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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104898
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】貨幣処理機
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/60 20190101AFI20240730BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20240730BHJP
【FI】
G07D11/60
G07D11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009327
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】北川 誠次
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA06
3E141AA08
3E141BA11
3E141CA09
3E141CB05
3E141DA05
3E141FJ05
3E141GA07
3E141LA61
(57)【要約】
【課題】操作者の業務効率向上を図ることが可能となる貨幣処理機を提供する。
【解決手段】一以上の取引に関わる伝票情報を入力可能な複数の操作入力部11と、一の操作入力部11によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作入力部11に向けて移譲する移譲指定部と、移譲指定部により移譲された伝票情報に基づいて取引を実行する制御部61,72と、を備える。一の操作入力部11によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作入力部11に向けて転送する承認依頼部を備え、他の操作入力部11に向けて転送した少なくとも一つの伝票情報に関し、他の操作入力部11の認否部からの承認を一の操作入力部11が受けることで、一の操作入力部11に入力された伝票情報に基づいて取引を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の取引に関わる伝票情報を入力可能な複数の操作入力部と、
一の操作入力部によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作入力部に向けて移譲する移譲指定部と、
前記移譲指定部により移譲された伝票情報に基づいて取引を実行する制御部と、
を備える貨幣処理機。
【請求項2】
前記移譲指定部は、
前記一の操作入力部により入力された一の伝票情報を前記他の操作入力部に向けて一件ずつ移譲することを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理機。
【請求項3】
前記移譲指定部は、
前記一の操作入力部により入力された複数の伝票情報の一部または全部を前記他の操作入力部に向けて一括して移譲することを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理機。
【請求項4】
前記他の操作入力部は、
前記移譲された伝票情報に関して、移譲元となる前記一の操作入力部への返却操作を可能とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の貨幣処理機。
【請求項5】
前記他の操作入力部は、
前記移譲された伝票情報に関して、伝票情報のデータについての修正操作を可能とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の貨幣処理機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記他の操作入力部により修正操作がなされた場合には、当該修正操作がなされた情報を記憶することを特徴とする請求項5に記載の貨幣処理機。
【請求項7】
一以上の取引に関わる伝票情報を入力可能な複数の操作入力部と、
一の操作入力部によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作入力部に向けて転送する承認依頼部と、
制御部と、を備え、
前記他の操作入力部は、転送された伝票情報に対して承認または否認する認否部を有し、
前記制御部は、前記他の操作入力部に向けて転送した少なくとも一つの伝票情報に関し、前記他の操作入力部の認否部からの承認を前記一の操作入力部が受けることで、前記一の操作入力部に入力された伝票情報に基づいて取引を実行する
貨幣処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等で使用される貨幣処理装置においては、貨幣の取引操作が行われる上位端末機が複数台、具体的には2台接続されて、これら上記端末機にシェアされる形態で使用される現金処理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
現金処理装置一台を二人で使用するシェア形態での装置では、一人が装置を占有して入金処理などの現金処理動作を行っている最中には、他の一人は当該現金処理動作の終了を待つ必要があり、全体としての処理時間の短縮をいかに図るかが常に課題となっている。特許文献1に開示される発明では、このようなシェア形態で使用される装置の問題を解決する一案が開示されている。特許文献1の発明によると、一方の操作者が入金処理を実施していても、入金口に他方の操作者が処理すべき現金を取り込むことを可能とすることで業務遂行の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-322623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の上位端末(以後、操作卓と呼ぶ)が貨幣処理装置に接続して運用される仕様においては、一の操作卓を使用している時には当然ながら一の操作卓での処理が優先され、他方の操作卓での処理は著しく制限されることになる。このため、当該他方の操作卓は全く使用できない状態も発生する。操作者の業務効率向上の観点からも改善が要望されている。
【0006】
本発明は、操作者の業務効率向上を図ることが可能となる貨幣処理機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、一以上の取引に関わる伝票情報を入力可能な複数の操作入力部と、一の操作入力部によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作入力部に向けて移譲する移譲指定部と、前記移譲指定部により移譲された伝票情報に基づいて取引を実行する制御部と、を備える。
【0008】
本発明に係る第2の態様は、一以上の取引に関わる伝票情報を入力可能な複数の操作入力部と、一の操作入力部によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作入力部に向けて転送する承認依頼部と、制御部と、を備え、前記他の操作入力部は、転送された伝票情報に対して承認または否認する認否部を有し、前記制御部は、前記他の操作入力部に向けて転送した少なくとも一つの伝票情報に関し、前記他の操作入力部の認否部からの承認を前記一の操作入力部が受けることで、前記一の操作入力部に入力された伝票情報に基づいて取引を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作者の業務効率向上を図ることが可能となる貨幣処理機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機を示す正面図である。
図2】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機における表示操作部の伝票情報入力画面の一例を示す図である。
図3】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機における表示操作部の伝票情報表示画面の一例を示す図である。
図4】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機における表示操作部の承認卓選択画面の一例を示す図である。
図5】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機における表示操作部の承認画面の一例を示す図である。
図6】本発明に係る一実施形態の貨幣処理機における表示操作部の詳細画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る一実施形態の貨幣処理機を図面を参照して以下に説明する。
【0012】
<構成>
図1に示す実施形態の貨幣処理機1は、主として金融機関の店舗のバックヤードに設置されて使用される出納機である。貨幣処理機1は、貨幣処理機本体10と、複数台、具体的には2台の操作卓11(操作入力部)とを有している。複数台の操作卓11は、貨幣処理機1においてターミナル装置として使用されるものである。
【0013】
以下の説明において使用する「前」は貨幣処理機1の操作者側、「後」は貨幣処理機1の操作者とは反対側、「左」は貨幣処理機1の操作者から見た左、「右」は貨幣処理機1の操作者から見た右である。
【0014】
貨幣処理機本体10は、小束収納出金装置21と紙幣入出金装置22と新券支払装置23とを有する紙幣処理ユニット24と、バラ硬貨入出金装置31と棒金支払装置32とを有する硬貨処理ユニット33とを備えている。
【0015】
貨幣処理機1は、複数、具体的には2個の操作卓11と、複数、具体的には2台のプリンタ34と、投函ポスト35とを備えている。貨幣処理機1は、操作者が操作卓11に表示される画面を見ながら操作卓11に操作入力をすることで、現金(バラ紙幣、バラ硬貨)の入金と、紙幣(バラ紙幣・小束・新券紙幣)および硬貨(バラ硬貨・棒金)の出金と、営業店舗内の在高管理などを行うものである。
【0016】
小束収納出金装置21は、貨幣処理機1の左端位置に設けられている。小束収納出金装置21は、右隣の紙幣入出金装置22から繰り出されてきたバラ紙幣を所定枚数ずつ集積し結束して小束を作成する。小束収納出金装置21は、作成した小束を収納すると共に、収納している小束を、前面上部から上面前部にかけて設けられた開閉可能な小束出金口41から出金する。
【0017】
