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特開2024-104804射出成形機、および射出成形機の診断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104804
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】射出成形機、および射出成形機の診断方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240730BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B29C45/76
B29C45/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009165
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 ことね
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM04
4F206AM19
4F206AM22
4F206AP20
4F206JA07
4F206JL02
4F206JP11
4F206JP14
4F206JP15
4F206JP30
4F206JQ88
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】センサの数を抑制しつつ、第1部品の診断および第2部品の診断を行う。
【解決手段】振動センサは、第1部品群の第1データおよび第2部品群の第2データを検出する。射出成形機は、射出モード中における第1データに基づいて第1部品群の診断処理を実行し、可塑化モード中における第2データに基づいて第2部品群の診断処理を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機であって、
第1部品と、
第2部品と、
前記第1部品および前記第2部品を駆動する制御装置と、
前記第1部品の第1データおよび前記第2部品の第2データを検出する第1センサとを備え、
前記制御装置は、第1モードおよび第2モードを含む複数のモードのいずれかのモードで前記射出成形機を運転し、
前記第1モードは、前記第1部品を駆動し前記第2部品を駆動しないモードであり、
前記第2モードは、前記第2部品を駆動し前記第1部品を駆動しないモードであり、
前記制御装置は、
前記第1モード中における前記第1データに基づいて、前記第1部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第1診断処理を実行し、
前記第2モード中における前記第2データに基づいて、前記第2部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第2診断処理を実行する、射出成形機。
【請求項2】
前記射出成形機は、
前記第1部品と第3部品とを含む第1部品群と、
前記第2部品を第4部品とを含む第2部品群とを備え、
前記第1モードは、前記第3部品を使用し前記第4部品を使用しないモードであり、
前記第2モードは、前記第4部品を使用し前記第3部品を使用しないモードであり、
前記第1診断処理は、前記第1部品群の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含み、
前記第2診断処理は、前記第2部品群の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記射出成形機は、回転しかつ所定方向に移動可能なスクリュを備え、
前記第1モードは、前記スクリュを前記所定方向に移動させる射出モードであり、
前記第2モードは、前記スクリュを回転させる可塑化モードであり、
前記第1部品群は、
ボールねじと、
前記ボールねじに装着されるボールねじナットと、
前記ボールねじを回転可能に支持する第1ベアリングと、
第1モータと、
前記第1モータの動力を前記ボールねじに伝達する第1タイミングベルトとを含み、
前記ボールねじの回転に応じて、前記ボールねじナットは、前記スクリュを前記所定方向に移動させ、
前記第2部品群は、
前記スクリュを回転可能に支持する第2ベアリングと、
第2モータと、
前記第2モータの動力を前記スクリュに伝達する第2タイミングベルトとを含む、請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記第1部品群は、さらに、
前記スクリュの前記所定方向の移動を案内するリニアガイドを含む、請求項3に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記第2部品群は、さらに、
前記第2モータの減速機を含む、請求項3または請求項4に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記第1センサは、前記ボールねじナットに設置される、請求項3または請求項4に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記第1センサは、前記第1部品の振動および前記第2部品の振動を検出する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記複数のモードは、前記射出成形機の全ての部品を停止させる停止モードを含み、
前記制御装置は、
前記第1モード中における前記第1データと前記停止モード中における前記第1センサが検出した停止データとに基づいて、前記第1診断処理を実行し、
前記第2モード中における前記第2データと前記停止データとに基づいて、前記第2診断処理を実行する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記複数のモードは、メンテナンスモードおよび前記射出成形機が成形品を生成する成形モードを含み、
前記制御装置は、前記メンテナンスモードである場合に、前記第1診断処理および前記第2診断処理を実行する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記射出成形機は、該射出成形機に投入された材料を用いて、成形品を製造し、
前記制御装置は、前記射出成形機に前記材料が投入されていない状態で、前記第1診断処理および前記第2診断処理を実行する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項11】
前記射出成形機は、該射出成形機に投入された材料を用いて、成形品を製造し、
前記制御装置は、前記射出成形機に前記材料が投入された状態で、前記第1診断処理および前記第2診断処理を実行する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項12】
前記射出成形機は、第2センサと第3センサとのうち少なくとも一方を備え、
前記第2センサは、前記第1部品のデータを検出可能である一方前記第2部品のデータを検出不可能なセンサであり、
前記第3センサは、前記第2部品のデータを検出可能である一方前記第1部品のデータを検出不可能なセンサである、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項13】
前記第1データおよび前記第2データは共に波形データであり、
前記制御装置は、前記第1データおよび前記第2データを周波数領域のデータに変換して、該周波数領域のデータに基づいて前記第1診断処理および前記第2診断処理を実行する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項14】
前記制御装置は、
機械学習された第1モデルに対して前記第1データを入力することにより、前記第1診断処理を実行し、
機械学習された第2モデルに対して前記第2データを入力することにより、前記第2診断処理を実行する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項15】
