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  • 特開-部材の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104929
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/21 20140101AFI20240730BHJP
   B23K 26/082 20140101ALI20240730BHJP
【FI】
B23K26/21 F
B23K26/082
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009375
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中田 祐司
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸一郎
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA56
4E168BA86
4E168CB04
4E168EA15
4E168FB01
(57)【要約】
【課題】溶接により得られた部材を成型する際に、割れが生じるのを抑制する。
【解決手段】部材の製造方法は、板状の部材である第1板材における第1部分と、板状の部材である第2板材における第2部分とをレーザ溶接により接合することで、溶接部材を形成することを備える。また、該部材の製造方法は、レーザ溶接を行う際、第1板材における第1部分の付近の部分と、第2板材における第2部分の付近の部分とを冷却することと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材の製造方法であって、
板状の部材である第1板材における第1部分と、板状の部材である第2板材における第2部分とをレーザ溶接により接合することで、溶接部材を形成することと、
前記レーザ溶接を行う際、前記第1板材における前記第1部分の付近の部分と、前記第2板材における前記第2部分の付近の部分とを冷却することと、
を備える部材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の部材の製造方法であって、
前記レーザ溶接とは、レーザウォブリング溶接又はレーザウィービング溶接である
部材の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の部材の製造方法であって、
前記第1部分とは、前記第1板材の端面であり、
前記第2部分とは、前記第2板材の端面であり、
前記レーザ溶接により、前記第1部分と前記第2部分との突合せ溶接が行われる
部材の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の部材の製造方法であって、
前記溶接部材は、脆弱な部分である脆弱部を有し、
前記脆弱部を弾性部材で押圧しながら前記溶接部材を押圧することで、前記溶接部材を成型すること、
をさらに備える部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、レーザ光をらせん状又はジグザグな経路に沿って照射することで、溶加材を用いること無く2つの板材を接合するレーザウォブリング溶接が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6495987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、レーザウォブリング溶接により形成された溶接部の周辺に位置する熱影響部は、硬度が低下し、その結果、溶接部の引張強度が低下する。このため、レーザウォブリング溶接により板材を接合することで得られた部材に対し成型を行うと、割れが生じる恐れがある。
【0005】
本開示の一態様では、溶接により得られた部材を成型する際に、割れが生じるのを抑制するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、部材の製造方法であって、板状の部材である第1板材における第1部分と、板状の部材である第2板材における第2部分とをレーザ溶接により接合することで、溶接部材を形成することと、レーザ溶接を行う際、第1板材における第1部分の付近の部分と、第2板材における第2部分の付近の部分とを冷却することと、を備える。
【0007】
上記構成によれば、溶接部材におけるレーザ溶接により生じた溶接部の引張強度の低下を抑制できる。したがって、溶接部材を成型する際に割れが生じるのを抑制できる。
本開示の一態様では、レーザ溶接とは、レーザウォブリング溶接又はレーザウィービング溶接であってもよい。
【0008】
上記構成によれば、熱影響部の拡大や、熱影響部における硬度の低下を抑制できる。したがって、溶接部材を成型する際に割れが生じるのを抑制できる。
本開示の一態様では、第1部分とは、第1板材の端面であってもよい。第2部分とは、第2板材の端面であってもよい。レーザ溶接により、第1部分と第2部分との突合せ溶接が行われてもよい。
