(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104824
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法ならびに発光素子ブロックと配線用基板および発光素子搭載基板
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240730BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20240730BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G09F9/00 338
H01L33/48
G09F9/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009203
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】508081064
【氏名又は名称】株式会社ナノマテリアル研究所
(71)【出願人】
【識別番号】518251033
【氏名又は名称】エーオーイーティー コーポレーション
【住所又は居所原語表記】603, Yonsei Sarang Bldg., 93 Sogong Ro Jung-gu, Seoul 04531 Korea AOET Corporation
(71)【出願人】
【識別番号】518251044
【氏名又は名称】イ ヤン‐ジュ
【氏名又は名称原語表記】Young-ju, Lee
【住所又は居所原語表記】202 Green House 25, Daeyang-ro 285beon-gil, Deogyang-gu, Goyang-si, Gyeonggi-do, 10273, KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】505384793
【氏名又は名称】塩谷 喜美
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 喜美
(72)【発明者】
【氏名】オー,サング‐ムク
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA03
5C094AA08
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB01
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB14
5C094FB15
5C094GB01
5F142AA12
5F142AA13
5F142AA54
5F142CB14
5F142EA02
5F142EA31
5F142FA32
5F142GA01
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435EE34
5G435KK05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】発光素子ブロック内の3色のマイクロLEDの発光量を同一にし、この発光素子ブロックを配線用基板に精度よく転写し、発光素子搭載配線用基板とし、この発光素子搭載配線用基板を表示用基板に複数転写する場合には、表示用基板に精度よく転写し、また表示用基板内で均一な発光素子分布が得られるようにする。
【解決手段】本発明では、発光素子ブロック内の青色、緑色、および赤色の3色のマイクロLEDの面積を規定し、それらの発光量を同一とし、発光素子ブロック、それを搭載する配線用基板の形状、大きさ、および配線間隔を規定し、精度よく転写できるようにし、さらに発光素子搭載配線用基板の端と、端にある発光素子の間隔を規定し、表示用基板に転写する場合には、表示用基板に精度よく転写でき、隣り合う発光素子搭載配線用基板間で、発光素子分布が均一になるようにする。
【選択図】
図23b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)半導体基板を準備する、工程、
ii)発光素子ブロックを準備する、工程であって、
a)前記半導体基板の両面にSiC層、GaNバッファ層を形成し、半導体基板の反りを減少させ、
b)前記半導体基板上に六方晶または立方晶GaN層を用いた青色マイクロLED、前記青色マイクロLEDと同等、またはそれより大きな面積を有する緑色マイクロLEDを前記青色マイクロLEDから前記緑色マイクロの一辺の長さの半分以上の間隔を離して形成し、および前記緑色マイクロLEDと同等、またはそれ以上の面積を有する赤色マイクロLEDを前記緑色マイクロLEDの一辺の長さの半分以上の間隔を離して形成し、それらの3色のマイクロLEDを一組とした発光素子を前記3色のマイクロLED間の最大間隔以上離して形成した発光素子を準備し、
c)前記3色のマイクロLEDの表面に電極層を形成し、
d)前記半導体表面の前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED領域以外の前記絶縁層、前記p型GaNエピタキシャル層、前記多重量子井戸層、前記n型GaNエピタキシャル層、および前記GaNバッファ層をエッチングし、前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDを分離する工程、
e)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間を絶縁層で埋め込み、平坦化を行い、
f)前記半導体基板の裏面の前記絶縁層、前記GaNエピタキシャル層、前記量子井戸層、前記GaNバッファ層、前記SiC層、および前記半導体基板を研削し、
g)前記半導体基板を研削後、発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内の前記マイクロLEDとの間隔を前記発光素子間隔の半分以下の間隔とする、発光素子ブロックに切り出し、
h)前記発光素子ブロックを切り出し後、横方向配線位置、および縦方向配線位置に相当する前記発光素子ブロックの端および側面に、配線用基板との位置合わせを行うためのアライメントマークを付けるプロセスステップを含む、工程、
iii)前記発光素子ブロックを前記配線用基板に転写するために、反転させる、工程であって、
i)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子ブロックを前記配線用基板に転写するために、上下、左右を反転させるプロセスステップを含む、工程、
iv)配線用基板を準備する、工程であって、
j)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの間隔に従う側面配線またはスルービアホールによって接続した下部配線、および横方向駆動配線と縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を備え、
k)前記発光素子ブロックと同一形状および同一またはそれ以上の大きさとし、
l)さらに前記発光素子ブロックを搭載した場合、前記配線用基板の端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記発光素子間隔の半分以下の間隔とするプロセスステップを含む、工程、
v)前記発光素子ブロックを前記配線用基板に転写する、工程であって、
m)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記半導体基板または前記発光素子ブロックを、吸着機構によって平坦化し、
n)前記発光素子ブロックの前記アライメントマークと、前記吸着機構によって平坦化された配線用基板の前記下部配線、および前記横方向駆動配線と前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を整合させ、
o)前記側面配線または前記スルービアホールによって接続した前記下部配線、および前記横方向駆動配線と前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を備えた前記配線用基板に転写する、プロセスステップを含む、工程、
vi)前記半導体基板をエッチング除去する、工程であって、
p)前記配線用基板に転写した状態で、接合した前記発光素子ブロックと前記配線用基板の、前記半導体基板の表面以外をレジスト(または有機物、または絶縁層)で覆い、前記半導体基板をエッチングする際に、他の部分がエッチングされないように保護し、
q)前記半導体基板の残りの部分と、前記半導体基板表面の前記SiC層および前記GaNバッファ層とをエッチング除去する、プロセスステップを含む、工程、
vii)前記発光素子の表面に上部配線となる透明導電性配線を形成し、前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線と接続する、工程であって、
r)前記発光素子ブロックを搭載した前記配線基板である発光素子搭載基板の最外周に、絶縁層を形成し、
s)その一部をエッチングし、
t)またエッチングにより露出させた前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子の表面に上部配線となる前記透明導電性配線を形成し、