紙幣入出金装置22は、小束収納出金装置21の右隣りに設けられている。紙幣入出金装置22には、開閉可能な紙幣入出金口43が前面上部に設けられており、開閉可能な紙幣返却口44が上面前部に設けられている。紙幣入出金装置22は、紙幣入出金口43に投入されたバラ紙幣を識別し、受け入れ可能なバラ紙幣を計数しつつ金種別に収納する一方で、受け入れ不可なバラ紙幣を紙幣返却口44に返却する。また、紙幣入出金装置22は、収納しているバラ紙幣を紙幣入出金口43から出金する。
【0018】
新券支払装置23は、小束収納出金装置21の上面の小束出金口41よりも後側に設置されている。新券支払装置23は、収納している新券紙幣を前面の開閉可能な新券出金口46から出金する。新券支払装置23の上面に、取引結果等を印字する1台のプリンタ34が設置されている。
【0019】
バラ硬貨入出金装置31は、紙幣入出金装置22の右隣りに設けられている。バラ硬貨入出金装置31には、開閉可能な図示略の硬貨入金口が上面に設けられている。また、バラ硬貨入出金装置31には、前面から引き出し可能な硬貨出金箱52および硬貨返却箱53が設けられている。バラ硬貨入出金装置31は、図示略の硬貨入金口に投入されたバラ硬貨を識別し、受け入れ可能なバラ硬貨を計数しつつ金種別に収納する一方で、受け入れ不可なバラ硬貨を硬貨返却箱53に返却する。また、バラ硬貨入出金装置31は、収納しているバラ硬貨を硬貨出金箱52に出金する。
【0020】
バラ硬貨入出金装置31の上面には、図示略の硬貨入金口よりも後側に、取引結果等を印字する1台のプリンタ34と、貨幣処理機1で処理できなかった貨幣やレシートなどを収納する投函ポスト35とが設置されている。これらのうち、投函ポスト35が左側に、プリンタ34が右側に、それぞれ設けられている。
【0021】
棒金支払装置32は、バラ硬貨入出金装置31の右隣りであって、貨幣処理機1の右端位置に設けられている。棒金支払装置32は、バラ硬貨入出金装置31から繰り出されてきたバラ硬貨を所定枚数ずつ集積し包装して棒金を作成する。棒金支払装置32は、作成した棒金を収納すると共に収納している棒金を、前面上部から上面前部にかけて設けられた開閉可能な棒金出金口55から出金する。
【0022】
貨幣処理機本体10には、小束収納出金装置21、紙幣入出金装置22、新券支払装置23、バラ硬貨入出金装置31および棒金支払装置32を制御する本体制御部61(制御部)が、これらのうちの何れか一つ、例えば、図1に示す例では、バラ硬貨入出金装置31に設けられている。勿論、本体制御部61を、小束収納出金装置21、紙幣入出金装置22、新券支払装置23および棒金支払装置32の何れかに設けても良い。
【0023】
操作卓11は、紙幣入出金装置22の上面に1台設置されると共に、棒金支払装置32の上面に1台設置されている。即ち、貨幣処理機1は、2卓仕様となっている。複数台の操作卓11は、何れも、操作者に向けて表示を行うと共に操作者による操作入力を受け付ける表示操作部71と、操作卓制御部72(制御部)とを有している。表示操作部71は、タッチパネル式の液晶画面と図示略のカードリーダとを備えている。
【0024】
紙幣入出金装置22に設置された左側の操作卓11は、その操作卓制御部72が、同じく左側の操作卓11に設けられた表示操作部71を制御すると共に、小束収納出金装置21に設置された左側のプリンタ34と、バラ硬貨入出金装置31に設置された投函ポスト35とを制御する。
【0025】
棒金支払装置32に設置された右側の操作卓11は、その操作卓制御部72が、同じく右側の操作卓11に設けられた表示操作部71を制御すると共に、何れもバラ硬貨入出金装置31に設置された右側のプリンタ34および投函ポスト35を制御する。
【0026】
左右の操作卓11の、それぞれの操作卓制御部72は、互いに通信可能であり、何れも本体制御部61と通信可能である。本体制御部61は、操作卓制御部72の指令信号に基づいて貨幣処理機本体10を制御する。
【0027】
貨幣処理機1は、例えば、以下の処理を行う。
なお、以下の説明においては、左右2台の操作卓11のうちの一方を第1の操作卓11とし、第1の操作卓11の表示操作部71を第1の表示操作部71とし、第1の操作卓11の操作卓制御部72を第1の操作卓制御部72とし、第1の操作卓制御部72に接続されたプリンタ34を第1のプリンタ34とし、第1の操作卓11にログインし第1の操作卓11を操作する操作者を第1の操作者とする。また、左右2台の操作卓11のうちの第1の操作卓11ではない他方を第2の操作卓11とし、第2の操作卓11の表示操作部71を第2の表示操作部71とし、第2の操作卓11の操作卓制御部72を第2の操作卓制御部72とし、第2の操作卓制御部72に接続されたプリンタ34を第2のプリンタ34とし、第2の操作卓11にログインし第2の操作卓11を操作する操作者を第2の操作者とする。例えば、左側の操作卓11を第1の操作卓11とした場合、右側の操作卓11が第2の操作卓11となり、右側の操作卓11を第1の操作卓11とした場合、左側の操作卓11が第2の操作卓11となる。
【0028】
[入金取引]
第1の操作卓11にログインした第1の操作者によって、第1の操作卓11の第1の表示操作部71に入金取引の選択操作が入力されると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、図2に示すような入金伝票入力用の伝票情報の入力画面である伝票情報入力画面100を表示させる。
【0029】
入金伝票入力用の伝票情報入力画面100は、「入金」選択部101と、「出金」選択部102と、「科目」選択部103と、「識別番号」表示部104と、「枚数/金額」表示部105と、「伝票明細」表示部106と、「入金伝票」情報表示部107と、「出金伝票」情報表示部108と、「預り合計」表示部109と、「支払合計」表示部111と、差額表示部112と、金額および枚数から選択された一方が入力可能なテンキー入力部113と、「キャンセル」選択部114と、「処理移譲」選択部115(移譲指定部)と、「完了」選択部116とを有している。
【0030】
入金取引の場合、第1の表示操作部71の入金伝票入力用の伝票情報入力画面100に、第1の操作者によって、今回の入金取引の対象となる対象入金伝票の伝票情報が入力される。なお、第1の表示操作部71に、入金伝票入力用の伝票情報入力画面100が表示されている場合、「出金」選択部102がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、出金伝票入力用の伝票情報入力画面を表示させることになる。
【0031】
ここで、出金伝票入力用の伝票情報入力画面は、いずれも入金伝票入力用の伝票情報入力画面100と同様の、「入金」選択部101と、「出金」選択部102と、「科目」選択部103と、「識別番号」表示部104と、「入金伝票」情報表示部107と、「出金伝票」情報表示部108と、「預り合計」表示部109と、「支払合計」表示部111と、差額表示部112と、「キャンセル」選択部114と、「処理移譲」選択部115(移譲指定部)と、「完了」選択部116とを有している。出金伝票入力用の伝票情報入力画面は、入金伝票入力用の伝票情報入力画面100の「枚数/金額」表示部105にかえて、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨、1円棒金、5円棒金、10円棒金、50円棒金、100円棒金、500円棒金、千円券、五千円券、万円券、千円束、五千円束、万円束を種類別に数量入力可能な「枚数・束数」表示部が設けられており、テンキー入力部113にかえて、金額、枚数および束数から選択された一つが入力可能なテンキー入力部が設けられている。また、出金伝票入力用の伝票情報入力画面は、「伝票明細」表示部106にかえて、入力された伝票の識別番号と、入力された種類と、科目と、伝票の枚数と、入力された種類別の数量および出金金額とを表示させる「伝票明細」表示部が設けられている。
【0032】
第1の操作卓制御部72は、入金伝票入力用の伝票情報入力画面100においては、「入金」選択部101が選択されていることを、「入金」選択部101の色を「出金」選択部102の色とは異ならせて表示させると共に、「科目」選択部103に入金取引の科目を表示させる。また、「識別番号」表示部104がタッチ操作すなわち選択操作されて、テンキー入力部113にて伝票の識別番号が入力されると、第1の操作卓制御部72は、「識別番号」表示部104に、この識別番号を表示させる。また、「枚数/金額」表示部105がタッチ操作すなわち選択操作されて、テンキー入力部113にて、例えば入金金額が入力されると、第1の操作卓制御部72は、「枚数/金額」表示部105に、この入金金額を表示させる。それと共に、第1の操作卓制御部72は、「入金伝票」情報表示部107に、伝票の枚数と、入力された入金金額とを表示させ、差額表示部112に、現在の状況と、入力された入金金額とを表示させ、「伝票明細」表示部106に、入力された伝票の識別番号と、入力された種類と、科目と、伝票の枚数と、入力された入金金額とを表示させる。
【0033】
例えば、図2では、「入金」選択部101の色を「出金」選択部102の色とは異ならせて表示させ、「科目」選択部103に入金取引の科目である「科目20」を表示させた状態で、第1の操作者によって、「識別番号」表示部104に、入力された伝票の識別番号「001」を表示させ、「枚数/金額」表示部105に、入力された入金金額「1,250,000円」を表示させ、「入金伝票」情報表示部107に、伝票の枚数「1枚」と、入力された入金金額「1,250,000円」とを表示させ、差額表示部112に、現在の状況が未入金であることを示す「不足」と、入力された入金金額「1,250,000円」とを表示させ、「伝票明細」表示部106に、入力された伝票の識別番号「001」と、種類である「入金」と、入金取引の科目である「科目20」と、伝票の枚数「1枚」と、入力された入金金額「1,250,000円」とを表示させている。
【0034】
これらの入力が行われた後、「完了」選択部116がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、伝票情報入力画面100に入力された対象入金伝票の伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、貨幣処理機本体10が第2の操作卓11の占有状態にないことを条件に、第1の操作卓制御部72からの伝票情報信号を受け付けて、貨幣処理機本体10を、第1の操作卓11の占有状態とする。すると、本体制御部61は、第2の操作卓11の操作卓制御部72からの伝票情報信号を受け付けない状態となる。他方、本体制御部61は、貨幣処理機本体10が第2の操作卓11の占有状態にあると、第1の操作卓制御部72からの伝票情報を受け付けず、貨幣処理機本体10が第2の操作卓11の占有状態にある旨の信号を、第1の操作卓制御部72に送信する。すると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71にその旨を表示させて、第2の操作卓11の占有状態が解除されるのを待機する。
