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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104920
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/028 20190101AFI20240730BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20240730BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
F24F1/028
B01D53/26 100
F24F1/02 411E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009363
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100118094
【弁理士】
【氏名又は名称】殿元 基城
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 義一
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 長
(72)【発明者】
【氏名】今井 雄太
(72)【発明者】
【氏名】吉仕 彰
【テーマコード(参考)】
3L049
3L051
4D052
【Fターム(参考)】
3L049BB07
3L049BB10
3L049BB11
3L049BC01
3L049BD02
3L049BD05
3L051BH05
4D052AA08
4D052AA10
4D052BA04
4D052BB06
4D052BB09
4D052GA01
4D052GA02
4D052GA03
4D052GB00
4D052GB02
4D052GB03
4D052GB07
(57)【要約】
【課題】使用性に優れた空気調和機を提供する。
【解決手段】空調ユニットと、空調ユニットに対して一体または分離可能な送風ユニットと、を備える空気調和機である。空調ユニットは、筐体と、筐体に配置される吸込口と、筐体に収容され、吸込口から吸い込んだ空気を調和する空気調和部と、筐体に配置され、空気調和部で調和された空気を吹き出す、吹出口と、筐体に配置される電源出力端子87と、電源出力端子87を遮蔽するシャッター230と、空調ユニットと送風ユニットとが一体である一体時においてシャッター230を開け、空調ユニットと送風ユニットとが分離する分離時においてシャッター230を閉じる開閉部と、を有する。送風ユニットは、吹出口から吹き出された空気を吸い込み送風する送風部と、一体時において電源出力端子87に接続されて電源が供給される電源入力端子187と、を有する。
【選択図】 図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調ユニットと、前記空調ユニットに対して一体または分離可能な送風ユニットと、を備える空気調和機であって、
前記空調ユニットは、
筐体と、
前記筐体に配置される吸込口と、
前記筐体に収容され、前記吸込口から吸い込んだ空気を調和する空気調和部と、
前記筐体に配置され、前記空気調和部で調和された空気を吹き出す、吹出口と、
前記筐体に配置される電源出力端子と、
前記電源出力端子を遮蔽するシャッターと、
前記空調ユニットと前記送風ユニットとが一体である一体時において前記シャッターを開け、前記空調ユニットと前記送風ユニットとが分離する分離時において前記シャッターを閉じる開閉部と、を有し、
前記送風ユニットは、
前記吹出口から吹き出された前記空気を吸い込み送風する送風部と、
前記一体時において前記電源出力端子に接続されて電源が供給される電源入力端子と、を有する空気調和機。
【請求項2】
前記送風ユニットは、前記一体時において前記開閉部に作用し前記シャッターを開けさせる開放部を有する、請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記筐体は、設置面に設置される底面と、上方に面する上面と、を有し、
前記吹出口は、前記上面に配置され、前記空気調和部で調和された空気を前記上方に吹き出し、
前記電源出力端子は、前記上面に配置され、前記上方に凸となる凸形状を有し、
前記送風ユニットは、
前記送風部を支持し、前記空調ユニットと前記送風ユニットが一体時において前記上面上に設置される台座部底面を有する台座部をさらに有し、
前記電源入力端子は、前記台座部底面に配置され、前記凸形状に対応する凹形状を有し、
前記開閉部は、無負荷時において前記シャッターを閉じ、前記上方から下方の負荷を受けることにより前記シャッターを開け、
前記開放部は、前記台座部底面から下方に突出し前記開閉部に前記負荷を与える押込突起である、請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記空調ユニットは、前記シャッターを上下方向に直交する方向の回転軸周りに回転可能に支持する支持部をさらに有し、
前記開閉部は、前記押込突起から受ける前記負荷を前記回転軸周りの回転に変換して前記シャッターを開ける、請求項3記載の空気調和機。
【請求項5】
前記開閉部は、
前記押込突起からの前記負荷を受ける負荷受面と、前記負荷受面と平行な伝達面と、を有する伝達部と、
前記シャッターと一体に配置され、前記伝達部に接し、前記伝達部が前記負荷を受けると前記伝達部から伝達された前記負荷により前記シャッターを前記回転軸周りに回転する作動部と、を有する、請求項4記載の空気調和機。
【請求項6】
前記伝達部は、前記伝達面に対して傾斜して前記無負荷時に前記作動部に接触し、前記負荷を受けた場合に前記伝達面が前記作動部に与えるトルクよりも大きいトルクを前記作動部に与える傾斜面をさらに有する、請求項5記載の空気調和機。
【請求項7】
前記作動部は、
前記シャッターが所定位置に回転するまで前記伝達面上を移動する曲面部と、