u)前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線と接続するプロセスステップを含む、工程、を備える発光素子ブロックの配線用基板への転写により発光素子搭載配線用基板を製造する方法。
【請求項2】
ii)b2)前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの面積が前記青色マイクロLEDの面積の1~25倍の大きさとする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写により発光素子搭載配線用基板を製造する方法。
【請求項3】
ii)b3)前記マイクロLEDをすべて前記青色マイクロLEDとし、それらの間を等間隔とし、前記緑色マイクロLEDに相当する前記青色マイクロLED上の前記透明電極上に緑色蛍光体を塗布し、また前記赤色マイクロLEDに相当する前記青色マイクロLEDの前記透明電極上に赤色蛍光体を塗布し、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの代用とする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法。
【請求項4】
ii)b4)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの上下に配置した配線間隔を等間隔、またはそれぞれ前記青色と前記緑色、前記緑色と前記赤色、および前記赤色と前記青色マイクロLEDの間隔を、前記緑色マイクロLEDの一辺の半分より大きく、前記緑色マイクロLEDの一辺の半分より大きく、そして前記赤色マイクロLEDの一辺の半分より大きく離し、またそれらの間隔をそれぞれ、赤色、緑色、緑色マクロLEDの一辺の5倍未満となるように、配置する工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法。
【請求項5】
ii)b5)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子の間隔が、前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の1~40倍とする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法。
【請求項6】
iv)i2)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子を含む前記発光素子ブロックおよび前記発光素子ブロックを搭載した前記発光素子搭載配線用基板の大きさを、前記発光素子ブロック内の発光素子間隔が、隣り合う前記発光素子搭載配線用基板間の前記発光素子間隔と同じ間隔になるように、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法。
【請求項7】
前記発光素子間の間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの最大間隔の1~40倍とし、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とする、請求項1~6に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法により製造される発光素子ブロック。
【請求項8】
前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの間隔に従い、前記側面配線または前記スルービアホールによって接続した前記下部配線、および前記横方向駆動配線と前記縦方向駆動配線への前記アライメント兼コンタクト用配線を備え、前記発光素子ブロックと同一形状および同一またはそれ以上の大きさとし、さらに前記発光素子ブロックを搭載した場合、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とすることを備える、請求項1~6の何れか1項に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法により製造される、配線用基板。
【請求項9】
前記発光素子ブロックを、前記配線用基板に搭載したものであり、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とすることを備える、請求項1~6の何れか1項に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法により製造される発光素子搭載配線用基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の製造方法およびそれを構成する装置に関するものであり、そしてより具体的には青色、緑色、および赤色のマイクロLEDからなる発光素子を形成した基板から切り出した発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法ならびに発光素子ブロックと配線用基板および発光素子搭載基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、表示装置として液晶表示装置や有機発光ダイオードが使用されている。
またLEDは、現在照明分野に広く使用されているが、近年、マイクロLEDが開発され、消費電力の少ない表示装置としてとして、利用され始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-10309号公報
【特許文献2】特開2019-204842号公報
【特許文献3】特開2022-155471号公報
【特許文献4】特開2022-525851号公報
【特許文献5】特開2020‐013809号公報
【特許文献6】特開2020-013811号公報
【特許文献7】特開2021-118360号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】COMPOUND SEMICONDUCTOR, volume26,Issue7 October, p42, 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マイクロLEDを表示用基板に転写する方法は、特許文献1~4に示されるように、マイクロLEDが一つずつ表示用基板に転写されている。
【0006】
しかしながら、この作業は3色のマイクロLEDを含む発光素子をピックアップして表示用基板に転写するため、非常に時間がかかる作業である。
【0007】
また、特許文献5、および6では、Si基板の反りをなくした上で、青色、緑色、および赤色3色のマイクロLEDを含む発光素子を複数形成した一つの発光素子ブロックを配線用基板に転写する方法が示されている。また特許文献6および7では表示用配線基板が青色、緑色、および赤色を独立して制御できる構造とすることが提案されている。
【0008】
しかしながら、特許文献5、および6では、青色、緑色、および赤色のマイクロLEDを使用して青色、緑色、および赤色の3色の発光を実現し、一方青色マイクロLEDと、青色マイクロLEDと、緑色、および赤色蛍光層の組み合わせを使用して、青色、緑色、および赤色の3色の発光を実現する違いがあるが、これらの文献では発光素子ブロックの反りを減少させ、転写しやすい状態にした上で、表示用配線基板に転写している。そして発光素子ブロックを一つだけ表示用配線基板に転写接続している。
【0009】
また、非特許文献1には、六方晶GaNを使用した緑色マイクロLEDの電力変換効率は青色LEDに比べ、15~40%程度に低下ことが記載されている。そして特許文献7には、赤色マイクロLEDでは4%程度まで低下することが知られている。したがって、これら3色のマイクロLEDを表示用発光素子として使用するためには、これらの電力変換効率も考慮して各マイクロLEDの大きさを規定しなければならない。
【0010】
本発明は、上記技術に鑑みてなされたものであって、
発光素子ブロックを搭載した発光素子搭載配線用基板を表示用基板に転写する際に、第1の課題として、発光ブロック内で青色、緑色、および赤色マイクロLEDの発光量を同一とすること、第2の課題として、発光素子ブロックを配線用基板に精度よく転写すること、第3の課題として、発光素子搭載配線用基板を複数設置する表示用基板内で均一な発光素子分布を得ることである。青色、緑色、および赤色の3色のマイクロLEDの面積を規定し、発光量を同一とし、配線間隔、および発光素子ブロックの端と発光素子の間隔を規定した発光素子ブロックを、アライメントマークを利用し、配線用基板に転写し、配線間隔が発光素子ブロックの配線間隔に従い、発光素子搭載基板の端と発光素子間隔を規定した発光素子搭載基板を提供することにより、複数の発光素子搭載配線用基板を転写した表示基板上で、発光素子搭載配線用基板間の発光素子分布を均一とすることにより、上記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法は、
i)半導体基板を準備する、工程、
ii)発光素子ブロックを準備する、工程であって、
a)前記半導体基板の両面にSiC層、GaNバッファ層を形成し、半導体基板の反りを減少させ、