【0035】
{計数処理}
第1の操作卓制御部72からの対象入金伝票の伝票情報信号を受け付けると、本体制御部61は、第1の操作卓制御部72に貨幣処理機本体10が第1の操作卓11の占有状態になった旨の信号を送信する。すると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、「紙幣計数」選択部および「硬貨計数」選択部の選択操作を可能とする。この状態で、例えば、「硬貨計数」選択部が選択操作されて第1の操作卓制御部72がその旨の信号を出力すると、本体制御部61は、図示略の硬貨入金口を開状態として、バラ硬貨の受け付けが可能になった旨の信号を、第1の操作卓制御部72に出力する。すると、第1の操作卓制御部72が、第1の表示操作部71を硬貨計数の実行操作を受け付ける状態にする。
【0036】
この状態で、第1の操作者によって、この対象入金伝票に対応する収納袋から、図示略の硬貨入金口にバラ硬貨が投入された後、第1の表示操作部71に硬貨計数の実行操作が入力されると、第1の操作卓制御部72は、本体制御部61に硬貨の計数処理の実行信号を出力する。すると、本体制御部61は、図示略の硬貨入金口を閉状態にする。そして、本体制御部61は、バラ硬貨入出金装置31によって、図示略の硬貨入金口に投入されたバラ硬貨を識別させ、受け入れ可能なバラ硬貨を計数させつつ金種別に一時貯留させる一方で、受け入れ不可なバラ硬貨を硬貨返却箱53に返却させる。そして、本体制御部61は、バラ硬貨入出金装置31において計数されて一時貯留させたバラ硬貨の計数結果を含む硬貨の計数結果信号を、第1の操作卓制御部72に出力する。すると、第1の操作卓制御部72が、第1の表示操作部71に硬貨の計数結果を表示させると共に、第1の表示操作部71を、「紙幣計数」選択部、「確定」選択部および「硬貨返却」選択部のいずれかの選択操作を受け付ける状態にする。
【0037】
この状態で、「紙幣計数」選択部が選択操作されて第1の操作卓制御部72がその旨の信号を出力すると、本体制御部61は、紙幣入出金口43を開状態として、バラ紙幣の受け付けが可能になった旨の信号を、第1の操作卓制御部72に出力する。すると、第1の操作卓制御部72が、第1の表示操作部71を紙幣計数の実行操作を受け付ける状態にする。
【0038】
この状態で、第1の操作者によって、この対象入金伝票に対応する収納袋から、紙幣入出金口43にバラ紙幣が投入された後、第1の表示操作部71に紙幣計数の実行操作が入力されると、第1の操作卓制御部72は、本体制御部61に紙幣の計数処理の実行信号を出力する。すると、本体制御部61は、紙幣入出金口43を閉状態にする。そして、本体制御部61は、紙幣入出金装置22によって、紙幣入出金口43に投入されたバラ紙幣を識別させ、受け入れ可能なバラ紙幣を計数させつつ金種別に一時貯留させる一方で、受け入れ不可なバラ紙幣を紙幣返却口44に返却させる。そして、本体制御部61は、紙幣入出金装置22において計数されて一時貯留させたバラ紙幣の計数結果を含む紙幣の計数結果信号を、第1の操作卓制御部72に出力する。すると、第1の操作卓制御部72が、第1の表示操作部71に、硬貨の計数結果に加えて紙幣の計数結果を表示させると共に、第1の表示操作部71を「確定」選択部の選択操作および「紙幣返却」選択部の選択操作を受け付ける状態にする。勿論、紙幣計数の処理が先に行われ、硬貨計数の処理が後に行われる場合もある。
【0039】
{収納処理}
硬貨および紙幣の少なくとも一方の計数処理後、第1の表示操作部71において「確定」選択部が選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、収納処理の実行信号を本体制御部61に出力する。すると、本体制御部61は、バラ硬貨入出金装置31において、一時貯留させたバラ硬貨があれば、一時貯留させたバラ硬貨を金種別に分類した状態のまま収納させる。また、本体制御部61は、紙幣入出金装置22において、一時貯留させたバラ紙幣があれば、一時貯留させたバラ紙幣を金種別に分類した状態のまま収納させる。
【0040】
{返却処理}
硬貨の計数処理後、第1の表示操作部71に「硬貨返却」選択部が選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、硬貨の返却処理の実行信号を本体制御部61に出力する。すると、本体制御部61は、バラ硬貨入出金装置31において、一時貯留させたバラ硬貨を硬貨出金箱52に返却させる。また、紙幣の計数処理後、第1の表示操作部71に「紙幣返却」選択部が選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、紙幣の返却処理の実行信号を本体制御部61に出力する。すると、本体制御部61は、紙幣入出金装置22において、一時貯留させたバラ紙幣を紙幣入出金口43に返却させる。
【0041】
本体制御部61は、計数処理後に収納処理を行った場合は、計数処理による入金金額を含む計数結果信号を第1の操作卓制御部72に送信する。すると、第1の操作卓制御部72は、計数処理による入金金額と、この計数処理前に本体制御部61に送信した対象入金伝票の伝票情報信号に含まれる伝票情報の入金金額との一致を確認し、一致していると、今回の入金取引の計数結果と、いずれも今回の入金取引に関する、伝票の識別番号と、入力された種類である「入金」と、入金取引の科目と、操作者ID等を含む伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を第1のプリンタ34で紙面に印刷させて発行させる。その後、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71において、引き続き取引を行うか否かを入力させ、引き続き取引を行う選択が入力された場合、上記を繰り返す一方、取引を行わない選択が入力された場合、本体制御部61に取引終了の信号を出力する。これにより、本体制御部61は、貨幣処理機本体10の第1の操作卓11の占有状態を解除する。すると、本体制御部61は、左右の操作卓11のいずれか次の一方からの伝票情報信号を受け付ける状態となる。
【0042】
[出金取引]
第1の操作卓11にログインした第1の操作者によって、第1の操作卓11の第1の表示操作部71に出金取引の選択操作が入力されると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、出金伝票入力用の伝票情報の入力画面である伝票情報入力画面を表示させる。出金取引の場合、第1の表示操作部71の出金伝票入力用の伝票情報入力画面に、第1の操作者によって、今回の出金取引の対象となる対象出金伝票の伝票情報が入力される。
【0043】
出金伝票入力用の伝票情報入力画面では、「出金」選択部102が選択されていることを、「出金」選択部102の色を「入金」選択部101の色とは異ならせることで表示させると共に、「科目」選択部103に出金取引の科目を表示させる。また、この伝票情報入力画面において、「識別番号」表示部104がタッチ操作すなわち選択操作されて、テンキー入力部にて伝票の識別番号が入力されると、第1の操作卓制御部72は、この伝票情報入力画面の「識別番号」表示部104に、この識別番号を表示させる。また、この伝票情報入力画面において、種類別の「枚数・束数」表示部がタッチ操作すなわち選択操作されて、バラ硬貨、棒金、バラ紙幣および小束紙幣の、それぞれの出金数量が、テンキー入力部を用いて入力されると、第1の操作卓制御部72は、入力された種類別の数量および出金金額を、種類別の「枚数・束数」表示部に表示させる。それと共に、第1の操作卓制御部72は、この伝票情報入力画面において、「出金伝票」情報表示部108に、伝票の枚数と、入力された出金金額とを表示させ、「伝票明細」表示部に、入力された伝票の識別番号と、入力された種類と、科目と、伝票の枚数と、入力された種類別の数量および出金金額とを表示させる。
【0044】
これらの入力が行われた後、「完了」選択部116がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、この伝票情報入力画面に入力された対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、入金取引と同様、貨幣処理機本体10が第2の操作卓11の占有状態にないことを条件に、第1の操作卓制御部72からの対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を受け付けて、貨幣処理機本体10を、第1の操作卓11の占有状態とする。
【0045】
第1の操作卓制御部72からの伝票情報信号を受け付けて、貨幣処理機本体10を、第1の操作卓11の占有状態とすると、本体制御部61は、第1の操作卓制御部72から送信された伝票情報信号に含まれる対象出金伝票の伝票情報に基づいて、この伝票情報にバラ硬貨があれば、バラ硬貨入出金装置31によって、収納しているバラ硬貨を硬貨出金箱52に出金させる。また、本体制御部61は、この伝票情報に棒金があれば、棒金支払装置32によって、収納している棒金を棒金出金口55に出金させる。また、本体制御部61は、この伝票情報にバラ紙幣があれば、紙幣入出金装置22によって、収納しているバラ紙幣を紙幣入出金口43に出金させる。また、本体制御部61は、この伝票情報に小束紙幣があれば、小束収納出金装置21によって、収納している小束紙幣を小束出金口41に出金させる。
【0046】
各出金が完了すると、本体制御部61は、硬貨出金箱52に出金させたバラ硬貨があれば、硬貨出金箱52のロックを解除して、硬貨出金箱52を引き出し可能とする。また、本体制御部61は、棒金出金口55に出金させた棒金があれば、棒金出金口55を開作動させる。また、本体制御部61は、紙幣入出金口43に出金させたバラ紙幣があれば、紙幣入出金口43を開作動させる。また、本体制御部61は、小束出金口41に出金させた小束紙幣があれば、小束出金口41を開作動させる。
【0047】
その後、本体制御部61は、硬貨出金箱52に出金させたバラ硬貨があれば、硬貨出金箱52が引き出し後に押し込まれて硬貨出金箱52に硬貨がないことを図示略のセンサで検知すると、硬貨出金箱52を引き出し不可にロックする。また、本体制御部61は、棒金出金口55に出金させた棒金があれば、棒金出金口55から棒金が取り出されたことを図示略のセンサで検知すると、棒金出金口55を閉作動させる。また、本体制御部61は、紙幣入出金口43に出金させたバラ紙幣があれば、紙幣入出金口43からバラ紙幣が取り出されたことを図示略のセンサで検知すると、紙幣入出金口43を閉作動させる。また、本体制御部61は、小束出金口41に出金させた小束紙幣があれば、小束出金口41から小束紙幣が取り出されたことを図示略のセンサで検知すると、小束出金口41を閉作動させる。
