(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104884
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ルータ装置及びネットワーク制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0686 20220101AFI20240730BHJP
H04L 43/0811 20220101ALI20240730BHJP
H04L 41/026 20220101ALI20240730BHJP
【FI】
H04L41/0686
H04L43/0811
H04L41/026
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009300
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】染谷 昌史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伸祐
(72)【発明者】
【氏名】小熊 敦剛
(72)【発明者】
【氏名】笹村 将義
(57)【要約】
【課題】 ルータ装置側で不具合が発生した場合に、要求元が、一般ユーザでも、管理者ユーザでも、手間を掛けることなく、迅速に不具合を解消できるようにする。
【解決手段】 検出制御部112は、WAN通信I/F103を通じてインターネットに要求を送出するようにした場合に、当該要求を適切に送出できずに送出を打ち切った場合を検出する。検出制御部112で要求の送出を打ち切ったことを検出した場合に、判別制御部113が、受け付けた要求に含まれる送出元情報に基づいて、当該要求の送出元が、一般ユーザPC2か管理者ユーザPC3かを判別する。制御部110は、判別制御部113での判別結果に応じて、LAN5に接続された要求の送出元に対する処理を変える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のネットワークと第2のネットワークとの間でデータを中継するルータ装置であって、
前記第1のネットワークには、一般ユーザが使用する一般端末装置とネットワーク管理者が使用する管理者端末装置とを含む情報処理装置が接続されており、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から前記第2のネットワーク上に送出する要求を受け付ける第1の通信インターフェース手段と、
前記第1の通信インターフェース手段を通じて受け付けた前記要求を、前記第2のネットワークに送出する第2の通信インターフェース手段と、
前記第2の通信インターフェース手段を通じて前記第2のネットワークに前記要求を送出するようにした場合であって、前記要求を適切に送出できずに送出を打ち切った場合を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記要求の送出を打ち切ったことを検出した場合に、前記要求に含まれる送出元識別情報に基づいて、前記要求の送出元が、前記一般端末装置か前記管理者端末装置かを判別する判別手段と、
前記判別手段での判別結果に応じて、対応処理を変える制御手段と
を備えることを特徴とするルータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のルータ装置であって、
前記制御手段は、前記判別手段により、前記要求の送出元が、前記管理者端末装置であると判別された場合に、当該管理者端末装置に対して、当該ルータ装置の設定画面を提供する管理画面制御部
を備えることを特徴とするルータ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のルータ装置であって、
前記制御手段は、前記判別手段により、前記要求の送出元が、前記一般端末装置であると判別された場合に機能する、エラー画面制御手段と管理者通知制御手段とを備え、
前記エラー画面制御手段は、当該ルータ装置側に異常があることを通知するものであり、
前記管理者通知制御手段は、前記第1のネットワークに接続されている前記管理者端末装置に対して、当該ルータ装置側に異常があることを自動で通知するものである
ことを特徴とするルータ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のルータ装置であって、
前記第1のネットワークには、前記第1のネットワーク内において電子メールの送受信を可能にするメールサーバ装置が接続されており、
前記管理者通知制御手段は、前記メールサーバ装置を通じて電子メールにより、前記管理者端末装置に対して通知を行う
ことを特徴とするルータ装置。
【請求項5】
第1のネットワークと第2のネットワークとの間でデータを中継するルータ装置に搭載されたコンピュータで実行されるネットワーク制御プログラムであって、
前記第1のネットワークには、一般ユーザが使用する一般端末装置とネットワーク管理者が使用する管理者端末装置とを含む情報処理装置が接続されており、
前記ルータ装置は、前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から前記第2のネットワークに送出する要求を受け付ける第1の通信インターフェース手段と、前記第1の通信インターフェース手段を通じて受け付けた前記要求を、前記第2のネットワークに送出する第2の通信インターフェース手段とを備えるものであり、
