(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104990
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】部品実装システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009474
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 晏夢
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC22
5E353EE31
5E353EE89
5E353GG01
5E353HH11
5E353HH41
5E353HH51
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353LL06
5E353NN18
5E353QQ22
(57)【要約】
【課題】消費電力を低減するための技術を提供する。
【解決手段】部品実装システムは、電子部品を基板に実装する。部品実装システムは、部品実装機本体及び部品実装機本体に着脱可能に取付けられて電子部品を供給する部品供給装置を備える部品実装機と、部品供給装置を部品実装機に搬送する搬送装置と、部品実装機と搬送装置とに通信可能に接続され、部品実装機と搬送装置とを制御する管理装置と、を備える。搬送装置は、管理装置との間で通信する通信部と、駆動部と、駆動部に電源を供給する電源部と、駆動部と電源部とを接続する電源線に配置され、搬送装置の動作を指示する動作指示が管理装置から通信部に所定時間を超えて送信されないときに、電源部から駆動部へ電力を供給する供給状態から、電源部から駆動部への電力供給を遮断する遮断状態に切り替えるスイッチと、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を基板に実装する部品実装システムであって、
部品実装機本体と、前記部品実装機本体に着脱可能に取付けられて前記電子部品を供給する部品供給装置と、を備える部品実装機と、
前記部品供給装置を前記部品実装機に搬送する搬送装置と、
前記部品実装機と前記搬送装置とに通信可能に接続され、前記部品実装機と前記搬送装置とを制御する管理装置と、を備え、
前記搬送装置は、
前記管理装置との間で通信する通信部と、
駆動部と、
前記駆動部に電源を供給する電源部と、
前記駆動部と前記電源部とを接続する電源線に配置され、前記搬送装置の動作を指示する動作指示が前記管理装置から前記通信部に所定時間を超えて送信されないときに、前記電源部から前記駆動部へ電力を供給する供給状態から、前記電源部から前記駆動部への電力供給を遮断する遮断状態に切り替えるスイッチと、を備える、部品実装システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記所定時間を超えて前記搬送装置への動作指示を送信しないときに、前記遮断状態にする遮断指示を前記通信部に送信し、
前記スイッチは、前記通信部が前記遮断指示を受信したときに、前記供給状態から前記遮断状態に切り替える、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記搬送装置は、前記スイッチの切替えを制御する制御部をさらに備えており、
前記制御部は、前記通信部に、前記管理装置からの動作指示が前記所定時間を超えて送信されないときに、前記スイッチを前記供給状態から前記遮断状態に切り替える、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記部品実装機の作業プログラムを管理しており、
前記管理装置は、前記作業プログラムに基づいて、前記通信部に前記動作指示を送信するまでの時間を算出し、算出された前記時間が前記所定時間を超えるときに、前記所定時間の経過前に前記通信部に前記遮断指示を送信する、請求項2に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記管理装置は、前記搬送装置を動作させるときに前記供給状態にする供給指示を前記通信部に送信し、
前記スイッチは、前記通信部が前記供給指示を受信したときに、前記遮断状態から前記供給状態に切り替え、
