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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104933
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】ドリッパー
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20240730BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20240730BHJP
   A47J 31/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
A47J31/06 160
A47J31/44 180
A47J31/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009381
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】593054860
【氏名又は名称】スワロー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】原田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】大越 雄喜
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA02
4B104BA43
4B104BA79
4B104EA19
(57)【要約】
【課題】取り扱いが簡単であり、かつ、コンパクトに畳むことができるドリッパーを提供する。
【解決手段】ドリッパー1は、フィルター支持部10と、フィルター支持部10を支持するスタンド部50と、を備える。フィルター支持部10は、多角形の枠状をなす支持枠部20と、支持枠部20の延出方向に沿う軸部21,22,23を中心に回転可能に支持枠部20により支持され、多角形板状をなす複数の板状部材11,12,13と、を備える。複数の板状部材11,12,13は、フィルター支持部10の収納状態では支持枠部20の枠内に互いに重なるように位置し、フィルター支持部10の組み立て状態では互いに隣接することにより多角錐容器形状をなす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター支持部と、
前記フィルター支持部を支持するスタンド部と、を備え、
前記フィルター支持部は、
多角形の枠状をなす支持枠部と、
前記支持枠部の延出方向に沿う回転軸を中心に回転可能に前記支持枠部により支持され、多角形板状をなす複数の板状部材と、を備え、
前記複数の板状部材は、前記フィルター支持部の収納状態では前記支持枠部の枠内に互いに重なるように位置し、前記フィルター支持部の組み立て状態では互いに隣接することにより多角錐容器形状をなす、
ドリッパー。
【請求項2】
前記スタンド部は、前記フィルター支持部の組み立て状態での前記複数の板状部材の頂点側部が嵌まる嵌合孔を備え、
前記複数の板状部材には溝部が形成され、
前記フィルター支持部は、前記頂点側部が前記嵌合孔に嵌まった状態で回転させられることにより、前記溝部内に前記スタンド部の一部が入り込むことで、前記スタンド部に対して保持された状態となる、
請求項1に記載のドリッパー。
【請求項3】
前記スタンド部は、
前記支持枠部の外形と略同一形状の板状をなすベース板部と、
前記ベース板部の外周縁部に立設し、収納状態の前記フィルター支持部を外周から保持する保持部と、を備える、
請求項1又は2に記載のドリッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドリッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の第1の実施形態(図1図5参照)に係るドリッパーは、互いに分離可能な3枚の板材を含み、これら3枚の板材を三角錐状に組み立てた状態でカップの上に載置されてペーパーフィルタを保持する。
また、特許文献1の他の実施形態(図7参照)に係るドリッパーは、3枚の板材が三角錐状に組み合わされ、隣接する板材同士が蝶番によって連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6089242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の第1の実施形態(図1図5参照)に係るドリッパーは、各板材が分離するため、一体的に取り扱うことができずに不便である。