前記シャッターが前記所定位置に到達した場合前記伝達面と面接触し前記伝達面上の移動を制止する平坦部と、を有する、請求項5記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能な送風ユニットを有する空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷却ユニットに着脱できる送風機部を設けた空気調和装置が開示されている。この空気調和装置は、冷却ユニットに対して送風機部を取り外してサーキュレータなどとして使用する場合には、送風機部に設けられた電源コードが外部の電源に差し込まれることにより、送風機部に電源が供給される。また、送風機部が冷却ユニットにはめ込まれて一体として使用される場合には、電源コードが冷却ユニットのプラグ差し込み口に差し込まれることにより電源が供給され、不要な長尺の電源コードが冷却ユニットに設けられたコード収納部に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭61-25536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した空気調和装置は、一体または分離して使用可能であったが、それぞれに電源コードの取り回しが必要であり、使い勝手を損ねるものであった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、使用性に優れた空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る空気調和機は、上述した課題を解決するために、空調ユニットと、空調ユニットに対して一体または分離可能な送風ユニットと、を備える空気調和機であって、空調ユニットは、筐体と、筐体に配置される吸込口と、筐体に収容され、吸込口から吸い込んだ空気を調和する空気調和部と、筐体に配置され、空気調和部で調和された空気を吹き出す、吹出口と、筐体に配置される電源出力端子と、電源出力端子を遮蔽するシャッターと、空調ユニットと送風ユニットとが一体である一体時においてシャッターを開け、空調ユニットと送風ユニットとが分離する分離時においてシャッターを閉じる開閉部と、を有し、送風ユニットは、吹出口から吹き出された空気を吸い込み送風する送風部と、一体時において電源出力端子に接続されて電源が供給される電源入力端子と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る空気調和機においては、使用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態における除湿機の一体時における正面から見た外観斜視図。
図2】本実施形態における除湿機の一体時における背面から見た外観斜視図。
図3】サーキュレータ付除湿機の一体時における縦断面図。
図4】サーキュレータ付除湿機の一体時における分解斜視図。
図5】サーキュレータ付除湿機の機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図6図5の機能ブロックのうち、各電源部を特に説明するための概略的な機能ブロック図。
図7】分離時におけるサーキュレータの正面から見た外観斜視図。
図8】分離時におけるサーキュレータの背面から見た外観斜視図。
図9】分離時における除湿機の使用状態の一例を示す外観斜視図。
図10】電源出力端子および支持ケースを特に示す図。
図11】電源入力端子を特に示す図。
図12】電源出力端子が電源入力端子に接続される直前の状態を示す説明図。
図13】電源出力端子が電源入力端子に接続された状態を示す説明図。
図14】シャッターが閉じた状態を示す図。
図15】シャッターが開いた状態を示す図。
図16】シャッターが閉じた状態のシャッターおよび開閉部を後方から特に示す説明図。
図17】シャッターが開いた状態のシャッターおよび開閉部を後方から特に示す説明図。
図18図16のシャッターおよび開閉部を前方から示す説明図。
図19】特にシャッターが閉じた状態の開閉部を後方から示す説明図。
図20】特にシャッターが開いた状態の開閉部を後方から示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る空気調和機の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。本実施形態においては、本発明の空気調和機を、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用し空気中に含まれる水分を結露させて除湿し、送風するサーキュレータ付除湿機に適用して説明する。
【0010】
図1は、本実施形態におけるサーキュレータ付除湿機1の一体時における正面から見た外観斜視図である。
図2は、本実施形態におけるサーキュレータ付除湿機1の一体時における背面から見た外観斜視図である。
図3は、サーキュレータ付除湿機1の一体時における縦断面図である。
図4は、サーキュレータ付除湿機1の一体時における分解斜視図である。
図5は、サーキュレータ付除湿機1の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
図6は、図5の機能ブロックのうち、各電源部83、183を特に説明するための概略的な機能ブロック図である。
図7は、分離時におけるサーキュレータ3の正面から見た外観斜視図である。
図8は、分離時におけるサーキュレータ3の背面から見た外観斜視図である。
図9は、分離時における除湿機1の使用状態の一例を示す外観斜視図である。
【0011】
以下の説明においては、各図面に示される前後上下左右の定義に従って説明する。除湿ユニット側操作部74が設けられている前方を向く面を正面、後方を向く正面と反対の面を背面という場合がある。また、前後左右方向に沿う方向を、水平方向とする。サーキュレータ3の前後上下左右の定義は、サーキュレータ3が除湿ユニット2へ取り付けられ除湿ユニット2とサーキュレータ3とが一体となった場合(以下単に「一体時」という。)と、サーキュレータ3が除湿ユニット2から分離され除湿ユニット2とサーキュレータ3とが分離した場合(以下単に「分離時」という。)とで、異なる場合があり、一体時においては図1から4、10から20の定義に従い、分離時においては図7および8に従う場合がある。
【0012】
サーキュレータ付除湿機1(以下単に「除湿機1」という。)は、除湿ユニット2(空調ユニット)と、除湿ユニット2の上方に配置され、除湿ユニット2に対して一体または分離可能なサーキュレータ3(送風ユニット)と、を有する。サーキュレータ3は、図4に示すように、除湿ユニット2(筐体10)に対して着脱可能であり、除湿ユニット2と連動または独立して送風可能である。
【0013】
除湿ユニット2は、除湿ユニット2の外観をなす筐体10を有する。筐体10は、前枠11と、後枠12と、上面板14と、ベース15と、を有する。
【0014】