【0009】
上記構成によれば、第1及び第2板材の突合せ溶接により形成された溶接部材を成型する際に、割れが生じるのを抑制できる。
本開示の一態様は、溶接部材は、脆弱な部分である脆弱部を有してもよい。脆弱部を弾性部材で押圧しながら溶接部材を押圧することで、溶接部材を成型すること、をさらに備えてもよい。
【0010】
上記構成によれば、溶接部材の成型時に脆弱部にて伸びが生じるのを抑制できる。このため、溶接部材の成型時に脆弱部にて割れが生じるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】レーザウォブリング溶接がなされる第1及び第2板材を上方から視認した説明図である。
図2】レーザウォブリング溶接がなされる第1及び第2板材を側方から視認した説明図である。
図3】溶接部材のプレス成形の説明図である。
図4】溶接部材の液圧成型の説明図である。
図5】成型部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0013】
[1.概要]
本実施形態の製造方法は、溶接工程と成型工程とを有し、板状の部材である第1及び第2板材1、2(以後、単に板材1、2とも記載)から、成型部材4が製造される(図1~5参照)。
【0014】
板材1、2は、一例として、ステンレス鋼により構成され、平面状に広がる矩形の形状を有すると共に、板厚が0.6mmとなっている。しかし、これに限らず、板材1、2は、ステンレス鋼以外の鋼材であっても良いし、鋼材以外の金属により構成されていても良い。また、板材1、2の形状は適宜定められると共に、板材1、2の板厚は、0.6mmに限らず、例えば、1mm以下であっても良いし、1mmを超えても良い。
【0015】
また、成型部材4は、一例として車両に用いられる大型の部材であっても良い。より詳しくは、成型部材4は、例えば、電気自動車におけるバッテリが配置される部材であっても良い。無論、これに限らず、本実施形態の製造方法により、様々な用途の成型部材4が製造され得る。
【0016】
[2.溶接工程]
溶接工程では、レーザ溶接により板材1、2の突合せ溶接を行うことで、溶接部材3が形成される(図1、2参照)。また、溶接工程では、一例として、レーザウォブリング溶接が行われるが、これに限らず、レーザウィービング溶接が行われても良いし、レーザウォブリング溶接及びレーザウィービング溶接以外の他のレーザ溶接が行われても良い。
【0017】
[(1)板材の配置]
溶接工程では、レーザウォブリング溶接により、第1板材1における一辺をなす端面(以後、第1端面10)と、第2板材2における一辺をなす端面(以後、第2端面20)との突合せ溶接が行われる(図1、2参照)。これにより、平面状に広がる矩形の板状の溶接部材3が形成される。なお、一例として、溶接部材3は、製造メーカが提供可能なステンレス鋼板の寸法よりも大きな寸法を有していても良い。無論、これに限らず、溶接部材3の大きさは適宜定められ得る。
【0018】
具体的には、まず、板材1、2は、水平方向に広がり、且つ、第1及び第2端面10、20(以後、単に端面10、20とも記載)が互いに当接した状態で、作業台に配置される。なお、板材1、2は、第1端面10と第2端面20との間に若干の隙間(例えば、1mm程度の隙間)が形成された状態で、作業台に配置されても良い。また、作業台に配置された板材1、2における上側に位置する面を、第1面11、21とする。
【0019】
[(2)冷却部材の配置]
次に、板材1、2の第1面11、12の各々に、端面10、20に沿って冷却部材6が配置される(図1、2参照)。冷却部材6は、端面10、20の第1端10A、20Aから第2端10B、20Bにわたって、端面10、20から離れた状態で板材1、2に配置される。板材1、2の各々に配置された冷却部材6は、端面10、20の付近に位置する。すなわち、これらの冷却部材6は、端面10、20の付近に形成される後述する溶接部30の付近に位置してよく、より詳しくは、端面10、20の付近に形成される後述する熱影響部31の付近に位置してもよい。また、これらの冷却部材6は、例えば、端面10、20から20mm程度離れて配置されても良く、シールドガスノズルに当たらなければ、各冷却部材6と端面10、20との間の距離は、20mm未満であってもよい。また、冷却効果が得られるのであれば、各冷却部材6と端面10、20の間の距離は、20mmよりも大きくても良い。このため、第1板材1に配置された冷却部材6と、第2板材2に配置された板材との間には隙間が形成され、端面10、20は該隙間に位置する。
【0020】
ここで、板材1、2の各々に配置された冷却部材6は、例えば、端面10、20に沿って一列に並ぶ複数の銅板として構成されていても良いし、端面10、20に沿って延びる1本の細長い銅板として構成されていても良い。
【0021】
また、冷却部材6は、例えば、水などの冷却媒体の流路として構成されていても良く、該流路に冷却媒体を流すことで冷却を行っても良い。具体的には、例えば、冷却部材6を構成する複数の銅板の内部に冷却媒体の流路を設け、該流路に冷却媒体を流すことで冷却を行っても良い。
