(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104876
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】チェーン
(51)【国際特許分類】
F16G 13/12 20060101AFI20240730BHJP
B63B 21/04 20060101ALI20240730BHJP
B63B 22/18 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F16G13/12 C
B63B21/04 Z
B63B22/18
F16G13/12 D
F16G13/12 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009282
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】中塚 宏文
(72)【発明者】
【氏名】小阪 俊之
(57)【要約】
【課題】リンクの劣化を抑制する。
【解決手段】チェーン1は、チェーン本体10と、外筒60と、を備える。チェーン本体10は、複数のリンク20を備える。連結され隣り合うリンク20のうち、一方を第1リンク20Aとし、第1リンク20Aリンクとは異なる方を第2リンク20Bとする。外筒60は、外筒凸部61と、外筒凹部63と、を備える。外筒凸部61は、第1リンク20Aに沿うように配置され、第1リンク20Aに接触する。外筒凹部63は、外筒凸部61から第2リンク20Bに向かって凹むように配置される。外筒凹部63は、第2リンク20Bに沿うように配置され、第2リンク20Bに接触する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン本体と、
筒状であり、前記チェーン本体を外側から覆う外筒と、
を備え、
前記チェーン本体は、前記チェーン本体の長手方向であるチェーン長手方向に連結された複数のリンクを備え、
連結され隣り合う前記リンクのうち、一方を第1リンクとし、前記第1リンクとは異なる方を第2リンクとし、
前記第2リンクは、前記第1リンクに対して、前記チェーン長手方向に交差する方向に凹むように配置され、
前記外筒は、
前記第1リンクに沿うように配置され、前記第1リンクに接触する外筒凸部と、
前記外筒凸部から前記第2リンクに向かって凹むように配置され、前記第2リンクに沿うように配置され、前記第2リンクに接触する外筒凹部と、
を備える、
チェーン。
【請求項2】
請求項1に記載のチェーンであって、
前記チェーン本体は、前記第1リンクと前記第2リンクとの、前記チェーン長手方向に交差する方向の段差であるチェーン本体段差部を備え、
前記外筒は、前記チェーン本体段差部に沿うように配置され、前記チェーン本体段差部に接触する外筒段差部を備える、
チェーン。
【請求項3】
請求項1に記載のチェーンであって、
前記外筒は、繊維で形成された外筒繊維部を備える、
チェーン。
【請求項4】
請求項3に記載のチェーンであって、
前記チェーン長手方向における一方側をチェーン長手方向第1側とし、前記チェーン長手方向第1側とは反対側をチェーン長手方向第2側としたとき、
前記外筒繊維部は、
前記チェーン長手方向第1側から前記チェーン長手方向第2側に向かって右回りに螺旋状に延びるように配置された複数の第1ストランドと、
前記チェーン長手方向第1側から前記チェーン長手方向第2側に向かって左回りに螺旋状に延びるように配置された複数の第2ストランドと、
が組み合わされた組物構造を備える、
チェーン。
【請求項5】
請求項1に記載のチェーンであって、
前記リンクは、繊維を含む、
チェーン。
【請求項6】
請求項5に記載のチェーンであって、
前記リンクは、前記繊維を含むとともに帯状であるリンク帯状部を備える、
チェーン。
【請求項7】
請求項1に記載のチェーンであって、
前記第1リンクは、リンク凹み部を備え、
前記リンク凹み部は、前記第1リンクの前記チェーン長手方向における中央部かつ外周部に設けられ、前記チェーン長手方向に交差する方向の内側に凹み、
前記外筒は、前記リンク凹み部に沿うように配置され、前記リンク凹み部に接触する外筒凸部凹み部を備える、
チェーン。
【請求項8】
請求項1に記載のチェーンであって、
前記チェーン本体および前記外筒の全体での比重は、1.03以下である、
チェーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結された複数のリンクを備えるチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に、従来のチェーンが記載されている。このチェーンは、連結された複数のリンクを備えている(特許文献1の
図1、
図2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チェーンが移動(変形を含む)すると、リンクどうしの接触、および、リンクの摩耗の少なくともいずれかにより、リンクが劣化するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、リンクの劣化を抑制することができるチェーンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
チェーンは、チェーン本体と、外筒と、を備える。前記外筒は、筒状であり、前記チェーン本体を外側から覆う。前記チェーン本体は、前記チェーン本体の長手方向であるチェーン長手方向に連結された複数のリンクを備える。隣り合う前記リンクのうち、一方を第1リンクとし、前記第1リンクとは異なる方を第2リンクとする。前記第2リンクは、前記第1リンクに対して、前記チェーン長手方向に交差する方向に凹むように配置される。前記外筒は、外筒凸部と、外筒凹部と、を備える。前記外筒凸部は、前記第1リンクに沿うように配置され、前記第1リンクに接触する。前記外筒凹部は、前記外筒凸部から前記第2リンクに向かって凹むように配置され、前記第2リンクに沿うように配置され、前記第2リンクに接触する。
【発明の効果】
【0007】
上記のチェーンにより、リンクの劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】チェーン1および接続対象物Oなどを横から見た図である。
【
図3】
図2に示すチェーン本体10および外筒60の詳細を示す図である。
【
図4】
図2に示す外筒60の断面、および、チェーン本体10を示す図である。
【
図5】
図4に示すチェーン本体10の隣り合うリンク20・20を示す図である。
【
図6】
図4に示すリンク20がリンク中央連結部40を備える場合の、外筒60の断面、および、チェーン本体10を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1~
図6を参照して、チェーン1について説明する。
【0010】
チェーン1は、
図1に示すように、接続対象物Oに接続可能である。チェーン1が用いられる位置は、水中でもよく、水上でもよく、陸上(地面または地中)でもよく、空中でもよい。チェーン1の用途は、係留でもよく(チェーン1は係留用チェーンでもよく)、牽引でもよく、吊り上げでもよく、固縛でもよい。