前記第2の通信インターフェース手段を通じて前記第2のネットワークに前記要求を送出するようにした場合であって、前記要求を適切に送出できずに送出を打ち切った場合を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで前記要求の送出を打ち切ったことを検出した場合に、前記要求に含まれる送出元識別情報に基づいて、前記要求の送出元が、前記一般端末装置か前記管理者端末装置かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップでの判別結果に応じて、対応処理を変える制御ステップと
を実行することを特徴とするネットワーク制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2つ以上の異なるネットワーク間でデータを中継する通信機器であるルータ装置、当該ルータ装置においてデータを送出する側のネットワークに接続できない場合に機能するネットワーク制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ルータ装置においては、その機能を利用するために設定が必要になるものがあり、一般ユーザが容易に行うことが難しいものもある。このため、ルータ装置の設置場所にネットワーク管理者が出向き、種々の設定を行わなければならない。しかし、ネットワーク管理者がルータ装置の設置場所にいちいち出向かなければならないのは面倒であるし、迅速な設定ができない。このため、後に記す特許文献1に開示されているように、第1のネットワークに接続可能である一方、第2のネットワークに接続するための設定が必要な通信装置において、その設定を自動的に行えるようにするサーバ及びシステムに関する発明が開示されている。このように、ルータ装置に対しては、設置場所に出向かなくても必要な設定を自動的に行えるようにする環境が整えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、
図6(A)に示すように、PC(Personal Computer)501が、ルータ装置502及びONU(Optical Network Unit)503を通じてインターネット504に接続される通信環境について考える。
図6において、ルータ装置502は、PC501が接続されているLAN(Local Area Network)側とWAN(Wide Area Network)側との間でデータを中継する装置である。ここで、LANは、周知のように、企業のオフィスや工場などの事業所、学校、家庭などの限られたエリアで使用されるコンピュータネットワークである。これに対してWANは、LANに比較して広い範囲におよぶコンピュータネットワークを意味し、この明細書においては、インターネットとほぼ同義の文言として使用する。
【0005】
従って、ルータ装置502に対しては、WAN側に接続可能にするための設定を、PC501が接続されたLAN側から行うことが可能になる。当該設定が行われ、ルータ装置502及びONU503を通じてインターネット504に接続可能になったとする。この後において、ルータ装置502に不調が生じるなど、ルータ装置502側に不具合が生じて、
図6(A)において×印で示したように、ルータ装置502とインターネット504との接続が切れたとする。この場合、PC501からインターネット504にアクセスしようとすると、
図6(B)に示すように、インターネットに接続されていない旨の通知がなされ、いくつかの対応が指示される場合もある。
【0006】
ルータ装置502側の不具合が原因でインターネット504への接続ができない場合、PC501のユーザ(使用者)は、自分がネットワーク管理者でない限り、何処に問題が生じているのかが分からない。このため、PC501の使用者は、
図6(B)に示したメッセージ表示に基づいて、自分ができる対処を行うことになるが、問題を解決することはできない。結局、PC501のユーザは、ネットワーク管理者に連絡を取り、問題の解決を依頼することになる。従って、不必要に手間や時間がかかってしまい、迅速な復旧を図ることができない。
【0007】
以上のことに鑑み、この発明は、ルータ装置側で不具合が発生した場合に、要求元が、一般ユーザであっても、また、管理者ユーザであっても、手間を掛けることなく、迅速に不具合を解消できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のルータ装置は、
第1のネットワークと第2のネットワークとの間でデータを中継するルータ装置であって、
前記第1のネットワークには、一般ユーザが使用する一般端末装置とネットワーク管理者が使用する管理者端末装置とを含む情報処理装置が接続されており、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置から前記第2のネットワークに送出する要求を受け付ける第1の通信インターフェース手段と、
前記第1の通信インターフェース手段を通じて受け付けた前記要求を、前記第2のネットワークに送出する第2の通信インターフェース手段と、
前記第2の通信インターフェース手段を通じて前記第2のネットワークに前記要求を送出するようにした場合であって、前記要求を適切に送出できずに送出を打ち切った場合を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記要求の送出を打ち切ったことを検出した場合に、前記要求に含まれる送出識別情報に基づいて、前記要求の送出元が、前記一般端末装置か前記管理者端末装置かを判別する判別手段と、
