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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104915
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240730BHJP
【FI】
G06Q30/0207 328
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009352
(22)【出願日】2023-01-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】現実空間上の施設及び仮想空間上の施設が連携してユーザに対する販促活動を容易に行う情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】情報処理システムSにおいて、情報処理装置1は、ユーザが現実空間上の施設である現実施設を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定する第1判定部132と、ユーザが情報端末において行った操作に応じて仮想空間上で活動するアバタが仮想空間上の施設である仮想施設に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定する第2判定部133と、現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とが重複しているか否かを判定し、第1期間及び第2期間の少なくとも一部が重複していると判定したことを条件として、ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力する出力部134と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが現実空間上の施設である現実施設を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定する第1判定部と、
前記ユーザが情報端末において行った操作に応じて仮想空間上で活動するアバタが前記仮想空間上の施設である仮想施設に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定する第2判定部と、
前記現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と前記仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とが重複しているか否かを判定し、前記第1期間及び前記第2期間の少なくとも一部が重複していると判定したことを条件として、前記ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザの前記現実施設に関する活動と前記アバタの前記仮想施設に関する活動とは独立して行われる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特典情報は、前記現実施設又は前記仮想施設の少なくとも一方に関する前記特典を示す、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特典情報は、前記現実施設又は前記仮想施設の少なくとも一方において商品が購入されることに応じて適用される前記特典を示す、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特典情報は、前記ユーザが前記現実施設において商品を購入し、かつ前記アバタが前記仮想施設において商品を購入したことに応じて適用される前記特典を示す、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特典情報は、前記現実活動条件又は前記仮想活動条件が満たされている状態であることを条件として適用される前記特典を示す、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記現実活動条件は、前記現実空間上の前記ユーザが利用する情報端末の位置が前記現実施設を基準とした所定範囲内であることを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記現実活動条件は、前記情報端末の位置が前記現実施設を基準とした所定範囲内であり、かつ前記ユーザが前記現実施設から商品を購入したことを含む、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記仮想活動条件は、前記仮想空間上の前記アバタの位置が前記仮想施設を基準とした所定範囲内であることを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記仮想活動条件は、前記アバタが前記仮想施設から所定のサービスを受けたことを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記仮想活動条件は、前記アバタが前記仮想施設から商品を購入したことを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報端末から、前記現実施設に配置された所定のコードを読み取ることによって得られるコード情報を取得する取得部と、
前記取得部が前記コード情報を取得したことに応じて、前記現実施設に関連付けられた前記仮想施設に前記アバタを移動させるアバタ制御部と、
をさらに有する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記ユーザが前記現実空間上で行った活動を示す情報及び前記アバタが前記仮想空間上で行った活動を示す情報はブロックチェーンによって記憶されており、
前記第1判定部は、前記ブロックチェーンから取得された情報に基づいて前記現実活動条件が満たされたか否かを判定し、