上記特許文献1の他の実施形態の構成(図7参照)では、コンパクトに折り畳むことが困難であった。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、取り扱いが簡単であり、かつ、コンパクトに畳むことができるドリッパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るドリッパーは、フィルター支持部と、前記フィルター支持部を支持するスタンド部と、を備え、前記フィルター支持部は、多角形の枠状をなす支持枠部と、前記支持枠部の延出方向に沿う回転軸を中心に回転可能に前記支持枠部により支持され、多角形板状をなす複数の板状部材と、を備え、前記複数の板状部材は、前記フィルター支持部の収納状態では前記支持枠部の枠内に互いに重なるように位置し、前記フィルター支持部の組み立て状態では互いに隣接することにより多角錐容器形状をなす。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、取り扱いが簡単であり、かつ、コンパクトに畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る組み立て状態のドリッパーの斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るドリッパーの分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る組み立て状態のドリッパーの斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る組み立て状態のドリッパーの斜視図である。
図5】(A)、(B)は本発明の第1実施形態に係る収納状態のドリッパーの斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る各板状部材が外側に開かれた状態のフィルター支持部の斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る組み立て状態のドリッパーの斜視図である。
図8】(A)は本発明の第1実施形態に係るドリッパーの底面図であり、(B)は本発明の第2実施形態に係るドリッパーの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態のドリッパーについて、図面を参照して説明する。
図1に示すように、ドリッパー1は、フィルター支持部10と、スタンド部50と、を備える。
ドリッパー1は、ステンレス、アルミ、チタン又は鉄等の金属により形成されている。以下の説明における上方向と下方向は、図1に示すドリッパー1が組み立てられてカップ80に設置された状態での方向である。
【0009】
(フィルター支持部10)
フィルター支持部10は、三角錐の容器状の組み立て状態(図1参照)と略板状の収納状態(図5(B)参照)の間で変形が可能であり、組み立て状態でスタンド部50により支持可能である。組み立て状態のフィルター支持部10内にはペーパーフィルタが広げて設置されて、このペーパーフィルタ内にコーヒー粉が収容される。
詳しくは、図1図6に示すように、フィルター支持部10は、3つの板状部材11,12,13と、支持枠部20と、を備える。
支持枠部20は、略正三角形の枠状をなし、正確には、正三角形の各角部が角取りされた六角形の枠状をなす。支持枠部20は、略正三角形の各辺に沿って延びる軸部21,22,23と、各軸部21,22,23同士を連結する3つの連結部24,25,26と、を備える。連結部24は、軸部21,22の端部同士を連結し、軸部23と平行をなす。連結部25は、軸部22,23の端部同士を連結し、軸部21と平行をなす。連結部26は、軸部21,23の端部同士を連結し、軸部22と平行をなす。
支持枠部20は、金属線材が折り曲げられることにより形成されている。支持枠部20は、3つの板状部材11,12,13を回転可能に支持する。
【0010】
各板状部材11,12,13は、互いに同一の形状で、支持枠部20の内形に沿う略二等辺三角形板状をなす。フィルター支持部10の組み立て状態では、各板状部材11,12,13は、三角錐状のフィルター支持部10の各側面をなすように位置する。図4に示すように、三角錐容器状の各板状部材11,12,13の頂点側部19は、コーヒーが通過可能な開口部18が形成されている。
図5(B)に示すように、収納状態では、各板状部材11,12,13は、互いに重なった状態で支持枠部20内に収まる。
【0011】
図2図6に示すように、各板状部材11,12,13は、回転支持部11a,12a,13aと、突部11t,12t,13tと、先端部11b,12b,13bと、溝部11c,12c,13cと、を備える。
回転支持部11a,12a,13aは、各板状部材11,12,13の上端部に位置し、支持枠部20の軸部21,22,23の外周を囲む円筒状をなす。回転支持部11a,12a,13aは、各板状部材11,12,13の上端部がC字状に外側に向けて曲げられることにより形成される。回転支持部11a,12a,13aの切れ目となる端部12d,13d(図4参照)は、フィルター支持部10の外面側に位置する。これにより、フィルター支持部10の内側に切れ目が形成されず、切れ目に水分又はコーヒー粉が入ることが抑制される。