前枠11および後枠12は、筐体10の前後方向のほぼ中央位置において上下方向に延びる接続線13(図1)を介して組み合わされ、筐体10の上面21および底面22を繋ぐ、四面を有するほぼ角柱状の側面23をなす。前枠11および後枠12は、それぞれ上端から水平方向内側に折れ曲がり形成される上面枠部24を有する。また、左右の側面23としての前枠11および後枠12は、取っ手43が配置されるための取っ手切欠25を有する。取っ手切欠25は、側面23の上端かつ前後方向ほぼ中央位置に形成される。前枠11の前方を向く面は、側面23のうちの正面23a(図3)となる。
【0015】
図2および3に示すように、後枠12(背面側の側面23)は、吸込口31と、タンク挿入口32と、電源コード口34と、を有する。吸込口31は、複数のスリット36を有し、外表面にフィルタ37およびフィルタケース38を有する。フィルタ37は、樹脂製の網や不織布などからなり、吸入空気に混入する埃やにおい成分などを取り除く。フィルタケース38は、フィルタ37を吸込口31に固定する。タンク挿入口32は、吸込口31の下方に配置され、ここからドレンタンク69が挿入され、また取り出される。電源コード口34は、後枠12の右下方に配置され、除湿ユニット側制御部70に接続された電源コード4が電源コード口34から筐体10外部に引き回される。
【0016】
上面板14は、上方に面する基部14aと、基部14aの周縁から下方に延びる周壁部14bと、を有する。上面板14は、上面枠部24の内縁が形成する開口24a(図3)を覆うように配置される。基部14aは、上述した上面枠部24とともに、筐体10の上方に面する面である上面21をなす。上面21においては、周壁部14bが上面枠部24に対する段差を形成することにより、基部14aが上面枠部24に対して上方に凸となる上面側凸部90(図3、4)として機能する。
【0017】
また、上面板14は、吹出口41と、導風壁42と、取っ手43と、左右吸込口凹部45と、を有する。
【0018】
図3および4に示すように、吹出口41は、基部14aのほぼ中央位置に矩形状に形成される。吹出口41には、乾燥空気の吹出方向を制御可能なルーバ48と、ルーバ48を駆動するルーバモータ49(図5)と、が配置される。
【0019】
導風壁42は、上方視における吹出口41の外側で吹出口41を囲むようにして、基部14aに対して上方に所定量立ち上がる壁である。導風壁42は、吹出口41から吹き出される空気を上方のサーキュレータ3方向に導く。導風壁42は、筐体10の内部と接続された、内側に吹出口41から吹き出される空気の通り道となる空間を形成する。
【0020】
取っ手43は、上面板14の左方および右方の、前枠11および後枠12の取っ手切欠25に対応する位置であって、側面23の上方に形成される。取っ手43は、側面23から左右方向内側に凹んだ取っ手凹部51および指掛部52を有し、ユーザが除湿機1を運搬する際に利用される。
【0021】
左右吸込口凹部45は、後述する左右吸込口121を形成するための凹部である。左右吸込口凹部45は、指掛部52に関して取っ手凹部51(取っ手43)と左右方向において重なり合う位置に形成される。
【0022】
図3に示すように、ベース15は、組み合わされた前枠11および後枠12が下方に形成する開口22aを覆うように配置される。ベース15は、除湿機1の土台となり、床などの設置面に直接、または脚部などを有する場合には間隙を介して面して設置される底面22となる。
【0023】
除湿ユニット2は、筐体10に収容される主な内部部品として、図3に示すように、ファンケース61と、シロッコファン62と、送風モータ63と、圧縮機65と、熱交換器66と、加熱ヒータ67と、ドレンパン68と、ドレンタンク69と、を有する。
【0024】
ファンケース61は、ベース15上に配置され、主にシロッコファン62、送風モータ63、およびドレンタンク69を支持したり位置決めしたりする。
【0025】
シロッコファン62は、送風モータ63の回転により回転し、吸込口31から空気を吸い込み、吹出口41から吹き出す空気の流れを形成する。シロッコファン62および送風モータ63は、回転軸が前後方向に沿うようにファンケース61に取り付けられている。
【0026】
圧縮機65は、ベース15上に固定されており、配管65aおよび減圧装置を介して熱交換器66に接続される。
【0027】
熱交換器66(空気調和部)は、吸込口31から吸い込まれた空気と熱交換を行う。熱交換器66は、吸込口31に近い位置に配置される蒸発器66aと、蒸発器66aよりも前方に配置される凝縮器66bと、を有する。蒸発器66aおよび凝縮器66bは、U字状の冷媒管66cにフィン66dが取り付けられた、フィンチューブ型の熱交換器66である。冷媒管66cは、水平方向(左右方向)に延びる複数の直線部と、上下方向にU字に曲り2本の直線部をつなげる曲げ部と、を有し、この直線部と曲げ部とが冷媒管66cの長さ方向に渡って連続して現われる。
【0028】
圧縮機65、配管65a、減圧装置および熱交換器66は、冷媒が流れる冷凍サイクルを形成する。冷凍サイクルは、冷媒が流れる順に、圧縮機65、凝縮器66b、減圧装置、蒸発器66aを有する。冷媒は、蒸発器66aを流れる際に、蒸発器66aを通過する空気から熱を奪い蒸発する。また、冷媒は、凝縮器66bを流れる際に、凝縮器66bを通過する空気を再加熱し凝縮する。これにより、吸込口31から吸い込まれた空気は、フィルタ37で埃やにおい成分などが取り除かれた後、蒸発器66aで冷却、除湿され、次いで凝縮器66bで加熱されて、低湿度の空気となる。
【0029】
加熱ヒータ67(空気調和部)は、凝縮器66bを通過した低湿度の空気を、吹出口41の前段で加熱する。
【0030】
ドレンパン68は、排水口を有し、蒸発器66aで発生し落下するドレン水を受け、この排水口から排出する。ドレンパン68は、熱交換器66を下方で支持し、固定する。
【0031】
ドレンタンク69は、ドレンパン68の排水口から排出されるドレン水を貯留する。ドレンタンク69は、タンク挿入口32から前後方向にスライドされることにより、筐体10に対して着脱される。筐体10内に挿入されたドレンタンク69は、ファンケース61により形成されたタンク室に配置される。
【0032】
ドレンタンク69は、タンク蓋69aと、浮き収容部69bと、を有する。タンク蓋69aは、ドレンパン68の排水口からのドレン水をドレンタンク69内に落下させる。浮き収容部69bは、ドレンタンク69内の水位を検出するための、例えばマグネットを有する浮きを収容する。水位に応じたマグネットの磁界は、除湿ユニット側制御部70などに実装されたAMRセンサ(Anisotropic-Magneto-Resistance、異方性磁気抵抗センサ)などの水位センサ69cにより検出され、ドレンタンク69の満水をユーザに通知する。
