(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104919
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】シリコン構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B81C 1/00 20060101AFI20240730BHJP
C23C 24/10 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B81C1/00
C23C24/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009360
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391001619
【氏名又は名称】長野県
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】水嵜 英明
【テーマコード(参考)】
3C081
4K044
【Fターム(参考)】
3C081AA07
3C081AA17
3C081BA28
3C081BA43
3C081BA44
3C081BA48
3C081CA03
3C081CA14
3C081CA15
3C081CA20
3C081CA23
3C081CA30
3C081CA40
3C081CA42
3C081DA02
3C081DA03
3C081DA04
3C081DA22
3C081EA01
3C081EA21
3C081EA41
4K044AA11
4K044AB02
4K044BA02
4K044BA06
4K044BA08
4K044BA10
4K044BB01
4K044BC05
4K044BC14
4K044CA15
4K044CA18
(57)【要約】
【課題】機械的特性が向上したシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法、シリコン構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン構造体10におけるシリコンの表面処理方法は、シリコンの表面100aをシリサイド化してシリサイド層122を形成するシリサイド層形成工程S102と、前記シリサイド層122の上にめっき層126を形成するめっき層形成工程S104と、を含む。シリコン構造体20の製造方法は、シリコンの表面210aをシリサイド化してシリサイド層222を形成するシリサイド層形成工程S202と、前記シリサイド層222の上にめっき層226を形成するめっき層形成工程S204と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンの表面をシリサイド化して、シリサイド層を形成するシリサイド層形成工程と、
前記シリサイド層の上にめっき層を形成するめっき層形成工程と、を含むことを特徴とするシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載のシリコンの表面処理方法であって、
前記めっき層形成工程は、前記シリサイド層の上に自己整合的にめっき層を形成すること、を特徴とするシリコンの表面処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載のシリコンの表面処理方法であって、
前記めっき層形成工程は、無電解めっき又は電解めっきによりめっき層を形成すること、を特徴とするシリコンの表面処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載のシリコンの表面処理方法であって、
前記めっき層形成工程は、ニッケル、銅、金、銀、亜鉛、錫、及び、クロムから選択される一又は二以上の金属を含むめっき層を形成すること、を特徴とするシリコンの表面処理方法。
【請求項5】
請求項1に記載のシリコンの表面処理方法であって、
前記シリサイド層形成工程は、前記シリコンの表面であって前記シリサイド層を形成させない領域を設けるために、前記シリサイド層の形成を妨げるシリコン酸化物及び無機化合物から選択される一又は二以上の材料を含む薄膜を形成する工程と、前記シリコンの表面であって前記薄膜が形成されていない領域に金属層を形成する工程と、を含むことを特徴とするシリコンの表面処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載のシリコンの表面処理方法であって、
前記シリコンは、支持基板の上方に形成されたシリコン薄膜であること、を特徴とするシリコンの表面処理方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシリコンの表面処理方法であって、
前記シリコンは、単結晶シリコン、又は、多結晶シリコンであること、を特徴とするシリコンの表面処理方法。
【請求項8】
シリコンの表面をシリサイド化して、シリサイド層を形成するシリサイド層形成工程と、
