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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105020
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】プラスチック液体容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/38 20060101AFI20240730BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B65D25/38
B65D1/02 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009524
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】518172978
【氏名又は名称】メビウスパッケージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】谷口 彰伸
(72)【発明者】
【氏名】森田 章夫
【テーマコード(参考)】
3E033
3E062
【Fターム(参考)】
3E033AA01
3E033BA13
3E033CA20
3E033DA03
3E033DD01
3E033DE01
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC02
3E062HA01
3E062HB02
3E062HB07
3E062HC01
3E062HD25
3E062KA01
3E062KB03
3E062KC02
3E062KC10
(57)【要約】
【課題】ハンドル部を形成する空気流路と空気溜まり部の連結部分に適切な補強構造を設けることで、脈動防止機能を有するプラスチック液体容器の使用性を高める。
【解決手段】プラスチック液体容器は、容器本体と、容器本体から突出して容器本体に収容された液体の吐出口となる口部と、口部に一端側が連通し口部から環状に膨出して設けられる空気溜まり部と、空気溜まり部の他端側に連通して設けられ口部の内径より小さい内径を有する絞り部と、空気溜まり部と容器本体とを繋ぐ空気流路の一部に設けられるハンドル部とを有する。このプラスチック液体容器は、絞り部の外側であり空気流路と容器本体の間にリブ部を設け、リブ部におけるハンドル部の内側端部に、一端側がハンドル部に連結され他端側が容器本体に連結される支柱部を設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、
前記容器本体から突出して前記容器本体に収容された液体の吐出口となる口部と、
前記口部に一端側が連通し前記口部から環状に膨出して設けられる空気溜まり部と、
前記空気溜まり部の他端側に連通して設けられ前記口部の内径より小さい内径を有する絞り部と、
前記空気溜まり部と前記容器本体とを繋ぐ空気流路の一部に設けられるハンドル部とを有するプラスチック液体容器であって、
前記絞り部の外側であり前記空気流路と前記容器本体の間にリブ部を設け、
前記リブ部における前記ハンドル部の内側端部に、一端側が前記ハンドル部に連結され他端側が前記容器本体に連結される支柱部を設けたことを特徴とするプラスチック液体容器。
【請求項2】
前記支柱部は、長手方向に交差する断面が、前記ハンドル部に連結される一方の連結端と前記容器本体に連結される他方の連結端とに向けて徐々に拡大する形状を有することを特徴とする請求項1記載のプラスチック液体容器。
【請求項3】
前記ハンドル部は、前記支柱部との連結部分を起点として前記口部の突出方向に立ち上がる立ち上がり部を有することを特徴とする請求項1記載のプラスチック液体容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体内容物を収容するブラスチック製の容器(プラスチック液体容器)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器本体の上部に吐出口となる口部を有するプラスチック液体容器は、容器本体を傾けて口部から内容物の液体を吐出させる際、液体で口部が満たされる状態になるまで容器本体を傾けると、液体の吐出に応じて口部から空気の流入が生じ、液体の吐出が脈動して注ぎ性が低下する。これを避けるためには、口部が液体で満たされないように、容器本体の傾きを調整する必要があるが、容量の大きい容器などでは容器本体の傾き調整が難しい。
【0003】
これに対処するために、従来、脈動防止機能を有する容器が開発されている。この脈動防止機能を有する容器は、容器本体に収容された液体の吐出口となる口部に対して、口部に一端側が連通し口部から環状に膨出した空気溜まり部を設けると共に、空気溜まり部の他端側に連通して口部の内径より小さい内径を有する絞り部を設け、空気溜まり部と容器本体とを繋ぐ空気流路の一部をハンドル部としたものである。
