(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104916
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20240730BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】30
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009357
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】萩原 泰明
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087MA16
2H087MA17
2H087NA14
2H087PA11
2H087PA12
2H087PA13
2H087PA20
2H087PB14
2H087PB15
2H087PB16
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA36
2H087RA42
2H087RA44
2H087SA57
2H087SA61
2H087SA62
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SB02
2H087SB15
2H087SB24
2H087SB33
2H087SB34
2H087SB42
2H087SB43
(57)【要約】
【課題】 高い光学性能を有し、高変倍比且つ小型なズームレンズを提供すること。
【解決手段】 ズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、3つ以上のレンズ群を含む後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記後続群に含まれる全てのレンズ群は物体側に移動し、前記第2レンズ群は像側に凸の軌跡で移動し、所定の条件式を満足する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、3つ以上のレンズ群を含む後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記後続群に含まれる全てのレンズ群は物体側に移動し、前記第2レンズ群は像側に凸の軌跡で移動し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における前記後続群の合成焦点距離をfrとするとき、
3.50<f1/|f2|<5.33
0.30<fr/|f2|<2.30
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
1.34<f3/|f2|<4.26
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
望遠端における全系の焦点距離をftとするとき、
1.31<f1/ft<2.81
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項4】
広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.66<|f2|/fw<1.41
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項5】
望遠端における最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をLt、望遠端における全系の焦点距離をftとするとき、
1.14<Lt/ft<2.49
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項6】
広角端における最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をLwとするとき、
1.52<Lw/fr<4.10
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第3レンズ群は、非球面形状を有する正レンズを含み、該正レンズの焦点距離をfs、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
0.50<fs/f3<1.85
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記後続群は、フォーカシングに際して移動するフォーカス群を有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記フォーカス群は、1枚のレンズからなることを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記後続群は、前記フォーカス群より像側に少なくとも1つのレンズ群を有し、該レンズ群は、負レンズおよび正レンズをそれぞれ1枚以上有することを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
【請求項11】
前記フォーカス群の焦点距離をffとするとき、
1.00<|ff/f2|<2.74
なる条件式を満足することを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
【請求項12】
前記フォーカス群の焦点距離をffとするとき、
0.75<|ff|/fr<1.81
なる条件式を満足することを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
【請求項13】
前記後続群に配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群は前記フォーカス群の物体側に隣接して配置されることを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
【請求項14】
前記後続群に配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群の焦点距離をfp2とするとき、
3.50<f1/fp2<7.19
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項15】
前記後続群に配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群の焦点距離をfp2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
1.35<f3/fp2<5.26
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項16】
前記第1レンズ群は、1枚のレンズからなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項17】
前記第2レンズ群は、4枚のレンズからなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項18】
前記第3レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、正レンズ、正レンズ、負レンズからなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項19】