射出成形機の診断方法であって、
前記射出成形機は、
第1部品と、
第2部品と、
前記第1部品の第1データおよび前記第2部品の第2データを検出する第1センサとを備え、
前記射出成形機のモードは、
前記第1部品を駆動する一方前記第2部品を駆動しない第1モードと、
前記第2部品を駆動する一方前記第1部品を駆動しない第2モードとを含み、
前記診断方法は、
前記第1モード中における前記第1データに基づいて、前記第1部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第1診断処理を実行することと、
前記第2モード中における前記第2データに基づいて、前記第2部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第2診断処理を実行することと、を備える、射出成形機の診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射出成形機、および射出成形機の診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2021-74917号公報(特許文献1)には、ボールねじを備える射出成形機が開示されている。この射出成形機は、ボールねじの振動強度に対して周波数解析を行うことにより、該ボールねじの異常を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-74917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
射出成形機は、ボールねじを含む複数の部品を備える。この複数の部品は、第1部品および第2の部品を含む。射出成形機においては、ボールねじ以外にも、このような第1部品および第2部品の診断が行われることが好ましい。そこで、第1部品および第2部品の診断を行うために、第1部品を診断するためのセンサと、第2部品を診断するためのセンサとを備える構成が考えられる。しかしながら、このような構成においては、センサの数が増大するという問題が生じ得る。
【0005】
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、センサの数を抑制しつつ、第1部品の診断および第2部品の診断を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示による射出成形機および射出成形機の診断方法は、第1センサが、第1部品の第1データおよび第2部品の第2データを検出する。また、射出成形機および射出成形機の診断方法は、第1モード中における第1データに基づいて第1部品の診断処理を実行し、第2モード中における第2データに基づいて第2部品の診断処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、センサの数を抑制しつつ、第1部品の診断および第2部品の診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】射出成形機の構成を示す図である。
図2】作動装置の構成を示す図である。
図3】各モード中における診断部品の一例を示す図である。
図4】制御装置の機能ブロック図である。
図5】射出成形機の制御の流れを示すフローチャートである。
図6】診断処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第2実施形態の診断処理の流れを示すフローチャートである。
図8】第3実施形態の各センサと、診断部品との対応関係の一例を示す図である。
図9】別の実施形態の制御装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0010】
<第1実施形態>
[射出成形機の構成]
図1は、射出成形機100の構成を説明するための図である。なお、説明の便宜上、図1において射出成形機100が配置される床面をXY平面とし、該床面に垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸の正方向を上面側または上方、負方向を下面側または下方と称する場合がある。なお、射出成形機100は、横型の射出成形機として示されているが、横型に限られず、竪型の射出成形機であってもよい。
【0011】
射出成形機100は、金型を型締めするための型締装置110、射出材料を溶融して射出するための射出装置120、操作盤130、および、制御装置140を含んで構成されている。図1においては、型締装置110は、射出装置120に対してX軸の負方向側に配置されている。
【0012】
型締装置110は、ベッド111と、固定盤112と、型締ハウジング113と、可動盤114と、タイバー115と、型締機構116と、金型117,118と、ボールねじ119とを含む。ベッド111は床面に配置されており、その上面に、固定盤112、型締ハウジング113、可動盤114等の機器が搭載されている。
【0013】
固定盤112は、ベッド111上において、射出装置120に近い側(すなわち、X軸の正方向)の端部に固定されている。型締ハウジング113は、ベッド111上におけるX軸の負方向の端部に配置されている。固定盤112と型締ハウジング113とは、複数のバーを含むタイバー115によって連結されている。型締ハウジング113は、ベッド111上において、X軸方向に移動可能である。
【0014】
可動盤114は、ベッド111上において、固定盤112と型締ハウジング113との間に配置されている。可動盤114は、X軸方向に移動可能に構成されている。型締ハウジング113と可動盤114とは、型締機構116によって連結されている。型締機構116はトグル機構を有している。トグル機構には、ボールねじ119が連結されており、型締ハウジング113に配置されるサーボモータ151を駆動して該ボールねじ119を回転させることによって、型締ハウジング113に対して可動盤114をX軸方向に相対移動させることができる。なお、型締機構116として、油圧によって駆動される直動式のシリンダを用いてもよい。
【0015】
可動盤114および固定盤112には、金型117,118がそれぞれ配置されている。金型117および金型118は、可動盤114と固定盤112との間において互いに対向して配置されている。型締機構116を用いて金型117をX軸方向に移動させることによって、金型117と、金型118とを密着させたり、金型117を金型118から離間させたりすることができる。以降の説明においては、金型117および金型118が離間した状態から密着する状態へ移行させる工程を「型締」と称する。また、金型117および金型118が密着している状態から離間した状態へ移行させる工程を「型開」と称する。
【0016】
型締工程によって金型117と、金型118とが密着させた状態で、金型内部に溶融材料(樹脂)を充填し、冷却して固化させることによって、所望の形状の製品(成形品)を成形することができる。製品の成形後、型開工程によって金型117を金型118から離間させた状態で、可動盤114に配置された突出機構(図示せず)を動作させることによって、成形された製品を金型117から取り出すことができる。突出機構は、可動盤114に配置されたサーボモータ152によって駆動される。なお、突出機構を用いて製品を取り出す工程を「突出」工程と称する。
【0017】
射出装置120は、基台121と、加熱シリンダ122と、作動装置124と、ホッパ125と、温度センサ128とを含む。基台121は、ベッド111のX軸の正方向側の床面に配置され、その上面に作動装置124が搭載されている。作動装置124には、射出モータ153および可塑化モータ154などが配置されている。
【0018】