【0048】
以上のようにして、第1の操作卓11からの伝票情報信号に含まれる対象出金伝票の伝票情報に基づいた出金取引が終了すると、本体制御部61は、第1の操作卓制御部72に今回の出金取引の情報を出力する。すると、第1の操作卓制御部72は、この出金取引の情報から、今回の出金取引の出金結果と、いずれも今回の出金取引に関する、伝票の識別番号と、入力された種類である「出金」と、出金取引の科目と、操作者ID等を含む伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を第1のプリンタ34で紙面に印刷させて発行させる。その後、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71において、引き続き取引を行うか否かを入力させ、引き続き取引を行う選択が入力された場合、上記を繰り返す一方、取引を行わない選択が入力された場合、本体制御部61に取引終了の信号を出力する。これにより、本体制御部61は、貨幣処理機本体10の第1の操作卓11の占有状態を解除する。すると、本体制御部61は、左右の操作卓11のいずれか次の一方からの伝票情報信号を受け付ける状態となる。
【0049】
<他卓への取引の移譲>
貨幣処理機1は、第1の操作卓11で伝票入力処理が行われた後、この伝票入力処理で入力された入金取引の対象入金伝票の伝票情報を、第1の操作卓11への操作入力に基づいて第2の操作卓11に移譲し、移譲された伝票情報に基づいて第2の操作卓11が、第2の操作卓11への操作入力に基づいて貨幣処理機本体10により入金取引を行わせることが可能となっている。
【0050】
[入金取引の伝票情報の一件ずつの移譲]
上記した入金取引の場合と同様に、第1の表示操作部71の入金伝票入力用の伝票情報入力画面100に、対象入金伝票の伝票情報が入力され、その後、この伝票情報入力画面100の「完了」選択部116ではなく、「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作される。すると、第1の操作卓制御部72は、伝票情報入力画面100に入力された入金伝票の伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を含む伝票情報信号を、第2の操作卓制御部72に送信する。すると、第2の操作卓制御部72は、この伝票情報信号に含まれる対象入金伝票の伝票情報を、移譲された未実行の対象入金伝票の伝票情報として記憶する。すなわち、第1の操作卓制御部72は、伝票情報入力画面100に入力された対象入金伝票の伝票情報を、第2の操作卓制御部72に移譲する。「処理移譲」選択部115をタッチ操作すなわち選択操作した後、第1の操作者は、対象入金伝票を、第2の操作者に渡す。
【0051】
[移譲を受けての入金取引]
第2の操作卓11において、上記のように移譲された入金取引がある場合、移譲された対象入金伝票の伝票情報に基づいた入金取引が可能となる。すなわち、第2の操作者がログインしている第2の操作卓11において、移譲された入金取引がある場合、第2の表示操作部71に移譲実行処理が選択入力可能となり、第2の表示操作部71に、移譲実行処理が選択入力された後、移譲実行処理の対象入金伝票が選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、第2の表示操作部71に、移譲された入金伝票の伝票情報のうち、選択入力された対象入金伝票の伝票情報を表示する、図3に示すような伝票情報表示画面120を表示させる。伝票情報表示画面120は、伝票情報入力画面100と同様の、「入金」選択部101、「出金」選択部102、「科目」選択部103、「識別番号」表示部104、「枚数/金額」表示部105、「伝票明細」表示部106、「入金伝票」情報表示部107、「出金伝票」情報表示部108、「預り合計」表示部109、「支払合計」表示部111、差額表示部112、テンキー入力部113、「キャンセル」選択部114および「完了」選択部116を有している。伝票情報表示画面120は、「処理委譲」選択部115にかえて、「紙幣計数」選択部121と、「硬貨計数」選択部122と、「紙幣返却」選択部123と、「硬貨返却」選択部124と、「処理差戻」選択部125と、を有している。
【0052】
図3に示す例の伝票情報表示画面120は、選択入力された対象入金伝票の伝票情報が、図2に示す例の伝票情報入力画面100で入力された伝票情報である場合を示している。すなわち、この場合、第1の操作卓制御部72は、伝票情報表示画面120においては、選択入力された対象入金伝票の伝票情報に基づいて、「入金」選択部101であることを、「入金」選択部101の色を「出金」選択部102の色とは異ならせることで表示させ、「科目」選択部103に入金取引の科目である「科目20」を表示させ、「識別番号」表示部104に伝票の識別番号「001」を表示させ、「枚数/金額」表示部105に入金金額「1,250,000円」を表示させ、「入金伝票」情報表示部107に、伝票の枚数「1枚」と、入金金額「1,250,000円」とを表示させ、差額表示部112に、現在の状況が未入金であることを示す「不足」と、入力された入金金額「1,250,000円」とを表示させ、「伝票明細」表示部106に、伝票の識別番号「001」と、種類である「入金」と、入金取引の科目である「科目20」と、伝票の枚数「1枚」と、入金金額「1,250,000円」とを表示させている。
【0053】
第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象入金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面120に表示された伝票情報との一致を目視で確認する。これにより、伝票情報入力画面100への伝票情報の入力時の第1の操作者による伝票情報の第1段階チェックと、伝票情報表示画面120を見た第2の操作者による伝票情報の第2段階チェックとのダブルチェックが行われることになる。第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象入金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面120に表示された伝票情報とが一致していると、対象入金伝票に対応する収納袋の入金貨幣にバラ紙幣がある場合は、「紙幣計数」選択部121をタッチ操作すなわち選択操作し、入金貨幣にバラ硬貨がある場合は、「硬貨計数」選択部122をタッチ操作すなわち選択操作する。いずれの場合も、第2の操作卓制御部72は、移譲された対象入金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、貨幣処理機本体10が第1の操作卓11の占有状態にないことを条件に、第2の操作卓制御部72からの伝票情報信号を受け付けて、貨幣処理機本体10を、第2の操作卓11の占有状態とする。
【0054】
「紙幣計数」選択部121がタッチ操作すなわち選択操作されて第2の操作卓制御部72からの対象入金伝票の伝票情報信号を受け付けると、本体制御部61は、バラ紙幣について、上記と同様の計数処理を行い、計数結果信号を、第2の操作卓制御部72に出力する。「硬貨計数」選択部122がタッチ操作すなわち選択操作されて第2の操作卓制御部72からの対象入金伝票の伝票情報信号を受け付けると、本体制御部61は、バラ硬貨について、上記と同様の計数処理を行い、計数結果信号を、第2の操作卓制御部72に出力する。ここで、「紙幣計数」選択部121がタッチ操作すなわち選択操作されて第2の操作卓制御部72からの対象入金伝票の伝票情報信号を受け付けてバラ紙幣についての計数処理を行った後、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面120において「硬貨計数」選択部122がタッチ操作すなわち選択操作されて第2の操作卓制御部72からの対象入金伝票の伝票情報信号を受け付けると、本体制御部61は、続けて、バラ硬貨についての計数処理を行う。また、「硬貨計数」選択部122がタッチ操作すなわち選択操作されて第2の操作卓制御部72からの対象入金伝票の伝票情報信号を受け付けてバラ硬貨についての計数処理を行った後、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面120において「紙幣計数」選択部121がタッチ操作すなわち選択操作されて第2の操作卓制御部72からの対象入金伝票の伝票情報信号を受け付けると、本体制御部61は、続けて、バラ紙幣についての計数処理を行う。
【0055】
計数処理後、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面120において、「入金伝票」情報表示部107の金額と、「預り合計」表示部109の金額とが一致し、差額表示部112において「不足」が「一致」となり差額が「0円」となった状態で、「完了」選択部116がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、収納処理の実行信号を出力する。すると、本体制御部61は、上記と同様の収納処理を行う。
【0056】
本体制御部61は、計数処理後に収納処理を行った場合は、計数処理による入金金額を含む計数結果信号を第2の操作卓制御部72に送信する。すると、第2の操作卓制御部72は、計数処理による入金金額と、送信した対象入金伝票の伝票情報信号に含まれる伝票情報の入金金額との一致を確認し、一致していると、今回の入金取引の計数結果と、いずれも今回の入金取引に関する、伝票の識別番号と、入力された種類である「入金」と、入金取引の科目と、操作者ID等を含む伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を第2のプリンタ34で紙面に印刷させて発行させる。その後、第2の操作卓制御部72は、今回の対象入金伝票の伝票情報を実行済みとする。
【0057】
ここで、第1の表示操作部71の入金伝票入力用の伝票情報入力画面100において「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作され、第1の操作卓制御部72が、伝票情報入力画面100に入力された対象入金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を、第2の操作卓制御部72に送信すると、第2の操作卓制御部72は、この伝票情報信号に含まれる対象入金伝票の伝票情報を、移譲された未実行の対象入金伝票の伝票情報として記憶することになるが、第2の操作卓制御部72は、このような移譲された未実行の対象入金伝票の伝票情報を複数記憶することができる。
【0058】