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群、負の屈折力の第7レンズ群からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項20】
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項21】
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項22】
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群、負の屈折力の第7レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項23】
前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
1.34<f3/|f2|<4.26
なる条件式を満足することを特徴とする請求項3乃至22の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項24】
望遠端における全系の焦点距離をftとするとき、
1.31<f1/ft<2.81
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至22の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項25】
広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.66<|f2|/fw<1.41
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至22の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項26】
前記第3レンズ群の焦点距離をf3、望遠端における全系の焦点距離をftとするとき、
1.34<f3/|f2|<4.26
1.31<f1/ft<2.81
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至22の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項27】
前記第3レンズ群の焦点距離をf3、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
1.34<f3/|f2|<4.26
0.66<|f2|/fw<1.41
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至22の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項28】
望遠端における全系の焦点距離をft、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
1.31<f1/ft<2.81
0.66<|f2|/fw<1.41
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至22の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項29】
前記第3レンズ群の焦点距離をf3、望遠端における全系の焦点距離をft、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
1.34<f3/|f2|<4.26
1.31<f1/ft<2.81
0.66<|f2|/fw<1.41
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至22の何れか一項に記載のズームレンズ。
【請求項30】
請求項1乃至22の何れか一項に記載のズームレンズと、
該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズに関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置に用いる撮像光学系には、高い光学性能を有し、高変倍比且つ小型なズームレンズが求められている。
【0003】
高変倍比且つ小型な撮像光学系を得るために、特許文献1は、6つのレンズ群を有した光学系を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、正、負、正のレンズ群を有している。しかしながら、第2レンズ群の屈折力が強いため、広角端における倍率色収差が大きくなりやすく、また、ズーミングに際して発生する像面湾曲変動が大きくなりやすい。
【0006】
そこで本発明は、高い光学性能を有し、高変倍比且つ小型なズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、3つ以上のレンズ群を含む後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記後続群に含まれる全てのレンズ群は物体側に移動し、前記第2レンズ群は像側に凸の軌跡で移動し、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における前記後続群の合成焦点距離をfrとするとき、
3.50<f1/|f2|<5.33
0.30<fr/|f2|<2.30
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い光学性能を有し、高変倍比且つ小型なズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【
図2】実施例1のズームレンズの(A)広角端、(B)ズーム中間位置、(C)望遠端における収差図
【
図3】実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【
図4】実施例2のズームレンズの(A)広角端、(B)ズーム中間位置、(C)望遠端における収差図
【
図5】実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【
図6】実施例3のズームレンズの(A)広角端、(B)ズーム中間位置、(C)望遠端における収差図
【
図7】実施例4のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
【
図8】実施例4のズームレンズの(A)広角端、(B)ズーム中間位置、(C)望遠端における収差図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の光学系及びそれを有する撮像装置の実施例について、添付の図面に基づいて説明する。
【0011】
図1、3、5、7は、それぞれ実施例1から4のズームレンズL0の断面図である。各実施例のズームレンズL0はデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ、車載用カメラ等の撮像装置に用いられるズームレンズである。
【0012】
各レンズ断面図において左方が物体側で、右方が像側である。尚、各実施例のズームレンズL0をプロジェクターなどの投射レンズとして用いても良い。このときは左方がスクリーン側、右方が投射画像側となる。