作動装置124には、X軸方向に延在する加熱シリンダ122が配置されている。加熱シリンダ122は、内部を加熱するためのヒータ(図示せず)と、スクリュ123と、射出ノズル126とを含む。スクリュ123は、作動装置124内の可塑化モータ154によって駆動され、X軸方向を回転軸として回転可能に構成される。また、スクリュ123は、射出モータ153によって駆動され、X軸方向に移動可能に構成されている。射出ノズル126は、加熱シリンダ122における型締装置110側の端部(すなわち、X軸の負方向の端部)に配置されている。ホッパ125には、ビーズ状の樹脂材料αが投入される。加熱シリンダ122は、樹脂材料αを加熱溶融し、スクリュ123を用いて混練することによって溶融材料を生成する。このように、樹脂材料を溶融する工程を「可塑化」工程と称する。
【0019】
また、後述するように、作動装置124によってスクリュ123がX軸方向に移動されることにより、射出成形機100は、射出ノズル126を型締装置110における金型118のスプルーブッシュに接触させる。そして、射出成形機100は、射出ノズル126から溶融材料を射出することによって、金型117,118のキャビティ内に溶融材料が充填される。以上により、ノズルタッチ機構の構成が実現される。射出モータ153は、加熱シリンダ122内のスクリュ123をX軸の負方向に移動させることによって溶融材料に圧力を付与し、金型117,118内への溶融材料の注入、および、注入後の溶融材料の圧力を一定に保持する。
【0020】
なお、金型117,118内に溶融材料を注入する工程を「射出」工程と称する。また、射出工程後、金型117,118内に充填された溶融材料を一定圧力に保持して冷却する工程を「保圧」工程と称する。
【0021】
温度センサ128は、加熱シリンダ122における射出ノズル126の近傍に配置されている。温度センサ128は、加熱シリンダ122内部の溶融材料の温度を検出し、制御装置140へ出力する。制御装置140は、温度センサ128の検出値に基づいてヒータを制御して、溶融材料の温度を所望の温度に調整する。
【0022】
保圧工程が完了すると、型開工程および突出工程が実行されて、成形された製品が取り出される。
【0023】
射出成形機100は、型締工程、射出工程、保圧工程、可塑化工程、型開工程および突出工程をサイクリックに繰り返し実行することによって、製品を連続的に形成することができる。本実施形態では、型締工程、射出工程、保圧工程、可塑化工程、型開工程および突出工程は、まとめて、「成形サイクル」とも称される。
【0024】
制御装置140は、基台121の内部に格納されている。制御装置140は、CPU141と、メモリ142と、各モータを駆動するためのサーボアンプ143とを含む。制御装置140は、射出成形機100に配置された各種センサの検出値を取得し、射出成形機100を統括的に制御する。
【0025】
また、制御装置140は、複数のモードで射出成形機100を運転可能である。複数のモードは、射出モードと、可塑化モードとを含む。射出モードは、上述の射出工程を実行するモードであり、本開示の「第1モード」に対応する。可塑化モードは、上述の可塑化工程を実行するモードであり、本開示の「第2モード」に対応する。制御装置140は、射出成形機100のモードを示すモードフラグをメモリ142のRAM(Random Access Memory)に格納する。
【0026】
操作盤130は、オペレータが射出成形機100を操作するための機器であり、様々な画像を表示するディスプレイ132、および、キーボードなどの入力装置を含む。操作盤130は制御装置140に接続されており、射出成形機100の状態を取得して表示したり、入力装置からのユーザ操作信号を制御装置140に出力したりすることができる。操作盤130は、ディスプレイ132および入力装置が一体化されたタッチパネルであってもよい。また、操作盤130は、射出成形機100のベッド111あるいは基台121に取り付けられていてもよいし、射出成形機100とは独立した位置に配置されていてもよい。
【0027】
[作動装置の構成]
図2は、図1における作動装置124の詳細構成を示す図である。以下の作動装置124の説明では、主に図2を参照するが、図1についても適宜参照する。なお、図2においては、加熱シリンダ122の一部およびスクリュ123の一部が示されている。図1でも説明したように、作動装置124は、射出モータ153と可塑化モータ154とを備える。
【0028】
さらに、作動装置124は、固定プレート27、エンドプレート28、リニアガイド43、および可動プレート30を備える。可塑化モータ154は、可動プレート30に配置されている。射出モータ153は、エンドプレート28に配置されている。固定プレート27とエンドプレート28とはガイドバー31によって連結されている。可動プレート30は、リニアガイド43上に配置される。リニアガイド43は、可動プレート30をX軸方向に案内する。また、可動プレート30はガイドバー31にガイドされてX軸方向に移動する。
【0029】
固定プレート27には孔33が形成されており、この孔33と加熱シリンダ122の孔とが整合するように加熱シリンダ122の後端部が固定されている。スクリュ123の後端部は、孔33を貫通して回転駆動軸35に固定されている。また、回転駆動軸35は、後述の減速機47の出力軸47Bに連結されている。
【0030】
作動装置124は、さらに、ボールねじ39と、ボールねじナット38と、第1ベアリング51と、第1タイミングベルト61と、リニアガイド43と、振動センサ50とを備える。振動センサ50は、本開示の「第1センサ」に対応する。第1ベアリング51は、エンドプレート28に収容されている。第1ベアリング51は、ボールねじ39の一部を回転可能に支持する。
【0031】
ボールねじナット38は、後述の減速機47を介して可動プレート30に固定されている。ボールねじナット38は、ボールねじ39に装着される。ボールねじナット38のボールねじ39は、エンドプレート28を貫通して、ボールねじ39の先端がエンドプレート28から突出している。この突出箇所に第1プーリ41が設けられている。射出モータ153の回転軸には第2プーリ42が設けられ、第1プーリ41と第2プーリ42とに第1タイミングベルト61が掛け回されている。第1タイミングベルト61は、射出モータ153の動力をボールねじ39に伝達する。
【0032】
従って、制御装置140の制御により射出モータ153が駆動すると、射出モータ153の動力は第1タイミングベルト61によりボールねじ39に伝達される。また、ボールねじ39が該動力により回転することにより、ボールねじナット38がX軸方向に移動し、可動プレート30もX軸方向に移動する。そして、可動プレート30のX軸方向の移動により、スクリュ123は、X軸方向に移動する。以上により、制御装置140の制御により射出モータ153が駆動すると、スクリュ123は、X軸方向に移動する。
【0033】
作動装置124は、さらに、減速機47と、第2タイミングベルト62と、第2ベアリング52と、ロードセル68とを備える。第2ベアリング52は、スクリュ123を回転可能に支持する。減速機47は、可塑化モータ154の回転軸の回転を減速させる。また、減速機47の入力軸47Aに第3プーリ48が設けられている。また、可塑化モータ154の回転軸に第4プーリ49が設けられている。また、第3プーリ48と第4プーリ49とに第2タイミングベルト62が掛け回されている。第2タイミングベルト62は、可塑化モータ154の動力を、回転駆動軸35を介してスクリュ123に伝達する。従って、制御装置140の制御により可塑化モータ154が駆動すると、スクリュ123が回転する。
【0034】
ロードセル68は、可動プレート30に配置される。ロードセル68は、出力軸47Bの回転トルクを検出する。
【0035】
振動センサ50は、ボールねじナット38に設置される。振動センサ50として、たとえば、加速度センサが用いられる。振動センサ50の役割については後述する。
【0036】
[メンテナンスモード]