前記管理装置は、前記通信部に前記供給指示を送信した後に、前記通信部に前記動作指示を送信する、請求項1~4のいずれか一項に記載の部品実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、電子部品を基板に実装する部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板に電子部品を実装する部品実装機は、電子部品を部品実装ヘッドに供給する部品供給装置を備えている。部品供給装置に収容される電子部品が不足すると、作業者によって部品供給装置が交換され、あるいは、部品供給装置を搬送する搬送装置によって自動で交換される。例えば、特許文献1には、部品実装機に部品供給装置を自動で搬送する搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/044081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の搬送装置は、部品実装機に設置された部品供給装置内の電子部品が不足すると、電子部品を収容した部品供給装置を部品実装機に搬送する。すなわち、部品実装機に設置された部品供給装置内に電子部品が十分に収容されている間は、搬送装置は動作しない。しかしながら、特許文献1の搬送装置では、搬送装置が動作しない間(即ち、部品供給装置内に電子部品が十分に収容されている間)も、搬送装置を駆動する駆動部に電力が供給されており、電力を無駄に消費していた。
【0005】
本明細書は、消費電力を低減するための技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する部品実装システムは、電子部品を基板に実装する。部品実装システムは、部品実装機本体及び部品実装機本体に着脱可能に取付けられて電子部品を供給する部品供給装置を備える部品実装機と、部品供給装置を部品実装機に搬送する搬送装置と、部品実装機と搬送装置とに通信可能に接続され、部品実装機と搬送装置とを制御する管理装置と、を備える。搬送装置は、管理装置との間で通信する通信部と、駆動部と、駆動部に電源を供給する電源部と、駆動部と電源部とを接続する電源線に配置され、搬送装置の動作を指示する動作指示が管理装置から通信部に所定時間を超えて送信されないときに、電源部から駆動部へ電力を供給する供給状態から、電源部から駆動部への電力供給を遮断する遮断状態に切り替えるスイッチと、を備える。
【0007】
上記の部品実装システムでは、搬送装置は、管理装置からの動作指示に従い動作する。すなわち、管理装置から動作指示が送信されるまでは、搬送装置は動作しない待機状態となる。搬送装置は、管理装置からの動作指示が所定時間を超えて送信されないときに駆動部への電源供給を遮断状態とし、待機状態時に駆動部への電力供給を遮断する。このため、消費電力を適切に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1、2に係る部品実装システムの概略構成を示す図。
【
図5】電源部から駆動部に電力を供給する回路の構成を示す図。
【
図6】実施例1において、電源部から駆動部への電力供給を制御する処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】実施例2において、電源部から駆動部への電力供給を制御する処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
【0010】
本明細書に開示する部品実装システムでは、管理装置は、所定時間を超えて搬送装置への動作指示を送信しないときに、遮断状態にする遮断指示を通信部に送信してもよい。スイッチは、通信部が遮断指示を受信したときに、供給状態から遮断状態に切り替えてもよい。このような構成によると、搬送装置は、管理装置からの指示に従い動作する。所定時間を超えて搬送装置への動作指示を送信しないときに、管理装置が搬送装置に遮断指示を送信することによって、搬送装置は、駆動部への電力供給を遮断することができる。
【0011】
本明細書に開示する部品実装システムでは、搬送装置は、スイッチの切替えを制御する制御部をさらに備えていてもよい。制御部は、通信部に、管理装置からの動作指示が所定時間を超えて送信されないときに、スイッチを供給状態から遮断状態に切り替えてもよい。このような構成によると、搬送装置が備える制御部によって、所定時間を超えて管理装置からの動作指示がないときに、駆動部への電力供給を遮断するようにスイッチを切替えることができる。