前記判別手段での判別結果に応じて、対応処理を変える制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明のルータ装置によれば、第1のネットワークと第2のネットワークとの間でデータを中継する機能を有する。第1のネットワークには、一般ユーザが使用する一般端末装置とネットワーク管理者が使用する管理者端末装置とを含む情報処理装置が接続されている。第1のネットワークに接続された情報処理装置から第1の通信インターフェース手段を通じて、第2のネットワークに送出する要求を受け付けると、これを第2の通信インターフェース手段を通じて第2のネットワークに送出する。
【0010】
検出手段は、第2の通信インターフェース手段を通じて第2のネットワークに要求を送出するようにした場合に、当該要求を適切に送出できずに送出を打ち切った場合を検出する。検出手段で要求の送出を打ち切ったことを検出した場合に、判別手段が、受け付けた要求に含まれる送出元識別情報に基づいて、当該要求の送出元が、一般端末装置か管理者端末装置かを判別する。制御手段は、判別手段での判別結果に応じて、第1のネットワークに接続された要求の送出元に対する処理を変える。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、第2のネットワークに送出するようにした要求を適切に送出できずに当該要求の送出を打ち切った場合に、第1のネットワークに接続された要求の送出元の情報処理装置が、一般端末装置か管理者端末装置かに応じて処理を変えることができる。これにより、異なるネットワーク間でデータを中継するルータ装置側で不具合が発生しても、要求の送出元が、一般ユーザであっても、また、ネットワーク管理者であっても、迅速に不具合の解消を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態の通信システムとルータ装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【
図2】要求の送出元が管理者ユーザPCである場合の実施の形態の通信システムでの処理を説明するための図である。
【
図3】要求の送出元が一般ユーザPCである場合の実施の形態の通信システムでの処理を説明するための図である。
【
図4】実施の形態のルータ装置で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図4のフローチャートのステップS107で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【
図6】従来のルータ装置を用いて構成された通信システムでの不具合について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながらこの発明による装置、プログラムの実施の形態について説明する。この発明の装置は、2つ以上の異なるネットワーク間でデータを中継する通信機器であるルータ装置であり、以下に説明する実施の形態では、説明を簡単にするため、LANとWANとの間でデータを中継する場合を例にして説明する。また、この発明のプログラムは、ルータ装置に搭載されたコンピュータにより実行されるものである。詳細は後述するが、この発明のプログラムは、LANに接続された情報処理装置からの要求を、WANに送出するようにしたが、適切に送出されずに送出が中断された場合に実行されるネットワーク制御プログラムである。
【0014】
[通信システムとルータ装置の構成例]
図1は、実施の形態の通信システムとルータ装置の構成例を説明するためのブロック図である。
図1に示すように、ルータ装置1は、LAN5に接続された装置と、WAN側、すなわちインターネットに接続された装置との間で、相互に通信を可能にするものである。ONU6は、光通信ネットワークの終端に設置され、光信号と電気信号との間の変換と光信号の多重/分離をするデータ回線終端装置である。すなわち、この実施の形態において、少なくともインターネットとONU6とを接続する通信路は、光通信ネットワークである。LAN5は、例えば、企業のオフィスに構築されたものであり、一般ユーザPC2、管理者ユーザPC3、ローカルメールサーバ4が接続されている。
【0015】
一般ユーザPC2は、一般の従業員が業務に使用するものであり、
図1では1台しか示していないが、例えば各従業員に1台が割り当てられ、複数台の一般ユーザPCがLAN5には接続されている。管理者ユーザPC3は、通信ネットワークの構築や保守を行うネットワーク管理者が使用するものであり、
図1では1台しか示していないが、複数台設けられて、LAN5に接続されている場合もある。ローカルメールサーバ4は、LAN5に接続された機器間で電子メールの送受信を行うために設けられたものである。従って、ルータ装置1がインターネットに接続されていなくても、LAN5に接続された機器間であれば、電子メールの送受信が可能になっている。
【0016】
ルータ装置1は、