本実施形態の射出成形機100のモードは、メンテナンスモードおよび成形モードを含む。成形モードは、射出成形機100が成形品を製造するモードである。メンテナンスモードは、材料α(図1参照)が投入されない状態で射出成形機100を駆動することで、射出成形機100の診断対象となる部品の診断処理を行うモードである。診断対象となる部品は、以下では、「診断部品」とも称される。また、診断処理は、診断部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む処理である。たとえば、ユーザは、診断処理として、診断部品の異常診断および診断部品の異常検出のいずれを実行するかを選択できる。
【0037】
また、メンテナンスモード中においては、射出成形機100は、上述の射出モードおよび可塑化モードのいずれかで運転される。
【0038】
図3は、各モード中における診断部品の一例である。以下の診断部品の説明では、主に図3を参照するが、図2についても適宜参照する。射出モードにおける診断部品は、該射出モードである場合に使用される部品群である。この部品群は、本開示の「第1部品群」とも称される。図3の例では、射出モードにおける診断部品は、ボールねじナット38(図2参照)、ボールねじ39、第1ベアリング51、射出モータ153、第1タイミングベルト61、およびリニアガイド43である。射出モータ153は、本開示の「第1部品」に対応する。また、第1部品群のうち射出モータ153以外の部品(ボールねじナット38、ボールねじ39、第1ベアリング51、第1タイミングベルト61、およびリニアガイド43)は、「第3部品」とも称される。つまり、第1部品群は、第1部品と第3部品とにより構成される。
【0039】
可塑化モードにおける診断部品は、該可塑化モードである場合に使用される部品群である。この部品群は、本開示の「第2部品群」に対応する。図3の例では、可塑化モードにおける診断部品は、第2ベアリング52、可塑化モータ154、第2タイミングベルト62、および減速機47である。可塑化モータ154は、本開示の「第2部品」に対応する。また、第2部品群のうち可塑化モータ154以外の部品(第2ベアリング52、第2タイミングベルト62、および減速機47)は、「第4部品」とも称される。つまり、第2部品群は、第2部品と第4部品とにより構成される。
【0040】
上述のように、射出モータ153は、本開示の「第1部品」に対応する。また、可塑化モータ154は、本開示の「第2部品」に対応する。つまり、射出モードは、射出モータ153(第1部品)を駆動し可塑化モータ154(第2部品)を駆動しないモードである。また、射出モードは、第3部品を使用し第4部品を使用しないモードである。可塑化モードは、可塑化モータ154(第2部品)を駆動し射出モータ153(第1部品)を駆動しないモードである。また、可塑化モードは、第4部品を使用し第3部品を使用しないモードである。
【0041】
射出成形機100のモードが射出モードである場合には、射出モータ153が振動の発生源となる。そして、該振動が、ボールねじナット38以外の第3部品(ボールねじ39、第1ベアリング51、第1タイミングベルト61、およびリニアガイド43)に伝達されて(経由して)、ボールねじナット38に到達する。
【0042】
また、射出成形機100のモードが可塑化モードである場合には、可塑化モータ154が振動の発生源となる。そして、該振動が、全ての第4部品(第2ベアリング52、第2タイミングベルト62、および減速機47)に伝達されて(経由して)、ボールねじナット38に到達する。
【0043】
ここで、上述のように、ボールねじナット38には、振動センサ50が配置されている。したがって、射出成形機100のモードが射出モードおよび可塑化モードのいずれであっても、振動がボールねじナット38に伝達される。よって、このボールねじナット38に配置されている振動センサ50は、この振動を検出できる。そして、振動センサ50は、該検出した振動を示す振動データを制御装置140に出力する。振動データは、振動を示す波形データであり、時間領域のデータである。制御装置140は、この振動データに基づいて、射出成形機100の診断部品の診断処理を実行する。振動データは、診断処理のために使用されることから、「診断データ」とも称される。
【0044】
つまり、図3の例では、制御装置140は、射出モード中における振動データに基づいて、第1部品群を構成する各部品(ボールねじナット38、ボールねじ39、第1ベアリング51、射出モータ153、第1タイミングベルト61、およびリニアガイド43)の診断処理を実行する。「射出モード中における振動データ」は、本開示の「第1データ」に対応する。第1部品群の診断処理は、本開示の「第1診断処理」に対応する。
【0045】
また、制御装置140は、可塑化モード中における振動データに基づいて、第2部品群を構成する各部品(第2ベアリング52、第2タイミングベルト62、可塑化モータ154、および減速機47)の診断処理を実行する。「可塑化モード中における振動データ」は、本開示の「第2データ」に対応する。第2部品群の診断処理は、本開示の「第2診断処理」に対応する。
【0046】
[制御装置の機能ブロック図]
図4は、制御装置140の機能ブロック図である。以下の制御装置140の説明では、主に図4を参照するが、図1図3についても適宜参照する。制御装置140は、FFT(Fast Fourier Transform)部144と、診断部145と、モード制御部146とを有する。
【0047】
モード制御部146は、射出成形機100のモードを設定し、該モードで射出成形機100を運転する。モード制御部146は、たとえば、上述の成形モードまたはメンテナンスモードを設定する。さらに、モード制御部146は、メンテナンスモードである場合には、射出モードまたは可塑化モードを設定する。
【0048】
振動センサ50は、振動データを制御装置140に出力する。FFT部144は、振動データに対してフーリエ変換を実行することにより、振動データを周波数領域のデータ(以下、「周波数データ」とも称される。)に変換する。本実施形態においては、FFT部144は、射出モード中における振動データを周波数データ(周波数スペクトル)に変換し、かつ可塑化モード中における振動データを周波数データ(周波数スペクトル)に変換する。
【0049】
変換された周波数データは、診断部145に出力される。診断部145は、たとえば、各診断部品の各々の損傷周波数データを保持している。損傷周波数データとは、診断部品に異常が発生している場合に振動センサ50により予め検出された振動データの周波数スペクトルである。たとえば、診断部145は、FFT部144からの周波数スペクトルと、損傷周波数データにより示される周波数スペクトルとを比較する。そして、FFT部144からの周波数スペクトルと、損傷周波数データにより示される周波数スペクトルとが同一または類似であれば、診断部145は、該損傷周波数データに対応する診断部品が異常であると判断する。また、FFT部144からの周波数スペクトルと、損傷周波数データにより示される周波数スペクトルとが非類似であれば、診断部145は、該損傷周波数データに対応する診断部品が正常であると判断する。本実施形態においては、損傷周波数データは、第1部品群を構成する各診断部品の各々に対応する第1損傷周波数データと、第2部品群を構成する各診断部品の各々に対応する第2損傷周波数データとを含む。
【0050】
たとえば、診断部145は、モード制御部146が射出モードを設定している場合には、FFT部144により変換された周波数データと、第1部品群を構成する各診断部品の各々に対応する第1損傷周波数データとに基づいて、第1部品群の各部品を診断する。また、診断部145は、モード制御部146が可塑化モードを設定している場合には、FFT部144により変換された周波数データと、第2部品群を構成する各診断部品の各々に対応する第2損傷周波数データとに基づいて、第2部品群の各部品を診断する。
【0051】
なお、変形例として、FFT部144からの周波数スペクトルと比較される周波数スペクトルは、正常時の周波数データにより示される周波数スペクトルとしてもよい。正常時の周波数データとは、診断部品が正常である(異常が発生していない)場合に振動センサ50により予め検出された振動データの周波数スペクトルである。
