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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104799
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】道路の構造
(51)【国際特許分類】
   E01C 11/02 20060101AFI20240730BHJP
   E01C 5/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
E01C11/02 Z
E01C5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009160
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市毛 敬介
(72)【発明者】
【氏名】牧野 浩明
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA03
2D051AC04
2D051AF01
2D051AG03
2D051AG11
2D051FA03
(57)【要約】
【課題】舗装部材下の敷砂の流出と共に舗装部材の位置ずれを防止する道路の構造を提供する。
【解決手段】路盤上の敷砂の上に複数の舗装部材を並べて敷設する道路の構造において、位置決め部材8の角位置決め部材10は、4個の舗装ブロック4の角が集合する敷砂5の上に位置付けされ、辺位置決め部材12は、舗装ブロック4の辺部に対応付けして設置される。舗装ブロック4の底面と接して目地を塞ぐ各部材10,12の基盤10a,12aの底面には、路盤の方向に延出する垂直板10c,12cが設けられている。舗装ブロック4は、位置決め部材8を縦横に並べることで形成される正方形状の空間の中にそれぞれ載置される。各舗装ブロック4の下方に位置する敷砂5は、舗装ブロック4の外周に沿う位置に配設される垂直板10c,12cにより囲まれる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路盤上の敷砂の上に複数の舗装部材を並べて敷設する道路の構造において、
前記舗装部材と当接し、前記舗装部材間の目地を所定の間隔となるよう位置決めする位置決め部材と、
前記位置決め部材から前記路盤の方向に延出し、前記複数の舗装部材それぞれの下にある敷砂の流出を抑制する敷砂流出抑制部材と、
を備えることを特徴とする道路の構造。
【請求項2】
前記位置決め部材は、前記目地の下部を塞ぐ基盤を備えることを特徴とする請求項1に記載の道路の構造。
【請求項3】
前記敷砂流出抑制部材は、前記基盤から前記路盤方向に延出する板部材により形成されることを特徴とする請求項2に記載の道路の構造。
【請求項4】
前記板部材は、前記基盤の底面の、前記舗装部材の外周に沿う位置に配設されることを特徴とする請求項3に記載の道路の構造。
【請求項5】
前記板部材の高さは、埋設される位置の敷砂の厚さの半分以上であることを特徴とする請求項3に記載の道路の構造。
【請求項6】
前記目地内の雨水を前記敷砂に流出させることなく前記道路の脇の側溝に流出させる排水部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の道路の構造。
【請求項7】
前記位置決め部材は、前記目地を前記道路における雨水の排水溝として利用され、前記目地の下部を塞ぐことで前記排水溝の底を形成する基盤を備え、前記排水部材として兼用されることを特徴とする請求項6に記載の道路の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の構造、特に路盤の上に舗装部材を敷設して形成される道路の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
インターロッキングブロック舗装では、車両等の輪荷重が作用した時に舗装部材間の目地に充填した砂により舗装部材相互のかみ合わせ効果が得られる。その一方、道路としての長年の使用により、敷砂や目地内の砂が、輪荷重により移動したり雨水等によって目地から流出したりすることによって、舗装部材の位置ずれが発生し、路面にガタツキが生じうる。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1では、敷砂の内部に格子状の保砂構造体を埋設することで、敷砂の移動を抑制する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-52472号公報
【特許文献2】特開2012-207483号公報
【特許文献3】特開平10-298910号公報
【特許文献4】特開2020-125654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、敷砂の内部に保砂構造体を埋設することで舗装部材同士が独立してしまう。このため、舗装部材間の荷重伝達は目地砂のみに依存することになる。この状態において舗装部材単体に大きな荷重がかかった場合、荷重分散が不十分となり、舗装部材の位置ずれが発生してしまう。
【0006】
