(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105026
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】レフィル装置及びこれに使用する詰め替え容器、化粧ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
B65D77/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009537
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】501004095
【氏名又は名称】ジュテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】西原 利彦
(72)【発明者】
【氏名】岸本 進吾
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA22
3E067AB81
3E067AC01
3E067BA01B
3E067BA01C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067EB27
3E067FA04
3E067FC01
3E067GD09
(57)【要約】
【課題】角形の肩カバー付きの詰め替え容器を角形の化粧ケースに着脱する方式のレフィル装置において、詰め替え容器の着脱の容易性や美感の向上を実現する。
【解決手段】詰め替え容器2は、円形の容器本体5とその肩部に装着した角形の肩カバー7とで構成されている。肩カバー7の各コーナー部に足部21を垂下し、足部21に横向きの係合ピン22を設けている。四角形に形成された化粧ケース1のコーナー部には、係合ピン22が上から嵌入する第1係合溝23と、第1係合溝23の下端に連続した第2係合溝24とが形成されている。肩カバー7を化粧ケース1に重ねてから僅かに回転させることにより、詰め替え容器2を化粧ケース1に取り付けできる。回転による着脱であるため、着脱を軽い力で容易に行える。係合溝23,24は外側に露出しないため、美感に優れている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上向きに開口した化粧ケースと、前記化粧ケースに装着される詰め替え容器とを有し、
前記詰め替え容器は、肩部から注出筒を上向きに突出させた容器本体と、前記容器本体の肩部に取り付けた肩カバーとを有しており、前記肩カバーの外周部が前記化粧ケースに上から重なる構成であって、
前記肩カバーと化粧ケースとに、前記肩カバーを化粧ケースに重ねてから回転させると前記肩カバーを化粧ケースから離反しないように保持する係合手段が形成されている、
レフィル装置。
【請求項2】
前記肩カバーの係合手段として、前記肩カバーの外周部に、前記化粧ケースの内部に入り込む下向きの足部が周方向に離れて複数設けられており、前記各足部に、外周方向に突出した係合ピンを設けている一方、
前記化粧ケースの係合手段として、前記化粧ケースの上部の内面に、前記係合ピンが上方から嵌入する第1係合溝と、前記第1係合溝の下端に連通して周方向に延びる第2係合溝とが形成されており、
前記係合ピンを前記第1係合溝に嵌入させてから前記肩カバーを回転させると前記係合ピンが前記第2係合溝に嵌入する、
請求項1に記載したレフィル装置。
【請求項3】
前記容器本体は円形である一方、
前記化粧ケースと肩カバーとは平面視で四角形の形態であり、前記係合手段を前記肩カバー及び化粧ケースのコーナー部に設けており、
かつ、前記化粧ケースの四辺の上部内面に、前記化粧ケースの軸心回りの内周面を有する段部が形成されており、前記肩カバーのコーナー部を前記化粧ケースの辺部に重ねたときに、前記足部が前記段部に載るように設定されており、
前記足部が前記段部に載った状態で前記肩カバーを一方方向に回転させると前記係合ピンが前記第1係合溝に落ち込んで、更に肩カバーを回転させると、前記係合ピンが前記第2係合溝に嵌入する、
請求項2に記載したレフィル装置。
【請求項4】
前記化粧ケースの第2係合溝に、前記係合ピンが嵌脱することに抵抗を付与する補助係合部が形成されている、
請求項2に記載したレフィル装置。
【請求項5】
前記肩カバーに着脱可能なオーバーキャップを有しており、前記オーバーキャップと肩カバーと化粧ケースとの外周面は同一面状に揃っている、
請求項1又は2に記載したレフィル装置。
【請求項6】
請求項1~5のうちのいずれかに記載したレフィル装置に使用する詰め替え容器であって、
前記容器本体に、前記肩カバーが強制嵌合によって装着されている、
詰め替え容器。
【請求項7】