【0052】
このような構成が採用された場合には、FFT部144からの周波数スペクトルと、正常時の周波数データにより示される周波数スペクトルとが同一または類似であれば、診断部145は、該正常時の周波数データに対応する診断部品が正常であると判断する。また、FFT部144からの周波数スペクトルと、正常時の周波数データにより示される周波数スペクトルとが非類似であれば、診断部145は、該正常時の周波数データに対応する診断部品が異常であると判断する。
【0053】
診断部145は、診断結果を示す画像データを生成し、該画像データをディスプレイ132に出力する。ディスプレイ132は、該診断結果を示す画像を表示する。これにより、ユーザは、診断結果を認識できる。
【0054】
たとえば、診断処理が診断部品の異常を検出する処理である場合において、診断部145が第1ベアリング51(図2参照)の異常を検出した場合には、診断部145は、「第1ベアリング51の異常があること」を示す画像をディスプレイ132に表示する。この画像は、たとえば、「第1ベアリングに異常があります」という文字画像である。
【0055】
また、診断処理が診断部品の寿命を検出する処理である場合には、診断部145は、診断部品の寿命を示す画像をディスプレイ132に表示する。この画像は、たとえば、「第1ベアリングの寿命は残り3年です」という文字画像である。
【0056】
次に、比較例の射出成形機を説明する。たとえば、射出成形機が有する第1部品群および第2部品群の診断が行われることが好ましい。そこで、第1部品群および第2部品群の診断を行うために、第1部品群を診断するためのセンサと、第2部品群を診断するためのセンサとを備える射出成形機(以下、「第1比較例の射出成形機」とも称される。)が考えられる。しかしながら、このような第1比較例の射出成形機においては、センサの数が増大するという問題が生じ得る。
【0057】
これに対して、本実施形態の射出成形機100は、射出モード中における振動センサ50からの振動データに基づいて、第1部品群を診断し、可塑化モード中における振動センサ50からの振動データに基づいて、第2部品群を診断する。したがって、射出成形機100は、第1部品群の診断および第2部品群の診断において、振動センサ50を兼用できる。よって、本実施形態の射出成形機100は、第1比較例の射出成形機と比較して、センサの数を抑制しつつ、第1部品群および第2部品群を診断できる。
【0058】
第1部品群は、図3に示すように、ボールねじ39、ボールねじナット38、第1ベアリング51、射出モータ153、第1タイミングベルト61、およびリニアガイド43を含む。したがって、射出成形機100は、第1部品群を構成するこれらの部品の診断を実行できる。また、第2部品群は、図3に示すように、可塑化モータ154、第2ベアリング52、第2タイミングベルト62、および減速機47を含む。したがって、射出成形機100は、第2部品群を構成するこれらの部品の診断を実行できる。
【0059】
また、振動センサ50は、ボールねじナット38(図2参照)に設置される。ボールねじナット38は、射出モードおよび可塑化モードのいずれであっても、振動が伝達される箇所である。したがって、射出成形機100は、第1部品群の診断および第2部品群の診断において、振動センサ50を兼用できる。
【0060】
また、射出成形機100は、射出成形機100のモードがメンテナンスモードである場合に、診断処理を実行する。メンテナンスモードはユーザの操作により、移行されるモードである。したがって、ユーザは、該ユーザが所望する期間で、射出成形機100に診断処理を実行させることができる。
【0061】
また、材料α(図1参照)が射出成形機に投入された状態で、診断処理を実行する該射出成形機(以下、「第2比較例の射出成形機」とも称される。)が考えられる。しかしながら、第2比較例の射出成形機においては、該材料αにより射出成形機100内に圧力などが生じる。したがって、第2比較例の射出成形機で検出される振動データに、該圧力に基づくノイズが含まれる場合があり、診断精度が低下する場合がある。
【0062】
これに対し、本実施形態の射出成形機100は、材料αが射出成形機100に投入されていない状態で、診断処理を実行する。したがって、上記のノイズが含まれない振動データに基づいて、診断処理を実行することから、診断精度の低下を軽減できる。
【0063】
また、図4に示すように、射出成形機100の制御装置140は、FFT処理により振動データを周波数データに変換する。そして、制御装置140は、該周波数データに基づいて、診断処理を実行する。このように、本実施形態の射出成形機100は、公知のFFT処理により診断処理を実行することができる。
【0064】
[フローチャート]
次に、射出成形機100の主な制御の流れを説明する。図5は、射出成形機100の制御の流れを示すフローチャートである。以下の射出成形機100の制御の説明では、主に図5を参照するが、図1図4についても適宜参照する。図5のフローチャートの処理は、たとえば、射出成形機100の電源がONされた場合、および成形モードおよびメンテナンスモードのいずれかに切換えられたときなどに実行される処理である。
【0065】
まず、ステップS2において、射出成形機100は、上述のRAMに格納されているモードフラグを特定することにより、現在のモードを特定する。ステップS2において、現在のモードが成形モードである場合には、処理は、ステップS4に進む。ステップS4においては、射出成形機100は、成形処理を実行する。そして、処理は終了する。
【0066】
ステップS2において、現在のモードがメンテナンスモードである場合には、処理は、ステップS6に進む。ステップS6においては、射出成形機100は、診断部品の診断処理を実行する。
【0067】
図6は、メンテナンスモードにおける診断処理の流れを示すフローチャートである。ステップS42において、射出成形機100は、射出成形機100のモードを射出モードに切換える。射出モード中では、射出成形機100は、射出モータ153を駆動する。次に、ステップS44において、射出成形機100は、振動センサ50の振動データ(第1データ)の取得を開始する。
【0068】
次に、ステップS46において、射出成形機100は、振動データの取得を開始したときから、所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS46においては、射出成形機100は、所定時間が経過するまで待機する(ステップS46でNO)。所定時間が経過したときには(ステップS46でYES)、処理は、ステップS48に進む。
【0069】
ステップS48においては、射出成形機100は、ステップS46の所定時間内で取得された振動データに基づいて、第1部品群(図3参照)を診断する。
【0070】
次に、ステップS50において、射出成形機100は、射出成形機100のモードを可塑化モードに切換える。可塑化モード中では、射出成形機100は、可塑化モータ154を駆動する。次に、ステップS52において、射出成形機100は、振動センサ50の振動データ(第2データ)の取得を開始する。
【0071】
次に、ステップS54において、射出成形機100は、振動データの取得を開始したときから、所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS54においては、射出成形機100は、所定時間が経過するまで待機する(ステップS54でNO)。所定時間が経過したときには(ステップS54でYES)、処理は、ステップS56に進む。
【0072】
ステップS56においては、射出成形機100は、ステップS54の所定時間内で取得された振動データに基づいて、第2部品群(図3参照)を診断する。このように、本実施形態の射出成形機100は、メンテナンスモードにおいてはリアルタイムで診断処理を実行する。
【0073】
<第2実施形態>