【0013】
各実施例のズームレンズL0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群B1、負の屈折力の第2レンズ群B2、正の屈折力の第3レンズ群B3、3つ以上のレンズ群を含む後続群Brからなる。そして、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。各レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数のレンズから構成されていてもよい。また、レンズ群は、開口絞りを含んでいてもよい。
【0014】
各レンズ断面図の下方に示した実線の矢印は、無限遠物体に合焦したときの、広角端から望遠端へのズーミングに伴う各レンズ群の移動軌跡を表している。また、各レンズ断面図の下方に示した破線の矢印は、近距離物体に合焦したときの、広角端から望遠端へのズーミングに伴うフォーカス群Bfの移動軌跡を表している。
【0015】
各レンズ断面図において、SPは開口絞りである。IPは像面であり、各実施例のズームレンズをデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラに使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例のズームレンズを銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
【0016】
図2、4、6、8は、それぞれ実施例1から4のズームレンズの広角端、ズーム中間位置、および望遠端において、無限遠物体に合焦したときの収差図である。
【0017】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図においてSはサジタル像面における収差量、Mはメリディオナル像面における収差量を示している。歪曲収差図ではd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における倍率色収差量を示している。ωは撮像半画角(°)である。
【0018】
次に、各実施例のズームレンズにおける特徴的な構成について述べる。
【0019】
各実施例のズームレンズL0において、第1レンズ群B1の屈折力を正、第2レンズ群B2の屈折力を負とすることで、主点を物体側に配置し、レンズ全長(ズームレンズL0の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離)を短くしている。また、第3レンズ群B3の屈折力を正とすることで、特に望遠端において第2レンズ群B2で発生する軸上色収差を抑制している。さらに、3つ以上のレンズ群を含む後続群Brを配置することで、高変倍比でありながらズーミング時に発生する諸収差の変動を抑制している。
【0020】
また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群B1が物体側に移動することで、広角端におけるレンズ全長を短くしている。さらに、第3レンズ群B3、後続群Brに含まれる全てのレンズ群が物体側に移動することで、隣接した各レンズ群の空気間隔が大きく変化することを抑制している。その結果、望遠端における各レンズ群に入射する軸上マージナル光線の光軸からの高さ、及び軸外光線の光軸からの高さが高くなることを抑制することができ、各レンズ群に配置されたレンズの径を小さくすることができる。
【0021】
また、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第2レンズ群B2が像側に凸の軌跡で移動することで、ズーム中間位置における像面湾曲量を低減している。
【0022】
また、各実施例のズームレンズL0は以下の条件式を満足するように構成している。
3.50<f1/|f2|<5.33・・・(1)
0.30<fr/|f2|<2.30・・・(2)
【0023】
ここでf1は、第1レンズ群B1の焦点距離である。f2は、第2レンズ群B2の焦点距離である。frは、広角端における後続群Brの合成焦点距離である。
【0024】
条件式(1)及び条件式(2)は諸収差の補正、高変倍比、及び小型化を実現するためのものである。
【0025】
条件式(1)の上限を超えて第2レンズ群B2の屈折力が強くなりすぎると、特に広角端の倍率色収差やズーミングに際して発生する像面湾曲変動を補正することが困難となる。条件式(1)の下限を下回って第2レンズ群B2の屈折力が弱くなりすぎると、高変倍比を得るためには、ズーミングに際しての第2レンズ群B2の移動量が大きくなる。その結果、レンズ全長が長くなり好ましくない。
【0026】
条件式(2)の上限を超えて後続群Brの屈折力が弱くなりすぎると、特に望遠端において第2レンズ群B2で発生する球面収差や軸上色収差を抑制することが困難となる。条件式(2)の下限を下回って後続群Brの屈折力が強くなりすぎると、全系の主点が像側に配置される。その結果レンズ全長が長くなり好ましくない。
【0027】
以上の構成により、高い光学性能を有し、高変倍比且つ小型なズームレンズを実現することが可能となる。
【0028】
なお、条件式(1)、(2)のいずれかの数値範囲の上限または下限の少なくとも一方を以下の条件式(1a)、(2a)の数値とすることが好ましい。
3.70<f1/|f2|<5.33・・・(1a)
0.60<fr/|f2|<2.20・・・(2a)
【0029】
さらに好ましくは、条件式(1)、(2)のいずれかの数値範囲の上限または下限の少なくとも一方を、以下の条件式(1b)、(2b)の範囲とすることが好ましい。
4.00<f1/|f2|<5.32・・・(1b)
1.00<fr/|f2|<2.10・・・(2b)
【0030】
次に、各実施例のズームレンズL0の好ましい構成について述べる。
【0031】
第1レンズ群B1は、1枚のレンズで構成されることが好ましい。1枚のレンズで構成されることにより、第1レンズ群B1の光軸方向の厚みを小さくし、レンズ全長を短くすることができる。
【0032】
第2レンズ群B2は、4枚のレンズで構成されることが好ましい。4枚のレンズで構成されることにより、特にズーミングに際して発生する像面湾曲の変動を抑制することができる。
【0033】
第3レンズ群B3は、物体側から像側へ順に配置された正レンズ、正レンズ、負レンズで構成されることが好ましい。第3レンズ群B3の主点を物体側に配置することができ、レンズ全長を短くすることができる。
【0034】
後続群Brは、フォーカシングに際して移動するフォーカス群Bfを有することが好ましい。後続群Br内のレンズを通過する軸外光線は、光軸からの高さが比較的低いため、フォーカス群Bfの径方向を小さくすることができる。
【0035】
さらに、フォーカス群Bfより像側に配置された少なくとも1つのレンズ群は、負レンズおよび正レンズそれぞれ1枚以上有することが好ましい。フォーカス群Bfより像側に負レンズ、正レンズが配置されることでフォーカシング時に発生する倍率色収差の変動を抑制することができる。
【0036】
また、フォーカス群Bfは、1枚のレンズで構成されていることが好ましい。1枚のレンズで構成されることにより、フォーカス群の光軸方向の厚みを小さくすることができる。
【0037】