【0011】
このチェーン1に接続可能な接続対象物Oは、どのような物でもよい。チェーン1が係留用の場合、接続対象物Oは、固定物と、係留対象物と、を含んでもよい。上記「固定物」は、例えば、陸地、水底、壁(岸壁など)、これらに固定された構造物、および、これらに対して略動かないように構成された構造物(例えば錨O1)などである。上記「係留対象物」は、チェーン1を介して固定物に係留される(つなぎとめられる)物である。係留対象物は、例えば、空中、水上、または水中を漂う構造物(例えば海洋構造物)などである。係留対象物が海洋構造物である場合は、係留対象物は、例えば船舶でもよく、浮標O3などでもよい。
図1に示す例では、接続対象物Oは、錨O1および浮標O3である。錨O1は、水底に沈められる錘である。浮標O3は、水上(水面)に浮かべられる構造物である。浮標O3は、目印(標識)であり、例えば、船舶の通路、船舶の待機場所、定置網の設置場所などを示す。浮標O3は、照明機能を備えた灯浮標でもよく、照明機能を備えないものでもよい。
【0012】
このチェーン1は、長手方向を有する形状(細長い形状)を有する。チェーン1は、直線状に延びた状態になることが可能である。チェーン1は、チェーン1の外部から力が加えられることで曲げられることが可能である(柔軟性がある)。
【0013】
(方向の定義など)
図2に示すように、チェーン1の長手方向を、チェーン長手方向Zとする。チェーン1の中心軸(チェーン本体10の中心軸)であってチェーン長手方向Zに延びる中心軸を、チェーン中心軸1aとする。なお、チェーン1は曲がることが可能であるため、チェーン中心軸1aは直線状とは限らない。チェーン長手方向Zにおける一方側をチェーン長手方向第1側Z1とする。
図3に示すように、チェーン長手方向第1側Z1は、チェーン長手方向Zにおいて、後述する第2リンク20Bから第1リンク20Aに向かう側(向き)である。チェーン長手方向Zにおけるチェーン長手方向第1側Z1とは反対側を、チェーン長手方向第2側Z2とする。チェーン長手方向Zに交差する方向(例えば直交する方向)を、チェーン交差方向Cとする。チェーン交差方向Cは、チェーン中心軸1aに交差(例えば直交)する仮想円(図示なし)であってチェーン中心軸1aを中心とする仮想円の、直径方向である。チェーン交差方向Cにおいて、チェーン中心軸1aに近い側(向かう側、向かう向き)を、チェーン交差方向内側Ciとし、チェーン中心軸1aから遠い側(遠ざかる側、遠ざかる向き)を、チェーン交差方向外側Coとする。
図2に示すように、チェーン1は、チェーン本体10と、接続部材50(
図1参照)と、外筒60と、を備える。
【0014】
チェーン本体10は、チェーン1の本体部分である。チェーン本体10は、チェーン長手方向Zに延びる(チェーン本体10が延びる方向がチェーン長手方向Zである)。チェーン本体10は、複数のリンク20(後述)が連結されたリンクチェーンである。さらに詳しくは、チェーン本体10は、リンク20(例えば、第1リンク20A)のリンク孔20h(後述)に、このリンク20の隣のリンク20(例えば、第2リンク20B)が通されることで、リンク20どうしが連結されたものである。チェーン本体10は、リンク20どうしが、リンク20とは異なる部材(例えばピンなど)によって連結されたもの(例えばローラーチェーンなど)ではない。
図5に示すように、チェーン本体10は、チェーン交差方向Cの凹凸を有する。チェーン本体10は、チェーン本体凸部11と、チェーン本体凹部13と、チェーン本体段差部15と、を備える。
【0015】
チェーン本体凸部11は、チェーン交差方向Cの特定方向(後述する第1リンク20Aのリンク厚さ方向Ct)から見たときに、チェーン本体10のうち、チェーン交差方向外側Co(後述する第1リンク20Aのリンク幅方向Cw)に突出した部分である。チェーン本体凸部11は、後述する第2リンク20Bに対してチェーン交差方向外側Coに突出する部分である。チェーン本体凸部11は、後述する第1リンク20Aの、リンク中央部30cかつリンク外周部30oである。
【0016】
チェーン本体凹部13は、チェーン交差方向Cの特定方向(後述する第1リンク20Aのリンク厚さ方向Ct)から見たときに、チェーン本体10のうち、チェーン交差方向内側Ci(後述する第1リンク20Aのリンク幅方向Cwの内側)に凹んだ部分である。チェーン本体凹部13は、後述する第1リンク20Aに対してチェーン交差方向内側Ciに凹む部分である。チェーン本体凹部13は、後述する第2リンク20Bの、リンク中央部30cBかつリンク側面部30sBである。
【0017】
チェーン本体段差部15は、チェーン本体10の、チェーン交差方向Cの段差である。チェーン本体段差部15は、チェーン本体凸部11とチェーン本体凹部13とにより形成される段差である。チェーン本体段差部15は、後述する第1リンク20Aと第2リンク20Bとの(第1リンク20Aと第2リンク20Bとにより形成される)段差である。チェーン本体段差部15は、後述する第1リンク20Aのリンク先端部30aかつリンク外周部30oである。
【0018】
リンク20は、チェーン本体10を構成する部品である。リンク20は、環状(輪状)のリンク本体部30(後述)を備え、リンク孔20hを備える部品である。
図6に示すように、リンク20は、リンク中央連結部40(後述)を備えてもよく、リンク中央連結部40(後述)を備えなくてもよい。具体的には例えば、リンク20は、JIS F 3303に規定されたスタッドリンクチェーンの構成部品でもよい。リンク20は、JIS F 2106に規定されたロングリンクチェーン(第1種または第2種)、もしくは、ショートリンクチェーン(第1種または第2種)の構成部品でもよい。リンク20は、JISなどの規格で規定されていないリンクチェーンの構成部品でもよい。リンク20は、繊維により構成されるリンクチェーン(後述)(
図3参照)の構成部品でもよい。
【0019】
このリンク20は、金属を含んでもよく、高分子材料を含んでもよい。上記「金属」は、鉄を含んでもよく、鋼(炭素鋼、合金鋼など)を含んでもよく、鋼以外の鉄合金を含んでもよい。上記「金属」は、鉄以外の金属を含んでもよい。
図3に示すリンク20は、繊維を含んでもよく、繊維を含まなくてもよい。上記「繊維」は、金属繊維を含んでもよく、高分子材料からなる合成繊維を含んでもよい。この合成繊維は、ポリエチレンを含んでもよく、超高分子量ポリエチレン(HMPE;High Modulus Polyethylene)を含んでもよく、その他の合成繊維(後述する外筒繊維部70の説明を参照)を含んでもよい。上記「金属繊維」の素材は、例えばリンク20が水中で用いられる場合などには、藻、貝類の付着を防止するための微量金属作用を有する金属が好ましく、中でも殺菌作用が強い(様々な金属の中で殺菌作用が比較的強い)銅または銅合金がより好ましい。チェーン本体10は、同じ種類のリンク20のみを備えてもよく、互いに異なる種類のリンク20(例えば金属製とHMPE製など)を備えてもよい。
【0020】
このリンク20は、複数設けられ、チェーン長手方向Zに連結される(
図2参照)。
