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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104881
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】マットレス
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/00 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
A47C27/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009290
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】523028574
【氏名又は名称】株式会社モーリス
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 公一
(72)【発明者】
【氏名】三崎 幸典
(72)【発明者】
【氏名】細川 達広
(72)【発明者】
【氏名】柏原 悠人
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB02
3B096AC12
3B096AC13
(57)【要約】
【課題】空気の吹き出し位置が変更可能で、空気を吹き出す要素を交換可能とする空調機能を備えたマットレスを提供すべく、検討した。
【解決手段】通気性を備えた扁平なブロックの側面に凹部111を開口させたマットレス本体11と、凹部111に着脱自在に嵌め込まれる空調ユニット21とから構成され、空調ユニット21は、凹部111に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロック121に、ブロック121が凹部111に嵌め込まれた状態で凹部111の開口から見えるブロック121の側面に吸気ファン124が取り付けられ、凹部111に嵌め込まれた状態で凹部111の開口から見える側面以外のブロック121の側面と上面とを遮蔽面122で覆い、遮蔽面122に部分的な空気の吹き出し孔123が設けられたマットレス1である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を備えた扁平なブロックの側面に凹部を開口させたマットレス本体と、凹部に着脱自在に嵌め込まれる空調ユニットとから構成され、
空調ユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックに、ブロックが凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見えるブロックの側面に吸気ファンが取り付けられ、凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見える側面以外のブロックの側面と上面とを遮蔽面で覆い、遮蔽面に部分的な空気の吹き出し孔が設けられたマットレス。
【請求項2】
通気性を備えた扁平なブロックの側面に凹部を開口させたマットレス本体と、凹部に着脱自在に嵌め込まれる空調ユニットと、凹部に着脱自在に嵌め込まれるダミーユニットとから構成され、
空調ユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックに、ブロックが凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見えるブロックの側面に吸気ファンが取り付けられ、凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見える側面以外のブロックの側面と上面とを遮蔽面で覆い、遮蔽面に部分的な空気の吹き出し孔が設けられ、
ダミーユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックであり、空調ユニット及びダミーユニットは、合計2つ以上を組み合わせて凹部に嵌め込むマットレス。
【請求項3】
通気性を備えた扁平なブロックの側面に凹部を開口させたマットレス本体と、凹部に着脱自在に嵌め込まれる空調ユニットと、凹部に着脱自在に嵌め込まれるダミーユニットとから構成され、
