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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104940
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】気送子
(51)【国際特許分類】
   B65G 51/04 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
B65G51/04 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009395
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】304011795
【氏名又は名称】株式会社日本シューター
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】高野 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】長江 貴史
(57)【要約】
【課題】気送子を送り出す前に気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる気送子を提供する。
【解決手段】気送子30は、筒状の気送子本体31の第1半割部40及び第2半割部50が、気送子本体31の長手方向D1に沿って延びる回動軸線L30を有するヒンジ部Hを介して結合されて開閉自在に構成されている。気送子30は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態を維持するロックピン34aと、第1ヘッド32及び第2ヘッド33の少なくとも一方に位置する第1端部35及び第2端部36と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部35と第2端部36とを光学的に接続する接続経路60とを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の気送子本体の第1部分及び第2部分が、前記気送子本体の長手方向に沿って延びる回動軸線を有するヒンジ部を介して結合されて開閉自在に構成された気送子であって、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態を維持する固定部と、
前記気送子本体の前記長手方向の少なくとも一端部に位置する第1端部及び第2端部と、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第1端部と前記第2端部とを電気的に又は光学的に接続する接続経路とを備える、気送子。
【請求項2】
前記気送子本体の前記長手方向の一端部及び他端部のそれぞれに、前記第1端部又は前記第2端部の少なくとも何れかが設けられる、請求項1に記載の気送子。
【請求項3】
前記ヒンジ部は、前記回動軸線に沿って延びる円筒部を有し、
前記接続経路の一部は、前記円筒部内を通る、請求項1又は2に記載の気送子。
【請求項4】
前記第1端部及び前記第2端部は、外部の検出装置との間で信号又は光を非接触にて入出力する、請求項1又は2に記載の気送子。
【請求項5】
前記接続経路は、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第1端部と前記第2端部とを光学的に結合する光ファイバによって構成される、請求項1又は2に記載の気送子。
【請求項6】
前記接続経路は、
前記第1端部に光学的に結合する第1端と、前記第1端とは反対側の第2端とを含む第1光ファイバと、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記気送子本体の前記長手方向の一端部側において前記第2端に光学的に結合する第3端と、前記第3端とは反対側の第4端とを含む第2光ファイバと、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記気送子本体の前記長手方向の他端部側において前記第4端に光学的に結合する第5端と、前記第5端とは反対側において前記第2端部に光学的に結合する第6端とを含む第3光ファイバと、を有する、請求項5に記載の気送子。
【請求項7】
前記固定部は、前記第1光ファイバの前記第2端の近傍に配置されている、請求項6に記載の気送子。
【請求項8】
前記第1端部及び前記第2端部は、レンズである、請求項5に記載の気送子。
【請求項9】
前記接続経路は、樹脂によって形成されている、請求項5に記載の気送子。
【請求項10】
前記接続経路は、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続する導体によって構成される、請求項1又は2に記載の気送子。
【請求項11】
前記気送子本体の前記長手方向の一端部において前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続しており、前記接続経路が前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力する第1通信部を更に備える、請求項10に記載の気送子。
【請求項12】
前記接続経路は、
前記第1端部に電気的に接続される第1電極と、第2電極とを含む第1導体と、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記気送子本体の前記長手方向の一端部側において前記第2電極に電気的に接続される第3電極と、前記第2端部に電気的に接続される第4電極とを含む第2導体とを有する、請求項11に記載の気送子。
【請求項13】
前記固定部は、導電性を有し、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に前記第2電極と前記第3電極とを電気的に接続する、請求項12に記載の気送子。
【請求項14】
前記気送子本体の前記長手方向の他端部に位置する第3端部及び第4端部と、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第3端部と前記第4端部とを電気的に接続する導体によって構成される別の接続経路と、
前記気送子本体の前記長手方向の他端部において第3端部と第4端部とを電気的に接続しており、前記別の接続経路が前記第3端部と前記第4端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力する第2通信部を更に備える、請求項11に記載の気送子。
【請求項15】
前記気送子本体の前記長手方向の他端部に位置する第3端部及び第4端部と、
前記気送子本体の前記長手方向の他端部において第3端部と第4端部とを電気的に接続する第2通信部を更に備え、
前記接続経路は、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に前記第1端部と前記第4端部とを電気的に接続する第1接続経路と、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に前記第2端部と前記第3端部とを電気的に接続する第2接続経路と、を有し、
前記第1通信部は、前記第1接続経路、前記第2通信部、及び前記第2接続経路が前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力し、
前記第2通信部は、前記第2接続経路、前記第1通信部、及び前記第1接続経路が前記第3端部と前記第4端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力する、請求項11に記載の気送子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気送子に関する。
【背景技術】
【0002】
気送管を通じて空気流により気送子を吸引圧送する気送管システムが知られている。気送子の内部には物品が収容される。特許文献1に記載された気送子は、気送子本体と、気送子本体にヒンジによって連結された蓋とを備えており、蓋はラッチによって施錠及び開錠される。特許文献2に記載された気送子も、ヒンジによって連結された上半部と下半部からなる本体を備えており、フックを係合させることで上半部が下半部にロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-137587号公報
【特許文献2】特開2012-96908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の気送子において、気送子本体と蓋、又は上半部と下半部の閉鎖状態が確保されていれば、特に問題は生じない。一方で、蓋がきっちり閉まっていない等の状態(閉鎖不良状態)が生じる可能性もある。閉鎖不良状態の気送子を送ってしまうと、その気送子が気送管内で詰まってしまう等のトラブルの原因となり得る。
【0005】
本発明は、ステーションから気送子を送り出す前に気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる気送子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、筒状の気送子本体の第1部分及び第2部分が、気送子本体の長手方向に沿って延びる回動軸線を有するヒンジ部を介して結合されて開閉自在に構成された気送子であって、第1部分及び第2部分の閉鎖状態を維持する固定部と、気送子本体の長手方向の少なくとも一端部に位置する第1端部及び第2端部と、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部と第2端部とを電気的に又は光学的に接続する接続経路とを備える。
【0007】
この気送子によれば、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持された場合に、第1端部と第2端部とが接続経路によって電気的又は光学的に接続される。これにより、第1端部と第2端部との間における接続経路の電気的な導通、又は、接続経路による第1端部及び第2端部の光学的な結合を確認することによって、気送子が閉鎖状態にあることを確認することができる。例えば、接続経路が導体により構成される場合、接続経路に通電を行うことによって、接続経路の電気的な導通を確認する。また、例えば、接続経路が光ファイバにより構成される場合、接続経路に光を入射させることによって、接続経路による第1端部及び第2端部の光学的な結合を確認する。一方、第1端部と第2端部との間における接続経路の電気的な導通、又は、接続経路による第1端部及び第2端部の光学的な結合が確認されなければ、閉鎖状態が維持されておらず、何らかの閉鎖不良状態であると判断できる。例えば、第1部分及び第2部分が閉じられずに隙間が生じていることによって、第1端部と第2端部との間において接続経路が電気的に導通していない可能性、又は、第1端部及び第2端部が光学的に結合していない可能性がある。したがって、この気送子によれば、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0008】
気送子本体の長手方向の一端部及び他端部のそれぞれに、第1端部又は第2端部の少なくとも何れかが設けられてもよい。この場合、例えば気送子を送受信するステーション装置に、一端部及び他端部の向きを考慮することなく気送子をセットすることができる。
【0009】