また、後続群Brは、フォーカス群Bfの物体側に隣接して配置された正の屈折力を有するレンズ群Bp2を有し、レンズ群Bp2は後続群Brに配置されたレンズ群の中で最も強い屈折力を有することが好ましい。その結果、軸外光線について光軸からの高さが低い位置にフォーカス群Bfを配置することができ、フォーカス群Bfの径方向を小さくすることができる。
【0038】
次に、各実施例のズームレンズL0において満足されることが好ましい条件式について述べる。
【0039】
各実施例のズームレンズL0は、以下の条件式のうちの1つ以上を満足することが好ましい。
1.34<f3/|f2|<4.26・・・(3)
1.31<f1/ft<2.81・・・(4)
0.66<|f2|/fw<1.41・・・(5)
1.14<Lt/ft<2.49・・・(6)
1.52<Lw/fr<4.10・・・(7)
0.50<fs/f3<1.85・・・(8)
1.00<|ff/f2|<2.74・・・(9)
0.75<|ff|/fr<1.81・・・(10)
3.50<f1/fp2<7.19・・・(11)
1.35<f3/fp2<5.26・・・(12)
【0040】
ここで、f3は第3レンズ群B3の焦点距離である。ftは望遠端における全系の焦点距離、fwは広角端における全系の焦点距離である。Ltは、望遠端における最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離である。Lwは、広角端における最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離である。
【0041】
fsは、第3レンズ群B3において配置された、非球面形状を有する正レンズの焦点距離である。ffは、後続群Brが有するフォーカス群Bfの焦点距離である。fp2は、後続群Brに配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群Bp2の焦点距離である。なお、第3レンズ群B3が非球面形状を有する正レンズを複数枚含む場合、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfsとする。
【0042】
次に前述の条件式(3)~(12)の技術的意味について説明する。
【0043】
条件式(3)の上限を超えて第3レンズ群B3の屈折力が弱くなりすぎると、ズーミングに際しての第3レンズ群B3の移動量が大きくなり、レンズ全長が長くなる。条件式(3)の下限を下回って第3レンズ群B3の屈折力が強くなりすぎると、ズーム全域において球面収差を補正することが困難となる。
【0044】
条件式(4)の上限を超えて第1レンズ群B1の屈折力が弱くなりすぎると、ズーミングに際しての第1レンズ群B1の移動量が大きくなり、レンズ全長が長くなる。条件式(4)の下限を下回って第1レンズ群B1の屈折力が強くなりすぎると、特に望遠端において球面収差を補正することが困難となる。
【0045】
条件式(5)の上限を超えて第2レンズ群B2の屈折力が弱くなりすぎると、ズーミングに際しての第2レンズ群B2の移動量が大きくなり、レンズ全長が長くなる。条件式(5)の下限を下回って第2レンズ群B2の屈折力が強くなりすぎると、ズーミングに際して発生する像面湾曲変動を補正することが困難となる。
【0046】
条件式(6)の上限を超えると、望遠端におけるレンズ全長が長くなりすぎる。条件式(6)の下限を下回って望遠端のレンズ全長が短くなりすぎると、特に第1レンズ群B1の屈折力が強くなりすぎて望遠端における球面収差の補正が困難となる。
【0047】
条件式(7)の上限を超えると、広角端におけるレンズ全長が長くなりすぎる。条件式(7)の下限を下回って広角端のレンズ全長が短くなりすぎると、特に第1レンズ群B1の屈折力が強くなりすぎて望遠端における球面収差の補正が困難となる。
【0048】
条件式(8)の上限を超えて第3レンズ群B3内の非球面形状を有する正レンズの屈折力が弱くなりすぎると、第3レンズ群B3の屈折力を適切な範囲で強めることが困難となり、レンズ全長が長くなる。条件式(8)の下限を下回って第3レンズ群B3内の非球面形状を有する正レンズの屈折力が強くなりすぎると、特に望遠端における球面収差の補正が困難となる。
【0049】
条件式(9)の上限を超えてフォーカス群Bfの屈折力が弱くなりすぎると、合焦に際してのフォーカス群Bfの移動量が大きくなるため、移動するための空間を大きくすることになる。その結果、レンズ全長が長くなる。条件式(9)の下限を下回ってフォーカス群Bfの屈折力が強くなりすぎると、特に広角端における像面湾曲の補正が困難となる。
【0050】
条件式(10)の上限を超えて後続群Brの屈折力が強くなりすぎると、全系の主点が像側に配置される。その結果レンズ全長が長くなる。条件式(10)の下限を下回ってフォーカス群Bfの屈折力が強くなりすぎると、特に広角端における像面湾曲の補正が困難となる。
【0051】
条件式(11)の上限を超えて、後続群Brに配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群Bp2の屈折力が強くなりすぎると、特にコマ収差や像面湾曲の補正が困難となる。条件式(11)の下限を下回って第1レンズ群B1の屈折力が強くなりすぎると、特に望遠端における球面収差の補正が困難となる。
【0052】
条件式(12)の上限を超えて、後続群Brに配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群Bp2の屈折力が強くなりすぎると、特にコマ収差や像面湾曲の補正が困難となる。条件式(12)の下限を下回って第3レンズ群B3の屈折力強くなりすぎると、特に広角端における球面収差の補正が困難となる。
【0053】
なお、条件式(3)~(12)の上限と下限の少なくとも一方を以下の数値範囲のように設定することがより好ましい。
1.53<f3/|f2|<3.93・・・(3a)
1.49<f1/ft<2.59・・・(4a)
0.75<|f2|/fw<1.30・・・(5a)
1.30<Lt/ft<2.30・・・(6a)
1.74<Lw/fr<3.78・・・(7a)
0.57<fs/f3<1.71・・・(8a)
1.15<|ff/f2|<2.53・・・(9a)
0.86<|ff|/fr<1.67・・・(10a)
4.01<f1/fp2<6.64・・・(11a)
1.55<f3/fp2<4.85・・・(12a)
【0054】
また、条件式(3)~(12)の上限と下限の少なくとも一方を以下の数値範囲のように設定することがさらに好ましい。
1.81<f3/|f2|<3.44・・・(3b)
1.77<f1/ft<2.27・・・(4b)
0.89<|f2|/fw<1.14・・・(5b)
1.55<Lt/ft<2.01・・・(6b)
2.07<Lw/fr<3.31・・・(7b)
0.68<fs/f3<1.49・・・(8b)
1.36<|ff/f2|<2.22・・・(9b)
1.02<|ff|/fr<1.47・・・(10b)
4.76<f1/fp2<5.81・・・(11b)
1.84<f3/fp2<4.25・・・(12b)
【0055】
次に、各実施例のズームレンズL0の構成の詳細について述べる。
【0056】
[実施例1]