射出成形機100の外部から、この射出成形機100に対して外部振動が伝達される場合がある。たとえば、射出成形機100は、工場において、他の射出成形機に隣接して設置される場合がある。この場合には、該他の射出成形機が成形処理を実行している場合には、該他の射出成形機で発生した振動が、上記の外部振動として射出成形機100に伝達される場合がある。外部振動が射出成形機100に伝達されている状態で、射出成形機100が診断処理を実行すると、外部振動に基づく振動ノイズについても振動センサ50(図2参照)が検出してしまい、射出成形機100の診断精度が低下する場合がある。
【0074】
そこで、第2実施形態においては、射出成形機100は、射出モード中の振動データおよび可塑化モード中の振動データのみならず、停止モード中の振動センサ50が検出したデータも用いて、診断処理を実行する。停止モードは、制御装置140以外の全ての部品を停止させるモードである。また、「停止モード中の振動センサ50が検出したデータ」は、本開示の「停止データ」に対応する。本実施形態においては、停止データは、時間領域のデータである。
【0075】
図7は、第2実施形態の診断処理の流れを示すフローチャートである。図7の診断処理は、図6の診断処理に対してステップS62~ステップS66の処理が追加され、図6のステップS48およびステップS56が、それぞれ、ステップS48AおよびステップS56Aに代替された処理である。
【0076】
まず、ステップS62において、射出成形機100は、射出成形機100のモードを停止モードに切換える。次に、ステップS64において、射出成形機100は、停止モード中、振動センサ50の振動データの取得を開始する。次に、ステップS66において、射出成形機100は、停止データの取得を開始したときから、所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS66においては、射出成形機100は、所定時間が経過するまで待機する(ステップS66でNO)。所定時間が経過したときには(ステップS66でYES)、処理は、ステップS42に進む。
【0077】
ステップS46でYESと判断された場合には、ステップS48Aにおいて、射出成形機100は、ステップS66の所定時間内で取得された停止データと、ステップS46の所定時間内で取得された振動データとに基づいて、第1部品群(図3参照)を診断する。
【0078】
ここで、停止データについては、制御装置140以外の部品が停止された停止モード中に振動センサ50により取得された振動データである。したがって、この振動データ(停止データ)は、上記の外部振動に基づく振動ノイズを含むデータである。ステップS44においては、たとえば、第1データと停止データとの差分データに基づいて、第1部品群を診断する。差分データは、差分値を示すデータである。差分値は、たとえば、時間領域の第1データの振幅値から、時間領域の停止データの振幅値が差し引かれることにより算出される値である。したがって、差分データは、振動ノイズが除去された、射出モード中の振動データである。
【0079】
射出成形機100は、時間領域の該差分データを周波数データに変換する。そして、射出成形機100は、該周波数データおよび第1部品群を構成する各部品の各々の損傷周波数データに基づいて第1部品群を診断する。
【0080】
ステップS54でYESと判断された場合には、ステップS56Aにおいて、射出成形機100は、ステップS66の所定時間内で取得された停止データと、ステップS54の所定時間内で取得された振動データとに基づいて、第2部品群(図3参照)を診断する。
【0081】
ステップS54においては、具体的には、射出成形機100は、第2データと停止データとの差分データに基づいて、第2部品群を診断する。差分データは、振動ノイズが除去された、可塑化モード中の振動データである。射出成形機100は、該差分データを周波数データに変換する。そして、射出成形機100は、該周波数データおよび第2部品群を構成する各部品の各々の損傷周波数データに基づいて第2部品群を診断する。
【0082】
なお、この実施形態においては、差分データは、時間領域の診断データ(第1データおよび第2データ)と、時間領域の停止データとの差分を示すデータである例が説明された。しかしながら、変形例として、差分データは、周波数領域の診断データ(第1データおよび第2データ)と、周波数領域の停止データとの差分を示すデータであってもよい。このような場合には、たとえば、診断データのN個(Nは1以上の整数)の周波数のそれぞれのパワースペクトル値から、停止データの該N個の周波数のそれぞれと同一の周波数に対応するパワースペクトル値が差し引かれることにより、周波数領域の差分データは算出される。
【0083】
<第3実施形態>
第1実施形態および第2実施形態においては、振動センサ50を兼用させて、第1部品群の診断処理および第2部品群の診断処理を実行する構成が説明された。第3実施形態の射出成形機100は、振動センサ50のみならず、第2センサおよび第3センサを備える。第2センサおよび第3センサのうち少なくとも一方として、振動センサ50とは測定・検出原理の異なるセンサが用いられる。
【0084】
第2センサは、第1部品群の各データを検出可能である一方第2部品群のデータを検出不可能なセンサである。また、第3センサは、第2部品群の各データを検出可能である一方第1部品群のデータを検出不可能なセンサである。本実施形態においては、第2センサおよび第3センサは共に音センサであるとする。音センサは、音を検出するセンサである。
【0085】
図8は、第3実施形態の各センサと、診断部品との対応関係の一例を示す図である。以下の対応関係の説明では、主に図8を参照するが、図1および図2についても適宜参照する。図8に示すように、第3実施形態の射出成形機100は、第1音センサおよび第2音センサを備える。第1音センサは、本開示の「第2センサ」に対応し、第2音センサは、本開示の「第3センサ」に対応する。
【0086】
図8の例では、第1実施形態などで説明したように、振動センサ50は、第1部品群の振動データおよび第2部品群の振動データを検出する。第1音センサは、第1タイミングベルト61(図2参照)の動作音を検出する一方第2部品群の動作音を検出しない箇所に設置される。第2音センサは、第2タイミングベルト62(図2参照)の動作音を検出する一方第1部品群の動作音を検出しない箇所に設置される。
【0087】
そして、射出成形機100は、射出モードにおいては、振動センサ50による振動データに基づいて第1部品群を診断する。さらに、射出成形機100は、射出モードにおいては、第1音センサが検出した音データに基づいて第1タイミングベルト61を診断する。
【0088】
また、射出成形機100は、可塑化モードにおいては、振動センサ50による振動データに基づいて第2部品群を診断する。さらに、射出成形機100は、可塑化モードにおいては、第2音センサが検出した音データに基づいて第2タイミングベルト62を診断する。
【0089】
このように、第3実施形態においては、射出成形機100は、兼用されている振動センサ50のみならず、第1音センサおよび第2音センサを備える。そして、射出成形機100は、診断処理において、振動センサ50の検出データ(振動データ)に加えて、第1音センサおよび第2音センサの検出データ(音データ)を補完的に用いる。これにより、射出成形機100は、診断精度を向上させることができる。
【0090】
<その他の実施形態>
(1) 上述の実施形態においては、材料α(図1参照)が射出成形機100に投入されていない状態で、該射出成形機100が診断処理を実行する構成が説明された。しかしながら、材料αが射出成形機100に投入された状態で、該射出成形機100が診断処理を実行するようにしてもよい。
【0091】