【0012】
本明細書に開示する部品実装システムでは、管理装置は、部品実装機の作業プログラムを管理していてもよい。管理装置は、作業プログラムに基づいて、通信部に動作指示を送信するまでの時間を算出し、算出された時間が所定時間を超えるときに、所定時間の経過前に通信部に遮断指示を送信してもよい。このような構成によると、管理装置は、作業プログラムから所定時間を超えて動作指示を送信しないと判断できる場合に、所定時間が経過する前に遮断指示を搬送装置に送信する。これにより、所定時間の経過前に駆動部への電力供給を遮断することができ、消費電力を効率よく低減できる。
【0013】
本明細書に開示する部品実装システムでは、管理装置は、搬送装置を動作させるときに供給状態にする供給指示を通信部に送信してもよい。スイッチは、通信部が供給指示を受信したときに、遮断状態から供給状態に切り替えてもよい。管理装置は、通信部に供給指示を送信した後に、通信部に動作指示を送信してもよい。このような構成によると、搬送装置を動作させるときに、管理装置から搬送装置に動作指示が送信される前に供給指示が送信されることにより、搬送装置の駆動部に適切に電力を供給できる。また、管理装置は、供給指示の後で動作指示を送信するため、搬送装置は、動作指示を受信する前に、駆動部に電力を供給した状態にすることができる。
【実施例0014】
(実施例1)
図面を参照して、実施例に係る部品実装システム1について説明する。
図1に示すように、部品実装システム1は、複数の部品実装機10と、管理装置8と、ローダ30と、保管庫54を備えている。
【0015】
図1に示すように、各部品実装機10は、管理装置8に通信可能に接続されている。管理装置8は、複数の部品実装機10及びローダ30と通信可能に接続されており、複数の部品実装機10及びローダ30を管理している。管理装置8と、複数の部品実装機10によって部品実装ライン100が構成されている。管理装置8は、CPU及び記憶装置を備えるコンピュータを用いて構成されている。管理装置8は、各部品実装機10の動作を制御することで、部品実装ライン100全体を制御している。すなわち、管理装置8は、複数の部品実装機10のそれぞれに対して、その部品実装機10で回路基板2に実装する電子部品4の種類及び位置等を指定し、それらを部品実装機10に指示する。各部品実装機10が管理装置8の指示に基づいて動作することで、回路基板2に必要な電子部品4が実装される。
【0016】
部品実装機10は、回路基板2に電子部品4を実装する。部品実装機10は、表面実装機やチップマウンタとも称される。回路基板2は、部品実装ライン100の一端から他端に向かって送られる。回路基板2には、各部品実装機10において、予め定められた電子部品4が実装される。部品実装ライン100の他端まで送られた回路基板2は、最終製品として出荷、又は半製品として後工程に送られる。
【0017】
図2及び
図3に示すように、部品実装機10は、複数の部品フィーダ12と、フィーダ保持部14と、装着ヘッド16と、ヘッド移動装置18と、基板コンベア20と、タッチパネル24と、制御装置26を備える。各々の部品フィーダ12は、複数の電子部品4を収容している。部品フィーダ12は、フィーダ保持部14に着脱可能に取り付けられ、装着ヘッド16へ電子部品4を供給する。部品フィーダ12の具体的な構成は特に限定されない。各々の部品フィーダ12は、例えば、巻テープ上に複数の電子部品4を収容するテープ式フィーダ、トレイ上に複数の電子部品4を収容するトレイ式フィーダ、又は、容器内に複数の電子部品4をランダムに収容するバルク式フィーダのいずれであってもよい。
【0018】
フィーダ保持部14は、複数のスロットを備えており、複数のスロットのそれぞれには部品フィーダ12を着脱可能に設置することができる。フィーダ保持部14は、部品実装機10に固定されたものであってもよいし、部品実装機10に対して着脱可能なものであってもよい。装着ヘッド16は、一又は複数の吸着ノズル6を着脱可能に保持し、吸着ノズル6を用いて部品フィーダ12が供給する電子部品4を取り上げ、当該電子部品4を回路基板2上へ装着する。このとき、ヘッド移動装置18が、部品フィーダ12及び回路基板2に対して、装着ヘッド16を移動させる。これによって、複数の部品フィーダ12のうち特定の部品フィーダ12から電子部品4が取り上げられ、回路基板2の予め定められた位置に電子部品4が装着される。基板コンベア20は、回路基板2の搬入、支持及び搬出を行う。