b)前記半導体基板上に六方晶または立方晶GaN層を用いた青色マイクロLED、前記青色マイクロLEDと同等、またはそれより大きな面積を有する緑色マイクロLEDを前記青色マイクロLEDから前記緑色マイクロの一辺の長さの半分以上の間隔を離して形成し、および前記緑色マイクロLEDと同等、またはそれ以上の面積を有する赤色マイクロLEDを前記緑色マイクロLEDの一辺の長さの半分以上の間隔を離して形成し、それらの3色のマイクロLEDを一組とした発光素子を前記3色のマイクロLED間の最大間隔以上離して形成した発光素子を準備し、
c)前記3色のマイクロLEDの表面に電極層を形成し、
d)前記半導体表面の前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED領域以外の前記絶縁層、前記p型GaNエピタキシャル層、前記多重量子井戸層、前記n型GaNエピタキシャル層、および前記GaNバッファ層をエッチングし、前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDを分離する工程、
e)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間を絶縁層で埋め込み、平坦化を行い、
f)前記半導体基板の裏面の前記絶縁層、前記GaNエピタキシャル層、前記量子井戸層、前記GaNバッファ層、前記SiC層、および前記半導体基板を研削し、
g)前記半導体基板を研削後、発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内の前記マイクロLEDとの間隔を前記発光素子間隔の半分以下の間隔とする、発光素子ブロックに切り出し、
h)前記発光素子ブロックを切り出し後、横方向配線位置、および縦方向配線位置に相当する前記発光素子ブロックの端および側面に、配線用基板との位置合わせを行うためのアライメントマークを付けるプロセスステップを含む、工程、
iii)前記発光素子ブロックを前記配線用基板に転写するために、反転させる、工程であって、
i)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子ブロックを前記配線用基板に転写するために、上下、左右を反転させるプロセスステップを含む、工程、
iv)配線用基板を準備する、工程であって、
j)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの間隔に従う側面配線またはスルービアホールによって接続した下部配線、および横方向駆動配線と縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を備え、
k)前記発光素子ブロックと同一形状および同一またはそれ以上の大きさとし、
l)さらに前記発光素子ブロックを搭載した場合、前記配線用基板の端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記発光素子間隔の半分以下の間隔とするプロセスステップを含む、工程、
v)前記発光素子ブロックを前記配線用基板に転写する、工程であって、
m)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記半導体基板または前記発光素子ブロックを、吸着機構によって平坦化し、
n)前記発光素子ブロックの前記アライメントマークと、前記吸着機構によって平坦化された配線用基板の前記下部配線、および前記横方向駆動配線と前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を整合させ、
o)前記側面配線または前記スルービアホールによって接続した前記下部配線、および前記横方向駆動配線と前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を備えた前記配線用基板に転写する、プロセスステップを含む、工程、
vi)前記半導体基板をエッチング除去する、工程であって、
p)前記配線用基板に転写した状態で、接合した前記発光素子ブロックと前記配線用基板の、前記半導体基板の表面以外をレジスト(または有機物、または絶縁層)で覆い、前記半導体基板をエッチングする際に、他の部分がエッチングされないように保護し、
q)前記半導体基板の残りの部分と、前記半導体基板表面の前記SiC層および前記GaNバッファ層とをエッチング除去する、プロセスステップを含む、工程、
vii)前記発光素子の表面に上部配線となる透明導電性配線を形成し、前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線と接続する、工程であって、
r)前記発光素子ブロックを搭載した前記配線基板である発光素子搭載基板の最外周に、絶縁層を形成し、
s)その一部をエッチングし、
t)またエッチングにより露出させた前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子の表面に上部配線となる前記透明導電性配線を形成し、
u)前記縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線と接続するプロセスステップを含む、工程、を備える発光素子ブロックの配線用基板への転写により発光素子搭載配線用基板を製造する方法を提供することにより、上記課題1~3を解決している。
【0012】
本願請求項1に記載の青色、緑色、および赤色マイクロLEDからなる発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法は、
工程i)のb)に示すように、青色マイクロLED、青色マイクロLEDと同等、またはそれより大きな面積を有する緑色マイクロLEDを形成し、および前記緑色マイクロLEDと同等、またはそれ以上の面積を有する赤色マイクロLEDを形成し、青色マイクロLEDと同等以下の発光効率を有する緑色マイクロLED、および緑色マイクロLEDと同等以下の発光効率を有する赤色マイクロLEDの発光効率の違いをそれらの面積を増加させることで補償し、発光量を同一にすることができる。これにより、課題1が解決される。
工程ii)のa)に示すように、半導体基板の反りをなくし、また工程ii)のh)に示すように、横方向配線位置、および縦方向配線位置に相当する前記発光素子ブロックの端および側面に、精度良く加工された半導体基板である配線用基板との位置合わせを行うためのアライメントマークを付け、そして工程v)に示すように、吸着機構により発光素子ブロック、および配線用基板を平坦化した上で、アライメントマークを整合させることにより、発光素子ブロックを配線用基板に精度よく転写させることができる発光素子搭載配線用基板を製造することが出来る。これにより、課題2が解決される。
そして工程ii)のg)に示すように、発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内の前記マイクロLEDとの間隔を前記発光素子間隔の半分以下の間隔とし、さらにiv)に示すように、配線用基板が、青色、緑色、および赤色マイクロLEDの間隔に従側面配線またはスルービアホールによって接続した下部配線、および横方向駆動配線と縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を備え、さらに発光素子ブロックを搭載した場合、配線用基板の端と、端にある発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記発光素子間隔の半分以下の間隔とすることにより、複数の発光素子搭載配線用基板を表示用基板に転写する際に、隣り合う発光素子搭載基板の発光素子間の間隔を一つの発光素子搭載基板内の発光素子間の間隔と同一にでき、このことにより表示基板内で均一な発光素子分布が得られる。これにより、課題3が解決される。
【0013】
本願請求項2に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素
子搭載配線用基板の製造方法は、
ii)b2)前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの面積が前記青色マイクロLEDの面積の1~25倍の大きさとする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写により発光素子搭載配線用基板を製造する方法を提供する。
【0014】
本願請求項2に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法は、現在使用中の六方晶のGaNの場合、緑色マイクロLEDは青色マイクロLEDに比べて発光効率が約15~40%であり、そして赤色マイクロLEDは発光効率が約4%でありため、青色、緑色、および赤色マイクロLEDの発光量を同一とするためには、緑色マイクロLEDと、赤色マイクロLEDの面積を青色マイクロLEDの面積のそれぞれ、7~2.5倍、および25倍とする必要があり、また緑色、および赤色マイクロLEDが3C(立方晶)-GaN層を使用した場合は、青色、緑色、および赤色マイクロLEDの発光効率はほぼ同一であるため、それらの発光量を同一とするためには、緑色と、赤色マイクロLEDの面積を青色マイクロLEDの面積の1倍とすることが必要である。以上の結果をまとめると、3色のマイクロLEDが同一の発光量を得るためには緑色、および赤色マイクロLEDの面積は青色マイクロLEDの面積の1~25倍の範囲内とする必要がある。以上述べた3色のマイクロLEDの発光効率の違いを、その面積で補償することによって、青色、緑色、および赤色マイクロLEDの発光量を均一にすることができ、発光素子搭載配線用基板を有効に機能させることができる。