前記第2判定部は、前記ブロックチェーンから取得された情報に基づいて前記仮想活動条件が満たされたか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが実行する、
ユーザが現実空間上の施設である現実施設を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定するステップと、
前記ユーザが情報端末において行った操作に応じて仮想空間上で活動するアバタが仮想空間上の施設である仮想施設に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定するステップと、
前記現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と前記仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とが重複しているか否かを判定し、前記第1期間及び前記第2期間の少なくとも一部が重複していると判定したことを条件として、前記ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実空間及び仮想空間に関する情報を処理するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮想空間において、アバタの属性及び行動を関連付けて解析することにより、アバタに対する広告等のマーケティングを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-216073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、現実空間上の施設と仮想空間上の施設とは独立しているため、ユーザに対するクーポン配布等の販促活動のために現実空間の施設及び仮想空間の施設が連携することは容易ではなかった。特許文献1に記載された技術では、仮想空間上のアバタの属性及び行動の関連性に基づいて広告等を行うため、現実空間及び仮想空間の双方における情報を考慮して販促活動を行うことはできなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、現実空間上の施設及び仮想空間上の施設が連携してユーザに対する販促活動を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、ユーザが現実空間上の施設である現実施設を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定する第1判定部と、前記ユーザが情報端末において行った操作に応じて仮想空間上で活動するアバタが前記仮想空間上の施設である仮想施設に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定する第2判定部と、前記現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と前記仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とが重複しているか否かを判定し、前記第1期間及び前記第2期間の少なくとも一部が重複していると判定したことを条件として、前記ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記ユーザの前記現実施設に関する活動と前記アバタの前記仮想施設に関する活動とは独立して行われてもよい。
【0008】
前記特典情報は、前記現実施設又は前記仮想施設の少なくとも一方に関する前記特典を示してもよい。
【0009】
前記特典情報は、前記現実施設又は前記仮想施設の少なくとも一方において商品が購入されることに応じて適用される前記特典を示してもよい。
【0010】
前記特典情報は、前記ユーザが前記現実施設において商品を購入し、かつ前記アバタが前記仮想施設において商品を購入したことに応じて適用される前記特典を示してもよい。
【0011】
前記特典情報は、前記現実活動条件又は前記仮想活動条件が満たされている状態であることを条件として適用される前記特典を示してもよい。
【0012】
前記現実活動条件は、前記現実空間上の前記ユーザが利用する情報端末の位置が前記現実施設を基準とした所定範囲内であることを含んでもよい。
【0013】
前記現実活動条件は、前記情報端末の位置が前記現実施設を基準とした所定範囲内であり、かつ前記ユーザが前記現実施設から商品を購入したことを含んでもよい。
【0014】
前記仮想活動条件は、前記仮想空間上の前記アバタの位置が前記仮想施設を基準とした所定範囲内であることを含んでもよい。
【0015】
前記仮想活動条件は、前記アバタが前記仮想施設から所定のサービスを受けたことを含んでもよい。
【0016】
前記仮想活動条件は、前記アバタが前記仮想施設から商品を購入したことを含んでもよい。
【0017】
前記情報処理装置は、前記情報端末から、前記現実施設に配置された所定のコードを読み取ることによって得られるコード情報を取得する取得部と、前記取得部が前記コード情報を取得したことに応じて、前記現実施設に関連付けられた前記仮想施設に前記アバタを移動させるアバタ制御部と、をさらに有してもよい。
【0018】