本発明は、舗装部材下の敷砂の流出と共に舗装部材の位置ずれを防止する道路の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る道路の構造は、路盤上の敷砂の上に複数の舗装部材を並べて敷設する道路の構造において、前記舗装部材と当接し、前記舗装部材間の目地を所定の間隔となるよう位置決めする位置決め部材と、前記位置決め部材から前記路盤の方向に延出し、前記複数の舗装部材それぞれの下にある敷砂の流出を抑制する敷砂流出抑制部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記位置決め部材は、前記目地の下部を塞ぐ基盤を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記敷砂流出抑制部材は、前記基盤から前記路盤方向に延出する板部材により形成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記板部材は、前記基盤の底面の、前記舗装部材の外周に沿う位置に配設されることを特徴とする。
【0011】
また、前記板部材の高さは、埋設される位置の敷砂の厚さの半分以上であることを特徴とする。
【0012】
また、前記目地内の雨水を前記敷砂に流出させることなく前記道路の脇の側溝に流出させる排水部材を備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記位置決め部材は、前記目地を前記道路における雨水の排水溝として利用され、前記目地の下部を塞ぐことで前記排水溝の底を形成する基盤を備え、前記排水部材として兼用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、舗装部材下の敷砂の流出と共に舗装部材の位置ずれを防止することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、敷砂の目地からの流出を防止することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、敷砂に突き刺すようにして壁をつくり、敷砂の流出を抑制することができる。
【0017】
請求項4,5に記載の発明によれば、舗装部材それぞれの下にある敷砂を当該舗装部材下からの流出を抑制することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、舗装部材の位置決めと共に、雨水を路面に滞留させず、かつ路盤に流れ込まないようにすることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、位置決め部材を排水部材と兼用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る道路の構造の実施の形態1が適用される道路の一部分を切り取って上方から見たときの平面図である。
図2図1に示す道路の一部分の側面図である。
図3】実施の形態1における位置決め部材を示す斜視図である。
図4】本発明に係る道路の構造の実施の形態2が適用される道路の一部分を切り取って上方から見たときの平面図である。
図5図4に示す道路の一部分の側断面図である。
図6】実施の形態2における位置決め部材を示す斜視図である。
図7】実施の形態2おける舗装ブロックの底面図である。
図8】本発明に係る道路の構造の実施の形態3が適用される道路の一部分の側断面図である。
図9】実施の形態3における位置決め部材を示す斜視図である。
図10】実施の形態3において、雨が降っているときの道路2の状態を示す概念図である。
図11】本発明に係る道路の構造の実施の形態4が適用される道路の一部分を切り取って上方から見たときの平面図である。
図12図11に示す道路の一部分の側断面図である。
図13】実施の形態4における位置決め部材を示す斜視図である。
図14】実施の形態4におけるレインモールを示す斜視図である。
図15】実施の形態4における位置決め部材及びレインモールの舗装ブロックへの装着部分を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0022】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る道路の構造の一実施の形態が適用される道路2の一部分を切り取って上方から見たときの平面図である。図2は、図1に示す道路2の一部分の側面図である。図3は、本実施の形態における位置決め部材8を示す斜視図である。以下、これらの図を用いて、本実施の形態における道路2の構造について説明する。
【0023】
本実施の形態における道路2は、適切な強度に造成された路盤6の上に敷砂5を均一に敷きならし、その上に舗装ブロック4を並べて形成される。敷砂5を均一に敷きならすことにより、路盤6の表面が多少がたついていても平坦な道路2を形成することができる。
【0024】
本実施の形態における舗装ブロック4は、敷砂5の上に並べて敷設されることで道路2の舗装表面を形成する舗装部材の一形態である。「舗装部材」としては、その他にもパネル、プレート、ペイバー、タイル等種々の呼び方や材質等があるが、本実施の形態における「舗装部材」は、これら全てを包含する。また、プレキャストコンクリート版も舗装道路を形成することから、本実施の形態における「舗装部材」に含まれる。舗装ブロック4の形状は、特に限定する必要はない。本実施の形態では、舗装ブロック4の形状として、一般的な矩形形状、特に正方形を例にして説明する。舗装ブロック4を正方形で形成する場合、舗装ブロック4の大きさは、1辺20~150cmほどであるが、30~100cmとするのが望ましい。舗装ブロック4の厚さは、適用する道路の交通によって設計されるが、おおよそ6~30cm程度とする。
【0025】
本実施の形態における道路2は、舗装ブロック4を縦横に並べて敷設されて形成される。舗装ブロック4の並べる数は、道路2の広さや用途等によって決めればよい。本実施の形態では、道路2として車道を想定して説明するが、歩道や駐車場等人や車両等が通行しうる道路にも適用可能である。
