み出す。そして、災害応援協定マッチングシステム300の制御部310は、要請側資源情報351Aと協力側資源情報352Bを照合して一致しているか否かを判定する。もし、要請側資源情報351Aと協力側資源情報352Bが一致している場合は、制御部310は、要請クライアントと協力クライアントとがマッチング(適合)したと判断して、そのマッチングの通知を、通信部320を介して、クライアント端末装置200Aの通信部220Aへ伝達する。例えば、制御部310は、要請側資源情報351Aに含まれる資材が、協力側資源情報352Bに含まれる資材と一致すると判断した場合は、要請クライアントと協力クライアントとがマッチングした通知を行う。
【0028】
そして、クライアント端末装置200Aの制御部210Aは、通信部220Aで受信したマッチングの通知を、クライアント端末装置200Aの画面等(不図示)に表示する。そして、ユーザは、自社が被災した際に協力に応じられる協力クライアントが存在することを知れる。このように、本願発明の災害応援協定マッチングシステム300によれば、協力クライアント(協力企業)を効率的に容易に探すことができるのである。
【0029】
なお、制御部310は、マッチングの通知を、通信部320を介して、協力クライアント側のクライアント端末装置200Bの通信部220Bへ伝達することもできる。すると、協力クライアント側のユーザは、災害時に協力を要請する要請クライアントが存在することを知れる。
【0030】
また、マッチングした要請クライアントと協力クライアントは、災害時に協力する契約を締結した災害応援協定書を適宜作成することもできる。災害応援協定書のサンプル等は、災害応援協定マッチングシステム300の協定用記憶サーバ330に保存されており、適宜、要請クライアントと協力クライアントに提供できる。そして、要請クライアントと協力クライアントによって締結された災害応援協定書は、災害応援協定マッチングシステム300の協定用記憶サーバ330に保存することが出来る。また、要請クライアントのクライアント端末装置200Aの記憶装置230Aや、協力クライアントのクライアント端末装置200Bの記憶装置230Bに、災害応援協定書を保存することもできる。
【0031】
なお、要請側資源情報351Aと協力側資源情報352Bが一致した場合に限定されず、要請側資源情報351Aと協力側資源情報352Bが対応する場合にも、要請クライアントと協力クライアントとがマッチングしたと判断してもよい。また、要請クライアントと協力クライアントとがマッチングしたと判断するに、要請クライアントが入力した地域354Aと協力クライアントが入力した地域354Bが一致又は対応したか否かも判断に組み合わせもよい。つまり、要請側資源情報351Aと協力側資源情報352Bが一致又は対応すると共に、地域354Aと地域354Bが一致又は対応した場合のみ、要請クライアントと協力クライアントとがマッチングしたと判断して、マッチングの通知を行うのである。また、要請クライアント側のマッチング入力情報350Aには、要請側資源情報351Aが入力されているが、これに限定されず、要請クライアントが、他社からの協力要請に応じることが出来るのであれば、マッチング入力情報350Aに協力側資源情報352Bを含めてもよい。その場合は、要請クライアントは協力クライアントと相互に協力できる。
【0032】
では次に、図6には、安否確認システム500の概念図を示し、災害時における事業継続計画管理システム900の動作について説明する。まず、図6に示すように、安否確認システム500は、CPU(中央演算装置)を備えた制御部510と、外部のネットワークと通信を行う通信部520と、ROMやHDD等の記憶装置530とを備える。記憶装置530には、要請クライアントの企業に所属する関係者(従業員やその家族)などの連絡先(例えば、従業員の携帯端末の電話番号やメールアドレスなど)が保存されている。
【0033】
そして、震災や洪水などの災害が発生すると、国や地方公共団体の災害管理施設800などから災害発生の通知が、安否確認システム500の通信部520に送信される。次に、制御部510は、災害が発生した地域に該当する要請クライアントの関係者等の連絡先を記憶装置530から読み出す。そして、制御部510は、各連絡先に安否確認の通知を、通信部520を介して、要請クライアントの関係者等が所有する端末700に送信する。端末700には、関係者等が所有するタブレット端末や、携帯可能な電子機器や、コンピュータ装置などを利用できる。関係者は、安否確認の通知を受信したら、自己の安否や被災状況などを端末700から安否確認システム500の通信部520に送信する。安否確認システム500の制御部510は、要請クライアントに所属する関係者等の安否や被災状況などを、記憶装置530に保存する。
【0034】
また、安否確認システム500の制御部510は、要請クライアントのクライアント端末装置200Aの通信部220Aにも、安否確認の通知を送信する。そして、要請クライアントであるユーザは、自社が被災して事業を継続するのが困難であると判断した場合には、入力部240Aに事業継続計画の発動を入力する。すると、クライアント端末装置200Aの制御部210Aは、入力された事業継続計画の発動を、通信部220Aを介して、事業継続計画管理システム900の通信部920に送信する。なお、要請クライアントは、安否確認の通知を受けて、事業継続計画の発動を行ってもよいし、安否確認の通知を受けなくても、事業継続計画の発動を行ってもよい。
【0035】
次に、事業継続計画管理システム900は、事業継続計画の発動の連絡を受信したら、災害応援協定マッチングシステム300によって事前にマッチングされた協力クライアントのクライアント端末装置200Bの通信部220Bに、応援の通知を行うのである。そして、クライアント端末装置200Bは、応援の通知を受信したら、協力クライアントのユーザに、要請クライアントが被災し、応援を要請している旨を伝達する。これにより、災害発生時に、要請クライアントから、協力クライアントに迅速に応援の要請が行われ、協力クライアントも迅速に、この要請に応えることができる。
【0036】
なお、本願発明の事業継続計画管理システムは、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6