【0033】
除湿ユニット2は、図5に示すように、さらに除湿ユニット側制御部70と、温度センサ71と、湿度センサ72と、報知部73と、除湿ユニット側操作部74と、表示部75と、を有する。
【0034】
除湿ユニット側制御部70は、ファンケース61の前方に、所要のケースに支持されて配置される制御基板である。除湿ユニット側制御部70は、除湿ユニット側操作部74からの指示や予め記憶されたプログラムに基づいてルーバモータ49、送風モータ63や圧縮機65、加熱ヒータ67、表示部75などの各部を電気的に制御することにより、除湿機1の動作を統括的に制御する。除湿ユニット側制御部70は、一体時および分離時において、サーキュレータ3の首振りモータ138などの各部も赤外線信号の送信により制御する。
【0035】
除湿ユニット側制御部70は、記憶部77およびタイマ78を有する。記憶部77は、各部の動作プログラムなどを記憶する。タイマ78は、除湿機1のタイマ運転などのための計時を行う。
【0036】
温度センサ71および湿度センサ72は、除湿機1本体の所定位置に設けられ、除湿機1の周囲温度および湿度を計測する。除湿ユニット側制御部70は、温度や湿度を必要に応じて使用し各部を制御する。報知部73は、除湿ユニット側制御部70の指示に基づいてユーザに状況を知らせるためのアラーム音などを出力する。
【0037】
除湿ユニット側操作部74および表示部75は、筐体10の正面23a(側面23、前枠11)側における上方であって、左右方向におけるほぼ中央位置に配置される。除湿ユニット側操作部74および表示部75は、除湿ユニット側操作部74、表示部75および除湿ユニット側通信部82用の、正面23aにほぼ平行に配置される制御基板70a(図3)上に配置される。除湿ユニット側操作部74は、例えば、運転スイッチ、タイマースイッチ、運転モード選択スイッチ、サーキュレータ3の動作を設定するためのスイッチ、などを実現する複数の入力ボタンを有する。表示部75は、除湿機1の運転状態などをLED(Light Emitting Diode)の点灯状態で表示する。
【0038】
除湿ユニット2は、さらに、サーキュレータ検出センサ81と、除湿ユニット側通信部82と、除湿ユニット側電源部83と、電源切替部84と、を有する。
【0039】
サーキュレータ検出センサ81は、例えばサーキュレータ3の所定位置に配置された磁石の磁界を検出するリードスイッチである。サーキュレータ検出センサ81は、磁界の検出の有無により、サーキュレータ3の除湿ユニット2に対する着脱状態(一体または分離)を検出する。除湿ユニット側通信部82は、除湿ユニット側制御部70の制御に基づいてサーキュレータ3のサーキュレータ側通信部182と所要の赤外線信号(無線信号)を送受信する赤外線アンテナである。除湿ユニット側通信部82は、図1に示すように、除湿ユニット側操作部74が形成されるパネル76内に設けられた赤外線を透過させる除湿ユニット側透過窓86から赤外線を送受信する。
【0040】
図6に示すように、除湿ユニット側電源部83は、商用電源と接続された電源コード4から供給される交流電流を直流電流に変換し、除湿ユニット2の各部に供給する。
【0041】
電源切替部84は、商用電源から供給される交流電流を、電源出力端子87に供給するか否かを切り替える。電源出力端子87は、サーキュレータ3の取付箇所となる上面21(上面板14の基部14a)に設けられた電源開口21a(図15など参照)から上方に露出可能に配置されている。電源出力端子87は、基部14aよりも上方に突出しないように配置されている。除湿ユニット側制御部70は、一体時においては、電源切替部84を閉じて電源出力端子87からサーキュレータ3の電源入力端子187に電源を供給する。一方、除湿ユニット側制御部70は、分離時においては、電源切替部84を開き、電源出力端子87に電源を供給しない。電源出力端子87および電源出力端子87に関連する詳細な構成については、後述する。
【0042】
サーキュレータ3は、一体時においては、除湿ユニット2から吹き出される除湿された空気を主に吸い込み、また分離時においては、周囲の空気を吸い込み、これらの空気を送風しながら周囲の空気を循環し、撹拌する。
【0043】
サーキュレータ3は、台座部110と、送風部130と、を有する。送風部130は、台座部110に対して左右方向に沿う軸周りに首振り可能に支持されており、吹出口41から吹き出された空気を吸い込み送風する。
【0044】
台座部110は、図1、7および8などに示すように、台座部110内側に送風部130を収容可能な空間(上下方向に貫通する貫通孔)を形成する筒状のケーシングである。台座部110は、台座部底面111と、台座部側面112と、台座部上面113と、を有する。台座部側面112は、外側面および内側面からなり、台座部底面111、台座部側面112および台座部上面113で閉じて形成される内部空間115は、図3に示すように一部または全てが中空である。
【0045】
台座部底面111は、上面枠部24が形成する上面21とほぼ同一の形状を有する枠状面である。台座部底面111は、一体時においては、上面枠部24(上面21)に設置され上面枠部24に接触する面となる。
【0046】
また、台座部底面111は、図3および8に示すように、台座部底面111の内周縁111aより内側に、サーキュレータ側凹部190を有する。サーキュレータ側凹部190は、上面板14の周壁部14bの上下方向長さに対応し、かつ上面側凸部90の形状に対応して、上方に凹んだ凹空間である。サーキュレータ側凹部190は、上面側凸部90の形状に対応しているため、一体時においては上面側凸部90と掛かり合う。この結果、台座部110は、上面側凸部90により設置面に平行な水平方向の移動、すなわち上面21上での移動が規制される。また、サーキュレータ3は単純な凹凸の掛かり合いにより筐体10に支持されているため、上方に持ち上げることにより簡単に取り外される。また、サーキュレータ側凹部190は、台座部底面111の一部としても機能し、一体時においては上面21としての上面板14の基部14a上に接触して設置される。
【0047】
台座部側面112は、外周面の形状が筐体10の側面23の外周面の形状とほぼ同一である。すなわち、サーキュレータ3の台座部側面112は、一体時においては、除湿ユニット2の側面23と面一になり、筐体10と一体であるような外観を有する。台座部側面112は、左右吸込口121と、後吸込口122と、を有する。