【0026】
図1には、敷砂5の上に舗装ブロック4を縦横に3個ずつ並べて敷設されている部分と、敷設されている舗装ブロック4と係合する位置決め部材8とが示されている。詳細は後述するように、舗装ブロック4は、位置決め部材8によって位置決めされて敷砂5の上に敷設される。
【0027】
位置決め部材8は、舗装ブロック4間の目地を所定の間隔となるよう位置決めする。位置決め部材8の形状は、舗装部材の形状に応じて決められる。
【0028】
本実施の形態における位置決め部材8は、図3に示すように、2つの部材10,12により構成される。部材(以下、「角位置決め部材」と称する)10は、4個の舗装ブロック4の角が集合する場所に位置付けされる。角位置決め部材10は、平板状で略八角形の基盤10a、壁部となる垂直板10b、及び敷砂5に埋設される突き刺し板10cで形成される。基盤10aは、4個の舗装ブロック4の角部付近の底面と接して目地を塞ぐ板部として機能する。また、基盤10aには、垂直板10b及び突き刺し板10cが設けられる。
【0029】
垂直板10bは、基盤10aの上、すなわち路面方向に平面板部材を垂直に立設して形成される。1つの角位置決め部材10は、4個の舗装ブロック4の角部と係合するので、隣り合う1組の垂直板10b-1,10b-2は、正方形の舗装ブロック4の角の角度(90度)に合わせて直交する角度で形成され、対向する辺が隙間なく当接した状態で立設される。このため、垂直板10bは、図3に示すように舗装ブロック4の各角部に対応させて十字形状にて形成される。
【0030】
垂直板10bは、目地の間に入り込める厚さであればよい。ただ、垂直板10bの厚みを目地の幅と同等にすることにより、位置ずれをより効果的に抑制することができる。換言すると、目地の幅は、垂直板10bの厚みによって決めるようにしてもよい。
【0031】
突き刺し板10cは、複数の舗装ブロック4それぞれの下にある敷砂5の流出、すなわち舗装ブロック4下の敷砂5を側溝や他の舗装ブロック4下など他の場所へ移動させることを抑制する敷砂流出抑制部材の一部を形成する。本実施の形態における突き刺し板10cは、基盤10aの底面から路盤6の方向に垂直に延出する平面板部材により形成される。突き刺し板10cは、基盤10aの底面方向から見ると、垂直板10bと対向する位置に配設され、垂直板10bと同様に十字形状にて形成される。
【0032】
ところで、後述するように、位置決め部材8は、突き刺し板10cを敷砂5に突き刺すようにして設置されるので、突き刺し板10cを必要以上に厚くすると敷砂5に突き刺しにくくなる。一方、材質にも依存するかもしれないが、必要十分な厚みを持たせないと、突き刺し板10cは、敷砂5に突き刺す際に変形若しくは破損する可能性がある。突き刺し板10cは、設置時を考慮しつつ、敷砂流出抑制部材として機能を発揮できる適切な厚みで形成するのが好適である。
【0033】
また、敷砂5は、一般に3~5cmの厚さ(深さ)となるよう路盤6の上に敷き詰められる。突き刺し板10cを敷砂流出抑制部材として機能させるために、突き刺し板10cの高さは、埋設される位置の敷砂5の厚さの半分以上となるように形成するのが好ましい。例えば、敷砂5の厚さに応じて突き刺し板10cを2~3cm程度の高さで形成するのが好適である。突き刺し板10cを敷砂5の厚さと同等にして、敷砂5を舗装ブロック4の下に完全に閉じ込めるようにしてもよいが、路盤6の表面にうねりがある場合などを考慮すると、突き刺し板10cの高さは、敷砂5の厚さより若干低くするのが都合よいと考えられる。敷砂流出抑制部材としての突き刺し板10cの寸法や形状に関しては、本実施の形態における突き刺し板12cや後述する実施の形態における敷砂流出抑制部材にも当てはまる。
【0034】
角位置決め部材10が舗装ブロック4の角部に対応するのに対し、部材(以下、「辺位置決め部材」と称する)12は、舗装ブロック4の辺部(角部を除く側面)に位置付けされる。辺位置決め部材12は、平板状で長方形の基盤12a、壁部となる垂直板12b、及び敷砂5に埋設される突き刺し板12cで形成される。辺位置決め部材12は、道路2への設置時には隣接する角位置決め部材10の間に配設される。基盤12aは、隣接して載置される2個の舗装ブロック4の辺部の底面と接して目地の下部を塞ぐ板部として機能する。また、基盤12aには、垂直板12b及び突き刺し板12cが設けられる。
【0035】
垂直板12bは、基盤12aの上、すなわち路面方向に平面板部材を垂直に立設して形成される。後述する実施の形態において説明するが、垂直板12bの高さを舗装ブロック4の厚みより低くすることで、目地を道路2における雨水の排水溝16として利用することが可能となる。この場合、垂直板12bの上面は、図2に示すように排水溝16の底面となる。
【0036】
突き刺し板12cは、突き刺し板10cと共に敷砂流出抑制部材を形成する。本実施の形態における突き刺し板12cは、基盤12aの底面から路盤6の方向に垂直に延出する平面板部材により形成される。突き刺し板12cは、基盤12aをはさんで垂直板12bと対向する位置に配設される。突き刺し板12cは、突き刺し板10cと同じ厚さで形成するのが好適であるが、必ずしも一致させる必要はない。
【0037】
本実施の形態では、位置決め部材8の垂直板10b,12bの舗装ブロック4と対向する側面を舗装ブロック4の側面に当接させることで、隣接する舗装ブロック4同士を所定の間隔で安定的に位置決めすると共に、水平方向の位置ずれを阻止する。前述したように、垂直板10b、12bの厚みが舗装ブロック4の目地の幅となる。この幅は、舗装ブロック4の大きさ等にもよるが、0.5~2.0cm程度とする。