図1に示すように、LAN通信I/F(Inter Face)101と、WAN通信I/F(Inter Face)と、制御部110と、記憶部120とを備える。LAN通信I/F101は、LAN側のインターフェースである。LAN通信I/F101は、LAN5を通じて送信されてきたデータを、ルータ装置1において処理が可能な形式のデータに変換して取り込む。また、LAN通信I/F101は、ルータ装置1よりLAN5に送出するデータを送信用のデータに変換してLAN5に送出する。
【0017】
WAN通信I/F102は、WAN側のインターフェースである。WAN通信I/F102は、WAN側から(インターネットを通じて)送信されてきたデータを、ルータ装置1において処理が可能な形式のデータに変換して取り込む。また、WAN通信I/F102は、ルータ装置1よりWAN側(インターネット)に送出するデータを送信用のデータに変換してWAN側に送出する。
【0018】
制御部110は、
図1に示したように、通信制御部111、検出制御部112、判別制御部113、管理画面制御部114、エラー画面制御部115、管理者通知制御部116を備える。通信制御部111は、後述する記憶部120の設定記憶部123のルーティングテーブルなどの格納情報を参照し、ルータ装置1を介して行う通信を制御する。検出制御部112は、ONU6を通じたWAN側(インターネット)との通信の正常性のいわゆるヘルスチェックを行う部分である。検出制御部112は、WAN通信I/F102を通じて、要求(リクエスト)をWAN側に送出するようにした場合に、当該要求を適切に送出できずにタイムアウトになり、送出を打ち切った場合に、これを検出する機能を有する。
【0019】
判別制御部113は、検出制御部112において、WAN側に送出した要求が適切に送信できずに、当該要求の送出を打ち切ったことを検出した場合に機能する。判別制御部113は、結果として送出できなかった要求に含まれる送出元識別情報である、当該要求の送出元を示すMAC(Media Access Control)アドレスに基づいて、当該要求の送出元が、一般ユーザPC2か管理者ユーザPC3かを判別する。当該判別は、後述する記憶部120の管理者MAC記憶部121に予め記憶保持される管理者ユーザPCのMACアドレスと照合することにより行うことができる。
【0020】
制御部110は、判別制御部113での判別結果に応じて、送信されなかった要求の送出元に対する処理を変える。具体的に、制御部110の管理画面制御部114は、判別制御部113において、WAN側に送出できなかった要求の送出元が、管理者ユーザPC3であると判別された場合に機能する。管理画面制御部114は、管理者ユーザPC3に対して、ルータ装置1の設定画面を提供し、WAN側への接続が切れている可能性があることを通知すると共に、設定の確認と見直しを促す。これにより、ネットワーク管理者によって、ルータ装置1とWAN側との間に生じている不具合を迅速に解消することが可能になる。この場合、ルータ装置1の設定画面は、ルータ装置1において、URL(Uniform Resource Locator)によって特定できるようになっており、いわゆるリダイレクト機能により、要求の送出元の管理者ユーザPC3に提供できる。
【0021】
また、制御部110のエラー画面制御部115と管理者通知制御部116とは、判別制御部113において、WAN側に送出できなかった要求の送出元が、管理者ユーザPC3ではないと判別された場合に機能する。すなわち、この場合の要求の送出元は、一般ユーザPC2ということになる。具体的に、エラー画面制御部115は、ルータ装置1側に異常があることを、要求の送出元の一般ユーザPC2のユーザに通知するためのエラーメッセージを形成し、これを要求の送出元である一般ユーザPC2に提供する。当該エラーメッセージは、例えば、「WAN障害発生。ネットワーク管理者が対応中です。しばらくしてからご利用下さい。」といったものである。
【0022】
管理者通知制御部116は、ネットワーク管理者に対して、ルータ装置1側に異常があることを自動で通知する機能を実現する。通知の方式は種々の方式を用いることが可能である。例えば、LAN5に接続された機器間の通信であるので、LAN5で用いられるプロトコルに従って、ルータ装置1(発信元)とネットワーク管理者が使用する管理者ユーザPC3(発信先)とをMACアドレスで特定し、WAN側に異常があることを通知できる。また、ルータ装置1と管理者ユーザPC3とで、同じオペレーティングシステムあるいは互換性のあるオペレーティングシステムを用いている場合には、当該オペレーティングシステムで利用可能なデータ送信のためのコマンドを用いて送信可能である。このようにして、ルータ装置1からネットワーク管理者が使用する管理者ユーザPC3に対して、ルータ装置1側の不具合の発生を通知できる。
【0023】
しかし、LANで用いられるプロトコルに従ってLAN上で通信を行う場合やオペレーティングシステムで利用可能なコマンドを用いてLAN上で通信を行う場合には、通信可能な条件や機器に種々の設定を行う必要が生じる場合もある。そこで、この実施の形態の管理者通知制御部116は、LAN5に接続されているローカルメールサーバ4を通じて、LAN5に接続された機器間で可能になる電子メールの送受信機能を用いて、ネットワーク管理者に対する通知を実現する。従って、この実施の形態の管理者通知制御部116は、メール制御部としての機能を有する。
【0024】