【0022】
[(3)レーザウォブリング溶接]
そして、冷却部材6による冷却を行いながら、レーザウォブリング溶接により、板材1、2の第1及び第2端面10、20の突合せ溶接が行われる(図1、2参照)。具体的には、レーザ装置5のレーザヘッド50から、板材1、2の第1面11、21における端面10、20の周辺の領域に対し、レーザ光Lが照射される。レーザ装置5は、レーザヘッド50を移動させることで、端面10、20の第1端10A、20Aから第2端10B、20Bまで突合せ溶接を行う。この時、レーザ装置5は、レーザヘッド50の内部に設けられた調整機構(例えば、ガルバノミラー)により、例えば、照射位置がらせん状の経路に沿って移動するようにレーザ光Lの照射方向を調整する。無論、これに限らず、レーザ光Lは、例えば、ジグザグ状の経路に沿って照射されても良い。また、例えば、レーザ光Lの照射方向を変更するのではなく、作業台を動かすことにより板材1、2の位置を変位させることで、レーザ光Lの照射位置を移動させても良い。
【0023】
また、板材1、2の第1面11、21に対するレーザウォブリング溶接による突合せ溶接が行われた後、板材1、2を裏返し、第2面12、22が上方に位置する状態で、板材1、2を作業台に配置しても良い。そして、板材1、2の第2面12、22における端面10、20の周辺の領域に対し、第1面11、21と同様にしてレーザウォブリング溶接を行い、第2面12、22側から突合せ溶接を行っても良い。無論、これに限らず、板材1、2の第1面11、21のみに対し、レーザウォブリング溶接が行われても良い。
【0024】
板材1、2では、レーザ光Lの照射により材料が溶融し、溶融した材料が固まることで、端面10、20の周辺に溶接部30が形成される。溶接部30は、溶接部材3の第1端から第2端まで延びる。また、溶接部材3における溶接部30の両側には、熱影響部31が形成される。
【0025】
[3.成型工程]
成型工程では、溶接部材3における脆弱な部分である脆弱部を弾性部材により押圧した状態で、溶接部材3に対する成型が行われ、これにより、成型部材4が形成される(図3参照)。なお、脆弱部とは、例えば、レーザウォブリング溶接により生じた溶接部30及び熱影響部31であっても良い。
【0026】
成型工程では、一例として、パンチ7と下型8とを用いたプレス成形が行われる(図3参照)。すなわち、まず、下型8に溶接部材3が配置され、その後、パンチ7の押圧面70を該溶接部材3に当接させ、パンチ7により該溶接部材3を上方から下型8に向けて押圧する。
【0027】
パンチ7の押圧面70には、弾性部材71(例えば、ゴム等)が配置されている。弾性部材71は、押圧面70における、溶接部30及び熱影響部31の第1端に当接する位置と、第2端に当接する位置まで設けられる。そして、パンチ7が溶接部材3を押圧する際、弾性部材71は、溶接部材3の溶接部30及び熱影響部31の全域に当接し、押圧する。なお、パンチ7が溶接部材3を押圧する際、弾性部材71は、溶接部30の全域のみ、又は、熱影響部31の全域のみを押圧しても良いし、溶接部30及び/又は熱影響部31における割れが生じ易い特定の部分のみを押圧しても良い。また、パンチ7の弾性部材71に加えて又は替えて、下型8に設けられた弾性部材により、同様にして溶接部材3の脆弱部を押圧しても良い。
【0028】
この外にも、例えば、液圧成型により溶接部材3の成型が行われても良い(図4参照)。すなわち、水等の液体80が満たされた下型8に溶接部材3を配置し、プレス形成で用いられるのと同様に構成されたパンチ7により、該溶接部材3を上方から押圧しても良い。そして、同様にして、弾性部材71により該溶接部材3の脆弱部を押圧しても良い。このような構成であっても、同様の効果が得られる。
【0029】
また、パンチ7に設けられた弾性部材71に替えて、溶接部材3の脆弱部に貼り付けられた板状の弾性部材により、脆弱部を押圧しても良い。すなわち、板状の弾性部材を溶接部30及び/又は熱影響部31に貼り付けた状態で、溶接部材3を下型8に配置しても良い。なお、この時、溶接部材3における弾性部材が貼り付けられた面は、上側(換言すれば、パンチ側)に位置していても良い。また、プレス成形が行われる場合であれば、溶接部材3における弾性部材が貼り付けられた面は、下側(換言すれば、下型8側)に位置していても良い。そして、弾性部材71が設けられていないパンチにより溶接部材3を押圧することで、脆弱部を弾性部材により押圧した状態で、溶接部材3の成型が行われても良い。
【0030】
[4.効果]
(1)ステンレス鋼で構成された板厚が0.6mm程度の薄い複数の板材をレーザ溶接により接合し、大型の板材を形成すると共に、さらに、該大型の板材を成型する場合がある。このような場合、レーザ溶接時のレーザ光の出力が高い場合(例えば、2~7kW程度)には、熱歪みや溶け落ちにより、薄い板材同士の溶接が困難又は不可能になる場合がある。
【0031】