空調ユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックに、ブロックが凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見えるブロックの側面に吸気ファンが取り付けられ、凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見える側面以外のブロックの側面と上面とを遮蔽面で覆い、遮蔽面に部分的な空気の吹き出し孔が設けられ、
ダミーユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックであり、
空調ユニット及びダミーユニットは、いずれかを選択して凹部に嵌め込むマットレス。
【請求項4】
マットレス本体は、左右に横断して左側面及び右側面に開口し、上面に開口しない溝である凹部が設けられた請求項1~3いずれか記載のマットレス。
【請求項5】
マットレス本体は、左側面又は右側面いずれかに開口し、上面に開口しない切り欠きである凹部が設けられた請求項1~3いずれか記載のマットレス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機能を備えたマットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
夏場の暑苦しさを解消して快適な睡眠を得るため、空冷機能を備えたマットレスが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1は、内部の通気路に連通する通気孔を形成した筐体と、通気孔を覆うように筐体の上面に覆設された表面材と、筐体の通気路に除湿空気を供給する空調装置とを備えたマットレス(空調マット)を開示する(特許文献1・請求項1)。特許文献1が開示するマットレスは、表面材自体が冷却されることで、例えば寝苦しい夏等に安眠できる効果が得られる(特許文献1・[0028])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-248807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示するマットレスは、通気孔を形成した筐体が位置固定され、交換不能である。筐体が位置固定されていると、マットレスにおける空気の吹き出し位置が固定され、例えば利用者ごとに空気の吹き出し位置を設定できない。また、筐体が交換不能であると、筐体が汚れる又は破損した場合に交換や修理ができない。そこで、空気の吹き出し位置が変更可能で、空気を吹き出す要素を交換可能とする空調機能を備えたマットレスを提供すべく、検討した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
検討の結果開発したものが、通気性を備えた扁平なブロックの側面に凹部を開口させたマットレス本体と、凹部に着脱自在に嵌め込まれる空調ユニットとから構成され、空調ユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックに、ブロックが凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見えるブロックの側面に吸気ファンが取り付けられ、凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見える側面以外のブロックの側面と上面とを遮蔽面で覆い、遮蔽面に部分的な空気の吹き出し孔が設けられたマットレス(説明の便宜上、「基本型」と呼ぶ)である。マットレス本体を構成する通気性を備えた扁平なブロックや、空調ユニットを構成する通気性を備えたブロックは、高発泡率の発泡樹脂ブロックや樹脂繊維が絡んだ三次元網状繊維構造体が例示される。
【0006】
基本型のマットレスは、マットレス本体の凹部それぞれに空調ユニットが嵌め込まれた状態で、吸気ファンが取り込んだ空気を遮蔽面の吹き出し孔からマットレス本体の内部に吹き出す。凹部に嵌め込まれた空調ユニットは、凹部から取り外せる。ファンは、例えばマットレス本体に配置された給電線又は制御線により、外部の給電装置及び制御装置と接続される。また、ファンは、空調ユニットを構成するバッテリから給電され、空調ユニットを構成する制御部を無線により制御されるようにしてもよい。
【0007】