【0015】
本願請求項3に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法ならびに発光素子ブロックと配線用基板および発光素子搭載基板は、
ii)b3)前記マイクロLEDをすべて前記青色マイクロLEDとし、それらの間を等間隔とし、前記緑色マイクロLEDに相当する前記青色マイクロLED上の前記透明電極上に緑色蛍光体を塗布し、また前記赤色マイクロLEDに相当する前記青色マイクロLEDの前記透明電極上に赤色蛍光体を塗布し、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの代用とする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法を提供する。
【0016】
本願請求項3に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法は、
緑色、および赤色の発光は、青色マイクロLEDから発光された青色光線によって緑色、および赤色蛍光体を励起し、その青色光線の緑色、または赤色光線への変換効率100%またはそれに近い値であるため、結果として3つの青色マイクロLEDの面積を同一またはほぼ同一とすることができ、言い換えると緑色蛍光体を備えた緑色、および赤色蛍光体を備えた赤色マイクロLEDの面積の青色マイクロLEDに対する面積を1倍とし、発光量を均一とすることができる。またそのことによって、それらのマイクロLED間の間隔を等間隔とすることができ、コンパクトに纏められた発光素子を形成できるため、発光素子搭載配線用基板を有効に機能させることができる。
【0017】
本願請求項4に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法は、
ii)b4)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの上下に配置した配線間隔を等間隔、またはそれぞれ前記青色と前記緑色、前記緑色と前記赤色、および前記赤色と前記青色マイクロLEDの間隔を、前記緑色マイクロLEDの一辺の半分より大きく、前記緑色マイクロLEDの一辺の半分より大きく、そして前記赤色マイクロLEDの一辺の半分より大きく離し、またそれらの間隔をそれぞれ、赤色、緑色、緑色マクロLEDの一辺の5倍未満となるように、配置する工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法を提供する。
【0018】
本願請求項4に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法ならびに発光素子ブロックと配線用基板および発光素子搭載基板は、青色、緑色、および赤色マイクロLEDの上下に配置した配線間隔を等間隔、またはそれぞれ前記青色と前記緑色、前記緑色と前記赤色、および前記赤色と前記青色マイクロLEDの間隔を、前記緑色マイクロLEDの一辺の半分より大きく、前記緑色マイクロLEDの一辺の半分より大きく、そして前記赤色マイクロLEDの一辺の半分より大きく離し、またそれらの間隔をそれぞれ、赤色、緑色、緑色マクロLEDの一辺の5倍未満となるように、最小限の間隔で配置するため、青色、緑色、および赤色マイクロLEDの配置、および面積の変更にも対応でき、発光素子をコンパクトに纏めることができ、発光素子搭載配線用基板を有効に機能させることができる。
【0019】
本願請求項5に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法は、
ii)b5)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子の間隔が、前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の1~40倍とする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法を提供する。
【0020】
本願請求項5に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法は、青色、緑色、および赤色マイクロLEDからなる発光素子の間隔が、青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の1~40倍とするため、工程ii)のg)に示すように、発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内の前記マイクロLEDとの間隔を前記発光素子間隔の半分以下の間隔とするため、発光素子ブロックを搭載した発光素子搭載配線用基板を表示用基板に設置する際に、発光素子搭載配線用基板内の1つの発光素子ブロック内の発光素子間隔が隣り合う発光素子搭載配線用基板間での発光素子間隔と同一の間隔とすることができ、表示装置の発光素子分布の均一化を図ることができる。
【0021】
本願請求項6に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法は、
iv)i2)前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDからなる前記発光素子を含む前記発光素子ブロックおよび前記発光素子ブロックを搭載した前記発光素子搭載配線用基板の大きさを、前記発光素子ブロック内の発光素子間隔が、隣り合う前記発光素子搭載配線用基板間の前記発光素子間隔と同じ間隔になるように、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とする工程を備える、請求項1に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法を提供する。
【0022】
本願請求項6に記載の発光素子ブロックを配線用基板に転写する方法は、
発光素子ブロックの端と、端にある発光素子内のマイクロLEDとの間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とする工程を備えるため、発光素子ブロックを搭載した発光素子搭載配線用基板を表示用基板に搭載した場合、一つの発光素子搭載配線用基板内の発光ブロック内の発光素子間隔が青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の1~40倍であるため、隣り合う発光素子搭載配線用基板内の隣り合う発光素子ブロック内の発光素子間の間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍の2倍となり、隣り合う発光素子ブロック内の発光素子間の間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の1~40倍とすることができる。このことによって複数の発光素子搭載配線用基板を転写した表示用基板内で均一な発光素子分布を得ることができ、表示装置の発光素子分布の均一化を図ることができる。
【0023】
請求項7に記載の発光素子ブロックは、前記発光素子間の間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの最大間隔の1~40倍とし、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とする、請求項1~6に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法により製造される発光素子ブロックを提供する。
【0024】
本願請求項7に記載の発光素子ブロックは、発光素子間の間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLEDの最大間隔の1~40倍とし、また発光素子ブロックの端と、端にある発光素子内のマイクロLEDとの間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とすることにより、配線用基板に転写され、発光素子搭載配線用基板とし、複数の発光素子搭載配線用基板が表示用基板に転写された場合、発光素子搭載配線用基板内と、発光素子搭載配線用基板間で発光素子間隔を同一とすることができ、表示用基板内で均一な発光素子分布を得ることができ、発光素子搭載配線用基板を有効に機能させることができる。
【0025】
本願請求項8に記載の配線用基板は、前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLEDの間隔に従い、前記側面配線または前記スルービアホールによって接続した前記下部配線、および前記横方向駆動配線と前記縦方向駆動配線への前記アライメント兼コンタクト用配線を備え、前記発光素子ブロックと同一形状および同一またはそれ以上の大きさとし、さらに前記発光素子ブロックを搭載した場合、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とすることを備える、請求項1~6の何れか1項に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法により製造される、配線用基板を提供する。