【0038】
次に、本実施の形態における道路の形成方法について説明する。
【0039】
路盤6は、従前と同様に適切な強度に造成される。本実施の形態では、路盤6の表面にうねりがある場合でも、そのうねりを吸収できるように適切な厚さの敷砂5を路盤6の上に敷き詰める。これにより、舗装ブロック4間の不陸を小さくできる。
【0040】
続いて、図1に示すように、位置決め部材8は、4つの位置決め部材8の垂直板10b,12bで正方形状の空間を形成するように敷砂5の上に設置される。このとき、位置決め部材8に上からある程度の力をかけて押し込むようにして、突き刺し板10c,12cを敷砂5の中に突き刺す。このようにして、突き刺し板10c,12cは、敷砂5に埋設される。
【0041】
続いて、角位置決め部材10と辺位置決め部材12の対向する面、具体的には隣り合う垂直板10bと垂直板12bの対向する各側面及び基盤10aと基盤12aの対向する各側面を接着剤等で接合する。これにより、角位置決め部材10と辺位置決め部材12との間から雨水が漏れないようにする。基盤10aと基盤12a、また垂直板10bと垂直板12bがそれぞれ対向する側面、すなわち接合面は、同一形状とするのが好ましい。
【0042】
続いて、舗装ブロック4は、位置決め部材8によって形成される正方形状の空間の中にそれぞれ載置される。このように、道路2は、舗装ブロック4が敷設されることによって形成される。
【0043】
敷砂5に埋設される突き刺し板10c,12cは、位置決め部材8が縦横に並べて配置されることで、舗装ブロック4の外周に沿う位置に配設される。これにより、各舗装ブロック4の下方に位置する敷砂5は、突き刺し板10c,12cにより囲まれることになる。これにより、敷砂5が他の舗装ブロック4や側溝の位置に流出することから抑制できる。つまり、敷砂5が輪荷重により移動したりすることを抑制できるので、路面にがたつきが生じにくい。
【0044】
このように、複数の舗装ブロック4は、位置決め部材8により位置決めされ、また敷砂5は、突き刺し板10c,12cにより他への流出が抑制される。本実施の形態によれば、このようにして舗装ブロック4の位置ずれを防止でき、また路面のがたつきを抑えることができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、突き刺し板12cを1枚の板部材で形成する例で示したが、これに限る必要はない。敷砂流出抑制部材としての機能が発揮できるのであれば、つまり、舗装ブロック4下の敷砂5の他への流出を抑制できるのであれば、突き刺し板12cを、例えば相対的に短い複数の板部材を並べるようにして、換言すると突き刺し板12cに隙間を設けるようにしてもよい。また、突き刺し板12cを必ずしも平板状に形成したり、複数の板部材を並べるとしても直線上に揃えて設けたりする必要はない。後述する実施の形態においても同様である。
【0046】
また、上記説明では、位置決め部材8を路盤6の上に先に設置し、その後、舗装ブロック4を位置決め部材8で形成される正方形状の空間内に載置するようにした。ただ、必ずしもこの手順とする必要はない。例えば、道路2の脇の側溝から他方の脇の側溝に向けて位置決め部材8と舗装ブロック4を交互に設置しては位置を微調整する。具体的には、垂直板10b,12bと舗装ブロック4との間に隙間ができないように、換言すると垂直板10b,12bと舗装ブロック4が確実に当接するように調整しながら道路2を形成するようにしてもよい。
【0047】
ところで、上記説明では、角位置決め部材10と辺位置決め部材12を接着剤で接合すると説明した。ただ、接合方法は、これに限らない。例えば、後述する実施の形態4におけるレインモール24(図14)のように、接合部分に凹凸を設けて嵌め合わせる構造としてもよい。接着剤は、劣化等により剥がれる可能性があるが、嵌め合わせる構造とすれば、剥がれるおそれがない。
【0048】
実施の形態2.
図4は、本発明に係る道路の構造の実施の形態2が適用される道路の一部分を切り取って上方から見たときの平面図である。図5は、図4に示す道路の一部分の側断面図である。図6は、本実施の形態における位置決め部材26を示す斜視図である。図7は、本実施の形態における舗装ブロック4の底面図である。以下、これらの図を用いて、本実施の形態における道路2の構造について説明する。なお、実施の形態1と同じ構成要素には、同じ符号を付ける。
【0049】
本実施の形態における道路2は、実施の形態1と同様に、舗装部材としての舗装ブロック4を敷砂5の上に並べて形成される。本実施の形態における位置決め部材26は、実施の形態1と異なり、同一形状の位置決め部材のみで実現可能である。
【0050】
本実施の形態における位置決め部材26は、図6に示すように基盤26a、凸部としての垂直板26b、及び敷砂5に埋設される突き刺し板26cで構成される。基盤26aは、隣接する2個の舗装ブロック4の辺部分の底面と接して目地を塞ぐ板部として機能する。基盤26aの両端には、突出させることで角部26a-1が形成される。位置決め部材26は、図4に示すように舗装ブロック4の各辺に沿って格子状に並べて配設される。各位置決め部材26の各角部26a-1は、舗装ブロック4の角部分で他の3つの位置決め部材26の角部26a-1と当接し、かつ当接する部分に隙間ができないように、それぞれ90度で形成される。また、突き刺し板26cの両端部も角部26a-1と合わせて90度で形成される。
【0051】