図5に示すように、チェーン長手方向Zに連結され隣り合う(連結し合う)リンク20・20のうち、一方を第1リンク20Aとし、他方(第1リンク20Aとは異なる方)を第2リンク20Bとする。チェーン長手方向Zに隣り合うリンク20・20のうち、チェーン交差方向Cの特定方向(第1リンク20Aのリンク厚さ方向Ct(後述))から見たときに、チェーン本体凸部11を含むリンク20を、第1リンク20Aとする。また、このときに、チェーン本体凹部13を含むリンク20を、第2リンク20Bとする。以下では、チェーン交差方向Cの特定方向(第1リンク20Aのリンク厚さ方向Ct(後述))から見た状態について説明する。第2リンク20Bは、第1リンク20Aに対して、チェーン交差方向Cに(さらに詳しくは、チェーン交差方向内側Ciに、第1リンク20Aのリンク幅方向Cwの内側に)凹むように配置される。第1リンク20Aの構造と第2リンク20Bの構造とは同じ、または略同じである。第2リンク20Bは、第1リンク20Aを、チェーン中心軸1aを中心として約90度回転させ、リンク20の大きさ略1つ分だけチェーン長手方向Zにずらした位置に配置される。リンク20(第1リンク20Aおよび第2リンク20Bのそれぞれ)は、リンク本体部30を備える。リンク20は、リンク中央連結部40(
図6参照)を備えてもよい。
【0021】
リンク本体部30は、リンク20の本体部分である。リンク本体部30は、環状であり、例えば、オーバル状でもよく、円周状または略円周状でもよい。上記「オーバル状」は、楕円周状でもよく、角が丸い略長方形状の外周の形状でもよく、卵型の外周の形状でもよく、これらに近い形状(略楕円周状など)でもよい。リンク本体部30に関する方向には、リンク厚さ方向Ctと、リンク幅方向Cwと、がある。リンク厚さ方向Ctは、チェーン交差方向Cであって、リンク本体部30の孔(すなわちリンク孔20h)の貫通方向である。リンク幅方向Cwは、チェーン交差方向Cであって、チェーン長手方向Zおよびリンク厚さ方向Ctのそれぞれに交差(例えば直交)する方向である。リンク本体部30における位置に着目すると、リンク本体部30は、リンク先端部30aと、リンク中央部30cと、リンク外周部30oと、リンク内周部30iと、リンク側面部30sと、を備える。リンク本体部30の形状に着目すると、リンク本体部30は、リンク帯状部31(
図3参照)と、リンク凹み部33と、を備える。
【0022】
リンク先端部30aは、リンク本体部30の、チェーン長手方向Zにおける先端部である。リンク本体部30がオーバル状である場合は、リンク先端部30aは、リンク本体部30のうち円弧状または略円弧状に延びる。リンク先端部30aは、チェーン長手方向Zに間隔をあけて2か所に設けられる。なお、
図5および
図6では、第2リンク20Bのリンク先端部30aを、第1リンク20Aのリンク先端部30aと区別するために、リンク先端部30aBとした。同様に、第2リンク20Bのリンク中央部30cをリンク中央部30cBとし、第2リンク20Bのリンク側面部30sをリンク側面部30sBとした。
【0023】
リンク中央部30cは、
図5に示すように、リンク本体部30の、チェーン長手方向Zにおける中央部である。例えば、リンク中央部30cは、リンク本体部30のうち、リンク先端部30a以外の部分である。リンク中央部30cは、1つのリンク20において2か所にあるリンク先端部30a・30aの、チェーン長手方向Zにおける間の部分である。リンク中央部30cは、リンク幅方向Cwに間隔をあけて2か所に設けられる。リンク本体部30がオーバル状である場合は、リンク中央部30cは、リンク本体部30のうち、チェーン長手方向Zまたは略チェーン長手方向Zに延びる。
【0024】
リンク外周部30oは、リンク厚さ方向Ctから見たときに環状のリンク本体部30の外周部分(環の外周部分)である。リンク内周部30iは、リンク厚さ方向Ctから見たときに環状のリンク本体部30の内周部分(環の内周部分)である。リンク内周部30iは、リンク孔20hの内面を形成する。リンク側面部30sは、リンク本体部30のうち、リンク厚さ方向Ctの外側を向く面である。
【0025】
リンク帯状部31は、
図3に示すように、帯状である。リンク帯状部31は、繊維を含む。リンク帯状部31の幅は、一定または略一定である。リンク帯状部31のリンク厚さ方向Ctにおける長さは、上記「リンク帯状部31の幅」である。リンク帯状部31は、細長い形状を有する。リンク帯状部31の長手方向(細長く延びる方向)は、環状のリンク本体部30が延びる方向(環に沿う方向)である。リンク帯状部31は、積層される(複数の層をなすように重ねられる)。リンク帯状部31の層の数は、様々に設定可能であり、
図3に示す例では主に6層であり、リンク帯状部接続部31a(後述)の部分では7層である。1枚のリンク帯状部31のみでは強度を確保できない場合でも、リンク帯状部31が積層されることで、リンク本体部30の強度を確保することができる。例えば、リンク帯状部31は、リンク本体部30の全体に設けられる。リンク帯状部31は、リンク帯状部接続部31aを備える。
【0026】
リンク帯状部接続部31aは、リンク帯状部31の一部どうしが固定される部分である。さらに詳しくは、リンク帯状部接続部31aは、リンク帯状部31の長手方向の端部と、リンク帯状部31の長手方向端部とは異なる部分(中間部分)と、が固定される部分である。例えば、リンク帯状部接続部31aでのリンク帯状部31の一部どうしの固定は、接着剤による固定でもよく、糸で縫われることによる固定でもよく、これらの両方による固定でもよい。
【0027】
リンク凹み部33は、
図5に示すように、チェーン本体凸部11のうち、チェーン交差方向内側Ciに凹む部分である。リンク凹み部33は、第1リンク20Aのリンク中央部30cかつリンク外周部30oに設けられる(配置される)。リンク凹み部33が設けられる理由は、例えば次の通りである。[理由例1]例えばリンク本体部30が繊維を含む場合など、リンク本体部30が容易に変形可能である場合がある。この場合、
図4に示すように、外筒60(後述)がリンク本体部30をチェーン交差方向内側Ciに押す(圧縮する)。これにより、
図5に示すリンク中央部30cが、チェーン交差方向内側Ciに変形し、リンク凹み部33となる。なお、チェーン1(
図2参照)にかかる張力(チェーン長手方向Zにかかる張力)が所定値以下のときにリンク凹み部33ができ、チェーン1にかかる張力が上記所定値よりも大きいときにリンク凹み部33がなくなってもよい。[理由例2]なお、リンク本体部30が金属のみにより構成される場合など、リンク本体部30が容易に変形可能に構成されない場合でも、リンク凹み部33が設けられてもよい。
【0028】
リンク本体部30の寸法の具体例は、次の通りである。なお、以下の数値は、リンク本体部30の大きさをイメージしやすくするための一例にすぎず、リンク本体部30の寸法は様々に設定可能である。数値が一例にすぎないことは、リンク本体部30の寸法以外の下記の具体例の数値(例えば、
図4に示すチェーン本体段差高さH、外筒繊維部厚さTなどの具体例の数値など)も同様である。