この場合、第2の表示操作部71に移譲実行処理が選択入力されると、第2の操作卓制御部72は、記憶している未実行の複数の移譲された対象入金伝票の伝票情報をリスト表示させるリスト表示画面を第2の表示操作部71に表示させる。このリスト表示画面から、対象入金伝票が選択操作されると、第2の操作卓制御部72および本体制御部61は、この対象入金伝票の伝票情報に基づいて上記と同様の、移譲を受けての入金取引を行う。
【0059】
その後、第2の操作卓制御部72は、今回の対象入金伝票の伝票情報を実行済みとし、続けて、第2の表示操作部71に、残りの未実行の移譲された対象入金伝票の伝票情報のリスト表示画面を表示させる。このリスト表示画面から、対象入金伝票が選択操作されると、第2の操作卓制御部72および本体制御部61は、この対象入金伝票の伝票情報に基づいて、上記と同様の、移譲を受けての入金取引を行う。このような処理を適宜行って、未実行の複数の移譲された対象入金伝票の伝票情報がすべて実行済みになると、第2の操作卓制御部72は、移譲を受けての入金取引を終了した旨の信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、貨幣処理機本体10の第2の操作卓11による占有状態を解除する。なお、未実行の複数の移譲された対象入金伝票の伝票情報がすべて実行済みにならなくても、リスト表示画面で「移譲終了」選択部がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、移譲を受けての入金取引を終了すると共に、移譲を受けての入金取引を終了した旨の信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、貨幣処理機本体10の第2の操作卓11による占有状態を解除する。
【0060】
ここで、第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象入金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面120に表示された、移譲された対象入金伝票の伝票情報との一致を目視で確認し、一致していなければ、伝票情報表示画面120の「処理差戻」選択部125をタッチ操作すなわち選択操作する。「処理差戻」選択部125がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、移譲された対象入金伝票の伝票情報を、第1の操作卓制御部72に差し戻す。すると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、差し戻された対象入金伝票の伝票情報を伝票情報入力画面100と同様であって、差し戻された旨を含んだ伝票情報入力画面を表示させる。この伝票情報入力画面においては、入金伝票の伝票情報が修正可能となる。すなわち、第2の操作卓11は、移譲された伝票情報に関して、移譲元となる第1の操作卓11への返却操作が可能となっている。
【0061】
また、第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象入金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面120に表示された、移譲された対象入金伝票の伝票情報との一致を目視で確認し、一致していなければ、伝票情報表示画面120の伝票情報を、伝票情報入力画面100への操作と同様に操作して修正することが可能となっている。伝票情報表示画面120の伝票情報の修正後、「紙幣計数」選択部121あるいは「硬貨計数」選択部122がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、修正後の対象入金伝票の伝票情報を記憶すると共に、修正後の対象入金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。以降は、上記と同様である。
【0062】
なお、第1の操作卓制御部72が、第1の表示操作部71で入力された対象入金伝票の伝票情報を第2の操作卓制御部72に移譲し、第2の操作卓制御部72および本体制御部61が、この対象入金伝票の伝票情報に基づく入金取引を終了すると、第2の操作卓制御部72から第1の操作卓制御部72に、この対象入金伝票の伝票情報に基づく入金取引が終了した旨を送信するようにしても良い。この場合、第1の操作卓制御部72は、この対象入金伝票の伝票情報に基づく入金取引の終了を確認させる操作画面を第1の表示操作部71に表示させ、この操作画面で「確認」選択部がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、その旨の信号を第2の操作卓制御部72に送信し、この信号を受けて、第2の操作卓制御部72が、移譲を受けての入金取引を終了して、第2の表示操作部71に取引選択画面を表示させる待機状態に戻るようにしても良い。
【0063】
貨幣処理機1は、例えば、第1の操作卓11で出金取引の伝票入力処理が行われた後、この伝票入力処理で入力された対象出金伝票の伝票情報を、第1の操作卓11への操作入力に基づいて第2の操作卓11に移譲し、移譲された対象出金伝票の伝票情報に基づいて第2の操作卓11が、第2の操作卓11への操作入力に基づいて貨幣処理機本体10により出金取引を行わせるようになっている。
【0064】
[出金取引の伝票情報の一件ずつの移譲]
上記した出金取引の場合と同様に、第1の表示操作部71の出金伝票入力用の伝票情報入力画面に、対象出金伝票の伝票情報が入力され、その後、「完了」選択部116ではなく、「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作される。すると、第1の操作卓制御部72は、この伝票情報入力画面に入力された対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を、第2の操作卓制御部72に送信する。すると、第2の操作卓制御部72は、この伝票情報信号に含まれる対象出金伝票の伝票情報を、移譲された未実行の対象出金伝票の伝票情報として記憶する。すなわち、第1の操作卓制御部72は、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に入力された対象出金伝票の伝票情報を、第2の操作卓制御部72に移譲する。「処理移譲」選択部115をタッチ操作すなわち選択操作した後、第1の操作者は、対象出金伝票を、第2の操作者に渡す。
【0065】
[移譲を受けての出金取引]
第2の操作者がログインしている第2の操作卓11において、上記のように移譲された出金取引がある場合、移譲された対象出金伝票の伝票情報に基づいた出金取引が可能となる。すなわち、第2の操作卓11において、移譲された出金取引がある場合、第2の表示操作部71に移譲実行処理が選択入力可能となり、第2の表示操作部71に移譲実行処理が選択入力された後、移譲実行処理の対象出金伝票が選択入力されると、第2の操作卓制御部72は、第2の表示操作部71に、対象出金伝票の伝票情報を表示する伝票情報表示画面を表示させる。
【0066】
第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象出金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面に表示された伝票情報との一致を目視で確認し、これにより、出金伝票入力用の伝票情報入力画面への伝票情報の入力時の第1の操作者による伝票情報の第1段階チェックと、伝票情報表示画面を見た第2の操作者による伝票情報の第2段階チェックとのダブルチェックが行われることになる。第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象出金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面に表示された伝票情報とが一致していると、この伝票情報表示画面の「完了」選択部116をタッチ操作すなわち選択操作する。この伝票情報表示画面の「完了」選択部116が選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、移譲された対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、貨幣処理機本体10が第1の操作卓11の占有状態にないことを条件に、第2の操作卓制御部72からの伝票情報信号を受け付けて、貨幣処理機本体10を、第2の操作卓11の占有状態とする。
【0067】
第2の操作卓制御部72からの対象出金伝票の伝票情報信号を受け付けると、本体制御部61は、この対象出金伝票の伝票情報信号に含まれる伝票情報に基づいて、上記と同様の出金取引を行う。第2の操作卓11からの対象出金伝票の伝票情報信号に含まれる伝票情報に基づいた出金取引が終了すると、本体制御部61は、第2の操作卓制御部72に今回の出金取引の情報を出力する。第2の操作卓制御部72は、今回の出金取引の情報を受信すると、今回の出金取引の結果と、いずれも今回の出金取引に関する、伝票の識別番号と、入力された種類である「出金」と、出金取引の科目と、操作者ID等を含む伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を第2のプリンタ34で紙面に印刷させて発行させる。その後、第2の操作卓制御部72は、今回の対象出金伝票の伝票情報を実行済みとする。
【0068】
ここで、第1の表示操作部71の出金伝票入力用の伝票情報入力画面において「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作され、第1の操作卓制御部72が、伝票情報入力画面100に入力された対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を、第2の操作卓制御部72に送信すると、第2の操作卓制御部72は、この伝票情報信号に含まれる対象出金伝票の伝票情報を、移譲された未実行の対象出金伝票の伝票情報として記憶することになるが、第2の操作卓制御部72は、このような移譲された未実行の対象出金伝票の伝票情報を複数記憶することができる。
【0069】
この場合、第2の表示操作部71に移譲実行処理が選択入力されると、第2の操作卓制御部72は、記憶している未実行の複数の移譲された対象出金伝票の伝票情報をリスト表示させるリスト表示画面を第2の表示操作部71に表示させる。このリスト表示画面の伝票情報を第2の操作者は目視確認することになる。このリスト表示画面から、対象出金伝票が選択入力されると、第2の操作卓制御部72および本体制御部61は、この対象出金伝票の伝票情報に基づいて上記と同様の、移譲を受けての出金取引を行う。
【0070】