このため、管理者通知制御部116は、後述する記憶部120の管理者メール記憶部122に記憶保持されているネットワーク管理者の電子メールアドレスを用いて、ネットワーク管理者への通知メールを作成し、これをLAN5に送出する。当該ネットワーク管理者宛ての電子メールは、ローカルメールサーバ4に記憶保持され、管理者ユーザPC3のメーラ(メールソフトウェア)を用いることにより受信して、ネットワーク管理者が閲覧できる。当該ネットワーク管理者宛ての電子メールは、例えば、「WAN障害発生 ルータを確認してください。」というメッセージ共に、ルータ装置1の設定画面にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を含むものである。当該URLは、ルータ装置1が備える設定画面にアクセスして、設定の追加、変更、削除を可能するためのものである。
【0025】
これにより、要求の送出元である一般ユーザPC2のユーザ(使用者)は、一般ユーザPC2側の不具合ではなく、ルータ装置1側に不具合が発生していることを明確に把握できる。しかも、自動でネットワーク管理者に対して、WAN側に不具合が発生していることを通知できるので、一般ユーザPC2のユーザは、自分から何かする必要はなく、安心してWAN側の不具合の解消を待つことができる。
【0026】
記憶部120は、不揮発性メモリなどの記憶媒体とそのドライバとからなり、記録媒体へのデータの書き込み、記録媒体からのデータの読み出し、記録媒体に記録されているデータの変更や削除を可能にする。この実施の形態のルータ装置1において、記憶部120は、管理者MAC記憶部121、管理者メール記憶部122、設定記憶部123を備える。管理者MAC記憶部121は、少なくとも管理者ユーザPC3のMACアドレスを記憶保持する。なお、管理者MAC記憶部121に対して、管理者ユーザPC3のMACアドレスと一般ユーザPCのMACアドレスとを区別可能な態様で記憶させておくようにしてもよい。
【0027】
管理者メール記憶部122は、少なくともネットワーク管理者の電子メールアドレスを記憶保持する。なお、管理者メール記憶部122に対して、ネットワーク管理者の電子メールアドレスと一般ユーザPCの電子メールアドレスとを区別可能な態様で記憶させておくようにしてもよい。設定記憶部123は、ルータ装置1が機能するために必要になる種々の設定情報を記憶保持する。
【0028】
このような構成を有するこの実施の形態のルータ装置1は、WAN側に送出するようにしたLAN5に接続された機器からの要求(リクエスト)が、正常に送出できなかった場合に、当該要求の送出元に応じて適切な対応を取ることができるようになっている。
【0029】
[通信システムの動作]
実施の形態のルータ装置1が用いてれ構成される通信システムの動作について、要求(リクエスト)の送出元が、管理者ユーザPC3である場合と、一般ユーザPC2である場合のそれぞれについて説明する。
【0030】
<要求(リクエスト)の送出元が管理者ユーザPC3である場合>
図2は、要求の送出元が管理者ユーザPC3である場合の実施の形態の通信システムでの処理を説明するための図である。
図2(A)に示すように、管理者ユーザPC3を通じて、例えば、ブラウザ(Webページ閲覧ソフト)を起動し、インターネット7上の所定の検索エンジンにアクセスする要求(リクエスト)が送出されたとする(ステップS1)。当該要求はルータ装置1が受信し、通信制御部111が機能して、WAN側(インターネット7側)に送出される(ステップS2)。この場合に、ルータ装置1側に何等かの不調、不具合があり、
図2(A)において大きな×印が示すように、インターネット7へは接続されていなかったとする。すなわち、管理者ユーザPC3とルータ装置1までの経路には問題はないが、ルータ装置1からインターネット7に至る経路で問題が生じている。
【0031】
この場合、ルータ装置1では、インターネット7に接続されていないため、インターネット7への要求の送出はタイムアウトになって断念される。この状態は、ルータ装置1の検出制御部112で検出される。検出制御部112において、要求の送出が断念されたことが検出されると、ルータ装置1では判別制御部113が機能し、要求の送出元は管理者ユーザPC3か否かが判別される。この例の場合、要求の送出元は、
図2に示したように、管理者ユーザPC3である。要求の送出元が管理者ユーザPC3であると判別された場合には、管理画面制御部114が機能し、上述したように、リダイレクト機能により、ルータ装置1の設定画面を管理者ユーザPC3に提供する(ステップS3)。
【0032】
図2(B)は、管理者ユーザPC3に提供され管理者ユーザPC3のディスプレイ3DPに表示されるルータ装置1の設定画面の例を示している。
図2(B)に示すように、当該設定画面では、「WANが切れています。設定を見直して下さい。」とのエラーメッセージと共に、ルータ装置1の設定画面が表示され、即座にルータ装置1の設定の見直し及び設定の修正を行うことができる。管理者ユーザPC3の利用者であるネットワーク管理者は、管理者ユーザPC3のディスプレイ3DPに表示されたルータ装置1の設定画面を見て、設定を確認し、必要に応じて設定を見直して修正入力を行う(ステップS4)。
【0033】
これにより、ルータ装置1では、設定記憶部123の設定が修正され、修正が完了したことの通知がルータ装置1から管理者ユーザPC3に通知される(ステップS5)。このようにして、ルータ装置1の例えば接続ポートを変更するなどの対応を迅速に取ることが可能になり、ルータ装置1側の不具合を解消して、管理者ユーザPC3からルータ装置1を介してインターネットへの接続を復旧させることができる。この