前記シリサイド層の上にめっき層を形成するめっき層形成工程と、を含むことを特徴とするシリコン構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械要素製品、センサ、アクチュエータ、電子回路等を、一枚のシリコン基板、ガラス基板などの上に微細加工技術によって集積化した、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の開発が進められている。MEMSの一例として、高真空下における微小空間である電子顕微鏡の中で動作する、機械的振動子を挙げることができる(特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、
図9に示すように、SOI基板の支持基板により形成される基部901と、SOI基板のシリコン薄膜により形成され、基部901から水平に突出したカンチレバーとなる構造体902とを備える機械的振動子900の発明が記載されている。機械的振動子900においては、基部901とカンチレバーとなる構造体902の間にある埋め込み酸化膜903の一部が除去されている。さらに、埋め込み酸化膜903が除去された基部901の先端905にカンチレバーとなる構造体902が直接接合されており、基部901の先端905を起点とするカンチレバー904を備える機械的振動子900が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているシリコン構造体(機械的振動子900)のように、SOI基板のシリコン薄膜が可動部分を形成する場合、シリコン構造体の破壊耐性が十分でないことがある、という問題があった。具体的には、シリコン構造体を製造するプロセスにおいて、特定の形状を有する構造体をエッチングプロセスにより形成するが、エッチングプロセスにおいて、シリコン構造体を構成するシリコンの結晶構造がダメージを受けることがある。このため、シリコン構造体の屈曲やねじりに対する破壊耐性が低下することがある。
【0006】
なお、シリコン構造体の破壊耐性が十分でないという問題は、製造プロセスにおける問題であることから、シリコン構造体がSOI基板から製造したものでない場合であっても、同様の問題は生じうる。シリコン構造体の破壊耐性が十分でない結果、製品であるシリコン構造体に大きな力が加わったとき、又は、所定期間を超えて使用した場合に、シリコン構造体が破壊してしまうことがある、という課題があった。
【0007】
本発明はかかる課題を解決することを目的とするもので、シリコンの機械的特性、特に破壊耐性が向上したシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法を提供することを目的とする。また、本発明は、シリコンの機械的特性、特に破壊耐性が向上したシリコン構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]本発明のシリコンの表面処理方法は、シリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法であって、シリコンの表面をシリサイド化して、シリサイド層を形成するシリサイド層形成工程と、前記シリサイド層の上にめっき層を形成するめっき層形成工程と、を含む。
【0009】
[2]本発明のシリコンの表面処理方法においては、前記めっき層形成工程は、前記シリサイド層の上に自己整合的にめっき層を形成すること、が好ましい。
【0010】
[3]本発明のシリコンの表面処理方法においては、前記めっき層形成工程は、無電解めっき又は電解めっきによりめっき層を形成すること、が好ましい。
【0011】
[4]本発明のシリコンの表面処理方法においては、前記めっき層形成工程は、ニッケル、銅、金、銀、亜鉛、錫、及び、クロムから選択される一又は二以上の金属を含むめっき層を形成すること、が好ましい。
【0012】
[5]本発明のシリコンの表面処理方法においては、前記シリサイド層形成工程は、前記シリコンの表面であって前記シリサイド層を形成させない領域を設けるために、前記シリサイド層の形成を妨げるシリコン酸化物及び無機化合物から選択される一又は二以上の材料を含む薄膜を形成する工程と、前記シリコンの表面であって前記薄膜が形成されていない領域に金属層を形成する工程と、を含むことが好ましい。
【0013】
[6]本発明のシリコンの表面処理方法においては、前記シリコンは、支持基板の上方に形成されたシリコン薄膜であること、が好ましい。
【0014】
[7]本発明のシリコンの表面処理方法においては、前記シリコンは、単結晶シリコン、又は、多結晶シリコンであること、が好ましい。
【0015】
[8]本発明のシリコン構造体の製造方法は、シリコンの表面をシリサイド化して、シリサイド層を形成するシリサイド層形成工程と、前記シリサイド層の上にめっき層を形成するめっき層形成工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法、及び、シリコン構造体の製造方法は、シリコンの表面をシリサイド化してシリサイド層を形成するシリサイド層形成工程を含む。これにより、難めっき材料であるシリコンの表面おいて、めっきを析出させることができる。さらに、シリコンの表面に形成しためっき層は、シリコンの機械的特性、特に屈曲耐性やねじり耐性を向上させることができる。
【0017】