また、基盤26aには、垂直板26b及び突き刺し板26cが設けられる。垂直板26bは、基盤26aの両側辺部で立設する板部材である。本実施の形態における舗装ブロック4の底面には、図7に示すように4つの位置決め部材26の垂直板26bが挿着されるように溝4cが形成される。溝4cは、細長い形状の凹部であり、本実施の形態の場合、舗装ブロック4の側面に沿って1周している。本実施の形態における垂直板26bは、舗装ブロック4の底面に形成する凹部に嵌め合わされることによって、舗装ブロック4を所定の間隔で位置決めする。
【0052】
突き刺し板26cは、複数の舗装ブロック4それぞれの下にある敷砂5の、当該舗装ブロック4の下からの流出を抑制する敷砂流出抑制部材である。本実施の形態における突き刺し板26cは、基盤26aの底面から路盤6の方向に垂直に延出する平面板部材により形成される。突き刺し板26cは、基盤26aの両端の角部26a-1の間に設けられ、図4に示すように、位置決め部材26が敷砂5の上に縦横に並べて設置されると、各舗装ブロック4の下方に位置する敷砂5は、突き刺し板26cにより囲まれることになる。
【0053】
本実施の形態における道路の形成方法は、基本的には実施の形態1と同様でよい。すなわち、位置決め部材26は、適切な強度に造成された路盤6の上の敷砂5の上に格子状に配置する。このとき、位置決め部材26に上からある程度の力を掛けて押し込むようにして、突き刺し板26cを敷砂5の中に突き刺す。このようにして、突き刺し板26cは、敷砂5に埋設される。
【0054】
続いて、角部26a-1の側面同士を接着剤等で接合することで、他の位置決め部材26との当接面から雨水が漏れないようにする。なお、他の位置決め部材26と当接する角部26-1の側面は、平面で形成されることを想定しているが、角部26-1の側面に、例えばレインモール24(図14)のように凹凸を設けてそれぞれが嵌合する形状とすることにより、接着剤等を用いずに接合できる構造としてもよい。
【0055】
続いて、位置決め部材26を格子状に配置することで垂直板26bによって形成される正方形状の凸部が正方形状の溝4cの中に収まるように舗装ブロック4を載置する。以上のようにして、舗装ブロック4は、位置決め部材26によって位置決めされる。
【0056】
複数の舗装ブロック4は、実施の形態1と同様に、位置決め部材26により位置決めされ、また敷砂5は、突き刺し板26cにより他への流出が抑制される。本実施の形態によれば、このようにして舗装ブロック4の位置ずれを防止でき、また路面のがたつきを抑えることができる。
【0057】
特に、本実施の形態においては、各舗装ブロック4を、4か所の角部において周囲の8個の舗装ブロック4と連結する。従って、車両からの制動力は、前後に分散し、車両が制動力を伝えた舗装ブロック4の横ずれの抑止効果が大きい。また、本実施の形態における位置決め部材26は、舗装ブロック4と係合する面積が相対的に大きいので、特にコンクリート製の舗装版に発生する応力が低減する。従って、位置決め部材26と舗装ブロック4との係合部分が破損しにくい。
【0058】
実施の形態3.
上記実施の形態1においては、道路2における排水機構について言及しなかったが、本実施の形態以降においては、排水機構についても合わせて説明する。本実施の形態は、実施の形態1に示した位置決め部材8の変形例を示す実施の形態であり、排水部材と兼用する位置決め部材8の構造を示すことを特徴としている。「排水部材」は、目地内の雨水を敷砂5に流出させることなく道路2の脇の側溝14に流出させる構成要素である。
【0059】
本実施の形態における道路2の構造は、基本的には実施の形態1を流用できる。従って、本実施の形態における道路2の一部分は、図1を参照すればよい。そして、図8は、図1に示す道路の一部分の側面図である。図9は、本実施の形態における位置決め部材8を示す斜視図である。なお、本実施の形態における位置決め部材8は、実施の形態1における位置決め部材8と垂直板10b,12bの形状が異なるが、説明の便宜上、同じ符号を付けて説明する。以下、これらの図を用いて、本実施の形態における道路2の構造について説明するが、位置決め部材8以外の構成は、実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。
【0060】
位置決め部材8は、舗装ブロック4間の目地を所定の間隔となるよう位置決めする。特に、本実施の形態における位置決め部材8は、目地内の雨水を敷砂5、ひいては路盤6に流出させることなく道路2の脇の側溝14に流出させる排水部材を兼用する。位置決め部材8の形状は、舗装部材の形状に応じて決められる。
【0061】
本実施の形態における位置決め部材8は、実施の形態1と同様に、角位置決め部材10及び辺位置決め部材12により構成される。なお、角位置決め部材10における基盤10a及び突き刺し板10c、また辺位置決め部材12における基盤12a及び突き刺し板12cは、実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。
【0062】
1つの角位置決め部材10は、4個の舗装ブロック4の角部と係合するので、本実施の形態においては、それぞれに対応させて4組の垂直板10bを有している。1組の垂直板10b-1,10b-2は、正方形の舗装ブロック4の角の角度(90度)に合わせて直交する角度で、対向する辺が隙間なく当接した状態で立設される。また、隣接する組の垂直板10b-1と垂直板10b-2は、平行に立設され、後述する排水溝16の一部を形成する。
【0063】