【0004】
このような脈動防止機能を有するプラスチック液体容器によると、口部から内容物の液体を吐出させる際に、絞り部を経由して液体が口部に至ることで、容器本体を大きく傾斜させた場合にも、口部の内側と空気溜まり部の間には常に空気の流れが確保される。そして、空気溜まり部に入った空気はハンドル部内の空気流路を経由して容器本体内に流れるので、絞り部が液体で満たれた状態であっても、口部内を流れて吐出される液体には脈動が生じない(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-341895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の脈動防止機能を有するプラスチック液体容器は、空気流路が中空状になっており、その一端側が絞り部の近くで空気溜まり部に連結され、空気流路の一部がハンドル部になっている。このため、ハンドル部の強度を確保することが構造上難しい問題があった。特に、空気流路と空気溜まり部の連結部分には、容器本体を傾けて内容物の液体を口部から吐出させる際に、内容物の重量に応じて引張荷重が掛かることになり、この引張荷重に耐えうる適切な補強構造が求められている。
【0007】
本発明は、このような事情に対処することを課題としている。すなわち、ハンドル部を形成する空気流路と空気溜まり部の連結部分に適切な補強構造を設けることで、脈動防止機能を有するプラスチック液体容器の使用性を高めることなど、が本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明によるプラスチック液体容器は、以下の構成を具備するものである。
容器本体と、前記容器本体から突出して前記容器本体に収容された液体の吐出口となる口部と、前記口部に一端側が連通し前記口部から環状に膨出して設けられる空気溜まり部と、前記空気溜まり部の他端側に連通して設けられ前記口部の内径より小さい内径を有する絞り部と、前記空気溜まり部と前記容器本体とを繋ぐ空気流路の一部に設けられるハンドル部とを有するプラスチック液体容器であって、前記絞り部の外側であり前記空気流路と前記容器本体の間にリブ部を設け、前記リブ部における前記ハンドル部の内側端部に、一端側が前記ハンドル部に連結され他端側が前記容器本体に連結される支柱部を設けたことを特徴とするプラスチック液体容器。
【発明の効果】
【0009】
このような特徴を有する本発明によると、ハンドル部を形成する空気流路と空気溜まり部の連結部分に適切な補強構造を設けることで、脈動防止機能を有するプラスチック液体容器の使用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態におけるプラスチック液体容器の側面図である。
図2】本実施形態におけるプラスチック液体容器のリブ部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
図3図1のプラスチック液体容器のA-A線の端面図である。
図4】変形例1のプラスチック液体容器の側面図である。
図5】変形例1のプラスチック液体容器のリブ部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
図6】変形例2のプラスチック液体容器の側面図である。
図7】変形例2のプラスチック液体容器のリブ部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について、図面を参照しながら説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態におけるプラスチック液体容器1は、内容物として液体を収容するプラスチック製の容器である。このプラスチック液体容器1は、中空状の空気流路を設けて脈動防止機能を有する容器であり、容器本体10と、口部11と、空気溜まり部12と、絞り部13と、空気流路14の一部を構成するハンドル部15とを有する。
【0013】
容器本体10の形状は、特に限定されず、図1に示すような側面が平坦であるものとは別の形状であってもよく、例えばその側面が湾曲するもの又は凹凸を有するものであってもよい。口部11は、容器本体10から突出して容器本体10に収容された液体の吐出口となっている。
【0014】
空気溜まり部12は、口部11に一端側が連通し口部11から環状に膨出して設けられている。絞り部13は、空気溜まり部12の他端側(口部11に連通する側とは反対側)に連通して設けられており、口部11の内径よりも小さい内径を有する。
【0015】
ハンドル部15は、内部が中空状であり、空気溜まり部12と容器本体10とを繋ぐ空気流路14の一部に設けられている。すなわち、プラスチック液体容器1の空気流路14は、その一端側が絞り部13の近くの空気溜まり部12に連結され、その一部がハンドル部15になっている。