【0026】
本願請求項8に記載の配線用基板は、加工精度の良いSi基板または石英ガラス基板等であり、発光素子ブロックと同一形状および同一またはそれ以上の大きさとし、その下部配線、および横方向駆動配線と縦方向駆動配線への前記アライメント兼コンタクト用配線と、発光素子ブロックの側面アライメントマークとの整合を行うことができる。
【0027】
本願請求項9に記載の発光素子搭載配線用基板は、前記発光素子ブロックを、前記配線用基板に搭載したものであり、前記発光素子ブロックの端と、端にある前記発光素子内のマイクロLEDとの間隔を前記青色、前記緑色、および前記赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とすることを備える、請求項1~6の何れか1項に記載の発光素子ブロックの配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板を製造する方法により製造される発光素子搭載配線用基板を提供する。
【0028】
本願請求項9に記載の発光素子搭載配線用基板は、発光素子ブロックの端と、端にある発光素子内のマイクロLEDとの間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍以下とするため、複数の発光素子搭載配線用基板を表示用基板に搭載した場合、一つの発光素子搭載配線用基板内の発光ブロック内の発光素子間隔が青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の1~40倍であるため、隣り合う発光素子搭載配線用基板内の隣り合う発光素子ブロック内の発光素子間の間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の0.5~20倍の2倍となり、隣り合う発光素子ブロック内の発光素子間の間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED間の最大間隔の1~40倍とすることができ、発光ブロック内の発光素子間隔と同一にすることができ、表示用基板内で均一な発光素子分布が得られる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、発光ブロック内で青色、緑色、および赤色マイクロLEDの発光量を同一とすることができ、発光素子ブロックを配線用基板に精度よく転写することができ、そして複数の発光素子搭載配線用基板を転写する表示用基板内で均一な発光素子分布えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】青色、緑色、および青色マイクロLEDからなる発光素子を形成するために、Si基板の両面にSiC層とGaNバッファ層を形成する工程後の状態を示す。
【
図3】両面にp型GaNエピタキシャル層を形成し、絶縁層のエッチングした部分に、p型GaNエピタキシャル層を埋め込み、青色、緑色、および赤色マイクロLEDを完成する工程後の状態を示す。
【
図4】半導体基板表面のp型GaNエピタキシャル層上に電極層を形成し、それらを分離する工程後の状態を示す。点線は発光素子を形成する領域を示す。
【
図5】半導体基板表面に青色、緑色、および赤色マイクロLED間に絶縁層(SOG)を形成する工程後の状態を示す。
【
図6】裏面のp型GaNエピタキシャル層、多重量子井戸層、n型GaNエピタキシャル層、GaNバッファ層、SiC層、およびSi基板を研削する工程を示す。点線で囲んだ領域が研削する領域である。
【
図7】裏面のp型GaNエピタキシャル層、多重量子井戸層、n型GaNエピタキシャル層、GaNバッファ層、SiC層、およびSiを研削する工程後の状態を示す。
【
図8】Siウェハから発光素子ブロックを切り出す工程後の状態を示す。ここでは、矩形の発光素子ブロックを一つ切り出す様子を示すが、大きさ、および数は任意とする。
【
図9】発光素子ブロックを切り出し後、横方向配線位置、および縦方向配線位置に相当する発光素子ブロックの端および側面に、配線用基板との位置合わせを行うためのアライメントマークを付ける工程後の状態を示す。
【
図10】発光素子を形成した発光素子ブロックを配線用基板に転写するために反転させる工程を示す。
【
図11a】発光素子ブロックを転写するための配線用基板の平面図を示す。基板の角を丸くし、基板裏面に表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向および横方向に形成する。
【
図11b】配線用基板の横断面図を示す。基板の角を丸くし、基板裏面に表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、横方向に形成する。
【
図11c】配線用基板の縦断面図を示す。基板の角を丸くし、基板裏面に表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向に形成する。
【
図12】発光素子ブロックと、これを転写するための配線用基板との転写部分の位置関係を示す。
【
図13】発光素子ブロックと配線用基板とを転写する工程後の状態を示す。
【
図14】発光素子ブロックの裏面以外にレジスト膜等を形成する工程後の状態を示す。
【
図15】発光素子ブロックと配線用基板を転写した後に、半導体基板をエッチングし、さらにSiC層とGaNバッファ層をエッチングする工程後の状態を示す。
【
図16a】レジストを除去し、絶縁膜を塗布し、最外周の一部をエッチングし、上部配線を形成する工程後の横断面図を示す。
【
図16b】レジストを除去し、絶縁膜を塗布し、最外周の一部をエッチングし、上部配線を形成する工程後の縦断面図を示す。
【
図17a】青色マイクロLEDの上部配線上に緑色蛍光体、および赤色蛍光体を塗布し、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを形成する工程後の横断面図を示す。
【
図17b】青色マイクロLEDの上部配線上に緑色蛍光体、および赤色蛍光体を塗布し、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを形成する工程後の縦断面図を示す。
【
図18a】発光素子ブロックを転写するためのスルービアホールを備えた配線用基板の平面図を示す。基板裏面に、表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向および横方向に形成する。
【
図18b】スルービアホールを備えた配線用基板の横断面図を示す。基板裏面に、表面配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、横方向に形成する。
【
図18c】スルービアホールを備えた配線用基板の縦断面図を示す。基板裏面に上部配線と接続したアライメント兼コンタクト用配線を、縦方向に形成する。
【
図19】発光素子ブロックと、これを転写するためのスルービアホールを備えた配線用基板との転写部分の位置関係を示す。
【
図20】発光素子ブロックを、スルービアホールを備えた配線用基板に転写する工程後の状態を示す。
【
図21】発光素子ブロックの裏面以外にレジスト膜等を形成する工程後の状態を示す。
【
図22】発光素子ブロックを、スルービアホールを備えた配線用基板に転写した後に、半導体基板をエッチングし、さらにSiC層とGaNバッファ層をエッチングする工程後の状態を示す。
【
図23a】レジストを除去し、絶縁膜を塗布し、最外周の一部をエッチングし、上部配線を形成する工程後の横断面図を示す。
【
図23b】レジストを除去し、絶縁膜を塗布し、最外周の一部をエッチングし、上部配線を形成する工程後の縦断面図を示す。
【
図24】表示用基板を示す。配線間隔は等間隔である。下部配線の上部には絶縁層を挟んで、上部配線との接続を行う縦方向のアライメント兼コンタクト配線がある。
【
図25】表示用基板を示す。配線間隔は異なった間隔である。下部配線の上部には絶縁層を挟んで、上部配線との接続を行う縦方向のアライメント兼コンタクト配線がある。
【
図26】表示用基板に複数の発光素子搭載配線用基板を転写する工程後の状態を示す。配線間隔は等間隔であり、下部配線が点線で、上部配線が実線で示してある。
【
図27】表示用基板に複数の発光素子搭載配線用基板を転写する工程後の状態を示す。配線間隔は異なった間隔であり、下部配線が点線で、上部配線が実線で示してある。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図は、図の構造を実現するための具体的な製造工程を示す。各図において同一部分には、同一の符号を付している。
(実施形態1)
【0032】
本実施形態は、Si基板上に大きさを規定した青色マイクロLED、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDを形成し、これらマイクロLEDの配線間隔を規定し、3色のマイクロLEDの一組を発光素子とし、発光素子間の配線間隔を規定し、Si基板から発光素子ブロックを切り出し、発光素子ブロックの配線間隔に従い、側面配線またはスルービアホールによって接続した下部配線、横方向駆動配線および縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト配線を備えた配線用基板への転写による発光素子搭載配線用基板の製造方法に関する。