請求項1~5のうちのいずれかに記載したレフィル装置に使用する化粧ケースであって、
その開口部に、前記肩カバーを重ね合わせて回転させると当該肩カバーが抜け不能に保持される係合手段を設けている、
レフィル装置用の化粧ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ボトルタイプの詰め替え容器と化粧ケースとから成るレフィル装置、及び、このレフィル装置を構成する詰め替え容器と化粧ケースとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品や日用品などの様々な分野においてレフィル装置が使用されている。レフィル装置には、内容物だけを詰め替えて充填する方式と、詰め替え容器を交換するカートリッジタイプとがあり、後者の例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1では、レフィル装置は化粧ケース(外ケース)を有するが、化粧ケースは四角形に形成されている一方、詰め替え容器は、円形の容器本体とその肩部に装着した四角形の肩カバーとから成っており、肩カバーは容器本体に強制嵌合によって取り付けられている。従って、容器本体に肩カバーを装着したものが詰め替え容器として流通する。特許文献1では、肩カバーにオーバーキャップを装着している。
【0004】
肩カバーは化粧ケースに着脱自在に取り付ける必要があるが、肩カバーの取り付け手段として特許文献1では、肩カバーの2つの辺から足片を下向きに突出させて、足片の外面に係合突起を設ける一方、化粧ケースの2つの辺の上部内面に、足片の係合突起が嵌まる係合穴を形成して、足片の弾性変形を利用して係合突起を係合穴に嵌脱させることにより、肩カバーを化粧ケースに取り付け・取り外しできるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、肩カバーを化粧ケースから取り外すに際しては、肩カバーを化粧ケースからこじ開けねばならず、そこで、化粧ケースの上端部のうち係合穴の外側の部位に指掛け用凹所を設けて、人が爪先を肩カバーの下面に引っ掛けできるように配慮しているが、凹所の幅と深さは小さくて爪先に力を掛けにくく、また、肩カバーを上向きに押すと足片の係合突起は係合穴に深く嵌まり込むため、肩カバーの取り外しが非常に面倒である。
【0007】
すなわち、特許文献1のものは、肩カバーの取り付けに際しては位置合わせが必要で、位置合わせ後はワンタッチ的に取り付けできるが、取り外しは面倒である。さりとて、容易に取り外しできるように係合突起と係合穴との嵌まりを甘くすると、使用中に化粧ケースが脱落してしまう不具合が生じるおそれがある。また、特許文献1では、化粧ケースの上端部に凹所が存在することによる美感の問題も懸念される。更に、肩カバーを強引にこじることによって化粧ケースが破損したり変形したりするおそれもある。
【0008】
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、容器本体に肩カバーを設けることは特許文献1と共通しつつ、着脱が容易で美感の悪化も生じない技術を開示せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は多くの構成を含んであり、その典型を各請求項で特定している。請求項1の発明はレフィル装置を対象にしており、
「上向きに開口した化粧ケースと、前記化粧ケースに装着される詰め替え容器とを有し、
前記詰め替え容器は、肩部から注出筒を上向きに突出させた容器本体と、前記容器本体の肩部に取り付けた肩カバーとを有しており、前記肩カバーの外周部が前記化粧ケースに上から重なる構成であって、
前記肩カバーと化粧ケースとに、前記肩カバーを化粧ケースに重ねてから回転させると前記肩カバーを化粧ケースから離反しないように保持する係合手段が形成されている」
という構成になっている。
【0010】
請求項2の発明は請求項1の展開例であり、
「前記肩カバーの係合手段として、前記肩カバーの外周部に、前記化粧ケースの内部に入り込む下向きの足部が周方向に離れて複数設けられており、前記各足部に、外周方向に突出した係合ピンを設けている一方、
前記化粧ケースの係合手段として、前記化粧ケースの上部の内面に、前記係合ピンが上方から嵌入する第1係合溝と、前記第1係合溝の下端に連通して周方向に延びる第2係合溝とが形成されており、
前記係合ピンを前記第1係合溝に嵌入させてから前記肩カバーを回転させると前記係合ピンが前記第2係合溝に嵌入する」
という構成になっている。
【0011】
請求項3の発明は請求項2の展開例であり、
「前記容器本体は円形である一方、