辺位置決め部材12における垂直板12bは、基盤12aの上に平面板状の1組の垂直板12b-1,12b-2を垂直に立設されて形成される。1組の垂直板12b-1,12b-2は、平行に立設され、その間隔は、前述した角位置決め部材10における隣接する組の垂直板10b-1と垂直板10b-2の間隔と同じである。1組の垂直板12b-1,12b-2は、後述する排水溝16の一部を形成する。つまり、角位置決め部材10と辺位置決め部材12を接合することで、垂直板10b、12bは、舗装ブロック4間の目地を排水溝16として利用させることができる。
【0064】
本実施の形態では、位置決め部材8の垂直板10b,12bの舗装ブロック4と対向する側面を舗装ブロック4の側面に当接させることで、隣接する舗装ブロック4同士を所定の間隔で安定的に位置決めすると共に、水平方向の位置ずれを阻止する。隣接する組の垂直板10b-1と垂直板10b-2及び1組の垂直板12b-1と垂直板12b-2の間隔は、舗装ブロック4の目地の幅となる。この幅は、舗装ブロック4の大きさ等にもよるが、0.5~2.0cm程度とする。
【0065】
本実施の形態における道路の形成方法は、実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。
【0066】
図10は、雨が降っているときの道路2の状態を示す概念図である。道路2の脇には、側溝14が設けられている。図10に示すように、雨(点線で表す)が降ると、路面上の雨水は、滞留することなく、矢印で示すように路面より低い位置にある目地の方に流れる。
【0067】
ところで、本実施の形態においては、隣接する舗装ブロック4の間にできる目地を、道路2における雨水の排水溝16として利用する。排水溝16の側面は、舗装ブロック4の側面及び位置決め部材8の垂直板10b,12bで形成される。また、排水溝16の底面は、基盤10a,12aにより形成される。
【0068】
前述したように、路面上の雨水は、路面上に滞留することなく排水溝16に流出される。そして、排水溝16の雨水は、排水溝16に滞留することなく、また敷砂5に流出されることなく排水溝16より低い位置にある側溝14に流出される。
【0069】
本実施の形態における道路2の構造によれば、道路2に降った雨を路面上に滞留させることなく排水溝16に流出できる。また、排水溝16を流れる雨水は、位置決め部材8により敷砂5に流出されることはない。よって、道路2が長年利用されたとしても、敷砂5や路盤6が雨水によって浸食されることはない。これにより、位置決め部材8が敷砂5の上でがたつくこともない。特に、本実施の形態においては、突き刺し板10c,12cを設けるようにしたので、敷砂5が輪荷重により他に流出したりすることを抑制できるので、路面にがたつきが生じにくい。
【0070】
ところで、上記実施の形態1,2では、道路2の排水機構について言及しなかった。ただ、実施の形態1においては、位置決め部材8の基盤10aにより目地の下部を塞いでいるので、雨水が敷砂5に流出されない。実施の形態2において同様に位置決め部材26の基盤26aにより目地の下部を塞いでいるので、雨水が敷砂5に流出されない。従って、目地を排水溝として利用することができる。この場合、実施の形態1における位置決め部材8の垂直板10b,12bの上面及び実施の形態2における位置決め部材26の基盤26aの上面が排水溝の底面になる。従って、実施の形態1,2における道路2の構造においても排水機構を備えており、位置決め部材8,26が排水部材を兼用していると言うことができる。
【0071】
実施の形態4.
本実施の形態は、上記実施の形態3と同様に、排水機構を備える道路2の構造を提供する。
【0072】
図11は、本発明に係る道路の構造の実施の形態4が適用される道路の一部分を切り取って上方から見たときの平面図である。図12は、図11に示す道路の一部分の側断面図である。図13は、本実施の形態における位置決め部材を示す斜視図である。図14は、本実施の形態におけるレインモールを示す斜視図である。図15は、本実施の形態における位置決め部材22及びレインモール24の舗装ブロック4への装着部分を示す側断面図である。以下、これらの図を用いて、本実施の形態における道路の構造について説明する。なお、実施の形態3と同じ構成要素には、同じ符号を付ける。
【0073】
本実施の形態における道路2は、実施の形態3と同様に、舗装部材としての舗装ブロック4を敷砂5の上に並べて形成される。実施の形態3と異なるのは、位置決め部材と排水部材とが別個に用意されることである。具体的には、実施の形態3においては、位置決め部材8が排水部材を兼用していたが、本実施の形態では、位置決め部材22とは別個に排水部材としてレインモール24を用いる。
【0074】
図11には、敷砂5の上に舗装ブロック4を縦横に3個ずつ並べて敷設されている部分と、敷設されている舗装ブロック4と係合する位置決め部材22及びレインモール24とが示されている。敷砂5の上には、位置決め部材22が設置され、詳細は後述するように、舗装ブロック4は、位置決め部材22によって位置決めされて敷砂5の上に敷設される。
【0075】