図2に示した例の場合には、要求の送出元が管理者ユーザPC3であるので、要求の送出元でない一般ユーザPCが関与することもない。
【0034】
なお、ルータ装置1の設定には問題がなく、ルータ装置1とONU6との接続が物理的に切れていたり、ONU6とインターネット7との接続が物理的に切れていたりする場合もある。しかし、ルータ装置1の設定に問題がない場合には、ネットワーク管理者は、種々の観点からルータ装置1側に発生している不具合を解消するようにする。このため、ルータ装置1からの設定画面の管理者ユーザPC3への提供を契機として、ルータ装置1側に発生している不具合を解消することができる。
【0035】
<要求(リクエスト)の送出元が一般ユーザPC2である場合>
図3は、要求の送出元が一般ユーザPC2である場合の実施の形態の通信システムでの処理を説明するための図である。
図3に示すように、一般ユーザPC2を通じて、例えば、ブラウザ(Webページ閲覧ソフト)を起動し、インターネット7上の所定の検索エンジンにアクセスする要求(リクエスト)が送出されたとする(ステップS11)。当該要求はルータ装置1が受信し、通信制御部111が機能して、WAN側(インターネット側)に送出される(ステップS12)。この場合に、ルータ装置1側に何等かの不調があり、
図3において大きな×印が示すように、インターネット7へは接続されていなかったとする。すなわち、一般ユーザPC2とルータ装置1までの経路には問題はないが、ルータ装置1からインターネット7に至る経路で問題が生じている。
【0036】
この場合、ルータ装置1においては、インターネット7に接続されていないため、インターネット7への要求の送出はタイムアウトになって断念される。この状態は、ルータ装置1の検出制御部112で検出される。検出制御部112において、要求の送出が断念されたことが検出されると、ルータ装置1では判別制御部113が機能し、要求の送出元は管理者ユーザPC3か否かが判別される。この例の場合、要求の送出元は管理者ユーザPC3ではなく、
図3に示したように一般ユーザPC2である。要求の送出元が一般ユーザPC2であると判別された場合には、エラー画面制御部115が機能し、エラーメッセージを一般ユーザPC2に提供する(ステップS13)。
【0037】
当該エラーメッセージは、上述もしたように、「WAN障害発生。ネットワーク管理者が対応中です。しばらくしてからご利用下さい。」といったものである。これにより、インターネット7に接続できないのは一般ユーザPC2側の問題ではなく、ネットワーク管理者が対応しなければ解決できない障害が発生しているためであることが、一般ユーザPC2を通じて一般ユーザに通知される。更に、上記のメッセージ内容から分かるように、ネットワーク管理者が対応中であることも通知される。このため、要求の送出元が一般ユーザPC2である場合には、管理者通知制御部116も機能する。
【0038】
すなわち、要求の送出元が一般ユーザPC2である場合には、管理者通知制御部116が機能し、上述もしたように、エラーメッセージがネットワーク管理者に送信される。ネットワーク管理者に対して、インターネット7に接続できない不具合の解消を要請するためである。簡単には、ネットワーク管理者が使用する管理者ユーザPC3にエラーメッセージを提供すればよい。しかし、この実施の形態では、簡単かつ確実にエラーメッセージをネットワーク管理者に届けるため、LAN5に接続されたローカルメールサーバ4を介した電子メールによりエラーメッセージの通知を行う。
【0039】
上述もしたように、管理者通知制御部116は、管理者メール記憶部122のネットワーク管理者の電子メールアドレスを用いて、ネットワーク管理者への通知メールを作成し、これをLAN5に送出する(ステップS14)。当該管理者宛ての電子メールは、ローカルメールサーバ4のネットワーク管理者用のメールボックスに記憶保持され、例えば、管理者ユーザPC3のメーラ(メールソフトウェア)を用いることにより受信して閲覧できる(ステップS15)。ネットワーク管理者宛ての当該電子メールは、例えば、「WAN障害発生 ルータを確認してください。」というメッセージ共に、例えば、「http:/192.168.1.1/setting」などといったルータ装置1の設定画面にアクセスするためのURLを含む。
【0040】
管理者ユーザPC3のユーザ(使用者)であるネットワーク管理者は、管理者ユーザPC3のメーラーを用いてルータ装置1から送信された当該エラーメールにアクセスし、記載されているURLを選択(クリック)する。これにより、LAN5を通じてルータ装置1にアクセスし、ルータ装置1の設定画面を管理者ユーザPC3のディスプレイに表示することができる。当該設定画面は、
図2(B)に示した設定画面と同様のものであるが、エラーメッセージはメールにより通知されているのでなくてもよい。従って、管理者ユーザPC3のユーザ(使用者)であるネットワーク管理者は、管理者ユーザPC3のディスプレイに表示されたルータ装置1の設定画面を通じて、設定を確認し、必要に応じて設定を見直して修正入力を行う(ステップS16)。
【0041】
これにより、ルータ装置1では、設定記憶部123の設定が修正され、
図3には図示していないが、修正が完了したことの通知がルータ装置1から管理者ユーザPC3に通知される。このようにして、ルータ装置1の例えば接続ポートを変更するなどの対応を迅速に取ることが可能になり、ルータ装置1側の不具合を解消することができる。この