その後、第2の操作卓制御部72は、今回の対象出金伝票の伝票情報を実行済みとし、続けて、第2の表示操作部71に、残りの未実行の移譲された対象出金伝票の伝票情報のリスト表示画面を表示させる。このリスト表示画面から、対象出金伝票が選択操作されると、第2の操作卓制御部72および本体制御部61は、この対象出金伝票の伝票情報に基づいて、上記と同様の、移譲を受けての出金取引を行う。このような処理を適宜行って、未実行の複数の移譲された対象出金伝票の伝票情報がすべて実行済みになると、第2の操作卓制御部72は、移譲を受けての出金取引を終了した旨の信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、貨幣処理機本体10の第2の操作卓11による占有状態を解除する。なお、未実行の複数の移譲された対象出金伝票の伝票情報がすべて実行済みにならなくても、リスト表示画面で「移譲終了」選択部がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、移譲を受けての出金取引を終了すると共に、移譲を受けての出金取引を終了した旨の信号を本体制御部61に送信する。すると、本体制御部61は、貨幣処理機本体10の第2の操作卓11による占有状態を解除する。
【0071】
ここで、第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象出金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の伝票情報表示画面に表示された、移譲された対象出金伝票の伝票情報との一致を目視で確認し、一致していなければ、伝票情報表示画面の「処理差戻」選択部125をタッチ操作すなわち選択操作する。「処理差戻」選択部125がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、移譲された対象出金伝票の伝票情報を、第1の操作卓制御部72に差し戻す。すると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、差し戻された対象出金伝票の伝票情報を、出金伝票入力用の伝票情報入力画面と同様であって、差し戻された旨を含んだ伝票情報入力画面を表示させる。この伝票情報入力画面においては、出金伝票の伝票情報が修正可能である。すなわち、第2の操作卓11は、移譲された伝票情報に関して、移譲元となる第1の操作卓11への返却操作が可能となっている。
【0072】
また、第2の操作者は、第1の操作者から渡された対象出金伝票の伝票情報と、第2の表示操作部71の出金伝票入力用の伝票情報表示画面に表示された、移譲された対象出金伝票の伝票情報との一致を目視で確認し、一致していなければ、出金伝票入力用の伝票情報表示画面の伝票情報を、出金伝票入力用の伝票情報入力画面への操作と同様に操作して修正することが可能である。修正後、「完了」選択部116がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、修正後の対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、修正後の対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。以降は、上記と同様である。
【0073】
ここで、第2の操作卓制御部72においては、移譲された未実行の対象入金伝票の伝票情報と、移譲された未実行の対象出金伝票の伝票情報とを一括で記憶することができる。よって、この場合は、第2の表示操作部71に移譲実行処理が選択入力されると、第2の操作卓制御部72は、記憶している未実行の移譲された対象入金伝票の伝票情報と、記憶している未実行の移譲された対象出金伝票の伝票情報とをリスト表示させるリスト表示画面を第2の表示操作部71に表示させる。第2の操作卓制御部72は、このリスト表示画面から、対象入金伝票が選択操作されると、上記した移譲を受けての入金取引を行い、このリスト表示画面から、対象出金伝票が選択操作されると、上記した移譲を受けての出金取引を行う。
【0074】
なお、第1の操作卓制御部72が、第1の表示操作部71で入力された対象出金伝票の伝票情報を第2の操作卓制御部72に移譲し、第2の操作卓制御部72および本体制御部61が、この対象出金伝票の伝票情報に基づく出金取引が終了すると、第2の操作卓制御部72から第1の操作卓制御部72に、この対象出金伝票の伝票情報に基づく出金金取引が終了した旨を送信するようにしても良い。この場合、第1の操作卓制御部72は、この対象出金伝票の伝票情報に基づく出金取引が終了を確認させる操作画面を第1の表示操作部71に表示させ、この操作画面で「確認」選択部がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、その旨の信号を第2の操作卓制御部72に送信し、この信号を受けて、第2の操作卓制御部72が、移譲を受けての出金取引を終了して、第2の表示操作部71に取引選択画面を表示させる待機状態に戻るようにしても良い。
【0075】
以上により、貨幣処理機1は、一以上の取引に関わる伝票情報を入力可能な複数の操作卓11を備えている。また、貨幣処理機1は、複数の操作卓11のそれぞれが、一の操作卓11によって入力された伝票情報の一つを、他の操作卓11に向けて移譲する「処理移譲」選択部115を備えている。また、貨幣処理機1は、一の操作卓11の「処理移譲」選択部115の選択操作により移譲された伝票情報に基づいて、取引を実行する、他の操作卓11の操作卓制御部72および貨幣処理機本体10の本体制御部61を備えている。また、貨幣処理機1は、複数の操作卓11のそれぞれの「処理移譲」選択部115が、一の操作卓11により入力された一の伝票情報を他の操作卓11に向けて一件ずつ移譲する。この他の操作卓11は、移譲された伝票情報に関して、移譲元となる一の操作卓11への返却操作を可能とする。また、この他の操作卓11は、移譲された伝票情報に関して、伝票情報のデータについての修正操作を可能とする。また、この他の操作卓11は、移譲された伝票情報に関して、伝票情報のデータについての修正操作がなされた場合には、当該修正操作がなされた情報を記録する。
【0076】
なお、以上においては、入金取引および出金取引を一件ずつ移譲する場合を例にとり説明したが、以下のように、複数件を一括で移譲することも可能である。
【0077】
[入金取引の伝票情報の一括移譲]
上記した入金取引の場合と同様に、第1の表示操作部71の入金伝票入力用の伝票情報入力画面100に、一件目の対象入金伝票の伝票情報が入力され、その後、「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作される。すると、第1の操作卓制御部72は、伝票情報入力画面100に入力された一件目の対象入金伝票の伝票情報を記憶すると共に、第1の表示操作部71に、別件の入金取引を移譲するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。この複数入力選択画面において、別件の入金取引を移譲する旨の選択入力がなされると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に入金伝票入力用の伝票情報入力画面100を再び表示させる。すると、この伝票情報入力画面100に、第1の操作者によって、別件の対象入金伝票の伝票情報が入力される。その後、「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作される。すると、第1の操作卓制御部72は、伝票情報入力画面100に入力された、この別件の対象入金伝票の伝票情報を記憶すると共に、第1の表示操作部71に、さらなる別件の入金取引を移譲するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。このような処理を適宜繰り返すことで、第1の操作卓制御部72は、複数件の対象入金伝票の伝票情報を記憶する。その後、第1の表示操作部71に、別件の入金取引を移譲するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。
【0078】
この複数入力選択画面において、別件の入金取引を移譲しない旨の選択入力がなされると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、記憶した一または複数の対象入金伝票の伝票情報のリスト表示を含む処理移譲選択画面を表示させる。この処理移譲選択画面では、リスト表示において、記憶した一または複数の対象入金伝票の伝票情報の中から、一部または全部がタッチ操作すなわち選択操作で選択可能となっており、選択された状態で、この処理移譲選択画面の「処理移譲」選択部がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、選択された全ての対象入金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を、第2の操作卓制御部72に送信する。すると、第2の操作卓制御部72は、この伝票情報信号に含まれる全ての対象入金伝票の伝票情報を、移譲された未実行の対象入金伝票の伝票情報として記憶する。第1の操作卓制御部72は、例えば、リスト表示に3件の対象入金伝票の伝票情報が表示されている場合に、3件全部を一括して第2の操作卓制御部72に送信したり、3件のうち選択された2件を一括して第2の操作卓制御部72に送信したり、3件のうち選択された1件を第2の操作卓制御部72に送信したりする。処理移譲選択画面の「処理移譲」選択部をタッチ操作すなわち選択操作した後、第1の操作者は、一枚または複数枚の対象入金伝票を、第2の操作者に渡す。第2の操作卓11を用いた、移譲を受けての入金取引は上記と同様である。
【0079】
[出金取引の伝票情報の一括移譲]
上記した出金取引の場合と同様に、第1の表示操作部71の出金伝票入力用の伝票情報入力画面に一件目の対象出金伝票の伝票情報が入力される。その後、「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作される。すると、第1の操作卓制御部72は、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に入力された一件目の対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、第1の表示操作部71に、別件の出金取引を移譲するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。この複数入力選択画面において、別件の出金取引を移譲する旨の選択入力がなされると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に出金伝票入力用の伝票情報入力画面を再び表示させる。すると、この伝票情報入力画面に、第1の操作者によって、別件の対象出金伝票の伝票情報が入力される。その後、「処理移譲」選択部115がタッチ操作すなわち選択操作される。すると、第1の操作卓制御部72は、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に入力された、この別件の対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、第1の表示操作部71に、さらなる別件の出金取引を移譲するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。このような処理を適宜繰り返すことで、第1の操作卓制御部72は、複数件の対象出金伝票の伝票情報を記憶する。その後、第1の表示操作部71に、別件の出金取引を移譲するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。