本発明のマットレスは、通気性を備えた扁平なブロックの側面に凹部を開口させたマットレス本体と、凹部に着脱自在に嵌め込まれる空調ユニットと、凹部に着脱自在に嵌め込まれるダミーユニットとから構成され、空調ユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックに、ブロックが凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見えるブロックの側面に吸気ファンが取り付けられ、凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見える側面以外のブロックの側面と上面とを遮蔽面で覆い、遮蔽面に部分的な空気の吹き出し孔が設けられ、ダミーユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックであり、空調ユニット及びダミーユニットは、合計2つ以上を組み合わせて凹部に嵌め込む構成とすることもできる(説明の便宜上、「組み合わせ型」と呼ぶ)。
【0008】
組み合わせ型のマットレスは、空調ユニット及びダミーユニットを合計2つ以上組み合わせて凹部に嵌め込む。ここにいう空調ユニット及びダミーユニットの組み合わせは、空調ユニット及びダミーユニットがいずれも少なくとも1つ以上ある場合のほか、空調ユニットだけ又はダミーユニットだけでもよい。凹部に組み合わせて嵌め込む空調ユニット及びダミーユニットは、同じ大きさで凹部を等分する形状が好ましいが、安定して凹部に嵌め込まれるのであれば、それぞれの大きさや形状が異なっても構わない。
【0009】
また、本発明のマットレスは、通気性を備えた扁平なブロックの側面に凹部を開口させたマットレス本体と、凹部に着脱自在に嵌め込まれる空調ユニットと、凹部に着脱自在に嵌め込まれるダミーユニットとから構成され、空調ユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックに、ブロックが凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見えるブロックの側面に吸気ファンが取り付けられ、凹部に嵌め込まれた状態で凹部の開口から見える側面以外のブロックの側面と上面とを遮蔽面で覆い、遮蔽面に部分的な空気の吹き出し孔が設けられ、ダミーユニットは、凹部に嵌め込まれる大きさで通気性を備えたブロックであり、空調ユニット及びダミーユニットは、いずれかを選択して凹部に嵌め込む構成とすることもできる(説明の便宜上、「交換型」と呼ぶ)。
【0010】
交換型のマットレスは、空調ユニット及びダミーユニットを選択して、いずれかを凹部に嵌め込む。凹部に嵌め込む空調ユニット又はダミーユニットは、同じ大きさや形状であることが望ましいが、それぞれが独立して凹部に嵌め込めればよいため、異なる大きさや形状であっても構わない。また、空調ユニット及びダミーユニットのいずれかを凹部に嵌め込むだけなので、嵌め込む空調ユニットやダミーユニットが複数単位であってもよい。
【0011】
マットレス本体は、嵌め込んだ空調ユニットの存在が表面に表れないように、上面を開口しない凹部が好ましい。具体的には、マットレス本体は、左右に横断して左側面及び右側面に開口し、上面に開口しない溝である凹部が設けられた構成や、左側面又は右側面いずれかに開口し、上面に開口しない切り欠きである凹部が設けられた構成とする。いずれの凹部も、底面は開口されていても、閉鎖されていてもよい。また、溝である凹部に嵌め込む空調ユニットは、凹部の開口から見える左側面及び右側面の両方に吸気ファンを設けてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のマットレスは、空調ユニットがマットレスを敷いた室内の空気をマットレス本体の内部に取り込み、マットレス本体の上面から放出する空気の流れにより、夏場の暑苦しさを解消し、快適な睡眠をもたらす。マットレス本体は、マットレスを敷いた室内の環境雰囲気までしか冷却されないので、過剰冷房にならない。そして、本発明のマットレスは、空調ユニットが凹部から着脱自在なので、交換、修理のほか、吹き出し孔の異なる仕様の空調ユニットに交換して空気の吹き出し位置を変更し、空調の程度を調整できる。
【0013】
組み合わせ型のマットレスは、凹部それぞれにおける空調ユニットの数及び位置が変更でき、マットレスを敷いた室内の空気を取り込む位置や各空調ユニットの空気の吹き出し位置を変更して、空調の程度を細かく調整できる。交換型のマットレスは、空調ユニットをダミーユニットに代えて、空気の吹き出し位置を減らして空調の程度を調整できる。組み合わせ型のマットレスや交換型のマットレスは、すべての凹部にダミーユニットを嵌め込むことで、電気敷布との組み合わせにより暖房器具として利用できる。
【0014】