たとえば、射出成形機100は、成形処理を実行しながら、診断処理を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、射出成形機100は、メンテナンスモードでの診断処理のための時間を必要としなくなる。また、このような構成が採用された場合において、診断部品の異常が検出された場合または診断部品の異常予兆が検出された場合には、射出成形機100は停止関連処理を実行するようにしてもよい。停止関連処理は、「射出成形機100を停止させる処理」、および「異常の予兆を射出成形機100のユーザに通知する処理」の少なくとも1つの処理を含む。
【0092】
射出成形機100が成形処理を実行しながら診断処理を実行すると、メンテナンスモードで診断処理を行った場合と比較して診断精度が低下するという問題が生じ得る。しかしながら、射出成形機100は、振動センサ50のみならず、第3実施形態の第2センサおよび第3センサを補完的に用いることにより、診断精度の低下の問題を抑制できる。上述のように、振動センサ50は、第1部品群の診断および第2部品群の診断で兼用されるセンサである。また、第2センサおよび第3センサは、振動センサ50とは測定・検出原理の異なるセンサである。また、射出成形機100は、後述するように蓄積データに基づいた機械学習を活用することでも診断精度の低下の問題を抑制できる。
【0093】
(2) 上述の実施形態においては、第1部品群の診断と、第2部品群の診断とで兼用されるセンサは、振動センサである構成が説明された。しかしながら、該兼用されるセンサは振動センサ50とは測定・検出原理の異なる他のセンサとしてもよい。他のセンサは、たとえば、音センサ、温度センサ、カメラなどとしてもよい。また、該兼用されるセンサが他のセンサであっても、射出成形機100は、該他のセンサが出力する診断データを用いて、第1部品群の診断と、第2部品群の診断とを実行する。診断データは、診断処理の実行に用いられるデータであり、上述の実施形態においては、振動データである。
【0094】
また、上述の実施形態においては、振動センサ50が配置される場所は、ボールねじナット38である例が説明された。しかしながら、振動センサ50が配置される場所は、第1部品群の振動、および第2部品群の振動を検出できる場所であれば、他の場所であってもよい。該他の場所は、たとえば、可動プレート30(図2参照)、または、ロードセル68である。
【0095】
(3) 上述の実施形態においては、射出成形機100は、メンテナンスモードにおいてリアルタイムで診断処理を実行する構成が説明された。しかしながら、射出成形機100は、診断データ(たとえば、上述の振動データ)を蓄積し、該蓄積された診断データを蓄積データとしてRAMなどに格納するようにしてもよい。そして、射出成形機100は、この蓄積データに基づいて診断処理を実行する。また、射出成形機100は、メンテナンスモードおよび成形モードの少なくとも一方において、蓄積データを取得する。
【0096】
(4) 上述の実施形態においては、診断処理の手法の一例として、FFTが実行される構成(図4のFFT部144参照)が説明された。しかしながら、射出成形機100は、他の手法により、診断処理を実行するようにしてもよい。
【0097】
たとえば、射出成形機100は、機械学習モデルを用いて診断処理を実行する構成が採用されてもよい。図9は、このような構成が採用された場合の制御装置140Aの機能構成例を説明するための図である。このような構成が採用された実施形態においては、図4の制御装置140が、図9の制御装置140Aに代替される。
【0098】
制御装置140Aは、診断部145Aと、モード制御部146(図4参照)とを有する。診断部145Aは、第1モデル161と、第2モデル162とを有する。第1モデル161と、第2モデル162としては、たとえば、ニューラルネットワークなどの公知のものが用いられる。第1モデル161および第2モデル162は、学習済みの機械学習モデルである。第1モデル161は、第1診断処理に用いられるモデルであり、第2モデル162は、第2診断処理に用いられるモデルである。
【0099】
また、モード制御部146は、該モード制御部146が設定しているモードに応じて、第1モデル161および第2モデル162のいずれかを選択する。たとえば、モード制御部146は、射出モードが設定されている場合には、第1モデル161を選択する。そして、診断部145Aは、振動センサ50からの診断データ(振動データ)から特徴量を抽出する。ここで、特徴量は、たとえば、この診断データの実効値である。診断部145Aは、該特徴量を、選択された第1モデル161に入力することにより、第1診断処理を実行する。また、モード制御部146は、可塑化モードが設定されている場合には、第2モデル162を選択する。そして、診断部145Aは、上記の特徴量を、選択された第2モデル162に入力することにより、第2診断処理を実行する。
【0100】
なお、特徴量は、他の情報としてもよい。たとえば、診断部145Aは、振動センサ50からの時間領域の診断データを周波数領域のデータ(周波数スペクトル)に変換する構成が採用されてもよい。このような構成が採用された場合には、特徴量は、該周波数領域のデータとなる。
【0101】
また、診断部145Aが特徴量を抽出しない構成が採用されてもよい。このような構成の場合には、たとえば、所定期間の診断データ(振動データ)が診断部145Aに入力される。そして、該診断部145Aは、該診断データを、選択されたモデル(第1モデル161または第2モデル162)に入力することにより第1診断処理および第2診断処理を実行する。
【0102】
また、射出成形機100は、以下の蓄積データに基づいて、第1モデル161および第2モデル162の学習(機械学習モデルの更新)を実行するようにしてもよい。たとえば、第1モデル161の学習は、第1モード中に検出された診断データと、第1部品群の診断結果とを含む蓄積データを教師データとする教師あり学習であってもよい。第1部品群の診断結果は、第1部品群の異常の有無の検出結果および寿命予測結果の少なくとも1つを示す情報である。
【0103】
また、第2モデル162の学習については、第2モード中に検出された診断データと、第2部品群の診断結果とを含む蓄積データを教師データとする教師あり学習であってもよい。第2部品群の診断結果は、第2部品群の異常の有無の検出結果および寿命予測結果の少なくとも1つを示す情報である。なお、学習の方法は、この方法に限られず、他の方法であってもよい。
【0104】
また、射出成形機100は、材料αが射出成形機100に投入されていない状態で蓄積された診断データに基づいて、第1モデル161および第2モデル162の学習を行うようにしてもよい。また、射出成形機100は、材料αが射出成形機100に投入されている状態で蓄積された診断データに基づいて、第1モデル161および第2モデル162の学習を行うようにしてもよい。さらに、射出成形機100は、材料αが射出成形機100に投入されている状態で蓄積された診断データと、材料αが射出成形機100に投入されていない状態で蓄積された診断データとの双方に基づいて、第1モデル161および第2モデル162の学習を行うようにしてもよい。
【0105】
(5) 上述の実施形態においては、図2で示されたリニアガイド43および減速機47を備える射出成形機100が説明された。しかしながら、射出成形機100は、リニアガイド43および減速機47の少なくとも一方を備えないようにしてもよい。
【0106】
(6) 上述の実施形態においては、第1診断処理は、複数の部品を含む第1部品群の診断を実行する処理である構成が説明された。しかしながら、第1診断処理は、第1部品の診断を実行する処理であってもよい。また、第2診断処理は、複数の部品を含む第2部品群の診断を実行する処理である構成が説明された。しかしながら、第2診断処理は、第2部品の診断を実行する処理であってもよい。
【0107】
[付記]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0108】