【0033】
図1に示すようにSi基板1を準備し(工程i))、
図2に示すように、原子層堆積(ALD)法(図示せず)により、Si基板1の両面に50~300nmのSiC層2を形成し、その上に低圧CVD(LPCVD)法により、3~30μmのn型GaNバファ層3を形成する(工程ii))。この工程により、表面にSiC層、およびGaNバッファ層を形成した場合に比べSi基板の反りを大幅に減少させ、後に形成するマイクロLEDにかかるストレスを大幅に減少させる。また、Si基板1の両面にSiC2、バッファGaN層等を形成することによって、Si基板1の反りを大幅に減少させることができ、発光素子ブロック30の反りも大幅に減少させることができるために、発光素子ブロック30を配線用基板40に転写できるようになる。Si基板1の反りが大きいと、発光素子ブロック30を配線用基板40に転写できない。
図3に示すように、GaN層を用いた青色マイクロLED21、青色マイクロLEDと同等、またはそれより大きな面積を有する緑色マイクロLED22を青色マイクロLED21から緑色マイクロLED22の一辺の長さの半分以上の間隔を離して形成し、および緑色マイクロLED22と同等、またはそれ以上の面積を有する赤色マイクロLED23を前記緑色マイクロLED22の一辺の長さの半分以上の間隔を離して形成し、それらの3色のマイクロLEDを一組とした発光素子27を3色のマイクロLED間の最大間隔以上離して形成した発光素子を準備する、(工程ii)のb))。なお、ALD法、またはLPCVD法によるSi基板両面へのn型GaN層、青色、緑色、および赤色マイクロLED用量子井戸層、p型GaN層、および絶縁層の形成は省略してある。あくまでも3色のマイクロLED21,22、および23を一組として一つの発光素子27として機能させるために、それらの発光量を同一とする必要があり、また3色のマイクロLEDはできるだけコンパクトにまとめる必要がある。本工程はそのような要請を可能にするものである。
図4に示すように、スパッタリングによって電極層17を形成し、青色マイクロLED21、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23からなる発光素子25を形成し(工程ii)のc))、青色マイクロLED21、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23の間の絶縁層5および8をエッチングし、青色マイクロLED21、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23を分離する(工程ii)のd))。ここではSiC層2を残すようにエッチングし、後にSi基板1をエッチング除去する際に、SiC層2が下部のマイクロLED21、22、および23を保護する役目を果たす。
図5に示すように、青色マイクロLED21、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23間を絶縁層(SOG)17で埋め込み。平坦化を行う(工程ii)の e))。ここでは、平坦化により、発光素子27を保護する。
【0034】
なお、ここでは、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23のn型GaN層は1~5μm、p型GaN層は0.1~0.5μm、多重量子井戸層は3~7nmの量子井戸層からなり、その層数は2~6層である。また赤色、緑色、および青色用量子井戸層、それぞれ7、10、および13はIn濃度の異なるInGaN層と、GaN障壁層からなり、その下層の50nm程度のn型InGaN(図示せず)、上層の20nm程度のp型AlGaN電子ブロック層(図示せず)によって挟まれている。
【0035】
図6に示すように、裏面に形成したn型GaNエピタキシャル層15、青色、緑色、および赤色マイクロLED用量子井戸層、それぞれ7、10,および13、絶縁層5、8、および11、GaNバッファ層3、SiC層2およびSi基板1の裏面をグラインダーによって研削し、Si基板1の残りの厚さを50~300μmとする(工程ii)のf))。点線部分は研削する部分である。
図7に、Si基板1の裏面を研削する工程後の状態を示す(工程ii)のf))。
図8に発光素子ブロック30に切り出す工程後の状態を示す(工程ii)のg))。ここでは、発光素子ブロック30を矩形とし、配線用基板40に転写した発光素子搭載基板70を表示装置80に設置接続する場合に、隙間なく設置接続できるようにする。
【0036】
図9に示すように、横方向配線位置、および縦方向配線位置に相当する発光素子ブロック30の端および側面に、配線用基板との位置合わせを行うためのアライメントマーク18を付ける(工程ii)のh))。ここでは、このアライメントマーク18によって配線用基板40の配線との整合を精密に行う。
図10に示すように、青色マイクロLED21、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23からなる発光素子25を含む発光素子ブロック30を切り出した後、配線用基板40に転写するために、上下、左右を反転させる(工程iii))。これは、発光素子ブロック30と、配線用基板40の対応する配線同士を整合させるための作業である。
【0037】
図11a、b、およびcに示すように、青色マイクロLED21、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23からなる発光素子27を駆動するための、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の間隔に従い、側面配線によって接続した下部配線および、横方向駆動配線と縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線を備えた配線用基板40を準備する(工程iv))、配線用基板40はSi基板1から製作された矩形のものとする。Si基板1とするのは、端部を加工し易く、またスルービアホールによってSi基板1の両面にある配線間を接続しやすいためである。
図11aは配線用基板の平面図を示し、ここでは、下部配線40A、40B、および40C、上部配線40a、40b、および40cを示す(工程iv))。
図11bは端部を丸めて断線を防止した配線用基板の横断面図を示し、ここでは、下部配線40A、40B、および40C、横方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト配線50A、50B、および50Cを示す(工程iv))。
そして
図11cは端部を丸めて断線を防止した配線用基板40の縦断面図を示し、ここでは、上部配線40a、40b、および40c、縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト配線50a、50b、および50cを示す(工程iv))。
【0038】
図12に示すように、吸着機構(図示せず)により、発光素子ブロック30、および配線用基板40を平坦化し、青色マイクロLED21、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23からなる発光素子25を備えた発光素子ブロック30を、端、および側面のアライメントマーク18を配線用基板40の上部配線40a、40b、および40c、縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト配線50a、50b、および50cに位置合わせし、発光素子ブロック30と配線用基板40の対応する電極同士を接合させる。配線基板40の表面の下部電極接続端子51、52、および53の表面には、金合金、半田、または導電性樹脂を(図示せず)を形成してもよい。ここでは、一点鎖線の矢印で示すように青色マイクロLED21、および青色マイクロ用下部電極接続端子51、緑色マイクロLED22、および緑色マイクロLED用下部電極接続端子52、赤色マイクロLED23、および赤色マイクロLED用下部電極接続端子53をアライメントした上で接合し、発光素子ブロック30を配線用基板40に転写する様子を示す(工程v))。
【0039】
図13に示すように、発光素子ブロック30と配線用基板40を接合し、転写する(工程v))。
【0040】
図14に示すように、接合した発光素子ブロック30と配線用基板40の、Si基板1の表面以外をレジスト(または有機物、または絶縁層)60で覆い、半導体基板1をエッチングする際に、他の部分がエッチングされないように保護する(工程vi)のp))。
【0041】
図15に示すように、発光素子搭載配線用基板70のSi基板1をエッチングし、表面側のSiC層2およびGaNバッファ層3をエッチングにより除去する工程後の状態を示す(工程vi))。これは、3色のマイクロLED21、22,および23のn型GaN層4上に透明導電性配線である上部配線40a、40b、および40cを形成するためである。透明導電性配線は酸化インジウム等とする。