前記化粧ケースと肩カバーとは平面視で四角形の形態であり、前記係合手段を前記肩カバー及び化粧ケースのコーナー部に設けており、
かつ、前記化粧ケースの四辺の上部内面に、前記化粧ケースの軸心回りの内周面を有する段部が形成されており、前記肩カバーのコーナー部を前記化粧ケースの辺部に重ねたときに、前記足部が前記段部に載るように設定されており、
前記足部が前記段部に載った状態で前記肩カバーを一方方向に回転させると前記係合ピンが前記第1係合溝に落ち込んで、更に肩カバーを回転させると、前記係合ピンが前記第2係合溝に嵌入する」
という構成になっている。
【0012】
請求項4の発明は請求項2の展開例であり、
「前記化粧ケースの第2係合溝に、前記係合ピンが嵌脱することに抵抗を付与する補助係合部が形成されている」
という構成になっている。
【0013】
請求項5の発明は請求項1又は2の展開例であり、
「前記肩カバーに着脱可能なオーバーキャップを有しており、前記オーバーキャップと肩カバーと化粧ケースとの外周面は同一面状に揃っている」
という構成になっている。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1~5のうちのいずれかに記載したレフィル装置に使用する詰め替え容器を対象にしており、
「前記容器本体に、前記肩カバーが強制嵌合によって装着されている」
という構成になっている。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1~5のうちのいずれかに記載したレフィル装置に使用する化粧ケースを対象にしており、
「その開口部に、前記肩カバーを重ね合わせて回転させると当該肩カバーが抜け不能に保持される係合手段を設けている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0016】
本願発明では、詰め替え容器の肩カバーは回転操作によって化粧ケースに着脱されるため、特許文献1のようなこじ開け方式に比べて、肩カバー(詰め替え容器)を軽い力で確実に着脱できる。従って、化粧ケースの損傷や変形の問題は発生しない。また、化粧ケースの係合手段は内部に隠せるため、化粧ケースに関して美感の悪化は生じない。
【0017】
係合手段は様々な機構・構造を採用できるが、請求項2のように横向きの係合ピンとL型係合溝との組合せを採用すると、回転による肩カバーの取り付け・取り外しを容易に実現できる。また、係合溝は化粧ケースの外部には露出しないため、美感の悪化防止も確実化できる。
【0018】
詰め替え容器を使用することの利点の1つとして、化粧ケースを様々な形状に設定してデザイン性を向上できることがあり、特許文献1でも、化粧ケースは四角形になっている。そして、請求項3では、容器本体は円形であるため、化粧ケース及び肩カバーの各コーナー部の箇所には余白部が存在しているが、請求項3では、肩カバーのコーナー部に足部を設けており、従って、レフィル装置を大型化することなく肩カバーの着脱を確実化できる。
【0019】
また、肩カバーを化粧ケースに嵌合させる際に肩カバーを回転させるが、請求項3では、肩カバーはそのコーナー部が化粧ケースのコーナー部と重なるように重ねる必要はなく、肩カバーを、そのコーナー部が化粧ケースの辺部に重なる姿勢にして化粧ケースに重ねても、肩カバーの足部が化粧ケースの落とし込み段部に載ることにより、肩カバーは安定した姿勢に保持され、そして、肩カバーを一方方向に回転させて概ねコーナー部同士が重なる状態になると、肩カバーの係合ピンが化粧ケースの第1係合溝に自動的に落ち込み、更に、肩カバーを回転させると、係合ピンが第2係合溝に嵌まり込んで肩カバーは化粧ケースから離脱しない状態になると共に、肩カバーと化粧ケースとは平面視できっちり重なり合った姿勢に保持される。
【0020】
従って、肩カバーを任意の姿勢で化粧ケースに重ねてから回転させる操作により、肩カバーは、自動的に位置合わせされた状態で化粧ケースに取り付けられる。従って、ユーザーフレンドリーである。
【0021】
請求項4のように補助係合部を設けると、係合ピンの外れを防止して、化粧ケースに詰め替え容器を取り付けた状態を確実に保持できる。従って、使用中に化粧ケースが外れ落ちるような不具合は生じない。
【0022】
特許文献1もオーバーキャップを備えているが、本願請求項5の構成では、オーバーキャップと肩カバーと化粧ケースとが同一面を成しているため、全体としてストレート状の形態を成していてデザイン性に優れていると云える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】詰め替え容器を装着した状態を示す図で、(A)は全体の斜視図、(B)は縦断正面図である。
【
図2】(A)はポンプ装置を省略した状態での分離斜視図、(B)は詰め替え容器と化粧ケースとの分離斜視図である。