図5に示すリンク本体部30の厚さ(リンク厚さ方向Ctにおけるリンク本体部30の幅)は、例えば10mm~14mmなどであり、例えば12mmなどである。リンク本体部30の内長(リンク先端部30a・30aのリンク内周部30i・30iどうしのチェーン長手方向Zにおける間隔の最大値)は、例えば90mm~100mmなどであり、例えば93mmなどである。リンク本体部30の、リンク内周部30iからリンク外周部30oまでの幅の最小値(例えば、積層されたリンク帯状部31(
図3参照)の厚さ)は、例えば9mm~10mmなどであり、例えば9.6mmなどである。
【0029】
リンク中央連結部40は、リンク20に設けられてもよい。ここでは、リンク中央連結部40がリンク20に設けられる場合について説明する。リンク中央連結部40は、
図6に示すように、リンク本体部30の一部どうしを連結する。リンク中央連結部40は、リンク幅方向Cwに間隔をあけて2か所に設けられるリンク中央部30c・30cどうしを連結する。リンク中央連結部40は、リンク中央部30c・30cどうしがリンク幅方向Cwに、広がること、および、狭くなること、の少なくともいずれかのリンク本体部30の変形を抑制する。リンク中央連結部40は、リンク幅方向Cwに延びるように設けられる。リンク中央連結部40は、リンク本体部30に固定される。例えば、リンク本体部30が金属製であり、リンク中央連結部40(スタッド)が金属製である場合、リンク中央連結部40は、リンク本体部30に溶接される。なお、リンク中央連結部40は、溶接以外の固定方法によりリンク本体部30に固定されてもよい。また、リンク本体部30が繊維製である場合(例えば繊維のみにより構成される場合)に、リンク中央連結部40が設けられてもよい。
【0030】
接続部材50は、
図1に示すように、接続対象物Oにチェーン1を接続するための部材である。接続部材50は、
図2に示すチェーン本体10のチェーン長手方向Zの端部のリンク20に接続される。具体的には例えば、接続部材50(
図1参照)は、シャックル、または、カラビナなどである。
【0031】
外筒60は、筒状であり、チェーン本体10を外側(チェーン交差方向外側Co)から覆うもの(被覆部)である。外筒60は、チェーン本体10を保護(防護)する(保護層、防護層である)。外筒60は、チェーン1周辺の物(以下「チェーン周辺物」ともいう)が、チェーン本体10に接触することを抑制する。上記「チェーン周辺物」は、接続対象物O(
図1参照)でもよく、接続対象物O以外の物でもよい。上記「接続対象物O以外の物」は、固形物でもよく、粒子でもよく、それ以外でもよい。上記「固形物」は、例えば、水底でもよく、陸地でもよく、植物(木など)でもよく、構造物(例えば壁、床などの建造物、消波ブロックなど)でもよい。上記「粒子」は、粉状または粒状のものであり、具体的には例えば、砂または土などである。「粒子」は、浮遊物(空中浮遊物、水中浮遊物など)でもよく、浮遊物以外の粒子(水底の砂、地面の砂など)でもよい。
【0032】
この外筒60は、第1リンク20Aと第2リンク20Bとの(リンク20どうしの)相対移動を抑制(制限)することで、リンク20どうしの接触による摩耗を抑制する。外筒60は、リンク20どうしのチェーン長手方向Zの相対移動、および、リンク20どうしのチェーン交差方向Cの相対移動(リンク20どうしの回転)、の少なくとも一方(好ましくは両方)を抑制する。
【0033】
この外筒60は、チェーン本体10の凹凸に沿った形状を有する。
図4に示すように、外筒60は、外筒凸部61と、外筒凹部63と、外筒段差部65と、外筒端部67(
図1参照)と、外筒繊維部70と、を備える。
【0034】
外筒凸部61は、チェーン本体凸部11に沿うように配置され、チェーン本体凸部11に接触する。外筒凸部61は、第1リンク20Aに沿うように配置され、第1リンク20Aに接触する。さらに詳しくは、外筒凸部61は、
図5に示す第1リンク20Aのリンク中央部30cかつリンク外周部30oに沿うように配置され、この部分に接触する。
図4に示すように、外筒凸部61がチェーン本体凸部11に接触するので、外筒凸部61とチェーン本体凸部11との摩擦力により、第1リンク20Aに対する外筒60の移動が抑制される。その結果、リンク20どうしの相対移動が抑制される。
【0035】
この外筒凸部61は、チェーン本体凸部11に略密着する(すなわちチェーン本体凸部11の表面の大部分に接触する)ことが好ましい。例えば、外筒凸部61は、チェーン本体凸部11をチェーン交差方向内側Ciに押す(例えば圧縮する)ことが好ましい。具体的には例えば、外筒凸部61が、伸縮性の高い組物構造(後述)である場合は、外筒凸部61は、チェーン本体凸部11をチェーン交差方向内側Ciに締め付け、チェーン本体凸部11に略密着する。外筒凸部61がチェーン本体凸部11に略密着することで、こられが略密着しない場合に比べ、外筒凸部61とチェーン本体凸部11との摩擦力が大きくなる。よって、第1リンク20Aに対する外筒60の移動がより抑制される。その結果、リンク20どうしの相対移動がより抑制される。外筒60とリンク20とが略密着することが好ましいことは、リンク20の他の部分(例えばチェーン本体凹部13など)と外筒60との接触部分についても同様である。
【0036】
この外筒凸部61およびチェーン本体凸部11のそれぞれは、繊維を含むことが好ましい。この場合、外筒凸部61の繊維表面の凹凸と、チェーン本体凸部11の繊維表面の凹凸と、が接触する。よって、外筒凸部61とチェーン本体凸部11との少なくともいずれかが繊維表面の凹凸を含まない場合に比べ、外筒凸部61とチェーン本体凸部11との摩擦力が大きくなりやすい。よって、第1リンク20Aに対する外筒60の移動がより抑制される。その結果、リンク20どうしの相対移動がより抑制される。外筒60とリンク20との接触部分が繊維(さらに詳しくは、繊維表面の凹凸)を含むことが好ましいことは、リンク20の他の部分(例えばチェーン本体凹部13など)と外筒60との接触部分についても同様である。
【0037】
この外筒凸部61とチェーン本体凸部11との相対移動は、摩擦力により抑制されながら、適度に(所定範囲内で、ある程度は)許容されることが好ましい。具体的には例えば、外筒凸部61とチェーン本体凸部11とは、接着(離れないように固定)されないことが好ましい。外筒凸部61とチェーン本体凸部11との相対移動が適度に許容される結果、チェーン1が容易に変形する(例えば曲がる)ことができる。なお、外筒凸部61とチェーン本体凸部11との接触部分の一部または全部は、接着されてもよい。外筒60とチェーン本体10との接触部分が接着されないことが好ましく、接着されてもよいことは、リンク20の他の部分(例えばチェーン本体凹部13など)と外筒60との接触部分についても同様である。外筒凸部61は、外筒凸部凹み部61aを備える。
【0038】
外筒凸部凹み部61aは、リンク凹み部33に入り込む(食い込む、チェーン交差方向内側Ciに入り込む)ように配置される。外筒凸部凹み部61aは、リンク凹み部33に沿うように配置され、リンク凹み部33に接触する。外筒凸部凹み部61aがリンク凹み部33に入り込むので、外筒凸部61とチェーン本体凸部11との摩擦力が大きくなる。よって、第1リンク20Aに対する外筒60の移動がより抑制される。その結果、リンク20どうしの相対移動がより抑制される。