ヒンジ部は、回動軸線に沿って延びる円筒部を有し、接続経路の一部は、前記円筒部内を通ってもよい。この場合、第1部分から第2部分に繋がるように接続経路を配置する場合に、接続経路の一部を外部から保護することができる。
【0010】
第1端部及び第2端部は、外部の検出装置との間で信号又は光を非接触にて入出力してもよい。この場合、検出装置によって、気送子の閉鎖状態をより簡易に確認することができる。
【0011】
接続経路は、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部と第2端部とを光学的に結合する光ファイバによって構成されてもよい。この場合、接続経路に光を入射させて、接続経路による第1端部及び第2端部の光学的な結合を確認することによって、気送子が閉鎖状態にあることを確認することができる。その結果、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0012】
接続経路は、第1端部に光学的に結合する第1端と、第1端とは反対側の第2端とを含む第1光ファイバと、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、気送子本体の長手方向の一端部側において第2端に光学的に結合する第3端と、第3端とは反対側の第4端とを含む第2光ファイバと、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、気送子本体の長手方向の他端部側において第4端に光学的に結合する第5端と、第5端とは反対側において第2端部に光学的に結合する第6端とを含む第3光ファイバと、を有してもよい。この場合、気送子本体の長手方向の一端側及び他端部側のいずれかにおいて第1部分及び第2部分が閉じられずに隙間が生じているとき、第1端部及び第2端部が光学的に結合しない。これにより、気送子の閉鎖不良状態を確認することができる。したがって、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0013】
固定部は、第1光ファイバの第2端の近傍に配置されていてもよい。この場合、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が固定部によって維持されている場合にのみ、第1光ファイバの第2端と第2光ファイバの第3端とが光学的に結合されて、第1端部及び第2端部が光学的に結合する。これにより、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0014】
第1端部及び第2端部は、レンズであってもよい。この場合、気送子本体の外部の構成に第1端部及び第2端部が光学的に結合することが容易となる。これにより、当該外部の構成によって、第1端部に光を入射させて第2端部からの光の出射を確認することが可能となる。その結果、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を検知することが可能となる。
【0015】
接続経路は、樹脂によって形成されていてもよい。この場合、光ファイバによって構成される接続経路がガラスにより形成される場合と比較して曲げ半径が小さいので、接続経路の配置の自由度が向上する。
【0016】
接続経路は、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部と第2端部とを電気的に接続する導体によって構成されてもよい。この場合、接続経路に通電を行って接続経路の電気的な導通を確認することによって、気送子が閉鎖状態にあることを確認することができる。その結果、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0017】
気送子本体の長手方向の一端部において第1端部と第2端部とを電気的に接続しており、接続経路が第1端部と第2端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体の外部に出力する第1通信部を更に備えてもよい。この場合、気送子本体の外部の構成によって、第1端部と第2端部との間の接続経路の電気的な導通を確認することができる。これにより、当該外部の構成によって、気送子を送り出す前に気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を検知することが可能となる。
【0018】
接続経路は、第1端部に電気的に接続される第1電極と、第2電極とを含む第1導体と、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、気送子本体の長手方向の一端部側において第2電極に電気的に接続される第3電極と、第2端部に電気的に接続される第4電極とを含む第2導体とを有してもよい。この場合、気送子本体の長手方向の一端部側において、第1部分及び第2部分が閉じられずに隙間が生じているとき、接続経路が電気的に導通しないので、気送子の閉鎖不良状態を確認することができる。その結果、気送子本体の長手方向の一端部側において、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0019】
固定部は、導電性を有し、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に第2電極と第3電極とを電気的に接続してもよい。この場合、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が固定部によって維持されている場合にのみ、第2電極と第3電極とが電気的に接続されて、接続経路が電気的に導通する。これにより、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0020】
気送子本体の長手方向の他端部に位置する第3端部及び第4端部と、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、第3端部と第4端部とを電気的に接続する導体によって構成される別の接続経路と、気送子本体の長手方向の他端部において第3端部と第4端部とを電気的に接続しており、別の接続経路が第3端部と第4端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体の外部に出力する第2通信部を更に備えてもよい。この場合、気送子本体の長手方向の一端側及び他端部側のいずれかにおいて第1部分及び第2部分が閉じられずに隙間が生じているとき、接続経路が電気的に導通しない。これにより、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0021】
気送子本体の長手方向の他端部に位置する第3端部及び第4端部と、気送子本体の長手方向の他端部において第3端部と第4端部とを電気的に接続する第2通信部とを更に備え、接続経路は、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に第1端部と第4端部とを電気的に接続する第1接続経路と、第1部分及び第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に第2端部と第3端部とを電気的に接続する第2接続経路と、を有し、第1通信部は、第1接続経路、第2通信部、及び第2接続経路が第1端部と第2端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体の外部に出力し、第2通信部は、第2接続経路、第1通信部、及び第1接続経路が第3端部と第4端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体の外部に出力してもよい。この場合、気送子本体の長手方向の一端部側及び他端部側のいずれかにおいて第1部分及び第2部分が閉じられずに隙間が生じているとき、接続経路が電気的に導通しない。これにより、気送子を送り出す前に、気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ステーションから気送子を送り出す前に気送子の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る気送管システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態におけるステーション、コントローラ及び監視装置の概略構成を示す図である。
図3】ステーションの位置構成例を示す模式的な斜視図である。
図4図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5】閉鎖状態の気送子を示す斜視図である。
図6】第1実施形態における開放状態の気送子を示す斜視図である。
図7】第1実施形態の気送子における接続経路の配置を示す平面図である。
図8図7の気送子の第1ヘッドを示す拡大図である。
図9図7のIX-IX線に沿った断面図である。
図10】第2実施形態におけるステーション、コントローラ及び監視装置の概略構成を示す図である。
図11】第2実施形態の気送子における接続経路の配置を示す平面図である。
図12図11の気送子の第1ヘッドを示す拡大図である。
図13図11のXIII-XIII線に沿った断面図である。
図14】第3実施形態の気送子における接続経路の配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0025】
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態の気送子30が適用された気送管システムSの基本構成について説明する。図1に示されるように、気送管システムSは、例えば病院等の建物内に組み込まれており、建物内の一地点から別の地点へと気送子30(図2参照)を搬送するシステムである。気送子30内部の収容空間SP(図6参照)には、複数の物品を収容可能である。気送子30に収容されて搬送される物品としては、特に限定されないが、例えば採血管、採尿管、輸液ボトル、輸液バッグ、尿コップ、その他のあらゆる物品が挙げられる。これらのように医療用品、医療用具又は医療器具に限られず、気送子30内に、書類等が収容されてもよい。気送子30内に、書類等を収納する封筒や容器(例えばジッパー付きプラスチック袋等)が収納されてもよい。なお、気送管システムSの適用先は、病院に限られない。気送管システムSは、建物内や工場内において物品を搬送するために、他の建物又は工場等に組み込まれてもよい。
【0026】
気送管システムSは、気送子30を空気流により搬送する。気送管システムSは、複数の系統を有してもよく、1つのみの系統を有してもよい。図1に示される例では、気送管システムSは、3つの系統を有している。すなわち、気送管システムSは、第1系統SA、第2系統SB、及び第3系統SCを有する。第1系統SA、第2系統SB、及び第3系統SCのそれぞれは、基本的には、各系統内において独立して気送子30を搬送する。各系統は、一度に1つの気送子30のみを搬送することができる。気送管システムSは、気送子30の送信及び受信の少なくとも一方を行うための複数のステーション1A,1B,1Cを備える。
【0027】