また、ステンレス鋼の板材は、面に荷重がかかると、荷重の方向ではなく面に沿って材料が流れる特性がある。そして、レーザ溶接により生じた溶接部では硬度が増加すると共に、溶接部の周辺の熱影響部では硬度が低下しており、溶接部及び熱影響部の周辺では材料の伸びにばらつきが生じている。このため、溶接部及び熱影響部の引張強度は、レーザ溶接の影響を受けていない他の部分の引張強度よりも低くなる。したがって、仮にこれらの薄い板材を溶接できたとしても、溶接により得られた大型の板材の成型を行う際に、溶接部や熱影響部で割れが生じる場合がある。
【0032】
これに対し、上記実施形態によれば、レーザウォブリング溶接により板材1、2の端面10、20が接合される際、板材1、2端面10、20の付近は冷却部材6により冷却される。これにより、レーザウォブリング溶接による入熱が早期に除去されるため、板材1、2の溶け落ちや歪みを抑制でき、レーザウォブリング溶接を良好に行うことができる。
【0033】
また、冷却部材6により入熱を早期に除去することで、溶接部30及び熱影響部31における組織の微細化を促すことができると共に、熱影響部31の拡大や、熱影響部31の硬度の低下を抑制できる。このため、溶接部材3の熱影響部31及び溶接部30における引張強度の低下を抑制でき、該引張強度と、熱影響部31及び溶接部30以外の他の部分の引張強度とが同程度となるよう促される。したがって、成型工程にて溶接部材3の溶接部30及び熱影響部31にて割れが生じるのを抑制でき、溶接部材3の成型を好適に行うことができる。
【0034】
(2)また、溶接工程では、レーザウォブリング溶接により板材1、2の端面10、20の突合せ溶接が行われる。このため、溶接部30及び熱影響部31の組織の微細化を促すことができ、熱影響部31の拡大や、熱影響部31における硬度の低下を抑制できる。これにより、溶接部材3の熱影響部31及び溶接部30における引張強度の低下を抑制でき、その結果、成型工程にて溶接部材3に割れが生じるのを抑制できる。
【0035】
(3)また、成型工程では、溶接部材3の溶接部30及び熱影響部31を弾性部材71により押圧した状態で、溶接部材3の成型が行われる。このため、溶接部30及び熱影響部31にて、材料が溶接部材3の表面に沿った方向に移動するのを抑制できる。これにより、溶接部30及び熱影響部31における伸びを抑制でき、溶接部材3の成型時に溶接部30及び熱影響部31にて割れが生じるのを抑制できる。
【0036】
[5.他の実施形態]
(1)上記実施形態の成型工程において、溶接部30及び熱影響部31の押圧に加えて、又は、該押圧に替えて、溶接部材3における溶接部30及び熱影響部31以外の脆弱部を、弾性部材により押圧しても良い。
【0037】
(2)上記実施形態の溶接工程では、突合せ溶接が行われたが、これに替えて、例えば、隅肉溶接や重ね溶接が行われても良い。具体的には、第1板材1の第1面11に、第2板材2の第2面22が当接するように配置されても良い。そして、第2板材2の端面20と第1板材1の第1面11とに対し、隅肉溶接が行われても良いし、第2板材2の端面20に沿うように、第1板材1の第1面11と第2板材2の第2面22とを接合する重ね溶接が行われても良い。このとき、上記実施形態と同様、端面20に沿って、端面20の第1端から第2端まで冷却部材6が配置され、第1板材1における端面20の周辺の部分と、第2板材2における端面20の周辺の部分を冷却しながら隅肉溶接や重ね溶接が行われても良い。
【0038】
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0039】
[7.本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
部材の製造方法であって、
板状の部材である第1板材における第1部分と、板状の部材である第2板材における第2部分とをレーザ溶接により接合することで、溶接部材を形成することと、
前記レーザ溶接を行う際、前記第1板材における前記第1部分の付近の部分と、前記第2板材における前記第2部分の付近の部分とを冷却することと、
を備える部材の製造方法。
【0040】
[項目2]
項目1に記載の部材の製造方法であって、
前記レーザ溶接とは、レーザウォブリング溶接又はレーザウィービング溶接である
部材の製造方法。
【0041】
[項目3]
項目1又は項目2に記載の部材の製造方法であって、
前記第1部分とは、前記第1板材の端面であり、
前記第2部分とは、前記第2板材の端面であり、
前記レーザ溶接により、前記第1部分と前記第2部分との突合せ溶接が行われる
部材の製造方法。
【0042】
[項目4]
項目1から項目3のうちのいずれか1項目に記載の部材の製造方法であって、
前記溶接部材は、脆弱な部分である脆弱部を有し、
前記脆弱部を弾性部材で押圧しながら前記溶接部材を押圧することで、前記溶接部材を成型すること、
をさらに備える部材の製造方法。
【符号の説明】
【0043】
1…第1板材、10…第1端面、10A…第1端、10B…第2端、11…第1面、12…第2面、2…第2板材、20…第2端面、20A…第1端、20B…第2端、21…第1面、22…第2面、3…溶接部材、30…溶接部、31…熱影響部、4…成型部材、5…レーザ装置、50…レーザヘッド、L…レーザ光、6…冷却部材、7…パンチ、70…押圧面、71…弾性部材、8…下型、80…液体。
図1
図2
図3
図4
図5