【0048】
左右吸込口121は、左方および右方の台座部側面112の、前後方向ほぼ中央位置に配置され、台座部側面112の台座部底面111との境界から所定量上方に切り欠かれて形成される。左右吸込口121は、図2などに示すように、筐体10の側面23の取っ手43に対して、指掛部52に関して、または上面枠部24と台座部底面111との境界線5に関してほぼ上下対称となる形状を有する。上述したように、上面板14には左右吸込口凹部45が形成されており、この左右吸込口凹部45に形成された空間と、左右吸込口121とが作用して、左右吸込口121を介して除湿機1の周囲と台座部110の内側とを接続する。
【0049】
台座部側面112は、図3に示すように、一体時において正面23aと同方向である前方に面し、台座部110の正面となる台座部正面112aを有する。また、一体時において後方に面し、台座部110の背面となる台座部背面112bを有する。
【0050】
後吸込口122は、台座部背面112bの、左右方向におけるほぼ中央位置に配置され、台座部背面112bの台座部底面111との境界から所定量上方に切り欠かれて形成される。後吸込口122は、筐体10の上面21の形状と作用して、後吸込口122を介して周囲と台座部110の内側とを接続する。
【0051】
台座部上面113は、前後方向において、後方からほぼ中央位置まで水平方向に平行な面113aと、ほぼ中央位置から前方にかけて下方に曲線的に傾斜する面113bと、からなる。台座部上面113は、一体時において台座部底面111の上方に位置し、上方(ほぼ上方)に面する面となる。台座部上面113は、後方に、曲線的な凹部113cを有する。凹部113cは、一体時におけるサーキュレータ3からの送風を台座部110が妨げることなく、送風路を形成するために形成される。
【0052】
送風部130は、カバー131と、ファンモータ135と、ファン136と、を有する。
【0053】
カバー131は、ユーザの指などをファン136から保護するための骨状の部材である。カバー131は、ファン136の吸込側(上流側)を覆い吸込面となる、例えばほぼ半球状の吸込側カバー131aと、ファン136の吹出側(下流側)を覆い吹出面となる平面状の吹出側カバー131bと、を有する。吸込側カバー131aおよび吹出側カバー131bは、組み合わされて一体となる。一体時において吹出側カバー131bがほぼ水平方向に沿う送風部130の姿勢であって、ファン136の回転軸が上下方向に沿う姿勢である図3の姿勢(以下単に「停止姿勢という」。)において、吸込側カバー131aは、下方に面する中心位置に上方に凹となり形成されるモータ支持部131cを有する。
【0054】
ファンモータ135およびファン136は、停止姿勢において、ファンモータ135(ファン136)の回転軸が上下方向に沿い、カバー131をなす球体の中心を通るようにカバー131の内部に収容される。ファンモータ135は、回転軸周りにファン136を回転させる。ファン136は、吸込側カバー131aから吸い込まれた吹出口41から吹き出される空気や除湿機1の外側から吸込側カバー131aに吸い込まれた空気を吹出側カバー131bから送風する。
【0055】
送風部130は、台座部110に対して、ファン136からの吹出方向が吹出口41から吹き出された空気の吹出方向であるほぼ上方にほぼ一致する、停止姿勢で支持される。また、送風部130は、首振りモータ138により一体時の停止姿勢から左右方向(所定方向)に沿う首振り軸周りに所定範囲内の角度で首振り可能なように、台座部110に支持されている。首振りモータ138は、台座部110の内部空間115に配置される。首振りモータ138は、首振り軸をサーキュレータ3の前後方向のほぼ中央位置に配置する。また首振り軸は、半球状の吸込側カバー131aをなす球体の中心を通る。また、首振り軸は、ファン136の回転軸に直交する。
【0056】
サーキュレータ3は、さらに、サーキュレータ側制御部170と、サーキュレータ側操作部174と、サーキュレータ側通信部182と、サーキュレータ側電源部183と、を有する。
【0057】
サーキュレータ側制御部170は、台座部110の内部空間115に配置される制御基板(図3)である。サーキュレータ側制御部170は、除湿ユニット側制御部70またはサーキュレータ側操作部174からの指示に基づいてファンモータ135および首振りモータ138を電気的に制御する。
【0058】
サーキュレータ側操作部174は、台座部正面112aの左右方向におけるほぼ中央位置に配置される。サーキュレータ側操作部174は、除湿ユニット側操作部74同様に、台座部正面112aにほぼ平行に配置される制御基板(図示せず)上に配置される。この制御基板は、サーキュレータ側操作部174およびサーキュレータ側通信部182用の制御基板である。サーキュレータ側操作部174は、例えば、運転スイッチおよび首振りスイッチなどを実現する複数の入力ボタンを有する。
【0059】
サーキュレータ側通信部182は、サーキュレータ側制御部170の制御に基づいて除湿ユニット側通信部82と所要の赤外線信号(無線信号)を送受信する赤外線アンテナである。サーキュレータ側通信部182は、例えば台座部110の台座部上面113に設けられた赤外線を透過させるサーキュレータ側透過窓186から赤外線を送受信する。サーキュレータ側透過窓186および除湿ユニット側透過窓86は、例えば台座部上面113および前枠11のサーキュレータ側透過窓186および除湿ユニット側透過窓86が形成される領域を薄肉にするまたは赤外線の透過率の高い材料で形成することなどにより実現される。
【0060】
図6に示すように、サーキュレータ側電源部183は、電源入力端子187から供給される交流電流を直流電流に変換し、サーキュレータ3の各部に供給する。電源入力端子187は、図8に示すように、一体時において除湿ユニット2の上面21から露出した電源出力端子87に直接接続可能な位置に配置される。
【0061】
サーキュレータ側電源部183は、一体時においては、除湿ユニット2の電源出力端子87と直接接続された電源入力端子187から供給される電源を各部に供給する。また、分離時においては、商用電源に接続された電源コード8(図9)と接続された電源入力端子187から供給される電源を各部に供給する。電源入力端子187への電源出力端子87および電源コード8の端子の接続は、例えば磁力を利用して引き合うことによりユーザの端子接続動作を容易にすることができる。電源入力端子187および電源入力端子187に関連する詳細な構成については、後述する。