実施例1のズームレンズL0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群B1、負の屈折力の第2レンズ群B2、正の屈折力の第3レンズ群B3、後続群Brから構成される。後続群Brは物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第4レンズ群B4、正の屈折力の第5レンズ群B5、負の屈折力の第6レンズ群B6、負の屈折力の第7レンズ群B7で構成される。正の屈折力のレンズ群と負の屈折力のレンズ群を適切に配置することで、ズーム全域における諸収差を良好に補正している。
【0057】
また、第2レンズ群B2は物体側から像側へ順に配置された負レンズ、負レンズ、正レンズ、負レンズの4枚で構成されている。第2レンズ群B2を4枚のレンズで構成し、正レンズを配置することで、ズーミングに際して第2レンズ群B2で発生する倍率色収差の変動を抑制している。
【0058】
また、フォーカシングに際して移動する群の光軸方向の厚みと径方向の大きさを小さくするため、1枚の負レンズからなる第6レンズ群B6が無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して像側へ移動する。さらに、第6レンズ群B6を構成する1枚の負レンズは物体側に凸面を向けたメニスカス形状である。物体側に凸面を向けたメニスカス形状とすることで、フォーカシングに際して発生する球面収差の変動を抑制することができる。
【0059】
また、Fnoを決定する開口絞りは第3レンズ群B3の最も物体側に配置される。比較的径の小さい第3レンズ群B3の最も物体側に配置されることで、開口絞りの径を小さくすることができる。
【0060】
[実施例2]
実施例2のズームレンズL0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群B1、負の屈折力の第2レンズ群B2、正の屈折力の第3レンズ群B3、後続群Brから構成される。後続群Brは物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群B4、負の屈折力の第5レンズ群B5、負の屈折力の第6レンズ群B6で構成される。
【0061】
実施例2のズームレンズL0では、実施例1に対して後続群Br内のレンズ群の数を減らすことで、ズーミングに際して発生するレンズ群同士の相対的な偏心を抑制し、高い光学性能を確保しやすくしている。
【0062】
[実施例3]
実施例3のズームレンズL0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群B1、負の屈折力の第2レンズ群B2、正の屈折力の第3レンズ群B3、後続群Brから構成される。後続群Brは物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群B4、負の屈折力の第5レンズ群B5、正の屈折力の第6レンズ群B6で構成される。
【0063】
実施例3のズームレンズL0では、実施例2に対して負の屈折力の第5レンズ群B5の物体側に隣接して配置された第6レンズ群B6の屈折力を正とすることで、第5レンズ群B5で発生する倍率色収差を抑制しやすくしている。
【0064】
[実施例4]
実施例4のズームレンズL0は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群B1、負の屈折力の第2レンズ群B2、正の屈折力の第3レンズ群B3、後続群Brから構成される。後続群Brは物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第4レンズ群B4、正の屈折力の第5レンズ群B5、負の屈折力の第6レンズ群B6、負の屈折力の第7レンズ群B7、正の屈折力の第8レンズ群B8で構成される。
【0065】
実施例4のズームレンズL0では、負の屈折力の第7レンズ群B7に対して像側に隣接して配置された正の屈折力の第8レンズ群B8を有することで、ズーミングに際して発生する像面湾曲の変動を抑制している。
【0066】
以下に、実施例1から4にそれぞれ対応する数値実施例1~4を示す。
【0067】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、d線(波長587.6nm)、F線(波長486.1nm)、C線(波長656.3nm)、g線(波長435.8nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0068】
最も像側の2つの面はガラスブロック(GB)に相当している。非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を各々非球面係数としたとき、
【0069】
【0070】
なる式で表している。*は非球面形状を有する面を意味している。「e-x」は10-xを意味している。Baはバックフォーカスであり、最終レンズ面から像面までの距離を空気換算で示している。広角は広角端、中間はズームの中間位置、望遠は望遠端を示している。また、面番号1の面は仮想的な面であり、仮想的な面を含んだ構成に限定されず削除しても良い。
【0071】
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 1.60
2 71.698 7.40 1.49700 81.7
3 -1074.771 (可変)
4 95.769 1.60 1.89190 37.1
5 22.455 7.05
6 -369.959 1.25 1.60311 60.6
7 22.126 7.00 1.90366 31.3
8 412.508 4.86
9 -36.457 1.00 1.85150 40.8
10 -89.252 (可変)
11(絞り) ∞ 0.65
12 43.928 3.45 2.00100 29.1
13 -750.000 2.40
14* 106.432 3.70 1.58313 59.4
15* -70.798 2.33
16 -41.445 1.20 1.77047 29.7
17 220.269 (可変)
18 ∞ 1.20 1.85478 24.8
19 28.842 6.10 1.49700 81.7
20 -56.203 (可変)
21* 55.622 3.80 1.58313 59.4
22* -248.880 0.20
23 69.909 7.75 1.59522 67.7
24 -31.690 (可変)
25 71.379 1.10 1.61340 44.3
26 23.380 (可変)
27 -53.964 1.30 1.74400 44.8
28 43.097 4.80 1.92286 20.9
29 -750.000 (可変)
30 ∞ 2.00 1.54400 66.3
31 ∞ (可変)
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.91734e-06 A 6=-1.25922e-08 A 8=-6.96192e-11 A10=-1.24634e-13 A12= 3.32938e-16
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.81431e-06 A 6=-1.15888e-08 A 8=-1.20810e-10 A10= 3.67743e-13 A12=-6.62375e-16
第21面
K = 0.00000e+00 A 4=-2.16306e-06 A 6=-3.51669e-08 A 8= 3.80997e-12 A10=-8.02806e-13 A12= 7.68937e-16