【0019】
タッチパネル24は、作業者に部品実装機10の各種の情報を提供する表示装置であると共に、作業者からの指示や情報を受け付ける入力装置である。制御装置26は、CPU及びメモリを備えるコンピュータを用いて構成されている。制御装置26は、管理装置8と通信可能に接続されている。制御装置26は、管理装置8から送信される作業プログラム(実装データ)に基づいて、部品実装機10の各部の動作を制御する。
【0020】
図1に示すように、ローダ30は、フィーダ保持部14への部品フィーダ12の取り付け及び取り外しを自動で行う装置である。ローダ30は、交換対象の部品フィーダ12をフィーダ保持部14から取り外して回収するとともに、生産に使用される部品フィーダ12をフィーダ保持部14に取り付けるように構成されている。部品実装ライン100を構成する各部品実装機10は、一方向(
図1のX方向)に沿って配列されており、ローダ30は、当該一方向に沿って設けられたガイドレール52によって、各部品実装機10のフィーダ保持部14に対して移動可能に構成されている。ローダ30は、ガイドレール52に沿って各部品実装機10のフィーダ保持部14と保管庫54との間で移動する。
【0021】
図4に示すように、ローダ30は、駆動部32と、通信部34と、電源部36と、スイッチ40と、制御部42を備えている。
【0022】
駆動部32は、ローダ30をガイドレール52に沿って(すなわち、
図1のX方向に)移動させるためのサーボ機構を備えており、サーボ機構によりローダ30のX方向の位置を制御することで、ローダ30を所望の位置に位置決めすることができる。また、駆動部32は、エンコーダ(図示省略)を備えている。ローダ30の制御部42は、エンコーダにより、ローダ30がガイドレール52のどの位置に位置しているのかを特定することができる。
【0023】
通信部34は、管理装置8と通信可能に構成されている。ローダ30は、管理装置8から送信される動作指示に関する信号(以下、動作指示信号ともいう)に従い、ガイドレール52に沿って所定の位置に移動し、部品フィーダ12をフィーダ保持部14又は保管庫54との間で交換する動作を実行する。また、通信部34は、管理装置8から送信されるスイッチ40をオフにする信号(以下、遮断指示信号ともいう)や、スイッチ40をオンにする信号(以下、供給指示信号ともいう)を受信する。通信部34は、管理装置8から受信した信号(例えば、動作指示信号、遮断指示信号及び供給指示信号等)を制御部42に出力する。
【0024】
電源部36は、駆動部32に電力を供給する。
図5に示すように、電源部36は、サーボ系電源を備えており、3つの電源線38を介して三相で駆動部32に電力を供給する。
【0025】
スイッチ40は、電源部36と駆動部32とを接続する電源線38に配置されている。スイッチ40は、電磁接触器であり、コイルを用いて構成されている。コイルに通電することにより、スイッチ40はオンになる。コイルへの通電をオフすることにより、スイッチ40はオフになる。スイッチ40がオンになると、電源部36から駆動部32へ電力が供給される。なお、スイッチ40は、電源部36から駆動部32へ電力を供給する電力供給状態(オン状態)と、電源部36から駆動部32への電力供給を遮断する電力遮断状態(オフ状態)とに切替え可能な構成であればよく、電磁接触器以外のスイッチであってもよい。
【0026】
スイッチ40は、予め設定された設定条件が成立するとオンになるように構成されている。具体的には、予め設定された設定条件が成立すると、制御部42が、スイッチ40に対してスイッチ40をオンにする指令を出力する。それによりスイッチ40のコイルに電流が流れ、スイッチ40がオンになる。また、予め設定された設定条件が成立した状態から成立しない状態になると、制御部42が、スイッチ40に対してスイッチ40をオフにする指令を出力する。それにより、スイッチ40のコイルに流れる電流が遮断され、スイッチ40がオフになる。
【0027】