【0062】
このようなサーキュレータ3は、一体時においては、除湿ユニット2から吹き出される除湿された空気を主に吸い込み、これらの空気を上方に送風しながら周囲の空気を循環し、撹拌する。また、サーキュレータ3は、左右方向に沿う首振り軸周りに交互に前後方向に吹出面を向けるように首振りしながら運転する。
【0063】
また、サーキュレータ3は、分離時においては、除湿ユニット2に対して所定距離を隔てて配置される。その際、サーキュレータ3は、台座部背面112bが床などの設置面に面し(設置し)、台座部正面112aが上方に面し、また台座部上面113が除湿ユニット2に面するように、一体時から90度起立させて配置され使用される。このように配置されたサーキュレータ3は、周囲の空気を背面となる台座部底面111側から吸い込み、これらの空気を正面となる台座部上面113側に送風しながら周囲の空気を循環し、撹拌する。また、サーキュレータ3は、左右方向に沿う首振り軸周りに上下方向に首振りしながら運転する。
【0064】
さらに、分離時においては、除湿ユニット2から独立して、サーキュレータ3が単独でサーキュレータ側制御部170の制御に基づいて送風運転を行うこともできる。
【0065】
一体時および分離時のいずれにおいても、除湿ユニット側制御部70は、除湿ユニット側通信部82を制御することによりサーキュレータ側制御部170に所要の制御情報からなる赤外線信号を送信し得る。サーキュレータ側通信部182を介して赤外線信号を受信したサーキュレータ側制御部170は、受信した制御情報に基づいて、サーキュレータ3の動作を制御し得る。
【0066】
このような除湿機1は、例えば以下のような用途において好適に使用される。室内に干された洗濯物を乾燥させるために除湿機1が使用される場合、除湿機1を洗濯物の直下において使用することにより洗濯物を効率的に乾燥させることができる。その際、除湿機1と洗濯物が重なり合わないように除湿機1を配置することが好ましい。しかしながら、物干しの高さの都合や洗濯物の種類によっては、除湿機1を洗濯物の直下に配置することが困難となる場合があり、洗濯物に重なり合わないように洗濯物から離れた位置に除湿機1を配置しなければならない。これに対し本実施形態における除湿機1は、除湿機1の上方に配置されたサーキュレータ3を取り外し、設置面に別途配置することができる。このため、除湿機1が洗濯物と重なり合う場合には、サーキュレータ3を分離し、除湿機1の高さを低くしての使用が可能であり、状況に応じて使い勝手のよい除湿機1を実現できる。
【0067】
次に、電源出力端子87および電源入力端子187に関連する詳細な構成について、説明する。
【0068】
図10は、電源出力端子87および支持ケース201を特に示す図である。
図11は、電源入力端子187を特に示す図である。
図12は、電源出力端子87が電源入力端子187に接続される直前の状態を示す説明図である。
図13は、電源出力端子87が電源入力端子187に接続された状態を示す説明図である。
図14は、シャッター230が閉じた状態を示す図である。
図15は、シャッター230が開いた状態を示す図である。
【0069】
図16は、シャッター230が閉じた状態のシャッター230および開閉部240を後方から特に示す説明図である。
図17は、シャッター230が開いた状態のシャッター230および開閉部240を後方から特に示す説明図である。
図18は、図16のシャッター230および開閉部240を前方から示す説明図である。
図19は、特にシャッター230が閉じた状態の開閉部240を後方から示す説明図である。
図20は、特にシャッター230が開いた状態の開閉部240を後方から示す説明図である。
図10から20においては、説明の便宜上、説明に不要な構成の図示は省略した。
【0070】
電源出力端子87は、上述したとおり、上面21から露出して配置されており、上方に凸となる凸形状を有する。電源出力端子87は、電源入力端子187の接続端子187a(図11)を受ける一対の端子受部87aと、磁石89と、を有する(図15)。電源出力端子87は、電源コード88により、除湿ユニット側制御部70に接続されている。電源コード88は、保護部88aを有する。保護部88aは、長さ方向に直交する方向に形成された複数の溝88bを有する。
【0071】
電源入力端子187は、上述したとおり台座部底面111に配置されており、凸形状に対応する、上方に凹となる凹形状を有する。電源入力端子187は、端子受部87aに挿入される一対の接続端子187aを有する。一対の接続端子187aは、凸形状の電源出力端子87が凹形状の電源入力端子187に適切に挿入されることにより、一対の端子受部87aに適切に挿入され、通電する。
【0072】
電源入力端子187は、電源出力端子87の磁石89に吸着される薄板189を有する。
【0073】
電源出力端子87は、筐体10内において、支持ケース201により支持されている。支持ケース201は、固定ケース210と、可動ケース220と、を有する。固定ケース210および可動ケース220は、左右方向で組み合わされることにより電源出力端子87を内部に収容可能な空間を形成する。
【0074】
固定ケース210は、例えばねじ止めにより筐体10の所定位置に固定されている。固定ケース210は、水平方向断面が略コ字状であり、固定側前後側面211と、固定側左側面212と、固定側底面213と、を有する。固定側前後側面211は、一対のフック開口215と、一対のシャッター支持軸216と、ケース側ばね止部218と、を有する。フック開口215は、固定側前後側面211に対称に設けられ、上下方向に延びるスリット状の開口である。シャッター支持軸216は、固定側前後側面211に対称に設けられ、後述するシャッター230を回転可能に支持する。ケース側ばね止部218(図18)は、後述する開閉部240のばね270の一端を保持する。
【0075】
固定側底面213は、保護部88aをほぼ非接触に通すためのコード通し用切欠219を有する。
【0076】
可動ケース220は、水平方向断面が略コ字状であり、可動側前後側面221と、可動側右側面222と、可動側底面223と、を有する。可動側前後側面221は、前後対称に設けられる一対のフック225を有する。フック225は、フック開口215の上下方向長さよりも小さい上下方向長さを有し、上下方向に関してクリアランスを有する。また、フック225は、フック開口215に対する上下方向の移動を妨げず、また左右方向のガタつきを生じさせない程度に、左右方向にもクリアランスを有する。可動側底面223は、保護部88aの溝88bと嵌まり合い、電源出力端子87を可動ケース220に固定する。これにより、可動ケース220は、電源出力端子87に固定され、かつ固定ケース210に対して上下方向に移動可能に組み合わされる。