(第1項) 射出成形機は、第1部品と、第2部品と、制御装置と、第1センサとを備える。制御装置は、第1部品および第2部品を駆動する。第1センサは、第1部品の第1データおよび第2部品の第2データを検出する。制御装置は、第1モードおよび第2モードを含む複数のモードのいずれかのモードで射出成形機を運転する。第1モードは、第1部品を駆動し第2部品を駆動しないモードである。第2モードは、第2部品を駆動し第1部品を駆動しないモードである。制御装置は、1モード中における第1データに基づいて、第1部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第1診断処理を実行する。制御装置は、第2モード中における第2データに基づいて、第2部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第2診断処理を実行する。
【0109】
(第2項) 第1項に記載の射出成形機であって、射出成形機は、第1部品と第3部品とを含む第1部品群と、第2部品を第4部品とを含む第2部品群とを備える。第1モードは、第3部品を使用し第4部品を使用しないモードである。第2モードは、第4部品を使用し第3部品を使用しないモードである。第1診断処理は、第1部品群の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む。第2診断処理は、第2部品群の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む。
【0110】
(第3項) 第2項に記載の射出成形機であって、射出成形機は、回転しかつ所定方向に移動可能なスクリュを備える。第1モードは、スクリュを所定方向に移動させる射出モードである。第2モードは、スクリュを回転させる可塑化モードである。第1部品群は、ボールねじと、ボールねじに装着されるボールねじナットと、ボールねじを回転可能に支持する第1ベアリングと、第1モータと、第1モータの動力をボールねじに伝達する第1タイミングベルトとを含む。ボールねじの回転に応じて、ボールねじナットは、スクリュを所定方向に移動させる。第2部品群は、スクリュを回転可能に支持する第2ベアリングと、第2モータと、第2モータの動力をスクリュに伝達する第2タイミングベルトとを含む。
【0111】
(第4項) 第3項に記載の射出成形機であって、第1部品群は、さらに、スクリュの所定方向の移動を案内するリニアガイドを含む。
【0112】
(第5項) 第3項または第4項に記載の射出成形機であって、第2部品群は、さらに、第2モータの減速機を含む。
【0113】
(第6項) 第3項~第5項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、第1センサは、ボールねじナットに設置される。
【0114】
(第7項) 第1項~第6項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、第1センサは、第1部品の振動および第2部品の振動を検出する。
【0115】
(第8項) 第1項~第7項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、複数のモードは、射出成形機の全ての部品を停止させる停止モードを含む。制御装置は、第1モード中における第1データと停止モード中における第1センサが検出した停止データとに基づいて、第1診断処理を実行する。また、制御装置は、第2モード中における第2データと停止データとに基づいて、第2診断処理を実行する。
【0116】
(第9項) 第1項~第8項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、複数のモードは、メンテナンスモードおよび射出成形機が成形品を生成する成形モードを含む。制御装置は、メンテナンスモードである場合に、第1診断処理および第2診断処理を実行する。
【0117】
(第10項) 第1項~第9項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、射出成形機は、該射出成形機に投入された材料を用いて、成形品を製造する。制御装置は、射出成形機に材料が投入されていない状態で、第1診断処理および第2診断処理を実行する。
【0118】
(第11項) 第1項~第9項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、射出成形機は、該射出成形機に投入された材料を用いて、成形品を製造する。制御装置は、射出成形機に材料が投入された状態で、第1診断処理および第2診断処理を実行する。
【0119】
(第12項) 第1項~第11項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、射出成形機は、第2センサと第3センサとのうち少なくとも一方を備える。第2センサは、第1部品のデータを検出可能である一方第2部品のデータを検出不可能なセンサである。第3センサは、第2部品のデータを検出可能である一方第1部品のデータを検出不可能なセンサである。
【0120】
(第13項) 第1項~第12項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、第1データおよび第2データは共に波形データである。制御装置は、第1データおよび第2データを周波数領域のデータに変換して、該周波数領域のデータに基づいて第1診断処理および第2診断処理を実行する。
【0121】
(第14項) 第1項~第13項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、制御装置は、機械学習された第1モデルに対して第1データを入力することにより、第1診断処理を実行し、機械学習された第2モデルに対して第2データを入力することにより、第2診断処理を実行する。
【0122】
(第15項) 射出成形機の診断方法であって、射出成形機は、第1部品と、第2部品と、第1部品の第1データおよび第2部品の第2データを検出する第1センサとを備える。射出成形機のモードは、第1部品を駆動する一方第2部品を駆動しない第1モードと、第2部品を駆動する一方第1部品を駆動しない第2モードとを含む。診断方法は、第1モード中における第1データに基づいて、第1部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第1診断処理を実行することを備える。また、診断方法は、記第2モード中における第2データに基づいて、第2部品の異常検出および寿命予測の少なくとも一方を含む第2診断処理を実行することを備える。
【0123】
なお、上述した実施形態および変更例について、明細書内で言及されていない組み合わせを含めて、不都合または矛盾が生じない範囲内で、実施形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。
【0124】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0125】
27 固定プレート、28 エンドプレート、30 可動プレート、31 ガイドバー、33 孔、35 回転駆動軸、38 ボールねじナット、39 ボールねじ、41 第1プーリ、42 第2プーリ、43 リニアガイド、47 減速機、48 第3プーリ、49 第4プーリ、50 振動センサ、51 第1ベアリング、52 第2ベアリング、61 第1タイミングベルト、62 第2タイミングベルト、68 ロードセル、100 射出成形機、110 型締装置、111 ベッド、112 固定盤、113 型締ハウジング、114 可動盤、115 タイバー、116 型締機構、117,118 金型、120 射出装置、121 基台、122 加熱シリンダ、123 スクリュ、124 作動装置、125 ホッパ、126 射出ノズル、128 温度センサ、130 操作盤、132 ディスプレイ、140,140A 制御装置、142 メモリ、143 サーボアンプ、144 FFT部、145,145A 診断部、146 モード制御部、153 射出モータ、154 可塑化モータ、161 第1モデル、162 第2モデル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9