前記ユーザが前記現実空間上で行った活動を示す情報及び前記アバタが前記仮想空間上で行った活動を示す情報はブロックチェーンによって記憶されており、前記第1判定部は、前記ブロックチェーンから取得された情報に基づいて前記現実活動条件が満たされたか否かを判定し、前記第2判定部は、前記ブロックチェーンから取得された情報に基づいて前記仮想活動条件が満たされたか否かを判定してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、ユーザが現実空間上の施設である現実施設を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定するステップと、前記ユーザが情報端末において行った操作に応じて仮想空間上で活動するアバタが仮想空間上の施設である仮想施設に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定するステップと、前記現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と前記仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とが重複しているか否かを判定し、前記第1期間及び前記第2期間の少なくとも一部が重複していると判定したことを条件として、前記ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、現実空間上の施設及び仮想空間上の施設が連携してユーザに対する販促活動を容易に行えるようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】例示的な条件情報の模式図である。
図4】第1判定部及び第2判定部による判定方法を説明するための模式図である。
図5】現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされた状態を説明するための模式図である。
図6】出力部が特典情報を出力する方法を説明するための模式図である。
図7】実施形態に係る情報処理装置が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、一又は複数の情報端末2と、を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0023】
情報処理装置1は、現実空間及び仮想空間に関する情報を管理するコンピュータである。仮想空間は、コンピュータ上に形成された仮想的な空間(例えば、メタバース)である。仮想空間は、情報端末2において面積又は体積を有する領域として表示される。一方、現実空間は、人間であるユーザが生活する実際の空間(例えば、地球上の空間)である。
【0024】
仮想空間上には、複数のユーザそれぞれが操作するアバタが表示される。アバタは、例えば、ユーザが予め登録した2次元又は3次元の画像である。アバタは、例えば、ユーザによる操作に応じて、仮想空間上を移動し、文字、音声又は動作のうち少なくとも1つを用いて他のアバタと交流(コミュニケーション)をする。
【0025】
現実空間上には、ユーザが活動をするための一又は複数の現実施設F1が存在する。ユーザは、現実施設F1において滞在、商品(物品又はサービス)の購入、サービスの利用等の所定の活動をする。仮想空間上には、ユーザによる操作に応じてアバタが所定の活動をするための一又は複数の仮想施設F2が存在する。アバタは、ユーザが情報端末2において行った操作に応じて、仮想施設F2において滞在、商品(物品又はサービス)の購入、サービスの利用等の所定の活動をする。
【0026】
ユーザの現実施設F1に関する活動とアバタの仮想施設F2に関する活動とは独立して行われ、連動していない。ユーザは、ユーザ自身が動作することにより現実施設F1に関する活動を行い、情報端末2を操作することによりアバタを介して仮想施設F2に関する活動を行う。
【0027】
情報端末2は、複数のユーザそれぞれが利用するコンピュータである。ユーザは、情報端末2を用いて仮想空間上のアバタを操作する人間である。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。情報端末2は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。情報端末2は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0028】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、ユーザの現実空間上の活動を示す現実情報と、ユーザが操作するアバタの仮想空間上の活動を示す仮想情報と、を取得する。現実情報は、例えば、ユーザの活動と、当該活動の日時と、を関連付けた情報である。仮想情報は、例えば、アバタの活動と、当該活動の日時と、を関連付けた情報である。
【0029】
情報処理装置1は、取得した現実情報に基づいて、ユーザが現実施設F1を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定する。現実活動条件は、例えば、ユーザが現実施設F1に滞在したことである。
【0030】
また、情報処理装置1は、取得した仮想情報に基づいて、ユーザが操作するアバタが仮想施設F2に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定する。仮想活動条件は、例えば、アバタが仮想施設F2に滞在したこと、アバタが仮想施設F2から商品を購入したこと等である。
【0031】
情報処理装置1は、現実施設F1に関する現実活動条件及び仮想施設F2に関する仮想活動条件の両方が並行して満たされたと判定されたことを条件として、ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力する。情報処理装置1は、例えば、現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とを特定し、特定した第1期間及び第2期間が重複しているか否かを判定する。情報処理装置1は、第1期間及び第2期間の少なくとも一部が重複していると判定した場合に、現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされたと判定する。特典は、例えば、現実施設F1、仮想施設F2又はその他の施設において商品の購入やサービスの利用に適用可能なクーポン又はポイントである。
【0032】
このように、情報処理システムSは、ユーザが現実施設F1に対して所定の活動を行ったことと、ユーザが操作するアバタが仮想施設F2に対して所定の活動を行ったことと、の両方が並行して行われたことを条件として、ユーザに対して特典を付与する。これにより、情報処理システムSは、現実空間上の施設及び仮想空間上の施設が連携してユーザに対する販促活動を容易に行えるようにすることができる。