第22面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.35282e-05 A 6=-2.86368e-08 A 8= 3.89958e-11 A10=-1.08816e-12 A12= 1.83610e-15
各種データ
ズーム比 2.36
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 49.00 67.90
Fナンバー 2.88 2.88 2.92
半画角 34.93 23.82 17.67
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 132.38 144.25 158.83
Ba 15.39 26.31 34.87
d 3 0.85 15.70 26.56
d10 21.64 7.73 2.90
d17 4.86 2.83 2.01
d20 2.00 4.04 4.86
d24 3.22 3.12 2.00
d26 12.68 12.78 13.90
d29 13.00 23.93 32.48
d31 1.09 1.09 1.09
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
B1 2 135.53
B2 4 -27.10
B3 11 51.68
B4 18 -321.04
B5 21 26.75
B6 25 -57.18
B7 27 -120.17
GB 30 ∞
【0072】
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 1.60
2 64.109 7.17 1.49700 81.5
3 4538.818 (可変)
4 110.231 1.80 1.59522 67.7
5 21.806 8.58
6 -146.659 1.50 1.61340 44.3
7 25.001 4.89 2.00100 29.1
8 94.515 4.46
9 -42.715 1.30 1.53775 74.7
10 -130.569 (可変)
11(絞り) ∞ 1.80
12 33.675 2.98 1.59522 67.7
13 92.568 2.87
14* 75.661 3.74 1.58313 59.4
15* -96.472 3.66
16 -28.115 1.22 1.77047 29.7
17 -80.146 (可変)
18* 57.289 5.74 1.58313 59.4
19* -37.418 0.26
20 956.173 1.40 1.85478 24.8
21 71.298 7.39 1.59522 67.7
22 -29.436 (可変)
23 102.308 1.00 1.78470 26.3
24 27.735 (可変)
25 -323.671 1.60 1.75500 52.3
26 27.770 5.39 1.92286 20.9
27 135.653 (可変)
28 ∞ 2.00 1.54400 66.3
29 ∞ (可変)
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.99308e-06 A 6= 9.56563e-11 A 8= 2.28657e-11 A10= 6.19341e-13
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-3.09477e-06 A 6= 9.21828e-09 A 8=-7.68728e-11 A10= 9.48917e-13
第18面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.65839e-06 A 6= 5.09383e-08 A 8= 9.98074e-11 A10=-5.71949e-13 A12= 2.69551e-15
第19面
K = 0.00000e+00 A 4= 2.10447e-05 A 6= 4.37658e-08 A 8= 9.78884e-11 A10=-3.21204e-13 A12= 2.51468e-15
各種データ
ズーム比 2.39
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 49.00 68.80
Fナンバー 2.88 2.88 2.88
半画角 34.92 23.68 17.46
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 127.13 138.45 151.03
Ba 15.39 27.19 37.02
d 3 0.85 14.36 23.61
d10 17.85 6.94 2.00
d17 7.91 4.82 3.27
d22 7.33 4.02 2.00
d24 7.45 10.76 12.79
d27 13.00 24.80 34.63
d29 1.09 1.09 1.09
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
B1 2 130.77
B2 4 -31.26
B3 11 102.51
B4 18 25.35
B5 23 -48.78
B6 25 -330.93
GB 28 ∞
【0073】
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 1.60
2 69.090 7.40 1.49700 81.5
3 -803.300 (可変)
4 121.485 1.80 1.59522 67.7
5 22.418 8.77
6 -134.878 1.50 1.61340 44.3
7 26.095 4.63 2.00100 29.1
8 103.970 4.45
9 -39.791 1.30 1.53775 74.7
10 -136.339 (可変)
11(絞り) ∞ 1.80
12 31.872 3.21 1.59522 67.7
13 95.837 2.80
14* 74.280 3.64 1.58313 59.4
15* -111.093 3.73
16 -28.556 1.33 1.77047 29.7
17 -84.332 (可変)
18* 58.568 5.63 1.58313 59.4
19* -37.260 0.78
20 1434.050 1.40 1.85478 24.8
21 75.530 7.14 1.59522 67.7
22 -29.651 (可変)
23 139.647 1.00 1.78470 26.3
24 27.157 (可変)
25 -3733.823 1.60 1.75500 52.3
26 29.164 5.85 1.92286 20.9
27 204.217 (可変)
28 ∞ 2.00 1.54400 66.3
29 ∞ (可変)
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-5.32077e-06 A 6= 7.65017e-09 A 8=-4.96809e-11 A10= 1.19886e-12
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.15343e-06 A 6= 2.86367e-08 A 8=-2.46191e-10 A10= 1.83092e-12
第18面