凹部がマットレス本体を左右に横断して左側面及び右側面に開口し、上面に開口しない溝である構成は、マットレス本体に対する数を多くして、広範囲に空気を吹き出させることができる。また、凹部が左側面又は右側面いずれかに開口し、上面に開口しない切り欠きである構成は、凹部を除いたマットレス本体全体が繋がった状態を維持でき、マットレス本体の保形性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のマットレスの一例(基本型)を表す斜視図である。
図2】本例(基本型)のマットレス本体を下面側から見た斜視図である。
図3】本例(基本型)に用いる空調ユニットの斜視図である。
図4】本例(基本型)のマットレスにおける空気の吹き出しを表す平面図である。
図5】本発明のマットレスの別例1(組み合わせ型)を表す斜視図である。
図6】別例1(組み合わせ型)のマットレス本体を下面側から見た斜視図である。
図7】別例1(組み合わせ型)に用いる空調ユニットの斜視図である。
図8】別例1(組み合わせ型)に用いるダミーユニットの斜視図である。
図9】交換型用の空調ユニット及びダミーユニットを用いた別例1のマットレスを表す斜視図である。
図10】本発明のマットレスの別例2(交換型)を表す斜視図である。
図11】別例2(交換型)のマットレス本体を下面側から見た斜視図である。
図12】別例2(交換型)に用いる空調ユニットの斜視図である。
図13】別例2(交換型)に用いるダミーユニットの斜視図である。
図14】組み合わせ型用の空調ユニット及びダミーユニットを用いた別例2のマットレスを表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明の基本型であるマットレス1は、例えば図1に見られるように、通気性を備えたマットレス本体11と、マットレス本体11に設けられた凹部111に着脱自在に嵌合させる空調ユニット12とから構成される(本例)。基本型のマットレス1は、そのまま使用してもよいが、通気性のあるマットレスカバー(図示略)を適宜被せて使用してもよい。
【0017】
マットレス本体11は、通気性を備えた三次元網状繊維構造体の扁平なブロックである(マットレス本体11を構成するブロックに施されたハッチング(六角形の繰り返しパターン)は、三次元網状繊維構造体を表す。以下、同じ)。凹部111は、マットレス本体11の左右に横断して左側面及び右側面に開口し、上面に開口しない溝である(図2参照)。本例の凹部111は、マットレス本体11の長手方向等間隔で、真ん中の凹部111がマットレス本体11の長手方向中央に位置するように、3列設けられている。凹部111は、すべて同じ形状で、横長の断面長方形である。
【0018】
本例のマットレス本体11は、凹部111の上面に露出する給電線112及び制御線113が、左側面、前側面および右側面に沿って前記記載順に取り回され、配置されている。給電線112及び制御線113は、マットレス本体11の後側面から引き出され、電源部及び制御部を内蔵した操作ユニット114に接続される。給電線112及び制御線113の取り回し方やマットレス本体11からの引き出し方は自由である。操作ユニット114は、商用電源(図示略)に接続される。
【0019】
空調ユニット12は、図3に見られるように、マットレス本体11の凹部111の転写構造から吸気ファン124の厚みだけ除いた大きさで、通気性を備えた三次元網状繊維構造体のブロック121の左右両側面それぞれに吸気ファン124が取り付けられ、前記ブロック121の前側面、後側面、上面及び下面を覆う遮蔽面122のうち、前側面及び後側面それぞれに空気の吹き出し孔123が7個ずつ設けられた構成である。
【0020】
遮蔽面122は、通気性の悪い綿生地等、吹き出し孔123に露出するブロック121に比べて通気性の劣る素材で構成される。本例の吹き出し孔12は、円形開口で、左右中央に3個並び、左側面及び右側面に寄った位置に2個ずつ並べられている。複数設けられる吹き出し孔12は、後述する空気の吹き出し位置や総量を調整するため、開口形状を変えたり、大きさを変えたりしたものを組み合わせて配置してもよい。
【0021】
吸気ファン124は、空調ユニット11を凹部111に嵌め込んだ状態で、マットレス本体11の左側面及び右側面に揃うように、ブロック121に一体化されている。吸気ファン124は、プロペラを囲むケーシングの上面に2条の接続端子125が設けられている。空調ユニット12は、凹部111に嵌めると接続端子125が給電線112及び制御線113に接触し、給電線112から給電され、制御線113から操作ユニット114の制御信号を受信して、例えばオンオフ制御、風量制御される。
【0022】