【0077】
上面21から露出する電源出力端子87は、埃や水分が付着したり、また電源出力端子87の周囲から筐体10の内部に埃や水分が侵入したりすることから保護すること、また安全性の観点から、分離時においては、シャッター230により遮蔽されている。
【0078】
シャッター230は、除湿ユニット2に設けられ、一体時において開いて電源出力端子87を上面21から露出し、分離時において閉じて電源出力端子87を遮蔽する。シャッター230は、遮蔽部231と、支持部234と、を有する。遮蔽部231は、電源出力端子87(電源開口21a)を覆うことが可能な、前後方向視で円弧状を有するドーム状に形成される。支持部234は、遮蔽部231の前後の端縁から略直交して延びる一対のほぼ扇形の面状部材である。前方の支持部234は、開閉部240のばね270の他端を保持するシャッター側ばね止部238(図18)を有する。
【0079】
シャッター230は、支持部234上の所定位置を回転中心として、上述した支持ケース201の一対のシャッター支持軸216(支持部)により、前後方向(上下方向に直交する方向)に沿う回転軸周りに回転可能に支持される。
【0080】
シャッター230は、開閉部240により開閉される。開閉部240は、サーキュレータ3の押込突起195(開放部)が作用することにより、一体時においては押込突起195からの負荷を受けることによりシャッター230を開け、分離時においてこの負荷を受けずに無負荷となることによりシャッター230を閉じるように動作する。
【0081】
開閉部240は、伝達部250と、作動部260と、ばね270と、を有する。
【0082】
伝達部250は、負荷受面251と、伝達面252と、傾斜面253と、を有する。
【0083】
負荷受面251は、水平方向に平行な面であり、分離時においては上面21(上面板14の基部14a)に形成された伝達部開口21bから露出し得る。負荷受面251は、押込突起195からの負荷を受ける。
【0084】
ここで、押込突起195は、図11に示すように、一体時における台座部底面111の電源入力端子187の後方に配置され、台座部底面111から下方に突出した突出片である。押込突起195は、一体時において、負荷受面251を押し込み、負荷を与えることが可能な位置に配置され、また所要の押込量が得られる上下方向長さを有する。
【0085】
伝達面252は、負荷受面251と平行な面であり、上下方向視で負荷受面251と重なり合う位置に配置される。傾斜面253は、伝達面252の左端から連続して下方に所定量傾斜した面である。傾斜面253は、無負荷時に作動部260に接触し、負荷を受けた場合に伝達面252が与えるよりも大きいトルクを作動部260に与えるよう作用する。すなわち、作動部260は、後述するとおりシャッター支持軸216を回転中心とする円軌道上を反時計回りに移動するが、傾斜面253は、伝達面252が作動部260に与える力の方向である上下方向よりも、円軌道の接線の傾きに近い傾きであって、作動部260を反時計回りに移動させる方向に力を与えるように、傾斜している。
【0086】
作動部260は、シャッター230の後方の支持部234に一体に配置され、後方に所定量突出した突起状の棒状部材である。作動部260は、伝達面252とほぼ線接触しており、伝達部250が負荷を受けると、伝達面252から伝達された下向きの力の負荷を接触箇所から受ける。作動部260は、シャッター支持軸216周りに回転可能に拘束されているシャッター230と一体に形成されているため、この伝達部250から作動部260への力はシャッター支持軸216を回転中心とする移動に変換される。作動部260は、シャッター支持軸216を回転中心とする円軌道上を反時計回りに移動しながら、伝達面252上を移動する。また、作動部260は、移動とともに伝達面252との接触箇所を周方向に変化させながら移動する。これにより、作動部260は、シャッター230を回転軸周りに(右回りに)回転する。
【0087】
作動部260は、一部が軸方向に切り欠かれた、軸方向に直交する断面が略D字状(かまぼこ形状)となる形状を有する。このような形状により、作動部260は、周方向において、曲面部261と、平坦部262と、を有する。曲面部261は、シャッター230が所定位置に回転するまで伝達面252上を移動する。平坦部262は、シャッター230が所定位置に到達した場合、すなわちシャッター230が開く方向に最大量回転した場合、伝達面252と面接触して伝達面252上の回転を制止する。また、作動部260は、伝達部開口21bに収容される伝達部250を下端で支持している。
【0088】
ばね270は、図18に示すように、ねじりコイルばねであり、巻き部分が前方の固定側前後側面211のシャッター支持軸216に、一端がケース側ばね止部218に、他端がシャッター側ばね止部238に支持される。ばね270は、シャッター230の閉じた状態で自然長となり、伝達部250が負荷を受けるとシャッター230の回転により他端が回転し、伝達部250が負荷から解放されるとシャッター230を閉じる方向に弾性エネルギーを放出する。
【0089】
このような開閉部240は、無負荷時、すなわち分離時においては、ばね270の作用によりシャッター230は閉じた状態となる。電源出力端子87およびシャッター230が上面21から上方に突出しないように配置されることにより、電源出力端子87が使用されていない場合には、シャッター230で遮蔽されて、目立つことなく外観性も保たれる。
【0090】
一方、開閉部240は、負荷を受けた場合、すなわち一体時においては、伝達部250の負荷受面251にサーキュレータ3の押込突起195が作用し、伝達部250が下方に押込まれる。すると、伝達部250の伝達面252上を作動部260が移動することにより、この作動部260と一体であるシャッター230がばね270の復元力に逆らって回転する。すなわち、開閉部240は、押込突起195から受ける負荷を回転軸周りの回転に変換して、シャッター230を開ける。作動部260の始動時には、作動部260は傾斜面253に接触している。このため、伝達面252から主に上下方向の力のみを受ける場合よりも、傾斜面253から回転に寄与する大きなトルクを得ることができる。このため、シャッター230の回転の初動がスムーズになる。