図3に示した例の場合には、要求の送出元の一般ユーザPC2のユーザに対しては、WAN側で障害が発生しているために、ネットワーク管理者が対応する旨を通知することができる。更に、管理者ユーザPC3のユーザであるネットワーク管理者に対しても自動的にWAN側で障害が発生していることを通知し、障害解消のための対応を促すことができる。従って、一般ユーザPC2のユーザが、ネットワーク管理者に直接にアクセスし、WAN側の障害の解消を依頼する必要もない。
【0042】
なお、
図3に示した例の場合にも、ルータ装置1の設定には問題がなく、ルータ装置1とONU6との接続が物理的に切れていたり、ONU6とインターネット7との接続が物理的に切れていたりする場合もある。しかし、ルータ装置1の設定に問題がない場合には、ネットワーク管理者は、種々の観点からルータ装置1側に発生している不具合を解消するようにする。このため、ルータ装置1からのネットワーク管理者への電子メールの提供を契機として、ルータ装置1側に発生している不具合を解消することができる。
【0043】
[ルータ装置1で行われる処理]
<メイン処理>
次に、この実施の形態のルータ装置1で実行される処理についてまとめる。
図4は、実施の形態のルータ装置で実行される処理を説明するためのフローチャートである。
図4のフローチャートの処理は、通信システムを構成するルータ装置1に電源が投入されている間においては、ルータ装置1の主に制御部110において実行される。
【0044】
ルータ装置1の制御部110の通信制御部111は、LAN通信I/F101を通じてLAN5に接続された機器からの要求(リクエスト)を受信するようにし(ステップS101)、受信したか否かを判別する(ステップS102)。ステップS102の判別処理において、LAN5に接続された機器からの要求を受信していないと判別したときには、通信制御部111は、ステップS101からの処理を繰り返す。ステップS102の判別処理において、LAN5に接続された機器からの要求を受信したと判別したときには、通信制御部111は、WAN通信I/F102を通じて、当該要求をWAN側(インターネット7)に送出する(ステップS103)。
【0045】
この後、検出制御部112が機能し、ONU6を通じたWAN側との通信正常性をヘルスチェックする(ステップS104)。つまり、ステップS104では、ONU6を通じてWAN側と正常に通信が行われているかどかをチェックする。この後、検出制御部112は、ヘルスチェックはOKか否か、すなわち、正常に通信が行われているか否かを判別する(ステップS105)。ステップS105の判別処理において、正常に通信が行われていると判別したときには、通信制御部111が機能して、LAN通信I/F101及びWAN通信I/F102を通じた通常の通信処理が行われる(ステップS106)。この後、ステップS101からの処理を繰り返し、新たな要求に対応するようにされる。
【0046】
ステップS106の判別処理において、正常に通信が行われていない、すなわち要求の送出が中断されたと判別したときには、制御部110は、エラー処理を実行する(ステップS107)。このエラー処理の後、ステップS101からの処理が繰り返される。
【0047】
<エラー処理>
図5は、
図4のフローチャートのステップS107で行われるエラー処理を説明するためのフローチャートである。
図4に示したフローチャートのステップS107において、エラー処理が実行されると、まず、制御部110の判別制御部113が機能する。判別手段は、送出が中断された要求に含まれる送出元のMACアドレスを確認し(ステップS201)、管理者MAC記憶部121の格納情報を参照して、当該要求の送出元は管理者ユーザPC3か否かを判別する(ステップS202)。
【0048】
ステップS202の判別処理において、当該要求の送出元は管理者ユーザPC3であると判別したときには、管理画面制御部114が機能する。管理画面制御部114は、管理者ユーザPC3に対して、
図2(B)に示した態様で、ルータ装置1側に不具合が発生したことを通知すると共に、ルータ装置1の設定画面を提供する(ステップS203)。この後、ルータ装置1の通信制御部111は、管理者ユーザPC3からの提供した設定画面を通じた修正入力を受け付けて、設定記憶部123への設定の修正を実行する(ステップS204)。これにより、WAN側の不具合が修正するようにされる。このステップS204の処理の後、
図5に示すエラー処理を終了して、
図4のステップS107の処理に戻る。
【0049】
また、ステップS202の判別処理において、当該要求の送出元は管理者ユーザPC3ではない、すなわち一般ユーザPC2であると判別したときには、エラー画面制御部115と管理者通知制御部116が機能する。まず、エラー画面制御部115が機能して、ルータ装置1側に不具合が発生し、ネットワーク管理者が対応中である旨のメッセージを形成して、一般ユーザPC2に提供する(ステップS205)。これにより、要求の送出元である一般ユーザPC2のディスプレイに当該メッセージが表示され、一般ユーザは、ルータ装置1側に不具合が発生していること、ネットワーク管理者が対応することを把握できる。
【0050】