【0033】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0034】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0035】
通信部11は、ネットワークを介して情報端末2との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、情報端末2からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータを情報端末2に送信する。
【0036】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、ユーザに対して特典を付与するための現実活動条件及び仮想活動条件を示す条件情報を予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0037】
制御部13は、取得部131と、第1判定部132と、第2判定部133と、出力部134と、アバタ制御部135と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、第1判定部132、第2判定部133、出力部134及びアバタ制御部135として機能する。
【0038】
以下、情報処理システムSが実行する処理について詳細に説明する。情報処理装置1において、取得部131は、ユーザの現実空間上の活動を示す現実情報と、当該ユーザが操作するアバタの仮想空間上の活動を示す仮想情報と、を取得する。取得部131は、所定の時間間隔(10秒ごと等)で最新の現実情報及び仮想情報を取得してもよく、所定期間(過去1分間等)の現実情報及び仮想情報をまとめて取得してもよい。
【0039】
現実情報は、例えば、ユーザの活動と、当該活動の日時と、を示す情報である。ユーザの活動は、例えば、現実施設F1に滞在したこと、現実施設F1から商品を購入したこと等である。
【0040】
取得部131は、例えば、現実情報として、現実空間上のユーザが利用する情報端末2の位置の履歴を示す位置情報を、情報端末2又は位置情報を管理するサーバから受信してもよい。位置情報は、例えば、情報端末2においてGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用することにより特定される。
【0041】
取得部131は、例えば、現実情報として、情報端末2と現実施設F1に設置されたビーコン(無線信号の発信機)との間で行われた無線通信の履歴を示す通信情報を、情報端末2又は通信情報を管理するサーバから受信してもよい。通信情報は、情報端末2が現実施設F1に設置されたビーコンが発した無線信号の到達可能な範囲内に位置することを示す。
【0042】
取得部131は、例えば、現実情報として、現実施設F1においてユーザが商品を購入した際の決済情報を、情報端末2又は決済情報を管理するサーバから受信してもよい。決済情報は、ユーザが現実施設F1から商品を購入したことを示す。
【0043】
仮想情報は、例えば、ユーザが操作するアバタの活動と、当該活動の日時と、を示す情報である。アバタの活動は、例えば、仮想施設F2に滞在したこと、仮想施設F2から商品を購入したこと、仮想施設F2からサービスを受けたこと等である。
【0044】
取得部131は、例えば、仮想情報として、仮想空間上のアバタの位置の履歴を示す位置情報を、仮想空間を管理するサーバから受信してもよい。位置情報は、例えば、仮想空間上でアバタが表示される座標に基づいて特定される。
【0045】
取得部131は、例えば、仮想情報として、仮想施設F2においてアバタが商品を購入した際の決済情報を、情報端末2又は決済情報を管理するサーバから受信してもよい。決済情報は、ユーザがアバタを介して仮想施設F2から商品を購入したことを示す。
【0046】
取得部131は、例えば、仮想情報として、仮想施設F2においてサービスを受けた履歴を示すサービス利用情報を、情報端末2又はサービス利用情報を管理するサーバから受信してもよい。サービス利用情報は、アバタが仮想施設F2から所定のサービス(相談、コンサルティング等)を受けたことを示す。
【0047】
現実情報及び仮想情報は、ネットワーク上の一又は複数の記憶部上のブロックチェーンによって、ユーザを識別するための識別情報(ID;Identification)であるユーザIDと関連付けて記憶されていてもよい。ブロックチェーンは複数のデータのブロックを含み、各ブロックは現実情報又は仮想情報の所有者が移転されたことを示す一又は複数のトランザクションを含む。ブロックチェーン内の各ブロックには所定の規則で生成されたハッシュ値が含まれており、ブロック間のハッシュ値の整合性を確認することによりブロックチェーン全体の正しさが担保される。取得部131は、ブロックチェーンから、ユーザIDに関連付けられた現実情報又は仮想情報を取得する。これにより現実情報及び仮想情報が改ざんされることを抑制できるため、取得部131がユーザ及びアバタの活動をより正確に特定できる。
【0048】
取得部131は、記憶部12に予め記憶された、ユーザに対して特典を付与するための現実活動条件及び仮想活動条件を示す条件情報を取得する。条件情報は、例えば、一又は複数の特典それぞれと、現実施設F1に関する現実活動条件と、仮想施設F2に関する仮想活動条件と、を関連付けた情報である。条件情報により、現実活動条件が示す現実施設F1と仮想活動条件が示す仮想施設F2とは予め関連付けられている。現実活動条件が示す現実施設F1を運営する事業者と仮想活動条件が示す仮想施設F2を運営する事業者とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0049】