各ステーション1A,1B,1Cは、送信及び受信の両方を行うために設けられている。例えば、各ステーション(ステーション1A等)は、図3に示されるように、通過管7、送信管8、及び受信管9を有している。この態様に限られず、気送管システムSの1つ又は複数のステーションが、送信管8及び受信管9の何れか一方のみを有していてもよい。すなわち、一部のステーションが、送信専用のステーション又は受信専用のステーションであってもよい。各ステーションは、建物の任意の階層に設置される。図1には、1階F1、2階F2及び3階F3が示されており、4階より上の階層の図示は省略されている。図1には建物の一例が示されるに過ぎず、建物が有する階層の数は任意の複数であってもよく、単一であってもよい。建物が、地上及び/又は地下に1つ又は複数の階層を有してもよい。
【0028】
第1系統SA、第2系統SB、及び第3系統SCのそれぞれは、所定個数の複数のステーション1A,1B,1Cを備える。各系統が備えるステーションの数は、特に限定されないが、一例として8~12個程度である。送信箇所及び受信箇所の個数と、気送子30の搬送頻度等に基づいて、気送管システムSの系統数と、各系統のステーション数が適宜に決定される。
【0029】
第1系統SAは、複数のステーション(ステーション1A等)を接続する気送管2Aと、気送管2Aに接続され、気送管2A内に空気流を発生させるブロワ10Aとを備えている。第2系統SB及び第3系統SCも同様に、それぞれ、複数のステーション(ステーション1B,1C等)を接続する気送管2B,2Cと、気送管2B,2Cに接続され、気送管2B,2C内に空気流を発生させるブロワ10B,10Cとを備えている。第2系統SB及び第3系統SCは、第1系統SAと同様の設備を備える。以下の説明では、第1系統SAについてのみ説明を行い、第2系統SB及び第3系統SCについての説明を省略する。
【0030】
気送管2Aは、複数のステーション1Aを接続する。気送管2Aにおいて、ある配管の端部にあるステーション1Aが接続されているか、又はある配管の途中部分にあるステーション1Aが接続されている。各ステーション1Aの送信管8は、ブロワ10Aによって生じた空気流により、各ステーション1Aに接続された気送管2Aに気送子30を送り出すことができるように構成されている。また各ステーション1Aの受信管9は、各ステーション1Aに接続された気送管2Aを介して到来した気送子30を受け止めることができるように構成されている。気送管2Aは、所定のルート(搬送経路)で気送子30を搬送可能なように複数の分岐箇所を有する。各分岐箇所には、転換器11が設けられている。
【0031】
ブロワ10Aは、気送管2A内に空気を圧送したり、気送管2Aから空気を吸引したりする2通りの運転が可能である。ブロワ10のロータが正回転及び逆回転の両方の回転を可能であってもよく、各ブロワ10Aに接続された配管の構成及び弁の切替えによって、圧送及び吸引の2通りの運転が切替え可能であってもよい。
【0032】
気送管システムSは、気送子30に対して与えられた搬送経路に従って、各ステーションにおける送信及び受信、及び、各転換器における経路の切替えを制御するコントローラ70を備える。コントローラ70は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる電子制御ユニットである。コントローラ70は、各ステーション及び各転換器の他にも、各ブロワ(ブロワにおける風量等)を制御する。また、気送管システムSは、気送管2A内における気送子30の搬送状況を監視する監視装置80を備える。監視装置80は、気送管2A内における気送子30の位置を推定し、例えば、ディスプレイ82(図2参照)等に気送子30の位置を表示させる。
【0033】
続いて、図2以降の図面を参照して、ステーション1Aに備わる構成と気送子30の構造等とについて説明する。図2は、第1実施形態におけるステーション1A、コントローラ70及び監視装置80の概略構成を示す図である。図3は、ステーション1Aの一構成例を示す模式的な斜視図である。図4は、図3のIV-IV線における断面図である。図3及び図4では、ステーション1Aは、気送管2Aの途中部分に接続されている。ステーション1Aは、鉛直方向において互いに対向する底板T1及び天板T2と、底板T1と天板T2との間に設けられた回動部6とを有する。底板T1及び天板T2は、気送管2Aに支持されており、水平方向に沿って延在している。底板T1は、気送子30が載置されて、気送子30の第1ヘッド32又は第2ヘッド33に対面する円形の載置台12aを有する。天板T2は、鉛直方向において載置台12aと対向する天蓋12bを有する。
【0034】
回動部6は、鉛直方向に沿った回転軸線L1周りで回転可能である。回動部6は、例えば、リボルバー形状である。回動部6は、鉛直方向において互いに対向する第1テーブルT3及び第2テーブルT4と、第1テーブルT3及び第2テーブルT4との間に設けられた通過管7、送信管8、及び受信管9を有する。第1テーブルT3及び第2テーブルT4は、水平方向に沿って延在している。通過管7、送信管8、及び受信管9は、回転軸線L1を取り囲むように配置されている。
【0035】
通過管7は、円筒状である。通過管7は、第1テーブルT3及び第2テーブルT4によって支持されている。通過管7は、回転軸線L1に沿って第1テーブルT3から第2テーブルT4まで延びている。通過管7は、気送管2Aの途中部分に接続されており、一方及び他方の気送管2Aに連通している。ステーション1Aが気送子30の送信及び受信のいずれも実行しない場合、他方(上側)の気送管2Aを通過した気送子30は、通過管7を通過して一方(下側)の気送管2Aに進入する。
【0036】
送信管8は、円筒状である。送信管8は、第1テーブルT3によって支持されている。送信管8は、回転軸線L1に沿って第1テーブルT3から第2テーブルT4に向かう途中まで延びている。送信管8は、底板T1と第1テーブルT3との間の空間に連通している。送信管8の上端部は開放されており、使用者は、気送子30を送信管8にセットすることができる。このとき、底板T1に設けられた載置台12aに気送子30がセットされる。第1テーブルT3の一方面(下面)と載置台12aの他方面(上面)との隙間距離は、例えば2mmである。また、気送子30の上面と第2テーブルT4との間の隙間距離は、例えば20cmである。そして、送信管8は、回動部6の回転により一方及び他方の気送管2Aの間に気送子30とともに移動すると、一方(下側)の気送管2Aに連通する。このとき、気送子30が当該気送管2A内に落ちることによって、気送子30が気送管2Aに送信される。なお、送信管8が移動する際、気送子30は、底板T1と第1テーブルT3との間に設けられたガイドGによって支持されることによって、下方に落ちることなく送信管8とともに移動する。第1テーブルT3の一方面(下面)とガイドGの他方面(上面)の間の隙間距離は、例えば1mmである。
【0037】
受信管9は、円筒状である。受信管9は、回転軸線L1に沿って第1テーブルT3から第2テーブルT4まで延びている。受信管9は、回動部6の回転により一方及び他方の気送管2Aの間に移動すると、一方及び他方の気送管2Aに連通する。受信管9は、一方(下側)又は他方(上側)の気送管2Aを通過した気送子30を受信する。すなわち、受信管9には、下方又は上方から気送子30が入る。そして、受信管9の内部に設けられたゴムストッパーにより、気送管2Aを通過した気送子30が受け止められる。その後、受信管9は、回動部6の回転により一方及び他方の気送管2Aの間から移動する。受信管9が底板T1及び第1テーブルT3にそれぞれ設けられた孔等に連通した際に、気送子30が当該各孔を通過して底板T1の下方に移動する(払い出される)。これにより、使用者は、受信された気送子30を取り出すことができる。なお、気送子30は、底板T1及び第1テーブルT3の各孔を通って払い出されるとき、斜面を滑って下りてきてもよいし、下方(真下)(垂直)に落下してもよいし、気送子30を支持可能な装置によって下方に降ろされてもよい。
【0038】
図4に示されるように、載置台12aには、光ファイバ13の端部13aが設けられている。光ファイバ13の端部13bは、光電センサ90(後述する)の投光部92及び受光部93のうち一方に光学的に結合している。天蓋12bには、光ファイバ14の端部14aが設けられている。光ファイバ14の端部14bは、光電センサ90(後述する)の投光部92及び受光部93のうち他方に光学的に結合されている。
【0039】
各端部13a,14aには、気送子30の第1端部35及び第2端部36のいずれかにそれぞれ光学的に結合されるレンズ(不図示)が設けられている。例えば、レンズは、各端部13a,14aのうち一方からの出射光を第1端部35及び第2端部36のうち一方に導く。また、例えば、レンズは、第1端部35及び第2端部36のうち他方からの出射光を各端部13a,14aのうち他方に集光する。各端部13a,14aは、気送子30が載置台12aにセットされた場合、気送子30における第1端部35及び第2端部36にレンズによってそれぞれ光学的に結像(結合)される。このとき、端部13aに設けられたレンズは、載置台12aの上面から例えば10mm下方に設けられている。これにより、気送子30が載置台12aにセットされた場合、気送子30は、載置台12aに接触するものの、端部13a及びレンズには接触しない。なお、ステーションに係る構成は上記に限られず、公知の他の構成が採用されてもよい。
【0040】
ステーション1Aでは、気送子30の閉鎖状態が確認された後に、気送子30が送信される。もし仮に、気送子30の閉鎖不良状態が確認された場合には、ステーション1Aの監視装置80等においてその旨の通知が使用者に対してなされ、気送子30の送信は中止される。
【0041】
ここで、気送子30の閉鎖状態及び閉鎖不良状態について説明する。図5は、閉鎖状態の気送子30を示す斜視図である。図6は、第1実施形態における開放状態の気送子30を示す斜視図である。図5及び図6に示されるように、気送子30は、筒状の気送子本体31の両端に第1ヘッド32及び第2ヘッド33を備えた構成を有する。気送子本体31は、例えばポリカーボネート(PC:polycarbonate)樹脂によって形成されている。気送子本体31の内部に収容空間SPが形成されている。気送子本体31は、例えば半円筒形状の第1半割部40(第1部分)及び第2半割部50(第2部分)に二分割された構成を有する。第1半割部40及び第2半割部50は、気送子本体31の長手方向D1に沿って延びる回動軸線L30を有するヒンジ部Hを介して結合されており、開閉自在に構成されている。
【0042】
図5に示されるように、第1半割部40の周縁部41と、第2半割部50の周縁部51とは、同一の形状及び大きさを有しており、第1半割部40及び第2半割部50が閉じられた際にぴったりと合わさり、気送子本体31の密閉状態(閉鎖状態)を生み出す。周縁部41と周縁部51の間には、封止部42及び封止部52が介在される。封止部42及び封止部52は、例えばガスケット(又はパッキン)等である。気送子30において、第1半割部40及び第2半割部50は、例えば同一の構造を有しており、互いに対称な位置(向き)に設けられている。
【0043】
第1ヘッド32は、気送子本体31の長手方向D1における一端部である。第1ヘッド32は、第1半割部40の一端40aに設けられている。第1ヘッド32は、例えばABS樹脂によって形成されている。第1ヘッド32には、長手方向D1と交差する方向D2にてヒンジ部Hとは反対側の端部においてロックピン34a(固定部)が設けられている。ロックピン34aは、第1半割部40の一端40aから他端40bに向かう方向に、第1ヘッド32の内部から突出する。例えば、ロックピン34aは、第1ヘッド32の回転部32aを回転させた際に突出し、第2半割部50の一端50aに設けられた孔部54に係合する。
【0044】