すなわち、本発明の一態様によれば、シリコン表面にめっきを施すことを可能にするとともに、シリコンの機械的特性を向上させることできるシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法を提供することができる。
【0018】
また、本発明の他の態様によれば、シリコン表面にめっきが析出することを可能にするとともに、シリコンの機械的特性を向上させることできるシリコン構造体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態1に係るシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法を示すフロー図である。
【
図2】実施形態1に係るシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法を説明するために示す図である。
【
図3】実施形態2に係るシリコン構造体であるシリコン角柱20の製造方法を示すフロー図である。
【
図4】実施形態2に係るシリコン角柱20の製造方法を説明するために示す図である。
【
図5】実施形態2に係るシリコン角柱の座屈特性評価を説明するために示す図である。
図5(a)は、実施形態2に係るシリコン角柱20の座屈特性の評価結果を示す図であり、
図5(b)は、シリコン角柱20の座屈特性の評価方法を示す図である。
【
図6】実施形態3に係るシリコン構造体であるカンチレバー30の製造方法を示すフロー図である。
【
図7】実施形態3に係るカンチレバー30の製造方法を説明するために示す図である。
【
図8】実施形態4に係るシリコン構造体であるMEMSミラー40の製造方法を説明するために示す図である。
【
図9】従来技術に係る機械的振動子900を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法、及び、シリコン構造体の製造方法について、説明する。以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明に必須であるとは限らない。
【0021】
[実施形態]
1.シリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法(実施形態1)
1-1.全体構成
図1は、実施形態1に係るシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法を示すフロー図である。
図2は、実施形態1に係るシリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法を説明するために示す図である。
【0022】
最初に、実施形態1のシリコンの表面処理方法おいて、表面処理の対象とするシリコンについて説明する。実施形態1において使用するシリコンは、シリコン構造体の一部又は全部を構成することが可能であれば、結晶の種類や形状、大きさは、問わない。
【0023】
結晶の種類としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコンを好適に使用することができる。中でも、シリコンとして、単結晶シリコン、多結晶シリコンを使用することが好ましい。シリコンとして、単結晶シリコン、多結晶シリコンを使用することにより、機械的強度に優れるシリコン構造体を製造することができるという点で好ましい。
【0024】
また、シリコンの形状は、薄膜シリコンを使用することができるほか、塊状シリコンを使用することが可能である。中でも、シリコンは、支持基板の上方に形成されたシリコン薄膜であることが好ましく、シリコンは、支持基板の上方に犠牲層を介して形成されたシリコン薄膜であることがより好ましい。
【0025】
以下、
図1及び
図2を参照しながら、シリコン構造体におけるシリコンの表面処理方法を説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、シリコン基板100におけるシリコンの表面100a(以後、「シリコン基板100におけるシリコンの表面100a」のことを、単に「表面100a」と記すことがある。)の一部にシリサイド層122を形成し、シリサイド層122の上にめっき層126を形成する場合を例に、説明する。
【0026】
実施形態1に係るシリコン構造体10におけるシリコンの表面処理方法は、
図1に示すように、シリサイド層形成工程S102と、めっき層形成工程S104と、を含む。
【0027】
1-2.シリサイド層形成工程
シリサイド層形成工程S102は、表面100aをシリサイド化して、表面100aにシリサイド層122を形成する工程である(
図2(a)~
図2(d)参照)。
【0028】
シリサイド層形成工程S102は、金属層形成工程S102-2と、アニール工程S102-3と、を含む。また、表面100aの一部にシリサイド層の形成を妨げる薄膜102を形成する工程S102-1と、金属除去工程S102-4と、を含むことができる。
【0029】
シリサイド層の形成を妨げる薄膜102を形成する工程S102-1(以後、「薄膜形成工程S102-1」と記すことがある。)は、表面100aのシリサイド層122の形成を必要としない領域に、シリサイド層122の形成を妨げる薄膜102を形成する工程である。