図3は、例示的な条件情報の模式図である。現実活動条件は、ユーザが現実施設F1を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す条件である。現実活動条件は、例えば、ユーザが利用する情報端末2の位置が、現実施設F1を基準とした所定範囲内であること(図3中の「滞在」)を含む。現実施設F1を基準とした所定範囲内であることは、例えば、現実施設F1の内部又は現実施設F1の位置から所定距離以内であることである。
【0050】
また、現実活動条件は、例えば、ユーザが利用する情報端末2の位置が現実施設F1を基準とした所定範囲内であり、かつユーザが現実施設F1の内部に入るための権利(入場券等)を購入したことを含んでもよい。ユーザが現実施設F1の内部に入るための権利を購入したか否かは、例えば、取得部131が取得した決済情報に基づいて判定される。これにより、情報処理システムSは、現実施設F1に入る権利を有しておらず、単に現実施設F1近傍にいるだけのユーザに対して特典を付与することを抑制できる。
【0051】
現実活動条件は、例えば、ユーザが利用する情報端末2の位置が現実施設F1を基準とした所定範囲内であり、かつユーザが現実施設F1から商品を購入したこと(図3中の「商品購入」)を示してもよい。
【0052】
仮想活動条件は、ユーザが操作するアバタが仮想施設F2に対して所定の活動を行ったことを示す条件である。仮想活動条件は、例えば、アバタの位置が、仮想施設F2を基準として所定範囲内であることを含む。仮想施設F2を基準として所定範囲内であることは、例えば、仮想施設F2の内部又は仮想施設F2の位置から所定距離以内であることである。
【0053】
仮想活動条件は、アバタが仮想施設F2から商品を購入したこと、又はアバタが仮想施設F2からサービスを受けたこと(図3中の「サービス利用」)を含んでもよい。この場合に、アバタは、アバタの位置が仮想施設F2を基準として所定範囲内にない状態で、仮想施設F2から商品を購入し、又は仮想施設F2からサービスを受けてもよい。これにより、情報処理システムSは、仮想空間上でアバタが仮想施設F2へ移動することなく遠隔で仮想施設F2に対する活動を行ったことを、ユーザに対して特典を付与するための条件とすることができる。
【0054】
特典は、現実施設F1又は仮想施設F2の少なくとも一方に関する特典である。また、特典は、現実施設F1又は仮想施設F2とは異なるその他の施設に関する特典であってもよい。
【0055】
特典は、例えば、ユーザに対して付与される、商品の購入やサービスの利用に適用可能なクーポン又はポイントである。ユーザは、現実施設F1又は仮想施設F2の少なくとも一方において商品を購入する際にクーポン又はポイントを適用することにより、値引き、物品の付与又はサービスの付与等を受けることができる。この場合に、情報処理システムSは、特典の原資を、現実施設F1を運営する事業者又は仮想施設F2を運営する事業者の少なくとも一方に負担させることが望ましい。
【0056】
特典は、例えば、仮想空間上のコンテンツ(デジタルデータ)であってもよい。この場合に、特典であるコンテンツは、ブロックチェーンによってNFT(Non-Fungible Token)と関連付けられて管理されてもよい。NFTは、例えば、トークンを識別するためのトークンIDと、コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、当該NFTを保有するユーザを識別するためのユーザIDと、を示す情報である。コンテンツIDは、例えば、コンテンツにアクセスするためのURI(Uniform Resource Identifier)を示す情報である。コンテンツは、URIに対応するネットワーク上の記憶装置に記憶されている。また、コンテンツは、ブロックチェーンに限られず、データベース等によって管理されてもよい。
【0057】
特典は、例えば、ユーザが現実施設F1において商品を購入し、かつユーザが操作するアバタが仮想施設F2において商品を購入したことに応じて適用される特典であってもよい。これにより、情報処理システムSは、現実施設F1及び仮想施設F2の両方で商品を購入したことに応じた特典(セット割等)を提供することができるため、現実施設F1及び仮想施設F2の連携をさらに強めることができる。
【0058】
特典は、現実活動条件又は仮想活動条件が満たされている状態であることを条件として適用される特典であってもよい。この場合に、ユーザが特典の適用を希望する時点で、後述の第1判定部132により現実活動条件が満たされていると判定され、かつ後述の第2判定部133により仮想活動条件が満たされていると判定された場合に、特典が適用される。これにより、情報処理システムSは、例えばユーザが現実施設F1に滞在し、かつアバタが仮想施設F2に滞在している期間のみ特典を有効にし、ユーザが積極的に現実活動条件及び仮想活動条件を満たすように誘導することができる。
【0059】
取得部131が取得した現実情報、仮想情報及び条件情報に基づいて、第1判定部132は現実活動条件が満たされたか否かを判定するとともに、第2判定部133は仮想活動条件が満たされたか否かを判定する。
【0060】
図4は、第1判定部132及び第2判定部133による判定方法を説明するための模式図である。第1判定部132は、取得部131が取得した現実情報が、取得部131が取得した条件情報が含む一又は複数の特典それぞれの現実活動条件を満たすか否かを判定する。現実活動条件が特定の現実施設F1に滞在したことを含む場合に、第1判定部132は、例えば、現実情報である位置情報が示す情報端末2の位置が、現実施設F1を基準として所定範囲内(例えば、現実施設F1の内部又は現実施設F1の位置から所定距離以内)である場合に、現実活動条件が満たされたと判定し、そうでない場合に、現実活動条件が満たされていないと判定する。
【0061】
現実活動条件が特定の現実施設F1に滞在したことを含む場合に、第1判定部132は、例えば、現実情報である通信情報が、情報端末2が現実施設F1に設置されたビーコンが発した無線信号の到達可能な範囲内に位置することを示す場合に、現実活動条件が満たされたと判定し、そうでない場合に、現実活動条件が満たされていないと判定してもよい。