本例のマットレス1は、図4に見られるように、マットレス本体11の凹部111それぞれに嵌め込まれた空調ユニット12の吸気ファン124が、マットレス1を敷いた室内から取り込んだ空気を吹き出し孔123からマットレス本体11の内部に吹き出し、上面から外部に放出する(空気の流れは破線矢印参照)。吸気ファン124が取り込んだ空気は、通気性を有するブロック121全体に行き渡るが、ブロック121全体が遮蔽面122に覆われているため、開口された吹き出し孔123からしか空気を吹き出さない。
【0023】
空調ユニット12による空気の吹き出しが吹き出し孔123に限定されることから、同じ外形の空調ユニット12でも、吹き出し孔123の位置を異ならせると、空気の吹き出し位置が変わり、また吹き出す総量を変えることできる。こうして、空調ユニット12は、吹き出し孔123の異なる数種類を用意しておけば、空調ユニット12を交換するだけで空気の吹き出し位置を変えたり、吹き出す総量を変えたりすることができる。また、空調ユニット12は、凹部111から取り外して修理することもできる。
【0024】
本発明は、空調ユニット22と共に、ダミーユニット23を組み合わせて用いることで、空気の吹き出し位置や吹き出し総量を加減できる。組み合わせ型のマットレス2は、図5に見られるように、通気性を備えたマットレス本体21の凹部211それぞれに対し、空調ユニット22及びダミーユニット23を選択的に組み合わせて着脱自在に嵌め込む(別例1)。別例1のマットレス2は、そのまま使用してもよいが、本例のマットレス1同様、マットレスカバー(図示略)を適宜被せて使用することもできる。
【0025】
マットレス本体21は、通気性を備えた三次元網状繊維構造体の扁平なブロックである。凹部211は、すべて同じ横長の断面長方形で、マットレス本体21の上面に開口せず、左右に横断する溝であり、マットレス本体21の長手方向等間隔に11列設けられている(図6参照)。別例1のマットレス本体21は、本例のマットレス本体11同様、凹部211の上面に露出する給電線212及び制御線213が配置され、マットレス本体21の後側面から引き出された給電線112及び制御線113が操作ユニット114に接続される。
【0026】
空調ユニット22は、図7に見られるように、マットレス本体21の凹部211の転写構造を幅方向(マットレス本体21の長手方向)に二等分し、吸気ファン224の厚みを除いた大きさの通気性を備えた三次元網状繊維構造体のブロック221の左右両側面それぞれに吸気ファン224が取り付けられ、前記ブロック221を覆う遮蔽面222の前側面及び後側面それぞれに円形開口の空気の吹き出し孔223が7個ずつ設けられた構成である。遮蔽面222は、吹き出し孔223に露出するブロック221に比べて通気性の劣る素材で構成される。
【0027】
空調ユニット22を凹部211に嵌め込んだ状態でマットレス本体21の左側面及び右側面に揃う吸気ファン224は、プロペラを囲むケーシングの上面に2条の接続端子225が設けられている。空調ユニット22は、凹部211に嵌めると接続端子225が給電線212及び制御線213に接触し、給電線212から給電され、制御線213から操作ユニット214の制御信号を受信して、例えばオンオフ制御、風量制御される。
【0028】
ダミーユニット23は、図8に見られるように、マットレス本体21の凹部211の転写構造を幅方向に二等分した大きさの通気性を備えた三次元網状繊維構造体のブロック231である。別例1のマットレス2は、1つの凹部211に対して、(1)空調ユニット22を2本、(2)空調ユニット22及びダミーユニット23を1本ずつ、(3)ダミーユニット23を2本嵌め込むことができる。(2)の構成は、空調ユニット22とダミーユニット23と前後位置を入れ替えることで、2通りある。
【0029】
これにより、別例1のマットレス2は、凹部211から空調ユニット22を単に着脱するだけでなく、空調ユニット22及びダミーユニット23の組み合わせにより、空気の吹き出し位置や噴き出す総量を細かく調整できる。また、すべての凹部211にダミーユニット23だけを嵌め込むと、別例1のマットレス2は、通気性を備えたブロックのみで構成されることになる。このとき、別例1のマットレス2は、例えばマットレス本体21の下面に電気敷布を敷いて加温すれば、暖房用寝具として利用できる。
【0030】
組み合わせ型のマットレス2において、図9に見られるように、凹部211の転写構造となる交換型用の空調ユニット24及びダミーユニット25を用いることができる。交換型用の空調ユニット24及びダミーユニット25は、それぞれ組み合わせ型の空調ユニット22及びダミーユニット23と大きさが異なるだけで、仕様は同じである。交換型用の空調ユニット24及びダミーユニット25は、組み合わせ型の空調ユニット22及びダミーユニット23のすべてと置き換えてもよいし、例示のように併用してもよい。