【0030】
ここで、シリサイド層の形成を妨げる薄膜102(以後、単に「薄膜102」と記すことがある。)とは、表面100aに薄膜102を形成し、さらに薄膜102の上にシリコンとシリサイドを形成する金属を含む金属層120を形成して熱処理を行ったときに、表面100aにシリサイド層が形成されることを妨げる薄膜102のことである。具体的には、シリコン酸化物及び無機化合物から選択される、一又は二以上の物質を含む薄膜を例示することができる。
【0031】
表面100aのシリサイド層122の形成を必要としない領域に薄膜102を形成することにより、表面100aにおけるシリサイド層122の形成が必要である領域に、選択的にシリサイド層122を形成することができる。なお、表面100aの全ての領域をシリサイド化する場合には、表面100aに薄膜102を形成する必要はない。
【0032】
金属層形成工程S102-2は、表面100aに金属層120を形成する工程である(
図2(b)参照)。表面100aへの金属層120の形成は、スパッタリング等の公知の方法により行うことができる。
【0033】
金属層120に使用する金属は、シリコンとシリサイドを形成することができる金属であれば特に制限なく使用することができる。金属層120に使用することができる金属として、モリブデン、チタン、銅、コバルト、クロム、ニッケル、白金、等の金属を例示することができる。
【0034】
金属層120を形成する領域は、表面100aのうち、少なくとも、シリサイド層122を形成する領域である。なお、上記した薄膜形成工程S102-1において、表面100aにおけるシリサイド層122の形成を必要としない領域に薄膜102を形成している場合には、シリサイド層122を形成する領域と、薄膜102が形成されている領域の両方に、金属層120を形成してもよい。
【0035】
アニール工程S102-3は、金属層120を形成したシリコン基板100に対して熱処理を施し、表面100aのうち、シリサイド化を行う領域をシリサイド化して、シリサイド層122を形成する工程である(
図2(c)参照)。アニール工程S102-3における熱処理条件は、金属層120に含まれる金属の種類やシリコンの融点を考慮して、適宜、決定することができるが、一例として100℃~700℃の温度範囲を挙げることができる。
【0036】
アニール工程S102-3において、金属層120に当接している表面100aがシリサイド化され、表面100aにシリサイド層122が形成される。なお、表面100aに薄膜102を介して金属層120が形成された部分は、薄膜102がシリサイド層122の形成を妨げるため、表面100aがシリサイド化されることはなく、シリサイド層122は形成されない。
【0037】
金属除去工程S102-4は、シリサイド化の際にシリサイド化されずシリサイド層122の上面に残った金属を、エッチングにより除去する工程である。エッチングは、混酸、過酸化水素系の酸、等を使用したウエットエッチングにより、シリサイド層122の上面から、未反応の金属を除去する。さらに、薄膜102を除去すると、表面100aの所定の領域にシリサイド層122が形成されたシリコン基板100を得ることができる(
図2(d)参照)。
【0038】
1-3.めっき層形成工程
めっき層形成工程S104は、シリサイド層122の表面に、めっき層126を形成する工程である(
図2(e)参照)。めっきに使用される材料は、シリサイド層122の表面にめっき層126を形成可能な材料である限り特に制限されない。なお、めっきに使用可能な材料として、ニッケル、銅、金、銀、亜鉛、錫、及び、クロム等の金属、又は、これらの中から選択される二以上の金属を例示することができる。
【0039】
また、シリサイド層122の表面にめっき層126を形成する方法は、シリサイド層122にめっき層126を形成することが可能である限りにおいて、その方法は問わない。なお、めっき層126の形成方法として、無電解めっき、又は、電解めっきであることが好ましい。
【0040】
無電解めっき、及び、電界めっきは、多様な種類の金属をシリサイド層122の表面に均一に析出させることができる、という点で優れている。また、膜厚が大きなめっき層126を、シリサイド層122の表面に形成することができる。すなわち、めっき層126を無電界めっき、又は、電界めっきにより形成することにより、膜厚が大きく、均一な膜厚を有するめっき層126を形成することができる。
【0041】
めっき層126は、シリサイド層122の上に自己整合的に形成される。すなわち、めっき層形成工程S104においては、シリサイド層122の表面のみに、選択的にめっき材料が析出し、シリサイド層122が形成されていない表面100aには、めっき材料が析出することはない。
【0042】
実施形態1に係るシリコンの表面処理方法は、シリコンの表面100aをシリサイド化してシリサイド層122を形成するシリサイド層形成工程S102を含む。これにより、めっきが難しい材料であるシリコンの表面100aに、めっきを析出させることができる。
【0043】
表面100aをめっき層126で覆うことにより、シリコンの結晶構造が乱れることによるシリコン構造体10の破壊を抑制することができる。より具体的には、シリコン構造体10を屈曲させる力が加わったときにシリコン構造体10が破壊することを抑制することができる。また、シリコン構造体10をねじる向きの力が加わったときのねじり耐性を向上させることができる。