【0062】
現実活動条件が特定の現実施設F1においてユーザが商品を購入したことを含む場合に、第1判定部132は、例えば、現実情報である位置情報又は通信情報が上述の条件を満しており、かつ現実情報である決済情報が、現実施設F1から商品を購入したことを示す場合に、現実活動条件が満たされたと判定し、そうでない場合に、現実活動条件が満たされていないと判定する。
【0063】
第1判定部132は、ここに示した具体的な基準に限られず、その他の基準に基づいて現実活動条件が満たされたか否かを判定してもよい。
【0064】
第2判定部133は、取得部131が取得した仮想情報が、取得部131が取得した条件情報が含む一又は複数の特典それぞれの仮想活動条件を満たすか否かを判定する。仮想活動条件が特定の仮想施設F2に滞在したことを含む場合に、第2判定部133は、例えば、仮想情報である位置情報が示すアバタの位置が、仮想施設F2を基準として所定範囲内(例えば、仮想施設F2の内部又は仮想施設F2の位置から所定距離以内)である場合に、仮想活動条件が満たされたと判定し、そうでない場合に、仮想活動条件が満たされていないと判定する。
【0065】
仮想活動条件が特定の仮想施設F2からアバタが商品を購入したことを含む場合に、第2判定部133は、例えば、仮想情報である決済情報が、仮想施設F2から商品を購入したことを示す場合に、仮想活動条件が満たされたと判定し、そうでない場合に、仮想活動条件が満たされていないと判定する。
【0066】
仮想活動条件が特定の仮想施設F2からアバタがサービスを受けたことを含む場合に、第2判定部133は、例えば、仮想情報であるサービス利用情報が、仮想施設F2からサービスを受けたことを示す場合に、仮想活動条件が満たされたと判定し、そうでない場合に、仮想活動条件が満たされていないと判定する。
【0067】
第2判定部133は、ここに示した具体的な基準に限られず、その他の基準に基づいて仮想活動条件が満たされたか否かを判定してもよい。
【0068】
出力部134は、第1判定部132及び第2判定部133により現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされたと判定されたこと、例えば現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間との少なくとも一部が重複していることを条件として、ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力する。特典情報が示す特典は、取得部131が取得した条件情報において、第1判定部132及び第2判定部133により並行して満たされたと判定された現実活動条件及び仮想活動条件に関連付けられた特典である。
【0069】
現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされたことは、例えば、現実活動条件が満たされた日時と近い日時に仮想活動条件が満たされたことである。例えば、ユーザが現実施設F1に滞在している間に、当該ユーザが操作するアバタが仮想施設F2に滞在し、又は仮想施設F2から商品を購入した場合に、現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされる。
【0070】
図5は、現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされた状態を説明するための模式図である。現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされた状態を特定するための処理の一例として、出力部134は、現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と、仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間と、を特定する。第1期間は、例えば、現実活動条件が満たされた日時の所定時間前(10分前後)から所定時間後(10分後等)までの所定の長さの期間である。第2期間は、例えば、仮想活動条件が満たされた日時の所定時間前(10分前後)から所定時間後(10分後等)までの所定の長さの期間である。
【0071】
図5は、時間軸に沿って、ユーザが現実空間上の店舗αに滞在した期間である第1期間と、ユーザが操作するアバタが仮想空間上の店舗βから商品を購入した期間である第2期間と、を模式的に表している。図5に表すように、第1期間の一部と第2期間の一部とが重複する期間は、現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされた状態になっている。
【0072】
出力部134は、特定した第1期間及び第2期間が重複しているか否かを判定する。出力部134は、第1期間及び第2期間の少なくとも一部同士が重複していると判定したことを条件として、特典情報を出力する。これにより、情報処理システムSは、ユーザが現実施設F1に対して所定の活動を行ったことと、ユーザが操作するアバタが仮想施設F2に対して所定の活動を行ったことと、の両方が並行して行われたことを条件として、ユーザに対して特典を付与することができる。
【0073】
図6は、出力部134が特典情報を出力する方法を説明するための模式図である。出力部134は、例えば、ユーザのユーザIDを宛先として、特典情報を表示するためのメッセージ(電子メール、SNS(Social Networking Service)のメッセージ等)を送信する。
【0074】
情報端末2は、情報処理装置1から受信したメッセージを表示するためのアプリケーション上に、当該メッセージが示す特典情報21を提示する。特典情報21は、例えば、ユーザに対して付与された、商品の購入やサービスの利用に適用可能なクーポン又はポイントを表す文字又は画像を含む。これにより、情報処理システムSは、現実活動条件及び仮想活動条件の両方を並行して満たしたユーザに特典情報を提示し、特典情報が示す特典の利用を促進することができる。