【0039】
外筒凹部63は、チェーン本体凹部13に入り込む(食い込む、チェーン交差方向内側Ciに入り込む)ように配置される。外筒凹部63は、外筒凸部61から、チェーン本体凹部13に向かって凹むように配置される。外筒凹部63は、外筒凸部61から、第2リンク20Bに向かって凹むように配置される。さらに詳しくは、外筒凹部63は、外筒凸部61から、
図5に示す第2リンク20Bのリンク中央部30cBかつリンク側面部30sBに向かって凹むように配置される。
図4に示すように、外筒凹部63は、チェーン本体凹部13に沿うように配置され、チェーン本体凹部13に接触する。外筒凹部63は、第2リンク20Bに沿うように配置され、第2リンク20Bに接触する。さらに詳しくは、外筒凹部63は、
図5に示す第2リンク20Bのリンク中央部30cBかつリンク側面部30sBに沿うように配置され、この部分に接触する。
図4に示すように、外筒凹部63がチェーン本体凹部13に接触するので、外筒凹部63とチェーン本体凹部13との摩擦力により、第2リンク20Bに対する外筒60の移動が抑制される。その結果、リンク20どうしの相対移動が抑制される。
【0040】
外筒段差部65は、外筒凸部61からチェーン本体段差部15に入り込む(食い込む、チェーン交差方向内側Ciに入り込む)ように配置される。外筒段差部65は、チェーン本体段差部15に沿うように配置され、チェーン本体段差部15に接触する。さらに詳しくは、外筒段差部65は、
図5に示す第1リンク20Aのリンク先端部30aかつリンク外周部30oに沿うように配置され、この部分に接触する。外筒段差部65は、チェーン本体段差部15に接触するので、第1リンク20Aのチェーン長手方向第2側Z2への移動を抑制する。さらに詳しくは、第1リンク20Aが、チェーン長手方向第2側Z2に移動しようとする、または、わずかに移動する。すると、外筒段差部65は、チェーン長手方向第1側Z1に押し返す力を、第1リンク20Aのチェーン本体段差部15に作用させる(加える)。よって、外筒段差部65は、第1リンク20Aのチェーン長手方向第2側Z2への移動を抑制する。その結果、リンク20どうしの相対移動が抑制される。なお、外筒段差部65とチェーン本体段差部15とが、できるだけ密着することが好ましいが、第1リンク20Aと第2リンク20Bとで形成される角の周辺部15aに外筒60が接触する必要はない。
【0041】
外筒端部67(
図1参照)は、
図2に示す外筒60のチェーン長手方向Zにおける端部である。外筒端部67は、接続部材50(
図1参照)またはリンク20に接続される。例えば、外筒60が組物構造(後述)である場合は、組物構造の外筒60が、複数の紐状部分(ストランド70sなど)に分解される。そして、この紐状部分が、接続部材50(
図1参照)またはリンク20に、括り付けられてもよく、括り付けられるとともに接着されてもよい。なお、外筒60は、紐状部分に分解されることなく(外筒繊維部70を構成したまま)接続部材50(
図1参照)またはリンク20に固定されてもよい。
【0042】
外筒繊維部70は、
図3に示すように、繊維で形成されたものである。外筒繊維部70は、外筒60の全体に設けられてもよく、外筒60の一部に設けられてもよい。外筒繊維部70は、布状であり、曲面状である。外筒繊維部70を構成する繊維は、高分子材料からなる合成繊維でもよい。この合成繊維は、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリプロピレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリウレタン系、および、ポリスチレン系の少なくともいずれかを含んでもよい。外筒繊維部70は、複数種類の材料を含んでもよい。外筒繊維部70を構成する繊維は、金属繊維を含んでもよい。外筒繊維部70が金属繊維を含む場合は、金属繊維を含まない場合に比べ、外筒繊維部70の(外筒60の)耐損傷性および防汚性が向上する。例えば、チェーン1が水中で用いられる場合に、外筒繊維部70が金属繊維を含む場合は、外筒繊維部70が金属繊維を含まない場合に比べ、外筒繊維部70に水中生物(具体的には、藻類、フジツボなど)が付着しにくくなり、外筒繊維部70の防汚性が向上する。外筒繊維部70は、組物(後述する組物構造により形成されたもの)を含んでもよく、編物を含んでもよく、織物を含んでもよい。外筒繊維部70が織物を含む場合、織り方は、平織でもよく、綾織りでもよく、その他の織り方でもよい。
【0043】
例えば、外筒繊維部70は、組物構造を備える。組物構造は、繊維の様々な組み合わせ方の中で、比較的、柔軟性および伸縮性が高い組み合わせ方である。上記「繊維の様々な組み合わせ方」は、具体的には例えば、組物、編物、織物、レース、網、不織布などの組み合わせ方(構造)である。外筒繊維部70は、柔軟性および伸縮性が比較的高いので、チェーン本体10の凹凸に沿いやすく、チェーン本体10の凹凸に接触しやすい。よって、外筒繊維部70は、リンク20どうしの相対移動をより抑制することができる。また、外筒繊維部70は、柔軟性および伸縮性が比較的高いので、チェーン本体10の変形(曲がりやすさ、柔軟性)を妨げにくい。組物構造の詳細は、次の通りである。組物構造は、複数のストランド70sが組み合わされた構造であり、第1ストランド71と第2ストランド72とが組み合わされた構造である。
【0044】
第1ストランド71は、チェーン長手方向第1側Z1からチェーン長手方向第2側Z2に向かって右回りに螺旋状に延びるように配置される。第1ストランド71は、複数設けられる。
図3では、複数の第1ストランド71の一部にのみ符号を付した(第2ストランド72も同様)。複数の第1ストランド71は、互いに平行または略平行に配置される。第1ストランド71は、チェーン長手方向Zに対して傾いた方向(例えば約45度傾いた方向)に延びるように配置される(第2ストランド72も同様)。第2ストランド72は、チェーン長手方向第1側Z1からチェーン長手方向第2側Z2に向かって左回り(第1ストランド71とは反対回り)に螺旋状に延びるように配置される。第2ストランド72は、複数設けられる。複数の第2ストランド72は、互いに平行または略平行に配置される。第1ストランド71と第2ストランド72とは、交互に交差するように組み合わされる。さらに詳しくは、第1ストランド71と第2ストランド72とは、外筒繊維部70が延びる方向(外筒繊維部70の表面に沿った方向)に、交互に直角に交差するように組み合わされる。例えば、第1ストランド71および第2ストランド72のそれぞれは、複数のヤーンが組み合わされた(例えば撚り合わされた)ものである。例えば、複数のヤーンのそれぞれは、複数の糸(原糸)が組み合わされた(例えば撚り合わされた)ものである。第1ストランド71と第2ストランド72との隙間は、できるだけ小さいことが好ましい。この隙間が小さいことで、外筒60の外から内に、チェーン周辺物(例えば粒子)が入ることが抑制される。
【0045】