【0044】
また、めっき層形成工程S104においては、めっき層126は、シリサイド層122が形成された領域にのみ、選択的にめっき層126が形成される。すなわち、めっき層126は、シリサイド層122の表面に自己整合的に形成される。
【0045】
すなわち、シリサイド層122を形成した領域において、選択的にめっき層を形成することにより、機械的特性を向上させることができ、また電気的導通を確保することができる。一方、シリサイド層122を形成しなかった領域においては、めっき層126が形成されないので、もともとの表面100aが有する特性、例えば平滑面に基づく反射特性を生かしたデバイスを作成することが可能である。
【0046】
2.シリコン構造体の製造方法(実施形態2)
図3は、実施形態2に係るシリコン構造体であるシリコン角柱20の製造方法を示すフロー図である。
図4は、実施形態2に係るシリコン角柱20の製造方法を説明するために示す図である。なお、
図4(b)~
図4(d)は、シリコン角柱20の製造中間体を示す図であるが、断面の構造を示すため、シリコン角柱20の一部を点線で示している。
【0047】
以下、
図3及び
図4を参照しながら、シリコン角柱20の製造方法を説明する。なお、実施形態2に係るシリコン角柱20の製造方法は、シリコン角柱20におけるシリコンの表面処理方法を含む。また、実施形態1と説明が重複する場合は、適宜説明を省略することがある。
【0048】
実施形態2に係るシリコン角柱20の製造方法は、
図3に示すように、基材準備工程S201と、シリサイド層形成工程S202と、めっき層形成工程S204と、を含む。
【0049】
2-1.基材準備工程
基材準備工程S201は、材料となる基材を準備する工程である。基材準備工程S201においては、基材となるシリコン基板200を準備し、所定の厚さになるまでシリコン基板200を研磨、又は、エッチングを行い、厚さを調整する。研磨等を行った後のシリコン基板200の厚さは、例えば0.1mm(100μm)である。なお、研磨後のシリコン基板200の厚さは例示であり、かかる厚さには限定されない。
【0050】
厚さを所定の厚さに調整したシリコン基板200は、ダイシングを行い、所定のサイズにカットする。例えば、幅0.1mm(100μm)、長さ30mmにカットし、100μm(縦)x100μm(横)x30mm(高さ)の柱状の基材210(
図4(b)参照)を得る。なお、基材210の大きさは例示であり、上記した寸法に限定されない。
【0051】
2-2.シリサイド層形成工程
シリサイド層形成工程S202は、基材210におけるシリコンの表面210a(以後、「基材210におけるシリコンの表面210a」のことを単に「表面210a」と記すことがある。)をシリサイド化して、表面210aにシリサイド層222を形成する工程である。すなわち、シリコン基板200から切り出した柱状の基材210の表面210aに、シリサイド層222を形成する(
図4(c)参照)。
なお、シリサイド層形成工程S202は、実施形態1に係るシリコンの表面処理方法におけるシリサイド層形成工程S102と同じであるので、説明を省略する。
【0052】
2-3.めっき層形成工程
めっき層形成工程S204は、シリサイド層222の表面に、めっき層226を形成する工程である。すなわち、表面210aに形成したシリサイド層222の表面に、めっき層226を形成する(
図4(d)参照)。
めっき層形成工程S204も、実施形態1に係るシリコンの表面処理方法におけるめっき層形成工程S104と同じであるので、説明を省略する。
【0053】
以上のようにして得られたシリコン角柱20について、機械的強度の一つである座屈耐性を評価した。
【0054】
評価用サンプルは、市販の単結晶シリコンウエハーから製造した100μm(縦)×100μm(横)×30mm(高さ)のシリコン角柱20とした。まず、市販のシリコンウエハーの一方の面を、基板の厚さが0.1mm(100μm)になるまで研磨した。その後、厚さが0.1mmになった基板をダイシングして、0.1mm(縦)×0.1mm(横)×30mm(高さ)の柱状の基材210を得た。
【0055】
基材210の表面に、シリサイド層222を形成し、さらにニッケルのめっき層226を形成して、評価用のシリコン角柱20とした。このときのシリサイド層222の形成条件、及び、めっき層226の形成条件は、以下に記す通りである。
・シリサイド層222の形成条件
金属層 :ニッケル,30nm
熱処理条件:300℃,5分間
・めっき層226の形成条件
めっき方法:無電解めっき
めっき層 :ニッケル,0.1μm
【0056】
図5は、実施形態2に係るシリコン角柱20の座屈特性評価を説明するために示す図である。
図5(a)は、実施形態2に係るシリコン角柱20の座屈特性の評価結果を示す図であり、
図5(b)は、シリコン角柱20の座屈特性の評価方法を示す図である。
【0057】
シリコン角柱20の耐座屈試験は、以下に記す方法によって行った。