スイッチ40をオンにするための設定条件は、作業者の安全が確保された状態になる条件である。作業者の安全が確保された状態になる条件は、例えば、作業者がローダ30の移動可能範囲にいることを検知する人感センサ(図示省略)がオンになっていないと共に、ローダ30に設けられる非常停止ボタン(図示省略)がオフになった状態である。作業者の安全が確保された状態になる条件が成立すると、ローダ30を安全に動作することができる。このため、作業者の安全が確保された状態になる条件が成立したときに、スイッチ40がオンになり、電源部36から駆動部32へ電力が供給される。一方、作業者の安全が確保された状態になる条件が成立しない場合には、ローダ30を安全に動作することができないため、スイッチ40はオフになり、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断される。
【0028】
また、スイッチ40は、作業者の安全が確保された状態になる条件が成立した場合にオンになるだけでなく、管理装置8から遮断指示信号を受信した場合にオフになるように制御されている。具体的には、管理装置8から送信される遮断指示信号を受信すると、制御部42は、スイッチ40をオフにするためのフラグ(以下、遮断フラグともいう)をオンにし、スイッチ40をオフにする指令をスイッチ40に出力する。遮断指示信号は、所定時間(例えば、1分)を超えてローダ30が動作しないときに管理装置8から送信される。したがって、ローダ30が所定時間を超えて動作しないときに、管理装置8から遮断指示信号が送信され、スイッチ40がオフになり、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断される。ローダ30が所定時間を超えて動作しないときにスイッチ40をオフにすることにより、ローダ30が動作しない間の駆動部32への不要な電力供給を停止することができ、消費電力を低減することができる。遮断フラグがオンとなっている間は、スイッチ40はオンされない。ローダ30の動作を再開する際には、管理装置8から供給指示信号が送信される。管理装置8から供給指示信号を受信すると、制御部42は、遮断フラグをオフにし、スイッチ40をオンにする指令をスイッチ40に出力する。これにより、スイッチ40がオンになり、電源部36から駆動部32への電力供給が再開される。
【0029】
制御部42は、CPU及び記憶装置を備えるコンピュータを用いて構成されている。制御部42は、管理装置8から送信される動作指示信号に基づいて、ローダ30を制御する。
図4に示すように、制御部42は、駆動部32、通信部34、電源部36及びスイッチ40と接続しており、駆動部32、通信部34、電源部36及びスイッチ40を制御している。
【0030】
図1に示すように、保管庫54は、部品実装ライン100の最も上流に配置される部品実装機10のさらに上流側に配置されている。保管庫54は、複数の部品フィーダ12を収容する。具体的には、保管庫54には、複数(
図1では2個)のパレット56が収容されており、パレット56は、複数の部品フィーダ12を収容している。パレット56は、保管庫54に着脱可能に収容されている。保管庫54は、実装処理で使用されていない部品フィーダ12を収容すると共に、実装処理で使用後の部品フィーダ12を収容する。保管庫54の前面には、ガイドレール52が設置されている。すなわち、ガイドレール52は、保管庫54と複数の部品実装機10の前面に設置されている。ローダ30は、保管庫54に収容されている部品フィーダ12を各部品実装機10のフィーダ保持部14の各スロットに移動させると共に、各部品実装機10のフィーダ保持部14の各スロットから部品フィーダ12を保管庫54に移動させる。
【0031】
次に、ローダ30において、電源部36から駆動部32への電力供給を制御する処理について説明する。
図6に示すように、まず、制御部42は、遮断フラグをオフにする(S12)。ローダ30の起動時には、遮断フラグはオフにされる。次いで、制御部42は、予め設定された設定条件が成立しているか否かを判断する(S14)。上述したように、予め設定された設定条件は、作業者の安全が確保された状態になる条件である。この設定条件が成立していない場合(ステップS14でNO)、ローダ30を安全に動作できない状態になっている。このため、制御部42は、スイッチ40をオフにし(S16)、ステップS14の処理に戻る。
【0032】