本実施の形態における位置決め部材22は、図13に示すように、平板状で略八角形の基盤22a、複数の円筒形状の凸部22b、及び敷砂5に埋設される突き刺し板22cで形成される。位置決め部材22は、矩形形状の舗装ブロック4の角部が集合する場所に位置付けされる。基盤22aは、載置される4個の舗装ブロック4の角部付近の底面と接して目地を塞ぐ板部として機能する。また、基盤22aには、凸部22b及び突き刺し板10cが設けられる。1つの位置決め部材22は、4個の舗装ブロック4の角部と係合するので、凸部22bは、各舗装ブロック4の角部と対向する位置に4個形成される。舗装ブロック4の底面角部の凸部22bと対向する位置には、凹部4aが設けられる。凸部22bは、舗装ブロック4と対向する位置の凹部4aに嵌め合わされることで、舗装ブロック4を位置決め部材22から位置ずれしないように固定する。これにより、位置決め部材22は、4個の舗装ブロック4の角同士を所定の間隔で安定的に隔てる。1つの舗装ブロック4は、4か所の角部において、周囲の8個の舗装ブロック4と連結される。従って、1つの舗装ブロック4上で車両が制動をかけた際に、周囲の8個の舗装ブロック4まで道路面上のせん断方向の制動力が伝達されるので、車両が制動力を伝えた舗装ブロック4の横ずれの抑止効果が大きい。また、位置決め部材22の凸部22b及び舗装ブロック4の凹部4aは、円筒形状としたことで、凸部22bには、制動力が均等にかかりやすい。
【0076】
突き刺し板22cは、敷砂流出抑制部材の一部を形成する。本実施の形態における突き刺し板22cは、基盤22aの底面から路盤6の方向に垂直に延出する平面板部材により形成される。突き刺し板22cは、基盤22aの底面方向から見ると、舗装ブロック4の側面に沿うように凸部22bの間に位置に配設される。また、突き刺し板22cは、実施の形態1における突き刺し板10cと同様に十字形状にて形成される。
【0077】
本実施の形態におけるレインモール24は、排水部材として設けられている。レインモール24の断面は、下側に突き出る略U字形状をしている。レインモール24の両先端部には、外側に向けて突き出た凸部24dが設けられる。本実施の形態においても、実施の形態3と同様に、隣接する舗装ブロック4の間にできる目地を、道路2における雨水の排水溝16として利用する。排水溝16の側面は、舗装ブロック4の側面で形成される。そして、排水溝16の底面は、レインモール24により形成される。レインモール24は、弾性を有する素材、例えばゴム、樹脂およびそれらの発砲材料などにより形成される。
【0078】
本実施の形態におけるレインモール24は、2つの部材24a,24bにより構成される。部材(以下、「角部レインモール」と称する)24aは、四角形の舗装ブロック4の角部が集合する場所に位置付けられる。そのため、角部レインモール24aは、略十字形状をしており、舗装ブロック4への装着時には、舗装ブロック4の角部に対応する位置の目地の中に装着される。
【0079】
角部レインモール24aが舗装ブロック4の角部に対応するのに対し、部材(以下、「辺部レインモール」と称する)24bは、舗装ブロック4の辺部(角部を除く側面)に位置付けされる。辺部レインモール24bは、舗装ブロック4への装着時には角部レインモール24aの間に配設され、四角形の舗装ブロック4の辺に対応する位置の目地の中に装着される。
【0080】
また、突き刺し板24cは、突き刺し板22cと共に敷砂流出抑制部材を形成する。本実施の形態における突き刺し板12cは、辺部レインモール24bの底面から路盤6の方向に垂直に延出する平面板部材により形成される。
【0081】
角部レインモール24aと辺部レインモール24bは、接合されて使用されるが、その接合部分から雨水が漏れて路盤6に流出しない構造とする必要がある。本実施の形態では、図8に示すように断面が略U字形状である本体部分の、他方のレインモール24と対向する部分の一方(図8では辺部レインモール24b)の外側と他方(図8では角部レインモール24a)の内側を削り取ることで、相互に嵌まる形状に形成している。
【0082】
次に、本実施の形態における道路の形成方法について説明する。
【0083】
本実施の形態では、上記各実施の形態と同様に、適切な強度に造成された路盤6の上に敷砂5を敷き詰める。続いて、位置決め部材22は、敷砂5の上に所定の間隔にて設置されるが、このとき、位置決め部材22に上からある程度の力をかけて押し込むようにして、突き刺し板22cを敷砂5の中に突き刺す。このようにして、突き刺し板22cは、敷砂5に埋設される。そして、位置決め部材22の凸部22bを、図15に示すように、舗装ブロック4の凹部4aに嵌め込む。位置決め部材22の凸部22bを舗装ブロック4の凹部4aに嵌め込んでから、突き刺し板22cを敷砂5の中に突き刺すようにしてもよい。このようにして、4つの舗装ブロック4が1つの位置決め部材22により所定の目地間隔にて位置決めされる。
【0084】
続いて、角部レインモール24aと辺部レインモール24bが接合され形成されたレインモール24が舗装ブロック4に装着されることになるが、レインモール24の幅は、図15において破線で示すレインモール24のように目地の幅より若干大きい。このため、レインモール24は、人手等により矢印A方向に幅を縮めた状態で目地の中に挿入され、矢印B方向に押し込まれる。そして、レインモール24の凸部24dが舗装ブロック4の側面に設けられている溝4bの位置まで押し込まれると、レインモール24の両端にある凸部24dは、レインモール24が持つ弾性力により、それぞれに対向する溝4bに嵌まり込む。このようにして、レインモール24は、舗装ブロック4の側面に架設された状態で取り付けられ固定される。
【0085】
ところで、舗装ブロック4の角部では、位置決め部材22に敷砂流出抑制部材が設けられているので、角部レインモール24aの部分に関しては、角部レインモール24aを押し下げる程度の力で押し込めばよいかもしれない。しかしながら、舗装ブロック4の辺部では、辺部レインモール24bに敷砂流出抑制部材が設けられている。そのため、辺部レインモール24bの凸部24dが舗装ブロック4の溝4bに嵌まる前に、突き刺し板22cの先端が敷砂5に接することになる。このため、辺部レインモール24bの部分に関しては、突き刺し板24cが敷砂5に突き刺さるのに必要な力で矢印B方向に押し込む必要がある。特に、レインモール24は、弾性部材で形成されているので、辺部レインモール24bを破損させることなく突き刺し板24cを敷砂5に突き刺せるよう留意する必要がある。そのために、例えば、辺部レインモール24bの設置専用の治具を用意してもよい。