一方、第2ヘッド33は、気送子本体31の長手方向D1における他端部である。第2ヘッド33は、第2半割部50の他端50bに設けられている。第2ヘッド33は、例えばABS樹脂によって形成されている。第2ヘッド33には、方向D2にてヒンジ部Hとは反対側の端部においてロックピン34bが設けられている。ロックピン34bは、第2半割部50の他端50bから一端50aに向かう方向に、第2ヘッド33の内部から突出する。例えば、ロックピン34bは、第2ヘッド33の回転部33aを回転させた際に突出し、第1半割部40の他端40bに設けられた孔部44に係合する。
【0045】
これらのロックピン34a及びロックピン34bにより、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持される。具体的には、各ロックピン34a,34bが孔部54,44にそれぞれ係合することによって、気送子30が完全に閉じられる。例えば、ユーザは、気送子30を捩じる(捻る)方向に回転部32a及び回転部33aを回転させることにより、各ロックピン34a,34bを孔部54,44に係合させて気送子30を完全に閉じる。また、例えば、ユーザは、気送子30のボタン(不図示)を押しながら、気送子30を捩じる(捻る)方向に回転部32a及び回転部33aを回転させることにより、各ロックピン34a,34bの孔部54,44への係合を解除して気送子30を開く。なお、気送子30を閉じただけでは、封止部42及び封止部52によって気送子30が完全には閉まらない。この場合、気送子30は、閉鎖不良状態となる。
【0046】
上記した閉鎖不良状態は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されていない状況を意味する。例えば、閉鎖不良状態としては、第1半割部40及び第2半割部50が閉じられずに隙間が生じている状態であってもよい。また、例えば、閉鎖不良状態とは、第1半割部40及び第2半割部50は閉じられているがロックピン34a及び孔部54が正しく係合していない状態(閉め忘れ)であってもよいし、ロックピン34b及び孔部44が正しく係合していない状態であってもよい。なお、閉鎖不良状態とは、上記複数の状態が組み合わさった状態であってもよいし、上記以外のその他の状態であってもよい。
【0047】
図2及び図3に戻り、ステーション1Aは、気送子30の閉鎖状態又は閉鎖不良状態を確認する機能を備えている。具体的には、ステーション1Aでは、光電式で(光ファイバを気送子30に設けることによって)気送子30が閉鎖状態であるか又は閉鎖不良状態であるか(気送子30の開閉)を確認(チェック)する。より詳細には、ステーション1Aは、光電センサ90と、光電センサ90を制御するセンサ制御部91とを有する。光電センサ90は、光ファイバ13及び光ファイバ14のうち一方に対して光を入射させる投光部92と、光ファイバ13及び光ファイバ14のうち他方から出射する光を検知する受光部93とを有する。ステーション1Aのセンサ制御部91は、コントローラ70と通信可能であり、コントローラ70は、監視装置80と通信可能である。
【0048】
図2に示されるように、コントローラ70は、送信制御部71、受信制御部72、載置検知部73、ID読取部74、閉鎖検知部75及び情報送信部76を有する。送信制御部71は、ステーション1Aにおける気送子30の送信を制御する。受信制御部72は、ステーション1Aにおける気送子30の受信を制御する。載置検知部73は、気送子30の送信時、載置台12aに気送子30が載置されたことを検知する。ID読取部74は、気送子30の第1ヘッド32(及び/又は第2ヘッド33)に埋め込まれたRFタグ(図示省略)を読み取り、気送子30が持つ固有のIDを取得する。気送子30のIDには、ステーション1Aにおける使用者の操作に基づいて、搬送対象物である内部の物品や、送信元のステーション1Aに関する情報及び行き先であるステーション1Aに関する情報(From-To情報)等が紐づけられる。
【0049】
閉鎖検知部75は、光電センサ90の受光部93において検知された光の強度(光量)に関する情報をセンサ制御部91から取得する。これにより、閉鎖検知部75は、気送子30の第1端部35と第2端部36とが光学的に結合しているか否かを検知し、この結果に応じて気送子30の閉鎖状態又は閉鎖不良状態を検知する。具体的には、閉鎖検知部75は、気送子30を載置台12aにセットしたとき、受光部93において検知された光(気送子30を通った光)の強度が閾値以上である場合に気送子30が閉鎖状態である(閉じている)旨を検知する。閉鎖検知部75は、気送子30を載置台12aにセットしたとき、受光部93において検知された光の強度が閾値を下回る場合に気送子30が閉鎖不良状態である(開いている)旨を検知する。例えば、気送子30の第1端部35及び第2端部36のうち一方に投光部92によって光が投光された後に、気送子30の第1端部35及び第2端部36のうち他方から出射する光が受光部93によって検知される。情報送信部76は、気送子30が閉鎖状態である旨(又は閉鎖不良状態である旨)の情報をステーション1A及び/又は監視装置80に向けて送信する。なお、上記閾値は、予め設定されてもよいし、閉鎖検知部75によって決定されてもよいし、上記以外のその他の方法で決定されてもよい。また、気送子30を閉じただけでは、封止部42及び封止部52によって気送子30が完全には閉まらない。このとき、受光部93において検知された光の強度が減少し、閉鎖検知部75によって気送子30が閉鎖不良状態である(開いている)と検知される。
【0050】
監視装置80は、情報受信部81、ディスプレイ82、スピーカ83及びランプ84を有する。情報受信部81は、コントローラ70から送信された情報を受信する。ディスプレイ82、スピーカ83及びランプ84の何れか1つ又は2つ又は全てによって、気送子30が閉鎖状態である旨(又は閉鎖不良状態である旨)の情報が通知される。すなわち、監視装置80は、視覚的な通知及び聴覚的な通知の何れか又は両方を行うことができる。また、監視装置80における通知に加えて又は代えて、気送子30が閉鎖状態である旨(又は閉鎖不良状態である旨)の情報は、ステーション1Aにおいて通知される。
【0051】
続いて、図5以降の図面を参照して、気送子30の構造の詳細について説明する。気送子30の半割構造については、図5及び図6を参照して上述した通りである。気送子30は、気送子30が閉鎖状態にあることを確認するための接続経路60を有している。図7は、気送子30における接続経路60の配置を示す図である。図8は、図7の第1ヘッド32の拡大図である。図9は、図7のIX-IX線における断面図である。
【0052】
第1半割部40の周縁部41は、例えば矩形状である。周縁部41は、長手方向D1に沿って延びる第1辺部41a及び第2辺部41bと、方向D2に沿って延びる第3辺部41c及び第4辺部41dとを有する。第1辺部41aは、ヒンジ部Hに隣接している。第2辺部41bは、方向D2において第1辺部41aと並んでいる。第3辺部41cは、第1ヘッド32に隣接している。第4辺部41dは、長手方向D1において第3辺部41cと並んでいる。
【0053】
第2半割部50の周縁部51は、例えば矩形状である。周縁部51は、長手方向D1に沿って延びる第1辺部51a及び第2辺部51bと、方向D2に沿って延びる第3辺部51c及び第4辺部51dとを有する。第1辺部51aは、ヒンジ部Hに隣接している。第2辺部51bは、方向D2において第1辺部51aと並んでいる。第3辺部51cは、第2ヘッド33に隣接している。第4辺部51dは、長手方向D1において第3辺部51cと並んでいる。
【0054】
気送子30は、第1ヘッド32及び第2ヘッド33の何れかに位置する第1端部35及び第2端部36と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部35と第2端部36とを光学的に接続(結合)する接続経路60と、を有する。第1端部35及び第2端部36の少なくとも何れかは、第1ヘッド32及び第2ヘッド33のそれぞれに設けられている。第1端部35は、図7に示されるように、第1ヘッド32に位置している。第1端部35は、第1ヘッド32の孔32bから外部に露出している。第1端部35は、光電センサ90(外部の検出装置)との間で光(又は信号)を非接触にて入出力する(図4参照)。例えば、第1端部35は、気送子30が載置台12aにセットされた場合に、光ファイバ61(後述する)の第1端61aを光ファイバ13の端部13aに光学的に結合させるレンズである。一例として、第1端部35は、端部13aに設けられたレンズを通過した光を第1端61aに集光する。あるいは、第1端部35は、第1端61aからの出射光を端部13aに設けられたレンズに導く。
【0055】
第2端部36は、第2ヘッド33に位置している。第2端部36は、第2ヘッド33の孔33bから外部に露出している。第2端部36は、光電センサ90(外部の検出装置)との間で光(又は信号)を非接触にて入出力する(図4参照)。例えば、第2端部36は、気送子30が載置台12aにセットされた場合に、光ファイバ63(後述する)の第6端63bを光ファイバ14の端部14aに光学的に結合させるレンズである。一例として、第2端部36は、第6端63bからの出射光を端部14aに設けられたレンズに導く。あるいは、第2端部36は、端部14aに設けられたレンズを通過した光を第6端63bに集光する。
【0056】
送信管8にセットされた気送子30の中心に形成された孔32b(又は33b)と、載置台12aの中心に配置された端部13a(図4参照)とが対面する。セットされた気送子30の上側に位置する孔33b(又は32b)と、天蓋12bの端部14a(図4参照)とが、一直線状の光軸上に位置する。本実施形態では、気送子30がセットされたとき、端部13a、孔32b(又は33b)、孔33b(又は32b)、及び端部14aが、上下方向線(鉛直線)上に位置する(整列する)。
【0057】
接続経路60は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部35と第2端部36とを光学的に結合する光ファイバによって構成される。接続経路60は、例えば、樹脂製の光ファイバによって形成されている。接続経路60は、第1ヘッド32に設けられた光ファイバ61(第1光ファイバ)と、気送子本体31に設けられた光ファイバ62(第2光ファイバ)と、第2ヘッド33に設けられた光ファイバ63(第3光ファイバ)と、を有する。
【0058】
光ファイバ61は、第1ヘッド32において、第1端部35から第2辺部41bの近傍まで延びている。光ファイバ61は、第1ヘッド32に形成された貫通孔(図示せず)を通る。光ファイバ61の曲げ半径は、例えば2mmである。光ファイバ61は、第1端61aと、第1端61aとは反対側の第2端61bとを有する。第1端61aは、第1端部35に光学的に結合する。例えば、第1端61aには、第1端部35としてレンズが設けられている。図8に示されるように、第2端61bは、第1ヘッド32において、方向D2にてヒンジ部Hとは反対側の端部に設けられている。ロックピン34aは、光ファイバ61の第2端61bの近傍に配置されている。
【0059】
光ファイバ62は、第2半割部50に設けられた第1部分64と、ヒンジ部Hに設けられた第2部分65と、第1半割部40に設けられた第3部分66と、を有する1本の光ファイバである。第1部分64は、第2辺部51bにおいて、長手方向D1に沿って第2半割部50の一端50aから他端50bまで延びている。その後、第1部分64は、第3辺部51cにおいて、方向D2に沿ってヒンジ部Hの他端H2まで延びている。第2部分65は、長手方向D1に沿ってヒンジ部Hの他端H2から一端H1まで延びている。第3部分66は、第3辺部41cにおいて、方向D2に沿ってヒンジ部Hの一端H1から第2辺部41bまで延びている。その後、第3部分66は、第2辺部41bにおいて、長手方向D1に沿って第1半割部40の一端40aから他端40bまで延びている。光ファイバ62の曲げ半径は、例えば2mmである。