この外筒繊維部70の具体例は、次の通りである。外筒繊維部70は、48本のストランド70sを備える(48打ちである)。さらに詳しくは、外筒繊維部70は(48本のストランド70sは)、24本の第1ストランド71と、24本の第2ストランド72と、を備える。1本のストランド70sは、3本のヤーンが撚り合わされたものである。1本のヤーンは、4本の糸が撚り合わされたものである。すなわち、1本のストランド70sは、12本の糸が撚り合わされたものである。糸の材質は、ポリエチレンテレフタラート(PET;polyethylene terephthalate)である。この糸の太さは、2200dTex(デシテックス)である。
【0046】
この外筒繊維部70を構成する糸の太さ、1本のヤーンを構成する糸の本数、1本のストランド70sを構成するヤーンの本数、および、外筒繊維部70を構成するストランド70sの本数は、様々に設定可能である。外筒繊維部70を構成する糸の太さおよび本数が同じでも、外筒繊維部70を構成するストランド70sの本数が多いほど、1本のストランド70sが細くなる。そのため、外筒繊維部70の表面および内面の、チェーン交差方向Cにおける凹凸が小さくなる(平らになる)。また、ストランド70sが細くなると、外筒繊維部70の隙間(ストランド70sどうしの隙間)が小さくなりやすい。外筒繊維部70を構成する糸の太さおよび本数が同じでも、外筒繊維部70を構成するストランド70sの本数が少ないほど、1本のストランド70sが太くなる。そのため、外筒繊維部70の表面の凹凸が大きくなる。この場合、リンク20と外筒繊維部70(外筒60)との摩擦力が大きくなりやすい。
【0047】
(チェーン本体段差高さH)
図4に示すように、チェーン本体段差部15の(チェーン本体凹部13とチェーン本体凸部11との)チェーン交差方向Cにおける高さを、チェーン本体段差高さHとする。なお、チェーン1が直線状に延び、チェーン1に張力が作用していないときの、チェーン本体段差部15のチェーン交差方向Cにおける高さをチェーン本体段差高さHとする。また、チェーン1には、リンク20が複数あり、1つのリンク20には、チェーン本体段差部15が複数か所(4か所)ある。そこで、例えば、チェーン1の様々な位置で測定した、チェーン本体段差部15のチェーン交差方向Cにおける高さの平均値を、チェーン本体段差高さHとしてもよい。
【0048】
(外筒繊維部厚さT)
外筒繊維部70の厚さを外筒繊維部厚さTとする。外筒繊維部厚さTは、外筒繊維部70の表面および内面のそれぞれに直交する方向における外筒繊維部70の幅である。外筒繊維部厚さTがチェーン本体段差高さHに対して厚すぎると、外筒60がチェーン本体凹部13に入り込む量が限定的になり、外筒60がチェーン本体段差部15に沿う面積が限定的になる。外筒繊維部厚さTが薄すぎると、外筒60によるチェーン本体10を保護する効果が限定的になる。そこで、外筒60がチェーン本体凹部13に入り込む量を確保でき、かつ、チェーン本体10を保護する効果が得られるように、外筒繊維部厚さTが設定されることが好ましい。
【0049】
(外筒60の構成の変形例)
なお、外筒60の層の数は、1でも複数でもよい。外筒60は、外筒繊維部70以外の層を備えてもよい。例えば、外筒60は、1層または複数層の、外筒繊維部70を備えてもよい。外筒60は、1層または複数層の、外筒繊維部70以外の層を備えてもよい。外筒60は、外筒繊維部70と、外筒繊維部70以外の層と、を備えてもよい。具体的には例えば、外筒60のチェーン交差方向外側Coの層(外層)が外筒繊維部70であり、この層よりもチェーン交差方向内側Ciの層(内層)が外筒繊維部70以外の層などでもよい。上記「外筒繊維部70以外の層」は、例えば布状を除くシート状(平らな曲面状)の層を備えてもよい。この「外筒繊維部70以外の層」は、高分子材料(例えばポリウレタン系など(合成繊維の説明を参照))の層を備えてもよい。「外筒繊維部70以外の層」は、収縮チューブ(例えば熱収縮チューブ)がチェーン本体10の凹凸に沿って収縮したものでもよい。
【0050】
(チェーン1の比重)
図1に示すチェーン1の比重、さらに詳しくは、チェーン本体10(
図2参照)および外筒60(
図2参照)の全体での比重について説明する。チェーン1が水中(淡水中または海水中)で使われる場合に、チェーン1の比重が重要になる場合がある。「比重」は、4℃かつ標準気圧における純水の密度に対する、物質(チェーン1など)の密度の比である。
【0051】
チェーン1が水に沈むことを抑制できるようにチェーン1の比重が設定された場合は、水底にチェーン1が接触することが抑制される。また、この場合は、水底にチェーン1が接触した場合に、水底とチェーン1との摩擦を抑制することができる。水底とチェーン1との接触および摩擦を抑制できることで、チェーン1の摩耗および損傷を抑制することができる。
【0052】
チェーン1が水に浮くようにチェーン1の比重が設定された場合は、水底にチェーン1が接触することが、より確実に抑制される。また、この場合は、例えば、チェーン1が水に沈むことが抑制されることで、チェーン1を紛失することが抑制されてもよい。
【0053】
チェーン1が水に沈むようにチェーン1の比重が設定された場合は、チェーン1を容易に水に沈ませることが可能となる。チェーン1の比重が小さすぎると、チェーン1を水に沈めることが難しくなり、チェーン1を水に沈めるのに必要な錘が大きくなる。一方、チェーン1が水に沈むようにチェーン1の比重が設定された場合は、チェーン1を水に沈ませるための錘が不要になる、または、小さく軽量な錘でもチェーン1を水に沈ませることができる。また、チェーン1が水に沈むようにチェーン1の比重が設定された場合は、水上でチェーン1が漂うことが抑制される。その結果、例えば、チェーン1が船など通行の邪魔になることが抑制されてもよい。
【0054】
チェーン1の比重が水の比重の近傍に設定された場合は、チェーン1を容易に水に沈ませることが可能になり、かつ、水底とチェーン1との接触および摩擦を抑制することができる。
【0055】
チェーン1の比重の上限の具体例は、次の通りである。チェーン1の比重が、1.03以下である場合は、チェーン1が海水に沈むことが抑制される。海水の比重は1.02~1.03である。チェーン1の比重が、1.03未満である場合は、チェーン1が海水に沈むことがより抑制される。チェーン1の比重が1.02未満である場合は、チェーン1が海水に浮きやすい。チェーン1の比重が1.0以下である場合は、チェーン1が淡水に沈むことが抑制される。チェーン1の比重が1.0未満である場合は、チェーン1が淡水に浮きやすい。
【0056】
チェーン1の比重の下限の具体例は、次の通りである。チェーン1の比重が0.95以上である場合、小さく軽量な錘でもチェーン1を水に沈めることが可能である。チェーン1が水に沈みやすくなるという観点から、チェーン1の比重は、好ましくは0.96以上、さらに好ましくは0.97以上、さらに好ましくは0.98以上、さらに好ましくは0.99以上である。チェーン1の比重が1.0以上である場合は、チェーン1が淡水に沈みやすい。チェーン1の比重が1.0よりも大きい場合は、チェーン1を淡水に沈ませることができる。チェーン1の比重が1.02以上である場合は、チェーン1が海水に沈みやすい。チェーン1が海水に沈みやすくなるという観点から、チェーン1の比重は、好ましくは1.02よりも大きく、さらに好ましくは1.03以上である。チェーン1の比重が1.03よりも大きい場合、チェーン1を海水に沈ませることができる。