板状部材11は、図6の矢印A1,B1に示すように、回転支持部11aを介して軸部21を中心に回転可能である。板状部材12は、図6の矢印A2,B2に示すように、回転支持部12aを介して軸部22を中心に回転可能である。板状部材13は、図6の矢印A3,B3に示すように、回転支持部13aを介して軸部23を中心に回転可能である。
【0012】
突部11t,12t,13tは、フィルター支持部10の内面において膨らむ形状をなし、各板状部材11,12,13の斜辺に沿って直線状に形成されている。突部11t,12t,13tは、各板状部材11,12,13をプレスすることにより形成される。
【0013】
先端部11b,12b,13bは、フィルター支持部10の下端側の角部に位置する。先端部11b,12b,13bは、下側に向かうにつれて幅(幅方向Wの長さ)が小さくなる台形板状をなす。
各溝部11c,12c,13cは、組み立て状態でスタンド部50に嵌まる溝であり、先端部11b,12b,13bの上端部に位置する。各溝部11c,12c,13cは、図6に示すように、各板状部材11,12,13の幅方向Wの両外側に形成され、幅方向Wに沿って延びる切り込みとして形成されている。
フィルター支持部10の組み立て状態では、互いに隣接する板状部材11,12,13の溝部11c,12c,13c同士が繋がった状態となる。よって、フィルター支持部10の各角部には、L字状の溝部11c,12c,13cが位置する。
【0014】
(スタンド部50)
スタンド部50は、組み立て状態のフィルター支持部10を支持可能であり、収納状態のフィルター支持部10を収容可能に構成されている。
図2に示すように、スタンド部50は、ベース板部51と、受け部57と、複数の保持部55と、取手56と、を備える。
【0015】
ベース板部51は、図5(B)に示すように、支持枠部20が収まるように支持枠部20の外形に沿う形状をなす。ベース板部51は、略正三角形の板状をなし、正確には、正三角形の各角部が角取りされた六角形の板状をなす。
【0016】
複数の保持部55は、収納状態では支持枠部20をその周囲から保持し、組み立て状態(図1参照)ではカップ80の周縁部をその周囲から保持可能である。複数の保持部55は、ベース板部51の各角部に配置され、ベース板部51に対して直交している。複数の保持部55は、それぞれ支持枠部20の連結部24,25,26に沿う長方形板状をなす。複数の保持部55は、それぞれ連結部24,25,26を外側から押すことにより、支持枠部20をスタンド部50内に保持する。
【0017】
取手56は、複数の保持部55のうち一つに連結されている。取手56は、使用者により把持される部位である。取手56は、保持部55の下端部から外側に向かって板状に延びる。取手56は、丸孔が形成された円板状に形成されている。
【0018】
図2に示すように、受け部57は、ベース板部51の中央に位置し、フィルター支持部10を支持する。受け部57は、ベース板部51に対して凹む円形状をなす。受け部57を凹ませることにより、受け部57には、各板状部材11,12,13の隙間から漏れたコーヒーが溜まり、カップ80の外にコーヒーが落ちることが抑制される。
【0019】
受け部57は、複数の係止突部53と、嵌合孔52と、を備える。
嵌合孔52は、フィルター支持部10の頂点側部19が嵌まる孔である。正三角形の嵌合孔52は、略正三角形板状をなすベース板部51と同じ向きで形成されている。嵌合孔52は、正三角形の各辺の中央に凹状に湾曲した凹部52aを有する。各凹部52aは、組み立て状態でフィルター支持部10内に位置する部位である。各凹部52aにより、コーヒーがフィルター支持部10の開口部18からスムーズに吐出される。
【0020】
複数の係止突部53は、組み立て状態でのフィルター支持部10の中心軸Jを中心とした回転を規制する。中心軸Jは、上下方向に沿って延び、組み立て状態のフィルター支持部10の中心を通過する軸である。複数の係止突部53は、受け部57の下面における嵌合孔52の周囲に配置され、それぞれ下側に向けて突出した三角形状で形成されている。複数の係止突部53は、嵌合孔52の各側面の中央に1つずつ設けられる。
【0021】
ベース板部51には、複数の貫通孔54が形成されている。複数の貫通孔54は、受け部57の周囲に配置されている。複数、本例では3つの貫通孔54は、ベース板部51の外形の各斜辺に沿うように形成されている。各貫通孔54は、カップ80内のコーヒーの量を目視容易とするために形成されている。特に、カップ80が図1に示すシェラカップよりも小径のカップ(例えば、マグカップ)であって、このカップの開口全域がベース板部51に覆われる場合でも、各貫通孔54を介したカップ内のコーヒーの量の目視が可能となる。