【0060】
なお、第1部分64は、第2辺部51bにおいて、長手方向D1に沿って第2半割部50の一端50aから他端50bまで延びた後に、第2ヘッド33の内部を通ってヒンジ部Hの他端H2まで延びてもよい。また、第3部分66は、第1ヘッド32の内部を通ってヒンジ部Hの一端H1から第2辺部41bまで延びてもよい。その後、第3部分66は、第2辺部41bにおいて、長手方向D1に沿って第1半割部40の一端40aから他端40bまで延びてもよい。
【0061】
図9を参照して、長手方向D1に交差する気送子30の断面における光ファイバ62の位置について説明する。周縁部51の第2辺部51bには、溝部V1が設けられている。溝部V1は、例えばU字状である。第1部分64は、溝部V1に配置されている。封止部52は、第1部分64を覆うように溝部V1に配置されているとともに、第1部分64に沿って延在している。周縁部41の第2辺部41bには、溝部V2が設けられている。溝部V2は、例えばU字状である。第3部分66は、溝部V2に配置されている。封止部42は、第3部分66を覆うように溝部V2に配置されているとともに、第3部分66に沿って延在している。ヒンジ部Hは、回動軸線L30に沿って延びる円筒部H3を有する。第2部分65は、円筒部H3の内部を通る。なお、第3辺部51cにも、溝部V1が設けられている。また、第3辺部41cにも、溝部V2が設けられている。
【0062】
光ファイバ62は、第3端62aと、第3端62aとは反対側の第4端62bとを有する。第3端62aは、第2半割部50の一端50a側における第1部分64の端部である。第4端62bは、第1半割部40の他端40b側における第3部分66の端部である。第3端62aは、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1ヘッド32側において光ファイバ61の第2端61bに光学的に結合する。
【0063】
光ファイバ63は、第2ヘッド33において、第2辺部51bの近傍から第2端部36まで延びている。光ファイバ63は、第2ヘッド33に形成された貫通孔(図示せず)を通る。光ファイバ63の曲げ半径は、例えば2mmである。光ファイバ63は、第5端63aと、第5端63aとは反対側の第6端63bとを有する。第5端63aは、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第2ヘッド33側において光ファイバ62の第4端62bに光学的に結合する。第6端63bは、第2端部36に光学的に結合する。例えば、第6端63bには、第2端部36としてレンズが設けられている。なお、第5端63aは、方向D2にてヒンジ部Hとは反対側の端部において第2ヘッド33に設けられている。よって、ロックピン34bは、光ファイバ63の第5端63aの近傍に配置されている。
【0064】
以上、説明した構成によるステーション1Aと気送子30の動作を説明する。まず、図3及び図4に示されるように、ユーザによって、ステーション1Aの送信管8を介して載置台12aに気送子30がセットされる。続いて、光電センサ90の投光部92によって気送子30の接続経路60に光が入射し、受光部93によって気送子30の接続経路60を通過した光が受光される。続いて、図2に示されるセンサ制御部91によって、受光部93が受光した光の強度に関する情報が閉鎖検知部75に出力される。
【0065】
閉鎖検知部75によって、受光部93が検知した光の強度が閾値以上であると判定された場合、気送子30の閉鎖状態が検知される。続いて、情報送信部76によって、気送子30が閉鎖状態である旨の情報が監視装置80等に向けて送信される。最後に、送信制御部71によって、回動部6が回転して気送管2A等に送信管8から気送子30が送信される。また、閉鎖検知部75によって、受光部93が検知した光の強度が閾値を下回ると判定された場合、気送子30の閉鎖不良状態が検知される。最後に、情報送信部76は、気送子30が閉鎖不良状態である旨の情報を監視装置80等に向けて送信する。この場合、送信制御部71による気送子30の送信は実行されない。
【0066】
第1実施形態の気送子30によれば、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持された場合に、第1端部35と第2端部36とが接続経路60によって光学的に接続される。これにより、接続経路60による第1端部35及び第2端部36の光学的な結合を確認することによって、気送子30が閉鎖状態にあることを確認することができる。例えば、接続経路60が光ファイバ61,62,63により構成される場合、接続経路60に光を入射させることによって、接続経路60による第1端部35及び第2端部36の光学的な結合を確認する。一方、接続経路60による第1端部35及び第2端部36の光学的な結合が確認されなければ、閉鎖状態が維持されておらず、何らかの閉鎖不良状態であると判断できる。例えば、第1半割部40及び第2半割部50が閉じられずに隙間が生じていることによって、第1端部35及び第2端部36が光学的に結合していない可能性がある。したがって、この気送子30によれば、気送子30を送り出す前に、気送子30の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0067】
第1ヘッド32及び第2ヘッド33のそれぞれに、第1端部35又は第2端部36の少なくとも何れかが設けられている。この場合、例えば気送子30を送受信するステーション1Aに、第1ヘッド32及び第2ヘッド33の向きを考慮することなく気送子30をセットすることができる。
【0068】
ヒンジ部Hは、回動軸線L30に沿って延びる円筒部H3を有し、接続経路60の光ファイバ62の第2部分65は、円筒部H3内を通る。この場合、第1半割部40から第2半割部50に繋がるように接続経路60を配置する場合に、接続経路60の光ファイバ62の第2部分65を外部から保護することができる。
【0069】
第1端部35及び第2端部36は、載置台12aに非接触な状態で光電センサ90との間で光(又は信号)を入出力する。この場合、光電センサ90によって、気送子30の閉鎖状態をより簡易に確認することができる。また、気送子30が送信される際に、気送子30と載置台12a及びガイドGとが互いに接触する。このとき、第1端部35及び第2端部36は、載置台12a及びガイドGに接触しないので、第1端部35及び第2端部36の摩耗が抑制される。
【0070】
接続経路60は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部35と第2端部36とを光学的に結合する光ファイバによって構成される。この場合、接続経路60に光を入射させて、接続経路60による第1端部35及び第2端部36の光学的な結合を確認することによって、気送子30が閉鎖状態にあることを確認することができる。その結果、気送子30を送り出す前に、気送子30の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0071】
接続経路60は、第1端部35に光学的に結合する第1端61aと、第1端61aとは反対側の第2端61bとを含む光ファイバ61と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1ヘッド32側において第2端61bに光学的に結合する第3端62aと、第3端62aとは反対側の第4端62bとを含む光ファイバ62と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第2ヘッド33側において第4端62bに光学的に結合する第5端63aと、第5端63aとは反対側において第2端部36に光学的に結合する第6端63bとを含む光ファイバ63と、を有する。この場合、第1ヘッド32側及び第2ヘッド33側のいずれかにおいて第1半割部40及び第2半割部50が閉じられずに隙間が生じているとき、第1端部35及び第2端部36が光学的に結合しない。これにより、気送子30の閉鎖不良状態を確認することができる。したがって、気送子30を送り出す前に、気送子30の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0072】
ロックピン34aは、光ファイバ61の第2端61bの近傍に配置されている。この場合、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態がロックピン34aによって維持されている場合にのみ、光ファイバ61の第2端61bと光ファイバ62の第3端62aとが光学的に結合されて、第1端部35及び第2端部36が光学的に結合する。これにより、気送子30を送り出す前に、気送子30の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。ロックピン34bも同様の構成を有し、同様の作用及び効果が奏される。
【0073】
第1端部35及び第2端部36は、レンズである。この場合、気送子本体31の外部の構成である光ファイバ13,14の端部13a,14aのそれぞれに、第1端部35及び第2端部36が光学的に結像(結合)することが可能となる。これにより、光電センサ90によって、第1端部35に光を入射させて第2端部36からの光の出射を確認することが可能となる。その結果、気送子30を送り出す前に、気送子30の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を検知することが可能となる。また、第1端部35及び第2端部36がレンズであることにより、気送子30を通った光の強度が増加する(例えば5倍になる)。
【0074】
接続経路60は、樹脂によって形成されている。この場合、光ファイバによって構成される接続経路60がガラスにより形成される場合と比較して曲げ半径が小さいので、接続経路60の配置の自由度が向上する。
【0075】
[第2実施形態]
第2実施形態の気送子130が適用された気送管システムSについて説明する。図10は、第2実施形態におけるステーション1A、コントローラ70及び監視装置80の概略構成を示す図である。第2実施形態では、気送管システムSは、第1実施形態と同様に、第1系統SA、第2系統SB、及び第3系統SCを有する。第2実施形態では、気送管システムSは、第1実施形態と異なり、光電式の気送子30に代えて導通(通電)式(後述する)の気送子130を空気流により搬送する。
【0076】
第2実施形態では、ステーション1Aは、第1実施形態と同様に、底板T1、天板T2、及び回動部6を有する。ステーション1Aは、第1実施形態と異なり、光ファイバ13,14、光電センサ90、及びセンサ制御部91を有さない。
【0077】
第2実施形態では、コントローラ70は、送信制御部71、受信制御部72、載置検知部73、及び情報送信部76を有する。コントローラ70は、第1実施形態と異なり、ID読取部74及び閉鎖検知部75に代えて、ID読取部174及び閉鎖検知部175を有する。ID読取部174は、気送子30の第1ヘッド32(及び/又は第2ヘッド33)に埋め込まれた通信部139a(139b)(後述する)から、気送子130が閉鎖状態であるか又は閉鎖不良状態であるかに関する情報を取得し、閉鎖検知部75に出力する。これにより、閉鎖検知部175は、気送子130の第1端部135と第2端部136とが電気的に接続されているか否かを検知し、この結果に応じて気送子130の閉鎖状態又は閉鎖不良状態を検知する。情報送信部76は、気送子130が閉鎖状態である旨(又は閉鎖不良状態である旨)の情報をステーション1A及び/又は監視装置80に向けて送信する。