【0057】
例えば、チェーン1の比重が、約1である場合(例えば0.98~1.01の場合)は、チェーン1を水中(例えば海中)に容易に沈ませることができ、かつ、チェーン1と水底(例えば海底)との接触および摩擦を抑制することができる。
【0058】
チェーン本体10の比重と外筒60の比重との関係は、様々に設定可能である。外筒60の比重は、チェーン本体10の比重に対して、大きくてもよく、小さくてもよく、等しくてもよい。具体的には例えば、チェーン本体10の全体または大部分がHMPE製の場合、チェーン本体10の比重は、0.97である。外筒60の全体または大部分がPET製の場合、外筒60の比重は、1.38である。チェーン1の比重は、チェーン本体10と外筒60との体積の比によって変わる。
【0059】
(外筒60が設けられない場合の問題)
図2に示すチェーン本体10が、外筒60で覆われない場合について説明する。以下では主に、
図1に示す接続対象物Oが、錨O1および浮標O3(海洋構造物の固定物および係留対象物)である場合を例として説明する。また、チェーン本体10および外筒60については
図2を参照して説明する。例えば、チェーン本体10は、
図1に示すように、錨O1から海底に沿って配置され、立ち上がり部分P1でチェーン本体10の延びる向きが変わり、海底から浮標O3に向かって上に延びる。
【0060】
チェーン本体10は、チェーン本体10の外部の状況に応じて、移動(変形含む)する。例えば、2つの接続対象物Oが、互いに相対移動することで、チェーン本体10が移動する。
図1に示す例では、錨O1は、海底に対して移動せず、浮標O3は、波浪および潮位により、海底に対して様々な方向(例えば上下など)に移動する。その結果、チェーン本体10が移動する。また、例えば、接続対象物Oどうしが相対移動しなくても、チェーン本体10の周囲の状況(例えば水流または風など)により、チェーン本体10が移動する場合がある。
【0061】
(チェーン本体10とチェーン周辺物との接触)
チェーン本体10が外筒60で覆われない場合、チェーン本体10が移動すると、チェーン本体10は、チェーン本体10の周辺の物(チェーン周辺物)に接触する場合がある。チェーン本体10に接触する「チェーン周辺物」は、接続対象物O、または、接続対象物O以外の物(ここでは固形物)である。また、チェーン本体10は、チェーン周辺物に接触しながら移動する場合がある。
図1に示す例では、チェーン本体10の立ち上がり部分P1は、海底に接触しながら移動する。この移動は、繰り返される。このとき、チェーン本体10のリンク20(
図5参照)の、主にリンク外周部30o(
図5参照)が、チェーン周辺物に接触する。そのため、リンク20が、摩耗により劣化する。例えば、リンク本体部30(
図5参照)が円形断面の場合は、リンク本体部30が減径する。
【0062】
一方、本実施形態のチェーン1では、外筒60が、チェーン周辺物とチェーン本体10(リンク20)との直接的な接触を防ぐ。よって、リンク20の劣化が抑制される。
【0063】
(リンク20どうしの接触)
チェーン本体10が外筒60で覆われない場合、チェーン1が変形しやすい。チェーン1が変形すると、
図5に示すリンク20どうしが相対移動する。すると、隣り合う2つのリンク20のリンク先端部30aどうしが、衝突および摺動する。さらに詳しくは、隣り合う2つのリンク20のそれぞれの、リンク先端部30aのリンク内周部30iと、リンク先端部30aのリンク側面部30sとが、互いに衝突および摺動する。また、隣り合う2つのリンク20のそれぞれの、リンク先端部30aのリンク内周部30iどうしが、衝突および摺動する。この衝突および摺動は、繰り返される。すると、リンク先端部30aは、摩耗により劣化する。例えば、リンク本体部30が円形断面の場合は、リンク本体部30が減径する。
【0064】
図6に示すように、リンク20にリンク中央連結部40(例えばスタッド)が設けられる場合がある。この場合、チェーン1が変形すると、隣り合う2つのリンク20のそれぞれの、リンク中央連結部40と、リンク先端部30aのリンク外周部30o(
図5参照)と、が衝突および摺動する。この衝突および摺動は、繰り返される。すると、リンク中央連結部40およびリンク先端部30aは、摩耗により劣化する。また、リンク中央連結部40とリンク本体部30との固定が緩む(例えば溶接が剥がれる)場合がある。すると、リンク中央連結部40が、リンク本体部30から移動または脱落する場合がある。このように、リンク先端部30aおよびリンク中央連結部40が、衝突(衝撃)により劣化する結果、リンク20が劣化する。
【0065】
一方、
図2に示すように、本実施形態のチェーン1では、外筒60が、リンク20どうしの相対移動を抑制する。よって、リンク20の劣化が抑制される。
【0066】
(粒子の介在)
上記のように、チェーン本体10が外筒60で覆われない場合、
図5に示す隣り合うリンク20どうしが相対移動しやすい。この相対移動の際に、隣り合うリンク20の間に粒子が介在した場合は、リンク20がより摩耗し、より劣化する。上記「粒子が介在した場合」には、例えば、隣り合うリンク20のリンク先端部30aどうしの間に粒子が介在した場合、および、隣り合うリンク20のリンク先端部30aとリンク中央連結部40(
図6参照)との間に粒子が介在した場合などがある。上記「粒子」は、上記のように、浮遊物(例えば水中浮遊物)、または、浮遊物以外の粒子(例えば水底の砂など)である。
【0067】
一方、
図2に示すように、本実施形態のチェーン1では、外筒60が、外筒60の外部から内部に粒子が入ることを抑制する。よって、隣り合うリンク20の間に粒子が介在することが抑制される。よって、リンク20の劣化が抑制される。
【0068】
(第1の発明の効果)
図2に示すチェーン1による効果は、次の通りである。チェーン1は、チェーン本体10と、外筒60と、を備える。外筒60は、筒状であり、チェーン本体10を外側から覆う。チェーン本体10は、チェーン本体10の長手方向であるチェーン長手方向Zに連結された複数のリンク20を備える。
図5に示すように、連結され隣り合うリンク20のうち、一方を第1リンク20Aとし、第1リンク20Aリンクとは異なる方を第2リンク20Bとする。第2リンク20Bは、第1リンク20Aに対して、チェーン長手方向Zに交差する方向(チェーン交差方向C)に凹むように配置される。
図4に示すように、外筒60は、外筒凸部61と、外筒凹部63と、を備える。
【0069】
[構成1-1]外筒凸部61は、第1リンク20Aに沿うように配置され、第1リンク20Aに接触する。
【0070】
[構成1-2]外筒凹部63は、外筒凸部61から第2リンク20Bに向かって凹むように配置される。
【0071】
[構成1-3]外筒凹部63は、第2リンク20Bに沿うように配置され、第2リンク20Bに接触する。
【0072】