【0080】
この複数入力選択画面において、別件の出金取引を移譲しない旨の選択入力がなされると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、記憶した一または複数の対象出金伝票の伝票情報のリスト表示を含む処理移譲選択画面を表示させる。この処理移譲選択画面では、リスト表示において、記憶した一または複数の対象出金伝票の伝票情報の中から、一部または全部がタッチ操作すなわち選択操作で選択可能となっており、選択された状態で、この処理移譲選択画面の「処理移譲」選択部がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、選択された全ての対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を、第2の操作卓制御部72に送信する。すると、第2の操作卓制御部72は、この伝票情報信号に含まれる全ての対象出金伝票の伝票情報を、移譲された未実行の対象出金伝票の伝票情報として記憶する。第1の操作卓制御部72は、例えば、リスト表示に3件の対象出金伝票の伝票情報が表示されている場合に、3件全部を一括して第2の操作卓制御部72に送信したり、3件のうち選択された2件を一括して第2の操作卓制御部72に送信したり、3件のうち選択された1件を第2の操作卓制御部72に送信したりすることができる。処理移譲選択画面の「処理移譲」選択部をタッチ操作すなわち選択操作した後、第1の操作者は、一枚または複数枚の対象出金伝票を、第2の操作者に渡す。第2の操作卓11を用いた、移譲を受けての出金取引は上記と同様である。
【0081】
なお、第1の操作卓制御部72において、例えば、一件目に入金伝票の伝票情報の入力を行い、続いて、一件目の出金伝票の伝票情報の入力を行い、続いて、一件目の出金伝票の伝票情報の入力を行い、続いて、一件目の入金伝票の伝票情報の入力を行う等、入金伝票の伝票情報と、出金伝票の伝票情報とを任意にランダムに入力し、これらを第2の操作卓制御部72に一括移譲可能としても良い。
【0082】
以上のように伝票情報の一括移譲を行う場合、貨幣処理機1は、複数の操作卓11のそれぞれが、一の操作卓11によって入力された伝票情報の複数を、他の操作卓11に向けて移譲する「処理移譲」選択部を備えることになる。また、貨幣処理機1は、一の操作卓11の「処理移譲」選択部の選択操作により移譲された伝票情報に基づいて、取引を実行する、他の操作卓11の操作卓制御部72および貨幣処理機本体10の本体制御部61を備えることになる。また、貨幣処理機1は、複数の操作卓11のそれぞれの処理移譲選択画面の「処理移譲」選択部が、一の操作卓11により入力された複数の伝票情報の一部または全部を他の操作卓11に向けて一括して移譲することになる。この他の操作卓11は、移譲された伝票情報に関して、移譲元となる一の操作卓11への返却操作を可能とする。また、この他の操作卓11は、移譲された伝票情報に関して、伝票情報のデータについての修正操作を可能とする。
【0083】
なお、以上に述べた取引移譲処理の流れは、一方の第1の操作卓11での入力内容を、他方の第2の操作卓11に、一件ごと、または複数件まとめて、処理の移譲を可能とする構成であった。これに限らず、上記の処理とは逆に、第2の操作卓11から第1の操作卓11で取引移譲処理をリクエストするようにしても良い。具体的には、第2の操作卓11に第2の操作者がログインし、第1の操作卓11で作業中の案件の移譲を、受託可能であるとのリクエスト信号を第1の操作卓11に向け発信する。すると、第1の操作卓11において、そのリクエストに応えて、第1の操作卓11に入力済みの一または複数の案件を、第2の操作卓11に移譲する。
【0084】
<他卓での承認>
上記した出金取引の開始時に第1の操作卓11にログインした第1の操作者の操作者情報によっては、役席者等の上位者による承認を必要とする場合がある。具体的には、例えば、ログインした第1の操作者の操作者情報では、出金取引の限度額があり、出金取引の限度額を超える金額の出金取引には、上位者承認を必要とする操作者情報である場合等である。この場合、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71の出金伝票入力用の伝票情報入力画面への入力後に、「完了」選択部116がタッチ操作すなわち選択操作されると、ログインした第1の操作者の操作者情報の出金取引の限度額を超えている場合、第1の表示操作部71に、上位者による承認を第1の操作卓11にて行うか、第2の操作卓11にて行うかを選択させる、図4に示すような承認卓選択画面130を、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に重ねてポップアップ画面として表示させる。「完了」選択部116がタッチ操作すなわち選択操作された際に、ログインした第1の操作者の操作者情報の出金取引の限度額を超えていなければ、第1の操作卓制御部72は、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に入力された対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。その後の処理は、上記した出金取引と同様である。
【0085】
この承認卓選択画面130は、「オペレータ番号」入力部131と、テンキー入力部132と、「閉じる」選択部133と、「確認」選択部134と、「承認移譲」選択部135(承認依頼部)とを有している。この承認卓選択画面130において、第1の表示操作部71の図示略のカードリーダへのIDカードの読み込みが行われるか、あるいは、「オペレータ番号」入力部131へのタッチ操作すなわち選択操作後、テンキー入力部132への操作者IDの入力が行われて「確認」選択部134がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、この操作者IDが、限度額なしで出金取引が許可されているか否かを確認し、この操作者IDが、限度額なしで出金取引が許可されている場合に、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に入力された対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、この伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。その後の処理は、上記した出金取引と同様である。
【0086】
この承認卓選択画面130において、「承認移譲」選択部135のタッチ操作すなわち選択操作が入力されると、第1の操作卓制御部72は、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に入力された対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、第1の表示操作部71に、別件の出金伝票の伝票情報を入力するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。この複数入力選択画面において、別件の出金伝票の伝票情報を入力する旨の選択入力がなされると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に出金伝票入力用の伝票情報入力画面を再び表示させる。すると、この伝票情報入力画面に、第1の操作者によって、別件の対象出金伝票の伝票情報が入力される。第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71の出金伝票入力用の伝票情報入力画面への入力後に、「完了」選択部116がタッチ操作すなわち選択操作されると、ログインした第1の操作者の操作者情報の出金取引の限度額を超えている場合、第1の表示操作部71に、承認卓選択画面130を表示させる。この承認卓選択画面130において、「承認移譲」選択部135のタッチ操作すなわち選択操作が入力されると、第1の操作卓制御部72は、出金伝票入力用の伝票情報入力画面に入力された対象出金伝票の伝票情報を記憶すると共に、第1の表示操作部71に、さらなる別件の出金伝票の伝票情報を入力するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。このような処理を適宜繰り返すことで、第1の操作卓制御部72は、複数件の対象出金伝票の伝票情報を記憶する。その後、第1の表示操作部71に、別件の出金伝票の伝票情報を入力するか否かを選択入力させる複数入力選択画面を表示させる。
【0087】
この複数入力選択画面において、別件の出金伝票の伝票情報の入力を行わない旨の選択入力がなされると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、記憶した一または複数の対象出金伝票の伝票情報のリスト表示を含む承認移譲選択画面を表示させる。この承認移譲選択画面では、リスト表示において、記憶した一または複数の対象出金伝票の伝票情報の中から、一部または全部がタッチ操作すなわち選択操作で選択可能となっており、選択された状態で、この承認移譲選択画面の「承認移譲」選択部がタッチ操作すなわち選択操作されると、第1の操作卓制御部72は、選択された全ての対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を、第2の操作卓制御部72に転送する。すると、第2の操作卓制御部72は、この伝票情報信号に含まれる全ての対象出金伝票の伝票情報を、未承認の対象出金伝票の伝票情報として記憶する。第1の操作卓制御部72は、例えば、リスト表示に3件の対象出金伝票の伝票情報が表示されている場合に、3件全部を一括して第2の操作卓制御部72に転送したり、3件のうち選択された2件を一括して第2の操作卓制御部72に転送したり、3件のうち選択された1件を第2の操作卓制御部72に転送したりすることができる。承認移譲選択画面は、その「承認移譲」選択部が、第1の操作卓11によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の第2の操作卓11に向けて転送する。承認移譲選択画面の「承認移譲」選択部をタッチ操作すなわち選択操作した後、第1の操作者は、未承認の一枚または複数枚の対象出金伝票を、第2の操作者に渡す。