【0078】
続いて、図11以降の図面を参照して、気送子130の構造の詳細について説明する。図11は、第2実施形態の気送子130における接続経路160の配置を示す図である。図12は、図11の第1ヘッド32の拡大図である。図13は、図11のXIII-XIII線における断面図である。図11に示されるように、気送子130は、第1実施形態と同様に、気送子本体31、第1ヘッド32、及び第2ヘッド33を有する。気送子130の半割構造については、第1実施形態と同様である。導通式の気送子130では、接続経路160より第1端部135と第2端部136とを電気的に接続されているか否かが検知されることによって、気送子130の閉鎖状態又は閉鎖不良状態が検知される。
【0079】
気送子130は、ロックピン34a,34bに代えてロックピン134a,134b(固定部)を有する。気送子本体31は、孔部44,54に代えて受け金具144,154を有する。図11及び図12に示されるように、ロックピン134aは、第1半割部40の一端40aから他端40bに向かう方向に、第1ヘッド32の内部から突出する。受け金具154は、第2半割部50の一端50aに設けられている。ロックピン134a及び受け金具154は、導電性であり、例えば金属製である。例えば、ロックピン134aは、第1ヘッド32の回転部32aを回転させた際に突出して受け金具154に係合する。このとき、ロックピン134aは、受け金具154と電気的に接続される。
【0080】
図11に示されるように、ロックピン134bは、第2半割部50の他端50bから一端50aに向かう方向に、第2ヘッド33の内部から突出する。受け金具144は、第1半割部40の他端40bに設けられている。ロックピン134b及び受け金具144は、導電性であり、例えば金属製である。例えば、ロックピン134bは、第2ヘッド33の回転部33aを回転させた際に突出して受け金具144に係合する。このとき、ロックピン134bは、受け金具144と電気的に接続される。
【0081】
気送子130は、第1ヘッド32に設けられた第1端部135及び第2端部136と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部135と第2端部136とを電気的に接続する接続経路160と、を有する。第1端部135は、接続経路160の一端と通信部139aとを接続するための導体である。第2端部136は、接続経路160の他端と通信部139aとを接続するための導体である。接続経路160は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部135と第2端部136とを電気的に接続する導体によって構成される。接続経路160は、第1ヘッド32に設けられた第1導体161と、第1ヘッド32及び第2半割部50に設けられた第2導体162と、を有する。
【0082】
第1導体161は、第1ヘッド32において、第1端部135から第2辺部41bの近傍まで延びている。第1導体161は、第1ヘッド32に形成された貫通孔(図示せず)を通る。第1導体161は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第1導体161は、例えば直径0.32mmの電線である。第1導体161は、第1端部135に電気的に接続された第1電極161aと、ロックピン134aに電気的に接続された第2電極161bとを有する。第1電極161a及び第2電極161bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。
【0083】
第2導体162は、第2半割部50に設けられた第1部分164と、ヒンジ部Hに設けられた第2部分165と、第1ヘッド32に設けられた第3部分166と、を有する1本のケーブルである。第1部分164は、第2辺部51bにおいて、長手方向D1に沿って第2半割部50の一端50aから他端50bまで延びている。その後、第1部分164は、第3辺部51cにおいて、方向D2に沿ってヒンジ部Hの他端H2まで延びている。第2部分165は、長手方向D1に沿ってヒンジ部Hの他端H2から一端H1まで延びている。その後、第3部分166は、第1ヘッド32において、ヒンジ部Hの一端H1から第2端部136まで延びている。第3部分166は、第1ヘッド32に形成された貫通孔(図示せず)を通る。なお、第1部分164は、第2辺部51bにおいて、長手方向D1に沿って第2半割部50の一端50aから他端50bまで延びた後に、第2ヘッド33の内部を通ってヒンジ部Hの他端H2まで延びてもよい。
【0084】
図13に示されるように、周縁部51の第2辺部51bには、溝部V1が設けられている。溝部V1は、例えばU字状である。第1部分164は、溝部V1に配置されている。封止部52は、第1部分164を覆うように溝部V1に配置されているとともに、第1部分164に沿って延在している。ヒンジ部Hは、回動軸線L30に沿って延びる円筒部H3を有する。第2部分165は、円筒部H3の内部を通る。なお、第3辺部51cにも、溝部V1が設けられている。
【0085】
第2導体162の第1部分164及び第3部分166は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第2導体162の第2部分165は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルである。第2導体162は、例えば直径0.32mmの電線である。第2導体162は、受け金具154に電気的に接続された第3電極162aと、第2端部136に電気的に接続された第4電極162bと、を有する。第3電極162a及び第4電極162bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。
【0086】
第1半割部40及び第2半割部50が閉じられ、ロックピン134aが受け金具154に係合した場合、第2電極161bがロックピン134a及び受け金具154を介して第3電極162aに電気的に接続される。よって、ロックピン134aは、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第2電極161bと第3電極162aとを電気的に接続する。
【0087】
気送子130は、第1ヘッド32に位置する通信部139a(第1通信部)を有する。通信部139aは、第1ヘッド32において第1端部135と第2端部136とを電気的に接続している。通信部139aは、接続経路160が第1端部135と第2端部136とを電気的に接続しているか否かを示す情報をID読取部174に送信する。具体的には、通信部139aは、第1端部135と第2端部136との間において接続経路160が断線しているか否かを判定し、判定した結果をID読取部174に送信する。通信部139aは、気送子130の搬送先の情報をID読取部174に送信する。通信部139aは、例えば、アンテナを紙基材に印刷して配線された回路である。通信部139aは、一例としては、UHF(Ultra-High Frequency)帯の周波数で無線通信を行うRFIDタグである。接続経路160が断線しているか否かを判定する処理は、種々の公知技術により実現される。
【0088】
気送子130は、第2ヘッド33に設けられた第3端部137及び第4端部138と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第3端部137と第4端部138とを電気的に接続する接続経路260(別の接続経路)と、を有する。第3端部137は、接続経路260の一端と通信部139bとを接続するための導体である。第4端部138は、接続経路260の他端と通信部139bとを接続するための導体である。接続経路260は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第3端部137と第4端部138とを電気的に接続する導体によって構成される。接続経路260は、第2ヘッド33に設けられた第3導体261と、第2ヘッド33及び第1半割部40に設けられた第4導体262と、を有する。
【0089】
第3導体261は、第2ヘッド33において、第3端部137から第2辺部51bの近傍まで延びている。第3導体261は、第2ヘッド33に形成された貫通孔(図示せず)を通る。第3導体261は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第3導体261は、第3端部137に電気的に接続された第5電極261aと、ロックピン134bに電気的に接続された第6電極261bとを有する。第5電極261a及び第6電極261bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。
【0090】
第4導体262は、第1半割部40に設けられた第1部分264と、ヒンジ部Hに設けられた第2部分265と、第2ヘッド33に設けられた第3部分266と、を有する1本のケーブルである。第1部分264は、第2辺部41bにおいて、長手方向D1に沿って第1半割部40の他端40bから一端40aまで延びている。その後、第1部分264は、第3辺部41cにおいて、方向D2に沿ってヒンジ部Hの一端H1まで延びている。第2部分265は、長手方向D1に沿ってヒンジ部Hの一端H1から他端H2まで延びている。その後、第3部分266は、第2ヘッド33において、ヒンジ部Hの他端H2から第4端部138まで延びている。第3部分266は、第2ヘッド33に形成された貫通孔(図示せず)を通る。なお、第1部分264は、第2辺部41bにおいて、長手方向D1に沿って第1半割部40の一端40aから他端40bまで延びた後に、第1ヘッド32の内部を通ってヒンジ部Hの一端H1まで延びてもよい。
【0091】
図13に示されるように、周縁部41の第2辺部41bには、溝部V2が設けられている。溝部V2は、例えばU字状である。第1部分264は、溝部V2に配置されている。封止部42は、第1部分264を覆うように溝部V2に配置されているとともに、第1部分264に沿って延在している。ヒンジ部Hは、回動軸線L30に沿って延びる円筒部H3を有する。第2部分265は、円筒部H3の内部を通る。よって、第4導体262の第2部分265、及び、第2導体162の第2部分165は、同じ円筒部H3の内部で隣り合っている。なお、第3辺部41cにも、溝部V2が設けられている。
【0092】
第4導体262の第1部分264及び第3部分266は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第4導体262の第2部分265は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルである。よって、第4導体262の第2部分265、及び、第2導体162の第2部分165は、同じ円筒部H3の内部で互いに絶縁された状態で並列している。
【0093】