【0091】
シャッター230は回転し続け、電源出力端子87を露出する。シャッター230は、支持ケース201上のシャッター支持軸216周りに回転するため、回転し続けると支持ケース201の下方から延びる電源コード88に干渉してしまう。これを防止するため、開閉部240は、シャッター230が開く設計上の最大位置、すなわち電源コード88に干渉する手前の位置までシャッター230が回転すると、作動部260の平坦部262が伝達面252に面接触することにより、自ら回転を制止する。
【0092】
また、分離時から一体時に移行する場合、電源出力端子87および電源入力端子187においては、支持ケース201が作用することにより以下のように接続される。
【0093】
図12に示すように、分離時においては、支持ケース201内において電源出力端子87および可動ケース220の重力により、フック225の下端がフック開口215の下縁に接するように、可動ケース220は固定ケース210に対して支持される(図12)。一体時においては、電源出力端子87の磁石89と電源入力端子187の薄板189とが引き合うことにより、電源出力端子87および可動ケース220が固定ケース210(筐体10)に対して上方に移動し得る(図13)。これにより、凸形状である端子を凹形状である端子に差し込む際に通常行われる動作である、凹形状である端子を支えながら凸形状の端子を凹形状の端子に押し込む動作を行うことなく、また、行うことが難しい除湿機1であっても、サーキュレータ3を除湿ユニット2の上面21に設置するだけで電源出力端子87が電源入力端子187に適切に差し込まれる。また、これにより接続端子187aは、端子受部87aに適切に挿入される。
【0094】
このような本実施形態における除湿機1は、除湿ユニット2に電源出力端子87を配置し、サーキュレータ3にこの電源出力端子87に対応する電源入力端子187を配置し、また一体および分離に応じて開閉するシャッター230を設けた。このため、サーキュレータ3を除湿ユニット2に配置し一体とするのみで、電源出力端子87は電源入力端子187に挿入されて、電源入力端子187に電源を供給することができると同時に、分離時においては電源出力端子87をシャッター230により保護することができる。これにより、除湿機1は、ユーザに対して優れた使用性を提供することができる。
【0095】
また、除湿機1は、電源出力端子87が使用されない分離時においては、電源出力端子87をシャッター230で遮蔽した。このため、電源出力端子87に埃や水分が付着したり、筐体10の内部に侵入したりすることから保護でき、また安全性の観点から電源出力端子87がユーザから意図せず触れられてしまうことを防止できる。
【0096】
また、除湿機1は、一体時にサーキュレータ3の構造である押込突起195を作用させて開閉部240に負荷を与えるため、ユーザがシャッター230を開閉する動作を意識することなく、シャッター230を開けることができ、使用性により優れている。
【0097】
さらに、除湿機1は、伝達部250および作動部260を設け、押込突起195からの負荷を好適に作用させるため、シャッター230の開閉を好適に行うことができる。具体的には、シャッター230の始動時においては、適切な傾斜を有する傾斜面253を設けることにより、伝達面252から得られるトルクよりも大きいトルクを得ることができ、シャッター230をスムーズに開けることができる。また、大きいトルクを得ることができることから、シャッター230の回転軸と作動部260との距離を小さくできる。このため、回転するシャッター230が周囲の構造物に干渉することを抑制でき、設計の自由度も向上できる。
【0098】
さらにまた、作動部260に作動部260の回転を制止するための平坦部262を設けたため、シャッター230の回転を制限するためのストッパーなど他の構造物を設ける必要もなく、部品点数を削減できる。また、シャッター230が電源コード88などの他の部材に干渉することがないため、損傷などの不具合も低減できる。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、特許請求の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0100】
例えば、本発明に係る空気調和機は、空気調和部が熱交換器66などである例を用いて説明したが、除湿機1以外にも空気の湿度、温度、清浄度などを調整可能な加湿機、乾燥機、冷暖房装置、空気清浄機などの、他の空調機器にも適用することができる。
【0101】
除湿機1においては、電源出力端子87が磁石89の吸着力により上方に移動するようにしたが、これに代えて、電源出力端子87の下方に電源出力端子87を常時上方に突出させる弾性体などを配置し、電源入力端子187を受ける方向に押し出す力を与えることにより、電源出力端子87および電源入力端子187の接続をサポートしてもよい。
【0102】
開閉部240は、シャッター230の開閉をサーキュレータ3の押込突起195が伝達部250を押込むことにより行ったが、一体時にシャッターが開けば他の手段に代替可能である。例えば、一体であることを検出するセンサにより電気的に開閉を行ってもよいし、ユーザが手動で開閉してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 サーキュレータ付除湿機(除湿機)
2 除湿ユニット
3 サーキュレータ
21 上面
22 底面
23 側面
31 吸込口
41 吹出口
61 ファンケース
62 シロッコファン
63 送風モータ
65 圧縮機
66 熱交換器
67 加熱ヒータ
70 除湿ユニット側制御部
87 電源出力端子
87a 端子受部
88 電源コード
88a 保護部
88b 溝
89 磁石
110 台座部
111 台座部底面
112 台座部側面
130 送風部
170 サーキュレータ側制御部
187 電源入力端子
187a 接続端子
189 薄板
190 サーキュレータ側凹部
195 押込突起
201 支持ケース
210 固定ケース
215 フック開口
216 シャッター支持軸
220 可動ケース
230 シャッター
240 開閉部
250 伝達部
251 負荷受面
252 伝達面
253 傾斜面
260 作動部
261 曲面部
262 平坦部
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