図5(b)に示すように、シリコン角柱20を水平な台250の上に鉛直に立て、治具260を用いて、シリコン角柱20を鉛直下方に向かって押圧する。シリコン角柱20が撓んでも押圧を続け、シリコン角柱20が破断したときの変位量xを最大変位量として測定した。
【0058】
表面210aをシリサイド化し、めっき層226を形成したサンプルである「Niめっき」、及び、表面210aにめっき層226を形成しないサンプルである「未処理」について、それぞれ3個のサンプルについてデータを採取し、平均値を測定結果とした。
【0059】
評価結果を
図5(a)に示す。「未処理」のシリコン角柱20は、最大変位540.5μmという結果であった。一方、表面210aにニッケルのめっき層226を形成した「Niめっき」のサンプルは、最大変位が1479.3μmという結果であった。表面210aにめっき層226を形成したシリコン角柱20は、表面210aにめっき層226を形成しないサンプルに比べ、シリコン角柱20を座屈させたときの最大変位量が約2.7倍大きくなるという結果になった。このことより、表面210aにめっき層226を形成することにより、機械的特性、特に屈曲特性が飛躍的に向上したと言える。
【0060】
以上の結果は、シリコン角柱20が、エッチングやダイシング等の製造時に受けたダメージを、めっき層226で保護することにより、破壊から抑制できることを示すものである。
【0061】
3.実施形態3
図6は、実施形態3に係るシリコン構造体であるカンチレバーの30の製造方法を示すフロー図である。
図7は、実施形態3に係るカンチレバー30の製造方法を説明するために示す図である。なお、
図7(a)~
図7(e)の各図において、上に示す図は、製造途中又は完成したカンチレバー30を正面から見た図であり、下に示す図は、製造途中又は完成したカンチレバー30を上面から見た図である。
【0062】
以下、
図6及び
図7を参照しながら、カンチレバー30の製造方法を説明する。なお、実施形態3に係るカンチレバー30の製造方法は、カンチレバー30におけるシリコンの表面処理方法を含む。また、実施形態3の説明にあたり、実施形態1~実施形態2と説明が重複する場合は、説明を省略することがある。
【0063】
3-1.基材準備工程
基材準備工程S301において、SOI基板310を準備する。SOI基板とは、
図7(a)に示すように、シリコン基板300とシリコン薄膜316との間に埋め込み酸化膜が挿入された構造を有する基板のことである。なお、シリコン基板300とシリコン薄膜316との間に設けられた埋め込み酸化膜は、シリコン基板300とシリコン薄膜316とを分離する目的で使用され、エッチングにおける選択性が高い膜であることから、以後、犠牲層314と記す。
【0064】
犠牲層314は、酸化膜に限定されない。シリコン構造体であるカンチレバー30の構造を製造するときに、エッチング等の手段により、犠牲層314を選択的に取り除くことができれば、犠牲層314を構成する材料の種類は問わない。犠牲層314を構成する材料として、シリコン酸化膜の他に、シリコン絶縁膜、レジスト、セラミック、等を例示することができる。
【0065】
基材してSOI基板310を使用する場合、犠牲層314の一部を除去することにより、シリコン薄膜316をシリコン基板300から離間させることができる。これにより、後で説明する様に、カンチレバー30の梁部をシリコン基板300から離間させ、カンチレバー30として機能させることが可能になる。
【0066】
シリコン薄膜316に使用することができるシリコンの種類として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質(アモルファス)シリコンを例示することができる。中でも、単結晶シリコン、又は、多結晶シリコンを使用することが好ましい。シリコン薄膜316として、単結晶シリコン、多結晶シリコンを使用することにより、機械的強度に優れるカンチレバー30を製造することができる。
【0067】
型形成工程S301-1は、シリコン薄膜316に構造体の形状を形成する工程である。具体的には、シリコン薄膜316に対して、フォトリソ、及び、エッチングを行い、シリコン薄膜316に構造体を形成する(
図7(a)参照)。エッチング方法として、ドライエッチングとウエットエッチングとを挙げることができるが、微細形状を正確に加工できるという点において、ドライエッチングによることが好ましい。
【0068】
図7(a)には、犠牲層314の上に、後にカンチレバー30となる構造体が3個、形成されている。各々の構造体は、後にカンチレバー30の支持部となる支持部316aと、後にカンチレバー30の梁となる梁部316bとを含む。
【0069】
3-2.シリサイド層形成工程
シリサイド層形成工程S302は、金属層形成工程S302-2と、アニール工程S302-3と、を含む。
【0070】
金属層形成工程S302-2は、金属層320を、シリコン薄膜316、及び、露出している犠牲層314の上に形成する工程である。金属層330に含まれる金属は、シリコン薄膜316を構成するシリコンとシリサイドを形成することができる金属であれば、任意の金属を選択することができる。
【0071】
なお、金属として、シリコンに対する拡散係数が小さい金属を選択した場合、アニール工程S302-3により構造体の底面までシリサイド化されることはないので、めっき層形成工程S304において、構造体の底面がめっきされることはない。