第4導体262は、受け金具144に電気的に接続された第7電極262aと、第4端部138に電気的に接続された第8電極262bと、を有する。第7電極262a及び第8電極262bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。第1半割部40及び第2半割部50が閉じられ、ロックピン134bが受け金具144に係合した場合、第6電極261bがロックピン134b及び受け金具144を介して第7電極262aに電気的に接続される。よって、ロックピン134bは、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第6電極261bと第7電極262aとを電気的に接続する。
【0094】
気送子130は、第2ヘッド33に位置する通信部139b(第2通信部)を有する。通信部139bは、第2ヘッド33において第3端部137と第4端部138とを電気的に接続している。通信部139bは、接続経路260が第3端部137と第4端部138とを電気的に接続しているか否かを示す情報をID読取部174に送信する。具体的には、通信部139bは、第3端部137と第4端部138との間において接続経路260が断線しているか否かを判定し、判定した結果をID読取部174に送信する。通信部139bは、気送子130の搬送先の情報をID読取部174に送信する。通信部139bは、例えば、アンテナを紙基材に印刷して配線された回路である。通信部139bは、一例としては、UHF帯の周波数で無線通信を行うRFIDタグである。接続経路260が断線しているか否かを判定する処理は、種々の公知技術により実現される。
【0095】
第2実施形態の気送子130では、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持された場合に、第1端部135と第2端部136とが接続経路160によって電気的に接続される。これにより、第1端部135と第2端部136との間における接続経路160の電気的な導通を確認することによって、気送子130が閉鎖状態にあることを確認することができる。例えば、接続経路160が導体により構成される場合、接続経路160に通電を行うことによって、接続経路160の電気的な導通を確認することが可能となる。一方、第1端部135と第2端部136との間における接続経路160の電気的な導通が確認されなければ、閉鎖状態が維持されておらず、何らかの閉鎖不良状態であると判断できる。例えば、第1半割部40及び第2半割部50が閉じられずに隙間が生じていることによって、第1端部135と第2端部136との間において接続経路160が電気的に導通していない可能性がある。したがって、この気送子130によれば、気送子130を送り出す前に、気送子130の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0096】
接続経路160は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1端部135と第2端部136とを電気的に接続する導体によって構成される。この場合、接続経路160に通電を行って接続経路160の電気的な導通を確認することによって、気送子130が閉鎖状態にあることを確認することができる。その結果、気送子130を送り出す前に、気送子130の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0097】
気送子130は、第1ヘッド32において第1端部135と第2端部136とを電気的に接続しており、接続経路160が第1端部135と第2端部136とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体31の外部に出力する通信部139aを備える。この場合、気送子本体31の外部の構成によって、第1端部135と第2端部136との間の接続経路160の電気的な導通を確認することができる。これにより、当該外部の構成によって、気送子130を送り出す前に気送子130の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を検知することが可能となる。
【0098】
接続経路160は、第1端部135に電気的に接続される第1電極161aと、第2電極161bとを含む第1導体161と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第1ヘッド32側において第2電極161bに電気的に接続される第3電極162aと、第2端部136に電気的に接続される第4電極162bとを含む第2導体162とを有する。この場合、第1ヘッド32側において、第1半割部40及び第2半割部50が閉じられずに隙間が生じているとき、接続経路160が電気的に導通しないので、気送子130の閉鎖不良状態を確認することができる。その結果、第1ヘッド32側において、気送子130を送り出す前に、気送子130の閉鎖状態及び閉鎖不良状態を確認することができる。
【0099】
ロックピン134aは、導電性を有し、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に第2電極161bと第3電極162aとを電気的に接続する。この場合、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態がロックピン134aによって維持されている場合にのみ、第2電極161bと第3電極162aとが電気的に接続されて、接続経路160が電気的に導通する。これにより、気送子130を送り出す前に、気送子130の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0100】
第2ヘッド33に位置する第3端部137及び第4端部138と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第3端部137及び第4端部138とを電気的に接続する導体によって構成される接続経路260と、第2ヘッド33において第3端部137と第4端部138とを電気的に接続しており、接続経路260が第3端部137と第4端部138とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体31の外部に出力する通信部139bを備える。この場合、第1ヘッド32側及び第2ヘッド33側のいずれかにおいて第1半割部40及び第2半割部50が閉じられずに隙間が生じているとき、接続経路160,260の少なくともいずれかが電気的に導通しない。これにより、気送子130を送り出す前に、気送子130の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0101】
[第3実施形態]
第3実施形態の気送子330について説明する。第3実施形態の気送子330が適用された気送管システムS、ステーション1A、コントローラ70、及び監視装置80は、第2実施形態と同様の構成を有する。第3実施形態の気送子330は、第2実施形態と同様に、気送子本体31、第1ヘッド32、第2ヘッド33、ロックピン134a,134b、第1端部135、第2端部136、第3端部137、第4端部138、及び通信部139a,139bを有する。気送子330の半割構造については、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
【0102】
気送子330は、第2実施形態と異なり、接続経路160,260に代えて、第1接続経路361及び第2接続経路362を有する接続経路360を備える。気送子330では、2つの回路の導通がそれぞれ検知されることにより閉鎖状態が検知される気送子130と異なり、1つの回路の導通が検知されることにより閉鎖状態が検知される。具体的には、気送子330では、接続経路360の導通が検知されることにより閉鎖状態が検知される。図14は、第3実施形態の気送子130における接続経路360の配置を示す図である。
【0103】
第1接続経路361は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に第1端部135と第4端部138とを電気的に接続する。第1接続経路361は、第1ヘッド32に設けられた第1導体363と、第2ヘッド33及び第2半割部50に設けられた第2導体364と、を有する。
【0104】
第1導体363は、第1ヘッド32において、第1端部135から第2辺部41bの近傍まで延びている。第1導体363は、第1ヘッド32に形成された貫通孔(図示せず)を通る。第1導体363は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第1導体363は、第1端部135に電気的に接続された第1電極363aと、ロックピン134aに電気的に接続された第2電極363bとを有する。第1電極363a及び第2電極363bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。
【0105】
第2導体364は、第2辺部51bにおいて、長手方向D1に沿って第2半割部50の一端50aから他端50bまで延びている。その後、第2導体364は、第2ヘッド33に形成された貫通孔(図示せず)を通って第4端部138まで延びている。第2導体364は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第2導体364は、受け金具154に電気的に接続された第3電極364aと、第4端部138に電気的に接続された第4電極364bと、を有する。第3電極364a及び第4電極364bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。
【0106】
第1半割部40及び第2半割部50が閉じられ、ロックピン134aが受け金具154に係合した場合、第2電極363bがロックピン134a及び受け金具154を介して第3電極364aに電気的に接続される。よって、ロックピン134aは、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第2電極363bと第3電極364aとを電気的に接続する。
【0107】
第2接続経路362は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に第2端部136と第3端部137とを電気的に接続する。第2接続経路362は、第2ヘッド33に設けられた第3導体365と、第1ヘッド32及び第1半割部40に設けられた第4導体366と、を有する。
【0108】
第3導体365は、第2ヘッド33において、第3端部137から第2辺部51bの近傍まで延びている。第3導体365は、第2ヘッド33に形成された貫通孔(図示せず)を通る。第3導体365は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第3導体365は、第3端部137に電気的に接続された第5電極365aと、ロックピン134bに電気的に接続された第6電極365bとを有する。第5電極365a及び第6電極365bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。
【0109】
第4導体366は、第2辺部41bにおいて、長手方向D1に沿って第1半割部40の他端40bから一端40aまで延びている。その後、第4導体366は、第1ヘッド32に形成された貫通孔(図示せず)を通って第2端部136まで延びている。第4導体366は、表面が絶縁性材料で被覆されたケーブルであってもよく、導線が露出したケーブルであってもよい。第4導体366は、受け金具144に電気的に接続された第7電極366aと、第2端部136に電気的に接続された第8電極366bと、を有する。第7電極366a及び第8電極366bは、フラットな電極であってもよいし、単にケーブルの端部等であってもよい。