【0031】
本発明は、空調ユニット32とダミーユニット33を単純に入れ替えて用いるだけでも、空気の吹き出し位置や吹き出し総量を加減できる。交換型のマットレス3は、図10に見られるように、通気性を備えたマットレス本体31の凹部311それぞれに対し、空調ユニット32又はダミーユニット33を選択的に選んで着脱自在に嵌め込む(別例2)。別例2のマットレス3は、そのまま使用してもよいが、本例のマットレス1同様、マットレスカバー(図示略)を適宜被せて使用することもできる。
【0032】
マットレス本体31は、通気性を備えた三次元網状繊維構造体の扁平なブロックである。凹部311は、長方形の一方の短辺側の角部を切り欠いた平面視変形六角形で、マットレス本体31の上面に開口せず、左側面又は右側面の一方にのみ開口する切り欠きであり、マットレス本体31の長手方向等間隔に左右それぞれ5個ずつ設けられている(図11参照)。別例2のマットレス本体31は、下面に通気性をない又は劣る底面シートが貼られており、凹部311は下面も開口していない。
【0033】
空調ユニット32は、図12に見られるように、マットレス本体31の凹部311の平面視形状から吸気ファン324の厚みを除いた扁平なバッテリ325と2基の吸気ファン324とを一体化し、ブロック321を着脱自在にバッテリ325に載せた構成である。ブロック321は、マットレス本体31の凹部311の転写構造から、吸気ファン224及びバッテリ325を除いた大きさで、通気性を備えた三次元網状繊維構造体からなり、吸気ファン324を取り付けた側面を除いた全体を遮蔽面322で覆い、遮蔽面322の角部を切り欠いた短辺側の側面及び上面に合計7個の吹き出し孔323を設けている。遮蔽面322は、吹き出し孔323に露出するブロック321に比べて通気性の劣る素材で構成される。
【0034】
別例2の空調ユニット32は、吸気ファン324を囲むケーシングに通信部、制御部を内蔵している。また、別例2の空調ユニット32は、吸気ファン324に一体化したバッテリから給電される。これにより、別例2の空調ユニット32は、無線通信できる外部の操作ユニット(例えばスマートフォン)34から通信部が制御信号を受信し、制御部に制御信号を受け渡すことにより、吸気ファン324をオンオフ制御、風量制御できる(図10参照)。このため、別例2のマットレス3は、マットレス本体31に給電線及び制御線を配置していない。
【0035】
ダミーユニット33は、図13に見られるように、マットレス本体31の凹部311の転写構造で、通気性を備えた三次元網状繊維構造体のブロック331である。別例2のマットレス3は、空調ユニット32及びダミーユニット33の選択的にマットレス本体31の凹部311に嵌め込むことにより、空調ユニット32の位置や数に応じて、空気の吹き出し位置や噴き出す総量を調整できる。また、別例2のマットレス3は、すべての凹部311にダミーユニット33だけを嵌め込み、マットレス本体31の下面に電気敷布を敷いて加温すれば、暖房用寝具として利用できる。
【0036】
交換型のマットレス3において、図14に見られるように、凹部311の転写構造を前後方向に等分する大きさの組み合わせ型用の空調ユニット35及びダミーユニット36を用いることができる。組み合わせ型用の空調ユニット35及びダミーユニット36は、前後対称な凹部311の転写構造を等分しているため、平面視形状が2種類ある。組み合わせ型用の空調ユニット35及びダミーユニット36は、それぞれ交換型の空調ユニット32及びダミーユニット33と大きさが異なるだけで、仕様は同じである。組み合わせ型用の空調ユニット35及びダミーユニット36は、交換型の空調ユニット32及びダミーユニット33のすべてと置き換えてもよいし、例示のように併用してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 マットレス
11 マットレス本体
12 空調ユニット
2 マットレス
21 マットレス本体
22 空調ユニット
23 ダミーユニット
24 交換型用の空調ユニット
25 交換型用のダミーユニット
3 マットレス
31 マットレス本体
32 空調ユニット
33 ダミーユニット
34 操作ユニット
35 組み合わせ型用の空調ユニット
36 組み合わせ型用のダミーユニット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14