更に、管理者通知制御部116が機能し、ルータ装置1側に不具合が発生していることを知らせるネットワーク管理者宛ての電子メールを作成し、LAN5を通じて送信する(ステップS206)。当該電子メールは、WAN側に障害が発生したことを通知するメッセージとルータ装置1の設定画面にアクセスするためのURLが記載されたものである。この実施の形態では、管理者ユーザPC3に対して、ネットワーク管理者の電子メールアドレスについての受信設定をしておく。このため、ネットワーク管理者は、管理者ユーザPC3を通じて当該電子メールにアクセスし、当該電子メールのURLを選択(クリック)して、ルータ装置1の設定画面にアクセスし、設定の確認、修正を行うことになる。
【0051】
ルータ装置1の通信制御部111は、管理者ユーザPC3からの設定画面を通じて修正入力を受け付けて、設定記憶部123への修正を実行する(ステップS207)。これにより、WAN側の不具合が修正するようにされる。このステップS207の処理の後、
図5に示すエラー処理を終了して、
図4のステップS107の処理に戻る。
【0052】
[実施の形態の効果]
この実施の形態のルータ装置1によれば、WAN側(インターネット7)に不具合が発生し、LAN5側からの要求がWAN側に送出できない場合に、当該要求の送出元の情報処理装置に応じて、対応処理を変えることができる。すなわち、要求元の情報処理装置が、一般ユーザPC2か管理者ユーザPC3かに応じて適切な対応を取ることができる。従って、ルータ装置1側に発生した不具合であるにも関わらず、一般ユーザPC2側の問題であると考えて、不必要な対応を取ることもないし、一般ユーザPCのユーザが、ネットワーク管理者に連絡して不具合の解消を依頼する手間をかけることもない。
【0053】
上述した実施の形態では、一般ユーザPC2、管理者ユーザPC3とも1台しか示していないが、一般ユーザPC2、管理者ユーザPC3とも複数台がLAN5に接続される場合もある。しかし、要求の送出元は、MACアドレスにより一意に特定できるので、エラーの通知先を間違えることもない。
【0054】
[変形例]
上述した実施の形態のルータ装置1は、LAN5とWAN(インターネット7)の間のデータの中継を行うものとして説明したが、これに限るものではない。ルータ装置1は、LAN、WAN、MAN(Metropolitan Area Network)といった区別に関わりなく、異なる複数のネットワーク間でデータを中継する場合に適用可能である。すなわち、ルータ装置1に到達した要求を、他のネットワークに対して送出し、タイムアウトになった場合に、当該要求の送出元が、一般ユーザPCか管理者ユーザPCかに応じて、対応処理を変えることが可能である。
【0055】
また、上述した実施の形態では、要求の送出元が、一般ユーザPC2か管理者ユーザPC3かを判別するために、管理者ユーザPC3のMACアドレスを管理者MAC記憶部121に記憶保持するようにしたが、これに限るものではない。要求を送出した情報処理装置を一意に特定できる識別情報が存在する場合には、当該識別情報を用いることができる。例えば、要求の送出元となる情報処理装置のそれぞれに対して、IPアドレスが割り当てられている場合には当該IPアドレスを用いて、要求の送出元を特定することができる。
【0056】
また、上述した実施の形態では、一般ユーザPC3からの要求をインターネット7に送出できなかった場合に、ローカルメールサーバ4を介したローカルの電子メールにより、ネットワーク管理者に対してルータ装置1側の不具合の発生を通知した。また、別の方法を用いてLAN5を通じて、ルータ装置1から管理者ユーザPC3に通知してもよいことを説明した。しかし、これらに限るものではない。
【0057】
例えば、ネットワーク管理者が所持するスマートフォンにネットワーク管理者専用アプリを搭載しておき、携帯電話網を通じて、ルータ装置1とインターネット2との間に障害が発生したことを通知するようにしてもよい。もちろん、携帯電話網を通じて、いわゆるショートメッセージ機能を用いて、ネットワーク管理者が所持するスマートフォンに対して、ルータ装置1とインターネット2との間に障害が発生したことを通知するようにしてもよい。すなわち、ネットワーク管理者へのエラー通知は、接続不能になっているインターネット7以外のネットワークを介して通知するようにすればよい。しかし、上述したように、良好な通信が可能なLAN5を介して、ネットワーク管理者にエラー通知を行うことで、余分に通信コストがかかることもない。
【0058】
[その他]
ルータ装置1の通信制御部111、検出制御部112、判別制御部113、管理画面制御部114、エラー画面制御部115、管理者通知制御部116の各部の機能は、制御部110で実行されるソフトウェアによって、制御部110の機能として実現できる。すなわち、
図4、
図5のフローチャートに示した処理を行うプログラムが、この発明によるネットワーク制御プログラムの一実施の形態が適用されたものである。従って、
図4、
図5に示した処理を行うプログラムを作成し、ルータ装置に搭載し、ルータ装置のコンピュータで実行可能にしておくことにより、この発明のルータ装置を実現できる。
【符号の説明】
【0059】
1…ルータ装置、101…LAN通信I/F、102…WAN通信I/F、110…制御部、111…通信制御部、112…検出制御部、113…判別制御部、114…管理画面制御部、115…エラー画面制御部、116…管理者通知制御部、120…記憶部、121…管理者MAC記憶部、122…管理者メール記憶部、123…設定記憶部、2…一般ユーザPC、3…管理者ユーザPC、3DP…管理者ユーザPCのディスプレイ、4…ローカルメールサーバ、5…LAN、6…ONU、7…インターネット