【0022】
(組み立て方法)
次に、ドリッパー1の組み立て方法について説明する。
組み立て開始前の収納状態では、図5(B)に示すように、ドリッパー1は板状をなす。この状態から、まず、図5(A)に示すように、フィルター支持部10をスタンド部50から取り外す。
【0023】
そして、フィルター支持部10の板状部材11,12,13を、順番に、回転支持部11a,12a,13aを中心に回転させることにより展開する。これにより、図2に示すように、フィルター支持部10は、板状部材11,12,13の側縁部が隣接して、三角錐の容器形状をなす。一方、スタンド部50は、各保持部55が下向きとなるように上下を裏返す。そして、フィルター支持部10の頂点側部19をスタンド部50の嵌合孔52に挿入する。このとき、板状部材11,12,13の先端部11b,12b,13bが嵌合孔52の各側面に沿った状態となる。この状態から、図3の矢印A4に示すように、フィルター支持部10を、中心軸Jを中心に所定角度(本例では60°)回転させる。フィルター支持部10を回転させることにより、各溝部11c,12c,13c内に、嵌合孔52の周辺部が進入する。これにより、フィルター支持部10がスタンド部50に抜け止め状態で保持される。また、各溝部11c,12c,13cの内面が各係止突部53を乗り越えて、フィルター支持部10内に各係止突部53が位置する。これにより、使用者が意図せずフィルター支持部10が回転してしまい、フィルター支持部10がスタンド部50から外れることが抑制される。
以上により、ドリッパー1の組み立てが完了する。
本実施形態において、組み立て状態のドリッパー1では、図8(A)に示すように、下方向から見て、スタンド部50の外形とフィルター支持部10(正確には、支持枠部20)の外形は、互いに重ならずに、中心軸Jを中心に所定角度(本例では60°)ずれた位置に設けられている。言い換えると、同方向から見て、略星型をなしている。
【0024】
ドリッパー1の組み立て完了後、スタンド部50をカップ80の周縁部に設置する。カップ80は、本例では、シェラカップであるが、シェラカップに限らず、マグカップ又はポット等であってもよい。そして、ドリッパー1のフィルター支持部10内にペーパーフィルタを広げたうえでコーヒー粉を入れ、さらにお湯を注ぐことにより、コーヒーがフィルター支持部10の開口部18を通過してカップ80内に落ちる。
【0025】
(収納方法)
次に、ドリッパー1の収納方法について説明する。この収納は、上述した組み立て手順と反対の手順で行われる。
組み立て状態において、まず、フィルター支持部10を中心軸Jを中心に所定角度(本例では60°)回転させ、溝部11c,12c,13c内から嵌合孔52の周辺部が外れた状態とする。この際、各溝部11c,12c,13cの内面が各係止突部53を乗り越え、フィルター支持部10の頂点側部19の向きは嵌合孔52と同じ向きとなる。そして、フィルター支持部10をスタンド部50から取り外す。次に、フィルター支持部10の板状部材11,12,13を、順番に、回転支持部11a,12a,13aを中心に回転させることにより支持枠部20内に収める。これにより、フィルター支持部10が板状に畳まれる。一方、スタンド部50は、各保持部55が上向きとなるように上下を裏返す。最後に、スタンド部50内にフィルター支持部10を押し入れることにより、各保持部55の間で畳まれたフィルター支持部10が保持される。
以上で、ドリッパー1の収納が完了する。
【0026】
(効果)
以上、説明した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ドリッパー1は、フィルター支持部10と、フィルター支持部10を支持するスタンド部50と、を備える。フィルター支持部10は、多角形の枠状をなす支持枠部20と、支持枠部20の延出方向に沿う回転軸(軸部21,22,23)を中心に回転可能に支持枠部20により支持され、多角形板状をなす複数の板状部材11,12,13と、を備える。複数の板状部材11,12,13は、フィルター支持部10の収納状態では支持枠部20の枠内に互いに重なるように位置し、フィルター支持部10の組み立て状態では互いに隣接することにより多角錐容器形状をなす。
この構成によれば、複数の板状部材11,12,13が軸部21,22,23を中心に回転可能に支持枠部20により支持されている。このため、各板状部材11,12,13が分離不可であり、取り扱いが簡単である。また、収納状態では、複数の板状部材11,12,13を支持枠部20の枠内に互いに重ねることができ、フィルター支持部10をよりコンパクトに畳むことができる。
【0027】