【0088】
第2の操作者がログインしている第2の操作卓11において、上記のように承認が移譲された出金取引がある場合、承認が移譲された対象出金伝票の伝票情報の承認が可能となる。すなわち、第2の操作卓11において、承認が移譲された出金取引がある場合、第2の表示操作部71において承認移譲処理が選択入力可能となり、第2の表示操作部71において承認移譲処理が選択入力されると、図5に示すような、承認が必要な対象出金伝票の伝票情報のリスト表示141を含む承認画面140を表示させる。承認画面140は、「承認」選択部142(認否部)と、「否認」選択部143(認否部)と、「詳細」選択部144と、「キャンセル」選択部145とを有している。
【0089】
この承認画面140では、リスト表示141において、記憶した一または複数の対象出金伝票の伝票情報の中から、一つがタッチ操作すなわち選択操作で選択可能となっており、リスト表示された対象出金伝票の伝票情報のうちの一つが選択された状態で、この承認画面140の「承認」選択部142がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、選択された対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を承認した旨と共に、第1の操作卓制御部72に送信する。すると、第1の操作卓制御部72は、この伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。その後の処理は、上記した出金取引と同様である。
【0090】
この承認画面140で、リスト表示141において対象出金伝票の伝票情報のうちの一つが選択された状態で、この承認画面140の「否認」選択部143がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、選択された対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を否認した旨と共に、第1の操作卓制御部72に送信する。すると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、否認された対象出金伝票の伝票情報を、出金伝票入力用の伝票情報入力画面と同様であって、否認された旨を含んだ伝票情報入力画面を表示させる。この伝票情報入力画面においては、出金伝票の伝票情報が修正可能である。
【0091】
以上により、第2の操作卓11は、承認移譲された伝票情報に関して、移譲元となる第1の操作卓11への否認操作を可能としている。第2の操作卓11は、転送された伝票情報に対して承認または否認する「承認」選択部142および「否認」選択部143を有している。
【0092】
この承認画面140で、リスト表示141において対象出金伝票の伝票情報のうちの一つが選択された状態で、この承認画面140の「詳細」選択部144がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、選択された対象出金伝票の伝票情報の詳細を示す、図6に示すような詳細画面150を第2の表示操作部71に表示させる。詳細画面150は、いずれも出金伝票入力用の伝票情報入力画面と同様の、「入金」選択部101と、「出金」選択部102と、「科目」選択部103と、「識別番号」表示部104と、「枚数/金額」表示部105と、「伝票明細」表示部106と、「入金伝票」情報表示部107と、「出金伝票」情報表示部108と、「預り合計」表示部109と、「支払合計」表示部111と、差額表示部112と、テンキー入力部113と、「承認」選択部(認否部)142と、「否認」選択部(認否部)143とを有している。また、詳細画面150は、「戻る」選択部151を有している。図6に示す例の詳細画面150は、図5に示す例の承認画面140において、上下2段のうちの上段の、識別番号が「002」の伝票情報がタッチ操作すなわち選択操作されて、「詳細」選択部144がタッチ操作すなわち選択操作された場合を示している。
【0093】
詳細画面150において、「承認」選択部142がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、選択された対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を承認した旨と共に、第1の操作卓制御部72に送信する。すると、第1の操作卓制御部72は、この伝票情報を含む伝票情報信号を本体制御部61に送信する。その後の処理は、上記した出金取引と同様である。
【0094】
この詳細画面150の「否認」選択部143がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、選択された対象出金伝票の伝票情報を含む伝票情報信号を否認した旨と共に、第1の操作卓制御部72に送信する。すると、第1の操作卓制御部72は、第1の表示操作部71に、否認された対象出金伝票の伝票情報を、出金伝票入力用の伝票情報入力画面と同様であって、否認された旨を含んだ伝票情報入力画面を表示させる。この伝票情報入力画面においては、出金伝票の伝票情報が修正可能である。
【0095】
以上により、第2の操作卓11は、承認移譲された伝票情報に関して、移譲元となる第1の操作卓11への否認操作を可能としている。第2の操作卓11は、転送された伝票情報に対して承認または否認する「承認」選択部142および「否認」選択部143を有している。
【0096】
詳細画面150において、「戻る」選択部151がタッチ操作すなわち選択操作されると、第2の操作卓制御部72は、一つ前の承認画面140を第2の表示操作部71に表示させる。
【0097】
以上により、第1の操作卓11の第1の操作卓制御部72は、他の第2の操作卓11に向けて転送した少なくとも一つの伝票情報に関し、第2の操作卓11の「承認」選択部142への入力による第2の操作卓制御部72からの承認を受けることで、第1の操作卓11に入力された伝票情報に基づいて取引を実行する。
【0098】
以上に述べた実施形態の貨幣処理機1は、一以上の取引に関わる伝票情報を入力可能な複数の操作卓11と、一の操作卓11によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作卓11に向けて移譲する、一の操作卓11の表示操作部71の「処理移譲」選択部115とを有している。そして、一の操作卓11の表示操作部71の「処理移譲」選択部115により移譲された伝票情報に基づいて、他の操作卓11の操作卓制御部72および貨幣処理機本体10の本体制御部61が、取引を実行する。これにより、一の操作者が、伝票情報の入力を一の操作卓11を用いて行う一方で、他の操作者が、移譲された伝票情報に基づいて他の操作卓11および貨幣処理機本体10を用いて取引を行うことができ、両操作者の業務効率向上を図ることが可能となる。
【0099】
また、貨幣処理機1は、一の操作卓11の表示操作部71の「処理移譲」選択部115が、一の操作卓11により入力された一の伝票情報を他の操作卓11に向けて一件ずつ移譲するため、移譲および移譲に基づく取引を一件ずつ確実に行うことが可能となる。
【0100】
また、貨幣処理機1は、一の操作卓11の表示操作部71の「処理移譲」選択部115が、一の操作卓11により入力された複数の伝票情報の一部または全部を他の操作卓11に向けて一括して移譲するため、一の操作卓11の操作者は複数の伝票情報を連続して入力することが可能となり、他の操作卓11の操作者は複数の伝票情報に基づく取引を連続して行うことが可能となる。したがって、両操作者のさらなる業務効率向上を図ることが可能となる。
【0101】
また、貨幣処理機1は、一の操作卓11の表示操作部71の「処理移譲」選択部115が、一の操作卓11により入力された一の伝票情報を他の操作卓11に向けて移譲すると、他の操作卓11が、移譲された伝票情報に関して、移譲元となる一の操作卓11への返却操作を可能とするため、他の操作卓11で見つけられた点を、一の操作卓11で修正させることが可能になる。
【0102】
また、貨幣処理機1は、一の操作卓11の表示操作部71の「処理移譲」選択部115が、一の操作卓11により入力された一の伝票情報を他の操作卓11に向けて移譲すると、他の操作卓11が、移譲された伝票情報に関して、伝票情報の修正を可能とするため、他の操作卓11で伝票情報を修正しての取引が可能になる。
【0103】
また、貨幣処理機1は、一の操作卓11の表示操作部71の「処理移譲」選択部115が、一の操作卓11により入力された一の伝票情報を他の操作卓11に向けて移譲し、他の操作卓11が、移譲された伝票情報に関して、伝票情報の修正操作がなされると、他の操作卓11が、修正操作がなされた情報を記憶するため、他の操作卓11で伝票情報を修正して記憶すること可能になる。
【0104】
また、貨幣処理機1は、一の操作卓11によって入力された伝票情報の少なくとも一つを、他の操作卓11に向けて転送する、一の操作卓11の表示操作部71の「承認移譲」選択部135を有しており、他の操作卓11は、転送された伝票情報に対して承認または否認する「承認」選択部142および「否認」選択部143を有している。そして、一の操作卓11の操作卓制御部72は、他の操作卓11に向けて転送した少なくとも一つの伝票情報に関し、この他の操作卓11の「承認」選択部142からの承認を一の操作卓11が受けることで、この一の操作卓11に入力された伝票情報に基づいて取引を実行する。これにより、一の操作者が、伝票情報の入力を一の操作卓11を用いて行う一方で、他の操作者が、転送された伝票情報についての承認または否認を行うことができ、一の操作卓11において、伝票情報の入力後に承認者を待機しての承認を行う場合よりも、両操作者の業務効率向上を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0105】
1…貨幣処理機、11…操作卓(操作入力部)、61…本体制御部(制御部)、72…操作卓制御部(制御部)、115…「処理移譲」選択部(移譲指定部)、135…「承認移譲」選択部(承認依頼部)、142…「承認」選択部(認否部)、143…「否認」選択部(認否部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6