【0042】
図16aに示すように、周辺のレジスト層60を除去する工程後の状態の横断面図を示す。配線用基板40周辺に絶縁層61を形成し(工程vii)のr))、透明導電性配線である上部配線40a、40bおよび40cと縦方向駆動用配線へのアライメント兼コンタクト用配線、50a、50bおよび50cとの接続を行うためにその一部をエッチングする(工程vii)のs))。ここでは、上部配線40a、40bおよび40cを縦方向駆動用配線へのアライメント兼コンタクト用配線、50a、50bおよび50cと接続することにより、表示用基板の駆動用アライメント兼上部配線90a、90b、および90cに接続する準備を行うためのものである。
【0043】
図16bに示すように、周辺のレジスト層60を除去する工程後の状態の縦断面図を示す。配線用基板40周辺に絶縁層61を形成し、その一部をエッチングし、透明導電性配線である上部配線40a、40bおよび40cを形成し(工程vii)のt))、縦方向駆動用配線へのアライメント兼コンタクト用配線、50a、50bおよび50cとの接続を行う(工程vii)のu))。
【0044】
図17aは、青色マイクロLED上に緑色24、および赤色蛍光体25を塗布し、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDとする場合を示し、ここでは、透明導電性電極周辺のレジスト層60を除去する工程後の状態の横断面図を示す。配線用基板40周辺に絶縁層61を形成し(工程vii)のr))、透明導電性配線である上部配線40a、40bおよび40cと縦方向駆動用配線へのアライメント兼コンタクト用配線、50a、50bおよび50cとの接続を行うためにその一部をエッチングする(工程vii)(工程vii)のs)))。3色すべてのマイクロLEDを青色マイクロLED21とすることによって、それらの配線間隔を等間隔とし、また青色マイクロLEDの面積は3色のマイクロLEDの中で、一番小さい面積を有するので、配線間隔を最も短くすることができ、発光素子をコンパクトにまとめることができる。さらに発光素子27間の間隔も最も短くすることができる。
【0045】
図17bは、青色マイクロLED上に緑色、および赤色蛍光体を塗布し、緑色マイクロLED、および赤色マイクロLEDとする場合を示し、ここでは、周辺のレジスト層60を除去する工程後の状態の縦断面図を示す。配線用基板40周辺に絶縁層61を形成し(工程vii)のr))、その一部をエッチングし(工程vii)のs))、透明配線である上部配線40a、40bおよび40cを形成し(工程vii)のt))、縦方向駆動用配線へのアライメント兼コンタクト用配線、50a、50bおよび50cとの接続を行う((工程vii)のu)))。
【0046】
同様にスルービアホール41によりそれぞれ表面の配線40a、40b、および40cと40B、40C、40A、裏面の配線50a、50b、および0cと50B、50C、50Aとの接続を行う配線用基板40を準備し、発光素子搭載配線用基板を形成する工程を
図18a、18bおよび18cから23aおよび23bに示す(工程iv)~工程vii))。
ここでは、配線用基板40はSi基板1から製作したSi基板ブロックとする。
この配線用基板40は、スルービアホールを容易に形成でき、配線用基板40両面の配線を接続しやすくすることができる。
【0047】
実施形態1の方法を、実際の表示装置100の製作に適用するためには、発光素子ブロック30を搭載した配線用基板40である発光素子搭載配線用基板70を表示用基板80に設置接続する。
図24、および
図25に示すように、駆動用下部配線90A、90B、および90C、ならびに絶縁層(図示せず)を挟んで、駆動用アライメント兼上部配線90a、90b、および90cを備えた表示用基板80を準備する。表示用基板80は、矩形であることが望ましい。発光素子搭載配線用基板70を隙間なく転写できるためである。また、発光素子ブロック30、および配線用基板40の端と、端にある発光素子27、または配線との間隔を内部にある発光素子27、または配線間の間隔の半分とすることで、隣り合った発光素子搭載基板70間の隣り合った発光素子27間の間隔を一つの発光素子搭載配線用基板70内の発光素子27間の間隔と同一とすることができる。なお、表示用基板80の配線上に金合金、半田、または導電性樹脂を(図示せず)を形成してもよい。
図24は配線が等間隔であり、
図25は配線間隔が青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の配線間隔に従って異なったものである。
【0048】
図26に示すように、表示基板80に複数の発光素子搭載配線用基板70を転写する。配線間隔は等間隔である。ここでは、発光素子ブロック30、および配線用基板70の形状を規定したことにより、発光素子搭載配線用基板70内、および隣り合う発光素子搭載配線用基板70の間で発光素子分布を均一にできている。
【0049】
図27に示すように、表示基板80に複数の発光素子搭載配線用基板70を転写する。配線間隔は青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の配線間隔に従って、異なったものである。ここでは、発光素子ブロック30、および配線用基板40の形状を規定したことにより、発光素子搭載配線用基板70内、および隣り合う発光素子搭載配線用基板70の間で発光素子分布を均一にできている。
【0050】
ここで、駆動用下部配線、90A、90B、および90C、および駆動用アライメント兼上部配線90a、90b、および90cに数段階の電圧をかけ、青色、緑色、および赤色マイクロLED、21、22、および23の色調整を行い、表示装置80を動作させることができる。
(実施形態2)
【0051】
本実施形態は、実施形態1において、緑色マイクロLEDマイクロLED22の面積が赤色LED23の面積と同一、またはそれ以上の大きさとし、赤色、および緑色マイクロLED、23、22の面積が青色マイクロLED21の面積の1~25倍の大きさとする(工程ii)のb2))。このことにより、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の発光量を均一にすることができ、発光する色と、実際の色との違いを低減でき、発光素子搭載配線用基板70を有効に機能させることができる。そして青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の形状は矩形、または任意の形としてよい。
(実施形態3)
【0052】
本実施形態は、実施形態1において、マイクロLEDをすべて青色マイクロLED21とし、それらの間を等間隔とし、青色マイクロLED21上の上部配線40b、および40c上に、それぞれ緑色蛍光体24、および赤色蛍光体25を塗布し、緑色マイクロLED22、および赤色マイクロLED23の代用とし、発光素子搭載配線用基板70を有効に機能させることができる(工程ii)のb3))。この実施形態は、マイクロLEDが一種類のためその製造がより、容易であり、3色のマイクロLEDの発光量をにすることができ、マイクロLED21をコンパクトにまとめることができ、発光素子27間の間隔を最短にすることができ、発光素子27分布を高密度にすることができる。
(実施形態4)
【0053】
本実施形態では、実施形態1において、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の上下に配置した配線間隔を等間隔、またはそれぞれ青色と緑色、緑色と赤色、および赤色と青色マイクロLED、それぞれ21と22,22と23、および23と21の間隔を、緑色マイクロLED22の一辺の半分より大きく、赤色マイクロLED21の一辺の半分より大きく、および赤色マイクロLED23の一辺の半分より大きくし、またそれらの間隔を一辺の5倍未満とするように配置する(工程ii)のb4))。このことにより、青色、緑色、および赤色マイクロLEDをコンパクトに纏めることができ、それらの配置、および面積の変更にも対応でき、発光素子搭載配線用基板70を有効に機能させることができる。
(実施形態5)
【0054】
本実施形態では、実施形態1において、発光素子27の間隔が、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22,および23間の最大間隔の1~40倍とする(工程ii)のb5))。このことにより、発光素子搭載配線用基板70を表示用基板80に設置する際に、発光素子搭載配線用基板70間の発光素子25の間隔を発光素子搭載基板内の発光素子25の間隔と同じにすることができ、表示用基板80内の発光素子25密度の均一化を図ることができる。発光素子27間の間隔をある程度余裕をもって設定することにより、発光素子登載配線用基板70の表示用基板80への設置接続を寸法的な余裕をもって行うことができる。
(実施形態6)
【0055】