【0110】
第1半割部40及び第2半割部50が閉じられ、ロックピン134bが受け金具144に係合した場合、第6電極365bがロックピン134b及び受け金具144を介して第7電極366aに電気的に接続される。よって、ロックピン134bは、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に、第6電極365bと第7電極366aとを電気的に接続する。
【0111】
通信部139aは、第1接続経路361、通信部139b、及び第2接続経路362が第1端部135と第2端部136とを電気的に接続しているか否かを示す情報をID読取部174に送信する。通信部139bは、第2接続経路362、通信部139a、及び第1接続経路361が第3端部137と第4端部138とを電気的に接続しているか否かを示す情報をID読取部174に送信する。
【0112】
第3実施形態の気送子330では、第2ヘッド33に位置する第3端部137及び第4端部138と、第2ヘッド33において第3端部137と第4端部138とを電気的に接続する通信部139bとを更に備え、接続経路360は、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に第1端部135と第4端部138とを電気的に接続する第1接続経路361と、第1半割部40及び第2半割部50の閉鎖状態が維持されている場合に第2端部136と第3端部137とを電気的に接続する第2接続経路362と、を有し、通信部139aは、第1接続経路361、通信部139b、及び第2接続経路362が第1端部135と第2端部136とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体31の外部に出力し、通信部139bは、第2接続経路362、通信部139a、及び第1接続経路361が第3端部137と第4端部138とを電気的に接続しているか否かを示す情報を気送子本体31の外部に出力する。この場合、第1ヘッド32側及び第2ヘッド33側のいずれかにおいて第1半割部40及び第2半割部50が閉じられずに隙間が生じているとき、接続経路360が電気的に導通しない。これにより、気送子330を送り出す前に、気送子330の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0113】
また、第3実施形態の気送子330では、通信部139a及び通信部139bが、第1ヘッド32及び第2ヘッド33にそれぞれ設けられており、コントローラ70等の外部装置に信号を送信するように構成されている。ここで、載置台12aにID読取部174が設けられている場合を考える。この場合、ユーザが気送子330を載置台12aにセットするとき、第1ヘッド32及び第2ヘッド33のどちらが下であっても、通信部139a及び通信部139bの少なくともいずれかが、載置台12aに近接してID読取部174と良好に通信可能となる。これにより、ユーザが気送子330を載置台12aにセットしたとき、第1ヘッド32及び第2ヘッド33のどちらが下であっても、気送子330を送り出す前に、気送子330の閉鎖状態及び閉鎖不良状態をより正確に確認することができる。
【0114】
以上、第1実施形態から第3実施形態について説明したが、本発明の一態様は、上記実施形態に限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0115】
第1実施形態では、光ファイバ61の第2端61b及び光ファイバ62の第3端62aにレンズが設けられてもよい。これにより、第2端61bと第3端62aとの間において結合効率が向上する。同様に、光ファイバ62の第4端62b及び光ファイバ63の第5端63aにレンズが設けられてもよい。これにより、第4端62bと第5端63aとの間において結合効率が向上する。
【0116】
気送子30,130,330の形状は上記に限定されない。例えば、気送子30,130,330は、気送子本体31の両端に円板状の第1フランジ及び第2フランジを備えたフルオープンタイプの容器であってもよい。また、例えば、気送子30,130,330は、容器本体に対して蓋部が開閉可能なセンターオープンタイプの容器であってもよい。
【0117】
第1実施形態では、2つのロックピン34a,34bの両方が気送子30に設けられていたが、2つのロックピン34a,34bのいずれかが設けられていればよい。同様に、第2実施形態及び第3実施形態では、2つのロックピン134a,134bのいずれかが気送子130,330に設けられていればよい。
【0118】
本発明の構成要件は以下のとおりに記載され得る。
[1]
筒状の気送子本体の第1部分及び第2部分が、前記気送子本体の長手方向に沿って延びる回動軸線を有するヒンジ部を介して結合されて開閉自在に構成された気送子であって、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態を維持する固定部と、
前記気送子本体の前記長手方向の少なくとも一端部に位置する第1端部及び第2端部と、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第1端部と前記第2端部とを電気的に又は光学的に接続する接続経路とを備える、気送子。
[2]
前記気送子本体の前記長手方向の一端部及び他端部のそれぞれに、前記第1端部又は前記第2端部の少なくとも何れかが設けられる、[1]に記載の気送子。
[3]
前記ヒンジ部は、前記回動軸線に沿って延びる円筒部を有し、
前記接続経路の一部は、前記円筒部内を通る、[1]又は[2]に記載の気送子。
[4]
前記第1端部及び前記第2端部は、外部の検出装置との間で信号又は光を非接触にて入出力する、[1]~[3]の何れか一つに記載の気送子。
[5]
前記接続経路は、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第1端部と前記第2端部とを光学的に結合する光ファイバによって構成される、[1]~[4]の何れか一つに記載の気送子。
[6]
前記接続経路は、
前記第1端部に光学的に結合する第1端と、前記第1端とは反対側の第2端とを含む第1光ファイバと、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記気送子本体の前記長手方向の一端部側において前記第2端に光学的に結合する第3端と、前記第3端とは反対側の第4端とを含む第2光ファイバと、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記気送子本体の前記長手方向の他端部側において前記第4端に光学的に結合する第5端と、前記第5端とは反対側において前記第2端部に光学的に結合する第6端とを含む第3光ファイバと、を有する、[5]に記載の気送子。
[7]
前記固定部は、前記第1光ファイバの前記第2端の近傍に配置されている、[5]又は[6]に記載の気送子。
[8]
前記第1端部及び前記第2端部は、レンズである、[5]~[7]の何れか一つに記載の気送子。
[9]
前記接続経路は、樹脂によって形成されている、[5]~[8]の何れか一つに記載の気送子。
[10]
前記接続経路は、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続する導体によって構成される、[1]~[4]の何れか一つに記載の気送子。
[11]
前記気送子本体の前記長手方向の一端部において前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続しており、前記接続経路が前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力する第1通信部を更に備える、[10]に記載の気送子。
[12]
前記接続経路は、
前記第1端部に電気的に接続される第1電極と、第2電極とを含む第1導体と、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記気送子本体の前記長手方向の一端部側において前記第2電極に電気的に接続される第3電極と、前記第2端部に電気的に接続される第4電極とを含む第2導体とを有する、[10]又は[11]に記載の気送子。
[13]
前記固定部は、導電性を有し、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に前記第2電極と前記第3電極とを電気的に接続する、[12]に記載の気送子。
[14]
前記気送子本体の前記長手方向の他端部に位置する第3端部及び第4端部と、
前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に、前記第3端部と前記第4端部とを電気的に接続する導体によって構成される別の接続経路と、
前記気送子本体の前記長手方向の他端部において第3端部と第4端部とを電気的に接続しており、前記別の接続経路が前記第3端部と前記第4端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力する第2通信部を更に備える、[11]~[13]の何れか一つに記載の気送子。
[15]
前記気送子本体の前記長手方向の他端部に位置する第3端部及び第4端部と、
前記気送子本体の前記長手方向の他端部において第3端部と第4端部とを電気的に接続する第2通信部を更に備え、
前記接続経路は、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に前記第1端部と前記第4端部とを電気的に接続する第1接続経路と、前記第1部分及び前記第2部分の閉鎖状態が維持されている場合に前記第2端部と前記第3端部とを電気的に接続する第2接続経路と、を有し、
前記第1通信部は、前記第1接続経路、前記第2通信部、及び前記第2接続経路が前記第1端部と前記第2端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力し、
前記第2通信部は、前記第2接続経路、前記第1通信部、及び前記第1接続経路が前記第3端部と前記第4端部とを電気的に接続しているか否かを示す情報を前記気送子本体の外部に出力する、[11]に記載の気送子。
【符号の説明】
【0119】
30,130,330…気送子、32…第1ヘッド(一端部)、33…第2ヘッド(他端部)、34a,34b,134a,134b…ロックピン(固定部)、35,135…第1端部、36,136…第2端部、40…第1半割部(第1部分)、50…第2半割部(第2部分)、60,160,360…接続経路、61…光ファイバ(第1光ファイバ)、61a…第1端、61b…第2端、62…光ファイバ(第2光ファイバ)、62a…第3端、62b…第4端、63…光ファイバ(第3光ファイバ)、63a…第5端、63b…第6端、90…光電センサ(外部の検出装置)、137…第3端部、138…第4端部、139a…通信部(第1通信部)、139b…通信部(第2通信部)、144,154…受け金具、161…第1導体、161a…第1電極、161b…第2電極、162…第2導体、162a…第3電極、162b…第4電極、260…接続経路(別の接続経路)、261…第3導体、261a…第5電極、261b…第6電極、262…第4導体、262a…第7電極、262b…第8電極、361…第1接続経路、362…第2接続経路、D1…長手方向、H…ヒンジ部、H3…円筒部、L30…回動軸線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14