【0072】
一方、金属としてシリコンに対する拡散係数が大きい金属、例えば、銅、金、等を選択した場合は、構造体の全体がシリサイド化される。構造体を形成する際のエッチングダメージは、構造体の側面において大きいが、金属層320を形成する金属として拡散係数が大きい金属を選択することにより、構造体の厚さ方向の全体に渡って、シリサイド層322を形成することができる。この結果、後述するめっき層形成工程S304において、構造体の側面にもめっき層326を形成することができ、活性構造体の側面のエッチングによるダメージを修復することができる。これにより、構造体の破壊耐性が向上し、さらに、プローブの低抵抗化も実現することができる。
【0073】
アニール工程S302-3においては、
図7(b)に示すように、金属層320を形成したシリコン薄膜316の表面に対してアニールを施し、シリコン薄膜316の表面の全部又は一部をシリサイド化してシリサイド層322を形成する。アニール温度は、金属層320に含まれる金属の種類やシリコンの融点を考慮して、適宜、決定することができるが、一例として100℃~700℃の温度範囲を挙げることができる。
【0074】
アニール工程S302-3においては、シリコン薄膜316のみが選択的にシリサイド化され、シリコン薄膜316の表面のみにシリサイド層322が形成される。犠牲層114の表面は、シリサイド化されない(
図6(b)参照)。
【0075】
金属除去工程S302-4は、シリサイド化の際にシリサイド化されずシリサイド層322の上に残った金属を、エッチングにより除去する工程である(
図6(c)参照)。エッチングは、塩酸又は硫酸と過酸化水素とを混ぜたエッチャント、等を使用したウエットエッチングにより行う。
【0076】
3-3.犠牲層除去工程
犠牲層除去工程S303においては、犠牲層314のうち、支持部316aの下層に存在する犠牲層314を残して、他の犠牲層314を除去する。犠牲層314を除去することにより、構造体のうち梁部316bが支持基板312から離間する。これにより、カンチレバー30の構造が完成する。
【0077】
3-4.めっき層形成工程
めっき層形成工程S304は、
図6(e)に示すように、シリサイド層322の表面に、めっき層326を形成する工程である。めっきに使用可能な材料として、ニッケル、銅、金、銀、亜鉛、錫、及び、クロム等の金属、又は、これらの中から選択される二以上の金属を例示することができる。
【0078】
本発明のシリコン構造体の製造方法においては、めっき層326を形成することによりシリサイド層322の表面に金属からなる層(めっき層326)を形成する。シリコン構造体が実施形態3に係るカンチレバー30のような立体的な形状を有する場合に、スパッタや蒸着により、カンチレバー30の梁部316bの上面と側面に、同じ厚さの金属層を形成することは難しい。一方、めっきによりめっき層326を形成する実施形態3に係るカンチレバーの製造方法によれば、カンチレバー30の梁部316bの側面にも、上面と同じ膜厚のめっき層126を形成することができる。
【0079】
以上説明した実施形態3に係るカンチレバー30の製造方法は、シリコン薄膜316の表面をシリサイド化してシリサイド層322を形成するシリサイド層形成工程S302を含む。これにより、難めっき材料であるシリコン薄膜316の表面に、めっきを析出させることができる。さらに、シリコン薄膜316の表面にめっき層326を形成することにより、シリコンの機械的特性、具体的には、屈曲特性が向上したシリコンの表面処理方法、及び、カンチレバー30の製造方法を提供することができる。
【0080】
すなわち、本発明の一態様によれば、シリコン表面をシリサイド化することにより、めっきが析出しやすくなる、換言すると、シリコン表面へのめっき層326の形成が容易になるとともに、シリコンの機械的特性を向上させることできるシリコンの表面処理方法を提供することができる。
【0081】
さらに、シリサイド層318の上にめっき層326を形成することにより、電気的な導通を確保することができる、という効果も併せて得ることができる。
【0082】
4.実施形態4
図8は、実施形態4に係るシリコン構造体であるMEMSミラー40の製造方法を説明するために示す図である。なお、
図8(a)~
図8(e)の各図において、上に示す図は、製造途中又は完成したMEMSミラー40を正面から見た図であり、下に示す図は、製造途中又は完成したMEMSミラー40を上面から見た図である。また、MEMSミラー40の製造方法を示すフロー図は、実施形態3に係るカンチレバー30の製造方法を示すフロー図と同一であるので、
図6を用いて説明することとする。
【0083】
以下、
図6及び
図8を参照しながら、MEMSミラー40の製造方法を説明する。なお、実施形態4に係るMEMSミラー40の製造方法は、MEMSミラー40におけるシリコンの表面処理方法を含む。また、実施形態4の説明にあたり、実施形態1~実施形態3と説明が重複する場合は、説明を省略することがある。
【0084】
4-1.基材準備工程
基材準備工程S301において、SOI基板410を準備する。次に、型形成工程S301-1において、