【0016】
ハンドル部15は、使用者が把持し易いように、後述の支柱部172(図2)との連結部分(連結端172-1)を起点として口部11の突出方向に立ち上がる立ち上がり部151を有する。口部11に例えば図1の一点鎖線に示すキャップ19を取り付けた場合、ハンドル部15の上端位置は、その口部11に付けたキャップ19の高さ位置と同等であることが好ましい。プラスチック液体容器1によれば、ハンドル部15の上端位置をこのように設定することで、キャップ19を付けた状態のプラスチック液体容器1を上下に重ねて積載する際に荷重を分散させることができるため、輸送時のボトル変形を防止することができる。
【0017】
口部11、空気溜まり部12、絞り部13における流路断面(液体の吐出方向に交差する方向の断面)の形状は何れも略円形であるが、この形状は特に限定されず、例えば略楕円形等であってもよい。絞り部13は、口部11の内径D1よりも小さい内径D2を有する。内径D1と内径D2との比は、D1よりもD2が小さければ特に限定されず、例えばD1:D2=40:28とすることができる。
【0018】
口部11の内径D1を直径とする略円形の流路断面積(開口断面積)をS1とし、絞り部13の内径D2を直径とする略円形の流路断面積をS2とすると、S1よりもS2は小さく、例えばS1:S2=2:1とすることができる。
【0019】
空気溜まり部12は、口部11から環状に膨出していることから、口部11よりも大きい内径及び流路断面積を有する。すなわち、プラスチック液体容器1は、絞り部13とそれよりも内径及び流路断面積(開口断面積)が大きい口部11との間に、口部11よりも内径及び流路断面積が大きい空気溜まり部12が設けられている。
【0020】
プラスチック液体容器1に収容される内容物の液体としては、例えば漂白剤(例えば次亜塩素酸系漂白剤等)、液体洗剤等を挙げることができるが、この液体は特に限定されず、例えば工業用又は飲料用の水、各種の飲料、液体塗料等であってもよい。
【0021】
プラスチック液体容器1を構成するプラスチック材料は、例えばポリエチレン(PE)等を挙げることができるが、これに限定されず、他のプラスチック材料であってもよい。
【0022】
このようなプラスチック液体容器1において、容器本体10内に収容される内容物の液体を口部11から吐出させる際、液体は、流路断面が狭まる絞り部13を経由し、空気溜まり部12及び口部11で流路断面を拡げた後に口部11から吐出されていく。このようなプラスチック液体容器1では、ハンドル部15が上側になるように容器本体10を大きく傾斜させた場合であっても、口部11の内側と空気溜まり部12の間には、常に空気の流れが確保される。
【0023】
空気溜まり部12に入った空気は、図1の矢印Mに示すように、ハンドル部15内の空気流路14を経由して容器本体10内に流れていく。これにより、プラスチック液体容器1は、絞り部13が液体で満たれた状態であっても、口部11内を流れて吐出される液体に脈動が生じない。
【0024】
このような脈動防止機能を有するプラスチック液体容器1は、空気流路14の一部を構成するハンドル部15が中空状であることから、このハンドル部15の強度を確保するために、ハンドル部15を形成する空気流路14と空気溜まり部12の連結部分16に、補強構造としてのリブ部17を設けている。
【0025】
図1図2に示すように、リブ部17は、絞り部13の外側であり空気流路14と容器本体10の間に設けてられている。図2図3に示すように、リブ部17は、リブ面171と、一端側がハンドル部15に連結され他端側が容器本体10に連結される支柱部172とを有する。図1に示すように、リブ面171は、絞り部13の外側であり連結部分16と容器本体10との間に設けられ、連結部分16における空気の流れる方向に沿って長く延び扁平状に拡がる面である。
【0026】
支柱部172は、リブ部17におけるハンドル部15の内側端部に(すなわち、リブ面171のハンドル部15に対向する側の端部に繋がるように)設けられている。この支柱部172は、図2に示すように、長手方向の一端側に、ハンドル部15(立ち上がり部151)に連結される連結端172-1(一方の連結端)を有すると共に、長手方向の他端側に、容器本体10に連結される連結端172-2(他方の連結端)を有し、この長手方向に柱状に延びている。
【0027】
図3に示すように、支柱部172は、その内部が中実状となっている。支柱部172の長手方向に交差する断面は、何れの位置であっても略同一面積の略円形である。なお、支柱部172におけるこの断面の形状は略円形に限定されず、何れの形状であってもよく、例えば略四角形であってもよい。
【0028】