上記[構成1-1]により、第1リンク20Aと外筒60との摩擦力により、第1リンク20Aと外筒60との相対移動が抑制される。上記[構成1-3]により、第2リンク20Bと外筒60との摩擦力により、第2リンク20Bと外筒60との相対移動が抑制される。上記[構成1-2]により、外筒60が、第1リンク20Aおよび第2リンク20Bに、より沿いやすく、より接触しやすい。よって、第1リンク20Aおよび第2リンク20Bと、外筒60と、の摩擦力により、第1リンク20Aおよび第2リンク20Bと、外筒60と、の相対移動が抑制される。よって、外筒60は、第1リンク20Aと第2リンク20Bとの相対移動を抑制することができる。よって、連結され隣り合うリンク20どうしの接触および摩耗を抑制することができる。したがって、リンク20の劣化を抑制することができる。
【0073】
(第2の発明の効果)
チェーン本体10は、チェーン本体段差部15を備える。チェーン本体段差部15は、第1リンク20Aと第2リンク20Bとの、チェーン長手方向Zに交差する方向(チェーン交差方向C)の段差である。
【0074】
[構成2]外筒60は、外筒段差部65を備える。外筒段差部65は、チェーン本体段差部15に沿うように配置され、チェーン本体段差部15に接触する。
【0075】
上記[構成2]により、次の効果が得られる。第1リンク20Aが、チェーン長手方向第2側Z2(第1リンク20Aから第2リンク20Bに向かう向き)に移動しようとする、または、わずかに移動する。すると、外筒段差部65は、チェーン長手方向第1側Z1(第2リンク20Bから第1リンク20Aに向かう向き)に押し返す力を、第1リンク20Aのチェーン本体段差部15に加える。よって、外筒段差部65は、第1リンク20Aと第2リンク20Bとの相対移動をより抑制することができる。よって、リンク20の劣化をより抑制することができる。
【0076】
(第3の発明の効果)
[構成3]
図3に示すように、外筒60は、繊維で形成された外筒繊維部70を備える。
【0077】
上記[構成3]により、外筒60の柔軟性および伸縮性を確保することができる。よって、外筒60が、チェーン本体10の凹凸(第1リンク20Aおよび第2リンク20B)に、より沿いやすく、より接触しやすい。よって、第1リンク20Aおよび第2リンク20Bと、外筒60と、の摩擦力により、第1リンク20Aおよび第2リンク20Bと、外筒60と、の相対移動がより抑制される。その結果、外筒60は、リンク20どうしの(第1リンク20Aと第2リンク20Bとの)相対移動をより抑制することができる。よって、リンク20の劣化をより抑制することができる。
【0078】
(第4の発明の効果)
チェーン長手方向Zにおける一方側をチェーン長手方向第1側Z1とし、チェーン長手方向第1側Z1とは反対側をチェーン長手方向第2側Z2とする。
【0079】
[構成4]外筒繊維部70は、複数の第1ストランド71と複数の第2ストランド72とが組み合わされた組物構造を備える。複数の第1ストランド71は、チェーン長手方向第1側Z1からチェーン長手方向第2側Z2に向かって右回りに螺旋状に延びるように配置される。複数の第2ストランド72は、チェーン長手方向第1側Z1からチェーン長手方向第2側Z2に向かって左回りに螺旋状に延びるように配置される。
【0080】
上記[構成4]では、外筒繊維部70は、組物構造を備える。よって、外筒繊維部70の(外筒60の)柔軟性および伸縮性を、より確保することができる。よって、外筒60が、チェーン本体10の凹凸(第1リンク20Aおよび第2リンク20B)に、より沿いやすく、より接触しやすい。その結果、外筒60は、リンク20どうしの相対移動をより抑制することができる。よって、リンク20の劣化をより抑制することができる。
【0081】
(第5の発明の効果)
[構成5]リンク20は、繊維を含む。
【0082】
上記[構成5]により、リンク20が金属のみにより構成される場合などに比べ、リンク20が変形しやすい。よって、外筒60などによりリンク20に力が加えられることで、リンク20に凹凸が形成されやすい(例えばリンク凹み部33を参照)。よって、リンク20と外筒60との摩擦力により、リンク20と外筒60の相対移動が、より抑制される。その結果、外筒60は、リンク20どうしの相対移動をより抑制することができる。よって、リンク20の劣化をより抑制することができる。
【0083】
(第6の発明の効果)
[構成6]
図3に示すように、リンク20は、繊維を含むとともに帯状であるリンク帯状部31を備える。
【0084】
上記[構成6]により、帯状の部分を備えたリンク20において、リンク20の劣化を抑制することができる(上記[構成5]による効果を参照)。
【0085】
(第7の発明の効果)
[構成7]第1リンク20Aは、リンク凹み部33を備える。リンク凹み部33は、第1リンク20Aのチェーン長手方向Zにおける中央部(リンク中央部30c(
図5参照))かつ外周部(リンク外周部30o(
図5参照))に設けられ、チェーン長手方向Zに交差する方向の内側(チェーン交差方向内側Ci)に凹む。外筒60は、外筒凸部凹み部61aを備える。外筒凸部凹み部61aは、リンク凹み部33に沿うように配置され、リンク凹み部33に接触する。
【0086】
上記[構成7]により、リンク凹み部33(リンク20)と外筒凸部凹み部61a(外筒60)との摩擦力により、リンク20と外筒60との相対移動がより抑制される。その結果、外筒60は、リンク20どうしの(第1リンク20Aと第2リンク20Bとの)相対移動をより抑制することができる。よって、リンク20の劣化をより抑制することができる。
【0087】
(第8の発明の効果)
[構成8]チェーン本体10および外筒60の全体での比重は、1.03以下である。
【0088】
上記[構成8]により、チェーン1が(さらに詳しくは、チェーン本体10および外筒60が)海水に沈むことが抑制される。その結果、チェーン1が海水中で使用される場合は、チェーン1が海底に接触することが抑制され、チェーン1と海底との摩擦が抑制される。その結果、チェーン1の劣化を抑制することができる。
【0089】
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要素(変形例を含む)の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、上記実施形態の変形例どうしが様々に組み合わされてもよい。例えば、構成要素どうしの固定や連結などは、直接的でも間接的でもよい。例えば、構成要素の配置は変更されてもよい。例えば、構成要素の包含関係は様々に変更されてもよい。例えば、ある上位の構成要素に含まれる下位の構成要素として説明したものが、この上位の構成要素に含まれなくてもよく、他の構成要素に含まれてもよい。例えば、各構成要素は、各特徴(作用機能、配置、形状、製法、作動など)の一部のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 チェーン
10 チェーン本体
15 チェーン本体段差部
20 リンク
20A 第1リンク
20B 第2リンク
31 リンク帯状部
33 リンク凹み部
60 外筒
61 外筒凸部
61a 外筒凸部凹み部
63 外筒凹部
65 外筒段差部
70 外筒繊維部
71 第1ストランド
72 第2ストランド
H チェーン本体段差高さ
T 外筒繊維部厚さ(外筒繊維部の厚さ)
Z チェーン長手方向
Z1 チェーン長手方向第1側
Z2 チェーン長手方向第2側