一方、予め設定された設定条件が成立している場合(ステップS14でYES)、制御部42は、遮断フラグがオンになっているか否かを判断する(S18)。上述したように、遮断フラグがオンとなっていると、スイッチ40はオンにされない。なお、ローダ30の起動後、最初にステップS18の処理を実行する際には、ステップS12で遮断フラグがオフにされている。遮断フラグがオフになっている場合(ステップS18でNO)、制御部42は、スイッチ40に対してスイッチ40をオンにする指令を出力する(S20)。すると、スイッチ40はオンになり、電源部36から駆動部32へ電力が供給される。一方、遮断フラグがオンになっている場合(ステップS18でYES)、ステップS20の処理をスキップして、ステップS22の処理に進む。
【0033】
次いで、制御部42は、管理装置8から遮断指示信号を受信したか否かを判断する(S22)。上述したように、遮断指示信号は、所定時間(例えば、1分)を超えてローダ30が動作しないときに、管理装置8から送信される。管理装置8は、部品実装機10の作業プログラムを管理しており、作業プラグラムに基づいてローダ30に動作指示信号を送信する。管理装置8は、所定時間を超えてローダ30に動作指示信号を送信しなかった場合に、ローダ30に遮断指示信号を送信する。管理装置8から遮断指示信号を受信している場合(ステップS22でYES)、制御部42は、遮断フラグをオンにする(S24)。次いで、制御部42は、遮断フラグに応じてスイッチ40を切替える(S32)。すなわち、ステップS24の処理で遮断フラッグがオンにされているため、制御部42は、スイッチ40をオフにする。すると、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断される。このため、所定時間を超えてローダ30が動作しない場合に、電源部36から駆動部32への電力供給を遮断することができ、消費電力を低減することができる。その後、ステップS14の処理に戻り、ステップS14以降の処理を繰り返す。
【0034】
ステップS22で遮断指示信号を受信した後、ステップS14の処理に戻った場合、ステップS24で遮断フラグがオフになっている。このため、ステップS18の処理では、制御部42は、遮断フラグがオンになっていると判断し(ステップS18でYES)、ステップS20の処理をスキップする。すなわち、スイッチ40はオンにされず、オフのまま次の処理に進む。
【0035】
一方、管理装置8から遮断指示信号を受信していない場合(ステップS22でNO)、制御部42は、管理装置8から供給指示信号を受信したか否かを判断する(S26)。管理装置8は、ローダ30に遮断指示信号を送信した場合、ローダ30に動作指示信号を送信する前に、供給指示信号を送信する。このため、供給指示信号は、先に遮断指示信号が送信され、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断されているときに送信される。ローダ30に動作指示信号を送信する前に供給指示信号を送信することによって、動作指示信号を受信する前に、電源部36から駆動部32への電力供給が再開される。このため、動作指示信号を受信したときに、直ちにローダ30を動作させることができる。管理装置8から供給指示信号を受信している場合(ステップS26でYES)、制御部42は、遮断フラグをオフにする(S28)。次いで、制御部42は、遮断フラグに応じてスイッチ40を切替える(S32)。すなわち、ステップS28の処理で遮断フラッグがオフにされているため、制御部42は、スイッチ40をオンにする。すると、電源部36から駆動部32への電力供給が再開される。その後、ステップS14の処理に戻り、ステップS14以降の処理を繰り返す。
【0036】
また、管理装置8から供給指示信号を受信した後でスイッチ40がオンにされた場合(すなわち、遮断指示信号に従いスイッチ40がオフされた後、供給指示信号に従いスイッチ40がオンされた場合)、電源部36から駆動部32への電力供給が再開された後、ローダ30は、ローダ30の位置を調整する動作(以下、原点復帰動作ともいう)を実行してもよい。上述したように、駆動部32はエンコーダ(図示省略)を備えている。このため、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断され、その後、電源部36から駆動部32への電力供給が再開されても、制御部42は、ローダ30の位置を特定することができる。