図8(a)に示すように、SOI基板410のシリコン薄膜416に対して、フォトリソ、及び、エッチングを行い、SOI基板410のシリコン薄膜416に、構造体を形成する。構造体は、中央にミラーとなるミラー部416cと、ミラー部416cから、図中、左に向かって延びる梁部416d、及び、右に向かって延びる梁部416eとを有する。また、ミラー部416cの表面には、MEMSミラー40を製造する間、シリコン薄膜416の表面に金属が付着することを防止し、シリコン薄膜416の表面の平坦性を維持するための薄膜、例えば、酸化膜418を形成する。
【0085】
4-2.シリサイド層形成工程
シリサイド層形成工程S302は、金属層形成工程S302-2と、アニール工程S302-3と、を含む。
【0086】
金属層形成工程S302-2は、金属層420を、シリコン薄膜416及び露出している犠牲層414の上に形成する工程である。なお、金属層420は、酸化膜418の上面にも形成してもよい。金属層420に含まれる金属は、シリコン薄膜416を構成するシリコンとシリサイドを形成することができる金属であれば、任意の金属を選択することができる。
【0087】
アニール工程S302-3は、少なくとも金属層420を形成したシリコン薄膜416の表面に対してアニールを施し、シリコン薄膜416の表面の全部又は一部をシリサイド化してシリサイド層422を形成す工程である(
図8(b)参照)。
【0088】
アニール工程S302-3においては、シリコン薄膜416のみが選択的にシリサイド化され、シリコン薄膜416の表面のみにシリサイド層422が形成される。犠牲層414はシリサイド化されない。また、構造体のミラー部416cは、酸化膜418で保護されているので、シリサイド化されることはない(
図8(b)参照)。
【0089】
金属除去工程S302-4においては、
図8(c)に示すように、シリサイド化の際にシリサイド化されずシリサイド層422の上面に残った金属を、エッチングにより除去する。
【0090】
4-3.犠牲層除去工程
犠牲層除去工程S303は、犠牲層414のうち、SOI基板410における、図中、左右両端の領域の犠牲層414を残して、他の犠牲層414を除去する工程である(
図8(d)参照)。これにより、ミラー部416cと、及び、梁部416d、梁部416eとを含む構造体が、支持基板412から離間したMEMSミラー40の構造が完成する。さらに、犠牲層除去工程S303においては、ミラー部416cの表面に形成された、酸化膜418も除去する。
【0091】
4-4.めっき層形成工程
めっき層形成工程S304は、シリサイド層422の表面に、無電解めっきにより、めっき層426を形成する工程である(
図8(e)参照)。めっきに使用可能な材料として、ニッケル、銅、金、銀、亜鉛、錫及び、クロム等の金属、又は、これらの中から選択される二以上の金属を例示することができる。
【0092】
めっき層形成工程S304においては、自己整合的にめっき層426が形成される。すなわち、めっき層形成工程S304においては、シリサイド層422の表面のみに、選択的にめっき材料が析出し、支持基板412の表面や、ミラー部416cの表面にめっき材料が析出することはない。
【0093】
以上説明した実施形態4に係るMEMSミラー40の製造方法、及び、MEMSミラー40におけるシリコンの表面処理方法は、シリコンの表面をシリサイド化してシリサイド層を形成するシリサイド層形成工程S2を含む。これにより、難めっき材料であるシリコンの表面に、めっきを析出させることができる。さらに、シリコンの表面にめっき層426を形成することにより、シリコンの機械的特性、具体的には、ねじり耐性を向上したMEMSミラー40の製造方法、及び、MEMSミラー40におけるシリコンの表面処理方法を提供することができる。
【0094】
すなわち、実施形態4に係るMEMSミラー40の製造方法によれば、梁部416d及び梁部416eにおいては、シリコン表面をシリサイド化してシリサイド層422を形成し、シリサイド層422の表面にめっきが析出しやすくすることができる。これにより、シリコンの機械的特性を向上させることできるMEMSミラー40の製造方法を提供することができる。
【0095】
一方、ミラー部416cにおいては、酸化膜418が形成されているためにシリサイド層422は形成されない。シリサイド層422が形成されないために、めっき層426が形成されることもなく、ミラー部416cの平滑度を維持することができる、という効果を有する。
【符号の説明】
【0096】
10…シリコン構造体、20…シリコン角柱、30…カンチレバー、40…MEMSミラー、100,200,300,400…シリコン基板、100a…(シリコンの)表面
102…シリサイド層の形成を妨げる薄膜、110…SOI基板、316,416…シリコン薄膜、120,320,420…金属層、122,222,322,422…シリサイド層、126,226,326,426……めっき層、210…基材、250…水平な台、260…治具、310,410…SOI基板、314,414…犠牲層、316a…支持部、316b…梁部、416c…ミラー部、416d,416e…梁部、418…酸化膜、900…機械的振動子、901…基部、902…構造体、903…埋め込み酸化膜、904…カンチレバー、905…先端