本実施形態は、実施形態1において、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23からなる発光素子25を含む発光素子ブロック30、配線用基板40,および発光素子ブロック30を搭載した発光素子搭載配線用基板70の大きさを、発光素子ブロック30内の発光素子25の間隔が、隣り合う発光素子搭載配線用基板70間の発光素子25間隔と同一間隔になるように、発光素子ブロック30の端、または配線用基板40の端と、発光素子ブロック30内の端にある前記発光素子25内のマイクロLED、21または23との間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23間の最大間隔の0.5~20倍以下とする(工程iv)のi2))。このことにより、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22,および23からなる発光素子ブロック30内の発光素子25の間隔が、表示用基板80内の発光素子搭載配線用基板70間の発光素子25の間隔と等しい間隔とすることができる。これにより、表示用基板80内での均一な発光素子密度と、均一な発光量を得ることができる。
(実施形態7)
【0056】
本実施形態は、発光素子ブロック30の端と、発光素子ブロック30内の端にある発光素子25内のマイクロLED、21または23との間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22,および23間の最大間隔の0.5~20倍以下とすることを備える発光素子30を採用する。このことにより、発光素子ブロック30を搭載した発光素子搭載配線用基板70を転写した表示用基板80内で、均一な発光素子分布を得ることができる。
(実施形態8)
【0057】
本実施形態は、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の間隔に従い、側面配線またはスルービアホールによって接続した下部配線、それぞれ40A、40B、および40C、および横方向駆動配線、それぞれ50A、50B、および50Cと、縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線、それぞれ50a、50b、および50cを備え、発光素子ブロックと同一形状および同一またはそれ以上の大きさとし、さらに発光素子27の間隔が、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22,および23間の最大間隔の1~40倍とし、そのうえ発光素子ブロック30を搭載した場合、発光素子搭載配線用基板70の端と、端にある発光素子27内のマイクロLED、21または23との間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23間の最大間隔の0.5~20倍以下とすることを備える配線用基板40を採用する。このことにより、発光素子ブロック30、および表示用基板80との配線接続を精度良く行うことができ、また発光素子搭載配線用基板70間で均一な発光素子分布を得ることができる。
(実施形態9)
【0058】
本実施形態は、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23からなる発光素子27を含み、緑色マイクロLEDマイクロLED22の面積が赤色LED23の面積と同一、またはそれ以上の大きさとし、赤色、および緑色マイクロLED、23、22の面積が青色マイクロLED21の面積の1~25倍の大きさとし、青色と緑色、緑色と赤色、および赤色と青色マイクロLED、それぞれ21と22,22と23、および23と21の間隔を、緑色マイクロLED22の一辺の半分より大きく、赤色マイクロLED21の一辺の半分より大きく、および赤色マイクロLED23の一辺の半分より大きくし、またそれらの間隔を一辺の5倍未満とするように配置し、さらに発光素子ブロックの端と、端にある発光素子27内のマイクロLEDとの間隔を青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22,および23間の最大間隔の0.5~20倍以下とする発光素子ブロック30を、発光素子ブロック30と同一、またはそれ以上の大きさで、配線間隔が、青色、緑色、および赤色マイクロLED、それぞれ21、22、および23の間隔に従い、側面配線またはスルービアホールによって接続した下部配線、40A、40B、および40Cおよび横方向駆動配線と縦方向駆動配線への前記アライメント兼コンタクト用配線、それぞれ50A、50B、50C、50a、50b、および50cを備えた(工程ix))配線用基板40に搭載した発光素子搭載配線用基板70を採用する。このことにより、発光素子ブロックを搭載した発光素子搭載配線用基板70を表示用基板80の駆動用下部配線、90A、90B、および90Cおよび駆動用アライメント兼上部配線、90a、90b、および90cと接続し、発光素子搭載配線用基板70を転写した表示用基板80内で、均一な発光素子分布を得ることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 半導体基板(Siウェハ)
2 SiC層
3 GaNバッファ層(ノンドープまたはn型GaN)
4 n型GaNエピタキシャル層
5 絶縁層
6 青色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
7 青色マイクロLED用多重量子井戸層
8 絶縁層
9 緑色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
10 緑色マイクロLED用多重量子井戸層
11 絶縁層
12 赤色マイクロLED形成のための絶縁層エッチング領域
13 赤色マイクロLED用多重量子井戸層
14 青色、緑色、および赤色マイクロLED形成のための
絶縁層エッチング領域
15 p型GaNエピタキシャル層
16 電極層
17 絶縁層(SOG層)
18 配線用基板とのアライメントマーク
21 青色マイクロLED
22 緑色マイクロLED
23 赤色マイクロLED
24 緑色蛍光体
25 赤色蛍光体
27 発光素子
30 発光素子ブロック
40 配線用基板(Siウェハ、または石英ガラス、ガラス、サファイヤ、およびプラスチック等を矩形に切り出した基板)
40A 下部配線
(横方向;青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
40B 下部配線
(横方向;緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
40C 下部配線
(横方向;赤色マイクロLED用で金属配線、また透明導電性配線)
40a 上部配線
(縦方向;青色マイクロLED用透明導電性配線)
40b 上部配線
(縦方向;緑色マイクロLED用透明導電性配線)
40c 上部配線
(縦方向;赤色マイクロLED用透明導電性配線)
41 スルービアホール(導体充填)
50A 横方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50B 横方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50C 横方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50a 縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50b 縦方向駆動配線へのアライメント兼コンタクト用配線
(緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
50c 縦方向駆動配線へのコンタクト用配線
(赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
51 下部配線コンタクト領域
(青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
52 下部配線コンタクト領域
(緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
53 下部配線コンタクト領域
(赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
60 レジスト(または有機物、または絶縁層)
61 絶縁層(SOG)
70 発光素子搭載配線用基板(発光素子ブロック搭載済み配線用基板)
80 表示用基板
(石英ガラス、ガラス、プラスチック基板、Si、およびサファイヤ等)
81 横方向駆動回路構成領域
82 縦方向駆動回路構成領域
90A 駆動用下部配線
(横方向;赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90B 駆動用下部配線
(横方向;緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90C 駆動用下部配線
(横方向;青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90a 駆動用アライメント兼上部配線
(縦方向;赤色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90b 駆動用アライメント兼上部配線
(縦方向;緑色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
90c 駆動用アライメント兼上部配線
(縦方向;青色マイクロLED用で金属配線、または透明導電性配線)
100 表示装置