【0075】
[情報処理方法のフロー]
図7は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。取得部131は、ユーザの現実空間上の活動を示す現実情報と、当該ユーザが操作するアバタの仮想空間上の活動を示す仮想情報と、を取得する(S11)。
【0076】
取得部131は、記憶部12に予め記憶された、ユーザに対して特典を付与するための現実活動条件及び仮想活動条件を示す条件情報を取得する(S12)。条件情報は、例えば、一又は複数の特典それぞれと、現実施設F1に関する現実活動条件と、仮想施設F2に関する仮想活動条件と、を関連付けた情報である。
【0077】
第1判定部132は、取得部131が取得した現実情報が、取得部131が取得した条件情報が含む一又は複数の特典それぞれの現実活動条件を満たすか否かを判定する(S13)。第2判定部133は、取得部131が取得した仮想情報が、取得部131が取得した条件情報が含む一又は複数の特典それぞれの仮想活動条件を満たすか否かを判定する(S14)。
【0078】
出力部134は、例えば、現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とを特定し、特定した第1期間及び第2期間が重複しているか否か(現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされたか否か)を判定する。第1判定部132及び第2判定部133により現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされたと判定されなかった場合、例えば出力部134が第1期間及び第2期間が重複していないと判定した場合に(S15のNO)、情報処理装置1はステップS17に進む。
【0079】
第1判定部132及び第2判定部133により現実活動条件及び仮想活動条件の両方が並行して満たされたと判定された場合、例えば出力部134が第1期間及び第2期間の少なくとも一部が重複していると判定した場合に(S15のYES)、出力部134は、ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を出力する(S16)。特典情報が示す特典は、取得部131が取得した条件情報において、第1判定部132及び第2判定部133により並行して満たされたと判定された現実活動条件及び仮想活動条件に関連付けられた特典である。
【0080】
所定の終了条件(情報処理装置1において終了操作が行われたこと等)が満たされていない場合に(S17のNO)、情報処理装置1は、ステップS11~S16を繰り返す。所定の終了条件が満たされた場合に(S17のYES)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0081】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、ユーザが現実施設F1に対して所定の活動を行ったことと、ユーザが操作するアバタが仮想施設F2に対して所定の活動を行ったことと、の両方が並行して行われたことを条件として、ユーザに対して特典を付与する。これにより、情報処理システムSは、現実空間上の施設及び仮想空間上の施設が連携してユーザに対する販促活動を容易に行えるようにすることができる。
【0082】
[変形例]
本変形例に係る情報処理システムSは、ユーザが情報端末2を用いて現実施設F1に配置された所定のコードを読み取ることにより、ユーザに対応するアバタを仮想施設F2に移動させる。
【0083】
現実施設F1には、アバタを仮想施設F2に移動させるためのコードが配置されている。コードは、例えば、仮想施設F2を識別するための施設IDを所定の規則に従って符号化することによって生成されたバーコード又は2次元コードであり、紙等に印刷されている。コードは、現実施設F1内の所定の場所に付され、又は現実施設F1の従業員からユーザに手渡される。コードが示す仮想施設F2は、条件情報により、コードが配置された現実施設F1に予め関連付けられている。
【0084】
情報端末2は、所定の範囲を撮像することにより撮像画像を生成する撮像部を有する。情報端末2は、ユーザにより所定の操作が行われたことに応じて、撮像部を用いて現実施設F1に配置されたコードを読み取ることによってコード情報を取得する。情報端末2は、例えば、コードの撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードが示す施設IDをコード情報として取得する。
【0085】
情報端末2は、取得したコード情報と、情報端末2を利用するユーザを識別するためのユーザIDと、を情報処理装置1に送信する。ユーザIDは、情報端末2に予め設定されている。
【0086】
情報処理装置1において、取得部131は、情報端末2が送信したコード情報及びユーザIDを取得する。アバタ制御部135は、取得部131がコード情報を受信したことに応じて、ユーザが操作するアバタを、コードが配置された現実施設F1に関連付けられた仮想施設F2に移動させる。アバタ制御部135は、例えば、取得部131が取得したユーザIDに関連付けられたアバタの位置を、取得部131が取得したコード情報が示す施設IDに対応する仮想施設F2の位置に移動させる。施設IDに対応する仮想施設F2の位置を示す情報は、記憶部12に予め記憶されている。
【0087】
本変形例によれば、情報処理システムSは、現実施設F1に訪問したユーザが情報端末2を用いて現実施設F1に配置されたコードを読み取ることにより、ユーザに対応するアバタを仮想施設F2に自動的に移動させる。これにより、情報処理システムSは、ユーザが現実施設F1に関する現実活動条件と仮想施設F2に関する仮想活動条件との両方を並行して満たしやすくすることができる。
【0088】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0089】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0090】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 第1判定部