【
図3】(A)は詰め替え容器と化粧ケースとの分離斜視図、(B)は肩カバーを中心にした部位の縦断面図である。
【
図4】(A)は肩カバーと化粧ケースとの分離斜視図、(B)は(A)の矢印Bの方向から見た図、(C)は化粧ケースと肩カバーとの対比図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(1).実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。レフィル装置は、
図1に示すように、上向きに開口した四角形の化粧ケース(外ケース)1とその内部に配置された詰め替え容器2、詰め替え容器2に装着されたポンプ装置3、ポンプ装置3を覆う四角形のオーバーキャップ4を備えている。
【0025】
詰め替え容器2は、ブロー成型で製造された容器本体(ボトル)5と、その肩部6に装着された四角形の肩カバー7とから成っている。容器本体5の肩部6からは雄ねじ付きの注出筒8が上向きに突出しており、ポンプ装置3は注出筒8にねじ込まれている。なお、詰め替え容器2の流通段階では、容器本体5の注出筒8はねじ蓋で塞がれている。
【0026】
ポンプ装置3は従来から知られているものであり、注出筒8にねじ込まれるキャップ9と、キャップ9に取り付けられたボス部10と、ボス部10に上下動自在に装着されたプッシュノズル11と、ボス部10から垂下したストロー12とを備えている。ポンプ装置3を使用せずに、内容物を容器本体5から直接吐出させることも可能である。
【0027】
図3(B)に明示するように、肩カバー7は、容器本体5の上端部に嵌まり込んでいると共に、容器本体5の肩部6を上から覆っており、その上面部の内周部に、容器本体5の肩部6に上から当接する下向きの内筒13を形成して、内筒13の内周に、容器本体5の注出筒8の下部に設けたフランジ14に下方から係合する内向き突起15を設けている。
【0028】
従って、肩カバー7は、自身の弾性変形を利用して内向き突起15をフランジ14の下方に潜り込ませている。従って、肩カバー7は、容器本体5に対して強制嵌合によって取り付けられている。内向き突起15は全周にわたって形成してもよいし、周方向に断続的に形成してもよい(例えば3等分した箇所に配置できる。)。
【0029】
図3(A)に示すように、容器本体5の肩部に一対の位置決め(回り止め)リブ16を設けている一方、肩カバー7の内筒13にはリブ16が嵌まる切欠き17を形成している。従って、容器本体5と肩カバー7とは相対回転不能に保持されている。このため、容器本体5を化粧ケースに取り付けて、肩カバー7を手で掴んだ状態で、ねじ蓋の取り外しやポンプ装置3の着脱を行える。
【0030】
図3に明示するように、肩カバー7の上端の外周部にはオーバーキャップ4が重なる段部18を形成しており、段部18の内周面に外向き環状溝19を形成し、オーバーキャップ4の下端内周には、外向き環状溝19に嵌合する内向き突部20を設けている。従って、オーバーキャップ4は自身の弾性変形により、肩カバー7に着脱される。また、
図1(A)に示すように、オーバーキャップ4と肩カバー7と化粧ケース1との外周面は同一面状に揃えられている。
【0031】
図2,3に示すように、肩カバー7の各コーナー部に、化粧ケース1の内部に入り込む下向きの足部21を設けて、各足部21に略放射方向に向いた係合ピン22を突設している。他方、化粧ケース1のコーナー部には、肩カバー7を化粧ケース1に重ね合わせることに伴って係合ピン22が上から嵌入する第1係合溝23と、第1係合溝23の下端に連通して周方向に延びる第2係合溝24とが形成されている。
【0032】
図2(B)や
図4(C)から理解できるように、肩カバー7の足部21はコーナーの対角線25の箇所に位置しており、かつ、外周面が化粧ケース1の内周面と嵌合するように設定されている。従って、詰め替え容器2はガタ付きのない状態で化粧ケース1に取り付けられる。
【0033】
そして、各足部21の係合ピン22は、対角線25から平面視で右に若干の寸法だけ寄せられており、従って、係合ピン22は各足部21の右端寄りに配置されている。他方、化粧ケース1の第1係合溝23は、対角線26に対して若干の寸法だけ左に寄せて形成されており、係合ピン22が第2係合溝24に入り込むと、肩カバー7の対角線25と化粧ケース1の対角線26とが平面視で一致する。
【0034】
図4(B)に明示するように、化粧ケース1の第2係合溝24には、請求項に記載した補助係合部の一例として、係合ピン22の外径よりも僅かに小さい上下幅のくびれ部27を設けている。
【0035】
例えば