K = 0.00000e+00 A 4=-7.75733e-06 A 6= 7.82802e-08 A 8=-5.68650e-11 A10=-5.97309e-15 A12= 2.47205e-15
第19面
K = 0.00000e+00 A 4= 1.98553e-05 A 6= 5.79944e-08 A 8= 4.92930e-11 A10=-1.42165e-13 A12= 2.87702e-15
各種データ
ズーム比 2.39
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 50.00 68.80
Fナンバー 2.88 2.88 2.88
半画角 34.92 23.26 17.46
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 127.13 139.11 151.03
Ba 15.39 27.80 37.28
d 3 0.85 14.97 23.52
d10 18.11 6.72 2.00
d17 6.55 3.38 2.00
d22 7.69 4.67 2.88
d24 7.19 10.21 12.00
d27 13.00 25.41 34.89
d29 1.09 1.09 1.09
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
B1 2 128.37
B2 4 -30.04
B3 11 95.30
B4 18 25.64
B5 23 -43.13
B6 25 900.00
GB 28 ∞
【0074】
[数値実施例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ 1.60
2 79.594 7.59 1.49700 81.7
3 -835.318 (可変)
4 73.280 1.60 1.89190 37.1
5 21.548 7.37
6 -369.959 1.25 1.60311 60.6
7 21.168 6.95 1.90366 31.3
8 289.158 4.06
9 -36.165 1.00 1.85150 40.8
10 -91.177 (可変)
11(絞り) ∞ 0.60
12 44.013 3.47 2.00100 29.1
13 -750.000 2.36
14* 107.718 3.73 1.58313 59.4
15* -69.983 2.47
16 -39.067 1.20 1.77047 29.7
17 199.294 (可変)
18 ∞ 1.20 1.85478 24.8
19 29.445 6.20 1.49700 81.7
20 -54.091 (可変)
21* 54.923 4.13 1.58313 59.4
22* -150.167 0.20
23 75.662 6.75 1.59522 67.7
24 -33.194 (可変)
25 83.342 1.10 1.61340 44.3
26 24.485 (可変)
27 -41.988 1.30 1.74400 44.8
28 59.444 3.71 1.92286 20.9
29 -750.000 (可変)
30 150.000 3.00 2.00100 29.1
31 -1033.371 (可変)
32 ∞ 2.00 1.54400 66.3
33 ∞ (可変)
像面 ∞
非球面データ
第14面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.20525e-06 A 6=-3.82772e-08 A 8= 2.77210e-10 A10=-1.84598e-12 A12= 4.13300e-15
第15面
K = 0.00000e+00 A 4=-7.76915e-07 A 6=-4.58293e-08 A 8= 3.25378e-10 A10=-1.82949e-12 A12= 3.89584e-15
第21面
K = 0.00000e+00 A 4=-4.04521e-06 A 6=-3.55365e-08 A 8= 3.62232e-11 A10=-4.52586e-13 A12=-5.35347e-16
第22面
K = 0.00000e+00 A 4= 9.66538e-06 A 6=-2.63857e-08 A 8= 2.80285e-11 A10=-5.56106e-13 A12= 1.71401e-16
各種データ
ズーム比 2.36
広角 中間 望遠
焦点距離 28.80 49.00 67.90
Fナンバー 2.88 2.88 2.88
半画角 34.93 23.82 17.67
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 133.93 147.58 164.79
Ba 15.39 26.87 33.17
d 3 0.93 17.37 29.29
d10 21.92 7.63 3.07
d17 4.14 2.68 2.05
d20 2.00 3.46 4.09
d24 3.31 3.13 2.00
d26 12.42 12.60 13.73
d29 1.00 1.00 4.55
d31 13.00 24.49 30.79
d33 1.09 1.09 1.09
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
B1 2 146.62
B2 4 -27.63
B3 11 54.59
B4 18 -400.00
B5 21 26.50
B6 25 -56.93
B7 27 -74.69
B8 30 131.02
GB 32 ∞
【0075】
以下の表に各実施例における種々の値を示す。
【0076】
【0077】
[撮像装置]
次に、本発明のズームレンズを撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、
図9を用いて説明する。
図9において、11は実施例1~4で説明したいずれかのズームレンズによって構成された撮像光学系である。12はカメラ本体10に内蔵され、撮像光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0078】
このように、本発明のズームレンズL0をデジタルスチルカメラなどの撮像装置に適用することにより、高解像度で広画角な画像を得ることができる。
【0079】
各実施例の開示は、以下の構成を含む。
【0080】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、3つ以上のレンズ群を含む後続群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、および前記後続群に含まれる全てのレンズ群は物体側に移動し、前記第2レンズ群は像側に凸の軌跡で移動し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、広角端における前記後続群の合成焦点距離をfrとするとき、
3.50<f1/|f2|<5.33
0.30<fr/|f2|<2.30
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【0081】
(構成2)
前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
1.34<f3/|f2|<4.26
なる条件式を満足することを特徴とする構成1に記載のズームレンズ。
【0082】