【0086】
なお、舗装ブロック4の溝4bとレインモール24の凸部24d、更に角部レインモール24aと辺部レインモール24bとの接合部分をシーラント剤にて接合すると、雨水の路盤6への浸入をより確実に阻止することができる。
【0087】
ところで、本実施の形態では、舗装ブロック4に溝4bを設けてレインモール24の凸部24dを嵌め合わせる構造とした。ただ、このような凹凸を設ける構造に限定する必要はない。例えば、レインモール24の幅を目地の幅よりだいぶ大きくして、弾性力をより発揮させることで、レインモール24を目地に挿入するだけの構造としてもよい。この場合でもシーラント材を用いて接合してもよい。
【0088】
また、目地の中でのレインモール24の取付位置、つまり舗装ブロック4に取り付ける高さは種々選択できる。図15に例示するように、レインモール24の取付位置を舗装ブロック4の底面近くにすると、排水溝16の容積を大きくできるので、より多くの雨水を流すことができる。一方、レインモール24の目地の中での取付位置を舗装ブロック4の上面に近づけると、レインモール24を目地の下方に押し込む量が少なくてよいので、レインモール24を底面近くに取り付ける場合に比して取付作業が楽である。
【0089】
本実施の形態における道路2の構造によれば、実施の形態3と同様に排水機構を備えることができる。すなわち、道路2に降った雨を路面上に滞留させることなく排水溝16に流出できる。また、排水溝16を流れる雨水は、レインモール24によって敷砂5に流出されることはない。よって、道路2が長年利用されたとしても、敷砂5や路盤6が雨水によって浸食されることはない。これにより、位置決め部材22が敷砂5の上でがたつくこともない。特に、本実施の形態においては、突き刺し板22c,24cを設けることによって、各舗装ブロック4下の敷砂5が輪荷重により他に流出したりすることを抑制することができる。このため、本実施の形態における道路2の構造では、路面にがたつきが生じにくい。
【0090】
更に、本実施の形態における道路2の構造では、弾性を有するレインモール24を利用しているので、ブレーキ等によって路面に横方向の力が作用したとしても、レインモール24の弾性により破損しにくい。
【0091】
ところで、舗装ブロック4の目地を排水溝16として利用する上記各実施の形態においては、路面の雨水を側溝14まで流すことができる。このため、道路2には、排水のための勾配を設ける必要はない。つまり、排水勾配のない道路2を提供できるので、横断勾配により車両が歩道に寄りにくい道路を提供できる。また、歩道寄り(つまり、側溝14側)の車道に水たまりができにくい。すなわち、交通安全の向上に寄与する道路2を提供することが可能となる。
【0092】
また、排水溝16に、側溝14に向けて下り勾配を与えるように設置すると、速やかな雨水の排水が可能となる。ただ、設けなくとも雨水は重力に従って下層、すなわち側溝14に流れていくので、必ずしも設ける必要はない。排水溝16に下り勾配を与えない場合、排水溝16の底部に若干の雨水の滞留が発生しうるかもしれない。ただ、排水溝16の上部は開放されているので、天候が晴天となれば、蒸発して乾燥する。
【0093】
[本願発明の構成]
構成1:
路盤上の敷砂の上に複数の舗装部材を並べて敷設する道路の構造において、
前記舗装部材と当接し、前記舗装部材間の目地を所定の間隔となるよう位置決めする位置決め部材と、
前記位置決め部材から前記路盤の方向に延出し、前記複数の舗装部材それぞれの下にある敷砂の流出を抑制する敷砂流出抑制部材と、
を備えることを特徴とする道路の構造。
構成2:
前記位置決め部材は、前記目地の下部を塞ぐ基盤を備えることを特徴とする構成1に記載の道路の構造。
構成3:
前記敷砂流出抑制部材は、前記基盤から前記路盤方向に延出する板部材により形成されることを特徴とする構成2に記載の道路の構造。
構成4:
前記板部材は、前記基盤の底面の、前記舗装部材の外周に沿う位置に配設されることを特徴とする構成3に記載の道路の構造。
構成5:
前記板部材の高さは、埋設される位置の敷砂の厚さの半分以上であることを特徴とする構成3又は4に記載の道路の構造。
構成6:
前記目地内の雨水を前記敷砂に流出させることなく前記道路の脇の側溝に流出させる排水部材を備えることを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の道路の構造。
構成7:
前記位置決め部材は、前記目地を前記道路における雨水の排水溝として利用され、前記目地の下部を塞ぐことで前記排水溝の底を形成する基盤を備え、前記排水部材として兼用されることを特徴とする構成1~6のいずれか1つに記載の道路の構造。
【符号の説明】
【0094】
2 道路、4 舗装ブロック、4a 凹部、4b,4c 溝、5 敷砂、6 路盤、8,22,26 位置決め部材、10 角位置決め部材,12 辺位置決め部材、10a,12a,22a,26a 基盤、10b,10b-1,10b-2,12b,12b-1,12b-2,26b 垂直板、10c,12c,22c,24c,26c 突き刺し板、14 側溝、16 排水溝、22b,24d 凸部、24 レインモール、24a 角部レインモール、24b 辺部レインモール、26a-1 角部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15