図1図3に示すように、プラスチック液体容器1は、絞り部13におけるリブ部17を設けた側の反対側に、内容物の液体を最後まで吐出し易くするための副リブ部18を設けている。この副リブ部18は、容器本体10と絞り部13と空気溜まり部12を外側から支持するように設けられている。また、副リブ部18は、リブ面171の面方向に略沿って扁平状に拡がる面(リブ面)が折り畳まれるようにして設けられ、その内部に、容器本体10と絞り部13と空気溜まり部12に繋がる空間を有する形状(中空状)となっている。プラスチック液体容器1は、このような副リブ部18をハンドル部15の反対側に設けることで、ハンドル部15が上側になるように容器本体10を傾斜させて内容物の液体を吐出する際、内容物の液体を容器本体10の肩部付近に残留させずに副リブ部18の内部を通過させて口部11から外部へと吐出させることができる。
【0029】
このようなプラスチック液体容器1は、例えば、図3に示す一点鎖線Dを合わせ面とする2つの金型(図示せず)内に、プラスチック液体容器1の成形材料であるパリソンを挟み込み、その内側から空気を吹き込んでパリソンを金型に沿った形状となるように膨張させることで成形される。
【0030】
この成形時において、プラスチック材料であるパリソンの量(樹脂量)は、予め決められている。そのため、仮にリブ面171を厚くすること(或いはリブ面171の面積を拡大すること)でリブ部17の強度を向上させようとすると、リブ面171の内部に空間が生じてしまう。そして、その空間を介して容器本体10と空気溜まり部12及び口部11とが連通してしまうため、結果として、成形された容器における脈動防止機能は損なわれる。プラスチック液体容器1は、リブ部17に支柱部172を設けることでその強度を高めることができるため、リブ面171の厚み(或いは面積)を変化させる必要がなく、このような問題は生じない。
【0031】
このように、リブ部17は、扁平状のリブ面171の端部に支柱部172を有することから、その強度が向上する。そのため、プラスチック液体容器1は、仮に容器本体10を傾けて内容物の液体を口部11から吐出させる際に、内容物の重量に応じて引張荷重が掛かったとしても、支柱部172を有するリブ部17がこの引張荷重に耐えうる適切な補強構造として機能する。これにより、プラスチック液体容器1は、空気流路14の一部を構成するハンドル部15の強度が高められることから、脈動防止機能を有するプラスチック液体容器としてその使用性を高めることができる。
【0032】
また、プラスチック液体容器1は、リブ部17と共に副リブ部18を設けることで、容器本体10に絞り部13を介して繋がる空気溜まり部12の安定性を高めることができる。その結果、プラスチック液体容器1は、空気溜まり部12に繋がる中空状のハンドル部15の強度をより高めることができる。
【0033】
以下に、本実施形態の変形例1、2について述べる。なお、変形例1、2において、上述の実施形態と同一の内容については説明を省略する。
【0034】
[変形例1]
変形例1の脈動防止機能を有するプラスチック液体容器1Aは、図4に示すように、上述のリブ部17に代えてリブ部17Aを設ける。図5に示すように、リブ部17Aは、リブ面171Aと、一端側がハンドル部15に連結され他端側が容器本体10に連結される支柱部172Aとを有する。
【0035】
変形例1のプラスチック液体容器1Aにおいても、絞り部13を経由して口部11から液体が吐出される際、空気溜まり部12に入った空気は、図4の矢印Mに示すように、ハンドル部15内の空気流路14を経由して容器本体10内に流れていく。これにより、プラスチック液体容器1Aにおいて、絞り部13が液体で満たれた状態で口部11内を流れて吐出される液体に脈動は生じない。
【0036】
支柱部172Aは、図5に示すように、長手方向の一端側に、ハンドル部15(立ち上がり部151)に連結される連結端172A-1を有すると共に、長手方向の他端側に、容器本体10に連結される連結端172A-2を有し、この長手方向に柱状に延びている。この支柱部172Aは、その長手方向に交差する断面が、連結端172A-1と連結端172A-2とに向けて徐々に拡大する形状を有する。リブ面171Aは、支柱部172Aとの境界部分の形状が支柱部172Aの形状に応じた湾曲状となっている。
【0037】
支柱部172Aの長手方向に交差する断面は、その面積が最も小さくなる長手方向略中央位置において、例えば上述の支柱部172(図2)の長手方向に交差する断面と略同一の面積を有するが、この面積はこれに限定されない。
【0038】
このように、リブ部17Aの支柱部172Aは、形状が極端に変化する箇所が無く、その長手方向に交差する断面が徐々に拡大しつつハンドル部15(立ち上がり部151)と容器本体10とに連結している。これにより、支柱部172Aの連結端172A-1と連結端172A-2での応力集中が緩和される。
【0039】
そのため、変形例1のプラスチック液体容器1Aは、リブ部17Aにおける支柱部172Aの連結端172A-1と連結端172A-2での応力集中による破損を防止することができる。その結果、プラスチック液体容器1Aは、支柱部172Aを有するリブ部17Aが内容物の重量に応じて掛かる引張荷重に耐えうる補強構造としてより適切に機能する。