(構成3)
望遠端における全系の焦点距離をftとするとき、
1.31<f1/ft<2.81
なる条件式を満足することを特徴とする構成1または2に記載のズームレンズ。
【0083】
(構成4)
広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.66<|f2|/fw<1.41
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至3の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0084】
(構成5)
望遠端における最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をLt、望遠端における全系の焦点距離をftとするとき、
1.14<Lt/ft<2.49
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至4の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0085】
(構成6)
広角端における最も物体側のレンズ面から最も像側のレンズ面までの光軸上の距離をLwとするとき、
1.52<Lw/fr<4.10
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至5の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0086】
(構成7)
前記第3レンズ群は、非球面形状を有する正レンズを含み、該正レンズの焦点距離をfs、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
0.50<fs/f3<1.85
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至6の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0087】
(構成8)
前記後続群は、フォーカシングに際して移動するフォーカス群を有することを特徴とする構成1乃至7の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0088】
(構成9)
前記フォーカス群は、1枚のレンズからなることを特徴とする構成8に記載のズームレンズ。
【0089】
(構成10)
前記後続群は、前記フォーカス群より像側に少なくとも1つのレンズ群を有し、該レンズ群は、負レンズおよび正レンズをそれぞれ1枚以上有することを特徴とする構成8または9に記載のズームレンズ。
【0090】
(構成11)
前記フォーカス群の焦点距離をffとするとき、
1.00<|ff/f2|<2.74
なる条件式を満足することを特徴とする構成8乃至10の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0091】
(構成12)
前記フォーカス群の焦点距離をffとするとき、
0.75<|ff|/fr<1.81
なる条件式を満足することを特徴とする構成8乃至11の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0092】
(構成13)
前記後続群に配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群は前記フォーカス群の物体側に隣接して配置されることを特徴とする構成8乃至12の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0093】
(構成14)
前記後続群に配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群の焦点距離をfp2とするとき、
3.50<f1/fp2<7.19
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至13の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0094】
(構成15)
前記後続群に配置された正の屈折力を有するレンズ群のうち、最も屈折力の強いレンズ群の焦点距離をfp2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
1.35<f3/fp2<5.26
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至14の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0095】
(構成16)
前記第1レンズ群は、1枚のレンズからなることを特徴とする構成1乃至15の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0096】
(構成17)
前記第2レンズ群は、4枚のレンズからなることを特徴とする構成1乃至16の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0097】
(構成18)
前記第3レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、正レンズ、正レンズ、負レンズからなることを特徴とする構成1乃至17の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0098】
(構成19)
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群、負の屈折力の第7レンズ群からなることを特徴とする構成1乃至18の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0099】
(構成20)
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群からなることを特徴とする構成1乃至18の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0100】
(構成21)
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群からなることを特徴とする構成1乃至18の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0101】
(構成22)
前記後続群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群、負の屈折力の第7レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群からなることを特徴とする構成1乃至18の何れか一構成に記載のズームレンズ。
【0102】
(構成23)
構成1乃至22の何れか一構成に記載のズームレンズと、
該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【0103】
以上、本発明に好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0104】
L0 ズームレンズ
B1 第1レンズ群
B2 第2レンズ群
B3 第3レンズ群
Br 後続群