133 第2判定部
134 出力部
135 アバタ制御部
2 情報端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの現実空間上の活動を示す現実情報であって、前記ユーザを識別するための識別情報に関連付けられた現実情報に基づいて、前記ユーザが前記現実空間上の施設である現実施設を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定する第1判定部と、
前記ユーザが情報端末において行った操作に応じて仮想空間上で活動するアバタの活動を示す仮想情報であって、前記識別情報に関連付けられた仮想情報に基づいて、前記アバタが前記仮想空間上の施設である仮想施設に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定する第2判定部と、
前記現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と前記仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とが重複しているか否かを判定し、前記第1期間及び前記第2期間の少なくとも一部が重複していると判定したことを条件として、前記ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を前記識別情報と関連付けて出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザの前記現実施設に関する活動と前記アバタの前記仮想施設に関する活動とは独立して行われる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特典情報は、前記現実施設又は前記仮想施設の少なくとも一方に関する前記特典を示す、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特典情報は、前記現実施設又は前記仮想施設の少なくとも一方において商品が購入されることに応じて適用される前記特典を示す、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特典情報は、前記ユーザが前記現実施設において商品を購入し、かつ前記アバタが前記仮想施設において商品を購入したことに応じて適用される前記特典を示す、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特典情報は、前記現実活動条件又は前記仮想活動条件が満たされている状態であることを条件として適用される前記特典を示す、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記現実活動条件は、前記現実空間上の前記ユーザが利用する情報端末の位置が前記現実施設を基準とした所定範囲内であることを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記現実活動条件は、前記情報端末の位置が前記現実施設を基準とした所定範囲内であり、かつ前記ユーザが前記現実施設から商品を購入したことを含む、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記仮想活動条件は、前記仮想空間上の前記アバタの位置が前記仮想施設を基準とした所定範囲内であることを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記仮想活動条件は、前記アバタが前記仮想施設から所定のサービスを受けたことを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記仮想活動条件は、前記アバタが前記仮想施設から商品を購入したことを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報端末から、前記現実施設に配置された所定のコードを読み取ることによって得られるコード情報を取得する取得部と、
前記取得部が前記コード情報を取得したことに応じて、前記現実施設に関連付けられた前記仮想施設に前記アバタを移動させるアバタ制御部と、
をさらに有する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記ユーザが前記現実空間上で行った活動を示す情報及び前記アバタが前記仮想空間上で行った活動を示す情報はブロックチェーンによって記憶されており、
前記第1判定部は、前記ブロックチェーンから取得された情報に基づいて前記現実活動条件が満たされたか否かを判定し、
前記第2判定部は、前記ブロックチェーンから取得された情報に基づいて前記仮想活動条件が満たされたか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが実行する、
ユーザの現実空間上の活動を示す現実情報であって、前記ユーザを識別するための識別情報に関連付けられた現実情報に基づいて、前記ユーザが前記現実空間上の施設である現実施設を基準とした所定範囲内で所定の活動を行ったことを示す現実活動条件が満たされたか否かを判定するステップと、
前記ユーザが情報端末において行った操作に応じて仮想空間上で活動するアバタの活動を示す仮想情報であって、前記識別情報に関連付けられた仮想情報に基づいて、前記アバタが仮想空間上の施設である仮想施設に対して所定の活動を行ったことを示す仮想活動条件が満たされたか否かを判定するステップと、
前記現実活動条件が満たされた日時を含む第1期間と前記仮想活動条件が満たされた日時を含む第2期間とが重複しているか否かを判定し、前記第1期間及び前記第2期間の少なくとも一部が重複していると判定したことを条件として、前記ユーザに対して付与する特典を示す特典情報を前記識別情報と関連付けて出力するステップと、
を有する、情報処理方法。