【0040】
例えば、容器本体10内を内容物の液体(例えば常温水)で満たし口部11にキャップ19を取り付けて密閉したプラスチック液体容器1Aを、容器本体10のハンドル部15と繋がる側の側面を下にして約1.5mの高さから落下させたとしても、リブ部17Aでの応力集中による破損(割れ等)は生じない。つまり、プラスチック液体容器1Aは、内容物の液体がこのような破損部分(割れ目等)から外部に漏れ出すことはない。このようなプラスチック液体容器1Aによれば、空気流路14の一部を構成するハンドル部15の強度がより高められることから、脈動防止機能を有するプラスチック液体容器として、その使用性をより高めることができる。
【0041】
[変形例2]
変形例2の脈動防止機能を有するプラスチック液体容器1Bは、図6に示すように、上述のリブ部17に代えてリブ部17Bを設ける。図7に示すように、リブ部17Bは、リブ面171Bと、一端側がハンドル部15に連結され他端側が容器本体10に連結される支柱部172Bとを有する。また、リブ部17Bは、リブ面171Bの周縁に周縁壁部173Bを設ける。支柱部172Bは、周縁壁部173Bの一部を構成している。
【0042】
変形例2のプラスチック液体容器1Bにおいても、絞り部13を経由して口部11から液体が吐出される際、空気溜まり部12に入った空気は、図6の矢印Mに示すように、ハンドル部15内の空気流路14を経由して容器本体10内に流れていく。これにより、プラスチック液体容器1Bにおいて、絞り部13が液体で満たれた状態で口部11内を流れて吐出される液体に脈動は生じない。
【0043】
支柱部172Bは、図7に示すように、長手方向の一端側に、ハンドル部15(立ち上がり部151)に連結される連結端172B-1を有すると共に、長手方向の他端側に、容器本体10に連結される連結端172B-2を有し、この長手方向に柱状に延びている。この支柱部172Bは、長手方向に交差する断面が、連結端172B-1と連結端172B-2とに向けて徐々に拡大する形状を有する。リブ面171Bは、支柱部172Bの連結端172B-1付近との境界部分の形状と、支柱部172Bの連結端172B-2付近との境界部分の形状が、支柱部172Bの形状に応じた湾曲状となっている。
【0044】
支柱部172Bの長手方向に交差する断面は、略四角形の形状を有するが、これに限定されず、例えば略円形、略楕円形等であってもよい。
【0045】
このように、変形例2のプラスチック液体容器1Bにおいても、リブ部17Bの支柱部172Bは、形状が極端に変化する箇所が無く、その長手方向に交差する断面が徐々に拡大しつつハンドル部15(立ち上がり部151)と容器本体10とに連結している。これにより、支柱部172Bの連結端172B-1と連結端172B-2での応力集中が緩和される。
【0046】
図7に示すように、周縁壁部173Bは、リブ面171Bの面方向に対して垂直な方向の厚みがリブ面171Bよりも厚くなっている。リブ部17Bは、リブ面171の周縁にこのような周縁壁部173Bを設けることで、その強度を高めることができる。すなわち、リブ部17Bは、支柱部172Bにおいて応力集中が緩和されると共に、その支柱部172Bの強度が周縁壁部173Bによって高められている。これにより、変形例2のプラスチック液体容器1Bは、リブ部17Bにおける支柱部172Bの連結端172B-1と連結端172B-2での応力集中による破損をより防止することができる。
【0047】
その結果、プラスチック液体容器1Bは、支柱部172Bを含む周縁壁部173Bを有するリブ部17Bが内容物の重量に応じて掛かる引張荷重に耐えうる補強構造としてより適切に機能する。これにより、プラスチック液体容器1Bは、空気流路14の一部を構成するハンドル部15の強度がより高められることから、脈動防止機能を有するプラスチック液体容器としてその使用性をより高めることができる。また、プラスチック液体容器1Bは、このような周縁壁部173Bを有するリブ部17Bを有することでデザイン性を高めることができる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、前述した例は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1,1A,1B:プラスチック液体容器、10:容器本体、11:口部、12:空気溜まり部、13:絞り部、14:空気流路、15:ハンドル部、16:連結部分、17,17A,17B:リブ部、18:副リブ部、19:キャップ、151:立ち上がり部、171,171A,171B:リブ面、172,172A,172B:支柱部、172-1,172-2,172A-1,172A-2,172B-1,172B-2:連結端、173B:周縁壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7