一方で、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断されている間に、保管庫54内に収容されるパレット56が交換されると、交換後のパレット56の位置が、交換前に保管庫54に収容されていたパレット56の位置から僅かにずれることがある。このため、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断されている間に、保管庫54内に収容されるパレット56が交換された場合には、電源部36から駆動部32への電力供給が再開されたときに、パレット56に対するローダ30の位置が調整される。具体的には、パレット56の交換についても管理装置8が管理しているため、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断されている間にパレット56が交換された場合には、管理装置8は、供給指示信号と共に、原点復帰動作に関する指示信号をローダ30に送信する。原点復帰動作は、例えば、パレット56に設けられたマーク(例えば、スリット等)を、ローダ30に設置されたセンサ(図示省略)で検出し、検出されたマークの位置を原点としてローダ30の位置を調整する動作である。制御部42は、管理装置8から供給指示信号と共に原点復帰動作に関する指示信号を受信した場合、スイッチ40をオンにした後、原点復帰動作を実行する。
【0037】
一方、管理装置8から供給指示信号を受信していない場合(ステップS26でNO)、制御部42は、管理装置8から動作指示信号を受信したか否かを判断する(S30)。管理装置8から動作指示信号を受信していない場合(ステップS30でNO)、ステップS14の処理に戻り、ステップS14~ステップS32の処理を繰り返す。一方、管理装置8から動作指示信号を受信した場合(ステップS30でYES)、制御部42は、動作指示信号に従い、ローダ30を移動させる(S34)。その後、ステップS14の処理に戻り、ステップS14~ステップS34の処理を繰り返す。
【0038】
なお、ローダ30が、所定時間を超えて停止することなく動作し続けている場合、管理装置8から遮断指示信号が送信されない。このため、ステップS22で遮断指示信号を受信することなく(ステップS22でNO)、ステップS30の処理が実行される。この場合、ステップS20の処理でスイッチ40がオンになっているため、電源部36から駆動部32へ電力が供給されている。このため、動作指示信号を受信した場合(ステップS30でYES)、直ちにローダ30を移動させることができる。
【0039】
一方、ローダ30が所定時間を超えて動作しない場合、管理装置8は、遮断指示信号を送信して、電源部36から駆動部32への電力供給を遮断させるが、管理装置8は、ローダ30に動作指示信号を送信する前に、供給指示信号を送信して、電源部36から駆動部32への電力供給を再開させる。すなわち、制御部42は、遮断指示信号を受信した場合、供給指示信号を受信しない限り、動作指示信号を受信することはない。このため、遮断指示信号を受信しているが、供給指示信号を受信していない場合(ステップS22でYESになった後、ステップS26でNOになった場合)、動作指示信号を受信せずにステップS30の処理を実行することになる。この場合、ステップS24で遮断フラグがオンになり、ステップS32でスイッチ40がオフになっているため、電源部36から駆動部32への電力供給が遮断されているが、ステップS30でNOとなるため、ステップS34を実行することはない。
【0040】
また、供給指示信号を受信した後は(ステップS26でYES)、ステップS28で遮断フラグがオフになり、ステップS32でスイッチ40がオンになっているため、電源部36から駆動部32への電力供給が再開されている。このため、動作指示信号を受信した場合(ステップS30でYES)、直ちにローダ30を移動させることができる。
【0041】
なお、本実施例では、管理装置8は、所定時間(例えば、1分)を超えてローダ30に動作指示信号を送信しなかった場合に、ローダ30に遮断指示信号を送信していたが、このような構成に限定されない。例えば、管理装置8は、ローダ30が所定時間を超えて動作しない場合、その所定時間が経過する前に、事前に遮断指示信号をローダ30に送信してもよい。管理装置8は、部品実装機10の作業プログラムを管理しているため、ローダ30が所定時間を超えて動作しない場合には、その所定時間を超える前にローダ30が所定時間を超えて動作しないことを把握することができる。すなわち、管理装置8は、作業プログラムに基づいて、ローダ30へ動作指示を送信するまでの時間を算出し、算出された時間が所定時間を超える場合には、その所定時間を超える前に事前に遮断指示信号をローダ30に送信することができる。所定時間を超える前に事前に遮断指示信号をローダ30に送信することによって、電源部36から駆動部32へ電力が供給される時間をさらに短縮することができ、消費電力をさらに低減することができる。