(2)スタンド部50は、組み立て状態での複数の板状部材11,12,13の頂点側部19が嵌まる嵌合孔52を備える。複数の板状部材11,12,13には溝部11c,12c,13cが形成されている。フィルター支持部10は、頂点側部19が嵌合孔52に嵌まった状態で回転させられることにより、溝部11c,12c,13c内にスタンド部50の嵌合孔52の周辺部が入り込むことで、スタンド部50に対して保持された状態となる。
この構成によれば、フィルター支持部10を確実にスタンド部50に対して保持することができる。また、フィルター支持部10のスタンド部50に対する着脱が容易である。
【0028】
(3)スタンド部50は、支持枠部20の外形と略同一形状の板状をなすベース板部51と、ベース板部51の外周縁部に立設し、収納状態のフィルター支持部10を外周から保持する複数の保持部55と、を備える。
この構成によれば、収納状態にあるフィルター支持部10をスタンド部50に保持することができ、ドリッパー1をコンパクトに持ち運ぶことができる。
【0029】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るドリッパーについて、図面を参照して説明する。本実施形態では、組み立て状態でのフィルター支持部とスタンド部の向きが上記第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係る組み立て状態のドリッパー1Aでは、図8(B)に示すように、下方向から見て、スタンド部50Aの外形とフィルター支持部10(正確には、支持枠部20)の外形は互いに重なっている。
【0030】
スタンド部50Aの嵌合孔52Aは、略正三角形の孔であり、略正三角形の各辺が各保持部55に沿う向きで形成されている。本実施形態の嵌合孔52Aは、上記第1実施形態の嵌合孔52(図8(A)参照)に対して中心軸Jを中心に所定角度(本例では60°)回転した向きで形成されている。このように、嵌合孔52Aの向きに応じて、組み立て状態でのスタンド部50Aに対するフィルター支持部10の向きを設定することができる。
以上、説明した第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0031】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0032】
(変形例)
上記各実施形態においては、フィルター支持部10は、3つの板状部材11,12,13を備えていたが、4つ以上の板状部材を備えていてもよい。また、嵌合孔52,52Aは、正三角形の孔であったが、正三角形以外の三角形の孔であってもよいし、また、三角形以外の多角形形状、楕円形状等であってもよい。また、ベース板部51は、略正三角形板状以外の多角形板状等であってもよい。
【0033】
ベース板部51に形成される貫通孔54の数、位置又は形状は適宜変更可能である。また、各貫通孔54は省略されてもよい。
溝部11c,12c,13cは省略されてもよい。この場合、フィルター支持部10の頂点側部19が嵌合孔52に挿入された状態で使用されてもよい。
複数の保持部55の数は適宜変更可能である。また、複数の保持部55は省略されてもよい。この場合、ベース板部51の面上に、支持枠部20の連結部24,25,26が嵌まる係止部が設けられてもよい。
上記各実施形態において、各板状部材11,12,13は、蝶番を介して支持枠部20に回転可能に取り付けられていてもよい。
また、各板状部材11,12,13は、平板状に限らず、湾曲板状であってもよい。
フィルター支持部10は、組み立て状態で三角錐の容器形状をなしていたが、これに限らず、三角錐以外の四角錐等の多角錐の容器形状をなしていてもよい。
取手56は省略可能である。
複数の係止突部53の数又は形状は適宜変更可能である。複数の係止突部53は省略可能である。
各凹部52aは省略可能である。
突部11t,12t,13tは省略可能である。
スタンド部50,50Aがフィルター支持部10を支持する構造は、上記実施形態に限らず、ネジ構造又は締まり嵌め構造等の他の支持構造であってもよい。
上記各実施形態においては、ドリッパー1,1Aは、コーヒーを抽出するためのコーヒードリッパーであったが、コーヒー以外の飲料、例えば、お茶を抽出するために用いられてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1,1A…ドリッパー、10…フィルター支持部、11,12,13…板状部材、11a,12a,13a…回転支持部、11b,12b,13b…先端部、11c,12c,13c…溝部、11t,12t,13t…突部、12d,13d…端部、18…開口部、19…頂点側部、20…支持枠部、21,22,23…軸部、24,25,26…連結部、50,50A…スタンド部、51…ベース板部、52,52A…嵌合孔、52a…凹部、53…係止突部、54…貫通孔、55…保持部、56…取手、57…受け部、80…カップ、J…中心軸、W…幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8