図2に示すように、化粧ケース1の四辺内面には、コーナー部の内周面と同じ曲率半径の内周面を有する落とし込み段部28を形成している。落とし込み段部28は、肩カバー7の足部21が載って、係合ピン22が化粧ケース1の上端面に当接しない(近接する)深さに設定されている。他方、肩カバー7における足部21の外周面は、落とし込み段部28の内周面の略同じ曲率半径の円弧面に形成されている。
【0036】
(2).まとめ
以上のとおり、本実施形態では、詰め替え容器2を容器本体5と肩カバー7とで構成した場合において、肩カバー7を時計回り方向に回転操作して、肩カバー7の係合ピン22を化粧ケース1の係合溝23,24に嵌め込むことにより、化粧ケース1に対する詰め替え容器2の取り付けが行われる。取り外しは逆の操作によって行われる。このように、化粧ケース1に対する詰め替え容器2の着脱が肩カバー7の回転操作によって行われるため、詰め替え容器2の取り付け・取り外しを簡単かつ確実に行える。
【0037】
実施形態のように、化粧ケース1の第2係合溝24にくびれ部27を設けると、このくびれ部27により、係合ピン22が簡単に横移動することが阻止されて、肩カバー7の外れを防止できる。また、肩カバー7を化粧ケース1に重ねて回転させるにおいて、係合ピン22がくびれ部27を通過するときにカチッというクリック音が発生すると共に、人はクリック感を看取できるため、肩カバー7を正確に取り付けた状態を認識できる。
【0038】
なお、詰め替え容器2の着脱に際して、人は肩カバー7の外周をしっかりと掴んで大きな偶力(回転トルク)を発生させることができるため、係合ピン22とくびれ部27との間に適度の抵抗を保持させつつ、係合ピン22を、くびれ部27に軽快に通過させることができる。従って、操作性に優れている。第1係合溝23及び第2係合溝24は化粧ケース1の内部に隠れているため、美感の悪化は生じない。
【0039】
ポンプ装置3の取り付け・取り外しや、容器本体5の注出筒8に設けたねじ蓋の取り外しは詰め替え容器2を化粧ケース1に取り付けた状態で行えるため、これら容器本体5の着脱やねじ蓋の取り外しを安定した状態で行える。
【0040】
また、内容物を消費しきって化粧ケース1から詰め替え容器2を取り外した後、詰め替え容器2は、肩カバー7の一辺をテーブル等に載せて安定した姿勢に保持できる。従って、その後の廃棄処置も容易に行える。肩カバー7と容器本体5とを同一素材で製造しておくと、分別することなくリサイクルできて好適である。
【0041】
実施形態のように化粧ケース1に落とし込み段部28を形成すると、肩カバー7を、その足部21が落とし込み段部28に載った状態で一方方向に回転させると、肩カバー7と容器本体5とからなる詰め替え容器2は安定的に保持された状態で回転し、肩カバー7のコーナーが化粧ケース1のコーナー部に重なる状態に近くなると、係合ピン22が化粧ケース1の第1係合溝23に自動的に落ち込む。更に肩カバー7を回転させると、係合ピン22が第2係合溝24に嵌入して、肩カバー7は、正確に姿勢合わせされた状態で化粧ケース1に取り付けられる。
【0042】
従って、最初から肩カバー7を化粧ケース1に対して正確に姿勢合わせして装着しなくても、ラフな姿勢で化粧ケース1に載せてから回転するだけで、肩カバー7及び容器本体5から成る詰め替え容器2を化粧ケース1に対して自動的に正確に姿勢合わせできる。この点、本実施形態の大きな利点のひとつである。
【0043】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、化粧ケース、肩カバー、オーバーキャップは、円形や楕円形、三角形などの非四角形に形成することも可能である。楕円形に形成した場合は、係合部は長円部の端部に一対設けるのが合理的である。化粧ケースに係合ピンを設けて、肩カバーに係合溝を形成することも可能である。四角形の場合は、係合ピン及び係合溝は、1つの対角方向の2カ所のみに設けることも可能である。係合溝は4カ所に設けて、係合ピンは箇所に設けるといったたことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本願発明はレフィル装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 化粧ケース
2 詰め替え容器
3 ポンプ装置
4 オーバーキャップ
5 容器本体
6 肩部
7 肩カバー
8 注出筒
13 内筒
14 下フランジ
15 内向き突起
16 位置決めリブ
17 切欠き
21 肩カバー側係合手段を構成する足部
22 肩カバー側係合手段を構成する係合ピン
23 化粧ケース側係合手段を構成する第1係合溝
24 化粧ケース側係合手段を構成する第2係合溝
25,26 対角線
27 補助係合部の一例としてのくびれ部
28 落とし込み段部