【0042】
(実施例2)
上記の実施例1では、管理装置8から送信された遮断指示信号に従って、スイッチ40をオフにしていたが、このような構成に限定されない。例えば、所定時間(例えば、1分)を超えて管理装置8からローダ30に動作指示信号を送信されなかった場合に、制御部42がスイッチ40をオフにしてもよい。本実施例の制御部42は、経過時間をカウントするタイマ(図示省略)を備えている。以下では、ローダ30の制御部42で所定時間を超えて動作しないことを判断して、電源部36から駆動部32への電力供給を制御する処理について説明する。
【0043】
図7に示すように、まず、制御部42は、予め設定された設定条件が成立しているか否かを判断する(S42)。制御部42は、予め設定された設定条件が成立していない場合(ステップS42でNO)、スイッチ40をオフにし(S44)、ステップS42の処理に戻る。
【0044】
一方、予め設定された設定条件が成立している場合(ステップS42でYES)、制御部42は、タイマのカウントが所定時間以内か否かを判断する(S46)。タイマのカウントが所定時間以内である場合(ステップS46でYES)、制御部42は、スイッチ40に対してスイッチ40をオンにする指令を出力する(S48)。すると、スイッチ40はオンになり、電源部36から駆動部32へ電力が供給される。一方、タイマのカウントが所定時間を超えている場合(ステップS46でNO)、ステップS48の処理をスキップして、ステップS50の処理に進む。
【0045】
次いで、制御部42は、管理装置8から動作指示信号を受信したか否かを判断する(S50)。管理装置8から動作指示信号を受信した場合(ステップS50でYES)、制御部42は、タイマをリセットする(S52)。このとき、タイマのカウントが所定時間を超えていると、スイッチ40はオフになっている(後に詳述)。このため、制御部42は、スイッチ40に対してスイッチ40をオンにする指令を出力する(S54)。すると、スイッチ40がオフになっていた場合にも、電源部36から駆動部32への電力供給が再開される。次いで、制御部42は、受信した動作指示信号に従い、ローダ30を移動させる(S56)。その後、ステップS42の処理の戻り、ステップS42以降の処理を繰り返す。
【0046】
一方、管理装置8から動作指示信号を受信していない場合(ステップS50でNO)、制御部42は、タイマがカウントをスタートしているか否かを判断する(S58)。タイマがカウントをスタートしていない場合(ステップS58でNO)、制御部42は、タイマのカウントをスタートさせる(S60)。その後、ステップS42の処理の戻り、ステップS42以降の処理を繰り返す。
【0047】
タイマがカウントをスタートしている場合、制御部42は、タイマのカウントが所定時間以内であるか否かを判断する(S62)。タイマのカウントが所定時間以内である場合(ステップS62でYES)、ステップS42の処理に戻り、ステップS42~ステップS62の処理を繰り返す。
【0048】
一方、タイマのカウントが所定時間を超えると(ステップS62でNO)、制御部42は、スイッチ40に対してスイッチ40をオフにする指令を出力する(S64)。これにより、ローダ30が所定時間を超えても管理装置8から動作指示信号が送信されない場合に、スイッチ40をオフにすることができる。このため、所定時間を超えてローダ30が動作しない場合に、電源部36から駆動部32への電力供給を遮断することができ、消費電力を低減することができる。その後、ステップS42の処理に戻り、ステップS42~ステップS64の処理が繰り返される。
【0049】
実施例で説明した基板作業機に関する留意点を述べる。実施例の部品フィーダ12は、「部品供給装置」の一例であり、ローダ30は、「搬送装置」の一例である。
【0050】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。